JP2021097499A - 回転電機のステータ - Google Patents
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Abstract
【課題】回転電機のステータにおけるセグメントコイルの連結において、溶接を省略できる連結部材を用いながら、連結における接続抵抗の増加を抑制することである。【解決手段】回転電機のステータ10は、ステータコア12、及び、ステータコア12に巻回されるステータコイル20を有する。ステータコイル20は、素材面が露出している状態の嵌合凹部を両端部に有する複数のセグメントコイル30と、1つのセグメントコイルの嵌合凹部に一方端が嵌合しており、他のセグメントコイルの嵌合凹部に他方端が嵌合している導電性連結ピン60a,60bと、を備える。【選択図】図1
Description
本開示は、回転電機のステータに係り、特に、セグメントコイルを用いて巻回されるステータコイルを有する回転電機のステータに関する。
回転電機のステータにおいては、ステータコアにステータコイルが巻回される。ステータコイルとしては、複数のセグメントコイルを連結して巻回するものがある。例えば、略U字状のセグメントコイルをステータコアの一方側の軸方向端面側からスロットに挿入して組付け、ステータコアの他方側の軸方向端面から突出したセグメントコイルの端部を周方向に倒して屈曲させる。そして、この屈曲したセグメントコイルの端部を、同様の屈曲された他のセグメントコイルの端部に溶接し複数のセグメントコイルを連結して、ステータコアに巻回する。ここでは、セグメントコイルをステータコアに組み付けた後に、当該セグメントコイルの屈曲や溶接、溶接部分の絶縁処理等が必要となる。
特許文献1には、回転電機のステータ及びその製造方法として、両端部に嵌合凹部を有する連結部材を用い、一方端の嵌合凹部と他方側の嵌合凹部にそれぞれセグメントコイルの先端部を嵌合させることが開示されている。この技術では、セグメントコイルに関する溶接、溶接部分の絶縁処理等が不要になる。
両端部に嵌合凹部を有する連結部材を用いて、一方端の嵌合凹部と他方側の嵌合凹部にそれぞれセグメントコイルの先端部を嵌合させる技術においては、嵌合の際に連結部材の両端側が拡張する変形を生じる。これによって、嵌合凹部の凹部内面とセグメントコイル先端部との間の接触部位における接触面積が減少し、連結における接続抵抗が増加し、連結品質が低下する。そこで、セグメントコイルの連結において、溶接を省略できる連結部材を用いながら、連結における接続抵抗の増加を抑制できる回転電機のステータが要望される。
本開示に係る回転電機のステータは、ステータコア、及び、ステータコアに巻回されるステータコイルを有する回転電機のステータであって、ステータコイルは、素材面が露出している状態の嵌合凹部を両端部に有する複数のセグメントコイルと、1つのセグメントコイルの嵌合凹部に一方端が嵌合しており、他のセグメントコイルの嵌合凹部に他方端が嵌合している導電性連結ピンと、を備える。
上記構成の回転電機のステータによれば、セグメントコイルの連結において、溶接を省略できる連結部材を用いながら、連結における接続抵抗の増加を抑制できる。
以下に図面を用いて本開示に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下では、回転電機として、車両搭載用を述べるが、これは、説明のための例示であって、車両搭載以外の用途であっても構わない。
以下で述べる形状、材質、ステータのスロット数等は、説明のための例示であって、回転電機のステータの仕様に合わせ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、回転電機のステータ10の斜視図である。以下では、特に断らない限り、回転電機のステータ10を、ステータ10と呼ぶ。ステータ10が用いられる回転電機は、電動車両に搭載する回転電機である。回転電機は、電動車両が力行するときは電動機として機能し、電動車両が制動時にあるときは発電機として機能するモータ・ジェネレータで、三相同期型の回転電機である。回転電機は、図1に示すステータ10と、ステータ10の内周側に所定の間隔を隔てて配置されるロータとで構成される。図1ではロータの図示を省略した。ステータ10は、ステータコア12と、ステータコイル20とを含む。
図1に、軸方向と径方向と周方向とを示す。軸方向は、ステータコア12の中心穴の中心軸に沿った方向で、ステータコイル20において動力線リードが引き出される方向がリード側で、その反対側が反リード側である。周方向は、中心軸を中心として円周方向に沿った方向である。径方向は、軸方向に垂直な面内で中心軸を通る放射状の方向であり、中心軸に向かう方向が内径側であり、中心軸から離れる方向が外径側である。
