JP2021041557A - 炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材およびその製造方法 - Google Patents

炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021041557A
JP2021041557A JP2019163244A JP2019163244A JP2021041557A JP 2021041557 A JP2021041557 A JP 2021041557A JP 2019163244 A JP2019163244 A JP 2019163244A JP 2019163244 A JP2019163244 A JP 2019163244A JP 2021041557 A JP2021041557 A JP 2021041557A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composite material
resin composite
prepreg
carbon fiber
thermoplastic resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019163244A
Other languages
English (en)
Inventor
侃 戸野
Tsuyoshi Tono
侃 戸野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2019163244A priority Critical patent/JP2021041557A/ja
Publication of JP2021041557A publication Critical patent/JP2021041557A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Abstract

【課題】十分に炭素繊維が充填されたリブ部を有することで優れた機械的特性を付与された繊維強化樹脂複合材を提供する。【解決手段】炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法は、ベース部12とベース部上に設けられたリブ部14とを有し、リブ部が炭素繊維34を含んでいる、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材を製造する方法である。製造方法は、炭素繊維が一軸方向UDに配向されたプリプレグ20を炭素繊維の平均繊維長が1cm以上20cm以下となるように切断する工程と、複数のプリプレグを積層する工程と、複数の切断済みのプリプレグを含んだ積層体25を加熱プレス成形する工程と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材およびその製造方法に関する。
繊維強化樹脂成形品である炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材(以下において、繊維強化樹脂複合材とも呼ぶ)の製造方法として、例えば、複数の連続強化繊維を一方向に引き揃えた強化繊維束に熱可塑性樹脂を含浸した一軸方向性プリプレグの2層以上からなる積層体を、金型を用いた加熱プレス成形によって、所定の形状に賦形する方法、いわゆるスタンピング成形法が知られている。
この方法によって得られた繊維強化樹脂複合材は、連続強化繊維を含むため、機械的強度が高い。また、連続強化繊維が規則的に配列しているため、所望の機械的強度を有する繊維強化樹脂複合材を設計することができ、機械的強度のばらつきも小さい。
しかし、連続強化繊維を含む積層体は、プレス成形の際の流動性が悪いため、複雑な形状に賦形することは難しい。そのため、スタンピング成形法によって得られる繊維強化樹脂複合材は、主として平面形状に近いものに限られる。
高さのあるリブ部を備える繊維強化樹脂複合材を製造するその他の方法として、例えば下記の方法(1)〜(4)が提案されている。
(1)樹脂および強化繊維を含む第1の樹脂材料をプレス成形して一次成形品を得た後、一次成形品と金型のキャビティ面との間に残った空間部に第2の樹脂材料を充填する、オーバーモールディングと呼ばれる方法(例えば、特許文献1)。
(2)複数の連続強化繊維を一方向に引き揃えた強化繊維束に熱可塑性樹脂を含浸した一軸方向性プリプレグに切れ込みを形成することによって連続強化繊維を不連続強化繊維に切断したプリプレグを用いる方法(例えば、特許文献2)。
(3)プレス射出ハイブリッド成形で製造されたリブ構造を有する繊維強化樹脂複合材であり、炭素繊維を含むリブ根元部と、熱可塑性樹脂からなるリブ部を有し、リブ根元部の平均高さHaと前記リブ部の最大厚さTrとの比を特定範囲とする方法(例えば、特許文献3)。
(4)長繊維のランダムマットを加熱プレス成形することで、リブ部を有する衝突エネルギー吸収部材を製造する方法(例えば、特許文献4)。
特許第5072133号公報 特開昭63−247012号公報 特開2017−080930号公報 国際公開2013−080974号公報
(1)の方法では、最初のプレス成形の後、一次成形品と金型のキャビティ面との間に、リブ等の複雑な形状に対応する空間部が残る。次いで、該空間部に第2の樹脂材料を充填することによって、第2の樹脂材料をリブ等の複雑な形状に賦形できる。しかし、(1)の方法では、一次成形品と第2の樹脂材料との界面における接合強度が低く、繊維強化樹脂成形品のリブ部における機械的強度が不十分である。
(2)の方法には、切れ込みをいれたプリプレグからなる積層体が開示されているのみで、リブ部を含む繊維強化樹脂成形品についての記載はない。
(3)の方法では、ベース部とリブ根元部には炭素繊維が含まれており、優れた強度を有するが、射出によって成形されるリブ先端部には炭素繊維が含まれておらず、リブ自体に十分な強度が得られない。特に、横方向からの応力に関してはリブ根元部の強度が重要だが、縦(リブの高さ)方向からの応力に対してはリブ全体の機械強度が重要となる。
(4)の方法では、ベース部及びリブ部にランダム配置された炭素繊維が含まれているが、ランダムマット材からなるリブ構造は炭素繊維含有量あたりの特定方向の機械強度を十分に改善することは難しい。
一方、本発明者等は、鋭意検討を行った結果として、一軸方向性プリプレグの炭素繊維を特定の平均繊維長に切断するとともに、切断後のプリプレグをランダム化せず多層積層した積層体を加熱プレス成形することで、十分に炭素繊維が充填されたリブ部を有する繊維強化樹脂複合材が得られることを見いだした。すなわち、本発明は、十分に炭素繊維が充填されたリブ部を有することで優れた機械的特性を付与された繊維強化樹脂複合材の提供を目的とする。
[1] 本発明による炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法は、
炭素繊維が一軸方向に配向されたプリプレグを前記炭素繊維の平均繊維長が1cm以上20cm以下となるように切断する工程と、
複数のプリプレグを積層して積層体を形成する工程と、
複数の切断済みのプリプレグを含んだ積層体を加熱プレス成形して、ベース部と、前記ベース部と一体的に成形されて前記ベース部から突出し、前記炭素繊維を含んでいる炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材を作製する工程と、を含む。
[2] 前記積層する工程において、複数の切断済みのプリプレグを積層する、[1]に記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法。
[3] 前記切断する工程において、積層された複数のプリプレグを含む積層体を切断する、[1]に記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法。
[4] 前記積層体の積層方向に隣接する二つの切断済みのプリプレグの一方に含まれる任意の切断線が、前記積層方向への投影において、前記二つの切断済みのプリプレグの他方に含まれるすべての切断線から少なくとも部分的にずれている、[1]〜[3]のいずれかに記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法。
[5] 前記積層体に含まれる前記複数のプリプレグの前記炭素繊維の配向方向は、1以上4以下の方向を向いている、[1]〜[4]のいずれかに記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法。
[6] 前記リブ部の前記ベース部からの突出高さH〔mm〕の前記リブ部の厚みT〔mm〕に対する比(H/T)は、10以上500以下である、[1]〜[6]のいずれかに記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法。
[7] 前記リブ部は、前記ベース部に沿った長手方向を有し、
前記積層体に含まれる少なくとも一つのプリプレグの前記炭素繊維の配向方向は、前記リブ部の前記長手方向と平行または直交する、[1]〜[6]のいずれかに記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法。
[8] 前記ベース部及び前記リブ部は一体成形される、[1]〜[7]のいずれかに記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法。
[9] 前記切断する工程において、前記一軸方向と非平行な方向に沿った切断線に沿って前記プリプレグを切断し、前記切断線の少なくとも一方の端部は前記プリプレグの周縁部の内側に位置する、[1]〜[8]のいずれかに記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法。
[10] 前記切断する工程において、複数のプリプレグ片に分断するように前記プリプレグを切断する、[1]〜[8]のいずれかに記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法。
[11] 前記切断する工程において、一つのプリプレグ及び他の一つのプリプレグを、前記一軸方向に沿って同一の一定ピッチで切断し、
前記積層する工程において、前記一つのプリプレグ及び前記他の一つのプリプレグを、それぞれの前記炭素繊維の配向方向を揃え且つ切断位置が前記配向方向にずれるようにして、好ましくは前記一定ピッチの半分の長さだけ切断位置が前記配向方向にずれるようにして、積層する、[1]〜[10]のいずれかに記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法。
