JP2021125849A - 複合アンテナ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】設置に要するスペースの省スペース化を図りつつ、複数種類の電波に対応することができる複合アンテナ装置を提供する。【解決手段】複合アンテナ装置は、第1アンテナと第2アンテナとを有する。前記第1アンテナは、直線状に延びる軸線を中心とする筒状導体と、前記筒状導体の外周面に沿って軸線方向と直交する方向に延びる切欠きと、を有する。前記第2アンテナは、前記筒状導体の外周面上に配置される少なくとも一つのパッチアンテナで構成される。【選択図】図1
Description
本発明は、複合アンテナ装置に関する。
従来、自動車、バス、或いは、鉄道車両等の移動体に搭載される移動体用アンテナが知られる(例えば特許文献1参照)。特許文献1に開示される移動体用アンテナは、周方向に切欠きが形成され、導電性材料から成る筒体を備える。この筒体の両端部の少なくとも一方には、筒体より大きな径を有する導電性材料から成る端板が固定される。筒体の軸線方向を鉛直方向とすることによって、垂直偏波のロープロファイルである無指向性アンテナが得られる。
ところで、近年においては、例えば電話やデータ通信等に複数の周波数帯が使用されることがある。すなわち、近年においては、車両等の移動体に複数種類のアンテナを搭載することを要求されることがある。複数種類のアンテナを搭載する場合に、アンテナを搭載する場所の確保が問題となることがあった。
本発明は、上記の課題に鑑み、設置に要するスペースの省スペース化を図りつつ、複数種類の電波に対応することができる複合アンテナ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の複合アンテナ装置は、第1アンテナと第2アンテナとを有する複合アンテナ装置であって、前記第1アンテナは、直線状に延びる軸線を中心とする筒状導体と、前記筒状導体の外周面に沿って軸線方向と直交する方向に延びる切欠きと、を有し、前記第2アンテナは、前記筒状導体の外周面上に配置される少なくとも一つのパッチアンテナで構成される(第1の構成)。
また、上記第1の構成の複合アンテナ装置において、前記パッチアンテナは、前記筒状導体の外周面上に設けられる誘電体層と、前記誘電体層の、前記筒状導体に対向する面の反対側の面に設けられるパッチ導体と、を有する構成(第2の構成)であることが好ましい。
また、上記第1又は第2の構成の複合アンテナ装置において、前記パッチアンテナは、前記筒状導体の外周に沿う方向であって、且つ、軸線方向と直交する方向に間隔をあけて複数配置されている構成(第3の構成)が好ましい。
また、上記第1から第3のいずれかの構成の複合アンテナ装置において、前記第1アンテナは、前記筒状導体の軸線方向の両端のうちの少なくとも一方に配置される平板状導体を更に有する構成(第4の構成)が好ましい。
また、上記第1から第4のいずれかの構成の複合アンテナ装置において、前記第2アンテナは、前記第1アンテナよりも高周波数帯の電波に対応するアンテナである構成(第5の構成)が好ましい。
また、上記第1から第5のいずれかの構成の複合アンテナ装置は、軸線方向からの平面視において、前記筒状導体を囲むように配置されるループアンテナを更に有する構成(第6の構成)であってよい。
また、上記第6の構成の複合アンテナ装置において、前記ループアンテナは、前記筒状導体の軸線方向の両端のうちの少なくとも一方に配置される平板状誘電体上に形成されている構成(第7の構成)であってよい。
また、上記第6又は第7の構成の複合アンテナ装置は、前記軸線方向が鉛直方向と一致する方向とされ、前記ループアンテナは、水平偏波アンテナとしての機能を有する構成(第8の構成)が好ましい。
本発明の複合アンテナ装置によれば、設置に要するスペースの省スペース化を図りつつ、複数種類の電波に対応することができる。
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明では、図1に示す複合アンテナ装置1の軸線100に平行な方向を「軸線方向」、軸線100を中心として軸線100と直交する方向を「径方向」、軸線100を中心とする円弧に沿う方向を「周方向」とそれぞれ称する。
<1.複合アンテナ装置の概略>
図1は、本発明の実施形態に係る複合アンテナ装置1の概略側面図である。図1に示すように、複合アンテナ装置1は、第1アンテナ10と第2アンテナ20とを有する。
