JP2021110034A - 銅粉体 - Google Patents

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Abstract

【課題】焼結開始温度を高く、充填性に優れた銅粉体を提供すること。
【解決手段】銅粉体は、電子顕微鏡観察の画像解析で得られた平均粒子径(D50SEM)が0.1μm以上0.5μm以下であり、平均円形度が0.80以上であり、かつ、平均粒子径(D50SEM)とBET比表面積(SBET)とが下記の(式1)の関係式を満たす。また、銅粉体は、平均粒子径(D50SEM)に対する平均結晶子径(D)の比(D/D50SEM)が0.1以上0.5以下である。
【数1】
Figure 2021110034

【選択図】なし

Description

本発明は、銅粉体に関する。
微細な金属粒子の集合体である金属粉や金属粉を含む導電性ペーストは、低温同時焼成セラミックス(LTCC)基板の配線や端子、積層セラミックコンデンサ(MLCC)の内部電極や外部電極など、各種電子部品を製造するための原材料として幅広く利用されている。特に、銅粉体は、銅の高い導電性に起因し、MLCCの内部電極の薄膜化や外部電極の小型が可能であること、周波数特性の大幅な改善が可能であることから、従来多用されてきたニッケル粉や銀粉に替わる材料として期待されている。
例えば、MLCCの電極形成に用いる導電性ペースト用の銅粉体として、次のような技術が提案されている。
特許文献1は、焼結遅延性に優れた、表面処理された銅粉体等についての開示がある。銅粉体に対して、カップリング処理をすることで、銅粉体表面にAl、Si等の元素からなる表面処理層を設けることで、焼結開始温度を高温化させることができると記載されている。
また、特許文献2には、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置によって測定される体積累積粒径D50が0.20μm〜0.70μmであり、かつ、当該D50に対する結晶子径の比率(結晶子径/D50)が0.15〜0.60(μm/μm)であり、且つ、比表面積に対する酸素量(O量)の割合が0.10〜0.40(wt%・g/m2)であることを特徴とする銅粉体が記載されている。
特開2003−16832号公報 国際公開第2015/122251号
銅の融点(約1083度)はニッケルの融点(約1455度)よりも低く、銅粉体の微細化に伴って、銅粉体の比表面積は増加するため、銅粉体の融点はさらに低下する。このため、微細な銅粉体が積層セラミックコンデンサ(MLCC)の内部電極に用いられた場合、比較的低温で銅粉体の溶融が開始され、電極層にクラックが発生する問題があった。また、銅粉体の融点が低くなる程、降温時の電極層の収縮によって誘電層と電極層との剥離が起こる問題もあった。したがって、このような問題を解決するためには、電極層の焼結開始温度が、誘電層の焼結開始温度に近いことが重要となる。具体的には、電極層を形成する銅粉体の焼結開始温度を高くする必要がある。また、銅粉体を導電性ペーストとして用いる場合、銅粉体の充填性を更に向上させることが望まれていた。
しかしながら、特許文献1では、焼結開始温度を高くすることは記載されているが、その手段はあくまで、銅粉体表面に対して表面処理(カップリング処理)を行うことのみであり、充填性を更に向上させることについての課題は記載されていない。
また、特許文献2では、その目的は、微粒銅粉体であっても、圧粉抵抗が低く優れた導電性を確保することができる銅粉体を提供することであり、球形状または略球形状の銅粒子を含有する銅粉体であれば、特に優れた分散性を得ることができるとの記載がある通り、充填性を更に向上させるという意図はない。
そこで、本発明は、焼結開始温度が高く、充填性の高い銅粉体を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態に係る銅粉体は、電子顕微鏡観察の画像解析で得られた平均粒子径(D50SEM)が0.1μm以上0.5μm以下であり、平均円形度が0.80以上であり、かつ、平均粒子径(D50SEM)とBET比表面積(SBET)とが(式1)の関係式を満たす。
