JP2021041038A - 術具、手術支援システム、並びに手術用操作ユニット - Google Patents

術具、手術支援システム、並びに手術用操作ユニット Download PDF

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Abstract

【課題】開閉型のエンドエフェクタを有する術具を提供する。【解決手段】術具は、シャフト102と、前記シャフトの先端に第1軸回りに回動可能に連結されたリストWEと、前記リストに対してそれぞれ第2軸回りに回動可能に支持された第1のジョーJ1部材及び第2のジョー部材J2と、前記第1のジョー部材及び前記第2のジョー部材をそれぞれ前記第2軸回りに旋回させるための力を伝達する第1のケーブルセットC1a、C1b及び第2の往復のケーブルセットC2a、C2bと、前記第1の往復のケーブルセットと前記第2の往復のケーブルセットの予張力が変化しないように、前記リストの前記第1軸回りの旋回動作を生成する旋回動作部を具備する。【選択図】図2

Description

本明細書で開示(以下、「本開示」とする)する技術は、例えば手術用ロボットに適用される術具、手術支援システム、並びに手術用操作ユニットに関する。
近年のロボティクス技術の進歩は目覚ましく、さまざまな産業分野の作業現場にロボティクス技術が広く浸透してきている。例えば医療分野では、マスタスレーブ方式の手術用ロボットが普及しつつある。この種の手術用ロボットは、スレーブ装置が備える1又は複数の術具を、術者などのオペレータがマスタ側から操作するように構成されている。また、マスタスレーブシステムの制御方式として、マスタ装置からスレーブ装置を操作すると同時にスレーブ装置の状態をマスタ装置にフィードバックするバイラテラル方式が知られている(例えば、特許文献1を参照のこと)。
スレーブ装置に装着される術具は、先端に鉗子などの開閉機構を有するエンドエフェクタが搭載されている。また、術具が体腔内や体表などにおける施術で使用されることを想定して、先端は多自由度を備えつつ細径で小型且つ軽量であることが強く望まれている。具体的には、術具先端は、回転2自由度と開閉自由度の合計3自由度を持っていることが望ましい。また、小型化のため、術具先端の操作にはケーブルを用いた駆動方式が適用されることが多い(例えば、特許文献2〜4を参照のこと)。
特開2019−34002号公報 特開平09−542671号公報 特表2018−534100号公報 特表2019−501699号公報
本開示に係る技術の目的は、鉗子などの開閉型のエンドエフェクタを有し、小型且つ軽量に構成される、手術支援システムに適用される術具、手術用ロボット、並びに手術用操作ユニットを提供することにある。
本開示に係る技術の第1の側面は、
シャフトと、
前記シャフトの先端に第1軸回りに回動可能に連結されたリストと、
前記リストに対してそれぞれ第2軸回りに回動可能に支持された第1のジョー部材及び第2のジョー部材と、
前記第1のジョー部材を前記第2軸回りに旋回させるための力を伝達する第1の往復のケーブルセットと、
前記第2のジョー部材を前記第2軸回りに旋回させるための力を伝達する第2の往復のケーブルセットと、
前記第1の往復のケーブルセットと前記第2の往復のケーブルセットの予張力が変化しないように、前記リストの前記第1軸回りの旋回動作を生成する旋回動作部と、
を具備する術具である。
前記旋回動作部は、前記第1の往復のケーブルセットと前記第2の往復のケーブルセットのいずれか一方を前記シャフトの長手軸方向に後退させるとともに他方を前進させて、前記リストの前記第1軸回りの旋回動作を生成する。
あるいは、前記旋回動作部は、前記第1軸が回転軸となるように前記リストに設けられ、第3の往復のケーブルセットが巻き付けられたリストキャプスタンと、第3の駆動キャプスタンを回転させて前記第3のケーブルセットを牽引する第3のアクチュエータを備え、前記第1の往復のケーブルセットと前記第2の往復のケーブルセットの予張力を調整しながら前記リストの前記第1軸回りの旋回動作を実施する。但し、前記第1のアクチュエータ及び前記第1の駆動キャプスタンと前記第2のアクチュエータ及び前記第2の駆動キャプスタンは前記シャフトに対して固定されている。
また、本開示に係る技術の第2の側面は、
術具と、前記術具を取り付けたアームを具備し、
前記術具は、
シャフトと、
前記シャフトの先端に第1軸回りに回動可能に連結されたリストと、
前記リストに対してそれぞれ第2軸回りに回動可能に支持された第1のジョー部材及び第2のジョー部材と、
前記第1のジョー部材を前記第2軸回りに旋回させるための力を伝達する第1の往復のケーブルセットと、
前記第2のジョー部材を前記第2軸回りに旋回させるための力を伝達する第2の往復のケーブルセットと、
前記第1の往復のケーブルセットと前記第2の往復のケーブルセットの予張力が変化しないように、前記リストの前記第1軸回りの旋回動作を生成する旋回動作部と、
を備える、手術支援システムである。
また、本開示に係る技術の第3の側面は、
術具と、前記術具を取り付けたハンドル部を具備し、
前記術具は、
シャフトと、
前記シャフトの先端に第1軸回りに回動可能に連結されたリストと、
前記リストに対してそれぞれ第2軸回りに回動可能に支持された第1のジョー部材及び第2のジョー部材と、
前記第1のジョー部材を前記第2軸回りに旋回させるための力を伝達する第1の往復のケーブルセットと、
前記第2のジョー部材を前記第2軸回りに旋回させるための力を伝達する第2の往復のケーブルセットと、
前記第1の往復のケーブルセットと前記第2の往復のケーブルセットの予張力が変化しないように、前記リストの前記第1軸回りの旋回動作を生成する旋回動作部と、
を備える、手術用操作ユニットである。
本開示に係る技術によれば、鉗子などの開閉型のエンドエフェクタを有し、部品点数を削減して細径化を実現する、手術用ロボットに適用される術具、手術支援システム、並びに手術用操作ユニットを提供することができる。
なお、本明細書に記載された効果は、あくまでも例示であり、本開示に係る技術によりもたらされる効果はこれに限定されるものではない。また、本開示に係る技術が、上記の効果以外に、さらに付加的な効果を奏する場合もある。
本開示に係る技術のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
図1は、術具ユニット100の構成例を示した図である。 図2は、術具ユニット先端部101を拡大して示した図である。 図3は、術具ユニット先端部101を拡大して示した図である。 図4は、術具ユニット駆動部103を拡大して示した図である。 図5は、術具ユニット駆動部103を拡大して示した図である。 図6は、術具ユニット100の自由度構成例を示した図である。 図7は、術具ユニット100の6面図を示した図である。 図8は、術具ユニット100の自由度構成例を簡素化して示した図である。 図9は、術具ユニット100の自由度構成例を簡素化して示した図である。 図10は、リストエレメントWEを第1軸回りに旋回動作させる様子を示した図である。 図11は、リストエレメントWEを第1軸回りに旋回動作させる様子を示した図である。 図12は、リストエレメントWEを第1軸回りに旋回動作させる様子を示した図である。 図13は、リストエレメントWEの第1軸回りの動作例を示した図である。 図14は、エンドエフェクタの第2軸回りの動作例を示した図である。 図15は、術具ユニット先端部101の動作例を示した図である。 図16は、術具ユニット先端部101の動作例を示した図である。 図17は、術具ユニット先端部101の動作例を示した図である。 図18は、術具ユニット先端部101の動作例を示した図である。 図19は、術具ユニット先端部101の動作例を示した図である。 図20は、術具ユニット先端部101の動作例を示した図である。 図21は、術具ユニット先端部101の動作例を示した図である。 図22は、術具ユニット先端部101の動作例を示した図である。 図23は、術具ユニット2300の構成例を示した図である。 図24は、術具ユニット駆動部2303を拡大して示した図である。 図25は、術具ユニット駆動部2303を拡大して示した図である。 図26は、術具ユニット2300の自由度構成例を示した図である。 図27は、術具ユニット2300の6面図を示した図である。 図28は、リストエレメントWEを第1軸回りに旋回動作させる様子を示した図である。 図29は、リストエレメントWEを第1軸回りに旋回動作させる様子を示した図である。 図30は、リストエレメントWEを第1軸回りに旋回動作させる様子を示した図である。 図31は、術具ユニット3100の構成例を示した図である。 図32は、術具ユニット先端部3101を拡大して示した図である。 図33は、術具ユニット先端部3101を拡大して示した図である。 図34は、術具ユニット駆動部3103を拡大して示した図である。 図35は、術具ユニット駆動部3103を拡大して示した図である。 図36は、術具ユニット3100の自由度構成例を示した図である。 図37は、術具ユニット3100の6面図を示した図である。 図38は、リストエレメントWEを第1軸回りに旋回動作させる様子を示した図である。 図39は、リストエレメントWEを第1軸回りに旋回動作させる様子を示した図である。 図40は、リストエレメントWEを第1軸回りに旋回動作させる様子を示した図である。 図41は、手術支援システム4100の外観構成例を示した図である。 図42は、手術用操作ユニット4200の外観構成例を示した図である。
