JP2021059801A - 組紐、組紐を用いた組紐構造体及び組紐構造体を備える樹脂成形体 - Google Patents

組紐、組紐を用いた組紐構造体及び組紐構造体を備える樹脂成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】組紐、組紐を用いた組紐構造体及び組紐構造体を備える樹脂成形体を提供する。【解決手段】組紐1は、強化繊維束を用いた組紐であって、複数の強化繊維束が編まれてなることを特徴とする。また、組紐の径方向の中心部には、金属線等からなる強化用芯材が配設されていてもよい。更に、組紐を用いた組紐構造体は、複数の組紐の各々の端部が、特にピン接合により接合されて構成されている。た組紐構造体は、複数の組紐の各々の端部が、ピン接合により接合されており、且つトラス構造を有することが好ましい。また、組紐構造体を備える樹脂成形体は、組紐構造体がマトリックス樹脂に埋設された構造部を備えており、構造部を除く他部は空隙となっていてもよい。【選択図】図1

Description

本発明は、組紐、組紐を用いた組紐構造体及び組紐構造体を備える樹脂成形体に関する。更に詳しくは、本発明は、複数の強化繊維束が編まれてなる組紐、各々の組紐等の端部が接合されて構成されている組紐構造体及びこの組紐構造体が樹脂に埋設された構造部を備える樹脂成形体に関する。
繊維強化プラスチックを用いた樹脂成形体は、強度が大きく、剛性が高く、且つ軽量であり、耐久性にも優れていたるため、車両、建造物等の多くの製品分野で用いられている。また、強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維等の無機繊維、及びアラミド繊維等の樹脂繊維が用いられている。これらの強化繊維の単繊維の径は、通常、極めて小さいため、実用的には、多数本の単繊維を束ねてフィラメントとし、更に多数本のフィラメントを束ねて、トウといわれる形態として用いられている。
更に、荷重エネルギー吸収材の繊維強化基材として用いられる繊維巻回体、繊維巻回体を繊維強化基材とした繊維強化樹脂材、及び繊維巻回体の製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、繊維強化樹脂材の繊維強化基材としては、フィラメントワインディング(FW)法又はブレーディング(組紐)で製造された繊維巻回体が挙げられている。また、繊維巻回体は巻回軸線を中心に複数の強化繊維糸を巻回して筒状や忠実状に製造されていると記載されている。
更に、熱可塑性合成樹脂繊維の芯として強化繊維を用いること、この合成樹脂繊維を縦、横、斜に夫々並列し、これを上下に重ねて積層シートを作り、これを一枚又は複数枚重ね合わせた積層物を加熱板と被着して、加熱加圧することにより、溶融樹脂を強化繊維に十分に含浸させた多方向繊維強化熱可塑性樹脂板が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2018−9265号公報 特開2006−123417号公報
特許文献1に記載された繊維強化樹脂材では、繊維強化基材が樹脂等のマトリックスに複合化されることにより、マトリックス自体と比べて力学的特性(機械的特性)が向上すると記載されており、繊維強化基材として、フィラメントワインディング(FW)法又はブレーディング(組紐)で製造された繊維巻回体が挙げられている。しかし、繊維強化基材は繊維巻回体であり、工程及びコストの面で不利である。
また、無機繊維のトウを強化繊維とした繊維強化プラスチックを用いた各種の樹脂成形品が提供されているが、強化繊維を織物とした場合、強化繊維の方向性の自由度が低く、特定の方向のみに強化された樹脂成形品となってしまうという問題がある。更に、特許文献2に記載された多方向繊維強化熱可塑性樹脂板と同様に、トウを樹脂成形品内に強度を高くする等の必要がある所要方向に配置すれば、特定の方向のみに強化されるという問題は解決するかもしれない。
しかし、複数本のトウを所定方向に配置させた場合、織物のように各々のトウが拘束されていないため、トウがフィラメントに分解してしまったり、更には単繊維にまで分解してしまったりするという問題が発生する。また、トウがフィラメントに、更には単繊維にまで分解してしまわないように、トウをバインダーなどにより固定してもよいが、この場合、トウの屈曲性等、形状変化がし難くなり、円弧状等の湾曲した形状などとすることができなくなるという問題がある。
