JP2021103212A - インク組成物、該組成物を用いてなる積層体、光波長変換層、光波長変換部材及びカラーフィルタ - Google Patents

インク組成物、該組成物を用いてなる積層体、光波長変換層、光波長変換部材及びカラーフィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】量子ドットの蛍光特性を損なうことなく印刷可能であって、特にインクジェット法で印刷可能な低粘度のインク組成物、該組成物から形成される波長変換効率に優れる積層体、光波長変換層、光波長変換部材及びカラーフィルタの提供。【解決手段】上記課題は、量子ドット(A)、α−アリロキシメチルアクリル酸アルキルを含む重合性化合物(B)、及び光重合開始剤(C)を含む、インク組成物、該組成物から形成される波長変換効率に優れる積層体、光波長変換層、光波長変換部材及びカラーフィルタによって解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、優れたインキ安定性及び硬化性を有し、さらに高い光効率特性を発揮する、量子ドットを含有するインク組成物、該組成物を用いてなる積層体、光波長変換層、光波長変換部材及びカラーフィルタに関する。
量子ドットは、量子力学に従う独特な光学特性を発現させるために、電子を微小な空間に閉じ込めるために形成された極小さな粒(ドット)である。1粒の量子ドットの大きさは、直径1ナノメートルから数10ナノメートルであり、約1万個以下の原子で構成されており、発する蛍光の波長が、粒の大きさで連続的に制御できること、蛍光強度の波長分布が対称性の高いシャープな発光が得られることから近年注目を集めている。
量子ドットは、人体を透過しやすい波長に蛍光を調整でき、体内のあらゆる場所に送達できることより発光材料として生体イメージング用途、褪色の恐れがない波長変換材料として太陽電池用途、鮮明な発光材料、波長変換材料としてエレクトロニクス・フォトニクス用途等への展開検討が行われている。
これらの用途に展開するときに、微細なパターンを形成することが必要になる。そこで、パターン形成のために感光材料を用いてレジスト液を作製し、マスクを介して光照射する方法が提案されている(特許文献1)。一方、レジスト化を必要としないパターン形成手法としてインクジェット法を用いた量子ドット含有インクジェットインキが提案されている。(特許文献2、3)
特開2015−127733号公報 特開2018−109141号公報 国際公開第2018/123103号
しかし、特許文献1の発明では、光照射時における量子ドットの劣化や、現像時の量子ドット流出等による量子ドット材料の利用効率低下等の問題があった。また、インクジェット法ではインキ特性、特に吐出性と印刷後の密着性等の両立、及び量子ドットの光効率特性等の性能バランスが非常に難しく、特許文献2の発明では、実用性のあるものは得られていない。特に、現状インクジェット法に適応させるには、粘度を8〜15mPa・s程度と低粘度にする必要がある。
したがって本発明の目的は、量子ドットの蛍光特性を損なうことなく印刷可能であって、特にインクジェット法で印刷可能な低粘度のインク組成物、該組成物から形成される波長変換効率に優れる積層体、光波長変換層、光波長変換部材及びカラーフィルタを提供することにある。
上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す実施形態により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の実施形態は、量子ドット(A)、α−アリロキシメチルアクリル酸アルキルを含む光重合性化合物(B)、及び光重合開始剤(C)を含む、インク組成物に関する。
本発明の他の実施形態は、前記量子ドット(A)の含有量が、組成物中の全固形分中、10質量%以上、50質量%以下である、上記インク組成物に関する。
本発明の他の実施形態は、前記α−アリロキシメチルアクリル酸アルキルの含有量が、組成物中の全固形分中、5質量%以上、40質量%以下である、上記インク組成物に関する。
本発明の他の実施形態は、前記α−アリロキシメチルアクリル酸アルキルの含有量が、光重合性化合物(B)の全量中、10質量%以上、35質量%以下である、上記インク組成物に関する。
本発明の他の実施形態は、前記光重合性化合物(B)が、さらにアミド基を有する光重合性化合物を含む、上記インク組成物に関する。
本発明の他の実施形態は、光散乱粒子(D)をさらに含有する、上記インク組成物に関する。
本発明の他の実施形態は、前記光散乱粒子(D)が、金属酸化物からなる粒子である、上記インク組成物に関する。
本発明の他の実施形態は、25℃の粘度が、5〜30mPa・sの範囲である、上記インク組成物に関する。
本発明の他の実施形態は、活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ用である、上記インク組成物に関する。
本発明の他の実施形態は、複数の層を有する積層体であって、少なくとも1層が、上記インク組成物からなる発光層を有する積層体に関する。
本発明の他の実施形態は、上記インク組成物からなる光波長変換層に関する。
本発明の他の実施形態は、上記光波長変換層を有する光波長変換部材に関する。
本発明の他の実施形態は、基材上に、上記インク組成物を用いて形成されたフィルタセグメントを具備するカラーフィルタに関する。
本発明により、量子ドットの蛍光特性を損なうことなく印刷可能であって、特にインクジェット法で印刷可能な低粘度のインク組成物、該組成物から形成される波長変換効率に優れる積層体、光波長変換層、光波長変換部材及びカラーフィルタを提供することができる。
<インク組成物>
本発明のインク組成物は、量子ドット(A)、α−アリロキシメチルアクリル酸アルキルを含む光重合性化合物(B)、及び光重合開始剤(C)を含むことを特徴とする。α−アリロキシメチルアクリル酸アルキルと量子ドットとを組み合わせることにより、量子ドットの蛍光特性を損なわずに、得られるインク組成物の粘度を低く抑えることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[量子ドット(A)]
本発明で用いられる量子ドットは、特に制限されず、ナノサイズの半導体であって光励起で発光可能なものであれば使用可能である。中でも、2族元素、10族元素、11族元素、12族元素、13族元素、14族元素、15族元素及び16族元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物半導体が好適に用いられる。当該化合物半導体は、2種以上の元素を含んでいてもよい。
