JP2021142898A - セルフシールタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐異物付着性、シール性、及びシーラント層に対するコーティング層の接着性に優れるセルフシールタイヤの提供。【解決手段】タイヤ内面の上にシーラント層を有し、上記シーラント層の上にコーティング層を有し、上記コーティング層がポリウレタン系化合物を含む、セルフシールタイヤ。【選択図】図1

Description

本発明は、セルフシールタイヤに関する。
従来、タイヤ内面に密封層(所謂シーラント)を備えたタイヤ(例えば空気入りタイヤ)が知られている。このようにタイヤ内面に密封層を有するタイヤは、一般に、セルフシールタイヤ又はシーラントタイヤと呼ばれている。本明細書において、このようなタイヤを以下セルフシールタイヤと称する。
セルフシールタイヤは、タイヤに釘等が刺さり貫通孔が生じた場合であっても、貫通孔に上記シーラントが流入して貫通孔を密封し、タイヤの内圧低下を抑制することができる。
上記シーラントは、一般的に、粘着性を有するものであり、ブチル系ゴムのようなゴム成分を含む組成物で形成されるが、上記粘着性のためにシーラントに異物が付着するという問題点があった。
シーラント層への異物の付着等が抑制されたシーラントタイヤを提供することを目的とし、例えば特許文献1のようなシーラントタイヤが提案されている。特許文献1には、インナーライナーのタイヤ半径方向内側にシーラント層を有するシーラントタイヤであって、該シーラントタイヤが、シーラント材の表面に架橋剤が塗布された状態で、シーラント材を押圧部材によりタイヤの内周面に押圧することにより、シーラント材をタイヤの内周面に塗布する製法により製造されたものであるシーラントタイヤが記載されている(請求項1)。
特開2016−78828号公報
自動車等の走行安全性を確保するために、セルフシールタイヤに要求されるシール性は、近年ますます高まっている。
このようななか、本発明者は特許文献1を参考にして、シーラント層の上に塗布するコーティング剤を調製しこれを評価したところ、コーティング剤がシーラント層(若しくはコーティング層)の異物の付着を抑制できない、又はシーラント層に対するコーティング層の接着性が低い場合があることを見出した。
そこで、本発明は、耐異物付着性、シール性、及びシーラント層に対するコーティング層の接着性に優れるセルフシールタイヤを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、シーラント層の上にポリウレタン系化合物を含むコーティング層を設けることによって所望の効果が得られることを見出し、本発明に至った。
本発明は上記知見等に基づくものであり、具体的には以下の構成により上記課題を解決するものである。
[1] タイヤ内面の上にシーラント層を有し、上記シーラント層の上にコーティング層を有し、上記コーティング層がポリウレタン系化合物を含む、セルフシールタイヤ。
[2] 上記コーティング層の厚さが、0.05mm〜1.0mmである、[1]に記載のセルフシールタイヤ。
[3] 上記シーラント層と上記コーティング層との接着力が、0.2N/mm以上である、[1]又は[2]に記載のセルフシールタイヤ。
[4] 上記コーティング層の破断時伸びが、10%以上1000%以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載のセルフシールタイヤ。
[5] 上記コーティング層の軟化点が、80℃以上である、[1]〜[4]のいずれかに記載のセルフシールタイヤ。
[6] 上記コーティング層が、ウレタンプレポリマーが硬化して形成される、[1]〜[5]のいずれかに記載のセルフシールタイヤ。
[7] 上記ウレタンプレポリマーを構成するポリオール化合物の重量平均分子量が、1000以上10000以下である、[6]に記載のセルフシールタイヤ。
[8] 上記ウレタンプレポリマーが、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物との反応物であり、
上記ポリイソシアネート化合物が、芳香族系ポリイソシアネート化合物を含む、[6]又は[7]に記載のセルフシールタイヤ。
[9] 上記ウレタンプレポリマーが、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物との反応物であり、
上記ポリオール化合物が、3官能以上のポリオール化合物を含む、[6]〜[8]のいずれかに記載のセルフシールタイヤ。
[10] 上記コーティング層のタック試験により測定した粘着力が、0.5〜5.0kgfである、[1]〜[9]のいずれかに記載のセルフシールタイヤ。
本発明のセルフシールタイヤは、耐異物付着性、シール性、及びシーラント層に対するコーティング層の接着性に優れる。
本発明のセルフシールタイヤの一例を模式的に示す子午線断面図である。
本発明について以下詳細に説明する。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートはアクリレート又はメタクリレートを表し、(メタ)アクリロイルはアクリロイル又はメタクリロイルを表し、(メタ)アクリルはアクリル又はメタクリルを表す。
また、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において使用されうる各成分は、特に断りのない限り、その成分に該当する物質をそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。成分が2種以上の物質を含む場合、成分の含有量は、2種以上の物質の合計の含有量を意味する。
本明細書において、耐異物付着性、シール性、及びシーラント層に対するコーティング層の接着性のうちの少なくとも1つがより優れることを、本発明の効果がより優れるということがある。
[セルフシールタイヤ]