本発明は、上述の従来の技術に鑑みてなされたものであり、複数の強化繊維束が編まれてなる組紐、各々の組紐等の端部が接合されて構成されている組紐構造体及びこの組紐構造体が樹脂に埋設された構造部を備える樹脂成形体を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
1.強化繊維束を用いた組紐であって、
複数の前記強化繊維束が編まれてなることを特徴とする組紐。
2.前記組紐の径方向の中心部に強化用芯材が配設されている前記1.に記載の組紐。
3.前記1.又は2.に記載された組紐を用いた組紐構造体であって、
複数の前記組紐の各々の端部が接合されて構成されていることを特徴とする組紐構造体。
4.前記1.又は2.に記載された組紐を用いた組紐構造体であって、
複数の前記組紐のうちの少なくとも一部の組紐が長さ方向において分岐して分岐紐となっており、前記組紐の端部が、他の組紐の端部又は前記分岐紐の端部と接合されて構成されていることを特徴とする組紐構造体。
5.前記1.又は2.に記載された組紐を用いた組紐構造体であって、
複数の前記組紐のうちの少なくとも一部の組紐が長さ方向において分岐して分岐紐となっており、少なくとも一部の分岐紐同士が再び編まれて再組紐となっており、前記組紐の端部が、他の組紐の端部又は前記分岐紐の端部と接合されて構成されていることを特徴とする組紐構造体。
6.前記接合がピン接合である前記3.乃至5.のうちのいずれか1項に記載の組紐構造体。
7.前記接合がピン接合であり、且つトラス構造に形成された前記6.に記載の組紐構造体。
8.前記3.乃至7.のうちのいずれか1項に記載の組紐構造体を備える樹脂成形体であって、
前記組紐構造体がマトリックス樹脂に埋設された構造部を備えることを特徴とする樹脂成形体。
9.前記構造部を除く他部は空隙となっている前記8.に記載の樹脂成形体。
10.乗物用シートである前記9.に記載の樹脂成形体。
本発明の組紐は、複数の強化繊維束が編まれてなり、使用時に強化繊維束がフィラメント、更には単繊維にまでばらけてしまうことが防止される。また、例えば、成形型内に配置し、樹脂などを流入させたときなどに、強化繊維束が型内で流動してしまうことが防止される。更に、組紐は変形の自由度が高く、円弧状等の湾曲した形状の樹脂成形品などにも容易に対応することができる。
また、組紐の径方向の中心部に強化用芯材が配設されている場合は、組紐構造体等とするときに、組紐そのものにより所定の形状を維持することができる。
本発明の組紐構造体は、複数の組紐の各々の端部が接合されており、複数の組紐により構成される所定形状の構造体とすることができる。
他の本発明の組紐構造体は、一部の組紐が分岐して分岐紐となっており、組紐の端部が、他の組紐の端部又は分岐紐の端部と接合されており、より複雑な形状の構造体とすることができる。
更に他の本発明の組紐構造体は、一部の組紐が分岐して分岐紐となっており、且つ一部の分岐紐同士が再び編まれて再組紐となっており、組紐の端部が、他の組紐の端部又は分岐紐の端部と接合されており、より強度が大きいとともに、複雑な形状であっても、その形状が容易に維持される構造体とすることができる。
また、接合がピン接合である場合は、接合部において組紐等が互いに固定されないため、構造体の形状設定の自由度を高くすることができる。
更に、トラス構造を有する場合は、接合部に荷重が加わったときに、各々の組紐等には長さ方向にのみ応力が発生し、曲げモーメントを受けるときなどと比べて変形が抑えられる。
本発明の樹脂成形体は、組紐構造体がマトリックス樹脂に埋設された構造部を備えるため、十分な強度を有する樹脂成形体とすることができる。また、分岐紐を有する組紐構造体を用いたときは、分岐部では強化繊維束が連続しているため、分岐部での強度、剛性が向上し、樹脂成形体全体としても、より優れた強度等を有する製品とすることができる。
更に、構造部を除く他部が空隙となっている場合は、十分な強度を維持しながら、軽量化することができる。
また、乗物用シートである場合は、車両の軽量化が重要な課題であるという観点で特に有利である。
