JP2021071062A - エンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮比を変化させることが可能なエンジンを提供する。【解決手段】エンジンは、シリンダ内を摺動可能なピストン15を備え、ピストン15は、コンロッドと接続されているピストンスカート15bと、ピストンスカート15bの上死点側と接続され、ピストンスカート15bに対してピストン15の摺動方向に相対的に移動可能なピストン冠15aと、ピストンスカート15b、ピストン冠15a、または、ピストンスカート15bとピストン冠15aとの間に設けられるピストン油圧室106と、を有する。【選択図】図4

Description

本開示は、エンジンに関する。
船舶等に用いられるエンジンとして、トランクピストン型のエンジンがある。トランクピストン型のエンジンでは、例えば、特許文献1に開示されているように、シリンダ内を摺動可能なピストンが、コンロッドを介してクランクシャフトと接続されている。ピストンの往復運動のエネルギが、回転エネルギに変換されて、コンロッドを介してクランクシャフトに伝達される。
特開2011−074822号公報
ところで、トランクピストン型のエンジンでは、負荷に応じて圧縮比を変化させることによって、熱効率を向上させることができる。しかしながら、従来の技術では、圧縮比を可変にする仕組みの検討が十分にはなされていなかった。
本開示は、上記の課題に鑑み、圧縮比を変化させることが可能なエンジンを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係るエンジンは、シリンダ内を摺動可能なピストンを備え、ピストンは、コンロッドと接続されているピストンスカートと、ピストンスカートの上死点側と接続され、ピストンスカートに対してピストンの摺動方向に相対的に移動可能なピストン冠と、ピストンスカート、ピストン冠、または、ピストンスカートとピストン冠との間に設けられるピストン油圧室と、を有する。
ピストンスカートの上死点側またはピストン冠の下死点側の一方には、ピストンの摺動方向に窪む窪み部が形成され、ピストンスカートの上死点側またはピストン冠の下死点側の他方には、窪み部と篏合する突起部が形成され、ピストン油圧室は、窪み部および突起部によって画成されてもよい。
ピストンには、ピストン冠を下死点方向に付勢する付勢部材が設けられてもよい。
ピストンは、ピストンスカートに形成され、ピストンの摺動方向に延びる穴部と、ピストン冠と接続され、ピストンスカートを貫通して穴部まで延びる貫通部材と、貫通部材に設けられ、穴部内を摺動可能な摺動部材と、穴部の内周部および摺動部材により画成されるピストンスカート油圧室と、を有してもよい。
ピストン油圧室およびピストンスカート油圧室は、共通の給排油機構と接続されてもよい。
ピストン油圧室と接続される給排油機構は、ピストンに設けられ、給排油機構は、押圧されることによって給排油機構を作動させる被押圧部を有し、被押圧部は、ピストンの摺動に伴いエンジン内の押圧部と接触することによって、押圧されてもよい。
被押圧部は、ピストンの側部に設けられ、ピストンの摺動方向と交差する方向に押圧部により押圧され、押圧部は、下死点側に進むにつれて、ピストンの中心軸に近づいてもよい。
ピストン油圧室と接続される給排油機構は、ハウジングと、ハウジング内を摺動可能なプランジャ本体部を含むプランジャと、ハウジング内に形成され、プランジャ側からプランジャの摺動方向に沿って順に並ぶ第1ポンプ油圧室および第2ポンプ油圧室と、第1ポンプ油圧室と第2ポンプ油圧室とを連通する連通孔と、第2ポンプ油圧室から第1ポンプ油圧室に向かう方向に付勢され、連通孔を第2ポンプ油圧室側から塞ぐ第1ポンプ弁体を含む第1ポンプ逆止弁と、ハウジングにおける第2ポンプ油圧室を画成する部分に形成され、ピストン油圧室と接続される第1ポートと、ハウジングにおける第1ポンプ油圧室を画成する部分に形成され、供給油路と接続される第2ポートと、第1ポンプ油圧室から供給油路に向かう作動油の流れを制限する第2ポンプ逆止弁と、プランジャ本体部の第1ポンプ油圧室側に形成され、連通孔に挿通可能なプランジャ突起部と、ハウジングにおけるプランジャ本体部の側面と対向する部分に形成され、排出油路と接続される第3ポートと、プランジャ本体部の第1ポンプ油圧室側からプランジャ本体部の側面に亘って貫通して形成される貫通路と、を備える、プランジャポンプであってもよい。
ピストン油圧室と接続される給排油機構は、ピストン油圧室と連通しピストンにおける下死点側に形成されるピストンポートと、ピストンポートを塞ぐピストン弁体を含むピストン逆止弁と、を有する逆止弁部と、ピストンに対して下死点側に設けられる給排油部と、を備え、給排油部は、ハウジングと、ハウジング内に形成され、供給油路または排出油路と連通する給排油部油圧室と、給排油部油圧室における上死点側に形成される油圧室開口と、給排油部油圧室から油圧室開口に向かう方向に付勢され、油圧室開口を給排油部油圧室側から塞ぐ給排油部弁体を含み、ピストンポートに挿通可能な延在部材と、を有してもよい。
本開示のエンジンによれば、圧縮比を変化させることが可能となる。
本開示の第1の実施形態に係るエンジンの概略構成を示す模式図である。 本開示の第1の実施形態に係るピストンを示す斜視図である。 本開示の第1の実施形態に係る低圧縮比の場合のピストンを示す断面図である。 本開示の第1の実施形態に係る高圧縮比の場合のピストンを示す断面図である。 本開示の第1の実施形態に係るプランジャポンプの各状態を示す断面図である。 本開示の第1の実施形態に係るリリーフ弁の各状態を示す断面図である。 本開示の第1の実施形態に係るプランジャポンプの非作動時の作動機構を示す模式図である。 本開示の第1の実施形態に係るプランジャポンプの作動時の作動機構を示す模式図である。 変形例に係るプランジャポンプの非作動時の作動機構を示す模式図である。 変形例に係るプランジャポンプの作動時の作動機構を示す模式図である。 本開示の第2の実施形態に係る低圧縮比の場合のピストンを示す断面図である。 本開示の第2の実施形態に係る高圧縮比の場合のピストンを示す断面図である。 本開示の第2の実施形態に係るプランジャポンプの各状態を示す断面図である。 本開示の第3の実施形態に係る低圧縮比の場合のピストンを示す断面図である。 本開示の第3の実施形態に係る高圧縮比の場合のピストンを示す断面図である。 本開示の第3の実施形態に係る給排油機構が給油機構として作動する様子を示す断面図である。 本開示の第3の実施形態に係る給排油機構が排油機構として作動する様子を示す断面図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について詳細に説明する。実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本開示を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また本開示に直接関係のない要素は図示を省略する。
<第1の実施形態>
図1〜図10を参照して、本開示の第1の実施形態について説明する。
図1は、本開示の第1の実施形態に係るエンジン1の概略構成を示す模式図である。エンジン1は、トランクピストン型のエンジンであり、具体的には、船舶に搭載されるエンジンや発電機を駆動するエンジンである。図1に示されるように、エンジン1では、クランクケース11の上部にシリンダ12が設けられる。シリンダ12の上部の外周は、ジャケット13により覆われる。シリンダ12の上端には、シリンダカバー14が設けられる。シリンダカバー14には、吸気流路(図示省略)および排気流路(図示省略)が接続されている。
シリンダ12内には、ピストン15が設けられている。ピストン15は、シリンダ12内を摺動可能である。ピストン15は、ピストン冠15aと、ピストンスカート15bとを有する。ピストンスカート15bは、ピストンピン16を介してコンロッド17の小端部17aの一端と接続される。コンロッド17の小端部17aは、ピストンスカート15bに対してピストンピン16の中心軸まわりに相対的に回動可能である。
コンロッド17の他端には、大端部17bが設けられる。大端部17bは、クランクシャフト18のクランクピン18aと接続される。大端部17bは、クランクシャフト18に対してクランクピン18aの中心軸まわりに相対的に回動可能である。クランクシャフト18のクランクジャーナル18bは、クランクケース11に設けられる軸受部材に軸支されている。クランクシャフト18におけるクランクジャーナル18bに対してクランクピン18a側と逆側には、バランスウェイト19が設けられている。ピストン15が往復移動すると、クランクシャフト18が回転する。ピストン15の往復運動のエネルギが、回転エネルギに変換されて、コンロッド17を介してクランクシャフト18に伝達される。
クランクケース11は、クランクシャフト18の軸方向に延在する。図1では、シリンダ12が1つのみ示されているが、クランクケース11の上部には、複数のシリンダ12が、クランクシャフト18の軸方向に並んで設けられている。クランクケース11の下部には、オイルパン20が接続されている。クランクケース11内で使われる油(作動油または潤滑油等)は、オイルパン20に貯留される。
エンジン1では、シリンダ12とシリンダカバー14とピストン15によって燃焼室21が画成される。燃焼室21には、シリンダカバー14を介して吸気が供給される。燃焼室21からシリンダカバー14を介して排気が排出される。図1では、ピストン15が上死点に位置している状態が実線で示されており、ピストン15が下死点に位置している状態が二点鎖線で示されている。エンジン1の圧縮比εは、以下の式(1)により表される。
ε=(Vh+Vc)/Vc ・・・(1)
図1に示されるように、式(1)中のVhは、ピストン15が上死点に位置している時と下死点に位置している時の燃焼室21の容積の差に相当する行程容積を示し、式(1)中のVcは、ピストン15が上死点に位置している時の燃焼室21の容積である間隙容積を示す。
ピストン15の摺動方向は、シリンダ12の軸方向と一致する。以下では、上死点側を上側とし、下死点側を下側とし、ピストン15の摺動方向を上下方向とも呼ぶ。