以下、図面を参照しながら本開示に係る技術について、以下の順に従って説明する。
A.術具ユニットの課題
B.術具ユニットの構成例(1)(図1〜図22を参照)
C.術具ユニットの構成例(2)(図23〜図30を参照)
D.術具ユニットの構成例(3)(図31〜図40を参照)
E.術具ユニットの変形例
F.術具ユニットの応用例(図41、図42を参照)
G.効果
A.術具ユニットの課題
手術用ロボットに適用される術具は、先端に回転2自由度と開閉自由度の合計3自由度を持っていることが望ましい。具体的には、一対の対向するジョー部材からなる開閉型のエンドエフェクタと、このエンドエフェクタを支持するリストと、長手軸を有し先端部にリストを連結させるシャフトを備えるタイプの術具を挙げることができる。この種の術具は、シャフトの先端に対してリストを例えばヨー軸回りに旋回させる第1軸と、リストに対してエンドエフェクタの向きを例えばピッチ軸回りに旋回させる第2軸と、ジョー部材を開閉操作する第3軸(開閉軸)、という自由度構成を備えている。以下では、第2軸と開閉軸が同軸となる実施形態について説明する。
例えば腹腔鏡下手術においては、シャフト以降の先端(遠位端)側は、トロッカー経由で体腔内に挿入して使用されることが想定され、細径に構成する必要がある。また、脳外科手術においては、狭い術野に対する処置を施す必要があるため、術具によっては術者の視野をできる限り遮らないようにする必要がある。このため、基本的には、シャフトの根元側(近位端)に配設されたアクチュエータ(例えば、電磁回転モータ)によって生成された駆動力をケーブル経由で伝達して、術具を作動させるように構成される。すなわち、シャフト先端に対してリストを第1軸回りに旋回させる動力、リストに対して監視の向きを第2軸回りに旋回させる動力、及び開閉型のエンドエフェクタを開閉操作するための動力の各々を伝達する、3系統のケーブルが必要であり、これらのケーブルはシャフト内に挿通される。また、ケーブルを使った動力伝達機構では、ケーブルに動力を加え又はケーブルからの力を軸力に変換するためのキャプスタンや、シャフト内でのケーブルのレイアウト調整並びにケーブルに一定の張力を付与する目的で使用されるアイドラプーリなど、複数のプーリが使用される。
ここで、アイドラプーリを用いてケーブルのレイアウト調整を行う方法によれば、摺動性が高いため耐久性や信頼性に優れ、エンドエフェクタのトルク制御を高精度で実現することができる。その反面、アイドラプーリの分だけ部品点数が増えるため、術具(例えば、シャフトの外径)が大型化し、コストも増大する。アイドラプーリを用いず、周辺部品に形成したR面でケーブルを摺動させる方法によれば、アイドラプーリを省略して部品点数を削減して小型化することができるが、摩耗によりケーブルが劣化し易くなり、信頼性が低下する。また、摺動面での摩擦係数が大きいため、外乱となり、トルク制御が難しくなるという問題もある。また、所望のレイアウトに沿うように配設された丸穴の中にケーブルを挿通させる方法も挙げられるが、丸穴に通したケーブルを操作する際にガタが発生するという問題がある。
また、アクチュエータによるケーブルの牽引力によって出力側のキャプスタンを駆動する方法として、一般に、ケーブルループ型とケーブル個別牽引型を挙げることができる。
前者のケーブルループ型では、出力側のキャプスタンと、アクチュエータの駆動により回転する駆動側のキャプスタンとをループさせてケーブルをレイアウトする構成となる。ケーブルループ型によれば、単一のアクチュエータで往路と復路のケーブルを拮抗制御することができるので、駆動部の小型化及び軽量化を実現し易い。また、ケーブルのプリテンションをアクチュエータの出力で補償する必要がないので、アクチュエータを小型化し易い。しかしながら、制御対象の軸角度やその他の軸の影響により、ループさせたケーブルの全長が変動するような装置構成の場合には、ケーブルに加わるプリテンションが変動するため、ケーブルループ型を適用し難い。例えば、リストを第1軸回りに駆動させたとき、各ジョー部材を駆動するそれぞれのケーブル長が変化する。
一方、後者のケーブル個別牽引型では、出力側のキャプスタンに取り付けたケーブルの往路及び復路をそれぞれ個別のアクチュエータで牽引する構成であり、往路及び復路のケーブルをそれぞれ独立して制御できることから、術具の構成上の設計自由度が高くなる。その反面、ケーブルのプリテンションをアクチュエータの出力で補償する必要がある。コイルばねや錘などを使ってプリテンションを補償することも可能であるが、アクチュエータで駆動させる際に、その分のバネ力や慣性力が加わるため、制御が難しくなる。
ケーブルループ型並びにケーブル個別牽引型のいずれにおいても、ケーブル毎に1つずつ牽引用のモータが必要になる。ケーブルのプリテンションを補償するための重くて大きなモータをケーブルの本数分だけ搭載すると、収容スペースや装置重量が大きくなってしまう。また、ケーブルループ型並びにケーブル個別牽引型のいずれにおいても、1つの出力側のキャプスタンを双方向に回転させるために往路及び復路の合計2本のケーブルを使用するため、ケーブルのレイアウト調整のためのアイドラプーリも2本分必要となり部品点数が多くなる。
また、術具の先端におけるヨー動作、ピッチ動作、及びエンドエフェクタの開閉動作を、他軸干渉を生じない構造により実現する必要がある。他軸干渉が生じると、例えば以下のような事象が発生する。
(1)ヨー軸角度を変化させた際に、ピッチ軸が受動的に回転してしまう。
(2)ヨー軸角度を変化させた際に、ケーブルの予張力が変動してしまう。
そこで、本明細書では、より少ないアイドラプーリだけでケーブルのレイアウト調整を行うとともに、所望のプリテンションを付与し易い方法でケーブルを牽引して、小型化及び軽量化を実現する術具、コンピュータ支援手術システム、並びに手術用操作ユニットについて、以下で開示する。
B.術具ユニットの構成例(1)
図1には、本開示に係る技術を適用した術具ユニットの一構成例を示している。図示の術具ユニット100は、長手軸を有する中空のシャフト102と、シャフト102の一端の術具ユニット先端部101と、シャフト102の他端の術具ユニット駆動部103を備えている。術具ユニット先端部101は、シャフト102に対しヨー軸と平行な第1軸回りに旋回可能なリストエレメントと、リストエレメントの先端にピッチ軸と平行な第2軸を開閉軸として開閉動作するエンドエフェクタを含んでいる。エンドエフェクタは、第2軸を中心に旋回して開閉動作する一対の対向するジョー部材からなる。但し、第2軸は第1軸からオフセットさせた位置に配置されている。また、術具ユニット駆動部103は、術具ユニット先端部101における各ジョー部材をそれぞれ駆動する2個のアクチュエータと、リストを駆動する1個のアクチュエータを備えている。
図2及び図3には、術具ユニット先端部101を拡大して示している(但し、図2と図3で、眺める方向を切り替えている)。また、図4及び図5には、術具ユニット駆動部103を拡大して示している(但し、図4と図5で、眺める方向を切り替えている)。また、図6には、術具ユニット100の自由度構成例を示している。また、図7には、術具ユニット100の6面図を示している。また、図8及び図9には、術具ユニット100の自由度構成を簡略化して描いている。
