JP2021144985A - テンプレート、テンプレートの製造方法および半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】紫外光漏れによる紫外光硬化性レジストの硬化を防止しつつ、可視光によるアライメントマークの観察を容易にするテンプレート、テンプレートの製造方法および半導体装置の製造方法を提供する。【解決手段】実施の形態に係るテンプレートは、主面を有する基材と、前記主面上に設けられ、第1の面を有するメサ構造と、前記メサ構造の外周領域に設けられた量子ドットを含む材料膜とを備える。【選択図】 図1
Description
本発明の実施形態は、テンプレート、テンプレートの製造方法および半導体装置の製造方法に関する。
半導体デバイス製造のリソグラフィ工程において、光リソグラフィに替わるパターンの転写方法としてナノインプリントリソグラフィが提案されている。ナノインプリントリソグラフィでは、液状の有機材料を塗布した基板にパターンが形成されたテンプレートを直接押し当ててパターンを転写する。
本実施形態が解決しようとする課題は、紫外光漏れによる紫外光硬化性レジストの硬化を防止しつつ、可視光によるアライメントマークの観察を容易にするテンプレート、テンプレートの製造方法および半導体装置の製造方法を提供することである。
実施の形態に係るテンプレートは、主面を有する基材と、前記主面上に設けられ、第1の面を有するメサ構造と、前記メサ構造の外周領域に設けられた量子ドットを含む材料膜とを備える。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。以下に説明する図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係等は現実のものとは異なる。
まず、本実施形態に係るテンプレートについて説明する。本実施形態に係るテンプレートは、例えば、ナノインプリントリソグラフィに用いられる、半導体装置を製造するための微細加工を行う原版である。
本実施形態に係るテンプレートについて図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るテンプレート1の構成を示す図である。図1(a)は、Z方向から見た、テンプレート1の平面図である。図1(b)は、X方向から見た、AA’に沿ったテンプレート1の断面図である。テンプレート1は、Z方向から見て四辺形の基材11が加工されたものである。光を用いたナノインプリントリソグラフィの場合、テンプレートは、例えば、石英(透明材料)を主成分とする。基材11の主面12の中央には主面12から凸形状に突き出たメサ構造13が設けられている。メサ構造13は、パターン面14を有する。パターン面14は、転写パターンやアライメントマークを構成する、凹構造を有する。メサ構造13の外周領域およびメサ構造13の側面には材料膜15が設けられる。材料膜15は量子ドット5を含む。
本実施形態に係る量子ドット5について図2を参照して説明する。図2は、本実施形態に係る量子ドット5の構造を示す図である。量子ドット5は、半導体化合物の微結晶である。量子ドット5の構造は図2に示されるようにコア型とコア・シェル型に大別される。コア・シェル型の量子ドット5では、シェル7がコア6の表面を覆う構造となっている。コア6の主成分は、ルチル型やペロブスカイト型などの結晶構造を持つ元素半導体または化合物半導体で構成される。化合物半導体は、例えば、II-VI族、III-V族、IV-VI族の元素の組み合わせからなる。この元素半導体または化合物半導体は例えば、CdS(硫化カドミウム)、CdSe(セレン化カドミウム)、CdTe(テルル化カドミウム)、ZnS(硫化亜鉛)、ZnCdSe、InP(リン化インジウム)、Si(ケイ素)、Pb(鉛)、PbS(硫化鉛)、CuInS2(インジウム銅鉱)、C(炭素)、Graphene(グラフェン)のいずれかを含む。シェル7の主成分は、硫化亜鉛や二酸化ケイ素などの無機物で構成される。保護剤8は、コア6またはシェル7の表面と高親和性を有し、結合可能な官能基を持つ有機材料を含む。有機材料は高分子、低分子のいずれであってもよい。保護剤8に含まれる有機材料としては、クエン酸、オレイン酸などの有機酸、またはアミノ基、チオール基、リン酸基を有する高分子などがあげられる。なお、量子ドット5はコア6のみ、あるいはコア6とシェル7のみで構成されていてもよい。量子ドット5は、その粒径に従って紫外光を主とする特定の波長を吸収し、可視光を主とする蛍光発光が生じることが知られている。量子ドット5は、同様の特徴を持つ有機蛍光色素と比較して、光の変換効率が高い。また、耐久性も有機蛍光色素より高い。さらに、水や有機溶媒に分散し易い性質を有するため、塗布や層の形成が容易な材料である。本実施形態に係るテンプレートの製造方法では、紫外光で硬化するレジストを用いる。よって、本実施形態に用いる量子ドット5としては、紫外光を吸収して可視光を放出するものが望ましい。具体的には、吸収する光の波長が360nm、放出する光の波長が440nmのGraphene量子ドットなどが挙げられる。
つぎに、本実施形態に係るテンプレートの製造方法について図3を参照して説明する。図3は、本実施形態に係るテンプレート1の製造方法を説明する図である。