図2は、本開示の第1の実施形態に係るピストン15を示す斜視図である。ピストン冠15aは、ピストンスカート15bの上部と接続される。図2に示されるように、ピストン冠15aの上部には、触火面101が形成される。触火面101は、燃焼室21の下面を画成する。ピストン冠15aの側部には、ピストンリングが嵌められるリング溝102が形成される。ピストンスカート15bの側部には、ピストンピン16が貫通するピン孔103が形成される。ピン孔103の軸方向は、ピストン15の軸方向に直交する。
図3は、本開示の第1の実施形態に係る低圧縮比の場合のピストン15を示す断面図である。図4は、本開示の第1の実施形態に係る高圧縮比の場合のピストン15を示す断面図である。
図3に示されるように、ピストンスカート15bの上部には、下方に窪む窪み部104が形成される。例えば、窪み部104は、ピストン15の中心軸と同軸の円環状である。ピストン冠15aの下部には、窪み部104と嵌合する突起部105が形成される。例えば、突起部105は、ピストン15の中心軸と同軸の円環状である。突起部105は、窪み部104に対して上下方向に相対的に移動可能となっている。ゆえに、ピストン冠15aは、ピストンスカート15bに対して上下方向に相対的に移動可能である。
窪み部104および突起部105によって、ピストン油圧室106が画成される。具体的には、窪み部104の内側面および底面と、突起部105の下面によって、ピストン油圧室106が画成される。例えば、ピストン油圧室106は、ピストン15の中心軸と同軸の円環状である。後述するように、ピストン油圧室106内の油圧が調整されることによって、ピストン冠15aのピストンスカート15bに対する上下方向の位置が調整される。それにより、エンジン1の圧縮比が変化する。
ピストンスカート15bには、上下方向に延びる穴部107が形成される。穴部107は、窪み部104の下方に設けられ、下端に開口を有する。例えば、穴部107は円柱形であり、複数の穴部107がピストン15の周方向に間隔を空けて設けられる。ピストン冠15aには、ピストンスカート15bを貫通して穴部107まで延びる貫通部材としてボルト108が接続される。ボルト108の上端部は、ピストン冠15aの突起部105に螺合される。ボルト108は、上側からピストン油圧室106および窪み部104を通って穴部107まで延びる。ボルト108には、穴部107内を摺動可能な摺動部材109が設けられる。例えば、摺動部材109は、円柱形である。ボルト108における摺動部材109より下側には、ナット110が螺合される。ナット110の上面は、摺動部材109の下面と当接する。それにより、摺動部材109がボルト108に対して相対的に回動することが制限される。
穴部107の内周部および摺動部材109によって、ピストンスカート油圧室111が画成される。具体的には、穴部107の内側面および底面と、摺動部材109の上面によって、ピストンスカート油圧室111が画成される。例えば、ピストンスカート油圧室111は、円柱形である。後述するように、ピストンスカート油圧室111が加圧されることによって、摺動部材109およびボルト108を介してピストン冠15aに下向きの力が作用する。
ピストンスカート油圧室111には、圧縮バネ112が設けられている。圧縮バネ112は、ピストン冠15aを下死点方向に付勢する付勢部材の一例に相当する。圧縮バネ112は、当該圧縮バネ112の伸縮方向が上下方向となる姿勢で、穴部107の底面と摺動部材109の上面との間に設けられている。圧縮バネ112の復元力によって、摺動部材109およびボルト108を介してピストン冠15aに下向きの力が作用する。
ピストン油圧室106と接続される給排油機構として、プランジャポンプ31およびリリーフ弁32がピストン15に設けられる。給排油機構は、対象となる油圧室への作動油の供給または当該油圧室からの作動油の排出を行う機構である。プランジャポンプ31は、給油機能(つまり、作動油を供給する機能)を有する。プランジャポンプ31が後述する図5の作動状態になると、プランジャポンプ31による給油が行われる。リリーフ弁32は、排油機能(つまり、作動油を排出する機能)を有する。リリーフ弁32が後述する図6の作動状態になると、リリーフ弁32による排油が行われる。
プランジャポンプ31およびリリーフ弁32は、ピストンスカート15bの下部に設けられる。ピストン油圧室106およびピストンスカート油圧室111は、共通の給排油機構としてのプランジャポンプ31およびリリーフ弁32と接続される。ゆえに、ピストンスカート油圧室111の給排油(つまり、給油および排油)も、ピストン油圧室106と同様に、プランジャポンプ31およびリリーフ弁32により行われる。なお、プランジャポンプ31およびリリーフ弁32の詳細については、後述する。
ピン孔103の内周部には、潤滑油供給溝113が形成される。潤滑油供給溝113には、ピストンピン16の潤滑油が供給される。プランジャポンプ31は、供給油路114を介して、潤滑油供給溝113と接続される。油供給源と接続され、油供給源から供給される作動油が流通する油路を供給油路と呼ぶ。供給油路114は、油供給源から供給される作動油が流通する油路である。プランジャポンプ31には、潤滑油供給溝113から供給油路114を介して作動油が送られる。
プランジャポンプ31は、油路115を介して、油路116の一端と接続される。油路116は、油路117を介して、ピストン油圧室106およびピストンスカート油圧室111と接続される。例えば、複数の油路117がピストン15の周方向に間隔を空けて設けられ、各油路117は、1つのピストンスカート油圧室111と、ピストン油圧室106における当該ピストンスカート油圧室111の上方の部分と、に接続される。ピストン油圧室106およびピストンスカート油圧室111には、プランジャポンプ31により加圧された作動油が、プランジャポンプ31から油路115、油路116および油路117を介して送られる。
プランジャポンプ31により加圧された作動油がピストン油圧室106に送られることによって、ピストン油圧室106が加圧される。それにより、ピストン冠15aに上向きの力が作用する。プランジャポンプ31により加圧された作動油がピストンスカート油圧室111に送られることによって、ピストンスカート油圧室111が加圧される。それにより、ピストン冠15aに下向きの力が作用する。
ここで、ピストン油圧室106の油圧作用面の面積(具体的には、ピストン冠15aの突起部105の下面の面積)は、各ピストンスカート油圧室111の油圧作用面の面積(具体的には、摺動部材109の上面の面積)の合計よりも大きい。ゆえに、ピストン油圧室106の油圧により作用する上向きの力は、ピストンスカート油圧室111の油圧により作用する下向きの力よりも大きい。よって、ピストン冠15aが上側に移動する。このようなピストン油圧室106の加圧を繰り返し行うことにより、図4に示されるように、図3の上下位置に対してピストン冠15aを上側に移動させ、圧縮比を高くすることができる。
上記のように、ピストンスカート油圧室111の油圧により、ピストン冠15aに下向きの力が作用する。また、圧縮バネ112の復元力によっても、ピストン冠15aに下向きの力が作用する。これらの力によって、ピストン15の往復運動による慣性でピストン冠15aに作用する上向きの力が打ち消される。それにより、ピストン冠15aがピストンスカート15bに対して相対的に安定して移動する。
なお、図3では、油路116から複数の油路117が分岐し、さらに、各油路117がピストン油圧室106およびピストンスカート油圧室111の各々に向けて分岐している例が示されているが、油路116および油路117の経路(具体的には、油路の分岐の仕方)は、特に限定されない。
リリーフ弁32は、油路118を介して、油路116の他端と接続される。リリーフ弁32は、排出油路119と接続される。排出口と接続され、排出される作動油が流通する油路を排出油路と呼ぶ。ピストン冠15aを下側に移動させる場合(つまり、圧縮比を低下させる場合)、リリーフ弁32には、ピストン油圧室106およびピストンスカート油圧室111から、油路117、油路116および油路118を介して作動油が送られる。リリーフ弁32に送られた作動油は、排出油路119を介して図1中のクランクケース11内に排出される。
リリーフ弁32による作動油の排出によって、ピストン油圧室106およびピストンスカート油圧室111が減圧される。それにより、シリンダ12内の圧力と、ピストン15の往復運動による慣性と、圧縮バネ112の復元力とによって、ピストン冠15aに下向きの力が作用する。ゆえに、ピストン冠15aが下側に移動する。このようなピストン油圧室106の減圧を繰り返し行うことにより、図3に示されるように、ピストン冠15aを下側に移動させ、圧縮比を低くする(つまり、図3の圧縮比に戻す)ことができる。
図5は、本開示の第1の実施形態に係るプランジャポンプ31の各状態を示す断面図である。図5における上側が上死点側であり、図5における下側が下死点側である。図5では、左から順に、プランジャポンプ31の停止状態、プランジャポンプ31の作動状態、プランジャポンプ31の作動状態から停止状態への遷移状態が示されている。図5に示されるように、プランジャポンプ31は、ハウジング201と、ハウジング201内を摺動可能なプランジャ202とを備える。プランジャ202の摺動方向は、ピストン15の摺動方向と一致する。
ハウジング201は、第1筒状部201aと、第2筒状部201bと、蓋部201cとを含む。第1筒状部201aの下部に、プランジャ202が嵌合される。例えば、第1筒状部201aは円筒形であり、プランジャ202は円柱形である。第2筒状部201bは、第1筒状部201aの上部と接続される。例えば、第2筒状部201bは円筒形である。第2筒状部201bの上側の開口は、蓋部201cにより塞がれる。
第1筒状部201aの内部には、圧縮バネ203が設けられている。圧縮バネ203は、当該圧縮バネ203の圧縮方向が上下方向となる姿勢で、プランジャ202の上部と当接する。プランジャ202は、圧縮バネ203の復元力によって、下方向に付勢される。プランジャ202の下部は、第1筒状部201aより下方に延びる。プランジャ202の下部には、ローラ204がピン205を介して設けられている。ピン205は、上下方向に直交する方向に延びている。ローラ204は、ピン205の中心軸まわりに回転可能である。
