JP2021080340A - 木製部材の耐衝撃性を高めるためのコーティング剤およびそれを用いた車両用荷台 - Google Patents

木製部材の耐衝撃性を高めるためのコーティング剤およびそれを用いた車両用荷台 Download PDF

Info

Publication number
JP2021080340A
JP2021080340A JP2019207331A JP2019207331A JP2021080340A JP 2021080340 A JP2021080340 A JP 2021080340A JP 2019207331 A JP2019207331 A JP 2019207331A JP 2019207331 A JP2019207331 A JP 2019207331A JP 2021080340 A JP2021080340 A JP 2021080340A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wooden member
agent
wooden
coating
impact resistance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019207331A
Other languages
English (en)
Inventor
幸二 松本
Koji Matsumoto
幸二 松本
憲一 清水
Kenichi Shimizu
憲一 清水
義治 三崎
Yoshiharu Misaki
義治 三崎
則文 坂口
Norifumi Sakaguchi
則文 坂口
忠 片山
Tadashi Katayama
忠 片山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Isamu Paint Co Ltd
Original Assignee
Isamu Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Isamu Paint Co Ltd filed Critical Isamu Paint Co Ltd
Priority to JP2019207331A priority Critical patent/JP2021080340A/ja
Publication of JP2021080340A publication Critical patent/JP2021080340A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

【課題】 種々の木製部材に適用することができ、かつ長期間に亘って優れた耐衝撃性を発揮し、かつメンテナンスの煩雑さからも解放され得る、木製部材の耐衝撃性を高めるためのコーティング剤およびそれを用いた車両用荷台を提供すること。【解決手段】 本発明の木製部材の耐衝撃性を高めるためのコーティング剤は、ポリオール成分を含有するA剤と、ポリイソシアネート成分を含有するB剤とをそれぞれ独立して含む。本発明のコーティング剤は、A剤とB剤との未硬化混合物の状態で木製部材上に付与され、その混合物を硬化することにより、木製部材上にコーティング層を形成することができる。これにより木製部材の耐衝撃性を高め、例えば車両用荷台として利用することができる。【選択図】 図1

