JP2021076096A - 熱回収装置 - Google Patents

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Taihei Kawaguchi
泰平 川口
藤澤 亮
Akira Fujisawa
亮 藤澤
治幸 松田
Haruyuki Matsuda
治幸 松田
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Abstract

【課題】作動媒体が蒸発器において望ましくない温度状態の熱源と熱交換すること及び作動媒体が凝縮器において望ましくない温度状態の冷却流体と熱交換することを防止するように構成された熱回収装置を提供することを目的とする。【解決手段】本出願は、循環流路を流れる作動媒体を熱源と熱交換させることによって作動媒体を蒸発させる蒸発器と、蒸発器から流出した前記作動媒体の膨張によって駆動される膨張機と、膨張機から流出した作動媒体を冷却流体と熱交換させることによって作動媒体を凝縮させる凝縮器と、凝縮器で凝縮した作動媒体を吐出する循環ポンプと、蒸発器に流入する前の熱源と凝縮器に流入する前の冷却流体とを熱交換させる熱交換器と、熱交換器において熱源と冷却流体との間での熱交換を生じさせるか否かを切り替えるように構成された切替部とを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、熱源の熱を作動媒体にランキンサイクルの下で回収させる熱回収装置に関する。
熱源の熱を作動媒体にランキンサイクルの下で回収させる様々な熱回収装置が開発されている(特許文献1及び2を参照)。熱回収装置は、循環ポンプの吐出口及び吸込口に連結された循環流路と、循環ポンプから吐出された作動媒体が順に通過するように循環流路に配置された蒸発器、膨張機及び凝縮器とを備えている。膨張機には、出力器(たとえば、発電機)が接続されている。
作動媒体は、蒸発器において熱源と熱交換し蒸発する。膨張機は、蒸発器から流出した作動媒体の膨張の下で駆動される。この結果、膨張機に接続された出力器も駆動される。膨張機で仕事をした作動媒体は、凝縮器において冷却流体と熱交換し凝縮する。凝縮した作動媒体は、循環ポンプによって蒸発器に送り出される。
特開2018−127942号公報 特開2019−27344号公報
作動媒体の状態によっては、冷却流体の温度が低いことや熱源の温度が高いことが望ましくないことがある。たとえば、循環ポンプが起動したときに作動媒体が過度に低温の冷却流体と熱交換すると循環ポンプの吸込口においてキャビテーションが生じやすくなる。作動媒体が過度に高温の熱源によって加熱されると、作動媒体の変質が生ずることもある。
本発明は、作動媒体が蒸発器において望ましくない温度状態の熱源と熱交換すること及び作動媒体が凝縮器において望ましくない温度状態の冷却流体と熱交換することを防止するように構成された熱回収装置を提供することを目的とする。
本発明の一の局面に係る熱回収装置は、循環流路を流れる作動媒体を熱源と熱交換させることによって前記作動媒体を蒸発させる蒸発器と、前記蒸発器から流出した前記作動媒体の膨張によって駆動される膨張機と、前記膨張機から流出した前記作動媒体を冷却流体と熱交換させることによって前記作動媒体を凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器で凝縮した前記作動媒体を吐出する循環ポンプと、前記蒸発器に流入する前の前記熱源と前記凝縮器に流入する前の前記冷却流体とを熱交換させる熱交換器と、前記熱交換器において前記熱源と前記冷却流体との間での熱交換を生じさせるか否かを切り替えるように構成された切替部とを備えている。
上記の構成によれば、熱交換器において熱源及び冷却流体が熱交換すると、熱源の温度が低下する一方で、冷却流体の温度が上がる。したがって、蒸発器への熱源の流入温度は、熱交換器における熱交換が行われる条件の下では、熱交換器における熱交換が行われない条件の下よりも低くなる。一方、凝縮器への冷却流体の流入温度は、熱交換器における熱交換が行われる条件の下では、熱交換器における熱交換が行われない条件の下よりも高くなる。したがって、熱源の温度が高すぎるとき及び/又は冷却流体の温度が低すぎるときには、切替部への操作を通じて、熱交換器における熱交換を生じさせればよい。この結果、蒸発器において作動媒体が望ましくないほど高温の熱源と熱交換することが防止されるし、凝縮器において作動媒体が望ましくないほど低温の冷却流体と熱交換することも防止される。
上記の構成に関して、熱回収装置は、前記蒸発器に向けて熱源流路を流れる前記熱源の一部を前記熱交換器に向けて分流させるとともに、前記熱交換器で前記冷却流体と熱交換した後の前記熱源を、前記熱源流路を流れる前記熱源と合流させるように構成された熱源分流管を更に備えていてもよい。前記切替部は、前記熱源分流管に取り付けられたバルブを含んでいてもよい。
上記の構成によれば、バルブが開かれると、蒸発器に向けて熱源流路を流れる熱源の一部は、熱源分流管を通じて熱交換器に流入することができる。熱交換器において冷却流体と熱交換した熱源は、熱源分流管を通じて熱源流路に戻り、蒸発器に流入する。熱交換器での冷却流体との熱交換によって熱源は冷却されるので、熱源の温度は、バルブが閉じられているときよりもバルブが開かれているときの方が低くなる。したがって、蒸発器への熱源の流入温度が高すぎるときには、バルブが開かれればよい。この結果、作動媒体が蒸発器において望ましくないほど高温の熱源と熱交換することが防止される。
上記の構成に関して、熱回収装置は、前記凝縮器に向けて冷却用流路を流れる前記冷却流体の一部を前記熱交換器に向けて分流させるとともに、前記熱交換器で前記熱源と熱交換した後の前記冷却流体を、前記冷却用流路を流れる前記熱源と合流させるように構成された冷却分流管を更に備えていてもよい。前記切替部は、前記冷却分流管に取り付けられたバルブを含んでいてもよい。
上記の構成によれば、バルブが開かれると、凝縮器に向けて冷却用流路を流れる冷却流体の一部は、冷却分流管を通じて熱交換器に流入することができる。熱交換器において熱源と熱交換した冷却流体は、冷却分流管を通じて冷却用流路に戻り、凝縮器に流入する。熱交換器での熱源との熱交換によって冷却流体は冷却されるので、冷却流体の温度は、バルブが閉じられているときよりもバルブが開かれているときの方が高くなる。したがって、凝縮器への冷却流体の流入温度が低すぎるときには、バルブが開かれればよい。この結果、作動媒体が凝縮器において望ましくないほど低温の冷却流体と熱交換することが防止される。
上記の構成に関して、前記バルブは、開度を調整可能に構成されていてもよい。
