JP2021107527A - 水性インクジェットインク及びインクセット - Google Patents

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彩弥子 中尾
肇 角田
Hajime Tsunoda
肇 角田
裕貴 浦野
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裕貴 浦野
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Hideki Imanishi
秀樹 今西
紘彰 我有
Hiroaki Gayu
紘彰 我有
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Abstract

【課題】印刷画像の耐久性及び加工性に優れる印刷物を提供する。【解決手段】水分散性ポリエーテル型脂肪族ウレタン系樹脂(A)、水分散性(メタ)アクリル系樹脂(B)、HLB値が10.0以下であるアセチレングリコール系界面活性剤(C)、色材、及び水を含む、水性インクジェットインクである。【選択図】なし

Description

本発明は、水性インクジェットインク及びインクセットに関する。
インクジェット記録システムは、流動性の高い液体インクを微細なノズルから噴射し、基材に付着させて印刷を行う印刷システムである。このシステムは、比較的安価な装置で、高解像度、高品位の画像を、高速かつ低騒音で印刷可能という特徴を有し最近急速に普及している。
インクとしては、安価に高画質の印刷物が得られることから、水性タイプのインクが普及している。水性インクは、水分を含有することにより乾燥性を高めたインクであり、さらに環境性に優れるという利点もある。
インクジェット記録システムは近年、普通紙や専用紙等の紙媒体だけではなく、インクが繊維に沿って滲みやすい織物、フェルト等の不織布、木質材、基材のもつ空隙により機能を発現するような機能性多孔質材等にも利用され、さらにインクが浸透しにくいプラスチック基材、合成紙、金属基材、ガラス基材等にも利用されている。このような多様な基材に高品質な印刷を施すためには、高い画像性に加え、様々な建築材、家具、日用品等に用いられるような基材である場合、高い耐久性が求められる。
印刷画像を形成した後に、耐久性が高い樹脂を含むオーバーコート層をコーティングして、印刷物に耐久性を付与する方法がある(特許文献1)。
また、特許文献2には、金属板上に、色相塗膜、印刷層、及びクリヤー塗膜が設けられ、クリヤー塗膜が特定のポリエステル樹脂を含む塗装金属板が開示されている。
建築材、家具、日用品等に用いられる基材は、一般的な紙よりも高価であり、面積も非常に大きい場合もあるため、インクジェット印刷をする際の吐出不良による不良品の発生が、コストに大きく影響する。そのため、紙等で用いる通常の印刷方法よりも高い吐出信頼性が求められる。
インクジェット印刷の吐出不良を抑制するために、通常、メンテナンス機構がプリンターに搭載される。特にインクジェットヘッドのノズル付近には、連続印刷中に徐々にインクが付着することがある。ノズル付近のインク汚れが顕著になると、インクがノズルから真っ直ぐに飛ばなくなる可能性があり、あるいは、インク汚れにさらに異物が付着してノズルから異物がヘッド内に入り込み、ノズルを詰まらせる可能性がある。
メンテナンスとしてはノズル面に付着したインクを拭き取る方法があるが、その際に乾いた部材で拭き取るとノズルプレートを傷付ける可能性があるため、洗浄液を用いて拭き取る方法がある。特許文献3には、水性顔料インクジェットプリンタ用の洗浄液として、表面張力が35mN/m未満の溶剤と塩基性化合物とを含有するインクジェットヘッド洗浄液が提案されている。
特開2013−163370号公報 特開2008−149584号公報 特開2009−233911号公報
オーバーコート層をコーティングする方法は有効であるが、インク塗膜自体の強度が低く、耐久性が低いと、オーバーコート層の樹脂量が非常に多くなる。その結果、基材上にかなり厚い樹脂膜が形成されるため、基材が本来もつ風合いが失われる問題がある。さらに、機能性基材を用いる場合は、過多なオーバーコート層によって機能性基材が本来もつ機能が低下するという問題がある。
また、基材上のインク塗膜は柔軟性を備えることが望ましい。紙媒体、織物、不織布等の変形可能な基材では、基材の変形に応じてインク塗膜も追従して変形し、インク塗膜にひびが発生しないことが望まれる。また、印刷部分に曲げ加工等の加工を施す用途もあり、加工部分の画像性を確保することも重要である。オーバーコート層を施した部分に曲げ加工を施すと、樹脂量が多いため、樹脂膜にひびが入り、いわゆる白化現象が観察されることがある。
また、水性インクは環境性に優れるために各種の基材に応用が期待されるが、水性インクに樹脂成分を配合し、さらに基材上で水性インク中の樹脂成分を塗膜状に形成する技術は、水中での樹脂の分散性と基材上での樹脂の広がりやすさ等を適切に制御する必要性があり、さらなる改善が期待される。
引用文献3に提案される洗浄液において、塩基性化合物は、インク中に使用される酸成分含有樹脂の再溶解もしくは再分散に効果がある場合もあるが、樹脂との組み合わせや使用量によっては却ってインクと混合した際に安定性が悪くなり、増粘した混和液や発生した異物でノズル付近を汚染し、結果として画像の均一性や連続吐出性といった吐出信頼性を損なうことがある。メンテナンス液は、インクとの組み合わせの検討も重要であり、インクと混合した状態で、例えば乾燥が進んで濃縮された状態でも、洗浄効率が良好であることが望まれる。
本発明の一目的としては、印刷画像の耐久性及び加工性に優れる印刷物を形成可能な水性インクジェットインクを提供することである。
本発明の一側面は、水分散性ポリエーテル型脂肪族ウレタン系樹脂(A)、水分散性(メタ)アクリル系樹脂(B)、HLB値が10.0以下であるアセチレングリコール系界面活性剤(C)、色材、及び水を含む、水性インクジェットインクである。
本発明の他の側面は、上記水性インクジェットインクと、HLB値が10.0以下であるアセチレングリコール系界面活性剤(C’)と、メンテナンス液全量に対し30質量%以上であるグリセリンとを含むメンテナンス液とを含む、インクセットである。
本発明の一実施形態によれば、印刷画像の耐久性及び加工性に優れる印刷物を形成可能な水性インクジェットインクを提供することができる。
以下、本発明を一実施形態を用いて説明する。以下の実施形態における例示が本発明を限定することはない。
「水性インクジェットインク」
一実施形態による水性インクジェットインク(以下、単にインク、又は水性インクと称することがある。)としては、水分散性ポリエーテル型脂肪族ウレタン系樹脂(A)、水分散性(メタ)アクリル系樹脂(B)、HLB値が10.0以下であるアセチレングリコール系界面活性剤(C)、色材、及び水を含む、ことを特徴とする。
一実施形態によれば、印刷画像の耐久性及び加工性に優れる印刷物を提供することができる。また、一実施形態によれば、印刷画像の画像性に優れる印刷物を提供することができる。
以下、水分散性ポリエーテル型脂肪族ウレタン系樹脂(A)をウレタン系樹脂(A)とも記し、水分散性(メタ)アクリル系樹脂を(メタ)アクリル系樹脂(B)とも記し、HLB値が10.0以下であるアセチレングリコール系界面活性剤(C)を界面活性剤(C)とも記す。
一実施形態によるインクは、柔軟性を備えるポリエーテル型脂肪族ウレタン系樹脂(A)と、硬さを備える(メタ)アクリル系樹脂(B)とを併用し、さらに、濡れ性が高いことに加えインク中のウレタン系樹脂(A)を膨潤させやすい低HLB値のアセチレングリコール系界面活性剤(C)を用いることで、印刷及び乾燥後にインク塗膜が基材を均一に覆い、耐久性及び加工性に優れるインク塗膜を形成することができる。インク塗膜の耐久性及び加工性に優れることから、インク塗膜を形成後に曲げ加工等の加工を施す場合にも、加工部分のヒビ又は白化現象の発生を抑制することができる。また、加工後のインク塗膜の耐久性を高めることができる。
その理由の一つを以下に説明するが、以下の理由に拘束されない。
一実施形態によれば、インク中に、柔軟性を備えるポリエーテル型脂肪族ウレタン系樹脂(A)と、硬さを備える(メタ)アクリル系樹脂(B)とがともに含まれることで、インク塗膜の耐久性及び加工性を高めることができる。
インク中に、ウレタン系樹脂(A)とともに、ウレタン系樹脂(A)を膨潤させる作用を備える低HLB値の界面活性剤(C)が含まれることで、印刷後にインク塗膜が乾燥し成膜する際に、基材上で水分が揮発しながら界面活性剤(C)が濃縮されて、ウレタン系樹脂(A)の膨潤が進み成膜しやすくなり、より強固なインク塗膜を形成し、インク塗膜の耐久性を高めることができる。また、ウレタン系樹脂(A)は柔軟性を備えるため、インク塗膜の加工性を高めることができる。ポリエーテル型脂肪族ウレタン系樹脂(A)を膨潤させやすい界面活性剤として、HLB値が10.0以下であり低HLB値を示すアセチレングリコール系界面活性剤を好ましく用いることができる。
また、ポリエーテル型脂肪族ウレタン系樹脂(A)は、インク塗膜に耐久性及び加工性をバランスよく付与することができる。また、このウレタン系樹脂(A)は、インク塗膜の黄変及び変質を防止して、より高画質のインク塗膜を形成することができる。
一実施形態によるインクは、水分散性ポリエーテル型脂肪族ウレタン系樹脂(A)を含むことができる。
ウレタン系樹脂(A)は、水分散性を示すことから、水中で水に溶解することなく粒子状に分散して水中油(O/W)型の樹脂エマルションを形成することができる。ウレタン系樹脂(A)は、インク中で樹脂粒子として分散状態で含まれることが好ましい。
ウレタン系樹脂(A)は、アニオン性樹脂、カチオン性樹脂、両性樹脂、ノニオン性樹脂のいずれであってもよい。水性インクに適する色材は、特に水に分散させる色材の表面電荷がアニオン性を示すものが多いことから、水中での色材の安定性を考慮して、アニオン性樹脂、両性樹脂、ノニオン性樹脂を好ましく用いることができる。
水分散性のウレタン系樹脂(A)としては、自己乳化型樹脂のように、樹脂が有する官能基が樹脂粒子表面に存在するものでもよいし、樹脂粒子表面に分散剤を付着させる等の表面処理がされたものでもよい。
ウレタン系樹脂(A)は、脂肪族ウレタン骨格を有し、脂肪族ウレタン骨格以外に、主鎖にエーテル結合を含むポリエーテル型脂肪族ウレタン系樹脂であることが好ましい。
ウレタン系樹脂(A)としては、脂肪族ポリイソシアネートとポリエーテルポリオールとの反応生成物を用いることができる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する脂肪族ポリイソシアネート化合物を用いることができ、好ましくは脂肪族ジイソシアネートである。
ウレタン系樹脂(A)において、ウレタン骨格部分が脂肪族ウレタン骨格であることで、より好ましくはウレタン骨格部分が脂肪族ジイソシアネートに由来して鎖状であることで、インク塗膜の強度をより高めるとともに、インク塗膜の柔軟性をより高めることができ、インク塗膜の耐久性をより高めるとともに、インク塗膜の加工性をより高めることができる。
また、脂肪族ポリイソシアネートから合成したウレタン系樹脂(A)を用いる場合は、ウレタン系樹脂自体の黄変を防止することができ、樹脂膜がより透明となり、水性インクの発色性をより改善することができる。
脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、ジイソシアン酸イソホロン、ジシクロヘキシルメタン4,4’−ジイソシアナート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
これらは、1種で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリエーテルポリオールとしては、1分子中に2個以上の水酸基を有するポリエーテル化合物を用いることができ、好ましくは2個以上の水酸基を有する鎖状のポリエーテル化合物であり、より好ましくはポリエーテルジオールである。
ウレタン系樹脂(A)において、エーテル結合が鎖状エーテル結合であることで、より好ましくはポリエーテルジオールに由来して鎖状であることで、インク塗膜の強度をより高めるとともに、インク塗膜の柔軟性をより高めることができ、インク塗膜の耐久性をより高めるとともに、インク塗膜の加工性をより高めることができる。
また、ポリエーテルポリオールから合成されるウレタン系樹脂(A)を用いる場合は、エーテル部分が加水分解の影響を受けないため、インク塗膜の耐水性をより改善することができる。
一方で、ポリエステルポリオールから合成されるウレタン系樹脂を用いる場合は、エステル部分が加水分解されて、インク塗膜の画像性、耐久性、加工性が低下することがある。また、ポリカーボネートポリオールから合成されるウレタン系樹脂を用いる場合は、高い耐久性のインク塗膜を形成可能であるが、加工性が十分に得られないことがある。
ポリエーテルポリオールの具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルポリオール等のポリエーテルポリオール;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等の低分子量ポリオールに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等を付加重合させたポリエーテルポリオール等を挙げることができる。
これらは、1種で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ウレタン系樹脂(A)は、水分散性ポリエーテル型脂肪族ウレタン系樹脂(A)を乾燥膜にした試験片を、インクに配合される界面活性剤に浸漬し、12時間後に取り出した際の、浸漬前からの質量基準の膨潤率が10%以上100%以下であることが好ましい。
ここで、ウレタン系樹脂(A)の膨潤率は、以下の手順にしたがって測定して求めた数値である。
測定対象のインクに配合されるウレタン系樹脂(A)と界面活性剤との組み合わせにおいて、ウレタン系樹脂(A)を界面活性剤に浸漬した状態で、ウレタン系樹脂(A)が膨潤する質量割合を求める。測定対象のインクに2種類以上のウレタン系樹脂が配合される場合は、膨潤率の測定において、2種類以上のウレタン系樹脂(A)の質量比をインク中の配合割合と合わせて混合して用いる。同様に、測定対象のインクに2種類以上の界面活性剤が配合される場合は、膨潤率の測定において、2種類以上の界面活性剤の質量比をインク中の配合割合と合わせて混合して用いる。測定対象のインクに、HLB値が10.0以下であるアセチレングリコール系界面活性剤(C)以外のその他の界面活性剤が含まれる場合は、膨潤率の測定において、界面活性剤(C)とその他の界面活性剤とを合わせて混合して用いる。
ウレタン系樹脂(A)は、その構造の中にエーテル結合を複数持っている。また、樹脂の網目構造の隙間に界面活性剤が入ることで樹脂の膨潤が起こる。そのため、ウレタン系樹脂(A)の結晶性、界面活性剤中の分子量やエーテル結合量、ウレタン系樹脂(A)と界面活性剤の溶解度パラメーターの差などを調整することで、膨潤率を制御可能になる。
具体的には、測定対象のインクに用いられるウレタン系樹脂(A)、又はその樹脂エマルションを100℃で乾燥し、水分を十分に蒸発させて、ウレタン系樹脂(A)の乾燥膜を得る。乾燥膜にした試験片の質量を測定後、測定対象のインクに用いられる界面活性剤に試験片を浸漬し、12時間保持した後に取り出し、試験片表面の界面活性剤をふき取り、試験片の質量を測定する。膨潤率は、下記式から求めることができる。
膨潤率[%]={((浸漬後の試験片の質量)−(浸漬前の試験片の質量))/(浸漬前の試験片の質量)}×100
ウレタン系樹脂(A)の膨潤率は、0〜150%であってよく、好ましくは10〜100%であり、より好ましくは20〜80%であり、さらに好ましくは30〜60%である。
ウレタン系樹脂(A)の膨潤率は、10%以上が好ましく、20%以上がより好ましく、30%以上がさらに好ましい。これによって、インク塗膜において、ウレタン系樹脂(A)が界面活性剤の作用によって適切に柔らかくなり、インク塗膜に柔軟性をより付与することができ、インク塗膜の加工性をより高めることができる。
ウレタン系樹脂(A)の膨潤率は、100%以下が好ましく、80%以下がより好ましく、60%以下がさらに好ましい。これによって、インク塗膜において、ウレタン系樹脂(A)が界面活性剤の作用によって柔らかくなりすぎることを防止して、インク塗膜の強度をより高めることができ、インク塗膜の耐久性をより高めることができる。
ウレタン系樹脂(A)は、基材上で透明の塗膜を形成する樹脂であることが好ましい。これによって、水性インクの発色への影響を低減することができる。ウレタン系樹脂(A)としてポリーテル系脂肪族ウレタン系樹脂を用いることで、インク塗膜形成での加熱処理において、樹脂の黄変及び変質を防止することができ、水性インクの発色性をより高めることができる。
ウレタン系樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、10000〜100000が好ましく、15000〜80000がより好ましい。ここで、樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーション(GPC)法で、ポリスチレン換算による値である。以下、特に断りのない限り同じである。
ウレタン系樹脂(A)は、インク中で粒子状となる水中油(O/W)型の樹脂エマルションとしてインクに配合することができ、インク中で樹脂粒子の状態となることが好ましい。
ウレタン系樹脂(A)のインク中での樹脂粒子の平均粒子径は、インクジェット印刷に適した大きさであればよく、一般的には平均粒子径で300nm以下であることが好ましい。この平均粒子径は、インクの吐出性及びインクの貯蔵安定性の観点から、より好ましくは250nm以下であり、さらに好ましくは200nm以下であり、一層好ましくは150nm以下である。さらに、色材として顔料を用いる場合は、顔料粒子同士の結着性をより高める観点からは、この樹脂粒子の平均粒子径は、顔料の平均粒子径(一般的には80〜200nm程度)よりも小さいことが好ましい。
また、ウレタン系樹脂(A)のインク中での樹脂粒子の平均粒子径の下限値は、特に限定はされないが、インクの貯蔵安定性の観点から、5nm以上が好ましく、10nm以上がより好ましい。
本明細書において、特に断らない限り、平均粒子径は、動的光散乱法により測定した粒度分布における体積基準の粒子径値(メジアン径)である。動的光散乱式粒子径分布測定装置としては、ナノ粒子解析装置nanoParticaSZ−100(株式会社堀場製作所)等を用いることができる。
ウレタン系樹脂(A)の樹脂エマルションの市販品としては、例えば、三井化学株式会社製の「タケラックW−5661、W-6020」、三洋化成工業株式会社製の「パーマリンUA−200」、第一工業製薬株式会社製の「スーパーフレックス130」、「スーパーフレックス870」、「スーパーフレックスE−4800」、株式会社アデカ製の「アデカボンタイターHUX−350」、「アデカボンタイターHUX−550」、大成ファインケミカルの「WBR−016U」等が挙げられる(いずれも商品名)。
ウレタン系樹脂(A)は、固形分量で、インク全量に対し、0.1〜15質量%であってよく、1〜10質量%であってよい。ウレタン系樹脂(A)は、固形分量で、インク全量に対し、3〜8質量%が好ましく、3〜5質量%がより好ましい。
ウレタン系樹脂(A)は、固形分量で、インク全量に対し、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましい。ウレタン系樹脂(A)単体は(メタ)アクリル系樹脂(B)と比べると皮膜強度が低い傾向があるが、ウレタン系樹脂(A)と(メタ)アクリル系樹脂(B)との相互作用によって、インク塗膜の強度をより高めることができ、インク塗膜の耐久性をより改善することができる。また、ウレタン系樹脂(A)をより多く含むことで、インク塗膜の柔軟性をより高めることができる。これによって、印刷物のインク塗膜部分を曲げ加工等する際に、加工形状に沿ってインク塗膜が柔軟に変形し、加工部分でのひび割れや白化現象をより防ぐことができる。
ウレタン系樹脂(A)は、固形分量で、インク全量に対し、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、8質量%以下がさらに好ましく、5質量%以下が一層好ましい。ウレタン系樹脂(A)の配合量がこの範囲であることで、(メタ)アクリル系樹脂(B)との配合バランスを適切に保ちながら、インク中の樹脂分の量を適切に制限し、インクの粘度上昇をより防ぐことができ、また、インクの吐出性をより改善することができる。
ウレタン系樹脂(A)は、固形分量の質量比で、色材1に対し、0.5〜10が好ましく、1〜8がさらに好ましく、1.5〜2がさらに好ましい。
一実施形態によるインクは、水分散性(メタ)アクリル系樹脂(B)を含むことができる。
ここで、(メタ)アクリル系樹脂は、メタクリル系単位、アクリル系単位、又はこれらの組み合わせを少なくとも含む重合体を意味する。
(メタ)アクリル系樹脂(B)は、水分散性を示すことから、水中で水に溶解することなく粒子状に分散して水中油(O/W)型の樹脂エマルションを形成することができる。(メタ)アクリル系樹脂(B)は、インク中で樹脂粒子として分散状態で含まれることが好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂(B)は、アニオン性樹脂、カチオン性樹脂、両性樹脂、ノニオン性樹脂のいずれであってもよい。水性インクに適する色材は、特に水に分散させる色材の表面電荷がアニオン性を示すものが多いことから、水中での色材の安定性を考慮して、アニオン性樹脂、両性樹脂、ノニオン性樹脂を好ましく用いることができる。
水分散性の(メタ)アクリル系樹脂(B)としては、自己乳化型樹脂のように、樹脂が有する官能基が樹脂粒子表面に存在するものでもよいし、樹脂粒子表面に分散剤を付着させる等の表面処理がされたものでもよい。
(メタ)アクリル系樹脂(B)は、(メタ)アクリル系モノマー由来の単位を含む重合体であることが好ましい。(メタ)アクリル系樹脂(B)は、(メタ)アクリル系モノマー由来の単位とともに、その他のモノマー由来の単位を含んでもよい。
(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタアクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、及びこれらの誘導体等を挙げることができる。これらは、1種、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