Figure 2021110034
また、銅粉体は、平均粒子径(D50SEM)に対する平均結晶子径(D)の比(D/D50SEM)が0.1以上0.5以下であってもよい。
また、銅粉体は、(式2)で表されるスパンSが、0.5以上1.0以下であってもよい。
Figure 2021110034
(ここで、(式2)のD90SEMおよびD10SEMは、それぞれ電子顕微鏡観察の画像解析で得られた体積基準の粒子径ヒストグラムにおける累積頻度が90%および10%のときの粒子径を表す)
また、銅粉体は、1000℃における熱収縮率が17%以下であってもよい。
本発明によると、焼結開始温度が高く、充填性の高い銅粉体を提供することができる。また、本発明の銅粉は焼結開始温度が高いため、MLCCの内部電極に利用すれば、電極層のクラックの発生や降温時の電極層の収縮による誘電層と電極層との剥離を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施形態や実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。
[1.銅粉体の製造方法]
本発明の一実施形態に係る銅粉体は、複数の銅粒子を含む銅粉体である。以下、本実施形態に係る銅粉体の製造方法について説明する。
[1−1.塩化銅ガスの生成]
本実施形態に係る銅粉体の製造方法では、塩化銅ガスを用いる。塩化銅ガスは、金属銅を原料として、金属銅と塩素ガスとを反応させることにより生成する。本製造方法を用いた塩化銅ガスは、原料として塩化銅ではなく、塩化銅よりも安価な金属銅を用いており、コストを抑制することができる。また、金属銅を用いることで塩化銅ガスの生成量を制御することができるため、塩化銅ガスの供給量を安定化させることができる。
具体的な塩化銅ガスの製造方法としては、金属銅をその融点以下(例えば800℃以上1000℃以下)で塩素ガスと反応させることによって、塩化銅ガスを生成させることができる。塩素ガスは、実質的に塩素のみを含有するものであってもよく、窒素やアルゴンなどの希釈用の不活性ガスを含有する混合ガスであってもよい。混合ガスを用いることで、金属銅と反応させる塩素の量を容易に、かつ精密に制御することが可能となる。
[1−2.塩化銅の還元]
次に、生成させた塩化銅ガスと還元性ガスとを反応させて塩化銅を還元し、銅粉体の一次粉体を生成させる。還元性ガスとしては、例えば、水素やヒドラジン、アンモニア、メタンなどを用いることができる。還元性ガスは、塩化銅ガスに対して化学量論量以上用いることができる。また、生成させた銅粉体の一次粉体を不活性ガスにより急冷する。なお、本実施形態においては、還元反応後の冷却速度が、連結粒子の発生に関連があるため、これらの適切な条件等については後述する。
[1−3.塩素成分の低減]
塩化銅の還元においては、銅粉体とともに塩化水素も生成される。また、未反応の塩素が還元性ガスと反応することによっても塩化水素が生成される。これらの塩化水素は、銅粉体の純度低下の一因となる。塩化水素に由来する塩素が塩化銅として銅粉体に残留すると、銅粉体を用いて作製される電極や配線の劣化を加速させる要因となる。そこで、上記の製造方法によって得られた銅粉体に対し、銅粉体が含有する塩素成分を低減するための処理を行ってもよい。
具体的には、銅粉体を塩基の水溶液あるいは懸濁液で処理することで、塩素成分の除去を行うことができる。塩基の水溶液としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物が挙げられる。塩基濃度は、0.1モル/L以上、あるいは0.5モル/L以上でよく、1.5モル/L以下、あるいは1.2モル/L以下とすることができる。
[1−4.酸素成分の低減]
銅は比較的酸化されやすい金属であるため、銅粉体の酸化は、銅粒子の表面だけでなく内部まで進行しやすい。酸化が進行すると銅粒子の表面に酸化銅の層が形成されるとともに、凹凸が発生する。このような酸化に起因する凹凸は、銅粉体を用いて形成される配線や電極の導電性の低下や表面の平坦性低下の原因となり、その結果、電子部品における電気抵抗の増大や接触不良を誘発する。また、焼結時における熱収縮率が増大するため、配線や電極の剥離が生じやすくなる。そこで、上記の製造方法によって得られた銅粉体に対して、銅粉体の酸素成分の低減のために、酸化銅を除去する、または酸素含有量を低減する処理を行ってもよい。
