JP2021115766A - 磁気判別媒体及び真偽判別方法 - Google Patents

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篤志 水林
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Noriyuki Sudo
則行 須藤
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Abstract

【課題】 偽造防止や改ざん防止が求められる銀行券、パスポ−ト、有価証券、身分証明書、カ−ド、通行券等の貴重印刷物において、基材の表裏の磁気領域が基材を介して接する境界部を形成し、基材の表裏で検出される磁気波形による真偽判別が可能な磁気判別媒体及び真偽判別方法に関する。【解決手段】 基材の表面に、第一の磁性材料を含有するインキにより形成された第一の磁気領域と、基材の裏面に、第二の磁性材料を含有するインキにより形成された第二の磁気領域を備えた磁気判別媒体であって、第一の磁気領域及び第二の磁気領域の少なくとも一部は、基材の表裏で隣接、重複又は近接する境界部を形成し、境界部をMRセンサにて測定した磁気波形が基材の表面と裏面で反転している磁気判別媒体としたものである。【選択図】図2

Description

本発明は、偽造防止及び改ざん防止が求められる銀行券、パスポ−ト、有価証券、身分証明書、カ−ド、通行券等の貴重印刷物において、基材の表裏で検出される磁気波形により真偽判別が可能な磁気判別媒体及び真偽判別方法に関する。
銀行券、パスポ−ト、有価証券、身分証明書、カ−ド、通行券等の貴重印刷物は、社会生活に必要不可欠な存在であり、高度な偽造防止技術及び真偽判別技術による、金銭的価値や社会的価値の安定した維持が常時求められている。
従来の貴重印刷物の偽造防止技術としては、目視や手触りによる確認が主流であったが、近年、光学特性や磁気特性を活用した機械読取技術が、自動販売機、POSレジ、券売機又はATMにおいて広く用いられている。
とりわけ、磁気特性は、差動型センサ、単に磁気の変化を検出する磁気抵抗センサ(以下、「MRセンサ」という。)、近年発達した高周波電流を印加すると外部磁界に応じてインピーダンスが変化する磁気インピーダンスセンサ(MIセンサ)などの各種磁気センサにて得られた磁気波形を基準データと比較することで、真偽判別に用いられている。
磁気特性の活用方法の一例として、基材の表裏面において少なくとも一部が重なるように光学及び磁気を含む印刷画線を形成し、表裏面に形成された印刷画線に含まれる表裏の重なる部分の光学及び磁気データの合計値を検出することで、低膜厚な印刷画線であっても機械読取可能な真偽判別印刷物が既知である(例えば、特許文献1参照)。
特許第5971714号公報
しかしながら、特許文献1は、検出される磁気波形が表裏で同じであるため、検出すべき磁気パターンを知ることができれば、基材の片面に磁気を含む材料を積層して、真正のものと類似した磁気波形を再現した偽造品であっても、真正のものと誤判別してしまう可能性があった。
本発明は、上記の課題を解決したものであり、偽造抵抗力を有し、かつ、簡単な構成の磁気判別方法により真偽判別ができる磁気判別媒体及び真偽判別方法を提供するものである。
上述した課題を解決するために、本発明は、基材の表面に、第一の磁性材料を含有するインキにより形成された第一の磁気領域と、基材の裏面に、第二の磁性材料を含有するインキにより形成された第二の磁気領域を備えた磁気判別媒体であって、第一の磁気領域及び第二の磁気領域の少なくとも一部は、基材の表裏で隣接、重複又は近接する境界部を形成し、MRセンサで測定した境界部の磁気波形が基材の表面と裏面で反転している磁気判別媒体である。
また、本発明は、磁気判別媒体の真偽判別方法であって、基材の表面の磁気波形をMRセンサで測定する工程と、基材の裏面の磁気波形をMRセンサで測定する工程と、表面及び裏面で測定した磁気波形を比較する工程とを含み、MRセンサで測定した境界部の磁気波形が基材の表面と裏面で反転しているとき、磁気判別媒体を「真正」と判別する磁気判別媒体の真偽判別方法である。
