JP2021112360A - 履物の支持部材 - Google Patents

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千里 若林
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Abstract

【課題】剛性が必要とされる部位に必要な強度を確保することができるとともに履物を軽量化できる履物の支持部材を提供すること。【解決手段】本発明の履物の支持部材1は、延伸された熱可塑性樹脂からなる線条体により形成された布状体が複数枚積層され加熱圧縮された積層体を用いて形成されてなり、足の爪先の上部又は該爪先の上部を含む甲の上部を支持することを特徴とし、好ましくは、延伸された熱可塑性樹脂からなる線条体により形成された布状体が複数枚積層され加熱圧縮された積層体を用いて形成されてなり、靴紐の通し孔部分の一部又は全部の表面又は裏面に設けてなる。【選択図】図1

Description

本発明は、履物の支持部材に関し、詳しくは、剛性が必要とされる部位に必要な強度を確保することができるとともに履物を軽量化できる履物の支持部材に関する。
従来、履物は、様々な環境や目的に応じて履き替えられている。例えば、履物の一例である靴においても、運動を行う場合には運動靴を装用し、建設作業や工場での作業等を行う場合には、作業靴を装用することが行われる。
作業靴では、その一部に支持部材が装着され、該作業靴の装用者の足を保護することが行われている。作業靴において安全靴と呼ばれる靴には、装用者の足先を落下物等から保護するために、爪先部に所定の強度を有する鋼芯を備えるものがある(特許文献1)。
特開平10−33205号公報
この作業靴では、アッパー部材の内部に金属材料等で構成される先芯が挿入されている。前記作業靴において、足先に重量物が落下したり、足先が機械等に挟み込まれたりしても、アッパー部材に挿入された先芯が、装用者の足先を防護する。
しかしながら、この作業靴では、足先の防護性を高めるために先芯に金属材料等を用いているので、作業靴が重くなる傾向にある。
また、履物の一例である、運動靴、サンダル、婦人靴等では、装用者の足を保護するために補強されるべき部位や、これらの履物において該履物の機能を発揮させるために強度が必要とされる部位がそれぞれ異なる。
しかしながら、これらの部位の剛性を確保するために、皮革等の厚みを増やしたり、金属材料等で形成された支持部材を装着したりすると、履物が重くなる傾向にあり、履物の装用者の疲労を招くことになる。
そこで、本発明の課題は、剛性が必要とされる部位に必要な強度を確保することができるとともに履物を軽量化できる履物の支持部材を提供することにある。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
1.
延伸された熱可塑性樹脂からなる線条体により形成された布状体が複数枚積層され加熱圧縮された積層体を用いて形成されてなり、
足の爪先の上部又は該爪先の上部を含む甲の上部を支持することを特徴とする履物の支持部材。
2.
延伸された熱可塑性樹脂からなる線条体により形成された布状体が複数枚積層され加熱圧縮された積層体を用いて形成されてなり、
靴紐の通し孔部分の一部又は全部の表面又は裏面に設けてなることを特徴とする履物の支持部材。
3.
足掛け帯体を少なくとも一条有するサンダルにおいて、
延伸された熱可塑性樹脂からなる線条体により形成された布状体が複数枚積層され加熱圧縮された積層体を用いて形成されてなり、
足の甲の上部の少なくとも一部を被覆し、前記足掛け帯体に連結されることを特徴とする履物の支持部材。
4.
延伸された熱可塑性樹脂からなる線条体により形成された布状体が複数枚積層され加熱圧縮された積層体を用いて形成されてなり、
前記積層体は、帯状に形成されてなり、
帯状の一端が、足の中足部から膝下近傍で、足の外側部から後部を経て内側部までを覆うように構成され、足の甲から脛部分に位置する前面側が開放された断面U字状のブーツアッパー部材の前面側の一方に、固定され、前記ブーツアッパー部材の他方には、面ファスナループ部材が設けられ、
他端に面ファスナフック部材が取り付けられており、
前記他端と、前記ブーツアッパー部材の他方とを着脱可能に形成されてなることを特徴とする履物の支持部材。
5.
