以下、図面を参照して本発明の一実施形態における情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムについて詳細に説明する。
先ず、図1を用いて、情報処理装置の機能を説明する。図1は、実施形態における情報処理装置のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図1において、情報処理装置1は、ネットワーク9を介して、端末21、端末31、素材データ提供装置4および画像配信システム5と通信可能に接続されている。図1は情報処理装置1の接続先を例示して示すものであり、情報処理装置1の接続先を限定するものではない。
情報処理装置1は、通信制御部11、認証部12、記憶部13、取得部14、UI提供部15、判断部16、生成部17および提供部18の各機能部を有する。本実施形態における情報処理装置1の上記各機能部は、本実施形態における情報処理プログラム(ソフトウェア)によって実現される機能モジュールであるものとして説明する。
通信制御部11は、ネットワーク9を介して接続された端末21、端末31、素材データ提供装置4または画像配信システム5(以下、端末21、端末31、素材データ提供装置4、画像配信システム5の全てまたは一部の複数を、「端末21等」という場合がある。)との通信を制御する。
認証部12は、通信制御部11を用いて端末21等の利用者を認証する。例えば、端末21の利用者とは、端末21と通信可能に接続された情報処理装置1が提供する機能を利用する利用権限を有する者である。端末21の利用者は、例えば、端末21を操作するオペレータである。認証部12は、例えばそれぞれの利用者に割り当てられたログインIDとパスワードによって利用者権限を有する利用者を認証する。なお、本実施形態における利用者は、特定された個人でなくてもよい。例えば、1つのログインIDを複数人で順次使用する場合、利用者は利用者IDを現在使用している者とすることができる。なお、認証部12は、ログインIDとパスワードによる認証以外の他の認証方法(例えば、生体認証、磁気カード認証等)を用いてもよい。
記憶部13は、複数の文字列と、それぞれの文字列に対応するエフェクトとを記憶する。文字列とは、一文字または複数の文字の集合である。文字とは、例えば、ひらがな、カタカナ、漢字、英字、数字、記号、符号等であり、文字列はこれらの文字の組合せであってもよい。また、文字列は単語、または単語の組合せであってもよい。本実施形態における文字列とは、所定の状態を表現する文字列である。所定の状態を表現する文字列とは、人がその文字列を見たときにその文字列から所定の状態を想起できる可能性がある文字列をいう。所定の状態とは、例えば、人の感情の状態、または環境の状態等である。所定の状態には、物の状態(壊れた状態、解けた状態、または減った状態等)、人の活動に伴う状態(スポーツの試合の状況、混雑の状態、またはWebページ等の閲覧の状態等)が含まれていてもよい。以下の説明では、所定の状態を表現する文字列として、人の感情の状態を表現する文字列と環境の状態を表現する文字列を例示して説明する。
<人の感情の状態を表現する文字列>
人の感情の状態を表現する文字列とは、例えば、喜び、興奮、悲しみ、または怒り等を表現する文字列であり、「爽快」、「ワクワク」、「うれしい」、「やったね」、「!」、「感動」、「ドキドキ」、「どっきり」、「(゜o゜)」、「びっくり」、「落胆」、「↓」、「ガッカリ」、「orz」、「しょぼん」、「怒鳴る」、「イライラ」、「ANGER」、「寒い」等である。人の感情の状態を表現するこれらの文字列は、人の感情を想起させることができる。例えば、「私はワクワクする」という文章には「私」、「は」、「ワクワク」および「する」の単語が含まれているが、人の感情の状態を表現する「ワクワク」の文字列は、他の文字列に比べて人がワクワクしている状態を想起させる。
<環境の状態を表現する文字列>
本実施形態における環境とは、人を取り巻く社会または自然等の外的な事象をいう。環境の状態を表現する文字列とは、例えば、気温(摂氏、華氏、または気温を表現する文字列等)、季節(春夏秋冬等)、時刻、暦上の月(1月〜12月等)、節季(夏至、冬至、春分、秋分等)、地域(国名、県名、市町村名、地方名等を含む)等であり、「猛暑日」、「15℃」、「6月」、「夏至」、「北国」等である。環境の状態を表現する文字列には、自然界の音もしくは声、または物事の状態もしくは動き等を音(おん)で象徴的に表したオノマトペであってもよい。環境の状態を表現するこれらの文字列は、環境の状態を想起させることができる。例えば、「今日は猛暑日でした」という文章には「今日」、「は」、「猛暑日」および「でした」の単語が含まれているが、環境の状態を表現する「猛暑日」の文字列は、他の文字列に比べてうだるような気温の状態を想起させる。