まず、主面を有する基材と、主面上にメサ構造を備えた材料テンプレート2を準備する。メサ構造はパターン面14を有する。この材料テンプレート2は、転写パターンやアライメントマークが設けられたもの、設けられる前のもの、のいずれであってもよい。つぎに、図3(a)に示すように基板21上に光硬化性レジスト22を塗布し、図3(b)に示すように材料テンプレート2のパターン面14を光硬化性レジスト22に押し付ける。そして、露出光23を光硬化性レジスト22に照射し、光硬化性レジスト22を硬化させる。図3(c)に示すように、基板21から光硬化性レジスト22および材料テンプレート2を剥離することで、パターン面14を保護する保護膜25が形成される。なお、本実施形態では保護膜25の材料として光硬化性レジスト22を例示したが、保護膜25を形成可能な物であればその材質は特に限定されない。保護膜25を形成した後、図3(d)に示すように量子ドット5を含む材料膜15を形成する。材料膜15は、例えば、量子ドット5を含む分散溶液を塗布し、分散溶液の溶媒を加熱等により除去することで形成される。材料膜15には、材料テンプレート2への付着性を高めるために高分子が含まれていてもよい。高分子は、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド等であり、分散溶液中に混合されていてもよいし、量子ドット5の保護剤8中に含まれていてもよい。そして、図3(e)に示すようにパターン面14上の保護膜25および材料膜15を除去する。このようにして、本実施形態に係るテンプレート1を製造することができる。その後の工程として、転写パターンやアライメントマークを設ける工程を行ってもよい。
つぎに、本実施形態に係るテンプレート1を用いた半導体装置の製造方法について図4を参照して説明する。図4は、本実施形態に係るテンプレート1を用いた半導体装置の製造方法を説明する図である。
まず、図4(a)に示すように、半導体基板を含む被転写基板31に紫外光硬化性レジスト32を塗布する。被転写基板31は、例えば、シリコン基板やSOI基板であり、表面に被加工膜39が形成されていてもよい。次に、図4(b)に示すように、紫外光硬化性レジスト32にテンプレート1のパターン面14を接触させる。この時、パターン面14の凹部内は紫外光硬化性レジスト32によって充填される。続いて、図4(c)に示すように、紫外光硬化性レジスト32にテンプレート1のパターン面14を接触させた状態で、紫外光硬化性レジスト32に紫外光を含む露出光33を照射する。これによって、紫外光硬化性レジスト32が硬化する。その後、図4(d)に示すように硬化した紫外光硬化性レジスト32からテンプレートを剥離する。そして、図4(e)に示すように、テンプレートから離れた紫外光硬化性レジスト32をマスクにして被転写基板31をエッチングする。これにより、被転写基板31にテンプレート1のパターンが形成される。この時、被転写基板31に形成された被加工膜39がポリシリコン膜や金属膜の場合には、微細な電極パターンや配線パターンなどが形成される。また、被転写基板31に形成された被加工膜39が絶縁膜の場合には、微細なコンタクトホールパターンやゲート絶縁膜などが形成される。また、被転写基板31に被加工膜39が形成されておらず、基板の最上層が半導体基板である場合には、微細な素子分離溝などが形成される。
次に、図5を用いて、図4(c)に示した工程を詳細に説明する。図5は、図4に続く本実施形態に係るテンプレート1を用いた半導体装置の製造方法を説明する図である。
図5に示すように、テンプレート1を用いてナノインプリントリソグラフィを行う際には、被転写基板31の上に形成された紫外光硬化性レジスト32の転写領域35にテンプレート1のパターン面14を押し当て、紫外光を含む露出光33を照射する。露出光33の光源とテンプレート1との間には、開口部38を有する遮光板37が設けられている。そして、開口部38を通過した露出光33がテンプレート1に照射される。
露出光33を照射する際には、転写領域35に連接する非転写領域36への紫外光の漏れを防ぐ必要がある。紫外光の漏れを防ぐことで、非転写領域36の紫外光硬化性レジスト32を意図せず硬化させてしまうことを防ぐことができる。遮光板37はこの紫外光の漏れを防ぐために設けられる。しかしながら、この遮光板37のみで非転写領域36への紫外光の漏れを防ぐことは困難である。これは、遮光板37と紫外光硬化性レジスト32との間に距離あるため、光の回折の影響を受け開口部38の外側まで光が広がってしまうことや、取り付けやアライメントの精度による誤差を想定して遮光板37の開口部38が転写領域35よりも大きくなるように設計されていること等に起因する。そのため、露出光は一部の非転写領域36にも照射されてしまう。
そこで、本実施形態に係るテンプレート1は、図5に示すように、材料膜15が非転写領域36に照射される露出光33に含まれる紫外光を、可視光34に変換する。紫外光の波長は例えば、300〜400nmである。一方、可視光34の波長は例えば、400〜800nmである。可視光は紫外光硬化性レジスト32をほとんど硬化させないため、非転写領域36の紫外光硬化性レジスト32はほとんど硬化しない。これによって、主に転写領域35に紫外光を含む露出光33を照射することが可能となり、紫外光漏れによる非転写領域36の意図しない紫外光硬化性レジスト32の硬化を低減ができる。材料膜15はメサ構造13の外周領域およびメサ構造13の側面に設けられることが望ましいが、メサ構造13の側面に材料膜15を設けることを省略した場合でも本実施形態の効果を得ることが可能である。