具体的には、塩素成分の低減処理を行った後の銅粉体を、アスコルビン酸やヒドラジン、クエン酸などを含む溶液、または懸濁液を洗浄液として用いて、酸素含有量を低減する。その後、水で洗浄し、ろ過し、乾燥する。
以下、酸素含有量の低減処理で使用可能な溶液や懸濁液を総じて洗浄液と記す。洗浄液中の溶媒は水やエタノールやイソプロピルアルコールなどのアルコール、アセトンやメチルエチルケトンなどのケトン類、あるいはこれらの混合溶媒が挙げられる。
なお、本実施形態においては、アスコルビン酸の濃度が、酸化に起因する凹凸の発生に関連があるため、これらの適切な条件等については後述する。
[1−5.表面処理]
上述したように、銅は比較的酸化されやすい金属である。そこで、銅粒子の表面の酸化を抑制するため、上記の製造方法によって得られた銅粉体に対して、表面処理を行ってもよい。
具体的には、表面処理剤を含む溶液または懸濁液で銅粉体を処理する。表面処理剤としては、ベンゾトリアゾールとその誘導体、トリアゾールとその誘導体、チアゾールとその誘導体、ベンゾチアゾールとその誘導体、イミダゾールとその誘導体、およびベンゾイミダゾールとその誘導体などの含窒素ヘテロ芳香族化合物に例示される材料を使用することができる。
[1−6.その他の工程]
任意の工程として、得られる銅粉体を乾燥、分級、解砕、篩別などの工程を行ってもよい。分級は乾式分級でも湿式分級でもよく、乾式分級では、気流分級、重力場分級、慣性力場分級、遠心力場分級など、任意の方式を採用できる。解砕は、例えば、ジェットミルを用いて行うことができる。篩別は、所望のメッシュサイズを有する篩を振動させ、これに銅粉体を通過させることで行うことができる。分級、解砕、篩別処理を行うことで、銅粉体の粒子径分布をより小さくすることが可能である。
[2.銅粉体の特性]
本発明の一実施形態に係る銅粉体の特性は、以下の通りである。
[2−1.平均粒子径]
銅粉体の平均粒子径とは、銅粉体の体積基準の粒子径ヒストグラムにおける累積頻度が50%になるときの粒子径のことをいう。銅粉体の体積基準の粒子径とは、銅粉体に含まれる各粒子の体積で重みづけられた粒子径である。以下の式で表されるように、粒子径d(iは1からkの自然数、i≦k)を有する粒子の総体積を粉体に含まれる全粒子の総体積で除すことで、粒子径dを有する粒子の頻度Fが得られる。この頻度Fを累積し、50%となるときの粒子径がメジアン径D50である。ここでは、電子顕微鏡観察の画像解析で得られた平均粒子径をD50SEM、レーザー回析法で得られた平均粒子径をD50として表記する。
Figure 2021110034
ここで、Vは、粒子径dを有する銅粒子の体積であり、nは粒子径dを有する銅粒子の個数である。
以下に、電子顕微鏡の画像解析で得られた平均粒子径(D50SEM)における体積Vおよび粒子径dの算出方法について説明する。銅粉体を光学顕微鏡や電子顕微鏡で観察した顕微鏡写真において、輪郭が確認された銅粒子(例えば100個から10000個、典型的には500個)を目視観察する。次いで、目視観察された銅粒子の表面積Sから、下式により、粒子径dを算出する。
Figure 2021110034
次いで、算出された粒子径dから、下式により、銅粒子の体積Vを算出する。
Figure 2021110034
具体的には、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM:株式会社日立ハイテクノロジーズ製 SU5000)を用いて、倍率15000倍におけるSEM像の一つの視野中に存在する約500個の銅粒子を画像解析ソフト(株式会社マウンテック製 Macview4.0)を用いて解析することができる。
また、レーザー回折法で得られた平均粒子径(D50)は、上述したように、体積基準の平均粒子径をいう。