ハウジング201内には、第1ポンプ油圧室206および第2ポンプ油圧室207が形成される。第1ポンプ油圧室206および第2ポンプ油圧室207は、プランジャ202側からプランジャ202の摺動方向(つまり、上下方向)に沿って順に並ぶ。具体的には、第1ポンプ油圧室206は第1筒状部201aの内部に形成され、第2ポンプ油圧室207は第2筒状部201bの内部に形成される。
第1ポンプ油圧室206と第2ポンプ油圧室207とを連通する連通孔208が、第2筒状部201bの下部に形成される。第2ポンプ油圧室207には、第2ポンプ油圧室207から第1ポンプ油圧室206への作動油の流れを制限する第1ポンプ逆止弁209が設けられる。第1ポンプ逆止弁209は、第1ポンプ弁体209aと、圧縮バネ209bとを含む。圧縮バネ209bは、当該圧縮バネ209bの圧縮方向が上下方向となる姿勢で、第1ポンプ弁体209aと当接する。第1ポンプ弁体209aは、第2ポンプ油圧室207から第1ポンプ油圧室206に向かう方向に圧縮バネ209bによって付勢され、連通孔208を第2ポンプ油圧室207側から塞ぐ。
第2筒状部201bには、図3中の油路115と接続される第1ポート210が形成される。第1筒状部201aにおける第1ポンプ油圧室206を画成する部分には、図3中の供給油路114と接続される第2ポート211が形成される。第2ポート211と供給油路114との間には、筒状部212および蓋部213が介在している。例えば、筒状部212は円筒形である。筒状部212の第2ポート211側に蓋部213が設けられている。
筒状部212の内部は、蓋部213を介して第2ポート211と連通している。筒状部212内には、第1ポンプ油圧室206から供給油路114に向かう作動油の流れを制限する第2ポンプ逆止弁214が設けられる。第2ポンプ逆止弁214は、第2ポンプ弁体214aと、圧縮バネ214bとを含む。圧縮バネ214bは、当該圧縮バネ214bの圧縮方向が筒状部212の軸方向となる姿勢で、第2ポンプ弁体214aと当接する。第2ポンプ弁体214aは、筒状部212内側から供給油路114に向かう方向に圧縮バネ214bによって付勢され、筒状部212の供給油路114側の開口を筒状部212内側から塞ぐ。
プランジャポンプ31は、プランジャ202が上方向に押圧されることによって作動する。つまり、プランジャ202は、押圧されることによってプランジャポンプ31を作動させる被押圧部に相当する。プランジャ202が上方向に押圧されていない場合、プランジャポンプ31は、図5に示される停止状態となる。停止状態では、第1ポンプ逆止弁209および第2ポンプ逆止弁214が閉状態(つまり、作動油の流通が遮断される状態)となる。
プランジャ202が上方向に押圧されると、プランジャポンプ31は、図5に示される作動状態となる。作動状態では、プランジャ202が上方向に移動することにより、第1ポンプ油圧室206が加圧される。ゆえに、第1ポンプ逆止弁209が開状態(つまり、作動油が流通する状態)となり、加圧された作動油が、第2ポンプ油圧室207および第1ポート210を介して油路115に送られる。それにより、図3中のピストン油圧室106が加圧されるので、ピストン冠15aが上側に移動する。
その後、プランジャ202の押圧が解除されると、プランジャポンプ31は、図5に示される遷移状態となる。遷移状態では、圧縮バネ203の復元力によって、プランジャ202が下方向に移動することにより、第1ポンプ油圧室206が減圧される。それにより、第1ポンプ逆止弁209が閉状態となり、第2ポンプ逆止弁214が開状態となる。ゆえに、供給油路114から第1ポンプ油圧室206に、第2ポート211を介して作動油が送られる。プランジャポンプ31は、作動状態から遷移状態を経て停止状態に戻る。
図6は、本開示の第1の実施形態に係るリリーフ弁32の各状態を示す断面図である。図6における上側が上死点側であり、図6における下側が下死点側である。図6では、左から順に、リリーフ弁32の停止状態、リリーフ弁32の作動状態、リリーフ弁32の作動状態から停止状態への遷移状態が示されている。図6に示されるように、リリーフ弁32は、ハウジング301と、ハウジング301内を摺動可能なプランジャ本体部302aを含むプランジャ302とを備える。プランジャ302の摺動方向は、ピストン15の摺動方向と一致する。
ハウジング301は、第1筒状部301aと、第2筒状部301bと、蓋部301cとを含む。第1筒状部301aの下部に、プランジャ本体部302aが嵌合される。例えば、第1筒状部301aは円筒形であり、プランジャ本体部302aは円柱形である。第2筒状部301bは、第1筒状部301aの上部と接続される。例えば、第2筒状部301bは円筒形である。第2筒状部301bの上側の開口は、蓋部301cにより塞がれる。
第1筒状部301aの内部には、圧縮バネ303が設けられている。圧縮バネ303は、当該圧縮バネ303の圧縮方向が上下方向となる姿勢で、プランジャ本体部302aの上部と当接する。プランジャ本体部302aは、圧縮バネ303の復元力によって、下方向に付勢される。プランジャ本体部302aの下部は、第1筒状部301aより下方に延びる。プランジャ本体部302aの下部には、ローラ304がピン305を介して設けられている。ピン305は、上下方向に直交する方向に延びている。ローラ304は、ピン305の中心軸まわりに回転可能である。プランジャ本体部302aの上部には、上方向に延びるプランジャ突起部302bが形成される。
ハウジング301内には、第1リリーフ弁油圧室306および第2リリーフ弁油圧室307が形成される。第1リリーフ弁油圧室306および第2リリーフ弁油圧室307は、プランジャ302側からプランジャ302の摺動方向(つまり、上下方向)に沿って順に並ぶ。具体的には、第1リリーフ弁油圧室306は第1筒状部301aの内部に形成され、第2リリーフ弁油圧室307は第2筒状部301bの内部に形成される。
第1リリーフ弁油圧室306と第2リリーフ弁油圧室307とを連通する連通孔308が、第2筒状部301bの下部に形成される。第2リリーフ弁油圧室307には、第2リリーフ弁油圧室307から第1リリーフ弁油圧室306への作動油の流れを制限するリリーフ弁逆止弁309が設けられる。リリーフ弁逆止弁309は、リリーフ弁弁体309aと、圧縮バネ309bとを含む。圧縮バネ309bは、当該圧縮バネ309bの圧縮方向が上下方向となる姿勢で、リリーフ弁弁体309aと当接する。リリーフ弁弁体309aは、第2リリーフ弁油圧室307から第1リリーフ弁油圧室306に向かう方向に圧縮バネ309bによって付勢され、連通孔308を第2リリーフ弁油圧室307側から塞ぐ。連通孔308は、プランジャ302のプランジャ突起部302bと対向している。プランジャ突起部302bは、連通孔308に挿通可能である。
第2筒状部301bには、図3中の油路118と接続される第1ポート310が形成される。第1リリーフ弁油圧室306には、図3中の排出油路119と接続される第2ポート311が形成される。
リリーフ弁32は、プランジャ302が上方向に押圧されることによって作動する。つまり、プランジャ302は、押圧されることによってリリーフ弁32を作動させる被押圧部に相当する。プランジャ302が上方向に押圧されていない場合、リリーフ弁32は、図6に示される停止状態となる。停止状態では、リリーフ弁逆止弁309が閉状態となる。
プランジャ302が上方向に押圧されると、リリーフ弁32は、図6に示される作動状態となる。作動状態では、プランジャ本体部302aと一体にプランジャ突起部302bが上方向に移動することにより、リリーフ弁弁体309aがプランジャ突起部302bによって押し上げられる。ゆえに、リリーフ弁逆止弁309が開状態となり、油路118と排出油路119とが、第2リリーフ弁油圧室307および第1リリーフ弁油圧室306を介して、連通される。よって、作動油が、油路118から排出油路119へ、第2リリーフ弁油圧室307および第1リリーフ弁油圧室306を介して送られ、排出油路119を通って排出される。それにより、図3中のピストン油圧室106が減圧されるので、ピストン冠15aが下側に移動する。
その後、プランジャ302の押圧が解除されると、リリーフ弁32は、図6に示される遷移状態となる。遷移状態では、圧縮バネ303の復元力によって、プランジャ本体部302aと一体にプランジャ突起部302bが下方向に移動することにより、リリーフ弁逆止弁309が閉状態となる。ゆえに、図3中のピストン油圧室106の油圧が維持される。リリーフ弁32は、作動状態から遷移状態を経て停止状態に戻る。
図7は、本開示の第1の実施形態に係るプランジャポンプ31の非作動時の作動機構22を示す模式図である。図8は、本開示の第1の実施形態に係るプランジャポンプ31の作動時の作動機構22を示す模式図である。図7および図8では、ピストン15が下死点に位置している状態が示されている。図7および図8に示される作動機構22は、プランジャポンプ31を作動させる機構である。なお、図7および図8では、プランジャポンプ31の作動機構22が示されているが、リリーフ弁32の作動も同様の機構により行われ得る。
作動機構22は、プランジャポンプ31のプランジャ202を押圧する押圧部としてのアーム22aを有する。アーム22aの一端は、ピン22bを介してクランクケース11と接続される。アーム22aは、クランクケース11に対してピン22bの中心軸まわりに回動可能である。アーム22aの他端(つまり、先端)は、ピストン15の下方に位置している。アーム22aは、ピン22cを介して油圧シリンダ22dと接続されている。アーム22aおよび油圧シリンダ22dは、ピン22cを介して相対的に回動可能である。油圧シリンダ22dを駆動させることにより、アーム22aをピン22bの中心軸まわりに回動させることができる。それにより、アーム22aの先端を上下方向に移動させることができる。
プランジャポンプ31の非作動時には、図7に示されるように、ピストン15が下死点まで降下した際に、アーム22aの先端がプランジャポンプ31のローラ204と接触しない位置に保持されるように、アーム22aの姿勢が制御される。ゆえに、ピストン15が下死点まで降下した際に、プランジャポンプ31のプランジャ202は、アーム22aにより押圧されない。よって、プランジャポンプ31が作動されず、停止状態となる。
プランジャポンプ31の作動時には、図8に示されるように、ピストン15が下死点まで降下した際に、アーム22aの先端がプランジャポンプ31のローラ204と接触する位置に保持されるように、アーム22aの姿勢が制御される。ゆえに、ピストン15が下死点まで降下した際に、プランジャポンプ31のプランジャ202は、アーム22aにより上方向に押圧される。よって、プランジャポンプ31が作動され、作動状態となる。