Description

本発明は、木製部材の耐衝撃性を高めるためのコーティング剤およびそれを用いた車両用荷台に関する。
貨物車両(例えばトラック)には、貨物の積載性を高め、低重量かつ低コストである等の観点から、アピトン材のような高強度かつ硬質の木質材料が車両用荷台に使用されている。さらに、近年では、絶対的な物流量の増加に伴って当該貨物車両の需要が増加し、かつ伐採可能な森林資源が制限される傾向にあることから、アピトン材よりも入手が容易な竹材を車両用荷台に代用する傾向もある。
木質材料でなる車両用荷台は、車両に搭載された状態で比較的長期間に亘って使用される。しかし、こうした木質材料は、使用の間に貨物の重量や積載または運送時の衝撃により傷や欠損を生じることがある。あるいは貨物から流れ出た水分や、雨、空気中の湿気により腐敗を生じることもある。これらを長期間放置すると、荷台表面に所望でない傷や欠損を生じ、貨物を安定的に載置することが困難となるだけでなく、作業者の作業環境を悪化させることにもなりかねない。
このような観点において、特許文献1は、車両の荷台を構成する木質材料板の粗面をまずプライマー処理し、その後ポリウレタンウレア樹脂層を配置することにより当該木質材料の表面を保護することを記載している。特許文献1のプライマー処理では、木質材料板の粗面上に2液ウレタン樹脂硬化物や2液エポキシ樹脂硬化物が配置される。
しかし、特許文献1に記載するようなポリウレタンウレア樹脂層の配置には、特殊かつ高額なコーティング装置が必要である。この点で、必ずしも汎用性に優れているとは言い難い。
また、ポリウレタンウレア樹脂層を配置するためには、まずプライマー処理が必要であることから、例えば、これらのコーティングが一旦なされた車両について、メンテナンスのために再度コーティングを行う場合には、先に付与されたポリウレタンウレア樹脂層およびプライマー層を除去するか、あるいは先に付与されたポリウレタンウレア樹脂層の上からプライマー処理を施し、その上に新たなポリウレタンウレア樹脂層を設けなければならない。このため、メンテナンスが煩雑となる点で過度の負担を残すものであった。
特許第4823382号公報
本発明は、上記問題の解決を課題とするものであり、その目的とするところは、種々の木製部材に適用することができ、かつ長期間に亘って優れた耐衝撃性を発揮し、かつメンテナンスの煩雑さからも解放され得る、木製部材の耐衝撃性を高めるためのコーティング剤およびそれを用いた車両用荷台を提供することにある。
本発明は、木製部材の耐衝撃性を高めるためのコーティング剤であって、ポリオール成分を含有するA剤と、ポリイソシアネート成分を含有するB剤とをそれぞれ独立して含む、コーティング剤である。
1つの実施形態では、上記木製部材は車両用荷台である。
さらなる実施形態では、上記車両用荷台がアピトン材および竹材からなる群から選択される少なくとも1種の木質部品から構成されている。
1つの実施形態では、本発明のコーティング剤は上記木製部材に対してプライマー層を設けることなく直接付与して使用される。
本発明はまた、木製部材と該木製部材の外表面に配置されたコーティング層とを備え、該コーティング層が上記コーティング剤のA剤とB剤との混合硬化物から構成されている、車両用荷台である。
1つの実施形態では、上記木製部材は、目地にシーリング材が配置された複数の木質部品から構成されており、該目地上に補強テープが貼着されている。
1つの実施形態では、本発明の車両用荷台は、上記木製部材と上記コーティング層との間にプライマー層を含まない。
本発明はまた、木製部材上に上記コーティング剤のA剤とB剤との未硬化混合物を付与する工程、および該未硬化混合物を硬化してコーティング層を得る工程、を包含する、木製部材の耐衝撃性を高めるための方法である。
本発明によれば、優れた耐衝撃性を有する車両用荷台を簡便に製造することができる。さらに、本発明のコーティング剤について、特殊なコーティング装置は必要ではなく、コテ、ヘラ、ローラーなどの汎用のコーティング手段を用いて木製部材に付与することが可能である。本発明のコーティング剤はまた、繰り返し重ねて塗膜を形成することができるため、使用により劣化した塗膜上に直接付与することができ、荷台のメンテナンスも容易である。
本発明の車両用荷台の一例を示す断面図である。 本発明の車両用荷台の他の例を示す断面図である。 本発明の車両用荷台の製造手順を説明するための模式図である。 実施例および比較例で得られた木製サンプルの耐衝撃性試験の結果を示す当該木製サンプルの写真である。 実施例および比較例で得られた木製サンプルの耐湿性試験後の耐衝撃性試験の結果を示す当該木製サンプルの写真である。
以下、本発明について詳述する。
(コーティング剤)
本発明のコーティング剤は、A剤およびB剤をそれぞれ独立して含む。
本発明のコーティング剤は、混合により硬化を介して強固な塗膜を形成する2液型のコーティング剤である。本明細書に用いる用語「A剤およびB剤をそれぞれ独立して含む」とは、A剤とB剤とがまだ混合されていない状態、すなわちA剤とB剤との混合硬化物が形成される以前の状態を指して言う。