術具ユニット先端部101は、リストエレメントWEと開閉型のエンドエフェクタを含んでおり、エンドエフェクタは第1のジョー部材J1と第2のジョー部材J2という一対の対向するジョー部材からなる(例えば、図2及び図3を参照のこと)。リストエレメントWEは根元付近で、シャフト102の先端(遠位端)の、ヨー軸と平行な第1軸回りに旋回可能に支持されている。また、エンドエフェクタを構成する第1のジョー部材J1と第2のジョー部材J2は、リストエレメントWEの先端の、ピッチ軸と平行な第2軸回りに旋回可能に支持されている。第1のジョー部材J1と第2のジョー部材J2は、第2軸を開閉軸とする開き角度が変化して開閉動作する。
また、術具ユニット駆動部103は、第1のジョー部材J1の駆動に使用される第1のモータM1と、第2のジョー部材J2駆動に使用される第2のモータM2と、リストエレメントWEの駆動に使用される第3のモータM3を備えている(例えば、図4、図5、図6を参照のこと)。また、これら第1乃至第3のモータM1〜M3の各出力軸には、駆動キャプスタンとしての第1乃至第3のモータキャプスタンMC1、MC2、MC3がそれぞれ取り付けられている(例えば、図6を参照のこと)。第1乃至第3のモータM1〜M3の各々に回転モータを使用することを想定しているが、減速機付きのモータであってもよい。
第1のモータキャプスタンMC1には第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bが巻き付けられており、第1のモータキャプスタンMC1を第1のモータM1で回転させることで、ケーブルループ方式により第1のジョー部材J1を駆動する。また、第2のモータキャプスタンMC2には第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bが巻き付けられており、第2のモータキャプスタンMC2を第2のモータM2で回転させることで、ケーブルループ方式により第2のジョー部材J2を駆動する。
図4及び図5を参照すると、第1のモータM1は、シャフト102の長手軸方向にスライド動作する第1のスライドベースSB1上に支持され、第2のモータM2は、シャフト102の長手軸方向にスライド動作する第2のスライドベースSB2上に支持されている。また、第3のモータキャプスタンMC3には、第3の往復のケーブルセットC3a及びC3bが第3のアイドラプーリP3a及びP3bを経由して巻き付けられている。第3の往路のケーブルC3aの他端は第1のスライドベースSB1に固定され、第3の復路のケーブルC3bの他端は第2のスライドベースSB2に固定されている。そして、第3のモータM3は、ケーブルループ方式により第3の往復のケーブルセットC3a及びC3bを牽引することで、第1のスライドベースSB1と第2のスライドベースSB2をシャフト102の長手軸方向に互いに逆方向に進退動作させることができる(例えば、図6を参照のこと)。
図2及び図3を参照すると、第1のジョー部材J1は、第2軸回りに旋回可能となるように、根元付近でリストエレメントWEに支持されている支持されている。同様に、第2のジョー部材J2は、第2軸回りに旋回可能となるように、根元付近でリストエレメントWEに支持されている支持されている。したがって、第1のジョー部材J1と第2のジョー部材J2の開き角が増大又は減少するように(言い換えれば、第1のジョー部材J1と第2のジョー部材J2の第2軸回りの角度の差が変化するように)、各々を第2軸回りに旋回させることによって、エンドエフェクタの開閉動作が実現する。また、第1のジョー部材J1と第2のジョー部材J2の開き角を一定に保ったまま(言い換えれば、第1のジョー部材J1と第2のジョー部材J2の第2軸回りの角度の和が変化するように)、両者を同時に第2軸回りに旋回させることによって、第1のジョー部材J1と第2のジョー部材J2からなるエンドエフェクタの第2軸回りの旋回動作が実現する。
図2、図3及び図6を参照すると、第1のジョー部材J1の根元付近には、上記の第2軸を回転軸とする第1のジョーキャプスタンJC1が形設されている。第1のジョーキャプスタンJC1には、第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bが巻き付けられている。図4〜図6に示したように、第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bは、術具ユニット駆動部103側で、第1のモータキャプスタンMC1に巻き付けられている。したがって、第1のモータM1の回転方向に応じてケーブルC1a及びC1bのいずれか一方に牽引力が作用して、第1のジョー部材J1の第2軸回りの旋回動作が実現する。第1のジョー部材J1は、第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bを使ってケーブルループ方式により駆動されるので、第1のジョー部材J1の広可動域化を実現することができる。
また、図2、図3及び図6を参照すると、第2のジョー部材J2の根元付近には、上記の第2軸を回転軸とする第2のジョーキャプスタンJC2が形設されている。第2のジョーキャプスタンJC2には、第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bが巻き付けられている。図4〜図6に示したように、第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bは、術具ユニット駆動部103側で、第2のモータキャプスタンMC2に巻き付けられている。したがって、第2のモータM2の回転方向に応じてケーブルC2a及びC2bのいずれか一方に牽引力が作用して、第2のジョー部材J2の第2軸回りの旋回動作が実現する。第2のジョー部材J2は、第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bを使ってケーブルループ方式により駆動されるので、第2のジョー部材J2の広可動域化を実現することができる。
続いて、術具ユニット100における各ケーブルのレイアウトと、術具ユニット先端部101の具体的な動作方法について説明する。
第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bと第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bをそれぞれシャフト102内に挿通するように第1軸付近で方向変換させ、さらにはシャフト102内での各ケーブルのレイアウトを調整するために、アイドラプーリが使用される。
図2、図3及び図6に示すように、第1の往路のケーブルC1aは、第2軸に直交する方向に牽引されるが、第1軸を回転軸とする第1のアイドラプーリP11aによって第1軸に直交する方向に方向変換され、さらに第1のアイドラプーリP11aに隣接し第1軸と平行な回転軸を持つ第1の隣接アイドラプーリP12aによってシャフト102内を挿通するようにレイアウト調整される。そして、第1の往路のケーブルC1aは、シャフト102内を挿通した後、図5に示すようにアイドラプーリP13aを経由して第1のモータキャプスタンMC1に巻き付けられる。
一方、第1の復路のケーブルC1bは、第2軸に直交する方向に牽引されるが、第1軸を回転軸とする第1のアイドラプーリP11bによって第1軸に直交する方向に方向変換され、さらに第1のアイドラプーリP11bに隣接し第1軸と平行な回転軸を持つ第1の隣接アイドラプーリP12bによってシャフト102内を挿通するようにレイアウト調整される。そして、第1の復路のケーブルC1bは、シャフト102内を挿通した後、図5に示すようにアイドラプーリP13bを経由して第1のモータキャプスタンMC1に、第1の往路のケーブルC1aとは逆方向から巻き付けられる。
要するに、第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bは、ケーブルループ方式により第1のジョーキャプスタンJC1と第1のモータキャプスタンMC1間の動力伝達を行うようにレイアウトされている。したがって、図8からも分かるように、第1のモータキャプスタンMC1を第1のモータM1で回転させることで、第1のジョーキャプスタンJC1を回転させて、第1のジョー部材J1の第2軸回りの旋回角度を調整することができる。