上記のように、プランジャポンプ31の被押圧部としてのプランジャ202は、ピストン15の摺動に伴いエンジン1内の押圧部としてのアーム22aによって押圧される。それにより、ピストン15の運動エネルギを有効に利用して、プランジャポンプ31を作動させることができる。つまり、プランジャポンプ31の駆動源を別途用意することなく、プランジャポンプ31を作動させることができる。なお、プランジャポンプ31以外の給排油機構(例えば、リリーフ弁32または後述するプランジャポンプ33)の作動を上記と同様の機構により行うことによっても、上記と同様の効果を奏し得る。
図9は、変形例に係るプランジャポンプ31の非作動時の作動機構23を示す模式図である。図10は、変形例に係るプランジャポンプ31の作動時の作動機構23を示す模式図である。図9および図10では、ピストン15が下死点に位置している状態が示されている。図9および図10に示される作動機構23は、プランジャポンプ31を作動させる機構のうち上記の作動機構22とは異なる機構である。なお、図9および図10では、プランジャポンプ31の作動機構23が示されているが、リリーフ弁32の作動も同様の機構により行われ得る。
変形例では、上述した第1の実施形態と異なり、プランジャポンプ31がピストン15の下部の外周部に設けられている。プランジャポンプ31は、プランジャ202の摺動方向が上下方向と交差する方向となる姿勢で、ピストン15に設けられている。プランジャポンプ31のローラ204は、ピストンスカート15bの外周面と面一に、かつ、シリンダ12内に位置している。
作動機構23は、プランジャポンプ31のプランジャ202を押圧する押圧部としてのアーム23aを有する。アーム23aの上端は、シリンダ12の外側において、ピン23bを介してシリンダ12と接続される。アーム23aは、シリンダ12に対してピン23bの中心軸まわりに回動可能である。シリンダ12には、シリンダ12の内部と外部とを連通する切り欠き部12aが形成されている。アーム23aの下部におけるシリンダ12の内部側には、カム部23cが形成されている。カム部23cは、プランジャポンプ31の非作動時に、シリンダ12の切り欠き部12a内に位置している。アーム23aは、ピン23dを介して油圧シリンダ23eと接続されている。アーム23aおよび油圧シリンダ23eは、ピン23dを介して相対的に回動可能である。油圧シリンダ23eを駆動させることにより、アーム23aをピン23bの中心軸まわりに回動させることができる。それにより、カム部23cをシリンダ12の径方向に移動させることができる。
プランジャポンプ31の非作動時には、図9に示されるように、ピストン15が下死点まで下降した際に、カム部23cがシリンダ12の切り欠き部12a内に位置するように、アーム23aの姿勢が制御される。ゆえに、ピストン15が下死点まで下降した際に、カム部23cがプランジャポンプ31のローラ204と接触しないので、プランジャポンプ31のプランジャ202は、アーム23aにより押圧されない。よって、プランジャポンプ31が作動されず、停止状態となる。
プランジャポンプ31の作動時には、図10に示されるように、ピストン15が下死点まで下降した際に、カム部23cがシリンダ12内に位置するように、アーム23aの姿勢が制御される。ゆえに、ピストン15が下死点まで下降した際に、カム部23cがプランジャポンプ31のローラ204と接触するので、プランジャポンプ31のプランジャ202は、アーム23aにより上下方向と交差する方向に押圧される。よって、プランジャポンプ31が作動され、作動状態となる。
ここで、図10に示されるように、プランジャポンプ31の作動時において、カム部23cは、下死点側に進むにつれて、ピストン15の中心軸に近づく。それにより、ピストン15が下降する際に、プランジャポンプ31のプランジャ202の押し込み量が緩やかに増加する。ゆえに、プランジャ202の押し込み量が急激に変化することが抑制される。よって、ピストン油圧室106の油圧が急激に変化することを抑制することができる。なお、プランジャポンプ31以外の給排油機構(例えば、リリーフ弁32または後述するプランジャポンプ33)の作動を上記と同様の機構により行うことによっても、上記と同様の効果を奏し得る。
上記のように、ピストン15では、ピストンスカート15bの上死点側には、ピストン15の摺動方向に窪む窪み部104が形成される。ピストン冠15aの下死点側には、窪み部104と篏合する突起部105が形成される。ピストン油圧室106は、窪み部104および突起部105によって画成される。それにより、ピストン油圧室106内の油圧を調整することによって、ピストン冠15aのピストンスカート15bに対する摺動方向の位置を調整することができる。それにより、エンジン1の圧縮比を変化させることができる。
なお、ピストン15の摺動方向に窪む窪み部は、ピストン冠15aの下死点側に形成されてもよい。その場合、窪み部と篏合する突起部は、ピストンスカート15bの上死点側に形成される。
なお、上記で説明したように、ピストン15では、ピストン油圧室106がピストンスカート15bとピストン冠15aとの間に設けられる。しかしながら、本開示に係るピストン油圧室は、ピストン冠15aに上死点向きの力を作用させる油圧が生じる油圧室であればよいので、ピストンスカート15bに設けられてもよく、ピストン冠15aに設けられてもよい。例えば、ピストン油圧室がピストンスカート15bに設けられる場合、ピストン冠15aと接続される部材の下死点側の面とピストンスカート15bによって当該ピストン油圧室が画成され得る。また、例えば、ピストン油圧室がピストン冠15aに設けられる場合、ピストンスカート15bと接続される部材の上死点側の面とピストン冠15aによって当該ピストン油圧室が画成され得る。
また、上記のように、ピストン15には、ピストン冠15aを下死点方向に付勢する付勢部材としての圧縮バネ112が設けられる。ゆえに、圧縮バネ112の復元力によって、ピストン冠15aに下向きの力が作用する。この力によって、ピストン15の往復運動による慣性でピストン冠15aに作用する上向きの力が打ち消される。それにより、エンジン1の圧縮比を変化させる際に、ピストン冠15aをピストンスカート15bに対して相対的に安定して移動させることができる。
また、上記のように、ピストン15は、ピストンスカート15bに形成され、ピストン15の摺動方向に延びる穴部107を有する。ピストン15は、ピストン冠15aと接続され、ピストンスカート15bを貫通して穴部107まで延びる貫通部材としてのボルト108を有する。ピストン15は、ボルト108に設けられ、穴部107内を摺動可能な摺動部材109を有する。ピストン15は、穴部107の内周部および摺動部材109により画成されるピストンスカート油圧室111を有する。ゆえに、ピストンスカート油圧室111の油圧により、ピストン冠15aに下向きの力が作用する。この力によって、ピストン15の往復運動による慣性でピストン冠15aに作用する上向きの力が打ち消される。それにより、エンジン1の圧縮比を変化させる際に、ピストン冠15aをピストンスカート15bに対して相対的に安定して移動させることができる。
また、上記のように、ピストン15では、ピストン油圧室106およびピストンスカート油圧室111は、共通の給排油機構(具体的には、プランジャポンプ31およびリリーフ弁32)と接続される。それにより、ピストン油圧室106の油圧と、ピストンスカート油圧室111の油圧とが乖離することを抑制することができる。ゆえに、例えばピストン油圧室106の油圧に対してピストンスカート油圧室111の油圧が過剰に高くなる状況を抑制することができるので、エンジン1の圧縮比をより安定的に変化させることができる。
<第2の実施形態>
図11〜図13を参照して、本開示の第2の実施形態について説明する。
図11は、本開示の第2の実施形態に係る低圧縮比の場合のピストン25を示す断面図である。図12は、本開示の第2の実施形態に係る高圧縮比の場合のピストン25を示す断面図である。ピストン25は、上述したピストン15と同様に、エンジン1のシリンダ12内を摺動可能である。
図11に示されるように、ピストン25では、上述したピストン15と比較して、ピストン油圧室106と接続される給排油機構が異なる。具体的には、ピストン25には、ピストン油圧室106と接続される給排油機構として、プランジャポンプ33が設けられる。プランジャポンプ33は、上述したプランジャポンプ31の給油機能とリリーフ弁32の排油機能とを併せ持つ。プランジャポンプ33が後述する図13の第1作動状態になると、プランジャポンプ33による排油が行われる。プランジャポンプ33が後述する図13の第2作動状態になると、プランジャポンプ33による給油が行われる。
プランジャポンプ33は、ピストンスカート15bの下部に設けられる。ピストン油圧室106およびピストンスカート油圧室111は、共通の給排油機構としてのプランジャポンプ33と接続される。ゆえに、ピストンスカート油圧室111の給排油も、ピストン油圧室106と同様に、プランジャポンプ33により行われる。なお、プランジャポンプ33の詳細については、後述する。
プランジャポンプ33は、供給油路114を介して、潤滑油供給溝113と接続される。プランジャポンプ33には、潤滑油供給溝113から供給油路114を介して作動油が送られる。プランジャポンプ33は、油路115を介して、油路116の一端と接続される。油路116は、上述したように、油路117を介して、ピストン油圧室106およびピストンスカート油圧室111と接続される。ピストン油圧室106およびピストンスカート油圧室111には、プランジャポンプ33により加圧された作動油が、プランジャポンプ33から油路115、油路116および油路117を介して送られる。
プランジャポンプ33により加圧された作動油がピストン油圧室106およびピストンスカート油圧室111に送られることによって、ピストン油圧室106およびピストンスカート油圧室111が加圧される。それにより、ピストン冠15aが上側に移動する。このようなピストン油圧室106の加圧を繰り返し行うことにより、図12に示されるように、図11の上下位置に対してピストン冠15aを上側に移動させ、圧縮比を高くすることができる。
