JP2021058224A - ジョイント部材、処置具、処置具の屈曲制御方法 - Google Patents

ジョイント部材、処置具、処置具の屈曲制御方法 Download PDF

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伸一 宮田
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正輝 加藤
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菜穂子 山村
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Abstract

【課題】内視鏡チャンネルに挿入可能な細さでありながら、組織牽引による荷重に十分耐えることができる屈曲可能な処置具のジョイント部材、当該ジョイント部材を用いた処置具、また、当該処置具の屈曲制御方法の提供。【解決手段】ジョイント部材12の軸方向ADの一端側に凹部C11、12が形成され、ジョイント部材12の軸方向ADの他端側に凸部P11、12が形成され、互いに隣接する2つのジョイント部材における一方のジョイント部材の凹部C11、12が、他方のジョイント部材の凸部P11、12と摺接するようになっており、ジョイント部材12は、管状部材121と、管状部材121に対して軸方向ADと垂直方向に横断して配置された板状部材122と、を備え、板状部材122は、板状部材122を軸方向ADに貫通する屈曲用貫通孔、及び、板状部材122を軸方向ADに貫通するデバイス用貫通孔を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、内視鏡等に挿入されて使用される処置具、処置具を構成するジョイント部材、及び処置具の屈曲制御方法に関する。
内視鏡手術は、開腹手術と比較して手術のため体表の切開が不要、若しくは非常に小さくて済み、体への負担が小さく、手術痕も残らない等のメリットがある。例えばリンパ節に転移している可能性が小さいと考えられる早期胃がん等には、EMR(内視鏡的粘膜切除術やESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)が用いられている。
このような内視鏡手術に用いられる内視鏡内には、高周波メスや鉗子を備えた処置具が挿入されるが、より手術を簡便に行うために、高周波メスや鉗子の向きを変えることを可能とした屈曲処置具が特許文献1で開示されている。特許文献1で開示される屈曲処置具は、屈曲部の先端に取り付けられた鉗子や電気メスと、先端の鉗子や電気メスを屈曲自在に操作する屈曲部と、屈曲部の屈曲動作及び鉗子や電気メスの動作を行う操作部と、操作部の操作を伝達するシース・ワイヤ部を備えている。
また、特許文献2では、処置具を有する軟性内視鏡において、手動操作部と電動操作部を備えることにより、操作感を損なうことなく操作することができる手術用マニピュレータ操作装置および手術用マニピュレータシステムが開示されている。
特開2015−128534号公報 特開2015−154895号公報
処置具は、極めて限られたスペース内において、上記のような屈曲構造やこれを駆動するための部材等を配置する必要がある。特許文献1で開示される技術によれば、直径3.8mm以下の内視鏡チャンネル内に挿入可能な細さで、屈曲可能な処置具を構成できる。
処置具の先端に設けられるエンドエフェクタは経内視鏡下の処置を行う部分であり、生検鉗子、把持鉗子、高周波スネア、高周波ナイフ、局注針、剥離鉗子などの各種機能を持つものが用いられる。このようなエンドエフェクタによる処置を行う際には、処置具先端にある程度の荷重がかかる場合がある。例えば、把持鉗子の把持動作やメスの切除動作の際にかかる荷重である。
特許文献1で開示される技術のごとく、処置具に屈曲部を設けることにより、例えば、把持鉗子で組織を把持して持ち上げる操作等をより高い自由度で行うことができることが期待されるが、そのためには、処置具の先端部で持ち上げることができる荷重を大きくすることが望まれる。
しかし、特許文献1に記載の屈曲処置具では、屈曲部を構成するヒンジ部材が、基本態様が円柱状(中実)の部材に対して、ワイヤ等を挿通する各孔(デバイス用貫通孔、屈曲用貫通孔)や屈曲動作させるための各凸部や凹部を設けることによって形成されている。従って、細径の処置具において使用される細径のワイヤで構成するとヒンジ部材の重量が重くなり、ヒンジ部材の自重により、処置具の先端部において持ち上げることのできる荷重を大きくすること、即ち、例えば把持鉗子で粘膜組織を把持・牽引する力を大きくすることが難しくなるという課題を発明者らは見出した。
また、特許文献1の記載のヒンジ部材では、部材の強度を維持したまま円柱状(中実)の部材を加工しデバイス用貫通孔、屈曲用貫通孔の軸方向の距離を短くするのが製造上困難になるという課題を発明者らは見出した。さらに、特許文献1の記載のヒンジ部材では、屈曲部が屈曲した際に、孔に挿通されるワイヤが孔の軸方向の内壁全体に沿って接触してしまう。これにより、ワイヤとヒンジ部材の摺動摩擦抵抗が増し、大きなワイヤ牽引力が必要となり、ワイヤが牽引できる最大荷重よりも処置具先端が持ち上げることのできる荷重が小さくなり、十分な牽引力で粘膜組織を把持することが難しいという課題があることを発明者らは見出した。
加えて、軟性内視鏡手術に用いられる処置具において、細径でありながら、屈曲しつつ先端部で粘膜組織を持ち上げるため、屈曲部の部材にはワイヤ牽引による大きな荷重がかかっても変形しない強度が求められる。このため、屈曲部の部材はSUS等の強度のある金属部材で作製されることが望まれる。しかしながら、特許文献1における上記のような構造のヒンジ部材を、外径が3.8mm以下となるように金属で形成しようとすると、高い精度での加工が難しい上、その製造コストが高くなるという課題を発明者らは見出した。
本発明は、上記の点に鑑み、内視鏡チャンネルに挿入可能な細さでありながら、屈曲と粘膜組織牽引による荷重に十分耐えることができる屈曲可能な処置具のジョイント部材、当該ジョイント部材を用いた処置具、また、当該処置具の屈曲制御方法を提供することを目的とする。
(構成1)
互いに略共軸に並設されて屈曲可能な処置具を構成する略筒状のジョイント部材であって、前記ジョイント部材の軸方向の一端側に凹部が形成され、前記ジョイント部材の前記軸方向の他端側に凸部が形成され、互いに隣接する2つのジョイント部材における一方のジョイント部材の前記凹部が、他方のジョイント部材の前記凸部と摺接するようになっており、前記ジョイント部材は、管状部材と、前記管状部材に対して前記軸方向と垂直方向に横断して配置された板状部材と、を備え、前記板状部材は、前記板状部材を前記軸方向に貫通する屈曲用貫通孔、及び、前記板状部材を前記軸方向に貫通するデバイス用貫通孔を備える、ジョイント部材。
(構成2)
前記ジョイント部材の軸方向の一端側に、前記ジョイント部材の径方向に対向するように一対の前記凹部が形成され、前記ジョイント部材の軸方向の他端側に、前記ジョイント部材の径方向に対向するように一対の前記凸部が形成されている構成1に記載のジョイント部材。
(構成3)
一対の前記凹部を結ぶ線と、一対の前記凸部を結ぶ線が、略平行である構成2に記載のジョイント部材。
(構成4)
一対の前記凹部を結ぶ線と、一対の前記凸部を結ぶ線の相対角度が、略90°である構成2に記載のジョイント部材。
(構成5)
一対の前記凹部を結ぶ線と、一対の前記凸部を結ぶ線の相対角度が、略120°である構成2に記載のジョイント部材。