なお、上記の説明では、所定の状態を表現する文字列として、人の感情の状態を表現する文字列と環境の状態を表現する文字列を例示して説明したが、所定の状態を表現する文字列はこれに限定されるものではない。例えば、普通名詞や固有名詞には、その文字列を人が見た場合、所定の状態を想起できるものがある。例えば、人の職業、役職、地位等の文字列には、その人の状態(例えば、厳格、立派、権威、親しみやすい等)を想起させるものがある。例えば、「首相」または「総理」の文字列は、行政権を有する複数の行政組織の長として威厳がある状態を想起させる場合がある。また、人名、地名もしくは商品名等の固有名詞においても所定の状態を想起させる文字列がある。例えば、首相の具体的な名前は、その人物の性格や行動を想起させる場合がある。また、普通名詞の「メガネ」においても、勤勉な人を想起させる場合がる。すなわち、所定の状態を表現する文字列とは、全ての人が常に同じ状態を想起させるものではなく、人によって想起させる状態が異なる文字列であってもよい。
エフェクトとは、文字列によって想起される状態を表現する文字列の装飾であり、例えば、それぞれの文字に対して色を付与する、文字の大きさを変更する等、文字自体を装飾するものである。また、エフェクトとは、文字列に対して下線、枠線、吹出し、フレーム(外枠)または所定のマーク等の装飾を付加するものであってもよい。また、エフェクトは、文字列における2D(Dimensional)/3D表示の切替え、文字列に対する3Dモーション(動画)もしくは3D回転等の効果の付与、ルビの追加、または文字列の複数行表示等の装飾を含んでいてもよい。なお、エフェクトには音声を付加して出力するものが含まれていてもよい。
文字列に対応するエフェクトとは、それぞれの文字列に対応した装飾である。例えば、人の感情の状態を表現する文字列において、怒りや興奮を表現する文字列には赤い色を付ける一方、悲しみを表現する文字列には青い色を付けるエフェクトを付加することによって、感情の状態をより強く印象付けることができる場合がある。また、気温や季節に暖色系または寒色系の色を付けるエフェクトを付加することにより環境の状態を分かりやすく表現できる場合がある。それぞれの文字列に対応するエフェクトを付加することにより、例えば、その文字列の印象を強くし、または文字列の意味を理解容易にすることができる。なお、同じ文字列であったとしても、その文字列に付けられたエフェクトによって、その文字列から想起される状態を変えることができる。例えば、同じ普通名詞に対して、暖色系の装飾をした場合は暖かな状態を想起させることができる一方、寒色系の装飾をした場合には寒い状態を想起させることができる。
記憶部13は、文字列とエフェクトとを予め対応付けて記憶しておくことができる。なお、記憶部13は、一つの文字列に対して複数のエフェクトを対応付けて記憶するようにしてもよく、また複数の文字列に対して一つのエフェクトを対応付けて記憶するようにしてもよい。
取得部14は、文字列を含む素材データを取得する。素材データとは、例えば、文字列を含む文字データ、音声情報を含む音声データ、ベクトルデータ等によって表される図形データ、もしくは画像情報を含む画像データ、またはこれらの組合せ等である。取得部14は、情報処理装置1の内部(例えば、記憶部13)または情報処理装置1の外部から素材データを取得する。図は、取得部14が、端末21の素材データ提供部211または素材データ提供装置4から素材データを取得する場合を例示している。なお、本実施形態においてデータの「取得」と言う場合、ダウンロード等のプル型のデータの取得であっても、他の装置から送信されたデータを受信するプッシュ型のデータ取得であってもよい。例えば、取得部14は、端末21に対して提供する素材データを入力または選択するためのUIを提供し、端末21の利用者が端末21に表示されたUIを操作することにより素材データを取得してもよい。また、取得部14は、素材データ提供装置4に記憶された素材データを読み出すことにより素材データを取得してもよい。
文字データには、例えば、時刻情報、気象情報、交通情報、ニュース速報または字幕等が含まれていてもよい。また、文字データには、端末21のキーボード(不図示)から手動で入力された入力データが含まれていてもよい。
音声データには音声認識によって生成された文字情報が含まれていてもよい。音声データは、例えば、テレビ放送の副音声である。また、画像データには、画像認識によって生成された文字情報が含まれていてもよい。画像データは、例えば、静止画情報、動画情報(複数の静止画のアニメーションを含む)である。画像データには音声が含まれていてもよい。なお、本実施形態においては、音声認識または画像認識は後述する判断部16において実行される場合を例示する。