プランジャポンプ33は、排出油路121と接続される。ピストン冠15aを下側に移動させる場合(つまり、圧縮比を低下させる場合)、プランジャポンプ33には、ピストン油圧室106およびピストンスカート油圧室111から、油路117、油路116および油路115を介して作動油が送られる。プランジャポンプ33に送られた作動油は、排出油路121を介して図1中のクランクケース11内に排出される。プランジャポンプ33による作動油の排出によって、ピストン油圧室106およびピストンスカート油圧室111が減圧される。それにより、ピストン冠15aが下側に移動する。このようなピストン油圧室106の減圧を繰り返し行うことにより、図11に示されるように、ピストン冠15aを下側に移動させ、圧縮比を低くする(つまり、図11の圧縮比に戻す)ことができる。
図13は、本開示の第2の実施形態に係るプランジャポンプ33の各状態を示す断面図である。図13における上側が上死点側であり、図13における下側が下死点側である。図13では、左から順に、プランジャポンプ33の停止状態、プランジャポンプ33の第1作動状態、プランジャポンプ33の第2作動状態、プランジャポンプ33の作動状態から停止状態への遷移状態が示されている。第1作動状態では、プランジャポンプ33は排油機構として機能する。第2操作状態では、プランジャポンプ33は給油機構として機能する。
図13に示されるように、プランジャポンプ33は、ハウジング401と、ハウジング401内を摺動可能なプランジャ本体部402aを含むプランジャ402とを備える。プランジャ402の摺動方向は、ピストン25の摺動方向と一致する。
ハウジング401は、第1筒状部401aと、第2筒状部401bとを含む。第1筒状部401aの下部に、プランジャ本体部402aが嵌合される。例えば、第1筒状部401aは円筒形であり、プランジャ本体部402aは円柱形である。第2筒状部401bは、第1筒状部401aの上部と接続される。例えば、第2筒状部401bは、上側に底部を有し、下側に開口を有する円筒形である。
第1筒状部401aの内部には、圧縮バネ403が設けられている。圧縮バネ403は、当該圧縮バネ403の圧縮方向が上下方向となる姿勢で、プランジャ本体部402aの上部と当接する。プランジャ本体部402aは、圧縮バネ403の復元力によって、下方向に付勢される。プランジャ本体部402aの下部は、第1筒状部401aより下方に延びる。プランジャ本体部402aの下部には、ローラ404がピン405を介して設けられている。ピン405は、上下方向に直交する方向に延びている。ローラ404は、ピン405の中心軸まわりに回転可能である。プランジャ本体部402aの上部には、上方向に延びるプランジャ突起部402bが形成される。
ハウジング401内には、第1ポンプ油圧室406および第2ポンプ油圧室407が形成される。第1ポンプ油圧室406および第2ポンプ油圧室407は、プランジャ402側からプランジャ402の摺動方向(つまり、上下方向)に沿って順に並ぶ。具体的には、第1ポンプ油圧室406は第1筒状部401aの内部に形成され、第2ポンプ油圧室407は第2筒状部401bの内部に形成される。
第1ポンプ油圧室406と第2ポンプ油圧室407とを連通する連通孔408が、第1筒状部401aの上部に形成される。第2ポンプ油圧室407には、第2ポンプ油圧室407から第1ポンプ油圧室406への作動油の流れを制限する第1ポンプ逆止弁409が設けられる。第1ポンプ逆止弁409は、第1ポンプ弁体409aと、圧縮バネ409bとを含む。圧縮バネ409bは、当該圧縮バネ409bの圧縮方向が上下方向となる姿勢で、第1ポンプ弁体409aと当接する。第1ポンプ弁体409aは、第2ポンプ油圧室407から第1ポンプ油圧室406に向かう方向に圧縮バネ409bによって付勢され、連通孔408を第2ポンプ油圧室407側から塞ぐ。連通孔408は、プランジャ402のプランジャ突起部402bと対向している。プランジャ突起部402bは、連通孔408に挿通可能である。
第2筒状部401bには、図11中の油路115と接続される(つまり、ピストン油圧室106と接続される)第1ポート410が形成される。第1筒状部401aにおける第1ポンプ油圧室406を画成する部分には、図11中の供給油路114と接続される第2ポート411が形成される。第1筒状部401aにおけるプランジャ本体部402aの側面と対向する部分には、図11中の排出油路121と接続される第3ポート412が形成される。
第2ポート411と供給油路114との間には、筒状部413が介在している。例えば、筒状部413は円筒形である。筒状部413の内部は、第2ポート411および供給油路114とそれぞれ連通している。筒状部413内には、第1ポンプ油圧室406から供給油路114に向かう作動油の流れを制限する第2ポンプ逆止弁414が設けられる。第2ポンプ逆止弁414は、第2ポンプ弁体414aと、圧縮バネ414bとを含む。圧縮バネ414bは、当該圧縮バネ414bの圧縮方向が筒状部413の軸方向となる姿勢で、第2ポンプ弁体414aと当接する。第2ポンプ弁体414aは、筒状部413内側から供給油路114に向かう方向に圧縮バネ414bによって付勢され、筒状部413の供給油路114側の開口を筒状部413内側から塞ぐ。
プランジャ本体部402aには、貫通路402cが、プランジャ本体部402aの上部からプランジャ本体部402aの側面に亘って貫通して形成される。プランジャ本体部402aの側面における貫通路402cの開口402dの周方向位置(具体的には、プランジャ402の周方向の位置)は、第3ポート412の周方向位置と対応する(具体的には、略一致する)。
プランジャポンプ33は、プランジャ402が上方向に押圧されることによって作動する。つまり、プランジャ402は、押圧されることによってプランジャポンプ33を作動させる被押圧部に相当する。プランジャ402が上方向に押圧されていない場合、プランジャポンプ33は、図13に示される停止状態となる。停止状態では、第1ポンプ逆止弁409および第2ポンプ逆止弁414が閉状態となる。
プランジャ402が上方向に押圧され、プランジャ402が停止状態から距離h1だけ上昇すると、プランジャポンプ33は、図13に示される第1作動状態となる。第1作動状態では、プランジャ本体部402aと一体にプランジャ突起部402bが上方向に移動することにより、第1ポンプ弁体409aがプランジャ突起部402bによって押し上げられる。それにより、第1ポンプ逆止弁409が開状態となる。第1作動状態では、貫通路402cの開口402dと第3ポート412との間で上下位置が略一致する。ゆえに、貫通路402cの開口402dと、第3ポート412とが連通される。よって、油路115と排出油路121とが、第2ポンプ油圧室407、第1ポンプ油圧室406および貫通路402cを介して、連通される。ゆえに、作動油が、油路115から排出油路121へ、第2ポンプ油圧室407、第1ポンプ油圧室406および貫通路402cを介して送られ、排出油路121を通って排出される。それにより、図11中のピストン油圧室106が減圧されるので、ピストン冠15aが下側に移動する。
プランジャ402が上方向に押圧され、プランジャ402が停止状態から距離h1よりも長い距離h2だけ上昇すると、プランジャポンプ33は、図13に示される第2作動状態となる。第2作動状態では、プランジャ本体部402aと一体にプランジャ突起部402bが上方向に移動することにより、第1ポンプ弁体409aがプランジャ突起部402bによって押し上げられる。それにより、第1ポンプ逆止弁409が開状態となる。第2作動状態では、第1作動状態と異なり、貫通路402cの開口402dの上下位置は、第3ポート412の上下位置よりも高くなる。ゆえに、貫通路402cの開口402dと、第3ポート412とは連通しない。よって、第1ポンプ油圧室406で加圧された作動油が、第2ポンプ油圧室407および第1ポート410を介して油路115に送られる。それにより、図11中のピストン油圧室106が加圧されるので、ピストン冠15aが上側に移動する。
第1作動状態または第2作動状態の後、プランジャ402の押圧が解除されると、プランジャポンプ33は、図13に示される遷移状態となる。遷移状態では、圧縮バネ403の復元力によって、プランジャ402が下方向に移動することにより、第1ポンプ油圧室406が減圧される。それにより、第1ポンプ逆止弁409が閉状態となり、第2ポンプ逆止弁414が開状態となる。ゆえに、供給油路114から第1ポンプ油圧室406に、第2ポート411を介して作動油が送られる。プランジャポンプ33は、作動状態(具体的には、第1作動状態または第2作動状態)から遷移状態を経て停止状態に戻る。
なお、プランジャポンプ33を作動させる作動機構としては、上述した図7、図8中の作動機構22または図9、図10中の作動機構23が用いられ得る。ここで、作動機構によるプランジャ402の押し込み量(つまり、停止状態からのプランジャ402の移動距離)を変えることによって、プランジャポンプ33の作動状態を、第1作動状態と第2作動状態との間で切り替えることができる。プランジャ402の押し込み量は、例えば、プランジャポンプ33の作動時における作動機構22のアーム22aの先端または作動機構23のカム部23cの位置を調整することによって、調整され得る。
上記のように、ピストン25では、ピストン油圧室106と接続される給排油機構は、プランジャポンプ33である。プランジャポンプ33は、連通孔408に挿通可能なプランジャ突起部402bと、ハウジング401におけるプランジャ本体部402aの側面と対向する部分に形成される第3ポート412と、プランジャ本体部402aの第1ポンプ油圧室406側からプランジャ本体部402aの側面に亘って貫通して形成される貫通路402cとを備える。ゆえに、プランジャポンプ33は、上述したように、給油機能と排油機能とを併せ持つ。それにより、ピストン25への作動油の供給と排出とを1つのプランジャポンプ33により実現することができる。ゆえに、ピストン25の部品点数が増大することが抑制される。よって、ピストン25の製造コストを低減することができる。
