JP2021080226A - 乳化化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】乳化安定性に優れ、かつ、塗った後にさらさら感を呈し得る、極性油及び使用性粒子を含む乳化化粧料を提供する。【解決手段】本開示の乳化化粧料は、水を含む水相、並びに油分、及び非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子を含む油相を含み、前記油分が、油分全量に対し、IOBが0.10以上の極性油及び紫外線吸収剤から選択される少なくとも一種を30質量%以上含み、前記非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子の含有量が、化粧料全量に対し、3質量%以上である。【選択図】図3

Description

本開示は、乳化化粧料に関する。
化粧料の分野では、使用性を改善した種々の化粧料が開発されている。
特許文献1には、スキンケア組成物からなる下層に、最上層として適用される仕上げ剤組成物であって、10〜25重量%の、2〜40マイクロメートルの粒径を有する実質的に球状のシリコーンエラストマー粒子と、不揮発性油とシリコーンエラストマー粒子の比が1:10〜3:2である、不揮発性油と、20〜85重量%の水と、任意追加的に1〜20重量%の揮発性油と、を含み、前記組成物が水中油型エマルジョンであり、前記組成物の保湿剤の濃度は1重量%未満であり、前記組成物の顔料の濃度は1重量%未満であり、該スキンケア組成物は5〜25重量%の保湿剤を含み、かつ粒子を含まない、すべすべ又はつるつるした感触を呈し得る仕上げ剤組成物が開示されている。
特許文献2には、酸化亜鉛、紫外線吸収剤、25℃における動粘度が1.5〜10.0mm/sであるジメチルポリシロキサン、アクリロイルジメチルタウリン酸塩に由来する構成単位を含むポリマー、及び水を含有し、酸化亜鉛の含有量が9.0質量%以上であり、紫外線吸収剤の含有量が8.0質量%以上である、きしみ感及びべたつきを低減し得る水中油型皮膚化粧料が開示されている。
特許第6474084号公報 特開2019−064945号公報
乳化化粧料で使用される油分としては、無極性油が広く使用されている。しかしながら、近年、極性油、又は極性油に該当し得る紫外線吸収剤が使用されるようになってきた。このような極性を有する油分は、無極性油に比べて乳化安定性に乏しく、また、このような乳化安定性の乏しい極性油を含む乳化化粧料に対し、例えば、使用性粒子等の添加剤を配合した場合には、その乳化安定性がより一層不安定化するおそれがあった。
したがって、本開示の主題は、乳化安定性に優れ、かつ、塗った後にさらさら感を呈し得る、極性油及び使用性粒子を含む乳化化粧料を提供することである。
〈態様1〉
水を含む水相、並びに
油分、及び非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子を含む油相を含み、
前記油分が、油分全量に対し、IOBが0.10以上の極性油及び紫外線吸収剤から選択される少なくとも一種を30質量%以上含み、
前記非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子の含有量が、化粧料全量に対し、3質量%以上である、
乳化化粧料。
〈態様2〉
前記水相が、水を含む分散媒であり、
前記油相が、前記分散媒中に分散している油滴である、水中油型の乳化化粧料であって、
前記油滴が、乳化剤を含む、態様1に記載の化粧料。
〈態様3〉
前記油相が、油分、及び非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子を含む分散媒であり、
前記水相が、前記分散媒中に分散している水滴である、油中水型の乳化化粧料であって、
前記水滴が、乳化剤を含む、態様1に記載の化粧料。
〈態様4〉
前記乳化剤として、界面活性能を有する増粘剤を含む、態様2又は3に記載の化粧料。
〈態様5〉
前記乳化剤として、非イオン性界面活性剤をさらに含む、態様4に記載の化粧料。
〈態様6〉
前記増粘剤が、増粘部位及び界面活性部位を有するポリマーから構成される、態様4又は5に記載の化粧料。
〈態様7〉
前記増粘部位が、タウリン基、アクリレート基、及びメタクリレート基から選択される少なくとも一種の官能基を有し、かつ、前記界面活性部位が、繰り返し単位が20〜25のポチエチレングリコール基を有する、態様6に記載の化粧料。
〈態様8〉
前記非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子の平均粒子径が、1〜8μmである、態様1〜7のいずれかに記載の化粧料。
〈態様9〉
前記非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子、並びに前記IOBが0.10以上の極性油及び紫外線吸収剤から選択される少なくとも一種の質量比が、1:6〜1:1である、態様1〜8のいずれかに記載の化粧料。
〈態様10〉
前記増粘剤及び前記非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子の質量比が、1:26〜1:5である、態様4〜9のいずれかに記載の化粧料。
本開示によれば、乳化安定性に優れ、かつ、塗った後にさらさら感を呈し得る、極性油及び使用性粒子を含む乳化化粧料を提供することができる。
