JP2021147288A - 熱可塑性フィルム、及び合わせガラス - Google Patents

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Abstract

【課題】一方の面から入射される太陽光などの外光による不所望の発光を抑制し、かつ他方の面から照射される励起光によって十分に発光できる熱可塑性フィルムを提供する。【解決手段】熱可塑性フィルム10は、吸収剤含有層11、バリア層13、及び発光層12をこの順に備える。吸収剤含有層11は、熱可塑性樹脂、可視光吸収剤、及び300nm以上360nm未満に極大吸収波長を有する紫外線吸収剤を含有し、発光層12は熱可塑性樹脂を含有する。吸収剤含有層11における熱可塑性樹脂100質量部に対する上記紫外線吸収剤の含有量(1)が、発光層12における含有量(2)よりも多い。熱可塑性フィルム10より合わせガラスを作製し、吸収剤含有層側に、疑似太陽光を照射した時の輝度をA、発光層側に照射した時の輝度をBとし、((B−A)/B×100)で表される輝度抑制率が50%以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、熱可塑性フィルム、及び熱可塑性フィルムを備える合わせガラスに関する。
従来、2枚のガラス板の間に、樹脂成分を含む熱可塑性フィルムを介在させ一体化させた合わせガラスが広く知られている。熱可塑性フィルムは、ポリビニルアセタール樹脂に可塑剤が配合された可塑化ポリビニルアセタールより形成されることが多い。合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損してもガラスの破片が飛散することが少なく安全であるため、自動車等の車両、航空機、建築物等の窓ガラスとして広く使用されている。
自動車などのフロントガラスには、フロントガラスと同じ視野内に、運転に必要な情報等を表示させるヘッドアップディスプレイ(HUD)が適用されることがある。HUDとしては、インストルメントパネルなどに設けられたプロジェクタからの光を、合わせガラスからなるフロントガラスで反射させることにより、運転者に視認させるものが広く知られている。
また、合わせガラスにおいては、例えば特許文献1に開示されるように、2枚のガラスの間に配置される熱可塑性フィルムが、バインダー樹脂と、発光材料とを含有する発光シートを有することが知られている(例えば、特許文献1参照)。発光シートに使用される発光材料としては、励起光が照射されることで発光する蛍光材料が使用されることがある。このような発光シートを備える合わせガラスは、励起光を照射することで、車内もしくは車外に各種情報を表示させることが検討されている。
発光材料は、一般的に太陽光に含まれる紫外線により劣化することが知られている。そのため、特許文献1では、発光シートに紫外線吸収剤を配合させたり、発光シートとは別の樹脂層を設けて、その樹脂層に紫外線吸収剤を配合させたりすることが開示されている。
特開2014−24312号公報
ところで、太陽光には発光材料を励起させる励起光を含むことが一般的である。そのため、蛍光材料を含む発光シートは、太陽光などの外光が照射されることで所望しない発光が生じることがある。そのような不所望の発光が生じないようにするために、合わせガラスの発光シートを励起するための励起光波長の透過率を低くすることなども考えられるが、励起光波長の透過率を単に低くするだけでは、発光材料が十分に発光しないなどの不具合が生じる。
そこで、本発明は、一方の面から入射される太陽光などの外光による不所望の発光を抑制し、かつ他方の面から照射される励起光によって十分に発光できる熱可塑性フィルム、及びこれを備える合わせガラスを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、吸収剤含有層、バリア層、及び発光層をこの順に備える熱可塑性フィルムにおいて、吸収剤含有層に可視光吸収剤及び特定の吸収極大波長を有する紫外線吸収剤を含有させ、かつその含有量を発光層より多くするとともに、輝度抑制率を高くすることで上記課題を解決できることを見出し、以下の本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[9]である。
[1]吸収剤含有層、バリア層、及び発光層をこの順に備える熱可塑性フィルムであって、
前記吸収剤含有層が、熱可塑性樹脂と、可視光吸収剤と、300nm以上360nm未満に極大吸収波長を有する紫外線吸収剤とを含有し、
前記発光層が熱可塑性樹脂を含有し、
前記吸収剤含有層における熱可塑性樹脂100質量部に対する300nm以上360nm未満に極大吸収波長を有する紫外線吸収剤の含有量(1)が、前記発光層における熱可塑性樹脂100質量部に対する300nm以上360nm未満に極大吸収波長を有する紫外線吸収剤の含有量(2)よりも多く、
JIS R 3211(1998)に準拠した厚さ2.5mmの2枚のクリアガラスを、前記熱可塑性フィルムを介して接着させて合わせガラスを得て、前記合わせガラスの吸収剤含有層側の一方の面に対して、ソーラーシミュレーターから疑似太陽光を照射した時の前記一方の面における輝度をAとし、前記合わせガラスの発光層側の他方の面に対して前記疑似太陽光を照射した時の前記他方の面における輝度をBとすると、((B−A)/B×100)で表される輝度抑制率が50%以上である、熱可塑性フィルム。
[2]JIS R 3211(1998)に準拠した厚さ2.5mmの2枚のクリアガラスを、前記熱可塑性フィルムを介して接着させて合わせガラスを得て、その合わせガラスの黄色度が10以下である、上記[1]記載の熱可塑性フィルム。
[3]前記可視光吸収剤が、染料及び顔料から選択される少なくとも1種を含む、上記[1]又は[2]記載の熱可塑性フィルム。
[4]前記染料又は前記顔料が、ペリレン顔料、黒色顔料、フタロシアニン顔料、アントラキノン顔料、及びアントラキノン染料からなる群から選択される少なくとも1種を含む、上記[3]記載の熱可塑性フィルム。
[5]前記含有量(2)に対する、前記含有量(1)の比が、1.5以上である、上記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の熱可塑性フィルム。
[6]前記発光層が、発光材料を含む上記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の熱可塑性フィルム。
[7]合わせガラス用中間膜である、上記[1]〜[6]のいずれか1項に記載の熱可塑性フィルム。
[8]第1のガラス板と、第2のガラス板と、前記第1のガラス板と第2のガラス板との間に配置される熱可塑性フィルムとを備える合わせガラスであって、
前記熱可塑性フィルムが、吸収剤含有層、バリア層、及び発光層をこの順に備え、
前記吸収剤含有層が第1のガラス板側に、前記発光層が第2のガラス板側に配置され、
前記吸収剤含有層が、熱可塑性樹脂と、可視光吸収剤と、300nm以上360nm未満に極大吸収波長を有する紫外線吸収剤とを含有し、
前記発光層が熱可塑性樹脂を含有し、
前記吸収剤含有層における熱可塑性樹脂100質量部に対する300nm以上360nm未満に極大吸収波長を有する紫外線吸収剤の含有量(1)が、前記発光層における熱可塑性樹脂100質量部に対する300nm以上360nm未満に極大吸収波長を有する紫外線吸収剤の含有量(2)よりも多く、
前記合わせガラスの前記第1のガラス板側の表面に対して、ソーラーシミュレーターから疑似太陽光を照射した時の前記第1のガラス板側の表面の輝度をAとし、前記合わせガラスの前記第2のガラス板側の表面に対して、前記疑似太陽光を照射した時の前記第2のガラス板側の輝度をBとすると、((B−A)/B×100)で表される輝度抑制率が50%以上である、合わせガラス。
[9]上記[8]に記載の合わせガラスと、光源とを備える画像表示システム。
本発明では、一方の面から入射される太陽光などの外光による不所望の発光を抑制し、かつ他方の面から照射される励起光によって十分に発光できる熱可塑性フィルム、及び合わせガラスを提供する。
本発明の一実施形態に係る熱可塑性フィルム模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る合わせガラスを示す断面図である。
[熱可塑性フィルム]
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の熱可塑性フィルムは、例えば図1に示すように、熱可塑性樹脂を含む吸収剤含有層11、バリア層13、及び熱可塑性樹脂を含む発光層12をこの順に備える熱可塑性フィルムである。熱可塑性フィルム10は、例えば窓ガラス、好ましくは自動車用窓ガラスに使用されるが、熱可塑性フィルム10の発光層12側が屋内側(自動車では車内側)に、吸収剤含有層11側が屋外側(自動車では車外側)に配置されるとよい。熱可塑性フィルム10には、励起光源からの励起光が照射されて発光層12を発光させるが、励起光源からの励起光は、例えば、屋内側、すなわち、熱可塑性フィルム10の発光層12側から入射されるとよい。
(輝度抑制率)
本発明の熱可塑性フィルムは、輝度抑制率が50%以上となるものである。熱可塑性フィルムの輝度抑制率は、以下に示す方法により測定される。まず、2枚の基準ガラスを、熱可塑性フィルムを介して接着させて合わせガラスを作製し、その両面それぞれにソーラーシミュレーターから疑似太陽光を照射し、疑似太陽光が照射された各面において輝度値を測定する。そして、合わせガラスの吸収剤含有層11側の面(以下、「一方の面」ともいう)に対して疑似太陽光を照射した時の一方の面における輝度をAとし、合わせガラスの発光層12側の面(以下、「他方の面」ともいう)に対して疑似太陽光を照射した時の他方の面における輝度をBとすると、輝度抑制率は以下の式で算出される。
輝度抑制率=(B−A)/B×100
なお、基準ガラスとしては、JIS R 3211(1998)に準拠した厚さ2.5mmのクリアガラスが使用され、具体的には可視光透過率90.4%のものを用いる。基準ガラスとして透過率が高いガラスを使用することで、上記方法で測定される輝度抑制率、及び後述する方法で測定される可視光透過率Tv、輝度差(X−Y)、黄色度が熱可塑性フィルムの性能を示す指標として用いることができる。
上記のように測定される輝度抑制率は、吸収剤含有層11側に太陽光を照射した場合の発光層12の発光が、発光層12側に太陽光を照射した場合に比べて、どの程度抑制されるかを示す指標である。輝度抑制率が50%以上であると、太陽光などの外光が吸収剤含有層11側に照射されても、不所望の発光を防止できる一方で、発光層12側に光を照射した時には輝度がそれほど抑制されないことから、発光層12側に励起光源からの励起光が照射されると、発光層12による発光が十分に生じ、高いコントラストの発光表示が可能になる。
一方で、輝度抑制率が50%未満となると、太陽光などの外光が吸収剤含有層11側に照射された場合に不所望の発光が抑制できなかったり、励起光源からの励起光が発光層12側に照射されても、発光層12による発光が不十分となったりする。
熱可塑性フィルムの輝度抑制率は、太陽光などの外光による不所望の発光を確実に抑制し、かつ励起光によって発光層を十分に発光させる観点から、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上である。
熱可塑性フィルムの輝度抑制率は、95%以下が好ましく、90%以下がより好ましく、87%以下がさらに好ましく、82%以下がよりさらに好ましい。輝度抑制率は、外光による不所望の発光を抑制する観点、及び励起光によって発光層を十分に発光させる観点からは、高ければ高いほうがよいが、輝度抑制率を上記上限値以下とすると、例えば、熱可塑性フィルムの透過率を高めやすくなる。そのため、発光層による発光は、発光層12側の面のみならず、吸収剤含有層11側の面からも外部に向けて照射されやすくなり、熱可塑性フィルムのいずれの面でも適切な発光表示が可能となる。したがって、例えば自動車の窓ガラスに適用すると、車内及び車外のいずれに対しても、情報表示することが可能になる。また、熱可塑性フィルムの透過率を高めると、熱可塑性フィルムの透明性が確保されやすくなり、例えば自動車のフロントガラスなどに好適に使用できる。
(励起光を照射したときの輝度差)
本発明の熱可塑性フィルム10は、2枚の基準ガラスを本発明の熱可塑性フィルムを介して接着させて得た合わせガラスに対して、上記した他方の面から、発光層に含まれる発光材料が励起可能な励起光を照射したしたときの、他方の面における輝度Xと、一方の面における輝度Yとの差(X−Y)が、95cd/m以下となることが好ましい。このように、他方の面(発光層12側の面)から励起光を照射したときの合わせガラスの他方の面(発光層12側の面)と、一方の面(吸収剤含有層11側の面)での輝度の差を小さくすると、発光層の発光による情報を、熱可塑性フィルムのいずれからの面からも表示させやすくなる。そのため、本発明の熱可塑性フィルムを例えば自動車の窓ガラスに適用すると、車内及び車外のいずれに対しても、高いコントラストで情報表示することが可能にある。
車内及び車外のいずれに対しても、高いコントラストで情報表示しやすくする観点から、輝度Xと、輝度Yとの差(X−Y)は、80cd/m以下がさらに好ましい。また、輝度Xと、輝度Yとの差(X−Y)は、熱可塑性フィルムのいずれの面においても高いコントラストで情報表示させやすくする観点から、低ければ低い方がよいが、輝度抑制率を一定値以上とする観点からは、ある程度の差の大きさであってもよい。具体的には、輝度Xと、輝度Yとの差(X−Y)は、0.1cd/m以上が好ましく、1cd/m以上がより好ましく、3cd/m以上がさらに好ましい。
