JP2021116758A - 排気システム - Google Patents

排気システム Download PDF

Info

Publication number
JP2021116758A
JP2021116758A JP2020011025A JP2020011025A JP2021116758A JP 2021116758 A JP2021116758 A JP 2021116758A JP 2020011025 A JP2020011025 A JP 2020011025A JP 2020011025 A JP2020011025 A JP 2020011025A JP 2021116758 A JP2021116758 A JP 2021116758A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pipe
flow path
inner pipe
range
tube
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020011025A
Other languages
English (en)
Inventor
邦和 白井
Kunikazu Shirai
邦和 白井
琢也 近藤
Takuya Kondo
琢也 近藤
裕久 大上
Hirohisa Ogami
裕久 大上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Futaba Industrial Co Ltd
Original Assignee
Futaba Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Futaba Industrial Co Ltd filed Critical Futaba Industrial Co Ltd
Priority to JP2020011025A priority Critical patent/JP2021116758A/ja
Publication of JP2021116758A publication Critical patent/JP2021116758A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)
  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
  • Exhaust Silencers (AREA)

Abstract

【課題】車両用電池の周辺に排気システムが配置される車両において、車両用電池の搭載スペースを増加させる技術を提供する。【解決手段】内燃機関から排気される排ガスの排気流路を形成する排気システムであって、浄化装置と、消音器と、を備える。浄化装置は、排気流路において排ガスの流れが直列となるように配置される第1の浄化部材及び第2の浄化部材と、第1の浄化部材及び第2の浄化部材が収容される1つの収容室と、を有する。消音器は、浄化装置よりも下流側に位置し、排ガスを通過させる内管と、内管とともに二重管を構成する外管と、を有する。浄化装置は車両の前後方向において車両用電池の前側に配置され、消音器は車両の左右方向において車両用電池の左側及び右側の少なくとも一方に配置される。【選択図】図1