本発明のコーティング剤を構成するA剤はポリオール成分を含有する。
A剤に含まれるポリオール成分は、後述のB剤に含まれるポリイソシアネート成分の硬化剤として機能し得る。ポリオール成分の例としては、エステル系ポリオール(例えばエステル系ジオール)、エーテル系ポリオール(例えばエーテル系ジオール)などが挙げられる。
1つの実施形態では、A剤に含有され得るポリオール成分としては、好ましくは2000〜4000の平均分子量を有するポリオキシアルキレングリコール(例えばポリオキシプロピレングリコール)が挙げられる。
A剤の粘度は必ずしも限定されないが、好ましくは4000mPa・秒(25℃)〜11000mPa・秒(25℃)、より好ましくは5000mPa・秒(25℃)〜10000mPa・秒(25℃)である。
本発明のコーティング剤を構成するB剤はポリイソシアネート成分を含有する。
B剤に含まれるポリイソシアネート成分は、例えばポリウレタンプレポリマー(主剤)であり、具体的な例としては、エステル系ポリオール(例えばエステル系ジオール)、エーテル系ポリオール(例えばエーテル系ジオール)などのポリオール類と、芳香族系ポリイソシアネート(例えば芳香族ジイソシアネート)、脂肪族系ポリイソシアネート(例えば脂肪族系ジイソシアネート)などのポリイソシアネート類との反応させたものが挙げられる。
1つの実施形態では、B剤に含有され得るポリウレタンプレポリマーとしては、ポリオール類として好ましくは2000〜4000の平均分子量を有するポリオキシアルキレングリコール(例えばポリオキシプロピレングリコール)と、ポリイソシアネート類として未変性および/または変性のジフェニルアルカンジイソシアネート(例えばジフェニルメタンジイソシアネートやメチレンビス(4,1−フェニレン)=ジイソシアネートなどの未変性および/または変性のジフェニルメタンジイソシアネート)を含むものとを、所定のNCO/OH当量比で反応させたものが挙げられる。このポリウレタンプレポリマーは、フタル酸系および/またはイソフタル酸系の可塑剤を含有していてもよい。
B剤の粘度は必ずしも限定されないが、好ましくは50mPa・秒(25℃)〜250mPa・秒(25℃)、より好ましくは75mPa・秒(25℃)〜225mPa・秒(25℃)である。
本発明のコーティング剤において、A剤およびB剤はいずれも、溶剤として水または有機溶剤(例えばトルエン)を含有していてもよい。あるいは、A剤およびB剤はいずれも無溶剤型のものであってもよい。さらに、A剤およびB剤はいずれも、上記以外の他の添加剤(例えば、顔料、消泡剤、レベリング剤)を含有していてもよい。A剤およびB剤に含有され得るこれら溶剤および他の添加剤の含有量は、特に限定されず、当業者によって適切な量が選択され得る。
本発明のコーティング剤を構成するA剤およびB剤としては、例えば市販の2液型のポリウレタン樹脂塗料を用いることができる。従来、こうした2液型のポリウレタン樹脂塗料には、建築物や工場などのコンクリート面への塗装のために使用されるものであり、具体的な例としてはイサム塗料株式会社製「イサムフロアーGハード」が挙げられる。
本発明のコーティング剤は、木製部材の耐衝撃性を向上させるために使用される。
ここで、本明細書中に用いられる用語「木製部材」は、木本植物を原料として加工または成形されたもの全体を包含し、例えば、一本の原木から所定の寸法に切り出した、製剤(製材品)または無垢材;接着剤または接着剤なしで小寸法のものを貼り合わせた、木質材料(例えば、集成材、合板、パーティクルボード、ファイバーボード、配向性ストランドボード);木粉と熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂とを混練して得た、木質性樹脂;の板材、角材、および所定の形状を有するその他の部材(これら角材、板材、およびその他の部材を個別にして単に「木質部品」ということがある)、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
木製部材を構成する木本植物としては、必ずしも限定されないが、例えば、アカマツ、クロマツ、イチイ、イチョウ、イヌマキ、エゾマツ、カヤ、カラマツ、コウヤマキ、サワラ、スギ、竹、ツガ、トガサワラ、トドマツ、ネズコ、ヒノキ、ヒバ、ヒメコマツ、モミ、アオダモ、アオハダ、アカガシ、アサダ、イスモキ、イタヤカエデ、イヌエンジュ、エゴノキ、オニグルミ、カキ、カツラ、キハダ、キリ、クスノキ、クリ、ケヤキ、コジイ、サクラ、サワグルミ、シデ、シナノキ、シラカシ、シラカバ、タブノキ、ツゲ、トチノキ、ドロノキ、ニセアカシア、セン、ハリギリ、ハルニレ、ハンノキ、ブナ、ホオノキ、マカンバ、ミズキ、ミズナラ、ミズメ、ヤチダモ、ヤナギ、ヤマグワ、アガチス、オウシュウアカマツ、カリビアマツ、クリンキーパイン、サザンイエローパイン、スプルース、タイヒ、ベイスギ、ベイツガ、ベイヒ、ベイヒバ、ベイマツ、ベイモミ、ベニマツ、ホンスン、ホクヨウカラマツ、ポンデローサパイン、ラジアータパイン、メルクシーマツ、メキシカンサイプレス、レッドウッド、ロッジボールパイン、アカシアマンギュウム、アソベ、アピトン、アフリカンマホガニー、アルビジア、イエローバーチ、イエローポプラ、イエローメランチ、イペ、イロコ、エリマ、オクメ、オベチェ、オルダー、カプール、カポック、カメレレ、カリン、カロフィルム、グバス、ゲロンガン、ケンパス、コーディア、コクタン、コクロジュア、ココヤシ、ゴムノキ、サペリ、ジェルトン、ジャラ、ジョンコン、シルバービーチ、スパニッシュシーダー、セプター、ソフトメープル、ダークレッドメランチ、タウン、ダオ、タガヤサン、チーク、ナトー、ハードメープル、バッスウッド、バルサ、ビーチ、ヒッコリー、ブビンガ、プライ、ブラックウォルナット、ブラックチェリー、ブラックビーン、ペルポック、ホアイトアッシュ、ホワイトオーク、ホワイトメランチ、マコレ、マホガニー、マラス、マンソニア、メニナ、メルサワ、メルバウ、メンゲリス、モンキーポット、ライトレッドメランチ、ラプラ、ラミン、リグナムバイタ、レッドオーク、およびローズウッドが挙げられる。耐衝撃性が向上した木製部材が特に所望されているとの理由から、本発明において、木製部材は、トラック、列車(貨車)、ターレットトラック、荷車などの車両用荷台であることが好ましく、当該車両用荷台はアピトン材、竹材またはそれらの組み合わせから構成されていることがより好ましい。
本発明のコーティング剤は、このような木製部材への付与にあたり、予めプライマー層を配置してもよく配置しなくてもよい。プライマー処理のための煩雑な作業を低減することができる一方で、耐衝撃性や塗膜の外観に実質的な差異を生じないとの理由から、本発明のコーティング剤は、当該木製部材への付与にあたり、予めプライマー層を配置しないことが好ましい。
(車両用荷台)
図1は、本発明の車両用荷台の一例を示す断面図である。
図1に示すように、本発明の車両用荷台100は、木製部材110と当該木製部材110の該表面に配置されたコーティング層120とを備える。木製部材110は、上記のような材料で構成される車両用の荷台のために加工または成形された部材である。
コーティング層120は、上記コーティング剤のA剤とB剤との混合硬化物から構成されている。A剤とB剤との混合硬化物とは、上記コーティング剤のA剤とB剤とを混合することによりA剤に含まれるポリオール成分と、B剤に含まれるポリイソシアネート成分とが反応して硬化したポリウレタン樹脂の塗膜である。
コーティング層120(塗膜)の厚みは、必ずしも限定されないが、好ましくは0.8mm〜2.5mmであり、より好ましくは1.0mm〜2.0mmである、コーティング層120の厚みが0.8mmを下回ると、木製部材110に対して十分なクッション性を提供することができずに耐衝撃性が劣る場合がある。コーティング層120の厚みが2.5mmを上回ると、木製部材110に対する耐衝撃性に大きな変化は見られず、むしろ多量のコーティング剤を使用する点で荷台の生産性を低下させる場合がある。
本発明の車両用荷台100では、図1に示すように木製部材110とコーティング層120とは直接接しており、これらの間にプライマー層は含まれていない。例えば、木製部材110の一部に傷などの凹部112が存在していたとしても、コーティング層120がこれを直接覆うことにより、略平滑な塗膜表面113を形成することができる。このことから、本発明の車両用荷台100は、木製部材110の表面状態に関わらず優れた外観を有する。
さらに、本発明の車両用荷台100では、塗膜表面113上に、図示しないトップコート層が設けられていてもよい。トップコート層は、例えばコーティング層120が紫外線の直接的な曝露を避け、および/または耐水性を付与するために設けられ得る。トップコート層を構成する材料は、例えば、耐候性に優れたポリウレタン樹脂塗料であってもよい。
図2は、本発明の車両用荷台の他の例を示す断面図である。
図2に示す本発明の車両用荷台200において、木製部材210は、隣り合う2つの木製部品210a,210bの間の目地にシーリング材214を配置して構成されている。さらに、目地の上(コーティング層220が配置された側)には、補強テープ216が貼着されている。そして、コーティング層220は、この補強テープ216および木製部材210(具体的には木製部品210a)の表面に存在する傷などの凹部212を完全に覆うように配置されている。これによりコーティング層220の塗膜表面213は略平滑な面を有することができ、本発明の車両用荷台100は、複数の木製部品210a,210bから構成される木製部材110を構成する複数の木製部品210a,210bを強固に固定するとともに、その表面状態に関わらず優れた外観を有する。
(車両用荷台の製造方法)
本発明の車両用荷台の製造方法について説明する。