量子ドット(A)としては、例えば、Si、Ge、Sn、Se、Te、B、C(ダイアモンドを含む)、P、Co、Au、BN、BP、BAs、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdSeZn、CdTe、HgS、HgSe、HgTe、BeS、BeSe、BeTe、MgS、MgSe、GeS、GeSe、GeTe、SnS、SnSe、SnTe、PbO、PbS、PbSe、PbTe、CuF、CuCl、CuBr、CuI、Si、Ge、Al、(Al、Ga、In)(S、Se、Te)、AlCO、AgInSe、CuGaSe、CuInS、CuGaS、CuInSe、AgGaSe、AgGaS、CsPbCl、CsPbI、CsPbBr及び二つ又はそれ以上の材料の適切な組み合わせが挙げられる。
前記のうち、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、C、Si、Ge、Sn、N、P、As、Sb、Pb、S、Se及びTeで示される元素群から選ばれる少なくとも2種の元素を含む化合物からなる半導体が好ましく、より好ましくは、Zn、B、Al、Ga、In、C、Si、Ge、Sn、N、P、S及びTeで示される元素群から選ばれる少なくとも2種の元素を含む化合物からなる半導体であり、さらに好ましくは、バンドギャップの狭さからInを構成元素として含む半導体であり、可視光を発光する用途において好適に用いられる。
量子ドット(A)の構造は、前記記載の元素を含む構造であれば、均一な単一構造、コア/シェル型構造又はグラジエント構造等のような複層構造、あるいはこれらの混合構造であってもよい。
量子ドット(A)は、コア/シェル型構造をとる化合物半導体であることが好ましい。シェル構造は1層又は2層であってもよく、コアを形成する化合物半導体成分と異なる化合物半導体成分でコア構造を被覆し、外部がバントギャップの大きい化合物半導体であれば、光等のエネルギー励起によって生成された励起子(電子−正孔対)はコア内に閉じ込められる。その結果、化合物半導体表面での無輻射遷移の確率が減少し、発光の量子収率及び量子ドットの蛍光特性の安定性が向上する。
量子ドットとして使用される場合に、前記の条件を満たす好適な材料の組合せとしては、例えば、CdSe/ZnS、CdSe/ZnSe、CdS/ZnS、CdSe/CdS、CdTe/CdS、InP/ZnS、InP/ZnSeZnS、PbSe/PbS、GaP/ZnS、Si/ZnS、InN/GaN、InP/CdSSe、InP/ZnSeTe、InGaP/ZnSe、InGaP/ZnS、Si/AlP、InP/ZnSTe、InGaP/ZnSTe、InGaP/ZnSSeが挙げられる。
量子ドット(A)を形成する化合物半導体のシェル成分としては、ZnS、CdS、ZnSe等が好適に用いられる。中でもコア成分がIn及びPを構成元素として含む場合、ZnSは、量子ドットとしての励起子閉じ込め等の特性的にも特に優れており、好適に使用される。
また、半導体微粒子の材質としては、ペロブスカイト結晶も好ましく用いることができる。本発明の量子ドットとして好適なペロブスカイト結晶は、下記一般式(1)で表される組成を有し、3次元結晶構造を持つものである。
一般式(1): ABX
一般式(1)において、Aはメチルアンモニウム(CHNH)、及び、ホルムアミジニウム(NHCHNH)から選ばれる少なくとも1つであるアミン化合物の1価陽イオンであるか、又は、ルビジウム(Rb)、セシウム(Ce)、及び、フランシウム(Fr)から選ばれる少なくとも1つのアルカリ金属元素の1価陽イオンであり、Bは鉛(Pb)及び錫(Sn)から選ばれる少なくとも1つである金属元素の2価陽イオンであり、Xはヨウ素(I)、臭素(Br)、及び塩素(Cl)から選ばれる少なくとも1つのハロゲン元素の1価陰イオンである。ペロブスカイト結晶の特徴は結晶中のハロゲン元素の比率により赤から青までの可視光領域のほぼすべての波長を狭い半値幅でカバーできることである。
化合物半導体の無機材料部分の平均粒子径は、0.5nm〜100nmであることが好ましく、所望する特性に応じて適宜選択することができる。単一半導体組成である場合の半導体微粒子の平均粒子径、及び、コア/シェル型のコア平均粒子径は0.5nm〜25nmであることが好ましく、より好ましくは0.5nm〜15nmである。平均粒子径が0.5nm以上であると合成面で好ましく、100nm以下であると量子閉じ込め効果が向上し求める蛍光を得ることができる。
量子ドット(A)は、同じ材料であってもコア粒子径を変えることで蛍光波長を任意に変更可能なことが特徴であり、求める蛍光波長に応じて粒子径を設定することが必要になる。コア/シェル型の場合、一つの化合物半導体の中に複数のシェル微粒子を含有してもよく、シェルの平均厚みは無機材料部分の粒子半径とコア粒子半径の差に相当する。
ここで平均粒径とは、化合物半導体微粒子を透過型電子顕微鏡で観察し、無作為に30個のサイズを計測してその平均値を採用した値を指す。この際、半導体微粒子は後述の有機リガンドを伴うことができる。これに対し、エネルギー分散型X線分析が付帯した走査型透過電子顕微鏡を用いることで、有機リガンドを除く半導体微粒子を特定し、粒径を計測する。半導体微粒子の特定は、透過型電子顕微鏡像において電子密度の違いから有機リガンドに対し半導体微粒子部分が暗く撮像されることを利用する。半導体微粒子の形状は、球状に限らず、棒状、円盤状、その他形状であってもよい。
量子ドット(A)は、さらにリガンド化合物で表面処理されていてもよい。「表面処理された」とは、化合物半導体微粒子表面の少なくとも一部にリガンドを有していることであり、このような半導体微粒子の表面に存在するリガンドは、被覆材料、保護材料、処理剤又は配位子とも呼ばれる。
一般にリガンドとして用いられる化合物は、半導体微粒子の金属部分に吸着する強い極性又は非共有電子対を有し、更に、塗液やインキとする際に使用する溶剤や樹脂との親和性が高い炭素鎖や芳香環が連結した部分構造又はポリアルキレングリコールに由来する部分構造を有する。このようなリガンドとしては、有機顔料、無機顔料若しくは無機化合物材料の分散剤、洗剤若しくはエマルジョン形成時に使用される界面活性剤、又は乳化剤として一般に知られているものを使用することができる。また、金属錯体の配位子として用いられる部分構造を有する化合物として、特に、金属への配位座を2個以上有するキレート配位子構造を有する化合物も、半導体微粒子の金属部分に吸着しやすく脱離しにくいため、リガンドとして使用できる。
特に、合成時に使用可能なリガンドとしては、合成温度が比較的高温であり反応効率を高める観点から、沸点が200℃以上であることが好ましく、分散安定性の観点から、炭素数8以上のアルキル基を部分構造として有するものが好ましい。またリガンドは、化合物半導体への作用を強固にするために極性基を有してもよく、このようなリガンドとしては、有機酸、有機アミン、硫黄含有有機物、リン含有有機物等が挙げられる。
有機酸としては、カルボキシル基を有する化合物が挙げられ、分子中にカルボキシル基を複数有していてもよい。有機酸の具体例としては、例えば、安息香酸、ビフェニルカルボン酸、ブチル安息香酸、ヘキシル安息香酸、シクロヘキシル安息香酸、ナフタレンカルボン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、エチルヘキサン酸、ヘキセン酸、オクテン酸、シトロネル酸、スベリン酸、エチレングリコールビス(4−カルボキシフェニル)エーテル、(2−ブトキシエトキシ)酢酸が挙げられる。