(a)は、非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子を油相パーツに先に配合し、かかる油相パーツを用いて調製した実施例7の水中油型の乳化化粧料の写真であり、(b)は、水中油型乳化組成物を調製しておき、かかる粒子を後から添加して得られた実施例1の水中油型の乳化化粧料の写真である。 (a)は、ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子を油相パーツに先に配合し、かかる油相パーツを用いて調製した比較例3の水中油型の乳化化粧料の写真であり、(b)は、水中油型乳化組成物を調製しておき、かかる粒子を後から添加して得られた比較例1の水中油型の乳化化粧料の写真である。 (a)は、非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子を使用した本開示の一実施態様である水中油型乳化化粧料の模式図であり、(b)は、ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子を使用した場合の水中油型乳化化粧料の模式図である。
以下、本開示の実施の形態について詳述する。本開示は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、発明の本旨の範囲内で種々変形して実施できる。
本開示の乳化化粧料は、水を含む水相、並びに油分、及び非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子を含む油相を含み、この油分が、油分全量に対し、IOBが0.10以上の極性油及び紫外線吸収剤から選択される少なくとも一種を30質量%以上含み、かつ、非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子の含有量は、化粧料全量に対し、3質量%以上である。
原理によって限定されるものではないが、本開示の乳化化粧料が、極性油及び使用性粒子を比較的高度に含むにもかかわらず、乳化安定性に優れ、かつ、塗った後にさらさら感を呈し得る作用原理は以下のとおりであると考える。
例えば、図1の写真に示される化粧料は、本開示の一実施態様である水中油型の乳化化粧料であり、使用性粒子である非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子(以下「非ビニル変性粒子」と称する場合がある。)と極性油を含んでいるが、分離することなく安定した化粧料が得られている。一方、図2の写真に示される化粧料は、同じく使用性粒子のビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子(以下「ビニル変性粒子」と称する場合がある。)と極性油を用いて調製した水中油型の乳化化粧料であるが、こちらは水相と油相が明らかに分離している。両者の相違は、使用する粒子の相違のみであることから、かかる粒子の相違が、乳化安定性に影響していると考えられる。
分離した油相を光学顕微鏡で観察すると、本開示で使用する非ビニル変性粒子は、図3(a)で示されるように、紫外線吸収剤等の極性油を含む油滴内において安定して分散することができる一方で、特許文献1の実施例に記載されるようなビニル変性粒子は、例えば、図3(b)で示されるように、極性油を含む油滴内で凝集し、その凝集物が油滴界面に移行するため、油滴界面の乳化バランスが崩れて、水相と油相が分離すると考えている。
ビニル変性粒子は、非ビニル変性粒子よりも吸油量が多いため、乳化安定性を考慮した場合、一般には、当業者であればビニル変性粒子の使用を通常考える。しかしながら、極性油が高度に配合されている乳化化粧料の場合には、驚くべきことに、非ビニル変性粒子の方が乳化安定性に対して効果的であった。
また、本開示の乳化化粧料は、使用性粒子を3%以上と比較的高度に配合することができるため、かかる化粧料を皮膚に適用したときに、さらさら感を発現させることができる。
油相中に使用性粒子が安定性して3%以上と高度に配合されていると、かかる粒子同士のパッキング作用によって油相を増粘させることができ、この増粘作用も乳化安定性に貢献していると考えている。
《乳化化粧料》
本開示の乳化化粧料は、乳化安定性に優れている。ここで、乳化安定性とは、例えば、0℃〜37℃で4週間、好ましくは50℃で4週間、分離していない状態、好ましくは乳化粒子(油滴又は水滴)のサイズ変化がない状態を意図することができる。
例えば、50℃で4週間保管した状態における油滴又は水滴の増大率を、30%以下、25%以下、又は20%以下に抑制することができる。油滴又は水滴の増大率の下限値については特に制限はないが、例えば、0%以上又は0%超とすることができる。この増大率は、油滴又は水滴の平均粒径の初期値及び50℃で4週間保管後の油滴又は水滴の平均粒径の値から、下記の式1より算出することができる:
増大率(%)={(50℃で4週間保管後の油滴又は水滴の平均粒径の値−油滴又は水滴の平均粒径の初期値)×100}/(油滴又は水滴の平均粒径の初期値) …式1
本開示の乳化化粧料は、水相及び油相を含む乳化組成物であればよく、水中油型又は油中水型のいずれであってもよいが、水中油型の乳化化粧料の方が、べたつき感を発現させやすい油分量を低減することができ、塗るときのみずみずしさと、塗った後のさらさら感を発現させることができるため有利である。
〈水中油型乳化化粧料〉
本開示の水中油型乳化化粧料は、水相として、水を含む分散媒、及び、油相として、この分散媒中に分散している油滴を含み、かつ、かかる油滴が、油分、乳化剤、及び非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子を含み、また、油分が、油分全量に対し、IOBが0.10以上の極性油及び紫外線吸収剤から選択される少なくとも一種を30質量%以上含み、かつ、非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子の含有量は、化粧料全量に対し、3質量%以上とすることができる。
このような水中油型乳化化粧料は、上述したように、乳化安定性に優れるとともに、皮膚に適用するときにはみずみずしく、適用した後にはさらさら感を発現させることができ、次のような粘度を呈することができる。