延伸された熱可塑性樹脂からなる線条体により形成された布状体が複数枚積層され加熱圧縮された積層体を用いて形成されてなり、
足の中足部から膝下近傍で、足の外側部から後部を経て内側部までを覆うように構成され、足の甲から脛部分に位置する前面側が開放された断面U字状のブーツアッパー部材の前記前面側を覆うように設けられたことを特徴とする履物の支持部材。
本発明によれば、剛性が必要とされる部位に必要な強度を確保することができるとともに履物を軽量化できる履物の支持部材を提供することができる。
本実施形態に係る支持部材を履物の爪先部に爪先支持部材として用いた一例を示す図 図2(a)は、同上の爪先支持部材を構成する積層体と爪先部の型とを示す図であり、図2(b)は、図2(a)の積層体を爪先部の型に押し付けた状態を示す図であり、図2(c)は、図2(b)の積層体から形成された爪先支持部材の図である。 本実施形態に係る支持部材を履物の爪先部に爪先支持部材として用いた他の一例を示す図 図4(a)は履物の支持部材を履物のアッパー部材の上部に用いた一例を示す図であり、図4(b)は靴紐の通し孔部分を設けた支持部材の一例を示す図 本実施形態に係る支持部材をサンダルに用いた一例を示す図 本実施形態に係る支持部材をサンダルに用いた他の一例を示す図 本実施形態に係る支持部材をブーツに用いた一例を示す図 本実施形態に係る支持部材をブーツに用いた他の一例を示す図 本実施形態に係る支持部材をブーツに用いた他の一例を示す図 本実施形態に係る支持部材をブーツに用いた更に一例を示す図 本実施形態に係る支持部材を靴のヒール部分に用いた一例を示す図 靴底のソール部に支持部材を用いた一例を示す図 靴底のソール部に支持部材を用いた一例を示す図 靴底のソール部に支持部材を用いた一例を示す図 靴底のソール部に支持部材を用いた一例を示す図 靴底のソール部に支持部材を用いた一例を示す図 靴底のソール部に支持部材を用いた一例を示す図 靴底のソール部に支持部材を用いた一例を示す図 靴底のソール部に支持部材を用いた一例を示す図 靴底のソール部に支持部材を用いた一例を示す図 靴底のソール部に支持部材を用いた一例を示す図 靴底のソール部に支持部材を用いた一例を示す図 靴底のソール部に支持部材を用いた一例を示す図 靴底のソール部に支持部材を用いた一例を示す図 靴底のソール部に支持部材を用いた一例を示す図 靴底のソール部に支持部材を用いた一例を示す図 靴底のソール部に支持部材を用いた一例を示す図 靴底のソール部に支持部材を用いた一例を示す図 靴底のソール部に支持部材を用いた一例を示す図 靴底のソール部に支持部材を用いた一例を示す図 靴底のソール部に支持部材を用いた一例を示す図 線条体の構造例を説明する図 積層体の形成方法を説明する図
本発明に係る履物の支持部材の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る支持部材を履物の爪先部に爪先支持部材として用いた一例を示す図である。
本実施形態において、爪先支持部材1は、爪先部上面を覆う椀状に形成されている。爪先支持部材1は、図示しない靴のアッパー部材に装着され、当該靴を履いた状態で、足の爪先を保護する。爪先支持部材1を設ける位置は、主として靴のソール部2の前足部21に設ける。
爪先支持部材1をアッパー部材に装着するに際しては、アッパー部材の内側に着脱可能に固定してもよいし、アッパー部材の外側に着脱可能に固定してもよいし、アッパー部材の内部に挿着してもよい。
図2(a)は同上の爪先支持部材を構成する積層体と爪先部の型とを示す斜視図であり、図2(b)は図2(a)の積層体を爪先部の型に押し付けた状態を示す斜視図であり、図2(c)は図2(b)の積層体から形成された爪先支持部材の斜視図である。
図2(a)に示された積層体3は、熱可塑性樹脂を延伸して得られた線条体を用いて形成される布状体を複数枚積層させて加熱圧縮して得られたシート状のものである。図示の例では、シート状の積層体3を方形状に裁断したものが示されている。4は、靴の爪先の形状を模した型である。
図2(b)において、積層体3は、型4に、加熱押圧することで、型4に倣った形状に形成される。その後、積層体3から余分な部分を切り取ることにより、図2(c)に示す爪先支持部材1が形成される。
