JP2021103198A - 光学部材、表示装置、頭部装着型表示装置、光学部材の製造方法 - Google Patents

光学部材、表示装置、頭部装着型表示装置、光学部材の製造方法 Download PDF

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Yukari Yada
ゆかり 矢田
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Keiko Sekine
啓子 関根
恵範 林田
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恵範 林田
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Abstract

【課題】光学部材から出射する画像光の明るさを均一に近づける。【解決手段】光学部材10は、第1回折光学素子21を含む第1回折光学部材20と、第1回折光学部材20から第1方向d1にずれた位置において第2回折光学素子31を含む第2回折光学部材30と、第2回折光学部材30から第1方向d1に非平行な第2方向d2にずれた位置において第3回折光学素子41を含む第3回折光学部材40と、を備え、各回折光学素子の回折効率を所望の関係とする。【選択図】図2

Description

本発明は、光学部材、光学部材を有する表示装置、表示装置を有する頭部装着型表示装置、及び光学部材の製造方法に関する。
表示部からの画像光を光学部材によって観察者の眼前に表示する表示装置として、頭部に装着して用いられる頭部装着型表示装置(ヘッドマウントディスプレイ)が知られている。このような表示装置において、例えば特許文献1及び特許文献2に示すように、光学部材は、基材と、基材の内部に画像光を導光させるため及び基材の内部を導光している画像光を適切に出射させるための、画像光の入射部、拡張部及び出射部に設けられた回折光学素子と、を有している。
光学部材の入射部に入射した画像光は、各波長に対応して入射部に設けられた回折光学素子で波長ごとに回折される。入射部に設けられた回折光学素子で回折された画像光は、基材内を導光されて、拡張部に入射する。拡張部に入射した画像光は、各波長に対応して拡張部に設けられた別の回折光学素子で、拡張部の広い範囲に拡張されるように波長ごとに回折される。拡張部に設けられた回折光学素子で回折された画像光は、基材内をさらに導光されて、出射部に入射する。出射部に入射した画像光は、各波長に対応して出射部に設けられたさらに別の回折光学素子で、出射部の全体から出射するように拡張されて波長ごとに回折される。このようにして、各波長の画像光が光学部材から出射されて、観察者の眼前に画像を表示することができる。
特表2009−186794号公報 特開2015−102613号公報
ところで、拡張部において回折される画像光は、入射部の近くでは多くなるが、入射部から離れるにつれて少なくなる。同様に、出射部において回折される画像光は、拡張部の近くでは多くなるが、拡張部から離れるにつれて少なくなる。このため、出射部の各位置によって、出射部から出射する画像光の強度が不均一になってしまう。画像光の強度は、その画像光の明るさとなる。すなわち、光学部材の出射部から出射して観察者に観察される画像の明るさが不均一になってしまう。明るさが不均一になると、画像の品質を低下させてしまう。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、光学部材から出射する画像光の明るさを均一に近づけることを目的とする。
本発明の光学部材は、
基材と、
前記基材に積層され、第1回折光学素子を含む第1回折光学部材と、
前記第1回折光学部材から第1方向にずれた位置において前記基材に積層され、第2回折光学素子を含む第2回折光学部材と、
前記第2回折光学部材から前記第1方向に非平行な第2方向にずれた位置において前記基材に積層され、第3回折光学素子を含む第3回折光学部材と、を備える光学部材であって、
前記第1回折光学素子は、当該光学部材に入射した第1波長域の光を前記第1方向に向かうように回折し、
前記第2回折光学素子は、前記第1方向から入射した前記第1波長域の光を前記第2方向に向かうように回折し、
前記第3回折光学素子は、前記第2方向から入射した前記第1波長域の光を当該光学部材から出射するように回折し、
前記第2回折光学素子の単位面積を有したある領域における回折効率は、当該領域より前記第1方向に沿って前記第1回折光学部材から離間した前記第2回折光学素子の単位面積を有したある別の領域における回折効率より低く、
前記第3回折光学素子の単位面積を有したある領域における回折効率は、当該領域より前記第2方向に沿って前記第2回折光学部材から離間した前記第3回折光学素子の単位面積を有したある別の領域における回折効率より低い。
本発明の光学部材において、
前記第2回折光学素子の単位面積を有した任意の領域における回折効率は、当該領域より前記第1方向に沿って前記第1回折光学部材から離間した前記第2回折光学素子の単位面積を有した任意の別の領域における回折効率より低く、
前記第3回折光学素子の単位面積を有した任意の領域における回折効率は、当該領域より前記第2方向に沿って前記第2回折光学部材から離間した前記第3回折光学素子の単位面積を有した任意の別の領域における回折効率より低くてもよい。
本発明の光学部材において、前記第2回折光学素子及び前記第3回折光学素子は、体積ホログラムであってもよい。
本発明の光学部材において、
前記第2回折光学素子は、前記第1波長域の光を回折させる第2回折格子が形成された第2回折部と、前記第2回折格子の非形成部である第2平坦部と、を含み、
前記第2回折光学素子の単位面積を有したある領域における前記第2回折部の割合は、当該領域より前記第1方向に沿って前記第1回折光学部材から離間した前記第2回折光学素子の単位面積を有したある別の領域における前記第2回折部の割合より低くてもよい。
本発明の光学部材において、
前記第3回折光学素子は、前記第1波長域の光を回折させる第3回折格子が形成された第3回折部と、前記第3回折格子の非形成部である第3平坦部と、を含み、
前記第3回折光学素子の単位面積を有したある領域における前記第3回折部の割合は、当該領域より前記第2方向に沿って前記第2回折光学部材から離間した前記第3回折光学素子の単位面積を有したある別の領域における前記第3回折部の割合より低くてもよい。
本発明の光学部材において、
前記第2回折光学素子において、前記第1波長域の光を回折させる第2回折格子を形成するように屈折率差があり、
前記第2回折光学素子の単位面積を有したある領域における前記第2回折格子を形成する屈折率差は、当該領域より前記第1方向に沿って前記第1回折光学部材から離間した前記第2回折光学素子の単位面積を有したある別の領域における前記第2回折格子を形成する屈折率差より低くてもよい。
本発明の光学部材において、
前記第3回折光学素子において、前記第1波長域の光を回折させる第3回折格子を形成するように屈折率差があり、
前記第3回折光学素子の単位面積を有したある領域における前記第3回折格子を形成する屈折率差は、当該領域より前記第2方向に沿って前記第2回折光学部材から離間した前記第3回折光学素子の単位面積を有したある別の領域における前記第3回折格子を形成する屈折率差より低くてもよい。
本発明の光学部材において、少なくとも一部の前記第2回折光学部材の前記第2方向に沿った長さは、前記第1回折光学部材から離間するにつれて長くなっていてもよい。
本発明の光学部材は、
前記第1回折光学部材から前記第2方向にずれた位置において前記基材に積層され、第4回折光学素子を含む第4回折光学部材をさらに備え、
前記第1回折光学部材は、第5回折光学素子をさらに含み、
前記第3回折光学部材は、第6回折光学素子をさらに含み、
前記第5回折光学素子は、当該光学部材に入射した前記第1波長域とは異なる第2波長域の光を前記第2方向に向かうように回折し、
前記第4回折光学素子は、前記第2方向から入射した前記第2波長域の光を前記第1方向に向かうように回折し、
前記第6回折光学素子は、前記第1方向から入射した前記第2波長域の光を当該光学部材から出射するように回折し、
前記第4回折光学素子の単位面積を有したある領域における回折効率は、当該領域より前記第2方向に沿って前記第1回折光学部材から離間した前記第4回折光学素子の単位面積を有したある別の領域における回折効率より低く、
前記第6回折光学素子の単位面積を有したある領域における回折効率は、当該領域より前記第1方向に沿って前記第2回折光学部材から離間した前記第6回折光学素子の単位面積を有したある別の領域における回折効率より低くてもよい。
本発明の表示装置は、
上述したいずれかの光学部材と、
前記光学部材の前記第1回折光学部材に対面して配置され、画像光を出射する表示部と、を備える。
本発明の頭部装着型表示装置は、上述した表示装置を備える。
本発明の第1の光学部材の製造方法は、
基材上にホログラム感材を設ける工程と、
前記ホログラム感材に対面してマスクを配置する工程と、
光を照射して前記マスクを介して前記ホログラム感材を露光して、前記ホログラム感材を不感化処理する工程と、
前記マスクを除去する工程と、
前記ホログラム感材を露光して、前記基材上にホログラムを形成する工程と、を備え、
前記マスクは、第1部分と、前記第1部分から第1方向にずれて位置する第2部分と、前記第2部分から前記第1方向に非平行な第2方向にずれて位置する第3部分と、を含み、
前記マスクは、前記第2部分及び前記第3部分において開口部を有し、
前記第2部分の単位面積を有したある領域における前記開口部の割合は、当該領域より前記第1方向に沿って前記第1部分から離間した前記第2部分の単位面積を有したある別の領域における前記開口部の割合より高く、
前記第3部分の単位面積を有したある領域における前記開口部の割合は、当該領域より前記第2方向に沿って前記第2部分から離間した前記第3部分の単位面積を有したある別の領域における前記開口部の割合より高い。
本発明の第2の光学部材の製造方法は、
基材上にホログラム感材を設ける工程と、
前記ホログラム感材に対面して減光フィルタを配置する工程と、
光を照射して前記減光フィルタを介して前記ホログラム感材を露光して、前記ホログラム感材を不感化処理する工程と、
前記減光フィルタを除去する工程と、
前記ホログラム感材を露光して、ホログラムを形成する工程と、を備え、
前記減光フィルタは、第1部分と、前記第1部分から第1方向にずれて位置する第2部分と、前記第2部分から前記第1方向に非平行な第2方向にずれて位置する第3部分と、を含み、
前記第2部分の単位面積を有したある領域における光の透過率は、当該領域より前記第1方向に沿って前記第1部分から離間した前記第2部分の単位面積を有したある別の領域における光の透過率より高く、
前記第3部分の単位面積を有したある領域における光の透過率は、当該領域より前記第2方向に沿って前記第2部分から離間した前記第3部分の単位面積を有したある別の領域における光の透過率より高い。
本発明によれば、光学部材から出射する画像光の明るさを均一に近づけることができる。
