JP2021070387A - 車両処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】トランクリッドやバックドアが開いたまま車両への処理を行うと車両を損傷させてしまうおそれがあるが、車両への損傷を防止することのできる技術を提供する。【解決手段】車両処理装置としての洗車装置10は、車両Cに対して前後に移動可能な本体部11と、本体部11に設けられ、車両Cを検出する車両検出部26と、本体部11が移動するのに伴い、車両検出部26によって車両Cの状態を経時的に監視する監視手段を有する制御部と、を備える。【選択図】図4
Description
本発明は、車両処理装置に関し、特に、車両を洗浄する処理機能を備える洗車装置に適用して有効な技術に関する。
特開平8−85426号公報(特許文献1)には、車両のトランクリッドがロックされていない場合に、上面処理体によってトランクリッドが開いて破損するのを防止する技術が記載されている。
しかしながら、車両に対してブラッシング洗浄などの処理を施している最中に、回転ブラシでトランクリッドやバックドアを開けてしまう場合がある。また、人為的にトランクリッドなどを開けてしまう場合もある。トランクリッドやバックドアが開いたまま車両への処理を行うと車両を損傷させてしまうおそれがある。
本発明の一目的は、車両への損傷を防止することのできる技術を提供することにある。
一解決手段に係る車両処理装置は、車両に対して前後に移動可能な本体部と、前記本体部に設けられ、車両を検出する車両検出部と、前記本体部が移動するのに伴い、前記車両検出部によって車両の状態を経時的に監視する監視手段を有する制御部と、を備える。
一解決手段によれば、車両への損傷を防止することができる。
以下の本発明における実施形態では、必要な場合に複数のセクションなどに分けて説明するが、原則、それらはお互いに無関係ではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細などの関係にある。このため、全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、構成要素の数(個数、数値、量、範囲などを含む)については、特に明示した場合や原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。また、構成要素などの形状に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合などを除き、実質的にその形状などに近似または類似するものなどを含むものとする。
(実施形態1)
本発明の実施形態1では、車両処理装置として、車両を洗浄する処理機能を備える洗車装置に適用した場合について図面を参照して説明する。図1および図2は、本実施形態に係る洗車装置10の模式的な正面図および側面図である。また、図3は、洗車装置10の制御系のブロック図である。図4は、洗車装置10による車両検出の説明図である。
本発明の実施形態1では、車両処理装置として、車両を洗浄する処理機能を備える洗車装置に適用した場合について図面を参照して説明する。図1および図2は、本実施形態に係る洗車装置10の模式的な正面図および側面図である。また、図3は、洗車装置10の制御系のブロック図である。図4は、洗車装置10による車両検出の説明図である。
洗車装置10は、地面G(敷設面)に起立して設けられた本体部11(本体機ともいう)を備えている。本体部11は、処理対象となる車両Cを跨ぐように門型状に筐体(フレーム)が構成されている。このため、本体部11は、地面Gから起立する一対の脚部11Aと、一対の脚部11Aにかかる梁部11Bとを有している。
また、洗車装置10は、レール12と、車輪13、14とを備えている。一対のレール12は、互いが平行となるように延在して地面Gに設けられている。車輪13、14は、一対の脚部11Aの底部のそれぞれに設けられている。洗車装置10では、この一対のレール12間に車両Cが停車(停止)した状態で、一対のレール12上を車輪13、14(計4輪)を介して本体部11が前後に移動(往復走行)することとなる。なお、洗車装置10では、車輪13が駆動輪、車輪14が従動輪となる。
また、洗車装置10は、モータ15と、エンコーダ16とを備えている。モータ15は、地面Gに対して車輪13よりも高い位置から車輪13と接続されるように本体部11の一対の脚部11Aのそれぞれに設けられている。このモータ15は、正逆転可能に構成されており、車輪13(駆動輪)を介して本体部11を前後に移動(往復走行)させる。エンコーダ16は、本体部11の脚部11Aの一方に設けられ、一方側のモータ15の出力軸に連結されている。エンコーダ16は、レール12上における本体部11の走行位置を検出する。すなわち、エンコーダ16は、モータ15の回転方向すなわち車輪13の回転方向を検出しながら単位角度回転ごとにパルス信号を出力することで、レール12上における本体部11の位置を与えることができる。
