JP2021046161A - 水底形状測定装置 - Google Patents
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Abstract
Description
水底形状測定装置として、観測船から支持フレームを介してソナーを水中に配置し、ソナーによって測定した水底の3次元形状情報と、観測船に搭載したGPS測位装置で測位された測位情報に基づいて水底の形状を地球上の座標位置で示される水底形状情報として生成する技術が提案されている(特許文献1参照)。
上記従来技術では、波浪による観測船の揺れによって生じる測定誤差を補正するために、観測船側に三次元位置センサを設けて観測船の三次元位置を取得すると共に、地上側にトータルステーションを設け、トータルステーションによって観測船の位置を測定して測位データを求め、これら観測船の三次元位置と測位データを用いて水底形状情報を補正するようにしている。
また、波浪による観測船の揺れによって生じる測定誤差を補正するために三次元位置センサ、トータルステーションといった装置が必要となり、また、測定誤差の補正を行なうための演算処理が必要となり、構成の簡素化、コストの低減を図る上で不利となる。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、コストを抑制しつつ構成の簡素化を図る上で有利な水底形状測定装置を提供することにある。
また、本発明は、前記ガス制御部は、前記移動開始地点および前記目標地点の位置情報を予め保持し、前記測位部で生成された前記測位情報が前記位置情報と一致した際に、前記ガスの封入および排出を実施する、ことを特徴とする。
また、本発明は、前記無人飛行体から離れた箇所に管理装置が設けられ、前記ガス制御部は、前記管理装置に対して入力される前記ガスの封入指示および排出指示に基づいて、前記ガスの封入および排出を実施する、ことを特徴とする。
また、本発明は、前記バルーンは、伸縮性を有する素材で形成されており、圧縮された前記ガスが封入されたガス保持部と、前記ガス保持部と前記バルーンとを接続するガス供給部と、前記ガス保持部内の前記ガスの前記ガス供給部内への流入の有無を切り替えるガス供給弁と、前記ガス供給部に設けられたガス排出孔の開閉を制御するガス排出弁と、を
更に備え、前記ガス制御部は、前記ガス供給弁および前記ガス排出弁の開閉を行うことにより前記ガスの封入および排出を実施する、ことを特徴とする。
また、本発明は、前記支持部材は、前記3次元形状測定部を前記飛行体に対して移動不能に支持している、ことを特徴とする。
したがって、従来のようにソナーを設けた観測船が不要となるため、観測船と観測船を運行するための船舶免許資格者が必要となり、設備コスト、運用コストを低減する上で有利となる。
また、3次元形状測定部を支持する無人飛行体は、波浪の影響を受けることがなく、従来のように観測船の揺れを補正するための設備が不要となり、構成の簡素化、コストの低減を図る上で有利となる。
また、3次元形状測定部にバルーンを接続し、無人飛行体の移動中はバルーン内にガスを封入するので、無人飛行体にかかる3次元形状測定部の荷重を軽減し、無人飛行体の劣化を防止する上で有利となる。また、バルーン内のガスは目的地点に到達後排出されるので、水底形状測定中の3次元形状測定部の姿勢を安定させる上で有利となる。
また、支持部材により3次元形状測定部を飛行体に対して移動不能に支持すると、波浪により3次元形状測定部が飛行体に対して相対的に揺れ動くことを抑制でき、3次元形状測定部による測定をより精度良く行なう上で有利となる。
図1に示すように、本実施の形態の水底形状測定装置10は、管理装置12と、無人飛行体14とを含んで構成されている。
管理装置12は、水底22(図3参照)の形状を測定する海、河川、湖などの近傍の地上に設けられている。
管理装置12は、遠隔操作司令部12Aと、管理装置側通信部12Bと、地図データベース部12Cと、表示部12Dと、管理装置側飛行制御部12Eと、水底形状情報生成部12Fと、情報処理部12Gと、記憶部12Hと、出力部12Iとを含んで構成されている。
また、遠隔操作司令部12Aは、操作ボタンなどの操作部材を作業者が操作することで無人飛行体14に搭載された測位部14Dおよび3次元形状測定部14Eの動作を開始させ、あるいは、停止させるための測位部14Dの操作指令情報、3次元形状測定部14Eの操作司令情報を生成するものである。
また、遠隔操作司令部12Aは、作業者の操作に従って、後述するガス制御部14Fに対するガスの封入指示および排出指示を示す指示情報を生成するものである。
なお、画像情報、測位情報、3次元形状情報については後で詳述する。
