JP2021154604A - カード用プリントメディア - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェット印字適性と昇華型熱転写印字適性を併せ持つカード用プリントメディアを提供する。【解決手段】支持体上に、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子と親水性バインダーを含有し固形分量が18g/m2以上25g/m2以下の多孔質層と、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体を含有し膜厚が1.0μm以下の最表層を有することを特徴とするカード用プリントメディア。【選択図】なし

Description

本発明は、カード用プリントメディアに関する。詳しくは、インクジェット印字適性と昇華型熱転写印字適性を有するカード用プリントメディアに関する。
近年、インクジェット記録の分野において、従来の上質紙のみならず、プラスチックフィルム、名刺やカード用の厚紙、プリペイドカードやクレジットカード等のプラスチック板等の各種記録媒体に対する記録の要求がある。カード用プリントメディアは、社員証、学生証、個人会員証などに使用される。カード面には個人の氏名、識別番号、生年月日などの個人情報が記録される場合があり、それらの個人情報が漏洩しないことが重要である。カード用プリンターの主な方式には、安価で印刷速度が速いインクジェット方式と画質に優れる昇華型熱転写方式がある。インクジェット方式は、画像様にインクを吐出して画像を形成する方式のため、印刷情報がプリンター側に残らない。一方、昇華型熱転写方式は、インクリボンを加熱して画像様にインクを転写させて画像を形成する方式のため、印刷情報がインクリボンに残ることから、情報漏洩の懸念がある。このような背景から、印刷する情報の内容、要求される印刷品質によって印刷方式を選択できる、つまり、インクジェット方式と昇華型熱転写方式の両方に対応したカード用プリントメディアが要望されている。
インクジェット記録メディアとして極微細な無機微粒子を使用し、フォトライクな光沢を有するインクジェット記録材料が知られている。具体的には二次粒子径を500nm以下まで粉砕・分散した気相法シリカや湿式法シリカ等の無機超微粒子を多孔質層の顔料成分として用いることが提案されており、特開平10−119423号公報、特開2000−211235号公報、特開2000−309157号公報等に気相法シリカの使用例が、特開平9−286165号公報、特開平10−181190号公報等に粉砕沈降法シリカの使用例が、特開2001−277712号公報に粉砕ゲル法シリカの使用例が開示されている。また、特開昭62−174183号公報、特開平2−276670号公報、特開平5−32037号公報、特開平6−199034号公報等にアルミナやアルミナ水和物を用いたインクジェット記録材料が開示されている。
特開2001−096905号公報(特許文献1)には、最表層に熱可塑性樹脂粒子を含む多孔質層を形成することで優れた光沢を有する画像が得られるインクジェット記録材料が記載されている。しかしながら、このインクジェット記録材料はインクジェットプリントでは高品位な画像が得られるものの、昇華型熱転写プリントでは印字濃度が低くなり、高品位な画像が得られない場合があった。
一方、特開2007−261236号公報(特許文献2)には、支持体上に平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子と樹脂バインダーを含有する多孔質の中間層を設け、かかる中間層上にポリエステル系樹脂を主成分とする最表層を有する熱転写記録材料が記載され、特開2018−111286号公報(特許文献3)には、支持体上に中間断熱層を形成し、その上に塩化ビニル系樹脂を含有する最表層を有する熱転写受像シートが記載されている。これらの熱転写記録材料は、昇華型熱転写プリントでは高い印字濃度を有する高品位な画像が得られるが、インクジェットプリントでは、インク吸収性が低いためにインクが溢れたり滲んだりして高品位な画像が得られない場合があった。
特開2001−096905号公報 特開2007−261236号公報 特開2018−111286号公報
本発明の目的は、高品位な画像が得られる、優れたインクジェット印字適性と昇華型熱転写印字適性を有するカード用プリントメディアを提供することである。
本発明の上記目的は、以下の発明によって基本的に達成される。
支持体上に、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子と親水性バインダーを含有し固形分量が18g/m以上25g/m以下の多孔質層と、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体を含有し膜厚が1.0μm以下の最表層を有することを特徴とするカード用プリントメディア。
本発明によれば、高品位な画像が得られる、優れたインクジェット印字適性と昇華型熱転写印字適性を有するカード用プリントメディアを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のカード用プリントメディアは、支持体上に、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子と親水性バインダーを含有し固形分量が18g/m以上25g/m以下の多孔質層と、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体を含有し膜厚が1.0μm以下の最表層を有することを特徴とする。
本発明の支持体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、セロファン、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のフィルム、ポリオレフィン樹脂被覆紙等が例示される。支持体の厚みは、約50〜300μm程度のものが好ましく使用される。