また、洗車装置10は、前後スイッチ17およびドッグ18A、18Bを備えている。前後スイッチ17は、一方の脚部11Aの底部に設けられている。また、ドッグ18Aは、一方のレール12の一端側(本体部11に対して前方側)に設けられ、ドッグ18Bは、同じレール12の他端側(本体部11に対して後方側)に設けられている。前後スイッチ17は、本体部11の移動によりドッグ18A、18Bでスイッチングし、ドッグ18Aとドッグ18Bとの間で本体部11の移動限界を検出する。このため、洗車装置10では、本体部11が停車した車両Cを跨いで車長方向に通過するように移動限界の範囲内で移動することができる。なお、洗車装置10が入車待ちの状態(待機状態)は、前後スイッチ17がドッグ18Bとスイッチングして本体部11が停止した状態である。
また、洗車装置10は、本体部11に設けられたトップブラシ20および一対のサイドブラシ21を備えている。トップブラシ20(回転ブラシ)は、待機時に門型状の本体部11の開口上部側(梁部11B側)に収容されている。このトップブラシ20は、可動部として本体部11の移動に伴って回転しながら上下に昇降し、主に車両Cの上面をブラッシングすることができる。また、一対のサイドブラシ21(回転ブラシ)は、それぞれ待機時に門型状の本体部11の開口側部側(一対の脚部11A側)に収容されている。一対のサイドブラシ21は、可動部として本体部11の移動に伴って回転しながら開閉動作(互いが近づいたり離れたりする動作)し、主に車両Cの前面、側面および後面をブラッシングすることができる。
また、洗車装置10は、本体部11に設けられるトップスプレー22および一対のサイドスプレー23を備えている。トップスプレー22は、門型状の本体部11の開口上部側(梁部11B側)に収容されている。トップスプレー22は、本体部11の移動に伴ってパイプに設けられた複数の噴射ノズル(不図示)から水などの洗浄液を噴射し、主に車両Cの上面を洗浄することができる。また、一対のサイドスプレー23は、それぞれ門型状の本体部11の開口側部側(一対の脚部11A側)に収容されている。一対のサイドスプレー23は、本体部11の移動に伴ってパイプに設けられた複数の噴射ノズル(不図示)から水などの洗浄液を噴射し、主に車両Cの側面を洗浄することができる。なお、洗車装置10では、本体部11の前進に伴って車両Cをブラッシング洗浄するため、トップスプレー22およびサイドスプレー23はトップブラシ20およびサイドブラシ21よりも本体部11の前側に設けられている。
また、洗車装置10は、本体部11に設けられるトップノズル24(ブロワノズル)および一対のサイドノズル25(ブロワノズル)を備えている。トップノズル24は、待機時に門型状の本体部11の開口上部側(梁部11B側)に収容されている。トップノズル24は、可動部として本体部11の移動に伴って送風しながら上下に昇降し、主に車両Cの上面を乾燥することができる。また、一対のサイドノズル25は、それぞれ待機時に門型状の本体部11の開口側部側(一対の脚部11A側)に収容されている。一対のサイドノズル25は、可動部として本体部11の移動に伴って送風しながら開閉動作(互いが近づいたり離れたりする動作)し、主に車両Cの側面を乾燥することができる。
また、洗車装置10は、本体部11に設けられ、車両Cを検出する車両検出部26を備えている。車両検出部26は、第1センサ部27および第2センサ部28を備えている。第1センサ部27および第2センサ部28は、地面Gからの車両Cの上面までの高さ(車高)を検出するよう構成されている。また、第1センサ部27および第2センサ部28は、所定の距離を確保して本体部11の前後方向に並んで設けられている。このため、車両検出部26は、本体部11が移動するのに伴い経時的に車両Cを検出することができ、本体部11の前後方向(車両Cの車長方向に対応する)における車両Cの同じ位置を検出することができる。例えば、本体部11が移動し、車両Cの後部(例えば、3BOX型車であればトランク)の位置において、第1センサ部27で検出された結果と第2センサ部28で検出された結果に違いがあることで、車両Cの状態に変化があることを検出することができる。
