JP2021091243A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】暖房必要時にヒータコアを迅速に昇温することができる車両用空調装置を提供する。【解決手段】車両用空調装置は、ヒータコア10と、第1液体循環回路3と、第2液体循環回路5と、ヒートポンプ回路7と、を備えている。第1液体循環回路3は加熱された液体をヒータコア10に流す。第2液体循環回路5は冷却された液体が流れる。ヒートポンプ回路7は、圧縮機15と、膨張弁16と、高圧側熱交換器17と、低圧側熱交換器18を有する。低圧側熱交換器18は、第2液体循環回路5を流れる液体と熱交換可能に第2液体循環回路5に接して配置されている。高圧側熱交換器17は、第1液体循環回路3を流れる液体と熱交換可能に第1液体循環回路3に接して配置されるとともに、高圧側熱交換器17の熱交換部がヒータコア10に対して他流路が合流接続されない直結流路60によって接続されている。【選択図】図3

Description

本発明は、ヒートポンプ回路を用いて室内暖房を行う車両用空調装置に関するものである。
車両用空調装置として、ヒートポンプ回路(蒸気圧縮式の冷凍サイクル)を用いて室内暖房を行うものが知られている。この種の車両用空調装置の多くは、内部を流れる液体(熱媒体)によって空調空気を加熱するヒータコアと、ヒータコアに液体を流す液体循環回路と、外気を熱源とするヒートポンプ回路(冷凍サイクル)と、を備えている。
ヒートポンプ回路は、吸入した気体冷媒を加圧して吐出する圧縮機と、圧縮機から吐出された冷媒を減圧膨張させる膨張弁と、圧縮機の吐出側と膨張弁の間に介装された凝縮器と、膨張弁と圧縮機の吸入側の間に介装された室外熱交換器と、を備えている。ヒートポンプ回路の凝縮器は、液体循環回路を流れる液体と熱交換可能に液体循環回路に接して配置されている。ヒートポンプ回路では、室外熱交換器で外気から吸熱した冷媒が圧縮機と凝縮器を通して液体循環回路内の液体に熱を伝達する。液体循環回路内の液体に伝達された熱はヒートコアにおいて空調空気を加熱する。
ところで、このような車両用空調装置は、ヒートポンプ回路が室外熱交換器を通して外気から吸熱を行うため、外気の温度が極端に低い状況で外気から吸熱を行うときには、ヒートポンプ回路内の冷媒は、外気よりも温度を下げて吸熱を行うことになる。このため、外気温度が極端に低い状況で暖房運転が行われると、冷媒温度の低下によってヒートポンプ回路を流れる冷媒流量が減少し、ヒータコアの迅速な加熱ができなくなる。
従来、この対策として、ヒートポンプ回路の高圧側に高圧側熱交換器(凝縮器)を介装するとともに、ヒートポンプ回路の低圧側に低圧側熱交換器(蒸発器)を介装し、低圧側熱交換器において、液体流路を流れる液体(熱媒体)との間で低圧側の熱交換(吸熱)を行うようにした車両用空調装置が案出されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の車両用空調装置は、ヒータコアに液体を流す流路に、高圧側熱交換器との間で熱交換を行う昇温流路と、低圧側熱交換器との間で熱交換を行う降温流路が並列に接続されている。この車両用空調装置では、ヒートポンプ回路が低圧側熱交換器で降温流路から吸熱し、その熱を高温側熱交換器で昇温流路に放熱する。降温流路と昇温流路を流れた液体は混ざり合って、その液体の一部がヒータコアに流れる。この結果、ヒータコアが昇温された液体によって加熱される。この車両用空調装置の場合、ヒートポンプ回路が外気から直接吸熱を行わないため、冷媒温度の低下に伴う圧縮機の吸入側の気体冷媒の密度の低下を抑制し、ヒートポンプ回路を流れる冷媒の流量減少を防ぐことができる。
特開2014−201148号公報
しかし、特許文献1に記載の車両用空調装置は、降温流路と昇温流路を流れて混ざり合った液体の一部がヒータコアを流れる構成とされているため、液体によってヒータコアの温度を昇温するのに長時間を要し、乗員の暖房要求に迅速に対応することが難しかった。
そこで本発明は、暖房必要時にヒータコアを迅速に昇温することができる車両用空調装置を提供しようとするものである。
本発明に係る車両用空調装置は、上記課題を解決するために、以下の構成を採用した。
即ち、本発明に係る車両用空調装置は、内部を流れる液体の熱によって空調空気を加熱するヒータコア(例えば、実施形態のヒータコア10)と、加熱された液体を前記ヒータコアに流す第1液体循環回路(例えば、実施形態の第1液体循環回路3)と、冷却された液体が流れる第2液体循環回路(例えば、実施形態の第2液体循環回路5)と、ヒートポンプ回路(例えば、実施形態のヒートポンプ回路7)と、を備え、前記ヒートポンプ回路は、吸入した冷媒を加圧して吐出する圧縮機(例えば、実施形態の圧縮機15)と、前記圧縮機から吐出された冷媒を減圧膨張させる膨張弁(例えば、実施形態の膨張弁16)と、前記圧縮機の吐出側と前記膨張弁の間に介装された高圧側熱交換器(例えば、実施形態の高圧側熱交換器17)と、前記膨張弁と前記圧縮機の吸入側の間に介装された低圧側熱交換器(例えば、実施形態の低圧側熱交換器18)と、を有し、前記低圧側熱交換器は、前記第2液体循環回路を流れる液体と熱交換可能に前記第2液体循環回路に接して配置され、前記高圧側熱交換器は、前記第1液体循環回路を流れる液体と熱交換可能に前記第1液体循環回路に接して配置されるとともに、前記高圧側熱交換器の熱交換部が前記ヒータコアに対して他流路が合流接続されない直結流路(例えば、実施形態の直結流路60)によって接続されていることを特徴とする。