ステータコア12は、ロータが配置される中心穴を有する磁性体部品で、円環状のバックヨーク14とバックヨーク14から内周側に突き出す複数のティース16とを含む。隣接するティース16の間の空間はスロット18である。ティース16の数とスロット18の数は同数で、ステータコイル20が三相巻線の場合は、ティース16の数とスロット18の数は、いずれも3の倍数である。
かかるステータコア12は、バックヨーク14とティース16とを含み、スロット18が形成されるように所定の形状に成形された円環状の磁性体薄板を所定枚数で軸方向に積み重ねた積層体である。磁性体薄板の両面には電気的な絶縁処理が施される。磁性体薄板の材質としては、珪素鋼板の一種である電磁鋼板を用いることができる。磁性体薄板の積層体に代えて、磁性粉末を一体化成形したものをステータコア12としてもよい。
ステータコイル20は、三相の分布巻コイルで、1つの相巻線が複数のティース16に跨って1周ずつ巻回されて形成される。これは、説明のための例示であって、ステータ10の仕様によっては、分布巻でなく集中巻であってもよい。分布巻においても、各相巻線についてそれぞれ2周ずつ分布巻されてもよい。
図1の例では、各相巻線は、それぞれ1周ずつ分布巻されるので、U相巻線、V相巻線、W相巻線を一組として、ステータコア12の周方向に沿って巻回される。
ステータコイル20は、ステータコア12のティース16に複数のセグメントコイル30を用いて巻回される。図1では、3スロット隔てた2つのスロット18L,18Rに配置されるU巻線用のセグメントコイル30の一部として、2つのスロット18L,18Rにまたがって複数の巻数で巻回されるうちの最小単位の1巻き分に対応する部分を分解図として示す。2つのスロット18L,18Rの区別は、ステータコア12の外径側から見て、左側にLの添え字を付し、右側にRの添え字を付す。
2つのスロット18L,18Rにまたがった1巻きは、2つの第一セグメントコイル32、1つの第二セグメントコイル34、及び、2つの導電性連結ピン60で構成される。2つの第一セグメントコイル32を区別して、第一セグメントコイル32a,32bと呼び、2つの導電性連結ピン60を区別して、導電性連結ピン60a,60bと呼ぶ。第一セグメントコイル32a,32b及び導電性連結ピン60a,60bに付した添え字a,bの区別は、同じスロット18内で外径側に配置される方にaを付し、内径側に配置される方にbを付す。図2は、2つの第一セグメントコイル32a,32b、1つの第二セグメントコイル34、及び、2つの導電性連結ピン60a,60bを抜き出して示す拡大図である。
第一セグメントコイル32a,32bは、断面が矩形形状の平角線を導体素線36として、導体素線36の周囲に絶縁皮膜38を被覆し、所定の形状に成形した絶縁皮膜付き導体線である。
絶縁皮膜付き導体線の導体素線36としては、銅線、銅錫合金線、銀メッキ銅錫合金線等が用いられる。絶縁皮膜38としては、ポリアミドイミドのエナメル皮膜が用いられる。第一セグメントコイル32a,32bは、略U字状の形状を有する。図2に示すように、平角線の矩形断面の長辺面側が略U字状の正面であり、短辺面側が側面である。略U字状の形状は、短辺面を曲げるエッジワイズ曲げによって形成される。
略U字状の形状を有する第一セグメントコイル32a,32bは、軸方向両端に直線部を有する2本の平行な脚部40L,40Rと、脚部40L,40Rの一端同士を接続する折曲げ形状のターン部42とを有する。脚部40L,40Rは、ステータコア12の2つのスロット18L,18Rにそれぞれ挿入される部分である。平行な2つの脚部40L,40Rの間隔は、3スロット分の長さである。1スロット分の間隔をdsとすると、平行な2つの脚部40L,40Rの間隔3dsである。ターン部42は、ステータコイル20において、反リード側のコイルエンドを形成する部分で、ターン部42の折り曲げ形状は、ステータコア12の周方向に沿った曲げであるが、部分円弧状ではなく、直線状に曲げられる。
脚部40L,40Rのそれぞれの先端面は、導体素線36が露出するが、それ以外の第一セグメントコイル32a,32bの外周面は、絶縁皮膜38で覆われる。
第二セグメントコイル34は、断面が円形の丸線を導体素線36として、導体素線36の周囲に絶縁皮膜38を被覆し、所定の略山形形状に成形した絶縁皮膜付き導体線である。第二セグメントコイル34は、ステータコイル20において、リード側のコイルエンドを形成する部分で、スロット18内に挿入される部分を有さず、ステータコア12の周方向のみならず径方向にも曲げられる。第二セグメントコイル34の断面を円形の丸線とするのは、第二セグメントコイル34の周方向及び径方向を含む複合的な曲げ加工を容易とするためである。