上記の構成によれば、バルブの開度が調整されると、熱交換器への熱源又は冷却流体の流入量が調整される。熱交換器への熱源の流入量が増やされると、冷却流体の温度が上がる。したがって、作動媒体が過度に低温の冷却媒体と凝縮器において熱交換することがバルブによって防止される。熱交換器への冷却流体の流入量が増やされると、熱源の温度が下がる。したがって、作動媒体が過度に高温の熱源と蒸発器において熱交換することがバルブによって防止される。
上記の構成に関して、熱回収装置は、前記作動媒体、前記熱源及び前記冷却流体のうち少なくとも1つの温度を検出する温度検出部と、前記温度検出部の検出値に基づいて、前記バルブの開度を制御する制御部とを更に備えていてもよい。
上記の構成によれば、温度検出部は、作動媒体、熱源及び冷却流体のうち少なくとも1つの温度を検出するので、検出された温度が望ましい温度範囲にあるか否かが分かる。制御部は、温度検出部の検出値に基づいて、バルブの開度を制御するので、検出された温度が望ましい温度範囲になるように、熱交換器への熱源又は冷却流体の流入量を調整することができる。
上記の構成に関して、熱回収装置は、前記循環ポンプに吸い込まれる前記作動媒体の圧力を検出するように構成された圧力センサを更に備えていてもよい。前記温度検出部は、前記循環ポンプに吸い込まれる前記作動媒体の温度を検出するように構成された温度センサを含んでいてもよい。前記制御部は、前記圧力センサの検出値及び前記温度センサの検出値から得られた過冷却度が閾値未満である場合に、前記熱交換器から前記凝縮器に流入する前記冷却流体の温度が上がるように前記バルブの前記開度を制御してもよい。
上記の構成によれば、循環ポンプに吸い込まれる作動媒体の圧力が圧力センサによって検出されるとともに循環ポンプに吸い込まれる作動媒体の温度が温度センサによって検出されるので、循環ポンプに吸い込まれる作動媒体の過冷却度が算出可能になる。算出された過冷却度が小さい場合(すなわち、温度センサの検出値が作動媒体の飽和温度に近い場合)には、キャビテーションが生じやすい状態になっている。この場合、制御部は、バルブの開度制御を通じて、熱交換器から凝縮器に流入する冷却流体の温度を上げ、凝縮器における作動媒体の圧力を上げる。この結果、循環ポンプの吸込側における作動媒体の圧力が上がるので、キャビテーションが生じにくい状態になる。
上記の構成に関して、前記温度検出部は、前記蒸発器から流出した前記作動媒体の温度を検出するように構成された温度センサを含んでいてもよい。前記制御部は、前記蒸発器から流出した前記作動媒体の前記温度が閾値を上回っている場合に前記熱交換器から前記蒸発器に流入する前記熱源の温度が下がるように前記バルブの前記開度を制御してもよい。
上記の構成によれば、作動媒体が蒸発器において過度に加熱されると作動媒体の変質が生じやすくなるけれども、バルブの開度の制御を通じて、作動媒体の変質が抑制される。すなわち、蒸発器から流出した作動媒体の温度が閾値を上回っている場合には、制御部は、バルブの開度制御を通じて、熱交換器から蒸発器に流入する熱源の温度を下げ、蒸発器において、作動媒体が過度に高温の熱源と熱交換することを抑制する。この結果、作動媒体も過度に高温にならず、作動媒体の変質が抑制される。
上記の構成に関して、前記温度検出部は、前記蒸発器に流入する前記熱源の温度を検出するように構成された温度センサを含んでいてもよい。前記制御部は、前記蒸発器に流入する前記熱源の前記温度が閾値を上回っている場合に前記熱交換器から前記蒸発器に流入する前記熱源の温度が下がるように前記バルブの前記開度を制御してもよい。
上記の構成によれば、蒸発器に流入する熱源の温度が閾値を上回っている場合には、制御部は、バルブの開度制御を通じて、熱交換器から蒸発器に流入する熱源の温度を下げ、作動媒体の変質を抑制する。
上述の熱回収装置は、作動媒体が蒸発器において望ましくない温度状態の熱源と熱交換すること及び作動媒体が凝縮器において望ましくない温度状態の冷却流体と熱交換することを防止することができる。
第1実施形態の熱回収装置の概略図である。 熱回収装置の概略図である。 熱回収装置の概略図である。 第2実施形態の熱回収装置の概略図である。 キャビテーション抑制制御の概略的なフローチャートである。 熱回収装置の概略図である。 熱回収装置の概略図である。 キャビテーション抑制制御の概略的なフローチャートである。 第3実施形態の熱回収装置の概略図である。 変質抑制制御の概略的なフローチャートである。 変質抑制制御の概略的なフローチャートである。 熱回収装置の概略図である。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の熱回収装置100の概略図である。図1を参照して、熱回収装置100が説明される。
熱回収装置100は、循環ポンプ111と、循環ポンプ111の吸込口及び吐出口に接続された循環流路110と、循環流路110上に配置された蒸発器112、膨張機113及び凝縮器114とを備えている。熱回収装置100は、膨張機113の内部ロータに接続された発電機115を更に備えている。蒸発器112、膨張機113及び凝縮器114は、循環ポンプ111から吐出された作動媒体がこれらを順次通過するように配置されている。
蒸発器112は、循環流路110を流れる作動媒体を、熱源流路101を流れる熱源と熱交換させ、これらの間の熱交換の下で作動媒体を蒸発させるように構成されている。詳細には、蒸発器112は、熱源流路101に接続されており、蒸発器112には、熱源流路101を通じて熱源が流入し、循環流路110を通じて作動媒体が流入する。
膨張機113は、蒸発器112から流出した作動媒体を吸い込み、吸い込まれた作動媒体の膨張作用の下で内部ロータを回転させるように構成されている。発電機115は、膨張機113の内部ロータに接続され、内部ロータの回転の下で発電するように構成されている。
凝縮器114は、膨張機113から流出した作動媒体を、冷却用流路102を流れる冷却流体(たとえば、海水又は工水)と熱交換させ、これらの熱交換の下で作動媒体を凝縮させるように構成されている。詳細には、凝縮器114は、冷却用流路102に接続されており、凝縮器114には、冷却用流路102を通じて冷却流体が流入し、循環流路110を通じて作動媒体が流入する。
循環ポンプ111は、凝縮器114での熱交換によって凝縮した作動媒体を吸い込み、吸い込んだ作動媒体を蒸発器112へ吐出するように構成されている。