本発明に係る車両用空調装置によって暖房を行う場合には、圧縮機を作動させてヒートポンプ回路に冷媒を流す。ヒートポンプ回路の高圧側熱交換器には、圧縮機から送給された高温高圧の気体冷媒が流れ込む。高圧側熱交換器では冷媒が放熱凝縮し、その熱が第1液体循環回路内を流れる液体に伝達される。高圧側熱交換器で加熱された第1液体循環回路内の液体は、直結流路を通してヒータコアに流入し、ヒータコアを昇温する。ヒートポンプ回路を循環する冷媒は外気によって直接冷却されないため、圧縮機に吸入される気体冷媒の密度が外気温の低下によって極端に低下することがない。さらに、第1液体循環回路と第2液体循環回路を流れる液体の流量を適宜調整する(例えば、第1液体循環回路を流れる液体の流量を減少させ、第2液体循環回路を流れる液体の流量を増加させる)ことにより、ヒートポンプ回路内を流れる冷媒の密度の低下を抑制して、圧縮機の能力の低下を防止することができる。
また、本発明に係る車両用空調装置の場合、ヒータコアには、直結流路を通して高圧側熱交換器で加熱された液体のみが流入するため、ヒータコアは、空調空気を効率良く迅速に加熱することができる。
前記第2液体循環回路は、エンジンの冷却水との間で熱交換を行うエンジン用熱交換器(例えば、実施形態のエンジン用熱交換器46)に対して接続可能としても良い。
この場合、エンジンの冷却水の熱を第2液体循環回路内の液体に取り込み、ヒートポンプ回路を介してヒータコアを効率良く加熱することができる。
前記第2液体循環回路は、発熱部品(例えば、実施形態の発熱部品14)の熱交換部と接続可能としても良い。
この場合、発熱部品の発する熱を第2液体循環回路内の液体に取り込み、ヒートポンプ回路を介してヒータコアを効率良く加熱することができる。また、第2液体循環回路内では、低圧側熱交換器で冷却された液体によって発熱部品を効率良く冷却することができる。
前記発熱部品は、モータ駆動回路(例えば、実施形態のモータ駆動回路45)であっても良い。
この場合、モータ駆動回路の発する熱を利用してヒータコアを効率良く加熱することができるとともに、低圧側熱交換器で冷却された液体によってモータ駆動回路を効率良く冷却することができる。
前記発熱部品は、バッテリ(例えば、実施形態のバッテリ12)であっても良い。
この場合、バッテリの発する熱を利用してヒータコアを効率良く加熱することができるとともに、低圧側熱交換器で冷却された液体によってバッテリを効率良く冷却することができる。
前記バッテリの熱交換部は、前記第1液体循環回路と前記第2液体循環回路に対して接続切り換え可能としても良い。
この場合、例えば、寒冷地等で外気温度の低下によってバッテリの電圧が低下する状況では、バッテリの熱交換部を第1液体循環回路に接続することにより、ヒートポンプ回路の高圧側熱交換器で加熱された液体によってバッテリを迅速に加熱することができる。一方、バッテリの温度が規定の温度よりも上昇した場合には、バッテリの熱交換部を第2液体循環回路に接続することにより、ヒートポンプ回路の低圧側熱交換器で冷却された液体によってバッテリを冷却することができる。
前記第2液体循環回路は、外気との間で熱交換を行う外気熱交換器(例えば、実施形態のラジエータ44)に対して接続可能としても良い。
この場合、外気の温度がある程度以上に高い場合には、外気の熱を利用してヒータコアを効率良く加熱することができる。
前記第2液体循環回路は、前記第1液体循環回路に対して接続可能としても良い。
この場合、発熱機器やバッテリ等の熱を利用できない状況では、第2液体循環回路を第1液体循環回路に接続することにより、第1液体循環回路を流れる高温の液体の一部を第2液体循環回路に流し、その液体の熱を低圧側熱交換器で取り込む。そして、この熱をヒートポンプ回路によって高圧側熱交換器側に移動させ、高圧側熱交換器と第1液体循環回路内の液体を通してヒータコアを加熱する。
前記ヒートポンプ回路の前記圧縮機の吸入側と吐出側には、空調用膨張弁(例えば、実施形態の空調用膨張弁19)と空調用エバポレータ(例えば、実施形態の空調用エバポレータ20)が、前記膨張弁と前記低圧側熱交換器を接続する通路と並列に接続されるようにしても良い。
この場合、ヒートポンプ回路に接続された空調用膨張弁と空調用エバポレータとによって空調空気の冷却や除湿を行うことができる。
本発明では、高圧側熱交換器の熱交換部がヒータコアに対して直結流路によって接続されているため、暖房必要時に、高圧側熱交換器で加熱された液体のみをヒータコアに流すことができる。したがって、本発明に係る車両用空調装置を採用した場合には、暖房必要時にヒータコアを迅速に昇温することができる。
本発明の実施形態の車両用空調装置の概略構成図。 本発明の実施形態の車両用空調装置の空調ユニットを示す構成図。 本発明の実施形態の車両用空調装置の外気吸熱除湿暖房運転の一作動形態を示す回路図。 本発明の実施形態の車両用空調装置の外気吸熱除湿暖房運転の他の作動形態を示す回路図。 本発明の実施形態の車両用空調装置のバッテリ吸熱除湿暖房運転の一作動形態を示す回路図。 本発明の実施形態の車両用空調装置の外気吸熱、PDU吸熱及びバッテリ吸熱除湿暖房運転の一作動形態を示す回路図。 本発明の実施形態の車両用空調装置の自己加熱暖房運転の一作動形態を示す回路図。 本発明の実施形態の車両用空調装置の自己加熱暖房運転の他の作動形態を示す回路図。 本発明の実施形態の車両用空調装置の冷房運転の一作動形態を示す回路図。 本発明の実施形態の車両用空調装置の冷房運転の他の作動形態を示す回路図。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