具体的には、例えば、粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製 レーザー回折/散乱式粒度分布装置LA−960)を用いて、粒度分布を体積基準で作成し、その中央値を平均粒子径とすることで測定することができる。
本実施形態に係る銅粉体の平均粒子径(D50SEM)は、0.1μm以上0.5μm以下であることが好ましい。この範囲を満たす銅粉体を焼結することで、厚さの小さい金属膜を与えることができるため、例えばMLCCの電極の薄膜化、LTCC基板などの電子部品の配線や端子の微細化などに寄与することができる。また、銅粒子の凝集を抑制することができ、このことは銅粉体の取り扱いを容易にする。
電極層の更なる薄膜化の課題に対応するために、平均粒子径(D50SEM)の上限は0.5μm以下であることが必要であり、0.4μm以下であることが好ましく、0.35μm以下であることがさらに好ましい。平均粒子径(D50SEM)の下限は0.1μm以上であることが必要である。更に平均粒子径(D50SEM)の下限が小さい銅粉体は、製造することが困難であり、また、あまりに平均粒子径(D50SEM)が小さいと、銅粒子同士が凝集し易くなって、取り扱いが困難になってしまう可能性がある。平均粒子径(D50SEM)が0.1μm以上0.5μm以下の銅粉体は、気相成長法の条件の適正化で得ることができる。
銅粉体の平均粒子径(D50SEM)および平均粒子径(D50)は、金属銅の塩化時の温度、塩素ガスの流量、塩素ガスと希釈ガスの比率、塩化銅の還元時の温度、塩化銅ガスと還元性ガスの流量比などの条件を適宜設定することで、上述した範囲で制御することができる。
[2−2.BET比表面積(SBET)]
比表面積とは、単位量あたり(通常は1gあたり)の表面積である。比表面積は表面の構造や粒子の構造に関する重要な物性値である。
BET法は、気相吸着法による粉体の表面積の測定法である。BET法では、吸着等温線から1gの試料の持つ表面積、すなわち比表面積を求める。すなわち、BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けることによって比表面積を求めることができる。吸着気体として、例えば、窒素ガス、アルゴンガス、クリプトンガス、一酸化炭素ガス、または二酸化炭素ガスを用いることができ、吸着量は、被吸着気体の圧力、または容積の変化から測定することができる。なお、本明細書においては、BET法を用いて吸着気体として窒素ガスによって測定された比表面積を、BET比表面積(SBET)として記載する。
BET法の具体的な測定は、前処理として120度の温度で真空脱気を行い、吸着ガスとして窒素ガスを吸着させ、BET式からBET比表面積を算出する。具体的には、例えば、全自動比表面積測定装置 Macsorb(登録商標)測定装置(株式会社マウンテック製)を用いて、BET比表面積を算出することができる。
[2−3.D50SEMとSBETとの関係式]
また、本実施形態に係る銅粉のBET比表面積(SBET)と平均粒子径(D50SEM)とは(式1)の関係式を満たす。
Figure 2021110034
(式1)の左辺は以下のように展開することができる。ここで、銅粒子が直径D50SEMの真球であると仮定し、銅粒子の密度をρとする。
Figure 2021110034
したがって、(式1)の左辺は密度に相関のあるパラメータであるということができる。
銅粒子の密度が高い場合、銅原子の結合が強いと考えることができる。逆に、銅粒子の密度が低い場合、銅原子の結合が弱いと考えることができる。そのため、(式1)の左辺は、銅原子の結合の強さを表したものと考えることもできる。(式1)を満たす銅粉体は、銅粒子の銅原子の結合が強く、焼結開始温度が高くなり、電極層のクラックの発生や降温時の電極層の収縮による誘電層と電極層との剥離を抑制することができる。
また、D50SEMとSBETとは、粒子形状が均一である場合、反比例の関係になる。粒子形状が楕円形状であることや、粒子表面上に凹凸が存在すると、SBETが大きくなるため、6/(D50SEM・SBET)の値は小さくなる。そこで、本発明者らは、6/(D50SEM・SBET)に着目することで、球形である粒子の存在割合の指標に結びつくと考え、充填性の評価指標の一つとした。