Description

本開示は、排気システムに関する。
自動車用の排気システムとして、特許文献1に記載されているように、内燃機関から排気される排ガスの排気流路の上流側に配置される浄化装置と、排気流路の下流側に配置されるメインマフラとの間に、サブマフラを設けたものが知られている。
特開2019−132266号公報
ところで、動力源として内燃機関及び電動モータを備えるハイブリッド車両においては、一般的に、電動モータに電力を供給する車両用電池が車両の床下に設けられているため、排気システムは、車両用電池の周辺に配置される。例えば、車両の前後左右方向を基準として、車両用電池の前側に浄化装置が配置され、車両用電池の左側及び右側の少なくとも一方にサブマフラが配置され、車両用電池の後側にメインマフラが配置されるものがある。
ハイブリッド車両においては、電動モータの作動時間を増加させるために、車両用電池の搭載容量の更なる増加が望まれている。しかしながら、発明者の詳細な検討の結果、車両用電池の周辺に配置される排気システムによって、車両用電池の搭載スペースが規制されるという課題が見出された。上記のように排気システムが配置される場合、浄化装置によって車両前後方向における車両用電池の搭載スペースが規制され、サブマフラとしての消音器によって車両左右方向における車両用電池の搭載スペースが規制される。
本開示の一局面は、車両用電池の周辺に排気システムが配置される車両において、車両用電池の搭載スペースを増加させる技術を提供する。
本開示の一態様は、車両用電池が床下に設けられる車両に搭載され、内燃機関から排気される排ガスの排気流路を形成する排気システムであって、浄化装置と、消音器と、を備える。浄化装置は、排気流路において排ガスの流れが直列となるように配置される第1の浄化部材及び第2の浄化部材と、第1の浄化部材及び第2の浄化部材が収容される1つの収容室と、を有する。消音器は、浄化装置よりも排気流路の下流側に位置し、排ガスを通過させる内管と、内管とともに二重管を構成する外管と、を有する。浄化装置は、車両の前後方向において車両用電池の前側に配置される。消音器は、車両の左右方向において車両用電池の左側及び右側の少なくとも一方に配置される。
このような構成によれば、浄化装置の車両前後方向における長さが短縮され、かつ、サブマフラとしての消音器の車両左右方向における長さが短縮されるため、その短縮分だけ車両用電池の搭載スペースを拡張できる。したがって、車両用電池の周辺に排気システムが配置される車両において、車両用電池の搭載スペースを増加させることができる。
本開示の一態様では、浄化装置は、排気流路が第1の浄化部材から第2の浄化部材にかけて屈曲するように、第1の浄化部材及び第2の浄化部材が配置されてもよい。
このような構成によれば、浄化装置の車両前後方向における長さをより短縮できるため、車両用電池の車両前後方向の搭載スペースをさらに増加させることができる。
本開示の一態様では、浄化装置は、排気流路が第1の浄化部材から第2の浄化部材にかけてL字状に屈曲するように、第1の浄化部材及び第2の浄化部材が配置されてもよい。
このような構成によれば、浄化装置の車両前後方向における長さをより短縮できるため、車両用電池の車両前後方向の搭載スペースをさらに増加させることができる。
本開示の一態様では、消音器が有する二重管は、第1端部及び第2端部のうち、いずれか一方が排気流路の上流側となり、かつ、他方が排気流路の下流側となって、内管を介して排気流路の一部を構成していてもよい。内管と外管との間には空隙が設けられ、第2端部において内管と外管との間には開口が設けられ、開口を介して空隙が排気流路に通じるように構成されてもよい。内管は、第1範囲と、第2範囲とを有してもよい。第1範囲は、外管の内側面の位置を基準にして、内管の外側面が基準と同じ位置にある。第2範囲は、内管の外側面が基準よりも内側に配置される。内管の外側面は、第1範囲及び第2範囲のそれぞれにおいて、第2端部に達していてもよい。第1範囲においては、内管の外側面と外管の内側面とが接する位置に内管及び外管が配置されるように構成されることにより、内管と外管との間が閉塞されるように構成されてもよい。第2範囲においては、内管の外側面と外管の内側面との間に空隙の一部が構成され、第2範囲が第2端部に達する箇所に開口が構成されていてもよい。
このような構成によれば、例えば、外管を外周側へ膨らませることのみによって空隙を確保する場合に比べ、消音器が有する二重管の外径をより小さくすることができる。したがって、サブマフラとしての消音器の車両左右方向における長さを短縮でき、車両用電池の車両左右方向の搭載スペースを増加させることができる。
本開示の一態様では、消音器が有する二重管は、第1端部及び第2端部のうち、いずれか一方が排気流路の上流側となり、かつ、他方が排気流路の下流側となって、内管を介して排気流路の一部を構成していてもよい。内管と外管との間には空隙が設けられ、第2端部において内管と外管との間には開口が設けられ、開口を介して空隙が排気流路に通じるように構成されてもよい。内管は、第1範囲と、第2範囲とを有してもよい。第1範囲は、内管の外側面と外管の内側面との間に挟み込まれる介在物が存在する周方向範囲では介在物の内側面の位置を基準にし、介在物が存在しない周方向範囲では外管の内側面の位置を基準にして、内管の外側面が基準と同じ位置にある。第2範囲は、内管の外側面が基準よりも内側に配置される。内管の外側面は、第1範囲及び第2範囲のそれぞれにおいて、第2端部に達していてもよい。第1範囲においては、内管の外側面と外管の内側面との間に介在物が挟み込まれることにより、内管と外管との間が閉塞されるように構成されてもよい。第2範囲においては、内管の外側面と外管の内側面との間に空隙の一部が構成され、第2範囲が第2端部に達する箇所に開口が構成されていてもよい。
このような構成によれば、例えば、外管を外周側へ膨らませることのみによって空隙を確保する場合に比べ、消音器が有する二重管の外径をより小さくすることができる。したがって、サブマフラとしての消音器の車両左右方向における長さを短縮でき、車両用電池の車両左右方向の搭載スペースを増加させることができる。
本開示の一態様では、内管は、第1の径を有する太径部と、第1の径よりも小さい第2の径を有する細径部とを有してもよい。細径部の外側面と外管の内側面との間には、空隙の一部に相当する共鳴室が構成されてもよい。太径部は、第2端部に配置されて、太径部が第1範囲及び第2範囲を有し、第2範囲において太径部の外側面と外管の内側面との間に、空隙の一部に相当する共鳴管が構成されてもよい。共鳴管の一端に開口があって、開口を介して共鳴管が排気流路に通じていて、共鳴管を介して共鳴室が排気流路に通じることにより、共鳴管及び共鳴室がヘルムホルツ共鳴器として機能するように構成されていてもよい。
このような構成によれば、消音機能を維持しつつ、消音器が有する二重管の外径を小さくすることができる。したがって、サブマフラとしての消音器の車両左右方向における長さを短縮でき、車両用電池の車両左右方向の搭載スペースを増加させることができる。
本開示の一態様では、外管の第1端部から第2端部までの範囲内の外径が、第2端部における外管の外径以下であってもよい。
このような構成によれば、消音器が有する二重管の外径を小さくすることができる。したがって、サブマフラとしての消音器の車両左右方向における長さを短縮でき、車両用電池の車両左右方向の搭載スペースを増加させることができる。
排気システム及び車両用電池の配置を示すブロック図である。 浄化装置の構成を示す斜視図である。 図3Aは第1実施形態のサブマフラ5を第2端部側から見た説明図である。図3Bは図3A中にIIIB−IIIB線で示した切断箇所における断面図である。図3Cは図3B中にIIIC−IIIC線で示した切断箇所を拡大して示す切断部端面図である。図3Dは図3B中にIIID−IIID線で示した切断箇所を拡大して示す切断部端面図である。 比較例の排気システム及び車両用電池の配置を示すブロック図である。 図5Aは図3Cに示した箇所の第1変形例を示す切断部端面図である。図5Bは図3Cに示した箇所の第2変形例を示す切断部端面図である。図5Cは図3Cに示した箇所の第三変形例を示す切断部端面図である。図5Dは図3Cに示した箇所の第四変形例を示す切断部端面図である。 図6Aは変形例のサブマフラ51を第2端部側から見た説明図である。図6Bは図6A中にVIB−VIB線で示した切断箇所における断面図である。図6Cは変形例のサブマフラ61を第2端部側から見た説明図である。図6Dは図6C中にVID−VID線で示した切断箇所における断面図である。 図7Aは変形例のサブマフラ76を第2端部側から見た説明図である。図7Bは図7A中にVIIB−VIIB線で示した切断箇所における断面図である。図7Cは変形例のサブマフラ76を第1端部側から見た説明図である。図7Dは変形例のサブマフラ81を第2端部側から見た説明図である。図7Eは図7D中にVIIE−VIIE線で示した切断箇所における断面図である。図7Fは変形例のサブマフラ81を第1端部側から見た説明図である。 図8Aは変形例のサブマフラ86を第2端部側から見た説明図である。図8Bは図8A中にVIIIB−VIIIB線で示した切断箇所における断面図である。図8Cは変形例のサブマフラ86を第1端部側から見た説明図である。図8Dは変形例のサブマフラ91を第2端部側から見た説明図である。図8Eは図8D中にVIIIE−VIIIE線で示した切断箇所における断面図である。図8Fは変形例のサブマフラ91を第1端部側から見た説明図である。 図9Aは第2実施形態のサブマフラ203を第2端部側から見た模式的な側面図である。図9Bは図9AのIXB−IXB線での模式的な断面図である。 図10A、図10B及び図10Cは連通孔の形状を説明するための模式図である。 図11Aは図9BのXIA−XIA線での模式的な断面図である。図11Bは図9BのXIB−XIB線での模式的な断面図である。図11Cは図9BのXIC−XIC線での模式的な断面図である。 図12A及び図12Bは連通孔と定常波との関係を説明するための模式図である。 図13は、図9Aとは異なる実施形態のサブマフラの図9Bに対応する模式的な断面図である。 図14A、図14B及び図14Cは、図9Aとは異なる実施形態の固定部の図11Aに対応する模式的な断面図である。 図15Aは、比較例1における周波数と消音量との関係を示すグラフであり、図15Bは、実施例1における周波数と消音量との関係を示すグラフであり、図15Cは、実施例2における周波数と消音量との関係を示すグラフである。 浄化装置の配置を変更した排気システム及び車両用電池の配置を示すブロック図である。 サブマフラが屈曲した構成の排気システム及び車両用電池の配置を示すブロック図である。
以下、本開示の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
[1.第1実施形態]
[1−1.構成]
図1に示す排気システム1は、ハイブリッド車両に搭載される。ハイブリッド車両は、動力源として、内燃機関であるエンジン100と、電動モータと、を備える。本実施形態のハイブリッド車両には、電動モータに電力を供給する車両用電池200が車両の床下に設けられている。車両用電池200は、概略直方体状のケースに収容されている。車両用電池200が収容されるケースは、車両に配置された状態で、上面及び底面が車両の上下方向を向き、各側面がそれぞれ車両の前後方向及び左右方向を向くように設置されている。車両用電池200は、車両上方から見て車両の中央部付近に大きな搭載スペースを占めて配置される。
排気システム1は、エンジン100から排気される排ガスの排気流路を形成する。排気システム1は、浄化装置3と、サブマフラ5と、メインマフラ7と、管材9A,9B,9C(以下、個々の管材を区別しない場合は管材9とも称する。)と、を備え、これらの部材が直列に接続された構造とされている。浄化装置3とサブマフラ5とは管材9Aによって接続されている。サブマフラ5とメインマフラ7とは管材9Bによって接続されている。メインマフラ7を通過した排ガスは、管材9Cから排出される。なお、図示しないが、エンジン100から排気される排ガスは、エキゾーストマニホールドを介して浄化装置3へと流入するように構成されている。上述したように、車両用電池200が車両床下の中央部付近において大きな搭載スペースを占めて設置されているため、排気システム1は、車両用電池200を迂回して車両前後方向に延びるように配置されている。