また、図2、図3及び図6に示すように、第2の往路のケーブルC2aは、第2軸に直交する方向に牽引されるが、第1軸を回転軸とする第2のアイドラプーリP21aによって第1軸に直交する方向に方向変換され、さらに第2のアイドラプーリP21aに隣接し第1軸と平行な回転軸を持つ第2の隣接アイドラプーリP22aによってシャフト102内を挿通するようにレイアウト調整される。そして、第2の往路のケーブルC2aは、シャフト102内を挿通した後、図5に示すようにアイドラプーリP23aを経由して第2のモータキャプスタンMC2に巻き付けられる。
一方、第2の復路のケーブルC2bは、第2軸に直交する方向に牽引されるが、第1軸を回転軸とする第2のアイドラプーリP21bによって第1軸に直交する方向に方向変換され、さらに第2のアイドラプーリP21bに隣接し第1軸と平行な回転軸を持つ第2の隣接アイドラプーリP22bによってシャフト102内を挿通するようにレイアウト調整される。そして、第1の復路のケーブルC1bは、シャフト102内を挿通した後、図5に示すようにアイドラプーリP23bを経由して第2のモータキャプスタンMC2に、第2の往路のケーブルC2aとは逆方向から巻き付けられる。
要するに、第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bは、ケーブルループ方式により第2のジョーキャプスタンJC2と第2のモータキャプスタンMC2間の動力伝達を行うようにレイアウトされている。したがって、図8からも分かるように、第2のモータキャプスタンMC2を第2のモータM2で回転させることで、第2のジョーキャプスタンJC2を回転させて、第2のジョー部材J2の第2軸回りの旋回角度を調整することができる。
第1のジョー部材J1と第2のジョー部材J2の第2軸回りの角度の差が変化するように、第1のモータM1及び第2のモータM2によって第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bと第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bの牽引力を制御することで、1対のジョー部材J1及びJ2からなるエンドエフェクタの開閉動作を行うことができる。開閉角度は、第1のジョー部材J1と第2のジョー部材J2の第2軸回りの角度の差分で決定される。
また、第1のジョー部材J1と第2のジョー部材J2の第2軸回りの角度の和が変化するように第1のモータM1及び第2のモータM2によって第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bと第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bの牽引力を制御することで、エンドエフェクタを第2軸回りに旋回動作させることができる。第1のジョー部材J1と第2のジョー部材J2の第2軸回りの角度の平均値がエンドエフェクタの第2軸回りの旋回角度となる。
他方、第1のモータM1は、第1のモータキャプスタンMC1と各アイドラプーリP13a及びP13bとともに、第1のスライドベースSB1に固定されている。また、第2のモータM2は、第2のモータキャプスタンMC2と各アイドラプーリP23a及びP23bとともに、第1のスライドベースSB1に固定されている。そして、第1のスライドベースSB1には、アイドラプールP3aを経由して第3の往路のケーブルC3aが結合されている。また、第2のスライドベースSB2には、第3のアイドラプーリP3bを経由して第3の復路のケーブルC3bが結合されている。
なお、第1のスライドベースSB1から第3のアイドラプーリP3aの区間での第3の往路のケーブルC3a、並びに第2のスライドベースSB2から第3のアイドラプーリP3bの区間での第3の復路のケーブルC3bは、シャフト102の長手軸に対して平行となるようにレイアウトされていることが望ましい。
要するに、第3の往復のケーブルセットC3a及びC3bは、第3のモータキャプスタンMC3と第1のスライドベースSB1及び第2のスライドベースSB2間の動力伝達を行うようにレイアウトされている。したがって、図9からも分かるように、第3のモータキャプスタンMC3を第3のモータM3で回転させることで、第1のスライドベースSB1と第2のスライドベースSB2をシャフト102の長手軸方向に互いに逆方向に進退動作させることができる。
図6や図8を参照すると、第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bは、第1の往復のケーブルセットC1a及びC1aが第1のアイドラプーリP11a及びP11bに巻き付けられている方向とか逆の方向から、第2のアイドラプーリP21a及びP21bに巻き付けられている。このため、第1の往復のケーブルセットC1a及びC1aを後退させたときと、第2の往復のケーブルセットC2a及びC2aを後退させたときで、リストエレメントWEには第1軸回りに逆向きの回転力が加わることになる。したがって、第1のスライドベースSB1をシャフト102の先端(すなわち、遠位端)に前進させ、第2のスライドベースSB2をシャフト102の根元側(すなわち、近位端)に後退させると、第1の往復のケーブルセットC1a及びC1aが前進するとともに第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bが後退することとなり、結果としてリストエレメントWEは第1軸回りに正方向に回転する。逆に、第1のスライドベースSB1を後退させ、第2のスライドベースSB2を前進させると、第1の往復のケーブルセットC1a及びC1aが後退するとともに第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bが前進することとなり、結果としてリストエレメントWEは第1軸回りに負方向に回転する。ここで、第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bと第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bのいずれも全長が一定であることを前提とする。
図10〜図12には、第3のモータM3の駆動により、リストエレメントWEを第1軸回りに旋回動作させる様子をそれぞれ示している。図10〜図12から分かるように、第3のモータM3の駆動により、第1のモータM1を搭載する第1のスライドベースSB1と第2のモータM2を搭載する第2のスライドベースSB2が、シャフト102の長手軸方向に進退動作する。
第3のモータM3の回転駆動により、復路のケーブルC3bで第2のスライドベースSB2を牽引して、シャフト102の長手軸方向に近位端側に後退させる。すると、リストエレメントWEは、第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bによって牽引されて、図10に示すように第1軸回りに80度だけ回転する。
また、第1のスライドベースSB1と第2のスライドベースSB2のシャフト102の長手軸方向における位置が同じになる場合には、図11に示すように、リストエレメントWEの第1軸回りの回転位置は0度となる。
また、第3のモータM3の逆方向の回転駆動により、往路のケーブルC3aで第1のスライドベースSB1を牽引して、シャフト102の長手軸方向に近位端側に後退させる。すると、リストエレメントWEは、第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bによって牽引されて、図12に示すように第1軸回りに−80度だけ回転する。
このように、第3のモータM3で第3の往復のケーブルセットC3a及びC3bを牽引して、第1のスライドベースSB1と第2のスライドベースSB2のスライド動作を通じて、第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bと第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bを進退動作させることにより、リストエレメントWEを第1軸回りに旋回動作させることができる。また、リストエレメントWEを第1軸回りに旋回動作させる際に、第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bと第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bの予張力が変化しない。