(構成6)
互いに隣接する2つのジョイント部材が摺接することによる屈曲を、一方側への屈曲に制限する屈曲制限部材を有する構成5に記載のジョイント部材。
(構成7)
一対の前記凸部が前記管状部材の外周部の一部として構成されており、前記板状部材が一対の前記凸部と係合する切り欠き部を有することにより、前記板状部材が一対の前記凸部に係合されている構成2から6の何れかに記載のジョイント部材。
(構成8)
前記板状部材が、前記切り欠き部から前記屈曲用貫通孔又は前記デバイス用貫通孔に至るスリットを備える構成7に記載のジョイント部材。
(構成9)
前記管状部材の外周部における、互いに隣接する2つのジョイント部材が摺接することによる屈曲の屈曲内側となる箇所において、駆動部材の直径より幅広となるスリットが形成されている構成1から8の何れかに記載のジョイント部材。
(構成10)
前記ジョイント部材の軸方向の一端側に、前記ジョイント部材の径方向に対向するように前記凹部と前記凸部が形成され、前記ジョイント部材の軸方向の他端側に、前記ジョイント部材の径方向に対向するように前記凸部と前記凹部が形成されている構成1に記載のジョイント部材。
(構成11)
前記ジョイント部材の軸方向の一端側の前記凹部と前記凸部を結ぶ線と、他端側の前記凹部と前記凸部を結ぶ線が、略平行である構成10に記載のジョイント部材。
(構成12)
前記ジョイント部材の軸方向の一端側の前記凹部と前記凸部を結ぶ線と、他端側の前記凹部と前記凸部を結ぶ線の相対角度が、略90°である構成10に記載のジョイント部材。
(構成13)
前記ジョイント部材の軸方向の一端側の前記凹部と前記凸部を結ぶ線と、他端側の前記凹部と前記凸部を結ぶ線の相対角度が、略120°である構成10に記載のジョイント部材。
(構成14)
互いに隣接する2つのジョイント部材が摺接することによる屈曲の角度を、30°未満に制限する屈曲角度制限部材を有する構成1から13の何れかに記載のジョイント部材。
(構成15)
前記屈曲角度制限部材が、前記凸部若しくは前記管状部材若しくは前記板状部材に形成された突起であり、当該突起が、隣接するジョイント部材の屈曲に伴い、当該隣接するジョイント部材と突き当たることにより、互いに隣接する2つのジョイント部材の屈曲の角度が30°未満に制限される構成14に記載のジョイント部材。
(構成16)
前記凹部及び前記凸部が、前記管状部材の外周部の一部として一体的に構成されている構成1から15の何れかに記載のジョイント部材。
(構成17)
構成1から16の何れかに記載のジョイント部材を相互に組み付けることによって形成された処置具。
(構成18)
軸方向の一端側に凹部、他端側に凸部が形成された複数の管状部材と、屈曲用貫通孔とデバイス用貫通孔とを有する板状部材と、を備え、互いに隣接する前記管状部材における一方の管状部材の前記凹部が、他方の管状部材の前記凸部と摺接することで、屈曲可能に構成され、前記管状部材の少なくとも1つに対して、前記板状部材が、前記管状部材の軸方向と垂直方向に横断して配置されている、処置具。
(構成19)
前記板状部材に前記屈曲用貫通孔が複数形成され、当該複数の前記屈曲用貫通孔のそれぞれに挿通された複数の駆動部材を備えた構成17又は18に記載の処置具であって、複数の基本屈曲軸を有し、当該各基本屈曲軸に対応した前記駆動部材を備えた処置具の屈曲制御方法であって、前記処置具の屈曲部の基端部において処置具の軸方向に略直交する平面上の、前記基本屈曲軸に対応する座標軸を有する多次元斜交座標系において、入力された屈曲指示に基づく目標位置を前記座標軸に沿う座標軸ベクトルにベクトル分解するステップと、前記座標軸ベクトルに基づいて、各座標軸に対応する前記基本屈曲軸に対応する前記駆動部材の牽引量を算出するステップと、を有する、処置具の屈曲制御方法。
(構成20)
複数の前記基本屈曲軸が、相互に120°の相対角度を有する3つの基本屈曲軸であり、前記多次元斜交座標系が、相互に120°の相対角度を有する3つの座標軸で表される斜交座標系である、構成19に記載の処置具の屈曲制御方法。
(構成21)
前記牽引量の算出において、前記処置具の屈曲前後の前記駆動部材の経路長の変化量を算出するステップと、前記処置具の屈曲時に前記駆動部材にかかる荷重による前記駆動部材の伸び量を算出するステップと、前記経路長の変化量と前記駆動部材の伸び量に基づいて、前記牽引量を算出するステップと、を有する、構成19又は20に記載の処置具の屈曲制御方法。
本発明によれば、内部が基本的に中空である管状部材と、板状部材とによって構成されているため、強度を保ちながらジョイント部材の重量を軽く形成することができる。また、屈曲用貫通孔が板状部材に形成されているため、ワイヤ等の駆動部材と屈曲用貫通孔の接触範囲を小さくすることができ、摺動摩擦抵抗を小さくすることが可能となる。これらにより、内視鏡チャンネルに挿入可能な細さでありながら、組織牽引による荷重に十分耐えることができる屈曲可能な処置具を構成することができる。
本発明にかかる実施形態の処置具の概略を示す斜視図 実施形態の処置具の屈曲部の屈曲状態を示す図 ジョイント部材を示す斜視図 管状部材を示す正面図 管状部材を示す側面図 板状部材を示す上面図 2つのジョイント部材間における摺接(屈曲)状態を示す図 基端部材を示す正面図 基端部材を示す側面図 先端部材を示す正面図 先端部材を示す側面図 処置具の主に屈曲部の構造を示す断面図 処置具の基本屈曲軸と駆動部材(ワイヤ)の位置関係を示す説明図 屈曲制限部材を備えたジョイント部材の例を示す図 エンドエフェクタとして、把持鉗子を備えた処置具の例を示す図 基本屈曲軸が直行するジョイント部材の例を示す図 基本屈曲軸が並行であるジョイント部材の例を示す図 一端側に凹部と凸部が形成され、他端側に凸部と凹部が形成されているジョイント部材の例を示す図 ジョイント部材の摺接(屈曲)状態における、内部の駆動部材(ワイヤ)の状態を示す図 駆動部材(ワイヤ)との接触抑止用のスリットが形成されているジョイント部材の例を示す図 ジョイント部材の別の例を示す図 操作部及び電動駆動機の概略を示す正面図 電動駆動機の構成の概略を示すブロック図 処置具の屈曲制御のアルゴリズムの基本的なフローを示す図 処置具の屈曲制御のために、所定の座標系上において目標位置を表現する点についての説明図 処置具の屈曲制御のために、所定の座標系上において目標位置を表現する点についての説明図 多次元斜交座標系におけるベクトル分解についての説明図 屈曲部の屈曲における駆動部材(ワイヤ)の経路長の変化に関する説明図 駆動部材(ワイヤ)の牽引量に関する説明図
以下、本発明の実施態様について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下の実施態様は、本発明を具体化する際の一形態であって、本発明をその範囲内に限定するものではない。
<実施形態1>
図1は、本発明にかかる実施形態の処置具の概略を示す斜視図である。また、図2は屈曲部とエンドエフェクタ部分を示す斜視図である。なお、後に説明するように、屈曲部1やシース部2は、ポリマーチューブ等によって被覆されているものであるが、図1や図2等においては、屈曲部の構造が理解できるように、ポリマーチューブ等による被覆が無い状態の図としている。
本実施形態の処置具Tは、その基本態様として、エンドエフェクタ5と、エンドエフェクタ5を所望の方向に屈曲させるための屈曲部1と、ジョイント部材の屈曲用貫通孔を通り、屈曲部1を屈曲させるための駆動部材(駆動ワイヤ)やエンドエフェクタを駆動させるコアワイヤを内部に備える管状のシース部2と、駆動ワイヤ、コアワイヤを牽引すること等によって屈曲等の操作を行う操作部3と、を備えている。なお、ここでは、駆動部材の具体例として駆動ワイヤを用いているが、駆動部材を金属性のワイヤに限定するものではない。