その他の単位としては、スチレン単位、酢酸ビニル単位、塩化ビニル単位等が挙げられる。これらは、1種、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリル系樹脂(B)としては、例えば、(メタ)アクリル重合体、スチレン−(メタ)アクリル共重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル共重合体、塩化ビニル−(メタ)アクリル共重合体、又はこれらの組み合わせ等が挙げられる。好ましくは、(メタ)アクリル重合体、スチレン−(メタ)アクリル共重合体、又はこれらの組み合わせである。
(メタ)アクリル系樹脂(B)は、基材上で透明の塗膜を形成する樹脂であることが好ましい。これによって、水性インクの発色への影響を低減することができる。
(メタ)アクリル系樹脂(B)の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、1000〜100000が好ましく、5000〜80000がより好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂(B)は、インク中で粒子状となる水中油(O/W)型の樹脂エマルションとしてインクに配合することができ、インク中で樹脂粒子の状態となることが好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂(B)のインク中での樹脂粒子の平均粒子径は、インクジェット印刷に適した大きさであればよく、上記したウレタン系樹脂(A)と同様の数値範囲であることが好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂(B)の樹脂エマルションの市販品としては、例えば、日本合成化学工業株式会社製の「モビニール9780、727、745」、「モビニール966A、940」;BASF社製の「ジョンクリル7100、PDX−7370、PDX−7341」;DIC株式会社製の「ボンコートEC−905EF、5400EF、CG−8400」;DSM社製「NeoCryl A−1125」、「NeoCryl A−1127」「NeoCryl A−6069」、「NeoCryl A−1092」、「NeoCryl A−2092」等が挙げられる(いずれも商品名)。
(メタ)アクリル系樹脂(B)は、固形分量で、インク全量に対し、0.1〜15質量%であってよく、1〜10質量%であってよい。(メタ)アクリル系樹脂(B)は、固形分量で、インク全量に対し、1〜8質量%が好ましく、2〜5質量%がより好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂(B)は、固形分量で、インク全量に対し、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上がさらに好ましい。(メタ)アクリル系樹脂(B)がこの範囲で含まれることで、インク塗膜の強度をより高めることができ、インク塗膜の耐久性をより改善することができる。(メタ)アクリル系樹脂(B)単体ではインク塗膜の柔軟性が不十分になる傾向があるが、ウレタン系樹脂(A)と(メタ)アクリル系樹脂(B)との相互作用によって、インク塗膜の強度及び柔軟性をともに改善することができ、インク塗膜の耐久性及び加工性をより高めることができる。
(メタ)アクリル系樹脂(B)は、固形分量で、インク全量に対し、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、8質量%以下がさらに好ましく、5質量%以下が一層好ましい。(メタ)アクリル系樹脂(B)の配合量がこの範囲であることで、ウレタン系樹脂(A)との配合バランスを適切に保ちながら、インク中の樹脂分の量を適切に制限し、インクの粘度上昇をより防ぐことができ、また、インクの吐出性をより改善することができる。
(メタ)アクリル系樹脂(B)は、固形分量の質量比で、色材1に対し、0.1〜8が好ましく、0.5〜5がさらに好ましく、1〜3がさらに好ましい。
ウレタン系樹脂(A)と(メタ)アクリル系樹脂(B)との合計量は、固形分量で、インク全量に対し、1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましい。
ウレタン系樹脂(A)と(メタ)アクリル系樹脂(B)との合計量は、固形分量で、インク全量に対し、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、8質量%以下がさらに好ましい。
例えば、ウレタン系樹脂(A)と(メタ)アクリル系樹脂(B)との合計量は、固形分量で、インク全量に対し、1〜20質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましく、5〜8質量%がさらに好ましい。
インクに配合される質量割合において、ウレタン系樹脂(A)の質量は、(メタ)アクリル系樹脂(B)の質量よりも大きいことが好ましい。
ウレタン系樹脂(A)と(メタ)アクリル系樹脂(B)との合計量に対し、ウレタン系樹脂(A)の質量割合は、10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましく、40〜70質量%がより好ましい。
一実施形態によるインクは、上記したウレタン系樹脂(A)及び(メタ)アクリル系樹脂(B)に加えて、その他の樹脂を含んでもよい。例えば、その他の樹脂として、バインダー樹脂を配合することができる。
その他の樹脂として、その他の水分散性樹脂、水溶性樹脂、これらの組み合わせ等を挙げることができる。
その他の水分散性樹脂としては、例えば、エチレン−塩化ビニル共重合樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合体樹脂、酢酸ビニル−エチレン共重合体樹脂等が挙げられる。これらの水分散性樹脂は、水中油(O/W)型の樹脂エマルションとしてインクに配合することができる。
水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸中和物、アクリル酸/マレイン酸共重合体、アクリル酸/スルホン酸共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体等が挙げられる。また、これらの樹脂にアニオン性の官能基を導入したアニオン性水溶性樹脂を用いることができる。
上記したその他の樹脂は、1種で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
その他の樹脂(有効成分)は、インク全量に対し、1〜20質量%が好ましい。また、インクにその他の樹脂が配合される場合、インクに配合される全ての樹脂の合計量に対し、ウレタン系樹脂(A)及び(メタ)アクリル系樹脂(B)の合計量は、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。
一実施形態によるインクは、HLB値が10.0以下であるアセチレングリコール系界面活性剤(C)を含むことができる。
アセチレングリコール系界面活性剤(C)は、アセチレン基を有するグリコールであって、好ましくはアセチレン基が中央に位置して左右対称の構造を備えるグリコールであり、アセチレングリコールにエチレンオキサイドを付加した構造を備えてもよい。
アセチレングリコール系界面活性剤(C)として、エチレンオキサイドを付加したアセチレングリコールを用いる場合において、エチレンオキサイドの付加モル数は5以下が好ましく、4以下がより好ましく、3以下がさらに好ましい。
アセチレングリコール系界面活性剤(C)は、HLB値が10.0以下が好ましく、9.0以下がさらに好ましく、8.0以下がより好ましく、5.0以下であってもよい。これによって、インクに含まれる樹脂成分、特にウレタン系樹脂(A)の塗工性をより改善することができ、インク塗膜の強度をより改善することができ、インク塗膜の耐久性をより高めることができる。また、ウレタン系樹脂(A)がより均一に塗工されることから、インク塗膜の柔軟性をより改善することができ、インク塗膜の加工性をより高めることができる。
アセチレングリコール系界面活性剤(C)は、HLB値の下限値は特に限定されないが、インクの貯蔵安定性の観点から、1.0以上が好ましく、2.0以上がより好ましく、3.0以上であってもよい。
例えば、アセチレングリコール系界面活性剤(C)は、HLB値が1.0以上10.0以下が好ましく、2.0以上8.0以下がより好ましく、3.0以上5.0以下がさらに好ましい。
ここで、HLB値は、界面活性剤の性質を示す尺度の一つであり、分子中の親水基と親油基とのバランスを数値化したものである。HLB値は、いくつかの算出方法によって提唱されているが、本明細書において、グリフィン法によって算出される値であり、下記式(1)によって算出される。
HLB値=20×(親水部の式量)/(界面活性剤の分子量)・・・式(1)
ここで、「親水部」は、界面活性剤の分子構造中に含まれている親水性の部分を示し、好ましくは、ポリオキシアルキレン基、水酸基に対する主鎖の炭素数が3以下のアルコール基、又はこれらの組み合わせである。界面活性剤に複数の親水性の部分が含まれる場合は、上記式(1)において親水部の式量はこれらの合計量とする。
ポリオキシアルキレン基としては、ポリオキシエチレン基(ポリエチレンオキサイド;EO:−(CHCHO)−)、ポリオキシプロピレン基(ポリプロピレンオキサイド;PO:−(CHCHCHO)−)等が挙げられる。
また、アルコール基としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、グリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、スクロース(ショ糖)、マンニット、グリコール類等に由来する基(例えばエタノールであれば−CHCHOH)が挙げられる。
「疎水部」は、界面活性剤の分子構造中に含まれている疎水性の部分を示し、例えば、水酸基に対する主鎖の炭素数が4以上の脂肪族アルコール、アルキルフェノール、脂肪酸等に由来する脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、有機シロキサン、ハロゲン化アルキル等、又はこれらの組み合わせである。
HLB値が10.0以下のアセチレン系界面活性剤(C)の市販品として、例えば、「オルフィンE1004」、「サーフィノール420、440、104」(以上、日信化学工業株式会社製)等を挙げることができる(いずれも商品名)。
上記したアセチレングリコール系界面活性剤(C)は、1種で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
界面活性剤(C)は、有効成分量で、インク全量に対し、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましい。これによって、ウレタン系樹脂(A)及び(メタ)アクリル系樹脂(B)による塗膜形成において、インクを塗工する基材との親和性をより改善することができ、より強固なインク塗膜を形成することができ、インク塗膜の耐久性をより高めることができる。また、ウレタン系樹脂(A)が界面活性剤の作用によって膨潤してさらに柔軟性が付与されて、インク塗膜の加工性をより改善することができる。