したがって、作業者は、表示部12Dによって表示された画像情報、3次元形状情報に基づいて無人飛行体14の遠隔操作を行なうことが可能となっている。
また、表示部12Dは、管理装置側通信部12Bで受信された測位情報に基づいて、地図データベース部12Cに格納されている地図情報を読み出して表示すると共に、無人飛行体14の現在位置を表示部12Dの表示画面上に表示された地図の上に表示するように構成されている。
したがって、作業者は、表示部12Dによって表示された地図と無人飛行体14の現在位置とに基づいて無人飛行体14の遠隔操作を行なうことが可能となっている。
すなわち、地図データベース部12Cの地図情報に基づいて、無人飛行体14を測定すべき水底22に沿って飛行するような飛行コースを設定しておき、管理装置側飛行制御部12Eによって測位情報と飛行コースに基づいて飛行体操作指令情報を生成し、飛行体操作指令情報を管理装置側通信部12Bから無線回線Nを介して飛行体側通信部14Aに送信し、飛行体操作指令情報を飛行体側飛行制御部14Cに与えることで、無人飛行体14を自動制御することができる。
本実施の形態では、表示部12Dによる水底形状情報の表示は、情報処理部12Gによって生成された水底22の形状を示す断面図、斜視図、等深線図などを表示することでなされる。
出力部12Iは、記憶部12Hに記憶された水底形状情報や断面図、斜視図、等深線図などを出力するものであり、例えば、メモリカードなどの半導体記録媒体にそれら水底形状情報や図を記録し、あるいは、ネットワークを介して端末装置にそれら水底形状情報や図を送信したり、あるいは、プリンタを用いて紙媒体にそれら水底形状情報や図を印刷したりするものである。
さらに、無人飛行体14は、図1に示すように、飛行体側通信部14A、撮像部14B、飛行体側飛行制御部14C、測位部14D、3次元形状測定部14E、ガス制御部14Fを含んで構成されている。
飛行体側飛行制御部14Cは、管理装置側通信部12Bから無線回線Nを介して飛行体側通信部14Aに送信された飛行体操作指令情報に基づいて各ロータ18を回転制御することで、無人飛行体14を飛行させるものである。
測位部14Dは、飛行体本体16に搭載され測位衛星から受信した測位信号に基づいて無人飛行体14の位置を測位し測位情報として生成するものである。
このような測位衛星は、GPS、GLONASS、Galileo、準天頂衛星(QZSS)等のGNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)で用いられるものであり、それら測量システムで使用される測位衛星の1つを用いてもよく、あるいは、2つ以上の測位衛星を組み合わせて用いても良い。
図2および図3に示すように、支持部材20は、例えば、リジッドな金属製または樹脂製のロッドあるいはフレームで構成され、3次元形状測定部14Eを飛行体本体16に対して移動不能に支持している。より詳細には、支持部材20は、飛行体本体16の下面と3次元形状測定部14Eの上部とを接続し、無人飛行体14の飛行中にはその延在方向が重力方向と一致する。
なお、ロッドやフレームに代えて可撓可能なワイヤやロープを用いてもよいが、ロッドあるいはフレームを用いて3次元形状測定部14Eを飛行体本体16に対して移動不能に支持すると、波浪により3次元形状測定部14Eが飛行体本体16に対して相対的に揺れ動くことを抑制でき、3次元形状測定部14Eによる測定をより精度良く行なう上でより有利となる。
ソナーは、超音波を水底22に照射すると共に、水底22からの反射波を受信し、受信波に基づいて3次元形状情報を生成するものである。
ソナーとして、単一のビーム状の超音波26を水底22に向かってスキャン(走査)するもの、あるいは、広がりを持った複数のビーム状の超音波26(マルチビーム)を同時に水底22に向かって照射するものの何れを用いても良く、このようなソナーとして従来公知の様々なソナーが使用可能である。
レーザー測定機として、従来公知の単一のレーザー光28を水底22に向かってスキャン(走査)するものを使用することができる。
なお、形状測定に使用するレーザー光28としてはグリーンレーザーが用いられることが多く、これは、グリーンレーザーが水によって吸収されにくく水底22まで確実に届き、水底22からの反射光の強度を確保できるためである。
本実施の形態の水底形状測定装置10は、無人飛行体14(飛行体本体16)に3次元形状測定部14Eを吊り下げた状態で移動する。特に3次元形状測定部14Eの重量が大きい場合、無人飛行体14の負荷が大きくなり、場合によっては飛行体本体16の強度を強くしたり、ロータ18を回転駆動するモータの出力を大きくする必要があり、コストが増大する。
そこで、本実施の形態では、バルーン30を用いた荷重軽減機構40を設け、無人飛行体14の負荷を軽減するようにしている。