処置具Tは、内視鏡チャンネルに挿入されて使用されるものであり、屈曲部1やシース部2の外径は3.8mm以下、さらに好ましくは2.6mm以下に形成されている。
図2に示されるように、屈曲部1は、その基端側と先端側にそれぞれ設けられる基端部材11、先端部材13と、相互に摺接しつつ屈曲するように組み合わせられる複数のジョイント部材12と、によって構成される。
以下で説明するように、ジョイント部材12は、その軸方向の一端側における屈曲軸(凸部を結ぶ線)の方向と他端側の屈曲軸(凹部を結ぶ線)の方向が異なっている。このようなジョイント部材12が連設されることにより、多関節化され、図2に示されるように全体として任意の方向へ屈曲可能となるものである。
図3は、ジョイント部材12を示す斜視図である。
ジョイント部材12は、その軸方向ADの一端側にジョイント部材の径方向に対向するように凹部C11、C12が形成され、他端側にジョイント部材の径方向に対向するように凸部P11、P12が形成されている。互いに隣接する2つのジョイント部材12における一方のジョイント部材の凹部C11、C12が、他方のジョイント部材の凸部P11、P12と摺接するようになっている(図7参照)。
ジョイント部材12は、管状部材121と、管状部材121に対して軸方向ADと垂直方向に横断して配置された板状部材122と、を備える。なお、“軸方向ADと垂直方向に横断して配置され”とは、板状部材122が軸方向ADに対して垂直に設けられることに限定しているものではなく、「“軸方向ADと垂直の方向において”横断」するもの、即ち、管状部材121の内部を横断しているものであればよいもの(軸方向ADに縦断するものを除く意)である。
図4、5は、管状部材121を示す正面図と側面図である。
管状部材121は、基本態様が円筒状(中空)の部材であり、その一端側に凹部C11、C12が形成され、他端側に凸部P11、P12が形成されている。
凹部C11、C12は、円筒状の外周部の一部を略円弧状に切り欠くようにして形成される。図7に示されるように、凹部C11、C12の両サイドの基端面TSは、所定の角度β[deg]の傾斜をつけてカットされる。図7からも理解されるように屈曲動作時に隣接するジョイント部材と干渉しないようにするものである。
2つの隣接するジョイント部材同士は、一方のジョイント部材の凹部C11、C12と、他方のジョイント部材の凸部P11、P12により摺接し、ある屈曲角度α[deg]で屈曲する。屈曲角度αは、2つの隣接するジョイント部材同士の中心軸が一致する真直状態から、先端側にある一方のジョイント部材が基端側のジョイント部材に対して摺動する角度であり、基端側のジョイント部材の中心軸(図7のL3)と先端側にあるジョイント部材の中心軸(図7のL4)の成す角度で表される。
凸部P11、P12も円筒状の外周部の一部として形成され、図7に示されるように、凹部C11、C12と摺接するように形成された略円弧(上部付近をカットした円弧)状の突起部分を有し、その根元部分において以下に説明する板状部材122と係合する。
凸部P11、P12が上部付近をカットした円弧状の形状に形成されているのは、凹部C11、C12との接触範囲を減少させることにより、摺動抵抗を低減させるものである。
また、凸部P11、P12には、板状部材122を係合させると共に、互いに隣接する2つのジョイント部材が摺接することによる屈曲の角度を、30°未満に制限する屈曲角度制限部材としても機能する突起ALが設けられている。図7に示されるように、隣接するジョイント部材の屈曲に伴い、当該隣接するジョイント部材と突起ALが突き当たることにより、互いに隣接する2つのジョイント部材の屈曲の角度が30°未満に制限されるものである。なお、ここでは屈曲角度制限部材としての突起ALが凸部P11、P12に設けられているものを例としているが、突起ALは、ジョイント部材の構成の相違に応じて、管状部材の別の個所や、板状部材等に設けられるものであってもよい。
ジョイント部材1つあたりの屈曲角度を大きくするためには凸部P11、P12の円弧部分をより長く(円弧の中心角がより大きくなるように)形成することで実現できる。ジョイント部材一つ当たりの屈曲角度が大きくなると、屈曲部の屈曲Rを小さくできるので、軟性内視鏡のような焦点距離が数ミリの光学系を持つ内視鏡を使った場合でも、焦点が合うレンズから近い範囲で屈曲処置具を動かすことができる。ただし、ジョイント部材1つあたりの屈曲角度をあまり大きくし過ぎると屈曲部を被覆するチューブが二つのジョイント部材の間に挟まれ屈曲部の動きを阻害したり、凸部P11、P12の円弧部分の中心角を大きくすることにより凸部P11、P12の根元部分が細くなり、強度不足が生じる場合があるため、本実施形態では突起ALによってこれを30°未満に制限している。なお、これらの弊害のおそれが無い場合には、ジョイント部材1つあたりの屈曲角度を45°や30°等にしてもよい。
また、屈曲角度を22.5°にするものであってもよい。
屈曲角度が45°である場合には、後に説明する同一の“基本屈曲軸”が2回現れる構成で、屈曲部を90°に屈曲させることができる。同様に、屈曲角度が30°、22.5°の場合は、それぞれ同一の“基本屈曲軸”が3回、4回現れる構成で、屈曲部を90°に屈曲させることができる。
また、凸部P11、P12・凹部C11、C12双方の円弧部分を、その中心角が180度以上となるように形成することで、凹部C11、C12と凸部P11、P12が軸方向(図3のAD方向)に外れることを抑止することができる。
管状部材121は、たとえば規格品であるSUSパイプをレーザーカット加工することで、安価でありながら高い加工精度での製作が可能である。このようにパイプ部材から製作することで円周方向の厚みを均一にできる。例えば、肉厚が0.2mmといった薄肉に形成するような場合においても、0.2mmのパイプ部材に基づいて製作することによって、容易に、凸部P11、P12含む全体を均一な厚さに形成することができる。厚さを均一に形成できることにより、安定した強度を得ることができ、粘膜組織を把持するために必要な荷重をかけても変形しない凹部や凸部を形成することができる。また、高い加工精度での製作が可能であることにより、結果として、凹凸部が嵌合し摺動して動く時の摺動抵抗が低減し、屈曲部の駆動ワイヤの押し引きによる制御精度を上げることができる。
図6は、板状部材122を示す上面図である。
板状部材122は、基本態様が円形状のプレートであり、中央部にデバイス用貫通孔H1を備え、その周辺部に6つの屈曲用貫通孔H2を備えている。デバイス用貫通孔H1は、エンドエフェクタである鉗子の開閉を制御するコアワイヤや、エンドエフェクタである高周波ナイフの電極ワイヤ、粘膜下への溶液注射のための溶液流路などが挿通される孔である。屈曲用貫通孔H2は、屈曲部を屈曲させるためのワイヤなどに代表される駆動部材が挿通される孔である。本実施形態の処置具Tでは、後に説明するように、相互に120°の相対角度を有する3本の“基本屈曲軸”を有しており、それぞれの“基本屈曲軸”に対応した3本の駆動ワイヤを備えている。従って、板状部材122の屈曲用貫通孔H2において駆動ワイヤが通る孔は3つであるが、図6に示されるように、点対称の位置で60°間隔に6つの屈曲用貫通孔H2を設けることにより、板状部材122を共通化できるものである。3本の“基本屈曲軸”に対応した個別の板状部材122(3種類)を用いる場合には、屈曲用貫通孔H2は3つで構わない。この場合、部品の共通化ができない代わりに、屈曲用貫通孔H2が6つの時に比べ、屈曲用貫通孔H2を大きく形成してより太い駆動ワイヤを採用することができるため、屈曲部において持ち上げることができる荷重を大きくすることが可能となる。
