JP2021058593A - 清掃用シート、清掃用シートの積層体、清掃具、及び、清掃用シートの製造方法 - Google Patents

清掃用シート、清掃用シートの積層体、清掃具、及び、清掃用シートの製造方法 Download PDF

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Hirofumi Yamada
博文 山田
永海 洋
Hiroshi Nagami
永海  洋
陽右 陶山
Yosuke Suyama
陽右 陶山
常暁 大森
Tsuneaki Omori
常暁 大森
義武 重松
Yoshitake Shigematsu
義武 重松
洋治 戎
Yoji Ebisu
洋治 戎
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貞二 阪下
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Abstract

【課題】良好なゴミ捕捉性を少なくとも有する清掃用シート等を提供する。【解決手段】清掃用シート1であって、クリーニング面10が凹凸を有し、凸部12の先端を被清掃体に摺接させて用いられ、凸部は、クリーニング面の面方向に間隔を空けるように形成された部材によって構成され、クリーニング面は、部材よりも粘着力が高く且つクリーニング面に露出している粘着凹部14をさらに有し、クリーニング面の面方向に拡がり且つ部材の間隔の少なくとも一部に配置された粘着層を備え、粘着層の少なくとも一部が粘着凹部を構成し、クリーニング面における粘着層の露出面積の割合が、30%以上であり、凸部の先端から粘着凹部までの平均凸部高さ(H:mm)と、面方向にて間隔の平均長さが最小になる第1方向における粘着凹部の形状の平均長さ(L:mm)との比(H/L)が、15×10−3以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、清掃用シート、清掃用シートの積層体、清掃用シートを備える清掃具、及び、清掃用シートの製造方法に関する。
フローリング等の床面を清掃するための各種の清掃具(拭取り用具)が広く知られている。この種の清掃具は、例えば、棒状の柄の端部に取り付けられたヘッドと、該ヘッドに着脱可能な清掃用シートとを備え、清掃用シートをヘッドに固定して使用される(特許文献1)。
特許文献1に記載の清掃具は、床等の被清掃体の面に対して、上記の清掃用シートの片面(クリーニング面)を摺接させることによって、被清掃体上のゴミ(除去対象物)を捕捉できる。
特開平9−220191号公報
特許文献1に記載の清掃具に固定されて使用される清掃用シートは、繊維が集合した繊維シートを備える。詳しくは、特許文献1に記載の清掃用シートは、厚み方向に貫通する複数の孔が形成された最も外側の繊維シートと、該繊維シートに重なった粘着剤層と、を備える。特許文献1に記載の清掃用シートによれば、繊維シートの微細な繊維構造を利用してゴミを掻き取って捕捉できる。また、ゴミが上記の孔に入り込めば、入り込んだゴミを粘着剤層の表面の粘着力によって捕捉し、捕捉した状態を維持できる。
しかしながら、特許文献1に記載の清掃用シートでは、繊維シートに単に孔が形成されているため、孔における窪みで粘着剤層によってゴミを良好に捕捉できるとはいえない。換言すると、孔における粘着剤層によってゴミを捕捉する性能が必ずしも良好ではない。
従って、特許文献1のごとき従来の清掃用シートは、良好なゴミ捕捉性を有しないという問題を有する。
本発明は、上記の問題点等に鑑み、良好なゴミ捕捉性を少なくとも有する清掃用シート、及び、該清掃用シートを備えた清掃具を提供することを課題とする。
本発明に係る清掃用シートは、被清掃体の表面に摺接されるクリーニング面が形成された清掃用シートであって、
前記クリーニング面が凹凸を有し、凸部の先端を前記被清掃体に摺接させて用いられ、
前記凸部は、前記クリーニング面の面方向に間隔を空けるように形成された部材によって構成され、
前記クリーニング面は、前記部材よりも粘着力が高く且つ前記クリーニング面に露出している粘着凹部をさらに有し、
前記クリーニング面の面方向に拡がり且つ前記部材の間隔の少なくとも一部に配置された粘着層を備え、該粘着層の少なくとも一部が前記粘着凹部を構成し、前記クリーニング面における前記粘着層の露出面積の割合が、30%以上であり、
前記凸部の前記先端から前記粘着凹部までの平均凸部高さ(H:mm)と、前記面方向にて前記間隔の平均長さが最小になる第1方向における前記粘着凹部の形状の平均長さ(L:mm)との比(H/L)が、15×10−3以上である。
上記構成の清掃用シートは、クリーニング面が凹凸を有し、主に凸部の先端を被清掃体に摺接させて用いることとなる。粘着層の露出面積の割合が30%以上であるため、粘着凹部によってゴミを十分に捕捉できる。また、平均凸部高さ(H:mm)と、粘着凹部の形状の平均長さ(L:mm)との比(H/L)が、15×10−3以上であるため、粘着凹部が被清掃体の面に接触することが抑制されつつ凸部の先端の摺接が可能である。よって、凸部を被清掃体に摺接させながら、凸部を構成する部材における間隔にゴミがかき寄せられ得る。上記の間隔には、凸部よりも凹み比較的粘着力が高い粘着凹部が配置されているため、この粘着凹部によって、かき寄せられたゴミを捕捉できる。しかも、捕捉したゴミを粘着力によって粘着凹部の表面で保持することができる。従って、上記の清掃用シートは、良好なゴミ捕捉性を有する。
上記の清掃用シートでは、前記クリーニング面における前記粘着層の露出面積の割合が、50%よりも大きくてもよい。これにより、上記の清掃用シートがより良好なゴミ捕捉性を有することができる。
上記の清掃用シートでは、前記平均凸部高さ(H)が、1000×10−3mm以下であることが好ましく、500×10−3mm以下であることがより好ましく、300×10−3mm以下であることがより好ましい。
前記平均凸部高さ(H)が、500×10−3mm以下であることによって、凸部先端から粘着凹部までの窪み深さがより浅くなる。よって、摺接時において、粘着凹部がより被清掃体の面の近くまで接近できる。よって、粘着凹部によって比較的容易にゴミをより十分に捕捉できる。従って、上記の清掃用シートは、より良好なゴミ捕捉性を有する。
上記の清掃用シートでは、前記面方向にて前記間隔の平均長さが最小になる第1方向における前記粘着凹部の形状の平均長さ(L)が、0.3mm以上であることが好ましく、0.5mm以上であることがより好ましく、0.8mm以上であることがさらに好ましく、1.0mm以上であることが特に好ましい。
粘着凹部の形状の平均長さ(L)が0.3mm以上であることによって、各粘着凹部の大きさの平均が比較的大きくなる。このため、より良好に粘着凹部によってゴミを捕捉することができる。従って、上記の清掃用シートがより良好なゴミ捕捉性を有する。
上記の清掃用シートでは、前記凸部の前記部材をナノインデンテーション法によって測定したときの負荷曲線の最小荷重は、−0.40μN以上0μN以下であることが好ましく、−0.10μN以上0μN以下であることがより好ましい。
上記の清掃用シートでは、前記凸部の前記部材をナノインデンテーション法によって測定したときの除荷曲線の最小荷重は、−1.50μN以上0μN以下であることが好ましく、−0.10μN以上0μN以下であることがより好ましい。
上記の清掃用シートでは、前記クリーニング面の静摩擦係数が、1.00以下であることが好ましい。
これらの構成により、清掃用シートがより良好な滑り性を有することができる。
上記の清掃用シートは、前記クリーニング面の面方向に拡がり且つ前記部材の背面側に配置された粘着層を備え、該粘着層の一部が前記粘着凹部を構成し、ナノインデンテーション法によって測定される前記部材の硬さが、0.4MPa以上であり、且つ、プローブタック法によって測定される前記粘着層のプローブタックが、1.0kN/m以上500.0kN/m以下であることが好ましい。
前記部材の硬さが、0.4MPa以上であることによって、摺接時において、被清掃体の面に摺接する凸部と、被清掃体の面との間の摩擦力を比較的小さくすることができる。よって、このような比較的大きい剛性を有する部材をクリーニング面に有する清掃用シートは、良好な滑り性を有する。
前記粘着層のプローブタックが、1.0kN/m以上500.0kN/m以下であることによって、より良好なゴミ捕獲性を発揮させることができる。
従って、凸部を構成する部材の硬さが、0.4MPa以上であり、しかも、前記粘着層のプローブタックが、1.0kN/m以上500.0kN/m以下であることによって、より良好なゴミ捕獲性を発揮させつつ良好な滑り性を発揮させることができる。
上記の清掃用シートでは、前記凸部の前記部材が、ワックス、硬化された樹脂、及び、無機粉体のうち少なくとも1種を含有することが好ましい。
上記の清掃用シートでは、前記凸部の前記部材が、ポリオレフィン樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、スチレン系熱可塑性エラストマー樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、及び、ポリカーボネート樹脂のうち少なくとも1種を含有してもよい。
上記の清掃用シートでは、前記凸部の前記部材が、前記無機粉体として体質顔料を含有してもよい。
上記の清掃用シートでは、前記クリーニング面が両面に形成されていてもよい。
本発明に係る清掃用シートの製造方法は、上記の清掃用シートの製造方法であって、
前記凸部の前記部材を塗工によって形成することを特徴とする。
上記の清掃用シートの製造方法では、前記清掃用シートが支持基材を有し、前記凸部の前記部材を塗工によって前記支持基材に重ねて形成してもよい。
また、上記の清掃用シートの製造方法では前記清掃用シートが、支持基材と、該支持基材に重なる粘着層とを有し、前記凸部の前記部材を塗工によって前記粘着層に重ねて形成してもよい。
本発明の積層体は、上記の清掃用シートが巻回された状態、又は、
上記の清掃用シートの複数が厚さ方向に積層された状態であることを特徴とする。
本発明の清掃具は、上記の清掃用シートと、該清掃用シートが着脱可能に取り付けられたシート固定部と、を備える。
上記の清掃具では、上述したいずれかの清掃用シートが前記シート固定部に着脱可能に取り付けられている。清掃時に、例えばモップやフローリングワイパーの操作方法と同様にしてシート固定部を操作することによって、シート固定部に取り付けられた清掃用シートを被清掃体の面に対して摺接させて、効率よく清掃作業を実施することができる。
本発明の清掃用シート、清掃用シートの積層体、清掃具は、良好なゴミ捕捉性を少なくとも有することができる。本発明の清掃用シートの製造方法は、良好なゴミ捕捉性を有する清掃用シートを製造できるという効果を奏する。
一実施形態に係る清掃用シートを片面側(クリーニング面側)から見た模式図。 一実施形態に係る清掃用シートを厚さ方向に(図1の破線部分で)切断した断面の模式図。 他実施形態に係る清掃用シートを図2Aと同様に厚さ方向に切断した断面の模式図。 一実施形態に係る清掃用シートが取り付けられた清掃具の概略構成を示す斜視図。 他実施形態に係る清掃用シートを片面側(クリーニング面側)から見た模式図。 別の実施形態に係る清掃用シートを片面側(クリーニング面側)から見た模式図。 さらに別の実施形態に係る清掃用シートを片面側(クリーニング面側)から見た模式図。 ある種の実施形態に係る清掃用シートを片面側(クリーニング面側)から見た模式図。 一実施形態に係る清掃用シートが厚さ方向に積み重なった状態の断面を表す模式図。 ナノインデンテーション法による測定の様子を表す模式図。 ナノインデンテーション法による測定チャートの模式図。
以下、本発明に係る清掃用シートおよび清掃具の一実施形態について、図面を参照しつつ詳しく説明する。
<清掃具>
本実施形態の清掃具100は、図3に示すように、後に詳述する清掃用シート1と、該清掃用シート1を固定するシート固定部120と、を備える。さらに、本実施形態の清掃具100は、柄として機能する棒状の把持部材110を備える。
シート固定部120は、清掃用シート1のクリーニング面10を平面状に保持するため平板状であり、自在継手130を介して把持部材110の一端で回動自在に連結されている。本実施形態では、シート固定部120は、平板状であり、厚さ方向の一方から見て矩形(長方形)である。
シート固定部120は、清掃用シート1を固定した状態で、清掃用シート1のクリーニング面10の少なくとも一部を作業者によって被清掃体の面に接触させ、被清掃体の面方向のいずれかの方向に向けてクリーニング面10を摺接させるように構成されている。
本実施形態の清掃用シート1は、例えば次のようにしてシート固定部120に取り付けられる。詳しくは、清掃用シート1の一方の面には、被清掃体に摺接されるクリーニング面10と、摺接されない非クリーニング面20とが形成されている。清掃用シート1のクリーニング面10が外側を向くように、シート固定部120の一方の面(使用時に被清掃体に対向する平滑面)に、清掃用シート1を重ねる。シート固定部120の向かい合う長辺の縁で、清掃用シート1を折り返して、シート固定部120の他方の面(被清掃体に対向しない面)に非クリーニング面20の形成部分を固定する。本実施形態において、シート固定部120の他方の面には、可撓性部材に放射状スリット140が形成されている。斯かる放射状スリット140に非クリーニング面20の形成部分の一部を押し込むことによって、シート固定部120に清掃用シート1を着脱可能に固定できる。このようにして、清掃用シート1は、シート固定部120に着脱可能に取り付けられる
なお、固定する手段としては、これに限定されず、クリップ等の公知の固定手段も採用できる。また、両面テープ等によって清掃用シート1をシート固定部120に貼りつけてもよい。清掃用シート1の背面側の全体又は一部分に接着層を重ねて、接着層をシート固定部120に貼りつけてもよい。1枚の清掃用シート1のみをシート固定部120に固定させてもよく、複数枚の清掃用シート1を積層させた状態でシート固定部120に固定させてもよい。
使用されることによって傷みや汚れが生じた清掃用シート1は、交換が必要となったときに、シート固定部120から簡単に取り外すことができる。そして、使用済みの清掃用シート1は、未使用の新しい清掃用シートと取り換えられる。
複数枚の清掃用シート1を積層させた状態でシート固定部120に固定させた場合、最も外側の清掃用シート1が汚れると、その清掃用シート1を、例えばミシン目に沿って剥がし、汚れていない清掃用シート1を露出させることができる。
本実施形態の清掃用シート1について、図面を参照しつつさらに詳しく説明する。