[12] 前記リブ部は、前記ベース部に沿った長手方向を有し、
前記積層体に含まれる少なくとも一つのプリプレグの切断線は、前記リブ部の前記長手方向に対して傾斜する、[1]〜[11]のいずれかに記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法。
[13] 前記炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材は、複数の板状のリブ部を有し、
前記炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材に含まれる一つリブ部は、前記ベース部に沿った長手方向を有し、
前記炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材に含まれる他の一つリブ部は、前記一つリブ部の前記長手方向と非平行であって前記ベース部に沿った長手方向を有し、
前記積層体に含まれる一つのプリプレグの前記炭素繊維の配向方向は、前記一つリブ部の前記長手方向と平行であり、
前記積層体に含まれる他の一つのプリプレグの前記炭素繊維の配向方向は、前記他の一つリブ部の前記長手方向と平行である、[1]〜[12]のいずれかに記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法。
[14] 前記炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材は、配列方向に離間して配置されて前記配列方向と非平行な長手方向に各々が延びる複数の板状のリブ部を有し、
前記切断済みプリプレグを作製する工程において、炭素繊維の平均繊維長が前記配列方向に沿って隣り合う二つのリブ部の離間間隔以下となるように、前記プリプレグを切断する、[1]〜[13]のいずれかに記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法。
[15] 前記炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材は、第1配列方向に離間して配置されて前記第1配列方向と非平行な第1長手方向に各々が延びる複数の板状の第1リブ部と、前記第1配列方向と非平行な第2配列方向に離間して配置されて前記第2配列方向と非平行な第2長手方向に各々が延びる複数の板状の第2リブ部と、を有し、
前記積層体に含まれる一つのプリプレグの前記炭素繊維の配向方向は、前記第1長手方向と平行であり、前記一つのプリプレグの前記炭素繊維の平均繊維長が前記第2配列方向に沿って隣り合う二つの第2リブ部の離間間隔以下であり、
前記積層体に含まれる他の一つのプリプレグの前記炭素繊維の配向方向は、前記第2長手方向と平行であり、前記他の一つのプリプレグの前記炭素繊維の平均繊維長が前記第1配列方向に沿って隣り合う二つの第1リブ部の離間間隔以下である、[1]〜[14]のいずれかに記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法。
[16] [1]〜[15]のいずれかに記載された製造方法によって製造された炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材。
[17] 複数の炭素繊維および熱可塑性樹脂を有する炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材であって、
ベース部と、
前記ベース部から突出したリブ部と、を備え、
少なくとも一部の炭素繊維が、前記ベース部と前記リブ部との間を跨がって延びている、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材。
[18] 複数の炭素繊維および熱可塑性樹脂を有する炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材であって、
ベース部と、
前記ベース部から突出したリブ部と、を備え、
前記リブ部は、前記ベース部に沿った長手方向を有し、
少なくとも一部の炭素繊維が、その全長に亘って、前記リブ部内に位置し前記長手方向に延びている、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材。
[19] 前記一軸方向に離間して配置された複数のリブ部が配置され、
前記少なくとも一部の炭素繊維の長さは、前記一軸方向に沿った前記複数のリブ部の離間間隔よりも短い、[17]又は[18]に記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材。
[20] 前記少なくとも一部の炭素繊維の一方の端部が前記ベース部内に位置し、他方の端部が前記リブ部内に位置する、[17]〜[19]のいずれかに記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材。
本発明によれば、繊維強化樹脂複合材のリブ部に炭素繊維を十分に充填することができ、これにより、繊維強化樹脂複合材に優れた機械的特性を付与することができる。
図1は、本発明の一実施の形態を説明するための図であって、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の一例を示す斜視図である。 図2は、図1の炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材を示す上面図である。 図3は、図1の炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材を示す縦断面図であって、図2のIII−III線に沿った断面を示す。 図4は、図1に対応する図であって、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の他の例を示す斜視図である。 図5は、図1に対応する図であって、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の更に他の例を示す斜視図である。 図6は、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法の一例を説明するための図である。 図7は、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法の一例を説明するための図である。 図8は、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法の一例を説明するための図である。 図9は、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法における切断方法の一例を説明するための図である。 図10は、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法における切断方法の他の例を説明するための図である。 図11は、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法における切断方法の更に他の例を説明するための図である。 図12は、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法における切断方法の更に他の例を説明するための図である。 図13は、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法における積層方法の一例を説明するための図である。 図14は、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法における積層方法の他の例を説明するための図である。 図15は、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法における積層方法の更に他の例を説明するための図である。 図16は、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法の他の例を説明するための図である。 図17は、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法の加熱プレス成形方法の一例を説明するための図である。 図18は、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法の加熱プレス成形方法の一例を説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1〜図18は、本発明の一実施の形態を説明するための図である。このうち、図1〜図3は、それぞれ、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の一具体例を示す斜視図、上面図および断面図である。図4及び図5は、それぞれ、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の別の例を示す斜視図である。図6〜図8は、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法の一例を説明するための図である。図9〜図18は、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法の詳細や変形例を説明するための図である。
以下に説明する一実施の形態では、繊維強化樹脂複合材のリブ部に炭素繊維を十分に充填するための工夫がなされている。結果として、得られた炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材は、炭素繊維に起因した十分な機械的特性、典型的には優れた引張強度や優れた曲げ剛性を有している。
以下、図面に示された具体例を参照しながら一実施の形態について説明する。なお、図面間での方向関係を明確化するため、いくつかの図面には、配向方向OD、配列方向AD、長手方向LD等を図面間で共通する方向として示している。
まず、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材10について説明する。なお、以下の説明では、「炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材」を略して「繊維強化樹脂複合材」とも呼ぶ。
図1〜図5に示すように、繊維強化樹脂複合材10は、ベース部12と、ベース部12から突出したリブ部14と、を有している。ベース部12及びリブ部14は、母材としての熱可塑性樹脂32と、熱可塑性樹脂32に保持された炭素繊維34と、を含んでいる。後述する製造方法により、リブ部14は、ベース部12と一体的に成形されている。熱可塑性樹脂32及び炭素繊維34に用いられる材料等の詳細については、繊維強化樹脂複合材10の製造方法において後述する。
ベース部12は、典型的には平板状の外形状を有している。ただし、この例に限られず、ベース部12は、直方体状、回転体状、錐台状等の種々の外形状を有することができる。
図示された平板状のベース部12を有する繊維強化樹脂複合材10は、全体として偏平形状を有している。繊維強化樹脂複合材10を全体的かつ大局的に見た場合において繊維強化樹脂複合材10の平面方向と一致する面に直交する方向を、繊維強化樹脂複合材10の法線方向NDと呼ぶ。繊維強化樹脂複合材10の法線方向NDは、図示された例において、平板状のベース部12の法線方向と一致する。
リブ部14は、ベース部12の表面から延び出している。リブ部14は、ベース部12を補強する。リブ部14は、典型的には、ベース部12の表面から法線方向NDに延び出している。リブ部14の形状や数量等は、特に限定されない。リブ部14は、図示された例のようにベース部12の一つの面上のみに設けられていてもよい。他の例として、リブ部14は、ベース部12の複数の面上に設けられていてもよいし、平板状からなるベース部12の一対の主面上に設けられていてもよい。また、リブ部14は、ベース部12上に種々のパターンで設けられ得る。
リブ部14は、棒状または平板状に形成されて、ベース部12上を延びるようにしてもよい。棒状または平板状に形成されたリブ部14によれば、繊維強化樹脂複合材10の重量化を効果的に抑制しながら、繊維強化樹脂複合材10の機械的特性を効果的に改善することができる。また、長手方向LDを有する複数のリブ部14がベース部12上において交差するようにしてもよい。複数のリブ部14がベース部12上で交差することにより、種々の方向への機械的特性を効果的に改善することができる。通常、長手方向LDを有するリブ部14が設けられた繊維強化樹脂複合材10では、長手方向LDへの剛性および長手方向LDに直交する軸線まわりの曲げ剛性を大幅に改善することができる。逆に言えば、引っ張り力を受ける繊維強化樹脂複合材10では、通常、当該引っ張り力が加えられる方向に沿った長手方向LDを有するリブ部14が設けられる。また、曲げ力を受ける繊維強化樹脂複合材10では、通常、当該曲げ力の曲げ軸線に直交する方向に沿った長手方向LDを有するリブ部14が設けられる。
図1〜図3に示された例において、リブ部14は、ベース部12上に格子状に設けられている。この繊維強化樹脂複合材10において、リブ部14は、複数の板状の第1リブ部14A及び複数の板状の第2リブ部14Bを有している。各第1リブ部14Aは、複数の第2リブ部14Bと交差している。各第2リブ部14Bは、複数の第1リブ部14Aと交差している。複数のリブ部14は、互いに一体的に成形されている。
図1〜図3に示された例において、複数の第1リブ部14Aは、ベース部12に沿った第1配列方向AD1に配列されている。とりわけ図示された例において、複数の第1リブ部14Aは、第1配列方向AD1に一定の離間間隔DA1(図2参照)をあけて配列されている。各第1リブ部14Aは、ベース部12に沿った第1長手方向LD1に線状に延びている。とりわけ図示された例において、各第1リブ部14Aは、第1配列方向AD1に直交する第1長手方向LD1に沿って直線状に延びている。
図1〜図3に示された例において、複数の第2リブ部14Bは、ベース部12に沿った第2配列方向AD2に配列されている。とりわけ図示された例において、複数の第2リブ部14Bは、第2配列方向AD2に一定の離間間隔DA2(図2参照)をあけて配列されている。また、第2配列方向AD2は、第1配列方向AD1に直交している。各第2リブ部14Bは、ベース部12に沿った第2長手方向LD2に線状に延びている。とりわけ図示された例において、各第2リブ部14Bは、第2配列方向AD2に直交する第2長手方向LD2に沿って直線状に延びている。また、第2長手方向LD2は、第1長手方向LD1に直交している。
次に、図4に示された例において、リブ部14は、ベース部12上で格子状を形成する板状のリブ部と、格子によって形成された矩形形状の対角線に沿って延びる板状のリブ部と、を含んでいる。図5に示された例において、リブ部14は、ベース部12にハニカム配列にて配列されたリブ部を含んでいる。各リブ部は、板状に形成され、正六角形の一辺に沿って延びている。
なお、図3に示すように、リブ部14は、その長手方向LDに直交する断面において、ベース部12から法線方向NDに延び出している。リブ部14の厚さTは、法線方向NDに沿った各位置において一定であってもよい。ただし、成形による製造方法を考慮すると、離型性を考慮して、ベース部12の断面形状はベース部12から離間するにつれて先細りすることが好ましい。具体的には、法線方向NDに対して両側面が1°以上2°以下傾斜するように、ベース部12が先細りするようにしてもよい。また、リブ部14の断面形状は、図示された例のように長方形状や錐台形状に限られず、種々の形状とすることができる。
繊維強化樹脂複合材10において、リブ部14の高さHは、10mm以上100mm以下であることが好ましい。リブ部14の高さHを上記範囲にすることにより、繊維強化樹脂複合材10を高い生産性で得ることができる。リブ部14の高さHは、より好ましくは2mm以上80mm以下、更に好ましくは5mm以上50mm以下であり、特に好ましくは8mm以上30mm以下である。
また、加熱プレス成形における成形性を確保する観点から、リブ部14のベース部12からの突出高さH〔mm〕のリブ部14の高さに直交する厚みT〔mmの〕に対する比(H/T)は、10以上500以下であることが好ましい。この比(H/T)は、11以上100以下であることがより好ましく、12以上50以下であることが更に好ましい。
繊維強化樹脂複合材10において、ベース部12の厚さKは、0.01mm以上40mm以下であることが好ましい。リブ部14の高さHと同様に、ベース部12の厚さKを上記範囲にすることにより、繊維強化樹脂複合材10を高い生産性で得ることができる。ベース部12の厚さKは、より好ましくは0.1mm以上10mm以下であり、更に好ましくは0.2mm以上5mm以下であり、特に好ましくは0.3mm以上2mm以下である。
ところで、繊維強化樹脂複合材10のベース部12及びリブ部14は、母材としての熱可塑性樹脂32と、熱可塑性樹脂32に保持された炭素繊維34と、を有している。リブ部14は、ベース部12と一体的に成形されている。とりわけ本実施の形態では、熱可塑性樹脂32のみがベース部12及びリブ部14に跨がって連続的に設けられているだけでなく、炭素繊維34もベース部12及びリブ部14に跨がって設けられている。このような繊維強化樹脂複合材10によれば、ベース部12とリブ部14との接合強度を効果的に向上させることができ、繊維強化樹脂複合材10に優れた機械的特性を付与することができる。
また、後述するように炭素繊維の平均繊維長が調整されることで、図3に示すように、少なくとも一部の炭素繊維34の一方の端部はベース部12内に位置し、当該炭素繊維34の他方の端部がリブ部14内に位置するようになる。このような繊維強化樹脂複合材10によれば、ベース部12とリブ部14との接合強度を効果的に向上させることができ、繊維強化樹脂複合材10に優れた機械的特性を付与することができる。
同様に、後述するように炭素繊維の平均繊維長が調整されることで、図3に示すように、少なくとも一部の炭素繊維34が、リブ部14の長手方向LDに延びるようにして、その全長に亘って当該リブ部14内に位置するようになる。上述したように、リブ部14は補強を目的として通常設けられ、その長手方向に引っ張り応力を受けるようになる。したがって、リブ部14の長手方向LDに沿って延びる炭素繊維34が存在することで、繊維強化樹脂複合材10に所望の機械的特性を効果的に付与することができる。
なお、図3に二点鎖線で示すように、繊維強化樹脂複合材10に、金属や樹脂からなる追加の層が積層されてもよい。図3に二点鎖線で示された例において、繊維強化樹脂複合材10のベース部12に、樹脂層16及び金属層17がこの順で積層されている。ただし、図3に示された例とは異なり、繊維強化樹脂複合材10のベース部12に金属層17及び樹脂層16がこの順番で積層されるようにしてもよいし、樹脂層16及び金属層17のいずれかのみがベース部12に積層されるようにしてもよいし、或いは、更なる樹脂層16や金属層17が二層以上積層されるようにしてもよい。
次に、繊維強化樹脂複合材の製造方法について説明する。
以下に説明する繊維強化樹脂複合材の製造方法は、炭素繊維34が一軸方向UDに配向された一軸方向性炭素繊維プリプレグ20を炭素繊維34の平均繊維長が1cm以上20cm以下となるように切断する工程(図6参照)と、複数のプリプレグ20を積層する工程(図7参照)と、複数の切断済みのプリプレグ22を含んだ積層体25を加熱プレス成形する工程(図8参照)と、を含んでいる。このような製造方法によれば、熱可塑性樹脂32及び炭素繊維34がベース部12に十分に充填された繊維強化樹脂複合材10を製造することができる。以下、各工程について説明する。
まず、プリプレグ20を切断する切断工程について説明する。
切断対象となるプリプレグ20は、熱可塑性樹脂32と炭素繊維34とを含んでいる。このプリプレグ20は一軸方向性炭素繊維プリプレグであって、このプリプレグ20において、炭素繊維34は一軸方向UDに配向されている。すなわち、炭素繊維34は概ね一軸方向UDに沿って延びている。プリプレグ20において、多数の炭素繊維34が一軸方向UDに直交する方向に並べられている。結果として、プリプレグ20に含まれる多数の炭素繊維34は、シート状に配列されている。熱可塑性樹脂32は、このように配列された炭素繊維34の束にマトリックス樹脂として含浸している。プリプレグ20は、シート状の外形状を有している。
一軸方向性プリプレグ20は、次のようにして作製され得る。まず、一軸方向UDに延びる複数の炭素繊維(単繊維)を含む炭素繊維束を一軸方向UDに直交する方向に配列して、炭素繊維シート状物を作製する。一つの炭素繊維束を構成している炭素繊維の本数は、1000本以上100000本以下とすることができる。炭素繊維シート状物における炭素繊維の目付は、700g/m2以上7000g/m2以下とすることができる。炭素繊維の目付が700g/m2以上であると、炭素繊維束を用いて得られたプリプレグ20の機械的強度を向上させることができる。炭素繊維の目付が7000g/m2以下であると、炭素繊維間に熱可塑性樹脂を均一に含浸させることができ、炭素繊維束を用いて得られたプリプレグの機械的強度を向上させることができる。