本開示の水中油型乳化化粧料は、例えば、30℃の雰囲気下、B型粘度計(TVB形粘度計TVB−15、東機産業株式会社製、ローター番号H6)を用い、10回転/分で測定したときの初期粘度としては、1,000mPa・s以上、3,000mPa・s以上、5,000mPa・s以上、10,000mPa・s以上、13,000mPa・s以上、15,000mPa・s以上、17,000mPa・s以上、19,000mPa・s以上、20,000mPa・s以上、23,000mPa・s以上、又は25,000mPa・s以上とすることができ、また、100,000mPa・s以下、90,000mPa・s以下、80,000mPa・s以下、70,000mPa・s以下、60,000mPa・s以下、50,000mPa・s以下、又は45,000mPa・s以下とすることができる。ここで、「初期粘度」とは、化粧料調製後、1時間以内の粘度を意図する。
本開示の水中油型乳化化粧料は、乳化安定性に優れるため、例えば、50℃で4週間保管後の化粧料を上記の装置及び条件で測定したときの粘度(「高温保管粘度」と称する場合がある。)として、1,000mPa・s以上、3,000mPa・s以上、5,000mPa・s以上、10,000mPa・s以上、13,000mPa・s以上、15,000mPa・s以上、17,000mPa・s以上、19,000mPa・s以上、20,000mPa・s以上、23,000mPa・s以上、又は25,000mPa・s以上とすることができ、また、100,000mPa・s以下、90,000mPa・s以下、80,000mPa・s以下、70,000mPa・s以下、60,000mPa・s以下、50,000mPa・s以下、又は45,000mPa・s以下とすることができる。
(分散媒)
本開示の水中油型乳化化粧料は、水等の分散媒を含む。
A.水
本開示の水中油型乳化化粧料で使用し得る水としては、特に限定されるものではないが、化粧料、医薬部外品等に使用される水を使用することができる。例えば、イオン交換水、蒸留水、超純水、水道水等を使用することができる。
水の配合量としては、特に制限されるものではないが、例えば、乳化安定性、みずみずしさの発現性等の観点から、化粧料全量に対し、30質量%以上、35質量%以上、又は40質量%以上とすることができ、また、90質量%以下、80質量%以下、70質量%以下、60質量%以下、又は50質量%以下とすることができる。
(油滴)
水中油型乳化化粧料における油相又は分散相としての油滴は、油分、乳化剤、及び非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子を含んでいる。
このような油滴の平均粒子径としては、例えば、作製直後において、2μm以上、3μm以上、4μm以上、又は5μm以上とすることができ、50μm以下、40μm以下、30μm以下、20μm以下、又は10μm以下とすることができる。ここで、油滴の平均粒子径は、光学顕微鏡で観察した10個以上、好ましくは100個以上の油滴の投影面積円相当径の平均値として規定することができる。
B.油分
本開示の水中油型乳化化粧料中の油分の含有量としては特に制限はなく、例えば、化粧料の全量に対し、1質量%以上、3質量%以上、5質量%以上、7質量%以上、10質量%以上、13質量%以上、又は15質量%以上とすることができ、また、50質量%以下、40質量%以下、30質量%以下、25質量%以下、又は20質量%以下とすることができる。
本開示の乳化化粧料は、油分として、IOBが0.10以上の極性油及び紫外線吸収剤から選択される少なくとも一種を含む。かかる油分は、油分全体に対し、30質量%以上、40質量%以上、又は50質量%以上含むことができる。これらの油分の上限値については特に制限はなく、例えば、100質量%以下、90質量%以下、又は80質量%以下とすることができる。ここで、IOBが0.10以上の有機系紫外線吸収剤は、油分とみなすことができる。
極性油及び紫外線吸収剤のIOB値は、例えば、0.10以上、0.11以上、0.12以上、又は0.13以上とすることでき、また、0.50以下、0.45以下、又は0.40以下とすることができる。ここで、IOB値とは、Inorganic/Organic Balance(無機性/有機性比)の略であって、無機性値の有機性値に対する比率を表す値であり、有機化合物の極性の度合いを示す指標となるものである。IOB値は、具体的には、IOB値=無機性値/有機性値として表される。「無機性値」、「有機性値」のそれぞれについては、例えば、分子中の炭素原子1個について「有機性値」が20、水酸基1個について「無機性値」が100といったように、各種原子又は官能基に応じた「無機性値」、「有機性値」が設定されており、有機化合物中の全ての原子及び官能基の「無機性値」、「有機性値」を積算することによって、当該有機化合物のIOB値を算出することができる(例えば、甲田善生著、「有機概念図−基礎と応用−」、p.11〜17、三共出版、1984年発行参照)。
a.IOBが0.10以上の極性油
このような条件を満たす極性油の例としては、ミリスチン酸イソプロピル(IOB値=0.18)、パルミチン酸オクチル(IOB値=0.13)、パルミチン酸イソプロピル(IOB値=0.16)、ステアリン酸ブチル(IOB値=0.14)、ラウリン酸ヘキシル(IOB値=0.17)、ミリスチン酸ミリスチル(IOB値=0.11)、オレイン酸デシル(IOB値=0.11)、イソノナン酸イソノニル(IOB値=0.20)、イソノナン酸イソトリデシル(IOB値=0.15)、エチルヘキサン酸セチル(IOB値=0.13)、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル(IOB値=0.35)、コハク酸ジエチルヘキシル(IOB値=0.32)、コハク酸ジオクチル(IOB値=0.36)、ジステアリン酸グリコール(IOB値=0.16)、ジイソステアリン酸グリセリル(IOB値=0.29)、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール(IOB値=0.25)、リンゴ酸ジイソステアリル(IOB値=0.28)、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン(IOB値=0.16)、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル(トリエチルヘキサノイン)(IOB値=0.35)、トリオクタン酸トリメチロールプロパン(IOB値=0.33)、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン(IOB値=0.16)、アジピン酸ジイソブチル(IOB値=0.46)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル(IOB値=0.29)、アジピン酸2−ヘキシルデシル(IOB値=0.16)、セバシン酸ジイソプロピル(IOB値=0.40)、パルミチン酸2−エチルヘキシル(IOB値=0.13)、エチルヘキサン酸2−エチルヘキシル(IOB値=0.2)、トリイソステアリン(IOB値=0.16)、ジピバリン酸PPG−3(IOB値=0.52)、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル(IOB値=0.33)、等が挙げられる。これらは単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
b.IOBが0.10以上の紫外線吸収剤
このような条件を満たす紫外線吸収剤の例としては、例えば、オクチルメトキシシンナメート(メトキシケイヒ酸エチルヘキシル)、オクトクリレン、ポリシリコーン−15、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、エチルヘキシルトリアゾン、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、オキシベンゾン−3、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、ホモサレート、サリチル酸エチルへキシル等の有機系の紫外線吸収剤を挙げることができる。これらの紫外線吸収剤は、単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
C.乳化剤
本開示における乳化剤とは、乳化機能(界面活性能)を有する剤を意図し、一般的な界面活性剤に限らず、例えば、界面活性能を有する増粘剤なども包含することができる。乳化化粧料の乳化安定性等の観点から、乳化剤は、界面活性剤と界面活性能を有する増粘剤とを併用することが好ましい。
水中油型乳化化粧料中の乳化剤の含有量としては特に制限はなく、例えば、化粧料の全量に対し、0.1質量%以上、0.3質量%以上、又は0.5質量%以上とすることができ、また、5.0質量%以下、4.0質量%以下、3.0質量%以下、又は2.0質量%以下とすることができる。
a.界面活性剤
界面活性剤としては特に制限はなく、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤を使用することができるが、乳化安定性等の観点から、非イオン性界面活性剤が好ましい。これらは単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、POE(10〜50モル)2−オクチルドデシルエーテル、POE(10〜50モル)デシルテトラデシルエーテル、POE(10〜30モル)ベヘニルエーテル、POE(10〜50モル)セチルエーテル、POE(20〜60モル)ソルビタンモノオレート、POE(10〜60モル)ソルビタンモノイソステアレート、POE(10〜50モル)フィトステロールエーテル、POE(20〜100)硬化ヒマシ油誘導体、POE(5〜30モル)POP(5〜30モル)2−デシルテトラデシルエーテル、POE(10〜50モル)POP(2〜30モル)セチルエーテル、POE(10〜80モル)グリセリルモノイソステアレート、POE(10〜30モル)グリセリルモノステアレート、ポリエーテル変性シリコーン等を挙げることができる。中でも、POE(30モル)2−オクチルドデシルエーテル、POE(30モル)フィトステロールエーテル、POE(60モル)硬化ヒマシ油誘導体、POE(30モル)ベヘニルエーテル、POE(20モル)グリセリルモノイソステアレート、POE(10モル)メチルポリシロキサン共重合体等が好ましく、POE(60モル)硬化ヒマシ油誘導体がより好ましい。
b.界面活性能を有する増粘剤
界面活性能を有する増粘剤は、界面活性剤のように油分を水相中に乳化させる機能を有するとともに、水相を増粘させる機能を有している。かかる増粘剤としては特に制限はないが、例えば、増粘部位及び界面活性部位を有するポリマーから構成される増粘剤を使用することができる。かかるポリマーの増粘部位としては、例えば、タウリン基、アクリレート基、及びメタクリレート基から選択される少なくとも一種の官能基を採用することができ、また、界面活性部位としては、例えば、繰り返し単位が20〜25のポチエチレングリコール基を採用することができる。一般的な増粘剤を使用した場合、増粘剤の一部が、極性油に取り込まれ、水相を十分に増粘させることができず、乳化安定性を低下させるおそれがある。しかしながら、このような増粘部位及び界面活性部位を有するポリマーから構成される増粘剤は、極性油に取り込まれにくく、水相を十分に増粘させることができるため、乳化安定性をより向上させることができる。これらの増粘剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