以下で説明する実施形態では、車両駆動のためにエンジン(内燃機関)と電動モータを搭載したハイブリッド車両に車両用空調装置が適用されている。しかし、車両用空調装置は、ハイブリッド車両に限らず、駆動源としてエンジンのみを搭載する車両や、電動モータのみを搭載する電気自動車等にも適用することができる。
図1は、実施形態の車両用空調装置1(以下、「空調装置1」と呼ぶ。)の概略構成図である。
空調装置1は、内部を流れる液体の熱によって空調空気を加熱するヒータコア10と、昇温された液体(熱媒体)をヒータコア10に流す第1液体循環回路3と、冷却された液体が流れる第2液体循環回路5と、ヒートポンプ作用によって第2液体循環回路5から吸熱した熱を第1液体循環回路3に放熱するヒートポンプ回路7と、を備えている。
第1液体循環回路3には、熱媒体である液体を回路内に流すための第1ポンプ11が介装されている。また、第1液体循環回路3には、バッテリ12の熱交換部に液体を流すためのバッテリ流路35が接続可能とされている。バッテリ12は、車両駆動用の電動モータや補機類に対して電力を供給するとともに、電動モータの回生電力や発電機で発電された電力を蓄電する。
第2液体循環回路5には、熱媒体である液体を回路内に流すための第2ポンプ13が介装されている。また、第2液体循環回路5には、ラジエータ(外気熱交換器)や、モータ駆動回路(PDU)等の発熱部品14の熱交換部が接続可能とされている。第1液体循環回路3や第2液体循環回路5を流れる液体としては、エチレングリコール等を主成分とした熱伝導性が高く、凍結しにくい液体が用いられる。第1ポンプ11と第2ポンプ13は、電動式のポンプによって構成されている。
ヒートポンプ回路7は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルによって構成されている。具体的には、ヒートポンプ回路7は、吸入した気体冷媒を加圧して吐出する電動式の圧縮機15と、圧縮機15から吐出された冷媒を減圧膨張させる膨張弁16と、圧縮機15の吐出側と膨張弁16の間に介装された高圧側熱交換器17(凝縮器)と、膨張弁16と圧縮機15の吸入側との間に介装された低圧側熱交換器18(蒸発器)と、を有している。ヒートポンプ回路7を流れる冷媒としては、例えば、クロロフルオロカーボンやハイドロクロロフルオロカーボン等を用いることができる。
また、本実施形態の場合、ヒートポンプ回路7の圧縮機15の吸入側と吐出側には、空調用膨張弁19と空調用エバポレータ20が、膨張弁16と低圧側熱交換器18を接続する通路と並列に介装されている。ヒートポンプ回路7に対する空調用膨張弁19と空調用エバポレータ20の接続と遮断は開閉弁21によって切り換えられる。空調用エバポレータ20とヒータコア10は、車室内に空調空気を吹き出す空調ユニット22(図2参照)に介装されている。
図2は、空調ユニット22の構成図である。
空調ユニット22は、空調空気が流通する空調ダクト23と、この空調ダクト23内に収容されたブロア24、空調用エバポレータ20、エアミックスドア25、及び、ヒータコア10と、を備えている。
空調ダクト23は、空気取込口26a,26bと空気吹出口27a,27bを有する。上述したブロア24、空調用エバポレータ20、エアミックスドア25、及び、ヒータコア10は、空調ダクト23における空調空気の流通方向の上流側(空気取込口26a,26b側)から下流側(空気吹出口27a,27b側)に向けてこの順に配置されている。
空気取込口26a,26bは、それぞれ内気を取り込む内気取込口と、外気を取り込む外気取込口を構成している。空気取込口26a,26bは、内気ドア28と外気ドア29によってそれぞれ開閉される。内気ドア28と外気ドア29の開閉は、図示しない制御装置によって制御される。
空気吹出口27a,27bは、それぞれVENT吹出口とDEF吹出口を構成している。各空気吹出口27a,27bは、VENTドア30とDEFドア31によりそれぞれ開閉可能とされている。各空気吹出口27a,27bは、例えば、図示しない制御装置による制御によりVENTドア30とDEFドア31の開閉が切り換えられることで、車室内に対する空調空気の吹き出し位置を変更可能とされている。
ブロア24は、図示しない制御装置によって風量を制御される。ブロア24は、空気取込口26a,26bから空調ダクト23内に取り込まれた空調空気(内気と外気の少なくとも一方)を下流側、つまり空調用エバポレータ20、及び、ヒータコア10に向けて送出する。
空調用エバポレータ20は、内部に流入した低温、低圧の冷媒と空調ダクト23内の空調空気との間で熱交換を行う。空調用エバポレータ20は、冷媒が蒸発する際の吸熱により、空調用エバポレータ20を通過する空調空気を冷却する。
ヒータコア10は、内部に流入した第1液体循環回路3内の液体(熱媒体)と空調空気との間で熱交換を行う。ヒータコア10は、内部を流れる液体の熱を放熱することにより、ヒータコア10を通過する空調空気を加熱する。
エアミックスドア25は、図示しない制御装置による制御によって回動操作される。エアミックスドア25は、空調ダクト23内の空調用エバポレータ20の下流側からヒータコア10に向かう通風経路を開放する加熱位置と、ヒータコア10に向かう通風経路を閉塞する冷却位置との間で回動する。エアミックスドア25の回動位置が制御装置によって制御されることにより、空調用エバポレータ20を通過した空調空気のうちの、ヒータコア10を通過する空調空気の風量と、ヒータコア10を迂回する空調空気の風量の割合が調整される。
