以下は、本発明を実施する現在知られている最良形態の詳細な説明である。この説明は、限定的意味で捉えられるものではなく、単に、本発明の一般的原理を例証する目的のために行われる。
ここで、本明細書は、U−500インスリン等の高濃度インスリン(すなわち、U−200インスリンおよびそれを上回る)ならびにU−100インスリン等のより低い濃度のインスリンの皮下送達のために特に好適である構造および方法を説明することにも留意されたい。それにもかかわらず、本発明は、多種多様な注入ポンプおよび薬剤に適用可能であることを理解されたい。例として、限定ではないが、本発明は、流体変位のために、プランジャを伴うリザーバと、プランジャプッシャの形態における流体変位デバイスと、モータを含む駆動機構とを採用し得るか、または、他の流体変位デバイス(採用されるリザーバのタイプにかかわらず)、ピストンポンプ(例えば、電磁ポンプ)、MEMSポンプ、蠕動ポンプ、および任意の他の好適なポンプならびに対応する駆動機構を採用し得る。プランジャを伴うリザーバ、プランジャプッシャの形態における流体変位デバイス、および駆動機構を含む例示的注入ポンプは、2010年9月24日出願の米国特許出願第12/890,207号および対応する特許公開第2012/0078170号(両方とも、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されている。本発明は、例えば、疼痛を緩和するための薬物、化学療法および他の癌関連薬物、抗生物質、ホルモン、GLP−1、グルカゴン、大分子を含む、種々の他の薬物、および高レベルの送達正確度を要求し得る、たんぱく質、ならびにU−500インスリン等の高濃度インスリン(すなわち、U−200インスリンおよびそれを上回る)およびU−100インスリン等のより低い濃度のインスリン等の薬剤にも適用可能である。
上で説明されるように、いくつかの携行用注入ポンプは、ベルト上に装着されるように、ポケット内で搬送されるように、または別様にある種類のホルダ(集合的に、「ポケットポンプ」と称される)内に支持されるように意図される。そのような注入ポンプは、細長い管を経由して、流体をリザーバから注入セットに輸送する。皮下アクセスは、注入セット内のカニューレを経由して得られ得る。他の携行用注入ポンプは、送達部位の上方の皮膚に取り付けられるように意図される(時として、「パッチポンプ」と称される)。ここで、カニューレまたは他の皮下アクセスデバイスが、直接、注入デバイスから延び得る。これらの使用形態を前提として、患者は、典型的には、デバイスが、可能な限り小型であり、したがって、より快適であり、より目立たず、かつあまり目に見えないことを好む。加えて、患者は、使用するために容易かつ便利であるデバイスを所望する。
概して、図1A、1B、および2における参照番号100によって表される例示的携行用注入システムは、耐久性アセンブリ200と、使い捨てアセンブリ300とを含む。例示的耐久性アセンブリ200は、筐体202と、1つ以上のバッテリもしくは他のエネルギー供給源221と、1つ以上のコンデンサもしくは他のエネルギー貯蔵装置222と、マイクロプロセッサ223と、コイルアセンブリ224(モータ固定子として機能する)と、1つ以上のホール効果センサ225とを含む。例示的使い捨てアセンブリ300は、磁気モータ回転子331等の構成要素を支持するベースプレート350と、送りねじ駆動歯車333を含む歯車列332と、薬剤リザーバ336内に位置付けられるプランジャ335に取り付けられる送りねじ334とを含む。カバー302が、ベースプレート350に搭載され得、種々の実施形態では、カバー302の下に、磁気モータ回転子331、歯車列332(駆動歯車333を伴う)、送りねじ334、プランジャ335、および薬剤リザーバ336の一部または全部が、位置する。