界面活性剤(C)は、有効成分量で、インク全量に対し、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましい。これによって、インクにおいて、貯蔵安定性の低下を防止することができる。
例えば、界面活性剤(C)は、有効成分量で、インク全量に対し、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましく、1〜3質量%がさらに好ましい。
界面活性剤(C)は、ウレタン系樹脂(A)の固形分量に対し、有効成分量の質量比で、0.1〜1が好ましく、0.2〜0.5がより好ましい。
界面活性剤(C)は、(メタ)アクリル系樹脂(B)の固形分量に対し、有効成分量の質量比で、0.1〜2が好ましく、0.5〜1がより好ましい。
一実施形態によるインクは、上記した界面活性剤(C)に加えて、その他の界面活性剤を含んでもよい。その他の界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、又はこれらの組み合わせを好ましく用いることができ、より好ましくは非イオン性界面活性剤である。
その他の界面活性剤として、HLB値が10.0より大きいアセチレングリコール系界面活性剤を用いてもよい。
HLB値が10.0より大きいアセチレン系界面活性剤の市販品として、例えば、「オルフィンE1010、E1006、E1020」、「サーフィノール465、485」(以上、日信化学工業株式会社製)等を挙げることができる(いずれも商品名)。
さらにその他の界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸ソルビタンエステル等のエステル型界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のエーテル型界面活性剤;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のエーテルエステル型界面活性剤;アセチレンアルコール系界面活性剤;アセチレン基を有する界面活性剤;シリコーン系界面活性剤;フッ素系界面活性剤等が挙げられる。なかでも、アセチレンアルコール系界面活性剤、アセチレン基を有する界面活性剤、シリコーン系界面活性剤を好ましく用いることができる。
その他の界面活性剤をインクに配合する場合では、界面活性剤全量に対し、界面活性剤(C)は、有効成分の質量割合で、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がより好ましい。
インクは、色材を含むことができる。色材としては、顔料、染料、又はこれらの組み合わせを含むことができる。画像の耐候性及び発色性の点から、顔料を好ましく用いることができる。
顔料は、顔料分散体としてインクに好ましく配合することができる。
顔料分散体としては、顔料が溶媒中に分散可能なものであって、インク中で顔料が分散状態となるものであればよい。例えば、顔料を顔料分散剤で水中に分散させたもの、自己分散性顔料を水中に分散させたもの、顔料を樹脂で被覆したマイクロカプセル化顔料を水中で分散させたもの等を用いることができる。
顔料としては、例えば、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、多環式顔料、染付レーキ顔料等の有機顔料;カーボンブラック、金属酸化物等の無機顔料を用いることができる。アゾ顔料としては、溶性アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料及び縮合アゾ顔料等が挙げられる。フタロシアニン顔料としては、銅フタロシアニン顔料等の金属フタロシアニン顔料、及び無金属フタロシアニン顔料等が挙げられる。多環式顔料としては、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、チオインジゴ系顔料、アンスラキノン系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料、及びジケトピロロピロール(DPP)等が挙げられる。カーボンブラックとしては、ファーネスカーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。
さらに、有機顔料としては、ブリリアントカーミン6B、レーキレッドC、ウォッチングレッド、ジスアゾイエロー、ハンザイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アルカリブルー、アニリンブラック等が挙げられる。
また、無機顔料としては、コバルト、鉄、クロム、銅、亜鉛、鉛、チタン、バナジウム、マンガン、ニッケル等の金属類、これらの金属酸化物及び硫化物、並びに黄土、群青、紺青等が挙げられる。
また、顔料として白色顔料を用いてもよい。白色顔料としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム等の無機顔料が挙げられる。
顔料の具体例としては、ピグメントイエロー12、13、14、17、20、24、74、83、86、93、94、95、109、110、117、120、125、128、137、138、139、147、148、150、151、154、155、166、168、180、185;ピグメントオレンジ16、36、38、43、51、55、59、61、64、65、71;ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、122、149、168、177、178、179、206、207、209、242、254、255;ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50;ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、30、64、80;ピグメントグリーン7(塩素化フタロシアニングリーン)、36(臭素化フタロシアニングリーン);ピグメントブラウン23、25、26;ピグメントブラック7(カーボンブラック)、26、27、28等が挙げられる。
カーボンブラックの市販例としては、モナーク1000、ELFTEX 415(以上、キャボット社製カーボンブラック)、#960、♯970、MA8、MA77(以上、三菱ケミカル株式会社製カーボンブラック)等が挙げられる。
カラー顔料の市販例としては、LIONOL BLUE FG−7400G(東洋インキ製造社製 フタロシアニン顔料);YELLOW PIGMENT E4GN(バイエル社製 ニッケル錯体アゾ顔料);Cromophtal Pink PT(BASF社製 キナクリドン顔料);Fastogen Super Magenta RG(DIC社製 キナクリドン顔料);Fastogen Super Magenta RGT(DIC社製 キナクリドン顔料);YELLOW PIGMENT E4GN(ランクセス社製 ニッケル錯体アゾ顔料);イルガライトブルー8700(BASF社製 フタロシアニン顔料);E4GN−GT(ランクセス社製 ニッケル錯体アゾ顔料);Fastogen Blue TGR(DIC株式会社製シアン顔料);Cinquasia Magenta D4550J(BASF社製マゼンタ顔料);Inkjet Yellow 4GP(クラリアント社製イエロー顔料)等が挙げられる。
これらの顔料の平均粒子径は50〜500nmであることが好ましく、50〜200nmであることがより好ましい。これらの顔料の平均粒子径は、発色性の観点から50nm以上であることが好ましく、吐出安定性の観点から500nm以下であることが好ましい。
インク中に顔料を安定に分散させるために、高分子分散剤や界面活性剤に代表される顔料分散剤を好ましく用いることができる。
高分子分散剤の市販品として、例えば、EVONIK社製のTEGOディスパースシリーズ「TEGOディスパース740W、750W、755W、757W、760W」、日本ルーブリゾール株式会社製のソルスパースシリーズ「ソルスパース20000、27000、41000、41090、43000、44000、46000」、ジョンソンポリマー社製のジョンクリルシリーズ「ジョンクリル57、60、62、63、71、501」、BYK社製の「DISPERBYK−102、185、190、193、199」、第一工業製薬株式会社製のポリビニルピロリドン「K−30、K−90」等が挙げられる(いずれも商品名)。
界面活性剤型分散剤には、インク中の顔料の分散安定性、及び前処理剤からのイオン性の影響を考慮して、非イオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。
界面活性剤型分散剤の市販品として、例えば、花王株式会社製エマルゲンシリーズ「エマルゲンA−60、A−90、A−500、B−40、L−40、420」等の非イオン性界面活性剤等が挙げられる(いずれも商品名)。
これらの顔料分散剤は、1種で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
顔料分散剤を用いる場合では、顔料分散剤の添加量はその種類によって異なり特に限定はされない。例えば、顔料分散剤は、有効成分の質量比で、顔料1に対し、0.005〜0.5の範囲で添加することができる。
色材として自己分散性顔料を配合してもよい。自己分散性顔料は、化学的処理又は物理的処理により顔料の表面に親水性官能基が導入された顔料である。自己分散性顔料に導入させる親水性官能基としては、イオン性を有するものが好ましく、顔料表面をアニオン性又はカチオン性に帯電させることにより、静電反発力によって顔料粒子を水中に安定に分散させることができる。アニオン性官能基としては、スルホン酸基、カルボキシ基、カルボニル基、ヒドロキシ基、ホスホン酸基等が好ましい。カチオン性官能基としては、第4級アンモニウム基、第4級ホスホニウム基等が好ましい。
これらの親水性官能基は、顔料表面に直接結合させてもよいし、他の原子団を介して結合させてもよい。他の原子団としては、アルキレン基、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられるが、これらに限定されることはない。顔料表面の処理方法としては、ジアゾ化処理、スルホン化処理、次亜塩素酸処理、フミン酸処理、真空プラズマ処理等が挙げられる。
自己分散性顔料としては、例えば、キャボット社製CAB−O−JETシリーズ「CAB−O−JET200、300、250C、260M、270」、オリヱント化学工業株式会社製「BONJET BLACK CW−1、CW−2、CW−4」等を好ましく使用することができる(いずれも商品名)。
顔料分散剤で顔料があらかじめ分散された顔料分散体を使用してもよい。顔料分散剤で分散された顔料分散体の市販品としては、例えば、クラリアント社製HOSTAJETシリーズ、冨士色素株式会社製FUJI SPシリーズ等が挙げられる(いずれも商品名)。上記した顔料分散剤で分散された顔料分散体を使用してもよい。また、顔料を樹脂で被覆したマイクロカプセル化顔料を使用してもよい。
色材として染料を配合してもよい。染料としては、印刷の技術分野で一般に用いられているものを使用でき、特に限定されない。具体的には、塩基性染料、酸性染料、直接染料、可溶性バット染料、酸性媒染染料、媒染染料、反応染料、バット染料、硫化染料等が挙げられる。これらのうち、水溶性のもの及び還元等により水溶性となるものを好ましく用いることができる。より具体的には、アゾ染料、ローダミン染料、メチン染料、アゾメチン染料、キサンテン染料、キノン染料、トリフェニルメタン染料、ジフェニルメタン染料、メチレンブルー等が挙げられる。