本発明の磁気判別媒体は、MRセンサにて検出される境界部の磁気波形が、基材の表面と裏面で反転しているときに「真正」と判別できるので、表裏どちらか一方の面に磁気を含む材料を積層した偽造品については、磁気波形の反転の有無を確認することで確実に判別することができる。
また、本発明の磁気判別媒体は、境界部における第一の磁気領域及び第二の磁気領域が、隣接、重複又は近接することで磁気波形が反転するが、第一の磁気領域及び第二の磁気領域の隣接、重複又は近接が僅かに異なると、基材の表面と裏面の磁気波形が反転しない。そのため、検出すべき磁気パターンを知っていたとしても、偽造が困難である。
また、本発明の真偽判別方法は、簡単な構成のMRセンサを使用して精度の高い真偽判別を行うことができる。
第一の実施形態における磁気判別媒体の一例を示す。 第一の実施形態における磁気判別媒体の効果を示す。 第二の実施形態における磁気判別媒体の一例を示す。 第二の実施形態における磁気判別媒体の効果を示す。 本発明の磁気判別媒体の判別方法のフロー図の一例を示す。
本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。しかしながら、本発明は以下に述べる発明を実施するための形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている技術の範疇であれば、その他いろいろな実施の形態が含まれる。
(第一の実施形態)
本発明の第一の実施形態について、図1及び図2を用いて説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態における磁気判別媒体(A1)の一例であり、図1(a)は平面図、図1(b)はA−A’の断面図である。
図1(a)及び図1(b)に示すように、本発明の磁気判別媒体(A1)は、基材(1)の表面(U1)の少なくとも一部に、第一の磁性材料を含有した第一の磁気領域(2a)が形成され、かつ、基材(1)の裏面(U2)の少なくとも一部に、第二の磁性材料を含有した第二の磁気領域(2b)が形成されている。このとき、第一の磁気領域(2a)及び第二の磁気領域(2b)の一部は、所定の方向(S1)に対して基材(1)を介した平面上で接した境界部(T1)を有する。
ここで、本明細書における「境界部(T1)」とは、第一の磁気領域(2a)及び第二の磁気領域(2b)の磁気を同時に検出可能な程度に、各々の磁気領域の一部が基材(1)を介して接している領域を示し、本明細書における「接する」とは、第一の磁気領域(2a)及び第二の磁気領域(2b)の磁気を同時に検出可能な程度に隣接、重複又は近接した状態を示す。また、本明細書における「隣接」とは、第一の磁気領域(2a)及び第二の磁気領域(2b)が毛抜き合せに接している状態を示し、本明細書における「重複」とは、第一の磁気領域(2a)及び第二の磁気領域(2b)が後述するMRセンサ(S)の分解能より小さい距離(例えば、分解能1mmのMRセンサ(S)であれば、0〜1mm程度)で重なっている状態を示し、本明細書における「近接」とは、第一の磁気領域(2a)及び第二の磁気領域(2b)がMRセンサ(S)の分解能より小さい距離(例えば、分解能1mmのMRセンサ(S)であれば、0〜1mm程度)で離れている状態をそれぞれ示す。
なお、図1では、第一の磁気領域(2a)を縦線模様、第二の磁気領域(2b)を斜線模様で示し、かつ、第一の磁気領域(2a)の輪郭を実線、第二の磁気領域(2b)の輪郭を破線で示しているが、本発明を限定するものではなく、後述する「磁気波形」に影響を与えなければ、網点模様やベタ模様を含めた公知の印刷模様にて形成できる。また、境界部(T1)を隠ぺいする目的で、基材(1)の表面(U1)及び/又は裏面(U2)に、第一の磁気領域(2a)又は第二の磁気領域(2b)と等色、かつ、磁気波形に影響を与えないカモフラージュ領域をさらに有していてもよい。