例示的使い捨てアセンブリ300は、図1Aおよび2に示されるように、例示的耐久性アセンブリ200に固定され得る。この目的のために、例示的筐体202は、上壁204と、底壁206aおよび206bと、側壁208とを含み、それらは、一緒に、比較的に薄い筐体部分210および比較的に厚い筐体部分212を画定する。くぼみ214が、比較的に厚い部分212内に形成される。例示的カバー302は、上壁304aおよび304bと、側壁306とを含み、それらは、一緒に、比較的に薄いカバー部分308および比較的に厚いカバー部分310を画定する。ベースプレート350の一部は、カバー302によって覆われず、それによって、ベースプレートの周囲に延びている壁314によって縁をつけられる陥凹312を画定する(図4Bも参照)。耐久性および使い捨てアセンブリ200ならびに300が図1Aに図示される様式において互いに固定されると、筐体202の比較的に厚い部分212は、使い捨てアセンブリ300の陥凹312内に位置するであろう(壁314はくぼみ214内にある)。筐体202の比較的に薄い部分210は、カバー302の上壁304b上に位置するであろう。カバー302は、筐体202上の陥凹216と嵌合する突起316も含む。加えて、以下により詳細に議論されるように、使い捨てアセンブリ300は、異なる薬剤濃度、異なる薬剤量等、異なる薬剤のために、または異なるシステム動作形態のために構成され得る。
他の実装では、カバー302は、ベースプレート350上の構成の全てより少ない構成要素を覆うように構成され得る。例えば、カバーは、磁気モータ回転子331および歯車列332の一部が、カバー下にない一方、残りの構成要素が、カバー下にあるように構成され得る。さらに他の実装では、カバー302が、省略され得、耐久性アセンブリ200が、ベースプレート350上の構成要素の全てを覆うように構成され得る。
前述の米国特許公開第2012/0078170号、ならびに2011年11月19日に出願された米国出願第13/300,574号および対応する米国特許公開第2012/0184907号、ならびに2012年5月18日に出願された米国出願第13/475,843号および対応する米国特許公開第2013/0138078号(それぞれ、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に議論されるように、ベースプレート上のリザーバを採用する携行用注入システムは、異なるタイプの使用のために構成され得る。例えば、使い捨てアセンブリ300は、患者の皮膚に接着され得、システム100が、図2Aに示されるように、「パッチポンプ」として展開され得るように、リザーバ336に動作可能に接続されるカニューレ(図示せず)と共に使用され得る。代替として、図2Bに示されるように、使い捨てアセンブリ300のベースプレート350は、システム100が、「ポケットポンプ」、「ベルト装着ポンプ」、またはいくつかの他の装着可能ポンプとして採用され得るように、リザーバ336を注入セット503に動作可能に接続するように構成され得る(例えば、図1Bおよび2に示される例証される注入セット管およびコネクタ501を経由して)。換言すると、同一の耐久性アセンブリ200を使用して、ユーザは、単に、適切な使い捨てアセンブリを選択し、使い捨てアセンブリを耐久性アセンブリに取り付けることによって、「ポケットポンプ」または「パッチポンプ」として使用するためにシステムを構成し得る。ユーザは、単に、1つの使い捨てアセンブリを除去し、それを別の使い捨てアセンブリと交換することによって、1つの構成から別の構成に切り替え得る。
したがって、本発明は、使い捨てアセンブリのうちの少なくとも2つが異なり得る種々の組み合わせの使い捨てアセンブリを含むキットを含むことに留意されたい。加えて、または代替として、キットまたは他のパッケージは、注入セットおよび/またはカニューレ挿入器等、種々の使い捨てアセンブリ構成要素を含み得る。キットは、耐久性アセンブリも含み得る。そのようなキット内の使い捨てアセンブリは、以下に議論される検出/識別手段も含み得る。このキットの構成要素(例えば、種々の使い捨てアセンブリおよび/または構成要素の組み合わせ)は、必要に応じて、各構成要素のための個々のパッケージを伴う共通パッケージ内に保管され、共通パッケージ内においてユーザに提供され得る。そのようなキット内に提供され得る、の構成要素は、限定ではないが、カニューレが事前装填された挿入器および清掃用綿棒を含む。充電器も、耐久性アセンブリを含むキット内に提供され得る。
使い捨てアセンブリパッケージおよび標識に加え、異なる使い捨てアセンブリは、種々の使い捨てアセンブリを区別するための視覚的目印を含み得る。例えば、異なる濃度の薬剤または異なる薬剤充填体積を伴う使い捨てアセンブリは、使い捨てアセンブリのリザーバおよび/またはベースプレートのための異なる色を使用し得るか、または、消耗品が正しくプログラムされた耐久消費財にのみ取り付くことが可能であることを確実にする機械的特徴を使用し得る。