本発明のセルフシールタイヤ(本発明のタイヤ)は、タイヤ内面の上にシーラント層を有し、上記シーラント層の上にコーティング層を有し、上記コーティング層がポリウレタン系化合物を含む、セルフシールタイヤである。
本発明のタイヤはこのような構成をとるため、所望の効果が得られるものと考えられる。その理由は明らかではないが、およそ以下のとおりと推測される。
セルフシールタイヤにおけるコーティング層がポリウレタン系化合物を含む場合、上記コーティング層がシーラント層よりも表面のべたつきが低いことを本発明者は見出している。
また、ポリウレタン系化合物は柔らかい素材であるため、シーラント層のシール性を阻害しにくい、又は走行等のタイヤの動きに対してシーラント層に追従してシーラント層から剥がれにくいと考えられる。
上記のような理由から、本発明のタイヤは耐異物付着性、シール性、及びシーラント層に対するコーティング層の接着性に優れると推察される。
なお、本発明に関するメカニズムは上記に限定されない。本発明の範囲内であれば、メカニズムは上記以外であってもよい。
以下、本発明のタイヤについて詳述する。
(タイヤの基本構造)
本発明のセルフシールタイヤが有する、シーラント層及びコーティング層以外の部分(タイヤ自体)を「タイヤの基本構造」という場合がある。
上記タイヤの基本構造としては、例えば、空気入りタイヤが挙げられ、具体的には例えば、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備える空気入りタイヤが挙げられる。タイヤの基本構造は、タイヤの例えば内周面(最内層)にインナーライナー層を更に有してもよい。
本発明において、タイヤ内面は、タイヤの基本構造(タイヤ自体)の内側の表面を指す。
本発明のセルフシールタイヤは、本発明の効果により優れるという観点から、少なくとも上記トレッド部におけるタイヤ内面(タイヤ半径方向の内側部分の表面)にシーラント層を有することが好ましい。上記トレッド部におけるシーラント層は、更にサイドウォール部のタイヤ内面の上に(上記トレッド部におけるシーラント層に連続して一体となって)存在してもよい。
また、上記シーラント層を、タイヤ内面にあるインナーライナー層の上に設けることが好ましい態様の1つとして挙げられる。
上記インナーライナー層がハロゲン化ブチルゴムを含有することが好ましい。これにより、インナーライナー層とシーラント層との接着性を良好にすることができるからである。
なお、上記シーラント層を形成するために使用されるシーラント組成物については後述する。
以下、本発明のセルフシールタイヤの構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお本発明は添付の図面に制限されない。
図1は、本発明のセルフシールタイヤの一例を模式的に示す子午線断面図である。
図1に示すように、セルフシールタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、サイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とを備えている。図1において、符号CLはタイヤ赤道を示す。尚、図1は子午線断面図であるため描写されないが、トレッド部1、サイドウォール部2、ビード部3は、それぞれタイヤ周方向に延在して環状を成しており、これによりタイヤのトロイダル状の基本構造が構成される。また、子午線断面図における他のタイヤ構成部材についても、特に断りがない限り、タイヤ周方向に延在して環状を成している。
図1の例において、左右一対のビード部3間にはカーカス層4が装架されている。カーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5およびビードフィラー6の廻りに車両内側から外側に折り返されている。ビードフィラー6はビードコア5の外周側に配置され、カーカス層の本体部と折り返し部とにより包み込まれている。
トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層のベルト層7(7a,7b)が埋設されている。トレッド部1におけるベルト層7の外周側にはベルト補強層8が設けられている。図示の例では、ベルト層7の全幅を覆うフルカバー層とフルカバー層の更に外周側に配置されてベルト層7の端部のみを覆うエッジカバー層の2層のベルト補強層8が設けられている。
図1において、カーカス層4に沿ってタイヤの内側にインナーライナー層9が設けられている。インナーライナー層9は、タイヤ内に充填された空気がタイヤ外に透過することを防ぐための層である。
図1に示すように、トレッド部1におけるインナーライナー層9のタイヤ半径方向内側(タイヤ内面)には、シーラント層10が設けられている。シーラント層10は、上述の基本構造を有するタイヤの内表面に例えば貼付けて形成することができる。例えば釘等がトレッド部1に突き刺さった際に、その貫通孔にシーラント層10を構成するシーラント材が流入することにより、空気圧の減少を抑制し、走行を維持できる。
シーラント層10は、例えば0.5mm〜5.0mmの厚さであることが好ましい。この程度の厚さを有することで、シール性を良好に確保しながら、耐流動性(走行中にタイヤに掛かる遠心力又は熱によってもセルフシールタイヤ内のシーラントが流動しにくく、シーラント層が形状を維持できること。以下同様)が優れる。また、シーラント層10をタイヤ内面に貼付する際の加工性も良好になる。尚、シーラント層10の厚さとは平均厚さである。
図1に示すように、シーラント層10の上にコーティング層11が設けられている。コーティング層は、シーラント層全体を覆うことが好ましい態様の1つとして挙げられる。コーティング層11は、後述するポリウレタン系化合物を含む。
<ポリウレタン系化合物>
本発明において、上記コーティング層は、ポリウレタン系化合物を含む。
本発明において、ポリウレタン系化合物は、ウレタン結合及び/又はウレア結合を合計で複数有する化合物であれば等に制限されない。
