JP2021120729A - 感光性着色組成物、カラーフィルタおよび液晶表示装置 - Google Patents

感光性着色組成物、カラーフィルタおよび液晶表示装置 Download PDF

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慶一 近藤
ちひろ 村田
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ちひろ 村田
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寿男 和久
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Abstract

【課題】分散安定性に優れ、かつ、パターン形状が良好な画素を形成できる感光性着色組成物の提供。【解決手段】着色剤(A)、樹脂型分散剤(B)、重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)、バインダ樹脂(E)、および有機溶剤を含み、着色剤(A)が、赤色顔料または青色顔料の顔料(A1)を含み、バインダ樹脂(E)が、エチレン性不飽和基を有するブロック樹脂(E1)を含み、ブロック樹脂(E1)は、カルボキシル基を有するAブロック、およびカルボキシル基を有さないBブロックを有し、前記Bブロックを構成する全単量体単位中、芳香族含有単量体単位を50〜100質量%含む、感光性着色組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、液晶表示装置、固体撮像素子、有機EL表示装置、量子ドット表示装置、及び電子ペーパー等に用いるカラーフィルタの製造に使用する感光性着色組成物に関する。
近年、カラーフィルタの技術分野においては、液晶表示素子の大面積化や生産性向上等の観点から基板サイズの大型化が進んでおり、それに伴いパネル一枚あたりの生産タクトタイムの短縮が厳しく求められる傾向がある。カラーフィルタに対しても生産タクトタイムを向上させるため、低露光量での硬化、および現像性(速度)の向上を目的として高感度な感光性着色組成物が要求されている。
また、ディスプレイの高色再現化のためにカラーフィルタの色再現性を向上させることが重要であり、カラーフィルタを構成する各色フィルタセグメントは、高濃度に着色剤を含有する必要がある。
しかし、高濃度に着色剤を含有するとパターン形成時に露光工程において光硬化が不十分になり、現像性の悪化や、パターン形状が悪化していた。
そこで、特許文献1では、リビングラジカル重合で合成したバインダ樹脂を含む、感光性着色組成物が開示されている。また、特許文献2では、一方のブロックにカルボキシル基および芳香族含有単量体単位を有し、他方のブロックにエチレン性不飽和基を有するバインダ樹脂を含む感光性着色組成物が開示されている。また、特許文献3では、特定の顔料分散剤を含む感光性着色組成物が開示されている。
特開2007−241247号公報 特開2008−176036号公報 特開2016−166296号公報
しかし、従来の感光性着色組成物で使用されたバインダ樹脂は、一長一短があり分散性安定性、良好なパターン形成を同時に満たすことができなかった。
本発明は、分散安定性に優れ、かつ、パターン形状が良好な画素を形成できる感光性着色組成物の提供を目的とする。
本発明の感光性着色組成物は、 着色剤(A)、樹脂型分散剤(B)、重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)、バインダ樹脂(E)、および有機溶剤を含み、
着色剤(A)が、赤色顔料または青色顔料の顔料(A1)を含み、
バインダ樹脂(E)が、エチレン性不飽和基を有するブロック樹脂(E1)を含み、
ブロック樹脂(E1)は、カルボキシル基を有するAブロック、およびカルボキシル基を有さないBブロックを有し、前記Bブロックを構成する全単量体単位中、芳香族含有単量体単位を50〜100質量%含む。
上記の本発明によると感光性着色組成物は、分散安定性に優れ、かつ、パターン形状が良好な画素を形成できる感光性着色組成物を提供できる。従って、本発明の感光性着色組成物を用いることで高品質なカラーフィルタを作製できる。
図1は、液晶表示装置の模式的断面図である。
本願明細書の用語を定義する。「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を表すものとする。「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)である。単量体は、エチレン性不飽和基含有化合物である。
本発明の感光性着色組成物は、着色剤(A)、樹脂型分散剤(B)、重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)、バインダ樹脂(E)、および有機溶剤を含み、
着色剤(A)が、赤色顔料または青色顔料の顔料(A1)を含み、
バインダ樹脂(E)が、エチレン性不飽和基を有するブロック樹脂(E1)を含み、
ブロック樹脂(E1)は、カルボキシル基を有するAブロック、およびカルボキシル基を有さないBブロックを有し、前記Bブロックを構成する全単量体単位中、芳香族含有単量体単位を50〜100質量%含む。
本発明の感光性着色組成物は、塗工により形成する被膜をフォトリソグラフィー法で、所望の形状を有するパターン(画素)を作製できる。前記画素は、カラーフィルタを構成するカラーフィルタセグメントとして使用することが好ましい。感光性着色組成物は、分散安定性に優れ、現像時において現像残渣が少なく、かつ、パターン形状が良好な画素を形成できる。
<着色剤(A)>
着色剤(A)は、赤色顔料または青色顔料の顔料(A1)を含む。着色剤(A)が複数の顔料を含む場合、顔料(A1)を最も多く含むことが好ましい。
赤色顔料は、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、12、14、15、16、17、21、22、23、31、32、37、38、41、47、48、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、57:2、58:4、60、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90:1、101、101:1、104、108、108:1、109、112、113、114、122、123、144、146、147、149、151、166、168、169、170、172、173、174、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、214、216、220、221、224、230、231、232、233、235、236、237、238、239、242、243、245、247、249、250、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、291、295、296、特開2014−134712号公報に記載された顔料、特許第6368844号公報に記載された顔料等が挙げられる。これらの中でも、フィルタセグメントの耐熱性、耐光性、及び透過率の観点から、好ましくはC.I.ピグメントレッド48:1、122、177、224、242、269、254、291、295、296、特開2014−134712号公報に記載された顔料、特許第6368844号公報に記載された顔料であり、更に好ましくはC.I.ピグメントレッド177、254、291、295、296、特開2014−134712号公報に記載された顔料、特許第6368844号公報に記載された顔料である。
青色顔料は、例えばC.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79等が挙げられる。これらの中でも、フィルタセグメントの耐熱性、耐光性、及び透過率の観点から、好ましくはC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、又は15:6であり、更に好ましくはC.I.ピグメントブルー15:6である。
本発明の感光性着色組成物は、公知の有機顔料である黄色顔料、紫色顔料、橙色顔料、緑色顔料や後述の無機顔料や各種染料も併用できる。
顔料は、有機又は無機の顔料を、単独又は2種類以上混合して用いることができる。顔料は、発色性が高く、且つ耐熱性の高い顔料、特に耐熱分解性の高い顔料が好ましく、通常は有機顔料が用いられる。
黄色顔料は、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、192、193、194、196、198、199、213、214、231、233、特開2012−226110号公報に記載された顔料等が挙げられる。好ましくはC.I.ピグメントイエロー138、139、150、185、231、233、特開2012−226110号公報に記載された顔料である。
紫色顔料は、例えばC.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50等が挙げられる。これらの中でも、フィルタセグメントの耐熱性、耐光性、及び透過率の観点から、好ましくはC.I.ピグメントバイオレット19、又は23であり、更に好ましくはC.I.ピグメントバイオレット23である。
橙色顔料は、例えば、C.I.ピグメントオレンジ36、38、43、51、55、59、61、71等が挙げられる。
緑色顔料は、例えばC.I.ピグメントグリーン1、2、4、8、10、13、14、15、17、18、19、26、37、45、48、50、51、54、55、58,59、62,63等が挙げられる。
無機顔料は、例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、合成鉄黒等が挙げられる。無機顔料は、彩度と明度のバランスを取りつつ良好な塗布性、感度、現像性等を確保するために、有機顔料と組合せて用いられる。
<顔料の微細化>
着色剤(A)に有機顔料を使用する場合は、微細化処理を行った後、他の原料と混合することが好ましい。微細化処理の方法は、例えば、湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法等が挙げられる。これらの中でも湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理等が好ましい。微細化処理後の有機顔料の平均一次粒子径は、10〜80nmが好ましく、15〜70nmがより好ましい。適度な粒子径により分散性がより向上し、被膜のコントラスト比がより向上する。なお、平均一次粒子径は、TEM(透過型電子顕微鏡)の拡大画像から任意に選択した約20個の粒子の平均値である。なお、粒子の縦軸長さと横軸長さがある場合、縦軸長さを使用する。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、例えば、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル、プラネタリー型ミキサー等のバッチ式又は連続式混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩は、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等が挙げられる。これらの中でも、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)が好ましい。水溶性無機塩の使用量は、処理効率と生産効率の両面から、顔料100質量部に対し、50〜2000質量部が好ましく、300〜1000質量部がより好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する。水溶性有機溶剤は、水に溶解(混和)し、水溶性無機塩を実質的に溶解しない化合物である。水溶性有機溶剤は、ソルトミリング時の温度上昇で揮発しにくい面で沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。水溶性有機溶剤は、例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が挙げられる。水溶性有機溶剤の使用量は、顔料100質量部に対し、5〜1000質量部が好ましく、50〜500質量部がより好ましい。
ソルトミリング処理の際、必要に応じて樹脂を添加できる。樹脂は、例えば、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等が挙げられる。樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ水溶性有機溶剤に一部可溶であることがより好ましい。樹脂の使用量は、顔料100質量部に対し、5〜200質量部が好ましい。
<染料>
染料は、例えば、酸性染料、直接染料、塩基性染料、造塩染料、油溶性染料、分散染料、反応染料、媒染染料、建染染料、硫化染料等が挙げられる。また、染料の誘導体や、染料をレーキ化したレーキ顔料も挙げられる。
染料は、スルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有する酸性染料;酸性染料の無機塩;酸性染料と、四級アンモニウム塩化合物、三級アミン化合物、二級アミン化合物、または一級アミン化合物との造塩化合物;これらアミノ基を有する樹脂成分と酸性染料等の造塩化合物等が挙げられる。酸性染料とオニウム塩基を有する化合物との造塩化合物も、堅牢性に優れるため好ましい。なお、オニウム塩基を有する化合物は、側鎖にカチオン性基を有する樹脂が好ましい。
塩基性染料は、有機酸、もしくは過塩素酸、またはこれらの金属塩との造塩化合物が挙げられる。造塩化合物の中でも塩基性染料の造塩化合物は、各種耐性、顔料との相溶性に優れているために好ましい。