図3〜図10は、空調装置1のヒートポンプ回路7と、第1液体循環回路3、及び、第2液体循環回路5を併せて記載した空調装置1の具体的な回路図である。なお、図3〜図10において、回路中に密のドットが付けられた部分は、相対的に高温の液体や冷媒が流れる部分を示している。また、回路中に疎のドットが付けられた部分は、相対的に低温の液体や冷媒が流れる部分を示している。
ヒートポンプ回路7には、前述のように圧縮機15、高圧側熱交換器17、膨張弁16、低圧側熱交換器18(チラー)、空調用膨張弁19、及び、空調用エバポレータ20が介装されている。
第1液体循環回路3は、第1ポンプ11の吐出部から高圧側熱交換器17の熱交換部を経てヒータコア10に至る加熱流路3aと、ヒータコア10から第1逆止弁33と第1三方弁34を介して第1ポンプ11の吸入部に至る戻り流路3bと、を有する。第1逆止弁33は、ヒータコア10の下流部から第1ポンプ11の吸入部側に向かう液体の流れのみを許容する。
高圧側熱交換器17は、第1液体循環回路3を流れる液体と熱交換可能に第1液体循環回路3に接して配置されている。また、加熱流路3aのうちの高圧側熱交換器17の熱交換部とヒータコア10の間は、他流路が合流接続されない直結流路60によって構成されている。
また、戻り流路3bの第1逆止弁33の上流位置と第1ポンプ11の吸入部には、バッテリ12の熱交換部に液体を流すためのバッテリ流路35が並列に接続されている。バッテリ流路35のうちの、バッテリ12の熱交換部の上流側には、第2三方弁36と開閉弁37が介装されている。第2三方弁36は、バッテリ流路35の開閉弁37よりも上流側に配置されている。また、バッテリ流路35のうちの、バッテリ12の熱交換部の下流側は二股に分岐し、一方の分岐路35aには第2逆止弁38が介装され、他方の分岐路35bには第3逆止弁39が介装されている。一方の分岐路35aは、第2逆止弁38を介して第1ポンプ11の吸入部に接続されている。第2逆止弁38は、バッテリ12の熱交換部から第1ポンプ11の吸入部に向かう液体の流れのみを許容する。他方の分岐路35bは、第3逆止弁39を介して後述する第2液体循環回路5の第2ポンプ13の吸入部に接続されている。第3逆止弁39は、バッテリ12の熱交換部から第2ポンプ13の吸入部に向かう液体の流れのみを許容する。
第2液体循環回路5は、第2ポンプ13から吐出された液体を低圧側熱交換器18(チラー)に流す降温流路5aを有する。降温流路5aの低圧側熱交換器18よりも下流側には、第4逆止弁40を介してラジエータ流路41と駆動回路流路42が直列に接続されている。駆動回路流路42の下流側は、第3三方弁43を介して第2ポンプ13の吸入部に接続されている。第4逆止弁40は、低圧側熱交換器18からラジエータ流路41に向かう液体の流れのみを許容する。ラジエータ流路41は、外気熱交換器であるラジエータ44の熱交換部に液体を流すための流路である。駆動回路流路42は、車両駆動用の電動モータのモータ駆動回路45(PDU)の熱交換部に液体を流すための流路である。
また、降温流路5aの低圧側熱交換器18よりも上流側には、エンジンEの冷却水との間で熱交換を行うエンジン用熱交換器46が配置されている。エンジン用熱交換器46は、降温流路5aの低圧側熱交換器18よりも上流側を流れる液体にエンジンEの冷却水の熱を吸熱させる。なお、エンジン用熱交換器46に接続される冷却水通路には、エンジン用熱交換器46に向かう冷却水の流れを遮断可能な図示しない切換弁が介装されている。
第1液体循環回路3の戻り流路3bに配置された第1三方弁34は、図示しない制御装置による制御により、以下の3つの流路の接続形態に切り換えることができる。
(a1)第1逆止弁33の下流部を第1ポンプ11の吸入部に接続(図3〜図6参照)。
(a2)第1逆止弁33の下流部を、第4逆止弁40の下流位置で、ラジエータ流路41の上流部に接続(図9,図10参照)。
(a3)第1逆止弁33の下流部を、第1ポンプ11の吸入部と、第2液体循環回路5の第4逆止弁40の下流位置とに接続(図7,図8参照)。
バッテリ流路35の上流部に配置された第2三方弁36は、図示しない制御装置による制御により、以下の2つの流路の接続形態に切り換えることができる。
(b1)第1液体循環回路3の戻り流路3bのうちの、第1逆止弁33の上流側位置を、バッテリ流路35の上流部に接続(図3,図4,図7,図8参照)。
(b2)第2液体循環回路3の降温流路5aのうちの、第4逆止弁40の上流側位置を、バッテリ流路35の上流部に接続(図5,図6,図9,図10参照)。
駆動回路流路42の下流部に配置された第3三方弁43は、図示しない制御装置による制御により、以下の3つの流路の接続形態に切り換えることができる。
(c1)駆動回路流路42の下流部を、第2ポンプ13の吸入部に接続(図3,図4,図6参照)。
(c2)第2ポンプ13の吸入部を、第1液体循環回路3の戻り流路3bのうちの、第1逆止弁33の下流側位置に接続(図7,図8参照)。
(c3)駆動回路流路42の下流部を、第1ポンプ11の吸入部に接続(図5,図9,図10参照)。
本実施形態の空調装置1は、上記の3つの三方弁34,36,43の接続形態の組み合わせにより、図3〜図10の各図に示すような複数の液体の流れを作り出すことができる。図3〜図10の各図に示す液体の流れは、上記の第1〜第3三方弁34,36,43と第1〜第4逆止弁33,38,39,40から成る流路切換部aによって切り換えられる。
以下、図3〜図10の各図に示す液体の流れについて説明する。
図3,図4では、第1三方弁34は上記のa1の接続形態に切り換えられ、第2三方弁36は上記のb1の接続形態に切り換えられている。第3三方弁43は上記のc1の接続形態に切り換えられている。