[2−4.平均円形度]
本発明の銅粉体は、その形状が真球に近い。より具体的には、銅粉体の平均円形度は、例えば0.80以上であることが好ましく、0.88以上であることが好ましく、0.91以上であることがさらに好ましい。平均円形度とは、銅粉体の形状を表すパラメータの一つであり、銅粉体を顕微鏡観察して得られる画像を解析し、複数の(例えば500個)粒子について円形度Cを求め、それを平均した値である。個々の各銅粒子の円形度Cは、以下の式によって表される。
Figure 2021110034
ここで、Aは顕微鏡像中における各粒子の投影面の周囲長、Bはこの投影面の面積と等しい面積の円の周囲長である。本発明の銅粉体は、高い平均円形度のため、充填性が良好となる。
[2−5.平均結晶子径]
結晶子径とは、単結晶とみなせる領域の長さを表す指標である。個々の銅粒子は、単一または複数の結晶子を有している。平均結晶子径は、個々の銅粒子の結晶子の大きさの平均値である。平均結晶子径は、銅粉体に対してX線回折の測定によって得られる各種のパラメータ(使用するX線の波長λ、回折X線の広がりの半値幅β、ブラッグ角θ)を、下記式に示すシェラーの式に代入して計算することで得られる値として定義される。ここで、Kはシェラー定数である。
Figure 2021110034
平均結晶子径の具体的な測定条件としては、加速電圧45kV、放電電流40mAの条件を用いることができ、例えば、X線回折装置(スペクトリス株式会社製 X’PertPro)を用いて、CuKα線で銅結晶の(111)面の回折ピークの半値幅を求め、上記式のシェラーの式により平均結晶子径を算出することができる。なお、本明細書においては、平均結晶子径を、Dとして記載する。
[2−6.比(D/D50SEM)]
本実施形態に係る銅粉体の平均粒子径(D50SEM)に対する平均結晶子径(D)の比(D/D50SEM)は、0.10以上0.50以下であることが好ましい。この範囲に含まれる銅粉体は、気相成長法を用いて適切な成長条件によって得ることができる。気相成長法は、高温で成長させることにも起因して、平均結晶子径が大きな銅粉体を得ることができる。0.10以上であると平均結晶子径が大きくなり、焼結開始温度が高くなるため好ましい。0.50より大きいことは好ましいが、それほどまでに結晶子径が大きな銅粉体を得ることは困難なため、平均結晶子径の上限は0.50が好ましい。
[2−7.比(D50/D50SEM)]
本実施形態に係る銅粉体の電子顕微鏡観察の画像解析で得られた平均粒子径(D50SEM)に対するレーザー回折法による平均粒子径(D50)の比(平均粒子径(D50)/平均粒子径(D50SEM))は、1.8以下、好ましくは1.7以下である。
平均粒子径(D50)/平均粒子径(D50SEM)が、上記範囲内であると、銅粉体同士の凝集が少なくなるため、銅粉体の分散性を高くすることができる。
[2−8.スパンS]
本実施形態に係る銅粉体の粒子径は、ばらつきが小さく、粒子径分布が狭いため、充填性が高い。より具体的には、(式2)で表されるスパンSが0.5以上1.0以下であることが好ましく、0.5以上0.7以下であることがさらに好ましい。
Figure 2021110034
ここで、D90SEMとD10SEMとは、それぞれ電子顕微鏡観察の画像解析で得られた体積基準の粒子径ヒストグラムにおける累積頻度が90%と10%になるときの粒子径であり、粒子径分布を表す指標である。
[2−9.熱収縮率]
本実施形態に係る銅粉体の1000℃における熱収縮率は、17%以下であり、好ましくは15%以下である。
一般に、銅粒子を含む導電性ペーストより形成される銅粉体の塗膜は、銅粒子間に細かな隙間が生じており、この隙間をなくし充填性を高めることで、より低抵抗な銅塗膜を得ることができる。
本実施形態に係る銅粉体は、上記範囲内であることにより、これを用いて得られる導電性ペーストより形成した塗膜の銅粒子間の隙間が容易に埋まるため、より電気抵抗値を低減することが可能となる。