上記コーティング層は、本発明の効果により優れるという観点から、ウレタンプレポリマーが硬化(反応)して形成されることが好ましい。つまり、上記コーティング層は、ポリウレタン系化合物として、ウレタンプレポリマーの硬化物(反応物)を含むことが好ましい。
<ウレタンプレポリマー>
上記コーティング層を形成するために使用され得るウレタンプレポリマーはイソシアネート基を有するウレタン系化合物である。
ウレタンプレポリマーは、複数のイソシアネート基(好ましくは2個のイソシアネート基)を有することが好ましい態様の1つとして挙げられる。
ウレタンプレポリマーは、イソシアネート基を分子末端に有することが好ましい。
ウレタンプレポリマーとしては、従来公知のものを用いることができる。例えば、ポリイソシアネート化合物と1分子中に2個以上の活性水素含有基を有する化合物(以下、「活性水素化合物」と略す。)とを、活性水素含有基に対してイソシアネート基が過剰となるように反応させることにより得られる反応生成物等を用いることができる。
本発明において、活性水素含有基は活性水素を含有する基を意味する。活性水素含有基としては例えば、ヒドロキシ基、アミノ基、イミノ基が挙げられる。
(ポリイソシアネート化合物)
ウレタンプレポリマーの製造の際に使用されるポリイソシアネート化合物は、分子内にイソシアネート基を2個以上有するものであれば特に限定されない。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,4−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネートのような芳香族ポリイソシアネート化合物;
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H6XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)のような、脂肪族(上記脂肪族は、直鎖状、分岐状及び脂環式を含む概念である)ポリイソシアネート;
これらのカルボジイミド変性ポリイソシアネートが挙げられる。
ポリイソシアネート化合物は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ウレタンプレポリマーを構成しうるポリイソシアネート化合物は、本発明の効果により優れ、反応性に優れ、表面乾燥性に優れるという観点から、芳香族系ポリイソシアネート化合物を含むことが好ましく、MDI、TDIがより好ましく、TDIが更に好ましい。
(活性水素化合物)
ウレタンプレポリマーの製造の際に使用される1分子中に2個以上の活性水素含有基を有する化合物(活性水素化合物)は特に限定されない。活性水素含有基としては、例えば、水酸(OH)基、アミノ基、イミノ基が挙げられる。
上記活性水素化合物としては、例えば、1分子中に2個以上の水酸(OH)基を有するポリオール化合物、1分子中に2個以上のアミノ基および/またはイミノ基を有するポリアミン化合物等が好適に挙げられる。中でも、本発明の効果により優れ、耐劣化性に優れるという観点から、ポリオール化合物を含むことが好ましい。
上記ポリオール化合物は、OH基を2個以上有する化合物であれば特に限定されない。ポリオール化合物の具体例としては、ポリエーテルポリオール;ポリエステルポリオール;(メタ)アクリルポリオール;ポリブタジエンポリオール、水素添加されたポリブタジエンポリオール;低分子多価アルコール類;これらの混合ポリオールが挙げられる。
なかでも、本発明の効果(特にシーリング層に対するコーティング層の接着性)により優れ、耐劣化性に優れる理由から、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールが好ましく、ポリエーテルポリオールが更に好ましい。
ポリエーテルポリオールは、主鎖としてポリエーテルを有し、ヒドロキシ基を2個以上有する化合物であれば特に制限されない。ポリエーテルとは、エーテル結合を2以上有する基であり、その具体例としては、例えば、構造単位−Ra−O−Rb−を合計して2個以上有する基が挙げられる。ここで、上記構造単位中、RaおよびRbは、それぞれ独立して、炭化水素基を表す。炭化水素基は特に制限されない。例えば、炭素数1〜10の直鎖状のアルキレン基が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリオキシエチレンジオール(ポリエチレングリコール)、ポリオキシプロピレンジオール(ポリプロピレングリコール:PPG)、ポリオキシプロピレントリオール、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体のポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、ポリテトラエチレングリコール、ソルビトール系ポリオール等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールは、ポリイソアネート化合物との相溶性に優れるという観点から、ポリプロピレングリコール、ポリオキシプロピレントリオールが好ましい。
上記ポリオール化合物は、本発明の効果(特にシーリング層に対するコーティング層の接着性)により優れるという観点から、3官能以上のポリオール化合物を含むことが好ましく、3官能のポリオール化合物を含むことが更に好ましく、3官能のポリエーテルポリオール及び/又は3官能のポリエステルポリオールを含むことがより更に好ましい。
ウレタンプレポリマーを構成しうるポリオール化合物(例えばポリエーテルポリオール)の重量平均分子量は、本発明の効果(特に、耐異物付着性及び/又はシーリング層に対するコーティング層の接着性)により優れ、ポリイソシアネート化合物との反応によって得られるウレタンプレポリマーの粘度が常温において適度な流動性を有するという観点から、1000〜10000であることが好ましく、3000〜8000がより好ましい。本発明において上記重量平均分子量は、GPC法(溶媒:テトラヒドロフラン(THF))により得られたポリスチレン換算値である。