炭素数8以上のアルキル基を部分構造として有する有機酸としては、例えば、ノナン酸、デカン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、トリコサン酸、リグノセリン酸、オレイン酸、エイコサジエン酸、リノレン酸、セバシン酸、(2−オクチルオキシ)酢酸が挙げられる。
有機アミンとしては、アミノ基を有する化合物を用いることができ、例えば、n−ブチルアミン、iso−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、シクロヘキシルアミンが挙げられる。
炭素数8以上のアルキル基を部分構造として有する有機アミンとしては、例えば、オクチルアミン、ドデカアミン、ヘプタデカン−9−アミン、N,N−ジメチル−n−オクチルアミン等が挙げられる。
硫黄含有有機物としては、チオール類又はジスルフィド類が挙げられる。
チオール類としては、例えば、アリルメルカプタン、1,3−ベンゼンジメタンチオール、2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾールブタンチオール、n−ヘキサンチオール、n−ヘプタンチオールが挙げられる。
炭素数8以上のアルキル基を部分構造として有するチオール類としては、例えば、ドデカンチオール、1−ドコサンチオール、tert−ドデシルメルカプタン、2−エチルヘキサンチオールが挙げられる。
ジスルフィド類としては、例えば、ビス(4−クロロ−2−ニトロフェニル)ジスルフィド、ヘキシルスルフィド、3,3',5,5'−テトラクロロジフェニルジスルフィドが挙げられる。
炭素数8以上のアルキル基を部分構造として有するスルフィド類としては、例えば、ドデシルジスルフィド、オクタデシルジスルフィド、ドデシルオクタデシルジスルフィドが挙げられる。
リン含有有機物としては、例えば、リン酸ブチル、リン酸ヘキシル、リン酸ジイソプロピル、(2−エチルヘキシル)ホスホン酸モノ−2−エチルヘキシル、プロピルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸メチル、イソプロピルホスホン酸ヘキシルが挙げられる。
炭素数8以上のアルキル基を部分構造として有するリン含有有機物としては、例えば、リン酸オクチル、リン酸ジドデシル、リン酸ドデシル、ドデシルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸ドデシル、デシルホスホン酸、デシルホスホン酸イソプロピルが挙げられる。
量子ドット(A)の製造方法としては、ガラス中で合成する方法、水溶液中で合成する方法、有機溶媒中で合成する方法等、公知の製造方法を用いることができる。
また、化合物半導体表面の少なくとも一部は、合成時とは異なるリガンドで被覆されていてもよい。リガンドを変更する方法としては、例えば、第1のリガンドで表面処理された化合物半導体と、置き換えたい第2の被覆材料とを希釈溶剤中で撹拌する方法や、第1のリガンドで表面処理された化合物半導体を遠心分離等で溶剤をおおよそ取り除いた後に、置き換えたい第2の被覆材料を含む溶剤に化合物半導体を再分散させる方法等が挙げられる。
上記手法を用いることで、用途や要求特性に適したリガンドを選択とすることができ、塗工液やインキに好適に用いられる溶剤や樹脂との親和性を向上させることができる。
量子ドット(A)の含有量は、インク組成物中の全固形分量に対して、好ましくは5〜50質量%であり、より好ましくは10〜50質量%である。含有量が5質量%以上であると、励起光(バックライト)の光抜けを抑制でき十分に波長変換されるため好ましい。含有量が50質量%以下であると、インク組成物とした場合の分散安定性が良好であり、インクジェットインキとして吐出可能な粘度範囲になるため好ましい。
[光重合性化合物(B)]
本発明における光重合性化合物(B)は、α−アリロキシメチルアクリル酸アルキルを必須成分とし、α−アリロキシメチルアクリル酸アルキルは下記一般式(1)で表される化合物である。
一般式(1)
Figure 2021103212
[一般式(1)中、Rはアルキル基を表す。]
一般式(1)のRは、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。Rがメチル基であるα−アリロキシメチルアクリル酸メチルは、単体での粘度が低いだけでなく、相溶性及び溶解性が優れている。通常、混合液体の粘度は、各成分単体の粘度に混合率を掛けた数字を合算した計算値とほぼ同等になることが多いが、重合性化合物としてα−アリロキシメチルアクリル酸メチルを含むインク組成物は、上記計算値より大幅に粘度が低下し、減粘効果に優れるため好ましい。
また、α−アリロキシメチルアクリル酸アルキルは、量子ドット(A)や後述の光散乱粒子(D)と配合した場合に、それらの分散性を低下させたり、粘度を上昇させることが少ないため、広範囲の配合比率で用いることができる。したがって、印刷適性及び硬化性を十分保持したまま、励起光透過を抑制することができ、外部量子効率を高めることが容易となる。
α−アリロキシメチルアクリル酸アルキルの含有量は、光重合性化合物(B)の全量に対して、好ましくは5〜50質量%であり、より好ましくは10〜35質量%である。5質量%以上であると、粘度低下効果が十分に発揮されるため好ましい。50質量%以下であると、インク組成物の硬化性に優れるため好ましい。
α−アリロキシメチルアクリル酸アルキルの含有量は、インク組成物の全固形分量に対して、好ましくは5〜40質量%であり、より好ましくは10〜25質量%の範囲である。5質量%以上であると、粘度低下効果が十分に発揮されるため好ましい。40質量%以下であると、量子ドット(A)の相対量が十分となり光効率特性に優れるため好ましい。
光重合性化合物(B)は、α−アリロキシメチルアクリル酸アルキルを必須成分とし、さらに他の光重合性化合物を含んでもよい。他の光重合性化合物としては、光照射によってα−アリロキシメチルアクリル酸アルキルと共重合するものが好ましく、より好ましくは光ラジカル重合性化合物であり、特に好ましくは(メタ)アクリレート化合物である。これらの光重合性化合物(B)は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