ここで、プライミングの問題を別にすると、耐久性アセンブリ200および使い捨てアセンブリ300を含み得る注入システム「パッチポンプ」構成に関連付けられた分注手順は、同様に注入セット503を含み得る「ポケットポンプ」構成(図2B参照)に関連付けられた分注手順と実質的に同一であることにも留意されたい。「パッチポンプ」構成では、プライミングは必要ない。関連付けられたカニューレの体積が、非常に小さく、直接接続がカニューレと薬剤リザーバとの間に存在するからである。しかしながら、プライミングは、薬剤送達の開始に先立って、「ポケットポンプ」構成における注入セット管(図2B)を充填するために要求される。例えば、20〜30μlが、注入セット管全体を充填するために要求され得、故に、プライミング手順は、管への10〜15μlのU−500インスリンの急速送達を伴い得る。本発明者らは、システムが「パッチポンプ」構成であるとき、カニューレが本質的に直接薬剤リザーバから患者に薬剤を送達するために位置付けられている場合、ユーザがプライミング手順を開始することを防止することが有利となるであろうと判断した。何故なら、10〜15μlのインスリンを患者に急速に送達することが患者の健康に悪影響を及ぼし得るからである。
そのような望ましくない転帰を防止するために、かつ種々の使い捨てアセンブリ(異なる薬剤、異なる濃度の薬剤、および/または可変量の薬剤を含むリザーバを伴う使い捨てアセンブリ等)間の選択肢を伴う他の状況におけるユーザの利便性のために、この使い捨てアセンブリの少なくともいくつかは、ベースプレート識別デバイスを具備し得、この使い捨てアセンブリの少なくともいくつかは、耐久性アセンブリマイクロプロセッサ/コントローラが「ベースプレートタイプ」決定を行い得るような様式においてベースプレート識別デバイスと協働する構造を具備し得る。例示的ベースプレート識別手段および方法論は、前述の米国特許公開第2012/0078170号、第2012/0184907号、および第2013/0138078号に説明されるようなものであり得る。加えて、ベースプレート識別は、機械的に行われ得る。例えば、ピンまたはリブが、ある使い捨てアセンブリのある耐久性アセンブリとの取り付きを防止し得る。加えて、または代替として、ある耐久性アセンブリは、単に、ある使い捨てアセンブリと共に機能しないであろう。
代替として、患者または臨床医は、遠隔制御を介して等、取り付けられる使い捨てアセンブリのタイプを示すようにシステムをプログラムし得る。このような様式では、患者は、単一の耐久性アセンブリとの使用のための種々の薬剤にアクセスすることができる。
「ベースプレートタイプ」決定が行われると(例えば、「パッチポンプ」使い捨てアセンブリ300対注入セット503が取り付けられた「ポケットポンプ」)、耐久性アセンブリは、取り付けられた使い捨てアセンブリに適切な様式または動作モードに進むであろう。例えば、「パッチポンプ」使い捨てアセンブリ300が検出される場合、耐久性アセンブリコントローラは、送達プロセスの一部として、プライミングを含まず、いくつかの実装では、ユーザがプライミング手順を手動で実装することを防止するであろう。一方、「ポケットポンプ」使い捨てアセンブリが検出される場合、送達プロセスは、注入セット管の適切なプライミングを含み得る。
「ポケットポンプ」として構成されるか、または「パッチポンプ」として構成されるかにかかわらず、システムは、臨床医のプログラミングユニットを用いて医師によって提供される送達プロファイルに従って、薬剤の基礎送達を提供するように構成され得る。例えば、システムは、いくつかの送達プロファイル(例えば、24時間送達サイクルに関連付けられた送達プロファイル、睡眠または病気等の特定の状況のための送達プロファイル等)を記憶する、プログラムを含み得る。各送達プロファイルは、経時的に複数の用量(またはポンプ「動作」)を規定し、例えば、特定の時間における特定の数の用量または単位時間あたりの特定の数の用量を規定する。いくつかの実装では、用量は、プランジャ335の最小制御可能変位に関連付けられた体積であり得る。システムは、患者遠隔制御1000(図2A)からの命令に応答して、ボーラス送達を提供するようにも構成され得る。ボーラス命令は、糖尿病患者の場合の高血糖レベル測定値、疼痛管理患者の場合の疼痛レベル増加、またはある他の症状に応答して生じ得る。システムは、患者遠隔制御1000からの命令に応答して、薬剤送達の終了等の他の機能を行うようにも構成され得る。