図1は、頭部装着型表示装置の一部であって、頭部に装着されることで眼前に配置された表示装置を示す斜視図である。 図2は、図1の表示装置が有する光学部材の正面図である。 図3は、図2の光学部材のIII−III線に沿った断面図である。 図4は、図2の光学部材のIV−IV線に沿った断面図である。 図5は、光学部材の製造方法の一例を説明するための平面図である。 図6は、光学部材の製造方法の一例を説明するための平面図である。 図7は、図6のVII−VII線に沿った断面の一部であって、光学部材の製造方法の一例を説明するための断面図である。 図8は、光学部材の製造方法の一例を説明するための断面図である。 図9は、光学部材の製造方法の一例を説明するための断面図である。 図10は、図3に示した光学部材の断面図において、光学部材の作用を説明するための図である。 図11は、光学部材における回折光学素子への光の入射を説明するための図である。 図12は、回折光学素子への入射回数と回折効率との関係における導光される光の割合を示す表である。 図13は、図2に対応する光学部材の回折光学素子の一変形例を説明するための光学部材の正面図である。 図14は、図2に対応する光学部材の回折光学素子の他の変形例を説明するための正面図である。 図15は、光学部材の回折光学素子の他の変形例の製造方法の一例を説明するための平面図である。 図16は、図15のXVI−XVI線に沿った断面の一部であって、光学部材の回折光学素子の他の変形例の製造方法の一例を説明するための断面図である。 図17は、光学部材の回折光学素子の他の変形例の製造方法の一例を説明するための断面図である。 図18は、光学部材の回折光学素子の他の変形例の製造方法の一例を説明するための断面図である。 図19は、光学部材の回折光学素子の他の変形例において、屈折率差の比較方法の一例を説明するための回折光学素子の一部の拡大写真である。 図20は、光学部材の回折光学素子の他の変形例において、屈折率差の比較方法の一例を説明するための回折光学素子の一部の拡大写真である。 図21は、光学部材の回折光学素子の他の変形例において、屈折率差の比較方法の一例を説明するための回折光学素子の他の一部の拡大写真である。 図22は、光学部材の回折光学素子の他の変形例において、屈折率差の比較方法の一例を説明するための回折光学素子の他の一部の拡大写真である。 図23は、光学部材の回折光学部材のさらに他の変形例を説明するための図である。 図24は、光学部材の回折光学部材のさらに他の変形例を説明するための図である。 図25は、光学部材の一変形例を説明するための光学部材の断面図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
なお、「シート面(板面、フィルム面)」とは、対象となるシート状(板状、フィルム状)の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材(板状部材、フィルム状部材)の平面方向と一致する面のことを指す。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件ならびにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
図1には、本実施の形態の一例として、頭部装着型表示装置1(ヘッドマウントディスプレイ)が示されている。頭部装着型表示装置1は、人の頭部に装着されて用いられ、眼前に画像を表示する。頭部装着型表示装置1は、頭部に装着された状態で眼前に画像を表示する表示装置3を有している。表示装置3は、画像光を出射する表示部5と、表示部5から出射された画像光を屈折させるレンズ7と、表示部5からの画像光が入射してその内部で導光させた後に観察者の眼前から出射する光学部材10と、を有している。
表示部5は、画像光を出射する装置である。表示部5は、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、LCOS、DLP等の任意の表示部を用いることができる。表示部5は、光学部材10の後述する第1回折光学部材20に対面する位置に配置され、第1回折光学部材20に向けて画像光を出射する。
レンズ7は、表示部5の各位置から出射された画像光を出射位置ごとに屈折させて略平行な方向に進む光にして、光学部材10の第1回折光学部材20に入射させる。レンズ7は、表示部5と光学部材10との間であって、表示部5の画像光を出射する面に対面する位置に配置される。レンズ7は、例えば凸レンズであり、その焦点距離の位置に表示部5が配置されている。
光学部材10は、一方の側から入射した画像光をその内部で導光して、観察者の眼前に出射させる。光学部材10に入射する画像光が略平行な方向に進む光であると、光学部材10から出射する画像光を、略平行な方向に進む光とすることができる。光学部材10に入射する光及び光学部材10から出射する光が、図1に実線矢印で示されており、光学部材10の内部を導光する光が、図1に点線矢印で示されている。図1に示されているように、光学部材10の表示部5に対面する位置に入射した光が、光学部材10の画像を表示する位置まで進行方向を変更されながら導光され、観察者の眼前の画像を表示する位置から出射される。
光学部材10は、基材11と、第1回折光学部材20と、第2回折光学部材30と、第3回折光学部材40と、第4回折光学部材50と、を有している。第1回折光学部材20、第2回折光学部材30、第3回折光学部材40及び第4回折光学部材50は、基材11のそれぞれ別の位置に積層されている。より詳しくは、第2回折光学部材30は、第1回折光学部材20から第1方向d1にずれた位置において基材11に積層されている。第3回折光学部材40は、第2回折光学部材30から第2方向d2にずれた位置において基材11に積層されている。第4回折光学部材50は、第1回折光学部材20から第2方向d2にずれた位置であって第3回折光学部材40から第1方向d1にずれた位置において基材11に積層されている。第2方向d2は、第1方向d1とは非平行な方向である。図示された例では、第1方向d1と第2方向d2とは、互いに直交している。
以下、図2乃至図4を参照しながら、光学部材10の各構成要素について説明する。図2は、光学部材10の正面図である。図3は、図2におけるIII−III線に沿った光学部材10の断面図であり、図4は、図2におけるIV−IV線に沿った光学部材10の断面図である。
基材11は、光学部材10において、内部で光を導光させる導光体として機能する。可視光を導光させるために、基材11は透明になっている。また、基材11は、板状の部材である。光は、板状の基材11の一対の主面や基材11上に設けられた各回折光学部材等において反射、とりわけ全反射されることで、基材11の内部を導光される。基材11の主面において全反射しやすいよう、基材11の屈折率は、光学部材10の外部の空気等の屈折率より十分に大きくなっていることが好ましい。具体的には、基材11の屈折率は、1.50以上であることが好ましく、1.55以上であることがより好ましく、1.6以上であることがさらにより好ましく、1.7以上であることがさらにより好ましく、1.8以上であることが最も好ましい。
なお、本明細書において、屈折率とは、波長が587.6nmの光に対する屈折率のことを意味する。
また、透明とは、分光光度計((株)島津製作所製「UV−3100PC」、JIS K 0115準拠品)を用いて測定波長380nm〜780nmの範囲内で測定したときの、各波長における透過率の平均値として特定される可視光透過率が、60%以上であることを意味する。
基材11は、その内部において光を導光させるための形状を維持するために、変形しにくい材料、すなわち剛性の高い材料からなる。また、基材11は、基材11上に積層された第1回折光学部材20、第2回折光学部材30、第3回折光学部材40及び第4回折光学部材50を適切に支持している。基材11としては、可視光透過性、剛性、第1回折光学部材20、第2回折光学部材30、第3回折光学部材40及び第4回折光学部材50の支持性等を考慮すると、例えば、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、アクリル等の樹脂材料や、ガラスであることが好ましい。特に、樹脂材料は、重量や脆性の観点から好適である。また、基材11は、可視光透過性、剛性や、第1回折光学部材20、第2回折光学部材30、第3回折光学部材40及び第4回折光学部材50の支持性等を考慮すると、0.1mm以上2.0mm以下であり、好ましくは0.2mm以上1.0mm以下であり、さらに好ましくは0.3mm以上0.7mm以下の厚みである。さらに、基材11の主面において光を全反射によって導光させるために、基材11の主面は平坦性が高いことが好ましい。具体的には、基材11のうち平面視における任意の1mm角の領域において、最も厚い部分の厚さと最も薄い部分の厚さの差が5μm以下であることが好ましく、2μm以下であることがより好ましく、1μm以下であることがさらに好ましく、0.5μm以下であることがさらにより好ましい。
第1回折光学部材20は、光学部材10に入射した光を回折させる。第1回折光学部材20は、表示部5からの画像光を入射させる光学部材10の入射部に設けられている。第1回折光学部材20は、表示部5と対面している。図3及び図4によく示されているように、第1回折光学部材20は、第1回折光学素子21及び第5回折光学素子22を含んでいる。
第1回折光学素子21は、光学部材10の入射部に入射する光のうち第1波長域の光を回折する。言い換えると、第1回折光学素子21は、基材11のシート面の法線方向から入射した第1波長域の光を回折する回折特性を有している。第1回折光学素子21は、第1波長域の光を回折させる第1回折格子を含んでいる。第1回折格子は、第1回折光学素子21において材料の屈折率差によって形成されている。すなわち、第1回折光学素子21において、第1回折格子を形成するように屈折率差がある。第1回折光学素子21は、第1回折格子によって、第1回折光学部材20に入射した第1波長域の光を第1方向d1に向かうように回折させる。第1方向d1に向かう第1波長域の光は、基材11内を導光される。なお、基材11内で導光される方向は、光学部材10の平面視において、基材11内における光の進行方向のことを意味している。したがって、基材11内における厚み方向への移動を無視している。
なお、ある波長域の光を回折させるように設けられているとは、当該波長域に含まれる任意の波長の光に対する回折効率が、10%以上であることを意味している。回折効率は、例えば分光光度計((株)島津製作所製「UV−2450」)を用いて、透過率の差分から測定することができる。
第1回折光学素子21の厚さは、厚くなっていることが好ましい。第1回折光学素子21の厚さが厚くなっていることで、第1回折光学素子21の回折効率を向上させることができる。すなわち、第1回折光学素子21に入射した第1波長域の光が第1回折光学素子21で回折される割合を高くすることができる。具体的には、第1回折光学素子21の厚さは、例えば3μm以上、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、さらに好ましくは15μm以上となっている。
一方、第1回折光学素子21の回折効率は、適切な範囲にあることが好ましい。具体的には、第1回折光学素子21の回折効率は、50%以下であることが好ましく、10%以上40%以下であることがより好ましく、10%以上30%以下であることがさらに好ましく、15%以上25%以下であることが最も好ましい。第1回折光学素子21の回折効率を適切に設定することで、より多くの第1波長域の光を第1回折光学部材20から第2回折光学部材30に導光させることができる。
第5回折光学素子22は、光学部材10の入射部に入射する光のうち第2波長域の光を回折する。言い換えると、第5回折光学素子22は、基材11のシート面の法線方向から入射した第2波長域の光を回折する回折特性を有している。第5回折光学素子22は、第2波長域の光を回折させる第5回折格子を含んでいる。第5回折格子は、第5回折光学素子22において材料の屈折率差によって形成されている。すなわち、第5回折光学素子22において、第5回折格子を形成するように屈折率差がある。第5回折光学素子22は、第5回折格子によって、第1回折光学部材20に入射した第2波長域の光を第2方向d2に向かうように回折させる。第2方向d2に向かう第2波長域の光は、基材11内を導光される。
第5回折光学素子22の厚さは、厚くなっていることが好ましい。第5回折光学素子22の厚さが厚くなっていることで、第5回折光学素子22の回折効率を向上させることができる。すなわち、第5回折光学素子22に入射した第2波長域の光が第5回折光学素子22で回折される割合を高くすることができる。具体的には、第5回折光学素子22の厚さは、例えば3μm以上、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、さらに好ましくは15μm以上となっている。
一方、第5回折光学素子22の回折効率は、適切な範囲にあることが好ましい。具体的には、第5回折光学素子22の回折効率は、50%以下であることが好ましく、10%以上40%以下であることがより好ましく、10%以上30%以下であることがさらに好ましく、15%以上25%以下であることが最も好ましい。第5回折光学素子22の回折効率を適切に設定することで、より多くの第2波長域の光を第1回折光学部材20から第4回折光学部材50に導光させることができる。