中でも、乳化安定性の観点から、アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル・ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル共重合体エマルション(「アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス−20)コポリマー」と表記する場合がある。)、アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/ポリオキシエチレン(25)ベヘニルメタクリレート共重合体(「(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸ベヘネス−25)クロスポリマー」と表記する場合がある。)が好ましい。これらの増粘剤と、上述した非イオン性界面活性剤、中でも、POE(60モル)硬化ヒマシ油誘導体とを併用すると、乳化化粧料の乳化安定性をより向上させることができる。
D.非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子
本開示の水中油型乳化化粧料中の非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子の含有量は、塗った後の使用感(例えば、さらさら感)等の観点から、化粧料全量に対し、3質量%以上、5質量%以上、7質量%以上、又は10質量%以上とすることができ、また、30質量%以下、25質量%以下、又は20質量%以下とすることができる。
非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子の平均粒子径としては、特に制限はなく、例えば、塗った後の使用感、乳化安定性等の観点から、1μm以上、2μm以上、又は3μm以上とすることができ、また、8μm以下、7μm以下、又は6μm以下とすることができる。平均粒子径は、例えば、粒子形状を球状と仮定したときに、動的光散乱法等により光学的に測定された粒子の直径の平均値として規定することができる。
非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子の吸油量としては、乳化安定性の観点から、例えば、油(極性油)としてエチルヘキサン酸セチルを使用した場合において、粒子1g当たり、1.0g以下、0.9g以下、0.8g以下、又は0.7g以下とすることができ、0.1g以上、0.2g以上、0.3g以上、0.4g以上、又は0.5g以上とすることができる。ここで、例えば、「粒子1g当たり1.0g以下」は、「1.0g(油)/1.0g(粒子)以下」と表記してもよい。また、この吸油量は、次のようにして求めることができる。
(1)粒子試料2gをガラス板に取り、エチルヘキサン酸セチルをビューレットから少量ずつ試料中央に滴下し、その都度全体をヘラで十分に練り合わせる。
(2)この操作を繰り返し、試料からエチルヘキサン酸セチルが染み出してこれ以上入らない量を終点とする。
(3)これに要したエチルヘキサン酸セチルの量を求め、以下の式2から吸油量を算出する:
吸油量=エチルヘキサン酸セチルの質量(g)/粒子試料の質量(g) …式2
本発明者は、非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子が、ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子よりも、極性油を含む油相中において凝集しにくい性能を有していることを見出している。この性能は、ビニル変性のような表面処理の有無が関与していると考えており、粒子の凝集性、乳化安定性の観点から、粒子に対し、ビニル変性処理以外に、例えば、アクリル変性、メタクリル変性、エポキシ変性、アミノ変性、カルボキシル変性、及びアルコール変性から選択される少なくとも一種の変性処理も施されていないことがより好ましく、未変性の架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子であることが最も好ましい。
非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子と、上述したIOBが0.10以上の極性油及び紫外線吸収剤から選択される少なくとも一種との質量比は、例えば、乳化安定性、塗布後の使用感等の観点から、1:6〜1:1の範囲が好ましく、1:5〜1:1.2の範囲がより好ましい。
乳化化粧料が、上述した乳化機能を有する増粘剤を含む場合には、かかる増粘剤と、非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子との質量比は、例えば、乳化安定性等の観点から、1:26〜1:5の範囲が好ましく、1:22〜1:7の範囲がより好ましい。
〈油中水型乳化化粧料〉
本開示の油中水型乳化化粧料は、油相として、油分、及び非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子を含む分散媒、並びに、水相として、この分散媒中に分散している水滴を含み、かつ、かかる水滴が、水、及び乳化剤を含み、また、油分が、油分全量に対し、IOBが0.10以上の極性油及び紫外線吸収剤から選択される少なくとも一種を30質量%以上含み、かつ、非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子の含有量は、化粧料全量に対し、3質量%以上とすることができる。
このような油中水型乳化化粧料も、乳化安定性に優れるとともに、皮膚に適用した後にさらさら感を発現させることができる。
油中水型乳化化粧料において使用し得る、水、乳化剤、油分、非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子としては、上述の水中油型乳化化粧料で採用したものを同様に使用することができる。
油中水型乳化化粧料中の油分の含有量としては特に制限はなく、例えば、乳化安定性等の観点から、化粧料全量に対し、30質量%以上、35質量%以上、又は40質量%以上とすることができ、また、90質量%以下、80質量%以下、70質量%以下、60質量%以下、又は50質量%以下とすることができる。
油中水型乳化化粧料中の水の含有量としては特に制限はなく、例えば、化粧料の全量に対し、1質量%以上、3質量%以上、5質量%以上、7質量%以上、10質量%以上、13質量%以上、又は15質量%以上とすることができ、また、50質量%以下、40質量%以下、30質量%以下、25質量%以下、又は20質量%以下とすることができる。