本注入ポンプは、様々な遠隔制御と併せて使用され得る。そのような遠隔制御は、例えば、ユーザが命令を耐久性アセンブリ200に伝送することを可能にするために、または、耐久性アセンブリ200とユーザとの間の通信(例えば、アラーム条件メッセージまたはシステム100の条件に関する他のメッセージ)を促進するために使用され得る。例示的遠隔制御1000(図2A)は、以下の動作のうちの1つ、いくつか、または全てを促進するように構成され得る:(1)遠隔制御1000をオンまたはオフにすること、(2)遠隔制御1000を耐久性アセンブリ20に関連付けること(または「割り当てること」)、(3)薬剤レベル、バッテリ充電レベル、および/またはアラーム条件等のステータス情報を取得すること、(4)耐久性アセンブリアラームを沈黙させること、(5)アラームのタイプ(可聴、可触知、および/または可視)およびアラームの強度/音量等の耐久性アセンブリアラームに関連付けられ得るオプションを選択すること、(6)例えば、遠隔制御または耐久性アセンブリファームウェアを更新すること、耐久性アセンブリまたは遠隔制御内に記憶される送達プロファイルをロードおよび削除すること、別様に、耐久性アセンブリまたは遠隔制御を再プログラムすることを行うために遠隔制御1000をコンピュータに接続すること、(7)薬剤濃度等の薬剤オプションを選択すること、(8)記憶された薬剤送達プロファイルを選択し開始すること、(9)薬剤用量率を増加および減少させること、および/または、(10)分注動作を一時停止すること。ユーザは、患者に適用された構造(例えば、使い捨てアセンブリ)を除去もしくは交換すること、現在もしくは予期される身体条件の変化(例えば、低血糖値、激しい運動)に対して調節すること、医師の提案に従う、または任意の他の理由から耐久性アセンブリを身体から切断することを行うために、送達を一時停止し得る。
例示的遠隔制御1000(図2A)は、例えば、現在の分注プログラムにおける時間残量、次の使い捨てアセンブリ交換までの時間量等を示す耐久性アセンブリ200のためのマイクロプロセッサ223からの情報に基づいて、インジケータを生成するように構成され得る。インジケータは、可聴、可視、可触知、またはそれらの組み合わせであり得る。時間残量インジケータは、種々の理由から有用であり得る。例えば、次の使い捨てアセンブリ交換に先立った時間残量の把握は、患者が、少なくとも部分的に、現在の時刻および今後の事象(例えば、旅行または睡眠)に基づいて、使い捨てアセンブリを分注プログラムの終了に先立ったある時間に交換することがより便利であろうかどうかを決定することを可能にする。
上で説明されるように、本システムの一部は、再使用可能部品と考えられ得る一方、他の部分は、使い捨て部品と考えられ得る。図示される実施形態では、マイクロプロセッサ223およびコイルアセンブリ224等の構造を含み得る耐久性アセンブリ200は、再使用可能である一方、モータ回転子331およびリザーバ336等の構造をベースプレート350上に含み得る例示的使い捨てアセンブリ300は、使い捨てである。
寸法に関して、例示的注入ポンプシステム100のいくつかの実施形態は、以下の寸法を有し得る:35mm+/−1.0mm、35mm+/−0.10mm、または35mm+/−5.0mmの長さ寸法、30mm+/−1.0mm、30mm+/−0.10mm、または30mm+/−5mmの幅寸法、および、8.5mm+/−1.0mm、8.5mm+/−2mm、または8.5mm+/−0.10mmの全体的厚さまたは高さ寸法。好適な筐体材料は、限定ではないが、弾性係数0.2−1.0百万psiを有する、プラスチックまたは他の材料を含む。
例示的耐久性アセンブリマイクロプロセッサおよび関連付けられた回路、再充電可能バッテリおよび関連付けられたバッテリ充電器ならびに再充電方法、バッテリおよび再充電管理、温度センサ、ならびに例示的アラームおよびアラーム条件は、前述の米国特許公開第2012/0078170号、第2012/0184907号、および第2013/0138078号により詳細に説明されている。