術具ユニット先端部101の動作方法についてまとめておく。
第1軸における動作:
第3のモータM3で第3のモータキャプスタンMC3を回転させると、第3の往復のケーブルセットC3a及びC3bのいずれかに牽引力が発生する。これによって、図10〜図12に示したように、リストエレメントWE及びリストエレメントWEに搭載されたエンドエフェクタを、第1軸回りに正方向又は逆方向に旋回させることができる。
第2軸における動作:
第1のジョー部材J1の第2軸回りの角度と第2のジョー部材J2の第2軸回りの角度の平均値をエンドエフェクタの第2軸回りの角度とする。第1のジョーキャプスタンJC1及び第2のジョーキャプスタンJC2を同じ方向に同じ速度で回転させることで、エンドエフェクタの第2軸回りの旋回動作が生成される。
エンドエフェクタの動作:
エンドエフェクタは、第1のジョー部材J1と第2のジョー部材J2という一対の対向するジョー部材からなる(例えば、図2を参照のこと)。第1のジョー部材J1と第2のジョー部材J2の開き角度をエンドエフェクタの開閉角度とする。第1のモータキャプスタンMC1と第2のモータキャプスタンMC2を反対方向に同じ速度で回転させることで、エンドエフェクタの開閉動作が生成される。
続いて、第1乃至第3のモータM1〜M3の動作と術具ユニット先端部101の動作の関係について説明する。
図13には、リストエレメントWEの第1軸回りの動作例を示している。但し、同図は、術具ユニット先端部101を第1軸に平行な方向から眺めた図である。同図に示すように、第1軸を回転軸とする各アイドラプーリプーリP11a、P11b、P21a、P21bの半径をRψとし、リストエレメントWEの第1軸回りの旋回角度をψとする。
また、図14には、エンドエフェクタの第2軸回りの動作例を示している。但し、同図は、術具ユニット先端部101を第2軸に平行な方向から眺めた図である。同図に示すように、第1のジョーキャプスタンJC1のプーリ半径をRJC1とし、第2のジョーキャプスタンJC2のプーリ半径をRJC2とし、第1のジョー部材J1の第2軸回りの旋回角度をθj1とし、第2のジョー部材J2の第2軸回りの旋回角度をθj2とし、エンドエフェクタの開き角度をαとし、エンドエフェクタの第2軸回りの旋回角度をθとする。
また、図示を省略するが、第1のモータキャプスタンMC1のプーリ半径をRMC1とし、第2のモータキャプスタンMC2のプーリ半径をRMC2とし、第3のモータキャプスタンMC3のプーリ半径をRMC3とし、第1のモータキャプスタンMC1の回転角度をφMC1とし、第2のモータキャプスタンMC2の回転角度をφMC2とし、第3のモータキャプスタンMC3の回転角度をφMC3とする。
すると、リストエレメントWEの第1軸回りの旋回角度ψ、エンドエフェクタの第2軸回りの旋回角度θ、及び、エンドエフェクタの開き角度αは、それぞれ下式(1)〜(3)のように表される。
Figure 2021041038
Figure 2021041038
Figure 2021041038
また、第1のジョー部材J1の第2軸回りの旋回角度θj1と、第2のジョー部材J2の第2軸回りの旋回角度θj2は、それぞれ下式(4)及び(5)のように表される。
Figure 2021041038
Figure 2021041038
上式(1)〜(5)から分かるように、リストエレメントWEの第1軸回りの旋回角度ψ、エンドエフェクタの第2軸回りの旋回角度θ、及び、エンドエフェクタの開き角度αは、互いに影響を及ぼすことなく、独立に駆動させることができる。したがって、術具ユニット100は他軸干渉を生じない構造になっている。
続いて、術具ユニット先端部101の可動域について説明する。
図15〜図22には、リストエレメントWEの第1軸回りの旋回動作、エンドエフェクタの第2軸回りの旋回動作、及び、エンドエフェクタの開閉動作の例を図解している。
図15には、リストエレメントWEの第1軸回りの旋回角度ψが0度、エンドエフェクタの第2軸回りの旋回角度θが0度、エンドエフェクタの開き角度αが15度の状態を示している。また、図16には、ψが0度、θが80度、αが15度の状態を示している。また、図17は、ψが0度、θが80度、αが0度の状態を示している。また、図18には、ψが0度、θが−80度、αが15度の状態を示している。また、図19には、ψが−80度、θが80度、αが15度の状態を示している。また、図20には、ψが80度、θが80度、αが15度の状態を示している。また、図21には、ψが−45度、θが−45度、αが0度の状態を示している。また、図22には、ψが80度、θが−80度、αが0度の状態を示している。
図15〜図22から、術具ユニット先端部101は、リストエレメントWEの第1軸回りの±80度、エンドエフェクタの第2軸回りの±80度の自由度を持つことが分かる。
C.術具ユニットの構成例(2)
図23には、本開示に係る技術を適用した術具ユニットの他の構成例を示している。図示の術具ユニット2300は、長手軸を有する中空のシャフト2302と、シャフト2302の一端の術具ユニット先端部2301と、シャフト2302の他端の術具ユニット駆動部2303を備えている。術具ユニット先端部2301は、シャフト2302に対しヨー軸と平行な第1軸回りに旋回可能なリストエレメントと、リストエレメントの先端にピッチ軸と平行な第2軸を開閉軸として開閉動作するエンドエフェクタを含んでいる。エンドエフェクタは、第2軸を中心に旋回して開閉動作する一対の対向するジョー部材からなる。但し、第2軸は第1軸からオフセットさせた位置に配置されている。また、術具ユニット駆動部2303は、術具ユニット先端部2301における各ジョー部材をそれぞれ駆動する2個のアクチュエータと、リストを駆動する1個のアクチュエータを備えている。
図24及び図25には、術具ユニット駆動部2303を拡大して示している(但し、図24と図25で、眺める方向を切り替えている)。また、図26には、術具ユニット2300の自由度構成例を示している。また、図27には、術具ユニット2300の6面図を示している。なお、術具ユニット先端部2301の構成は、図2及び図3に示した術具ユニット先端部2301と同様なので、ここでは図示を省略する。
図26を参照すると、術具ユニット先端部2301は、リストエレメントWEと開閉型のエンドエフェクタを含んでおり、エンドエフェクタは第1のジョー部材J1と第2のジョー部材J2という一対の対向するジョー部材からなる。第1のジョー部材J1は、第2軸回りに旋回可能となるように、根元付近でリストエレメントWEに支持されている支持されている。同様に、第2のジョー部材J2は、第2軸回りに旋回可能となるように、根元付近でリストエレメントWEに支持されている支持されている。
第1のジョー部材J1の根元付近には、上記の第2軸を回転軸とする第1のジョーキャプスタンJC1が形設されている。第1のジョーキャプスタンJC1には、第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bが巻き付けられている。また、第2のジョー部材J2の根元付近には、上記の第2軸を回転軸とする第2のジョーキャプスタンJC2が形設されている。第2のジョーキャプスタンJC2には、第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bが巻き付けられている。
第1の往路のケーブルC1aは、第2軸に直交する方向に牽引されるが、第1軸を回転軸とする第1のアイドラプーリP11aによって第1軸に直交する方向に方向変換され、さらに第1のアイドラプーリP11aに隣接し第1軸と平行な回転軸を持つ第1の隣接アイドラプーリP12aによってシャフト2302内を挿通するようにレイアウト調整される。また、第1の復路のケーブルC1bは、第1のアイドラプーリP11bによって第2軸に直交する方向から第1軸に直交する方向に方向変換され、さらに第1のアイドラプーリP11bに隣接し第1軸と平行な回転軸を持つ第1の隣接アイドラプーリP12bによってシャフト2302内を挿通するようにレイアウト調整される。