まず、図3の(a)に示すように、1つの平面を形成するように複数の木製部品310a,310b,310c,310d,310e,310fが並べられ、木製部品の各間隙318a,318b,318c,318d,318eに相当する目地に公知のシーリング材が当業者に周知の手段を用いて配置される。
次いで、当該シーリング材が付与された目地に公知の補強テープ314a,314b,314c,314d,314eが貼着され、複数の木製部品310a,310b,310c,310d,310e,310fが互いに固定された木製部材310が作製される(図3の(b))。
その後、図3の(c)に示すように、木製部材310の上(例えば補強テープ314a,314b,314c,314d,314eが貼着された面上)に、本発明のコーティング剤のA剤とB剤との未硬化混合物315が付与される。図3の(c)に示すA剤とB剤との未硬化混合物は、この木製部材310上の付与の直前に、A剤およびB剤を略均一になるように混合することにより作製される。なお、A剤とB剤との混合により反応(硬化)が開始するため、木製部材310上への付与は速やかに行うことが好ましい。
木製部材310上への当該未硬化混合物315の付与は、ポリウレタン樹脂塗料の塗工用の吹付装置や高圧混合式スプレー装置により行われてもよく、あるいは直接刷毛塗りが施されてもよい。木製部材310上への当該未硬化混合物315の付与量(塗工量)は、必ずしも限定されないが、好ましくは0.7kg/m〜2.5kg/m、より好ましくは1.0kg/m〜2.0kg/mである。木製部材310上に付与される未硬化混合物315の量が0.7kg/mを下回ると、十分な厚みを有するコーティング層を得ることができず、得られる車両用荷台に対して適切な耐衝撃性が得られないことがある。木製部材310上に付与される未硬化混合物315の量が2.5kg/mを上回ると、十分な厚みを有するコーティング層を得ることができるものの、得られる車両用荷台の耐衝撃性はそれ以上変化せず、むしろ生産性を低下させることがある。
その後、未硬化混合物315が硬化するまで放置すると、木製部材310上にコーティング層320が配置された車両用荷台300を得ることができる。
このようにして車両用荷台を製造することができる。
(木製部材の耐衝撃性を高めるための方法)
木製部材の耐衝撃性は、上記車両用荷台の製造方法の説明において例示されるように、木製部材上に本発明のコーティング剤のA剤とB剤との未硬化混合物を付与し、その後当該未硬化混合物を硬化して木製部材上にコーティング層を形成することにより、高めることができる。
本発明の方法により形成されるコーティング層はポリウレタン樹脂の塗膜であり、それ自体は適切なクッション性を有する。これにより、たとえこのコーティング層に外部から衝撃が加えられたとしても、コーティング層がクッションとなって当該衝撃を吸収かつ分散し、木製部材の破損や凹みを防止することができる。このため、当該木製部材が例えば車両用荷台のである場合には、貨物の積み下ろしや不測の落下の際に当該荷台が破損したり所望でない凹みが生じることを回避できる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1:木製サンプル(E1)の作製)
10cm×10cm×1.8cmの2枚のアピトン材でなる平板(目地部にて互いの接合を可能にするために、一方の平板にはホゾが設けられており、他方の平板にはこれに対応して溝切りが行われている)を、当該目地部に1成分形ウレタン系シーリング材(セメダイン株式会社製ウレタンシールS700NB)を配置して貼り合わせた。一方、ポリオール成分を含有するA剤とポリイソシアネート成分を含有するB剤とで構成されるポリウレタン樹脂塗料(イサム塗料株式会社製「イサムフロアーGハード」)のA剤およびB剤を均一かつ手短に混合した。これが硬化する前に、上記アピトン材を合わせて得られた平面上にゴムベラ(大塚刷毛製造株式会社製)を用いて1.0kg/mの塗布量で塗布し、硬化したコーティング層を有する木製サンプル(E1)を作製した。この木製サンプル(E1)のコーティング層の厚みを、定圧厚さ測定器(株式会社テクロック製PG−20)を用いて測定し、0.9mm〜1.1mmの範囲内の塗膜を有することを確認した。
得られた木製サンプル(E1)について、以下の評価を行った。
(外観評価)
得られた木製サンプルのコーティング面を目視により観察し、コーティング層を付与していないアピトン材と対比して以下の基準により分類した:
「〇」・・・ピンホールがなく略平滑な塗膜が形成されていた。
「△」・・・ピンホールがなく、幾分表面の粗さが感じられるが使用に耐え得る塗膜が形成れていた。
「×」・・・ピンホールが目立ち使用には適切とは言い難い塗膜が形成されていた。
(付着性試験)
4cm×4cmの鉄製アタッチメントをエポキシ樹脂系接着剤(コニシ株式会社製クイックメンダー#16351)にて木製サンプルに取り付け、簡易型引張試験器(サンコーテクノ株式会社製R−20000ND)を用いて、得られた木製サンプルにおける木製部材とコーティング層との間の接着力(木製部材に対するコーティング層の付着強さ(N/mm))を測定した。