バルーン30は、後述するガス供給部34および支持部材20を介して3次元形状測定部14Eに接続されている。バルーン30には、例えばヘリウムガスなどの空気より比重が小さいガス(以下、単に「ガス」という)が封入される。本実施の形態では、バルーン30を2つ図示しているが、バルーン30の数はこれに限らず、1つでも3つ以上であってもよい。
バルーン30の材料は任意であるが、例えばゴム等の伸縮性を有する素材で形成されていれば、ガスの排出をスムーズに行うことができる。
また、本実施の形態では、ガス供給部34および支持部材20を介してバルーン30と3次元形状測定部14Eとが接続されているが、これに限らず、例えばバルーン30を直接3次元形状測定部14Eに接続(取り付け)してもよい。
すなわち、ガス制御部14Fは、無人飛行体14の移動時(特に一定距離以上移動する場合)には、図2に示すようにバルーン30内にガスを封入した状態とする。これにより、飛行体本体16にかかる3次元形状測定部14Eの荷重を軽減し、無人飛行体14の負荷を軽減することができる。
すなわち、ガス制御部14Fは、無人飛行体14が一定の位置に留まる際には、図3に示すようにバルーン30内のガスを排出した状態とする。これにより、特に水底形状の測定開始中は、3次元形状測定部14E自体の荷重により、3次元形状測定部14Eの水中での位置を安定させることができる。
ガスの封入および排出を自動的に行う場合、例えばガス制御部14Fは、移動開始地点および目標地点の位置情報(緯度経度など)を予め保持し、測位部14Dで生成された測位情報が上記位置情報と一致した際に、ガスの封入および排出を実施する。より詳細には、ガス制御部14Fは、移動開始地点ではガスの封入を、目標地点ではガスの排出を、それぞれ実施する。この方法は、管理装置側飛行制御部12Eによる自動制御を行う場合に特に有効である。
また、ガスの封入および排出を遠隔操作で行う場合、例えばガス制御部14Fは、管理装置12に対して作業者により入力されるガスの封入指示および排出指示に基づいて、ガスの封入および排出を実施する。より詳細には、作業者は、移動開始地点ではガスの封入を、目標地点ではガスの排出を、それぞれ指示し、ガス制御部14Fは、それぞれの指示に従ってガスの封入および排出を実施する。この方法は、作業者の遠隔制御により無人飛行体14を飛行させる場合に特に有効である。
図5のフローチャートでは、作業者の指示によりバルーン30内のガスの封入および排出を行う場合について説明する。初期状態では、バルーン30内にはガスが封入されていないものとする。
まず、作業者は、管理装置12の遠隔操作司令部12Aを操作することにより、バルーン30内にガスを封入させる(ステップS10)。
つぎに、作業者は、管理装置12の遠隔操作司令部12Aを操作することにより、無人飛行体14を所定の待機場所から飛行させ、表示部12Dに表示される無人飛行体14周囲の画像情報を視認しつつ、水底形状を測定する海、湖、河川の箇所に無人飛行体14を飛行させる(ステップS12)。
水底形状を測定する箇所に無人飛行体14が到達すると、作業者は、管理装置12の遠隔操作司令部12Aを操作することにより、バルーン30内のガスを排出させる(ステップS14)。
そして、作業者は、表示部12Dに表示される無人飛行体14周囲の画像情報を視認しつつ、無人飛行体14を水面24に向けて降下させ、3次元形状測定部14Eを空中から水中に移動させ、3次元形状測定部14Eが水面24から所定の深さに位置させた状態でホバリングさせその状態を維持する(ステップS16)。なお、バルーン30からのガスの排出は、無人飛行体14を水面24に向けて降下させた後に行ってもよい。
次いで、作業者は、管理装置12の遠隔操作司令部12Aを操作することにより、測位部14Dおよび3次元形状測定部14Eの動作を開始させる(ステップS18)。
これにより、測位部14Dで生成された測位情報および3次元形状測定部14Eで生成された3次元形状情報が無線回線Nを介して無人飛行体14から管理装置12の水底形状情報生成部12Fに送信され(ステップS20)、水底形状情報生成部12Fにより水底形状情報が生成される(ステップS22)。
さらに作業者は、表示部12Dに表示される画像情報、水底22の形状を示す断面図、斜視図、等深線図などを視認しつつ、まだ、形状測定がなされてない水底22の形状測定ができるように、遠隔操作司令部12Aを操作することにより、無人飛行体14を水平方向に飛行させ、測定箇所を移動させる(ステップS24)。
そして、作業者は、表示部12Dに表示される画像情報、水底22の形状を示す断面図、斜視図、等深線図などを視認することで、形状測定すべき水底22の領域の全域にわたって測定が終了したか否かを判断する(ステップS26)。
