JP2021109941A - 低誘電樹脂組成物 - Google Patents
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- Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
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Abstract
Description
(a)下記式(1)で表されるマレイミド化合物
及び
(b)アミノ基又はチオール基を1分子中に少なくとも2個有する化合物
を含有する低誘電樹脂組成物。
<2>
式(1)中のAで示される有機基が下記構造式で示される4価の有機基のいずれかである<1>に記載の低誘電樹脂組成物。
<3>
前記(b)成分が脂肪族アミン又は脂肪族チオールである<1>又は<2>に記載の低誘電樹脂組成物。
<4>
更に(c)(メタ)アクリル基を有する化合物を含有する<1>〜<3>のいずれか1項に記載の低誘電樹脂組成物。
<5>
(c)(メタ)アクリル基を有する化合物が炭素数10以上の(メタ)アクリレートである<4>に記載の低誘電樹脂組成物。
<6>
前記(a)成分中のマレイミド基のモル数na、前記(b)成分中のアミノ基nb1及びチオール基のモル数nb2、並びに前記(c)成分中の(メタ)アクリル基のモル数ncが、0.05≦(nb1+nb2)/(na+nc)≦1である<4>又は<5>に記載の低誘電樹脂組成物。
<7>
更に、前記(a)成分と(b)成分との付加反応物を含有する<1>〜<6>のいずれか1項に記載の低誘電樹脂組成物。
<8>
更に、前記(a)〜(c)成分の付加反応物を含有する<4>〜<6>のいずれか1項に記載の低誘電樹脂組成物。
<9>
更に(d)硬化触媒を含有する<1>〜<8>のいずれか1項に記載の低誘電樹脂組成物。
<10>
更に(e)無機粒子を含有する<1>〜<9>のいずれか1項に記載の低誘電樹脂組成物。
(a)成分のマレイミド化合物は、本発明の低誘電樹脂組成物の主成分となるものであり、下記式(1)で表されるマレイミド化合物である。
・単環式又は多環式の芳香族炭化水素
・独立した2以上の単環式又は多環式の芳香族炭化水素が単結合又は2価の有機基を介して結合した化合物
式(1)中のQは、下記構造式で示される芳香族環を有するアリーレン基のいずれかであることが更に好ましい。
[GPC測定条件]
展開溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.6mL/min
カラム:TSK Guardcolumn SuperH−L
TSKgel SuperH4000(6.0mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperH3000(6.0mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperH2000(6.0mmI.D.×15cm×2)
(いずれも東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:20μL(試料濃度:0.5質量%−テトラヒドロフラン溶液)
検出器:示差屈折率計(RI)
上記マレイミド化合物のマレイミド当量としては、特に制限はないが、0.4mol/100g以下であることが好ましく、0.3mol/100g以下であることがより好ましく、0.0001mol/100g以上0.2mol/100g以下であることが更に好ましい。この範囲であれば、硬化物の比誘電率、誘電正接をより小さくすることができる。
(b)成分は1分子中に少なくとも2個のアミノ基又はチオール基を有する化合物である。(b)成分の1分子中のアミノ基又はチオール基の数が2個又は3個であることが好ましく、2個であることが更に好ましい。(b)成分の1分子中のアミノ基又はチオール基の数がこの範囲内であれば、(a)成分のマレイミド基との架橋点の数を抑えることができ、組成物がゲル化することなく分子量を大きくすることができ、その硬化物を強靭化、低弾性化することができる。
これらの中でも、樹脂組成物の硬化物を低弾性化するために鎖状脂肪族アミン又は環状脂肪族アミン等の脂肪族アミンが好ましく、炭素数6〜60の鎖状脂肪族アミン又は環状脂肪族アミンがより好ましく、炭素数8以上40以下であり、かつ炭素数5以上の脂肪族環を1個以上含む環状脂肪族アミンが更に好ましい。
これらの中でも、本発明の樹脂組成物の硬化物を低弾性化することのできる脂肪族チオールが好ましく、中でもカルボキシ基又はエステル結合含有ジチオールがより好ましく、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)が特に好ましい。
[(c)(メタ)アクリル基を有する化合物]
(c)成分は(a)成分、(b)成分と良好に反応し、さらに樹脂組成物の接着力を向上させるものである。
(c)成分の(メタ)アクリル基を有する化合物としては特に制限はないが、好ましくは炭素数10以上の(メタ)アクリレートであり、より好ましくは炭素数12以上の(メタ)アクリレートであり、更に好ましくは炭素数14〜40の(メタ)アクリレートである。(メタ)アクリレートの炭素数が10以上であれば、樹脂組成物の硬化物を低弾性化することができる。
(d)成分の硬化触媒は、樹脂組成物を硬化させるための触媒である。硬化触媒としては、特に制限はないが、熱ラジカル重合開始剤、熱アニオン重合開始剤、光重合開始剤等が挙げられる。