六つ編みの組紐の一例の正面図である。 三つ編みの組紐の径方向の中心部に強化用芯材が配設された組紐の模式的な斜視図である。 六つ編みの組紐が長さ方向において2本の三つ編みの分岐紐となった組紐の説明図である。 図3のような組紐の分岐紐同士が再び編まれて再組紐となっている組紐の説明図である。 トラス構造の一例であり、平面トラス(トラス橋)の模式的な正面図である。 複数の三角錐により構成される立体トラスの模式的な説明図である。 乗物用シートである樹脂成形体の模式的な斜視図である。
以下、本発明を、図を参照しながら詳しく説明する。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものである。本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に、本発明の構造的な詳細を示すことを意図するものでない。図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
[1]組紐
本発明の組紐は、強化繊維束を用いた組紐であって、複数の強化繊維束が編まれてなる組紐である(図1の六つ編みの組紐1参照)。
無機繊維等の強化繊維は、通常、単繊維の径が極めて小さいため、樹脂成形品などの骨格などとして用いるときは、多数本の単繊維が束ねられた強化繊維束、所謂、トウといわれる形態で用いられる。
また、組紐を構成する強化繊維束の本数は特に限定されず、例えば、3〜8本、特に3〜6本の強化繊維束を用いた組紐、例えば、三つ編み、六つ編み等の組紐とすることができる。
強化繊維としては、樹脂成形体等の骨格に用いたときなどに、成形時の加熱によって軟化、変形しなければよく、各種の無機繊維及び有機繊維を用いることができる。無機繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、及びシリカ繊維、アルミナ繊維、ムライト繊維等のセラミックス繊維などが挙げられる。また、有機繊維としては、アラミド繊維等が挙げられる。これらの強化繊維のうちでは、組紐とするときに編み易く、軽量であり、優れた強度を有する組紐とすることができる炭素繊維が好ましい。
組紐は複数の強化繊維束が編まれてなるが、強化繊維束のみからなっていてもよく、強化繊維束以外の他繊維束(非強化繊維束、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等の汎用の熱可塑性樹脂繊維の束)を有していてもよい。但し、非強化繊維束を有する場合、組紐全体を100質量%とした場合に、非強化繊維束は10質量%以下であることが好ましい。
1本の強化繊維束を構成する強化繊維の本数は特に限定されないが、例えば、3000本以上とすることができる。強化繊維束を構成する強化繊維の本数が3000本以上であることにより、組紐構造体、樹脂成形体などとするときに、柔軟であって容易に所定形状を付与することができるとともに、優れた強度等を有する組紐構造体、樹脂成形体などとすることができる。強化繊維束を構成する強化繊維の本数は、3000〜100000本とすることができ、20000〜100000本であることが好ましく、20000〜70000本、10000〜50000本であることがより好ましい。また、繊維束を構成するときの作業性等を考慮した場合、8000〜30000本、特に10000〜25000本とすることもできる。
組紐は、径方向の中心部に強化用芯材2(図2参照)が配設された形態とすることができる。強化用芯材が配設されることにより、組紐構造体とするときに、組紐そのものにより、組紐構造体の所定の形状を維持することができる。更に、組紐構造体を備える樹脂成形体とする場合も、組紐構造体により所定の形状が維持されるため、マトリックス樹脂を組紐構造体に十分に、且つ容易に含浸させることができるとともに、所要構造の樹脂成形体とすることができる。
強化用芯材2は、強化用芯材2の周面に複数の強化繊維束aを編み込むことにより、組紐の径方向の中心部に配設されるようにすることができる。また、強化用芯材2は、複数の強化繊維束が編み込まれて形成された組紐の中心部近傍に差し込んで配設することもできる。強化用芯材は、組紐構造体を備える樹脂成形体とした後、取り除いてしまってもよい。例えば、樹脂成形体が車両のヘッドレストなどの小型の部材であるときは、強化用芯材は取り除いてしまってもよい。一方、図7の車両用シートのように大型の部材であるときは、強度等の観点で強化用芯材は、そのまま配設しておくのがよい。