図1は、本発明の実施形態に係る複合アンテナ装置1の概略側面図である。図1に示すように、複合アンテナ装置1は、第1アンテナ10と第2アンテナ20とを有する。
本実施形態では、第2アンテナ20は、第1アンテナ10よりも高周波数帯の電波に対応するアンテナである。すなわち、第1アンテナ10は低周波用のアンテナであり、第2アンテナ20は高周波用のアンテナである。複合アンテナ装置1は、複数の周波数帯域の電波の送信又は受信を行うことができる。例えば、第1アンテナ10は、800MHz帯の通信アンテナとして機能する。第2アンテナ20は、800MHz帯よりも高い周波数帯域の電波の送信又は受信を行うことを可能に設けられる。例えば、第2アンテナ20は、ミリ波通信用の通信アンテナとして機能する。
なお、複合アンテナ装置1は、車両に搭載されることが好ましいが、車両以外の移動体に搭載されてもよい。また、複合アンテナ装置1は、移動体以外のものに適用されてもよい。本実施形態では、複合アンテナ装置1は車載用複合アンテナ装置である。
<2.第1アンテナの構成>
図1に示すように、第1アンテナ10は、筒状導体11と、切欠き12とを有する。
図1に示すように、第1アンテナ10は、筒状導体11と、切欠き12とを有する。
筒状導体11は、直線状に延びる軸線100を中心とする。本実施形態では、筒状導体11は円筒状である。ただし、筒状導体11は、角筒状等の他の形状であってもよい。筒状導体11は、例えば銅又は鉄等の導電性材料で構成される。ここで、第1アンテナ10が送信又は受信すべき電波の波長をλとする。本実施形態では、筒状導体11は、好ましい形態として、軸線方向の長さがλ/4未満に設けられる。ただし、筒状導体11の軸線方向の長さは、λ/4以上であってもよい。
切欠き12は、筒状導体11の外周面に沿って軸線方向と直交する方向に延びる。本実施形態では、筒状導体11は円筒状であるために、切欠き12は周方向に延びる。切欠き12の周方向長さは、λ/2である。切欠き12は、筒状導体11を径方向に貫通する。切欠き12は、いわゆるスロットであり、切欠き12が設けられることにより、第1アンテナ10はスロットアンテナとして機能する。
切欠き12は、好ましい形態として、筒状導体11の軸線方向の中央位置に形成される。ただし、例えば、筒状導体11の軸線方向の長さがλ/4以上である場合には、中央位置からずれて形成されてもよい。また、切欠き12は、好ましい形態として、筒状導体11の外周の長さ(本実施形態では周方向長さ)の4/5以上に形成される。これにより、軸線方向と直交する方向における切欠き12からの電波の放射を無指向性とすることができる。すなわち、本実施形態では、第1アンテナ10は、軸線方向が鉛直方向とされた場合に、水平方向において無指向性となる。また、切欠き12は、好ましい形態として、軸線方向の幅が波長λに対して十分小さい値とされる。
第1アンテナ10においては、筒状導体11の、切欠き12を挟んで軸線方向に対向する位置に第1給電点13および第2給電点14が設けられる。一例として、2つの給電点13、14は、切欠き12の周方向長さの中央位置に設けられる。例えば、第1給電点13には、不図示の同軸ケーブルの中心導体に接続され、第2給電点14は、同軸ケーブルの中心導体を囲む外導体に接続される。
好ましい形態として、第1アンテナ10は、筒状導体11の軸線方向の両端のうち少なくとも一方に配置される平板状導体15を有する。本実施形態では、筒状導体11の軸線方向の両端に平板状導体15が配置される。平板状導体15は、例えば銅又は鉄等の導電性材料で構成される。本実施形態では、平板状導体15は、軸線方向からの平面視において、軸線100を中心とする円形状である。ただし、平板状導体15は、軸線方向からの平面視において矩形状等、円形状以外であってもよい。
平板状導体15は、軸線方向からの平面視において、筒状導体11よりも面積が広く、平板状導体15の外縁は筒状導体11の外縁より軸線100から離れた位置に位置する。換言すると、平板状導体15の直径は、筒状導体11の直径よりも大きい。平板状導体15は、キャパシタとしての働きを果たし、無指向性を得るために筒体の直径を小さくしたときに生じるインダクタンス成分を打ち消すことができる。また、平板状導体15が、軸線方向の長さがλ/4未満の短い筒状導体11に取り付けられることにより、筒状導体11の軸線方向の長さを実質的に長くしたのと等価であるものと考えることができ、スロットアンテナとしての機能を確保できる。すなわち、平板状導体15が設けられることにより、筒状導体11の軸線方向の長さを短くしつつ、アンテナの利得の向上を図ることができる。