第一の磁気領域(2a)及び第二の磁気領域(2b)を形成する印刷方式は、インキを基材(1)に付与可能な方式であれば特に限定されることはなく、第一の磁気領域(2a)は第一の磁性材料、また、第二の磁気領域(2b)は第二の磁性材料を、それぞれビヒクル、添加剤と混合して、凹版印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷等の公知の印刷方式で実施できる。
第一の磁性材料及び第二の磁性材料には、軟磁性材料及び/又は半硬磁性材料が使用できる。軟磁性材料の例としては、鉄−ケイ素、鉄−ニッケル、Mn−Znフェライト、パーマロイ、アモルファス磁性材料等の一般的な磁性材料が使用できる。半硬磁性材料の例としては、Baフェライト、Srフェライト、アルニコ、ネオジム磁石等の一般的な磁性材料を使用できる。なお、図1では第一の磁性材料及び第二の磁性材料に同じ材料を同じ含有率でインキ化して用いているが、本発明を限定するものではなく、磁気波形に影響を与えなければ、飽和磁化、残留磁化、透磁率及び保磁力を含めた公知の磁気特性が互いに異なる材料を用いてもよいし、同じ材料でも異なる含有率としてもよい。これらは、本発明の効果を得ることができれば任意に選択することができる。
本発明で使用可能なビヒクルは、磁気波形に影響を与えなければ特に限定されるものではなく、例えば、アマニ油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ油などの油脂類、鯨ロウ、ミツロウ、ラノリン、カルナウバワックス等などの天然ワックス類、パラフィンワックス、エステルワックス、低分子量ポリエチレンなどの合成ワックス類、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸類、ステアリルアルコール、ヘベリルアルコールなどの高級アルコール類、ワセリン、グリセリン等の石鹸類、グルコース、エチレングルコース、アミロースなどの炭化水素類、脂肪酸エステルなどのエステル類、ステアリンアミド、オレインアミドなどのアミド類、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニル系樹脂、石油系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、ロジン変性樹脂、テルビン樹脂などの樹脂類、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプロピレンゴム、クロロプレンゴムなどのエラストラマー類、水添石油樹脂、シリコーン、流動パラフィン、フッ素樹脂などのタッキファイヤー類などを単独又は混合させたものから成る分散媒が使用できる。
本発明で使用可能な添加剤は、磁気波形に影響を与えない範囲であれば、顔料、染料、界面活性剤、充填剤、酸化防止剤、乾燥剤などが使用できる。なお、顔料は、着色顔料の他に炭酸カルシウム、アルミナ、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタンなどの公知の体質顔料が含まれるとともに、蛍光顔料、パール顔料、ガラスフレーク、コレステリック液晶顔料、蓄光顔料などの公知の機能性顔料が使用できる。
本発明で使用可能な基材(1)は、磁気波形に影響しない材料であれば特に限定されず、紙、プラスチック、金属等を含めた公知の材料が使用できる。
次に、本発明の第一の実施形態の効果について、図2を用いて説明する。
図2は、磁気判別媒体(A1)と対向したMRセンサ(S)を所定の方向に搬送させて得られた磁気波形を示す図であり、図2(a)は、第一の磁気領域(2a)が配置された表面(U1)を所定の方向(S1’)に搬送した第一の磁気波形(P)、図2(b)は、図2(a)の磁気判別媒体(A1)をA−A’を軸に表裏反転して、第二の磁気領域(2b)が配置された裏面(U2)を所定の方向(S1’’)に搬送した第二の磁気波形(P’)である。
MRセンサ(S)は、固体の電気抵抗が磁界によって変化する磁気抵抗効果を利用して、磁性が存在しない場合の中点電圧を基準として、磁性材料の出現を正の電圧の変化、磁性材料の消失を負の電圧の変化としてそれぞれ検出する磁気センサであり、磁気の検出感度は、MRセンサ(S)が磁性材料との距離が近くなるにしたがって強くなり、磁性材料との距離が離れるにしたがって低下する特徴を有する。すなわち、MRセンサ(S)における磁気の検出感度は、磁性材料との距離に依存する。