<清掃用シート>
本実施形態の清掃用シート1は、図1及び図2Aに示すように、比較的薄い厚さを有する。本実施形態の清掃用シート1には、被清掃体の表面に摺接されるクリーニング面10が形成されている。
クリーニング面10は、凹凸を有し、凸部12の先端を被清掃体に摺接させて用いられる。凸部12は、クリーニング面10の面方向に間隔Aを空けるように形成された部材30によって構成されている。クリーニング面10は、上記部材30よりも粘着力が高く且つクリーニング面10に露出している粘着凹部14をさらに有する。
詳しくは、本実施形態の清掃用シート1は、被清掃体の表面に摺接されるクリーニング面10を有する。クリーニング面10は、凹凸形状を有する。本実施形態の清掃用シート1は、凹形状の底部の少なくとも一部を構成する粘着層40と、凸部を形成し且つ粘着層40よりも粘着力が低い凸部の構成部材30と、を備える。凸部の構成部材30は、クリーニング面10の面方向のうち少なくとも一方向に間隔が形成され、該間隔に凹形状が配置されるように構成されている。本実施形態の清掃用シート1では、凸部の構成部材30が粘着層40よりも突出するように配置されることによって、クリーニング面10に、凸部12が形成されている。また、凹形状の底部に粘着層40の少なくとも一部が配置されることによって、粘着凹部14が形成されている。粘着凹部14では、粘着層40の少なくとも一部がクリーニング面10に露出している。
本実施形態の清掃用シート1は、クリーニング面10の面方向に拡がり且つ上記部材30の間隔の少なくとも一部に配置された粘着層40を備える。粘着層40の少なくとも一部が粘着凹部14を構成し、クリーニング面10における粘着層40の露出面積の割合が、30%以上である。
凸部12の先端から粘着凹部14までの平均凸部高さ(H:mm)と、上記の面方向にて間隔の平均長さが最小になる第1方向における粘着凹部14の形状の平均長さ(L:mm)との比(H/L)が、15×10−3以上である。
本実施形態の清掃用シート1は、図2Aに示すように、被清掃体に摺接させる上記の部材30と、支持基材50と、上記の部材と支持基材50との間に配置された粘着層40とを備える。
換言すると、本実施形態の清掃用シート1は、清掃具100に固定されたときに把持部材110と向き合う支持基材50と、支持基材50の表面の一部に重ねられた粘着層40と、粘着層40の表面に重ねられた上記の部材30と、を有する。より詳しくは、支持基材50の一方の面の中央部分を少なくとも覆うように粘着層40が配置され、粘着層40の一方の面(被清掃体に対向する面)に重なるように上記の部材30が配置されている。
なお、図2Aにおいて上記の部材30の数は、見やすくするために図1よりも少なくしている。
本実施形態の清掃用シート1には、図1及び図2Aに示すように、片面側(シート固定部120に固定されたときに外を向く側)に、床等の被清掃体の表面に摺接されるクリーニング面10が形成されている。また、清掃用シート1には、本実施形態のごとく非クリーニング面20があってもよい。本実施形態において、クリーニング面10は、凸部12と粘着層40の一部(粘着凹部14)とによって形成され、一方、非クリーニング面20は、支持基材50の表面によって形成されている。なお、非クリーニング面20は、支持基材50の表面に配置された1つまたは複数の離型層によって形成されていてもよい。
図1に示すように、矩形状の清掃用シート1を片面側から見たときに、向かい合う2つの帯状の非クリーニング面20の間に、1つのクリーニング面10が配置されている。換言すると、長方形状のクリーニング面10が、帯状の2つの非クリーニング面20に挟み込まれるように配置されている。
なお、クリーニング面10は、上記のごとく清掃用シート1の片面側のみに形成されていてもよく、両面側にそれぞれ形成されていてもよい。
本実施形態において、凸部の構成部材30は、複数の線部材(線状部材)を有する。清掃用シート1のクリーニング面10は、複数の線部材が面方向に間隔Aを空けるように配置された部材(凸部の構成部材30)によって構成される凸部12を有する。また、クリーニング面10は、上述したように、粘着凹部14を有する。
本実施形態において、凸部の構成部材30は、複数の線部材を有する。複数の線部材は、粘着層40の表面に接するように配置されている。複数の線部材は、クリーニング面10の面方向におけるいずれかの一方向に沿って間隔Aを空けて並んでいる。並行する複数の線部材は、上記の帯状の非クリーニング面20の長手方向と同じ方向に延在している。
粘着凹部14における粘着層40は、凸部の構成部材30よりも粘着力が高い。また、粘着層40の少なくとも一部は、クリーニング面10に露出している。本実施形態において、粘着凹部14は、上記の間隔Aにおいて配置され、凸部12の突出高さ分、凸部12の先端から窪んでいる。そして、粘着層40の少なくとも一部が露出しつつ粘着凹部14の底部を構成している。
上記の構成により、主に凸部12の先端を被清掃体に摺接させて清掃用シート1を用いることとなる。また、摺接時において、隣り合う線部材を互いに隔てる間隔Aにゴミがかき寄せられ得る。上記の間隔Aには、比較的粘着力が高く凸部よりも凹んだ粘着凹部14が配置されているため、粘着凹部14における粘着層40によって、かき寄せられたゴミを捕捉できる。しかも、捕捉されたゴミが比較的重いゴミであっても、ゴミを粘着力によって粘着凹部14の表面で保持することができる。従って、上記の清掃用シートは、良好なゴミ捕捉性を有する。
また、上記の構成により、粘着層40が比較的強い粘着力を有するものの、凸部12の先端よりも粘着凹部14が窪んでいるため、クリーニング面10は、粘着層40の粘着力による摩擦力の影響をあまり受けずに、主に凸部12の先端が被清掃体の面に接触しつつ、摺接される。よって、上記の清掃用シート1は、良好な滑り性を有する。
前記クリーニング面の静摩擦係数(対SUS304板)は、3.00以下であることが好ましく、1.50以下であることがより好ましく、1.00以下であることがさらに好ましい。これにより、より良好な滑り性を発揮できる。なお、斯かる静摩擦係数は、0.20以上であってもよい。
静摩擦係数は、JIS K7125:1999(ISO8295:1995)に記載の測定条件に準拠して測定される。測定温度は、23℃である。
同様に、動摩擦係数が求められ得る。
摩擦係数の測定では、JISZ0237:2009で使用されるSUS304鋼板(100×200mm)を用いる。このSUS304鋼板の上に、清掃用シートから切り出した80×160mmの大きさのシートをクリーニング面がSUS鋼板面に接触するように載せ、接触面積40cm(一辺長さ63mm)の滑り片を載せる。滑り片の全質量が200gになるよう調整する。摩擦係数測定における速度は100mm/minで行い、測定距離60mm間の最大力からなる静摩擦係数および動摩擦係数を算出する。5回の測定回数の平均値をそれぞれ記録する。なお、静摩擦係数の測定時にはスプリングを通して補助版をロードセルに接続し、動摩擦係数の測定時にはスプリングを使用しない。
なお、上記の静摩擦係数および動摩擦係数は、例えば、後述する比(H/L)を大きくすることによって、小さくすることができる。ここで、比(H/L)は、凸部12の先端から粘着凹部14までの平均凸部高さ(H:mm)と、クリーニング面の面方向にて上記間隔の平均長さが最小になる第1方向における粘着凹部の形状の平均長さ(L:mm)との比(H/L)である。
(凸部を構成する部材)
本実施形態において、凸部を構成する部材30は、並行して延びる複数の線部材を有する。隣り合う線部材の間の間隔Aにおいて、粘着層40の一部が露出している。これにより、摺接に伴って粘着凹部14付近に集まったゴミが粘着層40によって捕捉され、粘着凹部14の粘着力によってゴミの捕捉が維持され得る。従って、良好なゴミ捕捉性が発揮される。
上記の線部材の幅は、通常、0.01mm以上である。線部材の幅は、より好ましくは0.02mm以上、さらに好ましくは0.03mm以上、特に好ましくは0.1mm以上である。線部材の幅は、20mm以下であってもよく、10mm以下であってもよく、5mm以下であってもよく、1mm以下であってもよい。複数の並行する線部材で凸部が構成されている場合、また、複数の交差する線部材で凸部が構成されている場合に、線部材の幅が上記の範囲であることが好ましい。
凸部を構成する部材30の硬さは、ナノインデンテーション法によって測定される。斯かる硬さは、0.4MPa以上であることが好ましい。斯かる硬さが0.4MPa以上であることによって、摺接時において、被清掃体の面に摺接する凸部12と、被清掃体の面との間の摩擦力を比較的小さくすることができる。よって、このような比較的大きい剛性を有する部材をクリーニング面10に有する清掃用シート1は、良好な滑り性を有する。また、このような比較的剛性の高い部材で凸部12を構成することによって、清掃のときの摺接によって部材が摩耗することが抑制されるため、清掃用シート1が良好な耐久性を発揮できる。
凸部の構成部材30の上記硬さは、好ましくは0.4MPa以上であり、より好ましくは1.5MPa以上、さらに好ましくは3.0MPa以上、特に好ましくは5.0MPa以上、最も好ましくは10.0MPa以上である。部材の上記硬さの上限は、特に制限されず、部材の上記硬さは、200MPa以下であってもよい。上記の部材30に適度な変形性を付与できる点、また、凸部12によって被清掃体表面に擦過傷が生じることを抑制する点で、上記の部材30の硬さは、好ましくは100MPa以下であり、より好ましくは70MPa以下であり、特に好ましくは50MPa以下である。
ナノインデンテーション法による上記の部材30の硬さは、ISO14577に準拠して測定される。具体的には、測定装置「TI950 TriboIndenter」(Hysitron,社製)によって測定する。より具体的には、「圧子を最も深く押し込んだときの荷重(最大荷重Pmax)」を、「圧子と測定試料が接触する面積(接触投影面積B)」で除することによって算出される。圧子としては、バーコビッチ(Berkovich)型ダイヤモンド圧子(三角錐型圧子)を用い、単一押し込み測定で実施する。測定値が上記部材30以外の影響を受けないように、測定時における上記の部材30の厚さは、少なくとも50μmであることが望ましい。圧子の押し込み速度は、500nm/秒であり、引き抜き速度は、500nm/秒である。圧子の押し込み深さは、5μmである。測定は、25℃において実施される。少なくとも3回の測定を行って平均値を求める。後述の実施例も同様の方法で測定される。
ナノインデンテーション法による上記の部材30の弾性率は、例えば、4.5MPa以上1000MPa以下であってもよく、4.5MPa以上500MPa以下であってもよく、4.5MPa以上200MPa以下であってもよい。斯かる弾性率は、上記の部材30の硬さの測定と同様に測定した結果を基にして算出される。ただし、斯かる弾性率は、「除荷曲線の最大負荷時における接線の傾き(接線剛性S=dP/dh)」と、「圧子と測定試料が接触する面積(接触投影面積B)」とを用いて、下記式によって算出される。なお、圧子の押し込み深さは、5μmである。
除荷曲線の最大負荷時における接線の傾きは、以下の方法によって算出される。前提として、除荷曲線において下記の式(1)のべき乗則が成り立つと仮定する。式(1)において、A、hf、mは、除荷曲線に最小二乗法を適用することによって決定される各定数である。式(1)を微分すると式(2)となる。式(2)から、除荷曲線の最大負荷時における接線の傾きが算出される。なお、除荷曲線の圧子の押し込み荷重の20%と95%との間の除荷曲線に最小二乗法を適用して、A、hf、mをそれぞれ算出する。
Figure 2021058593
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上記の部材30をナノインデンテーション法によって測定したときの負荷曲線の傾きは、1[μN/nm]以上5[μN/nm]以下であることが好ましい。斯かる負荷曲線の傾きは、上記の部材30の硬さの測定と同様に測定した結果を基にして算出される。負荷曲線の傾きとして、圧子の押し込み深さが50%と85%との間であるときの傾きを採用する。上記測定において、圧子の押し込み深さが5μmであるため、変位が2.5μmと4.25μmとの間であるときの傾きを負荷曲線の傾きとする。
ナノインデンテーション法による上記の部材30の硬さ、弾性率、負荷曲線の傾きをより大きくするためには、例えば、より弾性率の高い樹脂材料をより多く部材30に配合する。一方、上記の部材30の硬さ、弾性率、負荷曲線の傾きをより小さくするためには、例えば、可塑剤又はより弾性率の低い樹脂材料などをより多く部材30に配合する。
上記の部材30をナノインデンテーション法によって測定したときの負荷曲線の最小荷重は、好ましくは−0.40μN以上0μN以下であり、より好ましくは−0.10μN以上0μN以下である。負荷曲線の最小荷重が−0.10μN以上0μN以下であることによって、上記の部材30の濡れ性がほとんどなくなるため、より良好な滑り性が発揮される。
上記の部材30をナノインデンテーション法によって測定したときの除荷曲線の最小荷重は、好ましくは−1.50μN以上0μN以下であり、より好ましくは−0.10μN以上0μN以下である。除荷曲線の最小荷重が−0.10μN以上0μN以下であることによって、上記の部材30の吸着力(粘着力)がほとんどなくなるため、より良好な滑り性が発揮される。
ナノインデンテーション法による上記の負荷曲線の最小荷重、除荷曲線の最小荷重をより大きくするためには、例えば、粘着性に乏しい硬い材料を部材30により多く配合する。一方、上記の負荷曲線の最小荷重、除荷曲線の最小荷重をより小さくするためには、例えば、粘着性が良好な柔らかい材料を部材30により多く配合する。
凸部の構成部材30は、上記の硬さを有する材料で作製される。凸部の構成部材30は、例えば少なくとも樹脂材料を含む樹脂製である。そのような樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン樹脂;エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA);SISやSEBSなどのスチレン系熱可塑性エラストマー樹脂(スチレン系ブロック共重合体);アクリル樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂、CEBC樹脂;PET等のポリエステル;ポリウレタン樹脂;ポリイミド樹脂;ポリアミド樹脂;ポリカーボネート樹脂の1種または2種以上が採用される。凸部の構成部材30は、特に限定されないが、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、SISやSEBSなどのスチレン系熱可塑性エラストマー樹脂;ポリオレフィン系エラストマー樹脂;ポリウレタン系エラストマー樹脂;アクリル系エラストマー樹脂;アクリル樹脂;およびポリアミド樹脂からなる群より選択される1種または2種以上の樹脂を主成分として含む材料で形成されたものが好ましい。凸部の構成部材30は、これらの樹脂のいずれかを10質量%を超えて含むことが好ましい。凸部の構成部材30は、上記樹脂材料を30質量%以上含むことが好ましい。