なお、上記した輝度差(X−Y)及び輝度抑制率は、詳しくは実施例で記載の方法で測定できる。
(可視光透過率)
また、本発明では、上記のように熱可塑性フィルムと基準ガラスから作製した合わせガラスを測定した場合の可視光透過率Tvは、70%以上が好ましい。熱可塑性フィルムは、可視光透過率Tvが70%以上であると、一定の透明性を担保することができ、例えば、自動車のフロントガラスなどに使用することができる。透明性を確保して、フロントガラスなどの窓ガラスに好適に使用できるようにするために、上記可視光透過率Tvは、75%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましい。
可視光透過率Tvは、熱可塑性フィルムの透明性の観点から、高ければ高いほどよいが、実用的には99%以下、また、輝度抑制率を高くしやすい観点から、好ましくは97%以下である。
なお、可視光透過率は、分光光度計(日立ハイテク社製「U−4100」)を用いて、JIS R3211(1998)に準拠して、合わせガラスの波長380〜780nmにおける透過率を測定することで求めることができる。
(黄色度)
熱可塑性フィルムは、熱可塑性フィルムと基準ガラスから作製した合わせガラスを測定した場合の黄色度は、特に限定されないが、例えば12以下、好ましくは10以下である。黄色度を低く10以下とすると、熱可塑性フィルムに黄色の色味がつきにくくなり、外観が良好となる。また、上記黄色度は、9以下がより好ましく、さらに好ましくは7以下である。
なお、黄色度は、イエローインデックス(YI)とも呼ばれ、分光光度計を用いて、JIS K7105に準拠して測定される。
以下、各層の構成について詳細に説明する。
[吸収剤含有層]
本発明では、吸収剤含有層は、熱可塑性樹脂と、可視光吸収剤と、300nm以上360nm未満に極大吸収波長を有する紫外線吸収剤とを含有する。なお、以下では、300nm以上360nm未満に極大吸収波長を有する紫外線吸収剤を紫外線吸収剤(A)ともいう。
また、吸収剤含有層における熱可塑性樹脂100質量部に対する紫外線吸収剤(A)の含有量(以下、「含有量(1)」ともいう)は、発光層における熱可塑性樹脂100質量部に対する紫外線吸収剤(A)の含有量(以下、「含有量(2)」ともいう)よりも多い。
本発明では、吸収剤含有層が可視光吸収剤及び紫外線吸収剤(A)を有し、かつ紫外線吸収剤(A)の含有量(1)を上記のように多くすることで、太陽光などに含まれる、発光層を励起可能な励起光を適度に遮蔽できる。そのため、熱可塑性フィルムの輝度抑制率及び後述する合わせガラスの輝度抑制率を所定の範囲内に調整しやすくなり、吸収剤含有層側から太陽光などの外光が入射されても、発光層の発光を抑制できる。それにより、吸収剤含有層側から入射される太陽光などの外光による不所望の発光を抑制できる。
また、吸収剤含有層は、発光層から発光した可視光線の少なくとも一部を吸収するとよい。このように吸収剤含有層が、発光層からの発光を吸収すると、吸収剤含有層側からの外光によって不所望の発光が生じても、その発光が、吸収剤含有層側から外部に放出されることが吸収剤含有層により抑制され、それにより、熱可塑性フィルムの輝度抑制率及び後述する合わせガラスの輝度抑制率が向上する。
また、吸収剤含有層は、後述する発光層の発光材料の最大発光波長における光透過率を光透過率(1)とし、発光層の発光材料の最大発光波長における光透過率を光透過率(2)とすると、(2)−(1)で表される光透過率差が5%以上であることが好ましい。光透過率差が5%以上であると、外光による不所望の発光が吸収剤含有層側から外部に放出されることを効果的に抑制して、輝度抑制率を効果的に向上させる。上記光透過率差は、輝度抑制率をより効果的に向上させる観点から、7%以上であることが好ましく、10%以上であることがさらに好ましい。また、上記光透過率の差は、80%以下が好ましく、75%以下がより好ましく、70%以下がさらに好ましい。
なお、光透過率差の算出にあたっては、まず、吸収剤含有層及び発光層のそれぞれを2枚のクリアガラスを用いて合わせガラスとし、それぞれの合わせガラスに対して、分光光度計(日立ハイテク社製「U−4100」)を用い、JIS R3211(1998)に準拠して、透過率を測定して求めた。そして後述する方法で測定した最大発光波長の透過率を比較し、発光層の透過率(2)―吸収剤含有層(1)を計算することで求めた。クリアガラスとしては、基準ガラスを使用するとよい。また、発光材料が2種以上ある場合には、最大発光波長における発光強度が高い発光材料の最大発光波長を採用するとよい。
(可視光吸収剤)
本発明で使用できる可視光吸収剤は、可視光領域(360nm以上780nm以下)の光を吸収する化合物であればよく、例えば、360nm以上780nm以下の極大吸収波長を有する化合物であればよい。可視光吸収剤は、特に制限されず、発光層に含有される発光材料の励起波長、発光材料の発光波長、使用目的などに応じて適宜選択すればよい。
〔染料及び顔料〕
可視光吸収剤は、染料及び顔料から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。染料または顔料の少なくとも1種を使用することで、発光層からの発光を効果的に吸収して輝度抑制率を高くしつつ、熱可塑性フィルム自体の色味も良好にできる。
染料及び顔料としては、特に限定されないが、例えば、アンスラキノン染料、キノリン染料、イソキノリン染料、モノアゾ染料、ジスアゾ染料、キノフタロン染料、ペリレン染料、トリフェニルメタン染料、メチン染料、ナフタロシアニン染料、アントラシアニン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、アントラキノン顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料などが挙げられる。
これらのなかでは、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、アントラキノン顔料、アントラキノン染料が好ましく、中でも赤色顔料又は赤色染料が好ましく、より好ましくはペリレン顔料、アントラキノン染料である。赤色顔料として使用されるペリレン顔料としては、ピグメントレッド149、アントラキノン顔料としては、ソルベントレッド146などが使用される。
また、顔料としては、チタンブラック、カーボンブラック、アニリンブラックなどの黒色顔料などを用いることができ、中でもカーボンブラックが好ましい。
黒色及び白色以外の顔料及び染料を使用する場合には、発光層が発光する色と捕色の関係にある色、又はその補色関係にある色と近似する色の顔料及び染料を使用するとよい。例えば、発光層の発光色が緑色であれば、赤色又は紫色の顔料又は染料を使用すればよい。また、例えば、発光層の発光色が青色であれば、黄色、橙色又は赤色の顔料又は染料を使用すればよい。また、例えば発光色が紫色ならば黄色又は緑色の顔料又は染料を使用すればよい。補色関係又はそれに近似する色の顔料及び染料を使用することで発光層からの発光をより吸収しやすくなる。
黒色顔料は、黒色顔料以外の可視光吸収剤と併用することが好ましい。黒色顔料は、広範囲の波長域にわたって、可視光を吸収できる。一方で、黒色顔料以外の可視光吸収剤は、特定の波長の光を高い吸収率で吸収できる。そのため、例えば、黒色顔料以外の可視光吸収剤により、発光層を励起可能な励起光や、発光層から発せられた光を選択的に吸収しつつ、黒色顔料により広範囲の波長域にわたって光を吸収することで、輝度抑制率を効果的に高めることができる。また、黒色顔料により着色することで、発光層に黄色味が付きにくくなり、熱可塑性フィルムの黄色度を小さくしやすくなる。
黒色顔料と併用する黒色顔料以外の可視光吸収剤としては、上記観点から、染料及び顔料から選択される少なくとも1種が好ましい。
なお、本明細書において、各化合物の極大吸収波長及び最大吸収波長は以下の方法によって測定できる。クロロホルム100質量部に対して、測定する化合物0.0002〜0.002質量部を混合し、クロロホルム溶液を得る。得られるクロロホルム溶液を光路長1.0cmの分光光度計用石英セルへ入れる。自記分光光度計(日立製作所社製「U4100」)を用いて、300〜2500nmの透過率を測定し、極大吸収波長ピークを求め、その極大吸収波長ピークがある波長を極大吸収波長とする。なお、極大吸収波長は、透過率が極小値を示す波長であって、複数存在する場合があるが、その場合、最大吸収波長とは該極小値が最小である波長のことを指す。また、極大吸収波長が1つである場合には、その1つの極大吸収波長が最大吸収波長となる。
可視光吸収剤は、好ましくは430nmより大きく780nm以下、より好ましくは450nm以上750nm以下の極大吸収波長を有する可視光吸収剤を含むとよく、これら範囲内の極大吸収波長が最大吸収波長となることがさらに好ましい。これら範囲内の極大吸収波長を有する可視光吸収剤を使用すると、太陽光などの外光により発光層における不所望の発光が生じても、発光層の発光を吸収しやすくなり、輝度抑制率が高くなりやすい。また、熱可塑性フィルムに黄色味が付いたりすることが防止され、黄色度が低くなりやすい。
なお、可視光吸収剤は、上記の通り黒色顔料を使用することも好ましいが、黒色顔料は、可視光領域の広い範囲にわたって高い吸収率を示すものであり、極大吸収波長が上記範囲外となり、また、極大吸収波長が明確に検出できない場合でも好適に使用できる。
また、可視光吸収剤は、上記したものを適宜1種以上選択して使用すればよいが、染料及び顔料から選択される1種又は2種以上からなることがより好ましい。
吸収剤含有層における可視光吸収剤の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.0001質量部以上が好ましい。可視光吸収剤の含有量を上記下限値以上とすることで、発光層を励起可能な励起光、及び発光層により発せられた光の少なくとも一部を吸収して、輝度抑制率を高めやすくなる。輝度抑制率をより一層向上させる観点から、上記可視光吸収剤の含有量は、0.0004質量部以上がより好ましく、0.001質量部以上がさらに好ましく、0.0014質量部以上がよりさらに好ましい。
また、吸収剤含有層における可視光吸収剤の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.1質量部以下が好ましい。可視光吸収剤の含有量を上記上限値以下とすることで、吸収剤含有層により可視光透過率を低下させることを防止できる。また、上記した輝度差(X−Y)も小さくしやくなる。これら観点から、上記可視光吸収剤の含有量は、0.05質量部以下がより好ましく、0.01質量部以下がさらに好ましく、0.005質量部以下がよりさらに好ましい。
吸収剤含有層において、黒色顔料と、黒色顔料以外の可視光吸収剤とを併用する場合には、黒色顔料以外の可視光吸収剤の黒色顔料に対する含有量の質量比(黒色顔料以外の可視光吸収剤/黒色顔料)は、例えば1/20以上5以下であるが、黒色顔料は、黒色顔料以外の可視光吸収剤よりも多いことが好ましい。具体的には上記質量比は、好ましくは1/10以上1未満、より好ましくは1/5以上3/4以下である。黒色顔料の含有量を多くすることで、可視光透過率を高く維持しつつ、輝度抑制率を高くし、また、熱可塑性フィルムの黄色度を効果的に改善できる。
(紫外線吸収剤(A))
吸収剤含有層は、上記の通り紫外線吸収剤(A)を含有する。吸収剤含有層は、可視光吸収剤に加えて、紫外線吸収剤(A)を含有することで、上記のとおり、輝度抑制率を高くできる。また、吸収剤含有層が紫外線吸収剤(A)を含有することで熱可塑性フィルムが太陽光などにより光劣化することも防止できる。さらには、熱可塑性フィルムが例えば窓ガラスに使用される場合には、窓ガラスを介して紫外線が屋内側(車内側)に透過することも防止できる。
紫外線吸収剤(A)は、上記の通り、300nm以上360nm未満に極大吸収波長を有するが、好ましくは330nm以上360nm未満、より好ましくは340nm以上358nm以下の波長領域に極大吸収波長を有する。さらにこれら極大吸収波長は、最大吸収波長であるとよい。極大吸収波長、特に最大吸収波長が上記範囲内であると、紫外線、及び発光層を励起可能な励起光などを選択的に吸収しやすくなる。そのため、可視光透過率を大きく低下させることなく、また、上記した輝度差(X−Y)を小さく維持したまま、輝度抑制率を向上させることも可能になる。さらには、熱可塑フィルムの光劣化、室内側への紫外線の入射も効率的に防止できる。
また、紫外線吸収剤(A)としては、例えば、マロン酸エステル骨格を有する化合物、シュウ酸アニリド骨格を有する化合物、ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物、ベンゾフェノン骨格を有する化合物、トリアジン骨格を有する化合物、ベンゾエート骨格を有する化合物、ヒンダードアミン骨格を有する化合物等を使用できる。これらのなかでは、ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物(ベンゾトリアゾール系化合物)が好ましい。
紫外線吸収剤(A)は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ベンゾトリアゾール系化合物の好ましい具体例としては、以下の一般式(11)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2021147288