浄化装置3は、エンジン100から排気される排ガス中の環境汚染物質を浄化部材により改質又は捕集する装置である。浄化装置3は、排気流路において排ガスの流れが直列となるように配置される第1の浄化部材31及び第2の浄化部材32と、第1の浄化部材31及び第2の浄化部材32が収容される1つの収容室30と、収容室30を内部に形成するケーシング33と、を有する。ここで、排ガスの流れが直列となるように配置されるとは、第1の浄化部材と第2の浄化部材とが排気流路において順次一列に並んで配置されることをいい、順次一列に並ぶとは、両部材が直線状に配置されて並ぶ場合に限らず、本実施形態のように両部材が直線状でなく配置されて並ぶ場合を含む。浄化装置3において、排気流路が第1の浄化部材31から第2の浄化部材32にかけてL字状に屈曲するように、第1の浄化部材31及び第2の浄化部材32が配置される。収容室30も排気流路と同様にL字状に屈曲しており、ケーシング33の外形も同様にL字状に屈曲している。浄化装置3の詳細な構造については後述する。
サブマフラ5及びメインマフラ7は、いずれも排気騒音を低減する装置である。
サブマフラ5は、浄化装置3よりも排気流路の下流側に位置し、排ガスを通過させる二重管構造を有する消音器である。
メインマフラ7は、サブマフラ5を通過した排ガスをさらに消音する。
浄化装置3は、車両の前後方向において車両用電池200の前側に配置されている。サブマフラ5は、車両の左右方向において車両用電池200の左側及び右側の少なくとも一方に配置されている。本実施形態では、サブマフラ5は、車両の左右方向において車両用電池200の右側にのみ配置されている。メインマフラ7は、車両の前後方向において車両用電池200の後側に配置されている。また、排気システム1は、車両の上下方向において車両用電池200と略同程度の高さに配置されている。具体的には、浄化装置3は、ケーシング33の少なくとも一部が、車両用電池200が収容されるケースの前面と対向するように配置されている。また、サブマフラ5は、外管13の少なくとも一部が、車両用電池200が収容されるケースの右側面と対向するように配置されている。
<浄化装置>
図2に示す浄化装置3は、上述したように、第1の浄化部材31及び第2の浄化部材32と、1つの収容室30と、を備え、第1の浄化部材31及び第2の浄化部材32が1つの収容室30に収容されるタンデム構造をしている。ここで、タンデム構造とは、直列に配置された2つの浄化部材が1つの収容室に収容された構造であって、収容室における2つの浄化部材に挟まれる部分の径が、主流パイプの径と同程度の大きさまで絞られることがない、換言すれば、主流パイプの径よりも大きい構造をいう。主流パイプとは、浄化装置の上流側端部及び下流側端部のそれぞれに接続されて排気流路を構成するパイプである。本実施形態では、浄化装置3の下流側端部に接続される主流パイプが管材9Aである。収容室を内部に形成するケーシングは、すべての部分が同一部材で形成されていてもよいし、複数部材を組み合わせて形成されていてもよい。本実施形態では、ケーシング33は、後述する導入部331、第1接続部332、屈曲部333及び第2接続部334の複数部材を組み合わせて形成されている。
第1の浄化部材31及び第2の浄化部材32は、エンジン100から排気される排ガス中の環境汚染物質を浄化部材により改質又は捕集する機能を有する部材である。環境汚染物質とは、例えば、炭化水素類(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)及び粒状物質(PM)等を意味する。第1の浄化部材31及び第2の浄化部材32は、上記機能を有する部材であれば、触媒又はフィルタ等、どのような種類のものでもよい。具体例としては、例えば、排ガス中のHC、CO及びNOxを浄化する三元触媒、及び、排ガス中のPMを捕集するフィルタであるGPF等が挙げられる。また、第1の浄化部材31及び第2の浄化部材32は、同一の種類の部材であってもよいし、異なる種類の部材であってもよい。
浄化装置3の詳細な構造を以下に説明する。なお、図2では、排気の流れ方向を白抜き矢印で示す。
ケーシング33は、導入部331と、第1接続部332と、屈曲部333と、第2接続部334と、を備える。導入部331、第1接続部332、屈曲部333、及び第2接続部334は、それぞれ管状に形成され、該管の内部が排気の流路20となるように、流路20が順に連通するように構成される。
導入部331は、浄化装置3において排気の流れに対して最も上流側に位置し、エンジン100から排気される排ガスが導入される部位である。
第1接続部332は、導入部331の下流側にて導入部331における流路20と連通する直線状の流路20を有する部位である。屈曲部333は、第1接続部332の下流側にて屈曲する排気の流路20を有する部位である。第2接続部334は、屈曲部333の下流側にて屈曲部333における流路20と連通する直線状の流路20を有する部位である。本実施形態では、第1接続部332における流路20の方向と第2接続部334における流路20の方向とが屈曲部333において直交する。すなわち、上述したように、ケーシング33は、外形がL字状に屈曲している。
第1の浄化部材31及び第2の浄化部材32は、それぞれ円筒状に形成されるとともに、第1接続部332及び第2接続部334内にそれぞれ配置され保持される。すなわち、第1の浄化部材31及び第2の浄化部材32は、収容室30において、屈曲部333を挟むように配置されている。
図1に示すように、本実施形態では、浄化装置3は、車両用電池200が収容されるケースの前面に沿って第2の浄化部材32が収容される第2接続部334が車両の左右方向に延びるように配置されている。
<サブマフラ>
サブマフラ5は、図3A及び図3Bに示すように、内管11と、外管13とを備えている。これら内管11及び外管13は、双方とも管状に構成されている。内管11は外管13の内周側に配置され、これにより、内管11及び外管13が、図3B中に示す範囲A1において、二重管15を構成している。以下の説明では、二重管15の一端(図3B中の左端。)を第1端部15A、他端(図3B中の右端。)を第2端部15Bと称する。
第1端部15A及び第2端部15Bには、それぞれ上述の管材9A,9Bが接続される。これにより、第1端部15Aでは、内管11の内周側が排気の流動方向上流側にある第1流路に連続する。また、第2端部15Bでは、外管13の内周側が排気の流動方向下流側にある第2流路に連続する。すなわち、内管11を介して第1流路と第2流路とを結ぶ排気流路が構成される。
ただし、第1端部15A及び第2端部15Bはどちらを排気流路の上流側にしてもよい。具体的には、第2端部15Bを排気の流動方向上流側にある第1流路に連続させ、第1端部15Aを排気の流動方向下流側にある第2流路に連続させてもよい。また、内管11及び外管13に対して別体の管材9A,9Bを接合してもよいが、内管11及び外管13自体が管材9A,9B相当の箇所まで一体に成形されていてもよい。
内管11と外管13との間には空隙17が設けられている。より詳しくは、図3Bに示すように、内管11は、最大外径が第1の径R1とされた太径部21と、最大外径が第1の径R1よりも小となる第2の径R2とされた細径部23とを有する形状とされている。太径部21は第2端部15B側に配置され、細径部23は第1端部15A側に配置されている。一方、外管13は、第2端部15Bから連続する大部分の範囲において、内径が内管11の最大外径とほぼ同一に構成されている。ただし、外管13は、第1端部15A付近の一部においてのみ、図3Bに示すように外径が絞り込まれて、第1端部15A側ほど外径が小さくなる形状にされている。
内管11及び外管13が上述のような形状とされることにより、細径部23の外周面と外管13の内周面との間には、空隙17の一部に相当する共鳴室17Aが構成されている。また、太径部21においては、図3Cに示すように、内管11の外周面の一部が内周側に凹ませてある。これにより、太径部21の外周面の一部と外管13の内周面との間には、空隙17の一部に相当する共鳴管17Bが構成されている。
すなわち、これら共鳴室17A及び共鳴管17Bが構成される箇所において、内管11は、外管13の内周面の位置を基準にして、内管11の外周面の一部が基準よりも内周側に配置される形状とされている。これにより、内管11の外周面の一部と外管13の内周面との間に、上述のような共鳴室17A及び共鳴管17Bが構成されている。
本実施形態の場合、共鳴管17Bを構成する箇所に設けられた内管11の外周面の凹みは、その曲率中心が内管11の外周側にある。また、凹みの曲率半径R3は、内管11の最大半径R4(すなわち、凹みのない箇所の半径。)とほぼ同じ寸法にされている。これにより、断面円形の管に対して後加工で凹みを設ける際に、加工前後で管の周方向長さをほぼ同一にできるので、管の肉厚をほぼ維持したまま凹みを設けることができる。ただし、このような凹みを後加工で設けるか否かは任意であり、あらかじめ凹みのある形状に成形された管を用いてもよい。
第1端部15Aにおいては、内管11と外管13が接する位置にあり、これにより、内管11と外管13との間が閉塞されている。本実施形態の場合、第1端部15Aにおいて内管11と外管13は全周にわたって溶接されている。一方、第2端部15Bにおいては、内管11と外管13との間に開口19がある。この開口19は、上述の共鳴管17Bの一端にあり、開口19を介して共鳴管17Bが排気流路に通じている。また、共鳴管17Bの他端は共鳴室17Aに通じ、共鳴管17Bを介して共鳴室17Aが排気流路に通じている。
このような共鳴管17B及び共鳴室17Aを設けることにより、共鳴管17B及び共鳴室17Aがヘルムホルツ共鳴器として機能するように構成されている。より詳しくは、共鳴室17Aは、図3Dに示すように、共鳴管17Bよりも、外管13の軸方向に垂直な断面の面積が共鳴管17Bよりも大きく、かつ、外管13の軸方向に平行な長さが共鳴管17Bよりも長く、共鳴管17Bよりも十分に容積が大きくされている。一方、共鳴管17Bは、図3Cに示すように、外管13の軸方向に垂直な断面の面積が共鳴室17Aよりも小さくされている。
図1に示すように、本実施形態では、サブマフラ5は、車両用電池200が収容されるケースの右側面に沿って車両の前後方向に延びるように配置されている。
[1−2.効果]
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1−2a)排気システム1は、第1の浄化部材31及び第2の浄化部材32が1つの収容室30に収容されるタンデム構造の浄化装置3と、排ガスを通過させる内管11及び外管13により構成される二重管15を有するサブマフラ5と、を備え、浄化装置3は車両の前後方向において車両用電池200の前側に配置され、サブマフラ5は車両の左右方向において車両用電池200の左側及び右側の少なくとも一方に配置される。このような構成によれば、タンデム構造でない浄化装置と比較して浄化装置3の車両前後方向における長さが短縮され、かつ、二重管を有しない構成のサブマフラと比較してサブマフラ5の車両左右方向における長さが短縮されるため、その短縮分だけ車両用電池200の搭載スペースを拡張できる。これについて、図4を用いて説明する。
図4に示す比較例の排気システム1Dは、タンデム構造でない浄化装置3Dと、二重管を有しない構成のサブマフラ5Dと、を備える点で、上記実施形態の排気システム1と相違する。なお、排気システム1Dにおける浄化装置3D、サブマフラ5D及び車両用電池200D以外の構成要素については、上記実施形態と同様の構成であるため、上記実施形態と同じ記号を用いている。