次に、炭素繊維シート状物と熱可塑性樹脂フィルムとを積層する。その後、炭素繊維シート状物及び熱可塑性樹脂フィルムの積層物を加熱加圧することによって、炭素繊維シート状物中に熱可塑性樹脂を含浸させることで、プリプレグ20が得られる。
プリプレグ20に含まれる炭素繊維34として、ポリプロピレン及びポリプロピレン酸変性物、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、エチレン塩ビ共重合体、酢酸ビニル塩ビ共重合体、αオレフィン塩ビ共重合体、マレイン酸塩ビ共重合体、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、芳香族又は脂肪族ポリアミド、芳香族ポリエステル、芳香族ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリアリーレンオキシド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリフェニレンサルファイド樹脂なる群から選択される樹脂が挙げられ、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
一方、プリプレグ20に含まれる炭素繊維34として、例えば、PAN系炭素繊維、PITCH系炭素繊維等を用いることができる。炭素繊維34の繊維径は、6μm以上が好ましく、7μm以上がより好ましい。炭素繊維34の繊維径は、30μm以下が好ましく、27μm以下がより好ましい。なお、本発明において、繊維径とは、繊維の長さ方向に直交する方向に沿った断面において、この断面を包囲し得る最小径の真円の直径をいう。
プリプレグ20の炭素繊維体積含有率(Vf)が10%以上70%以下であってもよい。炭素繊維体積含有率(Vf)を10%以上70%以下にすることにより、樹脂の含浸を十分にすることができ、繊維強化樹脂複合材10を高い生産性で得ることができる。炭素繊維体積含有率(Vf)の上限値は、好ましくは60%以下であり、より好ましくは55%以下である。一方、炭素繊維体積含有率(Vf)の下限値は、好ましくは20%以上であり、より好ましくは30%以上である。
一枚のプリプレグ20の厚みは、製造すべき繊維強化樹脂複合材10に応じて種々選択することができ、リブ部14の高さH及びベース部12の厚さKにも依存するが、0.03mm以上0.60mm以下とすることができる。プリプレグ20の厚さの上限値は、好ましくは0.50mm以下であり、より好ましくは0.40mm以下である。一方、プリプレグ20の厚さの下限値は、好ましくは0.04mm以上であり、より好ましくは0.05mm以上である。
プリプレグ20を切断する工程においては、以上に説明したプリプレグ20を切断する。この工程では、プリプレグ20内における炭素繊維34の一軸方向UDへの配向を維持しながら、炭素繊維34の長さを短くする。具体的には、炭素繊維34の平均繊維長が1cm以上20cm以下となるように、より好ましくは1.2cm以上10cm以下となるように、さらに好ましくは2cm以上5cm以下となるように、プリプレグ20を切断する。炭素繊維34を短くすることで、加熱プレス工程における炭素繊維34の流動性が向上し、これにより、リブ部14に炭素繊維34を十分に充填することが可能となる。
平均繊維長は、例えば、以下の方法で測定することができる。
(i)成形品から、幅5mm,厚さ3mm、長さ15mmの試験片を切り出す。
(ii)試験片を溶剤(例:硝酸、トリフルオロ酢酸等)に浸漬し、炭素繊維34以外の成分を溶解し、試験片から炭素繊維34のみを取り出す。
(iii)取り出した繊維状強化材を、必要に応じて水等に分散させ、光学顕微鏡(倍率50倍程度)等で観察して、視野内の繊維状強化材500本の繊維長を測定する。
炭素繊維34の長さを短くするため、プリプレグ20は、配向方向ODに対して非平行な切断線CTに沿って切断される。配向方向ODは、炭素繊維34が延びる方向であって、当該プリプレグ20における炭素繊維34が延びる一軸方向UDと一致する。典型的には、図6に示すように、プリプレグ20は、当該プリプレグ20における炭素繊維34の配向方向ODに直交する切断線CTに沿って切断される。ただし、切断線CTは、少なくとも一部分において配向方向ODに対して直交していればよく、さらには図9に示すように、少なくとも一部分において配向方向ODに対して傾斜していればよい。
図6に示された例において、プリプレグ20は、配向方向ODに直交する三つの切断線CTに沿って切断されている。プリプレグ20を切断してなる切断済みプリプレグ22は、分断された四つのプリプレグ片23を含んでいる。切断対象となる一つのプリプレグ20において、複数の切断線CTは、等間隔をあけていてもよいし、一定でない間隔を開けるようにしてもよい。すなわち、得られた複数のプリプレグ片23が、配向方向ODに沿って同一寸法を有するようにしてもよいし、配向方向ODに沿って異なる寸法を有するようにしてもよい。
図9に示された例において、プリプレグ20は、配向方向ODに対して傾斜する三つの切断線CTに沿って切断されている。プリプレグ20を切断してなる切断済みプリプレグ22は、分断された四つのプリプレグ片23を含んでいる。切断対象となる一つのプリプレグ20において、複数の切断線CTが配向方向ODに対してなす角度は、同一であってもよいし、互いに異なるようにしてもよい。得られた複数のプリプレグ片23が配向方向ODに沿って同一寸法を有するようにしてもよいし、配向方向ODに沿って異なる寸法を有するようにしてもよい。
ただし、全ての切断線CTが、プリプレグ20における炭素繊維34の配向方向ODと非平行である必要はない。少なくとも一部の切断線CTが、プリプレグ20における炭素繊維34の配向方向ODと非平行になっていればよい。このような場合にも、炭素繊維34の平均繊維長を調整することができる。例えば、図10に示すように、一部の切断線CTが、切断対象となるプリプレグ20における炭素繊維34の配向方向ODと平行になっていてもよい。プリプレグ20をより小片に切断すること自体によっても、加熱プレス成形工程における炭素繊維34の流動を促進することができる。図10に示された例において、プリプレグ20は、配向方向ODと平行な切断線CTに沿って切断され、且つ、配向方向ODと直交する切断線CTに沿っても切断されている。結果として、図10に示されたプリプレグ20を切断してなる切断済みプリプレグ22は、四つのプリプレグ片23を含んでいる。
また、図6、図9及び図10に示された例において、切断線CTはプリプレグ20の全幅に亘っており、切断済みプリプレグ22が複数のプリプレグ片23を含んでいる。分断された切断済みプリプレグ22は、後述の積層工程や加熱プレス工程において、炭素繊維34の配向方向ODを維持しながら、すなわち、各プリプレグ片23の炭素繊維34が共通する一軸方向UDに延びるようして、取り扱われる。さらに言い換えると、複数のプリプレグ片23を含む切断済みプリプレグ22は、複数のプリプレグ片23の向きを一定の関係に保ちながら、つまり複数のプリプレグ片23の配向方向ODを互いに平行としながら、取り扱われる。
その一方で、図11及び図12に示す例のように、切断線CTがプリプレグ20の全幅に亘らないようにしてもよい。例えば、切断線CTの少なくとも一方の端部はプリプレグ20の周縁部の内側に位置していてもよい。図11及び図12に示された例において、切断済みプリプレグ22は、複数のプリプレグ片23に分断されておらず、取り扱い性に優れる。図11に示された例において、切断線CTは、対向する一対の縁部の一方から延び出しており、他方の縁部まで到達していない。図12に示された例において、切断線CTは、対向する一対の縁部の一方および他方から交互に延び出している。
また、炭素繊維34の長さを調節することができれば、プリプレグ20の切断は、プリプレグ20の全厚み分を切り込む必要はない。例えば、プリプレグ20の切断は、厚み方向において、炭素繊維34を分断する深さまで切り込むが、熱可塑性樹脂32の部分を分断しないようにしてもよい。
以上に説明した、プリプレグ20の切断は、特に限定されず、はさみ、カッター、打ち抜き機等の種々の切断装置を用いて実施される。
次に、積層する工程について説明する。加熱プレス加工の原材料となる積層体25は、複数のプリプレグ20を積層することで作製される。積層体25に含まれるプリプレグ20の枚数は、作製されるべき繊維強化樹脂複合材10に応じて種々選択される。積層体25に含まれるプリプレグ20の枚数は、例えば、2枚以上48枚以下の積層されたプリプレグ20を含むようにしてもよいし、さらには6枚以上20枚以下の積層されたプリプレグ20を含むようにしてもよい
図7に示された例において、積層工程は、切断工程の後に実施されている。図7に示すように、複数の切断済みプリプレグ22を積層することで、積層体25を作製している。この積層工程において取り扱う各プリプレグ20は、切断済みプリプレグ22であって、切断線CTにより複数のプリプレグ片23に分断されている。各切断済みプリプレグ22は、当該切断済みプリプレグ22に含まれる複数のプリプレグ片23内の炭素繊維34が一定の配列方向ADに配向されるようにして、他のプリプレグ20(切断済みプリプレグ22)と積層される。
図7に示すように、積層体25内に含まれる複数の切断済みプリプレグ22の間で、切積層方向DDへの投影における断線CTが互い一致していなくてもよい。積層体25内に含まれる切断済みプリプレグ22の間で切断線CTの位置をずらすことにより、最終的に得られる繊維強化樹脂複合材10において、炭素繊維34の分布バラツキを抑制することができる。
なお、図7に示された例において、積層体25は、図示された第1〜第4のプリプレグを含む四以上のプリプレグ20を有している。図7においては、順に積層される第1〜第4のプリプレグ20に設けられた切断線CTを、それぞれ、第1切断線CT1〜第4切断線CT4として示している。同様に後に参照する図13〜図15においては、順に積層されて一つの積層体25を形成するようになる第1〜第4のプリプレグ20を示している。図13〜図15において、第1〜第4のプリプレグ20に設けられた切断線CTを、それぞれ、第1切断線CT1〜第4切断線CT4として示している。また、図13〜図15において、第1〜第4のプリプレグ20での炭素繊維34の配列方向ADを、それぞれ、第1配列方向AD1〜第4配列方向AD4として示している。