このように、洗車装置10は、地面Gよりも高い位置で本体部11の前側に設けられた第1センサ部27を備えている。センサ部27は、本体部11の前側で本体部11の起立方向(車両Cの車高方向)に延在して設けられている。センサ部27は、車両Cの側方からの形状を検出することができる。より具体的には、本体部11の移動に伴い、車両Cの側方からの形状(車両Cのシルエット)を読み取ることができる。なお、本体部11の前進に伴って車両Cの形状に沿ってブラッシング洗浄するため、センサ部27は、トップブラシ20およびサイドブラシ21よりも本体部11の前側(外側)に設けられている(図2)。
センサ部27は、車両Cを検出する複数(m個)の検出素子27−1〜27−mを有している。例えば、各検出素子27−1〜27−mは、対をなす発光素子27aおよび受光素子27bを有する透過型の光電センサから構成される。光電センサとしての発光素子27aおよび受光素子27bは、それぞれ門型状の本体部11の開口左右側部側(一対の脚部11A側)に収納され、同じ高さに対向配置することで水平な光軸を形成する。光電センサは、発光素子27aから光を照射し、光量の変化を受光素子27bで受光する構成により、水平光軸の通光/遮光によって車両Cの有無を検出することができる。そして、複数の検出素子27−1〜27−mは、地面G側から順に最下位の検出素子27−1、次の検出素子27−2というように最上位の検出素子27−mまで本体部11の起立方向(鉛直方向)に沿って所定間隔(例えば等ピッチ)に並んで配置されている。これにより、洗車装置10では、複数の検出素子27−1〜27−mのうち、車両Cを検出したものと、それが設けられている設置高さから、車両Cの上面の高さを求めることができる。
また、センサ部28は、車両Cを検出する複数(n個とする)の検出素子28−1〜28−nを有している。例えば、各検出素子28−1〜28−nは、センサ部27と同様に、対をなす発光素子および受光素子を有する透過型の光電センサから構成される。光電センサとしての発光素子および受光素子は、それぞれ門型状の本体部11の開口左右側部側(一対の脚部11A側)に収納され、同じ高さに対向配置することで水平な光軸を形成し、水平光軸の通光/遮光によって車両Cの有無を検出することができる。そして、複数の検出素子28−1〜28−nは、地面G側から順に最下位の検出素子28−1、次の検出素子28−2というように最上位の検出素子28−nまで本体部11の起立方向(鉛直方向)に沿って所定間隔(例えば等ピッチ)に並んで配置されている。これにより、洗車装置10では、複数の検出素子28−1〜28−nのうち、車両Cを検出したものと、それが設けられている設置高さから、車両Cの上面の高さを求めることができる。
車両検出部26の検出範囲は、センサ部27の検出範囲とセンサ部28の検出範囲となる。洗車装置10では、センサ部27の検出素子27−1〜27−mとセンサ部28の検出素子28−1〜28−nの数を同数(m=n)とし、それぞれの設置高さも同じ(例えば、検出素子27−1と検出素子28−1の設置高さが同じ)としている。このため、センサ部27とセンサ部28による本体部11の起立方向(車高方向)における車両Cの検出範囲は同じである(図4に示す位置y60と位置y70の間の範囲)。したがって、下限を位置y60とし、上限を位置y70として、これらの間の範囲が、車両検出部26の検出範囲となる。
洗車装置10では車両検出部26の結果を基にトップブラシ20やトップノズル24などにより車両Cへ各処理が施される。図4に示すように、洗車装置10では、本体部11の前側にある第1センサ部27と本体部11の中側(第1センサ部27よりも後側)にある第2センサ部28との間にトップノズル24が設けられている。また、洗車装置10では、本体部11の中側にある第2センサ部28よりも後側にトップブラシ20が設けられている。また、車両検出部26は、トップブラシ20の移動下限(図4に示す地面Gからの高さ位置y80)やトップノズル24の移動下限(地面Gからの高さ位置y90)よりも車両検出部26の検出範囲の検出下限(地面Gからの高さ位置y60)が低くなっている。
このように、車両検出部26の検出範囲内にトップブラシ20やトップノズル24の可動範囲があることで、ブラッシングの際にトップブラシ20が車両Cに強く押し当たることや、乾燥の際にトップノズル24が車両に接触することを防止することができる。車両Cを検出することで、車両Cへの処理を適切に行って損傷を防止することができる。
なお、第1センサ部27は、ブラッシング洗浄を行うトップブラシ20やサイドブラシ21から離れた本体部11の前側(外側)の位置に設けられているが、内側に設けられるセンサ部28よりも検出素子を多く配置してもよい(m>n)。このため、車両検出部26に水飛沫が付着することによる誤検出を防止しつつ、全体としての車両検出部26の信頼性を向上することができる。車両検出部26の信頼性が向上することで、車両検出部26の結果を基に車両Cへ洗浄などの処理を施すにあたり、車両Cへの損傷を防止することができる。