板状部材122の両サイドには、管状部材121の凸部P11、P12と係合する切り欠き部1221が形成されている。また、一方の切り欠き部1221には、切り欠き部1221からデバイス用貫通孔H1に至るスリットS1が形成されている。当該スリットS1があることによって、管状部材121の凸部P11、P12に対して板状部材122を嵌め込む際の作業性が向上されるものである。なお、ここではスリットS1が切り欠き部1221からデバイス用貫通孔H1に至るものを例としているが、ジョイント部材の構成の相違に応じて、切り欠き部から屈曲用貫通孔に至るスリットとしてもよい。
板状部材122は、たとえば規格品であるSUS板をレーザーカットやプレス加工することによって製作可能であり、安価に精度良く加工することが可能である。これにより安定した強度を得ることができ、粘膜組織を把持するために必要な荷重をかけても変形しないデバイス用貫通孔・屈曲貫通孔を形成することができる。孔径を精度良く加工できるため、孔径と駆動ワイヤまたはコアワイヤの径のクリアランスを小さくすることができ、ワイヤ径を最大限まで大きくすることができる。
ジョイント部材12は、上記の管状部材121と板状部材122を嵌合させることで構成される。両者の嵌合において溶接や接着などの工程は不要である。
本実施形態のジョイント部材12は、図3に示されるように、一対の凹部C11、C12を結ぶ線L1と、一対の凸部P11、P12を結ぶ線L2の相対角度が、略120°である。
従って、当該構成のジョイント部材12を連設することにより、各ジョイント部材12は120°ずつ回転しながら設けられていくことになる。これにより、屈曲部1が真っ直ぐの状態において、ジョイント部材12が3つ連設される毎に同一方向の屈曲軸が現れることとなり、この同一方向の屈曲軸を本発明においては“基本屈曲軸”と呼ぶ。本実施形態の屈曲部1においては、相互に120°の相対角度を有する3本の“基本屈曲軸”を備えることになる。
なお、“一対の凹部C11、C12を結ぶ線L1”と、“一対の凸部P11、P12を結ぶ線L2ジョイント部材12”は、それぞれ、ジョイント部材12を連設した際におけるジョイント部材12の基端側と先端側の屈曲軸である。本実施形態のごとく、一対の凸部P11、P12や一対の凹部C11、C12が、略円弧状に形成される場合、L1とL2は、各円弧の略中心を通る直線である。
図8、9は、基端部材11を示す正面図と側面図である。
基端部材11は、基本態様が円筒状(中空)の部材であり、その一端側に凸部P21、P22が形成されている。凸部P21、P22は、ジョイント部材12(管状部材121)の凹部C11、C12と嵌合するものであり、基端部材11の凸部P21、P22及び突起ALは、ジョイント部材12(管状部材121)の凸部P11、P12及び突起ALと同様の構成である。
基端部材11は、ジョイント部材12とシース部2との間を接続する部材である。シース部2のコイルチューブの端面と基端部材11の基端側の端面は溶接などにより接合される。シース部2においてマルチルーメンチューブを用いた場合、ジョイント部材12に備えられる板状部材122の屈曲用貫通孔H2の位置と、シース部2内の駆動ワイヤ貫通用の穴の位置が一致するように、シース部2内のマルチルーメンチューブの側面と基端部材11の内壁を接着剤などで固定すると好適である。マルチルーメンチューブが基端部材11に接着材などで固定されることで、処置具全体が屈曲した際等においても、マルチルーメンチューブが基端部材11に対して回転せず、シース部2から基端部材11の間で、駆動ワイヤがねじれることによる摩擦抵抗の上昇を防ぐことができる。基端部材11に形成されている孔H3は、当該接着のための接着剤の注入口である。
基端部材11の内径を、マルチルーメンチューブの外径より大きくすることで、マルチルーメンチューブを基端部材11の内腔まで導入でき、駆動ワイヤの位置を確認しながら、基端部材11と接着しやすい。
図10、11は、先端部材13を示す正面図と側面図である。
先端部材13は、基本態様が円筒状(中空)の部材であり、その一端側に凹部C31、C32が形成されている。凹部C31、C32は、ジョイント部材12(管状部材121)の凸部P11、P12と嵌合するものであり、先端部材13の基端側の構成は、ジョイント部材12(管状部材121)の基端側の構成と同様である。
先端部材13には、板状部材122が取り付けられるものであり、そのための切り欠き部131と係合凹部132が形成されている。係合凹部132は、この部分において板状部材122の切り欠き部1221と係合するものである。切り欠き部131は、板状部材122を先端部材13の内部に導入可能なように、先端部材13の側面に形成された三角状の切り欠きである。
先端部材13は、エンドエフェクタを取り付けるための部材であり、エンドエフェクタを固定するため、先端側の外縁部の端面は、円周形状が好ましい。エンドエフェクタが電極メスの場合は、耐熱性と絶縁性を兼ねたフッ素樹脂、ジルコニアやアルミナなどのセラミックスなどで作製したピン4(図12参照)を端面に固定することが好ましい。
図12は、処置具Tの主に屈曲部1の構造を示す断面図である。
前述したごとく、屈曲部1は、連設された複数のジョイント部材12と、その基端側及び先端側に設けられる基端部材11と先端部材13によって構成される。
先端部材13にはエンドエフェクタ(図12の例では電極メス5)が設けられ、電極メス5の電極ワイヤCWが、各板状部材122の中央部に設けられたデバイス用貫通孔H1に挿通される。
また、各板状部材122の屈曲用貫通孔H2には、3本の駆動ワイヤ(図12では、W1とW2の2本を描画)がそれぞれ挿通される。3本の駆動ワイヤW1〜W3は、先端部材13に設けられる板状部材122を挿通した後、駆動ワイヤW1〜W3を通したSUSチューブ8をかしめること等によって固定される。
屈曲部1及びシース部2は、ポリマーチューブPTによって被覆することが好ましい。柔軟なポリマーチューブを用いることで、曲げ半径の最小化や屈曲時の駆動ワイヤW1〜W3への負荷低減を実現できる。また、係合している2つのジョイント部材12の凹部・凸部が管状部材の径方向にズレたり外れたりすることを抑制することができる。なお、駆動ワイヤにSUSワイヤなどの剛性のある部材を用いることによっても、係合している2つのジョイント部材12の凹部・凸部が管状部材の径方向へズレたり外れたりすることを抑制することができる。
屈曲部1及びシース部2の被覆において、シース部2の被服には密度の高いフッ素樹脂を用い、屈曲部1にかかる部分は多孔質になるようにチューブの樹脂密度にグラデーションを付けたフッ素樹脂チューブを用いると、特に電極メス等で必要な電気的絶縁性を保持し、且つ屈曲部の屈曲を妨げず先端を最小Rで屈曲できるので好適である。
電極ワイヤCW及び駆動ワイヤW1〜W3は、シース部2の内部を通り、操作部3に至る。