上記の樹脂材料のなかでも、ポリオレフィン樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、上記のスチレン系熱可塑性エラストマー樹脂、アクリル樹脂、及びポリアミド樹脂からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。換言すると、凸部の構成部材30は、ポリオレフィン、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、上記のスチレン系熱可塑性エラストマー樹脂、アクリル樹脂、及びポリアミド樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。特に好ましくは、凸部の構成部材30は、ポリオレフィン樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、上記のスチレン系熱可塑性エラストマー樹脂、及びアクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含むことがより好ましい。
凸部の構成部材30が上記のごとき好ましい樹脂材料を含むことにより、摺接によって被清掃体の表面が損傷することが抑制される。また、凸部の構成部材30が上記のごとき好ましい樹脂材料を含むことによって、良好な滑り性、及び、良好な耐久性(強度)をより十分に発揮させることができる。
凸部の構成部材30は、より高い弾性率を有するべく、上記の樹脂材料以外に、ワックス、硬化された樹脂、及び、無機粉体のうち少なくとも1種を含んでもよい。また、凸部の構成部材30は、より良好な滑り性を有するべく、ワックスを含むことが特に好ましい。凸部の構成部材30は、体質顔料を無機粉体として含有することが好ましい。凸部の構成部材30が、樹脂材料以外にワックス、無機粉体としての体質顔料を含むことによって、凸部の構成部材30自体の滑り性がより向上し、凸部の構成部材30自体の摩擦力がより低くなり、清掃用シート1の滑り性がかなり向上する。
ワックス(固形ワックス)とは、常温(20℃)において固体状であるが、そのワックスの融点よりも高い温度(例えば融点よりも2〜3度高い温度)においてペースト状又は液状に変化するものである。融点は、市販されている融点測定装置や示差走査熱量計(DSC)によって測定できる。
ワックスの融点は、通常、50℃以上130℃以下であり、好ましくは80℃以上である。
ワックスは、常温においては硬いため、ワックスを含む凸部の構成部材30は、常温での硬さ又は弾性率が比較的高い。
これに対して、ワックスの融点よりもわずかに高い温度において、ワックスは、急激に熱溶融して樹脂材料よりも粘度が下がる。そのため、ワックスを含む凸部の構成部材30は、ホットメルト塗工における加工適正が良好である。また、樹脂材料以外にワックスを含む凸部の構成部材30は、樹脂材料に起因する伸びやすさが抑制されるため、容易にカットされやすくなるという利点を有することができる。よって、清掃用シート1がテープカット性を有し得ることとなる。
ワックスの硬さは、針入度で表すと、通常、0.1以上60以下である。上記ワックスの針入度は、好ましくは50以下、より好ましくは35以下、さらに好ましくは30以下、さらに好ましは15以下、特に好ましくは10以下である。上記ワックスの針入度は、1以上であってもよい。
上記の針入度は、日本工業規格(JIS K2235 2009 5.4 針入度試験方法)に従って測定される値である。測定条件は、温度25℃、荷重100g、時間5秒である。
ワックスとしては、例えば、炭化水素系ワックス又は非炭化水素系ワックス等が挙げられる。
炭化水素系ワックスとしては、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油鉱物系ワックス、また、ポリエチレンワックス(低分子量ポリエチレン)、ポリプロピレンワックス(低分子量ポリプロピレン)、フィッシャー・トロプシュワックス等の合成ワックスなどが用いられる。
非炭化水素系ワックスとしては、カスターワックス、カルナウバワックス、木蝋、イボタロウ、密蝋、モンタンワックス、キャンデリラワックス、ライスワックスといった天然ワックス、また、ジヘプタデシルケトン、ジペンタデシルケトン、ジウンデシルケトン、ジトリデシルケトンといった合成ワックスなどが用いられる。
ワックスとしては、炭化水素系ワックスが好ましい。
市販されているワックスの商品名の具体例は、以下の通りである。
日本精蝋社製のマイクロクリスタリンワックスである、商品名Hi−Mic−1045(融点72℃、針入度37)、Hi−Mic−1070(融点80℃、針入度20)、Hi−Mic−2095(融点101℃、針入度8)、Hi−Mic−1090(融点88℃、針入度6)、Hi−Mic−1080(融点84℃、針入度12)などのワックスが挙げられる。
また、日本精蝋社製のフィッシャー・トロプシュワックスである、商品名FT115(融点113℃、針入度1)、SX105(融点102℃、針入度1)、FT−0165(融点73℃、針入度5)、FT−0070(融点72℃、針入度11)などのワックスが挙げられる。
また、サゾール社製のフィッシャー・トロプシュワックスである、商品名サゾールワックスH1(融点112℃、針入度1)、サゾールワックスC80(融点88℃、針入度4〜9)などのワックスが挙げられる。
また、三洋化成工業社製の低分子量ポリオレフィンワックスである、商品名サンワックス171−P(針入度5)、サンワックス151−P(針入度4)、サンワックス131−P(針入度4)、サンワックス161−P(針入度2)、サンワックスE−310(針入度5)、サンワックスE−330(針入度4)、サンワックスE−250P(針入度5)などのワックスが挙げられる。
また、ヤスハラケミカル社製のポリエチレンワックスである商品名ネオワックス(融点110℃、針入度5)、三井化学社製のポリエチレンワックスである、商品名ハイワックスHP10A(融点116℃、針入度2)、ハイワックス210P(融点114℃、針入度4)、ハイワックス210MP(融点112℃、針入度3)、ハイワックス4202E(融点100℃、針入度5)、ハイワックスNL100(融点103℃、針入度3)、ハイワックスNP056(融点124℃、針入度2)などのワックスが挙げられる。
凸部の構成部材30は、上記樹脂材料100質量部に対してワックスを、5質量部以上含むことが好ましく、10質量部以上含むことがより好ましく、50質量部以上含むことがさらに好ましく、100質量部以上含むことが特に好ましい。また、上記樹脂材料100質量部に対してワックスを、300質量部以下含んでもよく、250質量部以下含んでもよく、200質量部以下含んでもよい。なお、凸部の構成部材30は、ワックスのみを含んでもよい。
凸部の構成部材30は、上記樹脂材料100質量部に対して無機粉体を、1質量部以上含むことが好ましく、5質量部以上含むことがより好ましく、50質量部以上含むことがさらに好ましく、100質量部以上含むことが特に好ましい。また、上記樹脂材料100質量部に対して上記無機粉体を、400質量部以下含んでもよく、250質量部以下含んでもよく、200質量部以下含んでもよい。
無機粉体としては、体質顔料、着色顔料、又は、機能性粒子などが挙げられる。体質顔料としては、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、又は、タルクなどが挙げられる。
凸部の構成部材30は、無機粉体以外に、有機顔料、有機染料を含んでもよい。
凸部の構成部材30が、上記樹脂材料と、上記体質顔料(無機粉体)と、上記ワックスとを含む場合、上記樹脂材料100質量部に対して体質顔料を1質量部以上300質量部以下含んでもよく、上記樹脂材料100質量部に対してワックスを1質量部以上300質量部以下含んでもよい。
凸部の構成部材30は、硬化された樹脂(硬化樹脂)を含んでもよい。硬化された樹脂としては、エネルギー線によって硬化する未硬化の樹脂が、紫外線や電子線などのエネルギー線によって硬化したものが挙げられる。硬化された樹脂としては、具体的には、紫外線硬化型(UV硬化型)樹脂が硬化したもの、電子線硬化型(EB硬化型)樹脂が硬化したものなどが挙げられる。また、硬化された樹脂は、二液反応架橋型の硬化物であってもよい。
例えば、UV硬化型樹脂を配合した凸部の構成部材30の組成物を塗工し、UV照射によって組成物を硬化させることで、十分な硬さや弾性率を有する凸部の構成部材30を作製できる。これにより、滑り性が良好な清掃用シート1を得ることもできる。
凸部の構成部材30は、上記樹脂材料(熱可塑性樹脂)100質量部に対して、硬化された樹脂を、10質量部以上含むことが好ましく、50質量部以上含むことがより好ましい。また、上記樹脂材料100質量部に対して、硬化された樹脂を、400質量部以下含んでもよく、200質量部以下含んでもよい。なお、凸部の構成部材30は、硬化された樹脂のみを含んでもよい。
なお、本実施形態の清掃用シート1は、一般に織布や不織布と称される繊維集合体を凸部の構成部材30や粘着層40に含んでもよい。換言すると、凸部の構成部材30及び粘着層40は、少なくとも一部が繊維集合体で構成されてもよい。なお、繊維集合体とは、通常、太さ0.03mm未満の繊維が集合したものを指す。繊維集合体は、例えばメルトブロー製法によって作られる。
凸部の構成部材30の目付(坪量)、換言すると、クリーニング面10の単位面積あたりの部材30の質量は、滑り性等を考慮して適切に設定される。斯かる目付は、好ましくは5g/m以上であり、より好ましくは10g/m以上、さらに好ましくは20g/m以上であり、特に好ましくは30g/m以上、より特に好ましくは40g/m以上、最も好ましくは50g/m以上である。凸部の構成部材30の材質が同じであり且つ複数の線部材の配置が同じであれば、斯かる目付が大きくなると、凸部12の突出高さが大きくなるか、又は粘着層40の露出率が小さくなることになる。従って、目付がより大きいことによって、クリーニング面10全体における平均粘着力が小さくなり得る。これにより、より良好な滑り性を発揮させやすい。
一方、上記の目付は、より良好なゴミ捕捉性を発揮させることができるという点で、好ましくは500g/m以下であり、より好ましくは400g/m以下、さらに好ましくは300g/m以下、特に好ましくは200g/m以下である。
凸部12の平均突出高さ(平均凸部高さH)は、少なくともゴミ捕捉性を考慮して設定されている。凸部12の平均突出高さ(平均凸部高さH)は、滑り性や耐久性をも考慮して適切に設定される。凸部12の平均突出高さは、凸部12の先端から粘着凹部14までの各高さの平均である。凸部12の平均突出高さ(H:mm)は、表面粗さ計やマイクロスコープによる断面観察によって測定される。
凸部12の平均突出高さ(平均凸部高さH)は、より良好なゴミ捕捉性を発揮させるという点で、好ましくは1000×10−3mm以下であり、より好ましくは500×10−3mm以下である。斯かる平均突出高さ(平均凸部高さH)は、場合によっては300×10−3mm以下であってもよく、200×10−3mm以下であってもよい。
凸部12の平均突出高さ(平均凸部高さH)は、30×10−3mm以上であってもよく、50×10−3mm以上であってもよく、70×10−3mm以上であってもよい。斯かる平均突出高さ(平均凸部高さH)は、場合によっては100×10−3mm以上であってもよく、300×10−3mm以上であってもよい。
凸部12の平均突出高さ(平均凸部高さH)が上記の好ましい範囲であることによって、摺接させるときの摩擦力が抑えられ、滑り性がより良好になり、被清掃体の面に対してより滑らかにクリーニング面10を摺接させることができる。また、粘着層40の露出面が凸部先端から上記の数値以上窪んだ位置に配置されるため、被清掃体に対する意図しないクリーニング面10の貼り付きをより抑制できる。
例えば、支持基材50が、クッション性の低い紙などで構成されている場合、又は、クッション性の高い不織布や発泡体などで構成されている場合において、適当な凸部12の平均突出高さを設定できる。
凸部12の先端部は、先細り形状を有することが好ましく、丸みを有することがより好ましい。換言すると、先端部は、クリーニング面10の面方向における断面積が先端に向かって減っていく形状を有することが好ましい。先端部が先細り形状を有する場合、その先端は、尖っていなくてもよく平面状であってもよい。
凸部12の先端部が先細り形状であることによって、凸部12が被清掃体に摺接されるときの摩擦力をより小さくすることができる。従って、より良好な滑り性を発揮させることができる。
(粘着凹部)
本実施形態において、粘着凹部14は、以下に説明する粘着層40の一部である。換言すると、粘着層40の一部が粘着凹部14を構成している。さらに換言すると、粘着層40の面の一部が露出して、粘着凹部14を構成している。粘着層40の面の上に、上記の部材30の線部材が間隔Aを空けて配置されることによって、粘着層40の面の一部が間隔Aにおいて露出し、粘着層40の面の残部が上記部材30によって覆われている。なお、後述するように、本発明の清掃用シートは、このような構成に限定されない。
本実施形態において、図1に示すように、粘着層40は、クリーニング面10の面方向において連続して拡がっている。清掃用シート1の厚さ方向にクリーニング面10を見たときの各粘着凹部14の形状は、特に限定されない。粘着凹部14は、定まった形状を有していなくてもよい。一方、各粘着凹部の形状は、四角形や三角形等の多角形、真円形や楕円形等の円形、その他不定形の形状であってもよい。
クリーニング面10において、粘着層40の露出面積の割合(以下、単に露出率とも称する)は、30%以上である。斯かる露出率は、40%以上であることが好ましく、50%よりも大きいことがより好ましく、60%以上であることがさらに好ましい。
上記の露出率が40%よりも大きいことによって、粘着凹部14によってゴミをより十分に捕捉できる。従って、良好な滑り性を有する上記の清掃用シート1は、さらに、良好なゴミ捕獲性をも有することができる。