一方、第2の往路のケーブルC2aは、第2軸に直交する方向に牽引されるが、第1軸を回転軸とする第2のアイドラプーリP21aによって第1軸に直交する方向に方向変換され、さらに第2のアイドラプーリP21aに隣接し第1軸と平行な回転軸を持つ第2の隣接アイドラプーリP22aによってシャフト2302内を挿通するようにレイアウト調整される。また、第2の復路のケーブルC2bは、第1のアイドラプーリP11bによって第2軸に直交する方向から第1軸に直交する方向に方向変換され、さらに第2のアイドラプーリP21bに隣接し第1軸と平行な回転軸を持つ第2の隣接アイドラプーリP22bによってシャフト2302内を挿通するようにレイアウト調整される。
続いて、術具ユニット駆動部2303側について、図24〜図26を参照しながら説明する。
術具ユニット駆動部2303は、第1のジョー部材J1の駆動に使用される第1のモータM1と、第2のジョー部材J2の駆動に使用される第2のモータM2と、リストエレメントWEの駆動に使用される第3のモータM3を備えている(例えば、図24、図25、図26を参照のこと)。また、これら第1乃至第3のモータM1〜M3の各出力軸には、駆動キャプスタンとしての第1乃至第3のモータキャプスタンMC1、MC2、MC3が取り付けられている(例えば、図26を参照のこと)。第1乃至第3のモータM1〜M3の各々に回転モータを使用することを想定しているが、減速機付きのモータであってもよい。
第1のモータキャプスタンMC1には第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bが巻き付けられている。すなわち、ケーブルループ方式により第1のジョーキャプスタンJC1と第1のモータキャプスタンMC1間の動力伝達を行うようにレイアウトされている。したがって、第1のモータキャプスタンMC1を第1のモータM1で回転させることで、第1のジョーキャプスタンJC1を回転させて、第1のジョー部材J1の第2軸回りの旋回角度を調整することができる。
また、第2のモータキャプスタンMC2には第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bが巻き付けられている。すなわち、ケーブルループ方式により第2のジョーキャプスタンJC2と第2のモータキャプスタンMC2間の動力伝達を行うようにレイアウトされている。したがって、第2のモータキャプスタンMC2を第1のモータM2で回転させることで、第2のジョーキャプスタンJC2を回転させて、第2のジョー部材J2の第2軸回りの旋回角度を調整することができる。
図2及び図3を参照しながら既に説明したように、第1のジョー部材J1と第2のジョー部材J2の第2軸回りの角度の差が変化するように各々を第2軸回りに旋回させることによって、エンドエフェクタが開閉動作する。また、第1のジョー部材J1と第2のジョー部材J2の第2軸回りの角度の和が変化するように両者を同時に第2軸回りに旋回させることによって、第1のジョー部材J1と第2のジョー部材J2からなるエンドエフェクタが第2軸回りに旋回動作する。
図24及び図25を参照すると、第1乃至第3のモータM1〜M3は、シャフト2302の末端(近位端)と一体をなすベースB上にそれぞれ固定されている。また、第3のモータキャプスタンMC3には、第3の往復のケーブルセットC3a及びC3bが第3のアイドラプーリP3a及びP3bを経由して巻き付けられている。第3の往路のケーブルC3aの他端は、シャフト102の長手軸方向にスライド動作する第1のスライドベースSB1に固定されている。また、第3の復路のケーブルC3bの他端は、シャフト102の長手軸方向にスライド動作する第2のスライドベースSB2に固定されている。
要するに、第3の往復のケーブルセットC3a及びC3bは、第3のモータキャプスタンMC3と第1のスライドベースSB1及び第2のスライドベースSB2間の動力伝達を行うようにレイアウトされている。したがって、第3のモータキャプスタンMC3を第3のモータM3で回転させることで、第1のスライドベースSB1と第2のスライドベースSB2をシャフト102の長手軸方向に互いに逆方向に進退動作させることができる。
なお、第1のスライドベースSB1から第3のアイドラプーリP3aの区間での第3の往路のケーブルC3a、並びに第2のスライドベースSB2から第3のアイドラプーリP3bの区間での第3の復路のケーブルC3bは、シャフト102の長手軸に対して平行となるようにレイアウトされていることが望ましい。
図24〜図26から分かるように、第1の往路のケーブルC1aは、第1のスライドベースSB1上のアイドラプーリP14aを経由して、第1のモータキャプスタンMC1に巻き付けられている。第1の復路のケーブルC1bは、第1のスライドベースSB1上のアイドラプーリP14bを経由して、第1の往路のケーブルC1aとは逆方向から第1のモータキャプスタンMC1に巻き付けられている。したがって、第1のスライドベースSB1をシャフト2302の根元側(すなわち、近位端)に後退させると、アイドラプーリP14a及びP14bも交代するので、第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bは近位端側に引っ張られ、第1のジョー部材J1に回転トルクが作用する。
また、第2の往路のケーブルC2aは、第2のスライドベースSB2上のアイドラプーリP24aを経由して、第2のモータキャプスタンMC2に巻き付けられている。第2の復路のケーブルC2bは、第2のスライドベースSB2上のアイドラプーリP24bを経由して、第2の往路のケーブルC2aとは逆方向から第2のモータキャプスタンMC2に巻き付けられている。したがって、第2のスライドベースSB2を後退させると、アイドラプーリP24a及びP24bも交代するので、第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bは近位端側に引っ張られ、第2のジョー部材J2に回転トルクが作用する。
第1のスライドベースSB1を前進させ、第2のスライドベースSB2を後退させると、第1の往復のケーブルセットC1a及びC1aが前進するとともに第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bが後退することとなり、結果としてリストエレメントWEは第1軸回りに正方向に回転する。逆に、第1のスライドベースSB1を後退させ、第2のスライドベースSB2を前進させると、第1の往復のケーブルセットC1a及びC1aが後退するとともに第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bが前進することとなり、結果としてリストエレメントWEは第1軸回りに負方向に回転する。ここで、第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bと第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bのいずれも全長が一定であることを前提とする。
図28〜図30には、第3のモータM3の駆動により、リストエレメントWEを第1軸回りに旋回動作させる様子をそれぞれ示している。図28〜図30から分かるように、第3のモータM3の駆動により、第1のスライドベースSB1と第2のスライドベースSB2がシャフト2302の長手軸方向に進退動作して、それぞれ第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bと第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bを牽引する。但し、第1のモータM1と第2のモータM2は、ベースB上に固定されているのでスライド動作しない。
第3のモータM3の回転駆動により、第3の復路のケーブルC3bで第2のスライドベースSB2を牽引して、シャフト2302の長手軸方向に近位端側に後退させる。すると、リストエレメントWEは、第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bによって牽引されて、図28に示すように第1軸回りに80度だけ回転する。
また、第1のスライドベースSB1と第2のスライドベースSB2のシャフト102の長手軸方向における位置が同じになる場合には、図29に示すように、リストエレメントWEの第1軸回りの回転位置は0度となる。