また、洗車装置10は、図3に示すように、制御部30(例えば、半導体素子や、これを搭載した電子基板)を備えている。この制御部30は、本体部11に設けられ、エンコーダ16、前後スイッチ17、車両検出部26、操作パネル31、および駆動部32と電気的に接続され、操作パネル31で受け付けた処理コースに従い、予めプログラムされたシーケンス(手段)を実行する。制御部30は、走行検出手段33と、車両検出手段34と、データ作成手段35と、データ記憶手段36と、処理手段37と、車両監視手段38と、を有している。なお、操作パネル31は、本体部11の脚部11Aの前側に設けられてもよいし、本体部11とは別に地面Gから起立させて設けられてもよい。
走行検出手段33は、エンコーダ16のパルス信号から本体部11の走行位置(移動位置)を検出することができる。車両検出手段34は、エンコーダ16のパルス信号をトリガに単位距離移動する毎に車両検出部26を駆動して車両Cの上面を検出することができる。データ作成手段35は、走行検出手段33と車両検出手段34の検出結果から車形データを作成することができる。データ記憶手段36は、車形データを記憶することができる。処理手段37は、車形データを基に駆動部32でブラシなどを駆動する装置を制御することができる。車両監視手段38は、車両検出部26によって本体部11の前後方向の同じ位置における車両Cの状態を本体部11が移動するのに伴い経時的に監視することができる。車両監視手段38により、例えば洗浄処理中において車両Cの状態が変わったことを検出することで、処理を停止し、車両Cへの損傷を防止することができる。
このように構成される洗車装置10は、種々の手段(機能)を備えており、制御部30によって各手段が実行される。なお、各手段は、制御部30が有するものとして説明したが、制御部30とは別個の部材(装置)として設けられてもよい。
次に、洗車装置10の動作(車両処理方法の工程)について説明する。洗車装置10は、ユーザによって操作パネル31で受付がなされると、所定の停車位置に車両Cを停車させるよう表示機などによってユーザに案内する。次いで、本体部11が一往復して洗車を行う工程(一往復洗車コース)が選択されている場合、往工程として、本体部11を前方に移動(往行走行)させながら車両検出部26で車両Cを検出し、そこから求めた車形(車両Cの形状)に合わせてトップブラシ20やサイドブラシ21などを用いて車両Cの車体面をブラッシング洗浄する。次いで、復工程として、本体部11を後方に移動(復行走行)させながらトップノズル24などを用いて車両Cへの送風により水滴を除去して乾燥を図る。その後、洗車装置10は、退車させるよう表示機などによってユーザに案内し、洗車コースが終了する。
ここで、図4に、待機位置にある本体部11と停車している車両C(トランクリッドを備える3BOX型車)を示し、車両検出部26の結果を基に直線近似して得られたxy座標における車形C1、C2を示す。xy座標におけるx軸は本体部11の前後方向(車長方向、水平方向)、y軸は本体部11の起立方向(車高方向、鉛直方向)に対応している。制御部30では、x軸方向の値を走行検出手段33から求め、y軸方向の値を車両検出手段34から求め、データ作成手段35によりxy座標における車両Cの上面の形状を求めることができる。車形C1、C2はデータ作成手段35により作成された往行または復行した後の結果であり、車形C1はトランクリッドが閉じているときの車両Cの上面(側面視)における形状、車形C2はトランクリッドが開いているときの車両Cの上面(側面視)における形状である。
データ作成手段35によれば、(x0、y0)は車両先端、(x1、y1)はボンネットとフロントガラスの境界、(x2、y2)はフロントガラスとルーフの境界、(x3、y3)はルーフとリアガラスの境界、(x4、y4)はリアガラスとトランクとの境界、(x5、y5)は車両後端として判定される。例えば、ボンネットとフロントガラスの境界は、(x0、y0)および(x1、y1)を通る直線と、(x1、y1)および(x2、y2)を通る直線との交点から求められる。また、データ作成手段35の結果からデータ記憶手段36に予め記憶されていた判定条件に当てはめることで、ボンネット(x0、y0とx1、y1との間)、フロントガラス(x1、y1とx2、y2との間)、ルーフ(x2、y2とx3、y3との間)、リアガラス(x3、y3とx4、y4との間)、トランク(x4、y4とx5、y5との間)であると判定することができる。