他の光重合性化合物としては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、(エトキシ(又はプロポキシ)化)2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(オキシエチル)(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、β−カルボキシルエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンフォルマル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド等の単官能モノマー;ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、(エトキシ(又はプロポキシ)化)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(エトキシ(又はプロポキシ)化)1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(エトキシ(又はプロポキシ)化)ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ネオペンチルグリコール変性)トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(又はテトラ)(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(又はテトラ)(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(又はテトラ)(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能モノマー;が挙げられる。
(アミド基を有する光重合性化合物)
本発明のインク組成物は、他の光重合性化合物としてアミド基を有する光重合性化合物を用いることが好ましい。α−アリロキシメチルアクリル酸アルキルとアミド基を有する光重合性化合物とを組み合わせることで、より粘度低下の効果が得られるだけでなく、光重合性が向上する。
アミド基を有する光重合性化合物は、1分子中にアミド基とラジカル重合性炭素−炭素二重結合を有するものであり、N位がアルキル基などで置換されていてもよい。アミド基を有する光重合性化合物は、単体での粘度が低いだけでなく溶解性及び相溶性に優れており、インク組成物の低粘度化、塗工層への密着性の向上、硬化性の向上等の効果がある。また、量子ドット(A)や後述の光散乱粒子(D)と配合した場合に、それらの分散性を損なったり、粘度上昇を伴う恐れが少ないため、広範囲の配合比率で用いることができ、印刷適性、硬化性を十分保持したまま、励起光透過を抑えたり、外部量子効率を高めることが容易となる。
アミド基を有する光重合性化合物としては、(メタ)アクリルアミドモノマー、ラクタム系ビニルモノマー等が挙げられるが、これに限定されない。
ラクタム系ビニルモノマーとしては、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタム、メチルビニルピロリドンが挙げられる。
(メタ)アクリルアミドモノマーとしては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−位に置換基を有する(メタ)アクリルアミドが挙げられ、好ましくは、N−位に置換基を有する(メタ)アクリルアミドである。N−位の置換基の典型的な例はアルキル基であり、当該アルキル基は(メタ)アクリルアミドの窒素原子とともに環を形成していてもよく、当該環は、炭素原子及び(メタ)アクリルアミドの窒素原子に加え、酸素原子を環構成員として有してもよい。さらに、その環を構成する炭素原子には、アルキルやオキソ(=O)のような置換基が結合していてもよい。
N−置換(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−ドデシル(メタ)アクリルアミド、N−t−オクチル(メタ)アクリルアミドのようなN−アルキル(メタ)アクリルアミド;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドのようなN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
N−置換基すなわち窒素原子上の置換基は、水酸基を有するアルキル基であってもよく、例えば、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
N−置換基は、アミノ基を有するアルキル基であってもよく、例えば、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドのような、N−アルキル(メタ)アクリルアミドにおけるアルキル基の水素原子がジアルキルアミノ基で置換された、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
N−置換基は、芳香環や上記以外の酸素原子を有する置換基であってもよく、例えば、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−(ブトキシメチル)(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、6−(メタ)アクリルアミドヘキサン酸が挙げられる。
さらに、上記した5員環又は6員環を形成するN−置換(メタ)アクリルアミドの具体例としては、N−アクリロイルピロリジン、3−アクリロイル−2−オキサゾリジノン、4−アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルピペリジン、N−メタクリロイルピペリジン等が挙げられる。
これらのアミドモノマーの中でも、インク組成物の粘度低下効果の観点から、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド又はジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドが好ましく、具体例としては、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ジメチルアミノメチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルアクリルアミド、ジエチルアミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドが挙げられる。中でもN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミドが粘度低下効果の観点から好ましい。
アミド基を有する光重合性化合物の含有量は、光重合性化合物(B)の全量に対して、好ましくは10〜70質量%であり、より好ましくは15〜50質量%、さらに好ましくは20〜40質量%である。10質量%以上であると粘度低下と光重合性により優れるため好ましい。70質量%以下であると塗工物、印刷物の硬化性や密着性が良好となるため好ましい。
[光重合開始剤(C)]