ここで、図13に示されるように、ピストン25では、プランジャ本体部402aの側面における貫通路402cの開口402dと、プランジャ突起部402bの先端との間の上下方向(つまり、プランジャ402の摺動方向)の長さL1は、第3ポート412と、連通孔408との間の上下方向の長さL2よりも長い。それにより、貫通路402cの開口402dと第3ポート412との間で上下位置が略一致する第1作動状態において、プランジャ突起部402bの先端の上下位置を連通孔408の上下位置よりも上にすることができる。ゆえに、第1作動状態において、連通孔408を塞ぐ第1ポンプ弁体409aまでプランジャ突起部402bの先端が届かない状況を抑制することができる。よって、第1作動状態において、第1ポンプ弁体409aをプランジャ突起部402bによって押し上げ、第1ポンプ逆止弁409を開状態にすることが適切に実現される。それにより、第1作動状態において、油路115と排出油路121を連通させることが適切に実現される。また、プランジャ402が第1作動状態に対してさらに上昇する第2作動状態においても、第1ポンプ弁体409aをプランジャ突起部402bによって押し上げ、第1ポンプ逆止弁409を開状態にすることが適切に実現される。
また、図13に示されるように、プランジャ本体部402aの側面における貫通路402cの開口402dと、プランジャ本体部402aの側面における上端部(つまり、第1ポンプ油圧室406側の端部)との間の上下方向(つまり、プランジャ402の摺動方向)の長さL3は、第3ポート412と第2ポート411との間の上下方向の長さL4よりも短い。それにより、貫通路402cの開口402dと第3ポート412との間で上下位置が略一致する第1作動状態において、プランジャ本体部402aの側面における上端部の上下位置を第2ポート411の上下位置よりも下にすることができる。ゆえに、第1作動状態において、第2ポート411がプランジャ本体部402aの側面により塞がれる状況を抑制することができる。
ここで、第1作動状態から停止状態への遷移状態において、第2ポンプ逆止弁414が閉状態となったままプランジャ402が下方向に移動すると、第1ポンプ油圧室406が過剰に低圧となってしまい、プランジャ402を下方向に移動させる力として圧縮バネ403の復元力が不足する場合がある。ゆえに、第1作動状態において、第2ポート411がプランジャ本体部402aの側面により塞がれないようにすることによって、遷移状態において、第1ポンプ油圧室406が過剰に低圧となることを抑制し、プランジャ402を下方向に適切に移動させることができる。また、プランジャ402が第1作動状態に対してさらに上昇する第2作動状態においても、第2ポート411がプランジャ本体部402aの側面により塞がれる状況を抑制することができるので、第2作動状態から停止状態への遷移状態において、プランジャ402を下方向に適切に移動させることができる。
<第3の実施形態>
図14〜図17を参照して、本開示の第3の実施形態について説明する。
図14は、本開示の第3の実施形態に係る低圧縮比の場合のピストン35を示す断面図である。図15は、本開示の第3の実施形態に係る高圧縮比の場合のピストン35を示す断面図である。ピストン35は、上述したピストン15と同様に、エンジン1のシリンダ12内を摺動可能である。
図14に示されるように、ピストン35では、上述したピストン15と比較して、ピストン油圧室106と接続される給排油機構が異なる。具体的には、ピストン油圧室106と接続される給排油機構として、給排油機構34Lおよび給排油機構34Rが設けられる。給排油機構34Lおよび給排油機構34Rは互いに同様の構成要素を有する。なお、以下では、給排油機構34Lおよび給排油機構34Rを特に区別しない場合、給排油機構34とも呼ぶ。給排油機構34Lは、ピストン35の下部に設けられる逆止弁部34Laと、ピストン35の外部における逆止弁部34Laの下方に設けられる給排油部34Lbとを備える。給排油機構34Rは、ピストン35の下部に(つまり、下死点側に)設けられる逆止弁部34Raと、ピストン35の外部における逆止弁部34Raの下方に(つまり、下死点側に)設けられる給排油部34Rbとを備える。
給排油機構34Lが給油機能を有し、給排油機構34Rが排油機能を有する。給排油機構34Lが後述する図16のように作動すると、ピストン油圧室106への給油が行われる。給排油機構34Rが後述する図17のように作動すると、ピストン油圧室106からの排油が行われる。
ピストン油圧室106およびピストンスカート油圧室111は、共通の給排油機構としての給排油機構34Lおよび給排油機構34Rと接続される。ゆえに、ピストンスカート油圧室111の給排油も、ピストン油圧室106と同様に、給排油機構34Lおよび給排油機構34Rにより行われる。なお、給排油機構34Lおよび給排油機構34Rの詳細については、後述する。
給排油部34Lbおよび給排油部34Rbは、ピストン35の下方に位置する支持台41に設けられる。支持台41における逆止弁部34Laの下方には、上方向に延びるシリンダ部42が設けられている。給排油部34Lbは、シリンダ部42と嵌合する。シリンダ部42の側部には、シリンダ部42の内部と外部とを連通するポート42aが設けられている。支持台41における逆止弁部34Raの下方には、上方向に延びるシリンダ部43が設けられている。給排油部34Rbは、シリンダ部43と嵌合する。シリンダ部43の側部には、シリンダ部43の内部と外部とを連通するポート43aが設けられている。
支持台41には、シリンダ部42の内部空間と切替弁44とを連通する油路41aが形成されている。油路41aは、シリンダ部42の底部で当該シリンダ部42の内部空間と接続される。支持台41には、シリンダ部43の内部空間と切替弁45とを連通する油路41bが形成されている。油路41bは、シリンダ部43の底部で当該シリンダ部43の内部空間と接続される。
切替弁44および切替弁45は、油圧ポンプ46と接続されている。切替弁44の動作を制御することによって、油圧ポンプ46からシリンダ部42の内部空間(具体的には、シリンダ部42の底部と給排油部34Lbの底部との間の空間)へ油路41aを介して作動油が供給される状態と、シリンダ部42の内部空間から油路41aを介して作動油が排出される状態とを切り替えることができる。切替弁45の動作を制御することによって、油圧ポンプ46からシリンダ部43の内部空間(具体的には、シリンダ部43の底部と給排油部34Rbの底部との間の空間)へ油路41bを介して作動油が供給される状態と、シリンダ部43の内部空間から油路41bを介して作動油が排出される状態とを切り替えることができる。
シリンダ部42の内部空間へ作動油が供給されると、給排油部34Lbが上昇する。シリンダ部42の内部空間から作動油が排出されると、給排油部34Lbが下降する。シリンダ部43の内部空間へ作動油が供給されると、給排油部34Rbが上昇する。シリンダ部43の内部空間から作動油が排出されると、給排油部34Rbが下降する。給排油部34Lbおよび給排油部34Rbの上下位置を調整することによって、各給排油機構34を、作動可能である状態と非作動である状態との間で切り替えることができる。
具体的には、給排油部34Lbの内部空間がシリンダ部42のポート42aと連通する場合、給排油機構34Lが作動可能となり、給排油部34Lbの内部空間がシリンダ部42のポート42aと連通しない場合、給排油機構34Lが非作動となる。給排油部34Rbの内部空間がシリンダ部43のポート43aと連通する場合、給排油機構34Rが作動可能となり、給排油部34Rbの内部空間がシリンダ部43のポート43aと連通しない場合、給排油機構34Rが非作動となる。
図14および図15では、給排油機構34Lが作動可能であり給排油機構34Rが非作動である状態が示されている。この状態では、給排油機構34Lを作動させ、ピストン油圧室106への給油を行うことができる。一方、給排油機構34Lが非作動であり給排油機構34Rが作動可能である状態では、給排油機構34Rを作動させ、ピストン油圧室106からの排油を行うことができる。
油圧ポンプ46は、切替弁47を介してシリンダ部42の側部のポート42aと接続されている。ゆえに、図14に示されるように、給排油機構34Lが作動可能な状態では、油圧ポンプ46から給排油部34Lbへ、供給油路としてのポート42aを介して作動油が供給される。給排油機構34Lの作動時には、後述するように、給排油部34Lbの内部空間と逆止弁部34Laの内部空間とが連通する。逆止弁部34Laは、油路115を介して、油路116の一端と接続される。油路116は、上述したように、油路117を介して、ピストン油圧室106およびピストンスカート油圧室111と接続される。ピストン油圧室106およびピストンスカート油圧室111には、加圧された作動油が、給排油機構34Lから油路115、油路116および油路117を介して送られる。
加圧された作動油が給排油機構34Lからピストン油圧室106およびピストンスカート油圧室111に送られることによって、ピストン油圧室106およびピストンスカート油圧室111が加圧される。それにより、ピストン冠15aが上側に移動する。このようなピストン油圧室106の加圧を繰り返し行うことにより、図15に示されるように、図14の上下位置に対してピストン冠15aを上側に移動させ、圧縮比を高くすることができる。
逆止弁部34Raは、油路118を介して、油路116の他端と接続される。給排油機構34Rの作動時には、後述するように、給排油部34Rbの内部空間と逆止弁部34Raの内部空間とが連通する。ゆえに、給排油機構34Rが作動可能な状態では、給排油部34Rbに、ピストン油圧室106およびピストンスカート油圧室111から、油路117、油路116および油路118を介して作動油が送られる。給排油機構34Rが作動可能な状態では、給排油部34Rbの内部空間はシリンダ部43のポート43aと接続されている。ゆえに、給排油部34Rbに送られた作動油は、排出油路としてのポート43aを介して図1中のクランクケース11内に排出される。
給排油機構34Rによる作動油の排出によって、ピストン油圧室106およびピストンスカート油圧室111が減圧される。それにより、ピストン冠15aが下側に移動する。このようなピストン油圧室106の減圧を繰り返し行うことにより、図14に示されるように、ピストン冠15aを下側に移動させ、圧縮比を低くする(つまり、図14の圧縮比に戻す)ことができる。
図16は、本開示の第3の実施形態に係る給排油機構34Lが給油機構として作動する様子を示す断面図である。図16における上側が上死点側であり、図16における下側が下死点側である。
図16に示されるように、逆止弁部34Laは、ピストン35の下部に(つまり、下死点側に)形成されるピストンポート501aを含むポート部材501と、ピストンポート501aを塞ぐピストン弁体502aを含むピストン逆止弁502とを有する。