図7及び図13に示す例において、積層体25の積層方向DDに隣接する二つのプリプレグ20(切断済みプリプレグ22)の間で、積層方向DDへの投影における断線CTが重ならないようになっている。とりわけ、積層体25の積層方向DDに隣接する二つのプリプレグ20の一方に含まれる任意の切断線CTが、前記二つのプリプレグ20の他方に含まれる任意の切断線CTと全長に亘って積層方向DDに重なっていない。言い換えると、積層体25の積層方向DDに隣接する二つのプリプレグ20の一方に含まれる任意の切断線CTが、積層方向DDへの投影において、前記二つのプリプレグ20の他方に含まれるすべての切断線CTから少なくとも部分的にずれている。このような例によれば、最終的に得られる繊維強化樹脂複合材10において、炭素繊維34の分布バラツキをより効果的に抑制することができる。とりわけ、繊維強化樹脂複合材10内における炭素繊維34が充填されていない領域の発生や、繊維強化樹脂複合材10内における炭素繊維34の密度が低くなる領域の発生を効果的に抑制することができる。
さらに図13に示された例では、積層体25に含まれる一つのプリプレグ20(切断済みプリプレグ22)及び他の一つのプリプレグ20(切断済みプリプレグ22)が、配向方向ODに沿って一定ピッチで切断されている。より具体的には、プリプレグ20が切断されている複数の切断線CTは、配向方向ODに一定のピッチPPで配置されている。そして、一つのプリプレグ20及び他の一つのプリプレグ20は、それぞれの炭素繊維34の配向方向ODを揃え且つ切断線CTが配向方向ODにずれるようにして、積層されている。とりわけ、一つのプリプレグ20及び他の一つのプリプレグ20は、積層方向DDに隣接して配置されている。このような例によれば、繊維強化樹脂複合材10内における炭素繊維34が充填されていない領域の発生や、繊維強化樹脂複合材10内における炭素繊維34の密度が低くなる領域の発生を効果的に抑制することができる。同時に、繊維強化樹脂複合材10内における炭素繊維34の分布を効果的に均一化することができる。
とりわけ図13に示された例において、一つのプリプレグ20(切断済みプリプレグ22)及び他の一つのプリプレグ20(切断済みプリプレグ22)が、配向方向ODに沿って同一の一定ピッチで切断されている。一つのプリプレグ20及び他の一つのプリプレグ20は、それぞれの炭素繊維34の配向方向ODを揃え且つ切断線CTが前記一定ピッチの半分の長さだけ配向方向ODにずれるようにして、積層されている。このような例によれば、繊維強化樹脂複合材10内における炭素繊維34の分布をより効果的に均一化することができる。
さらに、図14に示された例においては、積層体25に含まれる任意のプリプレグ20(切断済みプリプレグ22)の間で、積層方向DDへの投影における断線CTが重ならないようになっている。とりわけ、積層体25に含まれる任意のプリプレグ20に含まれる任意の切断線CTが、他のプリプレグ20に含まれる任意の切断線CTと全長に亘って積層方向DDに重なっていない。言い換えると、積層体25に含まれる任意のプリプレグ20に含まれる任意の切断線CTが、積層方向DDへの投影において、他のプリプレグ20に含まれる任意の切断線CTから少なくとも部分的にずれている。このような例によれば、最終的に得られる繊維強化樹脂複合材10において、炭素繊維34の分布バラツキをより効果的に抑制することができる。とりわけ、繊維強化樹脂複合材10内における炭素繊維34が充填されていない領域の発生や、繊維強化樹脂複合材10内における炭素繊維34の密度が低くなる領域の発生を効果的に抑制することができる。
図13や図14に示された例とは異なり、積層体25に含まれる複数のプリプレグ20(切断済みプリプレグ22)の間で、配向方向ODが異なるようにしてもよい。例えば、積層体25に含まれる複数のプリプレグの炭素繊維34の配向方向ODは、1以上4以下の方向を向いているようにしてもよい。一例として、図15に示された例では、第1〜第4のプリプレグ20の配向方向ODは、互いに異なる四つの第1配向方向OD1〜第4配向方向OD4を向いている。積層体25に含まれる複数のプリプレグ20(切断済みプリプレグ22)の間で炭素繊維34の配向方向ODをずらすことにより、最終的に作製される繊維強化樹脂複合材10の複数の方向における機械的特性を向上させることができる。
ところで、積層工程は、図7に示すように切断工程の後に実施されてもよいし、図16に示すように切断工程の前に実施されてもよい。切断工程の後に積層工程を実施する場合、積層される複数のプリプレグ20の間で、切断線CTの配置を調整することができる。
また、積層体25の取り扱い性を向上させるため、積層体25を予備加熱することで、積層体25に含まれる複数のプリプレグ20や複数のプリプレグ片23を互いに固定するようにしてもよい。予備加熱温度は、積層体25に含まれる熱可塑性樹脂が溶融する温度であれば特に限定はされないが、180℃以上400℃以下であることが好ましく、より好ましくは185℃以上315℃以下であり、更に好ましくは190℃以上300℃以下であり、下記で説明する加熱プレス成形における加熱温度と同じ温度であることが特に好ましい。また、予備加熱の際に、積層物を加圧してもよい。加圧することにより、効率的に積層物を加熱することができる。加圧する場合、圧力は0.1MPa以上20MPa以下であることが好ましく、より好ましくは0.5MPa以上10MPa以下であり、更に好ましくは1MPa以上5MPa以下である。予備加熱の時間は、積層体25を一体化させることができる時間であれば特に限定されないが、1分以上であることが好ましく、より好ましくは3分以上であり、更に好ましくは5分以上である。
次に、加熱プレス成形工程について説明する。加熱プレス成形は、積層体25を加熱し且つプレスすることによって賦型し、繊維強化樹脂複合材10を作製する工程である。
図示された例のように、作製対象となる繊維強化樹脂複合材10がベース部12を基部とする偏平形状である場合、図8に示すように、作製されるべき繊維強化樹脂複合材10の全体形状に沿うようにして、積層体25を金型40のキャビティ41内に配置する。図8に示された例では、ベース部12を賦型する金型40の第1金型片40A上に積層体25を配置する。そして、第1金型片40A及び第2金型片40Bを互いに向けて接近および押圧することで、金型40のキャビティ41内で積層体25をプレスする。このとき、積層体25は、加熱源を内蔵した金型40によって加熱される。これにより、積層体25を圧縮してベース部12を形成することができる。また、ベース部12から突出するように積層体25を塑性変形させることで、リブ部14を形成することができる。図8に示された例では、積層体25の一部を第2金型片40Bの凹部41A内に流動させることで、リブ部14を形成することができる。このとき、第2金型片40Bの凹部41A内に熱可塑性樹脂32及び炭素繊維34が流動することで、リブ部14が熱可塑性樹脂32及び炭素繊維34を含むようになる。このようにして、ベース部12及びリブ部14を有した繊維強化樹脂複合材10が得られる。
以上のような加熱プレス成形によれば、積層体25内に含まれるプリプレグ20が事前に切断されることで、プリプレグ20内の炭素繊維34の長さが短くなっている。したがって、加熱プレス成形時における炭素繊維34の流動性を確保することができる。これにより、炭素繊維34によって熱可塑性樹脂32の流動が阻害されることもなく、熱可塑性樹脂32の流動性も確保される。これにより、ベース部12及びベース部12から突出したリブ部14を含む繊維強化樹脂複合材10を、高精度に加熱プレス成形することができる。また、加熱プレス成形によって得られた繊維強化樹脂複合材10は、積層体25に含まれる各プリプレグ20の配向方向ODに起因した方向に炭素繊維34の配向を有するようになる。したがって、繊維強化樹脂複合材10は、積層体25内における炭素繊維34の配向に対応する方向に優れた機械的特性を有するようになる。
加熱プレス成形における加熱温度は、積層体25に含まれる熱可塑性樹脂32が溶融する温度であれば特に限定はされないが、180℃以上400℃以下であることが好ましく、より好ましくは185℃以上350℃以下であり、更に好ましくは190℃以上300℃以下である。ここで「加熱温度」とは、金型の温度を意味する。
加熱プレス成形の圧力は、0.5MPa以上20MPa以下であることが好ましく、より好ましくは1MPa以上15MPa以下であり、更に好ましくは2MPa以上10Ma以下である。また、加熱プレス成形時の圧力は、上記圧力範囲内で段階的に変えてもよい。更に、加熱プレス成形は、予備加熱よりも高い圧力で行われることが好ましい。
加熱プレス成形の保持時間は、積層体25に含まれる熱可塑性樹脂32が溶融し、リブ部を形成することができる時間であれば特に限定はされないが、好ましい保持時間は、1分以上であり、より好ましくは3分以上であり、更に好ましくは5分以上である。
加熱プレス成形においては、金型40のキャビティ41内に、事前に成形した金属層17を配置し、ベース部12及びリブ部14の成形と同時に、リブ部14と金属層17との接合を行う、所謂、インサート成形より、金属層17を備える繊維強化樹脂複合材10を得ることができる。
ところで、加熱プレス成形の対象となる積層体25は複数のプリプレグ20を含んでおり、各プリプレグ20は炭素繊維34が配向された配向方向ODを有している。一方、繊維強化樹脂複合材10は、その使用状況等に鑑みて機械的特性を向上させたい方向を有しており、通常、リブ部14は当該方向に沿った長手方向LDを有するようになる。そこで、加熱プレス成形工程では、形成されるべきリブ部14の長手方向LDに対して、積層体25に含まれるプリプレグ20の配列方向ADを位置決めすることが有効である。実際の加熱プレス成形では、リブ部14に対応する凹部41A有した金型40に対して、積層体25に含まれるプリプレグ20の配列方向ADを位置決めすることになる。より具体的には、対象となるリブ部14を形成するための金型40(第2金型片40B)の凹部41Aの長手方向に対して、積層体25に含まれるプリプレグ20の配列方向ADを位置決めすることになる。
まず、積層体25に含まれる少なくとも一つのプリプレグ20の炭素繊維34の配向方向ODがリブ部14の長手方向LDと平行になるようにしてもよい。つまり加熱プレス成形時において、積層体25に含まれる少なくとも一つのプリプレグ20の炭素繊維34の配向方向ODが金型40の凹部41Aの長手方向と平行になるようにしてもよい。このような例によれば、金型40の凹部41A内に流動した炭素繊維34が、繊維強化樹脂複合材10のリブ部14の配向方向ODに沿って延びるようにすることができる。配向方向ODに沿って延びる炭素繊維34は、リブ部14の配向方向ODに沿った機械的特性を効果的に強化することができる。