シース部2は、SUSなどでできた平コイルやライナーブレードチューブであるコイルコイルチューブと、コイルチューブの内部に挿通されるルーメンチューブと、ルーメンチューブの内部に挿通される駆動ワイヤと、デバイス用貫通孔を通る電極ワイヤなどによって構成される。ルーメンチューブは、摺動摩擦抵抗の低いフッ素樹脂で作製したマルチルーメンチューブや複数のシングルルーメンチューブが用いられる。ルーメンチューブの中を駆動ワイヤや電極ワイヤが挿通される。こうすることで、駆動ワイヤを押し引きした時の駆動ワイヤの摩擦や意図しない駆動ワイヤの蛇行、ワイヤの折れを防ぐことができ、屈曲部の制御性を向上することができる。電極ワイヤやコアワイヤは駆動ワイヤより太径であることが多いため、ルーメンチューブの内部に挿通されても良いし、そのままコイルチューブ内に配置されても良い。ルーメンチューブに挿通することで、駆動ワイヤと同様ワイヤの折れの防止や押し引きの制御性の向上が期待できる。シングルルーメンチューブを複数使用する場合は、シングルルーメンチューブ自体のシース内の蛇行を防ぐため、コイルチューブ内にダミーのワイヤなどを詰めても良い。このようにすることで、シングルルーメンチューブの場合でもシース内でのワイヤの経路を一意に規定することができる。シングルルーメンチューブには、SUSなどでできた丸線コイル、平線コイル、内面平コイルなどを使用すると、駆動ワイヤを牽引してもルーメンチューブやシース部の圧縮が防げるので屈曲部の制御性が向上する。また電極ワイヤが挿通されるシングルルーメンチューブには、PTFEチューブを使用しても良い。電極ワイヤの摺動抵抗を軽減し、且つ絶縁の効果も得られる。
図13は、本実施形態の処置具Tにおける、基本屈曲軸BA1〜BA3と駆動ワイヤW1〜W3の位置関係を示す概念説明図である。同図は、屈曲部1における断面的な視点での説明図である。
前述のごとく、本実施形態の処置具Tでは、相互に120°の相対角度を有する3本の基本屈曲軸BA1〜BA3を有しており、それぞれの基本屈曲軸BA1〜BA3に対応した3本の駆動ワイヤW1〜W3を備えている。即ち、基本屈曲軸BA1に対応するのが駆動ワイヤW1であり、基本屈曲軸BA2に対応するのが駆動ワイヤW2、基本屈曲軸BA3に対応するのが駆動ワイヤW3である。それぞれの基本屈曲軸に対応する各駆動ワイヤは、基本屈曲軸から最も離れた位置に配され、従って、基本屈曲軸に対して大きなモーメントを発生させるものである。
図13の例において、屈曲部1を上側に屈曲させたい場合には、駆動ワイヤW1を引けばよく、屈曲部1を下側に屈曲させたい場合には、駆動ワイヤW2とW3を同量だけ引くことにより、合成成分として下側に屈曲させることができる。このように、各駆動ワイヤW1〜W3の牽引量に応じて、各基本屈曲軸BA1〜BA3における屈曲が合成され、全体として任意の方向に屈曲部1を屈曲させることができる。
なお、屈曲角度の制御を正確にすると共に、制御を容易にするためには、各基本屈曲軸BA1〜BA3に対する屈曲制御を独立したものにすることが好ましい。図13において、駆動ワイヤW1を引いた場合、基本的には基本屈曲軸BA1における屈曲をさせるものとなるが、基本屈曲軸BA2や3に対しても屈曲を生じさせることになる。即ち、駆動ワイヤW1を引くことによって、図13の中段において右斜め上に屈曲させると共に、下段において左斜め上に屈曲させることになる。このような各基本屈曲軸における屈曲の発生は、屈曲角度の制御を複雑にする要因となる。また、駆動ワイヤに対応する基本屈曲軸ではない基本屈曲軸における屈曲、即ち、ワイヤW1を引いた場合における基本屈曲軸BA2やBA3における屈曲は、モーメントが小さく、動作に不確実性が生じるため、正確な屈曲制御を難しくする要因ともなる。
これを防止するために、図14に例示したように、互いに隣接する2つのジョイント部材が摺接することによる屈曲を、一方側への屈曲に制限する屈曲制限部材BLを設けるようにしてもよい。屈曲制限部材BLを設けることにより、図13の上段においては基本屈曲軸BA1回りに下側に屈曲することがなく、中段においては基本屈曲軸BA2回りに右斜め上側に屈曲することがなく、下段においては基本屈曲軸BA3回りに左斜め上側に屈曲することがない。前述の例で言えば、駆動ワイヤW1を引いた場合に、基本屈曲軸BA1における屈曲のみとすることができるものである。これにより、各基本屈曲軸BA1〜BA3に対する屈曲制御を独立したものとすることができ、屈曲角度の制御を正確かつ容易にすることができる。
以上のごとく、本実施形態の処置具Tによれば、ジョイント部材12が、内部が基本的に中空である管状部材121と、管状部材121とは別体に形成される板状部材122とによって構成されているため、重量を軽く形成することができる。
また、屈曲用貫通孔H2が板状部材122に形成されているため、駆動ワイヤW1〜W3との接触範囲を小さくすることができ、駆動ワイヤW1〜W3と屈曲用貫通孔H2の間に生じる摩擦抵抗を小さくすることが可能となる。
これらにより、ワイヤ牽引力のロスを軽減することでき、処置具が持ち上げる荷重を最大化することができる。
また、上述したごとく、管状部材121や板状部材122を、SUSパイプやSUS板レーザーカットすることで安価に作製可能である。さらに板状部材はプレスによる作製とすることでさらに製造コストを下げることが可能である。ジョイント部材の組み立ては、物理的な嵌合のみで可能であり、溶接や接着などの工程が不要である。同時に、SUSパイプやSUS板等の汎用品から様々な外径寸法や肉厚を選択でき、ジョイント部材12の外径や内径を自在に変更できる。このため、医療用処置具に好ましい単回使用(使い捨て)製品としても、多種多様な仕様の処置具を現実的なコストで提供することが可能である。
また、上述したごとく、管状部材121や板状部材122を高い精度で作成することができ、これにより安定した強度を得ることができるため、粘膜組織を把持するために必要な荷重をかけても変形し難いジョイント部材(処置具が持ち上げる荷重を最大化することができるジョイント部材)とすることができる。
上記の点は、基端部材11や先端部材13についても同様である。
また、本実施形態の処置具Tによれば、一対の凹部を結ぶ線(図3のL1)と、一対の凸部を結ぶ線(図3のL2)の相対角度が略120°となるようにすることにより、駆動ワイヤを3本とすることができるようにしているため、任意の方向に屈曲可能なものとしては、可及的に駆動ワイヤの数を少なくすることができる。
本実施形態では、エンドエフェクタとして電極メス5を例としているが、これに限定されるものではなく、例えば図15に示したように鉗子6等を使用することができる。エンドエフェクタは経内視鏡的処置を行う部分であり、生検鉗子、把持鉗子、高周波スネア、高周波ナイフ、局注針、剥離鉗子などの各種機能を持つものを利用することができる。
また、本実施形態では、一対の凹部を結ぶ線(図3のL1)と、一対の凸部を結ぶ線(図3のL2)の相対角度が略120°となるようにし、駆動ワイヤを3本とするものを例としているが、凹部を結ぶ線と凸部を結ぶ線の相対角度は任意に設定可能である。即ち、本発明における、「ジョイント部材を、内部が基本的に中空である管状部材と、板状部材とによって構成する。」という概念は、任意の本数の駆動ワイヤを有するものに対して利用することができる。例えば、図16に示したように、凹部を結ぶ線L1と、凸部を結ぶ線L2の相対角度が略90°となるようにしてもよい。この場合、基本的には駆動ワイヤの数は4本となるが、3本の駆動ワイヤによって駆動させることも可能である。
屈曲部を任意の方向に屈曲可能とする必要が無い場合(例えば、シース部での回転を可能とする場合等)には、図17に示したように、凹部を結ぶ線L1と、凸部を結ぶ線L2の相対角度が略平行となるようにしてもよい。