この場合、第1ポンプ11の吐出部から吐出された液体は、加熱流路3aの高圧側熱交換器17とヒータコア10を通過して戻り流路3bから第1ポンプ11の吸入部に戻される。また、第2ポンプ13の吐出部から吐出された液体は、エンジン用熱交換器46と降温流路5aの低圧側熱交換器18を通過した後に、ラジエータ流路41と駆動回路流路42を通って第2ポンプ13の吸入部に戻される。
図3では、バッテリ流路35の開閉弁37が閉じられているため、バッテリ流路35には液体が流れない。
図4では、バッテリ流路35の開閉弁37が開いているため、ヒータコア10を通過した液体の一部は、第2三方弁36を通してバッテリ流路35に流れ込み、バッテリ12の熱交換部を通過した後に第2逆止弁38を通って第1ポンプ11の吸入部に戻される。
図5では、第1三方弁34は上記のa1の接続形態に切り換えられ、第2三方弁36は上記のb2の接続形態に切り換えられている。第3三方弁43は上記のc3の接続形態に切り換えられている。
この場合、第1ポンプ11の吐出部から吐出された液体は、加熱流路3aの高圧側熱交換器17とヒータコア10を通過して戻り流路3bから第1ポンプ11の吸入部に戻される。また、第2ポンプ13の吐出部から吐出された液体は、降温流路5aのエンジン用熱交換器46と低圧側熱交換器18を通過した後に、第2三方弁36、開閉弁37、バッテリ12の熱交換部、第3逆止弁39を順次通って第2ポンプ13の吸入部に戻される。
図6では、第1三方弁34は上記のa1の接続形態に切り換えられ、第2三方弁36は上記のb2の接続形態に切り換えられている。第3三方弁43は上記のc1の接続形態に切り換えられている。
この場合、第1ポンプ11の吐出部から吐出された液体は、加熱流路3aの高圧側熱交換器17とヒータコア10を通過して戻り流路3bから第1ポンプ11の吸入部に戻される。また、第2ポンプ13の吐出部から吐出された液体は、降温流路5aのエンジン用熱交換器46と低圧側熱交換器18を通過した後に、ラジエータ流路41と駆動回路流路42を通って第2ポンプ13の吸入部に戻される。さらに、低圧側熱交換器18を通過した液体の一部は、第4逆止弁40の上流側で分岐し、第2三方弁36、開閉弁37、バッテリ12の熱交換部、第3逆止弁39を順次通って第2ポンプ13の吸入部に戻される。
図7,図8では、第1三方弁34は上記のa3の接続形態に切り換えられ、第2三方弁36は上記のb1の接続形態に切り換えられている。第3三方弁43は上記のc2の接続形態に切り換えられている。
この場合、第1ポンプ11の吐出部から吐出された液体は、加熱流路3aの高圧側熱交換器17とヒータコア10を通過して戻り流路3bから第1ポンプ11の吸入部に戻される。このとき、戻り流路3bを流れる液体の一部は、第3三方弁43の方向に分岐し、第2液体循環回路5の第2ポンプ13の吸入部に吸入される。そして、第2ポンプ13の吐出部から吐出された液体は、降温流路5aのエンジン用熱交換器46と低圧側熱交換器18を通過した後に、第4逆止弁40と第1三方弁34を通って第1液体循環回路3の戻り流路3bに戻される。
図7では、バッテリ流路35の開閉弁37が閉じられているため、バッテリ流路35には液体が流れない。
図8では、バッテリ流路35の開閉弁37が開いているため、ヒータコア10を通過した液体の一部は、第2三方弁36を通してバッテリ流路35に流れ込み、バッテリ12の熱交換部を通過した後に第2逆止弁38を通って第1ポンプ11の吸入部に戻される。
図9,図10では、第1三方弁34は上記のa2の接続形態に切り換えられ、第2三方弁36は上記のb2の接続形態に切り換えられている。第3三方弁43は上記のc3の接続形態に切り換えられている。
この場合、第1ポンプ11の吐出部から吐出された液体は、加熱流路3aの高圧側熱交換器17とヒータコア10を通過した後に、第1逆止弁33、第1三方弁34、ラジエータ流路41、駆動回路流路42、第3三方弁43を順次通過して第1ポンプ11の吸入部に戻される。
図9では、バッテリ流路35の開閉弁37が閉じられているため、バッテリ流路35には液体が流れない。
図10では、バッテリ流路35の開閉弁37が開いているため、第2ポンプ13の吐出部から吐出された液体は、降温流路5aの低圧側熱交換器18を通過した後に、第2三方弁36、開閉弁37、バッテリ12の熱交換部、第3逆止弁39を順次通って第2ポンプ13の吸入部に戻される。
つづいて、図3〜図10の各図に示す空調装置1の作動について説明する。図3〜図6は、4つの異なる除湿暖房モードでの作動を示し、図7,図8は、2つの異なる暖房モードでの作動を示し、図9,図10は、2つの異なる冷房モードでの作動を示している。
<除湿暖房モード1>
図3に示す除湿暖房モード1は、外気の熱とモータ駆動回路45の熱とエンジンEの冷却水の熱をヒートポンプ回路7の吸熱側の熱源とし、その熱源の熱を利用してヒートポンプ回路7の高圧側熱交換器17によって第1液体循環回路3内の液体を昇温させる。また、除湿暖房モード1では、空調用エバポレータ20によって空調空気を除湿しつつ、その空調空気をヒータコア10によって加熱する。このとき、バッテリ流路35の開閉弁37は制御装置による制御によって閉じられ、空調用エバポレータ20のある通路の開閉弁21は制御装置による制御によって開かれる。
除湿暖房モード1では、ヒートポンプ回路7の圧縮機15と各液体循環回路の第1ポンプ11と第2ポンプ13が作動すると、ヒートポンプ回路7の低圧側熱交換器18が、第1液体循環回路3内の液体から吸熱し、その熱を圧縮機15による圧縮熱とともに高圧側熱交換器17に移動させる。高圧側熱交換器17では、気体冷媒の凝縮に伴う放熱によって第1液体循環回路3内を流れる液体を昇温させる。昇温された液体は、空調ユニット22内のヒータコア10を加熱する。一方、ヒートポンプ回路7内を流れる冷媒の一部は、空調用膨張弁19と空調用エバポレータ20を通過し、このとき空調用エバポレータ20が空調ユニット22において空調空気を冷却する。