尚、本実施形態において、シート状の積層体3は、積層される枚数により強度を変更させることができる。このため、爪先支持部材1に必要とされる高い強度とすることができる。
これにより、靴の前足部21の上方から物が落下したり、前記前足部21が機械等に挟まれたりしても、爪先支持部材1が高い剛性を有しているので、靴の爪先部が潰れたりすることを低減できるため、怪我を低減できる。さらに、爪先支持部材1を積層体3で構成することで、靴の先芯に金属材料を配置する必要がなくなるので、靴の軽量化を図ることができる。
図1の例では、爪先支持部材1は、前足部21に配置する構成としたが、図3に示すように、爪先支持部材1を前足部21から中足部22に延出する構成としてもよい。
図4(a)は履物の支持部材を履物のアッパー部材の上部に用いた一例を示す図であり、図4(b)は靴紐の通し孔部分を設けた支持部材の一例を示す図である。
本実施形態において、アッパー部支持部材5は、シート状の積層体3を短冊状に裁断して形成される。
図4(a)において、アッパー部支持部材5は、靴のアッパー部材6の上部で、靴の長手方向に沿って、足の甲の一部を覆うように配置されている。
具体的には、図4(b)に示すように、靴紐の通し孔部分51の全部の裏面に設けてなる例が示されている。図示の例に限定されず、紐通し孔部分の一部でもよいし、表面に設けられていてもよい。
ここで、歩行する際、足の甲がアッパー部材6を押し上げるので、アッパー部材6において足の甲と接する部位に力が作用する。この結果、アッパー部材6の上部にアッパー部支持部材5が配置されるので、該アッパー部支持部材5がアッパー部材6を補強することができる。
図示の例では、アッパー部支持部材5をアッパー部材6の上部に配置する構成としたが、例えば、シューレース部に配置して、該シューレース部を補強する構成としてもよい。
図5は、本実施形態に係る支持部材をサンダルに用いた一例を示す図である。
図5において、8は、帯状に形成された足掛け帯体である帯状部材であり、帯状部材8は、全体を湾曲させた状態で、2つ設けられ、ソール部2の中足部22と、後足部23とにそれぞれ設けられている。9は、足の中足部22から後足部23に並列に設けている2つの帯状部材8同士を接続する積層体3から形成された支持部材である。支持部材9は、中足部22から前足部21側に向けて延びる舌片部91を備えている。舌片部91は、足の甲と接するように設けられている。図示の例では、帯状部材8を2条設ける構成を説明しているが、これに限定されず、1条であっても、3条以上であってもよく、少なくとも1条以上設けられていればよい。
ここで、歩行する際、足の甲が帯状部材8を押し上げるので、帯状部材8において足の甲と接する部位に力が作用する。本実施形態では、2つの帯状部材8が支持部材9により接続されていると共に、舌片部91が足の甲と接するので、足の甲が帯状部材8を押し上げる力を分散させることができる。
これにより、靴の装用者が急に走り出す等、帯状部材8に過大な力が作用した際、該力が舌片部91等に分散され、帯状部材8の損傷を低減できる。本実施形態においては、帯状部材8は、帯状に形成した積層体3から支持部材としてもよい。
図6は、本実施形態に係る支持部材をサンダルに用いた他の一例を示す図である。
図6において、10は、帯状に形成し、これを靴のトップライン下方近傍部分に固定するトップライン固定部材である。11は、ソール部2の前足部21と、トップライン固定部材10とを接続する積層体3から形成された支持部材である。支持部材11は、前足部21から後足部23側に位置するトップライン固定部材10まで延び、足の甲部分の一部から爪先部を覆う、トップライン下方近傍から爪先に向かって幅広になっていくように形成されている。トップライン固定部材10は、積層体3から形成されていてもよく、支持部材11と一体に形成されていてもよい。
本実施形態において、支持部材11は、ソール部2の前足部21とトップライン固定部材10とを強固に接続するので、ソール部2及びトップライン固定部材10を補強することができると共に、トップライン下方近傍から爪先に向かって幅広になっていくように形成されているため、足の指先及び甲部分の一部を保護することができる。