ポート部材501は、ピストン35の下部に設けられる。例えば、ポート部材501は、上端に開口を有し、下端に底部を有する円筒形である。ポート部材501の下部は、ピストン35の下端より下方に延びる。ポート部材501の上側の開口は、カバー503により覆われる。ポート部材501の底部に、ポート部材501の内部と外部とを連通するピストンポート501aが形成される。ピストンポート501aは上下方向に延びている。ポート部材501の下端には、給排油部34Lbとの接触面501bが形成されている。例えば、接触面501bは、球面状である。
ポート部材501およびカバー503によって、ポート部油圧室504が画成される。ポート部材501の側部には、ポート部油圧室504と図14中の油路115とを連通するポート501cが形成される。ゆえに、ピストンポート501aは、ポート部油圧室504、ポート501cおよび油路115を介して、ピストン油圧室106と連通する。
ピストン逆止弁502は、ポート部油圧室504内に設けられる。ピストン逆止弁502は、ピストン35内からピストン35外へのピストンポート501aを介した作動油の流れを制限する。ピストン逆止弁502は、ピストン弁体502aと、圧縮バネ502bとを含む。圧縮バネ502bは、当該圧縮バネ502bの圧縮方向が上下方向となる姿勢で、ピストン弁体502aと当接する。ピストン弁体502aは、ピストン35内側から(具体的には、ポート部油圧室504から)ピストンポート501aに向かう方向に圧縮バネ502bによって付勢され、ピストンポート501aをピストン35内側から塞ぐ。ピストン弁体502aのリフト量は、カバー503の下部から下方に延びる突起部503aによって制限される。
給排油部34Lbは、ハウジング511と、ハウジング511内を移動可能であり上下方向に延びる延在部材512とを有する。ハウジング511は、底部511aと、外側筒状部511bと、内側筒状部511cとを含む。例えば、外側筒状部511bおよび内側筒状部511cは円筒形である。外側筒状部511bは、上下方向に延びる。外側筒状部511bの下側の開口は底部511aにより塞がれる。内側筒状部511cは、外側筒状部511bの内周部に嵌合する。内側筒状部511cは、外側筒状部511b内を上下方向(つまり、ピストン35の摺動方向)に摺動する。
外側筒状部511bの内部には、圧縮バネ513が設けられている。圧縮バネ513は、当該圧縮バネ513の圧縮方向が上下方向となる姿勢で、内側筒状部511cの下部と当接する。内側筒状部511cは、圧縮バネ513の復元力によって、上方向に付勢される。内側筒状部511cの上端部は、外側筒状部511bの上端部よりも上側に位置する。内側筒状部511cは、外側筒状部511bの上端部により係止され、外側筒状部511bに対して上方向に抜け出ないようになっている。
ハウジング511内には、図14中の供給油路としてのポート42aと連通する給排油部油圧室514が形成される。具体的には、給排油部油圧室514は、内側筒状部511cの下部、外側筒状部511bの内周部および底部511aの上部により画成される。底部511aには、給排油部油圧室514とポート42aとを接続する油路515が形成される。底部511aの上部には、上方向に延びる筒部516が形成されている。油路515は、筒部516内を通って給排油部油圧室514と接続される。
給排油部油圧室514の上部(つまり、上死点側)には、油圧室開口517が形成される。具体的には、内側筒状部511cの下部には、弁座518が設けられる。油圧室開口517は、弁座518によって画成される。つまり、油圧室開口517は、内側筒状部511cの下部に形成される。
内側筒状部511cの内部には、圧縮バネ519が設けられている。圧縮バネ519は、当該圧縮バネ519の圧縮方向が上下方向となる姿勢で、延在部材512の拡径部512aの下部と当接する。延在部材512は、圧縮バネ519の復元力によって、上方向に付勢される。延在部材512は、内側筒状部511cの上側の開口を通過してハウジング511の外部まで延びる。延在部材512は、内側筒状部511cの上端部により係止され、内側筒状部511cに対して上方向に抜け出ないようになっている。内側筒状部511cの上端部には、シーリング部材520が設けられている。
延在部材512の下端には、給排油部弁体512bが設けられる。給排油部弁体512bは、弁座518より下方に位置しており、油圧室開口517を給排油部油圧室514側から塞ぐ。給排油部弁体512bは、圧縮バネ519の復元力によって、上方向に付勢される。ゆえに、給排油部弁体512bは、給排油部油圧室514内から給排油部油圧室514外への油圧室開口517を介した作動油の流れを制限する。
給排油機構34Lは、給排油部34Lbが逆止弁部34Laにより下方向に押圧されることによって作動する。図16に示される例では、時刻T11において、ピストン35が下降しているものの、逆止弁部34Laは給排油部34Lbと接触していない。この時、ピストン逆止弁502は閉状態であるので、ポート部油圧室504の油圧は保持されている。また、油圧室開口517は、給排油部弁体512bにより閉じられている。
時刻T11の後の時刻T12において、逆止弁部34Laが給排油部34Lbと接触する。この時、ポート部材501の接触面501bが内側筒状部511cのシーリング部材520と接触するとともに、延在部材512の上端とピストン逆止弁502のピストン弁体502aとが、接触して互いに押し合う。それにより、ピストン逆止弁502がピストンポート501aに対して相対的に上昇するので、ピストン逆止弁502が開状態となる。さらに、延在部材512が油圧室開口517に対して相対的に下降するので、油圧室開口517が給排油部弁体512bにより開放される。ゆえに、油路115とポート42aとが連通する。
このように油路115とポート42aとが連通した状態は、時刻T12の後、ピストン35が下死点まで到達する時刻T13を経て、逆止弁部34Laが給排油部34Lbから離れる(つまり、給排油部34Lbと接触しない状態となる)位置までピストン35が上昇する時刻T14までの間、維持される。ゆえに、時刻T12から時刻T14までの間、ポート42aと油圧ポンプ46とが接続されるように切替弁47を制御することによって、加圧された作動油が、給排油機構34Lから油路115に送られる。それにより、図14中のピストン油圧室106が加圧されるので、ピストン冠15aが上側に移動する。
図17は、本開示の第3の実施形態に係る給排油機構34Rが排油機構として作動する様子を示す断面図である。図17における上側が上死点側であり、図17における下側が下死点側である。
上述したように、給排油機構34Rの構成は、給排油機構34Lの構成と同様である。ただし、給排油機構34Rでは、逆止弁部34Raのポート501cは、図14中の油路118と連通する。ゆえに、ピストンポート501aは、ポート部油圧室504、ポート501cおよび油路118を介して、ピストン油圧室106と連通する。また、給排油部34Rbのハウジング511内に形成される給排油部油圧室514は、図14中の排出油路としてのポート43aと連通する。具体的には、ハウジング511の底部511aに形成される油路515は、給排油部油圧室514とポート43aとを接続する。
給排油機構34Rは、給排油部34Rbが逆止弁部34Raにより下方向に押圧されることによって作動する。図17に示される例では、時刻T21において、ピストン35が下降しているものの、逆止弁部34Raは給排油部34Rbと接触していない。この時、ピストン逆止弁502は閉状態であるので、ポート部油圧室504の油圧は保持されている。また、油圧室開口517は、給排油部弁体512bにより閉じられている。
時刻T21の後の時刻T22において、逆止弁部34Raが給排油部34Rbと接触する。この時、ポート部材501の接触面501bが内側筒状部511cのシーリング部材520と接触するとともに、延在部材512の上端とピストン逆止弁502のピストン弁体502aとが、接触して互いに押し合う。それにより、ピストン逆止弁502がピストンポート501aに対して相対的に上昇するので、ピストン逆止弁502が開状態となる。さらに、延在部材512が油圧室開口517に対して相対的に下降するので、油圧室開口517が給排油部弁体512bにより開放される。ゆえに、油路118とポート43aとが連通する。
このように油路118とポート43aとが連通した状態は、時刻T22の後、ピストン35が下死点まで到達する時刻T23を経て、逆止弁部34Raが給排油部34Rbから離れる(つまり、給排油部34Rbと接触しない状態となる)位置までピストン35が上昇する時刻T24までの間、維持される。ゆえに、時刻T22から時刻T24までの間、作動油が、油路118からポート43aへ給排油機構34Rを介して送られ、ポート43aを通って排出される。それにより、図14中のピストン油圧室106が減圧されるので、ピストン冠15aが下側に移動する。
上記のように、ピストン35では、ピストン油圧室106と接続される給排油機構は、給排油機構34である。給排油機構34は、ピストン油圧室106と連通するピストンポート501aと、ピストンポート501aを塞ぐピストン弁体502aを含むピストン逆止弁502とを有する逆止弁部(具体的には、逆止弁部34La,34Ra)を備える。また、給排油機構34は、ハウジング511と、ハウジング511内に形成される給排油部油圧室514と、給排油部油圧室514に形成される油圧室開口517と、油圧室開口517を給排油部油圧室514側から塞ぐ給排油部弁体512bを含み、ピストンポート501aに挿通可能な延在部材512とを有する給排油部(具体的には、給排油部34Lb,34Rb)を備える。ゆえに、摺動体としてのピストン35への外部の油供給源(具体的には、油圧ポンプ46)からの給油、および、ピストン35から外部への排油を、給排油機構34を介して行うことができる。よって、摺動体としてのピストン35の給排油(つまり、給油および排油)を適切に行うことができる。
ここで、例えば、ピストン35の摺動に伴い伸縮する給排油機構(例えば、テレスコ管を含む機構)を利用することによって、ピストン35への外部の油供給源からの給油、および、ピストン35から外部への排油を行うことが考えられる。しかしながら、この場合、装置全体が大型化するおそれがある。ピストン35の給排油機構として給排油機構34を用いることによって、装置全体の大型化が抑制される。さらに、ピストン35の給排油機構として給排油機構34を用いることによって、給排油機構における部品間の摺動部分を低減することができる。