染料の化学構造は、例えば、アゾ系染料、ジスアゾ系染料、アゾメチン系染料(インドアニリン系染料、インドフェノール系染料など)、ジピロメテン系染料、キノン系染料(ベンゾキノン系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、アントラピリドン系染料など)、カルボニウム系染料(ジフェニルメタン系染料、トリフェニルメタン系染料、キサンテン系染料、アクリジン系染料など)、キノンイミン系染料(オキサジン系染料、チアジン系染料など)、アジン系染料、ポリメチン系染料(オキソノール系染料、メロシアニン系染料、アリーリデン系染料、スチリル系染料、シアニン系染料、スクアリリウム系染料、クロコニウム系染料など)、キノフタロン系染料、フタロシアニン系染料、サブフタロシアニン系染料、ペリノン系染料、インジゴ系染料、チオインジゴ系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、ニトロソ系染料、ローダミン系染料等が挙げられる。これらの中でも、色相、色分離性、色むらなどの色特性の観点から、アゾ系染料、キサンテン系染料、シアニン系染料、トリフェニルメタン系染料、アントラキノン系染料、ジピロメテン系染料、スクアリリウム系染料、キノフタロン系染料、フタロシアニン系染料、サブフタロシアニン系染料が好ましく、キサンテン系染料、シアニン系染料、トリフェニルメタン系染料、アントラキノン系染料、ジピロメテン系染料、フタロシアニン系染料がより好ましい。染料の具体的な構造は「新版染料便覧」(有機合成化学協会編;丸善、1970)、「カラーインデックス」(The Society of Dyers and colourists)、「色素ハンドブック」(大河原他編;講談社、1986)などに記載されている。
<色素誘導体>
感光性着色組成物は、色素誘導体を含有できる。色素誘導体が有機顔料の表面に吸着することで、有機顔料の表面が極性を持ち、樹脂型分散剤と親和し易くなることで有機顔料の分散性がより向上する。色素誘導体は、有機色素残基に酸性基、塩基性基、中性基などを有する化合物である。色素誘導体は、例えば、スルホ基、カルボキシ基、またはリン酸基などの酸性置換基を有する化合物、ならびにこれらのアミン塩、スルホンアミド基、または末端に3級アミノ基などの塩基性置換基を有する化合物、フェニル基やフタルイミドアルキル基などの中性置換基を有する化合物が挙げられる。
有機色素は、例えばジケトピロロピロール系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チアジンインジゴ系顔料、トリアジン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、ベンゾイソインドール等のインドール系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、ナフトール系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料等が挙げられる。
ジケトピロロピロール系色素誘導体は、特開2001−220520号公報、WO2009/081930号パンフレット、WO2011/052617号パンフレット、WO2012/102399号パンフレット、特開2017−156397号公報、フタロシアニン系色素誘導体は、特開2007−226161号公報、WO2016/163351号パンフレット、特開2017−165820号公報、特許第5753266号公報、アントラキノン系色素誘導体は、特開昭63−264674号公報、特開平09−272812号公報、特開平10−245501号公報、特開平10−265697号公報、特開2007−079094号公報、WO2009/025325号パンフレット、キナクリドン系色素誘導体は、特開昭48−54128号公報、特開平03−9961号公報、特開2000−273383号公報、ジオキサジン系色素誘導体は、特開2011−162662号公報、チアジンインジゴ系色素誘導体は、特開2007−314785号公報、トリアジン系色素誘導体は、特開昭61−246261号公報、特開平11−199796号公報、特開2003−165922号公報、特開2003−168208号公報、特開2004−217842号公報、特開2007−314681号公報、ベンゾイソインドール系色素誘導体は、特開2009−57478号公報、キノフタロン系色素誘導体は、特開2003−167112号公報、特開2006−291194号公報、特開2008−31281号公報、特開2012−226110号公報、ナフトール系色素誘導体は、特開2012−208329号公報、特開2014−5439号公報、アゾ系色素誘導体は、特開2001−172520号公報、特開2012−172092号公報、酸性置換基は、特開2004−307854号公報、塩基性置換基は、特開2002−201377号公報、特開2003−171594号公報、特開2005−181383号公報、特開2005−213404号公報に記載された色素誘導体が挙げられる。なお、これらの文献には、色素誘導体を誘導体、顔料誘導体、分散剤、顔料分散剤若しくは単に化合物などと記載している場合があるが、前記した有機色素残基に酸性基、塩基性基、中性基などの置換基を有する化合物は、色素誘導体と同義である。
色素誘導体は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
色素誘導体の使用量は、有機顔料100質量部に対し、1〜100質量部が好ましく、3〜70質量部がより好ましく、5〜50質量部がさらに好ましい。
有機顔料に色素誘導体を添加し、アシッドペースティング、アシッドスラリー、ドライミリング、ソルトミリング、ソルベントソルトミリング等の微細化処理を行うことで、顔料表面に色素誘導体が吸着し、色素誘導体を添加しない場合と比較して顔料の一次粒子をより微細化することができる。
有機顔料に色素誘導体を添加し二本ロール、三本ロール、ビーズを用いた湿式分散などの分散処理を行うことで、色素誘導体が顔料表面に吸着し顔料表面が極性を持ち樹脂型分散剤の吸着が促進される。これにより他の成分との相溶性が向上し、感光性着色組成物の分散安定性や経時粘度安定性が向上する。
<樹脂型分散剤(B)>
本発明の感光性着色組成物は、公知の樹脂型分散剤を含有できる。樹脂型分散剤は、着色剤(A)に吸着する性質を有する着色剤親和性部位と、着色剤以外の成分と親和性が高く、分散粒子間を立体反発させる緩和部位とを有する。
樹脂型分散剤(B)は、樹脂系でいうと、例えば、ポリウレタン等のウレタン系分散剤、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物;ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩;(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等;ポリエステル、変性ポリアクリレート、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が挙げられる。
また、樹脂型分散剤(B)は、イオン性でいうと、酸性樹脂型分散剤、塩基性樹脂型分散剤等が挙げられる。
塩基性樹脂型分散剤は、窒素原子含有グラフト共重合体や、側鎖に3級アミノ基、4級アンモニウム塩基、含窒素複素環などを含む官能基を有する、窒素原子含有アクリル系ブロック共重合体及びウレタン系高分子分散剤等が挙げられる。
塩基性樹脂型分散剤は、塩基性基をリン酸やスルホン酸で中和して使用することもできる。
樹脂型分散剤(B)は、単独、または2種類以上を併用して使用できる。
樹脂型分散剤(B)の含有量は、着色剤(A)全量に対して3〜200質量部が好ましく、5〜100質量部がより好ましい。適量含有すると被膜を形成し易い。
<バインダ樹脂(E)>
バインダ樹脂(E)は、エチレン性不飽和基を有するブロック樹脂(E1)を含み、ブロック樹脂(E1)は、カルボキシル基を有するAブロック、およびカルボキシル基を有さないBブロックを有し、前記Bブロックを構成する全単量体単位中、芳香族含有単量体単位を50〜100質量%含む。なお、ブロック樹脂(E1)のエチレン性不飽和基は、Aブロックおよび/またはBブロックが含有できる。
ブロック樹脂(E1)の構成は、A−BブロックあるいはA−B−Aブロックが挙げられる。
(Aブロック)
カルボキシル基を有するAブロックは、カルボキシル基含有単量体単位を必須とする。
カルボキシル基含有単量体単位は、カルボキシル基含有単量体を使用して形成する。
カルボキシル基含有単量体は、例えば、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルテタラヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。
Aブロックは、カルボキシル基含有単量体単位以外にその他単量体単位を含有できる。その他単量体単位を形成するその他単量体は、鎖状および脂環状アルキル基含有単量体、アルキレンオキシ基含有単量体、芳香族含有単量体、水酸基含有単量体、ビニル単量体等が挙げられる。
鎖状および脂環状アルキル基含有単量体は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−メチルプロパン(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アルキレンオキシ基含有単量体単位は、例えば、ポリエチレングリコール(n=1〜30)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=1〜30)エチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=1〜30)プロピルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=1〜30)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=1〜30)エチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=1〜30)プロピルエーテル(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、nは、アルキレンオキシ基の平均数を示す。
芳香族含有単量体は、例えば、スチレン、α―メチルスチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールEO変性アクリレート、o−フェニルフェノールEO変性アクリレート等が挙げられる。なお、EO変性は、エチレンオキシ基を含有することを意味する
水酸基含有単量体は、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、またはシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられる。また、水酸基含有単量体に、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、及び/またはブチレンオキシ基等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、(ポリ)γ−バレロラクトン、(ポリ)ε−カプロラクトン、及び/または(ポリ)12−ヒドロキシステアリン酸等を付加した(ポリ)エステルモノ(メタ)アクリレートも挙げられる。
ビニル単量体は、例えば、酢酸ビニル等が挙げられる。
その他単量体単位は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
カルボキシル基含有単量体単位の含有量は、Aブロックを構成する全単量体単位中、50〜100質量%が好ましく、70〜100質量%がより好ましい。適量含有すると現像液溶解性、パターン直線性がより向上する。
(Bブロック)
カルボキシル基を有さないBブロックは、Bブロックを構成する全単量体単位中、芳香族含有単量体単位を50〜100質量%含む。芳香族含有単量体単位を適量含有するとパターン直線性がより向上する。
芳香族含有単量体単位を構成する芳香族含有単量体は、例えば、スチレン、α―メチルスチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でもパターン直線性が向上する面でベンジル(メタ)アクリレートが好ましい。なお、芳香族含有単量体単位の含有量は、70〜100質量%がより好ましい。これによりさらにパターン直線性を向上できる。
Bブロックは、芳香族含有単量体単位以外にその他単量体単位を含有できる。その他単量体単位は、上記同様にその他単量体を使用して形成できる。なお、Aブロックを構成する全単量体単位、およびBブロックを構成する全単量体単位は、樹脂の主鎖を構成する単量体単位であり、AブロックおよびBブロックの主鎖の官能基に付加する単量体を含まない。
<ブロック樹脂(E1)の合成>
ブロック樹脂(E1)は、例えば、単量体をリビングラジカル重合して合成することが好ましい。リビングラジカル重合は、溶液重合、塊状重合が挙げられる。これらの中でも反応制御が容易な溶液重合が好ましい。なお、ブロック樹脂(E1)はブロック樹脂であればよくリビングラジカル重合物に限定されないことはいうまでもない。
<リビングラジカル重合>
リビングラジカル重合(以下、単に「リビング重合」という)は、例えば、可逆的付加開裂連鎖移動重合(以下、RAFT重合)、原子移動ラジカル重合(以下、ATRP)、ヨウ素化合物を用いたリビング重合、有機テルル化合物を用いたリビング重合(以下、TERP)等の方法が挙げられる。これらの中でも反応操作が容易で重金属を含む化合物を必要としない点でRAFT重合が好ましい。