上記した色材は、1種で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
色材は、有効成分量で、インク全量に対し、0.1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましく、2〜5質量%がさらに好ましい。
インクは、水性溶媒として水を含むことが好ましく、主溶媒が水であってもよい。なお、上記した樹脂エマルション、顔料分散体等に溶媒として水が含まれる場合は、各成分中の水はインク中の水の一部に換算して、インクを作製する。
水としては、特に制限されないが、イオン成分をできる限り含まないものが好ましい。特に、インクの貯蔵安定性の観点から、カルシウム等の多価金属イオンの含有量が少ないことが好ましい。水としては、例えば、イオン交換水、蒸留水、超純水等を用いるとよい。
水は、インク粘度の調整の観点から、インク全量に対して20〜90質量%で含まれることが好ましく、30〜80質量%で含まれることがより好ましい。
インクは、水溶性有機溶剤を含むことができる。水溶性有機溶剤は、水と相溶性を示すことが好ましい。水溶性有機溶剤としては、室温で液体であり、水に溶解又は混和可能な有機化合物を使用することができ、1気圧20℃において同容量の水と均一に混合する水溶性有機溶剤を用いることが好ましい。
水溶性有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、2−メチル−2−プロパノール等の低級アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール等のグリコール類;グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン等のグリセリン類;モノアセチン、ジアセチン等のアセチン類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類;トリエタノールアミン、1−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、β−チオジグリコール、スルホラン等を用いることができる。
これらは、単独で用いてもよく、また、単一の相を形成する限り、2種以上混合して用いてもよい。
水溶性有機溶剤のなかから、グリコール類、グリコールエーテル類、及びこれらの組み合わせを用いることが好ましく、より好ましくはグリコールエーテル類である。これらの水溶性有機溶剤は、水との相溶性がより良好である。これらの水溶性有機溶剤と水との混合溶媒中において、ウレタン系樹脂(A)及び(メタ)アクリル系樹脂(B)の分散安定性をより改善することができる。
さらに、水溶性有機溶剤のなかから、低極性溶剤を用いることが好ましい。低HLB値の界面活性剤は水性溶媒に溶解しにくく、インク中で浮いてしまうことがある。この場合、インク中に低極性溶剤を加えることで、低HLB値の界面活性剤の溶解性を高めることができる。低極性溶剤としては、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、トリアセチン、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、2−ピロリドン等を好ましく用いることができる。
水溶性有機溶剤は、粘度調整と保湿効果の観点から、インク全量に対し、1〜80質量%で含ませることができ、10〜60質量%であることがより好ましく、20〜50質量%がより好ましい。
低極性の水溶性有機溶剤は、1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましく、2〜3質量%がさらに好ましい。
その他、インクには、上記の成分に加え、任意に、湿潤剤(保湿剤)、表面張力調整剤(浸透剤)、消泡剤、定着剤、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤等を適宜含有させることができる。
インクのpHを調整するために、公知のpH調整剤を添加することもできる。硫酸、硝酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、トリエタノールアミン等は、pH調整剤として、あるいはインクの増粘助剤として用いることができる。
酸化防止剤を配合することにより、インク成分の酸化を防止し、インクの保存安定性を向上させることができる。酸化防止剤としては、たとえば、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、イソアスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜二チオン酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム等を用いることができる。
防腐剤を配合することにより、インクの腐敗を防止して保存安定性を向上させることができる。防腐剤としては、たとえば、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン等のイソチアゾロン系防腐剤;ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−s−トリアジン等のトリアジン系防腐剤;2−ピリジンチオールナトリウム−1−オキシド、8−オキシキノリン等のピリジン・キノリン系防腐剤;ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム等のジチオカルバメート系防腐剤;2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン等の有機臭素系防腐剤;p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、サリチル酸等を用いることができる。
インクの粘度は、吐出ヘッドのノズル径や吐出環境等によってその適性範囲は異なるが、一般に、23℃において1〜30mPa・sであることが好ましく、5〜15mPa・sであることがより好ましく、インクジェット印刷装置用として適している。
インクの作製方法は、特に限定されないが、各成分を適宜混合することで所望のインクを得ることができる。例えば、色材に顔料分散体を用いる場合は、顔料と顔料分散剤と水との混合物をビーズミル等の分散機を用いて分散させて顔料分散体を得て、次いで、顔料分散体とウレタン系樹脂(A)の樹脂エマルションと(メタ)アクリル系樹脂(B)の樹脂エマルションと界面活性剤(C)と水と水溶性有機溶剤とを一括又は分割して混合してインクを得ることができる。また、得られた組成物をフィルター等を用いてろ過してもよい。
インクに配合するウレタン系樹脂(A)の樹脂エマルションは、固形分量が10〜50質量%であることが好ましく、30〜40質量%であることがより好ましい。
インクに配合するウレタン系樹脂(A)の樹脂エマルションは、エマルションの状態で粘度が1〜300mPa・sであることが好ましく、1〜100mPa・sがより好ましい。
インクに配合する(メタ)アクリル系樹脂(B)の樹脂エマルションは、固形分量が10〜50質量%であることが好ましい。
インクに配合する(メタ)アクリル系樹脂(B)の樹脂エマルションは、エマルションの状態で23℃における粘度が1〜300mPa・sであることが好ましく、1〜100mPa・sがより好ましい。
表面エネルギーが異なる多様な基材に高品質な印刷をするためには、インクの濡れ広がりやすさが重要になる。そのため、インク中の樹脂エマルションの粘度は低い方が好ましい。
一実施形態による水性インクジェットインクは、未処理の基材に対して印刷を施してもよく、又は、前処理剤によって処理された基材に対して印刷を施してもよい。特に、基材として低浸透性基材を用いる場合では、水性インクジェットインクが基材に浸透しにくいため、前処理剤によって基材を処理することが好ましい。
前処理剤は、例えば、水性媒体とともに、界面活性剤、凝集剤、無機粒子等、又はこれらの組み合わせを含むことが好ましい。より好ましくは、前処理剤は、水性媒体と、界面活性剤及び/又は凝集剤とを含む。また、前処理剤は、凝集剤を基材に定着させるためにバインダー樹脂を含んでもよい。
界面活性剤は、有効成分量で、前処理剤全量に対し、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましく、0.7〜2質量%がさらに好ましい。
バインダー樹脂は、有効成分量で、前処理剤全量に対し、0.5〜20.0質量%が好ましい。
基材を凝集剤によって処理しておくことで、水性インクジェットインクが基材に塗工される際に、インク中の色材成分が基材上で凝集して、印刷物の発色性をより高めることができる。
凝集剤としては、カチオン性樹脂、多価金属塩、有機酸、無機酸、無機酸の塩等、又はこれらの組み合わせを用いることができる。カチオン性樹脂としては、カチオン性水溶性樹脂、カチオン性水分散性樹脂、又はこれらの組み合わせであってよい。
カチオン性樹脂、多価金属塩、有機酸、及び無機酸を含む凝集剤の合計量は、前処理剤全量に対し、1〜50質量%が好ましく、3〜20質量%がより好ましい。
前処理剤は、水性溶媒として水を含むことが好ましく、主溶媒が水であってもよい。
前処理剤は、粘度調整と保湿効果の観点から、水溶性有機溶剤を含むことができる。
水及び水溶性有機溶剤については、上記したインクで説明したものを用いることができる。
さらに前処理剤には、上記の成分に加え、任意に、湿潤剤(保湿剤)、表面張力調整剤(浸透剤)、消泡剤、定着剤、酸化防止剤、防腐剤、pH調整剤等を適宜含有させることができる。
「印刷物の製造方法」
以下、印刷物の製造方法の一例について説明する。
印刷物の製造方法は、例えば、水性インクジェットインクを用いて基材に画像を形成することを含むことができる。水性インクジェットインクには、上記した水性インクジェットインクを用いることができる。
また、水性インクジェットによる画像形成の前に、前処理剤を用いて基材を処理することを含むことができる。
さらに、水性インクジェットインクを用いて基材に画像を形成する前に、白インクを用いて基材に白塗装を施してもよい。これによって、水性インクジェットインクによるインク塗膜の発色性をより高めることができる。白インクとしては、特に限定されずに通常の処方のインクにおいて色材として白顔料を含むものを用いてよいし、一実施形態による水性インクジェットインクにおいて色材として白顔料を含むものを用いてもよい。
水性インクジェットインクを用いて基材に画像を形成する方法としては、インクジェット印刷方法を用いて行うことができる。インクジェット印刷方法は、基材に非接触で、オンデマンドで簡便かつ自在に画像形成をすることができる。
インクジェット印刷装置は、ピエゾ方式、静電方式、サーマル方式など、いずれの方式のものであってもよく、デジタル信号に基づいてインクジェットヘッドからインクを吐出させ、吐出されたインク液滴を基材に付着させるようにする。
得られた印刷物は、揮発分の除去のために熱処理を行うことが好ましい。熱処理温度は、25℃〜150℃が好ましく、50℃〜120℃がより好ましい。