油中水型乳化化粧料中の乳化剤の含有量としては特に制限はなく、例えば、化粧料の全量に対し、0.1質量%以上、0.3質量%以上、又は0.5質量%以上とすることができ、また、5.0質量%以下、4.0質量%以下、3.0質量%以下、又は2.0質量%以下とすることができる。
油中水型乳化化粧料中の非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子の含有量としては、塗った後の使用感(例えば、さらさら感)等の観点から、化粧料全量に対し、3質量%以上、5質量%以上、7質量%以上、10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上、25質量%以上、又は30質量%以上とすることができ、また、50質量%以下、45質量%以下、40質量%以下、35質量%以下、30質量%以下、25質量%以下、又は20質量%以下とすることができる。油中水型乳化化粧料では、油相が分散相を構成するため、水中油型乳化化粧料よりも多くの非ビニル変性粒子を配合することができる。
非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子と、上述したIOBが0.10以上の極性油及び紫外線吸収剤から選択される少なくとも一種との質量比は、例えば、乳化安定性、塗布後の使用感等の観点から、1:6〜1:1の範囲が好ましく、1:5〜1:1.2の範囲がより好ましい。
乳化化粧料が、上述した界面活性能を有する増粘剤を含む場合には、かかる増粘剤と、非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子との質量比は、例えば、乳化安定性等の観点から、1:26〜1:5の範囲が好ましく、1:22〜1:7の範囲がより好ましい。
(任意成分)
本開示の乳化化粧料は、上述した各種成分のほかに、本発明の効果に影響を及ぼさない範囲で、例えば、化粧料に通常配合し得るような各種の添加成分を配合することができる。例えば、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ダイナマイトグリセリン等の保湿剤、水溶性高分子、油溶性高分子、シリコーン化多糖類等の皮膜形成剤、金属イオン封鎖剤、中和剤、エタノール等の低級アルコール、PEG6000及びジプロピレングリコール等の多価アルコール、バチルアルコール等の二価の高級アルコール、各種抽出液、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、キレート剤、上記紫外線吸収剤以外の他の紫外線吸収剤、酸化亜鉛等の紫外線散乱剤、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、医薬品、医薬部外品、化粧品等に適用可能な水溶性薬剤、酸化防止剤、緩衝剤、防腐剤、酸化防止助剤、上記以外の増粘剤、分散剤、噴射剤、上記以外の他の使用性粉末、顔料、パール剤、染料、色素、香料、酸成分、アルカリ成分、ジメチコン等の無極性の油分等を挙げることができる。これらの任意成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用することができ、油相中又は水相中に適宜配合することができる。
本開示の乳化化粧料は、乳化安定性等に影響を及ぼさない範囲であれば、ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子を配合してもよいが、乳化安定性の観点から、ビニル変性粒子の配合量は、化粧料全量に対し、1質量%以下、0.5質量%以下、又は0.1質量%以下であることが好ましく、ビニル変性粒子は化粧料中に含まれないことがより好ましい。
《乳化化粧料の用途》
本開示の乳化化粧料は、使用性粒子である非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子を3%以上と高度に配合することができるため、化粧料を皮膚に適用したときに、さらさら感を発現させることができる。乳化化粧料が、水中油型の形態である場合には、さらに、皮膚に適用するときにみずみずしい感触を使用者に提供することができる。したがって、このような使用感を呈する本開示の化粧料は、例えば、皮膚に対して塗り広げて適用される化粧料として使用することができる。ここで、皮膚に適用される化粧料には、皮膚外用剤と呼ばれるものも包含することができる。
本開示の乳化化粧料は、例えば、乳液状、クリーム状、液状といった剤型を採用することができる。
本開示の化粧料の製品形態としては、特に限定されるものではないが、例えば、化粧水、美容液、乳液、パック等のフェーシャル化粧料;ファンデーション、アイシャドー等のメーキャップ化粧料;日焼け止め化粧料(サンスクリーン剤);ボディー化粧料;メーク落とし、ボディーシャンプーなどの皮膚洗浄料;ヘアリキッド、ヘアトニック、ヘアコンディショナー、シャンプー、リンス、育毛料等の毛髪化粧料;シェービングクリーム、プレシェービングローション、アフターシェービングローション等の髭剃り化粧料;軟膏などを挙げることができる。
《乳化化粧料の製造方法》
本開示の乳化化粧料は、例えば、分散法、凝集法といった公知の方法により調製することができる。
分散法とは、分散相の塊を機械的な力により微細化する方法である。具体的には、乳化機の破砕力を利用して乳化する方法であり、このような方法として、例えば、高圧ホモジナイザーを用いて高剪断力を付加する高圧乳化法などを挙げることができる。
凝集法とは、界面化学的特性を利用したコロイド調製法であり、一様に溶け合った状態から何らかの手段で過飽和状態にし、分散相となるものを出現させる方法である。具体的な手法として、HLB温度乳化法、転相乳化法、非水乳化法、D相乳化法、液晶乳化法等が知られている。
一例として、以下に、本開示の乳化化粧料の製造方法について説明する。