強化用芯材の材質は、組紐が所定の形状を維持することができる限り特に限定されず、例えば、アルミニウム、ステンレススティール等からなり、強度、剛性、耐食性等を有する金属線を用いることができる。尚、強化用芯材が配設された形態では、編み易さの観点では、強化繊維束の本数は多いことが好ましく、三つ編みより六つ編み(強化用芯材2の周面において6本の強化繊維束aが編み込まれた図2参照)等の組紐であることが好ましい。尚、複数の強化繊維束が編まれて組紐とされた後、組紐の径方向の中心部に強化用芯材が差し込まれて配設される場合は、三つ編みの組紐であっても、強化用芯材を容易に配設することができる。
[2]組紐構造体
(1)本発明の組紐構造体
本発明の組紐構造体は、複数の組紐の各々の端部が接合されて構成されている。このように、組紐が分岐せず、全組紐の各々の端部が接合された形態では、構造体の平面的な、又は立体的な対象性が高い構造物であるときに、所定の形状の維持、強度、剛性などの観点で有利である。
(2)他の本発明の組紐構造体
他の本発明の組紐構造体は、複数の組紐のうちの少なくとも一部の組紐が長さ方向において分岐して分岐紐(例えば、六つ編みの組紐1が2本の三つ編みの分岐紐11、12となっている図3参照)となっており、組紐の端部が、他の組紐の端部又は分岐紐の端部と接合されて構成されている。
長さ方向において分岐する組紐は、複数の組紐のうちの少なくとも一部であり、分岐する組紐の全組紐に対する割合は、組紐構造体の構造により、構造維持、構造体の強度、剛性等によって適宜設定することができる。また、組紐の端部は、組紐構造体の構造により、分岐していない他の組紐の端部又は分岐紐の端部と接合され、所定形状の構造体が構成される。
他の本発明の組紐構造体のように分岐紐が形成される形態の場合、組紐を構成する強化繊維束の本数は特に限定されないが、4〜8本等とすることができ、四つ編みの組紐では、二つ編みの分岐紐が2本形成され、六つ編みの組紐では、三つ編みの分岐紐が2本形成され、八つ編みの組紐では、四つ編みの分岐紐が2本形成される。このように、分岐紐が形成される形態では、偶数編みの組紐が、それぞれ同数の強化繊維束からなる2本の分岐紐に分岐される。このようにすれば、組紐構造体の平面的又は立体的な構造維持の観点で有利であり、構造体の強度、剛性等の面でも好ましい。
分岐紐が形成される形態では、通常、上述のように、偶数編みの組紐が、それぞれ同数の強化繊維束からなる2本の分岐紐に分岐されるが、これに限定されるものではない。例えば、偶数編みの組紐が、偶数編み同士、又は奇数編み同士の強化繊維束からなる2本の分岐紐に分岐されてもよく、奇数編みの組紐が、偶数編みと奇数編みの強化繊維束からなる2本の分岐紐に分岐されてもよい。尚、組紐が分岐される場合、3本以上の分岐紐に分岐されてもよいが、このような形態では構造体全体として強度バランス等のよい構造体とならないこともあり、実用的には分岐される分岐紐は2本である。
(3)更に他の本発明の組紐構造体
更に他の本発明の組紐構造体は、複数の組紐のうちの少なくとも一部の組紐が長さ方向において分岐して分岐紐となっており、少なくとも一部の分岐紐同士が再び編まれて再組紐(例えば、一の組紐1の分岐紐11と他の組紐1の分岐紐12とが再び編まれて再組紐3となっている図4参照)となっており、組紐の端部が、他の組紐の端部又は分岐紐の端部と接合されて構成されている。
長さ方向において分岐する組紐は、複数の組紐のうちの少なくとも一部であり、分岐する組紐の全組紐に対する割合は、組紐構造体の構造により、構造維持、構造体の強度、剛性等によって適宜設定することができる。更に、少なくとも一部の分岐紐同士が再び編まれて再組紐となる分岐紐は、複数の分岐紐のうちの少なくとも一部であり、再び編まれる分岐紐の全分岐紐に対する割合は、組紐構造体の構造により、構造維持、構造体の強度、剛性等によって適宜設定することができる。また、組紐の端部は、組紐構造体の構造により、分岐していない他の組紐の端部又は分岐紐の端部と接合されて構造体が構成される。
更に、分岐紐が形成される形態、及びそれにより奏される作用効果は、前述の(2)他の本発明の組紐構造体の場合と同様である。また、再組紐は、通常、偶数編みの組紐が、それぞれ同数の強化繊維束に分岐された分岐紐が再び編まれた再組紐であり、組紐構造体の平面的又は立体的な構造維持の観点、及び構造体の強度、剛性等の面で、有用な組紐構造体とすることができる。また、再組紐は、偶数編みの組紐が、2本の偶数編みに分岐した分岐紐、若しくは偶数編みと奇数編みに分岐した分岐紐、又は奇数編みの組紐が、偶数編みと奇数編みに分岐した分岐紐が、再び編まれた再組紐であってもよく、同様の作用効果が奏される。