ラジカル重合開始剤は、例えば、アゾ系化合物、過酸化物が好ましい。アゾ系化合物は、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2、2’−アゾビス(イソ酪酸メチル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、または2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。過酸化物は、例えば、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、またはジアセチルパーオキシド等が挙げられる。
重合開始剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
重合の反応温度は、40〜150℃が好ましく、50〜110℃がより好ましい。反応時間は、3〜30時間が好ましく、5〜20時間がより好ましい。
RAFT重合は、RAFT剤の存在下、モノマーをラジカル重合する方法であり、ポリマーの分子量および分子量分布を制御しやすい。
RAFT剤は、連鎖移動効果、および重合開始効果を有する化合物であり、例えば、ジチオベンゾエート型、トリチオカーボネート型、ジチオカルバメート型、およびキサンテート型等、ならびにこれらの前駆体であるジスルフィド型が挙げられる。
ジチオベンゾエート型は、例えば、ジチオ安息香酸2−シアノ−2−プロピル、4−シアノ−4−(チオベンゾイルチオ)ペンタン酸、ベンゾジチオ酸2−フェニル−2−プロピル等が挙げられる。
トリチオカーボネート型は、例えば、4−[(2−カルボキシエチルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]−4−シアノペンタン酸、2−{[(2−カルボキシエチル)スルファニルチオカルボニル]スルファニル}プロパン酸、4−シアノ−4−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]ペンタン酸、2−シアノ−2−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]プロパン、2−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]プロパン酸、4−シアノ−4−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]ペンタン酸メチル、2−メチル−2−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]プロパン酸、S,S−ジベンジルトリチオ炭酸、トリチオ炭酸=ビス[4−(アリルオキシカルボニル)ベンジル]、トリチオ炭酸=ビス[4−(2,3−ジヒドロキシプロポキシカルボニル)ベンジル]、トリチオ炭酸=ビス{4−[エチル−(2−アセチルオキシエチル)カルバモイル]ベンジル}、トリチオ炭酸ビス{4−[エチル−(2−ヒドロキシエチル)カルバモイル]ベンジル}、トリチオ炭酸=ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシカルボニル)ベンジル]等が挙げられる
ジチオカルバメート型は、例えば、4−クロロ−3,5−ジメチルピラゾ−ル−1−カルボジチオ酸2'−シアノブタン−2'−イル、3,5−ジメチルピラゾ−ル−1−カルボジチオ酸2'−シアノブタン−2'−イル、3,5−ジメチルピラゾ−ル−1−カルボジチオ酸シアノメチル、N−メチル−N−フェニルジチオカルバミン酸シアノメチル等が挙げられる。
ジスルフィド型としては、ビス(ドデシルスルファニルチオカルボニル)ジスルフィド、ビス(チオベンゾイル)ジスルフィド等が挙げられる。これらはA−Bブロックポリマーの製造に好ましい。
これらの中でも、合成時の反応制御が容易なトリチオカーボネート型化合物が好ましく、4−シアノ−4−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]ペンタン酸、2−シアノ−2−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]プロパン、4−シアノ−4−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]ペンタン酸メチル、トリチオ炭酸ビス{4−[エチル−(2−ヒドロキシエチル)カルバモイル]ベンジル}、ビス(ドデシルスルファニルチオカルボニル)ジスルフィドがより好ましい。
RAFT剤の使用量は、全単量体100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましい。
ブロック樹脂(E1)の合成は、例えば、先にAブロックを合成し、その後にBブロックを合成することで、A−Bブロックポリマーを製造することができる。なお、Bブロックは、Aブロックよりも先に合成しても良い。
ブロック樹脂(E1)の重量平均分子量(Mw)は、5,000〜50,000が好ましく、7,000〜30,000がより好ましく、7,000〜20,000がさらに好ましい。適度なMwにより、密着性とアルカリ現像性が向上する。さらに、現像後のパターンの直線性が向上する。また、Mw/Mn(数平均分子量)は、2以下が好ましい。
ブロック樹脂(E1)の酸価は、50〜500mgKOH/gが好ましく、50〜450mgKOH/gがより好ましく、50〜400mgKOH/gがさらに好ましい。適度な酸価を有するとパターン直線性と、現像性を高度に両立できる。
ブロック樹脂(E1)は、Aブロックにエチレン性不飽和基を有するブロック樹脂(E1−1)を含むことが好ましい。
ブロック樹脂(E1−1)の二重結合当量は、350〜1200g/eqが好ましく、350〜600g/eqがより好ましい。適度に二重結合を有すると光硬化による適度な架橋度が得られ、パターン直線性が向上する。
<ブロック樹脂(E1−1)>
ブロック樹脂(E1−1)は、Aブロックにエチレン性不飽和基を有する。前記エチレン性不飽和基の導入方法は、例えば、ブロック樹脂(E1)のAブロックのカルボキシル基の一部とエポキシ基含有単量体とを反応させてエチレン性不飽和基を導入する方法が挙げられる。
エポキシ基含有単量体は、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中でもAブロックのカルボキシル基との反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
前記付加反応は、公知の触媒を使用することが好ましい。触媒は、例えば、ジメチルベンジルアミン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロウンデセン、トリスジメチルアミノメチルフェノール、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、テトラエチルフォスフォニウムブロミド等が挙げられる。
ブロック樹脂(E1−1)においてAブロックにエチレン性不飽和基を導入するメリットは、あるカルボキシル基にエポキシ基含有単量体を反応させると、その立体障害のため隣接する他のカルボキシル基にエポキシ基含有単量体が反応し難い。つまり、ブロック樹脂(E1−1)のAブロックは、カルボキシル基とエチレン性不飽和基とが、それぞれ適度な間隔を空けて位置することになる。通常、カルボキシル基が着色剤(A)に作用すると、分散安定性が低下する場合があるところ、ブロック樹脂(E1−1)は、エチレン性不飽和基の立体障害によりカルボキシル基が着色剤(A)から適度な距離を保持できるため、反面、着色剤(A)と親和性が高いBブロックが着色剤(A)に効果的に作用する。これにより着色剤(A)の分散安定性がより向上すると推測している。
ブロック樹脂(E1−1)の酸価は、50〜180mgKOH/gが好ましく、70〜150mgKOH/gがより好ましく、70〜120mgKOH/gがさらに好ましい。
<バインダ樹脂(E’)>
バインダ樹脂(E)は、ブロック樹脂(E1)以外にバインダ樹脂(E’)を併用できる。バインダ樹脂(E’)は、400〜700nmの全波長領域において透過率が80%以上の樹脂が好ましい。なお、透過率は、95%以上が好ましい。バインダ樹脂(E’)は、硬化性の面でいうと、例えば、熱可塑性樹脂、活性エネルギー線硬化性樹脂等が挙げられる。なお、活性エネルギー線硬化性樹脂は、熱可塑性樹脂に活性エネルギー線反応性官能基を付与した樹脂である。また、バインダ樹脂(E’)は、物性面でいうと、現像性の観点からアルカリ可溶性樹脂が好ましい。アルカリ可溶性は、カラーフィルタ作製時のアルカリ現像工程において現像溶解性を付与するためのものであり、酸性基が必要である。
バインダ樹脂(E’)の含有量は、着色剤(A)100質量部に対して、5〜400質量部が好ましく、20〜250質量部がより好ましい。適量含有すると被膜を容易に形成できる上、良好な色特性が得やすい。
バインダ樹脂(E’)は、ブロック樹脂(E1)以外の、熱可塑性樹脂(E’−1)、活性エネルギー線硬化性アルカリ可溶性樹脂(E’−2)、エチレン性不飽和基を有しないアルカリ可溶性樹脂(E’−3)などが挙げられる。なお、アルカリ可溶性樹脂は、熱硬化性基を含有できる。
<熱可塑性樹脂(E’−1)>
熱可塑性樹脂(E’−1)は、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、及びポリイミド樹脂等が挙げられる。
アルカリ可溶性を有する熱可塑性樹脂は、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性を有する熱可塑性樹脂は、例えば、酸性基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、又はイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。これらの中でも現像性、耐熱性、透明性が向上する面で酸性基を有するアクリル樹脂、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体が好ましい。
<活性エネルギー線硬化性アルカリ可溶性樹脂(E’−2)>
活性エネルギー線硬化性アルカリ可溶性樹脂(E’−2)のエチレン性不飽和基は、例えば前記ブロック樹脂(E1)で記載した方法方法(i) (ii)と同様の方法で導入できる。活性エネルギー線による硬化で樹脂は、3次元架橋されることで架橋密度が上がり、薬品耐性が向上する。
<エチレン性不飽和基を有しないアルカリ可溶性樹脂(E’−3)>
エチレン性不飽和基を有しないアルカリ可溶性樹脂(E’−3)は、アルカリ現像可能な酸価を有する熱可塑性樹脂である。熱可塑性樹脂の樹脂種は、既に説明した樹脂である。
バインダ樹脂(E’)の重量平均分子量(Mw)は、2,000〜40,000が好ましく、3,000〜300,00がより好ましく、4,000〜20,000がさらに好ましい。適度なMwにより基材への密着性がより向上し、アルカリ現像による残渣が生じにくくなる。また、Mw/Mn(数平均分子量)の値は10以下が好ましい。
バインダ樹脂(E’)の酸価は、50〜200mgKOH/gが好ましく、70〜180mgKOH/gがより好ましく、90〜170mgKOH/gがさらに好ましい。適度な酸価を有することでアルカリ現像性と現像後の画素の良好なパタ−ン形状を高度に両立できる。
バインダ樹脂(E’)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
<熱硬化性化合物(F)>
感光性着色組成物は、熱硬化性化合物(F)を含有できる。カラーフィルタを作製する際、熱硬化性化合物を含むと、フィルタセグメントの焼成時に反応し塗膜の架橋密度が高まり、フィルタセグメントの耐熱性が向上する。これにより、フィルタセグメント焼成時の顔料凝集が抑えられ、コントラスト比が向上するという効果が得られる。
熱硬化性化合物は、Mw2,000以下の低分子化合物、高分子量化合物が好ましい。
熱硬化性化合物は、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ベンゾグアナミン化合物、ロジン変性マレイン酸化合物、ロジン変性フマル酸化合物、メラミン化合物、尿素化合物、およびフェノール化合物が挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明のカラーフィルタ用着色組成物ではエポキシ化合物およびオキセタン化合物が好ましく用いられる。なお、熱硬化性基を含有するアルカリ可溶性樹脂は、熱硬化性化合物(F)には含めない。
<重合性化合物(C)>
重合性化合物(C)は、エチレン性不飽和基を有するモノマー、オリゴマーである。重合性化合物(C)は、例えば、酸基含有単量体、ウレタン結合含有単量体、その他単量体が挙げられる。
酸基含有単量体の酸基は、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基等が挙げられる。