なお、平板状導体15は、筒状導体11の軸線方向の一端部にのみ配置されてよい。この場合には、筒状導体11の軸線方向の他端部が、例えば移動体の金属製屋根等の筒状導体11に比べて面積が広い導電性の部分に固定されればよい。また、筒状導体11の軸線方向の長さがλ/4以上である場合には、平板状導体15は設けられなくてよい。
<3.第2アンテナの構成>
図1に示すように、第2アンテナ20は、筒状導体11の外周面上に配置される少なくとも一つのパッチアンテナ21で構成される。本構成によれば、第1アンテナ10を構成する筒状導体11に第2アンテナ20が設けられるために、第1アンテナ10に追加して設けられる第2アンテナ20の設置に要するスペースを小さくすることができる。すなわち、複合アンテナ装置1によれば、複数のアンテナの設置に要するスペースの省スペース化を図りつつ、複数種類の電波に対応することができる。
図1に示すように、第2アンテナ20は、筒状導体11の外周面上に配置される少なくとも一つのパッチアンテナ21で構成される。本構成によれば、第1アンテナ10を構成する筒状導体11に第2アンテナ20が設けられるために、第1アンテナ10に追加して設けられる第2アンテナ20の設置に要するスペースを小さくすることができる。すなわち、複合アンテナ装置1によれば、複数のアンテナの設置に要するスペースの省スペース化を図りつつ、複数種類の電波に対応することができる。
なお、本実施形態では、第2アンテナ20は、複数のパッチアンテナ21で構成される。ただし、第2アンテナ20は、例えば無指向性とする必要がない場合等には、単数のパッチアンテナ21で構成されてもよい。本実施形態において、複数のパッチアンテナ21は、互いに同一の特性を有し、各パッチアンテナ21は、第1アンテナ10よりも高周波数帯の電波に対応するアンテナとして形成される。
図2は、本発明の実施形態に係る複合アンテナ装置1が有する第2アンテナ20と筒状導体11との関係を示す図である。図2は、筒状導体11を軸線方向から見た場合の平面図である。図1および図2に示すように、第2アンテナ20を構成するパッチアンテナ21は、筒状導体11の外周に沿う方向であって、且つ、軸線方向と直交する方向に間隔をあけて複数配置されている。
本実施形態では、筒状導体11が円筒状であるために、複数のパッチアンテナ21は周方向に配列されている。周方向に並ぶ複数のパッチアンテナ21は、等間隔に配置される。本実施形態では、周方向に8つのパッチアンテナ21が並び、8つのパッチアンテナ21は45°間隔で並ぶ。
また、本実施形態では、周方向に複数並ぶパッチアンテナ21の列が2つ存在する。この2つの列は、切欠き12を基準として対称に配置されている。本実施形態のようにパッチアンテナ21が複数配置されることにより、パッチアンテナ21の集合体として構成される第2アンテナ20を無指向性とすることができる。
なお、周方向に等間隔に配列されるパッチアンテナ21の数は、8つ以外であってよく、例えば4つ等であってもよい。周方向に等間隔に配列されるパッチアンテナ21の数は、例えば、筒状導体11の形状に応じて適宜変更されてよい。また、周方向に等間隔に配列されるパッチアンテナ21の列の数も適宜変更されてよく、当該列の数は単数であってもよいし、2つ以上の複数であってもよい。
図3は、本発明の実施形態に係るパッチアンテナ21の構成を示す概略断面図である。図3に示すように、パッチアンテナ21は、誘電体層211とパッチ導体212とを有する。なお、本実施形態では、複数のパッチアンテナ21を有するが、各パッチアンテナ21の構成は同じである。
誘電体層211は、筒状導体11の外周面上に配置される。詳細には、誘電体層211は、例えばガラスエポキシ基板等のプリント基板で構成される。本実施形態では、誘電体層211は、径方向からの平面視において矩形状である。ただし、誘電体層211の形状は適宜変更されてよい。誘電体層211は、筒状導体11に固定される。誘電体層211は、例えば両面テープ等の接着剤やビスを用いて筒状導体11に固定される。
なお、本実施形態では、好ましい形態として、筒状導体11の誘電体層211が配置される部分は平面とされている。このために、筒状導体11は完全な円筒ではない。