(耐衝撃性試験)
得られた木製サンプルについて、JIS K 5600−5−3(デュポン式)に準拠して、「500gかつ30cm」、「500cmかつ50cm」および「1kgかつ50cm」の各おもりの落下に伴う試験を行い、おもりをコーティング層に落下させた後の当該コーティング層の表面状態を観察して写真に撮り、以下の基準により分類した:
「〇」・・・表面に凹みがあるものの、塗膜または木製部材に割れがなかった。
「△」・・・表面に凹みがあり、塗膜または木製部材に微細な割れがあった。
「×」・・・表面に凹みがあり、塗膜または木製部材に目視でもはっきりと分かる割れがあった。
(耐湿性試験後の付着性試験)
得られたサンプルを、JIS K 5600−7−2に準拠した所定の湿度環境下に10日間配置し、次いで、4cm×4cmの鉄製アタッチメントをエポキシ樹脂系接着剤(コニシ株式会社製クイックメンダー#16351)にて木製サンプルに取り付け、簡易型引張試験器(サンコーテクノ株式会社製R−20000ND)を用いて、得られた木製サンプルにおける木製部材とコーティング層との間の接着力(木製部材に対するコーティング層の付着強さ(N/mm))を測定した。
(耐湿性試験後の耐衝撃性試験)
得られたサンプルを、JIS K 5600−7−2に準拠した所定の湿度環境下に10日間配置し、次いで、この木製サンプルについて、JIS K 5600−5−3(デュポン式)に準拠して、「500gかつ30cm」、「500cmかつ50cm」および「1kgかつ50cm」の各おもりの落下に伴う試験を行い、おもりをコーティング層に落下させた後の当該コーティング層の表面状態を観察して写真に撮り、以下の基準により分類した:
「〇」・・・表面に凹みがあるものの、塗膜または木製部材に割れがなかった。
「△」・・・表面に凹みがあり、塗膜または木製部材に微細な割れがあった。
「×」・・・表面に凹みがあり、塗膜または木製部材に目視でもはっきりと分かる割れがあった。
(耐磨耗性試験)
得られた木製サンプルについて、学振型摩擦堅牢度試験機(テスター産業株式会社製(型番:AB−301))を用いて、2cm×2cmの寸法にカットした木製パレット片を摩擦子に取り付け、コーティング層が配置された平面上に摩擦子を1000回往復させ、その後の当該平面の状態を目視で観察した。
得られた結果を表1および図4〜5に示す。
(実施例2:木製サンプル(E2)の作製)
ポリウレタン樹脂塗料の塗布量を1.5kg/mに変更したこと以外は実施例1と同様にして、硬化したコーティング層を有する木製サンプル(E2)を作製した。この木製サンプル(E2)のコーティング層の厚みを、実施例1と同様にして測定し、1.4mm〜1.6mmの範囲内の塗膜を有することを確認した。
得られた木製サンプル(E2)について、実施例1と同様にして評価した得られた結果を表1および図4〜5に示す。
(実施例3:木製サンプル(E3)の作製)
ポリウレタン樹脂塗料の塗布量を2.0kg/mに変更したこと以外は実施例1と同様にして、硬化したコーティング層を有する木製サンプル(E3)を作製した。この木製サンプル(E3)のコーティング層の厚みを、実施例1と同様にして測定し、1.9mm〜2.1mmの範囲内の塗膜を有することを確認した。
得られた木製サンプル(E3)について、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1および図4〜5に示す。
(比較例1:木製サンプル(C1)の準備)
ポリウレタン樹脂塗料の塗布を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にしてアピトン材からなる木製サンプル(C1)を得た。
得られた木製サンプル(C1)について、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1および図4〜5に示す。
Figure 2021080340
表1および図4〜5に示すように、実施例1〜3で作製された木製サンプル(E1)〜(E3)は、比較例1のサンプル(アピトン材)と比較して優れた耐衝撃性を有していた。この傾向は、各木製サンプルを耐湿性試験に晒した後の耐衝撃性試験の結果でも同様であった。さらに、実施例1〜3で作製された木製サンプル(E1)〜(E3)は、比較例1のサンプル(アピトン材)と比較して耐摩耗性にも優れており、摩擦子の往復により僅かな傷跡が確認されたものの、比較例1のようなジョイント部の割れは生じていなかった。このことから、実施例1〜3で作製された木製サンプル(E1)〜(E3)は、アピトン材に代わる車両用荷台として使用可能であることがわかる。
100,200,300 車両用荷台
110,210,310 木製部材
120,220,320 コーティング層
210a,210b 木製部品
212 凹部
213 塗膜表面
214 シーリング材
216 補強テープ
315 未硬化混合物