酸基含有単量体は、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸との遊離水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート類と、ジカルボン酸類とのエステル化物;多価カルボン酸と、モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類とのエステル化物等が挙げられる。具体例は、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等のモノヒドロキシオリゴアクリレート又はモノヒドロキシオリゴメタクリレート類と、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フタル酸等のジカルボン酸類との遊離カルボキシル基含有モノエステル化物;プロパン−1,2,3−トリカルボン酸(トリカルバリル酸)、ブタン−1,2,4−トリカルボン酸、ベンゼン−1,2,3−トリカルボン酸、ベンゼン−1,3,4−トリカルボン酸、ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸等のトリカルボン酸類と、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のモノヒドロキシモノアクリレート又はモノヒドロキシモノメタクリレート類との遊離カルボキシル基含有オリゴエステル化物等が挙げられる。
(ウレタン結合含有単量体)
ウレタン結合含有単量体は、例えば、水酸基を有する(メタ)アクリレートに多官能イソシアネートを反応させて得られる多官能ウレタンアクリレート、アルコールに多官能イソシアネートを反応させ、さらに水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させて得られる多官能ウレタンアクリレート等が挙げられる。
水酸基を有する(メタ)アクリレートは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールプロピレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールアクリレートメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルプロピルメタクリレート、エポキシ基含有化合物とカルボキシ(メタ)アクリレートの反応物、水酸基含有ポリオールポリアクリレート等が挙げられる。
多官能イソシアネートは、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ポリイソシアネート等が挙げられる。
その他単量体は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。
重合性化合物(C)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
重合性化合物(C)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、1〜50質量%が好ましく、2〜40質量%がより好ましい。適量配合すると硬化性及び現像性がより向上する。
<光重合開始剤(D)>
光重合開始剤(D)は、例えば、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルホリノ)フェニル]−2−(フェニルメチル)−1−ブタノン、又は2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン等のアセトフェノン系化合物;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、又はベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;
ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、又は3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;
チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、又は2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;
2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、又は2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;
1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、又はエタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル系化合物;
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、又はジフェニル−2,4,6−トリメチルベンゾイルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;
9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物;ボレート系化合物;カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;チタノセン系化合物等が挙げられる。これらの中でも、オキシムエステル系化合物が好ましい。
(オキシムエステル系化合物)
オキシムエステル系化合物は、紫外線を吸収することによってオキシムのN−O結合の解裂がおこり、イミニルラジカルとアルキロキシラジカルを生成する。これらのラジカルは更に分解することにより活性の高いラジカルを生成するため、少ない露光量でパターンを形成させることができる。感光性着色組成物の着色剤濃度が高い場合、塗膜の紫外線透過率が低くなり塗膜の硬化度が低くなる場合、オキシムエステル系化合物の高い量子効率により硬化度が低下し難い。
オキシムエステル系化合物は、特開2007−210991号公報、特開2009−179619号公報、特開2010−037223号公報、特開2010−215575号公報、特開2011−020998号公報等に記載のオキシムエステル系光重合開始剤が挙げられる。
光重合開始剤(D)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
光重合開始剤(D)の含有量は、着色剤(A)100質量部に対し、2〜50質量部が好ましく、2〜30質量部がより好ましい。適量配合すると光硬化性及び現像性がより向上する。
<増感剤>
感光性着色組成物は、増感剤を含有できる。
増感剤は、例えば、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファ−キノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノール誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリ−ルメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラ−ケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファ−キノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’又は4,4’−テトラ(t−ブチルパ−オキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
これらの中でもチオキサントン誘導体、ミヒラ−ケトン誘導体、カルバゾール誘導体が好ましい。例えば、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン、N−エチルカルバゾール、3−ベンゾイル−N−エチルカルバゾール、3,6−ジベンゾイル−N−エチルカルバゾール等がより好ましい。
増感剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
増感剤の含有量は、重合性化合物(C)100質量部に対し、3〜60質量部が好ましく、5〜50質量部がより好ましい。適量含有すると硬化性、現像性がより向上する。
<チオール系連鎖移動剤>
感光性着色組成物は、連鎖移動剤を含有できる。連鎖移動剤は、チオール系連鎖移動剤が好ましい。チオール系連鎖移動剤は、光重合開始剤と併用すると光照射後のラジカル重合の際、酸素による重合阻害を受けにくいチイルラジカルが発生し、感光性着色組成物の感度が向上する。
チオール系連鎖移動剤は、チオール基(SH基)2以上有る多官能チオールが好ましい。なお、チオール系連鎖移動剤は、SH基を4以上有することがより好ましい。官能基数が増えると被膜の表面から最深部まで光硬化し易くなる。
多官能チオールは、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンなどが挙げられ、好ましくは、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート等が挙げられる。
チオール系連鎖移動剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
チオール系連鎖移動剤の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、1〜10質量%が好ましく、2〜8質量%がより好ましい。適量含有すると光感度、テーパー形状が向上し、被膜表面にシワが発生し難くなる。
<重合禁止剤>
感光性着色組成物は、重合禁止剤を含有できる。これによりフォトリソグラフィー法の露光時にマスクの回折光による感光を防止し、良好なパタ−ン形状が得やすくなる。
重合禁止剤は、例えば、カテコール、レゾールシノール、1,4−ヒドロキノン、2−メチルカテコール、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール、2−エチルカテコール、3−エチルカテコール、4−エチルカテコール、2−プロピルカテコール、3−プロピルカテコール、4−プロピルカテコール、2−n−ブチルカテコール、3−n−ブチルカテコール、4−n−ブチルカテコール、2−tert−ブチルカテコール、3−tert−ブチルカテコール、4−tert−ブチルカテコール、3,5−ジ−tert−ブチルカテコール等のアルキルカテコール系化合物、2−メチルレゾールシノール、4−メチルレゾールシノール、2−エチルレゾールシノール、4−エチルレゾールシノール、2−プロピルレゾールシノール、4−プロピルレゾールシノール、2−n−ブチルレゾールシノール、4−n−ブチルレゾールシノール、2−tert−ブチルレゾールシノール、4−tert−ブチルレゾールシノール等のアルキルレゾールシノール系化合物、メチルヒドロキノン、エチルヒドロキノン、プロピルヒドロキノン、tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン等のアルキルヒドロキノン系化合物、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィン等のホスフィン化合物、トリオクチルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド化合物、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト等のホスファイト化合物、ピロガロール、フロログルシン等が挙げられる。
重合禁止剤の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、0.01〜0.4質量%が好ましい。適量含有すると良好なパタ−ン形状が得やすくなる。
<紫外線吸収剤>
感光性着色組成物は、紫外線吸収剤を含有できる。紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、サリチル酸エステル系化合物、シアノアクリレート系化合物、及びサリシレート系化合物等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系化合物は、例えば、2−(5メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α, α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−tブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、5%の2−メトキシ−1−メチルエチルアセテ−トと95%のベンゼンプロパン酸,3−(2H−ベンゾトリアゾール2−イル)−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ,C7−9側鎖及び直鎖アルキルエステルの混合物、2−(2H−ベンゾトリアゾール2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、メチル 3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート/ポリエチレングリコール300の反応生成物、2−(2H−ベンゾトリアゾール2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]、2−(2H−ベンゾトリアゾール2−イル)−p−クレゾール、2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール2−イル)−6−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−5−[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、オクチル−3−[3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール2−イル)フェニル]プロピオネート、2−エチルヘキシル−3−[3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール2−イル)フェニル]プロピオネートが挙げられる。