また、積層体25に含まれる少なくとも一つのプリプレグ20の炭素繊維34の配向方向ODがリブ部14の長手方向LDと直交するようにしてもよい。つまり加熱プレス成形時において、積層体25に含まれる少なくとも一つのプリプレグ20の炭素繊維34の配向方向ODが金型40の凹部41Aの長手方向と直交するようにしてもよい。このような例によれば、金型40の凹部41A内に流動する炭素繊維34が、繊維強化樹脂複合材10のベース部12及びリブ部14に跨がるようにすることができる。ベース部12及びリブ部14に跨がる炭素繊維34によれば、リブ部14のベース部12への接合強度を効果的に強化することができる。これにより、繊維強化樹脂複合材10の使用中に外力等に起因してリブ部14がベース部12から脱落等することを効果的に防止することができる。
とりわけ、図3に示すように、一方の端部がベース部12内に位置し他方の端部がリブ部14内に位置する炭素繊維34は、リブ部14の先端近傍まで流入し易くなる傾向がある。したがって、このような炭素繊維34を有する繊維強化樹脂複合材10によれば、ベース部12に対するリブ部14の接合強度をより効果的に強化することができる。
なお、プリプレグ20の切断線CTは、リブ部14の長手方向LDに対して直交ではなく、傾斜していることが好ましい。特に、積層体25に含まれる少なくとも一つのプリプレグ20の炭素繊維34の配向方向ODをリブ部14の長手方向LDと直交させる場合、図9に示すように、プリプレグ20の切断線CTは、リブ部14の長手方向LDに対して傾斜していることが好ましい。つまり、加熱プレス成形時において、プリプレグ20の切断線CTが、金型40の凹部41Aの長手方向に対して直交ではなく、傾斜していることが好ましい。この場合、切断線CTがリブ部14(厳密には、リブ部14を形成するための金型40の凹部41A)に沿って延びることを抑制することができる。切断線CTがリブ部14に沿って延びていると、炭素繊維34が当該リブ部14の全長に亘って当該リブ部14内に流入しにくくなる可能性がある。リブ部14に対して切断線CTを傾斜させることで、このような不具合を解消することができる。
ここで、図17は、図15に示された複数のプリプレグ20を含む積層体25を用いて図1〜図3に示された繊維強化樹脂複合材10を作製する場合における、第1のプリプレグ20の作製されるべき繊維強化樹脂複合材10に対する向きを示す平面図である。同様に、図18は、図15に示された複数のプリプレグ20を含む積層体25を用いて図1〜図3に示された繊維強化樹脂複合材10を作製する場合における、第2のプリプレグ20の作製されるべき繊維強化樹脂複合材10に対する向きを示す平面図である。
図1〜図3に示された繊維強化樹脂複合材10のリブ部14は、第1長手方向LD1に直線状に延びる第1リブ部14Aと、第2長手方向LD2に直線状に延びる第2リブ部14Bと、を含んでいる。図17に示されたプリプレグ20の第1配向方向OD1は、第2リブ部14Bの第2長手方向LD2と平行になっている。つまり、図17に示されたプリプレグ20の第2配向方向OD2は、第2リブ部14Bを形成するための金型40の凹部の長手方向と平行になっている。したがって、図17に示されたプリプレグ20内の炭素繊維34の一部は、図3に示すように第2リブ部14B内に流入して第2長手方向LD2に延びるようになる。図17に示されたプリプレグ20内の炭素繊維34の他の一部は、図3に示すように、一端がベース部12内に位置し他端が第1リブ部14A内に位置するようになる。すなわち、図17に示されたプリプレグ20は、第2リブ部14Bの第2長手方向LD2に沿った機械的特性を効果的に強化し、且つ、第1リブ部14Aのベース部12への接合強度を効果的に強化することができる。
同様に、図18に示されたプリプレグ20の第2配向方向OD2は、第1リブ部14Aの第1長手方向LD1と平行になっている。つまり、図18に示されたプリプレグ20の第2配向方向OD2は、第1リブ部14Aを形成するための金型40の凹部の長手方向と平行になっている。したがって、図18に示されたプリプレグ20内の炭素繊維34の一部は、第1リブ部14A内に流入して第1長手方向LD1に延びるようになる。図18に示されたプリプレグ20内の炭素繊維34の他の一部は、一端がベース部12内に位置し他端が第2リブ部14B内に位置するようになる。すなわち、図18に示されたプリプレグ20は、第1リブ部14Aの第1長手方向LD1に沿った機械的特性を効果的に強化し、且つ、第2リブ部14Bのベース部12への接合強度を効果的に強化することができる。
すなわち、図17及び図18を参照して説明した例によれば、積層体25に含まれる一つのプリプレグ20の炭素繊維34の配向方向OD(第1配向方向OD1)は、一つのリブ部14(第2リブ部14B)の長手方向LD(第2長手方向LD2)と平行になっている。加えて、積層体25に含まれる他の一つのプリプレグ20の炭素繊維34の配向方向OD(第2配向方向OD2)は、他の一つのリブ部14(第1リブ部14A)の長手方向LD(第1長手方向LD1)と平行になっている。このような例によれば、一つのプリプレグ20の炭素繊維34によって、一つのリブ部14(第2リブ部14B)の長手方向LD(第2長手方向LD2)に沿った機械的特性を効果的に強化することができ、且つ、他の一つのリブ部14(第1リブ部14A)のベース部12への接合強度を効果的に強化することができる。加えて、他の一つのプリプレグ20の炭素繊維34によって、他の一つのリブ部14(第1リブ部14A)の長手方向LD(第1長手方向LD1)に沿った機械的特性を効果的に強化することができ、且つ、一つのリブ部14(第2リブ部14B)のベース部12への接合強度を効果的に強化することができる。
また、図1〜図3に示された繊維強化樹脂複合材10において、複数の第1リブ部14Aは第1配列方向AD1に間隔をあけて配列され、各第1リブ部14Aは第1長手方向LD1に延びている。そして、図17に示された積層体25の一つのプリプレグ20に含まれた炭素繊維34は、第1長手方向LD1と非平行な(とりわけ直交した)第1配向方向OD1に延び、当該炭素繊維34の平均繊維長は第1配列方向AD1に隣り合う二つの第1リブ部14Aの離間間隔DA1(図2参照)以下となっている。第1配向方向OD1に配向された炭素繊維34の平均繊維長を第1リブ部14Aの離間間隔DA1以下とすることで、第1リブ部14A内に炭素繊維34の端部が流入しやすくすることができる。これにより、繊維強化樹脂複合材10における第1リブ部14Aのベース部12への接合強度を効果的に強化することが可能となる。
さらに、図1〜図3に示された繊維強化樹脂複合材10において、複数の第1リブ部14Aは第1配列方向AD1に間隔をあけて配列され、各第1リブ部14Aは第1長手方向LD1に延びている。また、複数の第2リブ部14Bは第2配列方向AD2に間隔をあけて配列され、各第2リブ部14Bは第2長手方向LD2に延びている。そして、積層体25に含まれる図18に示された一つのプリプレグ20の炭素繊維34の配向方向OD(第2配向方向OD2)は第1リブ部14Aの第1長手方向LD1と平行であり、当該プリプレグ20の炭素繊維34の平均繊維長は第2配列方向AD2に沿って隣り合う二つの第2リブ部14Bの離間間隔DA2以下となっている。また、積層体25に含まれる図17に示された他の一つのプリプレグ20の炭素繊維34の配向方向OD(第1配向方向OD1)は第2リブ部14Bの第2長手方向LD2と平行であり、当該プリプレグ20の炭素繊維34の平均繊維長は第1配列方向AD1に沿って隣り合う二つの第1リブ部14Aの離間間隔DA1以下となっている。
このような例によれば、図18に示されたプリプレグ20の少なくとも一部の炭素繊維34の端部が第2リブ部14B内に流入し易くすることができ、図17に示されたプリプレグ20の少なくとも一部の炭素繊維34の端部が第1リブ部14A内に流入し易くすることができる。加えて、図18に示されたプリプレグ20の少なくとも一部の炭素繊維34が、第1リブ部14A内に流入して第1長手方向LD1に延び易くすることができ、図17に示されたプリプレグ20の少なくとも一部の炭素繊維34が、第2リブ部14B内に流入して第2長手方向LD2に延び易くすることができる。とりわけ、図示された例では、第1配列方向AD1及び第1長手方向LD1が直交し、第2配列方向AD2及び第2長手方向LD2が直交し、且つ、第1長手方向LD1及び第2長手方向LD2が直交している。したがって、図18に示されたプリプレグ20の少なくとも一部の炭素繊維34は第1リブ部14A内に流入して第1長手方向LD1に延びることをより効果的に促進され、図17に示されたプリプレグ20の少なくとも一部の炭素繊維34は第2リブ部14B内に流入して第2長手方向LD2延びることをより効果的に促進される。これにより、繊維強化樹脂複合材10におけるリブ部14の機械的特性を効果的に強化することが可能となる。
以上に説明してきた一実施の形態において、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材10は、複数の炭素繊維34および熱可塑性樹脂32を有する炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材であって、ベース部12と、ベース部12から突出したリブ部14と、を有している。この炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材10において、少なくとも一部の炭素繊維34が、ベース部12とリブ部14との間を跨がって延びている。このような炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材10によれば、ベース部12とリブ部14との接合強度を効果的に向上させることができ、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材10に優れた機械的特性を付与することができる。
また、以上に説明してきた一実施の形態において、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材10は、複数の炭素繊維34および熱可塑性樹脂32を有する炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材であって、ベース部12と、ベース部12から突出したリブ部14と、を有している。リブ部14はベース部12に沿った長手方向LDを有しており、少なくとも一部の炭素繊維34が、その全長に亘って、リブ部14内に位置し長手方向LDに延びている。通常、リブ部14は補強を目的として設けられ、その長手方向に引っ張り応力を受けるようになる。したがって、リブ部14の長手方向LDに沿って延びる炭素繊維34が存在することで、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材10に所望の機械的特性を効果的に付与することができる。