浄化装置3Dは、2つの収容室30D,30Eと、収容室30Dを内部に形成するケーシング33Dと、収容室30Eを内部に形成するケーシング33Eと、を有し、収容室30Dに第1の浄化部材31Dが収容されており、収容室30Eに第2の浄化部材32Dが収容されている。ケーシング33Dとケーシング33Eとの間は主流パイプ9Dで接続されている。この場合、ケーシング33D及びケーシング33Eにおける主流パイプ9D側の端部には、収容室30D及び収容室30Eの径を主流パイプ9Dの径と同じ大きさまで絞るためのテーパ部を設ける必要がある。このため、浄化装置3Dでは、第1の浄化部材31Dと第2の浄化部材32Dとの間の距離が、タンデム構造の浄化装置3における第1の浄化部材31と第2の浄化部材32との間の距離よりも長くなる。よって、浄化装置3Dの車両前後方向における長さは、浄化装置3の車両前後方向における長さと比較して長くなる。すなわち、排気システム1では、浄化装置3の車両前後方向における長さが浄化装置3Dと比較して短縮されるため、その短縮分だけ車両用電池200の搭載スペースを車両前方向に拡張できる。
また、サブマフラ5Dは、二重管を有しない構成の消音器であり、外形が外側に大きく膨らんだ形状になっている。このため、サブマフラ5Dの車両左右方向における長さは、サブマフラ5の車両左右方向における長さと比較して長くなる。すなわち、排気システム1では、サブマフラ5の車両左右方向における長さがサブマフラ5Dと比較して短縮されるため、その短縮分だけ車両用電池200の搭載スペースを車両左右方向に拡張できる。
したがって、車両用電池200の周辺に排気システム1が配置される車両において、車両用電池200の搭載スペースを増加させることができる。
(1−2b)浄化装置3において、排気流路が第1の浄化部材31から第2の浄化部材32にかけてL字状に屈曲するように、第1の浄化部材31及び第2の浄化部材32が配置される。このような構成によれば、第1の浄化部材31及び第2の浄化部材32を直線状に配置した場合と比較して、浄化装置3の車両前後方向における長さをより短縮できるため、車両用電池200の車両前後方向の搭載スペースをさらに増加させることができる。
(1−2c)上記構成のサブマフラ5によれば、二重管15を構成する内管11と外管13との間に空隙17が設けられ、第2端部15Bにおいては内管11と外管13との間に開口19を有し、開口19を介して空隙17が排気流路に通じるように構成されている。これにより、本実施形態の場合は、共鳴管17B及び共鳴室17Aがヘルムホルツ共鳴器として機能し、消音効果が発現する。
このような構造のサブマフラ5であれば、内管11には小孔を設けなくてもよいので、そのような小孔の変形を考慮することなく、内管11に対して曲げ加工を施すことが可能となる。したがって、小孔のある内管11を利用する場合よりも良好な曲げ加工性を確保することができる。よって、排気管の曲げ部であってもサブマフラ5を配置することができるようになり、より消音効果の高い場所を選定できるようになるので、排気管の曲げ部に配置することが難しいサブマフラ5に比べ、より適切に消音効果を発揮させることができる。
また、上述のような空隙17を設けるに当たっては、内管11の形状を、外管13の内周面の位置を基準にして、内管11の外周面の一部が基準よりも内周側に配置される形状とすることにより、空隙17を構成している。そのため、例えば、外管13を外周側へ膨らませることのみによって空隙17を確保する場合に比べ、二重管15の外径をより小さくすることができる。よって、サブマフラ5の車両左右方向における長さを短縮でき、車両用電池200の車両左右方向の搭載スペースを増加させることができる。また、より狭い配置場所であってもサブマフラ5を配置することができるようになる。したがって、サブマフラ5を配置する場所を決める際の自由度が高くなり、より消音効果の高い場所を選定できるようになるので、配置場所が限られる大型のサブマフラに比べ、より適切に消音効果を発揮させることができる。
また、上記サブマフラ5の場合、二重管15の第2端部15Bに開口19を設けて、二重管15の軸方向と同方向に延びる共鳴管17Bを構成してある。そのため、内管11を径方向に貫通する貫通孔を共鳴管として利用する場合に比べ、共鳴管17Bの軸方向長さを容易に長くすることができる。ヘルムホルツ共鳴器における共鳴周波数fは、音速C,共鳴管断面積S,共鳴管長さL,及び共鳴室容積Vに基づき、下記の数式(1)によって算出することができる。
Figure 2021116758
そのため、共鳴管17Bの軸方向長さLを大きくすることができれば、共鳴周波数fを低く設定することが可能となる。これに対し、内管11を径方向(すなわち、内管11の肉厚方向。)に貫通する貫通孔を共鳴管して利用する場合、共鳴管長さLは最大でも内管11の肉厚と同寸法までしか確保できない。ここで、共鳴周波数fを低くする方法としては、共鳴管断面積Sを小さくするという方法もある。しかし、共鳴管断面積Sを小さくすると、共鳴周波数fを低くできても消音効果自体が弱まってしまう、という問題を招く。内管11の貫通孔にパイプを接続して共鳴管長さLを延長することもできるが、パイプが追加される分だけ構造が複雑化し、生産性の低下や構造全体の大型化を招く。この点、上記サブマフラ5のような構造を採用すれば、共鳴管17Bの軸方向長さを容易に所望の寸法に設定できるので、十分な騒音抑制効果を確保しながら、共鳴周波数を容易により低く設定でき、ターゲットとなる周波数の排気騒音を低減することができる。
また、上記サブマフラ5の場合、外管13は、第1端部15Aから第2端部15Bまでの範囲内の外径が、第2端部15Bにおける外管13の外径以下となる形状とされている。そのため、二重管15の外径が第2端部15Bよりも大きくなる箇所を有するサブマフラに比べ、二重管15の外径を小さくすることができる。よって、サブマフラ5の車両左右方向における長さを短縮でき、車両用電池200の車両左右方向の搭載スペースを増加させることができる。また、より狭い配置場所にもサブマフラ5を配置できるようになる。
(1−2d)上記サブマフラ5の場合、二重管15を有する構成であるため、空隙17の存在により、二重管を有しない構成のサブマフラと比較して断熱性が高くなる。このため、サブマフラ5の内部を通過する排ガスの熱が外部へ伝達されにくくなることから、サブマフラ5を車両用電池200により近づけて配置することができる。
(1−2e)排気システム1では、浄化装置3の車両前後方向における長さが短縮されることにより、その短縮分だけ、車両用電池200右側に配置されるサブマフラ5についても、その搭載スペースを車両前方向に拡張できる。よって、サブマフラ5の車両前後方向の長さをより長く設定することも可能となるため、消音のターゲットとなる周波数の範囲をより低い範囲にまで拡大できる。
なお、第1実施形態では、サブマフラ5,51,61,76,81,86,91が消音器に相当する。
[1−3.サブマフラの変形例]
(1−3a)上記実施形態において、図3Cには、内管11の上下二箇所に内周側に向かって凸な形状の凹みを設けることにより、共鳴管17Bを構成していたが、共鳴管17Bの数、及び共鳴管17Bを構成するために内管11の外周に設けられる凹みの形状は、上述の例に限定されない。
例えば、図5Aに示すように、図3Cに示した共鳴管17Bと同形状の共鳴管17Bを、内管11の下側一箇所だけに設けてもよい。同様の共鳴管17Bを、内管11の下側以外の箇所に設けてもよいが、内管11の下側に共鳴管17Bを設けてあると、外管13の内周面で結露して外管13の内部(例えば、共鳴室17Aの内部。)に水が溜まった場合には、共鳴管17Bを介して水を外部へ排出できる可能性がある。よって、このような利点も考慮すれば、少なくとも内管11の下側に共鳴管17Bを構成しておくと好ましい。ただし、外管13の内部の水については、別の排水対策を採用することもできるので、共鳴管17Bを内管11の下側に設けることは必須ではない。
また、図5Bに示すように、内管11の上下二箇所に平らな形状の部分を設けることにより、共鳴管17Bを構成してもよい。このような平らな形状の部分であっても、内管11の外周面全体が外管13の内周面に接する位置を基準にすると、平らな形状の部分は、基準よりも内周側に配置される形状となるので、共鳴管17Bを構成することができる。
また、図5Cに示すように、内管11の下側一箇所に外周側に向かって凸な形状の部分を設けることにより、共鳴管17Bを構成してもよい。このような外周側に向かって凸な形状の部分であっても、内管11の外周面全体が外管13の内周面に接する位置を基準にすると、外周側に向かって凸な形状の部分は、基準よりも内周側に配置される形状となるので、共鳴管17Bを構成することができる。図5Dに示すように、内管11の上下二箇所に外周側に向かって凸な形状の部分を設けることにより、共鳴管17Bを構成してもよい。このような凸な形状の部分についても、図5C及び図5Dに示すように、曲率中心は内管11の外周側にある。
(1−3b)図6A及び図6Bに示すサブマフラ51は、第1端部15Aにおいて、内管11と外管13が接する位置にはなく、その代わりに、金属製の緩衝部材であるワイヤメッシュ53が内管11と外管13との間に挟み込まれることにより、内管11と外管13との間が閉塞されている。このように、内管11と外管13との間は、溶接以外の手法で閉塞されていてもよい。
なお、図示は省略するが、第2端部15Bにおいても、ワイヤメッシュ53等の介在物が内管11と外管13との間に挟み込まれていてもよい。ただし、第2端部15Bにおいては、上述のような開口19が設けられ、共鳴管17Bとなる空隙が確保されるので、これら開口19や共鳴管17Bに対応する箇所には介在物が配置されない。
(1−3c)図6C及び図6Dに示すサブマフラ61は、内管11の形状が上記実施形態とは相違し、上記実施形態でいう太径部21に相当する断面形状とされた部分が、内管11の軸方向全長にわたって連続して、共鳴室17Aがない直線状の空隙63を構成している。第1端部15Aにおいては、上述したサブマフラ51と同様、ワイヤメッシュ53が内管11と外管13との間に挟み込まれることにより、内管11と外管13との間が閉塞されている。このように構成されたサブマフラ61は、上述の空隙63がサイドブランチとして機能する。すなわち、本開示の消音器は、上記実施形態に示した通り、ヘルムホルツ共鳴器型消音器として構成できる他、サイドブランチ型消音器として構成することもできる。
(1−3d)上記実施形態では、第1端部15Aにおいて内管11と外管13との間が閉塞され、第2端部15Bにおいて内管11と外管13との間に開口19が設けられていたが、図7A、図7B及び図7Cに示すサブマフラ76の場合、第1端部15Aと第2端部15Bの双方に開口が設けられている。
図7A、図7B及び図7Cに示すサブマフラ76の場合、第1端部15Aにおいて、内管11と外管13との間にはワイヤメッシュ77が挟み込まれている。ただし、図7Cに示すように、ワイヤメッシュ77は周方向の一部が途切れた形状になっており、その途切れた部分によって開口78が形成されている。
このような開口78は、内管11と外管13との間に構成される共鳴室17Aの機能が損なわれない範囲内でサイズ及び形状を調節することができ、そのような調節を行うことにより、ヘルムホルツ共鳴器の特性として算出される周波数の調整を実施できる。ヘルムホルツ共鳴器における共鳴周波数は、上記実施形態において説明した通り、共鳴管断面積,共鳴管長さ,及び共鳴室容積等を調整することによって変えることができるが、更に開口78のサイズや形状を調節することによっても変えることができる。したがって、開口78による調整が可能となる分だけ、ヘルムホルツ共鳴器における共鳴周波数の調整手段が増えることになり、そのような調整を行う際の自由度が高くなる。
なお、第1端部15Aと第2端部15Bの双方に開口を設けた場合は、内管11と外管13との間にも排気が流入し得るので、その場合は、内管11の外周側及び内周側に二系統の排気流路が構成されることになる。この場合、仮にいずれか一方の排気流路が詰まったとしても、もう一方の排気流路が詰まっていなければ、排気流路が完全に閉塞されてしまうのを回避することができる。