トリアジン系化合物は、例えば、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−[3−(ドデシルオキシ)−2−ヒドロキシプロポキシ]フェノール、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンと(2−エチルヘキシル)−グリシド酸エステルの反応生成物、2,4−ビス「2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル」−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシルオキシ)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[2−(2−エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]フェノール、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ−3−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
ベンゾフェノン系化合物は、例えば、2,4−ジ−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸−3水温、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジ−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン等が挙げられる。
サリチル酸エステル系化合物は、例えば、サリチル酸フェニル、サリチル酸p−オクチルフェニル、サリチル酸p−tertブチルフェニル等が挙げられる。
紫外線吸収剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
紫外線吸収剤の含有量は、光重合開始剤と紫外線吸収剤との合計100質量%中、5〜70質量%が好ましい。適量含有すると現像後の解像性がより向上する。
また、光重合開始剤と紫外線吸収剤の合計含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、1〜20質量%が好ましい。適量含有すると基板と被膜の密着性がより向上し、良好な解像性が得られる。
<酸化防止剤>
感光性着色組成物は、酸化防止剤を含有できる。酸化防止剤は、感光性着色組成物に含まれる光重合開始剤や熱硬化性化合物が、熱硬化やITOアニ−ル時の熱工程によって酸化による黄変を防ぎ、被膜の透過率の低下を抑制できる。特に感光性着色組成物の着色剤濃度が高い場合、相対的に光重合性化合物(D)の含有量が減少するため、光重合開始剤の増量や、熱硬化性化合物の配合で対応すると被膜が黄変し易い。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄変を防止し、被膜の透過率の低下を抑制できる。
酸化防止剤は、例えば、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、及びヒドロキシルアミン系の化合物が挙げられる。なお、本明細書で酸化防止剤は、ハロゲン原子を含有しない化合物が好ましい。
ここれらの中でも、塗膜の透過率と感度の両立の観点から、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤が好ましい。
酸化防止剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
また酸化防止剤の含有量は、着色組成物の不揮発分100質量%中、0.5〜5.0質量%の場合、透過率、分光特性、及び感度が良好であるためより好ましい。
<レベリング剤>
感光性着色組成物は、レベリング剤を含有できる。これにより、被膜形成時の透明基板に対する濡れ性および被膜の乾燥性がより向上する。レベリング剤は、例えば、シリコ−ン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤等が挙げられる。
界面活性剤は、単独または2種類以上を混合して使用できる。
界面活性剤の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分中、0.001〜2.0質量%が好ましく、0.005〜1.0質量%がより好ましい。この範囲内であることで、感光性着色組成物の塗布性とパタ−ン密着性、透過率のバランスがより向上する。
<貯蔵安定剤>
感光性着色組成物は、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有できる。貯蔵安定剤は、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。
貯蔵安定剤の含有量は、着色剤(A)100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましい。
<密着向上剤>
感光性着色組成物は、密着向上剤を含有できる。これにより被膜と基材の密着性がより向上する。また、フォトリソグラフィー法で幅が狭いパタ−ンを形成し易くなる。密着向上剤は、例えば、シランカップリング剤等が挙げられる。
シランカップリング剤は、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン類、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩等のアミノシラン類、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト類、p−スチリルトリメトキシシラン等のスチリル類、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイド類、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド類、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート類などのシランカップリング剤が挙げられる。
密着向上剤の含有量は、着色剤(A)100質量部に対し、0.01〜10質量部が好ましく、0.05〜5質量部がより好ましい。適量含有すると感光性着色組成物の光感度が向上し、被膜の密着性がより向上し、パタ−ンの解像性もより向上する。
<感光性着色組成物の製造方法>
感光性着色組成物は、例えば、着色剤(A)、樹脂型分散剤(B)および有機溶剤等を使用して分散処理を行い着色剤分散体を作製する。着色剤(A)が有機顔料の場合、分散処理の際、色素誘導体等の分散助剤を併用すると有機顔料をより微細に分散できる、また、着色剤(A)が溶剤への溶解性が高い場合、分散処理を必要としない場合がある。着色剤(A)を2種類以上併用する場合、着色剤(A)別に着色剤分散体を作製し、その後混合できる。また、複数の着色剤(A)を使用して一括で、着色剤分散体を作製できる。
次いで、着色剤分散体に、重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)、およびバインダ樹脂(E)を配合し、混合することで感光性着色組成物が得られる。なお、各材料を配合するタイミングが任意であることはいうまでもない。また、分散助剤は、着色剤分散体を作製する際に使用することが好ましい。
前記分散処理は、例えば、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボ−ルミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、又はアトライター等の分散装置を使用できる。
<有機溶剤>
有機溶剤を使用すると感光性着色組成物の粘度調整が容易になるため、表面が平滑な被膜を形成し易い。溶剤は、使用目的に応じて適宜選択し、適量を含有すれば良い。
有機溶剤は、例えば、エステル溶剤(分子内に−COO−を含み、−O−を含まない溶剤)、エーテル溶剤(分子内に−O−を含み、−COO−を含まない溶剤)、エーテルエステル溶剤(分子内に−COO−と−O−とを含む溶剤)、ケトン溶剤(分子内に−CO−を含み、−COO−を含まない溶剤)、アルコール溶剤(分子内にOHを含み、−O−、−CO−及び−COO−を含まない溶剤)、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
有機溶剤は、塗布性、乾燥性の点カラー、1atmにおける沸点が120℃以上180℃以下である有機溶剤が好ましい。溶剤は、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ−ト、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ−ト、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等がより好ましい。
有機溶剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
<粗大粒子の除去>
感光性着色組成物は、重力加速度3000〜25000Gの遠心分離、焼結フィルタやメンブレンフィルタによる濾過等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子及び混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように感光性着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましく、0.3μm以下がより好ましい。
<カラーフィルタ>
本明細書のカラーフィルタは、基材(基板、透明基板ともいう)、および感光性着色組成物から形成されるフィルタセグメントを備える。カラーフィルタセグメントは、使用する着色剤の種類を適宜選択することで、赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、および青色フィルタセグメントを有することが好ましい。また、カラーフィルタは、前記カラーフィルタセグメントに代えて、マゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、黄色フィルタセグメントを有することができる。なお、透明基板に代えて反射基板を使用できる。透明基板は、例えば、ガラス基板が挙げられる。反射基板は、例えばアルミ電極や金属薄膜を反射面として使用する基板が挙げられる。
<カラーフィルタの製造方法>
カラーフィルタは、まず基材上にブラックマトリクスを形成し、次いでフィルタセグメントを形成することが好ましい。なお、基材上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成してからブラックマトリクスを形成することができる。
ブラックマトリクスは、例えば、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が挙げられる。
フィルタセグメントの形成は、例えば、印刷法、電着法、転写法、インクジェット法、フォトリソグラフィー法等で作製できる。本明細書では、最も好ましいフォトリソグラフィー法を説明する。
フォトリソグラフィー法は、例えば、ある色調の着色剤を含有する感光性着色組成物を、透明基板上に、乾燥膜厚が0.2〜5μm程度になるように塗布し被膜を形成する。得られた被膜(以下、第一の被膜という)は、所定のパターンを有するマスクを通して露光(光照射)を行う。次いで、溶剤又はアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧し現像を行い、未硬化部分を除去して所望のパターンを得る。この工程を他の色調の着色剤を有する感光性着色組成物を使用して同様に行うことで、各色のフィルタセグメントを有するカラーフィルタを製造できる。また、露光前の第一の被膜上にさらにポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂を使用して第二の被膜(酸素遮断膜)を形成できる。これにより第一の被膜は、酸素に接しないため露光感度がより向上する。また、カラーフィルタは、フィルタセグメント中に未硬化の重合性化合物を硬化させるために加熱を行うことができる。
塗布装置は、例えば、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等が挙げられる。塗工に際し、乾燥工程を行うコートができる。乾燥装置は、例えば、熱風オーブン、赤外線ヒーター等が挙げられる。
前記現像液は、アルカリ現像液として、例えば、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の無機アルカリ;ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリが挙げられる。また、現像液は、消泡剤や界面活性剤が挙げられる。
<表示装置>
本明細書の表示装置は、カラーフィルタを備える。表示装置は、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、固体撮像素子、量子ドット表示装置、電子ペーパー、ヘッドマウントディスプレイ等の各種用途に使用できる。これらの中でも本明細書では、液晶表示装置を説明する。
液晶表示装置は、カラーフィルタは、フィルタセグメント形成後のカラーフィルタについて、シ−ル剤を用いて対向基板と貼り合わせ、シ−ル部に設けられた注入口カラー液晶を注入したのち注入口を封止する。また、必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に貼り合わせて、液晶表示装置を作製できる。