パッチ導体212は、誘電体層211の、筒状導体11に対向する面の反対側の面に設けられる。パッチ導体212は、例えば銅又は鉄等の導電性材料で構成される。パッチ導体212は、誘電体層211に印刷等により形成される。パッチ導体212は、例えば、第2アンテナ20が送信又は受信すべき電波の波長の半波長の正方形パターンとされる。ただし、パッチ導体212は、長方形パターンや円形パターン等の他の形状であってもよい。
パッチ導体212は、例えば銅又は鉄等の導電性材料で構成される給電ピン213と電気的に接続される。給電ピン213は、パッチ導体212から誘電体層211および筒状導体11を貫通し、後述の送受信回路基板214まで延びる。なお、給電ピン213は、筒状導体11とは電気的に接続されていない。給電ピン213は、軸線方向からの平面視において、例えば、パッチ導体212の外縁の近傍に配置される。ただし、給電ピン213は、軸線方向からの平面視において、パッチ導体212の中央近傍等の他の場所に配置されてもよい。
筒状導体11の内部には、送受信回路基板214が配置される。送受信回路基板214は、筒状導体11に固定される。送受信回路基板214は、給電ピン213を介してパッチ導体212に給電を行ったり、パッチ導体212で受信した電波の信号処理を行ったりするために必要となる回路を備える。送受信回路基板214が筒状導体11の内部に配置される構成とすることにより、筒状導体11内の空間を有効利用することができ、複合アンテナ装置1が占めるスペースについて、省スペース化を図ることができる。
本実施形態では、筒状導体11をグランド導体としてパッチアンテナ21を構成できる。すなわち、第1アンテナ10の一部を利用して第2アンテナ20を構成することができ、アンテナに要するコストの低減を図ることができる。なお、第2アンテナ20を構成するパッチアンテナ21は、送信又は受信すべき電波の偏波の向きに応じた構成となるように、公知の技術を利用して適宜設計されればよい。
<4.複合アンテナ装置の作用効果>
図4は、本発明の実施形態に係る複合アンテナ装置1の取り付け例を示す模式図である。図4において矢印Xは鉛直方向を示す。図4に示す例では、複合アンテナ装置1は車両の屋根200に取り付けられる。
図4は、本発明の実施形態に係る複合アンテナ装置1の取り付け例を示す模式図である。図4において矢印Xは鉛直方向を示す。図4に示す例では、複合アンテナ装置1は車両の屋根200に取り付けられる。
詳細には、車両の屋根200は、水平方向に広がる樹脂製のルーフパネル201で大部分が構成される。ルーフパネル201は、一例として矩形状である。ルーフパネル201は、当該ルーフパネル201の外縁を囲む金属フレーム202により支持される。金属フレーム202は、例えば車両のピラー等に支持される。ルーフパネル201は、詳細には、上ルーフパネル201aと下ルーフパネル201bとで構成される。上ルーフパネル201aと下ルーフパネル201bとは軸線方向に間隔をあけて配置される。すなわち、上ルーフパネル201aと下ルーフパネル201bの軸線方向間には隙間203が存在する。
複合アンテナ装置1は、軸線方向が鉛直方向Xに一致する姿勢で、隙間203内に配置される。複合アンテナ装置1は、上ルーフパネル201aと下ルーフパネル201bとのうちの少なくとも一方に支持される。図4に示す例では、複合アンテナ装置1は、下ルーフパネル201bに支持される。このように取り付けられた複合アンテナ装置1は車両の外部からは見えず、車両の見栄えを良くすることができる。なお、複合アンテナ装置1は、例えば、合成樹脂等の電気絶縁性の材料を介して車両の金属製屋根上に固定されてもよい。
このように配置された複合アンテナ装置1において、第1アンテナ10は、水平面内無指向性の低周波用アンテナ、且つ、垂直偏波アンテナとして機能する。また、複数のパッチアンテナ21の集合体として構成される第2アンテナ20は、水平面内無指向性の高周波用アンテナとして機能する。第2アンテナ20は、設計により、垂直偏波アンテナとして構成されても、水平偏波アンテナとして構成されてもよい。第1アンテナ10と第2アンテナ20のいずれもが、水平面内無指向性であり、複合アンテナ装置1は、水平方向から電波を受ける車両に好適である。また、複合アンテナ装置1によれば、設置に要するスペースの省スペース化を図りつつ、複数の周波数帯の電波に対応することができる。
<5.変形例>
(5−1.第1変形例)