したがって、例えば寒冷地等において排気管内に水が溜まり、その水が凍るという現象が何度となく繰り返されるような状況下で、いずれか一方の排気流路が氷によって塞がれたとしても、もう一方の排気流路を介して排気ガスを排出できる余地がある。よって、湾曲している排気管の形状に起因して、水が溜まりやすい箇所ができる場合には、そのような箇所に上記サブマフラ76を配設することにより、消音効果に加えて、排気管内の凍結対策を図ることもできる。
(1−3e)図7D、図7E及び図7Fに示すサブマフラ81は、第1端部15Aにおいても内管11の外周に第2端部15B側と同様な凹みが形成されて、開口85が形成されている。このような開口85についても、内管11と外管13との間に構成される共鳴室17Aの機能が損なわれない範囲内でサイズ及び形状を調節することができ、そのような調節を行うことにより、ヘルムホルツ共鳴器の特性として算出される周波数の調整を実施できる。なお、排気の流路が二系統確保される点は上述したサブマフラ76と同様である。
(1−3f)図8A、図8B及び図8Cに示すサブマフラ86は、上述したサブマフラ81との比較において、第2端部15B側に設けられた開口19の数が相違するが、その他の点は上述したサブマフラ81と同様に構成されている。
すなわち、図8A、図8B及び図8Cに示すサブマフラ86についても、第1端部15Aにおいて内管11の外周には凹みが形成されることにより、開口88が形成されている。このような開口88についても、内管11と外管13との間に構成される共鳴室17Aの機能が損なわれない範囲内でサイズ及び形状を調節することができ、そのような調節を行うことにより、ヘルムホルツ共鳴器の特性として算出される周波数の調整を実施できる。なお、排気の流路が二系統確保される点は上述したサブマフラ76と同様である。
(1−3g)図8D、図8E及び図8Fに例示するサブマフラ91は、上述したサブマフラ81との比較において、第1端部15A側の形状が相違するが、その他の点は上述したサブマフラ81と同様に構成されている。図8D、図8E及び図8Fに示すサブマフラ91は、第1端部15Aにおいても内管11の外周に凹みが形成されて、開口95が形成されている。このような開口95についても、内管11と外管13との間に構成される共鳴室17Aの機能が損なわれない範囲内でサイズ及び形状を調節することができ、そのような調節を行うことにより、ヘルムホルツ共鳴器の特性として算出される周波数の調整を実施できる。なお、排気の流路が二系統確保される点は上述したサブマフラ76と同様である。
[1−4.補足]
なお、以上説明した例示的な実施形態から明らかなように、本開示の消音器は、更に以下に挙げるような構成を備えていてもよい。
まず、本開示の消音器において、内管は、最大外径が第1の径とされた太径部と、最大外径が第1の径よりも小となる第2の径とされた細径部とを有する形状とされ、細径部の外周面と外管の内周面との間には、空隙の一部に相当する共鳴室が構成され、太径部は、第2端部に配置されて、太径部の外周面の一部と外管の内周面との間に、空隙の一部に相当する共鳴管が構成され、共鳴管の一端に開口があって、開口を介して共鳴管が排気流路に通じていて、共鳴管を介して共鳴室が排気流路に通じることにより、共鳴管及び共鳴室がヘルムホルツ共鳴器として機能するように構成されていてもよい。
このように構成された消音器によれば、二重管の端部に開口を設けて、二重管の軸方向と同方向に延びる共鳴管を構成できる。そのため、内管を径方向に貫通する貫通孔を共鳴管として利用する場合に比べ、共鳴管の軸方向長さを容易に長くすることができる。したがって、十分な騒音抑制効果を確保しながら、共鳴周波数を容易により低く設定することができる。
また、本開示の消音器において、外管は、第1端部から第2端部までの範囲内の外径が、第2端部における外管の外径以下となる形状とされていてもよい。
このように構成された消音器によれば、二重管の外径が第2端部よりも大きくなる箇所が存在しないので、二重管の外径が第2端部よりも大きくなる箇所を有する消音器に比べ、消音器の車両左右方向における長さを短縮でき、車両用電池の車両左右方向の搭載スペースを増加させることができる。また、より狭い配置場所にも消音器を配置できるようになる。
また、本開示の消音器は、消音器を含む排気流路構成部材によって構成される排気流路において気柱共鳴が発生する場合に、排気流路内で発生する定常波の音圧の腹部に対応する位置に開口が配置された状態にあってもよい。
このように構成された消音器によれば、気柱共鳴による共鳴音の発生を抑制することができ、他の位置に消音器が配置される場合よりも排気音の低減を図ることができる。
[2.第2実施形態]
[2−1.構成]
第2実施形態の排気システム201は、サブマフラ203の構成のみが第1実施形態と異なり、その他の構成は第1実施形態と同様であるため、共通する構成については説明を省略し、相違点を中心に説明する。なお、排気システム201におけるサブマフラ203以外の構成要素は、第1実施形態と同様の構成であるため、第1実施形態と同じ記号を用いている。
サブマフラ203は、図9A及び図9Bに示すように、筒状の内管207と、筒状の外管208と、介在物209とを備える。サブマフラ203は、二重管構造を有する。
(内管)
内管207は、内部を排ガスが通過するように構成されている。具体的には、浄化装置3を通過した排ガスが第1端部271又は第2端部272から内管207の内部に導入され、反対側の端部から排出される。
内管207は、複数の連通孔273A,273Bを有する。複数の連通孔273A,273Bは、それぞれ、後述する外管208と内管207との間に設けられた空隙210に、内管207の内部を連通させている。複数の連通孔273A,273Bは、内管207の軸方向(つまり長手方向)に離間した位置に設けられている。また、複数の連通孔273A,273Bは、内管207の軸方向において、外管208の第1端部281と第2端部282との間に配置されている。
各連通孔273A,273Bの形状は、サイドブランチ型消音器が機能する面積を確保できれば、真円に限定されない。各連通孔273A,273Bは、楕円形(図10A参照)、多角形、多角形の角を丸めた形状(図10B参照)、星型等であってもよい。さらに、各連通孔273A,273Bは、複数の小孔に分割されたもの(つまり小孔の集合体、図10C参照)であってもよい。
サブマフラ203を含む排気流路構成部材によって構成される第2排気流路(つまり排気システム201全体における排気流路)において気柱共鳴が発生する場合、第2排気流路内で発生する定常波の腹部に対応する位置に、各連通孔273A,273Bが配置される。
内管207の第2端部272の内径R6は、第1端部271の内径R5よりも大きい。また、第2端部272は、外管208の内周面に固定される1つの固定部272Aを有している。固定部272Aは、図11Aに示すように、管壁の一部が内側に凹んだ2つの凹部272B,272Cを有する。固定部272Aは、内管207を外管208の内周面に連結する2つの連結部の1つである。
2つの凹部272B,272Cは、空隙210に内管207の第2端部272を連通させる開口211A,211Bをそれぞれ構成している。固定部272Aは、2つの凹部272B,272C以外の部分で、内管207と外管208との間の空間を軸方向に閉塞している。つまり、固定部272Aの周方向の一部は、外管208の内周面から離間している。
2つの凹部272B,272Cは、内管207の中心軸を挟んで対向する位置に配置されている。また、2つの凹部272B,272Cの曲率半径R7は、固定部272Aの最大半径(つまり、凹部272B,272C以外の領域の半径)R8とほぼ同じであるとよい。これにより、凹部272B,272Cの形成加工前後で、内管207の周方向長さ、ひいては内管207の肉厚を維持することができる。
このように、内管207は、第1の外周面を有する第1範囲(つまり、凹部272B,272C以外の領域)と、開口211A,211Bを構成すると共に、第1の外周面よりも内側に位置する第2の外周面を有する第2範囲(つまり、凹部272B,272C)とを有している。
また、内管207は、第1範囲及び第2範囲を含む第1径部(つまり、第2端部272)と、第1径部よりも外径が小さい第2径部(つまり、第2端部272以外の部位)とを有している。
(外管)
外管208は、図11Bに示すように、内管207の外周面を囲うように配置されている。つまり、外管208は、内周側に内管207が配置され、内管207と共に二重管を構成している。
外管208の内径は、内管207の外径よりも大きい。外管208の空隙210を構成する範囲(つまり第1端部281と第2端部282との間の領域)における外径は、第2端部282における外径以下である。本実施形態では、外管208は、径が長手方向に一定である。
二重管は、第1端部及び第2端部のうち、一方の端部が排気の流動方向上流側の第1流路(つまり、管材9A)に接続すると共に、他方の端部が排気の流動方向下流側の第2流路(つまり、管材9B)に接続することにより、内管207を介して第1流路と第2流路とを結ぶ第1排気流路212を構成可能である。
外管208は、内管207の外周面にそれぞれ連結される第1端部281及び第2端部282を有する。第1端部281及び第2端部282の径は等しい。なお、外管208の第2端部282は、サブマフラ203の端部を構成している。
また、内管207と外管208との間には空隙210が設けられ、第2端部282において、内管207に外管208と接続する開口211A,211Bが設けられると共に、空隙210が開口211A,211Bを介して第1排気流路212に通じるように構成されている。
第1端部281の内側には、後述する介在物209が配置されている。つまり、第1端部281の近傍において、内管207と外管208との間が、内管207の外周面と外管208の内周面との間に挟み込まれた介在物209により閉塞されている。
一方、第2端部282は、内管207の固定部272Aにおける外周面のうち、2つの凹部272B,272C以外の部分に溶接によって直接固定されている。また、外管208の第2端部282は、内管207の第2端部272よりも軸方向外側に延伸している。
つまり、内管207の第1範囲において、内管207の外周面と外管208の内周面とが接すると共に、内管207と外管208とが接合されることで、内管207と外管208との間が閉塞されている。また、内管207の第2範囲において、内管207の外周面と外管208の内周面との間に空隙210の一部が構成されている。
内管207の第2径部(つまり、第2端部272以外の部位)の外周面と外管208の内周面との間には、空隙210の一部に相当する共鳴室210Aが構成されている。また、内管207の第2の外周面(つまり、凹部272B,272C)と外管208の内周面との間に、空隙210の一部に相当する共鳴管210Bが構成されている。
開口211A,211Bは共鳴管210Bの一端に位置し、開口211A,211Bを介して共鳴管210Bが第1排気流路212に通じると共に、共鳴管210Bを介して共鳴室210Aが第1排気流路212に通じることにより、共鳴管210B及び共鳴室210Aがヘルムホルツ共鳴器として機能するように構成されている。
さらに、サブマフラ203は、複数の連通孔273A,273Bを介して第1排気流路212と空隙210とが連結されていることにより、サイドブランチ型消音器として機能するように構成されている。
また、サブマフラ203を含む排気流路構成部材によって構成される第2排気流路において気柱共鳴が発生する場合、第2排気流路内で発生する定常波の腹部に対応する位置に開口211A,211Bは配置される。
(介在物)
介在物209は、内管207の第1端部271における外周面と、外管208の第1端部281における内周面との間に挟み込まれた緩衝材である。介在物209は、内管207を外管208の内周面に連結する2つの連結部の1つを構成している。
介在物209は、図11Cに示すように、内管207の外周面及び外管208の内周面の周方向全体に沿って配置されている。つまり、介在物209は、内管207と外管208との間の空間を内管207の軸方向に閉塞するように配置されている。
なお、介在物209は、空隙10のサイドブランチとしての機能が失われない範囲で、周方向の一部に開口が設けられていてもよい。この開口の大きさを調節することで、共鳴の特性周波数を調整できる。