また、ヒートポンプ回路7の低圧側熱交換器18で降温された第2液体循環回路5内の液体は、ラジエータ流路41と駆動回路流路42を通過して第2ポンプ13の吸入部に入り、第2ポンプ13から低圧側熱交換器18に送出される。この間、第2液体循環回路5内を流れる液体は、ラジエータ44において外気から吸熱を行うとともに、駆動回路流路42の熱交換部においてモータ駆動回路45の熱を吸熱し、さらにエンジン用熱交換器46においてエンジンEの冷却水の熱を吸熱する。
<除湿暖房モード2>
図4に示す除湿暖房モード2は、基本作動は図3に示す除湿暖房モード1と同様であるが、ヒータコア10によって加熱された第1液体循環回路3内の液体の一部がバッテリ12の熱交換部を流れる点についてのみ除湿暖房モード1と異なっている。この除湿暖房モード2は、冷寒地等においてバッテリ12の温度が規定の温度よりも低下したときに用いられる。
<除湿暖房モード3>
図5に示す除湿暖房モード3は、基本作動は図3に示す除湿暖房モード1と同様であるが、低圧側熱交換器18で降温された第2液体循環回路5内の液体がラジエータ流路41と駆動回路流路42を流れずにバッテリ12の熱交換部を流れる点が除湿暖房モード1と異なっている。この除湿暖房モード3は、バッテリ12の充放電等によってバッテリ12の温度が規定の温度よりも上昇したときに用いられる。この除湿暖房モード3では、発熱したバッテリ12の熱を、ヒートポンプ回路7の低圧側の熱源として利用することができる。
また、除湿暖房モード3では、ラジエータ44を通して外気からの吸熱を行わないため、外気が低温・多湿の状況であっても、ラジエータ44への着霜を防止することができる。
<除湿暖房モード4>
図6に示す除湿暖房モード4は、基本作動は図3に示す除湿暖房モード1と同様であるが、低圧側熱交換器18で降温された第2液体循環回路5内の液体がラジエータ流路41と駆動回路流路42に加えてバッテリ12の熱交換部にも流れる点が除湿暖房モード1と異なっている。
<暖房モード1>
図7に示す暖房モード1は、外気やモータ駆動回路45、バッテリ12の熱等を熱源とせず、エンジンEの冷却水の熱とヒートポンプ回路7の圧縮機15による圧縮熱によって第1液体循環回路3内の液体を昇温させる。エンジンEの冷却水の温度が低い場合には、圧縮機15の圧縮熱のみによって第1液体循環回路3内の液体を昇温させる。また、ヒートポンプ回路7の空調用膨張弁19と空調用エバポレータ20のある流路は、開閉弁21によって閉じられる。
暖房モード1では、ヒートポンプ回路7の高圧側熱交換器17によって昇温された第1液体循環回路3内の液体によってヒータコア10を加熱する。このとき、昇温された第1液体循環回路3内の液体の一部は、第2液体循環回路5の降温流路5aに流れ込み、低圧側熱交換器18において、ヒートポンプ回路7の低圧側に吸熱される。
なお、暖房モード1の作動開始時には、制御装置による第1ポンプ11と第2ポンプ13の制御により、第1液体循環回路3と第2液体循環回路5を流れる液体の流量を調整する。具体的には、第1液体循環回路3を流れる液体の流量を(最小に)減少させ、第2液体循環回路5を流れる液体の流量を(最大に)増大させる。このとき、空調ユニット22内のエアミックスドア25(図2参照)は、ヒータコア10に向かう通風流路を閉じていることが望ましい。上記のように第1液体循環回路3内を流れる液体の流量が(最小に)減少すると、ヒートポンプ回路7内の高圧側熱交換器17での放熱量が減少し、その結果、圧縮機15の吐出側の圧力が高まる。圧縮機15の吐出側の圧力が高まると、圧縮機15の能力が高まり、第1液体循環回路3を流れる冷媒の流量が増大する。これにより、第1液体循環回路3の加熱流路3aを流れる液体の昇温速度を速め、ヒータコア10の早期の温度上昇を促すことができる。
また、暖房モード1での運転中には、制御装置が第1液体循環回路3や第2液体循環回路5の各部の温度を管理し、各部の温度変化に応じて第1ポンプ11と第2ポンプ13の吐出流量を適宜制御する。これにより、ヒータコア10の加熱効率が高まるように、第2液体循環回路5の降温流路5aから第1液体循環回路3への液体の流入量が調整される。
また、暖房モード1では、除湿暖房モード3と同様に、ラジエータ44を通した外気からの吸熱が行われない。このため、暖房モード1を採用した場合には、外気が低温・多湿の状況であっても、ラジエータ44への着霜を防止することができる。
<暖房モード2>
図8に示す暖房モード2は、基本作動は図7に示す暖房モード1と同様であるが、ヒータコア10によって加熱された第1液体循環回路3内の液体の一部がバッテリ12の熱交換部を流れる点についてのみ暖房モード1と異なっている。この暖房モード2は、冷寒地等においてバッテリ12の温度が規定の温度よりも低下したとき等に用いられる。
この暖房モードの場合も、作動開始時には、第1ポンプ11の吐出流量が制御装置による制御によって小流量に調整され、それによって第1液体循環回路3の加熱流路3aやバッテリ流路35を流れる液体の昇温速度が速められる。この結果、ヒータコア10とバッテリ12の早期の温度上昇が促される。
<冷房モード1>