また、一つの処置具に使用するジョイント部材として、凹部を結ぶ線L1と、凸部を結ぶ線L2の相対角度が同一のものを使用しなければならないものではなく、凹部を結ぶ線L1と、凸部を結ぶ線L2の相対角度が異なるジョイント部材を混ぜて使用することも可能である。
本実施形態では、ジョイント部材の軸方向の一端側に一対の凹部が形成され、他端側に一対の凸部が形成されるものと例としているが、これに限定されるものではなく、例えば図18に示したように、ジョイント部材の軸方向の一端側にジョイント部材の径方向に対向するように凹部C41と凸部P41を形成し、他端側にジョイント部材の径方向に対向するように凸部P42と凹部C42を形成してもよい。
この場合において、ジョイント部材の軸方向の一端側の凹部と凸部を結ぶ線と、他端側の凹部と凸部を結ぶ線の相対角度を、任意に設定可能な点は上述と同様である。
本実施形態では凸部が管状部材に形成されているものを例としたが、凸部が板状部材側に形成されるものであっても構わない。板状部材の外周部を一部延出するようにして平面的に形成した凸部を、90°屈曲させることによって、板状部材から垂直に立設した凸部を形成することができる(SUS板等をプレス加工することで製造可能)。
また、強度及び動作に問題がなければ、凸部と凹部を1つずつだけ形成するものであってもよい。
ここで、図19は、ジョイント部材の摺接(屈曲)状態における、内部の駆動ワイヤの状態を示す図である。
同図に示されるように、管状部材121の外周部の下端側において、管状部材121の内面と駆動ワイヤW1が干渉する状態となっている。このような干渉が生じると、屈曲動作が妨げられると共に、駆動ワイヤ牽引力のロスが生じてしまう。
これを防止するため、図20に例示したように、管状部材の外周部における、互いに隣接する2つのジョイント部材が摺接することによる屈曲の屈曲内側となる箇所において、駆動ワイヤの直径より幅広となるスリットS2を形成するようにしてもよい。スリットS2により、管状部材の側面と駆動ワイヤとの干渉を抑止することができる。
本実施形態では、凸部P11、P12に、板状部材122を係合させると共に、互いに隣接する2つのジョイント部材が摺接することによる屈曲の角度を制限する突起ALが設けられているものを例としているが、突起ALを設けないようにすることもできる。
例えば、図21(a)に例示したように、凸部P51がその根元部分に対して円弧状に広がる形状であることを利用して、凸部P51の根元で板状部材122の切り欠き部1221と係合させるようにしてもよい。ジョイント部材の屈曲角度の制限は、凹部C11、C12の両サイドの基端面TSの傾斜角度β(図7参照)等によって調節することができる。
図21(a)において、板状部材122との係合力が不足する場合には、図21(b)に示したように、凸部P61の根元部分に係合凹部P61Rを設けるようにしてもよい。係合凹部P61Rは、先端部材13に設けた係合凹部132と同様のものである。
本実施形態においては、各ジョイント部材に板状部材が備えられているものを例としたが、本発明をこれに限るものではない。板状部材の主な機能は、駆動ワイヤやエンドエフェクタを制御するコアワイヤを孔に通すことで、各ワイヤと他の部材(他のワイヤや嵌合する別のジョイント部材)との干渉を抑止することや、係合している2つのジョイント部材12の凹部・凸部の径方向(屈曲軸に沿った方向)のズレや外れを抑制するものである。各ワイヤの剛性が十分であること等により、各部材間の干渉や、2つのジョイント部材12の径方向のズレが比較的おこり難いような場合には、例えばジョイント部材1つおきに板状部材が備えられるようなものであっても構わない。
なお、本実施形態のごとく、板状部材の屈曲用貫通孔は、上下に別のジョイント部材を連設した際に管状部材の管の中心軸と並行に貫通するような配置にすると、駆動ワイヤと屈曲用貫通孔の摩擦を低減することができると共に、係合している2つのジョイント部材12の凹部と凸部の径方向のズレを軽減することができる。本実施形態のごとく、屈曲用貫通孔を、凹部と凸部の成す角度に合わせて点対称に形成することで上下に重ねるジョイント部材を全て同一のものにすることも可能であるが、複数の板状部材を用意するものであっても構わない。管状部材と板状部材が別になっているため、板状部材の変更(屈曲用貫通孔の位置を変更した複数の板状部材を用意すること)による対応を、容易にすることができる。
<実施形態2>
実施形態2として、電動駆動機による処置具の屈曲制御方法について説明する。
本実施形態における処置具は、実施形態1と同様であるため、ここでの説明を簡略化若しくは省略する。
図22は、処置具の操作部3及び電動駆動機7の概略を示す正面図である。
本実施形態の処置具の操作部3は、電動操作できる電動駆動機7と機械的に接合される。
操作部3から突出している各ダイヤル31は屈曲貫通孔を通る各駆動ワイヤやデバイス用貫通孔を通るコアワイヤを押し引き・回転させるものであり、電動駆動機7によって駆動される。
操作部3のダイヤル31と、電動駆動機7側にこのダイヤル31と嵌合するプーリー75を備えることにより、電動駆動部7の各プーリー75を各モーター74で回転させることで、屈曲処置具のダイヤルを駆動させるものである。
電動駆動機7には、例えばジョイスティックによって構成される入力部72が備えられており、ユーザからの屈曲方向の指示の入力を受ける。電動駆動機7では、以下で説明する制御方法により、ユーザからの入力に応じて各モーター74を駆動し、ユーザの指示通りに屈曲部を屈曲させるものである。なお、電動だけではなく手動による操作(操作部3のダイヤル31への直接の操作)も可能である。
図23は、電動駆動機7の構成の概略を示すブロック図である。
図23に示されるように、電動駆動機7は、入力部72と、モーター74と、当該モーター74を駆動するドライバ73と、各種の演算処理や各ドライバ73の制御等を行う演算部71等を備える。各モーターの回転軸には回転位置や回転数を検知するためのデバイス(ポテンショメータやエンコーダなど)が設けられており、当該デバイスの検知結果によるフィードバック制御(PID制御など)が行われる。
演算部71では、入力部72から目標屈曲状態が、入力された屈曲指示に基づく目標位置であるXY座標として入力されると、以下で説明するように、当該XY座標に基づいてワイヤ牽引量を計算する。これによって得られたワイヤ牽引量を、これに対応するモータープーリー角度に変換し、当該プーリー角度をフィードバック制御の目標角度とすることで、所望の屈曲制御が行われるものである。
次に、ワイヤ牽引量の算出方法について説明する。
図24は、処置具の屈曲制御における駆動ワイヤの牽引量の算出のアルゴリズムの概念的なフローを示す図である。
駆動ワイヤの牽引量の算出アルゴリズムは、目標屈曲状態をXY座標として取得するステップと、このXY座標で表されたベクトルを、n次元の(本実施形態では3次元)多次元斜交座標系における座標軸に沿う座標軸ベクトルにベクトル分解するステップと、得られた各軸のベクトル量に所定のゲインを掛けることで各基本屈曲軸回りの関節屈曲角度を算出するステップと、各基本屈曲軸回りの関節屈曲角度に基づいて各基本屈曲軸に対応する駆動ワイヤの経路長の変化量を算出するステップ(図24の分岐下側の処理)と、各基本屈曲軸回りの関節屈曲角度に基づいて各基本屈曲軸に対応する駆動ワイヤにかかる荷重を算出し、当該荷重に基づいて駆動ワイヤの伸び量を算出するステップ(図24の分岐上側の処理)と、駆動ワイヤの経路長の変化量と駆動ワイヤの伸び量を加算することで、駆動ワイヤの牽引量の算出するステップと、を有する。
図25は、屈曲部1の屈曲制御のために、所定の座標系上において目標位置を表現する(目標屈曲状態(入力部72に対するユーザの入力)をXY座標として取得する)ことの説明図である。