上記の露出率は、95%以下であってもよく、90%以下であってもよい。露出率の上限が95%以下であることにより、より良好な滑り性を発揮させることができる。
上記の露出率は、ゴミによる目詰まりをより抑制でき、ゴミをより十分に捕捉できるという点で、より大きいことが好ましい。ただし、上述した特許文献1にも記載されているように、露出率が大きくなると、粘着層40が被清掃体に接触しやすくなる。これにより、糊残りが発生したり、清掃時に操作しにくくなったりし得る。上記の清掃用シート1では、凸部の構成部材30の材質を選択したり、後述する比(H/L)を設定したりすることによって、露出率が30%以上でも、良好な滑り性を有することができる。
例えば、支持基材50と凸部の構成部材30とを貼り合せること、又は、支持基材50の上に凸部の構成部材30を塗工(後述)することによって、支持基材50と凸部の構成部材30とが直接重なり合った状態の清掃用シート1を製造できる。塗工方法で清掃用シート1を製造する場合に、凸部の構成部材30の材質、及び、支持基材50の厚さ方向における部材厚さ等に応じて、滑り性やゴミ捕捉性が良好となるように、上記の露出率を適宜設定することができる。
上述した特許文献1のように、繊維シートに打抜きを行って円形の孔を形成し、この繊維シートに粘着シートを貼着する製造方法では、繊維シートの強度が比較的低いことから、孔の大きさや数に限界があり、露出率が制限され得る。一方、塗工によって凸部の構成部材30を作製することによって、支持基材50又は粘着層40の上に凸部の構成部材30を直接形成できるため、露出率を自由に設定できる。また、塗工によって凸部の構成部材30を作製することによって、特許文献1のように孔を有しつつ連続したパターン形状以外の凸部の構成部材30を簡便に作製できる。例えば、不連続な任意のパターン形状の凸部の構成部材30を簡便に形成できる。
上記露出率は、クリーニング面10の総面積に占める、粘着層40の総露出面積の割合である。クリーニング面10の総面積は、凸部の構成部材30が面方向に拡がっている部分の面積、又は、粘着層40の面積のいずれか大きい方の面積である。なお、クリーニング面10の総面積として粘着層40の面積を採用する場合、粘着層40が面方向に連続して広がっていなくても、面方向において最も外側に配置された粘着剤組成物から内側の領域の面積を粘着層40の面積とする。
上記露出率は、クリーニング面10の単位面積あたりにおける、粘着層40の露出面積の合計から求めることができる。露出率は、例えば以下のようにして求めることができる。具体的には、上記部材30の外観写真を撮り、コピー紙等にその写真を拡大し、粘着層40が露出した形状に合わせてはさみ等で切り抜く。そして、単位面積において切り抜いた紙質量を、単位面積あたりの紙質量で除することによって、正確に露出率を算出することができる。また、マイクロスコープ等で撮影した画像から画像処理によって正確な露出率を計算することもできる。後述の実施例においても、これらの方法で露出率が測定される。
露出率の測定において、測定されるクリーニング面10の範囲は、全範囲であることが好ましいが、部材の配置パターンが規則的である場合、任意に選んだ例えば3cm×3cmの正方形部分であってもよい。なお、クリーニング面10において、部材の配置パターンが規則的でなく、部分的に異なっている場合、クリーニング面10の全体における露出率を測定する。
なお、クリーニング面10において、仮に支持基材50が露出している場合、支持基材50が露出した部分の面積は、露出率の算出において、粘着層40の総露出面積に含まれない。例えば、凸部の構成部材30の複数の線部材における間で、支持基材50と粘着層40とが露出している場合、粘着層40が露出した部分の面積のみを粘着層40の総露出面積に取り入れ、支持基材50が露出した部分の面積を粘着層40の総露出面積に取り入れない。
クリーニング面10には、通常、面方向にて上記間隔の平均長さが最小になる第1方向が存在する。例えば、本実施形態において第1方向は、凸部の構成部材30の線部材の延在方向と直交する方向である。
斯かる第1方向において、凸部の構成部材30によって形成された上記間隔Aにおける粘着凹部14の形状の平均長さ(L:mm)、換言すると、クリーニング面10の第1方向における各粘着凹部14の形状の平均長さ(L:mm)は、滑り性およびゴミ捕捉性を考慮して適切に設定される。例えば、粘着凹部14の形状の上記平均長さは、より良好な滑り性を発揮させるという点で、好ましくは10mm以下であり、より好ましくは8mm以下であり、さらに好ましくは5mm以下、特に好ましくは3mm以下である。粘着凹部14の形状の上記平均長さが10mm以下であることによって、クリーニング面10全体における平均粘着力がより小さくなることから、未使用の清掃用シートが、包装材や他の清掃用シートへ貼り付くことを抑制できる。また、粘着凹部14の形状の上記平均長さは、より良好なゴミ捕捉性を発揮させるという点で、好ましくは0.3mm以上、より好ましくは0.5mm以上、さらに好ましくは0.8mm以上、特に好ましくは1.0mm以上である。
上記の第1方向における粘着凹部14の形状の平均長さは、次のようにして測定される。原則として、第1方向を決めるための仮想直線は、クリーニング面の中心部分であって粘着凹部が存在する部分を通るように設定する。
本実施形態においては、図1に示すように、クリーニング面10の面方向における一方向に向けて、複数の線部材が並行して延びている。仮想直線が線部材と直交する方向において上記の間隔の平均長さが最小になるため、第1方向は、線部材と直交する方向となる(図1の直線状破線を参照)。本実施形態においては、図1に示すように、第1方向においてほぼ同じ間隔Aを空けて直線状に並ぶ複数の線部材によって凸部の構成部材30が構成されているところ、隣り合う線部材の間の距離を少なくとも10箇所測定し、測定値を平均することによって上記の平均長さを求める。後述の実施例も同様の方法で測定される。
図4に示すように各粘着凹部14の形状が円形状である場合、また、図5に示すように各粘着凹部14の形状が矩形状である場合も、上記と同様にして第1方向を決め、粘着凹部14の形状の平均長さを求める。
これに対して、第1方向を一方向に定めることが困難である場合、以下のようにして上記の平均長さを求めることができる。例えば、想定される凸部の構成部材30の一例においては、図6に示すように、短い線部材が長手方向に間隔を空けて断続的に配置され、短い線部材同士が長手方向と直交する方向にほぼ同じ間隔を空けて並んでいる。また、想定される凸部の構成部材30の他の例は、図7に示すように、文字を描くような小部材で構成される。このような場合、部材の隙間において部材に内接する仮想最大円(真円)の直径を各粘着凹部14の形状の長さとみなす(破線で描かれた円を参照)。このとき、任意に選んだ3cm×3cmの正方形部分を少なくとも3つ選び、各正方形部分において少なくとも10箇所の各粘着凹部14の形状の長さを測定し、それら測定値を平均することによって、上記の平均長さを求める。
クリーニング面10において、凸部12の先端から粘着凹部14までの平均凸部高さ(H:mm)と、クリーニング面の面方向にて上記間隔の平均長さが最小になる第1方向における粘着凹部の形状の平均長さ(L:mm)との比(H/L)は、15×10−3以上である。斯かる比(H/L)は、好ましくは20×10−3以上、より好ましくは25×10−3以上、さらに好ましくは30×10−3以上、特に好ましくは40×10−3以上、さらに特に好ましくは45×10−3以上である。上記の比(H/L)は、場合によっては60×10−3以上であってもよく、70×10−3以上であってもよい。
上記の比(H/L)が20×10−3以上であることによって、各粘着凹部14の形状の平均長さに対する平均凸部高さが比較的大きくなるため、粘着凹部14が被清掃体の面に接触することがより抑制される。従って、クリーニング面10全体における摩擦力がより小さくなり、より良好な滑り性が発揮される。また、上述したように、被清掃体に対する意図しないクリーニング面10の貼り付きをより抑制できる。
上記の比(H/L)は、好ましくは600×10−3以下、より好ましくは300×10−3以下、さらに好ましくは150×10−3以下、特に好ましくは100×10−3以下、より特に好ましくは80×10−3以下である。
上記の比(H/L)が600×10−3以下であることによって、クリーニング面10における粘着力がより発揮されやすくなり、より良好なゴミ捕捉性が発揮される。
(粘着層)
本実施形態において、粘着層40は、クリーニング面10の面方向に拡がり且つ凸部の構成部材30の背面側に配置されている。粘着層40は、例えば粘着剤組成物によって層状に形成されている。
本実施形態の清掃用シート1は、粘着層40の面に重ねて凸部の構成部材30を配置すればクリーニング面10を形成できるため、比較的簡便に製造できる。
また、清掃用シート1のクリーニング面10で被清掃体を清掃するときに、凸部12の先端が被清掃体の面に押し当てられて摺接すると、凸部12が粘着層40に支えられつつわずかに粘着層40へ入り込み得る。これにより、凸部12の突出高さ(凸部高さ)が少し低くなり、凸部12よりも窪んでいる粘着凹部14が、被清掃体の面に少しだけ近づき得る。そして、粘着凹部14が被清掃体の面に近づいた分、粘着凹部14がゴミをより確実に捕捉できる。
粘着層40を形成する粘着剤組成物は、例えばアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤等の粘着剤を含む。さらに、粘着剤組成物は、粘着付与樹脂(タッキファイヤー)と、プロセスオイル等の可塑剤とを含み得る。各成分の種類や配合割合は、所望の粘着性能が得られるように、清掃用シート1の用途等に応じて設定される。
なお、例えば、ゴム系粘着剤とは、ベースポリマーとしてゴム系ポリマーを含む粘着剤である。他の粘着剤についても同様である。
粘着剤のベースポリマーは、粘着剤において最も配合割合の高いポリマー成分である。粘着剤がベースポリマーを固形分基準で、50質量%以上含んでもよく、70質量%以上含んでもよく、90質量%以上含んでもよい。粘着剤は、ベースポリマーのみを含んでもよく、例えばベースポリマーを99質量%以下含んでもよい。より良好な粘着性能を発揮させるという点、原料コストに対する性能の比が比較的高いという点で、粘着剤は、ゴム系粘着剤またはアクリル系粘着剤であることが好ましい。
アクリル系粘着剤は、ベースポリマーとしてアクリル系ポリマーを含む。アクリル系ポリマーとは、主構成モノマー成分がアクリル系モノマーであるポリマーを指す。アクリル系モノマーは、一分子中に少なくともひとつの(メタ)アクリロイル基を有するモノマーである。主構成モノマー成分は、アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分の総量のうち、50質量%以上を占める成分である。アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分の70質量%以上がアクリル系モノマーであってもよく、90質量%以上がアクリル系モノマーであってもよい。アクリル系ポリマーは、ラジカル重合で得られるホモポリマー、又は、ランダム共重合によるコポリマーであってもよい。アクリル系ポリマーは、熱可塑性(典型的にはホットメルト型)のブロックコポリマーであってもよい。なお、本明細書において(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基およびメタクリロイル基を包括的に指す。同様に、本明細書中において(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよびメタクリレートを包括的に指す。
ゴム系粘着剤としては、天然ゴムやその変性物等の天然ゴム系重合体、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、結晶性ポリオレフィン−エチレン/ブチレン−結晶性ポリオレフィンブロック共重合体(CEBC)、およびスチレン−エチレン/ブチレン−結晶性ポリオレフィンブロック共重合体(SEBC)等のゴム系ポリマーの1種または2種以上を、ベースポリマーとして含む粘着剤が挙げられる。
ゴム系粘着剤としては、SISをベースポリマーとして含む粘着剤(SIS系粘着剤)が好ましい。
上記の粘着付与樹脂としては、一般的なロジン系、テルペン系、炭化水素系、エポキシ系、ポリアミド系、エラストマー系、フェノール系、ケトン系等の各種粘着付与樹脂が挙げられる。これら1種を単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて使用できる。ベースポリマー100質量部に対する粘着付与樹脂の配合量は、特に限定されないが、例えば50質量部以上200質量部以下であってもよく、80質量部以上150質量部以下であることが好ましい。
上記可塑剤としては、例えば、プロセスオイル;アクリル系オリゴマー;フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジブチル等のフタル酸エステル系可塑剤;アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル等のアジピン酸エステル系可塑剤;トリメリット酸トリオクチル等のトリメリット酸エステル;セバシン酸エステル;エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油等のエポキシ化植物油;エポキシ化脂肪酸オクチルエステル等のエポキシ化脂肪酸アルキルエステル;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、それらのエチレンオキサイド付加物等の環状脂肪酸エステルおよびその誘導体;などが挙げられる。可塑剤としては、これら1種を単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて使用できる。
粘着剤組成物において、ベースポリマー100質量部に対する可塑剤の配合量は、特に限定されないが、例えば50質量部以上200質量部以下であってもよく、90質量部以上150質量部以下であることが好ましい。
上記プロセスオイルとしては、例えば、一般的なパラフィン系、ナフテン系、芳香族系等のプロセスオイルが挙げられる。
粘着剤組成物(例えばSIS系粘着剤を含む組成物)は、さらに、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤(顔料、染料等)等の各種添加剤を含んでもよい。これらの添加剤の種類や配合量は、一般的な粘着剤の分野における通常の種類および配合量と同様であってもよい。