(e)成分の無機粒子としては、例えば、シリカ、二酸化チタン、酸化イットリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム等の金属酸化物;窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の金属窒化物;炭化ケイ素、ダイヤモンド、グラフェン等の炭素含有粒子;シリカバルーン(中空シリカ)、カーボンバルーン、アルミナバルーン、アルミノシリケートバルーン等の中空粒子;金、銀、銅、パラジウム、アルミニウム、ニッケル、鉄、コバルト、チタン、マンガン、亜鉛、タングステン、白金、鉛、錫等の金属単体;半田、鋼、ステンレス鋼等の合金;ステンレス、Fe−Cr−Al−Si合金、Fe−Si−Al合金、Fe−Ni合金、Fe−Cu−Si合金、Fe−Si合金、Fe−Si―B(−Cu−Nb)合金、Fe−Si−Cr−Ni合金、Fe−Si−Cr合金、Fe−Si−Al−Ni−Cr合金等の磁性金属合金;ヘマタイト(Fe2O3)、マグネタイト(Fe3O4)、Mn−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Mg−Mn系フェライト、Zr−Mn系フェライト、Ti−Mn系フェライト、Mn−Zn−Cu系フェライト、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等のフェライト類が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の樹脂組成物は、接着性あるいは粘着性(感圧接着性)を付与するため、必要に応じて接着性付与剤を含有してよい。接着性付与剤としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、テルペン樹脂、シランカップリング剤等が挙げられる。中でも接着性を付与するにはエポキシ樹脂、シランカップリング剤が好ましく、粘着性(感圧接着性)を付与するにはテルペン樹脂が好ましい。
酸化防止剤としては、特に制限はないが、例えば、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アセテート、ネオドデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ドデシル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、エチル−α−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)イソブチレート、オクタデシル−α−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)イソブチレート、オクタデシル−α−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−(n−オクチルチオ)エチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート、2−(n−オクタデシルチオ)エチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート、2−(n−オクタデシルチオ)エチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−(2−ステアロイルオキシエチルチオ)エチル−7−(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘプタノエート、2−ヒドロキシエチル−7−(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等のフェノール系酸化防止剤;ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)等の硫黄系酸化防止剤;トリデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、2−エチルヘキシルジフェニルホスファイト、ジフェニルトリデシルホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル]オキシ]−N,N−ビス[2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル]オキシ]−エチル]エタナミン等のリン系酸化防止剤が挙げられる。
難燃剤としては、特に制限はないが、例えば、リン系難燃剤、金属水和物、ハロゲン系難燃剤等が挙げられる。リン系難燃剤としては、例えば、赤リン、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン酸アンモニウム、リン酸グアニジン、リン酸アミド等の無機系含窒素リン化合物、リン酸、ホスフィンオキシド、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジルジ−2,6−キシレニルホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、1,3−フェニレンビス(ジ−2,6−キシレニルホスフェート)、ビスフェノールA−ビス(ジフェニルホスフェート)、1,3−フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)、フェニルホスホン酸ジビニル、フェニルホスホン酸ジアリル、フェニルホスホン酸ビス(1−ブテニル)、ジフェニルホスフィン酸フェニル、ジフェニルホスフィン酸メチル、ビス(2−アリルフェノキシ)ホスファゼン、ジクレジルホスファゼン等のホスファゼン化合物、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸メラム、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド等が挙げられる。