第二セグメントコイル34は、周方向曲げ及び径方向曲げを含む複合曲げ部44と、複合曲げ部44の両端で、第一セグメントコイル32a,32bの脚部40L,40Rのそれぞれのリード側端面の側と接続する接続端部46L,46Rを有する。接続端部46L,46Rは、複合曲げ部44の周方向両端部からそれぞれ反リード側に曲げられ、接続に必要な程度の長さで延伸する。
第二セグメントコイル34における導体素線36と絶縁皮膜38の材質は、第一セグメントコイル32a,32bと同じでよいが、場合によっては異ならせてもよい。第二セグメントコイル34は、円形断面の丸線であるので、矩形断面の平角線に比べるといずれの方向に対しても曲げ加工が容易で、曲げ加工による絶縁皮膜38の損傷も少ない。したがって、丸線を用いる第二セグメントコイル34の絶縁皮膜38の厚さは、平角線を用いる第一セグメントコイル32a,32bの絶縁皮膜38の厚さよりも薄くできる。
第二セグメントコイル34の接続端部46L,46Rのそれぞれの先端面は、導体素線36が露出するが、それ以外の第二セグメントコイル34の外周面は、絶縁皮膜38で覆われる。
第一セグメントコイル32a,32bの脚部40L,40Rにおいて導体素線36が露出する先端面には、嵌合凹部50が設けられる。嵌合凹部50は、導電性連結ピン60a,60bの反リード側の端部を嵌合させるための凹部で、脚部40L,40Rの先端面の側を上方側として、上凹の円形有底穴である。嵌合凹部50は、脚部40L,40Rにおいて、絶縁皮膜38の部分には懸らないように導体素線36の部分に設けられ、その内壁面は導体素線36の露出面である。
脚部40L,40Rにおいて導体素線36が露出する先端面は4つあるので、これらを区別して嵌合凹部50aL,50aR,50bL,50bRと呼ぶ。添え字のa,bは、第一セグメントコイル32a,32bの添え字a,bと同じ意味で、添え字L,Rは、脚部40L,40Rの添え字L,Rと同じ意味である。例えば、嵌合凹部50aLは、第一セグメントコイル32aの脚部40Lにおいて導体素線36が露出する先端面に設けられる嵌合凹部50である。他も同様である。
嵌合凹部50aL,50aR,50bL,50bRの開口縁部は、嵌合を案内するように、斜面どりされる。嵌合凹部50aL,50aR,50bL,50bRのそれぞれの円形有底穴は、互いに同一の内径と、互いに同一の穴深さを有する。
第二セグメントコイル34の接続端部46L,46Rにおいて導体素線36が露出する先端面には、嵌合凹部52が設けられる。嵌合凹部52は、導電性連結ピン60a,60bのリード側の端部を圧入によって嵌合させる凹部で、接続端部46L,46Rの先端面の側を下方側として、下凹の円形有底穴である。嵌合凹部50は、接続端部46L,46Rにおいて、絶縁皮膜38の部分には懸らないように導体素線36の部分に設けられ、その内壁面は導体素線36の露出面である。第二セグメントコイル34には2つの接続端部46L,46Rがあるので、嵌合凹部52も2つある。2つの嵌合凹部52を区別して、接続端部46Lにおいて導体素線36が露出する先端面に設けられる方を嵌合凹部52Lと呼び、接続端部46Rにおいて導体素線36が露出する先端面に設けられる方を嵌合凹部52Rと呼ぶ。
嵌合凹部52L,52Rの開口縁部は、嵌合の案内をするように、斜面どりされる。加工の共通化を図るため、嵌合凹部52L,52Rのそれぞれの円形有底穴は、互いに同一の内径と、互いに同一の穴深さを有する。第二セグメントコイル34における嵌合凹部52の内径は、第一セグメントコイル32の嵌合凹部50の内径と同一に設定される。第二セグメントコイル34における嵌合凹部52の穴深さは、第一セグメントコイル32の嵌合凹部50の穴深さと同一に設定されるが、場合によっては、嵌合凹部50の穴深さと異なる穴深さに設定してもよい。
導電性連結ピン60a,60bは、2つの第一セグメントコイル32と一つの第二セグメントコイル34を接続して、スロット18L,18Rにまたがった一巻きのステータコイル20を形成するための連結部材である。部品の共通化を図るため、導電性連結ピン60a,60bは、互いに同一外形を有する。導電性連結ピン60a,60bは、導電性の材料を所定の外径と所定の長さを有する円柱形状に成形したものが用いられる。かかる導電性連結ピン60a,60bは、所定の外径を有する金属線を所定の長さに切断したものを用いることが出来る。切断面は、平坦面としてもよいが、嵌合を案内するように、先端面に適当な丸みをつけることが好ましい。