ここで、第1波長域は、赤色、緑色、青色の光のうち、2つの色の光の波長域を含んでいる。例えば、第1波長域は、600nm以上700nm以下及び400nm以上490nm以下である。すなわち、第1波長域は、赤色の光の波長域と青色の光の波長域とを含んでいる。この場合、第2波長域は、500nm以上580nm以下である。すなわち、第2波長域は、緑色の光の波長域を含んでいる。あるいは、他の例として、第1波長域は、400nm以上550nm以下である。すなわち、第1波長域は、緑色の光の波長域と青色の光の波長域とを含んでいる。この場合、第2波長域550nm以上700nm以下である。すなわち、第2波長域は、赤色の光の波長域を含んでいる。
第1回折光学部材20における第1波長域の光の導光方向である第1方向d1と第2波長域の光の導光方向である第2方向d2とがなす角度は、直角に近いことが好ましい。具体的には、第1方向d1と第2方向d2とがなす角度は、70°以上110°以下であることが好ましく、80°以上100°以下であることがより好ましく、85°以上95°以下であることがさらに好ましく、89°以上91°以下であることがさらにより好ましく、90°であることが最も好ましい。
第1回折光学素子21は、第2波長域の光を透過させることができる。具体的には、第1回折光学素子21における第2波長域の光の透過率は、30%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましく、90%以上であることがさらにより好ましい。同様に、第5回折光学素子22は、第1波長域の光を透過させることができる。具体的には、第5回折光学素子22における第1波長域の光の透過率は、30%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましく、90%以上であることがさらにより好ましい。
第2回折光学部材30は、第1回折光学部材20で回折された光のうち、第1回折光学素子21で回折された第1波長域の光を回折させる。第2回折光学部材30は、画像光を第1方向d1に拡張する光学部材10の拡張部に設けられている。第2回折光学部材30は第1方向d1に長手方向を有している。第2回折光学部材30は、第2回折光学素子31を含んでいる。
第2回折光学素子31は、第1回折光学素子21で回折された第1波長域の光を回折する。言い換えると、第2回折光学素子31は、基材11内を第1方向d1に進む第1波長域の光を回折する回折特性を有している。第2回折光学素子31は、第1波長域の光を回折させる第2回折格子を含んでいる。第2回折格子は、第2回折光学素子31において材料の屈折率差によって形成されている。すなわち、第2回折光学素子31において、第2回折格子を形成するように屈折率差がある。第2回折光学素子31は、第2回折格子によって、第2回折光学部材30に第1方向d1から入射した第1波長域の光を第2方向d2に向かうように回折させる。第2方向d2に向かう第1波長域の光は、基材11内を導光される。
第2回折光学素子31の回折効率は、第1回折光学素子21の回折効率よりも低くなっている。したがって、例えば第2回折光学素子31のある位置に入射した第1波長域の光の一部のみが回折されて、基材11内を第2方向d2に導光されるようになる。ただし、第2回折光学部材30は第1方向d1に長手方向を有している。このため、第2回折光学素子31のある位置で回折されなかった第1波長域の光は、その後、第2回折光学素子31及び基材11の表面で反射(好ましくは全反射)し、再び第2回折光学素子31の別の位置に入射する。
第2回折光学素子31の厚さは、第1回折光学素子21の厚さより薄くなっていることが好ましい。この場合、第2回折光学素子31の回折効率は、第1回折光学素子21の回折効率よりも低くすることができる。具体的には、第2回折光学素子31の厚さは、14μm以下であることが好ましく、8μm以下であることがより好ましく、4μm以下であることがさらに好ましく、2μm以下であることが最も好ましい。
第2回折光学素子31の回折効率は、第2回折光学部材30が設けられた位置を第1方向d1に進む第1波長域の光が通過する前に、第2回折光学素子31で回折されるよう設定されている。第2回折光学素子31の回折効率は、具体的には、基材11の厚みや、第2回折光学部材30の第1方向d1に沿った長さ等を考慮して決定される。また、第2回折光学素子31の単位面積を有したある領域における回折効率は、当該領域より第1方向d1に沿って第1回折光学部材20から離間した第2回折光学素子31の単位面積を有したある別の領域における回折効率より低くなっている。すなわち、第2回折光学素子31の単位面積を有したある一つの領域における回折効率は、第1回折光学部材20と当該一つの領域との第1方向d1に沿った距離よりも長い距離だけ第1回折光学部材20から第1方向d1に離間した第2回折光学素子31の単位面積を有したある一つの別の領域における回折効率より低くなっている。より好ましくは、第2回折光学素子31の単位面積を有した任意の領域における回折効率は、当該領域より第1方向d1に沿って第1回折光学部材20から離間した第2回折光学素子31の単位面積を有した任意の別の領域における回折効率より低くなっている。すなわち、第2回折光学素子31の単位面積を有した任意の領域における回折効率は、第1回折光学部材20と当該領域との第1方向d1に沿った距離よりも長い距離だけ第1回折光学部材20から第1方向d1に離間した第2回折光学素子31の単位面積を有した任意の別の領域における回折効率より低くなっている。さらに言い換えると第2回折光学素子31の単位面積あたりの回折効率は、第1方向d1に沿って第1回折光学部材20から離間するにつれて高くなっている。
なお、単位面積の大きさは、回折光学部材における回折効率等の特性や構成の傾向が理解される程度の大きさであり、例えば、後述する回折光学素子の平坦部を複数含むような大きさである。具体的には、単位面積の大きさは、例えば0.0001mm以上25mm以下、好ましくは0.001mm以上9mm以下、より好ましくは0.01mm以上4mm以下、更に好ましくは0.1mm以上1mm以下とすることができる。また、単位面積を有した領域は、円形や正方形であることが好ましい。
例えば、第2回折光学素子31は、図2に示すように、第2回折格子が形成された第2回折部31aと、第2回折格子の非形成部である第2平坦部31bと、を含んでいる。すなわち、第2回折部31aは、第1方向d1から入射した第1波長域の光を回折することができるが、第2平坦部31bは、光を回折せずに、表面で反射(好ましくは全反射)する。そして、第2回折光学素子31の単位面積を有したある領域、好ましくは任意の領域における第2回折部31aの割合は、当該領域より第1方向d1に沿って第1回折光学部材20から離間した第2回折光学素子31の単位面積を有したある別の領域、好ましくは任意の別の領域における第2回折部31aの割合より低くなっている。逆に言うと、第2回折光学素子31の単位面積を有したある領域、好ましくは任意の領域における第2平坦部31bの割合は、当該領域より第1方向d1に沿って第1回折光学部材20から離間した第2回折光学素子31の単位面積を有したある別の領域、好ましくは任意の別の領域における第2平坦部31bの割合より高くなっている。例えばこのようにして、第2回折光学素子31の上述した回折効率を実現することができる。
より具体的には、例えば図2に示すように、第2回折光学部材30において、第2回折光学素子31の第2回折部31aと第2平坦部31bとは、第1方向d1に交互に配置されている。第2平坦部31bの第1方向d1に沿った幅は、例えば1μm以上2mm以下である。第2平坦部31bの第1方向d1に沿った幅は一定であるが、第2回折部31aの第1方向d1に沿った幅は第1方向d1に沿って第1回折光学部材20から離間するにつれて大きくなっている。このようにして、第2回折光学素子31の単位面積を有したある領域における第2回折部31aの割合を、当該領域より第1方向d1に沿って第1回折光学部材20から離間した第2回折光学素子31の単位面積を有したある別の領域における第2回折部31aの割合より低くすることができる。
第4回折光学部材50は、第1回折光学部材20で回折された光のうち、第5回折光学素子22で回折された第2波長域の光を回折させる。第4回折光学部材50は、第2回折光学部材30とは別の拡張部であって画像光を第2方向d2に拡張する光学部材10の拡張部に設けられている。第4回折光学部材50は、第2方向d2に長手方向を有している。第4回折光学部材50は、第4回折光学素子51を含んでいる。
第4回折光学素子51は、第5回折光学素子22で回折された第2波長域の光を回折する。言い換えると、第4回折光学素子51は、基材11内を第2方向d2に進む第2波長域の光を回折する回折特性を有している。第4回折光学素子51は、第2波長域の光を回折させる第4回折格子を含んでいる。第4回折格子は、第4回折光学素子51において材料の屈折率差によって形成されている。すなわち、第4回折光学素子51において、第4回折格子を形成するように屈折率差がある。第4回折光学素子51は、第4回折格子によって、第4回折光学部材50に第2方向d2から入射した第2波長域の光を第1方向d1に向かうように回折させる。第1方向d1に向かう第2波長域の光は、基材11内を導光される。
第4回折光学素子51の回折効率は、第5回折光学素子22の回折効率よりも低くなっている。したがって、例えば第4回折光学素子51のある位置に入射した第2波長域の光の一部のみが回折されて、基材11内を第1方向d1に導光されるようになる。ただし、第2回折光学部材30は第1方向d1に長手方向を有している。このため、第4回折光学素子51のある位置で回折されなかった第2波長域の光は、その後、第4回折光学素子51及び基材11の表面で反射(好ましくは全反射)し、再び第4回折光学素子51の別の位置に入射する。
第4回折光学素子51の厚さは、第5回折光学素子22の厚さより薄くなっていることが好ましい。この場合、第4回折光学素子51の回折効率は、第5回折光学素子22の回折効率よりも低くすることができる。具体的には、第4回折光学素子51の厚さは、14μm以下であることが好ましく、8μm以下であることがより好ましく、4μm以下であることがさらに好ましく、2μm以下であることが最も好ましい。
第4回折光学素子51の回折効率は、第4回折光学部材50が設けられた位置を第2方向d2に進む第2波長域の光が通過する前に、第4回折光学素子51で回折されるよう設定されている。第4回折光学素子51の回折効率は、具体的には、基材11の厚みや、第4回折光学部材50の第2方向d2に沿った長さ等を考慮して決定される。また、第4回折光学素子51の単位面積を有したある領域における回折効率は、当該領域より第2方向d2に沿って第1回折光学部材20から離間した第4回折光学素子51の単位面積を有したある別の領域における回折効率より低くなっている。すなわち、第4回折光学素子51の単位面積を有したある一つの領域における回折効率は、第1回折光学部材20と当該一つの領域との第2方向d2に沿った距離よりも長い距離だけ第1回折光学部材20から第2方向d2に離間した第4回折光学素子51の単位面積を有したある一つの別の領域における回折効率より低くなっている。より好ましくは、第4回折光学素子51の単位面積を有した任意の領域における回折効率は、当該領域より第2方向d2に沿って第1回折光学部材20から離間した第4回折光学素子51の単位面積を有した任意の別の領域における回折効率より低くなっている。すなわち、第4回折光学素子51の単位面積を有した任意の領域における回折効率は、第1回折光学部材20と当該領域との第2方向d2に沿った距離よりも長い距離だけ第1回折光学部材20から第2方向d2に離間した第4回折光学素子51の単位面積を有した任意の別の領域における回折効率より低くなっている。さらに言い換えると、第4回折光学素子51の単位面積あたりの回折効率は、第2方向d2に沿って第1回折光学部材20から離間するにつれて高くなっている。
例えば、第4回折光学素子51は、図2に示すように、第4回折格子が形成された第4回折部51aと、第4回折格子の非形成部である第4平坦部51bと、を含んでいる。すなわち、第4回折部51aは、第2方向d2から入射した第2波長域の光を回折することができるが、第4平坦部51bは、光を回折せずに、表面で反射(好ましくは全反射)する。そして、第4回折光学素子51の単位面積を有したある領域、好ましくは任意の領域における第4回折部51aの割合は、当該領域より第2方向d2に沿って第1回折光学部材20から離間した第4回折光学素子51の単位面積を有したある別の領域、好ましくは任意の別の領域における第4回折部51aの割合より低くなっている。逆に言うと、第4回折光学素子51の単位面積を有したある領域、好ましくは任意の領域における第4平坦部51bの割合は、当該領域より第2方向d2に沿って第1回折光学部材20から離間した第4回折光学素子51の単位面積を有したある別の領域、好ましくは任意の別の領域における第4平坦部51bの割合より高くなっている。例えばこのようにして、第4回折光学素子51の上述した回折効率を実現することができる。