UI提供部15は、所定の文字列とエフェクトと対応付けて設定するためのユーザインタフェース(UI)を提供する。UI提供部15は、例えば、端末21等に対してWebページを提供するWebサーバである。端末21等は、UI提供部15から提供されたUIをWebブラウザで表示することにより、所定の文字列とエフェクトとを対応付けて設定することが可能となる。文字列とエフェクトとを対応付けて設定することにより、その文字列によって想起させることができる状態を予め設定することが可能となる。記憶部13は、UI提供部15において提供されたUIの設定に基づき所定の文字列とエフェクトと対応付けて記憶する。なお、UI提供部15が提供するUIの詳細は図2において例示して説明する。
判断部16は、取得部14において取得された文字データに含まれる文字列の全部または一部が記憶部13に記憶されているか否かを判断する。例えば、文字列が複数の単語から構成される文章であった場合、判断部16は、文字列に含まれる複数の単語を抽出して、抽出したそれぞれの単語が記憶部13に記憶されているか否かを判断する。判断部16は、取得部14において取得された音声データを音声認識して文字列を生成し、生成した文字列が記憶部13に記憶されているか否かを判断するようにしてもよい。また、判断部16は、取得部14において取得された画像データを画像認識して文字列を生成し、生成した文字列が記憶部13に記憶されているか否かを判断するようにしてもよい。
判断部16は、取得部14において取得された文字データに含まれる第1文字列と第2文字列とが記憶部13に記憶されているか否かを判断するようにしてもよい。
ここで、第1文字列および第2文字列について説明する。第1文字列とは、第1の状態を表現する文字列であり、第2文字列とは、第2の状態を表現する文字列である。例えば、人の感情の状態を表現する文字列を第1文字列、環境の状態を表現する文字列を第2文字列とすることができる。第2文字列は第1文字列とは異なる文字列である。ただし、第1文字列と第2文字列の一部が一致するものであってもよい。例えば、第1文字列が「あきる」であり、第2文字列が「あき」であってもよい。
判断部16は、取得部14において取得された文字データに含まれる文字列の中に第1文字列に含まれる文字列が記憶されているか否かを判断する。また、判断部16は、取得部14において取得された文字データに含まれる文字列の中に第2文字列に含まれる文字列が記憶されているか否かを判断する。すなわち、判断部16は、取得された文字データに含まれる文字列の中に、第1文字列に含まれる文字列が存在するか否かと第2文字列に含まれる文字列が存在するか否かの判断をすることができる。判断部16は、例えば、第1文字列と第2文字列の両方に文字列が存在する場合、第1文字列と第2文字列のいずれか一方のみに文字列が存在する場合、第1文字列と第2文字列のいずれにも文字列が存在しない場合を判断することができる。
例えば、取得部14において取得された文字データに含まれる文字列が「8月としては寒い」であり、記憶部13に、第1文字列として「8月」が記憶され、第2文字列として「寒い」が記憶されていたとする。判断部16は、「8月としては寒い」の文字列に第1文字列と第2文字列の両方に文字列が存在すると判断することができる。同様に取得部14において取得された文字データに含まれる文字列が「12月としては温かい」であり、第1文字列として「12月」が記憶され、第2文字列として「温かい」が記憶されていたとする。判断部16は、「12月としては温かい」の文字列に第1文字列と第2文字列の両方に文字列が存在すると判断することができる。ここで、実際の体感温度としては12月の「温かい」より8月の「寒い」方が低いことが予想される。すなわち、状態を表現する文字列は、組み合わされたときにその内容を把握することができる場合がある。判断部16は、取得部14において取得された文字データに含まれる文字列の中に第1文字列に含まれる文字列が記憶されているか否かを判断することにより、文字列の内容を正しく判断することが可能となる場合がある。
なお、判断部16は、第1文字列と第2文字列の、両方が含まれる場合、いずれか一方が含まれる場合、またはいずれも含まれない場合をそれぞれ判断できるようにしてもよい。後述する実施例においては、第1文字列と第2文字列の両方が含まれる場合を例示して説明する。
生成部17は、判断部16において文字列の全部または一部が記憶部13に記憶されていると判断された場合に、記憶されている文字列に対応したエフェクトを含む画像データを生成する。エフェクトを含む画像データとは、例えば、文字列に対応した色を付加するエフェクトを含む画像データである。生成部17は、上述のように文字自体を装飾するエフェクトを含む画像データを生成してもよく、また、文字列に対して下線等の装飾を付加するエフェクトを含む画像データを生成してもよい。
生成部17は、判断部16において文字データの一部が第1文字列に含まれ、かつ文字データの他の一部が第2文字列に含まれていると判断された場合に、第1文字列と第2文字列の組合せに対応するエフェクトを含む画像データを生成してもよい。第1文字列と第2文字列の組合せに対応するエフェクトとは、文字列に第1文字列と第2文字列の両方が含まれていた場合のエフェクトである。生成部17は、第1文字列と第2文字列のいずれか一つのみが含まれている場合のエフェクトとは異なるエフェクトを含む画像データを生成することができる。