上記した支持体は多孔質層を設ける面上に天然高分子化合物や合成樹脂を主体とする下引き層を有してもよい。該下引き層としては、例えばゼラチンを主体とする下引き層が例示される。下引き層の塗布量としては特に制限はないが、固形分塗布量で0.005〜2.0g/mの範囲が好ましく、0.01〜1.0g/mの範囲がより好ましく、0.02〜0.5g/mの範囲が特に好ましい。
上記した支持体上に設けられる多孔質層は、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を含有する。多孔質層は、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を主体に含有することが好ましい。ここで無機微粒子を主体に含有するとは、多孔質層の全固形分に対して無機微粒子を50質量%以上含有することを意味し、好ましくは60〜96質量%である。多孔質層が含有する無機微粒子としては、親水性の無機微粒子が好ましく、例えば、非晶質合成シリカ、アルミナ、アルミナ水和物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン等公知の各種微粒子が挙げられるが、高い印字濃度、及び優れた画像鮮鋭性が得られる点で非晶質合成シリカ、アルミナまたはアルミナ水和物が好ましい。
非晶質合成シリカは、製造法によって湿式法シリカ、気相法シリカ、及びその他に大別することができる。湿式法シリカは、更に製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカはケイ酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の工程を経て製品化される。沈降法シリカとしては、例えば東ソー・シリカ(株)からニップシール(登録商標)として市販されている。ゲル法シリカはケイ酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造する。熟成中に微小粒子は溶解し、他の一次粒子同士を結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。例えば、東ソー・シリカ(株)からニップゲル(登録商標)として市販されている。ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、ケイ酸ソーダの酸等による複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られ、例えば日産化学(株)からスノーテックス(登録商標)として市販されている。
気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロジル(株)からAEROSIL(登録商標)、(株)トクヤマからレオロシール(登録商標)として市販されている。
本発明の多孔質層には、気相法シリカが好ましく使用できる。多孔質層が含有する気相法シリカの平均一次粒子径は30nm以下が好ましく、平均一次粒子径が3〜15nmでかつBET法による比表面積が200m/g以上のものがより好ましく、平均一次粒子径が3〜10nmでかつBET法による比表面積が250〜500m/gのものが特に好ましい。なお、本発明でいう平均一次粒子径とは、微粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子径としてその平均値を求めたものである。また本発明でいうBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、すなわち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて表面積が得られる
気相法シリカは、カチオン性化合物の存在下で分散したものが好ましく使用できる。本発明において気相法シリカの平均二次粒子径は500nm以下であり、より好ましくは10〜300nmである。平均二次粒子径が500nm以下の気相法シリカを得る方法としては、通常のプロペラ撹拌、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌等で気相法シリカと分散媒を予備混合し、次にボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜旋回型分散機等を使用して分散を行うことが好ましい。なお、本発明でいう平均二次粒子径とは、レーザー散乱式の粒度分布計(例えば(株)堀場製作所製LA920)を用いて、個数メジアン径として測定したものを指す。
本発明の多孔質層には、湿式法シリカも好ましく使用できる。本発明の多孔質層が含有する平均二次粒子径が500nm以下の湿式法シリカとしては、沈降法シリカあるいはゲル法シリカが好ましく、特に沈降法シリカが好ましい。本発明の多孔質層に用いられる湿式法シリカの平均一次粒子径は50nm以下であることが好ましく、より好ましくは3〜40nmである。湿式法シリカの平均二次粒子径は、20〜300nmであることがより好ましい。
湿式法シリカは、カチオン性化合物の存在下で分散・粉砕したものが好ましく使用できる。粉砕方法としては、水性媒体中に分散したシリカを機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用できる。本発明の多孔質層に用いられる湿式法シリカを粉砕する好ましい方法について説明する。まず、水を主体とする分散媒中にシリカ粒子とカチオン性化合物を混合し、のこぎり歯状ブレード型分散機、プロペラ羽根型分散機、またはローターステーター型分散機等の分散装置の少なくとも一つを用いてシリカ予備分散液を得る。必要であれば水分散媒中に適度の低沸点溶剤等を添加してもよい。シリカ予備分散液の固形分濃度は高い方が好ましいが、あまり高濃度になると分散不可能となるため、好ましい範囲としては15〜40質量%、より好ましくは20〜35質量%である。次に、シリカ予備分散液をより強い剪断力を持つ機械的手段にかけてシリカ粒子を粉砕することが好ましい。機械的手段としては公知の方法が採用でき、例えば、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機及び薄膜旋回型分散機等を使用することができる。