粘着層40を作製するための粘着剤組成物としては、種々のタイプが採用される。例えば、加熱溶融させた後に冷却固化させて粘着層40を形成するホットメルト型タイプの組成物、必要に応じて硬化剤を含む硬化型タイプの組成物、紫外線(UV)や電子線(EB)などのエネルギー線の照射で硬化するエネルギー線照射硬化型タイプの組成物、粘着成分が水中に分散している水分散型(典型的にはエマルション型)タイプの組成物、粘着成分が有機溶剤に溶解している溶剤型タイプの組成物等が採用される。良好な生産性や環境負荷の軽減の観点から、好ましくはホットメルト型タイプの粘着剤組成物を採用して、粘着層40を作製する。
プローブタック法によって測定される粘着層40のプローブタックは、1.0kN/m以上500.0kN/m以下であることが好ましい。
粘着層40のプローブタックが、1.0kN/m以上500.0kN/m以下であり、しかも、上記のごとく凸部の構成部材30の硬さが、0.4MPa以上であることによって、良好な滑り性を発揮させつつ良好なゴミ捕獲性を発揮させることができる。
プローブタック法によって測定される粘着層40のプローブタックの測定値は、250.0kN/m以下であることがより好ましく、150.0kN/m以下であることがさらに好ましい。
粘着層40のプローブタックが250.0kN/m以下であることによって、粘着凹部14が被清掃体の面に接触した場合であっても、摺接においてクリーニング面10が被清掃体の面に沿って動くことで、粘着凹部14が被清掃体の面から比較的容易に離れることができる。よって、被清掃体の面に対してクリーニング面10がより良好に滑る。従って、上記の清掃用シート1がより良好な滑り性を有する。
粘着層40のプローブタックの測定値は、5.0kN/m以上であってもよく、10.0kN/m以上であってもよく、25.0kN/m以上であってもよく、50.0kN/m以上であってもよい。
なお、粘着層40のプローブタックの測定値を大きくするためには、例えば、適量の粘着付与樹脂又は可塑剤を粘着層40に配合する。一方、粘着層40のプローブタックの測定値を小さくするためには、例えば、粘着層40における粘着付与樹脂又は可塑剤の含有量をより少なくする。
粘着層40のプローブタックの測定は、プローブタック試験機によって実施する。なお、少なくとも10回の測定を行って、測定値を平均した値をプローブタックの値とする。試験条件の詳細は、円形のステンレス製プローブ(直径:5mm)を、粘着層40の粘着面に、一定荷重(50gf/5mmφ)をかけながら、1秒間接触させた後、プローブを粘着面から垂直方向に5mm引き離すのに要する力を求め、これを粘着層のプローブタック(粘着力)の値とする。なお、粘着層40が支持基材50に重なった状態で測定を行う。プローブの接触速さ(押し当て速度)は120mm/分であり、引きはがし速さは600mm/分である。測定温度は23℃、RH50%の環境下で測定する。
粘着層40の粘着力は、清掃用シート1の滑り性とゴミ捕捉性とを考慮して、適切に設定される。粘着層40の粘着力は、下記のように剥離強度によって測定される。
粘着層40の180度剥離強度は、より良好なゴミ捕捉性を発揮させるという点で、好ましくは0.5N/25mm以上であり、より好ましくは1.0N/25mm以上であり、さらに好ましくは3.0N/25mm以上であり、特に好ましくは5.0N/25mm以上である。家庭内の埃等のゴミは比較的軽いため、1.0N/25mm以上の粘着力を有する粘着層40であれば、十分にゴミを捕捉することができる。また、被清掃体に対する良好な滑り性を発揮させる点、清掃用シート1が被清掃体表面に貼り付いてしまうことを抑制する点で、粘着層40の180度剥離強度は、好ましくは40N/25mm以下であり、より好ましくは25N/25mm以下であり、さらに好ましくは20N/25mm以下であり、特に好ましくは15N/25mm以下である。上記の180度剥離強度は、JIS Z 0237に規定するステンレス鋼(SUS304)板に対する180度剥離試験に基づく測定値である。
なお、粘着層40がクリーニング面10の面方向に拡がる形状でなく、例えば、面方向の一方向に複数の線が並んで延びるように形成されている場合(不連続塗膜の場合)、粘着層の180度剥離強度は、実測された強度を、上記のごとき25mm幅のときの強度に換算して求められる。また、粘着層40が上記のごとき不連続塗膜の場合、平均値を求めることが難しいため、測定において観察されたピーク値(最大値)を採用して、180度剥離強度を求める。
上記剥離強度の測定は、具体的には下記の手順で行われる。支持基材50に支持された粘着層40から、長方形状にカットしたシート状試験片を取り出す。試験片の長さは、100〜200mm程度であることが好ましく、幅は15〜25mm程度であることが好ましい。試験片の幅が25mm未満である場合、実際の試験片の幅と、基準幅25mmとの比から、換算値[N/25mm]を算出(換算)することができる。試験片の厚さは、特に限定されない。試験片の一方の表面(クリーニング面側の面)を、ステンレス鋼(SUS304)板に貼り付け、2kgのローラを一往復させて圧着させる。試験片の両面が粘着性を有する場合、測定する面とは反対側の表面に厚さ25μm程度のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを裏打ちすることが好ましい。このようにして用意した試験サンプルを23℃、RH50%の環境下で、30分間保持する。その後、引張試験機を用いて、JIS Z 0237に準拠して、23℃、RH50%の環境下において、剥離角度180度、引張速度300mm/分の条件にて、180度剥離強度(対SUS粘着力)[N/25mm]を測定する。使用する引張試験機は、特に限定されず、従来公知の引張試験機を用いることができる。例えば、島津製作所社製の「テンシロン」を用いることができる。
粘着層40の平均厚さ(粘着層が多層構造である場合、複数の粘着層の平均合計厚さ)は、目的に応じて適宜設定することができ、特に限定されない。粘着層40の平均厚さは、より良好なゴミ捕捉性を発揮させるという点で、好ましくは1μm以上であり、より好ましくは5μm以上であり、さらに好ましくは10μm以上であり、特に好ましくは15μm以上である。粘着層40の平均厚さは、より良好な滑り性を発揮させる点、被清掃体への糊残りを防止する点で、好ましくは300μm以下であり、より好ましくは150μm以下であり、さらに好ましくは60μm以下であり、特に好ましくは40μm以下である。平均厚さは、ランダムに選んだ少なくとも5箇所の測定値の平均である。
(支持基材)
上記の清掃用シート1は、支持基材50を備えることが好ましい。上記の清掃用シート1が支持基材50を備えることによって、粘着層40が支持基材50に支持されるため、摺接時における粘着層40の変形を抑えることができる。従って、粘着層40の粘着性能が十分に発揮され、より良好なゴミ捕捉性が発揮される。
支持基材50の引張強度は、5N/50mm以上であることが好ましい。支持基材50の引張強度が5N/50mm以上であることによって、粘着層40が支持基材50によってより十分に支えられる。これにより、上述したように、摺接時に凸部12がより十分に粘着層40に支えられつつわずかに粘着層40へ入り込み得る。これにより、粘着凹部14が、被清掃体の面に少しだけ近づき得る。そして、粘着凹部14が被清掃体の面に近づいた分、粘着凹部14がゴミをより確実に捕捉できる。なお、支持基材50の強度は、200N/50mm以下であってもよい。
支持基材50の引張強度は、支持基材50の引張強度を測定することによって求められる。具体的には、斯かる強度(引張強度)は、幅50mmの帯状にカットした試験片を引張試験機にセットし(チャック間距離100mm)、引張速度200mm/分の条件で、引張強度[N/50mm]を測定する。
支持基材50は、種々の樹脂シート、若しくは、不織布、織布、紙といった繊維シート、金属箔、又は、これらの複合体等であってもよい。支持基材50は、樹脂シートおよび繊維シートのうち少なくとも1種を有することが好ましい。樹脂シートには、合成樹脂フィルム、ゴムシート、発泡体シートなどが包含される。繊維シートには、不織布、織布、紙などが包含される。
なお、支持基材50の形状は、特に制限されず、平板状、円筒状等であってもよく、支持基材50は、布巾又はスポンジ等の変形可能なものであってもよい。支持基材50は、ポリオレフィン製、ポリエステル製、その他の合成樹脂製、紙製、合成繊維若しくは天然繊維製、ステンレス鋼等の金属製等であってもよい。
樹脂シートの材質としては、ポリオレフィン(PE、PP、エチレン−プロピレン共重合体等)、ポリエステル(PET等)、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。ゴムシートとしては、例えば天然ゴムシート、ブチルゴムシート等が挙げられる。発泡体シートとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等各種の発泡樹脂シートが挙げられる。紙としては、例えば和紙、クラフト紙、グラシン紙、上質紙、合成紙、トップコート紙等が例示される。織布又は不織布としては、各種繊維の単独種、または、複数種の繊維の混紡等によって形成されたものが挙げられる。上記繊維としては、例えば綿、スフ、マニラ麻繊維、パルプ、レーヨン繊維、アセテート繊維、ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維等が例示される。不織布の製造方法は、スパンレース、ケミカルボンド、メルトブローン、スチームジェット、ニードルパンチ等問わない。金属箔としては、例えばアルミニウム箔、銅箔等が挙げられる。
なお、表面粗さ(凹凸)が大きい不織布や発泡体などをそのまま支持基材50として用いる場合、斯かる支持基材50に、凸部の構成部材30や粘着層40を重ね合わせても十分に付着しないことがある。これに対して、不織布や発泡体をポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムで覆い、支持基材50の表層部に平滑なラミネート加工層を設けることが好ましい。支持基材50の表層部の表面をラミネート加工層で平滑化することによって、後述する塗工によって凸部の構成部材30や粘着層40を高速で形成することが可能となる。これにより、比較的高速かつ簡便に凸部の構成部材30や粘着層40を作製できる。
支持基材50は、必要に応じて、充填剤(無機充填剤、有機充填剤等)、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、着色剤(顔料、染料等)等の各種添加剤を含んでもよい。
支持基材50の厚さは、特に限定されず、目的に応じて適宜選択できる。支持基材50の厚さは、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、さらに好ましくは20μm以上)である。また、支持基材50の厚さは、好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下、特に好ましくは1mm以下である。支持基材50としてゴム製板を採用し、この支持基材50に粘着層40と、凸部の構成部材30とを設けた清掃用シート1であってもよい。上記の厚さは、例えば、合成樹脂シート、不織布、紙製の支持基材50において適宜設計される。
本実施形態の清掃用シート1は、クリーニング面が凹凸を有し、主に凸部の先端を前記被清掃体に摺接させて使用される。従って、比較的粘着力が高く凸部よりも凹んだ粘着凹部が被清掃体に接触しなくても、クリーニング面は、被清掃体の面に沿って移動できる。よって、摺接時の摩擦力を比較的小さくすることができる。従って、上記の清掃用シートは、被清掃体の面に対して比較的小さい摩擦力で摺接できるため、良好な滑り性を有する。
また、凸部の先端から粘着凹部までの平均凸部高さ(H:mm)と、クリーニング面の面方向にて間隔の平均長さが最小になる第1方向における粘着凹部の形状の平均長さ(L:mm)との比(H/L)が、15×10−3以上であるため、粘着凹部が被清掃体の面に接触することが抑制されつつ凸部の先端の摺接が可能である。よって、凸部を被清掃体に摺接させながら、凸部を構成する部材における間隔にゴミがかき寄せられ得る。
また、本実施形態の清掃用シート1によれば、粘着凹部14の粘着性によってゴミを良好に捕捉することができる。例えば、清掃作業者の拭き取り操作によって上記の清掃用シート1が摺接されることによって、被清掃体のゴミがクリーニング面10の粘着凹部14にて捕捉される。捕捉されたゴミは、粘着凹部14付近の窪みに集められることとなる。また、捕捉されたゴミが比較的重いゴミであっても、粘着凹部14の粘着力によってゴミの捕捉が維持され得る。
本実施形態の清掃用シート1では、クリーニング面10における粘着層の露出面積の割合が30%以上であるため、十分にゴミを捕捉できる。
一方、従来の単なる繊維集合体で重いゴミが捕捉された場合、その重みによって、いったん捕捉されたゴミが繊維集合体から離れやすい。このように、上記の清掃用シート1によれば、捕捉を維持することが比較的困難な、砂粒等といった比較的重いゴミであっても、粘着凹部14の粘着力によって、捕捉を維持することができる。従って、上記の清掃用シート1は、良好なゴミ捕捉性を有する。
このように、上記構成の清掃用シート1は、良好な滑り性を有し、且つ、良好なゴミ捕捉性を有する。
(任意のその他の層、部材)
本実施形態の清掃用シート1は、上述の凸部の構成部材30、粘着層40、支持基材50の他に、必要に応じて、1または2以上の層をさらに有してもよい。
例えば、清掃用シート1に適度の厚さ、クッション性、強度等を付与するために、凸部の構成部材30と粘着層40との間に、中間層を配置してもよい。中間層は、凸部の構成部材30における間隔Aと同様の間隔が形成された層であってもよい。中間層の構成は、特に制限されず、各種樹脂材料から形成される樹脂層、ゴム層(天然ゴムシート、ブチルゴムシート等)、発泡体層、繊維質層(紙、布、各種繊維状物質の単独または混紡等による織布や不織布等)、又は、金属層(典型的には金属箔)等であってもよい。
粘着層40と支持基材50との間には、投錨性の向上のために、アンカー層が設けられてもよい。
支持基材50の裏面(粘着層非形成面)には、意匠性の付与のため又は取扱い性向上のために、種々のコート層が設けられてもよい。
また、片面側にのみクリーニング面が形成された清掃用シートにおいて、支持基材の背面側(クリーニング面の反対側)に、付着層が重なっていてもよい。付着層の粘着力は、凸部の構成部材よりも高く且つ粘着層よりも低い。付着層は、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)によって形成されていてもよい。このような付着層を備えた清掃用シートの複数が厚さ方向に同じ向きで積み重なったとき、又は、付着層を備えた清掃用シートが巻回されて積み重なったときに、積み重なった状態がずれることが抑制され、しかも、重なり合う清掃用シート同士が強く貼り付くことを抑制できる。