図5は、第1変形例の複合アンテナ装置1Aの構成を示す概略断面図である。図5は、軸線方向が鉛直方向となるように配置された複合アンテナ装置1Aの水平断面図(横断面図)である。複合アンテナ装置1Aは、図5において不図示の切欠き(スロット)を有する筒状導体11Aで構成される第1アンテナ10Aを有する。
(5−1.第1変形例)
図5は、第1変形例の複合アンテナ装置1Aの構成を示す概略断面図である。図5は、軸線方向が鉛直方向となるように配置された複合アンテナ装置1Aの水平断面図(横断面図)である。複合アンテナ装置1Aは、図5において不図示の切欠き(スロット)を有する筒状導体11Aで構成される第1アンテナ10Aを有する。
複合アンテナ装置1Aにおいては、筒状導体11Aは角筒状である。詳細には、複合アンテナ装置1Aは、四角筒状である。ただし、複合アンテナ装置1Aは、三角筒状等の他の角筒状であってよい。複合アンテナ装置1Aにおいては、筒状導体11Aの4つの側面のそれぞれに、2つずつパッチアンテナ21Aが配置され、合計8つのパッチアンテナ21Aが第2アンテナ20Aを構成する。なお、8つのパッチアンテナ21Aは、筒状導体11Aの外周に沿う方向であって、且つ、軸線方向と直交する方向に間隔をあけて配置される。また、パッチアンテナ21Aの数は例示にすぎず、適宜変更されてよい。
パッチアンテナ21Aの構成は、上述の実施形態と概ね同じである。ただし、第1変形例の複合アンテナ装置1Aにおいては、送受信回路基板214Aが、パッチアンテナごとに1つずつ設けられるのではなく、複数のパッチアンテナ21Aで共用される。詳細には、同一の側面に形成される2つのパッチアンテナ21Aが、1つの送受信回路基板214Aを共用する。第1変形例の構成によれば、送受信回路基板の数を減らすことができ、例えば、複合アンテナ装置1Aの組み立て時の作業性を向上することができる。
(5−2.第2変形例)
図6は、第2変形例の複合アンテナ装置1Bの構成を示す概略側面図である。複合アンテナ装置1Bは、上述の実施形態と同様に、切欠き(スロット)12Bを有する円筒状の筒状導体11Bで構成される第1アンテナ10Bを有する。ただし、本変形例では、好ましい形態として、筒状導体11Bの軸線方向の長さは、λ/4以上である。また、本変形例では、複数のパッチアンテナ21Bの集合体である第2アンテナ20Bの構成は、上述の実施形態と同様である。
図6は、第2変形例の複合アンテナ装置1Bの構成を示す概略側面図である。複合アンテナ装置1Bは、上述の実施形態と同様に、切欠き(スロット)12Bを有する円筒状の筒状導体11Bで構成される第1アンテナ10Bを有する。ただし、本変形例では、好ましい形態として、筒状導体11Bの軸線方向の長さは、λ/4以上である。また、本変形例では、複数のパッチアンテナ21Bの集合体である第2アンテナ20Bの構成は、上述の実施形態と同様である。
なお、本変形例の複合アンテナ装置1Bにおいては、筒状導体11Bの軸線方向の両端には、平板状導体15は配置されていない。ただし、場合によっては、筒状導体11Bの軸線方向の両端のうちのいずれか一方(後述の平板状誘電体16が設けられない側)に、平板状導体15が配置されてもよい。
本変形例では、筒状導体11Bの軸線方向の一端に、平板状誘電体16が配置される。ただし、筒状導体11Bの軸線方向の両端に、平板状誘電体16が配置されてもよい。平板状誘電体16は、例えば合成樹脂等の誘電性材料で構成される。本変形例では、平板状誘電体16は、軸線方向からの平面視において、軸線100を中心とする円形状である。ただし、平板状誘電体16は、軸線方向からの平面視において矩形状等、円形状以外であってもよい。
図7は、第2変形例の複合アンテナ装置1Bの平面図である。図7は、複合アンテナ装置1Bを軸線方向から見た場合の図であり、詳細には、平板状誘電体16が設けられる側から見た図である。図7において、破線は、平板状誘電体16に隠れて本来見えない筒状導体11Bである。
複合アンテナ装置1Bは、軸線方向からの平面視において、筒状導体11Bを囲むように配置されるループアンテナ30を有する。詳細には、ループアンテナ30は、筒状導体11Bに形成されるパッチアンテナ21Bよりも軸線100から見て外方に配置される。これによれば、軸線方向からの平面視においてループアンテナ30の内側となる空間を効率良く利用することができ、軸線方向と直交する方向にアンテナが配置される範囲が広がることを抑制できる。すなわち、本構成によれば、設置に要するスペースの省スペース化を図りつつ、対応できる電波の種類を増やすことが可能になる。