熱収縮率は以下の方法で決定した。銅粉体を直径5mm、高さ約40mmの円筒状の筒体に充填した。筐体の上部からポンチを押し込み、0.87ton/cmで10秒間加圧し、銅粉体を高さ約5mmの円柱状に成形した。この成形体を長軸が鉛直方向となるように配置し、長軸方向に98.0mNの荷重を付与しながら昇温炉で加熱した。加熱は、2体積%の水素ガスを含む窒素ガスの気流下(流速300mL/min)、5℃/minの昇温速度で室温(20℃)から1000℃まで行った。加熱中、成形体の高さ変化(膨張・収縮)をモニターし、下記の(式3)に従って、1000℃における熱収縮率を算出した。
Figure 2021110034
ここで、h20は、20℃における成形体の高さであり、h1000は、1000℃における成形体の高さである。
本実施形態に係る気相成長法による銅粉体の製造において、本発明者らは、特に、塩化銅と還元性ガスとの還元反応により得られた銅粉体の冷却速度と、洗浄液中のアスコルビン酸濃度とに着目した。その理由は、塩化銅と還元性ガスとの還元反応により得られた銅粉体の冷却速度を調整することで、連結粒子を少なくすることができるため、充填性が向上した銅粒子を得ることができるからである。また、洗浄液中のアスコルビン酸濃度を調整することで、銅粒子表面の酸化銅を除去することができるため、凹凸を減少させ、充填性が向上した銅粒子を得ることができるからである。
したがって、塩化銅と還元性ガスとの還元反応により得られた銅粉体の冷却速度は、500℃/秒以上、好ましくは750℃/秒以上、さらに好ましくは1000℃/秒以上である。
また、洗浄液中のアスコルビン酸濃度は、5質量%以上25質量%以下、あるいは10質量%以上20質量%以下でよい。
なお、塩化銅と還元性ガスとの還元反応により得られた銅粉体の冷却速度とは、還元反応で生成された銅粉体の温度と冷却用不活性ガスを還元反応で生成された銅粉体に接触させて、該銅粉体の温度を下げたときの温度差を、該温度差を得るのに要した時間で除した値をいう。
以下に実施例をあげて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
塩化炉に、原料として平均直径1.5cmの球状の金属銅を設置し、塩化炉の温度を900℃に加熱した。塩化炉の上部の塩素導入管から導入された混合ガスの塩素ガスと窒素ガスの体積比は29:61であった。また、塩化炉の下部の塩素導入管から導入された混合ガスの塩素ガスと窒素ガスの体積比は2:98であった。その結果、塩化炉の上部の塩素導入管および下部の塩素導入管から導入された混合ガスの塩素ガスと窒素ガスの体積比は1:0.17であった。このような条件の下で、金属銅と塩素ガスを反応させて、塩化銅ガスを生成させた。
生成させた塩化銅ガスを1150℃に加熱した還元炉に導入した。また、塩化銅ガスに対して4600モル%の水素ガスおよび塩化銅ガスに対して24600モル%の窒素ガスを還元炉に導入した。塩化銅が還元され、銅を生成させた。生成させた銅を、窒素ガスを用いて、冷却速度750℃/秒で冷却して個々の銅粒子とし、銅粒子の集合体として銅粉体を得た。
引き続き、得られた銅粉体に対して、塩素成分と酸素成分の低減処理を行った。具体的には、得られた銅粉体に対して、40重量%の水酸化ナトリウム水溶液(約300mL)、10重量%のアスコルビン酸水溶液(約300mL)を加え、得られた混合物を室温(25℃)で30分間攪拌した。攪拌終了後、混合物をろ過し、水で洗浄し、乾燥することで、塩素成分と酸素成分が低減された銅粉体を得た。
その後、表面安定化処理を行った。具体的には、アスコルビン酸水溶液で処理した銅粉体に対して、室温(25℃)で0.30重量%のベンゾトリアゾールを表面処理剤として含む水溶液(約300mL)を加え、得られた混合物を30分間攪拌した。攪拌終了後、混合物を静置し、上澄みを除去し、乾燥することにより、実施例1の銅粉体を得た。
(実施例2)
冷却速度を500℃/秒とした以外は、実施例1と同様の条件で、実施例2の銅粉体を得た。
(実施例3)
冷却速度を500℃/秒、アスコルビン酸濃度を20質量%とした以外は、実施例1と同様の条件で、実施例3の銅粉体を得た。
(実施例4)
冷却速度を1000℃/秒、アスコルビン酸濃度を20質量%とした以外は、実施例1と同様の条件で、実施例4の銅粉体を得た。
(実施例5)