熱回収装置100は、蒸発器112に流入する前の熱源の温度及び凝縮器114に流入する前の冷却流体の温度を、熱源及び冷却流体の間の熱交換の下で調整可能に構成されている。熱源と冷却流体とを熱交換させるために、熱回収装置100は、冷却流体の流れ方向において凝縮器114の上流側において冷却用流路102上に配置された熱交換器120を備えている。熱回収装置100は、熱源流路101を流れる熱源の一部を熱交換器120へ導入可能に構成されている。詳細には、蒸発器112に向けて熱源流路101を流れる熱源の一部を熱交換器120へ分流させるために、熱回収装置100は熱源分流管127を備えている。熱源分流管127は、熱交換器120への熱源の流入経路を形成している熱源分岐管121と、熱交換器120からの熱源の流出経路を形成している熱源戻管路122とを含んでいる。熱源流路101からの熱源分岐管121の分岐位置は、熱源の流れ方向において蒸発器112の上流側である。熱源流路101に対する熱源戻管路122の接続位置は、熱源流路101からの熱源分岐管121の分岐位置よりも熱源の流れ方向において下流側に位置している。すなわち、熱源戻管路122は、熱源流路101からの熱源分岐管121の分岐位置と蒸発器112との間の流路区間において熱源流路101に接続されている。
熱交換器120において熱源と冷却流体との間で熱交換を生じさせるか否かを切り替えるために、熱回収装置100は、切替部128を備えている。切替部128として、熱源分流管127に取り付けられた熱源用のバルブ123が用いられる。熱源用のバルブ123は、熱源分岐管121に取り付けられているとともに開度を調整可能に構成されている。図1に示されているバルブ123は、熱源分岐管121に取り付けられているけれども、バルブ123は、熱源戻管路122に取り付けられていてもよい。
熱回収装置100は、冷却流体の流量を調整するために、冷却用流路102に取り付けられた冷却流体用のバルブ124を備えている。冷却流体用のバルブ124は、冷却流体の流れ方向において熱交換器120の上流側に配置されているとともに開度を調整可能に構成されている。図1に示されているバルブ124は、冷却流体の流れ方向において熱交換器120の上流側に配置されている。代替的に、バルブ124は、熱交換器120と凝縮器114との間の流路区間において冷却用流路102に取り付けられていてもよいし、凝縮器114の下流側に取り付けられていてもよい。
熱源及び冷却流体の温度がともに望ましい温度範囲であるときの熱回収装置100の動作が以下に説明される。熱源及び冷却流体の温度がともに望ましい温度範囲であるとき、熱源用のバルブ123は閉じられている。一方、冷却流体用のバルブ124は開かれており、熱交換器120及び凝縮器114への冷却流体の流入は許容されている。熱源用のバルブ123が閉じられているので、熱交換器120での熱源と冷却流体との間での熱交換は行われない。
循環ポンプ111から吐出された作動媒体は、蒸発器112に流入し、熱交換器120を通過することなく熱源流路101を通じて蒸発器112に流入した熱源と熱交換する。この結果、作動媒体は、過熱状態で蒸発器112から流出する一方で、熱源は降温された状態で蒸発器112から流出する。
蒸発器112から流出した作動媒体は、膨張機113に吸い込まれる。作動媒体は、膨張機113内で膨張し、膨張機113の内部ロータを回転させる。この結果、内部ロータに接続された発電機115が駆動される。
膨張機113で仕事をした作動媒体は、凝縮器114に流入する。作動媒体は、冷却用流路102を通じて凝縮器114に供給された冷却流体と熱交換し凝縮状態になる。一方、冷却流体は、熱交換の結果昇温される。
凝縮器114で凝縮した作動媒体は、循環ポンプ111に吸い込まれ、蒸発器112へ再度供給される。
熱源の温度が望ましい温度範囲を上回っている場合及び/又は冷却流体が望ましい温度範囲を下回っている場合には、熱源用のバルブ123が開かれ、熱交換器120において、熱源と冷却流体との熱交換が行われる。
熱源用のバルブ123が開かれると、熱源が蒸発器112に流入する前において、熱源流路101を流れる熱源の一部は、熱源分岐管121を通じて熱交換器120に流入する。熱交換器120において、熱源は、凝縮器114に流入する前の冷却流体と熱交換し、熱源の温度が下がる。熱交換器120で降温された熱源は、熱源戻管路122を通じて熱源流路101に流入する。すなわち、熱交換器120で降温された熱源は、熱交換器120を通過することなく蒸発器112に向けて流れる熱源と合流する。その後、熱源は、蒸発器112に流入する。蒸発器112に流入する熱源の一部は、熱交換器120で降温された熱源であるので、蒸発器112への熱源の流入温度が下がる。したがって、熱源の温度が望ましい温度範囲を上回っている場合には、熱源用のバルブ123を開くことによって、蒸発器112への熱源の流入温度を下げ、蒸発器112において作動媒体を望ましい温度範囲の熱源と熱交換させることができる。一方で、熱交換器120での熱源との熱交換の結果、冷却流体の温度は、冷却流体が凝縮器114に流入する前に上がる。したがって、熱源の温度が望ましい温度範囲を上回り、且つ、冷却流体が望ましい温度範囲を下回っている場合には、凝縮器114において作動媒体を望ましい温度範囲の冷却流体と熱交換させることができる。
熱源の温度が望ましい温度範囲を上回っているときに冷却流体が望ましい温度範囲内の温度を有していたり、冷却流体の温度が望ましい温度を下回っているときに熱源が望ましい温度範囲内の温度を有していたりすることもある。この場合、熱源用のバルブ123が開かれる結果、これらの温度のうち一方が望ましい温度範囲に入る一方で、他方が望ましい温度範囲から外れてしまうことも生じうる。このような場合には、冷却流体用のバルブ124の開度の調整によって、両方の温度を望ましい温度範囲に収めることが可能である。たとえば、熱源の温度を降下させたときに冷却流体の温度が望ましい温度範囲を上回るような場合には、冷却流体用のバルブ124の開度を上げればよい。この結果、熱交換器120からの冷却流体の流出温度が下がり、望ましい温度範囲に収まる。
熱源用のバルブ123の開度を調整することによって、蒸発器112への熱源の流入温度及び凝縮器114への冷却流体の流入温度をどのくらい変化させるかを変更することができる。たとえば、熱源用のバルブ123の開度が大きくなれば、熱交換器120への熱源の流入量が増える。この場合、熱交換器120での熱源の降温幅は、開度の増加に従って小さくなるけれども、熱交換器120への冷却流体の流入量が熱交換器120への熱源の流入量に比べて十分に大きい場合には、降温幅の低減量は少なくなる。したがって、熱交換器120への冷却流体の流入量が熱交換器120への熱源の流入量に比べて十分に大きい場合には、熱源用のバルブ123の開度を上げれば上げるほど、蒸発器112への熱源の流入温度が低下する。
上述の実施形態によれば、熱源用のバルブ123が開状態にあるか閉状態かあるかによって、熱交換器120で熱源と冷却流体との間での熱交換が行われるか否かが切り替えられる。熱交換器120での熱源と冷却流体との間での熱交換が行われる場合、熱交換器120において降温された熱源を蒸発器112へ流入させ、熱交換器120において昇温された冷却流体を凝縮器114へ流入させることが可能になる。したがって、熱源の温度が望ましい温度を上回っている場合及び/又は冷却流体の温度が望ましい温度を下回っている場合には、バルブ123を開状態に設定すればよい。