ここでは、入力部72として、アナログジョイスティックを用いたものを例とし、スティックを倒した方向と量に応じて、屈曲部1を屈曲させるものを例とする。図25は、スティックの状態、即ちユーザ操作によってスティックが倒れた状態をモデル化している。即ち、ユーザが屈曲部1を所望の方向に屈曲させようとして、入力部72のスティックを操作したことにより、スティックが傾いている状態を示している。
図25は入力部72のスティックの倒れ状態をモデル化したものであるが、これは同時に、屈曲部1を屈曲させようとする状態をモデル化したものでもある。スティックを倒した方向と量に応じて、屈曲部1を屈曲させるものだからである。即ち、図25におけるXY平面は、屈曲部の基端部において処置具の軸方向に略直交する平面に該当するものである。
まず、ユーザから入力された屈曲指示であるスティックを倒した方向と量を、図25に示したように、目標座標(X、Y)として取得する。
本実施形態では、屈曲制御において、最大屈曲角度を設定している。即ち、入力に対して一定のリミッタを設ける処理としている。
図26(a)及び以下の数1に示されるように、XY座標(X、Y)に基づく入力の大きさ(屈曲の大きさに相当)をMagとし、リミッタをMagMaxとした場合に、入力MagがMagMaxを超えていたら、入力MagをMagMaxで置換することで、リミッタを設けているものである。さらに、上記によりリミッタが掛けられた入力Magを、MagMaxを用いて正規化することで、その大きさを0以上、1以下としたベクトルrにする処理を行う(図26(b))。当該正規化は以降の処理(計算)の便宜のために行っているものである。また、図26及び以下の数1に示されるθはベクトルrを極座標表現するものである。
当該処理によって得られたXY座標上のベクトルrは、その長さがスティックを倒した量(リミッタ付)、即ち屈曲させる角度の大きさを示し、θがスティックを倒した方向、即ち屈曲させる方向を示すものである。
Figure 2021058224
次に、ベクトルrを、基本屈曲軸に対応する座標軸を有する多次元斜交座標系において、その座標軸に沿う座標軸ベクトルにベクトル分解する。
図27は多次元斜交座標系におけるベクトル分解についての説明図である。図27(a)は前述のXY座標系を示し、図27(b)は多次元斜交座標系を示す。
“多次元斜交座標系”とは、基本屈曲軸に対応する座標軸を有するXY平面上のn次元の座標系であり、本実施形態では基本屈曲軸が相互に120°の相対角度を有する3本の基本屈曲軸であるので、XY平面上において相互に120°の相対角度を有する3本の座標軸(U,V,W)を有する座標系となる。
図27(b)に示されるように、ベクトルrを、多次元斜交座標系において、その座標軸に沿う座標軸ベクトルにベクトル分解する。当該ベクトル分解は、基本屈曲軸として存在するn個(本実施形態では3個)の各回転方向に対し、目標屈曲状態を良く近似する。すなわち良好な操作性を得るための回転量が得られる。
表1には、ベクトルrのθと、座標軸ベクトル(D,D,D)の関係を示した。
Figure 2021058224
前述のごとく、分解ベクトルである各座標軸ベクトルD,D、Dは、各基本屈曲軸において傾ける必要がある角度に対応する値を有するものであり、従って、各座標軸ベクトルD,D、Dに所定の定数G(deg)を掛けることで、各基本屈曲軸における関節屈曲角度T(deg)を得ることができる。これを表したものが数2である。
Figure 2021058224
各基本屈曲軸において、関節屈曲角度T(deg)を得るためには、関節屈曲角度に応じた引っ張り荷重が駆動ワイヤに印加されることになる。関節屈曲角度とワイヤ荷重はほぼ比例関係にあるため、関節屈曲角度T(deg)を係数H(deg/N)で割ることで、ワイヤ荷重F(N)を得ることができる。これを表したものが数3である。
Figure 2021058224
荷重による駆動ワイヤの伸び量は、荷重に比例するため、ワイヤ荷重F(N)による駆動ワイヤの伸び量L(mm)は、係数k(N/mm)を用い、数4によって得られる。
Figure 2021058224
一方、各基本屈曲軸において、関節屈曲角度T(deg)を得るためには、各基本屈曲軸に対応する駆動ワイヤ、即ち、基本屈曲軸に対して、屈曲の内側に位置する駆動ワイヤを所定量だけ牽引する必要がある。同時に、基本屈曲軸に対して、屈曲の外側に位置する駆動ワイヤを所定量送り出す必要がある。図28に、屈曲部の屈曲における駆動ワイヤの経路長の変化(即ち、駆動ワイヤを牽引若しくは送り出す量)に関する説明図を示した。
同図に示される通り、例えば基本屈曲軸BA1の関節屈曲角度T(deg)において、基本屈曲軸BA1に対応する駆動ワイヤW1(基本屈曲軸に対して、屈曲の内側に位置する駆動ワイヤ)の経路長の減少分は、M×2×Rtan(T/M/2)として近似し算出する。同時に、基本屈曲軸BA1に対して、屈曲の外側に位置する駆動ワイヤW2、W3の経路長の増加分は、M×2×R/2×tan(T/M/2)となる。なお、Rは基本屈曲軸BA1から駆動ワイヤW1までの距離に該当し、Mは関節数(=ジョイント部材12の数+基端部材+先端部材−1=ジョイント部材12の数+1)である。これ(経路長の増減P(mm))を表したものが数5である。
Figure 2021058224
ここで、tanα≒αの近似を用いると、数5は数6となる。
Figure 2021058224
上記によって得られた駆動ワイヤの伸び量L(mm)及び経路長の増減P(mm)と、これに対して必要となるワイヤ牽引量W(mm)との関係を示したものが図29である。即ち、
ワイヤ牽引量W(mm)=駆動ワイヤの伸び量L(mm)+経路長の増減P(mm)
である。これに基づき、ワイヤ牽引量W(mm)を表したものが数7である。
Figure 2021058224
即ち、目標座標(X、Y)に基づいて、ベクトル分解をすることで得られる座標軸ベクトル(D,D、D)に基づいて、数7の計算を行うことにより、各駆動ワイヤのワイヤ牽引量W〜Wを算出することができる。
なお、上記計算で使用する係数の設定値の具体例を表2に示した。これは一例であり、各係数は個別具体的な装置の仕様等に応じて適宜定めればよい。
Figure 2021058224
演算部71では、上記算出方法によって各駆動ワイヤのワイヤ牽引量W〜Wを算出し、ワイヤ牽引量W〜Wをプーリー角度に変換(個別具体的な装置の仕様に応じて定められる係数を乗算する等)する。そして、当該プーリー角度を目標角度としてフィードバック制御を行うことで、入力部72から入力された屈曲指示に対応した屈曲制御を実行するものである。
なお、ここでは、アナログジョイスティックを例とし、入力部72に対する入力を、屈曲方向及びその大きさの指示として扱っているものを例としているが、屈曲させる方向の指示のみを受け付けるもの等としてもよい。例えば方向キーなどのデジタルな入力手段を使用する場合、目標位置を方向のみで扱うと共に1制御サイクルにおいて屈曲させる角度(曲げる大きさ)を一定値として動作させてもよい。即ち、方向キーを入力している時間に応じて屈曲させる角度を調整させるような処理としてもよい。
また、例えばジョイスティックを倒す速さを検知可能な入力部とし、当該倒す速さに応じて、1制御サイクルにおいて屈曲させる角度を変化させるようにしてもよい。当該処理は、数2等において、倒す速さに応じたゲインを乗算する等すればよい。