また、第3のモータM3の逆方向の回転駆動により、第3の往路のケーブルC3aで第1のスライドベースSB1を牽引して、シャフト2302の長手軸方向に近位端側に後退させる。すると、リストエレメントWEは、第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bによって牽引されて、図30に示すように第1軸回りに−80度だけ回転する。
このように、第3のモータM3で第3の往復のケーブルセットC3a及びC3bを牽引して、第1のスライドベースSB1と第2のスライドベースSB2のスライド動作を通じて、第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bと第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bを進退動作させることにより、リストエレメントWEを第1軸回りに旋回動作させることができる。また、リストエレメントWEを第1軸回りに旋回動作させる際に、第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bと第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bの予張力が変化しない。
術具ユニット2300は、図1〜図22に示した術具ユニット2100とは相違し、第1のモータM1及び第2のモータM2はともにベースに固定され、リストエレメントWEの第1軸回りの旋回時にスライド動作することはないので、スライド動作時における構造の慣性を低減することができる。
術具ユニット先端部2301の動作方法についてまとめておく。
第1軸における動作:
第3のモータM3で第3のモータキャプスタンMC3を回転させると、第3の往復のケーブルセットC3a及びC3bのいずれかに牽引力が発生する。これによって、リストエレメントWE及びリストエレメントWEに搭載されたエンドエフェクタを、第1軸回りに正方向又は逆方向に旋回させることができる。
第2軸における動作:
第1のジョー部材J1の第2軸回りの角度と第2のジョー部材J2の第2軸回りの角度の平均値をエンドエフェクタの第2軸回りの角度とする。第1のジョーキャプスタンJC1及び第2のジョーキャプスタンJC2を同じ方向に同じ速度で回転することで、エンドエフェクタの第2軸回りの旋回動作が生成される。
エンドエフェクタの動作:
エンドエフェクタは、第1のジョー部材J1と第2のジョー部材J2という一対の対向するジョー部材からなる(例えば、図2を参照のこと)。第1のジョー部材J1と第2のジョー部材J2の開き角度をエンドエフェクタの開閉角度とする。第1のモータキャプスタンMC1と第2のモータキャプスタンMC2を反対方向に同じ速度で回転させることで、エンドエフェクタの開閉動作が生成される。
続いて、第1乃至第3のモータM1〜M3の動作と術具ユニット先端部2301の動作の関係について説明する。
リストエレメントWEは、図13に示したように、第1軸回りに旋回動作する。同図に示すように、第1軸を回転軸とする各アイドラプーリプーリP11a、P11b、P21a、P21b半径をRψとし、リストエレメントWEの第1軸回りの旋回角度をψとする。
また、第1のジョー部材J1及び第2のジョー部材J2は、図14に示したように、それぞれ第2軸回りに旋回して、エンドエフェクタの旋回動作並びに開閉動作が実施される。第1のジョーキャプスタンJC1のプーリ半径をRJC1とし、第2のジョーキャプスタンJC2のプーリ半径をRJC2とし、第1のジョー部材J1の第2軸回りの旋回角度をθj1とし、第2のジョー部材J2の第2軸回りの旋回角度をθj2とし、エンドエフェクタの開き角度をαとし、エンドエフェクタの第2軸回りの旋回角度をθとする。
また、図示を省略するが、第1のモータキャプスタンMC1のプーリ半径をRMC1とし、第2のモータキャプスタンMC2のプーリ半径をRMC2とし、第3のモータキャプスタンMC3のプーリ半径をRMC3とし、第1のモータキャプスタンMC1の回転角度をφMC1とし、第2のモータキャプスタンMC2の回転角度をφMC2とし、第3のモータキャプスタンMC3の回転角度をφMC3とする。
すると、リストエレメントWEの第1軸回りの旋回角度ψ、エンドエフェクタの第2軸回りの旋回角度θ、及び、エンドエフェクタの開き角度αは、それぞれ下式(6)〜(8)のように表される。
Figure 2021041038
Figure 2021041038
Figure 2021041038
上式(6)を術具ユニット100における上式(1)と比較すると、術具ユニット2300の場合、第3のモータM3の回転量に対してリストエレメントWEの第1軸回りの旋回角度ψが2倍となる。このため、第1軸回りの回転分解能が2分の1に低減する。これは、第1のスライドベースSB1に固定されたアイドラプーリP14a及びP14b、並びに第2のスライドベースSB2に固定されたアイドラプーリP24a及びP24bが動滑車として動作することに起因する。
また、第1のジョー部材J1の第2軸回りの旋回角度θj1と、第2のジョー部材J2の第2軸回りの旋回角度θj2は、それぞれ下式(9)及び(10)のように表される。
Figure 2021041038
Figure 2021041038
上式(6)〜(10)から分かるように、リストエレメントWEの第1軸回りの旋回角度ψ、エンドエフェクタの第2軸回りの旋回角度θ、及び、エンドエフェクタの開き角度αは、互いに影響を及ぼすことなく、独立に駆動させることができる。したがって、術具ユニット2300は他軸干渉を生じない構造になっているということができる。
また、術具ユニット先端部2301においても、図15〜図22に示したように、リストエレメントWEの第1軸回りの旋回動作、エンドエフェクタの第2軸回りの旋回動作、及び、エンドエフェクタの開閉動作が実現する。
D.術具ユニットの構成例(3)
図31には、本開示に係る技術を適用した術具ユニットのさらに他の構成例を示している。図示の術具ユニット3100は、長手軸を有する中空のシャフト3102と、シャフト3102の一端の術具ユニット先端部3101と、シャフト3102の他端の術具ユニット駆動部3103を備えている。術具ユニット先端部3101は、シャフト3102に対しヨー軸と平行な第1軸回りに旋回可能なリストエレメントと、リストエレメントの先端にピッチ軸と平行な第2軸を開閉軸として開閉動作するエンドエフェクタを含んでいる。エンドエフェクタは、第2軸を中心に旋回して開閉動作する一対の対向するジョー部材からなる。但し、第2軸は第1軸からオフセットさせた位置に配置されている。また、術具ユニット駆動部3103は、術具ユニット先端部3101における各ジョー部材をそれぞれ駆動する2個のアクチュエータと、リストを駆動する1個のアクチュエータを備えている。
図32及び図33には、術具ユニット先端部3101を拡大して示している(但し、図32と図33で、眺める方向を切り替えている)。また、図34及び図35には、術具ユニット駆動部3103を拡大して示している(但し、図34と図35で、眺める方向を切り替えている)。また、図36には、術具ユニット3100の自由度構成例を示している。また、図37には、術具ユニット3100の6面図を示している。
術具ユニット先端部3101は、リストエレメントWEと開閉型のエンドエフェクタを含んでおり、エンドエフェクタは第1のジョー部材J1と第2のジョー部材J2という一対の対向するジョー部材からなる(例えば、図32及び図33を参照のこと)。リストエレメントWEは根元付近で、シャフト3102の先端(遠位端)の、ヨー軸と平行な第1軸回りに旋回可能に支持されている。また、エンドエフェクタを構成する第1のジョー部材J1と第2のジョー部材J2は、リストエレメントWEの先端の、ピッチ軸と平行な第2軸回りに旋回可能に支持されている。第1のジョー部材J1と第2のジョー部材J2は、第2軸を開閉軸とする開き角度が変化して開閉動作する。
また、術具ユニット駆動部3103は、第1のジョー部材J1の駆動に使用される第1のモータM1と、第2のジョー部材J2の駆動に使用される第2のモータM2と、リストエレメントWEの駆動に使用される第3のモータM3を備えている(例えば、図34、図35、図36を参照のこと)。第1乃至第3のモータM1〜M3は、シャフト3102の末端(近位端)と一体をなすベースB1にそれぞれ固定されている。また、これら第1乃至第3のモータM1〜M3の各出力軸には、駆動キャプスタンとしての第1乃至第3のモータキャプスタンMC1、MC2、MC3がそれぞれ取り付けられている。第1乃至第3のモータM1〜M3の各々に回転モータを使用することを想定しているが、減速機付きのモータであってもよい。