2つの第一セグメントコイル32と一つの第二セグメントコイル34を接続する方法としては、溶接法等でなく、嵌合法を用いる。即ち、導電性連結ピン60aは、反リード側の先端部が第一セグメントコイル32aの嵌合凹部50aLと嵌合し、リード側の先端部が第二セグメントコイル34の嵌合凹部52Lと嵌合する。また、導電性連結ピン60bは、反リード側の先端部が第一セグメントコイル32bの嵌合凹部50bRと嵌合し、リード側の先端部が第二セグメントコイル34の嵌合凹部52Rと嵌合する。
嵌合法を用いるために、導電性連結ピン60a,60bの所定の外径は、第一セグメントコイル32の嵌合凹部50及び第二セグメントコイル34の嵌合凹部52の所定の内径と同じか、僅かに大きく設定される。逆に言えば、第一セグメントコイル32の嵌合凹部50及び第二セグメントコイル34の嵌合凹部52の所定の内径は、導電性連結ピン60a,60bの所定の外径と同じか、僅かに小さめに設定される。
導電性連結ピン60a,60bの材質としては、嵌合凹部50,52に嵌合させた場合に、嵌合凹部50,52の円形有底穴形状に倣って変形し、嵌合凹部50,52の導体素線36の露出面に密着することが好ましい。かかる材質としては、軟質金属がよい。軟質金属としては、銅、銅合金等が用いられる。
図1、図2の場合には、第一セグメントコイル32aの左側の脚部40Lの嵌合凹部50aLと、第二セグメントコイル34の左側の接続端部46Lの嵌合凹部52Lとが嵌合されて電気的機械的に一体化する。そして、第二セグメントコイル34の右側の接続端部46Rの嵌合凹部52Rと、第一セグメントコイル32bの右側の脚部40Rの嵌合凹部50bRとが嵌合されて電気的機械的に一体化する。これにより、スロット18Lとスロット18Rとの間で、ステータコイル20が一巻きされる。即ち、スロット18Rにおける第一セグメントコイル32aの脚部40Rから、第一セグメントコイル32a、第二セグメントコイル34、第一セグメントコイル32bを経て、スロット18Lにおける第一セグメントコイル32bの脚部40Lまで、一巻きされる。
図3は、第一セグメントコイル32と第二セグメントコイル34とが連結部材である導電性連結ピン60で電気的機械的に連結される断面図の例である。ここでは、第一セグメントコイル32aの嵌合凹部50aLと第二セグメントコイル34の嵌合凹部52Lとが導電性連結ピン60aで連結される。
嵌合凹部50aLと嵌合凹部52Lに圧入される前は、導電性連結ピン60aの所定の外径は、嵌合凹部50aLと嵌合凹部52Lの所定の内径と同じか僅かに大きいが、圧入されると、嵌合凹部50aLと嵌合凹部52Lの形状に倣って塑性変形する。これによって、導電性連結ピン60aの外周面は、嵌合凹部50aLと嵌合凹部52Lの内壁面に露出する導体素線36に密着し、密着面全体が電気的接触面になる。
図3では、嵌合凹部50aLと嵌合凹部52Lの穴底形状は所定内径の円形としたが、図4、図5は、嵌合凹部50aLと嵌合凹部52Lの穴底形状について、穴の底側の端部の内径が所定内径よりも広がる形状とする例を示す断面図である。かかる穴底側広がり形状は、ハイドロフォーミング(バルジ成形)技術等で得ることが出来る。
図4は、第一セグメントコイル32aにおいて、穴の底側に広がり部54を有する嵌合凹部50aLを形成し、そこに導電性連結ピン60aを圧入する前の状態を示す図である。図5は、図4から進み、嵌合凹部50aLに導電性連結ピン60aの反リード側の端部を圧入し、次に、導電性連結ピン60aのリード側の端部を、穴の底側に広がり部54を有する嵌合凹部52Lが形成された第二セグメントコイル34に圧入した状態の図である。導電性連結ピン60aの反リード側及びリード側の先端部は、広がり部54の形状に倣って塑性変形し、嵌合凹部50aLと嵌合凹部52Lから抜けにくくなり、連結強度が向上する。また、広がり部54の形状に倣って変形することで、導電性連結ピン60aの外周面と、嵌合凹部50aL及び嵌合凹部52Lの内壁面に露出する導体素線36との密着面積が増加し、連結における接続抵抗が低下する。
上記では、導電性連結ピン60の断面形状は円形とし、これに対応して、嵌合凹部50,52の穴形状も円形としたが、これは説明のための例示であって、円形以外の形状、例えば、楕円形状、正方形形状、多角形形状等であってもよい。
また、上記では、セグメントコイル30を構成する第一セグメントコイル32を略U字状、第二セグメントコイル34を略山形としているが、セグメントコイル30の構成は、ステータ10の仕様に応じて、適宜変更が可能である。図6から図9は、セグメントコイル30の構成のバリエーションの例を示す図である。