熱交換器120における熱交換量は、熱源用のバルブ123(及び冷却流体用のバルブ124)の開度の増減によって調整可能である。すなわち、熱源用のバルブ123(及び冷却流体用のバルブ124)の開度を調整することによって、蒸発器112への熱源の流入温度及び凝縮器114への冷却流体の流入温度を調整することができる。したがって、熱源用のバルブ123(及び冷却流体用のバルブ124)の開度は、熱源及び冷却流体の温度が望ましい範囲に収まるように調整され得る。言い換えると、熱源用のバルブ123(及び冷却流体用のバルブ124)の開度の調整を通じて、作動媒体を蒸発器112において望ましい温度範囲内の温度の熱源と熱交換させることができる。また、作動媒体を凝縮器114において望ましい温度範囲内の温度の冷却流体と熱交換させることもできる。
上述の実施形態に関して、熱源用のバルブ123は、開度を調整可能に構成されている。代替的に、バルブ123として、全開状態又は全閉状態のいずれかに切り替えられる開閉弁が用いられてもよい。この場合、全開状態となっている期間と全閉状態となっている期間との間の比率を変更することによって、熱交換器120への熱源の流入量を調整することもできる。
上述の実施形態に関して、熱回収装置100は、熱交換器120及び凝縮器114への冷却流体の流入量を調整するために冷却流体用のバルブ124を備えている。熱交換器120及び凝縮器114への冷却流体の流入量の調整が必要とされなければ、バルブ124は設けられなくてもよい。
上述の実施形態に関して、熱源用のバルブ123が切替部128として用いられている。代替的に、冷却流体用のバルブ124が切替部128として用いられてもよい(図2を参照)。図2は、冷却流体用のバルブ124を切替部128として用いる熱回収装置100の概略図である。
冷却流体用のバルブ124が切替部128として用いられる場合、熱回収装置100は、冷却用流路102を流れる冷却流体の一部が熱交換器120に流入するように構成される。詳細には、図2に示されている冷却用流路102は、熱交換器120には接続されておらず、凝縮器114に接続されている。熱交換器120へ冷却流体を供給するために、熱回収装置100は、凝縮器114に向けて冷却用流路102を流れる冷却流体の一部を熱交換器120へ分流させるために冷却分流管129を備えている。冷却分流管129は、熱交換器120への冷却流体の流入経路を形成している冷却分岐管125と、熱交換器120からの冷却流体の流出経路を形成している冷却戻管路126とを含んでいる。冷却用流路102からの冷却分岐管125の分岐位置は、冷却流体の流れ方向において凝縮器114の上流側である。冷却用流路102に対する冷却戻管路126の接続位置は、冷却用流路102からの冷却分岐管125の分岐位置よりも冷却流体の流れ方向において下流側に位置している。すなわち、冷却戻管路126は、冷却用流路102からの冷却分岐管125の分岐位置と凝縮器114との間の流路区間において冷却用流路102に接続されている。
図2に示されている冷却流体用のバルブ124は、冷却分岐管125に取り付けられている。代替的に、バルブ124は、冷却戻管路126に取り付けられていてもよい。
冷却流体用のバルブ124が切替部128として用いられる場合、熱源分流管127は形成されなくてもよい。すなわち、熱源流路101は、熱源が熱交換器120及び蒸発器112を順次通過するように延設されていてもよい。
熱源用のバルブ123は、切替部128としてではなく、熱源の流量調整用に設けられてもよい。図2に示されているバルブ123は、熱源の流れ方向において、熱交換器120の上流側において熱源流路101に取り付けられている。代替的に、バルブ123は、熱交換器120と蒸発器112との間の流路区間において熱源流路101に取り付けられていてもよいし、蒸発器112の下流側において熱源流路101に取り付けられていてもよい。熱源の流量調整が必要とされないならば、バルブ123は設けられなくてもよい。
冷却流体及び熱源の温度がともに望ましい範囲内にあるならば、冷却流体用のバルブ124は閉じられる。このとき、熱源用のバルブ123は開かれている。この場合、熱源は熱交換器120を通過する一方で、冷却流体は熱交換器120を通過しない。すなわち、熱交換器120における冷却流体及び熱源の熱交換は行われない。冷却流体は、熱交換器120を通過しないので、熱交換器120から抵抗を受けることなく凝縮器114に流入することができる。
熱源の温度が望ましい温度範囲を上回っている場合及び/又は冷却流体が望ましい温度範囲を下回っている場合には、冷却流体用のバルブ124は開状態に設定される。この場合、熱交換器120において冷却流体及び熱源の熱交換が行われる。冷却流体は、熱源との熱交換を通じて昇温された後に凝縮器114に流入する。一方、熱源は、冷却流体との熱交換を通じて降温された後に蒸発器112に流入する。したがって、熱源の温度が望ましい温度範囲を上回り、且つ、冷却流体が望ましい温度範囲を下回っている場合には、冷却流体用のバルブ124を開くことによって、これらの温度を望ましい温度範囲に収めることができる。
熱源の温度が望ましい温度範囲を上回っている一方で、冷却流体が望ましい温度範囲内の温度を有していたり、冷却流体が望ましい温度範囲を下回っている一方で、熱源が望ましい温度範囲内の温度を有していたりすることがある。この場合、冷却流体用のバルブ124を開くことによって、これらの温度のうち一方が望ましい温度範囲内に入る一方で、他方の温度が望ましい温度範囲から外れてしまうこともある。他方の温度が望ましい温度範囲から外れた場合には、熱源用のバルブ123の開度を調整することによって、両方の温度を望ましい温度範囲に収めることが可能である。
冷却流体用のバルブ124の開度を調整することによって、凝縮器114への冷却流体の流入温度及び蒸発器112への熱源の流入温度をどのくらい変化させるかを変更することができる。たとえば、冷却流体用のバルブ124の開度が大きくなれば、熱交換器120への冷却流体の流入量が増える。この場合、熱交換器120での冷却流体の昇温幅は、開度の増加に従って小さくなるけれども、熱交換器120への熱源の流入量が熱交換器120への冷却流体の流入量に比べて十分に大きい場合には、昇温幅の低減量は少なくなる。したがって、冷却流体用のバルブ124の開度を上げれば上げるほど、凝縮器114への冷却流体の流入温度が増加する。