インク組成物はさらに光重合開始剤を含む。光重合開始剤を含むことで、本発明のインク組成物から形成される印刷物を、紫外線照射により硬化させることができる。光重合開始剤として好ましくは光ラジカル重合開始剤であり、その種類は制限されず、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物、オキシムエステル系化合物、ホスフィン系化合物、キノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、イミダゾール系化合物、又はチタノセン系化合物が挙げられ、アセトフェノン系化合物の市販品としては、IGM Resins B.V.社製の「Omnirad 907」(2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン)、「Omnirad 369」(2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン)、「Omnirad 379」2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン;ホスフィン系化合物の市販品としては、IGM Resins B.V.社製の「Omnirad 819」(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド)、「Omnirad TPO H」(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド)等が挙げられる。
光重合開始剤(C)は、さらに増感剤を併用してもよい。増感剤としては、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、P−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミン及び4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミン類が挙げられる。
光重合開始剤(C)と増感剤の合計量は、インク組成物の全固形分中に対して、好ましくは1〜15質量%の範囲である。1質量%以上であると硬化不良が起こりにくく、15質量%以内であると反応残留物等による硬化後の諸物性への影響が低減するため好ましい。
[樹脂]
本発明のインク組成物は、必要に応じて樹脂を含んでもよい。樹脂としては、例えば、石油系樹脂、マレイン酸樹脂、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、環化ゴム、塩化ゴム、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、ビニル樹脂、ブチラール樹脂、直鎖オレフィン樹脂、芳香族ポリエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、フルオレンポリカーボネート樹脂、フルオレンポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド(アラミド)樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリパラフェニレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂又はフッ素化芳香族ポリマー樹脂が挙げられる。
また、樹脂としては、エポキシ樹脂、オキセタン基含有樹脂、イソシアネート基含有樹脂、カルボキシル基含有樹脂、アリルエステル系硬化型樹脂のような熱硬化性樹脂、又はシルセスキオキサン系紫外線硬化樹脂のような紫外線硬化樹脂を用いてもよい。
樹脂の質量平均分子量(Mw)は、好ましくは1,000〜50,000であり、インク組成物をインクジェット法で印刷する場合は吐出安定性の観点から、3,000〜45,000であることがより好ましい。質量平均分子量が1,000以上であるとインク組成物から得られる膜の耐性が向上し、質量平均分子量が50,000以下であるとインク組成物の粘度がインクジェット法の適正粘度範囲内となり、インクジェットヘッドの詰まりや吐出性低下を防ぐことができるため好ましい。なお質量平均分子量は、ゲルパーミッションクロマトグラフィーによりスチレン換算分子量として求めることができる。
樹脂を含む場合、樹脂の含有量は、インク組成物の全固形分量に対して好ましくは15質量%以下である。上記範囲であると粘度が高くなりすぎずに耐傷性や耐薬品性の良好な光波長変換層を得ることができる。また、インク組成物をインクジェット法で印刷して光波長変換層を形成する場合に、インク組成物の粘度がヘッドの適正粘度範囲内となるためヘッド詰まりや吐出性低下を防ぐことができる。
[光散乱粒子(D)]
本発明のインク組成物には、さらに光散乱粒子(D)を含有してもよい。光散乱粒子(D)は、光波長変換層内で光を散乱することで実質的な光路長を延長し、量子ドットの光吸収効率を向上させることができる。光合散乱粒子(D)としては、例えば、無機白色顔料、有機白色顔料、ポリマー微粒子が挙げられる。
無機白色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ等の金属酸化物;炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩;ケイ酸、ケイ酸カルシウム、鉛白、タルク、クレーが挙げられる。有機白色顔料としては、例えば、ビススチリル誘導体白色顔料や、アルキレンビスメラミン誘導体白色顔料が挙げられる。
中でも、光散乱粒子(D)としては金属酸化物が好ましく、より好ましくは酸化チタンである。酸化チタンには、ルチル型、アナターゼ型、ブルーカイト型といった結晶形態があり、光透過性が低く隠蔽性が高いルチル型が好適に用いられる。また、酸化チタンは表面処理がなされていてもよく、表面処理方法や表面処理剤は、公知のものを任意に用いることができる。
酸化チタンの市販品としては、石原産業社製「タイペークCR−50、50−2、57、80、90、93、95、953、97、60、60−2、63、67、58、58−2、85」「タイペークR−820,830、930、550、630、680、670、580、780、780−2、850、855」「タイペークA−100、220」「タイペークW−10」「タイペークPF−740、744」「TTO−55(A)、55(B)、55(C)、55(D)、55(S)、55(N)、51(A)、51(C)」「TTO−S−1、2」「TTO−M−1、2」、テイカ社製「チタニックスJR−301、403、405、600A、605、600E、603、805、806、701、800、808」「チタニックスJA−1、C、3、4、5」、デュポン社製「タイピュアR−900、902、960、706、931」等が挙げられる。
光散乱粒子(D)をインク組成物中に分散させたときの平均粒子径は、好ましくは50〜500nmであり、より好ましくは100〜350nmである。平均粒子径が50nm以上であると、光散乱粒子の分散安定性が良好でインク組成物の保存安定性に優れるだけでなく、十分な散乱効果が得られるため好ましい。平均粒子径が500nm以下であると、インクジェット吐出性に優れるため好ましい。
[分散剤]
本発明のインク組成物は、光散乱粒子(D)の分散安定性や、インク組成物の保存安定性を向上させるため、分散剤を含有してもよい。分散剤としては、塩基性分散剤、酸性分散剤又は中性分散剤等が挙げられ、具体的には、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート等を用いることができる。