活性水素化合物はそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ウレタンプレポリマーは、本発明の効果により優れ、反応性、表面乾燥性、耐劣化性に優れるという観点から、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物との反応物であるウレタンプレポリマーを含むことが好ましく、芳香族ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とのウレタンプレポリマーを含むことがより好ましく、TDIとポリエーテルポリオールとのウレタンプレポリマーを含むことが更に好ましい。
ウレタンプレポリマーが有するイソシアネート基の含有量(ウレタンプレポリマーのイソシアネート基含有量)は、本発明の効果により優れるという観点から、ウレタンプレポリマー全量中の0.5〜10質量%であることが好ましい。
ウレタンプレポリマーはそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ウレタンプレポリマーの製造方法は特に制限されない。例えば、活性水素化合物が有する活性水素含有基(例えばヒドロキシ基)1モルに対し、過剰量のイソシアネート基が反応するようにポリイソシアネート化合物を使用し、これらを混合して反応させることによってウレタンプレポリマーを製造することができる。
活性水素化合物が有する活性水素含有基に対する、ポリイソシアネート化合物が有するイソシアネート基のモル比(インデックスともいう。活性水素含有基がヒドロキシ基である場合、NCO/OHと表される。)は、本発明の効果により優れ、耐劣化性に優れるという観点から、1.5〜2.5が好ましく、1.8〜2.2がより好ましい。
ウレタンプレポリマーはそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(コーティング剤)
上記ウレタンプレポリマーを、本発明のセルフシールタイヤのコーティング層を形成するために使用されるコーティング剤として使用することができる。
(ウレタンプレポリマーと活性水素化合物との組成物)
また、本発明において、コーティング層を形成するために使用されるコーティング剤として、ウレタンプレポリマーと活性水素化合物とを含有するウレタンプレポリマー組成物を使用することができる。
上記ウレタンプレポリマー組成物に含有されるウレタンプレポリマーは特に制限されない。例えば上記と同様のものが挙げられる。
上記ウレタンプレポリマー組成物に含有される活性水素化合物は、上記ウレタンプレポリマーと反応してウレタンプレポリマー組成物を硬化させる化合物を意味する。
上記活性水素化合物は、1分子中に2個以上の活性水素含有基を有する化合物であれば特に制限されない。例えば、上記ウレタンプレポリマーの製造の際に使用できる上記活性水素化合物と同様のものが挙げられる。
上記ウレタンプレポリマー組成物を使用する場合、上記ウレタンプレポリマー組成物に含有される活性水素化合物が有する活性水素含有基(例えばヒドロキシ基)1モルに対する、ウレタンプレポリマーが有するイソシアネート基の量が例えば1.5〜2.5モルとなる量で、ウレタンプレポリマーを使用することができる。
(他の任意成分)
上記コーティング剤は、上記ウレタンプレポリマー又はウレタンプレポリマー組成物以外に、必要に応じて本発明の目的を損なわない範囲で、充填剤(例えば、カーボンブラック、炭酸カルシウム)、硬化触媒、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、シランカップリング剤、顔料(染料)、接着付与剤、揺変性付与剤、紫外線吸収剤、難燃剤、界面活性剤、分散剤、脱水剤、帯電防止剤などの各種添加剤等を更に含有することができる。
(製造方法)
上記コーティング剤がウレタンプレポリマーのみを含有する場合、上記のように調製されたウレタンプレポリマーをそのままコーティング剤として使用すればよい。
上記コーティング剤がウレタンプレポリマー以外の成分を含む場合、ウレタンプレポリマーとこれ以外の成分とを混合して、コーティング剤を製造することができる。
<シーラント組成物>
本発明において、シーラント層を形成するために使用されるシーラント組成物は特に制限されない。例えば従来公知のものが挙げられる。
上記シーラント組成物としては、例えば、ゴム成分を含有することが好ましい態様として挙げられる。上記ゴム成分としては、例えば、天然ゴム、ハロゲン化されていてもよいブチルゴム、スチレンブタジエンゴムが挙げられる。上記ゴム成分は、シーラント層のシール性により優れるという観点から、ハロゲン化されていてもよいブチルゴムを含むことが好ましい。
上記ハロゲン化されていてもよいブチルゴムとしては、例えば、非ハロゲン化ブチルゴム;塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴムのようなハロゲン化ブチルゴムが挙げられる。
上記ゴム成分は、耐流動性に優れるという観点から、非ハロゲン化ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴムを含有することが好ましく、耐流動性(特に高速走行時での耐流動性)に優れるという観点から、塩素化ブチルゴム及び/又は臭素化ブチルゴムを含有することがより好ましい。
上記ハロゲン化されていてもよいブチルゴムの含有量は、シーラント層とタイヤ内面(例えばインナーライナー層)との接着性に優れるという観点から、上記ゴム成分中の10質量%以上であることが好ましく、50〜100質量%がより好ましく、70〜95質量%が更に好ましい。
上記ゴム成分が、ハロゲン化されていてもよいブチルゴムとこれ以外のゴムとを併用する場合、上記併用は、本発明の効果により優れるという観点から、ハロゲン化されていてもよいブチルゴムと天然ゴムとの組合せが好ましく、塩素化ブチルゴム及び/又は臭素化ブチルゴムと天然ゴムとの組合せがより好ましく、塩素化ブチルゴムと臭素化ブチルゴムと天然ゴムとの組合せが更に好ましい。