一実施形態では、インクにウレタン系樹脂(A)及び(メタ)アクリル系樹脂(B)が含まれるため、得られた印刷物を熱処理することで、インク中の樹脂成分が溶融又は軟化して均一な塗膜を形成し、インク塗膜の強度及び柔軟性をより高めることができ、インク塗膜の耐久性及び加工性をより高めることができる。
また、(メタ)アクリル系樹脂(B)を用いる場合、熱などの外部刺激によって架橋する性質を有する架橋剤と併用することで、インク塗膜の耐久性をより高めることができる。このような(メタ)アクリル系樹脂(B)としては、官能基としてカルボキシ基、グリシジル基、ケトン基等を構造に持つものが好ましい。(メタ)アクリル系樹脂(B)と好ましく併用可能な架橋剤としては、例えば、(ポリ)カルボジイミド化合物、(ポリ)イソシアネート化合物、エポキシ化合物、シリル化合物、オキサゾリン化合物、ヒドラジン化合物等が挙げられる。
基材にインクを塗工した後に、基材を後処理してオーバーコート層を形成する工程をさらに設けてもよい。基材を後処理する方法としては、基材に後処理剤を付与して行うことができる。一実施形態によるインクは、インク自体に樹脂成分が含まれるため、インクのみで樹脂皮膜を形成してインク塗膜の強度及び柔軟性を十分に得ることができ、インク塗膜の耐久性及び加工性がより高めることができるが、用途に応じて、さらにオーバーコート層を形成してもよい。
後処理剤としては、例えば、皮膜を形成可能な樹脂と、水性媒体又は油性媒体とを含む後処理液を用いることができる。
一実施形態によれば、水性インクジェットインクと、前処理剤とを含むインクセットを提供することができる。水性インクジェットインク及び前処理剤については、それぞれ上記したものを用いることができる。インクセットは、その他のインク、及び/又は後処理剤をさらに含んでもよい。
一実施形態による水性インクジェットインクは、浸透性基材及び低浸透性基材のいずれにも適用することができる。なかでも、低浸透性基材に対して、インク塗膜の強度及び柔軟性をより改善することができ、インク塗膜の耐久性及び加工性をより高めることができる。
低浸透性基材は、基材内部に液体が染み込んでいかない基材であり、具体的には、インク中の液体の大部分が基材の表面上に留まる基材である。
低浸透性基材としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、チタン、錫、クロム、カドミウム、合金(例えばステンレス、スチール等)等の金属板等の金属基材;ホウケイ酸ガラス、石英ガラス、ソーダライムガラス等の板ガラス等のガラス基材;PETフィルム、OHTシート、ポリエステルシート、ポリプロピレンシート等の樹脂製シート、アクリル板等の樹脂基材;アルミナ、ジルコニア、ステアタイト、窒化ケイ素等の成形体等のセラミック基材等が挙げられる。
これらの基材は、メッキ層、金属酸化物層、樹脂層等が形成されていてもよく、又は、界面活性剤、コロナ処理等を用いて表面処理されていてもよい。なお、一実施形態による水性インクジェットインクは、未処理の基材に対して処理してもその効果を発揮することができる。
浸透性基材としては、例えば、普通紙、コート紙、特殊紙等の印刷用紙;織物、不職布等の布;調湿用、吸音用、断熱用等の多孔質建材;木材、コンクリート、多孔質材等が挙げられる。
一実施形態による印刷物としては、基材と、基材に形成されるインク画像層とを有し、インク画像層は、水分散性ポリエーテル型脂肪族ウレタン系樹脂(A)、水分散性アクリル系樹脂(B)、HLB値が10.0以下であるアセチレングリコール系界面活性剤(C)、及び色材を含むことができる。
これによれば、印刷画像の耐久性及び加工性に優れる印刷物を提供することができる。また、一実施形態によれば、印刷画像の画像性に優れる印刷物を提供することができる。
特に、基材に金属基材等の剛性基材を用いて加飾物品を作製する場合には、印刷部分において曲げ加工等をする際に、インク塗膜が柔軟性を有することから、加工部分において印刷画像のひび割れ及白化現象を防止することができる。
印刷物において、基材、ウレタン系樹脂(A)、(メタ)アクリル系樹脂(B)、界面活性剤(C)、及び色材の詳細については、上記した通りである。
「インクセット」
以下、一実施形態によるインクセットについて説明する。以下の説明において、特段の説明がない部分は、上記した水性インクジェットインク及び印刷物の製造方法で説明した通りであり、上記した水性インクジェット及び印刷物の製造方法と共通する部分についての説明は省略することがある。
一実施形態によるインクセットとしては、水性インクジェットインクと、メンテナンス液とを含み、水性インクジェットインクは、水分散性ポリエーテル型脂肪族ウレタン系樹脂(A)、水分散性(メタ)アクリル系樹脂(B)、HLB値が10.0以下であるアセチレングリコール系界面活性剤(C)、色材、及び水を含み、メンテナンス液は、HLB値が10.0以下であるアセチレングリコール系界面活性剤(C’)と、メンテナンス液全量に対し30質量%以上であるグリセリンとを含むメンテナンス液とを含む、ことを特徴とする。
一実施形態によるインクセットよれば、印刷画像の耐久性及び加工性に優れる印刷物を提供することができるとともに、水性インクジェットインクの連続吐出性を改善することができる。また、一実施形態によるインクセットによれば、印刷画像の均一性に優れる印刷物を提供することができる。
メンテナンス液は、インクジェット印刷装置において、ノズルヘッドのノズル面、ノズルヘッドの内部等の部材を洗浄するための液体である。ノズル吐出口近傍のノズル面、ヘッド内部等にはインクが付着しやすいため、このインク汚れを洗浄によって除去するためにメンテナンス液を使うことができる。通常の水性インクでは、メンテナンス液として水を用いても、水とインクとが混和する作用によってインクが除去されて洗浄が可能となる。低HLB値のアセチレングリコール系界面活性剤はHLBが高い界面活性剤と比較して水に溶解しにくいため、低HLB値のアセチレングリコール系界面活性剤を含む水性インクによって印刷した後に、水のみでノズル面、ヘッド内部等を洗浄すると、インク中の界面活性剤は洗い流されずにノズル面、ヘッド内部等の壁面に吸着して残ることがある。この吸着物が増えると、ノズル吐出口を塞いで画像の均一性や連続吐出性といった吐出信頼性が低下する可能性がある。
ノズル面の洗浄では、インクとメンテナンス液が十分に混和できる組み合わせでないと、ノズル面を十分に洗浄できず、ノズル吐出口を塞いで吐出不良が発生する可能性がある。ノズル面において、インクとメンテナンス液とが安定した混和液を形成することで、インクの除去が促進されて、ノズル面を適切に洗浄することができる。
一実施形態による水性インクに対して任意の割合で混和可能なメンテナンス液を用いることで、洗浄効率をより高めることができる。さらに、ノズル面でインクとメンテナンス液とを含む混和液が濃縮された場合にも、混和性が維持されることで、濃縮された混和液中で異物の発生を抑制することができる。例えば、ノズル面に付着したインクが濃縮された状態でメンテナンス液が付与される場合、又はノズル面にメンテナンス液を付与した後にメンテナンス液の揮発性成分が揮発してメンテナンス液が濃縮された場合にも、濃縮された混和液において、インクの顔料、樹脂エマルション等の凝集の発生を抑制することができる。
メンテナンス液は、インクと共通する成分として低HLB値のアセチレングリコール系界面活性剤を含み、この界面活性剤は、メンテナンス液中に溶解状態で含まれることが好ましい。このメンテナンス液は、ノズル面においてインクと任意の割合で混和しても混和液の安定性を維持し、インク由来の顔料、樹脂エマルション等の凝集を防止することができ、画像の均一性や連続吐出性を高めることができる。
また、メンテナンス液がグリセリンを30質量%以上含むことでメンテナンス液の保湿性が高くなり、メンテナンス液単体又はインクとの混和液が大気開放状態になっても、水分の急激な蒸発による凝集物の発生を抑制することができる。また、メンテナンス液がグリセリンを含む場合では、相対的に水分の割合が小さくなるため、インクとメンテナンス液との混和液においても水の割合が小さくなり、混和液において低HLB値のアセチレングリコール系界面活性剤を溶解状態で維持することができ、画像の均一性や連続吐出性を高めることができる。
インクセットに備えられる水性インクジェットインクには、上記した水性インクジェットインクを用いることができる。詳細については、上記した通りである。
インクセットに備えられるメンテナンス液としては、HLB値が10.0以下であるアセチレングリコール系界面活性剤(C’)と、グリセリンとを含むことができる。以下、HLB値が10.0以下であるアセチレングリコール系界面活性剤(C’)を界面活性剤(C’)とも記す。
メンテナンス液に含まれるアセチレングリコール系界面活性剤(C’)は、上記した水性インクジェットインクに含まれるアセチレングリコール系界面活性剤(C)と共通する成分を用いることができる。メンテナンス液と水性インクジェットインクとの間で、アセチレングリコール系界面活性剤の種類は同じでも異なってもよい。メンテナンス液と水性インクジェットインクとはそれぞれ1種又は2種以上のアセチレングリコール系界面活性剤を含んでもよい。メンテナンス液及び水性インクジェットインクの少なくとも一方に2種以上のアセチレングリコール系界面活性剤が含まれる場合は、メンテナンス液と水性インクジェットインクとの間で、アセチレングリコール系界面活性剤は、一部又は全部が同じであってよく、又は全部が異なってもよい。
水性インクジェットインクに含まれるアセチレングリコール系界面活性剤(C)と、メンテナンス液に含まれるアセチレングリコール系界面活性剤(C’)とは、同じ成分を含むことが好ましい。これによって、メンテナンスにおいてノズル面でメンテナンス液とインクとが混和される場合に、混和液の安定性をより高めることができ、連続吐出性を高めることが出来る。
界面活性剤(C’)は、有効成分量で、メンテナンス液全量に対し、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましい。これによって、低HLB値のアセチレングリコール系界面活性剤を含む水性インクに対して混和性を示し、異物の発生を抑制したメンテナンス液を提供することができる。このメンテナンス液は、ノズル面に付着したインク汚れを、インク中の界面活性剤を含めてより効率よく除去することができ、画像の均一性と連続吐出性を高めることができる。
界面活性剤(C’)は、有効成分量で、メンテナンス液全量に対し、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましい。
例えば、界面活性剤(C’)は、有効成分量で、メンテナンス液全量に対し、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましく、1〜3質量%がさらに好ましい。
メンテナンス液は、上記した界面活性剤(C’)に加えて、その他の界面活性剤を含んでもよい。その他の界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、又はこれらの組み合わせを好ましく用いることができ、より好ましくは非イオン性界面活性剤である。その他の界面活性剤として、例えば、上記した水性インクジェットインクで説明したその他の界面活性剤を挙げることができる。