図4を参照して、制御部30の車両監視手段38について具体的に説明する。往工程では、本体部11が前方に移動するのに伴い、車両Cの前部から後部にかけて車両検出部26が通過していく。このため、図4に示す車形C1に示すように、x0、x1、x2、x3、x4、x5の順にそれぞれの位置に対する高さy0、y1、y2、y3、y4、y5である車両Cを検出することができる。他方、復工程では、本体部11が後方に移動するのに伴い、車両Cの後部から前部にかけて車両検出部26が通過していく。このため、図4に示す車形C1に示すように、x5、x4、x3、x2、x1、x0の順にそれぞれの位置に対する高さy5、y4、y3、y2、y1、y0である車両Cを検出することができる。
制御部30では、車両監視手段38が車両検出部26によって車両Cの状態を、本体部11が移動するのに伴い経時的に監視している。より具体的には、車両検出部26が第1センサ部27および第2センサ部28を備えることで、車両監視手段38は、車両検出部26によって車長方向(本体部11の前後方向)の同じ位置における車両Cの状態を、本体部11が移動するのに伴い経時的に監視することができる。
往工程において、例えば、位置x5にある車両Cに対しては、車両検出部26の第1センサ部27により車両Cが検出され、その後、第2センサ部28により車両Cが検出される場合について説明する。第1センサ部27で車両Cを検出する際にトランクリッドが閉状態(車形C1)で、第2センサ部28で車両Cを検出する際にトランクリッドが閉状態(車形C1)の場合、車両監視手段38は車両Cの状態に変化がないと判定する。例えば、第1センサ部27の検出結果から得られた車両Cの上面高さの位置y5と、その後の第2センサ部28の検出結果から得られた車両Cの上面高さの位置y5とが同じであるため、経時的に車両Cの状態に変化がないと判定する。
他方、第1センサ部27で車両Cを検出する際にトランクリッドが閉状態(車形C1)で、第2センサ部28で車両Cを検出する際にトランクリッドが開状態(車形C2)の場合、車両監視手段38は車両Cの状態に変化があると判定する。具体的には、車長方向の同一ライン(位置x5)において、第1センサ部27の検出結果から得られた車両Cの上面高さの位置y5と、その後の第2センサ部28の検出結果から得られた車両Cの上面高さの位置y5’とが異なる(所定の閾値以上の差がある)ため、経時的に車両Cの状態に変化があると判定する。車両Cに変化があった場合は、トップブラシ20によるブラッシング洗浄などの処理を停止する。このため、車両C(第1センサ部27で車形C1と判定)に対して昇降しながらブラッシングするトップブラシ20が停止され、車両C(トランクリッド)を損傷させてしまうのを防止することができる。また、トランク内が水浸しになるのを防止することができる。
また、往工程から復工程にかけて、例えば、位置x5にある車両Cに対しては、往工程にて車両検出部26により車両Cが検出され、その後、復工程にて第2センサ部28により車両Cが検出される場合について説明する。往工程にて車両検出部26(例えば、第2センサ部28)で車両Cを検出する際にトランクリッドが閉状態(車形C1)で、復工程にて第2センサ部28で車両Cを検出する際にトランクリッドが閉状態(車形C1)の場合、車両監視手段38は車両Cの状態に変化がないと判定する。例えば、第2センサ部28の検出結果から得られた車両Cの上面高さの位置y5と、その後の第2センサ部28の検出結果から得られた車両Cの上面高さの位置y5とが同じであるため、経時的に車両Cの状態に変化がないと判定する。
他方、往工程にて車両検出部26(例えば、第2センサ部28)で車両Cを検出する際にトランクリッドが閉状態(車形C1)で、復工程にて第2センサ部28で車両Cを検出する際にトランクリッドが開状態(車形C2)の場合、車両監視手段38は車両Cの状態に変化があると判定する。例えば、第2センサ部28の検出結果から得られた車両Cの上面高さの位置y5と、その後の第2センサ部28の検出結果から得られた車両Cの上面高さの位置y5’とが異なるため、経時的に車両Cの状態に変化があると判定する。車両Cに変化があった場合は、トップノズル24による送風などの処理を停止する。このため、車両C(往工程にて第2センサ部27で車形C1と判定)に対して昇降しながら送風するトップノズル24が停止され、車両C(トランクリッド)を損傷するのを防止することができる。