尚、図5及び図6に示されたサンダルに、支持部材9、11及びトップライン固定部材10を用いる場合には、布等の柔らかい材料で覆われていることが好ましい。また、一般的な靴に用いる場合には、アッパー部材に内包させて芯材として使用することもできる。
図7は、本実施形態に係る支持部材をブーツに用いた一例を示す図であり、図8は、本実施形態に係る支持部材をブーツに用いた他の一例を示す図であり、図9は、本実施形態に係る支持部材をブーツに用いた他の一例を示す図である。各図において、本実施形態に係る支持部材は積層体3から形成されており、該支持部材をブーツに用いた部分を実線で示し、その他の部分を破線で示し、以下説明する。各実施形態においては、実線で示した部分に限らず、一点鎖線で示した部分についても、必要により積層体で形成することができる。
図7、図8及び図9に示すブーツ12は、スノーボード用のブーツを例示して説明する。ブーツ12において、足の中足部から膝下近傍までブーツアッパー部材121が設けられている。ブーツアッパー部材121は膝下近傍から踵を安定して保持するように、足の外側部から後部を経て内側部までを覆うように構成されている。具体的には、ブーツアッパー部材121の前足側が開放される断面U字状に形成されている。
図7の例では、ブーツ12に設けられた係止具に用いられる2条の帯状の係止支持部材122が実線で示されている。図示の例において、各々の帯状の係止支持部材122の一端は、ブーツアッパー部材121の外側部及び内側部の前足部側寄りのいずれか一方に、固定されており、他端は、各々面ファスナフック部材123が設けられ、自由端として構成されている。
そして、ブーツアッパー部材121の他方には、帯状の係止支持部材122の面ファスナフック部材123と着脱可能に形成される面ファスナループ部材124が設けられている。
帯状の係止支持部材122は、ブーツアッパー部材121の前方を横切って、他端の面ファスナフック部材123を、面ファスナループ部材124に貼り付けることでブーツアッパー部材121に足を保持させることができる。
係止支持部材122を帯状の積層体3から構成することで、積層体による強度を担保すると共に、軽量化を図ることができる。
図8の例では、人の脚の脛部分の位置に設けられる脛部支持部材125が、実線で示されている。図示の例において、ブーツアッパー部材121の前足側が開放される断面U字状に形成され、前足側の開放された脛部分に脛部支持部材125が形成されている。これにより、本発明に係る支持部材が脛部分の脛部支持部材125に設けられているため、軽量化を図ることができると共に、ターン時にかかる負荷に対して十分な剛性を担保することができる。
図9の例では、人の足の爪先部分の位置に設けられる爪先支持部材126が実線で示されている。図示の例において、ブーツアッパー部材121の前足側が開放される断面U字状に形成され、前足側の開放された爪先部分に爪先支持部材126が形成されている。これにより、本発明に係る爪先支持部材126が設けられているため、軽量化を図ることができると共に、ターン時にかかる負荷に対して十分な剛性を担保することができる。
図7から図9に図示したブーツアッパー部材121を積層体3から構成してもよい。これにより、ブーツ12の剛性を担保しつつ、ブーツ12の軽量化を図ることができるので、ブーツ12を長時間着用していても足の疲労を軽減することができる。
図10は、本実施形態に係る支持部材をブーツに用いた更に一例を示す図である。図示の例において、積層体3から形成される、略筒状の支持部材131は、足の脛部を取り巻くように配置されているので、ブーツ13の装用者がバランスを崩した際に、足を支持して、倒れこむことを抑制でき、転倒等による怪我を抑制できる。さらに、支持部材131は、ブーツ13のトップラインから足首近傍まで配置されているので、脱いだ状態のブーツ13のトップラインから足首近傍までの部位を支持し、当該部位が自重で曲がって垂れ下がり、ブーツ13の見栄えが悪くなることを低減できる。