図1及び図2に示されている熱回収装置100は、バルブ123,124のうち一方のみを切替部128として利用している。代替的に、バルブ123,124はともに切替部128として機能してもよい(図3を参照)。この場合、熱回収装置100は、図1を参照して説明された熱源分流管127と図2を参照して説明された冷却分流管129とを備える。熱源用のバルブ123は、熱源分流管127に取り付けられ、冷却流体用のバルブ124は、冷却分流管129に取り付けられる。バルブ123,124のうち少なくとも一方の開度が調整されることにより、熱交換器120における熱交換量が調整される。この結果、蒸発器112への熱源の流入温度及び凝縮器114への冷却流体の流入温度が調整される。なお、これら蒸発器112への熱源の流入温度及び凝縮器114への冷却流体の流入温度の調整のため、上述の実施形態に関して、蒸発器112へ熱源が流入する前の熱源流路101上に、また、凝縮器114へ冷却流体が流入する前の冷却用流路102上に、それぞれ温度検出手段を設けてもよい。この場合、それらの温度検出手段にて検出される温度に基づき、上述した切替部128等の制御を行うことで、蒸発器112への熱源の流入温度及び凝縮器114への冷却流体の流入温度の精緻な調整が可能となる。
<第2実施形態>
熱回収装置100は、循環ポンプ111のキャビテーションを抑制するように構成されていてもよい。キャビテーションは、循環ポンプ111の起動時において循環ポンプ111に吸い込まれる作動媒体の過冷却度が小さいとき(すなわち、作動媒体の実際の温度が作動媒体の飽和温度に近いとき)に生じやすい。このような条件下で生じうるキャビテーションを抑制するキャビテーション抑制制御を実行可能に構成された熱回収装置100が、図4を参照して説明される。図4は、第2実施形態の熱回収装置100の概略図である。
熱回収装置100は、圧力センサ131、温度検出部132及び制御部130を備えている。圧力センサ131及び温度検出部132は、循環ポンプ111の吸込側での作動媒体の過冷却度に関する情報を得るために、凝縮器114と循環ポンプ111との間の流路区間において循環流路110に取り付けられている。圧力センサ131は、凝縮器114と循環ポンプ111との間の流路区間での作動媒体の圧力(すなわち、循環ポンプ111に吸い込まれる作動媒体の圧力)を検出するとともに検出された圧力を表す検出信号を生成するように構成されている。温度検出部132は、凝縮器114と循環ポンプ111との間の流路区間での作動媒体の温度(すなわち、循環ポンプ111に吸い込まれる作動媒体の温度)を検出するとともに検出された温度を表す検出信号を生成するように構成された温度センサである。圧力センサ131及び温度検出部132は、制御部130に電気的に接続され、これらの検出信号は、制御部130に出力される。
制御部130は、圧力センサ131及び温度検出部132から受け取った検出信号に基づき過冷却度を算出し、算出された過冷却度を閾値と比較する処理を実行するように構成されている。比較処理に用いられる閾値は、循環ポンプ111のキャビテーションが生じないことが保証されるような値に設定されている。制御部130は、比較処理の結果に基づいて、熱源用のバルブ123の開度を変更するための駆動信号を生成するように構成されている。制御部130は、駆動信号がバルブ123に伝達されるようにバルブ123に電気的に接続されている。
制御部130は、圧力センサ131及び温度検出部132からの検出信号だけでなく、循環ポンプ111の起動を要求する要求信号をも受信するように構成されている。要求信号は、例えば、操作者によって操作される操作ボタン(図視せず)によって生成されてもよい。この場合、制御部130は、操作ボタンに電気的に接続されている。
制御部130は、過冷却度の算出や比較処理を実行するだけでなく、循環ポンプ111を起動するための起動信号を生成するように構成されている。制御部130は、起動信号が循環ポンプ111に伝達されるように循環ポンプ111に電気的に接続されている。
制御部130によるキャビテーション抑制制御が図5を参照して説明される。図5は、制御部130の動作を表す概略的なフローチャートである。
制御部130は、上述の要求信号の受信を待つ(ステップS105:No)。制御部130が要求信号の受信を待っている間、循環ポンプ111は停止している。制御部130が要求信号を受信すると、制御部130は、起動信号を生成し、生成された起動信号を循環ポンプ111へ出力する(ステップS110)。循環ポンプ111は、起動信号に応じて作動する。このときの循環ポンプ111の周波数は、キャビテーション抑制制御の後に行われる通常運転時の循環ポンプ111の周波数よりも低い値に設定されている。
循環ポンプ111の起動の後、制御部130は、圧力センサ131及び温度検出部132からの検出信号を参照し、過冷却度を算出する(ステップS115)。詳細には、制御部130は、圧力センサ131及び温度検出部132からの検出信号に基づき、作動媒体の飽和温度を算出する。その後、制御部130は、算出された飽和温度から温度検出部132の検出値を差し引き、過冷却度を算出する。
制御部130は、算出された過冷却度が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS120)。算出された過冷却度が閾値未満であれば(ステップS120:No)、熱源用のバルブ123の開度調整が行われる。
熱源用のバルブ123の開度調整が行われるとき、制御部130は、バルブ123の開度が最大値であるか否かをまず確認する(ステップS125)。バルブ123の開度が最大値であれば(ステップS125:Yes)、バルブ123の開度調整によってはキャビテーションを抑制する環境が得られないので、キャビテーション抑制制御は中断される。一方、バルブ123の開度が最大値に到達していなければ(ステップS125:No)、制御部130は、バルブ123の開度を所定の増分量だけ増加させるための駆動信号を生成する。駆動信号が制御部130からバルブ123へ出力されると、バルブ123は、駆動信号に応じて開度を上述の増分量だけ増加させる。
熱源用のバルブ123の開度が最大値に到達するまでは(ステップS125:Yes)、過冷却度が閾値未満である限り(ステップS120:No)、バルブ123の開度の増加(ステップS135)が繰り返される。
熱源用のバルブ123の開度の増加(ステップS135)の結果、熱交換器120への熱源の流入量が増加する。この結果、熱源から冷却流体に受け渡される熱量が増え、冷却流体の温度が上がる。昇温された冷却流体が凝縮器114に流入するので、凝縮器114における作動媒体の圧力が高くなる。この結果、凝縮器114と循環ポンプ111との流路区間における作動媒体の圧力が増加する。キャビテーションは循環ポンプ111の吸込側における作動媒体の圧力が低いときに生じやすいけれども、バルブ123の開度の増加によって作動媒体の圧力が上がるので、キャビテーションが生じにくい運転環境が得られる。