上記気相法シリカ及び湿式法シリカの分散あるいは粉砕に使用するカチオン性化合物としては、カチオン性ポリマーを好ましく使用できる。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、特開昭59−20696号公報、特開昭59−33176号公報、特開昭59−33177号公報、特開昭59−155088号公報、特開昭60−11389号公報、特開昭60−49990号公報、特開昭60−83882号公報、特開昭60−109894号公報、特開昭62−198493号公報、特開昭63−49478号公報、特開昭63−115780号公報、特開昭63−280681号公報、特開平1−40371号公報、特開平6−234268号公報、特開平7−125411号公報、特開平10−193776号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。特に、カチオン性ポリマーとしてジアリルアミン誘導体が好ましく用いられる。分散性及び分散液粘度の面で、これらのカチオン性ポリマーの質量平均分子量は2000〜10万程度が好ましく、特に2000〜3万程度が好ましい。
本発明の多孔質層が含有するアルミナとしては、酸化アルミニウムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδグループ結晶が好ましい。γ−アルミナは一次粒子を10nm程度まで小さくすることが可能であるが、通常は数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホモジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で粉砕したものが使用できる。アルミナの平均二次粒子径は500nm以下であり、20〜300nmであることがより好ましい。
本発明の多孔質層が含有するアルミナ水和物はAl・nHO(n=1〜3)の構成式で表される。本発明の多孔質層に使用されるアルミナ水和物はアルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得られる。本発明の多孔質層に使用されるアルミナ水和物の平均二次粒子径は500nm以下であり、20〜300nmであることがより好ましい。
上記したアルミナ、及びアルミナ水和物は、酢酸、乳酸、ぎ酸、硝酸等の公知の分散剤によって分散されたものが好ましく用いられる。
本発明の多孔質層には上記した平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子の中から2種以上の無機微粒子を併用することもできる。例えば、微粉砕した湿式法シリカと気相法シリカとの併用、微粉砕した湿式法シリカとアルミナあるいはアルミナ水和物との併用、気相法シリカとアルミナあるいはアルミナ水和物との併用等が挙げられる。
本発明の多孔質層は親水性バインダーを含有する。かかる親水性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、澱粉、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸エステル系やそれらの誘導体が使用されるが、中でも完全ケン化または部分ケン化のポリビニルアルコールが好ましく、特にケン化度が80%以上のものが特に好ましい。また、ポリビニルアルコールの平均重合度は500〜6000が好ましく、1000〜5000がより好ましい。
ポリビニルアルコールとしては、一般的なポリビニルアルコールに加え、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール及びその他ポリビニルアルコールの誘導体も含まれる。ポリビニルアルコールは1種単独でもよいし、2種以上を併用してもよい。
インク受容層における親水性バインダーの含有量は無機微粒子に対して5〜50質量%の範囲が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。
本発明の多孔質層は、上記した親水性バインダーに加えて架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤としては、親水性バインダーの架橋剤として公知のものが使用できるが、親水性バインダーとしてポリビニルアルコールを使用する場合には、ほう酸またはほう酸塩が特に好ましい。また、ポリビニルアルコールが活性の高い変性基を含有する場合には、変性基に応じて公知の架橋剤を使用してもよい。架橋剤の添加量は親水性バインダーに対して0.1〜40質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜30質量%である。
本発明の多孔質層の固形分量は、18g/m以上25g/m以下が好ましい。18g/m未満ではインクジェットプリントでインク吸収性が低くなりインクが溢れたり滲んだりして高品位な画像が得られない場合があり、25g/mを超えると多孔質層にひび割れが発生しやすくなり高品位な画像が得られない場合がある。