例えば、水、乳化剤、及び任意に水性の添加剤を混合して水相パーツを調製し、油分、及び油性の添加剤を混合して油相パーツを調製する。次いで、水中油型の乳化化粧料を得る場合には、水相パーツに油相パーツを加え、常法により乳化させて水中油型の乳化組成物を調製し、また、油中水型の乳化化粧料を得る場合には、油相パーツに水相パーツを加え、常法により乳化させて油中水型の乳化組成物を調製する。得られた乳化組成物に対し、非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子を含む粒子(粉末)パーツを加え、攪拌することによって、本開示の乳化化粧料を調製することができる。
非ビニル変性粒子は、油相パーツに予め添加しておいてもよいが、この場合には、油相の粘度が上昇しやすく、例えば、水中油型の乳化化粧料では、水相中に非ビニル変性粒子を含む油滴を分散させづらく、均一な乳化化粧料を簡易に得られない場合ある。したがって、均一な乳化化粧料を簡易に得る観点から、非ビニル変性粒子は、乳化組成物を調製した後に添加することが好ましい。
以下に実施例を挙げて、本開示についてさらに詳しく説明を行うが、本開示はこれらに限定されるものではない。なお、以下、特に断りのない限り、配合量は質量部で示す。
《実施例1〜7及び比較例1〜3》
表2に示す処方及び下記に示す製造方法により得た水中油型乳化化粧料である日焼け止め化粧料について、以下の評価を行い、その結果を表2に示す。なお、表2における、「油分中の極性油の割合」及び「非ビニル変性粒子と極性油の比率」の計算で使用する極性油には、極性油であるセバシン酸ジイソプロピル以外に、極性油としても機能する紫外線吸収剤(UV吸収剤)も含まれる。
〈評価方法1〉
(油滴の平均粒子径の評価)
化粧料作製直後の化粧料中の油滴(乳化粒子)の平均粒子径の測定は、光学顕微鏡(BX53、OLYMPUS社製)で直接目視により観察し、任意に選択した10個の油滴の投影面積円相当径の平均値として求めた。その結果を、表2にまとめる。
(pHの評価)
乳化化粧料のpHは、pH試験機(HORIBA pH METER F−51)を用いて測定した。
(初期粘度の評価)
化粧料作製直後の化粧料の粘度(初期粘度)は、ローター番号H6、30℃、10回転/分の条件で、B型粘度計(TVB形粘度計TVB−15、東機産業株式会社製)を用いて評価した。その結果を、表2にまとめる。なお、分離している状態の化粧料については粘度の評価を実施しなかった。
(高温保管粘度の評価)
50℃で4週間保管後の化粧料の粘度(高温保管粘度)を、上記の装置及び条件を採用して同様に評価した。その結果を、表2にまとめる。なお、分離している状態の化粧料については粘度の評価を実施しなかった。
(使用性の評価)
5名の専門パネルにより、各試料を肌に塗布し、塗布時又は塗布中のみずみずしさ、塗布後のさらさら感について、下記の評価基準により評価した。その結果を表2に示す。ここで、A〜C評価までが合格、D評価は不合格とみなすことができる。
A:5名が、みずみずしさとさらさら感が感じられると回答した。
B:3〜4名が、みずみずしさとさらさら感が感じられると回答した。
C:2名が、みずみずしさとさらさら感が感じられると回答した。
D:0〜1名が、みずみずしさとさらさら感が感じられると回答した。
(高温安定性の評価)
50℃で4週間保管後の化粧料を、目視で観察し、下記の評価基準により評価した。その結果を表2に示す。ここで、A及びB評価までが合格、C評価は不合格とみなすことができる。
A:化粧料の分離が生じていなかった。
B:化粧料の分離が僅かに生じていた。
C:化粧料が明らかに分離していた。
本実施例で使用した材料を表1に示す。ここで、表1におけるUV吸収剤は、いずれもIOBが0.10以上の有機系紫外線吸収剤であるため、極性油とみなすことができる。
Figure 2021080226
〈化粧料の製造方法1〉
(実施例1)
表2に示す処方を用い、以下の方法によって水中油型乳化化粧料を製造した。ここで、以下に示す番号は、表2の処方の左側の成分を示す番号と一致する。
No.1のイオン交換水に、No.2〜No.8の材料を添加し、均一に混合して水相パーツを調製した。
No.9〜No.11の油分を均一に混合した後に、No.12〜No.15のUV吸収剤を添加し、均一に混合して油相パーツを調製した。
No.16及びNo.17のパール剤と、No.18の使用性粉末を均一に混合して混合物を調製した。この混合物に、No.20の使用性粉末を添加して粉末パーツを調製した。
水相パーツに油相パーツを徐々に添加し、ディスペンサーで均一に分散させて乳化組成物を調製した後に、粉末パーツを徐々に添加し、ディスペンサーで均一に分散させて、実施例1の水中油型乳化化粧料を調製した。
(実施例2〜6及び比較例1〜2)
表2の処方に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜6及び比較例1〜2の水中油型乳化化粧料を調製した。
Figure 2021080226
〈結果〉
ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子を含む比較例1及び2の化粧料は、作製直後から分離しており、使用性及び高温安定性が共に劣っていた。一方、非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子を含む実施例1〜6の化粧料はいずれも、使用性及び高温安定性に優れることが確認できた。
〈化粧料の製造方法2〉
(実施例7)
表2の実施例1と同一の処方を用い、以下の方法によって水中油型乳化化粧料を製造した。ここで、以下に示す番号は、表2の処方の左側の成分を示す番号と一致する。
No.1のイオン交換水に、No.2〜No.8の材料を添加し、均一に混合して水相パーツを調製した。
No.9〜No.11の油分を均一に混合した後に、No.12〜No.15のUV吸収剤、No.16及びNo.17のパール剤、並びにNo.18及びNo.20の使用性粉末を添加し、均一に混合して油相パーツを調製した。