分散剤の含有量は、光散乱粒子(D)に対して3〜50質量%であることが好ましい。上記範囲であると、分散安定性と粘度とを良好な範囲とすることができる。
[溶剤]
インク組成物は、さらに溶剤を含有してもよい。溶剤としては特に制限されず、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル類、トリエチレングリコールジアルキルエーテル類、テトラエチレングリコールモノアルキルエーテル類、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル類、アルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類、芳香族炭化水素類、ケトン類、アルコール類、エステル類、環状エステル類が挙げられる。これらの溶剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
溶剤は用途によって選択することができ、インクジェットインキの場合には、量子ドット及び重合性化合物に対する溶解性、装置部材に対する膨潤作用、並びに粘度及びノズルにおける乾燥性の点から選択され、沸点が100℃以上、より好ましくは130℃以上の溶剤を含むことが好ましい。溶剤の含有量は、インク組成物中の0〜50質量%であることが好ましい。
[重合禁止剤]
インク組成物は、保存安定性を高めるため重合禁止剤を含むことができる。重合禁止剤としては、例えば、4−メトキシフェノール、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、2,5−t−ブチル−4−メチルフェノール、フェノチアジン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンのアルミニウム塩が挙げられる。
重合禁止剤の含有量は、硬化性を維持しつつ安定性を高める点から、インク組成物の固形分量に対して0.01〜0.1質量%であることが好ましい。
[その他の成分]
インク組成物は、印刷適性や印刷物耐性を高めるため、さらに、表面調整剤、レベリング剤、紫外線吸収剤又は酸化防止剤等の添加剤を必要に応じて含むことができる。
<インク組成物の調整>
本発明のインク組成物は、周知の方法に従って調製することができる。例えば、光散乱粒子(D)を使用する場合は、予め少量の溶剤又は重合性化合物(B)又は分散剤等で分散処理し、その後残りの成分を添加及び混合し、光重合開始剤(C)を溶解させることによって製造することができる。この際、印刷時のプリンターヘッドでの詰まり等を防止するため、光重合開始剤(C)が溶解した後に、孔径5μm以下、好ましくは孔径3μm以下のフィルタにて濾過することが好ましい。
本発明のインク組成物は、25℃での粘度が5〜50mPa・sであることが好ましく、5〜30mPa・sであることがより好ましい。インク組成物の粘度を上記範囲に調整することによって、特にインクジェットインキの形態で使用する場合、5〜30KHzの周波数を有する通常のヘッドだけでなく、10〜50KHzの高周波数のヘッドにおいても、安定した吐出特性を得ることができる。
<使用方法>
本発明のインク組成物の使用方法は特に限定されないが、通常のインクジェット記録方式用プリンターのインキとして使用することができる。代表的な方法は、インク組成物をインクジェット記録方式用プリンターのヘッドに供給する工程と、このヘッドから基材上にインク組成物を吐出させる工程と、その後、基材上のインク組成物に紫外線又は電子線等の活性エネルギー線を照射する工程とを含む。活性エネルギー線の照射によって、基材上のインク組成物が速やかに硬化し、印刷面が形成される。
活性エネルギー線としては、紫外線が好ましく、光源として、例えば、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、低圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、紫外線レーザー、ガリウムランプ、LED、及び太陽光を使用することができる。
紫外線の波長は、好ましくは350〜450nmの範囲であり、紫外線の照射量は、好ましくは10〜10000mJ/cmの範囲であり、一般的に広く使用されているメタルハライドランプ、LEDランプのいずれを使用してもよい。
<積層体>
本発明の積層体は複数の層を有し、少なくとも1層が本発明のインク組成物からなる発光層を備えるものである。
特にフィルム状部材に複数の機能を付与したい場合や、本発明の発光層の性能をさらに向上させたい場合は、単層に多種の機能をバランス良く持たせるよりも、機能を上下分離する方が工程や性能上有利な場合も多い。積層体中において本発明のインク組成物を用いて形成される層は発光層であるが、上下層としては、(発光色の異なる)発光層、光吸収層、光散乱層、光反射層、光反射防止層、導電体層、誘電体層、熱伝導層、遮熱層、水や酸素等のバリア層など多種多様な機能層が想定される。本発明のインク組成物は活性エネルギー線硬化型のため、上下層の製膜が溶媒塗工型であっても、上層の製膜の際に下層を侵す可能性が小さく、積層体を比較的容易に作製することができる。
<光波長変換層>
本発明の量子ドット含有のインク組成物を用いて塗工・印刷後に硬化して形成された層は、光波長変換層として用いることができる。光波長変換層は、励起光を長波長側の蛍光に変換して放出することが可能であり、励起光波長と放出蛍光波長の関係を維持できれば特に制限はなく、例として、青色や紫外光の励起光から緑色や赤色の蛍光を得ることができる。また、紫外光や可視光の励起光から近赤外領域の蛍光を得ることができる。
インク組成物を塗工・印刷する方法としては、スプレー法やインクジェット法などの噴霧法のほか、スピンコート法、バーコーター法又はドクターブレード法等を用いることができる。
インク組成物を硬化させる方法は特に限定されず、紫外線硬化又は熱硬化する方法が好適に用いられる。紫外線硬化としては、例えば、基材層上に、インク組成物を塗布した後、高圧水銀灯やメタルハライドランプ等を用いて照射強度80〜120W、積算光量500〜2000mJ(UVA換算)で紫外線を照射して硬化する方法が挙げられる。量子ドットの劣化抑制の観点から、紫外線硬化は低酸素環境下で行うことが好ましく、より好ましくは、酸素濃度300ppm以下の雰囲気下である。
熱硬化としては、例えば、基材層上に、インク組成物を塗布した後、加熱処理により溶剤を揮散させ、次いで熱硬化する方法が挙げられる。溶剤を揮散させる加熱工程は、120℃以下5分間以内で行うことが好ましく、より好ましくは100℃以下2分間以内である。熱硬化処理は、80℃以下3日間以内で行うことが好ましく、より好ましくは60℃以下24時間以内である。紫外線硬化および熱硬化の条件は、使用する量子ドット、重合性化合物、樹脂等によって最適条件が異なるため、上記に限定されるものではない。