リザーバは、要求されないが、事前に充填され得る。事前に充填されたリザーバは、種々の理由から有利である。一例として、限定ではないが、一部のユーザは、それらが不便かつ針を伴う傾向にあるので、リザーバ充填手順を回避することを好む。ユーザベースの再充填は、気泡がリザーバの中に導入されるであろう可能性を増加させるが、リザーバおよび/または薬剤の製造業者による事前充填は、例えば、真空充填手順を使用して、気泡のいかなる実質的導入も伴わずに遂行されることができる。それでも、ユーザ充填リザーバは、いくつかの事例では、採用され得る。圧力センサ(閉塞を感知するため等)および他のセンサを含むそれらを含む種々の例示的薬剤リザーバは、前述の米国特許公開第2012/0078170号、第2012/0184907号、および第2013/0138078号により詳細に説明されている。
ここで図3Aおよび3Bに目を向けると、例示的耐久性アセンブリ200は、1つ以上のバッテリ221等の電源と、1つ以上のコンデンサ222等の一時的電力貯蔵装置(図2および5B参照)と、マイクロプロセッサ223等のコントローラと、コイルアセンブリ224と、ホール効果センサ225とを含み得る。当業者は、モータのコイルアセンブリ224および全ての他の電子機器を耐久性アセンブリ200内に含むことが、使い捨てアセンブリ300のコストおよび複雑性を低減させることを理解されるであろう。加えて、マイクロプロセッサ223は、ユーザデータ記憶装置、プログラム、プログラム可能性、調節可能性、ディスプレイ、ボタン、無線通信プロトコル等の特徴を含む柔軟性をポンプ100に提供する。耐久性アセンブリ200は、係止特徴とともにも成型され得、係止特徴は、使い捨てアセンブリ300にスナップ留めするが、使い捨てアセンブリが患者上の定位置にあるまま(薬剤送達が一時停止された後)、またはシステム全体が患者から除去された後のいずれかにおける、耐久性アセンブリ200の使い捨てアセンブリ300からの除去も可能にする。
電源は、市販の空気亜鉛バッテリまたはリチウムポリマーバッテリ等の1つ以上の市販のバッテリであり得る。バッテリは、400を越える送達されるインスリンに対して等、ある送達量または送達時間に対してシステムを動作させるために十分な容量を有するように選択され得る。随意の電力貯蔵装置は、1つ以上の市販のコンデンサまたはスーパーコンデンサもしくは他の一時的貯蔵デバイスであり得る。
ここで図4Aおよび4Bに目を向けると、例示的使い捨てアセンブリ300は、ベースプレート350と、リザーバ336、リザーバ内にあり、送りねじ334に接続されるプランジャ335、および磁気モータ回転子331等の構成要素とを含み得、磁気モータ回転子331は、歯車列332を通して機械的に取り付けられ、送りねじ駆動歯車333の回転に影響を及ぼし、送りねじ駆動歯車333の回転は、送りねじ334およびリザーバ336内のプランジャ335の平行移動を生じさせる。カバー302が、図示される実施形態では、これらの構成要素の上に位置付けられる。例示的ベースプレート350は、取り外し可能接着カバーを用いて患者に取り付けるために、接着裏材を含む。ベースプレート350は、ベースプレート係止特徴とともに成型され得、係止特徴は、耐久性アセンブリ200(各アセンブリの筐体の中に成型される磁石等)にスナップ留めし、耐久性アセンブリ200の使い捨てアセンブリ300からの除去も可能にする。
図2および4Bを参照すると、例示的リザーバ336は、流体貯蔵体積342および卵形断面を画定する、内側表面340を伴う、バレル338を含むが、他の形状も可能性である。合致する断面形状を伴うプランジャ335が、バレルに嵌入し、限定ではないが、Oリング等の流体シールを持ち運びし、薬剤を貯蔵体積342内にシールする。例示的プランジャ335は、ゴムから形成され、3つのOリングシールを含む。リザーバ336は、リザーバ336を充填すること、「パッチポンプ」タイプ構成のためのカニューレを取り付けること、または「ポケット−ポンプ」タイプ構成のための注入セットを接続すること(潜在的に、適切なアダプタを介して)を行うために使用され得るコネクタ501を含む。プランジャ335は、バレル338内を移動し、貯蔵体積342内の薬剤の体積を変動させる。リザーバ336は、例えば、患者使用プロファイルに合わせるために、種々の体積におけるU−500インスリンで事前に充填(またはユーザによって充填)され得る。他の事例では、U−100インスリンおよびU−200インスリン等のより低い濃度のインスリンが、採用され得る。プラグが、コネクタ501内に挿入され、使用まで、滅菌環境を維持し得る。患者は、それらの事例では、使用に先立って、プラグを除去するであろう。