その他の界面活性剤をインクに配合する場合では、界面活性剤全量に対し、界面活性剤(C’)は、有効成分の質量割合で、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がより好ましい。
メンテナンス液は水性溶媒を含むことができる。水性媒体としては、水溶性有機溶媒、水、又はこれらの組み合わせであってよい。
メンテナンス液に含まれる水溶性有機溶剤として、例えば、上記した水性インクジェットインクで説明した水溶性有機溶剤を挙げることができる。
水溶性有機溶剤のなかから、グリセリン類、グリコール類、グリコールエーテル類、及びこれらの組み合わせを用いることが好ましく、より好ましくはグリセリン類であり、具体的にはグリセリンである。これらの水溶性有機溶剤は、水との相溶性がより良好であり、アセチレンアルコール系界面活性剤(C’)との親和性も良好である。
メンテナンス液はグリセリンを含むことが好ましい。
グリセリンは、メンテナンス液全量に対し20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましい。これによって、メンテナンス液の保湿性を高めることができ、洗浄面からの水分の蒸発を低減することができる。例えば、洗浄面においてメンテナンス液単体又はインクとの混和液が大気開放状態になっても、水分の急激な蒸発による凝集物の発生を抑制することができ、画像の均一性と連続吐出性を高めることができる。
グリセリンは、メンテナンス液全量に対し50質量%以下が好ましく、40質量%以下がさらに好ましく、35質量%以下であってもよい。これによって、水分が蒸発した際のメンテナンス液の急激な増粘を抑制することができる。
例えば、グリセリンは、メンテナンス液全量に対し20〜50質量%が好ましく、30〜40質量%がより好ましく、30〜35質量%がさらに好ましい。
さらに、水溶性有機溶剤のなかから、低極性溶剤を用いることが好ましい。低HLB値の界面活性剤は水性溶媒に溶解しにくく、メンテナンス液中で浮いてしまうことがある。この場合、メンテナンス液中に低極性溶剤を加えることで、低HLB値の界面活性剤の溶解性を高めることができる。低極性溶剤としては、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、トリアセチン、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、2−ピロリドン等を好ましく用いることができる。
水溶性有機溶剤は、粘度調整と保湿効果の観点から、メンテナンス液全量に対し、20〜80質量%で含ませることができ、30〜60質量%であることがより好ましく、30〜50質量%がより好ましい。
低極性の水溶性有機溶剤は、メンテナンス液全量に対し、1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましく、2〜3質量%がさらに好ましい。
メンテナンス液は、水溶性有機溶剤とともに水を含むことができる。
水は、メンテナンス液全量に対し、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。水分量が多くなると低HLB値の界面活性剤が析出しやすくなるため、水分量がより少ないことで、低HLB値の界面活性剤の析出を抑制することができる。
水は、メンテナンス液全量に対し、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましい。これによって、水性インクに含まれる水性成分を溶解ないし分散させて除去することができる。
例えば、水は、メンテナンス液全量に対し、30〜60質量%が好ましく、40〜60質量%がより好ましく、40〜50質量%がさらに好ましい。
その他、メンテナンス液には、上記の成分に加え、任意に、湿潤剤(保湿剤)、表面張力調整剤(浸透剤)、消泡剤、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤等を適宜含有させることができる。これらの任意成分としては、上記した水性インクジェットインクで説明した成分を挙げることができる。
メンテナンス液の粘度は、23℃において1〜200mPa・sが好ましく、3〜100mPa・sがより好ましい。
メンテナンス液のpHは、5.5〜9.0が好ましい。この範囲で、ヘッド面の洗浄において凝集物の発生を抑制し、ノズル詰まりを防止し、連続吐出性を高めることができる。
メンテナンス液の表面張力は、20〜50mN/mが好ましく、25〜40mN/mがより好ましい。
メンテナンス液の作製方法は、特に限定されないが、各成分を適宜混合することで所望のメンテナンス液を得ることができる。また、得られた組成物をフィルター等を用いてろ過してもよい。
以下、一実施形態によるインクセットを用いて、メンテナンス動作を実行する方法の一例について説明する。
インクジェット印刷装置では、インクジェットヘッドからのインクの吐出不良を低減するために、インクジェットヘッドのメンテナンス動作を行うことができる。
メンテナンス動作の一つとして、メンテナンス液をノズル面に付与する方法、メンテナンス液をノズル面に付与しワイパでノズル面をワイピングする方法、ワイパにメンテナンス液を付与した状態でワイパでノズル面をワイピングする方法等がある。いずれの方法においても、一実施形態によれば、ノズル面において、インクとメンテナンス液との混和液の安定性を高めることができ、ノズル面からインク汚れを効率よく除去することができる。
ワイパの材料は、ヘッドに接触することから、ノズルを傷付けないように硬質の材料よりも弾性を持ったシリコーンゴム、フッ素ゴムのような素材が適している。ワイパは、メンテナンス液やインクに頻繁に接触するため、これらの液体によって変形等が生じない耐久性を備えることが好ましい。
メンテナンス動作を実行するタイミングは、印刷の直前、直後、又はその両方であってよい。また、メンテナンス動作を実行するタイミングは、所定回数の印刷を行った後のタイミング、ノズル面の汚れをセンサ等で感知したタイミング等としてもよい。
メンテナンス動作は、インクジェット印刷装置内に、メンテナンス液の収容部、ワイパ等のメンテナンス機構を設けてもよい。他の方法として、ノズル面が汚れたタイミングで、メンテナンス液を用いて手動でノズル面の汚れを拭き取ってもよく、あるいは、ノズル面をメンテナンス液に浸漬させてインクを溶解させて除去してもよい。
メンテナンス液は、ノズル面の洗浄に適するが、ノズルヘッドの内部、基材の搬送経路、インクタンク、筐体等のその他の部材にも適用可能である。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。本発明は以下の実施例に限定されない。以下の説明において、特に説明のない箇所では、「%」は「質量%」を示し、表中の「−」は未添加を示す。
[製造例A]
<顔料分散体の作製>
表1に顔料分散体の処方を示す。
表中に示す処方にしたがって、各成分をプレミックスした。その後、500mLのPP(ポリプロピレン)容器に300gの混合物を入れ、直径Φ0.5mmのジルコニアビーズを、PP容器中の総量が容器の9割程度になるように添加した。このPP容器をロッキングミル((株)セイワ技研製)にセットし、2時間分散した後、ジルコニアビーズを分散液から分離し、顔料分散体を得た。
用いた成分は以下の通りである。
マゼンタ顔料:DIC株式会社製「FASTOGEN SUPER MAGENTA RGT」。
アクリル系分散剤:BYK社製「DISPERBYK−190」、有効成分40%。
pH調整剤:富士フイルム和光純薬株式会社製「TEA(トリエタノールアミン)」。
防腐剤:ロンザジャパン株式会社製「PROXEL XL2(S)」。
Figure 2021107527
<インクの作製>
表2から表5に、実施例及び比較例のインクの処方を示す。各表において、マゼンタ顔料分散体の配合量は、顔料分散体の総量で示す。また、各樹脂エマルションの配合量は、樹脂エマルションの総量で示す。表中に示す顔料分散体の顔料分及び樹脂エマルションの固形分の単位は質量%である。表中の顔料分散体及び樹脂エマルションに含まれる溶媒は主に水である。
各表に示すインクの処方にしたがって、各成分を混合し、その後、孔径3μmのメンブレンフィルターで濾過し、インクを得た。
用いた成分は、以下の通りである。
(成分1:顔料分散体)
マゼンタ分散体:上記手順によって製造したもの;顔料分20%。
(成分2:ウレタン系樹脂エマルション)
ポリエーテル型脂肪族ウレタン系樹脂(1):三井化学株式会社製「タケラックW−6020」、固形分30.0%。
ポリエーテル型脂肪族ウレタン系樹脂(2):三洋化成工業株式会社製「パーマリンUA−200」、固形分30.0%。
ポリエーテル型脂肪族ウレタン系樹脂(3):三井化学株式会社製「タケラックW−5661」、固形分35.0%。
ポリエーテル型芳香族ウレタン系樹脂:DSM社製「NeoRez R−9404」、固形分31.0%。
ポリエステル型脂肪族ウレタン系樹脂:株式会社ADEKA製「アデカボンタイターHUX−370」、固形分33.0%。
ポリカーボネート型脂肪族ウレタン系樹脂:三洋化成工業株式会社製「ユーコートUX−485」、固形分40.0%。
以上のウレタン系樹脂エマルションは、いずれもアニオン性である。表中の成分(2a)はポリエーテル型脂肪族ウレタン系樹脂エマルションを示し、成分(2b)は比較ウレタン系樹脂エマルションを示す。
(成分3:アクリル系樹脂エマルション)
スチレンアクリル系樹脂:ジャパンコーティングレジン社製「モビニール 966A」、固形分45.0%。
アクリル系樹脂:ジャパンコーティングレジン社製「モビニール 9760」、固形分19.5%。
以上のアクリル系樹脂エマルションは、いずれもアニオン性である。
(成分4:水溶性有機溶剤)
表中のグリセリン、1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテルは、富士フイルム和光純薬株式会社より入手可能である。
(成分5:界面活性剤)
アセチレングリコール(HLB:4.0):日信化学工業株式会社製「サーフィノール420」。
アセチレングリコール(HLB:8.1):日信化学工業株式会社製「サーフィノール440」。
アセチレングリコール(HLB:13.2):日信化学工業株式会社製「オルフィンE1010」。
アセチレングリコール(HLB:17.1):日信化学工業株式会社製「サーフィノール485」。
以上の界面活性剤は、いずれもアセチレングリコール系界面活性剤であり、非イオン性であり、有効成分100質量%である。表中の成分(5a)はHLB値が10.0以下の界面活性剤を示し、成分(5b)はHLB値が10.0超過の界面活性剤を示す。
界面活性剤のHLB値は、界面活性剤の分子構造から、グリフィン法にしたがって下記式(1)より求めた数値である。
HLB値=20×(親水部の式量)/(界面活性剤の分子量)・・・式(1)
ウレタン系樹脂エマルションの膨潤率は、以下の手順にしたがって測定した。
測定対象のインクに配合されるウレタン系樹脂エマルションと界面活性剤との組み合わせにおいて、ウレタン系樹脂エマルションを界面活性剤に浸漬した状態で、ウレタン系樹脂エマルションが膨潤する割合を求めた。測定対象のインクに2種類の界面活性剤が配合される場合は、2種類の界面活性剤の質量比をインク中の配合割合と合わせて混合して用いた。