液晶表示装置は、カラーフィルタに加え、光源を備えることが好ましい。光源は、冷陰極管(CCFL),白色LEDが挙げられるが、本明細書では赤の再現領域が広がるという点で、白色LEDを使用することが好ましい。図1は、液晶表示装置10の概略断面図である。図1に示す装置10は、離間対向して配置された一対の透明基板11および21を備え、それらの間には、液晶LCが封入されている。
液晶LCは、TN(Twisted Nematic)、STN(Super Twisted Nematic)、IPS(In−Plane switching)、VA(Vertical Alignment)、OCB(Optically Compensated Birefringence)等の駆動モ−ドに応じて配向される。第1の透明基板11の内面には、TFT(薄膜トランジスタ−)アレイ12が形成されており、その上には例えばITOカラーなる透明電極層13が形成されている。透明電極層13の上には、配向層14が設けられている。また、透明基板11の外面には、偏光板15が形成されている。
他方、第2の透明基板21の内面には、本発明のカラーフィルタ22が形成されている。カラーフィルタ22を構成する赤色、緑色および青色のフィルタセグメントは、ブラックマトリックス(図示せず)により分離されている。
カラーフィルタ22を覆って、必要に応じて透明保護膜(図示せず)が形成され、さらにその上に、例えばITOカラーなる透明電極層23が形成され、透明電極層23を覆って配向層24が設けられている。
また、透明基板21の外面には、偏光板25が形成されている。なお、偏光板15の下方には、バックライトユニット30が設けられている。
白色LED光源としては、青色LEDの表面に蛍光フィルタを形成したものや、青色LEDの樹脂パッケ−ジに蛍光体を含有させたものがあり、430nm〜485nmの範囲内で発光強度が極大となる波長(λ3)を有し、530nm〜580nmの範囲内で発光強度が極大となる波長(λ4)を有し、600nm〜650nmの範囲内で発光強度が極大となる波長(λ5)を有し、かつ波長λ3における発光強度I3と波長λ4における発光強度I4の比(I4/I3)が0.2以上0.4以下であり、波長λ3における発光強度I3と波長λ5における発光強度I5の比(I5/I3)が0.1以上1.3以下である分光特性を持つ白色LED光源(LED1)や、430nm〜485nmの範囲内に発光強度が最大となる波長(λ1)を有し、530nm〜580nmの範囲内に第2の発光強度のピ−ク波長(λ2)を有し、波長λ1における発光強度I1と波長λ2における発光強度I2の比(I2/I1)が0.2以上0.7以下である分光特性を持つ白色LED光源(LED2)が好ましい。
LED1としては、具体的にはNSSW306D−HG−V1(日亜化学社製)、NSSW304D−HG−V1(日亜化学社製)等が挙げられる。
LED2としては、具体的にはNSSW440(日亜化学社製)、NSSW304D(日亜化学社製)等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を説明する。本発明はこれらに限定されないことはいうまでもない。なお、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」である。
実施例に先立ち、樹脂の重量平均分子量、及び樹脂の酸価の測定方法の計算方法について説明する。
(樹脂の平均分子量)
樹脂の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)は、RI検出器を装備したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した。装置としてHLC−8220GPC(東ソー社製)を用い、分離カラムを2本直列に繋ぎ、両方の充填剤には「TSK−GEL SUPER HZM−N」を2連でつなげて使用し、オーブン温度40℃、溶離液としてテトラヒドロフラン溶液を用い、流速0.35ml/minで測定した。サンプルは1wt%の上記溶離液からなる溶剤に溶解し、20マイクロリットル注入した。分子量はいずれもポリスチレン換算値である。
(樹脂の酸価)
樹脂溶液0.5〜1gに、アセトン80ml及び水10mlを加えて攪拌して均一に溶解させ、0.1mol/LのKOH水溶液を滴定液として、自動滴定装置(「COM−555」平沼産業製)を用いて滴定し、樹脂溶液の酸価(mgKOH/g)を測定した。そして、樹脂溶液の酸価と樹脂溶液の不揮発分濃度から、樹脂の不揮発分あたりの酸価を算出した。なお、以下、酸価の単位を省略する場合がある。
(アンモニウム塩価(mgKOH/g))
アンモニウム塩価は、5%クロム酸カリウム水溶液を指示薬として、0.1Nの硝酸銀水溶液で滴定して求めた後、水酸化カリウムの当量に換算した値であり、不揮発分のアンモニウム塩価を示す。
(微細化顔料(A1−1))
C.I.Pigment Red254(BASF社製「イルガフォアレッドB-CF」)100部、色素誘導体(1)10部、粉砕した食塩1000部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で8時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、微細化顔料(A1−1)を得た。
(微細化顔料(A1−2〜9))
特開2017−138417号公報の実施例に準じて作製した表1に示すジケトピロロピロール系赤色顔料(a1−2〜9)を下記の通り微細化し、微細化顔料(A1−2〜9)を得た。
Figure 2021120729
(微細化顔料(A1−10〜32))
特許第6368844号公報の実施例に準じて作製した表2に示すアゾ顔料(a1−10〜32)をそれぞれ、以下の手順で微細化しそれぞれの番号に対応する微細化顔料(A1−10〜32)を得た。
アゾ顔料80部、塩化ナトリウム800部、およびジエチレングリコール90部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥した。
Figure 2021120729
(微細化顔料(A1−33))
アントラキノン系赤色顔料C.I.Pigment Red 177(シニック社製「シニレックスレッド SR3C」):500部、塩化ナトリウム:500部、およびジエチレングリコール:250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、微細化有機顔料(A1−33)を得た。
(微細化顔料(A1−34))
C.I.Pigment Red 242(クラリアント社製「ノボパーム スカーレット4RF」)100部、塩化ナトリウム1600部、及びジエチレングリコール190部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で10時間混練した。つぎにこの混合物を3リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして塩化ナトリウム及び溶剤を除いた後、80℃で1昼夜乾燥し微細化顔料(A1−34)を得た。
(微細化顔料(A1−35))
C.I.ピグメントレッド269(PR269)(クラリアント社製「Toner Magenta F8B」)100部、塩化ナトリウム800部、及びジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、70℃で5時間混練した。この混合物を温水4000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩及び溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、微細化顔料(A1−35)を得た。
(微細化顔料(A1−36)
C.I.Pigment Blue15:6(トーヨーカラー社製「リオノールブルーES」)100部、粉砕した食塩1000部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、50℃で12時間混練した。この混合物を温水3000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、微細化顔料(A1−36)を得た。
(微細化顔料(A2−1))
C.I.ピグメントイエロー138(PY138)(BASFジャパン社製「パリオトールイエローK0960−HD」)100部、塩化ナトリウム700部、およびジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、80℃で6時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、80℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、微細化顔料(A2−1)を得た。
(微細化黄色顔料(A2−2)〜(A2〜4))
特開2012−226110号公報の実施例に従って表3で示すキノフタロン顔料の微細化顔料(A2−2)〜(A2〜4)を作成した。以下に、その構造を示す。
Figure 2021120729
(微細化顔料(A2−5))
イソインドリン系黄色顔料C.I.pigment yellow 139(BASFジャパン社製「イルガフォアイエロー 2R−CF」)100部、塩化ナトリウム1600部、及びジエチレングリコール190部をステンレス製1ガロンニーダーに仕込み、60℃で10時間混練した。つぎにこの混合物を3リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして塩化ナトリウム及び溶剤を除いた後、80℃で1昼夜乾燥し、微細化顔料(A2−5)を得た。
(微細化顔料(A2−6))
金属錯体系黄色顔料(C.I.pigment yellow 150、ランクセス社製 「Yellow Pigment E4GN」)100部、塩化ナトリウム1600部、及びジエチレングリコール190部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で10時間混練した。つぎにこの混合物を3リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして塩化ナトリウム及び溶剤を除いた後、80℃で1昼夜乾燥し、微細化顔料(A2−6)を得た。
(微細化顔料(A2−7))
黄色顔料C.I.Pigment Yellow 185(BASFジャパン社製「パリオトールエローD1155」):500部、塩化ナトリウム:500部、およびジエチレングリコール:250部をステンレス製1ガロンニーダーに仕込み、120℃で8時間混練した。次にこの混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、微細化顔料(A2−7)を得た。
(微細化顔料(A2−8))
ジオキサジン系紫色顔料PV23(トーヨーカラー株式会社製「リオノゲンバイオレットRL」)300部を96%硫酸3000部に投入し、1時間撹拌後、5℃の水に注入した。1時間撹拌後、濾過、温水で洗浄液が中性になるまで洗浄し、70℃で乾燥した。得られたアシッドペースティング処理顔料120部、色素誘導体(化合物4)5部、粉砕した食塩1500部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で20時間混練した。この混合物を温水5000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、微細化顔料(A2−8)を得た。
(染料溶液(a−1〜3) )
(側鎖にカチオン性基を有する樹脂1)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン67.3 部を仕込み窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、メチルメタクリレート34.0部、n−ブチルメタクリレート28.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート28.0部、ジメチルアミノエチルメタクリレート10.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6.5部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、不揮発分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、6830である事を確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化メチル3.2部、エタノール22.0 部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。このようにして樹脂成分が47質量%のアンモニウム基を有する側鎖にカチオン性基を有する樹脂1を得た。得られた樹脂のアンモニウム塩価は34mgKOH/gであった。
(染料1)
水2000部に不揮発分換算で30部の側鎖にカチオン性基を有する樹脂1を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱した。一方、90部の水に10部のC.I.アシッド レッド 52を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下した。滴下後、60℃で120分間攪拌し、十分に反応を行った。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、C.I.アシッド レッド 52と側鎖にカチオン性基を有する樹脂1との造塩化合物である着色剤(染料1)を得た。このとき着色剤(染料1)中のC.I.アシッド レッド 52に由来する有効色素成分の含有量は25質量%であった。