続いて、比較例と比較した時の本実施形態の効果について図6、図7を参照して説明する。図6は、比較例に係るテンプレート3の構成を示す図である。図6(a)は、Z方向から見た、比較例に係るテンプレート3の平面図である。図1と同一の構成については詳細な説明を省略する。図6(b)は、X方向から見た、BB’に沿ったテンプレート3の断面図である。テンプレート3は、Z方向から見て四辺形の基材11が加工されたものである。基材11の主面12には、パターン面14を含むメサ構造13が設けられる。メサ構造13の周辺には遮光膜45が形成されている。遮光膜45を構成する材料としては、例えば、金属材料及びその酸化物、窒化物、酸窒化物等を1種以上含むものを挙げることができる。上記の金属材料の具体例としては、例えば、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)等を挙げることができる。
図7は、比較例に係るテンプレート3を用いた半導体装置の製造方法を示す図である。図5と同一の構成については詳細な説明を省略する。図7に示すように、比較例において露出光33は、フィルター51と開口部38を有する遮光板37を経てテンプレート3に照射される。フィルター51は、露出光33の光源と遮光板37との間に設けられ、露出光33に含まれる紫外光を単色化する。フィルター51によって単色化された単色化光53は、遮光板37によって照射する領域が制限される。その後、単色化光53が照射される領域は、テンプレート3の遮光膜45によってさらに制限され、転写領域35の紫外光硬化性レジスト32にのみ照射される。フィルター51によって露出光33を単色化することで、遮光板37での単色化光53の回折する角度を制御することが可能となる。そして、その角度に応じて遮光膜45の設計を行うことで非転写領域36への紫外光の漏れを効果的に防ぐことが可能となる。しかしながら、このフィルター51による単色化によって、照射する紫外光の光強度が低下してしまう。光強度の低下により、紫外光硬化性レジスト32の硬化時間が長くなる可能性があり、スループットへの影響が懸念されている。
また、インプリントの開始時に被転写基板31を支持するステージ上に設けられたマークを用いて位置合わせを行う工程がある。この位置合わせの工程は、メサ構造13の外周領域へ赤色光などの可視光を照射して行われる。そのため、遮光膜45によってステージ上に設けられたマークの観察が困難になり、位置合わせの精度が低下してしまう。
これに対して、本実施形態に係るテンプレート1では、メサ構造13の外周領域全体に紫外光を可視光に変換する材料膜15が設けられているため、フィルター51を用いて露出光の回折する角度を制御する必要がない。また、フィルター51を用いる必要がないので、紫外光の光強度を維持することが可能となり、紫外光硬化性レジスト32の硬化時間の短縮や、スループットの向上を図ることができる。また、材料膜15は可視光を透過するため、インプリントの開始時の位置合わせにおけるステージ上に設けられたマークの観察が容易になり、位置合わせの精度を向上させることが出来る。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1、3…テンプレート、2…材料テンプレート、11…基材、12…主面、13…メサ構造、14…パターン面、15…材料膜、31…被転写基板、32…紫外光硬化性レジスト、33…露出光、34…可視光、39…被加工膜
Claims (8)
- 主面を有する基材と、
前記主面上に設けられ、第1の面を有するメサ構造と、
前記メサ構造の外周領域に設けられた量子ドットを含む材料膜と、
を備えたテンプレート。 - 前記メサ構造の側面に前記材料膜をさらに備える請求項1に記載のテンプレート。
- 前記材料膜は、紫外光を可視光に変換することを特徴とする請求項1に記載のテンプレート。
- 前記材料膜に含まれる前記量子ドットは、紫外光を吸収し可視光を放出することを特徴とする請求項1に記載のテンプレート。
- 前記量子ドットはカドミウム、亜鉛、インジウム、セレン、硫黄、ケイ素、炭素のいずれかを含むことを特徴とする請求項4に記載のテンプレート。
- 前記第1の面の紫外光の透過率が前記外周領域の紫外光の透過率よりも高く、かつ前記主面の前記外周領域の可視光の透過率が前記第1の面の可視光の透過率以上であることを特徴とする請求項1に記載のテンプレート。
- 主面を有する基材と、前記主面上に設けられ、第1の面を有するメサ構造と、を備えたテンプレートを準備する工程と、
前記第1の面上に第1の材料膜を形成する工程と、
前記主面に量子ドットを含む第2の材料膜を形成する工程と、
前記第1の面上の前記第1の材料膜を除去する工程と、
を備えることを特徴とするテンプレートの製造方法。 - 半導体基板に紫外光で硬化する第1の材料膜を塗布する工程と、
凹凸パターンを有する請求項1から6に記載のテンプレートの前記凹凸パターンを前記第1の材料膜に接触させる工程と、
前記第1の材料膜を硬化させる工程と、
前記第1の材料膜から前記テンプレートを剥離させる工程と、
を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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