図9に示す冷房モード1は、ヒートポンプ回路7の空調用膨張弁19と空調用エバポレータ20のある流路が開閉弁21によって開かれ、低圧側熱交換器18では第2液体循環回路5内の液体との間で熱交換を行わない。また、高圧側熱交換器17では、第1液体循環回路3内の液体との間で熱交換を行う。このとき、高圧側熱交換器17から第1液体循環回路3内の液体に放熱が行われるため、第1液体循環回路3内のヒータコア10は加熱される。このとき、図2に示す空調ユニット22内においては、ヒータコア10の上流側の通風経路がエアミックスドア25によって閉塞される。この結果、車室内に吹き出される空調空気の温度上昇は抑制される。
また、冷房モード1では、第1液体循環回路3の戻り流路3bに、ラジエータ流路41と駆動回路流路42が接続されている。ラジエータ流路41に流入した液体は、ラジエータ44において外気に放熱する。ラジエータ44を通過して降温された液体は、駆動回路流路42においてモータ駆動回路45の熱を吸熱する。
<冷房モード2>
図10に示す冷房モード2は、図9に示す冷房モード1と同様に、空調用膨張弁19と空調用エバポレータ20のある流路が開閉弁21によって開かれ、第1液体循環回路3内の液体がラジエータ流路41と駆動回路流路42を流れる。冷房モード2では、冷房モード1と同様にして空調空気を冷却する。
冷房モード2では、第2ポンプ13が作動して、第2液体循環回路5内を液体が流れる。第2液体循環回路5内を流れる液体は、ヒートポンプ回路7の低圧側熱交換器18において、ヒートポンプ回路7内の冷媒によって冷却される。低圧側熱交換器18で冷却された第2液体循環回路5内の液体は、バッテリ12の熱交換部を流れて第2ポンプ13に戻される。この結果、バッテリ12が第2液体循環回路5内を流れる液体によって冷却される。
以上のように、本実施形態の空調装置1は、ヒートポンプ回路7の低圧側熱交換器18で第2液体循環回路5から取り込んだ熱をヒートポンプ回路7の高圧側熱交換器17に移動させ、高圧側熱交換器17において第1液体循環回路内18内を流れる液体を昇温する。そして、昇温された第1液体循環回路内18内の液体により、ヒータコア10を加熱して空調ユニット22において車室内に暖房風を吹き出す。本実施形態の空調装置1では、第2液体循環回路5内の液体にエンジンEの熱や発熱部品14の熱、外気の熱等を取り込むことにより、ヒータコア10を効率良く加熱することができる。
また、本実施形態の空調装置1では、ヒートポンプ回路7の低圧側熱交換器18が第1液体循環回路3内の液体から吸熱を行うため、ヒートポンプ回路7を循環する冷媒は外気によって直接冷却されない。このため、外気の温度が低い状況でも圧縮機15に吸入される気体冷媒の密度が極端に低下することがない。したがって、本実施形態の空調装置1を採用した場合、寒冷地等で外気温度が極端に低い状況下においても、ヒートポンプ回路7での熱伝達効率の低下を抑制することができる。
さらに、本実施形態の空調装置1では、高圧側熱交換器17の熱交換部が、ヒータコア10に対して他流路が合流接続されない直結流路60によって接続されているため、暖房必要時に、高圧側熱交換器17で加熱された液体のみをヒータコア10に流すことができる。したがって、本実施形態の空調装置1を採用した場合には、暖房必要時にヒータコア10を迅速に昇温することができる。
また、本実施形態の空調装置1では、第2液体循環回路5の降温流路5aが、エンジンEの冷却水との間で熱交換を行うエンジン用熱交換器46と接続可能とされている。このため、第2液体循環回路5の降温流路5aをエンジン用熱交換器46と接続することにより、エンジンの冷却水の熱を第2液体循環回路5内の液体に取り込み、ヒートポンプ回路7を介してヒータコア10を効率良く加熱することができる。
本実施形態の空調装置1では、第2液体循環回路5の降温流路5aが、発熱部品14であるモータ駆動回路45の熱交換部と接続可能とされている。このため、第2液体循環回路5の降温流路5aをモータ駆動回路45の熱交換部と接続することにより、モータ駆動回路45の熱を2液体循環回路5内の液体に取り込み、ヒートポンプ回路7を介してヒータコア10を効率良く加熱することができる。また、本実施形態の空調装置1を採用した場合には、低圧側熱交換器18で冷却された液体によって発熱部品14であるモータ駆動回路45を効率良く冷却することができる。
また、本実施形態の空調装置1では、第2液体循環回路5の降温流路5aが、発熱部品14であるバッテリ12の熱交換部と接続可能とされている。このため、第2液体循環回路5の降温流路5aをバッテリ12の熱交換部と接続することにより、バッテリ12の熱を2液体循環回路5内の液体に取り込み、ヒートポンプ回路7を介してヒータコア10を効率良く加熱することができる。また、本実施形態の空調装置1を採用した場合には、低圧側熱交換器18で冷却された液体によってバッテリ12を効率良く冷却することができる。
また、本実施形態の空調装置1は、バッテリ12の熱交換部が第1液体循環回路3の加熱流路3aと第2液体循環回路5の降温流路5aに対して接続切り換え可能とされている。このため、冷寒地等でバッテリ12の温度の低い状況等では、バッテリ12の熱交換部に第1液体循環回路3の加熱流路3aの高温の液体を流すことにより、バッテリ12を加熱してバッテリ12の電圧低下等を抑制することができる。また、バッテリ12の温度が規定の温度よりも上昇した場合には、バッテリ12の熱交換部に第2液体循環回路5の降温流路5aの低温の液体を流すことにより、バッテリ12を冷却することができる。
さらに、本実施形態の空調装置1は、第2液体循環回路5の降温流路5aに対して外気熱交換器であるラジエータ44が接続可能とされている。このため、外気の温度がある程度以上に高い場合には、外気の熱をラジエータ44で吸熱して、その熱を低圧側熱交換器18を通してヒートポンプ回路7に取り込み、高圧側熱交換器17を通して第1液体循環回路3内のヒータコア10を加熱することができる。したがって、外気からの吸熱によってヒータコア10を効率良く加熱することができる。