上記シーラント組成物としては、例えば、ゴム成分100質量部に対して、有機過酸化物を1〜40質量部、架橋剤を0.1〜40質量部、架橋助剤を1質量部未満含有する組成物が挙げられる。なお、上記架橋剤は上記有機過酸化物を含まない。
上記架橋剤は、ゴム成分を架橋させ得る化合物であれば特に制限されない。
上記架橋剤としては、例えば、硫黄、環状スルフィド、キノンジオキシム(例えばベンゾキノンジオキシム)が挙げられる。
上記架橋剤は、シーラント層とタイヤ内面との接着力が高くなり、耐流動性に優れるという観点から、硫黄成分を含むことが好ましい。
上記有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ブチルヒドロパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド等が挙げられる。特に、1分間半減期温度が100℃〜200℃である有機過酸化物が好ましく、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイドが特に好ましい。
上記架橋助剤としては、例えば、加硫促進剤等、亜鉛華等が挙げられる。
上記加硫促進剤は、ゴム組成物に使用できるものであれば特に制限されない。例えば、グアニジン系、チウラム系、ジチオカルバミン酸塩系、およびチアゾール系の加硫促進剤が挙げられる。
上記シーラント組成物は、シーラント組成物の粘性を高めてシール性を向上することができるという観点から、更に、液状ポリマーを含有することが好ましい。
なお、上記ゴム成分は、液状ポリマーを含まない。
上記液状ポリマーとしては、例えば、アロマオイル、ポリブテンオイル、パラフィンオイル、ポリイソプレンオイル、ポリブタジエンオイル、ポリイソブテンオイルが挙げられる。
これらの中でも、シーラント層の物性に関して温度依存性が低くなるという観点から、パラフィンオイルが好ましい。
上記液状ポリマー(例えばパラフィンオイル)の重量平均分子量は、タイヤへの移行量が少なくタイヤに与える影響が少ないという観点から、800以上であることが好ましく、1000以上3000以下がより好ましく、更に好ましくは1200以上2000以下である。
本発明において上記液状ポリマー(例えばパラフィンオイル)の重量平均分子量は、GPC法(溶媒:テトラヒドロフラン(THF))により得られたポリスチレン換算値である。
上記液状ポリマーの含有量は、シーラント層のシール性を向上させ、シーラント層の物性に関して温度依存性が低くなり、タイヤへの移行量が少ないという観点から、上記ゴム成分100質量部に対して、50〜400質量部であることが好ましく、100〜300質量部がより好ましい。
〔添加剤〕
上記シーラント組成物は、本発明の目的および効果を損なわない範囲で、必要に応じて更に添加剤を含有することができる。
添加剤としては、例えば、カーボンブラックやシリカのような充填剤、顔料、ブロッキング防止剤、分散安定剤、揺変剤、粘度調節剤、レベリング剤、ゲル化防止剤、光安定剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、補強材、難燃剤、触媒、消泡剤、増粘剤、分散剤などが挙げられる。
上記シーラント組成物は、例えば、ゴム成分、有機過酸化物、架橋剤、架橋助剤等を混合することによって製造することができる。
(セルフシールタイヤの製造方法)
セルフシールタイヤの製造方法としては、例えば、まず、加硫済みのタイヤ(例えば空気入りタイヤ)の内面に上記シーラント組成物を付与し、次いで、シーラント組成物を160℃〜180℃の条件下で10分〜20分加熱して、タイヤ内面にシーラント層を形成する工程1と、
上記工程1の後、タイヤ内面に形成されたシーラント層の上に上記コーティング剤を付与する工程2とを有する、セルフシールタイヤの製造方法が挙げられる。
上記工程1において、加硫済みのタイヤの内面に上記シーラント組成物を付与する方法は特に制限されない。例えば、上記シーラント組成物をシート状にしたものをタイヤの内面に貼り付ける方法が挙げられる。
上記工程1に使用される加硫済みのタイヤとしては、例えば、上記のタイヤの基本構造を有するものが挙げられる。
上記工程2において、タイヤ内面に形成されたシーラント層の上に上記コーティング剤を付与する方法は特に制限されない。例えば、塗布する方法が挙げられる。
シーラント層の上に上記コーティング剤を付与する際、上記コーティング剤をシーラント層の全面に付与することが好ましい。
上記工程2の後、上記コーティング剤が塗布されたタイヤを、例えば、湿気がある環境下(例えば相対湿度30〜70%の条件下)に置くことによって上記コーティング剤が湿気硬化して、ポリウレタン系化合物を形成することができ、最終的にポリウレタン系化合物を含むコーティング層を有するセルフシールタイヤを製造することができる。
上記コーティング剤がコーティング層となる成分(反応成分又は硬化成分)としてウレタンプレポリマーのみを含有する場合、ウレタンプレポリマー同士が湿気で硬化(反応)して、ポリウレタン系化合物となり、上記ポリウレタン系化合物がコーティング層を形成する(コーティング層がポリウレタン系化合物を含む)。
上記コーティング剤がコーティング層となる成分(反応成分又は硬化成分)として上記ウレタンプレポリマー組成物を含有する場合、ウレタンプレポリマーと活性水素化合物又はウレタンプレポリマーとが湿気で硬化(反応)して、ポリウレタン系化合物となり、上記ポリウレタン系化合物がコーティング層を形成する(コーティング層がポリウレタン系化合物を含む)。
(コーティング層中のポリウレタン系化合物の含有量)
ポリウレタン系化合物の含有量は、上記コーティング層中の、50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上がより好ましく、90〜100質量%が更に好ましい。