(1)本発明の組紐構造体、(2)他の本発明の組紐構造体、及び(3)更に他の本発明の組紐構造体、において、組紐及び分岐紐の各々の端部の接合は、ピン接合によりなされている。このように端部がピン接合により接合されておれば、組紐及び分岐紐の各々の端部の接合部では、それぞれの端部が固定されておらず、回転が可能であり、構造体の形状設定の自由度を高くすることができるとともに、曲げモーメントを受けるときなどと比べて構造体の変形が抑えられる。
更に、(1)本発明の組紐構造体、(2)他の本発明の組紐構造体、及び(3)更に本発明の組紐構造体は、組紐及び分岐紐の各々の端部の全てが、ピン接合によりなされており、且つトラス構造に形成された構造体とすることができる。トラス構造は、平面トラスと立体トラスに大別されるが、(1)本発明の組紐構造体、(2)他の本発明の組紐構造体、及び(3)更に本発明の組紐構造体は、いずれも平面トラスとすることもでき、立体トラスとすることもできる。
平面トラスとしては、例えば、図5のようなトラス橋10が挙げられる。このトラス橋10は、両側端部に配置された橋桁10bに架け渡された基板10cにトラス架構10aが固定され、トラス架構10aの頂部に上部板10dが固定されて構成されている。(1)本発明の組紐構造体、(2)他の本発明の組紐構造体、及び(3)更に本発明の組紐構造体は、このトラス橋10のような大型の構造体に用いられるものではないが、平面トラス構造を備える組紐構造体であれば、接合部に荷重が加わったときに、各々の組紐等には長さ方向にのみ応力が発生し、曲げモーメントを受けるときなどと比べて変形が抑えられるという有用な作用効果が奏される。
また、(1)本発明の組紐構造体、(2)他の本発明の組紐構造体、及び(3)更に本発明の組紐構造体は、立体トラスとすることもできる。例えば、図6のような複数の三角錐により構成される立体トラスとすることができる。図6は説明図であり、立体感はないが、実際には4面が三角形により形成された三角錐体の集合体であり、組紐構造体の所要の構造により、所定形状の三角錐体を組み合わせて用いることにより、接合部に荷重が加わったときに、各々の組紐等には長さ方向にのみ応力が発生し、曲げモーメントを受けるときなどと比べて変形が抑えられるという平面トラスと同様の有用な作用効果が奏される。
[3]樹脂成形体
本発明の樹脂成形体は、組紐構造体がマトリックス樹脂に埋設された構造部を備える。また、構造部を除く他部は空隙となっていることが好ましい。
マトリックス樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂等の熱硬化性樹脂、紫外線等の照射により反応、硬化する光硬化性樹脂などが挙げられる。マトリックス樹脂としては、エポキシ樹脂等の、熱、光などの外部からの熱エネルギーにより硬化する樹脂を用いることが好ましい。
構造部は、組紐構造体にマトリックス樹脂が含浸され、含浸後、熱可塑性樹脂であれば溶融樹脂が固化し、熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂であれば加熱、又は光照射により硬化することによって、組紐構造体がマトリックス樹脂に埋設された形態となり、形成される。このように、組紐構造体にマトリックス樹脂を含浸させる場合、組紐構造体にマトリックス樹脂を十分に、且つ均等に含浸させることが好ましい。これにより、優れた強度等を有するとともに、全体として強度等のばらつきの少ない樹脂成形体とすることができる。
組紐構造体は、複数の強化繊維束が編まれてなる組紐を用いて形成されるが、強化繊維束は繊維径が極めて小さい多数本の単繊維が束ねられた強化繊維束、所謂、トウといわれる形態で用いられる。そのため、組紐構造体にマトリックス樹脂を十分に、且つ均等に含浸させるためには、含浸時のマトリックス樹脂の粘度が低いことが好ましい。このような観点では、マトリックス樹脂としては熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂が好ましい。