なお、生成部17は、文字列を所定のマーク等で置き換えるエフェクトを含む画像データを生成してもよい。例えば、文字列に「さむい」の文字列が含まれる場合、生成部17は、「さむい」の文字列の代わりに氷柱の画像を表示するエフェクトを含む画像データを生成するようにしてもよい。
また、生成部17は、エフェクトを含む画像データとしてテロップデータを生成するようにしてもよい。テロップとは、動画や静止画等の元画像に対して重畳、挿入または合成(以下、「重畳等」という場合がある。)される、文字情報、記号情報、図形情報、音声情報もしくは画像情報、またはこれらの結合(以下、「文字情報等」という場合がある。)の情報である。元画像は、例えば、テレビ放送用に用いられるテレビ映像、動画配信サービスに用いられる動画、大型表示装置に表示される表示画像等である。テロップデータとは、元画像に重畳等されるテロップに用いられるデータである。テロップデータは、素材データに基づき制作されて、利用者が所有する利用者システム2に提供される。テロップデータは、利用者システム2において元画像の一部または全部に重畳等されて放送、配信または表示等がされる。なお、テロップは、使用される地域、内容、または形式等によって、例えばキャプション、サブタイトル、ティッカー、アラート、またはスーパーインポーズ等と呼ばれることもあり、本実施形態のテロップに含まれるものとする。
また、生成部17は、画像データとして、ラスタライズされる前のベクタデータを生成するようにしてもよい。すなわち、生成部17において生成される画像データは、画像に変換される前のデータであっても、画像に変換された後のデータであってもよい。
提供部18は、生成部17において生成された画像データをネットワーク9を介して接続された端末21等に提供する。提供部18において提供された画像データは、例えば、テレビ放送、動画配信サービスに用いられる動画または大型表示装置に表示される表示画像等において表示される。提供部18が提供する提供データは、例えば、ネットワーク9を介した通信プロトコルに応じて符号化された通信データであり、また、所定の暗号化方式において暗号化された暗号データであってもよい。
提供部18は、端末21の画像データ取得部212に対して、送出装置22の入力に対応したデータ形式のテロップデータを画像データとして提供してもよい。例えば、提供部18は、シリアルデジタルインタフェース(SDI; Serial Digital Interface)のビデオ電装規格に準拠した信号またはその信号を含むデータを提供してもよい。提供部18は、送出装置22の送出タイミングに合わせてテロップデータを送出してもよい。また、提供部18は、利用者システム2からの要求に応じてテロップデータを送出するようにしてもよい。
利用者システム2は、端末21、送出装置22、および放送設備23を備える。利用者システム2は、送出装置22から放送設備23にテロップを送出するシステムであって、情報処理装置1に対して文字列を含む素材データを提供し、情報処理装置1からテロップデータを取得するシステムを例示している。端末21は、エフェクト設定部210、素材データ提供部211および画像データ取得部212を備える。
エフェクト設定部210は、UI提供部15において提供されたUIを表示して、文字列と、それに対応するエフェクトを設定するための、例えばWebブラウザである。利用者は、Webブラウザを介して文字列とエフェクトを選択して、選択した文字列とエフェクトを対応付けるようにしてもよい。
素材データ提供部211は、情報処理装置1に対して素材データを提供する。素材データ提供部211は、取得部14が提供するUIを端末21の利用者(操作者)が操作することにより素材データを提供してもよい。例えば、取得部14が提供するUIにおいて、利用者は、素材データを含むファイルを選択し、または文字データをキーボードから入力することにより素材データを提供してもよい。
画像データ取得部212は、情報処理装置1で生成されたテロップデータ等の画像データを取得して、送出装置22に対して出力する。例えば、画像データ取得部212は、提供部18からテロップデータを提供可能になったことを示す信号を取得することにより、テロップデータを取得してもよい。画像データ取得部212は、生成されたテロップデータが複数である場合、生成された複数のテロップデータを取得する。画像データ取得部212は、取得された複数のテロップデータを利用者に対して選択可能に表示して、選択されたテロップデータを送出装置22に対して出力してもよい。
送出装置22は、放送設備23に対してテロップ画像を送出する装置であり、図示しない、テロップデータを入力するための画像入力部、テロップデータを一時記憶するフレームバッファ、フレームバッファに記憶されたテロップデータを予め定められた画像方式のフレーム画像(テロップ画像)として出力するための画像出力部を備える。送出装置22は、図示しない送出タイミングを制御する装置からの指示によって、フレームバッファに一時記憶されたテロップ画像を放送設備23に出力する。