(コーティング層の厚さ)
本発明のセルフシールタイヤにおいて、上記コーティング層の厚さは、本発明の効果により優れ(特に、耐異物付着性、又はシーリング層に対するコーティング層の接着性)、耐汚染性に優れるという観点から、0.05〜2mmが好ましく、0.05mm〜1.0mmがより好ましく、0.1mm〜0.8mmがさらに好ましい。
上記コーティング層の厚さは、乾燥後のコーティング層の厚さである。
上記シーラント層と上記コーティング層との接着力は、本発明の効果により優れ、コーティング層が剥離しにくいという観点から、0.2N/mm以上であることが好ましく、0.3〜1.0N/mmがより好ましい。
上記接着力は、JIS K 6256−2:2013に準じて23℃および50%RHの環境下で測定された接着強度である。
コーティング層の破断時伸びは、走行中のタイヤの歪みに追従しやすいという観点から10%以上であることが好ましく、15%以上がより好ましい。
コーティング層の破断時伸びは、コーティング層のタックを抑制し、耐異物付着性により優れるという観点から、1000%以下であることが好ましく、600%以下がより好ましい。
上記コーティング層の軟化点は、本発明の効果により優れ、走行中タイヤ温度は上昇するためコーティング層の軟化を抑制し、リム等の耐汚染性に優れるという観点から、80℃以上であることが好ましく、100〜150℃がより好ましい。
上記コーティング層のタック試験により測定した粘着力が、本発明の効果により優れるという観点から、0.1〜5.0kgfであることが好ましく、0.5〜5.0kgfであることがより好ましく、0.5〜2.0kgfがさらに好ましい。
本発明のタイヤが空気入りタイヤである場合、空気入りタイヤに充填する気体としては、例えば、通常の又は酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスが挙げられる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし本発明はこれらに限定されない。
<ウレタンプレポリマーの調製>
下記第1表の「ウレタンプレポリマーの製造」欄に示す各ポリオール化合物及び各ポリイソシアネート化合物をインデックス(NCO/OH:ポリイソシアネート化合物が有するNCO基/ポリオール化合物が有するOHのモル比)となる量で使用し、これらを80℃の条件下で5時間反応させて、各ウレタンプレポリマーを製造した。
得られた各ウレタンプレポリマーをそのままコーティング剤として使用した。
Figure 2021142898
第1表の「ウレタンプレポリマーの製造」欄に示す各ポリオール化合物及び各ポリイソシアネート化合物の詳細は以下のとおりである。
(ポリオール化合物)
・ポリオール1:骨格がポリエーテルであり、重量平均分子量が5000であり、1分子当たりのOH官能基数が3個であるポリオール化合物。商品名Excenol 5030、AGC社製
・ポリオール2:骨格がポリエステルであり、重量平均分子量が5000であり、1分子当たりのOH官能基数が3個であるポリオール化合物。商品名HS2N−521A、豊国製油社製
・ポリオール3:骨格がポリエーテルであり、重量平均分子量が3000であり、1分子当たりのOH官能基数が3個であるポリオール化合物。商品名Excenol3030、AGC社製
・ポリオール4:骨格がポリエーテルであり、重量平均分子量が700であり、1分子当たりのOH官能基数が2個であるポリオール化合物。商品名Excenol 720、AGC社製
・ポリオール5:骨格がポリエーテルであり、重量平均分子量が12000であり、1分子当たりのOH官能基数が3個であるポリオール化合物。商品名Preminol 823、AGC社製社製
(ポリイソシアネート化合物)
・TDI:トルエンジイソシアネート(下記構造)(市販品)
Figure 2021142898
・HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート(下記構造)(市販品)
Figure 2021142898
<<コーティング層の物性>>
本実施例で使用されたコーティング層の物性(接着性*1、破断時伸び、軟化点)を以下のとおり評価した。結果を第1表の「コーティング層の物性」欄に示す。
(接着性*1
後述するシーラント組成物1を160℃〜180℃の条件下で10分〜20分加熱して、厚さ2.5mmのシーラント層を作製した。
上記シーラント層の上に、浸透性の高い不織布を1枚置き、上記不織布の上から、上記のとおり製造された各コーティン剤(各ウレタンプレポリマー)を十分な量で付与して上記不織布に上記各コーティング剤を浸透させ、23℃条件下で60分間乾燥させて、シーラント層の上にコーティング層を形成して、接着性*1の評価に使用する試験片を調製した。上記試験片が有する不織布を引張試験機のチャックで挟むことにより、引張試験を実施することが可能となる。
上記試験片を用いて、JIS K 6256−2:2013に準じて23℃及び50%RHの環境下で、シーラント層から不織布(コーティング層)を剥がす剥離試験を行って、シーラント層とコーティング層との接着強度(接着力、単位N/mm)を測定した。
上記のとおり測定された接着力を第1表の「接着性*1」欄に示した。
上記接着力が大きいほど、耐流動性がより優れると考えられる。
(ウレタンプレポリマーの硬化)
本実施例で使用された各ウレタンプレポリマーを23℃、相対湿度50%の条件下に30分間置いて、硬化物を得た。
(破断時伸び)
上記のとおり得られた硬化物から厚さ2mmのダンベル状試験片(ダンベル状3号形)に切り出し、JIS K6251:2017に準拠して、破断時伸び(%)を測定した。上記破断時伸びを、コーティング層の破断時伸びとした。
(軟化点)
上記のとおり得られた硬化物の軟化点を、JIS K 6220−1:2015に準拠して環球式軟化点測定装置によって測定した。上記軟化点を、コーティング層の軟化点とした。
<<シーラント組成物1の調製>>