金属水和物としては、例えば、水酸化アルミニウム水和物、水酸化マグネシウム水和物等が挙げられる。ハロゲン系難燃剤としては、例えば、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、エチレンビス(ペンタブロモフェニル)、エチレンビステトラブロモフタルイミド、1,2−ジブロモ−4−(1,2−ジブロモエチル)シクロヘキサン、テトラブロモシクロオクタン、ヘキサブロモシクロドデカン、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリスチレン、2,4,6−トリス(トリブロモフェノキシ)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物の製造方法は、(a)成分、(b)成分並びに必要に応じて加えられる(c)〜(e)成分及びその他の添加剤を、例えば、プラネタリーミキサー(井上製作所(株)製)や、攪拌機THINKY CONDITIONING MIXER(シンキー(株)製)を使用して混合する方法が挙げられる。また、(a)成分と(b)成分を先に混合し、80℃で1時間等の条件で加熱してBステージ化した付加反応物を得て、その後、該付加反応物に残りの成分を加えてもよい。また、(a)〜(c)成分を先に混合し、80℃で1時間の条件等で加熱してBステージ化した付加反応物を得て、その後、該付加反応物に残りの成分を加えてもよい。
また、本発明の樹脂組成物が(e)成分の無機粒子を含有する場合は、JIS K 6253−3:2012に記載の方法に準拠して測定した硬さがデュロメータTypeD60以下であることが好ましく、デュロメータTypeD50以下であることがより好ましく、デュロメータTypeE20以上TypeD40以下であることが更に好ましい。
硬化物の硬度がこの範囲であれば、本発明の樹脂組成物は応力緩和材や接着剤等の用途に好適に使用できる。硬化物の硬度を上記範囲とするには、(a)成分及び(b)成分の配合量を上述した範囲内とすればよい。さらに、(c)成分及び/又は(d)成分を配合する場合には、(c)成分及び/又は(d)成分の配合量を上述した範囲内とすればよく、(nb1+nb2)/(na+nc)の値についても上述した範囲内、特に0.1以上とすればよい。
[GPC測定条件]
展開溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.6mL/min
カラム:TSK Guardcolumn SuperH−L
TSKgel SuperH4000(6.0mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperH3000(6.0mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperH2000(6.0mmI.D.×15cm×2)
(いずれも東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:20μL (試料濃度:0.5質量%−テトラヒドロフラン溶液)
検出器:示差屈折率計(RI)
(a−1)マレイミド化合物
N−メチルピロリドン196gに1,12−ジアミノドデカン200g(1.0mol)及びピロメリット酸無水物207g(0.95mol)を添加し、25℃で3時間撹拌し、更に150℃で3時間撹拌した。得られた溶液に無水マレイン酸196g(2.0mol)、酢酸ナトリウム82g(1.0mol)及び無水酢酸204g(2.0mol)を加え、80℃で1時間撹拌した。その後、トルエン500gを加え、更に水洗、脱水後、溶剤を減圧留去し、下記式で示される(a−1)マレイミド化合物を得た。(Ma価=0.057mol/100g)(重量平均分子量3,500)
下記式で示されるマレイミド化合物(商品名:BMI−2500、Designer Molecules Inc.製)(Ma価=0.057mol/100g)(重量平均分子量3,500)
下記式で示されるマレイミド化合物(商品名:BMI−1500、Designer Molecules Inc.製)(Ma価=0.095mol/100g)(重量平均分子量2,100)
N−メチルピロリドン350gに3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(商品名:カヤハードA−A(日本化薬(株)製))252g(1.0mol)及びピロメリット酸無水物207g(0.9mol)を添加し、室温で3時間撹拌し、更に120℃で3時間撹拌した。得られた溶液に無水マレイン酸196g(2.0mol)、酢酸ナトリウム82g(1.0mol)及び無水酢酸204g(2.0mol)を加え、80℃で1時間撹拌した。その後、トルエン500gを加え、更に水洗、脱水後、溶剤を減圧留去し、下記式で示される(a−4)マレイミドを得た。(Ma価=0.11mol/100g)(重量平均分子量1,800)
4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタン(東京化成(株)製)(Ma価=0.56mol/100g)
(b−1)1,12−ジアミノドデカン(NH価=1.0mol/100g)(東京化成(株)製、2官能アミン)
(b−2)イソホロンジアミン(NH価=1.2mol/100g)(東京化成(株)製、2官能アミン)
(b−3)Priamine1075(NH価=0.39mol/100g)(クローダジャパン(株)製、2官能アミン)
(b−4)カヤハードA−A(NH価=0.79mol/100g)(日本化薬(株)製、2官能アミン)
(b−5)カレンズMTPE1(SH価=0.73mol/100g)(昭和電工(株)製、4官能チオール)
(b−6)カレンズMTBD1(SH価=0.68mol/100g)(昭和電工(株)製、2官能チオール)