また、データ作成手段35により、車形C1、C2を得ることができるので、車両監視手段38としては車両Cのトランクリッドの開閉状態を監視しているともいえる。具体的には、データ作成手段35によりx軸(車長方向)におけるx4とx5との間にトランクがあると判定されているため、その間におけるy軸(車高方向)の値が高い値が検出されれば(例えばy5<y5’)、トランクリッドが開いていると判定することもできる。このように車両Cの一部であるトランクの状態を監視することで、その後の処理を停止させるか否かを高精度に判定することができる。
(実施形態2)
前記実施形態1では、車両Cとしてトランクリッドを備える3BOX型車に適用した場合について説明した。本実施形態では、車両Cとしてバックドアを備える2BOX型車に適用した場合について、図面を参照して説明する。図5は、本実施形態に係る洗車装置10による車両検出の説明図である。
前記実施形態1では、車両Cとしてトランクリッドを備える3BOX型車に適用した場合について説明した。本実施形態では、車両Cとしてバックドアを備える2BOX型車に適用した場合について、図面を参照して説明する。図5は、本実施形態に係る洗車装置10による車両検出の説明図である。
図5に、待機位置にある本体部11と停車している車両C(バックドアを備える2BOX型車)を示し、車両検出部26の結果を基に直線近似して得られたxy座標における車形C3、C4を示す。これらの車形C3、C4は、前述したように、制御部30によって求めることができる。車形C3はバックドアが閉じているときの車両Cの上面(側面視)における形状、車形C4はバックドアが開いているときの車両Cの上面(側面視)における形状である。
データ作成手段35によれば、(x10、y10)は車両先端、(x11、y11)はボンネットとフロントガラスの境界、(x12、y12)はフロントガラスとルーフの境界、(x13、y13)はルーフとバックドア(リアガラスを含む)の境界、(x14、y14)は車両後端として判定される。データ作成手段35の結果からデータ記憶手段36に予め記憶されていた判定条件に当てはめることで、ボンネット(x10、y10とx11、y11との間)、フロントガラス(x11、y11とx12、y12との間)、ルーフ(x12、y12とx13、y13との間)、バックドア(x13、y13とx14、y14との間)であると判定することができる。
往工程において、例えば、位置x14にある車両Cに対しては、車両検出部26の第1センサ部27により車両Cが検出され、その後、第2センサ部28により車両Cが検出される場合について説明する。第1センサ部27で車両Cを検出する際にバックドアが閉状態(車形C3)で、第2センサ部28で車両Cを検出する際にバックドアが閉状態(車形C3)の場合、車両監視手段38は車両Cの状態に変化がないと判定する。具体的には、第1センサ部27の検出結果から得られた車両Cの上面高さの位置y14と、その後の第2センサ部28の検出結果から得られた車両Cの上面高さの位置y14とが同じであるため、経時的に車両Cの状態に変化がないと判定する。
他方、第1センサ部27で車両Cを検出する際にバックドアが閉状態(車形C3)で、第2センサ部28で車両Cを検出する際にバックドアが開状態(車形C4)の場合、車両監視手段38は車両Cの状態に変化があると判定する。具体的には、車長方向の同一ライン(位置x14)において、第1センサ部27の検出結果から得られた車両Cの上面高さの位置y14と、その後の第2センサ部28の検出結果から得られた車両Cの上面高さの位置y14’とが異なる(所定の閾値以上の差がある)。また、第2センサ部28によれば、車長方向の位置x15において、車両Cの上面高さの位置y15で車両Cが検出される。これから、経時的に車両Cの状態に変化があると判定する。車両Cに変化があった場合は、トップブラシ20によるブラッシング洗浄などの処理を停止する。このため、車両C(第1センサ部27で車形C3と判定)に対して昇降しながらブラッシングするトップブラシ20が停止され、車両C(バックドア)を損傷するのを防止することができる。また、室内が水浸しになるのを防止することができる。
(実施形態3)
前記実施形態1では、第2センサ部28として本体部11の起立方向(車高方向)に並んだ複数の検出素子を適用した場合について説明した。本実施形態では、第2センサ部28Aとして本体部11の上部に設けられる測距センサを適用した場合について、図面を参照して説明する。図6および図7は、それぞれ本実施形態に係る洗車装置10Aに洗車装置の正面図および側面図である。
前記実施形態1では、第2センサ部28として本体部11の起立方向(車高方向)に並んだ複数の検出素子を適用した場合について説明した。本実施形態では、第2センサ部28Aとして本体部11の上部に設けられる測距センサを適用した場合について、図面を参照して説明する。図6および図7は、それぞれ本実施形態に係る洗車装置10Aに洗車装置の正面図および側面図である。