放送設備23は、テレビ放送の放送局に設置され、送出装置22から送出されたテロップ画像を元画像に重畳等して、テレビ放送に使用されるテロップを含む画像を生成する。
利用者システム2は、素材データを提供することにより、素材データに含まれる文字列に対応したエフェクトを含む画像データを取得することができるので、エフェクトが含まれるテロップデータ等の画像データの生成に掛かるコストを低減させることが可能となる。
利用者システム3は、表示装置32に画像を表示させるシステムであって、情報処理装置1から画像データを取得するシステムを例示している。利用者システム3は、端末31および表示装置32を備える。端末31は、エフェクト設定部310、画像データ取得部311を備える。
エフェクト設定部310は、エフェクト設定部210と同様に、UI提供部15において提供されたUIを表示して、文字列と、それに対応するエフェクトを設定するための、例えばWebブラウザである。
画像データ取得部311は、情報処理装置1で制作された画像データを取得して、表示装置32において表示可能な表示データとして出力する。例えば、画像データ取得部311は、提供部18から画像データを提供可能になったことを示す信号を取得することにより、画像データを取得してもよい。また、画像データ取得部311は、生成された画像データが複数である場合、生成された複数の画像データを取得し、取得された複数の画像データを利用者に対して選択可能に表示し、さらに選択された画像データを表示装置32に対して出力してもよい。また、画像データ取得部311は、取得した画像データを表示装置32において表示可能な表示データ(例えば、映像信号)に変換して表示装置32に対して出力してもよい。
表示装置32は、画像データ取得部311から出力された表示データを表示する装置である。表示装置32は、例えば公共の場に設置される大型ディスプレイ、または商業施設等に設置されるデジタルサイネージ等である。
利用者システム3は、素材データを提供することにより、素材データに含まれる文字列に対応したエフェクトを含む画像データを取得することができるので、エフェクトが含まれるテロップデータ等の画像データの生成に掛かるコストを低減させることが可能となる。
素材データ提供装置4は、情報処理装置1に対して文字列を含む素材データを提供する装置を例示している。素材データ提供装置4は、例えば、素材データを読み出し可能に記憶するネットワークストレージサービスである。素材データ提供装置4は、例えば、所定のネットワークアドレス及びパスワードによって記憶している素材データを読み出し可能にすることにより、素材データを提供してもよい。情報処理装置1は、素材データ提供装置4から提供される素材データに含まれる文字列に対応したエフェクトを含む画像データを生成することができるので、画像データの生成に掛かるコストを削減することが可能となる。
画像配信システム5は、提供部18から提供された画像データに基づく画像(動画または静止画)を、図示しない配信先にリアルタイムまたはオンデマンドで配信するシステムである。画像配信システム5は、動画を配信する動画配信システムである。画像配信システム5は、画像データそのものを配信するようにしてもよく、あるいは、画像データを重畳した画像を配信するようにしてもよい。
ネットワーク9は、例えば、インターネットである。ネットワーク9には、例えば携帯電話の基地局、無線LANのアクセスポイント等が含まれていてもよい。
なお、情報処理装置1が有する、通信制御部11、認証部12、記憶部13、取得部14、UI提供部15、判断部16、生成部17および提供部18の各機能部は、情報処理装置1の機能部の一例を示したものであり、情報処理装置1が有する機能を限定したものではない。例えば、情報処理装置1は、上記全ての機能部を有している必要はなく、一部の機能部を有するものであってもよい。また、情報処理装置1は、上記以外の他の機能を有していてもよい。例えば、情報処理装置1は、情報を入力するために入力機能や、装置の稼働状態をLEDランプ等により報知する出力機能を有していてもよい。
また、情報処理装置1が有する上記各機能部は、上述の通り、ソフトウェアによって実現されるものとして説明した。しかし、情報処理装置1が有する上記機能部の中で少なくとも1つ以上の機能部は、ハードウェアによって実現されるものであってもよい。
また、情報処理装置1が有する上記何れかの機能部は、1つの機能部を複数の機能部に分割して実施してもよい。また、情報処理装置1が有する上記何れか2つ以上の機能部を1つの機能部に集約して実施してもよい。すなわち、図1は、情報処理装置1が有する機能を機能ブロックで表現したものであり、例えば、各機能部がそれぞれ別個のプログラムファイル等で構成されていることを示すものではない。