本発明のカード用プリントメディアは、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体を含有する最表層を有する。本発明の最表層の乾燥後の膜厚は1.0μm以下であり、特に0.1〜0.5μmの範囲とすることがより好ましい。これにより優れたインクジェット印字適性と昇華型熱転写印字適性の両方を得ることができる。
本発明の最表層が含有する塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体は、塩化ビニルモノマーと(メタ)アクリルモノマー((メタ)アクリル酸エステル)からなる共重合体であれば特に限定されるものではない。
(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルを表す。アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。メタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸プロピル等が挙げられる。
本発明において、多孔質層及び最表層の塗布方法は、1層ずつ塗布する逐次塗布方法(例えば、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、リバースコーター等)、あるいは多層同時重層塗布方法(例えば、スライドビードコーターやスライドカーテンコーター等)の何れの方法であっても、本発明の効果は得られる。中でも多層同時塗布方法が好ましく用いられる。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。なお、部及び%は、質量部及び質量%を示す。
(実施例1)
<ポリオレフィン樹脂被覆紙の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調成した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5%添加し、水で希釈して0.2%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/mになるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の基紙とした。抄造した基紙に、密度0.918g/cmの低密度ポリエチレンの樹脂に対して、10%のアナターゼ型二酸化チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、厚さ35μmになるように押出被覆し、微粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し表面とした。もう一方の面には密度0.962g/cmの高密度ポリエチレン樹脂70部と密度0.918g/cmの低密度ポリエチレン樹脂30部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ30μmになるように押出コーティングし、クーリングロールを用いて押出被覆し裏面とした。
上記のようにして得られたポリオレフィン樹脂被覆紙の表面に高周波コロナ放電処理を施した後、下記組成の下引き層をゼラチンが0.05g/mとなるように塗布乾燥して支持体を作製した。
<下引き層>
石灰処理ゼラチン 100部
スルフォコハク酸2−エチルヘキシルエステル塩 2部
クロム明ばん 10部
上記のようにして作製したポリオレフィン樹脂被覆紙の下引き層を設けた面に、下記組成の多孔質層塗布液1を、固形分量が23.0g/mになるようにスライドビードコーターで塗布し、10℃で20秒間冷却した後、30〜55℃の加熱空気を吹き付けて乾燥した。
<気相法シリカ分散液の作製>
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9000)4部と気相法シリカ(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m/g)100部を添加し予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザーにて30MPaの条件下で2回通過処理して、固形分濃度20%の気相法シリカ分散液を作製した。該気相法シリカの平均二次粒子径は135nmであった。
<多孔質層塗布液1>
気相法シリカ分散液 (気相法シリカの固形分として)100部
ほう酸 4部
ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) 23部
塗布液の固形分濃度は水で13.3%に調整した。
上記のようにして得られた多孔質層の上に、下記組成の最表層塗布液1をリバースグラビアコーターにて塗布し、50℃の熱風を順次吹き付けて乾燥し、膜厚0.4μmの最表層を形成して、実施例1のカード用プリントメディアを得た。
<最表層塗布液1>
水に塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(日信化学工業(株)製ビニブラン(登録商標)278)を添加し、700rpmで5分間プロペラ撹拌して、固形分濃度1.5%の最表層塗布液を作製した。
(実施例2)
実施例1において、最表層の乾燥後の膜厚が0.8μmになるように塗布した以外は実施例1と同様にして、実施例2のカード用プリントメディアを得た。
(実施例3)
実施例1において、最表層の乾燥後の膜厚が0.05μmになるように塗布した以外は実施例1と同様にして、実施例3のカード用プリントメディアを得た。
(実施例4)
実施例1において、最表層塗布液1を下記最表層塗布液2に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例4のカード用プリントメディアを得た。
<最表層塗布液2>
水に塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(日信化学工業(株)製ビニブラン(登録商標)690)を添加し、700rpmで5分間プロペラ撹拌して、固形分濃度1.5%の最表層塗布液を作製した。