本発明の使い捨てアセンブリとの使用のための追加の例示的ベースプレート、ならびに例示的カニューレ設計、薬剤リザーバとカニューレとの間の流体接続、カニューレと使い捨てアセンブリとの間の協働(例えば、ベースプレートおよび患者に対するカニューレの軸方向移動を防止するため)、注入セットと使い捨てアセンブリのリザーバの取り付け、非送達ベースプレートの構成および使用、使い捨ておよび耐久性アセンブリを取り付けるための配置および構造、皮膚接着剤設計、ならびに種々の閉塞センサは、2010年9月24日に出願された米国特許出願第12/890,207号および対応する米国特許公開第2012/0078170号、ならびに前述の米国特許公開第2012/0184907号および2013/0138078号に説明されるようなものであり得る。
ここで図5A−5Cおよび図示される2つの部品から成るモータに目を向けると、耐久性アセンブリ200のモータのコイルアセンブリ224(およびホール効果センサ225)は、使い捨てアセンブリ300の一部である磁気モータ回転子331の上方に位置付けられる。例示的多極モータ回転子331は、ディスク形状であり、9.8mm外径、5.2mm内径、および0.8mm厚さを有し得る。別の例示的モータ回転子は、11mm外径、5mm内径、および1.2mm厚さを有し得る。このタイプの多極モータ回転子は、典型的には、部品あたり5セント未満のコストであり、使い捨てアセンブリ200の総コストを制御することに役立つ。モータ回転子331は、ベースプレート350と平行でもあり、すなわち、モータ回転子回転軸は、図示される実施形態では、ベースプレートと垂直である。マイクロプロセッサ223は、連続して、モータコイルアセンブリ224のコイルを励起し、電磁トルク結合をモータコイルアセンブリ224とモータ回転子331との間に生成することによって、モータ回転子331の回転を指示する。回転磁場発生器(コイルアセンブリ224)に対する回転子の極の位置/向きは、逆起電力、回転式エンコーダ、ホール効果センサ225(図5A)等によって測定される。例えば、コイル巻線上に搭載されるホール効果センサが、マイクロプロセッサに、カウント、回転速度計信号、または回転子位置を供給し、回転子速度の低コスト閉ループ制御を可能にするために使用され得る。このタイプのブラシレスモータは、典型的には、85〜90%以上の効率性であり、非常に低温で稼働する。構造に変動が存在し得るが、図5A−5Cに示される対面固定子コイルおよび平坦回転子プレートは、コンパクトな設計を提供する。加えて、より多くのコイルおよび/またはホール効果センサが、使用され得る。
図6に最良に見られ得るように、モータコイルアセンブリ224とモータ回転子331との間に、間隙240がある。間隙240の一部または全部は、図示される実装では、筐体202およびカバー302の一部、すなわち、筐体底壁206aおよびカバー上壁304bによって画定(かつ占有)され得る。他の実装では、モータコイルアセンブリ224とモータ回転子331との間の間隙240は、耐久性アセンブリ筐体の一部のみ、もしくは使い捨てアセンブリカバーの一部のみによって占有され得るか、または構造が全くなく、単に、空隙であり得る。モータコイルアセンブリ224とモータ回転子331との間の距離によって画定される間隙のサイズは、典型的には、約0.5mm〜2.0mmである。したがって、歯車係合または他の機械的接続が、耐久性アセンブリ200と使い捨てアセンブリ300との間に存在しない。上で説明されたように、全ての電子機器は、耐久性アセンブリ200内に位置付けられ得、使い捨てアセンブリ300によって必要とされるエネルギーは、耐久性アセンブリ200から、直接機械的結合または電気的接触を伴わずに結合する電磁トルク結合によって伝達される。この例示的設計は、防水または少なくとも耐水性にすることが比較的に単純であるという追加の利点をもたらす。