洗車装置10Aは、本体部11に設けられ、車両Cを検出する車両検出部26Aを備えている。車両検出部26Aは、第1センサ部27および第2センサ部28Aを備えている。第1センサ部27および第2センサ部28Aは、地面Gからの車両Cの上面までの高さ(車高)を検出するよう構成されている。また、第1センサ部27および第2センサ部28Aは、所定の距離を確保して本体部11の前後方向に並んで設けられている。このため、車両検出部26Aは、本体部11が移動するのに伴い経時的に車両Cを検出することができ、本体部11の前後方向における車両Cの同じ位置を検出することができる。
第1センサ部27は、前述したように、本体部11の一対の脚部11Aに設けられた複数の透過型の光電センサ27−1〜27−mから構成され、各水平光軸の通光/車高によって車両Cの有無を検出することができる。この結果から制御部30によって、複数の光電センサ27−1〜28−mのうち、車両Cを検出したものと、それが設けられている設置高さから、車両Cの上面の高さを求めることができる。
他方、第2センサ部28Aは、本体部11の梁部11B中央に設けられた測距センサから構成されている。測距センサは、発光素子として例えばLED(Light Emitting Diode)と、受光素子として例えばPSD(Position Sensitive Detector)とを備えている。測距センサでは、下方で停車している車両Cに向けてLEDから発光し、車両Cから反射した光をPSDで受光して車両Cを検出することができ、車両Cとの距離を求めることができる。この結果から制御部30によって、測距センサの設置高さから車両Cまでの距離の差をとることで、車両Cの上面の高さを求めることができる。
洗車装置10Aでは、本体部11の前側(外側)にある第1センサ部27と本体部11の中側(第1センサ部27よりも後側)にある第2センサ部28Aとの間にトップブラシ20が設けられている。また、洗車装置10Aでは、本体部11の中側にある第2センサ部28Aよりも後側にサイドブラシ21、トップノズル24、およびサイドブラシ25がこの順に設けられている。このように、本実施形態では、ブラッシング洗浄を行うトップブラシ20とサイドブラシ21に対して第2センサ部28Aよりも離れた本体部11の外側の位置に第1センサ部27を設けている。また、第2センサ部28Aは、トップブラシ20とサイドブラシ21との間であっても、本体部11の上部(梁部11B)に第2センサ部28A(測距センサ)を設けている。このため、車両検出部26に水飛沫が付着することによる誤検出を防止しつつ、全体としての車両検出部26の信頼性を向上することができる。
このように構成される洗車装置10Aは、前述したように、種々の手段(機能)を備えており、制御部30によって各手段が実行される。制御部30では、x軸方向の値を走行検出手段33から求め、y軸方向の値を車両検出手段34から求め、データ作成手段35によりxy座標における車両Cの上面の形状(例えば、図4に示す車形C1、C2と同じ形状)を求めることができる。
本体部11が往行のみで洗車(洗浄、乾燥)を行う工程(ドライブスルーコース)が選択されている場合において、制御部30では、車両監視手段38が車両検出部26Aによって車両Cの状態を、本体部11が移動するのに伴い経時的に監視している。より具体的には、車両検出部26Aが第1センサ部27および第2センサ部28Aを備えることで、車両監視手段38は、車両検出部26Aによって車長方向の同じ位置における車両Cの状態を、本体部11が移動するのに伴い経時的に監視することができる。
ここで、第1センサ部27で車両Cを検出する際にトランクリッドが閉状態(車形C1)で、第2センサ部28Aで車両Cを検出する際にトランクリッドが開状態(車形C2)の場合、車両監視手段38は車両Cの状態に変化があると判定する。具体的には、図4に示すように、車長方向の同一ライン(位置x5)において、第1センサ部27の検出結果から得られた車両Cの上面高さの位置y5と、その後の第2センサ部28の検出結果から得られた車両Cの上面高さの位置y5’とが異なるため、経時的に車両Cの状態に変化があると判定する。
車両Cに変化があった場合は、ブラッシング洗浄などの処理を停止する。これにより、トランク内が水浸しになるのを防止することができる。また、車両Cに対して昇降しながら送風するトップノズル24によって、車両Cを損傷させてしまうのを防止することができる。
以上、本発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