図2(a)において、第一の磁気波形(P)は、基材(1)と第一の磁気領域(2a)の境界で第1のピーク(P1)、第一の磁気領域(2a)と第二の磁気領域(2b)の境界部(T1)で第2のピーク(P2)、そして、第二の磁気領域(2b)と基材(1)の境界で第3のピーク(P3)が観察される。このとき、表面(U1)の境界部(T1)においては、第一の磁気領域(2a)の消失に伴うマイナスの電圧、第二の磁気領域(2b)の出現に伴うプラスの電圧が同時に生じるが、第一の磁気領域(2a)は、MRセンサ(S)との距離が近いので検出感度が大きくなり、第二の磁気領域(2b)は、MRセンサ(S)との距離が基材(1)の厚みによって第一の磁気領域(2a)より離れており検出感度が小さくなるので、第2のピーク(P2)は、相対的にマイナスの電圧として観察される。
一方、図2(b)において、第二の磁気波形(P’)は、基材(1)と第一の磁気領域(2a)の境界で第1’のピーク(P1’)、第一の磁気領域(2a)と第二の磁気領域(2b)の境界部(T1)で第2’のピーク(P2’)そして、第二の磁気領域(2b)と基材(1)の境界で第3’のピーク(P3’)が観察される。このとき、裏面(U2)の境界部(T1)においては、第一の磁気領域(2a)の消失に伴うマイナスの電圧、第二の磁気領域(2b)の出現に伴うプラスの電圧が同時に生じるが、第一の磁気領域(2a)は、MRセンサ(S)との距離が基材(1)の厚みによって第二の磁気領域(2b)より離れているので検出感度が小さくなり、第二の磁気領域(2b)は、MRセンサ(S)との距離が近く検出感度が大きくなるので、第2’のピーク(P2’)は、相対的にプラスの電圧として観察できる。
すなわち、境界部(T1)に相当する位置の第2のピーク(P2)と第2’のピーク(P2’)は、磁気判別媒体(A1)の表裏で反転して観察することができる。ここで、本明細書における「反転」とは、中点電圧に対する電圧の変化が「正」と「負」で逆転している状態を示す。
したがって、表面(U1)と裏面(U2)の境界部(T1)の表裏で磁気波形のピークが反転していれば、磁気判別媒体(A1)が「真正」であると判別できる。
図2では、磁気判別媒体(A1)を固定した状態でMRセンサ(S)を搬送しているが、磁気判別媒体(A1)とMRセンサ(S)が相対的に移動していれば、MRセンサ(S)を固定し、磁気判別媒体(A1)を搬送しても同様の磁気波形が得られる。また、MRセンサ(S)の搬送方向(S1’、S1’’)は、搬送の始点と終点が磁気判別媒体(A1)のA−A’を軸とした表裏で共通していれば、逆方向であっても同様の磁気波形が得られる。
また、図2では、表面(U1)及び裏面(U2)に対してMRセンサ(S)を個別に搬送しているが、MRセンサ(S)を磁気判別媒体(A1)の両面に配置して、MRセンサ(S)又は磁気判別媒体(A1)を搬送することで、第一の磁気波形(P)及び第二の磁気波形(P’)を同時に得ることも可能である。
また、図2では、第一の磁性材料及び第二の磁性材料は同じであり、第2のピーク(P2)と第2’のピーク(P2’)の強度はほぼ等しいが、第一の磁性材料及び第二の磁性材料の保磁力が異なる場合であっても、境界部(T1)のピークが表裏で反転していれば、ピークの強度が異なっていてもよい。
また、図2では、第一の磁気波形(P)と第二の磁気波形(P’)を目視で比較して、第2のピーク(P2)と第2’のピーク(P2’)の反転を確認しているが、MRセンサ(S)の測定データを機械処理部(図示せず)に送信し、図5に示すフロー図のように、Step1で基材(1)の表面(U1)の第一の磁気波形(P)を測定して、Step2で基材(1)の裏面(U2)の第二の磁気波形(P’)を測定して、Step3で境界部(T1)に相当する位置の第2のピーク(P2)と第2’のピーク(P2’)の比較を行い、ピークが反転している場合に磁気判別媒体(A1)を「真正」と判定する機械処理を行うことも可能である。