さらに、以上に説明してきた一実施の形態において、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法は、ベース部12とベース部12上に設けられたリブ部14とを有し、リブ部14が炭素繊維34を含んでいる、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材10を製造する方法である。この製造方法は、炭素繊維34が一軸方向UDに配向されたプリプレグ20を一以上の切断線CTに沿って炭素繊維34の平均繊維長が1cm以上20cm以下となるように切断する工程と、複数のプリプレグ20を積層する工程と、複数の切断済みのプリプレグ20を含んだ積層体25を加熱プレス成形する工程と、を含んでいる。以上のような加熱プレス成形によれば、積層体25内に含まれるプリプレグ20が事前に切断されることで、プリプレグ20内の炭素繊維34の長さが短くなっている。したがって、熱プレス成形時における炭素繊維34の流動性を確保することができる。これにともない、炭素繊維34によって熱可塑性樹脂32の流動が阻害されることもなく、熱可塑性樹脂32の流動性も確保される。これにより、ベース部12及びベース部12から突出したリブ部14を含む繊維強化樹脂複合材10を、高精度に加熱プレス成形することができる。また、加熱プレス成形によって得られた繊維強化樹脂複合材10は、積層体25に含まれる各プリプレグ20の配向方向ODに起因した方向に炭素繊維34の配向を有するようになる。したがって、繊維強化樹脂複合材10は、積層体25内における炭素繊維34の配向に対応する方向に優れた機械的特性を有するようになる。
一実施の形態を複数の具体例により説明してきたが、これらの具体例が一実施の形態を限定することを意図していない。上述した一実施の形態は、その他の様々な具体例で実施されることが可能であり、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加等を行うことができる。
例えば、加熱プレス成形された繊維強化樹脂複合材10に対して、更に冷却プレス成形を行うようにしてもよい。冷却プレス成形を行うことにより、加熱プレス成形によって形成されたリブ部14の形状を安定化させることができる。冷却プレス成形の圧力は、0.5MPa以上20MPa以下であることが好ましく、より好ましくは1MPa以上15MPa以下であり、更に好ましくは2MPa以上10MPa以下である。冷却プレス成形における冷却方法は特に限定されないが、例えばプレス板内に流水を流し、そのプレス板で加熱プレス成形によって得られた繊維強化樹脂複合材10を加圧する水冷方法が挙げられる。この場合、冷却温度の上限値はリブ部14の形状を安定化させることができるという観点から、120℃以下が好ましく、より好ましくは100℃以下である。冷却温度の下限値は成形後の繊維強化樹脂複合材10を離型しやすくする観点から、50℃以上が好ましく、より好ましくは60℃以上である。なお、冷却プレスの保持時間は、上記温度範囲に冷却するまでの時間とすることができる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
次のようにして実施例1に係る炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材を作製した。
フィラメント数24000本の炭素繊維束(台湾プラスチックス社製、製品名:TC−35)に、塩化ビニル樹脂(ロンシール社製、製品名:ロンエースNP)を含浸した一軸方向性炭素繊維プリプレグを、平面視形状を210mm×210mmとして、合計で12枚用意した。用意した12枚のプリプレグを順に積層していくことで、積層体を作製した。12枚のプリプレグは、積層方向に沿って隣り合うプリプレグにおける炭素繊維の配列方向が直交するようにして、積層した。次に、積層体の各辺を七等分するようにしてプレス裁断機で切断して、積層体を49個の積層体小片に分断した。各積層体小片は、30mm×30mmの平面形状を有するようにした。ただし、49個の積層体小片の位置や向きは変更せずに維持した。すなわち、各積層体小片のその他の積層体小片に対する位置や向きは、積層体の切断前後で変化しないようにした。その後、195℃に設定した金型を用いて7分間の加熱プレス成形を行い、図1〜図3と同様の炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材を作製した。
製造対象とした炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の形状は以下の通りとした。ベース部の平面形状は214mm×214mmの正方形状とし、厚みは0.8mmとした。リブ部は、ベース部の一辺と平行な第1配列方向に50mmの離間間隔で配列された三つの第1リブ部と、第1配列方向に直交してベース部の他の一辺と平行な第2配列方向に50mmの離間間隔で配列された三つの第2リブ部とを有するようにした。各第1リブ部は第1配列方向に直交する第1長手方向に直線状に延び、各第2リブ部14Bは第2配列方向に直交する第2長手方向に直線状に延びるようにした。リブ部は、その長手方向に直交する断面において、両側面が法線方向に対して1°傾斜するようにして、先細りする形状とした。リブ部のベース部から最も離間する先端(末端)での幅を1mmとした。
[実施例2]
次のようにして実施例2に係る炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材を作製した。
実施例1と同様のプリプレグを12枚用意した。次に、プリプレグの各辺を七等分するようにしてプレス裁断機で切断して、49個のプリプレグ片に分断した。各プリプレグ片は、30mm×30mmの平面形状を有するようにした。ただし、49個のプリプレグ片の位置や向きは変更せずに維持した。すなわち、各プリプレグ片のその他のプリプレグ片に対する位置や向きは、プリプレグの切断前後で変化しないようにした。
その後、12枚の切断済みプリプレグを順に積層していくことで、積層体を作製した。なお、積層体に含まれた各切断済みプリプレグにおいて、任意のプリプレグ片のその他のプリプレグ片に対する位置や向きは、当該プリプレグの切断前と同様とした。12枚のプリプレグは、積層方向に沿って隣り合うプリプレグにおける炭素繊維の配列方向が直交するようにした。ただし、各切断済みプリプレグを積層する際、直前に載置(積層)した切断済みプリプレグに対して、積層方向への投影における外形状の位置を直交する二方向のそれぞれに15mmずつずらすようにした。具体的には、一枚目の切断済みプリプレグの各辺が縦および横に延びるようにして配置し、次に一枚目の切断済みプリプレグの外形状に対して右および上の両方に15mmずつ外形状をずらすようにして、二枚目の切断済みプリプレグを一枚目の切断済みプリプレグに積層した。その後、三枚目から十二枚目の切断済みプリプレグを積層するにあたり、奇数枚目の切断済みプリプレグについては一枚目の切断済みプリプレグと積層方向への投影において外形状の位置が一致するように積層した。一方、四枚目、六枚目、八枚目、十枚目、十二枚目の切断済みプリプレグは、奇数枚目の切断済みプリプレグに対して、積層方向への投影において、それぞれ、右および下、左および下、左および上、右および上、右および下の両方に15mmずつ外形状をずらすようにして、積層していった。
以上のようにして得られた積層体を、実施例1と同様に加熱プレス成形して、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材を作製した。
[比較例1]
切断しなかったことを除き実施例1と同様にして作製した積層体を、実施例1と同様に加熱プレス成形して、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材を作製した。
[比較例2]
次のようにして比較例2に係る炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材を作製した。
実施例1と同様のプリプレグを12枚用意した。用意した12枚のプリプレグを順に積層していくことで、積層体を作製した。この積層体において、12枚のプリプレグにおける炭素繊維の配列方向が平行となるようにした。次に、積層体の各辺を七等分するようにして切断して、49個の積層体小片にプレス裁断機で分断した。588(=49×12)個に分断されたプリプレグ片を含む積層体を、高さ30cmの位置から落としてプリプレグ片をランダムに配置した後、手動で厚みが均一となるようにプリプレグ片の配置を均し、ランダム配列された多数のプリプレグ片を含む被加工体を作製した。以上のようにして得られた被加工体を、実施例1と同様に加熱プレス成形して、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材を作製した。
[評価1:4点曲げ試験]
JIS K 7171及びJIS K 7017に準拠し、精密万能試験機(株式会社島津製作所製 AG-IS 100kN)を用い、4点曲げ試験を行った。5kNのロードセルを使用した。試験片寸法については、大たわみ時の試験片の曲げ治具からのずり落ちを考慮し全長を100mmとし、また、CFRTPチョップのカット長30mmを考慮し、試験片の幅を20mmとした。支点間距離は規格通り板厚の16倍とした。このような方法により、実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2のそれぞれについて5試験体の評価を行い、試験結果として得られた曲げ強度(MPa)の平均値を表1の「曲げ強度(MPa)」の欄に示す。
[評価2:目視による外観評価]
得られた炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材に対し、リブ部の末端(先端)まで樹脂によって十分に成形されているか、及び、炭素繊維が充填されずに樹脂特有の色が残る部位が存在しているかの二点で目視確認を行った。塩ビ樹脂特有の乳白色のみの箇所が確認された場合、炭素繊維の含浸不十分と判断した。実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2のそれぞれの外観評価が、次の「○」、「△」および「×」のいずれに該当するかを確認した結果を、表1の「外観評価」の欄に示す。
○:リブ部の末端まで炭素繊維を含む樹脂が含浸されている。リブ部にワレ、カケ等が無く、樹脂のみの色も確認されない。
△:リブ部の末端まで樹脂が含浸されているが、一部炭素繊維の含浸が不十分な箇所が確認される。
×:リブ部にワレ、カケが確認される。
Figure 2021041557
UD 一軸方向
ND 法線方向
DD 積層方向
OD 配向方向
OD1 第1配向方向
OD2 第2配向方向
OD3 第3配向方向
OD4 第4配向方向