前記実施形態では、地面に停車した車両に対して本体部が移動する洗車装置(車両処理装置)を説明した。これに限らず、例えば、車両の車長方向に移動可能なキャリア(コンベヤ)に車両を搭乗させて、本体部に対して車両が移動する場合や、車両および本体部が共に移動する場合であってもよい。このため、本発明には、処理対象となる車両に対して本体部が相対移動する関係が含まれる。
また、前記実施形態では、発光部と受光部とを対向配置した光電センサを用い、水平光軸の通光/遮光によって車両の有無を検出する場合について説明した。これに限らず、例えば、第1光電センサと第2光電センサとの上下方向の間隔を短くし、第1光電センサの発光部と、第2光電センサの受光部とにより、傾斜光軸を形成し、その通光/遮光によって車両の有無を検出するように構成することもできる。
また、前記実施形態では、車両後部のトランクリッドまたはバックドアの開閉状態を監視する場合について説明した。これに限らず、車両に付属された部材の状態を監視する場合にも適用することができる。
10 洗車装置、 11 本体部、 26車両検出部、 C 車両
Claims (5)
- 車両に対して相対的に前後に移動可能な本体部と、
前記本体部に設けられ、車両を検出する車両検出部と、
前記本体部が移動するのに伴い、前記車両検出部によって車両の状態を経時的に監視する監視手段を有する制御部と、を備える、
車両処理装置。 - 前記車両検出部は、前記本体部の前後方向に設けられた第1および第2センサ部を備え、
前記監視手段は、車長方向の同じ位置における車両の高さを前記第1および第2センサ部で検出した結果に基づいて車両の状態の変化を監視する、
請求項1記載の車両処理装置。 - 前記第1および第2センサ部は、前記本体部の起立方向に並ぶ複数の光電センサから構成され、
前記本体部の外側および内側のそれぞれに前記第1センサ部および前記第2センサ部が設けられ、
前記第1センサ部の光電センサの数は、前記第2センサ部の光電センサの数よりも多い、
請求項2記載の車両処理装置。 - 前記本体部の外側および内側のそれぞれに前記第1センサ部および前記第2センサ部が設けられ、
前記第1センサ部は、前記本体部の起立方向に並ぶ複数の光電センサから構成され、
前記第2センサ部は、前記本体部の上部に設けられた測距センサから構成される、
請求項2記載の車両処理装置。 - 前記監視手段は、車両後部のトランクリッドまたはバックドアの開閉状態を監視する、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019197418A JP2021070387A (ja) | 2019-10-30 | 2019-10-30 | 車両処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2019197418A JP2021070387A (ja) | 2019-10-30 | 2019-10-30 | 車両処理装置 |
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JP2021070387A true JP2021070387A (ja) | 2021-05-06 |
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ID=75714185
Family Applications (1)
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JP2019197418A Pending JP2021070387A (ja) | 2019-10-30 | 2019-10-30 | 車両処理装置 |
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JP (1) | JP2021070387A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2022086177A (ja) * | 2020-11-30 | 2022-06-09 | 株式会社ダイフク | 洗車機 |
-
2019
- 2019-10-30 JP JP2019197418A patent/JP2021070387A/ja active Pending
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JP7396257B2 (ja) | 2020-11-30 | 2023-12-12 | 株式会社ダイフク | 洗車機 |
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