測定対象のインク中に含まれるウレタン系樹脂エマルションを直径5cmのガラスシャーレに、固形分で1.5gになる量を入れ、100℃の熱乾燥器にいれ、水分を蒸発させ樹脂を乾燥させて乾燥膜を得た。乾燥膜にした試験片を1cm×1cmの大きさにカットし、その質量を測定後、ガラス瓶に入れ、そこに測定対象のインク中に含まれる界面活性剤を1.0g加え乾燥膜を浸漬し、12時間後に取り出し乾燥膜表面の界面活性剤をふき取った後、質量を測定した。膨潤率は下記式から算出した。
膨潤率[%]={((浸漬後の乾燥膜の質量)−(浸漬前の乾燥膜の質量))/(浸漬前の乾燥膜の質量)}×100
<評価方法>
得られたインクを用いて、以下の手順に従って加飾物品を作製し、以下の評価を行った。結果を表2〜表5に併せて示す。
基材には、白塗装されたアルミニウム板(ニッカル商工株式会社、アルミ平板)を用いた。
10cm×10cmにカットした白塗装アルミニウム板を70℃のオーブンで10分間加熱した。
各インクをインクジェットプリンタ(Anajet社製Anajet mPower−10)のインクジェットヘッドに導入し、加熱した白塗装アルミニウム板の表面温度が40℃になった状態で、マゼンタの単色で写真画像を印刷した。
印刷後に150℃のオーブンで10分間加熱乾燥させ、得られた印刷物を加飾物品とした。
(印刷画像の耐久性)
得られた加飾物品の画像部を荷重60kg/mかけて底面積9cm×9cmのスチールウールで往復し、基材表面の変化を観察した。以下の基準で印刷画像の耐久性を評価した。
AA:30往復擦っても画像に大きな変化がない。
A:30往復擦って、画像がやや白っぽくなる。
B:30往復以下で画像が剥がれる。
C:10往復以下で画像が剥がれる。
D:1往復で画像が剥がれる。
(印刷画像の加工性)
得られた加飾物品をベンダーで90度に折り曲げ、折り曲げた部分の画像の変化を観察した。以下の基準で印刷画像の加工性を評価した。
A:曲げによる画像の微小なひび割れによる白化が観察されなかった。
B:白化は観察されないが、拡大鏡で分かる微小なひび割れが観察された。
C:白化が観察された。
D:白化が観察され、画像が割れた部分から剥がれが生じていた。
(印刷画像の画像性)
得られた加飾物品の画像部をズーム顕微鏡で観察し、写真画像の黄変の有無を観察した。以下の基準で印刷画像の画像性を評価した。
A:写真画像の発色に黄変が見られない。
B:写真画像の発色がやや黄味がかっている。
C:写真画像の黄味が強い。
Figure 2021107527
Figure 2021107527
Figure 2021107527
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各表に示す通り、各実施例の印刷物では印刷画像の耐久性及び加工性に優れ、さらに印刷画像の画像性も良好であった。
各実施例を通して、ウレタン系樹脂(A)、(メタ)アクリル系樹脂(B)、界面活性剤(C)、顔料の種類が異なっても、一実施形態の成分を用いることで、各評価が良好であった。
各実施例を通して、ウレタン系樹脂(A)の配合量が3質量%以上で、印刷画像の耐久性及び加工性、特に耐久性がより改善されることがわかる。
各実施例を通して、測定対象のインクに用いるウレタン系樹脂の界面活性剤に対する膨潤率が10〜100%であることで、印刷画像の耐久性及び加工性がより改善されることがわかる。
実施例3、5、7を通して、界面活性剤(C)は2種類を組み合わせてもよく、界面活性剤(C)とその他の界面活性剤を組み合わせてもよいことがわかる。
各比較例を通して、ウレタン系樹脂(A)、(メタ)アクリル系樹脂(B)、及び界面活性剤(C)の中から少なくとも1つを含まない場合は、十分な結果が得られないことがわかる。
比較例1では、ポリエステル型脂肪族ウレタン系樹脂を用いており、印刷画像の耐久性及び加工性が低下した。さらに、比較例1では、ウレタン系樹脂のエステル結合に由来して、印刷画像の画像性が低下した。
比較例2では、ポリカーボネート型脂肪族ウレタン系樹脂を用いており、印刷画像の加工性が低下した。これは、ウレタン系樹脂のカーボネート結合に由来して、樹脂自体が硬いが柔軟性が不十分であるからと考えられる。
比較例3では、ポリエーテル型芳香族ウレタン系樹脂を用いており、印刷画像の耐久性及び加工性が低下した。また、比較例3では、ウレタン系樹脂の芳香族ウレタン結合に由来して、インク塗膜の黄変が発生し、印刷画像の画像性が低下した。
比較例4は、(メタ)アクリル系樹脂を用いない例であり、インク塗膜に起因する画像性の低下は発生しなかったが、印刷画像の耐久性及び加工性が低下した。
比較例5〜7は、比較例1〜3に対し(メタ)アクリル系樹脂(B)を用いない例であり、さらに印刷画像の耐久性が低下した。
比較例8は、ウレタン系樹脂を用いない例であり、印刷画像の耐久性及び加工性、特に加工性が低下した。
比較例9及び10は、HLB値が10.0超過の界面活性剤を用いている例であり、印刷画像の耐久性及び加工性が低下した。これは、ウレタン系樹脂(A)とHLB値が10.0以下の界面活性剤(C)との相互作用が得られずに、インク塗膜の均質性が低下したことを一因とすると考えられる。
各比較例を通して、測定対象のインクに用いるウレタン系樹脂の界面活性剤に対する膨潤率が10%未満である場合では、この点からも、印刷画像の耐久性及び加工性が低下したと考えられる。
[製造例B]
<顔料分散体の作製>
上記製造例Aと同じ手順でマゼンタ顔料分散体を作製した。
<インクの作製>
表6に、インクの処方を示す。各表において、マゼンタ顔料分散体の配合量は、顔料分散体の総量で示す。また、各樹脂エマルションの配合量は、樹脂エマルションの総量で示す。表中に示す顔料分散体の顔料分及び樹脂エマルションの固形分の単位は質量%である。表中の顔料分散体及び樹脂エマルションに含まれる溶媒は主に水である。
表中に示すインクの処方にしたがって、各成分を混合し、その後、孔径3μmのメンブレンフィルターで濾過し、インクを得た。
用いた成分は、上記した製造例Aのインクと共通する。界面活性剤のHLB値、及びウレタン系樹脂エマルションの膨潤率は、上記した製造例Aと同様にして求めた。
<メンテナンス液の作製>
表7に、メンテナンス液の処方を示す。表中に示すメンテナンス液の処方にしたがって、各成分を混合し、その後、孔径3μmのメンブレンフィルターで濾過し、メンテナンス液を得た。得られたメンテナンス液のpHを測定し表中に示す。
用いた水溶性有機溶剤は、いずれも富士フイルム和光純薬株式会社より入手可能である。用いた界面活性剤及び防腐剤は、上記した製造例Aのインクと共通する。
<評価方法>
得られたインクを用いて、製造例Aと同様の手順に従って加飾物品を作製し、以下の評価を行った。以下の印刷画像の均一性及び連続吐出性の評価において、ベタ画像の加飾物品は、マゼンタの単色で写真画像の代わりにベタ画像を印刷する他は、製造例Aと同じ操作を繰り返して作製した。
印刷画像の耐久性、印刷画像の加工性、及び印刷画像の画像性は、上記した製造例Aと同様の手順で同じ基準で評価した。
印刷画像の均一性と連続吐出性は、表8に示すようにインクとメンテナンス液とを組み合わせて評価を行った。
(印刷画像の均一性)
10cm×10cmのアルミニウム板に縁なしのベタ画像を3枚印刷した後に、各メンテナンス液に浸したゴムブレードで、インクジェットヘッドのノズル面を拭き取った。この状態で、もう一度、10cm×10cmのアルミニウム板に縁なしのベタ画像を印刷した。ノズル面を拭き取った後に印刷して得られた加飾物品の画像部をズーム顕微鏡で観察し、ベタ画像の均一性を観察した。以下の基準で印刷画像の均一性を評価した。
A:均一なベタ画像を形成している。
B:ベタ画像の一部にムラがある。
C:ベタ画像の半分程度にムラがある。
(連続吐出性)
10cm×10cmのアルミニウム板に縁なしのベタ画像を10枚印刷し続けた後、各メンテナンス液に浸したゴムブレードでインクジェットヘッドのノズル面を拭き取った。この状態で、もう一度、10cm×10cmのアルミニウム板に縁なしのベタ画像を10枚印刷し続けた後、ノズルチェックパターンを印刷し吐出されていないノズルが何本あるかチェックした。以下の基準で連続吐出性を評価した。
AA:抜け本数が0本である。
A:抜け本数が1本以上2本以下である。
B:抜け本数が3本以上4本以下である。
C:抜け本数が5本以上である。
Figure 2021107527
Figure 2021107527
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各表に示す通り、各実施例の加飾物品では印刷画像の耐久性及び加工性に優れ、さらに印刷画像の画像性も良好であった。また、各実施例のメンテナンス液を用いた処理では、その後の印刷において、印刷画像の均一性及び連続吐出性が良好であった。
実施例B1〜B6は、インクB1〜B3を用いており、印刷画像の耐久性、加工性、画像性が良好であった。
実施例B1〜B3は、いずれもメンテナンス液に含まれる界面活性剤のHLB値が8.1であり、印刷画像の均一性及び連続吐出性が良好であった。実施例B1〜B3は、インクとメンテナンス液に同じ界面活性剤が含まれることから、連続吐出性がより良好であった。
実施例B4は、メンテナンス液に含まれる界面活性剤のHLB値が4.0であり、印刷画像の均一性及び連続吐出性が良好であった。
実施例B5は、メンテナンス液に含まれる界面活性剤のHLB値が13.2であり、印刷画像の均一性及び連続吐出性が低下している。
実施例B6は、メンテナンス液に含まれる界面活性剤のHLB値が17.1であり、印刷画像の均一性及び連続吐出性が低下している。
実施例B1〜B6を通して、メンテナンス液に含まれる界面活性剤のHLB値が10.0以下の範囲で、ノズルヘッドのノズル面に付着したインクが適切に除去され、印刷画像の均一性及び連続吐出性が改善されると考えられる。

Claims (6)

  1. 水分散性ポリエーテル型脂肪族ウレタン系樹脂(A)、水分散性(メタ)アクリル系樹脂(B)、HLB値が10.0以下であるアセチレングリコール系界面活性剤(C)、色材、及び水を含む、水性インクジェットインク。
  2. 前記水分散性ポリエーテル型脂肪族ウレタン系樹脂(A)は、前記水分散性ポリエーテル型脂肪族ウレタン系樹脂(A)を乾燥膜にした試験片を、インクに配合される界面活性剤に浸漬し、12時間後に取り出した際の、浸漬前からの質量基準の膨潤率が10%以上100%以下である、請求項1に記載の水性インクジェットインク。
  3. 前記水分散性ポリエーテル型脂肪族ウレタン系樹脂(A)は、インク全量に対し、3.0質量%以上である、請求項1又は2に記載の水性インクジェットインク。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の水性インクジェットインクと、
    HLB値が10.0以下であるアセチレングリコール系界面活性剤(C’)と、メンテナンス液全量に対し30質量%以上であるグリセリンとを含むメンテナンス液とを含む、インクセット。
  5. 前記メンテナンス液は、メンテナンス液全量に対し水分量が40〜60質量%である、請求項4に記載のインクセット。
  6. 前記水性インクジェットインクに含まれるアセチレングリコール系界面活性剤(C)と、
    前記メンテナンス液に含まれるアセチレングリコール系界面活性剤(C’)とは、同じ成分を含む、請求項4又は5に記載のインクセット。
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