より具体的には、例えば図2に示すように、第4回折光学部材50において、第4回折光学素子51の第4回折部51aと第4平坦部51bとは、第2方向d2に交互に配置されている。第4平坦部51bの第2方向d2に沿った幅は、例えば1μm以上2mm以下である。第2方向d2に沿った第4回折部51aの幅と第4平坦部51bの幅との合計は一定であるが、第4回折部51aの第2方向d2の沿った幅は第2方向d2に沿って第1回折光学部材20から離間するにつれて大きくなっている。このようにして、第4回折光学素子51の単位面積を有したある領域における第4回折部51aの割合を、当該領域より第2方向d2に沿って第1回折光学部材20から離間した第4回折光学素子51の単位面積を有したある別の領域における第4回折部51aの割合より低くすることができる。
第3回折光学部材40は、第2回折光学部材30で回折された第1波長域の光及び第4回折光学部材50で回折された第2波長域の光を回折して、光学部材10から出射させる。第3回折光学部材40は、画像光を出射させる光学部材10の出射部に設けられている。第3回折光学部材40は、光学部材10の観察者の眼前に位置する。第3回折光学部材40は、第1方向d1及び第2方向d2に延びている。図3及び図4によく示されているように、第3回折光学部材40は、第3回折光学素子41及び第6回折光学素子42を含んでいる。
第3回折光学素子41は、第2回折光学素子31で回折された第1波長域の光を回折する。言い換えると、第3回折光学素子41は、基材11内を第2方向d2に進む第1波長域の光を回折する回折特性を有している。第3回折光学素子41は、第1波長域の光を回折させる第3回折格子を含んでいる。第3回折格子は、第3回折光学素子41において材料の屈折率差によって形成されている。すなわち、第3回折光学素子41において、第3回折格子を形成するように屈折率差がある。第3回折光学素子41は、第3回折格子によって、第3回折光学部材40に第2方向d2から入射した第1波長域の光を光学部材10から出射するように回折させる。
第3回折光学素子41の回折効率は、第1回折光学素子21の回折効率よりも低くなっている。したがって、例えば第3回折光学素子41のある位置に入射した第1波長域の光の一部のみが回折されて、光学部材10から出射されるようになる。ただし、第3回折光学部材40は第2方向d2に延びている。このため、第3回折光学素子41のある位置で回折されなかった第1波長域の光は、その後、第3回折光学素子41及び基材11の表面で反射(好ましくは全反射)し、再び第3回折光学素子41の別の位置に入射する。
第3回折光学素子41の厚さは、第1回折光学素子21の厚さより薄くなっていることが好ましい。この場合、第3回折光学素子41の回折効率は、第1回折光学素子21の回折効率よりも低くすることができる。具体的には、第3回折光学素子41の厚さは、14μm以下であることが好ましく、8μm以下であることがより好ましく、4μm以下であることがさらに好ましく、2μm以下であることが最も好ましい。
第3回折光学素子41の回折効率は、第3回折光学部材40が設けられた位置を第2方向d2に進む第1波長域の光が通過する前に、第3回折光学素子41で回折されるよう設定されている。第3回折光学素子41の回折効率は、具体的には、基材11の厚みや、第3回折光学部材40の第2方向d2に沿った長さ等を考慮して決定される。また、第3回折光学素子41の単位面積を有したある領域における回折効率は、当該領域より第2方向d2に沿って第2回折光学部材30から離間した第3回折光学素子41の単位面積を有したある別の領域における回折効率より低くなっている。すなわち、第3回折光学素子41の単位面積を有したある一つの領域における回折効率は、第2回折光学部材30と当該一つの領域との第2方向d2に沿った距離よりも長い距離だけ第2回折光学部材30から第2方向d2に離間した第3回折光学素子41の単位面積を有したある一つの別の領域における回折効率より低くなっている。より好ましくは、第3回折光学素子41の単位面積を有した任意の領域における回折効率は、当該領域より第2方向d2に沿って第2回折光学部材30から離間した第3回折光学素子41の単位面積を有した任意の別の領域における回折効率より低くなっている。すなわち、第3回折光学素子41の単位面積を有した任意の領域における回折効率は、第2回折光学部材30と当該領域との第2方向d2に沿った距離よりも長い距離だけ第2回折光学部材30から第2方向d2に離間した第3回折光学素子41の単位面積を有した任意の一つの別の領域における回折効率より低くなっている。さらに言い換えると、第3回折光学素子41の単位面積あたりの回折効率は、第2方向d2に沿って第2回折光学部材30から離間するにつれて高くなっている。
例えば、第3回折光学素子41は、図2に示すように、第3回折格子が形成された第3回折部41aと、第3回折格子の非形成部である第3平坦部41bと、を含んでいる。すなわち、第3回折部41aは、第2方向d2から入射した第1波長域の光を回折することができるが、第3平坦部41bは、光を回折せずに、表面で反射(好ましくは全反射)する。そして、第3回折光学素子41の単位面積を有したある領域、好ましくは任意の領域における第3回折部41aの割合は、当該領域より第2方向d2に沿って第2回折光学部材30から離間した第3回折光学素子41の単位面積を有したある別の領域、好ましくは任意の別の領域における第3回折部41aの割合より低くなっている。逆に言うと、第3回折光学素子41の単位面積を有したある領域、好ましくは任意の領域における第3平坦部41bの割合は、当該領域より第2方向d2に沿って第2回折光学部材30から離間した第3回折光学素子41の単位面積を有したある別の領域、好ましくは任意の別の領域における第3平坦部41bの割合より高くなっている。例えばこのようにして、第3回折光学素子41の上述した回折効率を実現することができる。
より具体的には、例えば図2に示すように、第3回折光学部材40において、第3回折光学素子41の第3回折部41aと第3平坦部41bとは、第2方向d2に交互に配置されている。第3平坦部41bの第2方向d2に沿った幅は、例えば1μm以上2mm以下である。第2方向d2に沿った第3回折部41aの幅と第3平坦部41bの幅との合計は一定であるが、第3回折部41aの第2方向d2の沿った幅は第2方向d2に沿って第2回折光学部材30から離間するにつれて大きくなっている。このようにして、第3回折光学素子41の単位面積を有したある領域における第3回折部41aの割合を、当該領域より第2方向d2に沿って第2回折光学部材30から離間した第3回折光学素子41の単位面積を有したある別の領域における第3回折部41aの割合より低くすることができる。
第6回折光学素子42は、第4回折光学素子51で回折された第2波長域の光を回折する。言い換えると、第6回折光学素子42は、基材11内を第1方向d1に進む第2波長域の光を回折する回折特性を有している。第6回折光学素子42は、第2波長域の光を回折させる第6回折格子を含んでいる。第6回折格子は、第6回折光学素子42において材料の屈折率差によって形成されている。すなわち、第6回折光学素子42において、第6回折格子を形成するように屈折率差がある。第6回折光学素子42は、第6回折格子によって、第3回折光学部材40に第1方向d1から入射した第2波長域の光を光学部材10から出射するように回折する。
第6回折光学素子42の回折効率は、第5回折光学素子22の回折効率よりも低くなっている。したがって、例えば第6回折光学素子42のある位置に入射した第2波長域の光の一部のみが回折されて、光学部材10から出射されるようになる。ただし、第3回折光学部材40は第1方向d1に延びている。このため、第6回折光学素子42のある位置で回折されなかった第2波長域の光は、その後、第6回折光学素子42及び基材11の表面で反射(好ましくは全反射)し、再び第6回折光学素子42の別の位置に入射する。
第6回折光学素子42の厚さは、第5回折光学素子22の厚さより薄くなっていることが好ましい。この場合、第6回折光学素子42の回折効率は、第5回折光学素子22の回折効率よりも低くすることができる。具体的には、第6回折光学素子42の厚さは、14μm以下であることが好ましく、8μm以下であることがより好ましく、4μm以下であることがさらに好ましく、2μm以下であることが最も好ましい。
第6回折光学素子42の回折効率は、第3回折光学部材40が設けられた位置を第1方向d1に進む第2波長域の光が通過する前に、第6回折光学素子42で回折されるよう設定されている。第6回折光学素子42の回折効率は、具体的には、基材11の厚みや、第3回折光学部材40の第1方向d1に沿った長さ等を考慮して決定される。また、第6回折光学素子42の単位面積を有したある領域における回折効率は、当該領域より第1方向d1に沿って第4回折光学部材50から離間した第6回折光学素子42の単位面積を有したある別の領域における回折効率より低くなっている。すなわち、第6回折光学素子42の単位面積を有したある一つの領域における回折効率は、第4回折光学部材50と当該一つの領域との第1方向d1に沿った距離よりも長い距離だけ第4回折光学部材50から第1方向d1に離間した第6回折光学素子42の単位面積を有したある一つの別の領域における回折効率より低くなっている。より好ましくは、第6回折光学素子42の単位面積を有した任意の領域における回折効率は、当該領域より第1方向d1に沿って第4回折光学部材50から離間した第6回折光学素子42の単位面積を有した任意の別の領域における回折効率より低くなっている。すなわち、第6回折光学素子42の単位面積を有した任意の領域における回折効率は、第4回折光学部材50と当該領域との第1方向d1に沿った距離よりも長い距離だけ第4回折光学部材50から第1方向d1に離間した第6回折光学素子42の単位面積を有した任意の一つの別の領域における回折効率より低くなっている。さらに言い換えると、第6回折光学素子42の単位面積あたりの回折効率は、第1方向d1に沿って第4回折光学部材50から離間するにつれて高くなっている。
例えば、第6回折光学素子42は、図2に示すように、第6回折格子が形成された第6回折部42aと、第6回折格子の非形成部である第6平坦部42bと、を含んでいる。すなわち、第6回折部42aは、第1方向d1から入射した第2波長域の光を回折することができるが、第6平坦部42bは、光を回折せずに、表面で反射(好ましくは全反射)する。そして、第6回折光学素子42の単位面積を有したある領域、好ましくは任意の領域における第6回折部42aの割合は、当該領域より第1方向d1に沿って第4回折光学部材50から離間した第6回折光学素子42の単位面積を有したある別の領域、好ましくは任意の別の領域における第6回折部42aの割合より低くなっている。逆に言うと、第6回折光学素子42の単位面積を有したある領域、好ましくは任意の領域における第6平坦部42bの割合は、当該領域より第1方向d1に沿って第4回折光学部材50から離間した第6回折光学素子42の単位面積を有したある別の領域、好ましくは任意の別の領域における第6平坦部42bの割合より高くなっている。例えばこのようにして、第6回折光学素子42の上述した回折効率を実現することができる。
より具体的には、例えば図2に示すように、第3回折光学部材40において、第6回折光学素子42の第6回折部42aと第6平坦部42bとは、第1方向d1に交互に配置されている。第6平坦部42bの第1方向d1に沿った幅は、例えば1μm以上2mm以下である。第6平坦部42bの第1方向d1に沿った幅は一定であるが、第6回折部42aの第1方向d1に沿った幅は第1方向d1に沿って第4回折光学部材50から離間するにつれて大きくなっている。このようにして、第6回折光学素子42の単位面積を有したある領域における第6回折部42aの割合を、当該領域より第1方向d1に沿って第4回折光学部材50から離間した第6回折光学素子42の単位面積を有したある別の領域における第6回折部42aの割合より低くすることができる。