キャビテーションが生じにくい運転環境が得られているか否かは、ステップS120の比較処理によって確認される。詳細には、ステップS120において用いられる閾値は、上述の如く、キャビテーションが生じないことが保証されるような値に設定されている。したがって、ステップS120において、閾値以上の過冷却度が確認されると(ステップS120:Yes)、キャビテーションが生じにくい運転環境が得られていることが確認される。
この場合、制御部130は、循環ポンプ111の周波数が所定の値に到達するまで循環ポンプ111の周波数を増加させる(ステップS140,S145)。循環ポンプ111の周波数が所定の値に到達すると(ステップS145:Yes)、制御部130は、熱源用のバルブ123を全閉状態にする(ステップS150)。
上述の実施形態によれば、循環ポンプ111の周波数の増加(ステップS140)は、キャビテーションが生じにくい運転環境が確認された後(ステップS120:Yes)に行われる。したがって、循環ポンプ111は、キャビテーションから保護される。
図4の熱回収装置100は、図1の熱回収装置100の構造をベースに構築されている。上述のキャビテーション抑制制御は、熱回収装置100が図3の構造を有するとき(すなわち、切替部128として冷却流体用のバルブ124が用いられる場合)にも利用可能である。切替部128として冷却流体用のバルブ124が用いられるならば、制御部130は、冷却流体用のバルブ124の開度を調整するように構成されていてもよい(図6を参照)。図6に示されている熱回収装置100の制御部130は、熱源用のバルブ123ではなく、冷却流体用のバルブ124に電気的に接続されている。この場合、図5を参照して説明されたステップS125の判定処理(すなわち、熱源用のバルブ123の開度が最大か否か)に代えて、冷却流体用のバルブ124の開度が最大であるか否かが判定される。
冷却流体用のバルブ124の開度が最大値であれば、バルブ124の開度調整によってはキャビテーションを抑制する環境が得られないので、キャビテーション抑制制御は中断される。一方、バルブ124の開度が最大値に到達していなければ、制御部130は、図5のステップS135において、冷却流体用のバルブ124の開度を所定の増分量だけ増加させるための駆動信号を生成する。駆動信号が制御部130からバルブ124へ出力されると、バルブ124は、駆動信号に応じて開度を上述の増分量だけ増加させる。
冷却流体用のバルブ124の開度が最大値に到達するまでは、過冷却度が閾値未満である限り(ステップS120:No)、バルブ124の開度の増加が繰り返される。バルブ124の開度の増加の結果、熱交換器120及び凝縮器114への冷却流体の流入量が増える。この結果、熱交換器120で昇温される冷却流体が増え、凝縮器114への冷却流体の流入温度が上がり、凝縮器114での作動媒体の圧力(ひいては、循環ポンプ111の吸込側での作動媒体の圧力)が上がる。この結果、キャビテーションが生じにくい運転環境が得られる。
冷却流体用のバルブ124を用いた上述のキャビテーション抑制制御は、熱回収装置100が図3の構造を有するときにも利用可能である。熱回収装置100が図3の構造を有している場合には、冷却流体用のバルブ124及び熱源用のバルブ123の両方の開度がキャビテーションの抑制のために調整されてもよい(図7及び図8を参照)。図7は、キャビテーションの抑制のために冷却流体用のバルブ124及び熱源用のバルブ123の両方の開度を調整するように構成された熱回収装置100の概略図である。図8は、図7の熱回収装置100のキャビテーション抑制制御の概略的なフローチャートである。
図7に示されているように、制御部130は、熱源用のバルブ123及び冷却流体用のバルブ124に電気的に接続されている。したがって、制御部130が生成した駆動信号は、熱源用のバルブ123及び冷却流体用のバルブ124に伝達可能である。
図8のフローチャートは、熱源用のバルブ123の開度が最大であることが確認された後(ステップS125:Yes)の処理において、図5のフローチャートとは相違している。熱源用のバルブ123の開度が最大であることが確認された後に、制御部130は、冷却流体用のバルブ124の開度が最大であるか否かを判定する(ステップS126)。冷却流体用のバルブ124の開度が最大であるとの判定結果が得られるとき(ステップS126:Yes)、熱源用のバルブ123の開度も最大値である(ステップS125:Yes)。この場合、冷却流体用のバルブ124及び熱源用のバルブ123の開度調整によってはキャビテーションを抑制する環境が得られないので、キャビテーション抑制制御は中断される(ステップS130)。一方、冷却流体用のバルブ124の開度が最大でなければ(ステップS126:No)、熱源用のバルブ123の開度が最大であっても、キャビテーションを抑制する環境が得られる余地がある。この場合、制御部130は、冷却流体用のバルブ124の開度を所定の増分量だけ増加させるための駆動信号を生成する(ステップS127)。駆動信号が制御部130から冷却流体用のバルブ124へ出力されると、冷却流体用のバルブ124は、駆動信号に応じて開度を上述の増分量だけ増加させる。
冷却流体用のバルブ124の開度が最大値に到達するまでは、過冷却度が閾値未満である限り(ステップS120:No)、バルブ124の開度の増加が繰り返される。バルブ124の開度の増加の結果、熱交換器120で昇温された冷却流体が増え、凝縮器114への冷却流体の流入温度が上がる。凝縮器114への冷却流体の流入温度が上がっているので、凝縮器114における冷却流体と作動媒体との間の温度差が小さくなる。作動媒体が冷却流体によって奪われる熱量が減るので、凝縮器114から流出する作動媒体の温度(ひいては、作動媒体の圧力)が上がり、キャビテーションが生じにくい運転環境が得られる。
図8に示されているキャビテーション抑制制御では、熱源用のバルブ123の開度が冷却流体用のバルブ124の開度の調整の前に実行されている。逆に、冷却流体用のバルブ124の開度の調整が熱源用のバルブ123の開度の調整に先立って行われてもよい。
上述の実施形態に関して、温度検出部132は、凝縮器114と循環ポンプ111との間の流路区間にある作動媒体の温度を検出している。代替的に、温度検出部132は、冷却用流路102に取り付けられ、冷却流体の温度を検出してもよい。冷却流体の温度が下がれば下がるほど、凝縮器114と循環ポンプ111との間の流路区間における作動媒体の温度も下がるので、温度検出部132が検出した冷却流体の温度から凝縮器114と循環ポンプ111との間での作動媒体の温度を推定可能である。推定された温度に基づいて過冷却度を算出することによって(ステップS115)、上述のキャビテーション抑制制御は同様に実行され得る。