図6は、第一セグメントコイル32を、スロット18に収容される部分だけを有する一直線状の2つの第一セグメントコイル70a,70bとする。そして、第一セグメントコイル32の反リード側及びリード側に、それぞれ、略山形の第二セグメントコイル34a,34bを配置する。2つの第一セグメントコイル70a,70bと2つの第二セグメントコイル34a,34bは、4つの導電性連結ピン72a,72b,72c,72dで、連結される。かかる構成とした場合、ステータコイル20のうちスロット18内に収容される部分は、平角線で形成でき、コイルエンドとなる部分は、丸線で形成できる。その結果、スロット18内における占積率を向上しつつ、コイルエンドを容易に成形(曲げ加工)できる。
図7は、セグメントコイル30を2つの略U字状の第一セグメントコイル74a,74bとし、これらを2つの導電性連結ピン72a,72bで連結する構成である。かかる構成とした場合、2つの第一セグメントコイル74a,74bは、スロット18内で、2つの導電性連結ピン72a,72bに嵌合されることになる。この場合、当該嵌合作業を容易にするために、ステータコア12は、軸方向に2分割された分割コアとすることが望ましい。
図8は、セグメントコイル30を2つの略J字状の第一セグメントコイル76a,76bとし、これらを2つの導電性連結ピン72a,72bで連結する構成である。略J字状とは、略山形の横線部の一端に、スロット18内に収容される縦線部が繋がった形状である。
さらに、これまで説明したセグメントコイル30は、いずれも、スロット18の内部またはスロット18の軸方向端部近傍において、連結されている。換言すれば、セグメントコイル30のうちコイルエンドに対応する部分は、ステータコア12の軸方向外側において、一つのスロット18から他のスロット18まで途中で途切れることなく延びている。かかる構成とすることで、コイルエンド高さを低減でき、ステータ10を小型化できる。
場合によっては、図9に示すように、セグメントコイル30同士の連結を、コイルエンドの途中で行ってもよい。かかる構成とした場合、コイルエンドの途中に、導電性連結ピン60が存在することになり、コイルエンドの放熱性が向上する。
上記では、第一セグメントコイル32,70a,70b,74a,74b,76a,76bと,第二セグメントコイル34とで、導体素線36の断面形状を変えているが、これを、同一断面形状の導体素線36としてもよい。第一セグメントコイル32等と第二セグメントコイル34について導体素線36の断面形状を揃えることで、コイル材料を共通化でき、材料費を低減できる。
上記構成の導電性連結ピン60,72a,72b,72c,72dを用いるステータコイル20を含むステータ10の作用効果について、従来技術のパイプ型の連結部材を用いる場合と比較して、さらに説明する。図10から図12は、従来技術のパイプ型の連結部材80を用いて2つのセグメントコイル82,84を連結する場合における連結部分の断面図である。
図10は、パイプ型の連結部材80と、2つのセグメントコイル82,84について、連結前の状態を示す図である。パイプ型の連結部材80は、導電性材料で構成されるパイプ部品である。セグメントコイル82,84は、導体素線36の外周面が絶縁皮膜38で覆われているが、連結部分は、絶縁皮膜38が剥離され、導体素線36が露出する。セグメントコイル82,84の導体素線36の直径d0は、パイプ型の連結部材80の内径D0と同じか、僅かに大径である。
図11は、パイプ型の連結部材80の内径に、2つのセグメントコイル82,84のそれぞれの導体素線36の先端部を圧入した状態を示す図で、圧入と嵌合が設計通りに進むと、この状態になる。実際には、各要素の寸法精度、圧入工程のばらつき等があり、図12に示すように、2つのセグメントコイル82,84をパイプ型の連結部材80の両側の開口から圧入すると、パイプ型の連結部材80が塑性変形する。これによって、両側開口の付近が広がった連結部材81となることがある。この場合には、広がった両側開口付近では連結部材81とセグメントコイル82,84とが電気的機械的に接触していないため、図11の設計状態に比べ、接触面積が減少し、連結強度が低下するとともに、連結における接続抵抗が増加する。図12の状態を抑制するためには、嵌合のためのD0、d0の寸法、圧入深さ等の管理を厳しく行う必要が生じる。
これに対し、導電性連結ピン60等を用いる嵌合においては、図3、図4に示すように、嵌合凹部50,52に対する圧入方向が一方向で、凹部の底面まで押し込むことも可能で、嵌合凹部50,52の開口付近がむしろ閉じ気味になる。これによって、セグメントコイル30と導電性連結ピン60等とが広い面積で接触し、連結における接続抵抗が低下し、連結強度も増加して、連結品質が高められる。