さらに、ブーツ13においてトップラインから足首近傍までの部位に略筒状の支持部材131を挿入することによりブーツ13を補強できるので、ブーツ13の剛性を高めるためにブーツ13のトップラインから足首近傍までの部位の厚みを増やさなくてもすむ。これにより、ブーツ13のトップラインから足首近傍までの部位を補強できるとともに、ブーツ13の軽量化を図ることができる。
本実施形態では、一例としてスノーボード用のブーツ、及びブーツを一例として示したが、これに限定されず、スキーブーツ、登山ブーツ等に積層体3を用いてもよい。これにより、十分な剛性と軽量化を図ることができる。
図11は、本実施形態に係る支持部材を靴のヒール部分に用いた一例を示す図である。
本実施形態において、ヒール部支持部材14は、例えば、婦人靴のローヒールやハイヒール等のヒール部分に用いることができる。ヒール部支持部材14は、シート状の積層体3をヒールの断面形状に倣って裁断し、裁断した積層体3を複数枚積層させることで形成されている。本実施形態では、シート状の積層体3の積層枚数を変更することで、ヒール部支持部材14の高さを変更することができる。
本実施形態におけるヒール部支持部材14は、靴のソール部2と一体に形成されていることが好ましい。このように、ヒール部支持部材14とソール部2とを一体に形成することで、ヒール部支持部材14とソール部2との接続状態を強固なものとすることができる。その結果、ヒール部がソール部2から脱落することや、ヒール部が折れることにより靴の装用者が転倒することを低減できる。
さらに、積層体3を積層してヒール部支持部材14を形成することができることから、ヒール部を構成するヒール本体、トップリフト、ヒールネイル等の部材を必要としなくなるので、ヒール部の軽量化を図ることができる。加えて、ヒール部支持部材14を中空構造とすることで、ヒールとしての強度を確保しつつ、更なる軽量化を図ることができる。
本実施形態において、ヒール部支持部材14は、一例として婦人靴のヒール部(ローヒールやハイヒール)として構成したが、この構成に限定されず、紳士靴の踵部分を構成してもよい。
図12〜図31は、靴底のソール部に支持部材を用いた一例を示す図を示している。
図12〜図18は、靴底15のソール部2として大積層体24を用い、大積層体24上に小積層体25を積層した構成を例示しており、大積層体24用いたソール部2の厚みを小積層体25によって、部分的に異ならせて、小積層体25を設けた部分の剛性を高めるようにしている。
図12に示す態様では、小積層体25は、靴底15の前足部21領域に設けられている。その小積層体25を大積層体24に積層し、加熱圧縮して、シート状の積層体を得る。シート状の積層体により図示に示されたソール部2を得ることができる。この態様では、小積層体25の面積は、靴底15の前足部21領域の面積と同じである。
図12に示す実施形態の他の形態としては、靴底15の前足部21領域に設けられた小積層体25の面積が、図13に示すように、靴底15の前足部21領域の面積より小さくすることも好ましい。
図12や図13に示すような靴底15の前足部21領域に設けられた小積層体25の存在により、前足部21領域の剛性を向上させることができる。
図14に示す態様では、小積層体25が、靴底15の後足部23領域に設けられている。その小積層体25を大積層体24に積層し、加熱圧縮して、シート状の積層体を得る。シート状の積層体により図示に示されたソール部2を得ることができる。この態様では、小積層体25の面積は、靴底15の後足部23領域の面積と同じである態様が示されている。
図14に示すように、靴底15の後足部23領域に設けられた小積層体25の存在により、後足部23領域の剛性を向上させることができる。
尚、小積層体25の面積は、靴底15の後足部23領域の面積より小さくてもよい。
図15に示す態様では、小積層体25が後足部23領域から中足部22領域に跨って形成されている。その小積層体25を大積層体24に積層し、加熱圧縮して、シート状の積層体を得る。シート状の積層体により図示に示されたソール部2を得ることができる。小積層体25の形状は、図15に示すように、後足部23領域から中足部22領域に向かってウォード錠(Ward錠)の形状をしている。本態様の小積層体25のウォード錠(Ward錠)の形状は、図示のように、後足部23領域にある楕円体25aから、中足部22に向かって略矩形体25bが延設している。