CT 切断線
CT1 第1切断線
CT2 第2切断線
CT3 第3切断線
CT4 第4切断線
AD 配列方向
AD1 第1配列方向
AD2 第2配列方向
LD 長手方向
LD1 第1長手方向
LD2 第2長手方向
DA1 離間間隔
DA2 離間間隔
10 炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材(繊維強化樹脂複合材)
12 ベース部
14 リブ部
14A 第1リブ部
14B 第2リブ部
16 樹脂層
17 金属層
20 プリプレグ
22 切断済みプリプレグ
23 プリプレグ片
25 積層体
32 熱可塑性樹脂
34 炭素繊維
40 金型
40A 第1金型片
40B 第2金型片
41 キャビティ

Claims (7)

  1. 炭素繊維が一軸方向に配向されたプリプレグを前記炭素繊維の平均繊維長が1cm以上20cm以下となるように切断する工程と、
    複数のプリプレグを積層して積層体を形成する工程と、
    複数の切断済みのプリプレグを含んだ積層体を加熱プレス成形して、ベース部と、前記ベース部と一体的に成形されて前記ベース部から突出し、前記炭素繊維を含んでいる炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材を作製する工程と、を含む、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法。
  2. 前記積層体の積層方向に隣接する二つの切断済みのプリプレグの一方に含まれる任意の切断線が、前記積層方向への投影において、前記二つの切断済みのプリプレグの他方に含まれるすべての切断線から少なくとも部分的にずれている、請求項1に記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法。
  3. 前記積層体に含まれる前記複数のプリプレグの前記炭素繊維の配向方向は、1以上4以下の方向を向いている、請求項1又は2に記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法。
  4. 前記リブ部の前記ベース部からの突出高さH〔mm〕の前記リブ部の厚みT〔mm〕に対する比(H/T)は、10以上500以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法。
  5. 前記リブ部は、前記ベース部に沿った長手方向を有し、
    前記積層体に含まれる少なくとも一つのプリプレグの前記炭素繊維の配向方向は、前記リブ部の前記長手方向と平行または直交する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法。
  6. 前記ベース部及び前記リブ部は一体成形される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法。
  7. 複数の炭素繊維および熱可塑性樹脂を有する炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材であって、
    ベース部と、
    前記ベース部から突出したリブ部と、を備え、
    少なくとも一部の炭素繊維が、前記ベース部と前記リブ部との間を跨がって延びている、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材。
JP2019163244A 2019-09-06 2019-09-06 炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材およびその製造方法 Pending JP2021041557A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019163244A JP2021041557A (ja) 2019-09-06 2019-09-06 炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019163244A JP2021041557A (ja) 2019-09-06 2019-09-06 炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021041557A true JP2021041557A (ja) 2021-03-18

Family

ID=74861503

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019163244A Pending JP2021041557A (ja) 2019-09-06 2019-09-06 炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021041557A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7145472B1 (ja) 2022-03-08 2022-10-03 株式会社河村機械工業所 繊維強化熱可塑性樹脂複合材を用いた成形品の製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012148443A (ja) * 2011-01-18 2012-08-09 Toyota Motor Corp リブ付き構造の繊維強化樹脂材とその製造方法
WO2018014296A1 (zh) * 2016-07-21 2018-01-25 深圳市好家庭体育用品连锁经营有限公司 一种健身器材及其制氧雾化***
DE102017201211A1 (de) * 2017-01-26 2018-07-26 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Verfahren zum Fertigen eines Bauteils einer Rippe
WO2019078242A1 (ja) * 2017-10-20 2019-04-25 東レ株式会社 繊維強化プラスチック成形品

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012148443A (ja) * 2011-01-18 2012-08-09 Toyota Motor Corp リブ付き構造の繊維強化樹脂材とその製造方法
WO2018014296A1 (zh) * 2016-07-21 2018-01-25 深圳市好家庭体育用品连锁经营有限公司 一种健身器材及其制氧雾化***
DE102017201211A1 (de) * 2017-01-26 2018-07-26 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Verfahren zum Fertigen eines Bauteils einer Rippe
WO2019078242A1 (ja) * 2017-10-20 2019-04-25 東レ株式会社 繊維強化プラスチック成形品

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7145472B1 (ja) 2022-03-08 2022-10-03 株式会社河村機械工業所 繊維強化熱可塑性樹脂複合材を用いた成形品の製造方法
JP2023130580A (ja) * 2022-03-08 2023-09-21 株式会社河村機械工業所 繊維強化熱可塑性樹脂複合材を用いた成形品の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101643114B1 (ko) 적층 기재 및 그의 제조 방법
CN109715385B (zh) 层叠基材及其制造方法
KR101787627B1 (ko) 열가소성 프리프레그 및 적층체
JP6075094B2 (ja) リブ構造を有する成形品の製造方法
CN105793030B (zh) 纤维增强树脂层叠体
JP6988812B2 (ja) プリプレグ積層体及びプリプレグ積層体を用いた繊維強化プラスチックの製造方法
EP3272488B1 (en) Sheet-shaped reinforced fiber substrate, preform, fiber reinforced plastic molded article and method of producing a fiber-reinforced resin molded product
JP6801321B2 (ja) リブ成形用積層基材
JP2021041557A (ja) 炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材およびその製造方法
JP2016210080A (ja) 成形体およびその製造方法
JP6435696B2 (ja) 積層基材の製造方法
JP5655386B2 (ja) 繊維強化プラスチック成形体の製造方法
JP6093131B2 (ja) プレス成形用熱可塑性樹脂系繊維強化複合材料の製造方法
JP2014104641A (ja) 積層基材および繊維強化複合材料
JP6574106B2 (ja) 繊維強化樹脂構造体及び繊維強化樹脂構造体の製造方法
JP2020049925A (ja) 炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法
JP2014054798A (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂成形品の製造方法
JP6645801B2 (ja) 繊維強化樹脂成形品およびその製造方法
KR20190104988A (ko) 섬유 강화 플라스틱의 제조 방법
JP2014169411A (ja) プリプレグ、及びその製造方法
JP2016190355A (ja) 積層基材
KR102010824B1 (ko) 함침성이 우수한 열가소성 복합재의 제조방법
KR101912809B1 (ko) Cfrp 프리프레그를 이용한 리브가 형성된 성형품의 제조방법
KR102063602B1 (ko) 섬유 강화 복합재 시트 및 이의 제조방법
JP6709056B2 (ja) 繊維強化樹脂構造体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230306

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230328

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230926