また、導電性連結ピン60等の嵌合凹部50,52への圧入は、凹部の底面まで押し込むことが可能であるから、圧入深さの管理を緩やかにできる。さらに、単純な棒材である導電性連結ピン60等は、パイプ型の連結部材80に比べ、加工費を安くできる。さらに、パイプ型の連結部材80を用いる場合には、セグメントコイル82,84の先端部外周面の絶縁皮膜38を剥離する必要がある。これに対し、導電性連結ピン60等を用いる場合は、セグメントコイル30の先端の導体素線36が露出する端面を用いるので、セグメントコイル30の外周面の絶縁皮膜38の剥離が不要になる。また、パイプ型の連結部材80を用いる場合は、連結部分においてパイプ型の連結部材80が導電性のまま露出しているので、他の連結部材80との間の電気的接触を防ぐために、連結部材80の外周面を絶縁保護することが好ましい。これに対し、導電性連結ピン60を用いる場合は、図3、図4に示すように、連結部分における導体素線36の露出部分は少なく、あるとしても、セグメントコイル30の絶縁皮膜38よりも内側に位置する。したがって、他の導電性連結ピン60との間の電気的接触はほとんど生じない。
上記のように、上記構成の回転電機のステータ10によれば、セグメントコイル30の連結において、溶接を省略できる連結部材としての導電性連結ピン60を用いながら、連結における接続抵抗の増加を抑制できる。また、パイプ型の連結部材80を用いる場合に比較して、工数を含めてコストが低減される。
10 (回転電機の)ステータ、12 ステータコア、14 バックヨーク、16 ティース、18,18L,18R スロット、20 ステータコイル、30,82,84 セグメントコイル、32,32a,32b,70a,70b,74a,74b,76a,76b 第一セグメントコイル、34,34a,34b,54 第二セグメントコイル、36 導体素線、38 絶縁皮膜、40L,40R 脚部、42 ターン部、44 複合曲げ部、46L,46R 接続端部、50,50aL,50aR,50bL,50bR,52,52L,52R 嵌合凹部、54 広がり部、60,60a,60b,72a,72b,72c,72d 導電性連結ピン(連結部材)、80,81 パイプ型の連結部材。
Claims (1)
- ステータコア、及び、前記ステータコアに巻回されるステータコイルを有する回転電機のステータであって、
前記ステータコイルは、
素材面が露出している状態の嵌合凹部を両端部に有する複数のセグメントコイルと、
1つの前記セグメントコイルの前記嵌合凹部に一方端が嵌合しており、他の前記セグメントコイルの前記嵌合凹部に他方端が嵌合している導電性連結ピンと、
を備えることを特徴とする回転電機のステータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019227515A JP2021097499A (ja) | 2019-12-17 | 2019-12-17 | 回転電機のステータ |
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JP2019227515A JP2021097499A (ja) | 2019-12-17 | 2019-12-17 | 回転電機のステータ |
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JP2021097499A true JP2021097499A (ja) | 2021-06-24 |
Family
ID=76431793
Family Applications (1)
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021097499A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024048343A1 (ja) * | 2022-08-30 | 2024-03-07 | 株式会社デンソー | 回転電機 |
-
2019
- 2019-12-17 JP JP2019227515A patent/JP2021097499A/ja active Pending
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WO2024048343A1 (ja) * | 2022-08-30 | 2024-03-07 | 株式会社デンソー | 回転電機 |
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