冷却速度を1000℃/秒とした以外は、実施例1と同様の条件で、実施例5の銅粉体を得た。
(実施例6)
冷却速度を750℃/秒、アスコルビン酸濃度を20質量%とした以外は、実施例1と同様の条件で、実施例6の銅粉体を得た。
(比較例1)
比較例1の銅粉体は、特開2007−254846号に開示された湿式法を利用して、比較例1の銅粉体を得た。
(比較例2)
比較例2の銅粉体は、特許文献1に開示された湿式法を利用して、比較例2の銅粉体を得た。
<評価>
実施例1〜6、ならびに比較例1および比較例2の銅粉体の平均粒子径D50SEM、D10SEM、D90SEM、平均粒子径D50、平均円形度、比表面積SBET、平均結晶子径D、焼結開始温度および熱収縮率を測定した。
<平均粒子径D50SEM、D10SEM、D90SEM
平均粒子径D50SEM、D10SEM、D90SEMは、以下のように測定した。走査型電子顕微鏡(SEM:株式会社日立ハイテクノロジーズ製 SU5000、以下同様)を用いて、倍率15000倍におけるSEM像の一つの視野中に存在する500個の銅粒子の像を画像解析ソフト(株式会社マウンテック製 Macview4.0)を用いて解析した。この解析で得られた個々の銅粒子の粒子径から平均粒子径D50SEM、D10SEM、D90SEMを算出した。
<平均粒子径D50
平均粒子径D50は、以下のように測定した。アルコール溶媒に対しレーザー光透過率が80〜90%となるように銅粉体を加え、5分間、超音波で分散させた後、粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製 レーザー回折/散乱式粒度分布装置LA−960)により、平均粒子径D50を測定した。
<平均円形度>
平均円形度は、以下のように測定した。SEMを用い、倍率15000倍におけるSEM像の一つの視野中に存在する約500個の銅粒子を画像解析ソフト(株式会社マウンテック製 Macview4.0)を用いて解析し、約500個の銅粒子の各々について円形度Cを求め、その平均から平均円形度を算出した。
<比表面積SBET
比表面積SBETは、以下のように測定した。JIS R 1626−1996(ファインセラミックス粉体の気体吸着BET法による比表面積の測定方法)の「6.2 流動法の(3.5)一点法」に準拠して、前処理温度120度で真空脱気を行い、窒素ガスを吸着させた後、全自動比表面積測定装置Macsorb(登録商標)測定装置(株式会社マウンテック製)により、比表面積SBETを測定した。
<平均結晶子径D>
平均結晶子径Dは、X線回折装置(スペクトリス株式会社製 X’PertPro)を用い、加速電圧45kV、放電電流40mAの条件で発生させたCuKα線で得られた銅結晶の(111)面の回折ピークの半値幅とシェラーの式により算出した。
<焼結開始温度>
焼結開始温度は以下の方法で決定した。銅粉体を直径5mm、高さ約40mmの円筒状の筒体に充填した。筐体の上部からポンチを押し込み、0.87ton/cmで10秒間加圧し、銅粉体を高さ約5mmの円柱状に成形した。この成形体を長軸が鉛直方向となるように配置し、長軸方向に98.0mNの荷重を付与しながら昇温炉で加熱した。加熱は、2体積%の水素ガスを含む窒素ガスの気流下(流速300mL/min)、5℃/minの昇温速度で室温(25℃)から1000℃まで行った。加熱中、成形体の高さ変化(膨張・収縮)をモニターし、熱機械分析曲線を得た。この熱機械分析曲線に基づき、成形体の高さの変化(収縮)が始まり、その収縮率が5%に達した時の温度を焼結開始温度として採用した。また、焼結開始温度の判定基準は、焼結開始温度が680℃以上を「良」、焼結開始温度が660℃以上680℃未満を「可」、焼結開始温度が660℃未満を「不可」とした。
<熱収縮率>
熱収縮率は以下の方法で決定した。銅粉体を直径5mm、高さ約40mmの円筒状の筒体に充填した。筐体の上部からポンチを押し込み、0.87ton/cmで10秒間加圧し、銅粉体を高さ約5mmの円柱状に成形した。この成形体を長軸が鉛直方向となるように配置し、長軸方向に98.0mNの荷重を付与しながら昇温炉で加熱した。加熱は、2体積%の水素ガスを含む窒素ガスの気流下(流速300mL/min)、5℃/minの昇温速度で室温(20℃)から1000℃まで行った。加熱中、成形体の高さ変化(膨張・収縮)をモニターし、上述した(式3)に従って、1000℃における熱収縮率を算出した。