(染料2)
C.I.アシッド レッド 52をC.I.アシッド レッド 289に変更した以外は着色剤(染料1)の製造と同様に行い、C.I.アシッド レッド 289と側鎖にカチオン性基を有する樹脂1との造塩化合物である着色剤(染料2)を得た。このとき着色剤(染料2)の中のC.I.アシッド レッド 289に由来する有効色素成分の含有量は27質量%であった。
(染料3)
環流管を付けた1Lのステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、C.I.ベーシックバイオレット10(BV10:田岡化学社製:Rodamine B)を5.0部、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)1.6部をジクロロメタン40mlに溶解させ、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 2.2部、ジメチルアミノピリジン0.25部を添加して室温で24時間攪拌を行った。得られたジクロロメタン溶液を、水で洗浄し、減圧乾燥させた後、シリカゲルカラムにて精製を行い、着色剤(染料3)を得た。
(染料溶液(a−1)の製造)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し着色組成物(染料溶液(a−1))を作製した。
着色剤(染料1) 12.5部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMAcという場合がある) 87.5部
(染料溶液(a−2),(a−3)の製造)
染料溶液(a−1)と同様にして、着色剤(染料2、染料3)を用いてそれぞれ染料溶液(a−2),(a−3)を調製した。
(色素誘導体)
使用した各色素誘導体(1)〜(4)の構造を表4に示す。
Figure 2021120729
<樹脂型分散剤(B)の製造>
(樹脂型分散剤(B)溶液の製造)
ガス導入管、コンデンサ−、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、無水トリメリット酸3部、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール1部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ−ト50部、ジメチルベンジルアミン0.1部を仕込んだ。窒素ガスで置換した後、反応容器内を120℃に加熱し4時間反応させ、次いで80℃で2時間反応させた。さらにターシャリーブチルアクリレート30部、ETERNACOLL OXMA(メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル、宇部興産社製)20部、メタクリル酸5部、エチルアクリレート40部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ−ト10部を仕込み、反応容器内を80℃に保ちながら2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2部を15回に分けて30分ごとに添加した。最終添加カラー1時間後に不揮発分測定を行い、モノマーの95%が反応したことを確認した。不揮発分測定で不揮発分20%となるようプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ−トを加えて希釈し、不揮発分当たりの酸価51mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)24,000のカルボキシル基を有する樹脂型分散剤(B)溶液を得た。
<バインダ樹脂(E’)の製造>
(樹脂製造例1:バインダ樹脂(E’−1)溶液の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン196部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、n−ブチルメタクリレート37.2部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート12.9部、メタクリル酸12.0部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成社製「アロニックスM110」)20.7部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.1部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分間加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ−トを添加して非感光性のランダム重合のバインダ樹脂(E’−1)溶液を調製した。重量平均分子量(Mw)は26000であった。
(樹脂製造例2:バインダ樹脂(E’−2)溶液の調製)
以下に説明する条件及び手順でRAFT重合を行ってリビングランダム樹脂(E’−2)を製造した。
MAA(メタクリル酸):33.9部、BzMA(ベンジルメタクリレート):34.9部、RAFT剤(2−シアノ−2−プロピルドデシルトリチオカルボナート;下記一般式(1)):1.67部、ABN−E(2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)):0.08部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:70.6部を2口フラスコに投入し、内部を窒素ガスで置換しながら85℃に昇温した後、撹拌下にて6時間の重合反応を行った。次いで、サンプリングを行い反応終了を確認した。このようにして、重量平均分子量13900、分子量分布1.3(ゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC)により測定、ポリスチレン換算)のMAAとBzMAのランダム重合体(E’−2−A)を得た。
Figure 2021120729
次に得られた重合体(E’−2−A)のカルボキシル基に対し、空気下でGMA(グリシジルメタクリレート)36.3部、トリスジメチルアミノメチルフェノール0.9部、およびハイドロキノン0.17部を投入し、内部を空気で置換しながら110℃で6時間反応を続け不揮発分当たりの酸価が98となったところで反応を終了した。PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)で不揮発分が20%になるように調整し、重量平均分子量20000、分子量分布1.4(上記同様の条件にて測定)の樹脂溶液(E’−2)を得た。
(樹脂製造例3:バインダ樹脂(E’−3)溶液の調製)
以下に説明する条件及び手順でRAFT重合を行って、リビングブロック樹脂(E’−3)を製造した。
[1段目:RAFT重合によるAブロックの製造]
まず、1段目のRAFT重合として、MAA:33.9部、RAFT剤:1.67部、ABN−E:0.08部、及びMB(3−メトキシブタノール):35.7部を2口フラスコに投入し、内部を窒素ガスで置換しながら85℃に昇温した後、撹拌下にて6時間の重合反応を行った。次いで、サンプリングを行い反応終了を確認した。このようにして、重量平均分子量7000、分子量分布1.3(ゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC)により測定、ポリスチレン換算)のMAA重合体(E’−3−A)を得た。
[2段目:RAFT重合によるBブロックの製造]
次に、2段目のRAFT重合として、この反応槽にBzMA:14.0部、DCPMA(ジシクロペンタニルメタクリレート)21.0部、ABN−E:0.08部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:35部を2口フラスコに投入し、内部を窒素ガスにて置換しながら85℃に昇温した後、撹拌下にて6時間の重合反応を行った。次いで、サンプリングを行い反応終了を確認した。このようにして、重量平均分子量14000、分子量分布1.3(上記同様の条件にて測定)のMAAとBzMAの重合体(E’−3)を得た。
<ブロック樹脂(E1)の製造>
(樹脂製造例4: リビングブロック樹脂(E1−1−1)の製造>
以下に説明する条件及び手順で1〜2段目のRAFT重合を行ってリビングブロック樹脂(E1−1−1)を製造した。
[1段目:RAFT重合によるAブロックの製造]
実施例では、まず、1段目のRAFT重合として、MAA:33.9部、RAFT剤:1.67部、ABN−E:0.08部、及び3−メトキシブタノール:35.7部を2口フラスコに投入し、内部を窒素ガスで置換しながら85℃に昇温した後、撹拌下にて6時間の重合反応を行った。次いで、サンプリングを行い反応終了を確認した。このようにして、重量平均分子量7000、分子量分布1.3(ゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC)により測定、ポリスチレン換算)のMAA重合体(E1−1−1−A)を得た。
[2段目:RAFT重合によるBブロックの製造]
次に、2段目のRAFT重合として、この反応槽にBzMA:34.94部、ABN−E:0.08部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:34.9部を2口フラスコに投入し、内部を窒素ガスにて置換しながら85℃に昇温した後、撹拌下にて6時間の重合反応を行った。次いで、サンプリングを行い反応終了を確認した。このようにして、重量平均分子量14000、分子量分布1.3(上記同様の条件にて測定)のMAAとBzMAの重合体(E1−1−1−B)を得た。
次に得られた重合体(E1−1−1−B)のAブロックのMAAが有するカルボキシル基に対し、空気下でGMA36.3部にトリスジメチルアミノメチルフェノール0.9部、およびハイドロキノン0.17部を投入し、内部を空気で置換しながら110℃で6時間反応を続け不揮発分当たりの酸価が98mgKOH/gとなったところで反応を終了した。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで不揮発分が20%になるように調整し、重量平均分子量が20000、分子量分布1.4(上記同様の条件にて測定)、二重結合当量456g/molの樹脂溶液(E1−1−1)を得た。
(樹脂製造例5〜9:リビングブロック樹脂(E1−1−2)〜(E1−1−6)の製造)
表5に記載した通りの材料種、質量に変更し、適宜、連鎖移動剤を使用してMwを調整した以外は、樹脂製造例4と同様にリビングブロック樹脂(E1−1−2)〜(E1−1−6)を作製した。なお、(E1−1−2)〜(E1−1−6)は、A−Bブロック樹脂である。
Figure 2021120729
(樹脂製造例10:リビングブロック樹脂(E1−1−7)の製造)
以下に説明する条件及び手順で1〜3段目のRAFT重合を行ってリビングブロック樹脂(E1−1−7)を製造した。
[1段目:RAFT重合によるAブロックの製造]
まず、1段目のRAFT重合として、MAA:17部、RAFT剤:1.67部、ABN−E:0.08部、及び3−メトキシブタノール:18.7部を2口フラスコに投入し、内部を窒素ガスで置換しながら85℃に昇温した後、撹拌下にて6時間の重合反応を行った。次いで、サンプリングを行い反応終了を確認した。重量平均分子量3700、分子量分布1.3(ゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC)により測定、ポリスチレン換算)のMAA重合体(E1−1−7−A)を得た。
[2段目:RAFT重合によるBブロックの製造]
次に、2段目のRAFT重合として、この反応槽にBzMA:34.9部、ABN−E:0.08部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:35部を2口フラスコに投入し、内部を窒素ガスにて置換しながら85℃に昇温した後、撹拌下にて6時間の重合反応を行った。次いで、サンプリングを行い反応終了を確認した。重量平均分子量10600、分子量分布1.3(上記同様の条件にて測定)のMMAとBzMAのジブロック樹脂(E1−1−7−B)を得た。
[3段目:RAFT重合によるA2ブロックの製造]
次に、3段目のRAFT重合として、この反応層にMAA:17部、ABN−E:0.08部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:17部を2口フラスコに投入し、内部を窒素ガスにて置換しながら85℃に昇温した後、撹拌下にて6時間の重合反応を行った。次いで、サンプリングを行い反応終了を確認した。このようにして、質量平均分子量14000、分子量分布1.3(上記同様の条件にて測定)のMAA/BzMA/MAAのA−B−Aブロック樹脂(E1−1−7−C)を得た。
次に得られた重合体(E1−1−7−C)のAブロックのMAAが有するカルボキシル基に対し、空気下でGMA(グリシジルメタクリレート)36.3部にトリスジメチルアミノメチルフェノール0.9部、およびハイドロキノン0.17部を投入し、内部を空気で置換しながら110℃で6時間反応を続け不揮発分当たりの酸価が98となったところで反応を終了し、重量平均分子量が20000、分子量分布1.4の樹脂溶液(E1−1−7)を得た。
<着色組成物(単色)の製造方法>
[製造例1]
(着色組成物(X−1)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガ−ミル(アイガ−ジャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が24.3質量%の着色組成物(X−1)を作製した。