詳細には、ループアンテナ30は、筒状導体11Bの軸線方向の一端に配置される平板状誘電体16上に形成されている。なお、筒状導体11Bの軸線方向の両端に平板状誘電体16が配置される場合には、両方の平板状誘電体16上にループアンテナ30が形成されてもよい。すなわち、ループアンテナ30は、筒状導体11Bの軸線方向の両端のうちの少なくとも一方に配置される平板状誘電体16上に形成されてよい。本構成によれば、ループアンテナ30を支持する部材の形状が複雑になることを抑制できる。
ループアンテナ30は、平板状誘電体16の、筒状導体11Bに対向する面の反対側の面に形成される。ループアンテナ30は、例えば、導電性インク、或いは、銅箔等の導電箔によって形成される。ループアンテナ30は、完全には閉じておらず、2つの端部を有し、これら2つの端部は、平板状誘電体16上に形成される給電端子31に接続される。給電端子31も、ループアンテナ30と同様に、例えば、導電性インク、或いは、銅箔等の導電箔によって形成される。
なお、本変形例では、ループアンテナ30の形状は矩形状であるが、ループアンテナ30の形状は円形状等、他の形状であってよい。図8は、第2変形例の複合アンテナ装置1Bの更なる変形例を示す模式図である。図8に示すように、ループアンテナ30は、筒状導体11Bの軸線方向の一端から他端に至る高さ範囲に位置してもよい。また、図8に示すように、第2アンテナ20Bが設けられない構成としてもよい。すなわち、複合アンテナ装置は、第1アンテナとループアンテナとのみで構成されてもよい。
本変形例の複合アンテナ装置1Bも、軸線方向が鉛直方向と一致する方向とされて使用できる。この場合、ループアンテナ30は水平面内に形成される。ループアンテナ30は、垂直方向については円偏波アンテナとして機能するが、水平面内では水平偏波無指向性アンテナとして機能する。すなわち、本変形例において、ループアンテナ30は、水平偏波アンテナとしての機能を有する。
上述のように、第1アンテナ10Bは、軸線方向が鉛直方向と一致する方向とされた場合に垂直偏波アンテナとして機能する。このために、本変形例の複合アンテナ装置1Bによれば、水平偏波と垂直偏波とを送信又は受信することができ、対応できる電波の種類を増やすことができる。ループアンテナ30が送信又は受信すべき電波の周波数帯は、第1アンテナ10Bが送信又は受信すべき電波の周波数帯と異なってもよいが、同じであってもよい。
なお、ループアンテナ30は、軸線方向からの平面視において、筒状導体11Bおよび各パッチアンテナ21Bより軸線100から見て外方に配置されている。このために、ループアンテナ30は、第1アンテナ10Aおよび第2アンテナ20Bから影響を受け難い。すなわち、ループアンテナ30は、第1アンテナ10Aおよび第2アンテナ20Bの存在にも関わらず、アンテナ特性が低下することを抑制できる。
また、垂直偏波は、水平面内に配置されるループアンテナ30の影響を受け難い。すなわち、第1アンテナ10Bは、ループアンテナ30を設けたにも関わらず、アンテナ特性が低下することを抑制できる。本変形例では、第2アンテナ20Bも垂直偏波であることが好ましい。
<6.留意事項>
本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態および変形例のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態および変形例は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態および変形例の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。また、本明細書中に示される複数の実施形態及び変形例は可能な範囲で適宜組み合わせて実施されてよい。
本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態および変形例のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態および変形例は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態および変形例の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。また、本明細書中に示される複数の実施形態及び変形例は可能な範囲で適宜組み合わせて実施されてよい。