光波長変換層の厚みは、好ましくは1〜500μm、より好ましくは1〜50μm、さらに好ましくは1〜10μmである。厚みが1μm以上であると、高い波長変換効果が得られるため好ましい。厚みが500μm以下であると、光源ユニットに組み込んだ場合に光源ユニットを薄くすることができるため好ましい。
<光波長変換部材>
光波長変換部材は、基材の少なくとも一方の面に、光波長変換層を備えるものである。基材は特に限定されず、ポリカーボネート、硬質塩化ビニル、軟質塩化ビニル、ポリスチレン、発砲スチロール、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック基材やこれら混合又は変性品、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙等の紙基材、ガラス、ステンレス等の金属基材等が挙げられる。基材は、用途に応じて適宜選択され、プリペイドカードや通行カード等の用途であれば、耐久性の観点からプラスチック基材やこれらの混合又は変性品が好適に用いられる。情報記録媒体としての1次元バーコード、2次元バーコード、QRコード(登録商標)等の用途であれば、プラスチック基材の他に紙基材が好適に用いられる。波長変換用カラーフィルタ用途であれば、透明基材が好ましい。
該透明基材として好ましくは、波長380〜1000nmの範囲で透過率が85%以上であるものであり、例えば、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラス等のガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂基材が挙げられる。
基材の厚みは特に制限されず、用途に応じ適宜選択することができる。基材の厚みが20μm以上であると、光波長変換層の形状維持が容易となるため好ましく、2mm以下であると、基材の透明性が維持されるため好ましい。
また、光波長変換部材は、バリア層を有していてもよい。バリア層を有する光波長変換部材の作製方法は特に制限されず、例えば、インク組成物を基材上に塗布し硬化させて光波長変換層を形成した後に、光波長変換層上に酸素ガスバリアコート剤を塗布し硬化させて光波長変換部材を得る方法、インク組成物を基材層上に塗布し硬化させて光波長変換層を形成した後に、光波長変換層上に接着剤層を介して酸素ガスバリアフィルムを貼り合わせて光波長変換部材を得る方法、が挙げられる。酸素ガスバリアコート剤を塗布する方法としては、インク組成物と同様の方法が挙げられる。
<波長変換フィルム><カラーフィルタ>
本発明のインク組成物を用いて、波長変換フィルム又はカラーフィルタを形成することができる。
波長変換フィルム及びカラーフィルタは、光源からの光を吸収させ、吸収されなかった透過光又は光吸収によって生じた蛍光発光によって所望の波長の光を取り出す際に用いられるものであり、量子ドットを使用する場合には、優れた量子収率の蛍光発光を利用することになる。波長変換フィルムは、インク組成物を基材に塗布することで得られ、緑色と赤色の蛍光色を発する量子ドットを含有させた塗工又は印刷フィルムであり、主にディスプレイパネルや照明において光源の青色光を白色光に変換する、あるいは色調の整っていない疑似白色光などを所望の色調に調整する平面状の部材である。基材としては、ガラス板や樹脂板等が挙げられる。
本発明のカラーフィルタは、インク組成物を用いてフィルタセグメントの少なくとも一つのセグメントを形成することで得られ、特に液晶ディスプレイパネルに使用されるものである。具体的には、ガラス等の透明な基板の表面に3種以上の異なる色相の微細なストライプ状のフィルタセグメントを平行又は交差して配置したもの、あるいは微細なモザイク状のフィルタセグメントを縦横一定の配列に配置したものからなっている。本発明においては、従来の白色光源から青、緑、赤の光を取り出す光吸収型カラーフィルタとは異なり、主に青色LED等を光源に、蛍光フィルタによって緑、赤を取り出すものである。量子ドットを使用した場合、光吸収による減光ではなく量子収率の高い蛍光での取出しになるためエネルギーロスが減るとともに、波長分布が狭く純色に近い色が得られるため、高効率のディスプレイを作製可能である。またこの時に、緑、赤の蛍光を出す量子ドットとして、本発明の被覆材料を用いた青色光部の吸光度の高いものを使用すれば、効率的に蛍光へ変換できるとともに、元の青色光の抜けも防止できるので、別途、青色を吸収する色素や光散乱物質を使わずとも、色純度の高いフィルタを得ることが可能となる。
<発光デバイス>
本発明の光発長変換部材と、発光素子とを組み合わせることで発光デバイスを得ることができる。発光デバイスは公知の構成とすることができ、光波長変換部材と発光素子とは密着していても、離間していてもよく、間に透明樹脂を備えていてもよく、空間を有していてもよい。発光素子は特に限定されないが、例えば、発光ダイオード素子(LED素子)、レーザーダイオード素子(LD素子)、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)、又は量子ドット素子(QLED素子)等が挙げられる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、特に断りがない限り、「部」及び「%」とは「質量部」及び「質量%」を意味する。
<量子ドットの製造>
(量子ドット1)
無水酢酸亜鉛0.55部、ドデカンチオール7.0部、オレイルアミン5.0部を加熱溶解し添加液を調整した。別途、塩化インジウム0.22部、オクチルアミン8.25部を反応容器に入れ、窒素バブリングを行いながら200℃に加熱した。塩化インジウムが溶解した後、ジメチルアミノホスフィン0.86部を短時間で注入し、20分間200℃に制御した。その後急冷し40℃に冷却した。上記添加液を注入し、240℃2時間加熱した後に、室温まで放冷した。放冷後、ヘキサンとエタノールを用いて再沈澱法で精製を行い、真空乾燥器にて室温にて1日間乾燥を行い、インジウム及びリンを含むコアを有する量子ドット1の固体を得た。
(量子ドット2)
無水酢酸亜鉛0.55部、ドデカンチオール7.0部、オレイルアミン5.0部を加熱溶解し添加液を調整した。別途、塩化インジウム0.22部、オクチルアミン8.25部を反応容器に入れ、窒素バブリングを行いながら200℃に加熱した。塩化インジウムが溶解した後、ジメチルアミノホスフィン0.86部を短時間で注入し、20分間200℃に制御した。その後急冷し40℃に冷却した。上記添加液を注入し、240℃2時間加熱した後に、室温まで放冷した。放冷後、ヘキサンとエタノールを用いて再沈澱法で精製を行い、量子ドット中間体を得た。次に、量子ドット中間体をトルエン中、固形分濃度1%に希釈し、同量の6−(ジエチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオールの5%トルエン溶液を添加し、12時間撹拌した。トルエンとエタノールを用いて再沈澱法で精製を行い、真空乾燥器にて室温にて1日間乾燥を行い、インジウム及びリンを含むコアを有する量子ドット2の固体を得た。