また、情報処理装置1は、1つの筐体によって実現される装置であっても、ネットワーク等を介して接続された複数の装置から実現されるシステムであってもよい。例えば、情報処理装置1は、その機能の一部または全部をクラウドコンピューティングシステムによって提供されるクラウドサービス等、他の仮想的な装置によって実現するものであってもよい。すなわち、情報処理装置1は、上記各機能部のうち、少なくとも1以上の機能部を他の装置において実現するようにしてもよい。また、情報処理装置1は、デスクトップPC等の汎用的なコンピュータであってもよく、機能が限定された専用の装置であってもよい。
次に、図2を用いて、文字列と対応するエフェクトの設定を説明する。図2は、実施形態における情報処理装置1において用いられるエフェクト設定画面1000の一例を示す図である。
エフェクト設定画面1000はUI提供部15から提供されるUIの一例であり、端末21等のWebブラウザ等に表示され、利用者によって操作される。エフェクト設定画面1000は、感情文字列設定部1100、環境文字列設定部1200、およびエフェクト設定部1300を有する。
感情文字列設定部1100は、人の感情を表現する文字列を設定するための設定画面である。感情文字列設定部1100は、例えば、「温かい」1110、「寒い」1120、「暑い」1130、「嬉しい」1140、「気持ち良い」1150、「怖い」1160、「悲しい」1170の選択部を有している。各選択部の文字列は利用者によって予め入力できるようにしてもよい。図は、利用者によって「温かい」1110が選択されて設定されている状態を表している。
環境文字列設定部1200は、環境を表現する文字列を設定するための設定画面である。環境文字列設定部1200は、例えば、「季節」1210、「月」1220、「時間帯」1230、「天気」1240、「温度」1250、「災害」1260、「地域」1270の選択部を有している。各選択部の文字列は利用者によって予め入力できるようにしてもよい。図は、利用者によって「月」1210が選択されて設定されている状態を表している。「月」1210が選択されると、月を選択するためのプルダウン1221が表示されて「1月」〜「12月」を設定することができる。図は、利用者によって「1月」と「4月」が選択されて設定されている状態を表している。
エフェクト設定部1300は、感情文字列設定部1100、または環境文字列設定部1200の少なくともいずれか1つにおいて設定された文字列に対応したエフェクトを設定するための設定画面である。エフェクト設定部1300は、例えば、「黄色枠」1311、「オレンジ枠」1312、「赤枠」1313、「吹出しA」1321、「吹出しB」1322、「フレームA」1331、「フレームB」1332、「太陽」1341、「曇」1342、「雨」1343、「雷」1344、「つらら」1345、「笑顔」1351、「怒り」1352の選択部を有している。各選択部のエフェクトの内容は利用者によって予め設定できるようにしてもよい。図は、利用者によって「黄色枠」1311と「オレンジ枠」1312が選択されて設定されている状態を表している。なお、「太陽」1341、「曇」1342、「雨」1343、「雷」1344、「つらら」1345、「笑顔」1351、および「怒り」1352は、それぞれを表現する画像(静止画または動画)を付加するエフェクトである。
図は、第1文字列としての感情文字列設定部1100と、第2文字列としての環境文字列設定部1200とを対応付けて設定する場合を示している。第1文字列の「温かい」1110と第2文字列の「月」1220と対応付ける場合、利用者は、「温かい」1110と「月」1220(「1月」および「4月」)とを線分で結ぶ操作をすることができる。また、利用者は、プルダウン1221の「1月」と「黄色枠」1311とを線分で結び、さらにプルダウン1221の「4月」と「オレンジ枠」1312とを線分で結ぶ操作をすることができる。これにより、文字列に「温かい」の文字列と、「1月」または「4月」の文字列との両方が含まれている場合のエフェクトを設定することが可能となる。例えば、「1月にしては温かい」の文字列に対しては、文字列に暖かみを説明することができる黄色枠を付加するエフェクトを含む画像データを自動的に生成することが可能となる。また、「4月の温かい日」の文字列に対しては、黄色より赤みが強く温度が高いことを説明できるオレンジ枠を文字列に付加するエフェクトを含む画像データを自動的に生成することが可能となる。これにより、同じ「温かい」の感情文字が使用された文字列であっても、1月の場合と4月の場合とで実際の温度に合わせたエフェクトを含む画像データを自動的に生成ことができる。
なお、図は、第1文字列としての感情文字列と第2文字列としての環境文字列とを対応付けて、対応するエフェクトを設定する場合を示したが、例えば、感情文字列のみを対応付けるエフェクトを設定するようにしてもよい。同様に環境文字列のみを対応付けるエフェクトを設定するようにしてもよい。