下記第2表に示す成分を同表に示す量(質量部)で使用し、これらを混合してシーラント組成物1を調製した。
Figure 2021142898
(シーラント組成物1に使用された成分)
シーラント組成物1に使用された各成分の詳細は以下のとおりである。
・塩素化ブチルゴム:JSR社製、商品名CHLOROBUTYL1066
・臭素化ブチルゴム:JSR社製、商品名BROMOBUTYL2244
・天然ゴム:RSS#3
・有機過酸化物:ジベンゾイルパーオキサイド、日本油脂社製ナイパーNS。1分間半減期温度:130.0℃。純度40%。上記第2表の有機過酸化物の量はナイパーNSの量である。
・架橋剤:硫黄、細井化学工業社製小塊硫黄
・加硫促進剤:チアゾール系加硫促進剤、大内新興化学工業社製ノクセラーMZ
・液状ポリマー:パラフィンオイル、商品名ダイアナプロセス PW−380、出光興産社製。重量平均分子量1300
<セルフシールタイヤの製造>
図1に示すセルフシールタイヤ(図1に示す基本構造としてのタイヤを有し、タイヤ内面(トレッド部におけるインナーライナー層のタイヤ内面)の上にシーラント層を有し、シーラント層の上にコーティング層を有するセルフシールタイヤ)を以下の方法で製造した。
(シーラント層の形成)
まず、加硫済みの空気入りタイヤ(タイヤサイズ255/40R20)の内面に上記のとおり調製したシーラント組成物1を貼付け、次いで、シーラント組成物1を160℃〜180℃の条件下で10分〜20分加熱して、タイヤ内面にシーラント層を形成した。加温後のシーラント層の厚さは、2.5mmであった。
(コーティング層の形成)
上記のとおり、タイヤ内面に形成されたシーラント層の上に、第1表の「ウレタンプレポリマーの製造」に示す配合で上記のとおり調製された各ウレタンプレポリマーを、上記シーラント層を全て覆うように塗布し、23℃、相対湿度50%の条件下に30分間置いて、ウレタンプレポリマーを硬化させコーティング層を形成して、セルフシールタイヤを製造した。
ウレタンプレポリマー硬化後のコーティング層の厚さ(単位mm)を第1表の「膜厚」欄に示す。
比較例1は、コーティング層を有さない。(シーラント層の形成)の工程までのタイヤである。
比較例2は、(シーラント層の形成)の工程までのタイヤに対し、(メタ)アクリレートモノマーとして4−ヒドロキシブチルアクリレート(商品名4HBA、三菱化学社製)をシーラント層の上に塗布し、その後、上記化合物に紫外線を照射してこれを十分反応させて硬化させて、得られた、タイヤである。上記タイヤにおいて、コーティング層はポリ(メタ)アクリレート系化合物で形成されている。
<<セルフシールタイヤの評価>>
上記のとおり製造された各セルフシールタイヤ(試験タイヤ)を用いて、以下の評価を行った。結果を第1表に示す。
<シール性>
試験タイヤをホイールに組み付けてドラム試験機に装着し、初期空気圧を250kPaとし、荷重を8.5kNとした状態で、上記試験タイヤのトレッド部に直径4.0mmの釘を打ち込み、その後、上記釘を試験タイヤから抜いた。上記のように釘を抜いた後、そのまま1時間試験タイヤを置き、1時間後のタイヤの空気圧を測定した。
評価結果は、上記のように釘を抜いた1時間後のタイヤの空気圧が、230kPa以上であった場合、シール性が非常に優れると評価し、これを「○」で示した。
上記空気圧が200kPa以上230kPa未満であった場合、シール性がやや優れると評価し、これを「△」で示した。
上記空気圧が200kPa未満であった場合、シール性が悪いと評価し、これを「×」で示した。
<耐劣化性(耐候性)>
上記のとおり製造された各セルフシールタイヤ(タイヤサイズ:255/40R20)を、70℃、酸素濃度90%の条件下に14日間置いた後、ホイールに組み付けて、速度200km/h、空気圧220kPa、荷重8.5kNの条件下で1時間走行させる走行試験を行った。
走行後のタイヤからホイールを外して、セルフシールタイヤのコーティング層の状態を目視で確認し、コーティング層の接着性を以下の基準で評価した。
走行後のコーティング層がシーラント層から全く剥離しなかった(走行前のコーティング層の塗布面全体に対して、走行後のコーティング層がシーラント層から剥離した箇所が0%であった)場合、耐劣化性(耐候性)が非常に優れると評価して、これを「○」と表示した。
走行前のコーティング層の塗布面全体に対して、走行後のコーティング層がシーラント層から剥離した箇所が0%超5%未満であった場合、耐劣化性(耐候性)がやや優れると評価して、これを「△」と表示した。
走行前のコーティング層の塗布面全体に対して、走行後のコーティング層がシーラント層から剥離した箇所が5%以上であった場合、耐劣化性(耐候性)が悪いと評価して、これを「×」と表示した。
<耐異物付着性>
ピンポン玉10個を、上記のとおり製造された各セルフシールタイヤのコーティング層の上に、高さ30cmの位置から自由落下させ、その後、タイヤを3周回転させた。
上記回転後のタイヤにおいてピンポン玉の位置を確認し、タイヤ回転前におけるピンポン玉の落下位置から異なる位置に移動したピンポン玉の数を数えた。
タイヤ回転前におけるピンポン玉の落下位置からタイヤ回転後に異なる位置に移動したピンポン玉の数が10個であった場合、耐異物付着性が非常に優れると評価して、これを「○」と表示した。
上記ピンポン玉の数が8又は9個であった場合、耐異物付着性がやや優れると評価して、これを「△」と表示した。
上記ピンポン玉の数が7個以下であった場合、耐異物付着性が悪いと評価して、これを「×」と表示した。
<コーティング層の接着性*2
本発明において、「シーラント層に対するコーティング層の接着性」を、以下のコーティング層の接着性*2で評価した。
・走行試験
上記のとおり製造された各セルフシールタイヤ(タイヤサイズ:255/40R20)をホイールに組み付けて、速度200km/h、空気圧220kPa、荷重8.5kNの条件下で1時間走行させる走行試験を行った。
・コーティング層の接着性*2の評価