(式(11)において、R21は、水素原子、炭素数が1〜8のアルキル基、又は炭素数4〜20のアルコキシカルボニルアルキル基を表し、R22は、水素原子、又は炭素数が1〜8のアルキル基を表す。Xはハロゲン原子又は水素原子である。Y及びY2はそれぞれ独立に水酸基又は水素原子であり、Y及びY2の少なくともいずれか1つが水酸基である。)
式(11)において、R21、R22のアルキル基は、直鎖構造を有するものであってもよく、分岐構造を有するものであってもよい。アルコキシカルボニルアルキル基は、直鎖構造を有するものであってもよく、分岐構造を有するものであってもよい。R21、R22として、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基が挙げられる。R21は、これらに加えて、メトキシカルボニルプロピル基、オクチルオキシカルボニルプロピル基等が挙げられる。なかでも、R21は、水素原子又はアルキル基、特に、水素原子、メチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、オクチル基であることが好ましい。R21とR22とは同一であってもよく、異なっていてもよい。
Xのハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、塩素原子が好ましい。
及びY2はいずれか一方のみが水酸基でもよいし、両方が水酸基でもよい。また、Y2が少なくとも水酸基であることが好ましい。
また、式(11)で示される化合物の具体例としては、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、3−[3−tert−ブチル−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオン酸オクチル、3−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニルプロピオン酸メチル、2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
吸収剤含有層における紫外線吸収剤(A)の含有量(1)は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、例えば0.1質量以上、好ましくは0.2質量以上、より好ましくは0.4質量部以上、さらに好ましくは0.6質量部以上である。紫外線吸収剤の含有量をこれら下限値以上とすることで、太陽光に含まれる紫外線や発光層を励起する励起光などが発光層に入射することを防止しやすくなる。そのため、吸収剤含有層及び発光層が太陽光などの外光により劣化しにくくなり、室内側への紫外線の入射も低くできる。さらに、輝度抑制率を高くしやすくなる。
また、吸収剤含有層における紫外線吸収剤の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、好ましくは3.0質量部以下、より好ましくは2.0質量部以下、さらに好ましくは1.5質量部以下、よりさらに好ましくは1.2質量部以下である。これら上限値以下とすることで、紫外線吸収剤により、吸収剤含有層に色目がついたりすること防止できる。また、紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂に適切に分散ないし溶解でき、含有量に見合った効果を発揮しやすくなる。
吸収剤含有層における紫外線吸収剤(A)の含有量(1)は、上記の通り、発光層における熱可塑性樹脂100質量部に対する紫外線吸収剤(A)の含有量(2)よりも多くなるが、含有量(2)に対する含有量(1)の含有量比(質量比)は、1.5以上であることが好ましく、2.5以上であることがより好ましく、4以上であることがさらに好ましい。含有量比を大きくすることで、吸収剤含有層側から入射される、発光層を励起可能な励起光を適切に吸収して発光層の発光を抑制しつつ、発光層側から入射される、励起光はそれほど吸収されずに発光も抑制されないので、それにより、輝度抑制率を大きくできる。
また、上記含有量比は、好ましくは25以下、より好ましくは15以下、さらに好ましくは8以下である。含有量比を一定値以下とすることで、発光層の紫外線による劣化が適切に防止でき、また、室内側への紫外線の入射も適切に防止できる。
(熱可塑性樹脂)
本発明の吸収剤含有層は、熱可塑性樹脂を含有する。吸収剤含有層は、熱可塑性樹脂を含有することで、接着層としての機能を果たしやすくなり、ガラス板などの他の層との接着性が良好になる。熱可塑性樹脂は、吸収剤含有層におけるマトリックス成分となり、上記した可視光吸収剤、紫外線吸収剤(A)などは、熱可塑性樹脂中に分散ないし溶解される。
熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これら樹脂を使用することで、ガラス板との接着性を確保しやすくなる。
本発明の吸収剤含有層において熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中では、ポリビニルアセタール樹脂及びエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂から選択される少なくとも1種が好ましく、特に、可塑剤と併用した場合に、ガラスに対して優れた接着性を発揮する点から、ポリビニルアセタール樹脂がより好ましい。
(ポリビニルアセタール樹脂)
ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールをアルデヒドでアセタール化して得られる。また、ポリビニルアルコールは、例えば、ポリ酢酸ビニルなどのポリビニルエステルをけん化することにより得られる。ポリビニルアセタール樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アセタール化に使用するアルデヒドは特に限定されないが、炭素数が1〜10のアルデヒドが好適に用いられ、より好ましくは炭素数が2〜6のアルデヒド、さらに好ましくは炭素数が4のアルデヒドである。
上記炭素数が1〜10のアルデヒドは特に限定されず、例えば、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。なかでも、n−ブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−バレルアルデヒドが好ましく、n−ブチルアルデヒドがより好ましい。これらのアルデヒドは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、ポリビニルアルコールとしては、鹸化度80〜99.8モル%のポリビニルアルコールが一般的に用いられる。ポリビニルアルコールの平均重合度は、ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度を所望の範囲内に調整するために、500以上が好ましく、また、4000以下が好ましい。ポリビニルアルコールの平均重合度は、1000以上がより好ましく、また、3600以下がより好ましい。ポリビニルアルコールの平均重合度は、JIS K6726「ポリビニルアルコール試験方法」に準拠した方法により求められる。
ポリビニルアセタール樹脂に含まれているアセタール基の炭素数は特に限定されないが、1〜10であることが好ましく、2〜6がより好ましく、4がさらに好ましい。アセタール基としては、具体的にはブチラール基が特に好ましく、したがって、ポリビニルアセタール樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂が好ましい。
ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度は、好ましくは40モル%以上であり、また、好ましくは85モル%以下である。また、アセタール化度は、60モル%以上がより好ましく、また、より好ましくは75モル%以下である。なお、アセタール化度とは、アセタール基がブチラール基であり、ポリビニルアセタール樹脂がポリビニルブチラール樹脂の場合には、ブチラール化度を意味する。
ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量は、好ましくは15モル%以上であり、また、好ましくは35モル%以下である。水酸基量を15モル%以上とすることで、ガラス板などとの接着性が良好になりやすくなり、合わせガラスの耐貫通性などを良好にしやすくなる。また、水酸基量を35モル%以下とすることで、例えば合わせガラスに使用したときに合わせガラスが硬くなり過ぎたりすることを防止する。ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量は、より好ましくは20モル%以上であり、またより好ましくは33モル%以下である。
ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度(アセチル基量)は、好ましくは0.1モル%以上であり、また、好ましくは20モル%以下である。アセチル化度が、上記下限値以上とすることで、可塑剤などとの相溶性が良好になりやすい。また、上記上限値以下とすることで、発光層の耐湿性が高くなる。これら観点からアセチル化度は、より好ましくは0.3モル%以上、更に好ましくは0.5モル%以上であり、また、より好ましくは10モル%以下であり、さらに好ましくは5モル%以下である。
なお、水酸基量、アセタール化度(ブチラール化度)、及びアセチル化度は、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により測定された結果から算出することができる。
ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度は、好ましくは500以上、また、好ましくは4000以下である。平均重合度を500以上することで、合わせガラスの耐貫通性が良好になる。また、平均重合度を4000以下とすることで、合わせガラスの成形がしやすくなる。重合度はより好ましくは1000以上であり、またより好ましくは3600以下である。なお、ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度は、原料となるポリビニルアルコールの平均重合度と同じであり、ポリビニルアルコールの平均重合度によって求めることができる。
(エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂)
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂としては、非架橋型のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂であってもよいし、また、高温架橋型のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂であってもよい。エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物、エチレン−酢酸ビニルの加水分解物などのようなエチレン−酢酸ビニル変性体樹脂も用いることができる。
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂は、JIS K 6730「エチレン・酢酸ビニル樹脂試験方法」またはJIS K 6924−2:1997に準拠して測定される酢酸ビニル含量が好ましく10質量%以上50質量%以下、より好ましくは20質量以上40質量%以下である。酢酸ビニル含量をこれら下限値以上とすることで、ガラスへの接着性が高くなり、また、合わせガラスに使用したときには合わせガラスの耐貫通性が良好になりやすくなる。また、酢酸ビニル含量をこれら上限値以下とすることで、破断強度が高くなり、合わせガラスの耐衝撃性が良好になる。
(アイオノマー樹脂)
アイオノマー樹脂としては、特に限定はなく、様々なアイオノマー樹脂を用いることができる。具体的には、エチレン系アイオノマー、スチレン系アイオノマー、パーフルオロカーボン系アイオノマー、テレケリックアイオノマー、ポリウレタンアイオノマー等が挙げられる。これらの中では、後述する合わせガラスの機械強度、耐久性、透明性などが良好になる点、ガラスへの接着性に優れる点から、エチレン系アイオノマーが好ましい。
エチレン系アイオノマーとしては、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーが透明性と強靭性に優れるため好適に用いられる。エチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、少なくともエチレン由来の構成単位および不飽和カルボン酸由来の構成単位を有する共重合体であり、他のモノマー由来の構成単位を有していてもよい。
不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等が挙げられ、アクリル酸、メタクリル酸が好ましく、メタクリル酸が特に好ましい。また、他のモノマーとしては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、1−ブテン等が挙げられる。
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体としては、該共重合体が有する全構成単位を100モル%とすると、エチレン由来の構成単位を75〜99モル%有することが好ましく、不飽和カルボン酸由来の構成単位を1〜25モル%有することが好ましい。
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーは、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体が有するカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和または架橋することにより得られるアイオノマー樹脂であるが、該カルボキシル基の中和度は、通常は1〜90%であり、好ましくは5〜85%である。
アイオノマー樹脂におけるイオン源としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム、亜鉛等の多価金属が挙げられ、ナトリウム、亜鉛が好ましい。
アイオノマー樹脂の製造方法としては特に限定はなく、従来公知の製造方法によって、製造することが可能である。例えばアイオノマー樹脂として、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーを用いる場合には、例えば、エチレンと不飽和カルボン酸とを、高温、高圧下でラジカル共重合を行い、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体を製造する。そして、そのエチレン・不飽和カルボン酸共重合体と、上記のイオン源を含む金属化合物とを反応させることにより、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーを製造することができる。
(ポリウレタン樹脂)