図15に示すような小積層体25の存在により、後足部23領域から中足部22領域における剛性を向上させることができる。
次に図16を参照すると、小積層体25が、靴底15の中足部22から前足部21に渡って設けられている。この構成では、小積層体25は、靴底15の前足部21から中足部22にかけて縦楕円形に形成されている。図16に示すように、小積層体25が存在することで、前足部21及び中足部22の剛性を向上させることができる。
図17に示す態様は、小積層体25は、靴底15の後足部23領域から中足部22領域を通って前足部21領域にかけて設けられている。すなわち前足部21領域、中足部22領域及び後足部23領域に跨って小積層体25が形成されている。その小積層体25を大積層体24に積層し、加熱圧縮して、図17に示すようなシート状の積層体を得る。
図17に示す態様では、小積層体25の形状は後足部23領域から前足部21領域に向かって、スプーン形状をなしている。また、本発明においては、スプーン形状の先端は図17に示すように凹部欠損25cを有していてもよい。図17に示すような小積層体の存在により、前足部領域、中足部領域及び後足部領域の剛性を向上させることができる。
図18に示す構成では、2つの小積層体25は、靴底15の中足部22に略砂時計形の小積層体25と、前足部21に小積層体25とを備えている。前足部21の小積層体25は、略山形の形状25dを有している。中足部22及び前足部21の剛性は、図18に示すように、小積層体25が存在することで向上させることができる。
図12から図18に示す態様において、小積層体25を大積層体24に加熱圧縮して一体としたが、これに限定されるものではなく、接着剤等の接着手段、あるいはその他の接合手段を用いて小積層体25と大積層体24とを一体にしてもよい。
次いで、図19〜図25は、一例として小積層体25を、公知の靴底15に固定した構成を例示している。これにより、従来からある靴底に対しても部分的に剛性を高めることができる。
図19及び図20に示す構成では、靴底15の構成要素である小積層体25が靴底15の前足部21に設けられている。
図21に示す構成では、小積層体25は靴底15の後足部23の上に置かれる。
図22に示す構成では、小積層体25が靴底15の後足部23から中足部22に渡って設けられている。
図23に示す構成では、小積層体25が靴底15の中足部22から前足部21に渡って設けられている。
図24に示す構成では、小積層体25は、靴底15の後足部23から中足部22にかけて前足部21に跨って設けられている。
図25に示す構成では、靴底15の中足部22及び前足部21に小積層体25がそれぞれ設けられている。
図19〜図25における小積層体25の形状及び大きさは、図19から図25に開示された形状及び大きさに限定されず、様々な変更が可能である。また、小積層体25を固着する構成要素は、大積層体24に限定されるものではなく、靴底の構成要素であれば、アウトソール又はインソール以外であってもよい。
次に、図26〜図28を参照すると、小積層体25には、幅方向にスリット(又はスロット)26が設けられていてもよい。スリット26は、小積層体25を打ち抜くことにより形成することができる。
図26に示す構成では、前足部21に設けられた小積層体25に2つのスリット26が設けられている。スリット26の存在により前足部21の剛性が低下し、その結果、前足部21が撓みやすくなり、小積層体25の軽量化を図ることができる。
図27に示す構成では、後足部23に設けられた小積層体25に2つのスリット26が設けられている。スリット26の存在により、後足部23の剛性が低下し、その結果、後足部23が撓みやすくなり、小積層体25の軽量化を図ることができる。
図28に示す構成では、中足部22に設けられた小積層体25に2つのスリット26が設けられている。
スリット26の存在により、中足部22の剛性が低下し、その結果、中足部22が撓みやすくなり、小積層体25の軽量化を図ることができる。
尚、図26〜図28における小積層体25のスリット26は、図面に開示された形状、位置及び数に限定されず、種々の変更が可能である。