また、自着性のある自着材料で凸部を構成し、且つ、斯かる自着材料で支持基材の背面部分を構成してもよい。自着材料としては、低分子のタッキファイヤーやクロロプレンゴムが用いられる。自着材料で構成された凸部は、他の自着材料と接触しない限り粘着性をあまり有しないため滑り性を発揮できる。一方で、清掃用シートの支持基材の背面部分にも自着材料が用いられた場合、上記のごとく清掃用シートが積み重なったときに、積み重なった状態がずれることが抑制され、しかも、重なり合う清掃用シート同士が強く貼り付くことを抑制できる。
また、片面側にのみクリーニング面が形成された清掃用シートにおいて、支持基材の背面側に、凸部の構成部材と同様の背面側部材60を設けてもよい。例えば、背面側部材60は、図8に示すような複数の線部材で構成され、これら線部材は、正面側の凸部の構成部材30の延在方向と同じ方向に延在する。このような構成を有する清掃用シートの複数が厚さ方向に同じ向きで積み重なったとき、又は、このような構成を有する清掃用シートが巻回されて積み重なったときに、凸部の構成部材の凸部と背面側部材60の凸部とを互い違いに配置できるため、積み重なった状態がずれることが抑制される。詳しくは、一方の清掃用シートの凸部の構成部材30が、他方の清掃用シートの背面側部材60の間に入り込み、線部材の幅方向へ清掃用シートがずれることを抑制できる。
本実施形態の清掃用シート1の総厚さは、特に制限されない。シート形状を有する清掃用シート1の総厚さは、1800μm以下であってもよく、1000μm以下であってもよく、800μm以下であってもよい。清掃用シート1の総厚さは、取扱い性等がより向上するという点で、好ましくは500μm以下、より好ましくは300μm以下、さらに好ましくは250μm以下である。また、上記の総厚さは、50μm以上であってもよく、120μm以上であってもよい。上記の総厚さは、より良好な滑り性を発揮させるという点、より良好なゴミ捕捉性等を発揮させるという点で、好ましくは150μm以上、より好ましくは180μm以上、さらに好ましくは200μm以上である。斯かる総厚さは、ランダムに選んだ少なくとも5箇所における厚さの平均である。
(清掃用シートの製造方法)
本実施形態の清掃用シート1の製造方法は、凸部の構成部材30を塗工によって形成する方法である。
上記の製造方法では、凸部の構成部材30を塗工によって支持基材50に重ねて形成することができる。
また、上記の製造方法では、凸部の構成部材30を塗工によって粘着層40に重ねて形成することができる。
塗工によって凸部の構成部材30を支持基材50又は粘着層40に重ねるときには、これらの上に直接塗工して重ねてもよく、別の部材の上にいったん塗工して形成した凸部の構成部材30を、支持基材50又は粘着層40に転写してもよい(転写方式)。
本実施形態の清掃用シート1の製造方法は、例えば、支持基材50の表面に重ねられた粘着層40を作製する粘着層作製工程と、支持基材50又は粘着層40の表面に凸部の構成部材30を重ねて凸部12を作製する凸部作成工程と、を備える。これら工程の順序は、特に限定されない。
粘着層作製工程では、一般的な方法によって粘着層40を作製できる。この方法は、特に限定されない。
粘着層作製工程では、従来公知の塗工手段によって、粘着剤組成物を支持基材50に直接塗工して、硬化または乾燥させる。また、剥離性を有する表面(例えば、剥離ライナーの表面、又は、離型処理された支持基材背面等)に、粘着剤組成物を塗工して、塗工された粘着剤組成物を硬化または乾燥させることによって、該表面上に粘着層40を作製できる。なお、剥離性を有する表面上に作製した粘着層40を、支持基材50や凸部の構成部材30に重ねる方法(転写法)を採用することもできる。
粘着層作製工程では、支持基材50の一方の表面の全範囲にわたって粘着層40を作製してもよい。一方、例えば、帯状の支持基材50の幅方向の両端部に粘着剤組成物を塗工しないことによって、支持基材50に非粘着部(ドライエッジ)を設けてもよい。典型的には連続的な層状の粘着層40を作製するが、目的および用途によって、点状、ストライプ状、格子状等の規則的あるいはランダムなパターンとなるように粘着剤組成物を塗工してもよい。同じ粘着剤組成物又は異なる粘着剤組成物を複数回塗工することによって粘着層を作製してもよい。
なお、粘着層作製工程で採用される塗工方法は、後述する凸部作成工程における塗工方法と同様の方法であってもよい。
粘着層作製工程では、エネルギー線によって硬化する未硬化の樹脂を含む粘着剤組成物を塗工し、紫外線や電子線などのエネルギー線によって硬化させることで、粘着層40を作製してもよい。未硬化の樹脂としては、具体的には、紫外線硬化型(UV硬化型)樹脂、電子線硬化型(EB硬化型)樹脂などが挙げられる。
凸部作成工程では、例えば加熱によって溶融した樹脂材料を押出成形することによって凸部12を形成する。具体的には、複数の並行する線を描くように、凸部の構成部材30の原料である樹脂材料を押し出し、支持基材50又は粘着層40の上に線部材を作製する。なお、樹脂材料と、ワックス、及び、上記のごとき未硬化樹脂のうち少なくとも1種とを含む樹脂組成物を、上記と同様にして押し出し、必要に応じてエネルギー線を照射することによって、線部材を作製することもできる。
凸部作成工程では、凸部の構成部材30を作製するための樹脂組成物として、種々のタイプの組成物が採用される。例えば、上述したホットメルト型タイプの組成物、硬化型タイプの組成物、水分散型(典型的にはエマルション型)タイプの組成物、溶剤型タイプの組成物等が採用される。これらの樹脂組成物は、支持基材50の上に直接塗工されてもよく、支持基材50に重なった粘着層40の上に塗工されてもよい。塗工方式は、直写および転写方式を問わず、いずれの方式も採用され得る。
塗工方法としては、ロール塗工、グラビア塗工、フレキソ塗工、キス塗工(マイクログラビア塗工を含む)、バー塗工、コンマ塗工、ブレード塗工程、ダイ塗工、スライド塗工、カーテン塗工などが採用され得る。塗工方法としては、特に微細パターンの塗工に優れた、ダイ塗工、グラビア塗工、フレキソ塗工が好ましい。塗工方法において、連続的な層状を形成するように樹脂組成物を塗工してもよく、目的および用途によって、点状、ストライプ状、格子状等の規則的又はランダムな非連続的パターンを形成するように樹脂組成物を塗工してもよい。
なお、粘着層40及び凸部の構成部材30は、それぞれ2層以上の多層構造であってもよい。また、樹脂組成物を発泡塗工することによって、粘着層40又は凸部の構成部材30がクッション性を有することができる。
より小さいコストで清掃用シート1を製造すべく、ダイ塗工、スライド塗工、カーテン塗工などを採用して、粘着層40及び凸部の構成部材30を同時に塗工することも可能である。粘着層40及び凸部の構成部材30それぞれを作製するための各組成物を塗工するときの塗工方式は、多層同時塗工での1ヘッド塗工でも、タンデム塗工での複数のヘッドを使用した1パス塗工でもよい。
粘着層40及び凸部の構成部材30それぞれを塗工方式で作製することによって、清掃用シート1を低コストで製造できる。また、凸部の構成部材30を塗工方式で作製するときに、凸部の構成部材30が清掃用シート1の面方向に拡がる連続層であってもよく、一方、ドット柄などの不連続層であってもよい。
例えば、開口を設けた不織布を粘着層に貼着して製造する従来の清掃用シートでは、不織布を不連続層にすることができない。これに対して、本実施形態では、滑り性やゴミ捕捉性が良好となるように、凸部の構成部材30の塗工パターンを設定できる。このため、従来の清掃用シートにおいて実現できなかった粘着層の露出率を、30%以上で任意に設定することが可能である。
(清掃用シートの使用)
上記の清掃用シート1は、様々な場所で使用でき、例えば、塵埃や屑等の種々のゴミが存在する場所で使用できる。上記の清掃用シート1は、特に粘着凹部14の粘着力によってゴミを捕捉し、ゴミの捕捉を維持するため、従来の単なる繊維集合体からなる清掃用シートに比べて、砂粒や食品屑、毛髪といった、比較的重いゴミの捕捉性において良好である。また、上記の清掃用シート1は、屋内のフローリングだけでなく、例えば、砂粒が存在する玄関の床や土間、屋外のバルコニー等に設置されているコンクリート面、およびすべり防止加工を施した凹凸が大きいザラザラしたような工場の床面等に対しても、良好な耐久性で使用できる。
本実施形態の清掃用シート1は、繊維集合体を備えない態様のものであり得るため、斯かる態様の清掃用シート1は、繊維屑や紙粉の発生が防止される。従って、クリーンルーム、食品工場、病院等において好適に使用される。
上記の清掃用シート1は、クリーニング面10が外側に配置されるようにロール状に巻かれた状態で使用されてもよい。新たなタイプの粘着ロールクリーナーとして利用できる。
従来の粘着ロールクリーナーは、巻回方向にのみ回転するため、この方向にのみ転がす(動かす)ことで清掃に利用されている。そのため、狭い箇所での清掃において特に操作性が良好でなかった。一方、上記の新たなタイプの粘着ロールクリーナーは、巻回方向での回転だけでなく、回転方向以外の方向に滑らして(スライドさせて)もゴミを捕捉できる。そのため、狭い個所での清掃において操作性が良好である。上記のごとく清掃用シート1をロール状に巻回した場合、巻ほどけ等が発生し得る。これに対して、清掃用シート1の背面側(クリーニング面の反対側)における全部又は一部に、粘着剤や接着剤を設けてもよい。これにより、巻ほどけを抑制できる。
(積層体)
清掃用シート1は、巻回された状態、又は、その複数が厚さ方向に積層された状態であることによって、積層体となっていてもよい。積層体の一例は、例えば図8に示される。
積層体をシート固定部120に固定することにより、最も外側に配置された清掃用シート1のクリーニング面10で清掃作業をした後、その清掃用シート1を取り外すことで、新たな未使用の清掃用シート1が最も外側に配置されることとなる。よって、清掃用シート1の交換作業をしなくても、新たな清掃用シート1で清掃作業を続けることができる。
本明細書によって開示される事項は、以下のものを含む。
(1) 被清掃体の表面に摺接されるクリーニング面が形成された清掃用シートであって、
前記クリーニング面が凹凸を有し、凸部の先端を前記被清掃体に摺接させて用いられ、
前記凸部は、前記クリーニング面の面方向に間隔を空けるように形成された部材によって構成され、
前記クリーニング面は、前記部材よりも粘着力が高く且つ前記クリーニング面に露出している粘着凹部をさらに有し、
前記クリーニング面の面方向に拡がり且つ前記部材の間隔の少なくとも一部に配置された粘着層を備え、該粘着層の少なくとも一部が前記粘着凹部を構成し、前記クリーニング面における前記粘着層の露出面積の割合が、30%以上であり、
前記凸部の前記先端から前記粘着凹部までの平均凸部高さ(H:mm)と、前記面方向にて前記間隔の平均長さが最小になる第1方向における前記粘着凹部の形状の平均長さ(L:mm)との比(H/L)が、15×10−3以上である、清掃用シート。
(2) 前記クリーニング面における前記粘着層の露出面積の割合が、50%よりも大きい、上記(1)に記載の清掃用シート。
(3) 前記凸部の前記先端から前記粘着凹部までの平均凸部高さ(H)が、1000×10−3mm以下である、上記(1)又は(2)に記載の清掃用シート。
(4) 前記平均凸部高さ(H)が、500×10−3mm以下である、上記(3)に記載の清掃用シート。
(5) 前記平均凸部高さ(H)が、300×10−3mm以下である、上記(4)に記載の清掃用シート。
(6) 前記面方向にて前記間隔の平均長さが最小になる第1方向における前記粘着凹部の形状の平均長さ(L)が、0.3mm以上である、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の清掃用シート。
(7) 前記平均長さ(L)が、0.5mm以上である、上記(6)に記載の清掃用シート。
(8) 前記平均長さ(L)が、0.8mm以上である、上記(7)に記載の清掃用シート。
(9) 前記平均長さ(L)が、1.0mm以上である、上記(8)に記載の清掃用シート。
(10) 前記凸部の前記部材をナノインデンテーション法によって測定したときの負荷曲線の最小荷重は、−0.40μN以上0μN以下である、上記(1)〜(9)のいずれかに記載の清掃用シート。
(11) 前記凸部の前記部材をナノインデンテーション法によって測定したときの負荷曲線の最小荷重は、−0.10μN以上0μN以下である、上記(10)に記載の清掃用シート。
(12) 前記凸部の前記部材をナノインデンテーション法によって測定したときの除荷曲線の最小荷重は、−1.50μN以上0μN以下である、上記(1)〜(11)のいずれかに記載の清掃用シート。
(13) 前記凸部の前記部材をナノインデンテーション法によって測定したときの除荷曲線の最小荷重は、−0.10μN以上0μN以下である、上記(12)に記載の清掃用シート。
(14) 前記クリーニング面の静摩擦係数が、1.00以下である、上記(1)〜(13)のいずれかに記載の清掃用シート
(15) 前記クリーニング面の面方向に拡がり且つ前記部材の背面側に配置された粘着層を備え、該粘着層の一部が前記粘着凹部を構成し、
ナノインデンテーション法によって測定される前記部材の硬さが、0.4MPa以上であり、且つ、プローブタック法によって測定される前記粘着層のプローブタックが、1.0kN/m以上500.0kN/m以下である、上記(1)〜(14)のいずれかに記載の清掃用シート。
(16) 前記凸部の前記部材が、ワックス、硬化された樹脂、及び、無機粉体のうち少なくとも1種を含有する、上記(1)〜(15)のいずれかに記載の清掃用シート。
(17) 前記凸部の前記部材が、ポリオレフィン樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、スチレン系熱可塑性エラストマー樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、及び、ポリカーボネート樹脂のうち少なくとも1種を含有する、上記(1)〜(16)のいずれかに記載の清掃用シート。
(18) 前記凸部の前記部材が、前記無機粉体として体質顔料を含有する、上記(16)に記載の清掃用シート。
(19)
前記凸部の前記部材に含まれる前記ワックスの硬さは、針入度で、0.1以上60以下である、上記(16)に記載の清掃用シート。