走行後のタイヤからホイールを外して、セルフシールタイヤのコーティング層の状態を目視で確認し、シーラント層に対するコーティング層の接着性を以下の基準で評価した。
走行後のコーティング層がシーラント層から全く剥離しなかった(走行前のコーティング層の塗布面全体に対して、走行後のコーティング層がシーラント層から剥離した箇所が0%であった)場合、シーラント層に対するコーティング層の接着性が非常に優れると評価して、これを「○」と表示した。
走行前のコーティング層の塗布面全体に対して、走行後のコーティング層がシーラント層から剥離した箇所が0%超5%未満であった場合、シーラント層に対するコーティング層の接着性がやや優れると評価して、これを「△」と表示した。
走行前のコーティング層の塗布面全体に対して、走行後のコーティング層がシーラント層から剥離した箇所が5%以上であった場合、シーラント層に対するコーティング層の接着性が悪いと評価して、これを「×」と表示した。
<耐汚染性>
上記のとおり製造された各セルフシールタイヤを用いて、上記<コーティング層の接着性*2>で行った走行試験と同様の走行試験を行った。
上記走行試験後、タイヤからホイールを外して、タイヤから外したホイールのリムの状態を目視で確認し、耐汚染性を以下の基準で評価した。
走行後のリムにシーラント層及びコーティング層による汚れが全くなかった場合、耐汚染性が非常に優れると評価して、これを「○」と表示した。
走行後のリムにおいて、シーラント層及びコーティング層によって汚れている範囲がリム全体の10%以下であった場合、耐汚染性がやや優れると評価して、これを「△」と表示した。
走行後のリムにおいて、シーラント層及びコーティング層によって汚れている範囲がリム全体の10%を超えた場合、耐汚染性が悪いと評価して、これを「×」と表示した。
<表面乾燥時間>
タイヤのシーラント層の表面にウレタンプレポリマー(コーティング層)を塗布後、上記タイヤを23℃、相対湿度50%の条件下に置いて、ポリエチフィルムを上記コーティング層の表面に接触させる試験を行った。
上記ウレタンプレポリマーの塗布から、上記フィルムにウレタンプレポリマーが付着しなくなるまでの時間を計測した。
上記時間が1時間以下であった場合、表面乾燥性が非常に優れると評価し、これを「○」と表示した。
上記時間が1時間を超え3時間以内であった場合、表面乾燥性がやや優れると評価し、これを「△」と表示した。
上記時間が3時間を超えた場合、表面乾燥性が悪いと評価し、これを「×」と表示した。
<コーティング層の粘着性>
上記のとおり製造された各セルフシールタイヤのコーティング層について、東洋精機株式会社製PICMAタックテスターを使用し、25℃、相対湿度60%の雰囲気下で圧着速度500mm/分の条件でタック試験を行い、上記のとおり製造された各セルフシールタイヤのコーティング層の粘着力を測定した(測定結果の粘着力の単位はkgf)。
上記粘着力が5.0kgf以下の場合、コーティング層の粘着性が低く、耐異物付着性がより優れるという観点から好ましい。
第1表に示す結果から明らかなように、シーラント層の上にコーティング層を有さない比較例1は、耐異物付着性が悪かった。
ポリ(メタ)アクリレート系化合物のコーティング層を有する比較例2は、コーティング層の接着性*2の評価結果、つまりシーリング層に対するコーティング層の接着性が悪かった。
これに対して、本発明のセルフシールタイヤは耐異物付着性、シール性、及びシーリング層に対するコーティング層の接着性が優れた。
上記のように、本発明のセルフシールタイヤは、優れたシール性を維持しつつ、耐異物付着性、及びシーリング層に対するコーティング層の接着性が優れた。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ベルト補強層
9 インナーライナー層
10 シーラント層
11 コーティング層
CL タイヤ赤道

Claims (10)

  1. タイヤ内面の上にシーラント層を有し、前記シーラント層の上にコーティング層を有し、前記コーティング層がポリウレタン系化合物を含む、セルフシールタイヤ。
  2. 前記コーティング層の厚さが、0.05mm〜1.0mmである、請求項1に記載のセルフシールタイヤ。
  3. 前記シーラント層と前記コーティング層との接着力が、0.2N/mm以上である、請求項1又は2に記載のセルフシールタイヤ。
  4. 前記コーティング層の破断時伸びが、10%以上1000%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のセルフシールタイヤ。
  5. 前記コーティング層の軟化点が、80℃以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のセルフシールタイヤ。
  6. 前記コーティング層が、ウレタンプレポリマーが硬化して形成される、請求項1〜5のいずれか1項に記載のセルフシールタイヤ。
  7. 前記ウレタンプレポリマーを構成するポリオール化合物の重量平均分子量が、1000以上10000以下である、請求項6に記載のセルフシールタイヤ。
  8. 前記ウレタンプレポリマーが、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物との反応物であり、
    前記ポリイソシアネート化合物が、芳香族系ポリイソシアネート化合物を含む、請求項6又は7に記載のセルフシールタイヤ。
  9. 前記ウレタンプレポリマーが、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物との反応物であり、
    前記ポリオール化合物が、3官能以上のポリオール化合物を含む、請求項6〜8のいずれか1項に記載のセルフシールタイヤ。
  10. 前記コーティング層のタック試験により測定した粘着力が、0.5〜5.0kgfである、請求項1〜9のいずれか1項に記載のセルフシールタイヤ。
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