介在物209は、後述するサイドブランチとしての空隙210を形成でき、かつ少なくとも内管207又は外管208に対して摺動することができるものであれば限定されない。介在物209としては、通気性を有する、例えば金属製のワイヤメッシュが好適である。
(空隙)
空隙210は、内管207の外周面、外管208の内周面、固定部272A、及び介在物209によって画定された半密閉空間である。
空隙210は、第1連通孔273A及び第2連通孔273Bと、2つの凹部272B,272Cとによって、内管207の内部と連通している。空隙210は、特定の周波数の音量を低減する。空隙210の特性周波数は、第1連通孔273A及び第2連通孔273Bの位置の変更によって、調整することができる。
(内管、外管、及び空隙の関係)
図11Bに示すように、空隙210の断面積S2は、内管207の中空部分の断面積S1以下である。
また、外管208に対し強度が低くてもよい内管207の平均肉厚(つまり内管207を構成する板材の平均厚み)は、外管208の平均肉厚(つまり外管208を構成する板材の平均厚み)以下とするとよい。なお、本実施形態では、内管207と外管208とは、互いの中心軸が一致するように配置されているが、これらの中心軸は必ずしも一致しなくてもよい。
内管207の軸方向における空隙210の端部とこの端部に最も近接する連通孔との距離、及び連通孔同士の距離は、互いに異なっている。つまり、内管207の第1端部271と第1連通孔273Aとの距離と、第1連通孔273Aと第2連通孔273Bとの距離と、第2連通孔273Bと内管207の第2端部272までの距離とは、互いに異なっている。なお、各連通孔273A,273Bの内管207の周方向における位置は特に限定されない。
[2−2.効果]
以上詳述した第2実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(2−2a)第1排気流路212と連通された空隙210によってサイドブランチ型消音器が構成されるので、複数の周波数での消音が可能となる。
(2−2b)空隙210に連通する開口211A,211Bが内管207の第2端部272に設けられることによって、ヘルムホルツ共鳴による消音とサイドブランチによる消音とを両立させることができる。
(2−2c)内管207の軸方向に離間した位置に複数の連通孔273A,273Bが設けられることで、対応周波数の異なる複数のサイドブランチを空隙210に形成できる。そのため、より多くの周波数に対し消音効果を発揮させることができる。
ここで、図12Aに、連通孔273A,273Bに相当する複数の連通孔が形成されていないサブマフラ2103の構成と、このサブマフラ2103における音圧とを示す。図12Bに、複数の連通孔273A,273Bが形成されたサブマフラ203と、このサブマフラ203における音圧とを示す。
第2排気流路で気柱共鳴が発生する場合、図12Bのサブマフラ203において第2連通孔273Bが排気システム201で発生する1次モードの定常波D1の腹に位置し、第1連通孔273Aが2次モードの定常波D2の腹に位置することで、より確実に消音効果が得られる。なお、便宜上、図12A及び図12Bでは、浄化装置3、サブマフラ2103,203及びメインマフラ7が管材9を介して真っ直ぐに配列されたものを図示してあるが、これらの構成部品が屈曲している場合であっても、第2排気流路で気柱共鳴が発生し得るため、定常波の腹に相当する位置を特定し、上記と同様に第1連通孔273A及び第2連通孔273Bの配置位置を設定できる。
(2−2d)外管208と内管207とを接合する代わりに外管208と内管207との間に介在物209を配置することで、内管207と外管208との熱膨張の差が発生した際に、外管208が内管207に対して軸方向にスライドできる。そのため、内管207と外管208との連結部分における応力集中が抑制される。その結果、亀裂の発生が抑制できる。
なお、第2実施形態では、サブマフラ203,213が消音器に相当する。
[2−3.サブマフラの変形例]
(2−3a)図13に示すサブマフラ213は、図9のサブマフラ203に代わって排気システム201に使用される。サブマフラ213は、内管207と、外管208と、介在物209とを備える。サブマフラ213は、二重管構造を有する。
サブマフラ213の内管207、外管208及び介在物209は、以下に説明する点を除き、図9A及び図9Bのサブマフラ203と同様のものであるため、これらの部材についての詳細な説明については省略する。
サブマフラ213においては、外管208の第2端部282が全周にわたって内管207に溶接されている。つまり、内管207は、第2端部272において、凹部272B,272Cを有しない。内管207の第2端部272の外形は円状である。
このように、サブマフラ213は、図9A及び図9Bのサブマフラ203と異なり、開口211A,211Bを有しない。サブマフラ213には共鳴管210Bが構成されないので、サブマフラ213は、ヘルムホルツ共鳴器としては機能せず、サイドブランチ型消音器としてのみ機能する。
このような構成によれば、第1排気流路212と連通された空隙210によってサイドブランチ型消音器が構成されるので、複数の周波数での消音が可能となる。
(2−3b)上記実施形態のサブマフラ203において、内管207は、単一の連通孔を有してもよい。また、内管207は、内管207の軸方向に離間した位置に設けられた3つ以上の連通孔を有してもよい。
(2−3c)上記実施形態のサブマフラ203において、固定部272Aは、図14Aに示すように、単一の開口211B(つまり凹部272C)を有してもよい。また、固定部272Aは、凹部の代わりに、図14Bに示す断面が弦状の平坦部272D,272E、又は図14Cに示す径方向外側に突出する凸部272F,272Gを有してもよい。
(2−3d)上記実施形態のサブマフラ203は、必ずしも介在物209を備えなくてもよい。つまり、内管207の2つの連結部は、どちらも外管208の内周面に固定された固定部であってもよい。具体的には、内管207の第1端部271は、介在物209によって外管208の第1端部281に連結される代わりに、第1端部281に直接固定されていてもよい。この場合、空隙210は、内管207の外周面、外管208の内周面、及び2つの固定部によって画定される。
(2−3e)上記実施形態のサブマフラ203において、内管207の第2端部272と外管208の第2端部282との間に、介在物が挟み込まれてもよい。つまり、内管207の外周面と外管208の内周面との間に介在物が挟み込まれることにより、内管207と外管208との間が閉塞されてもよい。
(2−3f)上記実施形態のサブマフラ203において、外管208の空隙210を構成する範囲における外径は、必ずしも第2端部282における外径以下でなくてもよい。また、空隙210の断面積は、必ずしも内管207の中空部分の断面積以下でなくてもよい。
[2−4.実施例]
次に、第2実施形態の効果を確認するために行った実施例1、2と比較例1との比較について説明する。
比較例1は、図9Bのサブマフラ203において、内管207の連通孔を無しとしたものである。実施例1は、図9Bのサブマフラ203において、内管207の連通孔の数を1つとしたものである。実施例2は、内管207が2つの連通孔を有する図9Bのサブマフラ203である。比較例1と実施例1、2とにおける、周波数(横軸)と消音量(縦軸)との関係を、図15A、図15B及び図15Cに示す。
比較例1は、空隙210を内管207に接続した共鳴室として機能させるものである。そのため、図15Aに示されるように、消音される周波数(つまり消音のピーク)が1つのみである。
これに対し、実施例1では、図15Bに示されるように、空隙210がサイドブランチとして機能するため、複数の周波数に対して消音効果を発揮することができる。なお、図15B中の最も低い(グラフ中左端の)周波数帯では、ヘルムホルツ共鳴による消音効果とサイドブランチによる消音効果とが合成されている。
さらに、内管207が有する連通孔の数を増やすと、図15Cに示すように、消音効果の生じる周波数を増やすことができる。
[3.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
(3a)上記実施形態では、サブマフラ5,203は、車両の左右方向において車両用電池200の右側にのみ配置されているが、サブマフラの配置及びサブマフラの個数はこれに限定されない。例えば、サブマフラは、車両の左右方向において車両用電池の左側にのみ配置されていてもよい。また、例えば、排気システムが2つのサブマフラを備えており、車両の左右方向において車両用電池の右側及び左側にサブマフラが1つずつ配置されていてもよい。
(3b)上記実施形態では、浄化装置3は、車両用電池200が収容されるケースの前面に沿って第2の浄化部材32が収容される第2接続部334が車両の左右方向に延びるように配置されている。しかし、車両用電池200の前側における浄化装置3の配置はこれに限定されない。例えば、図16に示すように、浄化装置3は、第1の浄化部材31が収容される第1接続部332が車両の左右方向に延び、第2の浄化部材32が収容される第2接続部334が車両の前後方向に延びるように配置されてもよい。なお、図16では、浄化装置3の配置のみ変更されており、個々の構成要素は上記実施形態と同様の構成であるため、上記実施形態と同じ記号を用いている。
また例えば、浄化装置3は、第1接続部332が車両の上下方向に延び、第2接続部334が車両の前後方向又は左右方向に延びるように配置されていてもよい。また例えば、浄化装置3は、第1接続部332が車両の前後方向又は左右方向に延び、第2接続部334が車両の上下方向に延びるように配置されていてもよい。
(3c)上記実施形態では、浄化装置3の屈曲部333は、第1接続部332における流路20の方向と第2接続部334における流路20の方向とが屈曲部333において直交するようにL字状に屈曲している構成を示した。しかし、屈曲部は、上記L字状に屈曲する構成に限られない。例えば、屈曲部は、第1接続部における流路の方向と第2接続部における流路の方向とが交わるような所定の角度を持って屈曲する構成でもよい。
(3d)上記実施形態では、浄化装置3において、排気流路が第1の浄化部材31から第2の浄化部材32にかけてL字状に屈曲するように、第1の浄化部材31及び第2の浄化部材32が配置されている。しかし、第1の浄化部材31及び第2の浄化部材32の配置はこれに限定されない。例えば、第1の浄化部材31及び第2の浄化部材32は、両者の中心軸が一致するように直線状に配置されてもよい。この場合、収容室を形成するケーシングは屈曲部を有しなくてもよい。
(3e)上記実施形態では、サブマフラ5,203は直線状に形成されていたが、サブマフラの形状はこれに限定されない。例えば、図17に示すように、サブマフラ50は屈曲していてもよい。サブマフラ50は、外管を外周側へ膨らませることのみによって空隙を確保する構成のサブマフラと比較して、曲げ加工が容易である。この場合、サブマフラ50は、車両用電池200が収容されるケースの角部にサブマフラ50の屈曲部が沿うように配置されてもよい。なお、図17では、サブマフラ50の構成のみ変更されており、その他の構成要素は上記実施形態と同様の構成であるため、その他の構成要素については上記実施形態と同じ記号を用いている。
(3f)上記実施形態では、浄化装置3は、第1の浄化部材31及び第2の浄化部材32を備えるが、浄化部材の個数はこれに限定されない。例えば、浄化装置は、第1の浄化部材31及び第2の浄化部材32に加えて、第3の浄化部材を備えてもよい。
(3g)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。
1,201…排気システム、3…浄化装置、5,50,51,61,76,81,86,91,203,213…サブマフラ、11,207…内管、13,208…外管、15…二重管、30…収容室、31…第1の浄化部材、32…第2の浄化部材、100…エンジン、200…車両用電池。