また、基材(1)が複数の層から成り、最外面の第一の磁気領域(2a)、第二の磁気領域(2b)のいずれか又は双方の磁気領域が基材(1)の少なくとも1つの中間層を介して接している第nの磁気領域(n>3)をさらに有していてもよい。
また、図1及び図2における磁気判別媒体(A1)は、基材(1)の表裏に各々の磁気領域を個別に形成しているが、本発明を限定するものではなく、本発明の効果を示すように形成できれば、第一の磁気領域(2a)と第二の磁気領域(2b)との間に、インキ、フィルム、プラスチックシートなどを含めた基材(1)以外の少なくとも1つの層を形成してもよい。
また、第一の磁気領域(2a)及び/又は第二の磁気領域(2b)の上面には、本発明の効果に影響しない範囲で、インキ、フィルム、プラスチックシートなどを含めた層を有していてもよいし、当該層が第一の磁気領域(2a)及び/又は第二の磁気領域(2b)を視覚的に隠蔽する隠蔽層であってもよい。
すなわち、本発明の磁気判別媒体(A1)の層構成は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜調整することができる。
なお、第一の磁気領域(2a)と第二の磁気領域(2b)がMRセンサ(S)の分解能より大きい距離で重複していると、第2のピーク(P2)と第2’のピーク(P2’)がいずれもマイナスの波形の後、プラスの波形を示し、反転を示さないので好ましくない。また、第一の磁気領域(2a)と第二の磁気領域(2b)がMRセンサ(S)の分解能より大きい距離で離れていると、第2のピーク(P2)と第2’のピーク(P2’)がいずれもプラスの波形の後、マイナスの波形を示し、反転を示さないので好ましくない。
なお、MRセンサ(S)の分解能は、製造メーカや製品の種類によって異なるとともに、磁気判別媒体(A1)との相対的な移動速度によっても異なるので、インキ中の磁性材料の含有率、印刷時の膜厚、境界部(T1)における隣接、重複又は近接の範囲は、適宜調整することができる。
また、本発明に用いる基材(1)や、上述の基材(1)以外の層についても、本発明の効果を示すように、材質や厚みを適宜調整することができる。
また、境界部(T1)が形成される領域をMRセンサ(S)が磁気判別媒体(A1)の磁気波形を得る範囲に限定して配置し、その他の領域を第一の磁気領域(2a)と第二の磁気領域(2b)がMRセンサ(S)の分解能より大きい距離で重複及び/又は離して配置することで、磁気判別媒体(A1)でより精度の高い真偽判別を行うことも可能である。
(第二の実施形態)
本発明の第二の実施形態について、図3及び図4を用いて説明する。図3は、本発明の第二の実施形態における磁気判別媒体(A2)の一例であり、図3(a)は平面図、図3(b)は長辺方向におけるA−A’の断面図、図3(c)は短辺方向におけるB−B’の断面図である。
図3(a)及び図3(b)に示す磁気判別媒体(A2)は、基材(1)の表面(U1)に第一の磁気領域(2a)及び第一’の磁気領域(2a’)、基材(1)の裏面(U2)に第二の磁気領域(2b)及び第二’の磁気領域(2b’)が、それぞれマトリクス状に形成されている。このとき、図3(b)に示すように、第一の磁気領域(2a)及び第二の磁気領域(2b)は、磁気判別媒体(A2)の長辺方向(S1)に対して第一の境界部(T1)を有し、かつ、図3(c)に示すように、第一’の磁気領域(2a’)及び第二の磁気領域(2b)は、磁気判別媒体(A2)の短辺方向(S2)に対して第二の境界部(T2)を有する。
なお、図3では、基材(1)の表面(U1)に2つの磁気領域(2a、2a’)、裏面(U2)に2つの磁気領域(2b、2b’)をそれぞれ形成しているが、本発明を限定するものではなく、後述する磁気波形に影響を与えなければ、各々の磁気領域の数が3つ以上であってもよい。また、図3では、長辺方向及び短辺方向の2つの方向に対して境界部を有しているが、本発明を限定するものではなく、後述する磁気波形に影響を与えなければ、斜め方向など3つ以上の方向に対して境界部を有していてもよい。