なお、図示された例に限らず、第2回折光学部材30において、第2回折部31aの幅と第2平坦部31bの幅との合計は一定であるが、第2回折部31aの第1方向d1の沿った幅が第1方向d1に沿って第1回折光学部材20から離間するにつれて大きくなっていてもよい。また、第3回折光学部材40において、第6回折部42aの幅と第6平坦部42bの幅との合計は一定であるが、第6回折部42aの第1方向d1の沿った幅が第1方向d1に沿って第4回折光学部材50から離間するにつれて大きくなっていてもよい。同様に、第4回折光学部材50において、第4平坦部51bの第2方向d2に沿った幅は一定であるが、第4回折部51aの第2方向d2に沿った幅が第2方向d2に沿って第1回折光学部材20から離間するにつれて大きくなっていてもよい。また、第3回折光学部材40において、第3平坦部41bの第2方向d2に沿った幅は一定であるが、第3回折部41aの第2方向d2に沿った幅が第2方向d2に沿って第2回折光学部材30から離間するにつれて大きくなっていてもよい。あるいは、各回折光学素子の単位面積を有した領域における回折部の割合は、他の態様によって変化していてもよい。
第1回折光学素子21、第2回折光学素子31、第3回折光学素子41、第4回折光学素子51、第5回折光学素子22及び第6回折光学素子42は、典型的には、ホログラムとすることができる。第1〜第6回折光学素子は、位相型のホログラムであってもよいし、振幅型のホログラムであってもよい。また、第1〜第6回折光学素子は、反射型のホログラムであってもよいし、透過型のホログラムであってもよい。さらに、第1〜第6回折光学素子は、体積ホログラムであってもよいし、計算機合成ホログラム(CGH:Computer Generated Hologram)であってもよい。とりわけ、第2回折光学素子31、第3回折光学素子41、第4回折光学素子51及び第6回折光学素子42は、体積ホログラムであることが好ましい。図3及び図4に示された例において、第1回折光学素子21、第2回折光学素子31、第3回折光学素子41、第4回折光学素子51、第5回折光学素子22及び第6回折光学素子42は、反射型の体積ホログラムとなっている。
図3及び図4に示された例では、第1回折光学部材20、第2回折光学部材30、第3回折光学部材40及び第4回折光学部材50は、基材11の同じ側に設けられている。しかしながら、これらは基材11の一方の側と他方の側の任意の側にそれぞれ設けられていてもよい。あるいは、例えば第1回折光学部材20が、基材11の一方の側と他方の側の両方に設けられていてもよい。画像光が入射する側である基材11の一方の側に設けられる回折光学素子は、反射型のホログラムとなり、基材11の他方の側に設けられる回折光学素子は、透過型のホログラムとなる。
また、図示された例のように、第1回折光学部材20、第2回折光学部材30、第3回折光学部材40及び第4回折光学部材50が光学部材10の表面に形成されている場合、第1〜第4回折光学部材は、基材11とともに光を導光させる。第1〜第4回折光学部材の表面において光を全反射させるために、第1回折光学部材20、第2回折光学部材30、第3回折光学部材40及び第4回折光学部材50の屈折率は、光学部材10の外部の空気等の屈折率より十分に大きくなっていることが好ましい。具体的には、第1回折光学部材20、第2回折光学部材30、第3回折光学部材40及び第4回折光学部材50の屈折率は、1.50以上であることが好ましく、1.55以上であることがより好ましく、1.6以上であることがさらに好ましく、1.7以上であることがさらにより好ましく、1.8以上であることが最も好ましい。
次に、光学部材10の製造方法の一例について、図5乃至図9を参照しながら説明する。
まず、図5に示すように、基材11上にホログラムとして回折光学素子を形成するようになるホログラム感材80を設ける。図示された例では、基材11上の一方の側にホログラム感材が設けられている。ホログラム感材80としては、例えば、銀塩乳剤や重クロム酸ゼラチン等の種々の公知の複製用ホログラム感材を用いることができる。ホログラム感材80は、露光されることで露光光による干渉縞を記録することができる。
次に、図6に示すように、基材11上のホログラム感材80に対面してマスク60を配置する。マスク60は、作製される光学部材10の各回折光学部材に対応した部分を有している。すなわち、マスク60は、第1部分62と、第1部分62から第1方向d1にずれて位置する第2部分63と、第2部分63から第2方向d2にずれて位置する第3部分64と、第1部分62から第2方向d2にずれて位置する第4部分65と、を含んでいる。マスク60は、第2部分63、第3部分64及び第4部分65において開口部61を有している。マスク60は、開口部61が設けられていない部分では光を遮光するが、開口部61において光を透過させる。
この開口部61は、作製される光学部材10の各回折光学素子における平坦部に対応して設けられている。すなわち、第2部分63の単位面積を有したある領域、好ましくは任意の領域における開口部61の割合は、当該領域より第1方向d1に沿って第1部分62から離間した第2部分63の単位面積を有したある別の領域、好ましくは任意の別の領域における開口部61の割合より高くなっている。第3部分64の単位面積を有したある領域、好ましくは任意の領域における開口部61の割合は、当該領域より第2方向d2に沿って第2部分63から離間した第3部分64の単位面積を有したある別の領域における開口部61の割合より高くなっており、且つ当該領域より第1方向d1に沿って第4部分65から離間した第3部分64の単位面積を有したある別の領域における開口部61の割合より高くなっている。第4部分65の単位面積を有したある領域、好ましくは任意の領域における開口部61の割合は、当該領域より第2方向d2に沿って第1部分62から離間した第4部分65の単位面積を有したある別の領域における開口部61の割合より高くなっている。第2部分63における開口部61の第1方向d1に沿った幅、第3部分64において第1方向d1に沿って配列された開口部61の第1方向d1に沿った幅、第3部分64において第2方向d2に沿って配列された開口部61の第2方向d2に沿った幅、及び第4部分65における第2方向d2に沿った開口部61の幅は、例えば1μm以上2mm以下である。
次に、図7に示すように、マスク60を介して光L7を照射して、ホログラム感材80を露光する。図7は、図6のVII−VII線に沿った断面の一部である。すなわち、マスク60の開口部61が設けられていない部分に対面する位置において、ホログラム感材80は露光される。ここで光L7が照射されたホログラム感材80は、後にホログラムを形成するための光を照射してもホログラムが形成されなくなる。すなわち、ホログラム感材80が不感化処理される。ホログラム感材80に照射する光L7は、短時間で確実に不感化処理するために、紫外線であることが好ましい。不感化処理されたホログラム感材80は、図8に示すように、各回折光学素子の平坦部となる。
その後、マスク60を除去し、次に図9に示すように基材11のホログラム感材80が設けられた側とは逆側にホログラム原版85を配置し、光、特に平行光束を照射してホログラム感材80を露光する。照射される光L91が参照光として、またホログラム感材80をいったん透過してホログラム原版85で回折された回折光L92が物体光として、ホログラム感材80に入射する。光L91と回折光L92とが干渉することにより、ホログラム感材80内に明暗パターンである干渉縞が生成される。そして、この干渉縞が、感光性を有したホログラム感材80に記録される。このようにして、ホログラム感材80に干渉縞を記録することにより、回折格子が形成される。回折格子が形成された部分が、各回折光学素子の回折部となる。このようにして、基材11上にホログラムとしての回折光学素子が形成されて、光学部材10が製造される。
次に、頭部装着型表示装置1及び光学部材10の作用について、図10を参照しながら説明する。図10は、図3に示した光学部材10の断面図において、表示部5から入射した第1波長域の光が観察者の眼前に表示される状態を示している。
まず、表示部5が、拡散光となっている画像光を出射する。出射される画像光は、第1波長域の光と第2波長域の光とを含んでいる。典型的には、画像光は、赤色の波長域の光と、緑色の波長域の光と、青色の波長域の光と、を含んでいる。第1波長域は、青色の光の波長域と、赤色の波長域または緑色の波長域を含んでいる。第2波長域は、赤色の波長域または緑色の波長域のうち、第1波長域に含まれない波長域を含んでいる。
表示部5から出射した画像光は、レンズ7に入射する。図10に示すように、レンズ7によって、表示部5の各位置から出射された画像光は、出射位置ごとに拡散光から略平行な方向に進む光となる。図10に示された例では、表示部5の中心付近から出射された画像光と、表示部5の周縁付近から出射された画像光とは、レンズ7によって、それぞれ異なる角度で光学部材10に入射する略平行な方向に進む光となっている。略平行となった画像光が、光学部材10の第1回折光学部材20に入射する。
第1回折光学部材20に入射した画像光のうち、図10に示されたように、第1波長域の光は、第1回折光学素子21によって回折される。一方、図示されていない第2波長域の光は、第5回折光学素子22によって回折される。第1回折光学素子21によって回折された第1波長域の光は、基材11内を第1方向d1に進んで第2回折光学部材30に向かう。第5回折光学素子22で回折された第2波長域の光は、基材11内を第2方向d2に進んで第4回折光学部材50に向かう。基材11内を進む光は、基材11の一対の主面や基材11上に設けられた回折光学部材等で全反射されることで、基材11内を導光される。
図10に示すように、第1回折光学部材20の第1回折光学素子21で回折された第1波長域の光は、第2回折光学部材30に入射する。第2回折光学部材30に入射した第1波長域の光は、第2回折光学素子31によって回折される。第2回折光学素子31によって回折された光は、基材11内を第2方向d2に導光されて第3回折光学部材40に向かう。第2回折光学素子31の回折効率は、第1回折光学素子21の回折効率よりも低くなっているため、第2回折光学素子31のある位置に入射した第1波長域の光の一部のみが回折されて、第2方向d2に基材11内を導光される。第2回折光学素子31のある位置で回折されなかった光は、その後、第2回折光学素子31及び基材11の表面で反射し、再び第2回折光学素子31の別の位置に入射する。
図示されていない第1回折光学部材20の第5回折光学素子22で回折された第2波長域の光は、第4回折光学部材50に入射する。第4回折光学部材50に入射した第2波長域の光は、第4回折光学素子51によって回折される。第4回折光学素子51によって回折された光は、基材11内を第1方向d1に導光された第3回折光学部材40に向かう。第4回折光学素子51の回折効率は、第5回折光学素子22の回折効率よりも低くなっているため、第4回折光学素子51のある位置に入射した第2波長域の光の一部のみが回折されて、第1方向d1に基材11内を導光される。第4回折光学素子51のある位置で回折されなかった光は、その後、第4回折光学素子51及び基材11の表面で反射し、再び第4回折光学素子51の別の位置に入射する。
図10に示すように、第3回折光学部材40に入射した第1波長域の光は、第3回折光学素子41によって回折される。第3回折光学素子41によって回折された光は、光学部材10から出射する。一方、第3回折光学部材40に入射した図示されていない第2波長域の光は、第6回折光学素子42によって回折される。第6回折光学素子42によって回折された光は、光学部材10から出射する。第3回折光学素子41の回折効率は、第1回折光学素子21の回折効率よりも低くなっており、第6回折光学素子42の回折効率は、第5回折光学素子22の回折効率よりも低くなっている。このため、第3回折光学素子41や第6回折光学素子42のある位置に入射した光の一部のみが回折されて、光学部材10から出射する。第3回折光学素子41及び第6回折光学素子42のある位置で回折されなかった光は、その後、第3回折光学素子41及び第6回折光学素子42の表面で反射し、再び第3回折光学素子41及び第6回折光学素子42に入射する。
光学部材10から出射した光は、観察者によって観察されることができる。すなわち、表示装置3に表示される画像を、観察者は視認することができる。とりわけ、頭部装着型表示装置1において、表示装置3の光学部材10は、観察者の眼前に配置されている。このため、観察者は表示される画像を眼前において視認することができる。