Claims (7)

  1. 車両用電池が床下に設けられる車両に搭載され、内燃機関から排気される排ガスの排気流路を形成する排気システムであって、
    前記排気流路において前記排ガスの流れが直列となるように配置される第1の浄化部材及び第2の浄化部材と、前記第1の浄化部材及び前記第2の浄化部材が収容される1つの収容室と、を有する、浄化装置と、
    前記浄化装置よりも前記排気流路の下流側に位置し、前記排ガスを通過させる内管と、前記内管とともに二重管を構成する外管と、を有する消音器と、
    を備え、
    前記浄化装置は、前記車両の前後方向において前記車両用電池の前側に配置され、
    前記消音器は、前記車両の左右方向において前記車両用電池の左側及び右側の少なくとも一方に配置される、排気システム。
  2. 請求項1に記載の排気システムであって、
    前記浄化装置は、前記排気流路が前記第1の浄化部材から前記第2の浄化部材にかけて屈曲するように、前記第1の浄化部材及び前記第2の浄化部材が配置される、排気システム。
  3. 請求項2に記載の排気システムであって、
    前記浄化装置は、前記排気流路が前記第1の浄化部材から前記第2の浄化部材にかけてL字状に屈曲するように、前記第1の浄化部材及び前記第2の浄化部材が配置される、排気システム。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の排気システムであって、
    前記消音器が有する前記二重管は、第1端部及び第2端部のうち、いずれか一方が前記排気流路の上流側となり、かつ、他方が前記排気流路の下流側となって、前記内管を介して前記排気流路の一部を構成しており、
    前記内管と前記外管との間には空隙が設けられ、前記第2端部において前記内管と前記外管との間には開口が設けられ、前記開口を介して前記空隙が前記排気流路に通じるように構成され、
    前記内管は、前記外管の内側面の位置を基準にして、前記内管の外側面が前記基準と同じ位置にある第1範囲と、前記内管の外側面が前記基準よりも内側に配置される第2範囲とを有し、
    前記内管の外側面は、前記第1範囲及び前記第2範囲のそれぞれにおいて、前記第2端部に達しており、
    前記第1範囲においては、前記内管の外側面と前記外管の内側面とが接する位置に前記内管及び前記外管が配置されるように構成されることにより、前記内管と前記外管との間が閉塞されるように構成され、
    前記第2範囲においては、前記内管の外側面と前記外管の内側面との間に前記空隙の一部が構成され、前記第2範囲が前記第2端部に達する箇所に前記開口が構成されている、排気システム。
  5. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の排気システムであって、
    前記消音器が有する前記二重管は、第1端部及び第2端部のうち、いずれか一方が前記排気流路の上流側となり、かつ、他方が前記排気流路の下流側となって、前記内管を介して前記排気流路の一部を構成しており、
    前記内管と前記外管との間には空隙が設けられ、前記第2端部において前記内管と前記外管との間には開口が設けられ、前記開口を介して前記空隙が前記排気流路に通じるように構成され、
    前記内管は、前記内管の外側面と前記外管の内側面との間に挟み込まれる介在物が存在する周方向範囲では前記介在物の内側面の位置を基準にし、前記介在物が存在しない周方向範囲では前記外管の内側面の位置を基準にして、前記内管の外側面が前記基準と同じ位置にある第1範囲と、前記内管の外側面が前記基準よりも内側に配置される第2範囲とを有し、
    前記内管の外側面は、前記第1範囲及び前記第2範囲のそれぞれにおいて、前記第2端部に達しており、
    前記第1範囲においては、前記内管の外側面と前記外管の内側面との間に前記介在物が挟み込まれることにより、前記内管と前記外管との間が閉塞されるように構成され、
    前記第2範囲においては、前記内管の外側面と前記外管の内側面との間に前記空隙の一部が構成され、前記第2範囲が前記第2端部に達する箇所に前記開口が構成されている、排気システム。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の排気システムであって、
    前記内管は、第1の径を有する太径部と、前記第1の径よりも小さい第2の径を有する細径部とを有し、
    前記細径部の外側面と前記外管の内側面との間には、前記空隙の一部に相当する共鳴室が構成され、
    前記太径部は、前記第2端部に配置されて、前記太径部が前記第1範囲及び前記第2範囲を有し、前記第2範囲において前記太径部の外側面と前記外管の内側面との間に、前記空隙の一部に相当する共鳴管が構成され、
    前記共鳴管の一端に前記開口があって、前記開口を介して前記共鳴管が前記排気流路に通じていて、前記共鳴管を介して前記共鳴室が前記排気流路に通じることにより、前記共鳴管及び前記共鳴室がヘルムホルツ共鳴器として機能するように構成されている、排気システム。
  7. 請求項4から請求項6までのいずれか一項に記載の排気システムであって、
    前記外管の前記第1端部から前記第2端部までの範囲内の外径が、前記第2端部における前記外管の外径以下である、排気システム。
JP2020011025A 2020-01-27 2020-01-27 排気システム Pending JP2021116758A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020011025A JP2021116758A (ja) 2020-01-27 2020-01-27 排気システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020011025A JP2021116758A (ja) 2020-01-27 2020-01-27 排気システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021116758A true JP2021116758A (ja) 2021-08-10