上で説明されるように、モータ回転子331の回転は、歯車列332を駆動させ、送りねじ駆動歯車333の回転を生じさせ、これは、順に、送りねじ334および送りねじ334に取り付けられるプランジャ335の平行移動に影響を及ぼす。このように、電磁的に発生させられたトルクは、耐久性アセンブリ200によって供給される電磁エネルギーが、プランジャ335を前進させる、使い捨てアセンブリ300内の機械的力に変換されるとき、生成される。ラチェット(図示せず)または他の類似デバイスが、歯車列332の逆駆動を防止するために使用され得る。プランジャ335が、リザーバ336を通して駆動されるにつれて、薬剤は、歯車およびモータ回転子の精密な移動に対応して、精密に分注される。歯車列、送りねじ駆動歯車、送りねじ、およびプランジャ全体が全て、使い捨てアセンブリ300内に恒久的に含まれる状態では、使い捨てアセンブリ300からの分離に先立って、任意のプランジャ構成要素を耐久性アセンブリ200の中に後退させる必要はない。その結果、この例示的設計のさらに利点は、大幅に低減されたエネルギー消費となり、それは、例えば、電源としての一次バッテリの使用を可能にする。
例示的システム100の使用が、ここで説明されるであろう。最も基本レベルでは、例示的注入ポンプシステム(例えば、図1A−2Bにおけるシステム100)の患者の使用は、新しい使い捨てアセンブリ300を得ることと、使い捨てアセンブリを耐久性アセンブリ200に接続することと、ライナをベースプレート接着層から剥離することと、皮下アクセスを得ることと、薬剤送達動作を開始することとを伴う。いくつかの事例では、使用は、必要に応じて、カニューレを使い捨てアセンブリのコネクタ501に取り付け、カニューレキャップを除去すること等の追加のステップを伴い得る。システムの基本動作の種々の側面が、以下に説明される。システムの動作は、システムが展開される度に、必ずしも、ステップの全てを要求せず、ステップのいくつかの順序は、変更され得る。動作は、フローチャート(図8)の使用を通して、パッチポンプとして使用される前述の耐久性アセンブリ200および使い捨てアセンブリ300の例示的文脈において以下に議論される。しかしながら、議論は、わずかな変動を伴う、他のパッチポンプ実装ならびにポケットポンプ実装にも等しく適用可能である。さらに、別様に示されない限り、耐久性アセンブリ200によって行われる活動および決定は、耐久性アセンブリマイクロプロセッサによって制御されるが、コントローラについてのさらなる言及は、簡略化のために限定される。
図8を参照すると、システムの使用は、使い捨てアセンブリの耐久性アセンブリからの除去および使い捨てアセンブリの交換を伴い得る。これは、薬剤リザーバが空であり(米国特許出願第12/890,207号および対応する米国特許公開第2012/0078170号により詳細に説明されるように)(ステップS101)、「使い捨てアセンブリ交換」メッセージまたはアラートが提示される(ステップS102)とき、または耐久性アセンブリコントローラが、ユーザ開始「使い捨てアセンブリ交換」信号を遠隔制御1000から受信する(ステップS103)ときに生じ得る。ユーザは、例えば、ユーザの睡眠または旅行スケジュールに適応させるために、薬剤が有効性の喪失を呈するとき、分注問題が生じるとき、または事前に規定された薬剤の変化に起因して等の種々の理由から、薬剤リザーバが空になる前に、使い捨てアセンブリを交換することを所望し得る。
ユーザは、次いで、薬剤要件に応じて、おそらく冷蔵庫内の貯蔵場所から、新しい使い捨てアセンブリ300を取得し得る(ステップS104)。耐久性アセンブリ200および使い捨てアセンブリ300は、次いで、皮膚から除去され、分離され、使い捨てアセンブリ300は、廃棄され得る(ステップS106およびS107)。
次に、新しい使い捨てアセンブリ300が、耐久性アセンブリ200に取り付けられ得る(ステップS109)。ユーザは、使い捨てアセンブリ300のベースプレート350が接着されるであろう皮膚表面Sを清掃すべきである(図7および図8のステップS116)。次いで、ユーザは、ベースプレート接着ライナを剥離し、ベースプレート接着層を露出し(ステップS117)、カニューレキャップ(存在するとき)を除去する(ステップS118)。図8の例示的使用では、使い捨てアセンブリ30は、コネクタ501に事前に取り付けられたカニューレを具備する。他の実施形態では、カニューレ挿入器が、システムに取り付けられ得、それは、システムが皮膚に対して設置された後、トリガされ、カニューレを挿入し得る。例示的挿入器は、米国特許公開第2013/0138078号に説明されている。