上述の実施形態に関して、キャビテーション抑制制御は、循環ポンプ111の起動時に行われている。熱回収装置100の通常運転の間に、冷却流体の温度が低くなっている場合には、熱源用のバルブ123及び/又は冷却流体用のバルブ124の開度調整は、熱回収装置100の通常運転の間において実行されてもよい。この場合には、バルブ123,124に対する開度調整は、作動媒体(又は、冷却流体)の温度が所定の閾値を下回ったことをトリガとして開始される。
作動媒体の温度が、循環ポンプ111の吸込側と吐出側とで大きく変化しなければ、温度検出部132は、循環ポンプ111と蒸発器112との間の流路区間において、循環流路110に取り付けられていてもよい。
<第3実施形態>
熱回収装置100は、作動媒体に対する過度の加熱による作動媒体の変質を抑制するように構成されていてもよい。作動媒体の変質を抑制する変質抑制制御を実行可能に構成された熱回収装置100が、図9を参照して説明される。図9は、第3実施形態の熱回収装置100の概略図である。
図9の熱回収装置100は、温度検出部132の配置及び圧力センサ131を有していない点においてのみ、図4の熱回収装置100とは相違している。本実施形態において、温度検出部132は、蒸発器112と膨張機113との間の流路区間において循環流路110に取り付けられた温度センサである。温度検出部132は、蒸発器112から流出した作動媒体の温度を検出するとともに検出された温度を表す検出信号を生成するように構成されている。温度検出部132は、検出信号が制御部130に伝達されるように制御部130に電気的に接続されている。制御部130は、検出信号に応じて所定の判定処理を行い、判定処理の結果に基づいて熱源用のバルブ123の開度を調整するための駆動信号を生成するように構成されている。
制御部130による変質抑制制御が、図10を参照して説明される。図10は、変質抑制制御の概略的なフローチャートである。変質抑制制御は、熱回収装置100の起動時ではなく通常運転時に実行される。制御部130は、変質抑制制御を実行している間、循環ポンプ111を駆動している。
制御部130は、温度検出部132からの検出信号が表している温度(すなわち、温度検出部132の検出値)を閾値と比較する(ステップS210)。閾値は、作動媒体の変質が生じないことが保証される値に設定されている。
温度検出部132の検出値が閾値を上回っていなければ、制御部130は、温度検出部132の検出値に対するモニタを継続する(ステップS210:No)。温度検出部132の検出値が閾値を上回っていれば、制御部130は、熱源用のバルブ123の開度が最大であるか否かを確認する(ステップS220)。バルブ123の開度が最大でなければ、制御部130は、バルブ123の開度を所定の増分量だけ増加させるための駆動信号を生成する。駆動信号は、制御部130からバルブ123へ出力され、バルブ123は、駆動信号に応じて開度を所定の増分量だけ増加させる。
熱源用のバルブ123の開度の増加(ステップS230)は、開度が最大値に到達するまでは、温度検出部132の検出値が閾値を上回っている限り繰り返される。バルブ123の開度が増加されると、熱交換器120での冷却流体との熱交換によって降温された後に蒸発器112に流入する熱源の量が増える。この結果、蒸発器112における熱源と作動媒体との間の温度差が小さくなり、熱源から作動媒体へ受け渡される熱量が小さくなる。この結果、蒸発器112から流出する作動媒体の温度が下がる。
温度検出部132の検出値が閾値を上回っている間に、熱源用のバルブ123の開度が最大値に達した場合(ステップS210:Yes,ステップS220:Yes)、バルブ123の開度の調整によっては、作動媒体の過度の高温状態を解消することができない。この場合、制御部130は、循環ポンプ111を停止する(ステップS240)。この結果、蒸発器112への作動媒体の流入が止まる。
変質抑制制御の結果、作動媒体の温度は下げられるか、蒸発器112への作動媒体の流入が停止されるので、作動媒体の過度の昇温が防止される。この結果、作動媒体の変質が抑制される。
上述の変質抑制制御では、熱源用のバルブ123の開度が調整されている。冷却流体用のバルブ124が切替部128として用いられる場合(図2及び図3を参照)、冷却流体用のバルブ124の開度が調整されてもよい(図11を参照)。図11に示されている変質抑制制御は、熱源用のバルブ123及び冷却流体用のバルブ124が切替部128として機能する場合の変質抑制制御の概略的なフローチャートである。図11に示される変質抑制制御が実行される場合、制御部130は、熱源用のバルブ123だけでなく冷却流体用のバルブ124にも電気的に接続されている。
図11に示される変質抑制制御では、熱源用のバルブ123の開度の調整が行われた後に冷却流体用のバルブ124の開度が調整される。詳細には、熱源用のバルブ123の開度が最大であると判定されたときに(ステップS220:Yes)、制御部130は、冷却流体用のバルブ124の開度が最大であるか否かを判定する(ステップS221)。冷却流体用のバルブ124の開度が最大でなければ(ステップS221:No)、制御部130は、所定の増分量だけ増加させるための駆動信号を生成する(ステップS231)。駆動信号は、制御部130から冷却流体用のバルブ124へ出力され、バルブ124は、駆動信号に応じて開度を所定の増分量だけ増加させる。
冷却流体用のバルブ124の開度の増加(ステップS231)は、開度が最大値に到達するまでは、温度検出部132の検出値が閾値を上回っている限り(ステップS210:Yes)繰り返される。バルブ124の開度が増加されると(ステップS231)、熱交換器120への冷却流体の流入量が増える。この結果、熱交換器120での熱源の降温幅が大きくなる。熱交換器120から蒸発器112へ流入する熱源の温度が更に低下するので、蒸発器112における熱源と作動媒体との間の温度差が更に小さくなる。この結果、作動媒体の温度を更に低下させることができる。
変質抑制制御において、冷却流体用のバルブ124の開度のみが調整される場合には、温度検出部132の検出値が閾値を上回っていることが確認された後、バルブ124の開度が最大であるか否かの判定処理が実行される。すなわち、図10のステップS220に代えて、図11のステップS221が実行される。バルブ124の開度が最大でないことが確認された場合には、バルブ124の開度を増加させる。すなわち、図10のステップS230に代えて、図11のステップS231が実行される。