Family

ID=77174413

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020011025A Pending JP2021116758A (ja) 2020-01-27 2020-01-27 排気システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021116758A (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012529592A (ja) * 2009-06-12 2012-11-22 エミテック ゲゼルシヤフト フユア エミツシオンス テクノロギー ミツト ベシユレンクテル ハフツング エンジンに近接して使用するための排気ガス処理装置
WO2013065798A1 (ja) * 2011-11-04 2013-05-10 三菱自動車工業株式会社 ハイブリット車の排気管構造
WO2017126508A1 (ja) * 2016-01-21 2017-07-27 フタバ産業株式会社 消音器
JP2018039452A (ja) * 2016-09-09 2018-03-15 トヨタ自動車株式会社 車両下部構造
JP2018058406A (ja) * 2016-10-03 2018-04-12 トヨタ自動車株式会社 車両
JP2018096345A (ja) * 2016-12-16 2018-06-21 マツダ株式会社 エンジンの排気装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012529592A (ja) * 2009-06-12 2012-11-22 エミテック ゲゼルシヤフト フユア エミツシオンス テクノロギー ミツト ベシユレンクテル ハフツング エンジンに近接して使用するための排気ガス処理装置
WO2013065798A1 (ja) * 2011-11-04 2013-05-10 三菱自動車工業株式会社 ハイブリット車の排気管構造
WO2017126508A1 (ja) * 2016-01-21 2017-07-27 フタバ産業株式会社 消音器
JP2018039452A (ja) * 2016-09-09 2018-03-15 トヨタ自動車株式会社 車両下部構造
JP2018058406A (ja) * 2016-10-03 2018-04-12 トヨタ自動車株式会社 車両
JP2018096345A (ja) * 2016-12-16 2018-06-21 マツダ株式会社 エンジンの排気装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6857264B2 (ja) 消音器
US8459016B2 (en) Exhaust manifold for internal combustion engine
US9970340B2 (en) Vehicle exhaust system with resonance damping
US8083025B2 (en) Silencer provided on exhaust pipe of vehicle engine
US7549511B2 (en) Exhaust sound and emission control systems
JP4459218B2 (ja) 車両の排気消音装置
JP2019132266A (ja) 消音器
JP2018044446A (ja) エンジンの排気消音装置
CN110080855B (zh) 消音器
JP2021116758A (ja) 排気システム
JP6055305B2 (ja) 排気ガス浄化装置
JP5550957B2 (ja) 排気ガス浄化装置
KR100981980B1 (ko) 소음기 모듈
JP2010185427A (ja) 消音器
JP5550958B2 (ja) 排気ガス浄化装置
JP3827208B2 (ja) エンジン用マフラおよび自動二輪車
JP2003138931A (ja) 排気浄化装置
JP2023150422A (ja) 排気システム、及び、第1並びに第2排気装置
JP7244284B2 (ja) 消音器及び排気管
JP6092639B2 (ja) 消音器
JP2024011136A (ja) 内燃機関の排気通路構造
JP3563336B2 (ja) 自動車用消音システム
JP4424019B2 (ja) 内燃機関の排気マニホルド
JP6757943B2 (ja) エンジンの排気消音装置
JP4424018B2 (ja) 内燃機関の排気マニホルド

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220729

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230315

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230322

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230516

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230912