Claims (8)

  1. 木製部材の耐衝撃性を高めるためのコーティング剤であって、ポリオール成分を含有するA剤と、ポリイソシアネート成分を含有するB剤とをそれぞれ独立して含む、コーティング剤。
  2. 前記木製部材が車両用荷台である、請求項1に記載のコーティング剤。
  3. 前記車両用荷台がアピトン材および竹材からなる群から選択される少なくとも1種の木質部品から構成されている、請求項2に記載のコーティング剤。
  4. 前記木製部材に対してプライマー層を設けることなく直接付与して使用される、請求項1から3のいずれかに記載のコーティング剤。
  5. 木製部材と該木製部材の外表面に配置されたコーティング層とを備え、該コーティング層が請求項1に記載のコーティング剤のA剤とB剤との混合硬化物から構成されている、車両用荷台。
  6. 前記木製部材が、目地にシーリング材が配置された複数の木質部品から構成されており、該目地上に補強テープが貼着されている、請求項5に記載の車両用荷台。
  7. 前記木製部材と前記コーティング層との間にプライマー層を含まない、請求項5または6に記載の車両用荷台。
  8. 木製部材上に請求項1に記載のコーティング剤のA剤とB剤との未硬化混合物を付与する工程、および該未硬化混合物を硬化してコーティング層を得る工程、を包含する、木製部材の耐衝撃性を高めるための方法。
JP2019207331A 2019-11-15 2019-11-15 木製部材の耐衝撃性を高めるためのコーティング剤およびそれを用いた車両用荷台 Pending JP2021080340A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019207331A JP2021080340A (ja) 2019-11-15 2019-11-15 木製部材の耐衝撃性を高めるためのコーティング剤およびそれを用いた車両用荷台