ポリウレタン樹脂としては、イソシアネート化合物と、ジオール化合物とを反応して得られるポリウレタン、イソシアネート化合物と、ジオール化合物、さらに、ポリアミンなどの鎖長延長剤を反応させることにより得られるポリウレタンなどが挙げられる。また、ポリウレタン樹脂は、硫黄原子を含有するものでもよい。その場合には、上記ジオールの一部又は全部を、ポリチオール及び含硫黄ポリオールから選択されるものとするとよい。ポリウレタン樹脂は、有機ガラスとの接着性を良好にすることができる。そのため、ガラス板が有機ガラスである場合に好適に使用される。
(熱可塑性エラストマー)
熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系熱可塑性エラストマー、脂肪族ポリオレフィンが挙げられる。スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。スチレン系熱可塑性エラストマーは、一般的に、ハードセグメントとなるスチレンモノマー重合体ブロックと、ソフトセグメントとなる共役ジエン化合物重合体ブロック又はその水添ブロックとを有する。スチレン系熱可塑性エラストマーの具体例としては、スチレン−イソプレンジブロック共重合体、スチレン−ブタジエンジブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体、スチレン−ブタジエン/イソプレン−スチレントリブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体、並びにその水素添加体が挙げられる。
上記脂肪族ポリオレフィンは、飽和脂肪族ポリオレフィンであってもよく、不飽和脂肪族ポリオレフィンであってもよい。上記脂肪族ポリオレフィンは、鎖状オレフィンをモノマーとするポリオレフィンであってもよく、環状オレフィンをモノマーとするポリオレフィンであってもよい。吸収剤含有層の保存安定性などを効果的に高める観点からは、上記脂肪族ポリオレフィンは、飽和脂肪族ポリオレフィンであることが好ましい。
上記脂肪族ポリオレフィンの材料としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、trans−2−ブテン、cis−2−ブテン、1−ペンテン、trans−2−ペンテン、cis−2−ペンテン、1−ヘキセン、trans−2−ヘキセン、cis−2−ヘキセン、trans−3−ヘキセン、cis−3−ヘキセン、1−ヘプテン、trans−2−ヘプテン、cis−2−ヘプテン、trans−3−ヘプテン、cis−3−ヘプテン、1−オクテン、trans−2−オクテン、cis−2−オクテン、trans−3−オクテン、cis−3−オクテン、trans−4−オクテン、cis−4−オクテン、1−ノネン、trans−2−ノネン、cis−2−ノネン、trans−3−ノネン、cis−3−ノネン、trans−4−ノネン、cis−4−ノネン、1−デセン、trans−2−デセン、cis−2−デセン、trans−3−デセン、cis−3−デセン、trans−4−デセン、cis−4−デセン、trans−5−デセン、cis−5−デセン、4−メチル−1−ペンテン、及びビニルシクロヘキサン等が挙げられる。
(可塑剤)
本発明の吸収剤含有層は、さらに可塑剤を含有してもよい。吸収剤含有層は、可塑剤を含有することにより柔軟となり、その結果、熱可塑性フィルムや合わせガラスの柔軟性を向上させることができ、合わせガラスの耐貫通性も向上させる。さらには、ガラス板に対する高い接着性を発揮することも可能になる。可塑剤は、熱可塑性樹脂としてポリビニルアセタール樹脂を使用する場合に含有させると特に効果的である。
可塑剤としては、例えば、一塩基性有機酸エステル及び多塩基性有機酸エステル等の有機エステル可塑剤、並びに有機リン酸可塑剤及び有機亜リン酸可塑剤などのリン酸可塑剤等が挙げられる。なかでも、有機エステル可塑剤が好ましい。
一塩基性有機酸エステルとしては、グリコールと、一塩基性有機酸とのエステルが挙げられる。グリコールとしては、各アルキレン単位が炭素数2〜4、好ましくは炭素数2又は3であり、アルキレン単位の繰り返し数が2〜10、好ましくは2〜4であるポリアルキレングリコールが挙げられる。また、グリコールとしては、炭素数2〜4、好ましくは炭素数2又は3であり、繰り返し単位が1であるモノアルキレングリコールでもよい。
グリコールとしては、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ブチレングリコールなどが挙げられる。
一塩基性有機酸としては、炭素数3〜10の有機酸が挙げられ、具体的には、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、2−エチルペンタン酸、ヘプチル酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、n−ノニル酸及びデシル酸などが挙げられる。
具体的な一塩基性有機酸としては、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ−n−オクタノエート、トリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、ジエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、ジプロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルペンタノエート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリエート、トリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、エチレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,2−プロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,3−プロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,4−ブチレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,2−ブチレングリコールジ−2−エチルブチレートなどが挙げられる。
また、多塩基性有機酸エステルとしては、例えば、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の炭素数4〜12の二塩基性有機酸と、炭素数4〜10のアルコールとのエステル化合物が挙げられる。炭素数4〜10のアルコールは、直鎖でもよいし、分岐構造を有していてもよいし、環状構造を有してもよい。
具体的には、セバシン酸ジブチル、アゼライン酸ジオクチル、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ヘキシルシクロヘキシル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ヘプチルノニル、ジブチルカルビトールアジペート、混合型アジピン酸エステルなどが挙げられる。また、油変性セバシン酸アルキドなどでもよい。混合型アジピン酸エステルとしては、炭素数4〜9のアルキルアルコール及び炭素数4〜9の環状アルコールから選択される2種以上のアルコールから作製されたアジピン酸エステルが挙げられる。
有機リン酸可塑剤としては、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート及びトリイソプロピルホスフェート等のリン酸エステルなどが挙げられる。
可塑剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
可塑剤としては、上記したなかでも、グリコールと、一塩基性有機酸とのエステルが好ましく、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)が特に好適に用いられる。
吸収剤含有層において可塑剤の含有量は、特に限定されないが、熱可塑性樹脂100質量部に対して、好ましくは20質量部以上であり、また、好ましくは80質量部以下である。可塑剤の含有量を20質量部以上とすると、合わせガラスが適度に柔軟になり、耐貫通性等が良好になる。また、可塑剤の含有量を80質量部以下とすると、吸収剤含有層から可塑剤が分離することが防止される。可塑剤の含有量はより好ましくは30質量部以上、さらに好ましくは35質量部以上であり、また、より好ましく70質量部以下、さらに好ましくは63質量部以下である。
吸収剤含有層は、熱可塑性樹脂、又は熱可塑性樹脂及び可塑剤が主成分となるものであるとよく、熱可塑性樹脂及び可塑剤の合計量が、吸収剤含有層全量基準で、通常70質量%以上、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上100質量%未満である。
吸収剤含有層は、発光材料を実質的に含有しない層である。吸収剤含有層が発光材料を実質的に含有しないことで、輝度抑制率を高くできる。
なお、発光材料を実質的に含有しないとは、意図的に吸収剤含有層に発光材料を配合しないことを意味し、吸収剤含有層は、不可避的に発光材料が含有されることはある。例えば、吸収剤含有層には、製造過程において不可避的に混入されることもある。
吸収剤含有層は発光材料が不可避的に混入されていても、吸収剤含有層における発光材料の含有量は、発光層における発光材料の含有量よりも十分に少ない。具体的には、吸収剤含有層における熱可塑性樹脂100質量部に対する発光材料の含有量は、発光層における熱可塑性樹脂100質量部に対する発光材料の含有量よりも十分に少なく、例えば、1/5未満となるとよく、好ましくは1/10未満となるとよい。
[発光層]
発光層は、励起光が照射されることで発光する発光層であり、通常は熱可塑樹脂層と発光材料を含む。
(発光材料)
発光層に使用される発光材料としては、例えば、ランタノイド錯体、テレフタル酸エステル構造を有する発光材料、ナフタルイミド骨格を有する発光材料、クマリン骨格を有する発光材料、キノリン骨格を有する発光材料などが使用できる。発光材料は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。発光波長の異なる複数の発光材料を組み合わせることにより、単色の画像だけではなく、種々の色を組み合わせた画像を表示することができる。
発光材料は、上記したなかでは、ランタノイド錯体、テレフタル酸エステル構造を有する発光材料、キノリン骨格を有する発光材料が好ましく、中でもテレフタル酸エステル構造を有する発光材料がより好ましい。
ランタノイド錯体は、ハロゲン原子を含む配位子を有するものが挙げられる。ランタノイド錯体のなかでも、ハロゲン原子を含む配位子を有するランタノイド錯体は光線を照射することにより高い発光強度で発光する。上記ハロゲン原子を含む配位子を有するランタノイド錯体としては、ハロゲン原子を含む単座配位子を有するランタノイド錯体や、ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体、ハロゲン原子を含む三座配位子を有するランタノイド錯体、ハロゲン原子を含む四座配位子を有するランタノイド錯体、ハロゲン原子を含む五座配位子を有するランタノイド錯体、ハロゲン原子を含む六座配位子を有するランタノイド錯体等のハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体が挙げられる。
なかでも、ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体又はハロゲン原子を含む三座配位子を有するランタノイド錯体は、300〜410nmの波長の光を照射することにより、可視光線を高い発光強度で発光することが可能である。
しかも、上記ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体又はハロゲン原子を含む三座配位子を有するランタノイド錯体は、耐熱性にも優れる。熱可塑性フィルムは、後述する合わせガラスとして使用されるとき太陽光の赤外線が照射されることにより、高温環境下で使用されることが多いため、上記ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体又はハロゲン原子を含む三座配位子を有するランタノイド錯体を用いることにより、発光材料の劣化が防止できる。
本明細書においてランタノイドとは、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム又はルテチウムを含む。より一層高い発光強度が得られることから、ランタノイドは、ネオジム、ユーロピウム又はテルビウムが好ましく、ユーロピウム又はテルビウムがより好ましく、ユーロピウムが更に好ましい。
上記ハロゲン原子を含む二座配位子としては、例えば、下記一般式(1)で表される構造を有する配位子、下記一般式(2)で表される構造を有する配位子などが挙げられる。
Figure 2021147288
上記一般式(1)において、R及びRは有機基を表し、R及びRの少なくとも一方はハロゲン原子を含む有機基であり、Rは、炭素数1以上の直鎖状の有機基を表す。上記R及びRは炭化水素基であることが好ましく、炭素数が1〜10の炭化水素基であることがより好ましく、炭素数が1〜5の炭化水素基であることが更に好ましく、炭素数が1〜3の炭化水素基であることが特に好ましい。上記炭化水素基は水素原子の一部が、水素原子以外の原子及び官能基と置換されていても良い。上記炭素数が1〜3の炭化水素基としては、水素原子が置換されていないメチル基、エチル基、プロピル基や、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたメチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられる。上記水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたメチル基、エチル基、プロピル基のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を用いることができる。上記炭素数が1〜3の炭化水素基としては、高い発光強度で発光することから、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたメチル基、エチル基、プロピル基であることが好ましく、トリフルオロメチル基であることがより好ましい。
上記Rは、炭素数1以上のアルキレン基であることが好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数1のメチレン基であることが最も好ましい。上記炭素数1以上のアルキレン基は水素原子の一部が、水素原子以外の原子及び官能基と置換されていても良い。
上記ハロゲン原子を含む配位子を有するランタノイド錯体は、ハロゲン原子を含む配位子を少なくとも1つ有すればよく、ハロゲン原子を含まない配位子を有していても良い。上記ハロゲン原子を含まない配位子としては、ハロゲン原子を含まないこと以外は上記一般式(1)と同一である配位子、下記一般式(2)〜(8)で表される構造を有する配位子などが挙げられる。下記一般式(2)〜(8)で表される構造を有する配位子は、一部または全ての水素原子が、−COOR、−SO、−NO、−OH、アルキル基、−NHなどに置換されていてもよい。
Figure 2021147288