ところで、従来の光学部材では、入射部と同様に、拡張部や出射部における各回折光学素子の回折効率は、略一定となっている。拡張部において一部の画像光が回折されると、その画像光が回折された位置より入射部から離間した位置では回折された分だけ画像光が少なくなる。すなわち、拡張部において入射部から離間するほど、画像光の強度は小さくなる。同様に、出射部において一部の画像光が回折されると、その画像光が回折された位置より拡張部から離間した位置では回折された分だけ画像光が少なくなる。すなわち、出射部において拡張部から離間するほど、画像光の強度は小さくなる。このように、出射部の位置によって、出射する画像光の強度が不均一になってしまう。画像光の強度が強いほど、画像は明るく視認される。すなわち、光学部材の出射部から出射して観察者に観察される画像の明るさが不均一になってしまう。明るさが不均一になると、光学部材から出射する画像光による画像の品質を低下させてしまう。
一方、本実施の形態の光学部材10では、第2回折光学素子31は、拡張部に設けられた第2回折光学部材30に含まれており、第2回折光学素子31の単位面積を有したある領域における回折効率は、当該領域より第1方向d1に沿って第1回折光学部材20から離間した第2回折光学素子31の単位面積を有したある別の領域における回折効率より低くなっている。したがって、第2回折光学素子31のある領域において回折される画像光の強度を、当該領域より第1方向d1に沿って第1回折光学部材20から離間した第2回折光学素子31のある別の領域において回折される画像光の強度に近づけることができる。また、第3回折光学素子41は、出射部に設けられた第3回折光学部材40に含まれており、第3回折光学素子41の単位面積を有したある領域における回折効率は、当該領域より第2方向d2に沿って第2回折光学部材30から離間した第3回折光学素子41の単位面積を有したある別の領域における回折効率より低くなっている。したがって、第3回折光学素子41のある領域において回折される画像光の強度を、当該領域より第2方向d2に沿って第2回折光学部材30から離間した第3回折光学素子41のある別の領域において回折される画像光の強度に近づけることができる。すなわち、第3回折光学素子41から出射する画像光の強度を均一に近づけることができる。このため、光学部材10から出射する画像光の明るさを均一に近づけることができる。
同様に、第4回折光学素子51は、拡張部に設けられた第4回折光学部材50に含まれており、第4回折光学素子51の単位面積を有したある領域における回折効率は、当該領域より第2方向d2に沿って第1回折光学部材20から離間した第4回折光学素子51の単位面積を有したある別の領域における回折効率より低くなっている。したがって、第4回折光学素子51のある領域において回折される画像光の強度を、当該領域より第2方向d2に沿って第1回折光学部材20から離間した第4回折光学素子51のある別の領域において回折される画像光の強度に近づけることができる。また、第6回折光学素子42は、出射部に設けられた第3回折光学部材40に含まれており、第6回折光学素子42の単位面積を有したある領域における回折効率は、当該領域より第1方向d1に沿って第4回折光学部材50から離間した第6回折光学素子42の単位面積を有したある別の領域における回折効率より低くなっている。したがって、第6回折光学素子42のある領域において回折される画像光の強度を、当該領域より第1方向d1に沿って第4回折光学部材50から離間した第6回折光学素子42のある別の領域において回折される画像光の強度に近づけることができる。すなわち、第6回折光学素子42から出射する画像光の強度を均一に近づけることができる。このため、光学部材10から出射する画像光の明るさを均一に近づけることができる。
また、第2回折光学素子31の単位面積を有した任意の領域における回折効率は、当該領域より第1方向d1に沿って第1回折光学部材20から離間した第2回折光学素子31の単位面積を有した任意の別の領域における回折効率より低くなっている。したがって、第2回折光学素子31の任意の領域において回折される画像光の強度を、当該領域より第1方向d1に沿って第1回折光学部材20から離間した第2回折光学素子31の任意の別の領域において回折される画像光の強度に近づけることができる。また、第3回折光学素子41の単位面積を有した任意の領域における回折効率は、当該領域より第2方向d2に沿って第2回折光学部材30から離間した第3回折光学素子41の単位面積を有した任意の別の領域における回折効率より低くなっている。したがって、第3回折光学素子41の任意の領域において回折される画像光の強度を、当該領域より第2方向d2に沿って第2回折光学部材30から離間した第3回折光学素子41の任意の別の領域において回折される画像光の強度に近づけることができる。すなわち、第3回折光学素子41の任意の領域から出射する画像光の強度を均一に近づけることができる。このため、光学部材10の出射部の全体から出射する画像光の明るさを均一に近づけることができる。
第1回折光学素子21の回折効率及び第5回折光学素子22の回折効率は、適切な範囲にあることが好ましい。例えば、図11に示すように、第1回折光学素子21で回折された光は、基材11の主面で全反射された後、再度第1回折光学素子21に入射することがある。再度第1回折光学素子21に入射した光は、再度第1回折光学素子21で回折され得る。再度第1回折光学素子21で回折された光は、基材11内には向かわず、第1回折光学部材20から出射してしまう。このため、第1回折光学素子21の回折効率が高すぎる場合、複数回にわたって第1回折光学素子21で回折されやすくなり、最終的に第1回折光学部材20から第2回折光学部材30に導光される光が少なくなってしまう。本件発明者らが確認したところ、表示部5から入射して第1回折光学素子21で回折された光は、基材11の主面で全反射された後、1〜5回程度、特には4回、再度第1回折光学素子21に入射することが知見された。
図12は、回折光学素子の回折効率と一度回折光学素子で回折された後に再度回折光学素子に入射する回数との関係において、最終的に第1回折光学部材20から第2回折光学部材30に導光される光の割合を示している表である。すなわち、表示部5から入射する光を100%とした場合の、第1回折光学部材20から第2回折光学部材30に導光される光の割合を示している。図12から理解されるように、一度回折光学素子で回折された後に再度回折光学素子に入射する回数が1回以上の場合、回折光学素子の回折効率は、50%以下であることが好ましい。また、一度回折光学素子で回折された後に再度回折光学素子に入射する回数が3回以上の場合、回折光学素子の回折効率は、10%以上40%以下であることが好ましく、10%以上30%以下であることがより好ましい。さらに、一度回折光学素子で回折された後に再度回折光学素子に入射する回数が4回以上の場合、回折光学素子の回折効率は、15%以上25%以下であることが好ましい。
以上のように、本実施の形態の光学部材10は、基材11と、基材11に積層され、第1回折光学素子21を含む第1回折光学部材20と、第1回折光学部材20から第1方向d1にずれた位置において基材11に積層され、第2回折光学素子31を含む第2回折光学部材30と、第2回折光学部材30から第1方向d1に非平行な第2方向d2にずれた位置において基材11に積層され、第3回折光学素子41を含む第3回折光学部材40と、を備える光学部材であって、第1回折光学素子21は、当該光学部材に入射した第1波長域の光を第1方向d1に向かうように回折し、第2回折光学素子31は、第1方向d1から入射した第1波長域の光を第2方向d2に向かうように回折し、第3回折光学素子41は、第2方向d2から入射した第1波長域の光を当該光学部材から出射するように回折し、第2回折光学素子31の単位面積を有したある領域における回折効率は、当該領域より第1方向d1に沿って第1回折光学部材20から離間した第2回折光学素子31の単位面積を有したある別の領域における回折効率より低く、第3回折光学素子41の単位面積を有したある領域における回折効率は、当該領域より第2方向d2に沿って第2回折光学部材30から離間した第3回折光学素子41の単位面積を有したある別の領域における回折効率より低い。このような光学部材10によれば、第2回折光学素子31のある領域において回折される画像光の強度を、当該領域より第1方向d1に沿って第1回折光学部材20から離間した第2回折光学素子31のある別の領域において回折される画像光の強度に近づけることができ、第3回折光学素子41のある領域において回折される画像光の強度を、当該領域より第2方向d2に沿って第2回折光学部材30から離間した第3回折光学素子41のある別の領域において回折される画像光の強度に近づけることができる。すなわち、第3回折光学素子41から出射する画像光の強度を均一に近づけることができる。このため、光学部材10から出射する画像光の明るさを均一に近づけることができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。
上述の実施の形態では、表示装置3は、頭部装着型表示装置1に適用されているが、これに限らず、別の部材に適用されてもよい。
また、上述した実施の形態では、図2に示すように、第2回折光学部材30において、第2回折部31a及び第2平坦部31bは、第2方向d2において第2回折光学素子31の全体に延びている。しかしながら、例えば、図13に示すように、第2回折部31a及び第2平坦部31bは、第2方向d2において第2回折光学素子31に部分的に延びていてもよい。さらに、第2回折光学部材30において、第2回折光学素子31は、第2方向d2におけるずれた位置に、第1方向d1に交互に配置された別の第2回折部31a及び第2平坦部31bを含んでいてもよい。
同様に、上述した実施の形態では、図2に示すように、第4回折光学部材50において、第4回折部51a及び第4平坦部51bは、第1方向d1において第4回折光学素子51の全体に延びている。しかしながら、例えば図13に示すように、第4回折部51a及び第4平坦部51bは、第1方向d1において第4回折光学素子51に部分的に延びていてもよい。さらに、第4回折光学部材50において、第4回折光学素子51は、第1方向d1におけるずれた位置に、第2方向d2に交互に配置された別の第4回折部51a及び第4平坦部51bを含んでいてもよい。
また、上述した実施の形態では、回折部と平坦部との割合を変化させることによって、第2回折光学素子31の回折効率、第3回折光学素子41の回折効率、第4回折光学素子51の回折効率及び第6回折光学素子42の回折効率を変化させている。しかしながら、他の方法によって、回折光学素子の回折効率を変化させていてもよい。図14に示す例では、第2回折光学素子31の単位面積を有したある領域、好ましくは任意の領域における第2回折格子を形成する屈折率差は、当該領域より第1方向d1に沿って第1回折光学部材20から離間した第2回折光学素子31の単位面積を有したある別の領域、好ましくは任意の別の領域における第2回折格子を形成する屈折率差より低くなっている。図14では、屈折率差の大きい部分を濃く、屈折率差の小さい部分を薄く示している。回折格子を形成する屈折率差が大きくなるほど、当該回折格子で光が回折されやすくなる。したがって、このような場合でも、上述した実施の形態と同様に、第2回折光学素子31の単位面積を有したある領域、好ましくは任意の領域における回折効率を、当該領域より第1方向d1に沿って第1回折光学部材20から離間した第2回折光学素子31の単位面積を有したある別の領域、好ましくは任意の別の領域における回折効率より低くすることができる。
同様に、第3回折光学素子41の単位面積を有したある領域、好ましくは任意の領域における第3回折格子を形成する屈折率差は、当該領域より第2方向d2に沿って第2回折光学部材30から離間した第3回折光学素子41の単位面積を有したある別の領域、好ましくは任意の別の領域における第3回折格子を形成する屈折率差より低くなっている。このような場合でも、上述した実施の形態と同様に、第3回折光学素子41の単位面積を有したある領域、好ましくは任意の領域における回折効率を、当該領域より第2方向d2に沿って第2回折光学部材30から離間した第3回折光学素子41の単位面積を有したある別の領域、好ましくは任意の別の領域における回折効率より低くすることができる。