次に、本発明の第二の実施形態の効果について、図4を用いて説明する。なお、本発明の第二の実施形態の原理については、第一の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
図4は、磁気判別媒体(A2)と対向したMRセンサ(S)を長辺方向(S1’、S1’’)及び短辺方向(S2’、S2’’)にそれぞれ搬送させて得られた磁気波形を示す図である。
図4(a)は、第一の磁気領域(2a)が配置された表面(U1)の長辺(U1A)をS1’方向に搬送した第一Aの磁気波形(PA)、図4(b)は、図4(a)をA−A’を軸に表裏反転して、第二の磁気領域(2b)が配置された裏面(U2)の長辺(U2A)をS1’’方向に搬送した第二Aの磁気波形(PA’)、図4(c)は、第一’の磁気領域(2a’)が配置された表面(U1)の短辺(U1B)をS2’方向に搬送した第一Bの磁気波形(PB)、そして、図4(d)は、図4(c)をB−B’を軸に表裏反転して、第二の磁気領域(2b)が配置された裏面(U2)の短辺(U2B)をS2’’方向に搬送した第二Bの磁気波形(PB’)をそれぞれ示す。
図4(a)において、第一Aの磁気波形(PA)は、基材(1)と第一の磁気領域(2a)の境界で第1Aのピーク(PA1)、第一の磁気領域(2a)と第二の磁気領域(2b)の第一の境界部(T1)で第2Aのピーク(PA2)、そして、第二の磁気領域(2b)と基材(1)の境界で第3Aのピーク(PA3)が観察される。このとき、表面(U1)の長辺(U1A)の第一の境界部(T1)においては、第2Aのピーク(PA2)が相対的にマイナスの電圧として観察される。
一方、図4(b)において、第二Aの磁気波形(P’)は、基材(1)と第一の磁気領域(2a)の境界で第1A’のピーク(PA1’)、第一の磁気領域(2a)と第二の磁気領域(2b)の第一の境界部(T1)で第2A’のピーク(PA2’)、そして、第二の磁気領域(2b)と基材(1)の境界で第3A’のピーク(PA3’)が観察される。このとき、裏面(U2)の長辺(U2A)の第一の境界部(T1)においては、第2A’のピーク(PA2’)が相対的にプラスの電圧として観察できる。
次に、図4(c)において、第一Bの磁気波形(P)は、基材(1)と第二の磁気領域(2b)の境界で第1Bのピーク(P1)、第二の磁気領域(2b)と第一’の磁気領域(2a’)の第二の境界部(T2)で第2Bのピーク(PB2)、そして、第一’の磁気領域(2a’)と基材(1)の境界で第3Bのピーク(PB3)が観察される。このとき、表面(U1)の短辺(U1B)の第二の境界部(T2)においては、第2Bのピーク(PB2)が相対的にプラスの電圧として観察できる。
一方、図4(d)において、第二Bの磁気波形(PB’)は、基材(1)と第二の磁気領域(2b)の境界で第1B’のピーク(PB1’)、第二の磁気領域(2b)と第一’の磁気領域(2a’)の第二の境界部(T2)で第2B’のピーク(PB2’)、そして、第一’の磁気領域(2a’)と基材(1)の境界で第3B’のピーク(PB3’)が観察される。このとき、裏面(U2)の短辺(U2B)の第二の境界部(T2)においては、第2B’のピーク(PB2’)が相対的にマイナスの電圧として観察できる。
このとき、図4(a)の第一Aの磁気波形(PA)及び図4(b)の第二Aの磁気波形(PA’)を比較すると、第一の境界部(T1)に相当する位置の第2Aのピーク(PA2)及び第2A’のピーク(PA2’)は、磁気判別媒体(A2)の表裏で反転して観察できる。
また、図4(c)の第一Bの磁気波形(PB)及び図4(d)の第二Bの磁気波形(PB’)を比較すると、第二の境界部(T2)に相当する位置の第2Bのピーク(PB2)及び第2B’のピーク(PB2’)は、磁気判別媒体(A2)の表裏で反転して観察できる。
すなわち、磁気判別媒体(A2)では、長辺方向における第一の境界部(T1)及び短辺方向における第二の境界部(T2)の表裏で、磁気波形のピークがそれぞれ反転して観察できる。したがって、磁気判別媒体(A2)に対するMRセンサ(S)の搬送方向が複数であっても、各々の搬送方向に対して、境界部の表裏で磁気波形のピークが反転していれば、磁気判別媒体(A2)が「真正」であると判別できる。