図8におけるステップに戻ると、耐久性アセンブリ200および使い捨てアセンブリ300を含むシステム100は、好適な身体場所の上に位置付けられ、優しく押し付けられ、接着層を皮膚表面Sに接着し得る(ステップS119)。最後に、必要に応じて、遠隔制御1000が、特定の薬剤送達動作を開始するために使用され得る(ステップS120)。送達動作は、プロファイルに従って薬剤を送達するために要求される特定の率および時間におけるモータ回転子回転に匹敵する所定の送達プロファイル(例えば、特定の基礎率、一連の時間間隔ボーラス送達、またはいくつかのそれらの組み合わせ)に従い得る。代替として、プロファイルは、ユーザによって遠隔制御1000を用いて入力され、耐久性アセンブリマイクロプロセッサによって記憶され得る。例えば、遠隔制御は、患者が選定し得る、いくつかの異なる送達プロファイルおよびボーラス送達を記憶し得る。そのようなプロファイルは、薬剤、激しい運動が予期される日、そうではない日、疼痛増加の発生等に対応し、例えば、それに応じ得る。代替として、または加えて、耐久性アセンブリマイクロプロセッサ内に記憶されるプロファイルは、臨床医のプログラミングユニットによって設定され得る。異なる規定された送達率を具備する異なる使い捨てアセンブリ300の場合のような場合、遠隔制御は、例えば、基礎送達を開始するために必要とされないこともある。
上記の議論は、図2Bに示されるような「ポケットポンプ」システムの使用にも適用可能である。前述の手順におけるわずかな変動として、例えば、カニューレの代わりの注入セット503の使用、潜在的にアダプタを介した注入セットとコネクタ501の取り付け(注入セット503のタイプに伴って変動し得る)、および注入セット管のプライミングを含む。
概して、図9における参照番号100aによって表される別の例示的携行用注入システムは、耐久性アセンブリ200aと、使い捨てアセンブリ300aとを含む。システム100aは、システム100に実質的に類似する。しかしながら、ここで、上壁の交差点は、主に、線形である。加えて、使い捨てアセンブリ300aは、耐久性アセンブリ200a上の対応する突起216aと嵌合する陥凹316aを有する。突起216aおよび陥凹316aは、組み立てられたシステム100aの外周に位置する。
種々の方法論が、ここで、説明目的のためにだけに、上節に説明され、種々の図に図示される、例示的構造の文脈において提示される。本方法論は、上で説明される構造を採用し得るが、それらは、それに限定されない。加えて、耐久性アセンブリは、可聴、可視、および/または触知通知を提供し得る。遠隔制御も、耐久性アセンブリによって提供される任意の通知の代替として、またはそれに加え、可聴、可視、および/または触知通知を提供し得る。加えて、本発明の実施形態は、上記に参照された方法論またはデバイスのうちの任意の1つ、全てに満たない組み合わせ、または全てを組み込み得る。
本明細書に開示される本発明は、上記の好ましい実施形態の観点から説明されたが、前述の好ましい実施形態の多数の修正および/または追加が、容易に当業者に明白となるであろう。本発明の範囲は、全てのそのような修正および/または追加に拡張され、本発明の範囲は、以下に記載または後に追加される請求項によってのみ限定されることが意図される。
最後に、本明細書で使用され得る専門用語に関して、説明または請求項におけるものであるかどうにかかわらず、以下に留意されたい。用語「〜を備えている」、「〜を含む」、「〜を担持する」、「〜を有する」、「〜を含む」、「〜を伴う」等は、非制限的であり、「限定ではないが、〜を含む」ことを意味する。「第1」、「第2」、「第3」等の序数は、それ自体が、任意の優先順位、選好、または別の要素に優る1つの要素、もしくは方法のステップが行われる時間的順序を暗示するものではない。代わりに、そのような用語は、単に、ある名称を有する1つの要素を同一名を有する(序数がなければ)別の要素から区別し、要素を区別するための標識である。「および/または」は、列挙されたアイテムが代替的であるが、代替が、列挙されたアイテムの任意の組み合わせも含むことを意味する。用語「およそ」、「約」、「実質的に」、および「概して」は、任意の正確な寸法、測定、および配置からのある変動量を許容し、本明細書に開示されるような本発明の説明および動作の文脈内で理解されるべきである。「上部」、「底部」、「上方」、および「下方」等の用語は、任意の具体的空間または重力向きではなく、互いに対する部品の空間関係を示す、便宜上の用語である。したがって、本用語は、アセンブリが、図面に示され、明細書に説明される特定の向きに、その向きから上下逆に、またはそこから任意の他の回転変動に向けられるかどうかにかかわらず、構成要素部品のアセンブリを包含することが意図される。