また、第4回折光学素子51の単位面積を有したある領域、好ましくは任意の領域における第4回折格子を形成する屈折率差は、当該領域より第2方向d2に沿って第1回折光学部材20から離間した第4回折光学素子51の単位面積を有したある別の領域、好ましくは任意の別の領域における第4回折格子を形成する屈折率差より低くなっている。このような場合でも、上述した実施の形態と同様に、第4回折光学素子51の単位面積を有したある領域、好ましくは任意の領域における回折効率を、当該領域より第2方向d2に沿って第1回折光学部材20から離間した第4回折光学素子51の単位面積を有したある別の領域、好ましくは任意の別の領域における回折効率より低くすることができる。
さらに、第6回折光学素子42の単位面積を有したある領域、好ましくは任意の領域における第6回折格子を形成する屈折率差は、当該領域より第1方向d1に沿って第4回折光学部材50から離間した第6回折光学素子42の単位面積を有したある別の領域、好ましくは任意の別の領域における第6回折格子を形成する屈折率差より低くなっている。このような場合でも、上述した実施の形態と同様に、第6回折光学素子42の単位面積を有したある領域、好ましくは任意の領域における回折効率を、当該領域より第1方向d1に沿って第4回折光学部材50から離間した第6回折光学素子42の単位面積を有したある別の領域、好ましくは任意の別の領域における回折効率より低くすることができる。
このような各回折光学素子を有する光学部材10は、例えば以下のようにして製造することができる。まず、上述した実施の形態の光学部材10の製造工程と同様に、基材11上にホログラムとして回折光学素子を形成するようになるホログラム感材80を設ける。次に、図15に示すように、基材11上のホログラム感材80に対面して減光フィルタ70を配置する。減光フィルタ70は、作製される光学部材10の各回折光学部材に対応した部分を有している。すなわち、減光フィルタ70は、第1部分72と、第1部分72から第1方向d1にずれて位置する第2部分73と、第2部分73から第2方向d2にずれて位置する第3部分74と、第1部分72から第2方向d2にずれて位置する第4部分75と、を含んでいる。
減光フィルタ70は、入射した光の一部を透過させ、他の一部を吸収または反射する。すなわち、減光フィルタ70は、透過しようとする光の強度を減衰させる。減光フィルタ70における光の透過率は、適宜に設定することができる。図15に示す減光フィルタ70は、図14に示す光学部材10の各回折光学素子を作製するように光の透過率が設定されている。図15では、透過率の低い部分を濃く、透過率の高い部分を薄く示している。すなわち、第2部分73の単位面積を有したある領域、好ましくは任意の領域における光の透過率は、当該領域より第1方向d1に沿って第1部分72から離間した第2部分73の単位面積を有したある別の領域、好ましくは任意の別の領域における光の透過率より高くなっている。第3部分74の単位面積を有したある領域、好ましくは任意の領域における光の透過率は、当該領域より第2方向d2に沿って第2部分73から離間した第3部分74の単位面積を有したある別の領域、好ましくは任意の別の領域における光の透過率より高くなっており、且つ当該領域より第1方向d1に沿って第4部分75から離間した第3部分74の単位面積を有したある別の領域、好ましくは任意の別の領域における光の透過率より高くなっている。第4部分75の単位面積を有したある領域、好ましくは任意の領域における光の透過率は、当該領域より第2方向d2に沿って第1部分72から離間した第4部分75の単位面積を有したある別の領域、好ましくは任意の別の領域における光の透過率より高くなっている。
次に、図16に示すように、減光フィルタ70を介して光L16を照射して、ホログラム感材80を露光する。図16は、図15のXVI−XVI線に沿った断面の一部である。すなわち、減光フィルタ70の透過率に応じて、ホログラム感材80が露光される。減光フィルタ70の透過率が高いほど、ホログラム感材80が光L16によって強く露光される。ここで、光L16が照射された光の強度に応じて、ホログラム感材80が不感化処理される。ホログラム感材80に照射する光L16は、短時間で確実に不感化処理するために、紫外線であることが好ましい。図17では、強く不感化処理されたホログラム感材80を濃く、弱く不感化処理されたホログラム感材80を薄く示している。ホログラム感材80は、図17に示すように、減光フィルタ70の透過率が高いほどホログラム感材80に含まれる屈折率差を形成する材料(モノマー)が反応して強く不感化処理され、透過率が低いほどホログラム感材80に含まれる屈折率差を形成する材料(モノマー)があまり反応せずに弱く不感化処理される。
その後、減光フィルタ70を除去し、次に図18に示すように基材11のホログラム感材80が設けられた側とは逆側にホログラム原版85を配置し、光、特に平行光束を照射してホログラム感材80を露光する。照射される光L181が参照光として、またホログラム感材80をいったん透過してホログラム原版85で回折された回折光L182が物体光として、ホログラム感材80に入射する。光L181と回折光L182とが干渉することにより、ホログラム感材80内に明暗パターンである干渉縞が生成される。そして、この干渉縞が、感光性を有したホログラム感材80に記録される。このようにして、ホログラム感材80に干渉縞を記録することにより、回折格子が形成される。このようにして、基材11上にホログラムとしての回折光学素子が形成されて、上述した変形例の光学部材10が製造される。
ここで、ホログラム感材80が強く不感化処理されるほど、当該位置でのホログラム感材80に含まれる屈折率差を形成する材料(モノマー)が反応して不感化処理される。言い換えると、光L181が照射された際に回折格子として屈折率差を形成する未反応の材料(モノマー)が少なくなる。光L181が照射されて回折格子が形成される際に回折格子として屈折率差を形成する未反応の材料の量が多いほど、屈折率差が大きな回折格子が形成される。したがって、不感化処理されたホログラム感材80が強いほど、形成される回折格子の屈折率差が小さくなる。
回折光学素子における各部分での回折格子の屈折率差の大小は、例えば次の方法で評価することができる。まず、図19乃至図22に示すように、各回折光学素子の屈折率差が小さいことで回折効率が低くなる部分と屈折率差が大きいことで回折効率が高くなる部分との拡大画像を撮像する。各回折光学素子の拡大画像は、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)や走査型電子顕微鏡(SEM)によって撮像することができる。図19及び図20は、回折光学素子における屈折率差が小さいことで回折効率が低くなる同一の部分をTEMによって撮像した画像であり、図21及び図22は、回折光学素子における屈折率差が大きいことで回折効率が大きくなる同一の部分をTEMによって撮像した画像である。図19及び図20に示された部分での回折効率は32%であり、図21及び図22に示された部分での回折効率は16%であった。
撮像された画像において、回折格子として高屈折率部分及び低屈折率部分のうちの一方の部分は明部となり、当該明部を形成する際に材料が偏在した結果、高屈折率部分及び低屈折率部分のうちの他方の部分は暗部となる。すなわち、暗部と明部の輝度比が大きいほど、回折格子の屈折率差が大きい。
次に、暗部と明部の輝度比を求めるために、撮像された画像において、一方向に延びる暗部と、当該暗部に隣り合って一方向に延びる明部と、をそれぞれ3つ定める。代表として、図19及び図21には、一方向に延びる1つの暗部が点線に沿って示されており、図20及び図22には、図19及び図21で定めた暗部に隣り合って延びる1つの明部が点線に沿って示されている。3つの暗部及び明部の輝度を画像から読み込み、それぞれの暗部と明部の輝度の平均を算出する。
暗部の輝度の平均に対する明部の輝度の平均の比から、暗部と明部の輝度比を算出する。暗部と明部との屈折率差が大きいほど、この輝度比の値は、大きくなる。すなわち、輝度比の値を比較することにより、各部分での回折格子の屈折率差を比較することができる。具体的な例として、図19及び図20に示した回折光学素子における屈折率差が小さい部分での輝度比は、1.31であり、図21及び図22に示した回折光学素子における屈折率差が大きい部分での輝度比は、1.92である。
なお、本変形例の各回折光学素子の構成は、上述した実施の形態の各回折光学素子の構成と組み合わされてもよい。すなわち、例えば、第2回折光学素子31の単位面積を有したある領域における第2回折部31aの割合が、当該領域より第1方向d1に沿って第1回折光学部材20から離間した第2回折光学素子31の単位面積を有したある別の領域における第2回折部31aの割合より低くなっており、且つ、第2回折光学素子31の単位面積を有したある領域における第2回折格子を形成する屈折率差が、当該領域より第1方向d1に沿って第1回折光学部材20から離間した第2回折光学素子31の単位面積を有したある別の領域における第2回折格子を形成する屈折率差より低くなっていてもよい。
また、図23に示すように、第2回折光学部材30が平面視において矩形である場合、第2回折光学素子31で回折された第1波長域の光が、さらに第2回折光学素子31で回折されることがある。第2回折光学素子31で複数回回折されると、第2回折光学素子31の単位面積を有したある領域において回折される画像光の強度を、当該領域より第1方向d1に沿って第1回折光学部材20から離間した第2回折光学素子31の単位面積を有したある別の領域において回折される画像光の強度に近づけることが困難になる。すなわち、第3回折光学素子41から出射する画像光の強度を均一に近づけにくくなる。
そこで、図24に示す変形例では、少なくとも一部の第2回折光学部材の第2方向d2に沿った長さが、第1方向d1に沿って第1回折光学部材20から離間するにつれて長くなっている。言い換えると、少なくとも一部の第2回折光学部材30の第1回折光学部材20に近い側は、第1回折光学部材20に遠い側より細くなっている。この場合、特に第1回折光学部材20に近い側において第2回折光学素子31が細くなっているため、第1波長域の光が第2回折光学素子31で複数回回折されることを容易に回避することができる。また、この場合、第1方向d1に沿って第1回折光学部材20から離間するにつれて第2回折光学素子31が配置されている面積が大きくなる。したがって、第2回折光学素子31の単位面積を有したある領域において回折される画像光の強度を、当該領域より第1方向d1に沿って第1回折光学部材20から離間した第2回折光学素子31の単位面積を有したある別の領域において回折される画像光の強度に近づけることができる。すなわち、第3回折光学素子41から出射する画像光の強度を均一に近づけることができる。
なお、「第1回折光学部材20から離間するにつれて長くなっている」とは、第1回折光学部材20からの距離に応じて連続的に変化し続けることのみを意味している訳ではなく、第1回折光学部材20から離間するにともなって長くなる部分を含み且つ第1回折光学部材20から離間するにともなって短くなる部分を含まないことを意味している。ただし、第1回折光学部材20からの距離に応じて連続的に長くなっていることが好ましい。
図24に示した第2回折光学部材30と同様に、少なくとも一部の第4回折光学部材50の第2方向d2に沿った長さが、第2方向d2に沿って第1回折光学部材20から離間するにつれて長くなっていることで、特に第1回折光学部材20に近い側において、第2波長域の光が第4回折光学素子51で複数回回折されることを容易に回避することができる。また、この場合、第2方向d2に沿って第1回折光学部材20から離間するにつれて第4回折光学素子51が配置されている面積が大きくなる。したがって、第4回折光学素子51の単位面積を有したある領域において回折される画像光の強度を、当該領域より第2方向d2に沿って第1回折光学部材20から離間した第4回折光学素子51の単位面積を有したある別の領域において回折される画像光の強度に近づけることができる。すなわち、第3回折光学素子41から出射する画像光の強度を均一に近づけることができる。