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019207331A JP2021080340A (ja) 2019-11-15 2019-11-15 木製部材の耐衝撃性を高めるためのコーティング剤およびそれを用いた車両用荷台

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021080340A true JP2021080340A (ja) 2021-05-27

Family

ID=75966211

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019207331A Pending JP2021080340A (ja) 2019-11-15 2019-11-15 木製部材の耐衝撃性を高めるためのコーティング剤およびそれを用いた車両用荷台

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021080340A (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62183882U (ja) * 1986-05-16 1987-11-21
JPH01201281A (ja) * 1988-02-05 1989-08-14 Dainippon Ink & Chem Inc ボウリングレーンの補修方法及び補修材
JPH03140207A (ja) * 1989-10-26 1991-06-14 Shiyourin:Kk 衝撃吸収性銘木建材
JPH0462835U (ja) * 1990-10-11 1992-05-28
JPH10159291A (ja) * 1996-12-02 1998-06-16 Meekoo Kk 目地補強テープ及び目地処理工法
JPH11349656A (ja) * 1998-06-09 1999-12-21 Sumitomo Rubber Ind Ltd 土木・建築用ポリウレタン組成物及びポリウレタン塗膜
JP2012062650A (ja) * 2010-09-15 2012-03-29 Chubu Flooring Co Ltd 木質系床材及び建物
JP2012091680A (ja) * 2010-10-27 2012-05-17 Porimaato:Kk 車両用床材及びその製造方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62183882U (ja) * 1986-05-16 1987-11-21
JPH01201281A (ja) * 1988-02-05 1989-08-14 Dainippon Ink & Chem Inc ボウリングレーンの補修方法及び補修材
JPH03140207A (ja) * 1989-10-26 1991-06-14 Shiyourin:Kk 衝撃吸収性銘木建材
JPH0462835U (ja) * 1990-10-11 1992-05-28
JPH10159291A (ja) * 1996-12-02 1998-06-16 Meekoo Kk 目地補強テープ及び目地処理工法
JPH11349656A (ja) * 1998-06-09 1999-12-21 Sumitomo Rubber Ind Ltd 土木・建築用ポリウレタン組成物及びポリウレタン塗膜
JP2012062650A (ja) * 2010-09-15 2012-03-29 Chubu Flooring Co Ltd 木質系床材及び建物
JP2012091680A (ja) * 2010-10-27 2012-05-17 Porimaato:Kk 車両用床材及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8337994B2 (en) Trailer flooring with hotmelt coating
US6318794B1 (en) Flooring panel for a transport vehicle
US5643983A (en) Moisture curable 100% solids one component plywood adhesive
US20140000201A1 (en) Wood flooring with sealed joints for truck trailers and containers
Vrazel The effects of species, adhesive type, and cure temperature on the strength and durability of a structural finger joint
Kläusler Improvement of one-component polyurethane bonded wooden joints under wet conditions
JP2007229666A (ja) 多層塗膜、該多層塗膜を備える基材、およびこれらの製造方法
JP2021080340A (ja) 木製部材の耐衝撃性を高めるためのコーティング剤およびそれを用いた車両用荷台
US20220212450A1 (en) Multi-layer wood composite block, multi-layer wood veneer, and method for the production thereof
CN108025525B (zh) 胶合板制品
JP4823382B1 (ja) 車両用床材及びその製造方法
JP5828673B2 (ja) 木質繊維板、該木質繊維板を用いた木質複合板および床材ならびにこれらの製造方法
US20130313857A1 (en) Wood flooring with protective coating for truck trailers and containers
JP2009178877A (ja) 化粧板
JPH1176929A (ja) 木材の被覆方法及び被覆木材
JP4337480B2 (ja) 化粧シート
JP5529808B2 (ja) 車両用床材及びその補修方法
JP2009051102A (ja) 建築板及び建築板の製造方法
CN217022495U (zh) 一种铁路平车用复合木地板
IT201800003227A1 (it) Pannello di legno rivestito, suoi usi e relativo processo di produzione.
US20190263957A1 (en) Hard clear protective paint coating
KR101699953B1 (ko) 목재 가구용 방수제
JP4996534B2 (ja) 化粧板の製造方法
JP2002102792A (ja) コンクリート型枠用塗装合板の製造方法
EP3194252B1 (en) A conveyor floor and a method for applying such a conveyor floor.

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20220728

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220901

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230519

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230620

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230802

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231017

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20240416