なお、上記式(2)において、2つのNはビピリジン骨格のどこにあってもよい。例えば、ビピリジン骨格の2,2’位、3,3’位、4,4’位、2,3’位、2,4’位、3,4’位に2つのNがあることが挙げられる。なかでも、2,2’位に2つのNがあることが好ましい。
Figure 2021147288

なお、上記式(3)において、2つのNはビピリジン骨格のどこにあってもよい。なかでも、1,10位に2つのNがあることが好ましい。
Figure 2021147288

なお、上記式(4)において、2つのNはビピリジン骨格のどこにあってもよい。なかでも、1,10位に2つのNがあることが好ましい。
Figure 2021147288

なお、上記式(5)において、3つのNはターピリジン骨格のどこにあってもよい。
Figure 2021147288

上記式(6)において、中央のRは、炭素数1以上の直鎖状の有機基を表す。
Figure 2021147288

上記式(7)において、2つのRは、炭素数1以上の直鎖状の有機基を表す。
Figure 2021147288

上記式(8)において、nは、1又は2の整数を表す。
上記ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体は、例えば、トリス(トリフルオロアセチルアセトン)フェナントロリンユーロピウム(Eu(TFA)phen)、トリス(トリフルオロアセチルアセトン)ジフェニルフェナントロリンユーロピウム(Eu(TFA)dpphen)、トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトン)ジフェニルフェナントロリンユーロピウム、トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトン)ビス(トリフェニルホスフィン)ユーロピウム、トリス(トリフルオロアセチルアセトン)2,2’−ビピリジンユーロピウム、トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトン)2,2’−ビピリジンユーロピウム、トリス(5,5,6,6,7,7,7−ヘプタフルオロ−2,4−ペンタンジオネート)2,2’−ビピリジンユーロピウム([Eu(FPD)]bpy)、トリス(トリフルオロアセチルアセトン)3,4,7,8−テトラメチル−1,10フェナントロリンユーロピウム([Eu(TFA)]tmphen)、トリス(5,5,6,6,7,7,7−ヘプタフルオロ−2,4−ペンタンジオネート)フェナントロリンユーロピウム([Eu(FPD)]phen)、ターピリジントリフルオロアセチルアセトンユーロピウム、ターピリジンヘキサフルオロアセチルアセトンユーロピウム等が挙げられる。
上記ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体は、他にも例えば、トリス(トリフルオロアセチルアセトン)フェナントロリンテルビウム(Tb(TFA)phen)、トリス(トリフルオロアセチルアセトン)ジフェニルフェナントロリンテルビウム(Tb(TFA)dpphen)、トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトン)ジフェニルフェナントロリンテルビウム、トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトン)ビス(トリフェニルホスフィン)テルビウム、トリス(トリフルオロアセチルアセトン)2,2’−ビピリジンテルビウム、トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトン)2,2’−ビピリジンテルビウム、トリス(5,5,6,6,7,7,7−ヘプタフルオロ−2,4−ペンタンジオネート)2,2’−ビピリジンテルビウム([Tb(FPD)]bpy)、トリス(トリフルオロアセチルアセトン)3,4,7,8−テトラメチル−1,10フェナントロリンテルビウム([Tb(TFA)]tmphen)、トリス(5,5,6,6,7,7,7−ヘプタフルオロ−2,4−ペンタンジオネート)フェナントロリンテルビウム([Tb(FPD)]phen)、ターピリジントリフルオロアセチルアセトンテルビウム、ターピリジンヘキサフルオロアセチルアセトンテルビウム等が挙げられる。
上記ハロゲン原子を含む配位子を有するランタノイド錯体のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を用いることができる。なかでも、配位子の構造を安定化させることから、フッ素原子が好適である。
上記ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体又はハロゲン原子を含む三座配位子を有するランタノイド錯体のなかでも、特に初期発光性に優れることから、ハロゲン原子を含むアセチルアセトン骨格を有する二座配位子を有するランタノイド錯体が好適である。
上記ハロゲン原子を含むアセチルアセトン骨格を有する二座配位子を有するランタノイド錯体は、例えば、Eu(TFA)phen、Eu(TFA)dpphen、Eu(HFA)phen、[Eu(FPD)]bpy、[Eu(TFA)]tmphen、[Eu(FPD)]phen等が挙げられる。これらのハロゲン原子を含むアセチルアセトン骨格を有する二座配位子を有するランタノイド錯体の構造を示す。
Figure 2021147288
上記ハロゲン原子を含むアセチルアセトン骨格を有する二座配位子を有するランタノイド錯体は、他にも例えば、Tb(TFA)phen、Tb(TFA)dpphen、Tb(HFA)phen、[Tb(FPD)]bpy、[Tb(TFA)]tmphen、[Tb(FPD)]phen等が挙げられる。
上記ハロゲン原子を含む配位子を有するランタノイド錯体は、粒子状であることが好ましい。粒子状であることにより、上記ハロゲン原子を含む配位子を有するランタノイド錯体を発光層中に微分散させることがより容易となる。
上記ハロゲン原子を含む配位子を有するランタノイド錯体が粒子状である場合、ランタノイド錯体の平均粒子径の好ましい下限は0.01μm、好ましい上限は10μmであり、より好ましい下限は0.03μm、より好ましい上限は1μmである。
<平均粒径の測定手法>
ランタノイド錯体をメタノール(溶媒の屈折率:1.3292、溶媒の粘度:0.59mPa・s)に約0.1質量%の濃度で分散させた後、超音波を印加して均一に分散させて、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(HORIBA社製)を用いて液温25℃で測定する。平均粒径は、累積体積が50%であるときの1次粒子径(d50)を平均粒径とする。
上記テレフタル酸エステル構造を有する発光材料は、励起光が照射されることにより発光する。上記テレフタル酸エステル構造を有する発光材料は、例えば、下記一般式(9)で表される構造を有する化合物や下記一般式(10)で表される構造を有する化合物が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
Figure 2021147288
上記一般式(9)中、Rは有機基を表し、xは1、2、3又は4である。
熱可塑性フィルムの可視光透過率Tvがより一層高くなることから、xは1又は2であることが好ましく、xは2であることがより好ましい。また、ベンゼン環の2位又は5位に水酸基を有することがより好ましく、ベンゼン環の2位及び5位に水酸基を有することが更に好ましい。
上記Rの有機基は炭化水素基であることが好ましく、炭素数が1〜10の炭化水素基であることがより好ましく、炭素数が1〜5の炭化水素基であることが更に好ましく、炭素数が1〜3の炭化水素基であることが特に好ましい。上記炭化水素基の炭素数が10以下であると、上記テレフタル酸エステル構造を有する発光材料を発光層に容易に分散させることができる。上記炭化水素基はアルキル基であることが好ましい。
上記一般式(9)で表される構造を有する化合物として、例えば、2,5−ジヒドロキシテレフタル酸ジエチル、2,5−ジヒドロキシテレフタル酸ジメチル等が挙げられる。なかでも、上記一般式(9)で表される構造を有する化合物は2,5−ジヒドロキシテレフタル酸ジエチルであることが好ましい。
上記一般式(10)中、Rは有機基を表し、R及びRは水素原子又は有機基を表し、yは1、2、3又は4である。
上記Rの有機基は炭化水素基であることが好ましく、炭素数が1〜10の炭化水素基であることがより好ましく、炭素数が1〜5の炭化水素基であることが更に好ましく、炭素数が1〜3の炭化水素基であることが特に好ましい。上記炭化水素基の炭素数が上記上限以下であると、上記テレフタル酸エステル構造を有する発光材料を発光層中に容易に分散させることができる。上記炭化水素基はアルキル基であることが好ましい。
上記一般式(10)中において、R及びRの有機基は、例えば炭素数が1〜10の炭化水素基であり、有機基としては、好ましくは炭素数が1〜5の炭化水素基、より好ましくは炭素数が1〜3の炭化水素基であり、炭化水素基としてはアルキル基が好ましい。また、R及びRは、いずれも水素原子であることが好ましい。yは1又は2であることが好ましく、2であることがさらに好ましい。また、ベンゼン環の2位又は5位にNRを有することがより好ましく、ベンゼン環の2位及び5位にNRを有することが更に好ましい。
上記一般式(10)で表される構造を有する化合物として、ジエチル−2,5−ジアミノテレフタレートが好ましい。
上記ナフタルイミド骨格を有する発光材料は、具体的には例えば、4−ブロモ−1,8−ナフタルイミド、4−アミノ−1,8−ナフタルイミド、4−メトキシ−N−メチルナフタル酸イミド、ナフタルイミド、4−アミノナフタルイミド、N−メチル−4−アミノナフタルイミド、N−エチル−4−アミノナフタルイミド、N−プロピル−4−アミノナフタルイミド、N−n−ブチル−4−アミノナフタルイミド、4−アセチルアミノナフタルイミド、N−メチル−4−アセチルアミノナフタルイミド、N−エチル−4−アセチルアミノナフタルイミド、N−プロピル−4−アセチルアミノナフタルイミド、N−n−ブチル−4−アセチルアミノナフタルイミド、N−メチル−4−メトキシナフタルイミド、N−エチル−4−メトキシナフタルイミド、N−プロピル−4−メトキシナフタルイミド、N−n−ブチル−4−メトキシナフタルイミド、N−メチル−4−エトキシナフタルイミド、N−エチル−4−エトキシナフタルイミド、N−プロピル−4−エトキシナフタルイミド、N−n−ブチル−4−エトキシナフタルイミド、Lumogen F Violet 570(商品名、BASF Japan社製)、Lumogen F Blue 650(商品名、BASF Japan社製)等が挙げられる。
上記クマリン骨格を有する発光材料は、例えば、クマリン環7位に電子供与性置換基を有する誘導体が挙げられる。より具体的には、クマリン環7位にアミノ基を持つことを特徴とする誘導体である3−(2’−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン6)、3−(2’−ベンゾイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン(クマリン7)、3−(2’−N−メチルベンゾイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン(クマリン30)や、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−8−トリフルオロメチルキノリジン(9,9a,1−gh)クマリン(クマリン153)等のクマリン系色素、ベーシックイエロー51等のクマリン色素系染料、また、クマリン環7位にヒドロキシ基を持つことを特徴とする7―ヒドロキシクマリン、3−シアノ−7−ヒドロキシクマリン、7−ヒドロキシ−4−メチルクマリン、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、7−ジメチルアミノシクロペンタ[c]−クマリン、1,2,4,5,3H,6H,10H−テトラヒドロ−8−メチル[1]ベンゾピラノ[9,9a,1−gH]キノリジン−10−オン、7−アミノ−4−トリフルオロメチルクマリン、1,2,4,5,3H,6H,10H−テトラヒドロ−9−シアノ[1]ベンゾピラノ[9,9a,1−gH]キノリジン−10−オン、1,2,4,5,3H,6H,10H−テトラヒドロ−9−カルボ−t−ブトキシ[1]ベンゾピラノ[9,9a,1−gH]キノリジン−10−オン、7−エチルアミノ−6−メチル−4−トリフルオロメチルクマリン、1,2,4,5,3H,6H,10H−テトラヒドロ−9−カルボエトキシ[1]ベンゾピラノ[9,9a,1−gH]キノリジン−10−オン、7−ジエチルアミノ−3−(1−メチルベンズイミダゾリル)クマリン、7−ジメチルアミノ−4−トリフルオロメチルクマリン、1,2,4,5,3H,6H,10H−テトラヒドロ−9−カルボキシ[1]ベンゾピラノ[9,9a,1−gH]キノリジン−10−オン、1,2,4,5,3H,6H,10H−テトラヒドロ−9−アセチル[1]ベンゾピラノ[9,9a,1−gH]キノリジン−10−オン、3−(2−ベンズイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン、1,2,4,5,3H,6H,10H−テトラヒドロ−8−トリフルオロメチル[1]ベンゾピラノ[9,9a,1−gH]キノリジン−10−オン、3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−ジエチルアミノクマリン、7−ジエチルアミノ−4−トリフルオロメチルクマリン、2,3,6,7−テトラヒドロ−9−(トリフルオロメチル)−1H,5H,11H−[1]ベンゾピラノ[6,7,8−ij]キノリジン−11−オン、7−アミノ−4−メチルクマリン、4,6−ジメチル−7−エチルアミノクマリン等が挙げられる。