(実施例5)
実施例1において、最表層塗布液1を下記最表層塗布液3に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例5のカード用プリントメディアを得た。
<最表層塗布液3>
水に塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体(日信化学工業(株)製ビニブラン(登録商標)900)を添加し、700rpmで5分間プロペラ撹拌して、固形分濃度1.5%の最表層塗布液を作製した。
(実施例6)
実施例1において、多孔質層の固形分量が18.0g/mになるように塗布した以外は実施例1と同様にして、実施例6のカード用プリントメディアを得た。
(実施例7)
実施例1において、多孔質塗布液1を下記多孔質塗布液2に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例7のカード用プリントメディアを得た。
<アルミナ分散液>
水に酢酸(10%水溶液)2部とγ−アルミナ粉体(平均一次粒子径16nm、比表面積185m/g)100部を添加し予備分散液を作製した後、ホモジナイザーで処理して、固形分濃度20%のアルミナ分散液を得た。該γ−アルミナの平均二次粒子径は168nmであった。
<多孔質層塗布液2>
アルミナ分散液 (アルミナの固形分として)100部
ほう酸 0.5部
ポリビニルアルコール 8部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
プロピレングリコール 4部
界面活性剤 0.3部
(ベタイン系;日本サーファクタント工業(株)製BT9)
塗布液の固形分濃度は水で19.0%に調整した。
(比較例1)
実施例1において、最表層の塗布を行わなかった以外は実施例1と同様にして比較例1のカード用プリントメディアを得た。
(比較例2)
実施例1において、最表層の乾燥後の膜厚を1.2μmに変更した以外は実施例1と同様にして、比較例2のカード用プリントメディアを得た。
(比較例3)
実施例1において、最表層塗布液1を下記最表層塗布液4に変更した以外は実施例1と同様にして、比較例3のカード用プリントメディアを得た。
<最表層塗布液4>
水にアクリルウレタンエマルジョン(大成ファインケミカル(株)製WEM−041U)を添加し、700rpmで5分間プロペラ撹拌して、固形分濃度1.5%の最表層塗布液を作製した。
(比較例4)
実施例1において、多孔質塗布液1を下記多孔質塗布液3に変更した以外は、実施例1と同様にして比較例4のカード用プリントメディアを得た。
<中空粒子分散液>
水に中空粒子(ロームアンドハース製ローペイク(登録商標)HP−1055、スチレン−アクリル樹脂の中空粒子、中空体積比率55%、平均粒径1μm)100部と、ポリビニルアルコール(三菱ケミカル(株)製KM−11)19部を添加し、分散装置(プライミクス(株)製、ハイビスディスパーミックス)により60分撹拌を行い、固形分濃度20%の中空粒子分散液を得た。
<多孔質層塗布液3>
中空粒子分散液 (中空粒子の固形分として)100部
ほう酸 4部
ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) 23部
塗布液の固形分濃度は水で13.9%に調整した。
(比較例5)
実施例1において、多孔質層の固形分量が15.0g/mになるように塗布した以外は実施例1と同様にして、比較例5のカード用プリントメディアを得た。
(比較例6)
実施例1において、多孔質層の固形分量が30.0g/mになるように塗布した以外は実施例1と同様にして、比較例6のカード用プリントメディアを得たが、多孔質層にひび割れが観察された。
上記のようにして作製したカード用プリントメディアについて下記の評価を行った。ただし、比較例6についてはひび割れが観察されたため、下記の評価は実施しなかった。
<インクジェット印字適性評価>
業務用インクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製SL−D700)を用いて黒インクでベタ画像をプリントし、ベタ画像の光学濃度をポータブル分光光度計(GretagSpectrolino製i1−Pro)で測定し、下記の基準に従い評価した。結果を表1に示す。
○:黒の印字濃度が2.20以上
△:黒の印字濃度が2.00以上2.20未満
×:黒の印字濃度が2.00未満
<昇華型熱転写印字適性評価>
昇華型熱転写式プリンター(大日本印刷(株)製DP−DS620)を用いてC、M、Y、Kのベタ画像をプリントし、各色ベタ画像の光学濃度をポータブル分光光度計(GretagSpectrolino製i1−Pro)で測定し、各色の光学濃度の合計値によって、下記の基準に従い評価した。結果を表1に示す
○:各色の光学濃度の合計値が7.5以上
△:各色の光学濃度の合計値が6.5以上7.5未満
×:各色の光学濃度の合計値が6.5未満
Figure 2021154604
表1から明らかなように、本発明により、優れたインクジェット印字適性と昇華型熱転写印字適性を有し、両方式で高品位な画像が得られるカード用プリントメディアを提供することができる。

Claims (1)

  1. 支持体上に、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子と親水性バインダーを含有し固形分量が18g/m以上25g/m以下の多孔質層と、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体を含有し膜厚が1.0μm以下の最表層を有することを特徴とするカード用プリントメディア。
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