(20) 前記クリーニング面が両面に形成されている、上記(1)〜(19)のいずれかに記載の清掃用シート。
(21) 上記(1)〜(20)のいずれかに記載の清掃用シートの製造方法であって、
前記凸部の前記部材を塗工によって形成する、清掃用シートの製造方法。
(22) 前記清掃用シートが支持基材を有し、
前記凸部の前記部材を塗工によって前記支持基材に重ねて形成する、上記(21)に記載の清掃用シートの製造方法。
(23) 前記清掃用シートが、支持基材と、該支持基材に重なる粘着層とを有し、
前記凸部の前記部材を塗工によって前記粘着層に重ねて形成する上記(21)に記載の清掃用シートの製造方法。
(24) 上記(1)〜(20)のいずれかに記載の清掃用シートが巻回された状態、又は、
上記(1)〜(20)のいずれかに記載の清掃用シートの複数が厚さ方向に積層された状態の積層体。
(25) 上記(1)〜(20)のいずれかに記載の清掃用シートと、
該清掃用シートが着脱可能に取り付けられたシート固定部と、を備える清掃具。
上記実施形態の清掃用シート1、積層体、及び清掃具100は、上記例示の通りであるが、本発明は、上記例示の清掃用シート、積層体、及び清掃具に限定されるものではない。
また、一般の清掃用シート及び清掃具において用いられる種々の態様を、本発明の効果を損ねない範囲において、採用することができる。
上記実施形態の清掃用シート1では、粘着層40が支持基材50に支持されていたが、本発明の清掃用シートは、支持基材を有しなくてもよい。例えば、本発明の清掃用シートは、支持基材を有さず、粘着層の両面側にそれぞれ凸部の構成部材30が配置されてもよい。
また、上記実施形態の清掃用シート1では、凸部の構成部材30が粘着層40に重なっていたが、本発明の清掃用シートは、このような態様に限定されない。例えば、図2Bに示すように、凸部の構成部材30の複数の線部材は、支持基材50に直接接して重なっていてもよい。この場合、凸部の構成部材30の線部材を間隔を空けて樹脂フィルムや不織布等の支持基材50の表面に重ねた後に、少なくとも一部の間隔に粘着剤組成物を入れることによっても、クリーニング面を形成できる。換言すると、支持基材50と凸部の構成部材30との間に、粘着層が配置されていなくてもよい。例えば、凸部の構成部材30の複数の線部材を支持基材50の上に塗工によって形成し、形成された線部材の間に粘着層を塗工することよってもクリーニング面を形成できる。このように、本発明の清掃用シートにおいて、粘着層の表面に凸部の構成部材30が重なった構成は、必須ではない。
また、上記実施形態の清掃用シート1では、粘着凹部14の露出面積(粘着層40の露出面積)は、凸部の構成部材30の線部材間における間隔Aの総面積とほぼ同じであった。しかしながら、本発明の清掃用シートにおいて、粘着層40の露出面積は、上記の間隔の総面積よりも小さくてもよい。例えば、上記の間隔によって形成された窪み部分がすべて粘着剤組成物で占められていなくてもよい。窪み部分の一部が線状(ストライプ状)の粘着剤組成物で占められたり、点状(ドット状)の粘着剤組成物で占められていたりしてもよい。この場合、支持基材が繊維集合体であれば、クリーニング面に露出した繊維集合体の面によっても、ゴミを捕捉できる。
また、上記実施形態の清掃用シート1では、片面側に非クリーニング面20が形成されていた。しかしながら、本発明の清掃用シートにおいては、必ずしも非クリーニング面20が形成されている必要はない。例えば、清掃用シートの両面側にそれぞれクリーニング面10が形成されていてもよい。
上記実施形態の清掃用シート1は、複数の直線状の線部材(線状部材)が並行して配置された凸部の構成部材30を有していたが、本発明の清掃用シートは、このような態様に限定されない。例えば図4に示すように、凸部の構成部材が、クリーニング面10の面方向に連続する部材であり、斯かる部材に孔(例えば真円形や楕円形の孔)が形成されている態様であってもよい。
また、例えば図5に示すように、凸部の構成部材が、クリーニング面10の面方向に連続する網状の部材であって、網目において粘着層40が露出している態様であってもよい。
また、例えば図6に示すように、短い複数の線部材が長手方向に並び、しかも長手方向に直交する方向において複数の線部材が互いに隣り合い、長手方向及び直交する方向のいずれにおいても間隔が空いていてもよい。
また、例えば図7に示すように、凸部の構成部材が複数の文字や絵を描くように形成されていてもよい。
なお、凸部の構成部材30が描くパターンは、規則性を有するパターンであってもよく、不規則なパターンであってもよい。例えば、凸部の構成部材30が描くパターンは、ドット模様、ダイヤモンド模様(ひし形状)、スター模様(ヒトデ形状)など、いかなるパターンであってもよい。凸部の構成部材30が描くパターンとしては、例えば、特開2011−183153号公報に示されるように、ゴミの捕捉効率を考慮したパターンが選択されてもよい。
また、上記実施形態の清掃具100は、長い柄の把持部材110の下端にある把持部材110に、清掃用シート1が取り付けられた構成であったが、これに限定されない。本発明の清掃具は、短い柄(ホルダーともいう)を把持部材として有するものであってもよい。また、本発明の清掃具は、そのような把持部材を有さず、板状体、球状体、円柱体等の形状を有する部材(シート固定部)に清掃用シートを取り付けた構成であってもよい。本発明の清掃具は、布巾のような軟質シート状、又は、スポンジ状の構成部材を備えた清掃具であってもよい。具体的には、本発明の清掃具は、軟質部材の一部に上記の清掃用シートを固定したものであってもよく、斯かる構成によっても、本発明の所望の効果が発揮され得る。このように、本発明の清掃具において、把持部材、シート固定部、清掃用シート等の形状に特に制限はなく、それらの各材質も限定されない。例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、又は、その他の合成樹脂、合成繊維若しくは天然繊維、ステンレス鋼等の金属といった各種材料が、本発明の清掃具の構成材料として用いられ得る。
具体的には、上記実施形態の清掃具100は、細長い棒の先に清掃用シート1が取り付けられたものであってもよい。この清掃具100は、滑る粘着式の隙間清掃具として使用される。
また、上記実施形態の清掃具100は、例えばスリッパの底面に清掃用シート1が貼り付けられたものであってもよい。この清掃具100は、凸部の構成部材を有することから、床に貼りつくことなく、歩きながら清掃できる製品として使用される。
これらの清掃具100において、取り付けられた清掃用シート1は、1枚の単体であってもよく、又は、複数が積層された積層体の状態であってもよい。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
(実施例1)
[粘着剤(組成物)の調製]
下記の原料を混合してゴム系粘着剤(SIS系粘着剤組成物)を調製した。
・ベースポリマー:スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)
日本ゼオン社製 商品名「クインタック 3520」/100質量部
・粘着付与樹脂:未水添炭化水素樹脂
ENEOS社製 商品名「T−REZ RC093」/100質量部
・可塑剤:ナフテン系プロセスオイル
出光興産社製 商品名「ダイアナプロセスオイルNS90S」/100質量部
[凸部の構成部材(凸部用組成物)の調製]
凸部用のSample1の組成物を下記原料から調製した。
・樹脂材料:高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)
Braskem社製 商品名「SHD7255LSL」/100質量部
・樹脂材料:エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)
東ソー社製 商品名「ウルトラセン684」/200質量部
・ワックス:炭化水素系
サゾール社製 商品名「サゾールワックスC80」針入度4〜9程度/450質量部
なお、図1に模式的に示すような、線部材を複数有する凸部(スジ状)を形成した。また、図2Aの模式的形状になるように清掃用シートを形成した。
[清掃用シートの製造]
支持基材として、紙シートの片面をポリエチレンフィルムでラミネート加工したシートを用意し、上記で得た粘着剤組成物及び凸部用組成物の両方をダイコーターにてホットメルト塗布(多層同時塗布)した。なお、ラミネート加工していない非ラミネート面に粘着剤組成物を直接塗布した。
このようにして作製された後述する各実施例の清掃用シートは、特に言及されていない限り、図2Aに示すように、支持基材、粘着層、凸部の構成部材がこの順で積み重なった構造を有する。
後述する各実施例における清掃用シートの各構成を表1にそれぞれ示す。
・凸部の構成部材の硬さ(ナノインデンテーション法)[MPa]
・凸部の構成部材の弾性率(ナノインデンテーション法)[MPa]
・ナノインデンテーション法における負荷曲線の傾き[μN/nm]
・ナノインデンテーション法における負荷曲線の最小荷重[μN]
・ナノインデンテーション法における除荷曲線の最小荷重[μN]
・ナノインデンテーション法における除荷曲線の変位量[nm]
・クリーニング面の静摩擦係数
・クリーニング面の動摩擦係数
・粘着層の厚さ[μm]
・粘着層のプローブタック(kN/m
・粘着層の露出率[%]
・第1方向における粘着凹部の形状の平均長さL[mm]
・隣り合う線部材間の間隔A[mm]
・平均凸部高さH[mm]
・平均凸部高さ(H:mm)と粘着凹部の形状の平均長さ(L:mm)との比(H/L)
・凸部の平均幅[mm]
・支持基材の構成物
以下、表1〜表5に示す構成の清掃用シートをそれぞれ製造した。特に言及しない限り、基本的には実施例1と同様にして各清掃用シートを製造した。
(実施例2〜8、11)
線部材の本数及び平均凸部高さなどをそれぞれ表1及び表2に示すように変更し、各清掃用シートを製造した。
(実施例9)
実施例9では、以下のようにして清掃用シートを製造した。
[粘着剤(組成物)の調製]
アクリル系粘着剤(粘着剤組成物)の原料
・ベースポリマー:アクリル系トリブロックコポリマー/100質量部
アクリル系トリブロックコポリマーの詳細
*ポリ[メチルメタクリレート(MMA)]ブロック−ポリ[2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)/n−ブチルアクリレート(BA)]ブロック−ポリMMAブロックのトリブロック構造を有するアクリル系ブロック共重合体
*ポリ2EHA/BAブロックにおける2EHAとBAとの質量比が50/50であり、ポリ2EHA/BAブロックとポリMMAブロック(2つのポリMMAブロック)との質量比[(2EHA+BA)/MMA]が82/18である。
*Mwが10×10、Mnが8.4×10、Mw/Mnが1.21
・可塑剤:アクリル系オリゴマー(液状)
東亞合成社製 商品名「ARUFON UP1021」/30質量部
・可塑剤:アジピン酸エステル系
DIC社製 商品名「モノサイザーW−242」/30質量部
[凸部の構成部材(凸部用組成物)の調製]
凸部用のSample2の組成物を下記原料のみから調製した。
・樹脂材料:ポリオレフィン系エラストマー(ガラス転移温度−48℃、融解ピークトップ温度47℃)
(実施例10)
実施例10では、以下のようにして清掃用シートを製造した。
[粘着剤(組成物)]
実施例9と同じものを用いた。
[凸部の構成部材(凸部用組成物)の調製]
凸部用のSample3の組成物を下記原料のみから調製した。
・樹脂材料:ポリウレタン系エラストマー(ガラス転移温度−50℃、融解ピークトップ温度125℃、166℃、芳香族系ポリエーテル系ウレタン)
(実施例12、13)
ポリプロピレン(PP)製のスパンボンド不織布シート(旭化成社製 商品名「エルタス P03040」、目付量40g/m)の片面をポリエチレンフィルム(20g/m)でラミネート加工したシートを支持基材として用い、粘着剤組成物をラミネート加工面側に塗布した。なお、図1及び図2Aに模式的に示すような清掃用シートを形成した。
(実施例14)
粘着剤組成物として下記の組成物を用い、凸部用組成物として下記Sample4の組成物を用い、実施例12に記載の不織布シート(ただしラミネート加工なし)を支持基材として用いて、表3に示す構成の清掃用シートを製造した。なお、粘着剤組成物及び凸部用組成物の両方をそれぞれ支持基材に直接塗布し、図1及び図2Bに示すように、凸部及び粘着層をそれぞれスジ状に形成した。
[粘着剤(組成物)の調製]
下記の原料を混合してゴム系粘着剤(SIS系粘着剤組成物)を調製した。
・ベースポリマー:スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)
日本ゼオン社製 商品名「クインタック 3520」/100質量部
・粘着付与樹脂:未水添炭化水素樹脂
ENEOS社製 商品名「T−REZ RC093」/130質量部
・可塑剤:ナフテン系プロセスオイル
出光興産社製 商品名「ダイアナプロセスオイルNS90S」/100質量部
[凸部の構成部材(凸部用組成物)の調製]
凸部用のSample4の組成物を下記原料から調製した。
・樹脂材料:エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)
東ソー社製 商品名「ウルトラセン684」/100質量部
・ワックス:炭化水素系
サゾール社製 商品名「サゾールワックスC80」針入度4〜9程度/225質量部
・混合原料:ポリオレフィン系樹脂/炭酸カルシウム混合物(質量比20/80)
日東粉化工業社製 商品名「カルペットA」/250質量部(うち炭酸カルシウム200質量部)
そして、図1に模式的に示すような、線部材を複数有する凸部(スジ状)を形成した。なお、図2Bに示すように、線部材が支持基材と直接接するように凸部を形成した。
(実施例15)
粘着剤組成物として実施例14と同じ組成物を用い、凸部用組成物として下記Sample5の組成物を用い、実施例12に記載の不織布シート(ただしラミネート加工なし)を支持基材として用いて、表3に示す構成の清掃用シートを製造した。なお、図1及び図2Bに示すように、凸部及び粘着層をそれぞれスジ状に形成した。
[凸部の構成部材(凸部用組成物)の調製]
凸部用のSample5の組成物を下記原料から調製した。
・樹脂材料:直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)
プライムポリマー社製 商品名「エボリュー SP1071C」/100質量部
・ワックス:炭化水素系
サゾール社製 商品名「サゾールワックスC80」針入度4〜9/143質量部