水相パーツに油相パーツを徐々に添加し、ディスペンサーで均一に分散させて、実施例7の水中油型乳化化粧料を調製した。
(比較例3)
表2の比較例1と同一の処方を用い、実施例7と同様にして、比較例3の水中油型乳化化粧料を調製した。
〈評価方法2〉
(外観の評価)
使用性粉末を油相に先にいれて調製した実施例7及び比較例3の化粧料と、水中油型の乳化組成物を調製した後に、この組成物に使用性粉末を添加して調製した上述の実施例1及び比較例1の化粧料との外観を目視観察した。その結果を図1及び図2に示す。
〈結果〉
図1及び図2の写真結果から明らかなように、ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子を使用した比較例1及び比較例7の化粧料は、いずれの調製方法でも分離していたのに対し、非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子を使用した実施例1及び実施例7の化粧料は、いずれの調製方法でも分離することなく、乳化安定性に優れることが確認できた。
また、図1の(a)及び(b)の写真を見比べると、(b)の写真の方が、均一な乳化化粧料が得られていることから、非ビニル変性粒子の配合は、乳化組成物を調製した後に実施した方が好ましいことが確認できた。
《油中水型乳化化粧料の処方例》
以下に、本開示の油中水型乳化化粧料の処方例を挙げるが、この例示に限定されるものではない。ここで、3のジメチコンクロスポリマーが、非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子に相当する。
〈処方例:油中水型乳化化粧料〉
(成分) (質量%)
1.イオン交換水 適量
2.シクロペンタシロキサン 25
3.ジメチコンクロスポリマー 6.0
4.1,3−ブチレングリコール 9.0
5.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 5.0
6.酸化チタン 3.7
7.PEG−10ジメチコン 3.5
8.テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル 3.0
9.グリセリン 2.5
10.ジステアルジモニウムヘクトライト 1.6
11.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 1.2
12.エタノール 1.0
13.イソステアリン酸 0.5
14.フェノキシエタノール 0.5
15.水酸化Al 0.4
16.ステアリン酸 0.4
17.EDTA−3Na 0.2
18.トコフェロール 0.0007
19.BHT 0.0035
1〜19の成分を常法により混合して、油中水型乳化化粧料を得た。得られた化粧料は、乳化安定性に優れ、肌に塗布した後にさらさら感を呈していた。
1 水
2 極性油
3 非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子
4 ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子

Claims (10)

  1. 水を含む水相、並びに
    油分、及び非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子を含む油相を含み、
    前記油分が、油分全量に対し、IOBが0.10以上の極性油及び紫外線吸収剤から選択される少なくとも一種を30質量%以上含み、
    前記非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子の含有量が、化粧料全量に対し、3質量%以上である、
    乳化化粧料。
  2. 前記水相が、水を含む分散媒であり、
    前記油相が、前記分散媒中に分散している油滴である、水中油型の乳化化粧料であって、
    前記油滴が、乳化剤を含む、請求項1に記載の化粧料。
  3. 前記油相が、油分、及び非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子を含む分散媒であり、
    前記水相が、前記分散媒中に分散している水滴である、油中水型の乳化化粧料であって、
    前記水滴が、乳化剤を含む、請求項1に記載の化粧料。
  4. 前記乳化剤として、界面活性能を有する増粘剤を含む、請求項2又は3に記載の化粧料。
  5. 前記乳化剤として、非イオン性界面活性剤をさらに含む、請求項4に記載の化粧料。
  6. 前記増粘剤が、増粘部位及び界面活性部位を有するポリマーから構成される、請求項4又は5に記載の化粧料。
  7. 前記増粘部位が、タウリン基、アクリレート基、及びメタクリレート基から選択される少なくとも一種の官能基を有し、かつ、前記界面活性部位が、繰り返し単位が20〜25のポチエチレングリコール基を有する、請求項6に記載の化粧料。
  8. 前記非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子の平均粒子径が、1〜8μmである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化粧料。
  9. 前記非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子、並びに前記IOBが0.10以上の極性油及び紫外線吸収剤から選択される少なくとも一種の質量比が、1:6〜1:1である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化粧料。
  10. 前記増粘剤及び前記非ビニル変性架橋型ポリジメチルシロキサンポリマー粒子の質量比が、1:26〜1:5である、請求項4〜9のいずれか一項に記載の化粧料。
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