本発明の実施例について、図1及び図2を用いて説明する。本発明の実施例では、基材(1)としてコピー用紙(厚さ0.09mm)を用い、磁性材料として磁性フェライト2.5%及び鉄黒2.5%を配合したインキを用いた。
磁性材料を配合した同じインキを用いて、基材(1)の一方の面(U1)及び他方の面(U2)に、膜厚5μmで5mm角のベタ模様を印刷した。このとき、境界部(T1)が1mm重複するように印刷した。
印刷により、図1に示す第一の磁気領域(2a)及び第二の磁気領域(2b)をそれぞれ形成した磁気判別媒体(A1)を得た。
作成した磁気判別媒体(A1)について、第一の磁気領域(2a)が配置された表面(U1)に分解能1mmのMRセンサ(S)を対向させ、図2(a)に示す所定の方向(S1’)に搬送した結果、図2(a)に示す第一の磁気波形(P)が得られた。その後、磁気判別媒体(A1)をA−A’を軸に表裏反転して、第二の磁気領域(2b)が配置された裏面(U2)にMRセンサ(S)を対向させ、図2(b)に示す所定の方向(S1’’)に搬送した結果、図2(b)に示す第二の磁気波形(P’)が得られた。
図2(a)において、第一の磁気波形(P)は、基材(1)と第一の磁気領域(2a)の境界で第1のピーク(P1)、第一の磁気領域(2a)と第二の磁気領域(2b)の境界部(T1)で第2のピーク(P2)、そして、第二の磁気領域(2b)と基材(1)の境界で第3のピーク(P3)が観察された。このとき、表面(U1)の境界部(T1)における第2のピーク(P2)は、MRセンサ(S)と対向する第一の磁気領域(2a)の消失に伴い、マイナスの電圧として観察された。
一方、図2(b)において、第二の磁気波形(P’)は、基材(1)と第一の磁気領域(2a)の境界で第1’のピーク(P1’)、第一の磁気領域(2a)と第二の磁気領域(2b)の境界部(T1)で第2’のピーク(P2’)、そして、第二の磁気領域(2b)と基材(1)の境界で第3’のピーク(P3’)が観察された。このとき、裏面(U2)の境界部(T1)における第2’のピーク(P2’)は、MRセンサ(S)と対向する第二の磁気領域(2b)の出現に伴い、プラスの電圧として観察できた。
すなわち、境界部(T1)に相当する位置の第2のピーク(P2)及び第2’のピーク(P2’)は、磁気判別媒体(A1)の表裏で反転して観察できた。したがって、表面(U1)と裏面(U2)の境界部(T1)の表裏で磁気波形のピークが反転していれば、磁気判別媒体(A1)が「真正」であると判別できることがわかった。
A1、A2 磁気判別媒体
1 基材
2 磁気領域
2a 第一の磁気領域
2a’ 第一’の磁気領域
2b 第二の磁気領域
2b’ 第二’の磁気領域
T1、T2 境界部
U1 表面
U2 裏面
U1A 表面の長辺
U2A 裏面の長辺
U1B 表面の短辺
U2B 裏面の短辺
P 第一の磁気波形
P’ 第二の磁気波形
PA 第一Aの磁気波形
PA’ 第二Aの磁気波形
PB 第一Bの磁気波形
PB’ 第二Bの磁気波形
S1、S1’、S1’’ 移動方向
S MRセンサ

Claims (2)

  1. 基材の表面に、第一の磁性材料を含有するインキにより形成された第一の磁気領域と、前記基材の裏面に、第二の磁性材料を含有するインキにより形成された第二の磁気領域を備えた磁気判別媒体であって、前記第一の磁気領域及び前記第二の磁気領域の少なくとも一部は、前記基材の表裏で隣接、重複又は近接する境界部を形成し、MRセンサで測定した前記境界部の磁気波形が前記基材の表面と裏面で反転していることを特徴とする前記磁気判別媒体。
  2. 請求項1記載の磁気判別媒体の真偽判別方法であって、前記基材の表面の磁気波形を前記MRセンサで測定する工程と、前記基材の裏面の磁気波形を前記MRセンサで測定する工程と、前記表面及び前記裏面で測定した前記磁気波形を比較する工程とを含み、前記MRセンサで測定した前記境界部の磁気波形が前記基材の表面と裏面で反転しているとき、前記磁気判別媒体を真正と判別する磁気判別媒体の真偽判別方法。
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