以上のごとく、本実施形態の屈曲制御方法によれば、実施形態1のごとく120°間隔で制御ワイヤが配置されているような、非直交ワイヤ配置型の処置具の屈曲制御においても、逆運動学を使った複雑な演算を必要とせず簡便な演算にて、操作性良く屈曲動作させることができる。
本実施形態では、基本屈曲軸(及びこれに対応する制御ワイヤ)が120°間隔であるもの(多次元斜交座標系が3次元であるもの)を例として説明したが、本発明における“多次元斜交座標系”へのベクトル分解に基づく各制御ワイヤの牽引量の算出の概念は、n次元のものに適用することができる。
1...屈曲部
11...基端部材
12...ジョイント部材
121...管状部材
122...板状部材
H1...デバイス用貫通孔
H2...屈曲用貫通孔
1221...切り欠き部
S1...スリット
P11,12...凸部
C11,12...凹部
AL...突起(屈曲角度制限部材)
BL...屈曲制限部材
S2...スリット(駆動部材の直径より幅広となるスリット)
BA1〜3...基本屈曲軸
13...先端部材
131...切り欠き部
132...係合凹部
2...シース部
3...操作部
31...ダイヤル
5...電極メス(エンドエフェクタ)
7...電動駆動機
71...演算部
72...入力部
73...ドライバ
74...モーター
75...プーリー
CW...電極ワイヤ(コアワイヤ)
8...SUSチューブ
PT...ポリマーチューブ
T...処置具
W1〜3...駆動ワイヤ(駆動部材)

Claims (21)

  1. 互いに略共軸に並設されて屈曲可能な処置具を構成する略筒状のジョイント部材であって、
    前記ジョイント部材の軸方向の一端側に凹部が形成され、前記ジョイント部材の前記軸方向の他端側に凸部が形成され、互いに隣接する2つのジョイント部材における一方のジョイント部材の前記凹部が、他方のジョイント部材の前記凸部と摺接するようになっており、
    前記ジョイント部材は、管状部材と、前記管状部材に対して前記軸方向と垂直方向に横断して配置された板状部材と、を備え、前記板状部材は、前記板状部材を前記軸方向に貫通する屈曲用貫通孔、及び、前記板状部材を前記軸方向に貫通するデバイス用貫通孔を備える、ジョイント部材。
  2. 前記ジョイント部材の軸方向の一端側に、前記ジョイント部材の径方向に対向するように一対の前記凹部が形成され、
    前記ジョイント部材の軸方向の他端側に、前記ジョイント部材の径方向に対向するように一対の前記凸部が形成されている請求項1に記載のジョイント部材。
  3. 一対の前記凹部を結ぶ線と、一対の前記凸部を結ぶ線が、略平行である請求項2に記載のジョイント部材。
  4. 一対の前記凹部を結ぶ線と、一対の前記凸部を結ぶ線の相対角度が、略90°である請求項2に記載のジョイント部材。
  5. 一対の前記凹部を結ぶ線と、一対の前記凸部を結ぶ線の相対角度が、略120°である請求項2に記載のジョイント部材。
  6. 互いに隣接する2つのジョイント部材が摺接することによる屈曲を、一方側への屈曲に制限する屈曲制限部材を有する請求項5に記載のジョイント部材。
  7. 一対の前記凸部が前記管状部材の外周部の一部として構成されており、前記板状部材が一対の前記凸部と係合する切り欠き部を有することにより、前記板状部材が一対の前記凸部に係合されている請求項2から6の何れかに記載のジョイント部材。
  8. 前記板状部材が、前記切り欠き部から前記屈曲用貫通孔又は前記デバイス用貫通孔に至るスリットを備える請求項7に記載のジョイント部材。
  9. 前記管状部材の外周部における、互いに隣接する2つのジョイント部材が摺接することによる屈曲の屈曲内側となる箇所において、駆動部材の直径より幅広となるスリットが形成されている請求項1から8の何れかに記載のジョイント部材。
  10. 前記ジョイント部材の軸方向の一端側に、前記ジョイント部材の径方向に対向するように前記凹部と前記凸部が形成され、
    前記ジョイント部材の軸方向の他端側に、前記ジョイント部材の径方向に対向するように前記凸部と前記凹部が形成されている請求項1に記載のジョイント部材。
  11. 前記ジョイント部材の軸方向の一端側の前記凹部と前記凸部を結ぶ線と、他端側の前記凹部と前記凸部を結ぶ線が、略平行である請求項10に記載のジョイント部材。
  12. 前記ジョイント部材の軸方向の一端側の前記凹部と前記凸部を結ぶ線と、他端側の前記凹部と前記凸部を結ぶ線の相対角度が、略90°である請求項10に記載のジョイント部材。
  13. 前記ジョイント部材の軸方向の一端側の前記凹部と前記凸部を結ぶ線と、他端側の前記凹部と前記凸部を結ぶ線の相対角度が、略120°である請求項10に記載のジョイント部材。
  14. 互いに隣接する2つのジョイント部材が摺接することによる屈曲の角度を、30°未満に制限する屈曲角度制限部材を有する請求項1から13の何れかに記載のジョイント部材。
  15. 前記屈曲角度制限部材が、前記凸部若しくは前記管状部材若しくは前記板状部材に形成された突起であり、当該突起が、隣接するジョイント部材の屈曲に伴い、当該隣接するジョイント部材と突き当たることにより、互いに隣接する2つのジョイント部材の屈曲の角度が30°未満に制限される請求項14に記載のジョイント部材。
  16. 前記凹部及び前記凸部が、前記管状部材の外周部の一部として一体的に構成されている請求項1から15の何れかに記載のジョイント部材。
  17. 請求項1から16の何れかに記載のジョイント部材を相互に組み付けることによって形成された処置具。
  18. 軸方向の一端側に凹部、他端側に凸部が形成された複数の管状部材と、
    屈曲用貫通孔とデバイス用貫通孔とを有する板状部材と、を備え、
    互いに隣接する前記管状部材における一方の管状部材の前記凹部が、他方の管状部材の前記凸部と摺接することで、屈曲可能に構成され、
    前記管状部材の少なくとも1つに対して、前記板状部材が、前記管状部材の軸方向と垂直方向に横断して配置されている、処置具。
  19. 前記板状部材に前記屈曲用貫通孔が複数形成され、当該複数の前記屈曲用貫通孔のそれぞれに挿通された複数の駆動部材を備えた請求項17又は18に記載の処置具であって、複数の基本屈曲軸を有し、当該各基本屈曲軸に対応した前記駆動部材を備えた処置具の屈曲制御方法であって、
    前記処置具の屈曲部の基端部において処置具の軸方向に略直交する平面上の、前記基本屈曲軸に対応する座標軸を有する多次元斜交座標系において、入力された屈曲指示に基づく目標位置を前記座標軸に沿う座標軸ベクトルにベクトル分解するステップと、
    前記座標軸ベクトルに基づいて、各座標軸に対応する前記基本屈曲軸に対応する前記駆動部材の牽引量を算出するステップと、
    を有する、処置具の屈曲制御方法。
  20. 複数の前記基本屈曲軸が、相互に120°の相対角度を有する3つの基本屈曲軸であり、前記多次元斜交座標系が、相互に120°の相対角度を有する3つの座標軸で表される斜交座標系である、請求項19に記載の処置具の屈曲制御方法。
  21. 前記牽引量の算出において、
    前記処置具の屈曲前後の前記駆動部材の経路長の変化量を算出するステップと、
    前記処置具の屈曲時に前記駆動部材にかかる荷重による前記駆動部材の伸び量を算出するステップと、
    前記経路長の変化量と前記駆動部材の伸び量に基づいて、前記牽引量を算出するステップと、
    を有する、請求項19又は20に記載の処置具の屈曲制御方法。
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