・混合原料:ポリオレフィン系樹脂/炭酸カルシウム混合物(質量比20/80)
日東粉化工業社製 商品名「カルペットA」/143質量部(うち炭酸カルシウム114質量部)
(実施例16〜18)
線部材の本数及び平均凸部高さなどをそれぞれ表3に示すように変更し、各清掃用シートを製造した。
(実施例19)
粘着剤組成物として実施例14と同じ組成物を用い、凸部用のSample6の材料として、ポリアミド樹脂(ダイセル・エボニック社製 商品名「ベスタメルト 722GETR」)を用い、実施例12に記載の不織布シート(ただしラミネート加工なし)を支持基材として用いて、表3に示す構成の清掃用シートを製造した。なお、図1及び図2Bに示すように、凸部及び粘着層をそれぞれスジ状に形成した。
(実施例20)
粘着剤組成物として実施例14と同じ組成物を用い、凸部用のSample7の材料として、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)(東ソー社製 商品名「ウルトラセン684」)を用い、実施例12に記載の不織布シート(ただしラミネート加工なし)を支持基材として用いて、表4に示す構成の清掃用シートを製造した。なお、図1及び図2Bに示すように、凸部及び粘着層をそれぞれスジ状に形成した。
(実施例21、22)
[粘着剤(組成物)の調製]
下記の原料を混合してゴム系粘着剤(SIS系粘着剤組成物)を調製した。
・ベースポリマー:スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)
日本ゼオン社製 商品名「クインタック 3421」/100質量部
・粘着付与樹脂:未水添炭化水素樹脂
ENEOS社製 商品名「T−REZ RC093」/130質量部
・可塑剤:ナフテン系プロセスオイル
出光興産社製 商品名「ダイアナプロセスオイルNS90S」/100質量部
粘着剤組成物として上記の組成物を用い、凸部用組成物として下記Sample8の組成物を用い、実施例12に記載の不織布シート(ただしラミネート加工なし)を支持基材として用いて、表4に示す構成の清掃用シートを製造した。なお、粘着剤組成物及び凸部用組成物の両方をそれぞれ支持基材に直接塗布し、図1及び図2Bに示すように、凸部及び粘着層をそれぞれスジ状に形成した。
[凸部の構成部材(凸部用組成物)の調製]
凸部用のSample8の組成物を下記原料から調製した。
・樹脂材料:直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)
プライムポリマー社製 商品名「エボリュー SP1071C」/100質量部
・ワックス:炭化水素系
ヤスハラケミカル社製 商品名「ネオワックス」針入度5/143質量部
・混合原料:ポリオレフィン系樹脂/炭酸カルシウム混合物(質量比20/80)
日東粉化工業社製 商品名「カルペットA」/143質量部(うち炭酸カルシウム114質量部)
(実施例23、24)
[粘着剤(組成物)の調製]
下記の原料を混合してゴム系粘着剤(SIS系粘着剤組成物)を調製した。
・ベースポリマー:スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)
日本ゼオン社製 商品名「クインタック 3421」/100質量部
・粘着付与樹脂:未水添炭化水素樹脂
ENEOS社製 商品名「T−REZ RC093」/130質量部
・可塑剤:ナフテン系プロセスオイル
出光興産社製 商品名「ダイアナプロセスオイルNS90S」/80質量部
粘着剤組成物として上記の組成物を用い、凸部用組成物として上記Sample8の組成物を用い、実施例12に記載の不織布シート(ただしラミネート加工なし)を支持基材として用いて、表4に示す構成の清掃用シートを製造した。なお、粘着剤組成物及び凸部用組成物の両方をそれぞれ支持基材に直接塗布し、図1及び図2Bに示すように、凸部及び粘着層をそれぞれスジ状に形成した。
(比較例1〜3)
凸部用のSample9の材料としてポリスチレン系エラストマー(スチレン-水添ブタジエン共重合体SEBS、ガラス転移温度−16℃、融解トップピーク温度102、121℃)のみを用い、基本的には実施例1と同様にして、表5に示す構成の清掃用シートを製造した。
<凸部構成部材の物性>
以下に説明するように、ナノインデンテーション法によって下記の物性値を測定した。
(ナノインデンテーション法)
ナノインデンテーション法による凸部の構成部材の硬さ及び弾性率を、ISO14577に準拠して測定した。具体的には、下記の測定条件によって測定した。圧子の押し込み深さは、5μmであった。測定は、25℃において実施した。少なくとも3回の測定を行って平均値を求めた。
測定方法の詳細は、以下の通りである。
トリミングナイフによって清掃シートを厚さ方向に裁断し、凸部の構成部材を切り出した。凸部の構成部材のみの試料サンプルを測定に用いた。凍結条件下(−30℃)において、ウルトラミクロトームによって断面を作製した後、所定の支持体(真鍮台)に固定したものを測定用試料とした。
装置:ナノインデンター Hysitron社製「Triboindenter」
使用圧子:バーコビッチ(Berkovich)型ダイヤモンド圧子(三角錐型圧子)
測定モード:単一押し込みモード
測定温度:室温(25℃)
押し込み深さ:5000nm(5μm)
押し込み速度:500nm/秒
引き抜き速度:500nm/秒
測定結果から下記の物性値を算出した。測定時の様子を図9Aに示し、模式的な測定チャート図を図9Bに示す。
「硬さ」
「圧子を最も深く押し込んだときの荷重(最大荷重Pmax)」を、「圧子と測定試料が接触する面積(接触投影面積B)」で除することによって算出した。
「弾性率」
「除荷曲線の最大負荷時における接線の傾き(接線剛性S=dP/dh)」と、「圧子と測定試料が接触する面積(接触投影面積B)」とを用いて、上述した式(3)によって算出した。
「負荷曲線の傾き[μN/nm]」
主に圧縮弾性率に相当する。値が大きい程、応力に対して歪み難い。
「負荷曲線の最小荷重[μN]」
負荷曲線における荷重の最小値である。値が負の方向に大きい程、濡れ性が大きい。
「除荷曲線の最小荷重[μN]」
除荷曲線における荷重の最小値である。値が負の方向に大きい程、吸着力(粘着力)が大きい。
「除荷曲線の変位量[nm]」
除荷曲線における変位の変化量である。値が正の方向に大きい程、糸曳き性などが高い(粘着性が同等の場合)。
なお、一部の清掃用シートについては、上述した方法によって、クリーニング面の静摩擦係数及び動摩擦係数を測定した。
<滑り性の評価>
上記の製造方法によって作製した清掃用シートを、市販のワイパー治具(花王製, クイックルワイパー本体)に1枚取り付け、フローリング面(大建工業社製、リビングフロアアートLVAT−MF)でワイピングを行い、滑り性を評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:滑り性が非常に良好
○:滑り性が良好
△:滑り出しでは床への抵抗感があるが、滑りだすと良好
×:床への抵抗感が強く全く滑らない、もしくは滑り出しても抵抗感が強い
<ゴミ捕捉性の評価>
長さ60cm×幅25cmのフローリング枠内に、疑似ゴミとしてカラーサンド0.2g(有限会社ファクトリーエムから入手 CS−1004、0.1〜0.5mm)をほぼ均一に分布するように散布した。
上記のごとく製造された清掃用シートを、市販のワイパー治具(花王製, クイックルワイパー本体)に1枚取り付け、フローリング上(大建工業社製、リビングフロアアートLVAT−MF)において、60cmの間を1往復させてワイピング操作を行った。続いて、70cmの間を1往復させてさらにワイピング操作を行った。ゴミ捕捉性(ゴミ捕捉率[%]、質量基準)は以下のように算出した。
ゴミ捕捉率[%]=(ワイピング後のシートの質量−ワイピング前のシートの質量)
÷散布した疑似ゴミ量(約0.2g)×100%
Figure 2021058593
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表1〜表4に示されるように、クリーニング面における粘着層の露出面積の割合が、30%以上であり、且つ、凸部の先端から粘着凹部までの平均凸部高さ(H:mm)と、クリーニング面の面方向にて間隔の平均長さが最小になる第1方向における粘着凹部の形状の平均長さ(L:mm)との比(H/L)が、15×10−3以上である、実施例の清掃用シートは、良好なゴミ捕捉性を示した。一方、各比較例の清掃用シートは、実施例と比べてゴミ捕捉性において劣っていた。
上記の結果から認識できるように、クリーニング面が凹凸を有し、隣り合う凸部の間における粘着凹部(粘着層)が露出し、露出率が30%以上であり、上述した比(H/L)が、15×10−3以上である清掃用シートは、少なくとも良好なゴミ捕捉性を有する。
1:清掃用シート、
10:クリーニング面、 12:凸部、14:粘着凹部、
20:非クリーニング面、
30:凸部の構成部材、
40:粘着層、
50:支持基材、
A:間隔、
100:清掃具、
110:把持部材、
120:シート固定部、
130:自在継手、
140:放射状スリット。

Claims (24)

  1. 被清掃体の表面に摺接されるクリーニング面が形成された清掃用シートであって、
    前記クリーニング面が凹凸を有し、凸部の先端を前記被清掃体に摺接させて用いられ、
    前記凸部は、前記クリーニング面の面方向に間隔を空けるように形成された部材によって構成され、
    前記クリーニング面は、前記部材よりも粘着力が高く且つ前記クリーニング面に露出している粘着凹部をさらに有し、
    前記クリーニング面の面方向に拡がり且つ前記部材の間隔の少なくとも一部に配置された粘着層を備え、該粘着層の少なくとも一部が前記粘着凹部を構成し、前記クリーニング面における前記粘着層の露出面積の割合が、30%以上であり、
    前記凸部の前記先端から前記粘着凹部までの平均凸部高さ(H:mm)と、前記面方向にて前記間隔の平均長さが最小になる第1方向における前記粘着凹部の形状の平均長さ(L:mm)との比(H/L)が、15×10−3以上である、清掃用シート。
  2. 前記クリーニング面における前記粘着層の露出面積の割合が、50%よりも大きい、請求項1に記載の清掃用シート。
  3. 前記凸部の前記先端から前記粘着凹部までの平均凸部高さ(H)が、1000×10−3mm以下である、請求項1又は2に記載の清掃用シート。
  4. 前記平均凸部高さ(H)が、500×10−3mm以下である、請求項3に記載の清掃用シート。
  5. 前記平均凸部高さ(H)が、300×10−3mm以下である、請求項4に記載の清掃用シート。
  6. 前記面方向にて前記間隔の平均長さが最小になる第1方向における前記粘着凹部の形状の平均長さ(L)が、0.3mm以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の清掃用シート。
  7. 前記平均長さ(L)が、0.5mm以上である、請求項6に記載の清掃用シート。
  8. 前記平均長さ(L)が、0.8mm以上である、請求項7に記載の清掃用シート。
  9. 前記平均長さ(L)が、1.0mm以上である、請求項8に記載の清掃用シート。
  10. 前記凸部の前記部材をナノインデンテーション法によって測定したときの負荷曲線の最小荷重は、−0.40μN以上0μN以下である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の清掃用シート。
  11. 前記凸部の前記部材をナノインデンテーション法によって測定したときの負荷曲線の最小荷重は、−0.10μN以上0μN以下である、請求項10に記載の清掃用シート。
  12. 前記凸部の前記部材をナノインデンテーション法によって測定したときの除荷曲線の最小荷重は、−1.50μN以上0μN以下である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の清掃用シート。
  13. 前記凸部の前記部材をナノインデンテーション法によって測定したときの除荷曲線の最小荷重は、−0.10μN以上0μN以下である、請求項12に記載の清掃用シート。
  14. 前記クリーニング面の静摩擦係数が、1.00以下である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の清掃用シート。
  15. ナノインデンテーション法によって測定される前記部材の硬さが、0.4MPa以上であり、且つ、プローブタック法によって測定される前記粘着層のプローブタックが、1.0kN/m以上500.0kN/m以下である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の清掃用シート。
  16. 前記凸部の前記部材が、ワックス、硬化された樹脂、及び、無機粉体のうち少なくとも1種を含有する、請求項1〜15のいずれか1項に記載の清掃用シート。
  17. 前記凸部の前記部材が、ポリオレフィン樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、スチレン系熱可塑性エラストマー樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、及び、ポリカーボネート樹脂のうち少なくとも1種を含有する、請求項1〜16のいずれか1項に記載の清掃用シート。
  18. 前記凸部の前記部材が、前記無機粉体として体質顔料を含有する、請求項16に記載の清掃用シート。
  19. 前記クリーニング面が両面に形成されている、請求項1〜18のいずれか1項に記載の清掃用シート。
  20. 請求項1〜19のいずれか1項に記載の清掃用シートの製造方法であって、
    前記凸部の前記部材を塗工によって形成する、清掃用シートの製造方法。
  21. 前記清掃用シートが支持基材を有し、
    前記凸部の前記部材を塗工によって前記支持基材に重ねて形成する、請求項20に記載の清掃用シートの製造方法。
  22. 前記清掃用シートが、支持基材と、該支持基材に重なる粘着層とを有し、
    前記凸部の前記部材を塗工によって前記粘着層に重ねて形成する、請求項20に記載の清掃用シートの製造方法。
  23. 請求項1〜19のいずれか1項に記載の清掃用シートが巻回された状態、又は、
    請求項1〜19のいずれか1項に記載の清掃用シートの複数が厚さ方向に積層された状態の積層体。
  24. 請求項1〜19のいずれか1項に記載の清掃用シートと、
    該清掃用シートが着脱可能に取り付けられたシート固定部と、を備える清掃具。
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