上記キノリン骨格を有する発光材料としては、例えば、2−(3−オキソインドリン−1−イリデン)メチルキノリン等が挙げられる。
本発明の発光材料は、最大励起波長が好ましくは480nm以下、より好ましくは44
0nm以下、さらに好ましくは410nm以下となる。発光材料の最大励起波長が上記上限値以下であると、吸収剤含有層側から入射される、発光層を励起する励起光が、吸着剤含有層に含まれる紫外線吸収剤(A)により適切に吸収されることで、輝度抑制率が高くなりやすくなる。また、発光層の最大励起波長は、特に限定されないが、例えば300nm以上、好ましくは320nm以上、より好ましくは350nm以上である。
また、本発明の発光材料の最大発光波長は、可視光領域であれば特に限定されず、例えば、380nm以上780nm以下にあればよく、発光のコントラストを向上させるために、400nm以上740nm以下が好ましく、420nm以上700nm以下がさらに好ましい。
なお、最大励起波長及び最大発光波長は、例えば蛍光分光光度計(例えば、株式会社堀場製作所製、蛍光分光光度計 「Fluoromax−4」)を用いて測定するとよい。
発光層における発光材料の含有量は、発光材料の種類によっても異なるが、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上であることが好ましく、0.04質量部以上であることがより好ましく、0.2質量部以上であることがさらに好ましく、0.4質量部以上がよりさらに好ましい。発光材料の含有量をこれら下限値以上とすることで、励起光を照射することで、所望の画像などを良好な視認性で表示させることができる。
発光層における発光材料の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、8質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましく、1.5質量部以下であることがさらに好ましく、1.2質量部以下であることがよりさらに好ましい。含有量をこれら上限値以下とすることで、熱可塑性フィルムの透明性が向上して、可視光透過率Tvを高くしやすくなる。
(紫外線吸収剤)
発光層は、紫外線吸収剤(A)を含有することが好ましい。発光層が紫外線吸収剤(A)を含有することで、発光層が太陽光などにより光劣化することも防止できる。さらには、熱可塑性フィルムが例えば窓ガラスに使用される場合には、窓ガラスを介して紫外線が屋内側(車内側)に透過することも防止しやすくなる。発光層に使用される紫外線吸収剤(A)は、上記で説明した紫外線吸収剤(A)の説明と同様であるので、その説明は省略する。発光層に使用される紫外線吸収剤(A)は、吸収剤含有層に使用される紫外線吸収剤(A)と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記のとおり、吸収剤含有層に含有される紫外線吸収剤(A)は、ベンゾトリアゾール系化合物であることが好ましく、上記した式(11)より示されるベンゾトリアゾール系化合物がより好ましい。したがって、吸収剤含有層及び発光層に含有される紫外線吸収剤(A)はいずれも、ベンゾトリアゾール系化合物であることが好ましく、より好ましくは上記した式(11)より示されるベンゾトリアゾール系化合物である。
発光層における紫外線吸収剤(A)の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、例えば0.01質量以上、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上である。これら含有量以上とすることで、熱可塑性フィルムが太陽光などに照射されても、発光層が劣化することを防止できる。また、吸着剤含有層とともに紫外線が屋内側(車内側)に透過することも効果的に防止できる。
発光層における紫外線吸収剤の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、例えば1.5質量部以下、好ましくは0.7質量部以下、より好ましくは0.35質量部以下である。紫外線吸収剤の含有量をこれら上限値以下とすることで、発光層に照射される励起光が紫外線吸収剤によって吸収されにくくなるので、発光層が励起光により効率的に発光できる。
上記のとおり、発光層は、熱可塑性樹脂を含有する。発光層は、熱可塑性樹脂を含有することで、ガラスや後述するバリア層に接着しやすくなり、熱可塑性フィルムの成形が容易になる。発光層において、発光材料や上記した紫外線吸収剤などは、熱可塑性樹脂に分散ないし溶解されているとよい。
発光層に使用される熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これら樹脂を使用することで、ガラス板との接着性を確保しやすくなる。
本発明の発光層において熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中では、ポリビニルアセタール樹脂及びエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂から選択される少なくとも1種が好ましく、特に、可塑剤と併用した場合に、ガラスに対して優れた接着性を発揮する点から、ポリビニルアセタール樹脂がより好ましい。
発光層における熱可塑性樹脂と吸収剤含有層における熱可塑性樹脂は、同じ種類の樹脂を使用してもよいし、異なる種類の樹脂を使用してもよいが、同じ種類の樹脂を使用することが好ましい。例えば、発光層における熱可塑性樹脂が、ポリビニルアセタール樹脂であれば、吸収剤含有層における熱可塑性樹脂もポリビニルアセタール樹脂であることが好ましい。また、例えば、発光層における熱可塑性樹脂が、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂であれば、吸収剤含有層における熱可塑性樹脂もエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂であることが好ましい。
なお、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、及び熱可塑性エラストマーの詳細は、吸収剤含有層において説明したとおりであるので、その説明は省略する。
発光層は、さらに可塑剤を含有してもよい。発光層は、可塑剤を含有することにより柔軟となり、例えば合わせガラスに使用される場合には合わせガラスを柔軟にする。さらには、ガラス板に対する高い接着性を発揮することも可能になる。発光層は、熱可塑性樹脂としてポリビニルアセタール樹脂を使用する場合に、可塑剤を含有すると特に効果的である。
可塑剤としては、例えば、一塩基性有機酸エステル及び多塩基性有機酸エステル等の有機エステル可塑剤、並びに有機リン酸可塑剤及び有機亜リン酸可塑剤などのリン酸可塑剤等が挙げられる。可塑剤の具体例は上記のとおりである。これらのなかでも、有機エステル可塑剤が好ましく、グリコールと、一塩基性有機酸とのエステルがより好ましく、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)が特に好適に用いられる。
発光層においても、可塑剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、発光層における可塑剤と吸収剤含有層における可塑剤は、同じ種類の可塑剤を使用してもよいし、異なる種類の可塑剤を使用してもよい
発光層において可塑剤の含有量は、特に限定されないが、熱可塑性樹脂100質量部に対して、好ましくは20質量部以上であり、また、好ましくは80質量部以下である。可塑剤の含有量を20質量部以上とすると、合わせガラスが適度に柔軟になり、耐貫通性等が良好になる。また、可塑剤の含有量を80質量部以下とすると、発光層から可塑剤が分離することが防止される。可塑剤の含有量はより好ましくは30質量部以上、さらに好ましくは35質量部以上であり、また、より好ましく70質量部以下、さらに好ましくは63質量部以下である。
また、発光層は、熱可塑性樹脂、又は熱可塑性樹脂及び可塑剤が主成分となるものであるとよく、熱可塑性樹脂及び可塑剤の合計量が、発光層全量基準で、通常70質量%以上、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上100質量%未満である。
(接着力調整剤)
吸収剤含有層は、接着力調整剤を含んでいてもよい。また、発光層は、接着力調整剤を含んでいてもよい。これら層は、接着力調整剤を含むことで、ガラスなどに対する接着力が調整され、適度な接着力でガラスなどに接着させることが可能になる。接着力調整剤は、特に限定されないが、金属塩であることが好ましく、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びマグネシウム塩からなる群から選択される少なくとも1種の金属塩であることが好ましい。上記金属塩は、カリウム及びマグネシウムの内の少なくとも1種の金属を含むことが好ましく、カリウムを含むことがより好ましい。接着力調整剤は、吸収剤含有層又は発光層のいずれか一方に含有されてもよいが、両方に含有されることが好ましい。
接着力調整剤として使用される金属塩は、炭素数1〜16の有機酸のアルカリ金属塩、炭素数1〜16の有機酸のアルカリ土類金属塩、及び炭素数1〜16の有機酸のマグネシウム塩から選択される少なくとも1種であることが好ましい。また、炭素数2〜16のカルボン酸マグネシウム塩及び炭素数1〜16のカルボン酸カリウム塩から選択される少なくとも1種がより好ましく、炭素数1〜16のカルボン酸カリウム塩がより更に好ましい。接着力調整剤として使用される金属塩は、吸湿して熱可塑性フィルムを変色させて黄色度が高くなることがあるが、カルボン酸カリウム塩を使用することで熱可塑性フィルムの変色を抑制しやすくなる。
上記炭素数2〜16のカルボン酸マグネシウム塩及び上記炭素数1〜16のカルボン酸カリウム塩としては特に限定されないが、例えば、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、プロピオン酸マグネシウム、ギ酸カリウム、プロピオン酸カリウム、2−エチルブタン酸マグネシウム、2−エチルブタン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸マグネシウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等が挙げられる。
吸収剤含有層及び発光層それぞれにおいて、接着力調整剤の含有量は特に限定されないが、熱可塑性樹脂100質量部に対して、好ましくは0.0005質量部以上0.5質量部以下である。接着力調整剤の含有量を0.0005質量部以上とすると、接着力が適切に調整されやすくなり、合わせガラスの耐貫通性などが高くなる。また、上記上限値以下とすると、熱可塑性フィルムの透明性が高くなり、また、耐湿性も損なわれにくくなる。接着力調整剤の上記含有量は、接着力を適切に調整しやすくする観点から、より好ましくは0.002質量部以上、さらに好ましくは0.01質量部以上である。また、透明性及び耐湿性の観点から、接着力調整剤の上記含有量は、0.35質量部以下がより好ましく、0.15質量部以下がさらに好ましい。
(耐湿性向上剤)
可視光吸収層及び発光層それぞれは、さらに耐湿性向上剤を含有してもよい。可視光吸収層及び発光層それぞれは、耐湿性向上剤を含有することで、耐湿性が向上し、例えば吸湿による熱可塑性フィルムの黄変を防止でき、黄色度を低くしやすくなる。また、可視光吸収層及び発光層それぞれは、接着力調整剤を含む場合、耐湿性が低くなりやすいが、耐湿性向上剤を含有することで耐湿性を良好に維持でき、黄色度の低下をより一層効果的に防止できる。したがって、可視光吸収層及び発光層それぞれは、接着力調整剤を含む場合には、さらに耐湿性向上剤を含有することが好ましい。
上記耐湿性向上剤としては、接着力調整剤と併用する場合には、接着力調整剤との相溶性に優れる化合物、又は接着力調整剤を捕捉する化合物を用いることにより、接着力調整剤の周辺に水が集まりにくくなり、耐湿性が向上すると考えられる。そのような耐湿性向上剤としては、例えばアニオン性の官能基を有する化合物、非イオン性の官能基を有する化合物等が挙げられる。
アニオン性の官能基を有する化合物は、接着力調整剤との相溶性に優れ、接着力調整剤と併用した場合に耐湿性を向上させやすい。また、接着力を適度に調整しつつ耐湿性も良好にする観点から、接着力調整剤としてカリウム塩を使用し、かつ耐湿性向上剤としてアニオン性の官能基を有する化合物を使用することが好ましい。
上記したアニオン性の官能基としては、リン酸(エステル)基、カルボン酸(エステル)基、スルホン酸基等が挙げられる。なかでも耐湿性に優れることから、リン酸(エステル)基であることが好ましい。なお、リン酸(エステル)基とは、リン酸由来の水素原子(PO−H)を有し、又はその水素原子が有機基で置換された基を意味する。また、カルボン酸(エステル)基とは、カルボン酸由来の水素原子(COO−H)を有し、又はその水素原子が有機基で置換された基を意味する。
非イオン性の官能基を有する化合物は、接着力調整剤を捕捉する化合物である。また、接着力を適度に調整しつつ耐湿性も良好にする観点から、接着力調整剤としてカリウム塩を使用し、耐湿性向上剤として非イオン性の官能基を有する化合物を使用することも好ましい。
非イオン性の官能基としては、例えば、エーテル基、ヒドロキシ基等が挙げられる。非イオン性の官能基を有する化合物としては、接着力調整剤を捕捉する効果に優れることから、クラウンエーテルが好ましい。
耐湿性向上剤としては、より具体的には、上記アニオン性の官能基を有する化合物として、一般式(12)で表されるリン酸エステル、カルボン酸基を有する分子量100以上の化合物、非イオン性の官能基を有する化合物として18−クラウンエーテル−6等が挙げられる。これらの耐湿性向上剤は、発光材料を分散させるための分散剤としても機能することがある。
Figure 2021147288