また、給排油機構34では、ハウジングは、外側筒状部511bと、当該外側筒状部511b内をピストン15の摺動方向(具体的には、上下方向)に摺動する内側筒状部511cとを含む。内側筒状部511cは、下側から上側に向かう方向に付勢される。内側筒状部511cにおける上側の端部は、外側筒状部511bにおける上側の端部よりも上側に位置する。給排油部油圧室514は、内側筒状部511cにおける下側と、外側筒状部511bの内周部により画成される。油圧室開口517は、内側筒状部511cにおける上側に形成される。延在部材512は、内側筒状部511cにおける上側の開口を通過してハウジング511の外部まで延びる。それにより、延在部材512の上端とピストン弁体502aとが接触して互いに押し合うことによってピストン逆止弁502および油圧室開口517が開放された状態を、内側筒状部511cが外側筒状部511b内を摺動する間(例えば、図16中の時刻T12から時刻T14までの間または図17中の時刻T22から時刻T24までの間)継続させることができる。ゆえに、ピストン35への外部の油供給源からの給油、および、ピストン35から外部への排油をより適切に行うことができる。
また、給排油機構34では、内側筒状部511cにおける上側には、シーリング部材520が設けられている。それにより、逆止弁部と給排油部との接触(例えば、逆止弁部34Laと給排油部34Lbとの接触または逆止弁部34Raと給排油部34Rbとの接触)において、逆止弁部または給排油部が損傷することを抑制することができる。
なお、給排油機構34は、給排油部油圧室514と連通する油路を、供給油路と排出油路との間で切り替える切替弁を有することが好ましい。例えば、図14中の切替弁47の動作を制御することによって、給排油部34Lbの給排油部油圧室514と連通する油路を、供給油路と排出油路との間で切り替え可能となっていてもよい。それにより、1つの給排油機構34で給油機能と排油機能とを賄うことができるので、部品点数を低減することができる。
以上、添付図面を参照しながら実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
上記では、船舶用のトランクピストン型のエンジン1について説明した。しかしながら、本開示に係るエンジンは、船舶以外の他の用途で用いられるトランクピストン型のエンジン(例えば、車両用のトランクピストン型のエンジン等)であってもよい。
上記では、各図面を参照して、各構成要素の形状および配置について説明したが、本開示に係るエンジンは、上記の例に特に限定されない。例えば、窪み部104、突起部105およびピストン油圧室106の形状は、円環以外の形状(例えば、円、楕円もしくは多角形またはこれらを組み合わせた形状)であってもよい。例えば、ピストン15,25,35内に形成される油路の経路は、図面に示した経路以外であってもよい。例えば、プランジャポンプ31、リリーフ弁32、プランジャポンプ33および給排油機構34の各部材は、複数の部材によって形成されてもよい。また、プランジャポンプ31、リリーフ弁32、プランジャポンプ33および給排油機構34において互いに接続する部材同士は、一体的に形成されてもよい。
本開示は、エンジンに利用することができる。
1:エンジン 12:シリンダ 15,25,35:ピストン 15a:ピストン冠 15b:ピストンスカート 16:ピストンピン 17:コンロッド 21:燃焼室 22,23:作動機構 31:プランジャポンプ 32:リリーフ弁 33:プランジャポンプ 34,34L,34R:給排油機構 34La,34Ra:逆止弁部 34Lb,34Rb:給排油部 101:触火面 102:リング溝 103:ピン孔 104:窪み部 105:突起部 106:ピストン油圧室 107:穴部 108:ボルト(貫通部材) 109:摺動部材 110:ナット 111:ピストンスカート油圧室 112:圧縮バネ(付勢部材) 113:潤滑油供給溝 114:供給油路 201:ハウジング 202:プランジャ 301:ハウジング 302:プランジャ 401:ハウジング 402:プランジャ 402a:プランジャ本体部 402b:プランジャ突起部 402c:貫通路 402d:開口 406:第1ポンプ油圧室 407:第2ポンプ油圧室 408:連通孔 409:第1ポンプ逆止弁 409a:第1ポンプ弁体 409b:圧縮バネ 410:第1ポート 411:第2ポート 412:第3ポート 413:筒状部 414:第2ポンプ逆止弁 414a:第2ポンプ弁体 414b:圧縮バネ 501:ポート部材 501a:ピストンポート 501b:接触面 501c:ポート 502:ピストン逆止弁 502a:ピストン弁体 502b:圧縮バネ 503:カバー 503a:突起部 504:ポート部油圧室 511:ハウジング 511a:底部 511b:外側筒状部 511c:内側筒状部 512:延在部材 512a:拡径部 512b:給排油部弁体 513:圧縮バネ 514:給排油部油圧室 515:油路 516:筒部 517:油圧室開口 518:弁座 519:圧縮バネ 520:シーリング部材

Claims (9)

  1. シリンダ内を摺動可能なピストンを備え、
    前記ピストンは、
    コンロッドと接続されているピストンスカートと、
    前記ピストンスカートの上死点側と接続され、前記ピストンスカートに対して前記ピストンの摺動方向に相対的に移動可能なピストン冠と、
    前記ピストンスカート、前記ピストン冠、または、前記ピストンスカートと前記ピストン冠との間に設けられるピストン油圧室と、
    を有する、
    エンジン。
  2. 前記ピストンスカートの上死点側または前記ピストン冠の下死点側の一方には、前記ピストンの摺動方向に窪む窪み部が形成され、
    前記ピストンスカートの上死点側または前記ピストン冠の下死点側の他方には、前記窪み部と篏合する突起部が形成され、
    前記ピストン油圧室は、前記窪み部および前記突起部によって画成される、
    請求項1に記載のエンジン。
  3. 前記ピストンには、前記ピストン冠を下死点方向に付勢する付勢部材が設けられる、
    請求項2に記載のエンジン。
  4. 前記ピストンは、
    前記ピストンスカートに形成され、前記ピストンの摺動方向に延びる穴部と、
    前記ピストン冠と接続され、前記ピストンスカートを貫通して前記穴部まで延びる貫通部材と、
    前記貫通部材に設けられ、前記穴部内を摺動可能な摺動部材と、
    前記穴部の内周部および前記摺動部材により画成されるピストンスカート油圧室と、
    を有する、
    請求項2または3に記載のエンジン。
  5. 前記ピストン油圧室および前記ピストンスカート油圧室は、共通の給排油機構と接続される、
    請求項4に記載のエンジン。
  6. 前記ピストン油圧室と接続される給排油機構は、前記ピストンに設けられ、
    前記給排油機構は、押圧されることによって前記給排油機構を作動させる被押圧部を有し、
    前記被押圧部は、前記ピストンの摺動に伴い前記エンジン内の押圧部によって押圧される、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のエンジン。
  7. 前記被押圧部は、前記ピストンの側部に設けられ、前記ピストンの摺動方向と交差する方向に前記押圧部により押圧され、
    前記押圧部は、下死点側に進むにつれて、前記ピストンの中心軸に近づく、
    請求項6に記載のエンジン。
  8. 前記ピストン油圧室と接続される給排油機構は、
    ハウジングと、
    前記ハウジング内を摺動可能なプランジャ本体部を含むプランジャと、
    前記ハウジング内に形成され、前記プランジャ側から前記プランジャの摺動方向に沿って順に並ぶ第1ポンプ油圧室および第2ポンプ油圧室と、
    前記第1ポンプ油圧室と前記第2ポンプ油圧室とを連通する連通孔と、
    前記第2ポンプ油圧室から前記第1ポンプ油圧室に向かう方向に付勢され、前記連通孔を前記第2ポンプ油圧室側から塞ぐ第1ポンプ弁体を含む第1ポンプ逆止弁と、
    前記ハウジングにおける前記第2ポンプ油圧室を画成する部分に形成され、前記ピストン油圧室と接続される第1ポートと、
    前記ハウジングにおける前記第1ポンプ油圧室を画成する部分に形成され、供給油路と接続される第2ポートと、
    前記第1ポンプ油圧室から前記供給油路に向かう作動油の流れを制限する第2ポンプ逆止弁と、
    前記プランジャ本体部の前記第1ポンプ油圧室側に形成され、前記連通孔に挿通可能なプランジャ突起部と、
    前記ハウジングにおける前記プランジャ本体部の側面と対向する部分に形成され、排出油路と接続される第3ポートと、
    前記プランジャ本体部の前記第1ポンプ油圧室側から前記プランジャ本体部の側面に亘って貫通して形成される貫通路と、
    を備える、
    プランジャポンプである、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載のエンジン。
  9. 前記ピストン油圧室と接続される給排油機構は、
    前記ピストン油圧室と連通し前記ピストンにおける下死点側に形成されるピストンポートと、前記ピストンポートを塞ぐピストン弁体を含むピストン逆止弁と、を有する逆止弁部と、
    前記ピストンに対して下死点側に設けられる給排油部と、
    を備え、
    前記給排油部は、
    ハウジングと、
    前記ハウジング内に形成され、供給油路または排出油路と連通する給排油部油圧室と、
    前記給排油部油圧室における上死点側に形成される油圧室開口と、
    前記給排油部油圧室から前記油圧室開口に向かう方向に付勢され、前記油圧室開口を前記給排油部油圧室側から塞ぐ給排油部弁体を含み、前記ピストンポートに挿通可能な延在部材と、
    を有する、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載のエンジン。
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