1、1A、1B・・・複合アンテナ装置
10、10A、10B・・・第1アンテナ
11、11A、11B・・・筒状導体
12、12B・・・切欠き
15・・・平板状導体
16・・・平板状誘電体
20、20A、20B・・・第2アンテナ
21、21A、21B・・・パッチアンテナ
30・・・ループアンテナ
100・・・軸線
211・・・誘電体層
212・・・パッチ導体
10、10A、10B・・・第1アンテナ
11、11A、11B・・・筒状導体
12、12B・・・切欠き
15・・・平板状導体
16・・・平板状誘電体
20、20A、20B・・・第2アンテナ
21、21A、21B・・・パッチアンテナ
30・・・ループアンテナ
100・・・軸線
211・・・誘電体層
212・・・パッチ導体
Claims (8)
- 第1アンテナと第2アンテナとを有する複合アンテナ装置であって、
前記第1アンテナは、
直線状に延びる軸線を中心とする筒状導体と、
前記筒状導体の外周面に沿って軸線方向と直交する方向に延びる切欠きと、
を有し、
前記第2アンテナは、前記筒状導体の外周面上に配置される少なくとも一つのパッチアンテナで構成される、複合アンテナ装置。 - 前記パッチアンテナは、
前記筒状導体の外周面上に設けられる誘電体層と、
前記誘電体層の、前記筒状導体に対向する面の反対側の面に設けられるパッチ導体と、
を有する、請求項1に記載の複合アンテナ装置。 - 前記パッチアンテナは、前記筒状導体の外周に沿う方向であって、且つ、軸線方向と直交する方向に間隔をあけて複数配置されている、請求項1又は2に記載の複合アンテナ装置。
- 前記第1アンテナは、前記筒状導体の軸線方向の両端のうちの少なくとも一方に配置される平板状導体を更に有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の複合アンテナ装置。
- 前記第2アンテナは、前記第1アンテナよりも高周波数帯の電波に対応するアンテナである、請求項1から4のいずれか1項に記載の複合アンテナ装置。
- 軸線方向からの平面視において、前記筒状導体を囲むように配置されるループアンテナを更に有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の複合アンテナ装置。
- 前記ループアンテナは、前記筒状導体の軸線方向の両端のうちの少なくとも一方に配置される平板状誘電体上に形成されている、請求項6に記載の複合アンテナ装置。
- 前記軸線方向が鉛直方向と一致する方向とされ、
前記ループアンテナは、水平偏波アンテナとしての機能を有する、請求項6又は7に記載の複合アンテナ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020020069A JP2021125849A (ja) | 2020-02-07 | 2020-02-07 | 複合アンテナ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020020069A JP2021125849A (ja) | 2020-02-07 | 2020-02-07 | 複合アンテナ装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2021125849A true JP2021125849A (ja) | 2021-08-30 |
Family
ID=77459638
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020020069A Pending JP2021125849A (ja) | 2020-02-07 | 2020-02-07 | 複合アンテナ装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2021125849A (ja) |
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2020
- 2020-02-07 JP JP2020020069A patent/JP2021125849A/ja active Pending
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