本発明の組紐を用いた組紐構造体を備える樹脂成形体の形状及び寸法等は特に限定されず、その用途も特に限定されない。樹脂成形体の用途としては、例えば、自動車、鉄道車両、船舶及び飛行機等の内装材、具体的には、ヘッドレスト、シートバックボード、シートフレーム、ドアトリム、ルーフトリム、インストルメントパネル、ピラーガーニッシュ、パッケージトレイ、ダッシュボード、コンソールボックス、アームレスト、サンバイザなどが挙げられる。
また、例えば、建築物及び家具等の内装材、外装材及び構造材等の用途が挙げられる。即ち、ドア表装材、ドア構造材、机、椅子、棚、箪笥等の各種家具の表装材、構造材などとすることができる。更に、包装体、トレイ等の収容体、保護用部材及びパーティション部材等として用いることもできる。
尚、前述の記載は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施態様を挙げて説明したが、本発明の記述及び図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく、説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その態様において本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料及び実施態様を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、寧ろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
本発明の組紐、組紐を用いた組紐構造体及び組紐構造体を備える樹脂成形体は、種々の技術分野において利用することができる。具体的には、車両(自動車及び鉄道車両等)、航空機、船舶、建築等の各種産業における構造体が関わる分野において好適に利用することができる。
1;六つ編みの組紐、11、12;分岐紐、2;強化用芯材(金属線)、a;強化繊維束(トウ)、3;再組紐、10;トラス橋、10a;トラス架構、10b;橋桁、10c;基板、10d;上部板、20;立体トラス、30;乗用車シート、31;構造部、32;空隙。

Claims (10)

  1. 強化繊維束を用いた組紐であって、
    複数の前記強化繊維束が編まれてなることを特徴とする組紐。
  2. 前記組紐の径方向の中心部に強化用芯材が配設されている請求項1に記載の組紐。
  3. 請求項1又は2に記載された組紐を用いた組紐構造体であって、
    複数の前記組紐の各々の端部が接合されて構成されていることを特徴とする組紐構造体。
  4. 請求項1又は2に記載された組紐を用いた組紐構造体であって、
    複数の前記組紐のうちの少なくとも一部の組紐が長さ方向において分岐して分岐紐となっており、前記組紐の端部が、他の組紐の端部又は前記分岐紐の端部と接合されて構成されていることを特徴とする組紐構造体。
  5. 請求項1又は2に記載された組紐を用いた組紐構造体であって、
    複数の前記組紐のうちの少なくとも一部の組紐が長さ方向において分岐して分岐紐となっており、少なくとも一部の分岐紐同士が再び編まれて再組紐となっており、前記組紐の端部が、他の組紐の端部又は前記分岐紐の端部と接合されて構成されていることを特徴とする組紐構造体。
  6. 前記接合がピン接合である請求項3乃至5のうちのいずれか1項に記載の組紐構造体。
  7. 前記接合がピン接合であり、且つトラス構造に形成された請求項6に記載の組紐構造体。
  8. 請求項3乃至7のうちのいずれか1項に記載の組紐構造体を備える樹脂成形体であって、
    前記組紐構造体がマトリックス樹脂に埋設された構造部を備えることを特徴とする樹脂成形体。
  9. 前記構造部を除く他部は空隙となっている請求項8に記載の樹脂成形体。
  10. 乗物用シートである請求項9に記載の樹脂成形体。
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JP2023018791A (ja) * 2021-07-28 2023-02-09 祐希 室伏

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2023018791A (ja) * 2021-07-28 2023-02-09 祐希 室伏

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