ステップS26が否定ならばステップS20に戻り同様の動作を行なう。
ステップS26が肯定ならば、作業者は、遠隔制御によりバルーン30内にガスを封入させた上で(ステップS28)、無人飛行体14を上昇させ、3次元形状測定部14Eを水中から空中に引き上げ、表示部12Dに表示される画像を視認しつつ、無人飛行体14を所定の待機場所に向かって飛行させる(ステップS30)。待機場所に無人飛行体14が到達すると、作業者は、遠隔制御によりバルーン30内にガスを排出させた上で(ステップS32)、待機場所に着陸させる(ステップS34)。
そして、記憶部12Hに格納されていた水底22の領域の全域の水底形状情報が出力部12Iから出力され(ステップS36)、一連の測定動作が終了する。
したがって、従来のようにソナーを設けた観測船が不要となるため、観測船と観測船を運行するための船舶免許資格者が必要となり、設備コスト、運用コストを低減する上で有利となる。
しかしながら、本実施の形態のように、無人飛行体14から離れた管理装置12に水底形状情報生成部12Fを設け、水底形状情報生成部12Fによる水底形状情報の生成を、無線回線Nを介して供給される3次元形状情報および測位情報に基づいて行なうようにすると、無人飛行体14に水底形状情報生成部12Fを設ける場合に比較して、無人飛行体14の省電力化、軽量化を図れることから、無人飛行体14の飛行継続時間を確保でき、したがって、無人飛行体14の一回の飛行によってより広い範囲の水底22の3次元形状の測定を行なうことができ、測定の効率化を図る上で有利となる。
したがって、レーザー測定機が空中から水中に照射される場合に比較して、レーザー光28が空気(大気)と水面24との界面を通らないため、界面でレーザー光28が散乱して光量が低下することが抑制されるので、より深度の大きな水底22の水底形状情報を得る上で有利となる。
12 管理装置
14 無人飛行体
12B 管理装置側通信部
12F 水底形状生成部
14A 飛行体側通信部
14D 測位部
14E 3次元形状測定部
14F ガス制御部
20 支持部材
22 水底
26 超音波
28 レーザー光
30 バルーン
32 ガス保持部
34 ガス供給部
38 ガス排出弁
39 ガス排出孔
40 荷重軽減機構
N 無線回線
Claims (5)
- 水底の形状を測定する水底形状測定装置であって、
遠隔制御される無人飛行体と、
前記無人飛行体に支持部材を介して吊り下げられ水中に位置した状態で前記水底の3次元形状を測定し3次元形状情報を生成する3次元形状測定部と、
前記無人飛行体に搭載され測位衛星から受信した測位信号に基づいて前記無人飛行体の位置を測位し測位情報として生成する測位部と、
前記3次元形状情報および前記測位情報に基づいて前記水底の形状を地球上の座標位置で示される水底形状情報として生成する水底形状情報を生成する水底形状情報生成部と、
前記3次元形状測定部に接続され、空気より比重が小さいガスが封入されるバルーンと、
前記バルーンへの前記ガスの封入および排出を制御するガス制御部と、を備え、
前記ガス制御部は、前記無人飛行体が移動開始地点から所定の目標地点に移動するまでは前記バルーン内に前記ガスを封入した状態とし、前記無人飛行体が前記目標地点に移動すると前記バルーンから前記ガスを排出させる、
ことを特徴とする水底形状測定装置。 - 前記ガス制御部は、前記移動開始地点および前記目標地点の位置情報を予め保持し、前記測位部で生成された前記測位情報が前記位置情報と一致した際に、前記ガスの封入および排出を実施する、
ことを特徴とする請求項1記載の水底形状測定装置。 - 前記無人飛行体から離れた箇所に管理装置が設けられ、
前記ガス制御部は、前記管理装置に対して入力される前記ガスの封入指示および排出指示に基づいて、前記ガスの封入および排出を実施する、
ことを特徴とする請求項1記載の水底形状測定装置。 - 前記バルーンは、伸縮性を有する素材で形成されており、
圧縮された前記ガスが封入されたガス保持部と、前記ガス保持部と前記バルーンとを接続するガス供給部と、前記ガス保持部内の前記ガスの前記ガス供給部内への流入の有無を切り替えるガス供給弁と、前記ガス供給部に設けられたガス排出孔の開閉を制御するガス排出弁と、を
更に備え、
前記ガス制御部は、前記ガス供給弁および前記ガス排出弁の開閉を行うことにより前記ガスの封入および排出を実施する、
ことを特徴とする請求項1記載の水底形状測定装置。 - 前記支持部材は、前記3次元形状測定部を前記飛行体に対して移動不能に支持している、
ことを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載の水底形状測定装置。
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