また、図29〜図31に示すように、小積層体25に凹状のリブ27を設けてもよい。リブ27はプレス成形により形成することができる。
図29に示す構成では、前足部21に設けられた小積層体25に縦長の3つの凹状のリブ27が設けられている。これにより、前足部21の剛性を高めることができる。
図30に示す構成では、後足部23に設けられた小積層体25に縦長の3つの凹状のリブ27が設けられている。これにより、後足部23の剛性を高めることができる。
図31に示す構成では、中足部22に設けられた小積層体25に、縦長の3つの凹状のリブ27が設けられている。これにより、中足部22の剛性を高めることができる。
図29〜図31における小積層体25のリブ27は、図面に開示された形状、位置及び数に限定されず、種々の変更が可能である。
上記図26から図31における、スリット26又はリブ27を設ける小積層体25の形状及び大きさは、図26から図31に図示された形状及び大きさに限定されず、様々な変更が可能である。
上記図12から図31における小積層体25は、図示された態様に限定されず、図示しないインソールの靴の底(裏)側に小積層体25を配置する構成としてもよい。
図32は、線条体の構造例を説明する図であり、図33は、積層体の形成方法を説明する図である。
シート状の積層体3は、熱可塑性樹脂を延伸して得られた線条体31を用いて布状体32を形成し、得られた布状体32を複数枚積層して、加熱圧縮し、その後に冷却圧縮することで一体化されて形成される。
前記シート状の積層体3は、積層される枚数によりシート状の積層体の強度を変更させることができるから、本発明の靴、サンダル等履き物における支持部材の使用部位に応じた強度となるように、積層体の強度を革材に近い強度から皮革等では得られない高い強度とすることができる。
本実施形態において、線条体31は、布状体32を形成しうるものであれば任意であり、例えば、テープ、ヤーン、スプリットヤーン、モノフィラメント、マルチフィラメント等を用いることができる。
また、線条体31を構成する熱可塑性樹脂としては、延伸効果の大きい樹脂、一般には結晶性樹脂が使用され、具体的には、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレンブロック共重合体等のオレフィン系重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド等を用いることができる。中でも加工性と経済性、さらには比重の小ささから高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体が好ましい。
線条体31は、一例として低融点樹脂成分と高融点樹脂成分とを含んでいることが望ましい。線条体31を加熱して積層体を形成する際、低融点樹脂成分が溶融し、高融点樹脂成分が溶融しない程度の温度で加熱することにより、低融点樹脂成分が接触成分となり、高融点樹脂成分は強化繊維となる。
低融点樹脂成分及び高融点樹脂成分は、線条体31を構成する樹脂中に本来的に含まれている低融点樹脂成分と高融点樹脂成分であってもよく、線条体31に意図的に低融点樹脂成分の部位と高融点樹脂成分の部位とを形成したものであってもよい。
前者の場合では、図32(a)に示すように、線条体31は基層311のみの単層とすることができる。後者の場合では、図32(b)、図32(c)に示すように、線条体31は基層311の片面又は両面に基層311よりも融点の低い熱可塑性樹脂からなる表面層312が積層された積層構造とすることができる。また、後者の場合には、図32(d)に示すように、基層311よりも融点の低い熱可塑性樹脂からなる表面層312が基層311を覆う芯鞘構造であってもよく、図32(e)に示すように、基層311より融点の低い熱可塑性樹脂313を分散させた海島構造であってもよい。
布状体32は、線条体31を用いてシート状に形成されている。布状体32は、一例として線条体31を織って形成されている。具体的には、布状体32は、線条体31を経糸及び緯糸として、平織り、綾織り、繻子織等で織られている。布状体32は不織布として構成されていてもよい。