図9に示されている温度検出部132は、蒸発器112から流出した作動媒体の温度を検出している。代替的に、図12に示されるように、温度検出部132は、熱源の温度の情報を得るように熱源流路101に取り付けられた温度センサであってもよい。詳細には、図12の温度検出部132は、熱源流路101に対する熱源戻管路122の接続位置と蒸発器112との間の流路区間において熱源流路101に取り付けられ、蒸発器112への熱源の流入温度を検出している。この場合、温度検出部132の検出値と比較される閾値(図10及び図11のステップS210)は、蒸発器112への熱源の流入温度と作動媒体の変質との間の相関関係に基づいて設定される。
図12に示されている温度検出部132は、蒸発器112への熱源の流入温度を検出している。代替的に、温度検出部132は、蒸発器112からの熱源の流出温度を検出するように、熱源の流れ方向において蒸発器112の下流側において熱源流路101に取り付けられていてもよい。この場合、温度検出部132の検出値と比較される閾値(図10及び図11のステップS210)は、蒸発器112への熱源の流出温度と作動媒体の変質との間の相関関係に基づいて設定される。
上述の変質抑制制御のために、温度検出部132として、蒸発器112への熱源の流入温度(及び/又は蒸発器112からの熱源の流出温度)を測定する温度センサ及び作動媒体の温度を測定する温度センサが用いられてもよい。これらの温度センサの検出値とこれらの検出値に対応して定められた閾値との間の差から、作動媒体の温度が閾値を超えるまでの期間が長いか短いかを推定することが可能である。たとえば、作動媒体の温度が閾値を超えていないけれども、熱源の温度が閾値を大きく上回っていれば、作動媒体は急速に昇温されることが推定される。逆に、熱源の温度が閾値をわずかに上回っている程度であるならば、作動媒体の昇温は比較的緩やかになる。したがって、温度検出部132として複数の温度センサが用いられる場合、制御部130は、熱源の温度と閾値との間の差に応じて、熱源用のバルブ123(及び/又は冷却流体用のバルブ124)の開度の増分量を変更してもよい。すなわち、熱源の温度と閾値との間の差が大きければ、制御部130は、熱源用のバルブ123(及び/又は冷却流体用のバルブ124)の開度の増分量を大きくしてもよい。逆に、熱源の温度と閾値との間の差が小さければ、制御部130は、熱源用のバルブ123(及び/又は冷却流体用のバルブ124)の開度の増分量を小さくしてもよい。
上述の変質抑制制御は、第2実施形態のキャビテーション抑制制御の後に行われてもよい。この場合、温度検出部132は、変質抑制制御用の温度センサ(図9及び図12を参照)とキャビテーション抑制制御用の温度センサとを含む(図7を参照)。
上述の実施形態に関して、発電機115が膨張機113に接続されている。代替的に、他の出力器が膨張機113に接続されていてもよい。
上述の実施形態の技術は、熱源の熱を利用する様々な技術分野に好適に利用される。
100・・・・・・・・・・熱回収装置
101・・・・・・・・・・熱源流路
102・・・・・・・・・・冷却用流路
110・・・・・・・・・・循環流路
111・・・・・・・・・・循環ポンプ
112・・・・・・・・・・蒸発器
113・・・・・・・・・・膨張機
114・・・・・・・・・・凝縮器
120・・・・・・・・・・熱交換器
123,124・・・・・・バルブ
127・・・・・・・・・・熱源分流管
128・・・・・・・・・・切替部
129・・・・・・・・・・冷却分流管
130・・・・・・・・・・制御部
131・・・・・・・・・・圧力センサ
132・・・・・・・・・・温度検出部

Claims (8)

  1. 循環流路を流れる作動媒体を熱源と熱交換させることによって前記作動媒体を蒸発させる蒸発器と、
    前記蒸発器から流出した前記作動媒体の膨張によって駆動される膨張機と、
    前記膨張機から流出した前記作動媒体を冷却流体と熱交換させることによって前記作動媒体を凝縮させる凝縮器と、
    前記凝縮器で凝縮した前記作動媒体を吐出する循環ポンプと、
    前記蒸発器に流入する前の前記熱源と前記凝縮器に流入する前の前記冷却流体とを熱交換させる熱交換器と、
    前記熱交換器において前記熱源と前記冷却流体との間での熱交換を生じさせるか否かを切り替えるように構成された切替部と、を備えている
    熱回収装置。
  2. 前記蒸発器に向けて熱源流路を流れる前記熱源の一部を前記熱交換器に向けて分流させるとともに、前記熱交換器で前記冷却流体と熱交換した後の前記熱源を、前記熱源流路を流れる前記熱源と合流させるように構成された熱源分流管を更に備え、
    前記切替部は、前記熱源分流管に取り付けられたバルブを含んでいる
    請求項1に記載の熱回収装置。
  3. 前記凝縮器に向けて冷却用流路を流れる前記冷却流体の一部を前記熱交換器に向けて分流させるとともに、前記熱交換器で前記熱源と熱交換した後の前記冷却流体を、前記冷却用流路を流れる前記熱源と合流させるように構成された冷却分流管を更に備え、
    前記切替部は、前記冷却分流管に取り付けられたバルブを含んでいる
    請求項1又は2に記載の熱回収装置。
  4. 前記バルブは、開度を調整可能に構成されている
    請求項2又は3に記載の熱回収装置。
  5. 前記作動媒体、前記熱源及び前記冷却流体のうち少なくとも1つの温度を検出する温度検出部と、
    前記温度検出部の検出値に基づいて、前記バルブの開度を制御する制御部と、を更に備えている
    請求項4に記載の熱回収装置。
  6. 前記循環ポンプに吸い込まれる前記作動媒体の圧力を検出するように構成された圧力センサを更に備え、
    前記温度検出部は、前記循環ポンプに吸い込まれる前記作動媒体の温度を検出するように構成された温度センサを含み、
    前記制御部は、前記圧力センサの検出値及び前記温度センサの検出値から得られた過冷却度が閾値未満である場合に、前記熱交換器から前記凝縮器に流入する前記冷却流体の温度が上がるように前記バルブの前記開度を制御する
    請求項5に記載の熱回収装置。
  7. 前記温度検出部は、前記蒸発器から流出した前記作動媒体の温度を検出するように構成された温度センサを含み、
    前記制御部は、前記蒸発器から流出した前記作動媒体の前記温度が閾値を上回っている場合に前記熱交換器から前記蒸発器に流入する前記熱源の温度が下がるように前記バルブの前記開度を制御する
    請求項5又は6に記載の熱回収装置。
  8. 前記温度検出部は、前記蒸発器に流入する前記熱源の温度を検出するように構成された温度センサを含み、
    前記制御部は、前記蒸発器に流入する前記熱源の前記温度が閾値を上回っている場合に前記熱交換器から前記蒸発器に流入する前記熱源の温度が下がるように前記バルブの前記開度を制御する
    請求項5乃至7のいずれか1項に記載の熱回収装置。
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