上記一般式(12)中、R31は、炭素数1〜20のアルキル基を表し、mは1〜300の整数、nは1〜3の整数である。
また、アニオン性の官能基を有するより具体的な化合物としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレントリデシルエーテルリン酸エステル等が挙げられる。
耐湿性向上剤の含有量は、0.01質量部以上5質量部以下が好ましい。耐湿性向上剤の含有量を0.01質量部以上とすると、熱可塑性フィルムの耐湿性を充分に向上させることができる。また、5質量部以下とすると、含有量に見合った効果を得ることができる。これら観点から、耐湿性向上剤の含有量は、0.03質量部以上がより好ましく、0.05質量部以上がさらに好ましく、また、1質量部以下がより好ましく、0.5質量部以下がさらに好ましい。
(その他の添加剤)
発光層及び吸収剤含有層はそれぞれ、更に必要に応じて、赤外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、蛍光増白剤、結晶核剤、分散剤等の添加剤を含有してもよい。
赤外線吸収剤は、赤外線を遮蔽する性能を有すれば特に限定されないが、例えば、錫ドープ酸化インジウム粒子が好適である。吸収剤含有層は、赤外線吸収剤を含有することにより、高い遮熱性を発揮することができる。
酸化防止剤は、特に限定されず、例えば、2,2−ビス[[[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]オキシ]メチル]プロパン−1,3−ジオール1,3−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−ジメチル−6,6’−ジ(tert−ブチル)[2,2’−メチレンビス(フェノール)]、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4’−ブチリデンビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)等が挙げられる。
また、結晶核剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ジベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンキシリトール、ジベンジリデンズルシトール、ジベンジリデンマンニトール、カリックスアレーンが挙げられる。結晶核剤は、熱可塑性樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂が使用される場合、好適に使用される。
[バリア層]
熱可塑性フィルムは、発光層と、吸収剤含有層の間にさらにバリア層を有する。バリア層は、発光材料が拡散することを防止するための層であり、具体的には、発光層に配合された発光材料が、吸収剤含有層に移行することを防止する。また、バリア層は、吸着剤含有層に配合された可視光吸収剤が発光層に移行することも防止する。さらに、紫外線吸収剤(A)が発光層と吸収剤含有層の間で移行することも防止する。
そのため、長期間使用した後でも、発光材料が発光層に、可視光吸収剤が吸収剤含有層にとどまるとともに、各層の紫外線吸収剤(A)の含有量を初期のままに維持できる。したがって、長期使用した後でも、輝度抑制率が高くできるとともに、発光層による発光のコントラストを高く維持できる。
バリア層は、樹脂層からなるとよい。樹脂層を構成する樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂などのポリビニルアセタール樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。
アクリル樹脂としては、水酸基含有(メタ)アクリレート由来の構成単位を含むアクリル系ポリマーが好ましく、具体的には、ポリヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA樹脂)、ポリヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA樹脂)などが好ましい。
バリア層に使用する樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレートが好ましく、中でもポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましい。ポリエチレンテレフタレートは、変性PETでもよく、例えばシクロヘキサンジメチレン変性PET(PETG)などが好ましい。
バリア層に使用する樹脂は、1種単独でもよいし、2種以上を併用してもよい。
バリア層は、上記樹脂単体からなってもよいが、その機能を阻害しない限りで、添加剤が配合されてもよい。添加剤としては、酸化防止剤、光安定剤、蛍光増白剤、結晶核剤等が挙げられる。これらの詳細は、上記のとおりである。
また、バリア層は、可塑剤を実質的に含有しないことが好ましい。バリア層は、可塑剤を含有しないことで、発光材料などの拡散を防止できる。特に、発光層及び吸収剤含有層の両方が可塑剤を含有すると、発光材料などの拡散が生じやすいので、発光層及び吸収剤含有層の両方が可塑剤を含有する一方で、バリア層が可塑剤を実質的に含有しないことが好ましい。
なお、可塑剤を実質的に含有しないとは、バリア層の機能を損なわない限りの量で可塑剤が含有してもよく、例えば意図せずに不可避的に混入された可塑剤を含有してもよい。バリア層における可塑剤の含有量は、例えば、熱可塑性樹脂100質量部に対して、2質量部未満となるとよく、1質量部未満となることが好ましく、0.5質量部未満であることがさらに好ましく、最も好ましくは0質量部である。
(各層の厚さ)
熱可塑性フィルムの厚さは、特に限定されないが、好ましくは0.2mm以上3.0mm以下である。熱可塑性フィルムの厚さを0.2mm以上とすることで、熱可塑性フィルムを構成する各層の厚さを一定以上にして、輝度抑制率を向上しやすくなり、良好な発光性が得られる。また、熱可塑性フィルムの接着性、及び合わせガラスの耐貫通性などを良好にできる。また、3.0mm以下とすることで、透明性を確保しやすくなる。熱可塑性フィルムの厚さはより好ましくは0.4mm以上であり、さらに好ましくは0.6mm以上である。また、熱可塑性フィルムの厚さは、より好ましくは2.5mm以下、さらに好ましくは2.0mm以下である。
吸収剤含有層の厚さは、特に限定されないが、好ましくは0.05mm以上1.5mm以下である。吸収剤含有層の厚さを0.05mm以上とすることで、吸収剤含有層の機能を十分に発揮させることができる。また、合わせガラスの耐貫通性なども良好になる。また、1.5mm以下とすることで、熱可塑性フィルムが必要以上に厚くなることを防止でき、透明性も確保しやすくなる。これら観点から吸収剤含有層の厚さはより好ましくは0.10mm以上であり、さらに好ましくは0.20mm以上である。また、より好ましくは1.0mm以下、さらに好ましくは0.8mm以下である。
発光層の厚さは、特に限定されないが好ましくは0.05mm以上1.5mm以下である。発光層の厚さを0.05mm以上とすることで、十分な発光性能を発揮することが可能になる。また、合わせガラスの耐貫通性なども良好になる。発光層の厚さを1.5mm以下とすることで、熱可塑性フィルムが必要以上に厚くなることを防止でき、発光層の透明性が低下することを防止する。これら観点から発光層の厚さはより好ましくは0.10mm以上であり、さらに好ましくは0.20mm以上である。また、より好ましくは1.0mm以下、さらに好ましくは0.8mm以下である。
発光層に対する吸着剤含有層の厚さの比(吸着剤含有層/発光層)は、例えば1/10以上10以下、好ましくは1/5以上5以下、さらに好ましくは1/3以上3以下、よりさらに好ましくは1/2以上2以下である。厚さ比を上記範囲内とすることで、熱可塑性フィルムの厚さを必要以上に厚くすることなく、発光層による発光強度を向上させつつ、輝度抑制率を高めやすくなる。また、熱可塑性フィルムの紫外線による劣化や、室内側への紫外線の入射も低減しやすくなる。
バリア層の厚さは、好ましくは15μm以上300μm以下である。15μm以上とすることで、バリア性が良好となり、発光材料の拡散などを防止できる。また、300μm以下とすることで、熱可塑性フィルムの柔軟性を確保できる。バリア性能の観点から、バリア層の厚さは、より好ましくは30μm以上、さらに好ましくは50μm以上である。また、熱可塑性フィルムの柔軟性の観点から、200μm以下がより好ましく、150μm以下がさらに好ましい。
なお、本発明の熱可塑性フィルムは、上記したとおり、吸着剤含有層、バリア層、及び発光層の3層構造からなることが好ましいが、接着層などのこれら3層以外の層を有してもよい。そのような層は、吸着剤含有層とバリア層の間、発光層とバリア層の間に設けられてもよいし、吸着剤含有層及び発光層それぞれのさらに外側に設けられてもよい。
本発明の熱可塑性フィルムは、励起光が照射されて発光する発光フィルムとして使用される。本発明の熱可塑性フィルムは、ガラス板に積層されて使用されるとよく、例えば1枚のガラス板上に積層されて使用されてもよいが、合わせガラス用中間膜に使用されることが好ましい。合わせガラス用中間膜は、後述するように2枚のガラス板の間に配置され、2枚のガラス板を接着させるために使用される。
[合わせガラス]
本発明の合わせガラスは、例えば図2に示すように、第1のガラス板21と、第2のガラス板22と、第1のガラス板21と第2のガラス板22との間に配置される熱可塑性フィルム10を備える合わせガラス20である。合わせガラス20は、熱可塑性フィルム10によって第1のガラス板21と、第2のガラス板22が接着される。すなわち、熱可塑性フィルム10は、合わせガラス用中間膜として使用される。熱可塑性フィルム10は、吸収剤含有層11、バリア層13、及び発光層12をこの順に備え、各層の構成は、上記で説明したとおりである。熱可塑性フィルム10は、吸収剤含有層11が第1のガラス板21側に、発光層12が第2のガラス板22側に配置される。
本発明の合わせガラス20では、合わせガラス20の輝度抑制率が、50%以上となる。ここで、合わせガラスの輝度抑制率は、以下の方法により測定される。合わせガラスの両面それぞれにソーラーシミュレーターから疑似太陽光を照射し、疑似太陽光が照射された合わせガラスの各面において輝度値を測定する。そして、合わせガラスの吸収剤含有層11側の面である第1のガラス21の表面に対して疑似太陽光を照射した時の第1のガラス21の表面における輝度をAとし、合わせガラスの発光層12側の面である第2のガラス22の表面に対して疑似太陽光を照射した時の第2のガラス22の表面における輝度をBとすると、輝度抑制率は以下の式で算出される。
輝度抑制率=((B−A)/B×100)
本発明の合わせガラスは、輝度抑制率が50%以上となることで、太陽光などの外光が一方の面(第1のガラス板21)に照射されても、不所望の発光を防止できる。一方で、他方の面(第2のガラス板22)に光を照射した時には輝度がそれほど抑制されないことから、他方の面に励起光源からの励起光が照射されると、発光層による発光が十分に生じる。
合わせガラスの輝度抑制率は、熱可塑性フィルムの輝度抑制率と同様の観点から、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上であり、また、95%以下が好ましく、90%以下がより好ましく、87%以下がさらに好ましく、82%以下がよりさらに好ましい。
本発明の合わせガラスは、他方の面(第2のガラス板22側の面)から発光層に含まれる発光材料が励起可能な励起光を照射したしたときの、他方の面における輝度Xと、一方の面(第1のガラス板21側の面)における輝度Yとの差(X−Y)が、95cd/m以下となることが好ましい。このように、輝度差(X−Y)を小さくすることで、発光層の発光による情報を合わせガラスのいずれの面にも表示させやすくなる。そのため、本発明の合わせガラスを例えば自動車の窓ガラスに適用すると、車内及び車外のいずれに対しても、情報表示することが可能にある。
熱可塑性フィルムの輝度差(X−Y)との同様の観点から、合わせガラスの輝度差(X−Y)は、80cd/m以下がさらに好ましく、また、0.1cd/m以上が好ましく、1cd/m以上がより好ましく、3cd/m以上がさらに好ましい。
本発明では、合わせガラスの可視光透過率Tvは、上記した熱可塑性フィルムと同様の観点から、70%以上が好ましく、75%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましく、また、実用的には99%以下、好ましくは97%以下である。
また、合わせガラスの黄色度は、特に限定されないが、上記した熱可塑性フィルムと同様の観点から、例えば12以下、好ましくは10以下、9以下がより好ましく、さらに好ましくは7以下である。
合わせガラスで使用するガラス板としては、無機ガラス、有機ガラスのいずれでもよいが、無機ガラスが好ましい。無機ガラスとしては、特に限定されないが、クリアガラス、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入り板ガラス、線入り板ガラス、グリーンガラス等が挙げられる。
また、有機ガラスとしては、一般的に樹脂ガラスと呼ばれるものが使用され、特に限定
されないが、ポリカーボネート、アクリル樹脂、アクリル共重合体樹脂、ポリエステルな
どの樹脂から構成される有機ガラスが挙げられる。
2枚のガラス板は、互いに同種の材質から構成されてもよいし、別の材質から構成されてもよい。例えば、一方が無機ガラスで、他方が有機ガラスであってもよいが、2枚のガラス板の両方が無機ガラスであるか、又は有機ガラスであることが好ましい。
また、各ガラス板の厚さは、特に限定されないが、例えば、0.1〜15mm程度、好
ましくは0.5〜5mmである。各ガラス板の厚さは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
(合わせガラスの用途)
本発明の合わせガラスは、例えば窓ガラスとして使用されるものであり、より具体的には、自動車、電車、船舶、航空機などの各種乗り物、ビル、マンション、一戸建て、ホール、体育館などの各種建築物等の窓ガラスに使用されるとよい。窓ガラスは、例えば、各種建築物の外面、各種乗り物の外面などに配置され、屋外から屋内に向けて、窓ガラスを介して外光が入射されるとよい。
合わせガラスは、乗り物窓ガラス、特に自動車用窓ガラスに使用されることが好ましい。また、合わせガラスは、屋内側(自動車では、車内側)から、上記した第2のガラス板に励起光を照射させることで、発光層からの発光により各種画像を表示できる。発光層からの発光により画像を表示する場合には、画像は、屋外側に向けて表示してもよいし、屋内側に向けて表示してもよい。
自動車用窓ガラスはフロントガラス、リアガラス、サイドガラス、ルーフガラスのいずれでもよいが、フロントガラスに使用することが好ましい。発光層を有する合わせガラスをフロントガラスに使用すると、HUD用途に好適に使用できる。
本発明は、上記した合わせガラスと、光源とを備える画像表示システムも提供する。合わせガラスは、上記したように、窓ガラスであるとよく、第1のガラス板が屋外側(自動車では車外側)、第2のガラス板が屋内側(自動車では車内側)に配置される。光源は、合わせガラスに含まれる発光材料を励起できる励起光を発する限り特に限定されないが、レーザー光源、LED光源、キセノンランプなどが使用される。光源は、屋内(自動車では車内)に配置されるとよく、それにより光源からの励起光は第1のガラス板に照射されるとよい。光源から励起光を合わせガラスに照射すると、合わせガラス中の発光材料が発光して合わせガラスに画像が表示される。
本発明の画像表示システムは、合わせガラスを自動車のフロントガラスとすると、自動車のHUDとして好使用できる。
(製造方法)
吸収剤含有層は、例えば、熱可塑性樹脂、可視光吸収剤、紫外線吸収剤(A)、必要に応じて添加される可塑剤、その他の添加剤などの吸収剤含有層を構成する材料よりなる熱可塑性樹脂組成物により形成するとよい。発光層は、例えば、熱可塑性樹脂、発光材料、必要に応じて添加される可塑剤、紫外線吸収剤、その他の添加剤などの発光層を構成する材料よりなる熱可塑性樹脂組成物により形成するとよい。
本発明において、発光層、吸収剤含有層は、それぞれを構成する材料を混練して得られた熱可塑性樹脂組成物を押出成形、プレス成形などして作製すればよい。
本発明の熱可塑性フィルムは、熱可塑性フィルムを構成する各層(発光層、バリア層、及び吸収剤含有層)を積層して、熱圧着などすることで製造できる。
また、合わせガラスも同様に製造でき、2枚のガラス板の間に、熱可塑性フィルムを構成する各層を積層して、熱圧着などすることで製造できる。
本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
[可視光透過率(Tv)]
合わせガラスの可視光透過率(Tv)は、JIS R 3211(1998)に準拠して分光光度計(日立ハイテク社製「U−4100」)を用いて測定した。
[黄色度(YI)]
分光光度計(日立ハイテク社製「U−4100」)を用いて、JIS K7105に準拠して、得られた合わせガラスの透過法によるYI値(黄色度、イエローインデックス)を測定した。
[光透過率差]
吸収剤含有層及び発光層のそれぞれを用いて2枚のクリアガラスで合わせガラスとし、それぞれの合わせガラスに対して、分光光度計(日立ハイテク社製「U−4100」)を用いて、JIS R3211(1998)に準拠して、透過率を測定して求めた。なお、クリアガラスとしては、後述する実施例1と同様のものを使用した。
そして、発光材料の最大発光波長における発光層の透過率(2)と、吸収剤含有層の透過率(1)より、光透過率差((2)−(1))を算出した。
[輝度抑制率]
暗室下にて、ソーラーシミュレーター(朝日分光社製、「HAL−320W」)の出射端を、得られた合わせガラスの第1のガラス板表面(吸収剤含有層側の面)に対して垂直方向に10cm離れた位置に配置し、合わせガラスに疑似太陽光を照射した。第1のガラス板表面から45度の角度で、第1のガラス板表面からの最短距離が35cmとなる位置に配置した輝度計(トプコンテクノハウス社製、「SR−3AR」)によって、第1のガラス板表面における輝度A(cd/m)を測定した。
同様に、第2のガラス板表面(発光層側の面)に対しても、疑似太陽光を照射して、第2のガラス板表面における輝度B(cd/m)を測定した。得られた輝度値に基づき、((B−A)/B×100)により合わせガラスの輝度抑制率を求めた。
[輝度差(X−Y)]
暗室下にて、光量を90%に調整したHigh Powerキセノン光源(朝日分光社製、「REX−250」、照射波長405nm)の出射端を、得られた合わせガラスの第2のガラス板表面(発光層側の面)に対して垂直方向に10cm離れた位置に配置し、合わせガラスの全面へ光を照射した。第2のガラス板表面から光を照射した際、第2のガラス板表面から45度の角度で、第2のガラス板表面からの最短距離が35cmとなる位置に配置した輝度計によって輝度X(cd/m)を測定した。また、第2のガラス板表面から光を照射した際、第1のガラス板表面(吸収剤含有層側の面)から45度の角度で、第1のガラス板表面からの最短距離が35cmとなる位置に配置した輝度計によって輝度Y(cd/m)を測定して、輝度X−輝度Yを求めた。なお、輝度計としては、輝度抑制率測定時と同様のものを使用した。
(樹脂)
PVB:ポリビニルブチラール樹脂、アセタール化度69モル%、水酸基量30モル%、アセチル化度1モル%、重合度1700
(可塑剤)
3GO:トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート
(紫外線吸収剤)
ベンゾトリアゾール系(1):Tinuvin 326、式(11)で表され、かつXが塩素原子、R21がメチル基、R22はtert−ブチル基、Y1が水素原子、Y2が水酸基で表される化合物。商品名「Tinuvin 326」、チバスペシャリティ・ケミカルズ社製
ベンゾトリアゾール系(2):2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール
(可視光吸収剤)
ペリレン系顔料:ピグメントレッド149(P.R.149)、N,N’−ビス(3,5−ジメチルフェニル)ペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボイミド)
黒色顔料:ピグメントブラック7(P.BK.7)、カーボンブラック
(発光材料)
テレフタル酸エステル:2,5−ジヒドロキシテレフタル酸ジエチル(最大励起波長:385nm)
キノリン系:2−(3−オキソインドリン−1−イリデン)メチルキノリン(最大励起波長:380nm)
(耐湿性向上剤)
A208B:ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステル(第一工業製薬社製、「プライサーフA208B」)
(接着力調整剤)
酢酸カリウム
(バリア層)
PET(1):ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:100μm、商品名「テイジン(登録商標)テトロン(登録商標)フィルム HB3」、帝人フィルムソリューション社製)
[実施例1]
(吸収剤含有層の作製)
表1に示す配合に従って、ポリビニルブチラール樹脂、可塑剤、紫外線吸収剤、可視光吸収剤、耐湿性向上剤、及び接着力調整剤を混合し、得られた熱可塑性樹脂組成物を二軸異方押出機により押出成形して、厚さ760μmの吸収剤含有層を作製した。
(発光層の作製)
表1に示す配合に従って、ポリビニルブチラール樹脂、可塑剤、紫外線吸収剤、発光材料、耐湿性向上剤、及び接着力調整剤を混合し、得られた熱可塑性樹脂組成物を二軸異方押出機により押出成形して、厚さ760μmの発光層を作製した。
(合わせガラスの作製)
得られた発光層及び吸収剤含有層を、23℃、相対湿度28%の恒温恒湿条件で4時間保持した。その後、透明なクリアガラス板(JIS R 3211(1998)に準拠したクリアガラス板、縦50mm×横50mm×厚さ2.5mm、可視光透過率90.4%)を2枚用意して、一方のクリアガラス板の上に、発光層、バリア層、吸収剤含有層、及び他方のクリアガラス板をこの順に重ねて積層体とした。得られた積層体を、ゴムバッグ内に移し、ゴムバッグを吸引減圧系に接続し、外気加熱温度で加熱すると同時に−600mmHg(絶対圧力160mmHg)の減圧下で10分間保持し、積層体の温度(予備圧着温度)がそれぞれ60℃になるように加熱した後、大気圧に戻して仮圧着を行った。仮圧着された積層体を、オートクレーブ内で、温度140℃、圧力1.3MPaの条件下に10分間保持した後、50℃まで温度を下げ大気圧に戻すことにより本圧着を終了して、合わせガラスを得た。合わせガラスは、第1のガラス板/吸収剤含有層/バリア層/発光層/第2のガラス板の層構成からなるものであった。
[実施例2〜5、比較例2]
吸収剤含有層、及び発光層の配合及び厚さ、並びにバリア層の種類を表1に示すとおりに変更した点を除いて実施例1と同様に実施して合わせガラスを得た。
[比較例1]
吸収剤含有層及びバリア層を使用せずに、第1及び第2のガラス板に発光層単層を配置して、合わせガラスを得た以外は実施例1と同様に実施した。
Figure 2021147288