図33(a)において、複数枚の布状体32の間には、樹脂フィルム33が配置されている。この状態で、複数枚の布状体32及び樹脂フィルム33を加熱圧縮し、その後、冷却圧縮することで、図33(b)に示す積層体3が形成される。
このように形成された積層体3は、所望のサイズ及び所望の形状に合わせて裁断され、積層体を形成する。
本実施形態に係る積層体3を靴底に用いれば、特に運動競技で重要な動き出しの速さ、俊敏性を高めることができる。すなわちWindlass機構の補助促進を可能とする。
また、本実施形態に係る靴底15は、運動時、足幅方向の捩れに対しても同様に高い戻り弾性と復元力を発揮することができるため、足の前進方向のみならず横方向への動きに対しても強い推進力と高い俊敏性を発揮することができる。
さらに、積層体3は熱可塑性樹脂のみで構成されていることから比重が低く軽量であり、機械的強度も高い。このため、この積層体3により形成される靴底は、靴底として通常要求される剛性を備えた従来一般の靴底と同等の剛性で比較した場合、より薄く形成することができ、軽量で屈曲性も良好である。
したがって、積層体3を用いた靴底によれば、薄くなることで、靴の着用者の足との一体感が高まり、地面の感触等が足裏で知覚できる感覚(足裏感覚)が得られ、履き心地が良好であるといった格別な効果も得られる。
1 爪先支持部材
2 ソール部
21 前足部
22 中足部
23 後足部
24 大積層体
25 小積層体
25a 楕円体
25b 矩形体
25c 凹部欠損
25d 形状
26 スリット
27 リブ
3 積層体
31 線条体
311 基層
312 表面層
313 熱可塑性樹脂
32 布状体
33 樹脂フィルム
4 型
5 アッパー部支持部材
51 通し孔部分
6 アッパー部材
8 帯状部材
9 支持部材
91 舌片部
10 トップライン固定部材
11 支持部材
12 ブーツ
121 ブーツアッパー部材
122 係止支持部材
123 面ファスナフック部材
124 面ファスナループ部材
125 脛部支持部材
126 爪先支持部材
13 ブーツ
131 支持部材
14 ヒール部支持部材
15 靴底

Claims (5)

  1. 延伸された熱可塑性樹脂からなる線条体により形成された布状体が複数枚積層され加熱圧縮された積層体を用いて形成されてなり、
    足の爪先の上部又は該爪先の上部を含む甲の上部を支持することを特徴とする履物の支持部材。
  2. 延伸された熱可塑性樹脂からなる線条体により形成された布状体が複数枚積層され加熱圧縮された積層体を用いて形成されてなり、
    靴紐の通し孔部分の一部又は全部の表面又は裏面に設けてなることを特徴とする履物の支持部材。
  3. 足掛け帯体を少なくとも一条有するサンダルにおいて、
    延伸された熱可塑性樹脂からなる線条体により形成された布状体が複数枚積層され加熱圧縮された積層体を用いて形成されてなり、
    足の甲の上部の少なくとも一部を被覆し、前記足掛け帯体に連結されることを特徴とする履物の支持部材。
  4. 延伸された熱可塑性樹脂からなる線条体により形成された布状体が複数枚積層され加熱圧縮された積層体を用いて形成されてなり、
    前記積層体は、帯状に形成されてなり、
    帯状の一端が、足の中足部から膝下近傍で、足の外側部から後部を経て内側部までを覆うように構成され、足の甲から脛部分に位置する前面側が開放された断面U字状のブーツアッパー部材の前面側の一方に、固定され、前記ブーツアッパー部材の他方には、面ファスナループ部材が設けられ、
    他端に面ファスナフック部材が取り付けられており、
    前記他端と、前記ブーツアッパー部材の他方とを着脱可能に形成されてなることを特徴とする履物の支持部材。
  5. 延伸された熱可塑性樹脂からなる線条体により形成された布状体が複数枚積層され加熱圧縮された積層体を用いて形成されてなり、
    足の中足部から膝下近傍で、足の外側部から後部を経て内側部までを覆うように構成され、足の甲から脛部分に位置し、前足側が開放された断面U字状のブーツアッパー部材の前足側の開放された脛部分を覆うように設けられたことを特徴とする履物の支持部材。
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