また、本実施形態においては、第1文字列と第2文字列の2つの状態を表現する2つの文字列を対応付ける場合を例示したが、例えば3つ以上の文字列を対応付けるようにしてもよい。また、任意の数の文字列を対応付けるようにしてもよい。
次に、図3を用いて、感情文字に対応したエフェクトを説明する。図3は、実施形態における情報処理装置1において提供される感情文字に対応したエフェクトを含む画像データの例を示す図である。
図3において、表示画面2000は、喜び画像2100、興奮画像2200、悲しみ画像2300および怒り画像2400を有する。喜び画像2100、興奮画像2200、悲しみ画像2300および怒り画像2400は、生成部17によって生成されたエフェクトを含む画像データの表示例である。なお、図における文字の色はグレイスケールで表示しているが、それぞれ以下で説明する色を有する。
喜び画像2100は、「爽快」および「ワクワク」の文字列に対応するエフェクトを示す。「爽快」のエフェクトは文字色を寒色系として爽快感を表現している。また「ワクワク」のエフェクトは文字色を暖色系として3D表示で喜びを表現している。興奮画像2200は、「感動」および「ドキドキ」の文字列に対応するエフェクトを示す。「感動」のエフェクトは文字色を金色として横縞の装飾で興奮を表現している。また「ドキドキ」のエフェクトは文字色をピンク色の横方向のグラデーションとして興奮を表現している。
悲しみ画像2300は、「落胆」および「ガッカリ」の文字列に対応するエフェクトを示す。「落胆」のエフェクトは文字色を紫色の縦方向のグラデーションとして悲しみを表現している。また「ガッカリ」のエフェクトは文字色を寒色系として悲しみを表現している。怒り画像2400は、「怒鳴る」および「イライラ」の文字列に対応するエフェクトを示す。「怒鳴る」のエフェクトは文字色を赤色として怒りを表現している。また「イライラ」のエフェクトは文字色を黒から赤の縦方向のグラデーションとして怒りを表現している。
図示したエフェクトは文字列から受ける印象を表現するものであり、利用者によって予め設定しておくことができるので、これらの文字列が含まれている場合のエフェクトを含む画像データを自動的に生成することが可能となる。
次に、図4を用いて、環境文字に対応したエフェクトを説明する。図4は、実施形態における情報処理装置1において提供される環境文字に対応したエフェクトを含む画像データの例を示す図である。
図4において、表示画面3000は、気象情報3100および気象情報3200を有する。気象情報3100および気象情報3200は、生成部17によって生成されたエフェクトを含む画像データの表示例である。なお、図における文字の色はグレイスケールで表示しているが、それぞれ以下で説明する色を有する。
気象情報3100は、「6月」、「15℃/10℃」および「夏至の入り」の文字列に対応するエフェクトを示す。「6月」のエフェクトは文字色を水色として梅雨を表現している。「15℃/10℃」のエフェクトは、「6月」との組合せにおいて最高温度と最低温度の文字色を藍色の縦方向のグラデーションとして寒さを表現している。また「夏至の入り」のエフェクトは「夏至」の文字色を黄色と紫色のグラデーションとして季節の変わり目を表現している。「の」は助詞の文字の大きさを小さくして白色とすることにより他の文字より目立たなくしている。また「入り」のエフェクトは、赤色のグラデーションとすることにより暑さを表現している。
気象情報3200は、「12月」、「15℃/10℃」および「冬至の入り」の文字列に対応するエフェクトを示す。「12月」のエフェクトは文字色を藍色として寒さを表現している。「15℃/10℃」のエフェクトは、「12月」との組合せにおいて最高温度と最低温度の文字色を赤色の縦方向のグラデーションとして暖かさ表現している。なお、温度自体は気象情報3100における文字列と同じであるが、12月との組合せにおいて12月としては温かいと感じることを表現している。また「冬至の入り」のエフェクトは「冬至」の文字色を紫色と黄色のグラデーションとして季節の変わり目を表現している。「の」は助詞の文字の大きさを小さくして白色とすることにより他の文字より目立たなくしている。また「入り」のエフェクトは、青色のグラデーションとすることにより寒さを表現している。
次に、図5を用いて、情報処理装置1のハードウェア構成を説明する。図5は、実施形態における情報処理装置1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
情報処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102、ROM(Read Only Memory)103、I/O機器104、および通信I/F(Interface)105を有する。情報処理装置1は、図1で説明した情報処理プログラムを実行する装置である。