さらに、光学部材10は、第1回折光学部材20を基材11とは反対側から覆う保護層17を有していてもよい。図25に示された例のように、保護層17は、第1回折光学部材20だけでなく、第2回折光学部材30、第3回折光学部材40及び第4回折光学部材50も基材11とは反対側から覆うことが好ましい。このような保護層17は、覆っている各回折光学部材が有する回折光学素子を保護して回折光学素子が傷つくことを防止することができる。保護層17は、回折光学素子を保護する十分な強度を有している。保護層17は、例えばポリカーボネート、アクリル樹脂、シクロオレフィンポリマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)等からなり、とりわけ複屈折率の小さな材料であるポリカーボネート、アクリル樹脂、シクロオレフィンポリマー等からなることが好ましい。また、保護層17が薄すぎると、保護層17の剛性が低くなるため、光学部材10に外部からの力が加わると、保護層17が変形してしまうことがある。一方、保護層17が厚すぎると、光学部材10に熱が加わると、保護層17が大きく反るように変形してしまう。このような保護層17の変形を抑制するため、保護層17の厚さは、適切な範囲にあることが好ましい。具体的には、保護層17の厚さは、例えば0.2mm以上3mm以下であることが好ましく、0.4mm以上1.5mm以下であることがより好ましい。さらに、光学部材10の表面強度を向上させるために、保護層17は、ハードコート処理されていることが好ましい。
このような保護層17が回折光学部材に接していると、基材内を導光している光が回折光学部材から保護層17に入射することがある。保護層17に入射した光を適切に導光させるためには、保護層17を平坦にすることが求められる。しかしながら、十分な平坦性を有する保護層は、製造することが困難であり、また製造するとしてもコストがかかる。平坦性の低い保護層17に基材内を導光している光が入射すると、光は適切に保護層17内を導光されず、表示装置に表示される画像が劣化してしまう。そこで、保護層を回折光学部材から離間した位置に設けて、回折光学部材と保護層との間に空気層を設けることが考えられた。しかしながら、回折光学部材と保護層との間に空気層を設けると、光学部材全体が厚くなってしまう。また、空気層を適切に設けることも困難である。
そこで、図25に示す例では、基材11と保護層17との間に、低屈折率層18を設けられている。すなわち、光学部材10は、保護層17に加え、低屈折率層18をさらに有している。低屈折率層18は、基材11より屈折率が低い材料からなる。低屈折率層18と基材11との屈折率の差は、0.1以上であることが好ましく、0.2以上であることがより好ましく、0.3以上であることがより好ましい。低屈折率層18の屈折率は、例えば1.4以下であり、好ましくは1.3以下であり、より好ましくは1.2以下である。また、低屈折率層18の厚さは、例えば0.01μm以上10μm以下、好ましくは0.1μm以上5μm以下である。このような低屈折率層18は、例えばフッ素樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、中空シリカ、及びこれらの混合物のいずれかを基材11及び回折光学部材上にコーティングすることで、容易に作製することができる。とりわけ、低屈折率層18の材料としては、特に屈折率の低いフッ素樹脂、中空シリカからなることが好ましい。また、このように低屈折率層18を作製することで、回折光学部材に圧力がかかりにくく、したがって低屈折率層18によって回折光学部材に歪みを生じさせにくくできる。
1 頭部装着型表示装置
3 表示装置
5 表示部
7 レンズ
10 光学部材
11 基材
17 保護層
18 低屈折率層
20 第1回折光学部材
21 第1回折光学素子
22 第5回折光学素子
30 第2回折光学部材
31 第2回折光学素子
31a 第2回折部
31b 第2平坦部
40 第3回折光学部材
41 第3回折光学素子
41a 第3回折部
41b 第3平坦部
42 第6回折光学素子
42a 第6回折部
42b 第6平坦部
50 第4回折光学部材
51 第4回折光学素子
51a 第4回折部
51b 第4平坦部
60 マスク
61 開口部
62 第1部分
63 第2部分
64 第3部分
65 第4部分
70 減光フィルタ
72 第1部分
73 第2部分
74 第3部分
75 第4部分
80 ホログラム感材

Claims (13)

  1. 基材と、
    前記基材に積層され、第1回折光学素子を含む第1回折光学部材と、
    前記第1回折光学部材から第1方向にずれた位置において前記基材に積層され、第2回折光学素子を含む第2回折光学部材と、
    前記第2回折光学部材から前記第1方向に非平行な第2方向にずれた位置において前記基材に積層され、第3回折光学素子を含む第3回折光学部材と、を備える光学部材であって、
    前記第1回折光学素子は、当該光学部材に入射した第1波長域の光を前記第1方向に向かうように回折し、
    前記第2回折光学素子は、前記第1方向から入射した前記第1波長域の光を前記第2方向に向かうように回折し、
    前記第3回折光学素子は、前記第2方向から入射した前記第1波長域の光を当該光学部材から出射するように回折し、
    前記第2回折光学素子の単位面積を有したある領域における回折効率は、当該領域より前記第1方向に沿って前記第1回折光学部材から離間した前記第2回折光学素子の単位面積を有したある別の領域における回折効率より低く、
    前記第3回折光学素子の単位面積を有したある領域における回折効率は、当該領域より前記第2方向に沿って前記第2回折光学部材から離間した前記第3回折光学素子の単位面積を有したある別の領域における回折効率より低い、光学部材。
  2. 前記第2回折光学素子の単位面積を有した任意の領域における回折効率は、当該領域より前記第1方向に沿って前記第1回折光学部材から離間した前記第2回折光学素子の単位面積を有したある別の領域における回折効率より低く、
    前記第3回折光学素子の単位面積を有した任意の領域における回折効率は、当該領域より前記第2方向に沿って前記第2回折光学部材から離間した前記第3回折光学素子の単位面積を有したある別の領域における回折効率より低い、請求項1に記載の光学部材。
  3. 前記第2回折光学素子及び前記第3回折光学素子は、体積ホログラムである、請求項1または2に記載の光学部材。
  4. 前記第2回折光学素子は、前記第1波長域の光を回折させる第2回折格子が形成された第2回折部と、前記第2回折格子の非形成部である第2平坦部と、を含み、
    前記第2回折光学素子の単位面積を有したある領域における前記第2回折部の割合は、当該領域より前記第1方向に沿って前記第1回折光学部材から離間した前記第2回折光学素子の単位面積を有したある別の領域における前記第2回折部の割合より低い、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学部材。
  5. 前記第3回折光学素子は、前記第1波長域の光を回折させる第3回折格子が形成された第3回折部と、前記第3回折格子の非形成部である第3平坦部と、を含み、
    前記第3回折光学素子の単位面積を有したある領域における前記第3回折部の割合は、当該領域より前記第2方向に沿って前記第2回折光学部材から離間した前記第3回折光学素子の単位面積を有したある別の領域における前記第3回折部の割合より低い、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光学部材。
  6. 前記第2回折光学素子において、前記第1波長域の光を回折させる第2回折格子を形成するように屈折率差があり、
    前記第2回折光学素子の単位面積を有したある領域における前記第2回折格子を形成する屈折率差は、当該領域より前記第1方向に沿って前記第1回折光学部材から離間した前記第2回折光学素子の単位面積を有したある別の領域における前記第2回折格子を形成する屈折率差より低い、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光学部材。
  7. 前記第3回折光学素子において、前記第1波長域の光を回折させる第3回折格子を形成するように屈折率差があり、
    前記第3回折光学素子の単位面積を有したある領域における前記第3回折格子を形成する屈折率差は、当該領域より前記第2方向に沿って前記第2回折光学部材から離間した前記第3回折光学素子の単位面積を有したある別の領域における前記第3回折格子を形成する屈折率差より低い、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光学部材。
  8. 少なくとも一部の前記第2回折光学部材の前記第2方向に沿った長さは、前記第1回折光学部材から離間するにつれて長くなっている、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光学部材。
  9. 前記第1回折光学部材から前記第2方向にずれた位置において前記基材に積層され、第4回折光学素子を含む第4回折光学部材をさらに備え、
    前記第1回折光学部材は、第5回折光学素子をさらに含み、
    前記第3回折光学部材は、第6回折光学素子をさらに含み、
    前記第5回折光学素子は、当該光学部材に入射した前記第1波長域とは異なる第2波長域の光を前記第2方向に向かうように回折し、
    前記第4回折光学素子は、前記第2方向から入射した前記第2波長域の光を前記第1方向に向かうように回折し、
    前記第6回折光学素子は、前記第1方向から入射した前記第2波長域の光を当該光学部材から出射するように回折し、
    前記第4回折光学素子の単位面積を有したある領域における回折効率は、当該領域より前記第2方向に沿って前記第1回折光学部材から離間した前記第4回折光学素子の単位面積を有したある別の領域における回折効率より低く、
    前記第6回折光学素子の単位面積を有したある領域における回折効率は、当該領域より前記第1方向に沿って前記第2回折光学部材から離間した前記第6回折光学素子の単位面積を有したある別の領域における回折効率より低い、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の光学部材。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の光学部材と、
    前記光学部材の前記第1回折光学部材に対面して配置され、画像光を出射する表示部と、を備える、表示装置。
  11. 請求項10に記載の表示装置を備える、頭部装着型表示装置。
  12. 基材上にホログラム感材を設ける工程と、
    前記ホログラム感材に対面してマスクを配置する工程と、
    光を照射して前記マスクを介して前記ホログラム感材を露光して、前記ホログラム感材を不感化処理する工程と、
    前記マスクを除去する工程と、
    前記ホログラム感材を露光して、前記基材上にホログラムを形成する工程と、を備え、
    前記マスクは、第1部分と、前記第1部分から第1方向にずれて位置する第2部分と、前記第2部分から前記第1方向に非平行な第2方向にずれて位置する第3部分と、を含み、
    前記マスクは、前記第2部分及び前記第3部分において開口部を有し、
    前記第2部分の単位面積を有したある領域における前記開口部の割合は、当該領域より前記第1方向に沿って前記第1部分から離間した前記第2部分の単位面積を有したある別の領域における前記開口部の割合より高く、
    前記第3部分の単位面積を有したある領域における前記開口部の割合は、当該領域より前記第2方向に沿って前記第2部分から離間した前記第3部分の単位面積を有したある別の領域における前記開口部の割合より高い、光学部材の製造方法。
  13. 基材上にホログラム感材を設ける工程と、
    前記ホログラム感材に対面して減光フィルタを配置する工程と、
    光を照射して前記減光フィルタを介して前記ホログラム感材を露光して、前記ホログラム感材を不感化処理する工程と、
    前記減光フィルタを除去する工程と、
    前記ホログラム感材を露光して、ホログラムを形成する工程と、を備え、
    前記減光フィルタは、第1部分と、前記第1部分から第1方向にずれて位置する第2部分と、前記第2部分から前記第1方向に非平行な第2方向にずれて位置する第3部分と、を含み、
    前記第2部分の単位面積を有したある領域における光の透過率は、当該領域より前記第1方向に沿って前記第1部分から離間した前記第2部分の単位面積を有したある別の領域における光の透過率より高く、
    前記第3部分の単位面積を有したある領域における光の透過率は、当該領域より前記第2方向に沿って前記第2部分から離間した前記第3部分の単位面積を有したある別の領域における光の透過率より高い、光学部材の製造方法。
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