また、本実施形態の空調装置1は、第2液体循環回路5の降温流路5aが第1液体循環回路3の加熱流路3aに対して並列に接続可能とされている。このため、モータ駆動回路45やバッテリ12等の熱を利用できない状況では、第2液体循環回路5の降温流路5aを第1液体循環回路3の加熱流路3aに接続することにより、加熱流路3aを流れる高温の液体の一部を降温流路5aに流し、その熱を低圧側熱交換器18で取り込むことができる。したがって、本実施形態の空調装置1を採用した場合には、モータ駆動回路45やバッテリ12等の熱を利用できない状況であっても、加熱流路3aの液体の熱の一部を低圧側熱交換器18でヒートポンプ回路7に取り込み、高圧側熱交換器17と第1液体循環回路3内の液体を通してヒータコア10を加熱することができる。
さらに、本実施形態の空調装置1の場合、上述した暖房モード1(図7参照)や暖房モード2では、ラジエータ44による外気吸熱を行わずに、加熱流路3aを流れる高温の液体の一部を降温流路5aに流し、その熱を低圧側熱交換器18で取り込む。このため、着霜等によってラジエータ44による吸熱が行えない外気環境であっても、ヒータコア10の加熱を実行することができる。
そして、本実施形態の空調装置1は、外気温度が極端に低い場合の対策として、電気ヒータを搭載する必要がない。このため、本実施形態の空調装置1を採用した場合には、車両に搭載するに際して、高電圧系統の配線が不要になるうえ、車両重量の増加や製品コストの高騰を抑制することができる。
また、本実施形態の空調装置1は、ヒートポンプ回路7の圧縮機15の吸入側と吐出側に対し、空調用膨張弁19と空調用エバポレータ20がヒートポンプ回路7の膨張弁16と低圧側熱交換器18を接続する通路と並列に接続されている。このため、本実施形態の空調装置1を採用した場合には、ヒートポンプ回路7の高圧側熱交換器17で第1液体循環回路3に放熱を行いつつ、空調用エバポレータ20によって空調空気の冷却や除湿を行うことができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
1…車両用空調装置
3…第1液体循環回路
5…第2液体循環回路
7…ヒートポンプ回路
10…ヒータコア
12…バッテリ
14…発熱部品
15…圧縮機
16…膨張弁
17…高圧側熱交換器
18…低圧側熱交換器
19…空調用膨張弁
20…空調用エバポレータ
44…ラジエータ44(外気熱交換器)
45…モータ駆動回路
46…エンジン用熱交換器
60…直結流路

Claims (9)

  1. 内部を流れる液体の熱によって空調空気を加熱するヒータコアと、
    加熱された液体を前記ヒータコアに流す第1液体循環回路と、
    冷却された液体が流れる第2液体循環回路と、
    ヒートポンプ回路と、を備え、
    前記ヒートポンプ回路は、
    吸入した冷媒を加圧して吐出する圧縮機と、
    前記圧縮機から吐出された冷媒を減圧膨張させる膨張弁と、
    前記圧縮機の吐出側と前記膨張弁の間に介装された高圧側熱交換器と、
    前記膨張弁と前記圧縮機の吸入側の間に介装された低圧側熱交換器と、を有し、
    前記低圧側熱交換器は、前記第2液体循環回路を流れる液体と熱交換可能に前記第2液体循環回路に接して配置され、
    前記高圧側熱交換器は、前記第1液体循環回路を流れる液体と熱交換可能に前記第1液体循環回路に接して配置されるとともに、前記高圧側熱交換器の熱交換部が前記ヒータコアに対して他流路が合流接続されない直結流路によって接続されていることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記第2液体循環回路は、エンジンの冷却水との間で熱交換を行うエンジン用熱交換器に対して接続可能とされていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記第2液体循環回路は、発熱部品の熱交換部と接続可能とされていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記発熱部品は、モータ駆動回路であることを特徴とする請求項3に記載の車両用空調装置。
  5. 前記発熱部品は、バッテリであることを特徴とする請求項3に記載の車両用空調装置。
  6. 前記バッテリの熱交換部は、前記第1液体循環回路と前記第2液体循環回路に対して接続切り換え可能とされていることを特徴とする請求項5に記載の車両用空調装置。
  7. 前記第2液体循環回路は、外気との間で熱交換を行う外気熱交換器に対して接続可能とされていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両用空調装置。
  8. 前記第2液体循環回路は、前記第1液体循環回路に対して接続可能とされていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の車両用空調装置。
  9. 前記ヒートポンプ回路の前記圧縮機の吸入側と吐出側には、空調用膨張弁と空調用エバポレータが、前記膨張弁と前記低圧側熱交換器を接続する通路と並列に接続されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の車両用空調装置。
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