熱収縮率の判定基準は、熱収縮率が15%以下を「良」、熱収縮率が17%以下を「可」、熱収縮率が17%超を「不可」とした。1000℃における熱収縮率が17%以下であると、充填性が向上し、これを用いて得られる導電性ペーストより形成した塗膜の銅粒子間の隙間が容易に埋まり、より電気抵抗値を低減することが可能となる。
以上の評価結果を、各種パラメータとともに表1に示す。
Figure 2021110034
Figure 2021110034
実施例1〜6の銅粉体は気相成長法で作製されているため、平均粒子径D50SEMあるいは平均粒子径D50が小さく、平均結晶子径Dが大きい。その結果、D/D50SEMが大きく、焼結開始温度が660℃以上と高かった。この結果は、湿式法で作製される比較例1の結果と対照的である。実施例1〜6の銅粉体は、焼結開始温度が660℃以上と高温であるため、MLCCの内部電極に利用すれば、電極層のクラックの発生やMLCC中の銅粉体と誘電体とを焼結する際に生じる剥離を抑制することができ、高い歩留まりでMLCCを提供することができる。
なお、比較例2の銅粉体は、D/D50SEMが小さいにもかかわらず、焼結開始温度が720℃と高い。比較例2は湿式法で作製され、カップリング処理を行っている影響により、複数の物質(Si、Al、Zn等)が銅粉体表面に付着している可能性が高い。そのため、銅粉体表面の不純物の影響により焼結開始温度が高くなったと推察される。
また、比較例1および2の銅粉体と対照的に、実施例1〜6の銅粉体の6/(D50SEM・SBET)が5.5以上であるため、1000℃における熱収縮率が17%以下であり、良好な値だった。
また、比較例1および2の銅粉体と対照的に、実施例1〜6の銅粉体の平均円形度が0.88以上と高かった。とくに、実施例3、4および6は0.91以上と非常に良好な値だった。
また、比較例1および2の銅粉体と対照的に、実施例1〜6の銅粉体のD50/D50SEMが1.8以下であり、良好な値だった。
本発明の一実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜構成要素を組み合わせて実施することができる。また、本発明の一実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
また、本発明の一実施形態によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
本発明による銅粉体は、焼結開始温度が高く、充填性が良好という特徴を有する。そのため、MLCCの電極に好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. 電子顕微鏡観察の画像解析で得られた平均粒子径(D50SEM)が0.1μm以上0.5μm以下であり、平均円形度が0.80以上であり、かつ、前記平均粒子径(D50SEM)とBET比表面積(SBET)とが(式1)の関係式を満たす銅粉体。
    Figure 2021110034
  2. 前記平均粒子径(D50SEM)に対する平均結晶子径(D)の比(D/D50SEM)が0.1以上0.5以下である請求項1に記載の銅粉体。
  3. (式2)で表されるスパンSが、0.5以上1.0以下である請求項1または請求項2に記載の銅粉体。
    Figure 2021110034
    (ここで、(式2)のD90SEMおよびD10SEMは、それぞれ電子顕微鏡観察の画像解析で得られた体積基準の粒子径ヒストグラムにおける累積頻度が90%および10%のときの粒子径を表す)
  4. 1000℃における熱収縮率が17%以下である請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の銅粉体。
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