(量子ドット3)
A液:窒素置換した汎用容器に酸化鉛0.18部、水酸化セシウム1水和物0.13部、オレイン酸3.58部を加えて、溶解するまで加熱した後、室温まで冷却した。
B液:臭化テトラオクチルアンモニウム0.44部、オレイン酸0.90部、トルエン3.5部を撹拌して、溶解した。
A液とB液とを20秒で混合して微結晶を生成させた。エタノール、アセトン及びトルエンを用いて微結晶を精製し、真空乾燥器にて室温にて1日間乾燥を行い、CsPbBrの化学式を有する量子ドット3の固体を得た。
<光散乱粒子分散体の製造>
(光散乱粒子1分散体)
酸化チタンとしてJR−603(テイカ株式会社製、平均粒子径280nm)50部、ソルスパーズ32000(Lubrizol社製高分子分散剤)2部、及びフェノキシエチルアクリレート48部からなる混合物に、ジルコニアビーズ(直径:1.25mm)を加え、ペイントコンディショナーを用いて2時間振とうして分散処理を行った。次いで、分散液をナイロンメッシュフィルターでろ過してジルコニアビーズを除去し、重合性モノマーを含む光散乱粒子1の分散体を得た。
(光散乱粒子2)
メラミン・ホルムアルデヒド縮合物である熱硬化樹脂球状微粒(日本触媒製『エポスターS6』、平均粒子径0.4μm、屈折率1.66)を、光散乱粒子2として用いた。
<活性エネルギー線硬化型インク組成物の製造>
[実施例1〜10、比較例1]
(インクジェットインキ(QDIJ−1〜11))
表1に記載した材料を順次攪拌しながら添加混合し、光重合開始剤が溶解するまで十分攪拌した後、孔径1μmのメンブレンフィルターを用いて混合液を濾過してインクジェットインキ(QDIJ−1〜11)を得た。
表1中の数値は、特に断りのない限り「部」を表し、空欄は配合していないことを意味する。
<活性エネルギー線硬化型インク組成物の評価>
得られたインク組成物について以下の評価を行った。結果を表1に示す。
[粘度]
インク組成物を、恒温槽で25℃に保温した後、SECONIC社製ラボ用振動式粘度計VM−10Aを使用し粘度(mPa・s)を測定した。
[連続吐出性]
インク組成物をカートリッジに充填してインクジェット印刷を行い、下記基準で連続吐出性を評価した。インクジェット印刷条件は以下の通りである。
≪インクジェット吐出試験条件≫
印刷機:FUJIFILM Dymatix社製 Materials Printer
カ−トリッジ:DymatixMaterialsCartriges 10pL
ヘッド駆動電圧:25V
ヘッド駆動温度:30℃
基材:ガラス基板(コーニング社製ガラス「イーグルXG」0.7mm厚)
≪評価基準≫
A:連続吐出可能時間が、30分間以上である(良好)
B:連続吐出可能時間が、10分間以上、30分間未満である(使用可能)
C:連続吐出可能時間が、10分間未満である(使用不可)
[UV硬化性]
インク組成物をバーコーター#5を用いてガラス基板(コーニング社製ガラス「イーグルXG」、厚み0.7mm)に塗工し、UV照射機を用いて高圧水銀灯80W、積算光量500mJ(UVA換算)にて紫外線照射することで塗膜を硬化させ、以下の基準で評価した。
A:硬化膜にタックがない(良好)
B:硬化膜するが、わずかにタックが残る(使用可能)
C:硬化しない(使用不可)
[波長変換効率]
インク組成物を、バーコータ−#5を用いてガラス基板(コーニング社製ガラス「イーグルXG」、厚み0.7mm)に塗工し、UV硬化性評価と同じ条件で硬化させ、厚み6μmの硬化膜を得た。この硬化膜の外部量子効率(EQE)を測定し、波長変換効率として以下の基準で評価した。外部量子効率は、大塚電子株式会社製QE−2000を用い、励起波長が450nm、蛍光波長の積分範囲が500nm〜800nmとして測定した。
A:10%未満(良好)
B:10%以上20%未満(使用可能)
C:20%以上(使用不可)
Figure 2021103212
表1中の略称を以下に示す。
Omnirad907(IGM Resin B.V.製 光重合開始剤 α-アミノアルキルフェノン)
KAYACURE DETX−S(日本化薬株式会社製 光重合開始剤 2,4−ジエチルチオキサントン)
BYK−378(BYK−Chemie GmbH製 シリコン系表面調整剤)
表1の結果によれば、α−アリロキシメチルアクリル酸アルキルを含む本発明のインク組成物は低粘度であり、量子ドットの比率を高めた場合においてもインクジェット吐出が可能な粘度に調整可能である。また、該組成物から得られる層は波長変換効率に優れる。
本発明のインク組成物を用いて印刷された印刷物は、カラーフィルタ、光変換層、太陽電池、レーザー、蛍光標識などに好適に用いることができる。さらに、特定波長による蛍光応答を利用することによって、ブランドラベル、1次元バーコード、2次元バーコード、QRコード(登録商標)、シンボルマーク等にセキュリティ性を持たせることができ、光源の波長を切り替えることで多重化情報を印刷することが可能になる。以上のように、特定波長での発光を利用することで、高い真贋認証効果及び偽造防止効果を期待できる。

Claims (13)

  1. 量子ドット(A)、α−アリロキシメチルアクリル酸アルキルを含む光重合性化合物(B)、及び光重合開始剤(C)を含む、インク組成物。
  2. 前記量子ドット(A)の含有量が、組成物中の全固形分中、10質量%以上、50質量%以下である、請求項1に記載のインク組成物。
  3. 前記α−アリロキシメチルアクリル酸アルキルの含有量が、組成物中の全固形分中、5質量%以上、40質量%以下である、請求項1又は2に記載のインク組成物。
  4. 前記α−アリロキシメチルアクリル酸アルキルの含有量が、光重合性化合物(B)の全量中、10質量%以上、35質量%以下である、請求項1〜3いずれか1項に記載のインク組成物。
  5. 前記光重合性化合物(B)が、さらにアミド基を有する光重合性化合物を含む、請求項1〜4いずれか1項に記載のインク組成物。
  6. 光散乱粒子(D)をさらに含有する、請求項1〜5いずれか1項に記載のインク組成物。
  7. 前記光散乱粒子(D)が、金属酸化物からなる粒子である、請求項6に記載のインク組成物。
  8. 25℃の粘度が、5〜30mPa・sの範囲である、請求項1〜7いずれか1項に記載のインク組成物。
  9. 活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ用である、請求項1〜8いずれか1項に記載のインク組成物。
  10. 複数の層を有する積層体であって、少なくとも1層が、請求項1〜9いずれか1項に記載のインク組成物からなる発光層を有する積層体。
  11. 請求項1〜9いずれか1項に記載のインク組成物からなる光波長変換層。
  12. 請求項11に記載の光波長変換層を有する光波長変換部材。
  13. 基材上に、請求項1〜9いずれか1項に記載のインク組成物を用いて形成されたフィルタセグメントを具備するカラーフィルタ。
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