微細化顔料(A1−1) :20.0部
樹脂型分散剤溶液(B:不揮発分20%) :10.0部
バインダ樹脂溶液(E’−1:不揮発分20%):15.0部
溶剤(P) :55.0部
なお、溶剤(P)は、下記(P−1)と(P−2)をそれぞれの同量混合して作製した。
(P−1)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ−ト
(P−2)3−エトキシプロピオン酸エチル
[製造例2〜48]
(着色組成物(X−2)〜(X−48)の作製)
表6に記載した通りの材料種、質量に変更した以外は、製造例1と同様に着色組成物(X−2)〜(X−48)を作製した。
Figure 2021120729
<感光性着色組成物の製造方法>
[実施例1]
(感光性着色組成物(Y−1))
以下の原料を混合、攪拌し、孔径1.0μmのフィルタで濾過して感光性着色組成物(Y−1)を得た。
着色組成物(X−37:不揮発分25.0%) :40.0部
着色組成物(X−48:不揮発分25.0%) :25.0部
バインダ樹脂溶液(E1−1−1:不揮発分20%):12.0部
熱硬化性化合物(F) :3.0部
重合性化合物(C−4) :3.0部
光重合開始剤(D) :1.3部
増感剤(Z) :0.2部
チオール系連鎖移動剤(H) :0.4部
酸化防止剤(I) :0.1部
レベリング剤(L:不揮発分3%) :1.0部
溶剤(P) :14.0部
[実施例2〜66、比較例1、2]
(感光性着色組成物(Y−2)〜(Y−66),(Y−101)、(Y−102)の作製)
実施例1の着色組成物およびバインダ樹脂溶液の種類を表7に記載した通りに変更した以外は、実施例1と同様に行い感光性着色組成物(Y−2)〜(Y−66),(Y−101)、(Y−102)をそれぞれ作製した。
Figure 2021120729
<熱硬化性化合物(F)>
2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物[EHPE−3150(ダイセル社製)]
<重合性化合物(C)>
(C−1)トリメチロールプロパントリアクリレート
[アロニックスM309(東亞合成社製)]
(C−2)トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート
[アロニックスM310(東亞合成社製)]
(C−3)トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート
[アロニックスM350(東亞合成社製)]
(C−4)ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート
[アロニックスM402(東亞合成社製)]
(C−5)カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート混合物
KAYARAD DPCA−30、KAYARAD DPCA−60、KAYARAD DPCA−120(すべて日本化薬社製)]を同量づつ混合し、(C−5)とした。
(C−6)多塩基酸性アクリルオリゴマ−
[アロニックスM520(東亞合成社製)]
(C−7)下記による多官能ウレタンアクリレート
内容量が1リットル5つ口反応容器に、ペンタエリスリトールトリアクリレート432部、ヘキサメチレンジイソシアネート84部を仕込み、60℃で8時間反応させて、(メタ)アクリロイル基を有する多官能ウレタンアクリレート(C−7)を含む生成物を得た。生成物中、多官能ウレタンアクリレート(C−7)の占める割合は、70質量%であり、残部を他の光重合性モノマーで占めている。なお、IR分析により反応生成物中にイソシアネート基が存在しないことを確認した。
<光重合性開始剤(D)>
(D−1)2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン
[Omnirad 907(IGM Resins社製)]
(D−2)2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン
[Omnirad 379EG(IGM Resins社製)]
(D−3)2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド
[Omnirad TPO(IGM Resins社製)]
(D−4)2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール
[ビイミダゾール(黒金化成社製)]
(D−5)p−ジメチルアミノアセトフェノン
[DMA(ダイキファイン社製)]
(D−6)エタン−1−オン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール3−イル],1−(O−アセチルオキシム)
[イルガキュアOXE02(BASFジャパン社製)]
(D−7)1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン
[Omnirad 2959(IGM Resins社製)]
(D−8)ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド
[Omnirad 819(IGM Resins社製)]
以上、(D−1)〜(D−8)をそれぞれ同量にて混合し、光重合開始剤(D)とした。
<増感剤(Z) >
(Z−1)2,4−ジエチルチオキサントン
[カヤキュアDETX−S(日本化薬社製)]
(Z−2)4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
[CHEMARK DEABP(Chemark Chemical社製)]
以上、(Z−1)(Z−2)をそれぞれ同量にて混合し、増感剤(Z)とした。
<チオール系連鎖移動剤(H)>
ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)[PEMP(堺化学工業社製)]
<酸化防止剤(I)>
(I−1)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
(I−2)3,3'−チオジプロパン酸ジオクタデシル
(I−3)トリス[2,4−ジ−(t)−ブチルフェニル]ホスフィン
(I−4)ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケ−ト
(I−5)サリチル酸p−オクチルフェニル
以上、(I−1)〜(I−5)をそれぞれ同量にて混合し、酸化防止剤(I)とした。
<レベリング剤(L)>
ビックケミ−社製「BYK−330 」 1部、DIC社製「メガファックF−551」 1部、および花王社製「エマルゲン103」 1部をPGMAc97部に溶解させた混合溶液。
<感光性樹脂組成物の評価>
以下に示す評価方法にて感光性樹脂組成物をそれぞれ評価した。結果を表8に示す。
〈細線密着性の評価〉
作製した感光性樹脂組成物を、縦100mm×横100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製ガラス イーグル2000)に、スピンコーターを用いて乾燥膜厚が2.4μmとなるように塗工し、90℃で120秒間プリベークを行った。次いで、超高圧水銀ランプを用い、積算光量150mJ/cm2で紫外線露光を行い、10μm、30μm、50μm、および100μmのそれぞれの幅のストライプパターンを有するフォトマスクを介して紫外線を露光した。次いで、この塗膜基板を室温に冷却後、23℃の0.04%水酸化カリウム水溶液を用いてスプレー現像し、イオン交換水で洗浄して風乾した。得られた基板を光学顕微鏡で観察し、残存したストライプパターンの最小線幅を確認した。
◎:非常に良好(10μm以下の細線が残存している)
○:良好(30μm以下の細線が残存している)
△:実用可能レベル(50μm以下の細線が残存している)
×:実用不可レベル(50μmを超える細線が残存している)
〈パターン直線性の評価〉
作製した感光性樹脂組成物を、縦100mm×横100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製ガラス イーグル2000)に、ガラス基板上に、スピンコーターを用いて乾燥膜厚が2.4μmとなるように塗工し、90℃で120秒間プリベークを行った。次いで、超高圧水銀ランプを用い、積算光量150mJ/cm2で紫外線露光を行い、100μm幅ストライプパターンのフォトマスクを介して紫外線を露光した。さらに、この基板を室温に冷却後、23℃の0.04%水酸化カリウム水溶液を用いて現像時間2水準(30秒、60秒)でスプレー現像し、イオン交換水で洗浄して風乾した。得られた基板をクリーンオーブン中で、230℃で30分間ポストベークを行い、基板上にストライプ状の画素を形成した。画素パターンを光学顕微鏡にて観察し、未露光部の現像残渣および欠けの有無を評価した。
○:良好(異常なし)
△:実用可能レベル(現像時間60秒において未露光部の現像残渣あるいは欠けが発生している)
×:実用不可レベル(現像時間30秒において未露光部の現像残渣あるいは30秒で欠けが発生している)
〈現像液溶解性の評価〉
作製した感光性樹脂組成物を、縦100mm×横100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製ガラス イーグル2000)に、ガラス基板上に、スピンコーターを用いて乾燥膜厚が2.4μmとなるように塗工し、90℃で120秒間プリベークを行った。次いで、この基板を室温に冷却後、シャーレ内に置いて23℃の0.04%水酸化カリウム水溶液を50cc加えた。被膜が溶解していく様子を観察し、現像液溶解性を評価した。評価のランクは次の通りである。
◎:非常に良好(剥離片が発生しない)
○:良好(剥離片がわずかに発生するが、10秒以内に溶ける)
△:実用可能レベル(剥離片が発生するが、30秒以内に溶ける)
×:実用不可レベル(剥離片が発生するが、30秒を超えて溶ける)
〈現像速度の評価〉
作製した感光性樹脂組成物を、縦100mm×横100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製ガラス イーグル2000)に、ガラス基板上に、スピンコーターを用いて乾燥膜厚が2.4μmとなるように塗工し、90℃で120秒間プリベークを行った。次いで、超高圧水銀ランプを用い、積算光量150mJ/cm2で紫外線露光を行い、100μm幅ストライプパターンのフォトマスクを介して紫外線を露光した。さらに、この基板を室温に冷却後、23℃の0.04%水酸化カリウム水溶液を用いてスプレー現像し、未露光部が溶解してなくなるまでの時間を測定し、感光性樹脂組成物の現像速度を評価した。評価のランクは次の通りである。
○:25秒未満
△:25秒以上、35秒未満
×:35秒以上
〈塗膜表面の異物〉
作製した感光性樹脂組成物を、縦100mm×横100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製ガラス イーグル2000)に、ガラス基板上に、スピンコーターを用いて乾燥膜厚が2.4μmとなるように塗工し、90℃で120秒間プリベークを行った。次いで、この基板を室温に冷却後、顕微鏡を使用し、形成された塗膜の表面(塗布面)を200倍で観察して異物の有無を確認し、以下の基準に従い評価した。
◎:非常に良好(異物が認められない)
○:良好(1視野内に平均2個以内の異物あり)
△:実用可能レベル(1視野内に平均2個以上5個未満の異物あり)
×:実用不可レベル(1視野内に5個以上の異物あり)
〈経時安定性〉
作製した感光性樹脂組成物の経時安定性を粘度の増粘率で評価した。作製した感光性樹脂組成物を調整し、初期粘度(室温(25℃)で24時間放置後の粘度)と促進経時粘度(40℃の恒温室にて7日間保存した後の粘度)をE型粘度計(TOKI SANGYO社製TUE−20L型)を用い回転数20rpmで測定した。促進経時粘度÷初期粘度=増粘率として、下記の基準で評価した。
◎:増粘率が1.03以下
○:増粘率が1.03より大きく1.10以下
△:増粘率が1.10より大きく1.15以下
×:増粘率が1.15より大きい
Figure 2021120729
10 液晶表示装置
11 透明基板
12 TFTアレイ
13 透明電極層
14 配向層
15 偏光板
21 透明基板
22 カラーフィルタ
23 透明電極層
24 配向層
25 偏光板
30 バックライトユニット
31 白色LED光源
LC 液晶

Claims (5)

  1. 着色剤(A)、樹脂型分散剤(B)、重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)、バインダ樹脂(E)、および有機溶剤を含み、
    着色剤(A)が、赤色顔料または青色顔料の顔料(A1)を含み、
    バインダ樹脂(E)が、エチレン性不飽和基を有するブロック樹脂(E1)を含み、
    ブロック樹脂(E1)は、カルボキシル基を有するAブロック、およびカルボキシル基を有さないBブロックを有し、前記Bブロックを構成する全単量体単位中、芳香族含有単量体単位を50〜100質量%含む、感光性着色組成物。
  2. 前記ブロック樹脂(E1)の重量平均分子量は、5,000〜50,000である、請求項1記載の感光性着色組成物。
  3. 前記ブロック樹脂(E1)が、Aブロックにエチレン性不飽和基を有するブロック樹脂(E1−1)を含む、請求項1または2に記載の感光性着色組成物。
  4. 基材、および請求項1〜3いずれか1項に記載の感光性着色組成物から形成してなるフィルタセグメントを備える、カラーフィルタ。
  5. 請求項4記載のカラーフィルタを備える、液晶表示装置。
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