(c−1)下記式で表されるアクリレート(Vi価=0.59mol/100g)(商品名:KAYARAD R−684(日本化薬(株)製))
(c−4)ドデシルアクリレート(Vi価=0.42mol/100g)(東京化成(株)製)
(d−1)ジクミルパーオキサイド(商品名:「パークミルD」(日油(株)製))
(d−2)トリフェニルホスフィン(キシダ化学(株)製)
(e−1)シリカ「SFP−130MC」(一次粒径のメジアン径0.6μm)(デンカ(株)製)
(e−2)アルミナ「AO−41R」(一次粒径のメジアン径6μm)(アドマテックス(株)製)
(e−3)窒化ホウ素「XGP」(一次粒径のメジアン径30μm)(デンカ(株)製)
(e−4)中空シリカ「シリナックス」(一次粒径のメジアン径0.1μm)(日鉄鉱業(株)製)
(f−1)シランカップリング剤「KBM−403」(信越化学工業(株)製)
(g−1)アデカスタブAO−60(アデカ(株)製)
(h−1)アピノン−303(三和ケミカル(株)製)
実施例1、3、5、7、9、11、13、15、17及び比較例1、2については、表1に示す配合(質量部)で各成分を混合し、プラネタリーミキサー(井上製作所(株)製)を使用して60℃で10分混練し、その後25℃まで冷却し、攪拌機THINKY CONDITIONING MIXER(シンキー(株)製)に入れて3分撹拌脱泡し、樹脂組成物を作製した。
実施例2、4、6、8、10、12、14、16、18及び比較例3、4については、表1に示す配合(質量部)でまず(a)成分及び(b)成分又は(a)〜(c)成分を混合し、プラネタリーミキサー(井上製作所(株)製)を使用して100℃で1時間混練して(a)〜(c)成分の混合物をBステージ化させ(a)〜(c)成分の付加反応物を得た。その後該付加反応物を60℃まで冷却し、(d)〜(h)成分を添加混合し、更に10分混練し、その後25℃まで冷却し、攪拌機THINKY CONDITIONING MIXER(シンキー(株)製)に入れて3分撹拌脱泡し、樹脂組成物を作製した。
表1に示す配合(質量部)で調製した組成物について、JIS Z 8803:2011に準じ、B型粘度計を用いて23℃での樹脂組成物の粘度を測定した。結果を表1に記載した。
50mm径×10mm厚のアルミシャーレに、調製した樹脂組成物を流し込み、100℃で1時間、180℃で2時間の順でステップキュアし、該組成物の硬化物を作製した。得られた硬化物の硬さをJIS K 6253−3:2012に記載の方法に準拠して測定した。測定はまずデュロメータタイプAの硬度計を用いて行い、測定値が90を超える値であれば、デュロメータタイプD硬度計を用いて測定し、その測定値を記載した。また、デュロメータタイプA硬度計での測定値が20以下であれば、デュロメータタイプE硬度計を用いて測定し、その測定値を記載した。結果を表1に記載した。
150mm×200mm×2mm厚のPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)でコーティングされた凹型の金型に調製した組成物を流し込み、100℃で1時間、180℃で2時間の順でステップキュアし、該組成物の硬化物を作製した。JIS K 6251:2010に準拠して、EZ TEST(EZ−L、株式会社島津製作所製)を用いて、試験速度500mm/min、つかみ具間距離80mm、標点間距離40mmの条件で前記試験サンプルの引張強さと切断時伸びを測定した。結果を表1に記載した。
30mm×40mm×100μm厚の金型枠に、調製した樹脂組成物を挟み、180℃で2時間熱プレスし、試験サンプルを作製した。作製した試験サンプルにネットワークアナライザ(キーサイト社製 E5063−2D5)とストリップライン(キーコム株式会社製)を接続して、周波数10GHzにおける比誘電率、誘電正接を測定した。結果を表1に記載した。
比較例1、2では、アミノ基又はチオール基を有する化合物を含有しないため、硬化物の硬度が高かった。
比較例3、4では、マレイミド化合物の構造が剛直であるため、硬化物の硬度が高くなり、更に比較例3、4で使用したマレイミド化合物のマレイミド当量が高くマレイミド基が多いために、硬化物の比誘電率、誘電正接の値が高かった。
Claims (10)
- 前記(b)成分が脂肪族アミン又は脂肪族チオールである請求項1又は2に記載の低誘電樹脂組成物。
- 更に(c)(メタ)アクリル基を有する化合物を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の低誘電樹脂組成物。
- (c)(メタ)アクリル基を有する化合物が炭素数10以上の(メタ)アクリレートである請求項4に記載の低誘電樹脂組成物。
- 前記(a)成分中のマレイミド基のモル数na、前記(b)成分中のアミノ基nb1及びチオール基のモル数nb2、並びに前記(c)成分中の(メタ)アクリル基のモル数ncが、0.05≦(nb1+nb2)/(na+nc)≦1である請求項4又は5に記載の低誘電樹脂組成物。
- 更に、前記(a)成分と(b)成分との付加反応物を含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の低誘電樹脂組成物。
- 更に、前記(a)〜(c)成分の付加反応物を含有する請求項4〜6のいずれか1項に記載の低誘電樹脂組成物。
- 更に(d)硬化触媒を含有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の低誘電樹脂組成物。
- 更に(e)無機粒子を含有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の低誘電樹脂組成物。
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