CPU101は、RAM102またはROM103に記憶された情報処理プログラムを実行することにより、利用者端末の制御を行う。情報処理プログラムは、例えば、プログラムを記録した記録媒体、又はネットワークを介したプログラム配信サーバ等から取得されて、ROM103にインストールされ、CPU101から読出されて実行される。
I/O機器104は、操作入力機能と表示機能(操作表示機能)を有する。I/O機器104は、例えばタッチパネルである。タッチパネルは、情報処理装置1の利用者に対して指先又はタッチペン等を用いた操作入力を可能にする。本実施形態におけるI/O機器104は、操作表示機能を有するタッチパネルを用いる場合を説明するが、I/O機器104は、表示機能を有する表示装置と操作入力機能を有する操作入力装置とを別個有するものであってもよい。その場合、タッチパネルの表示画面は表示装置の表示画面、タッチパネルの操作は操作入力装置の操作として実施することができる。なお、I/O機器104は、ヘッドマウント型、メガネ型、腕時計型のディスプレイ等の種々の形態によって実現されてもよい。
通信I/F105は、通信用のI/Fである。通信I/F105は、例えば、無線LAN、有線LAN、赤外線等の近距離無線通信を実行する。図は通信用のI/Fとして通信I/F105のみを図示するが、情報処理装置1は複数の通信方式においてそれぞれの通信用のI/Fを有するものであってもよい。
次に、図6を用いて、情報処理装置1の動作を説明する。図6は、実施形態における情報処理装置1の動作の一例を示すフローチャートである。以下に示すフローチャートにおける動作の実行主体は情報処理装置1であるものとして説明するが、それぞれの動作は、上述した情報処理装置1の各機能部において実行することができる。
図6において、情報処理装置1は、利用者がログインするためのログイン画面を提供し、さらに、利用者によってテンプレートを選択させもしくは利用者によってテンプレートを設定させるためのUIを提供する(ステップS11)。UIの提供は、例えば、情報処理装置1の所定のネットワークアドレスにアクセスした端末21に対して、Webページを提供することにより実行することができる。
ステップS11の処理を実行した後、情報処理装置1は、端末21の利用者のログインが成功したか否かを判断する(ステップS12)。ログインが成功したか否かは認証部12において認証が成功したか否かによって判断することができる。ログインが成功していないと判断した場合(ステップS12:NO)、情報処理装置1は、ステップS12の処理を繰り返し、ログインが成功するのを待機する。
一方、ログインが成功したと判断した場合(ステップS12:YES)、情報処理装置1は、素材データを取得したか否かを判断する(ステップS13)。素材データを取得したか否かは、例えば、取得部14が素材データを取得したか否かで判断することができる。素材データを取得していないと判断した場合(ステップS13:NO)、情報処理装置1は、ステップS13の処理を繰り返し、素材データが取得されるのを待機する。
一方、素材データを取得したと判断した場合(ステップS13:YES)、情報処理装置1は、素材データに含まれる文字列を抽出する(ステップS14)。文字列の抽出は、例えば、取得部14において取得された文字データを単語毎に分解することにより実行される。
ステップS14の処理を実行した後、情報処理装置1は、抽出した文字列が記憶部13に記憶されている文字列と一致するか否かを判断する(ステップS15)。抽出した文字列が記憶部13に記憶されている文字列と一致したと判断した場合(ステップS15:YES)、情報処理装置1は、記憶部13に記憶された文字列に対応したエフェクトを読み出し、読み出したエフェクトを含む画像データを生成する(ステップS17)。一方、抽出した文字列が記憶部13に記憶されている文字列と一致しないと判断した場合(ステップS15:NO)、またはステップS16の処理を実行した後、情報処理装置1は、画像データを提供する(ステップS17)。ステップS17の処理を実行した後、情報処理装置1は、フローチャートに示す動作を終了する。
なお、図示したフローチャートは、情報処理装置1の動作の一例を示したものであり、情報処理装置1における動作を限定するものではない。
なお、本実施形態で説明した装置を構成する機能を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、本実施形態の上述した種々の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組合せで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
以上、本発明の実施形態について、図面を参照して説明してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲においての種々の変更も含まれる。