※表1における極大吸収波長及び極大発光波長は、各物質において1つのみであり、最大吸収及び最大発光波長でもある。
各実施例では、本発明の熱可塑性フィルムを用いて作製した合わせガラスは、発光層側の表面から疑似太陽光を照射して発光層側の表面で測定した輝度に対する、吸収剤含有層側の表面から疑似太陽光を照射して吸収剤含有層側の表面で測定した輝度の抑制率が50%以上となった。そのため、吸収剤含有層側から太陽光などの外光が入射されても、不要な発光が防止されるとともに、他方の面から励起光を照射される場合には高いコントラストで発光することができた。
10 熱可塑性フィルム
11 吸収剤含有層
12 発光層
13 バリア層
20 合わせガラス
21 第1のガラス板
22 第2のガラス板

Claims (9)

  1. 吸収剤含有層、バリア層、及び発光層をこの順に備える熱可塑性フィルムであって、
    前記吸収剤含有層が、熱可塑性樹脂と、可視光吸収剤と、300nm以上360nm未満に極大吸収波長を有する紫外線吸収剤とを含有し、
    前記発光層が熱可塑性樹脂を含有し、
    前記吸収剤含有層における熱可塑性樹脂100質量部に対する300nm以上360nm未満に極大吸収波長を有する紫外線吸収剤の含有量(1)が、前記発光層における熱可塑性樹脂100質量部に対する300nm以上360nm未満に極大吸収波長を有する紫外線吸収剤の含有量(2)よりも多く、
    JIS R 3211(1998)に準拠した厚さ2.5mmの2枚のクリアガラスを、前記熱可塑性フィルムを介して接着させて合わせガラスを得て、前記合わせガラスの吸収剤含有層側の一方の面に対して、ソーラーシミュレーターから疑似太陽光を照射した時の前記一方の面における輝度をAとし、前記合わせガラスの発光層側の他方の面に対して前記疑似太陽光を照射した時の前記他方の面における輝度をBとすると、((B−A)/B×100)で表される輝度抑制率が50%以上である、熱可塑性フィルム。
  2. JIS R 3211(1998)に準拠した厚さ2.5mmの2枚のクリアガラスを、前記熱可塑性フィルムを介して接着させて合わせガラスを得て、その合わせガラスの黄色度が10以下である、請求項1記載の熱可塑性フィルム。
  3. 前記可視光吸収剤が、染料及び顔料から選択される少なくとも1種を含む、請求項1又は2記載の熱可塑性フィルム。
  4. 前記染料又は前記顔料が、ペリレン顔料、黒色顔料、フタロシアニン顔料、アントラキノン顔料、及びアントラキノン染料からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項3記載の熱可塑性フィルム。
  5. 前記含有量(2)に対する、前記含有量(1)の比が、1.5以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性フィルム。
  6. 前記発光層が、発光材料を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱可塑性フィルム。
  7. 合わせガラス用中間膜である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱可塑性フィルム。
  8. 第1のガラス板と、第2のガラス板と、前記第1のガラス板と第2のガラス板との間に配置される熱可塑性フィルムとを備える合わせガラスであって、
    前記熱可塑性フィルムが、吸収剤含有層、バリア層、及び発光層をこの順に備え、
    前記吸収剤含有層が第1のガラス板側に、前記発光層が第2のガラス板側に配置され、
    前記吸収剤含有層が、熱可塑性樹脂と、可視光吸収剤と、300nm以上360nm未満に極大吸収波長を有する紫外線吸収剤とを含有し、
    前記発光層が熱可塑性樹脂を含有し、
    前記吸収剤含有層における熱可塑性樹脂100質量部に対する300nm以上360nm未満に極大吸収波長を有する紫外線吸収剤の含有量(1)が、前記発光層における熱可塑性樹脂100質量部に対する300nm以上360nm未満に極大吸収波長を有する紫外線吸収剤の含有量(2)よりも多く、
    前記合わせガラスの前記第1のガラス板側の表面に対して、ソーラーシミュレーターから疑似太陽光を照射した時の前記第1のガラス板側の表面の輝度をAとし、前記合わせガラスの前記第2のガラス板側の表面に対して、前記疑似太陽光を照射した時の前記第2のガラス板側の輝度をBとすると、((B−A)/B×100)で表される輝度抑制率が50%以上である、合わせガラス。
  9. 請求項8に記載の合わせガラスと、光源とを備える画像表示システム。

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