図34及び図35を参照すると、ベースB1の各側面には、シャフト3102の長手軸方向にスライド動作する第1のスライドベースSB1及び第2のスライドベースSB2がそれぞれ取り付けられている。
図32、図33、及び図36を参照すると、第1のジョー部材J1の根元付近には、第2軸を回転軸とする第1のジョーキャプスタンJC1が形設されている。第1のジョーキャプスタンJC1には、第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bが巻き付けられている。また、図34〜図36を参照すると、第1のモータキャプスタンMC1には、第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bが巻き付けられている。
図32、図33、及び図36を参照すると、第1の往路のケーブルC1aは、第2軸に直交する方向に牽引されるが、第1軸を回転軸とする第1のアイドラプーリP11aによって第1軸に直交する方向に方向変換され、さらに第1のアイドラプーリP11aに隣接し第1軸と平行な回転軸を持つ第1の隣接アイドラプーリP12aによってシャフト3102内を挿通するようにレイアウト調整される。そして、第1の往路のケーブルC1aは、シャフト3102内を挿通した後、図34及び図35に示すように、第1のスライドベースSB1に固定されたアイドラプーリP14a及びベースB1に固定されたアイドラプーリP13aを経由して第1のモータキャプスタンMC1に巻き付けられる。
一方、第1の復路のケーブルC1bは、第2軸に直交する方向に牽引されるが、第1軸を回転軸とする第1のアイドラプーリP11bによって第1軸に直交する方向に方向変換され、さらに第1のアイドラプーリP11bに隣接し第1軸と平行な回転軸を持つ第1の隣接アイドラプーリP12bによってシャフト3102内を挿通するようにレイアウト調整される。そして、第1の復路のケーブルC1bは、シャフト3102内を挿通した後、図34及び図35に示すように、第1のスライドベースSB1に固定されたアイドラプーリP14b及びベースB1に固定されたアイドラプーリP13bを経由して第1のモータキャプスタンMC1に、第1の往路のケーブルC1aとは逆方向から巻き付けられる。
したがって、第1のモータキャプスタンMC1を第1のモータM1で回転させることで、第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bに牽引力を発生させて、第1のジョーキャプスタンJC1を回転させて、第1のジョー部材J1の第2軸回りの旋回角度を調整することができる。第1のジョー部材J1は、第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bを使ってケーブルループ方式により駆動されるので、第1のジョー部材J1の広可動域化を実現することができる。
図32、図33、及び図36を参照すると、第2のジョー部材J2の根元付近には、第2軸を回転軸とする第2のジョーキャプスタンJC2が形設されている。第2のジョーキャプスタンJC2には、第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bが巻き付けられている。また、図34〜図36を参照すると、第2のモータキャプスタンMC2には、第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bが巻き付けられている。
図32、図33、及び図36を参照すると、第2の往路のケーブルC2aは、第2軸に直交する方向に牽引されるが、第1軸を回転軸とする第2のアイドラプーリP21aによって第1軸に直交する方向に方向変換され、さらに第2のアイドラプーリP21aに隣接し第1軸と平行な回転軸を持つ第2の隣接アイドラプーリP22aによってシャフト3102内を挿通するようにレイアウト調整される。そして、第2の往路のケーブルC2aは、シャフト3102内を挿通した後、図34及び図35に示すように、第2のスライドベースSB2に固定されたアイドラプーリP24a及びベースB1に固定されたアイドラプーリP23aを経由して第2のモータキャプスタンMC2に巻き付けられる。
一方、第2の復路のケーブルC2bは、第2軸に直交する方向に牽引されるが、第1軸を回転軸とする第2のアイドラプーリP21bによって第1軸に直交する方向に方向変換され、さらに第2のアイドラプーリP21bに隣接し第1軸と平行な回転軸を持つ第1の隣接アイドラプーリP22bによってシャフト3102内を挿通するようにレイアウト調整される。そして、第2の復路のケーブルC2bは、シャフト3102内を挿通した後、図34及び図35に示すように、第2のスライドベースSB2に固定されたアイドラプーリP24b及びベースB1に固定されたアイドラプーリP23bを経由して第2のモータキャプスタンMC2に、第2の往路のケーブルC2aとは逆方向から巻き付けられる。
したがって、第2のモータキャプスタンMC2を第2のモータM2で回転させることで、第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bに牽引力を発生させて、第2のジョーキャプスタンJC2を回転させて、第2のジョー部材J2の第2軸回りの旋回角度を調整することができる。第2のジョー部材J2は、第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bを使ってケーブルループ方式により駆動されるので、第2のジョー部材J2の広可動域化を実現することができる。
図32、図33、及び図36を参照すると、リストエレメントWEの根元付近には、第1軸を回転軸とするリストキャプスタンWCが形設されている。リストキャプスタンWCには、第3の往復のケーブルセットC3a及びC3bが巻き付けられている。また、図34〜図36を参照すると、第3のモータキャプスタンMC3には、第3の往復のケーブルセットC3a及びC3bが巻き付けられている。
第1のジョー部材J1と第2のジョー部材J2の第2軸回りの角度の差が変化するように、第1のモータM1及び第2のモータM2によって第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bと第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bの牽引力を制御することで、1対のジョー部材J1及びJ2からなるエンドエフェクタの開閉動作を行うことができる。開閉角度は、第1のジョー部材J1と第2のジョー部材J2の第2軸回りの角度の差分で決定される。
また、第1のジョー部材J1と第2のジョー部材J2の第2軸回りの角度の和が変化するように第1のモータM1及び第2のモータM2によって第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bと第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bの牽引力を制御することで、エンドエフェクタを第2軸回りに旋回動作させることができる。第1のジョー部材J1と第2のジョー部材J2の第2軸回りの角度の平均値がエンドエフェクタの第2軸回りの旋回角度となる。
図32、図33、及び図36を参照すると、第3の往路のケーブルC3aは、リストキャプスタンWCに巻き付けられ、第1軸に直交し且つシャフト3102の長手軸方向にする方向に牽引されて、シャフト3102内を挿通する。そして、第3の往路のケーブルC3aは、シャフト3102内を挿通した後、図34及び図35に示すように、ベースB1に固定された第3のアイドラプーリP3aを経由して第3のモータキャプスタンMC3に巻き付けられる。
一方、第3の復路のケーブルC3bは、第3の往路のケーブルC3aとは逆方向からリストキャプスタンWCに巻き付けられ、第1軸に直交し且つシャフト3102の長手軸方向にする方向に牽引されて、シャフト3102内を挿通する。そして、第3の復路のケーブルC3bは、シャフト3102内を挿通した後、図34及び図35に示すように、ベースB1に固定された第3のアイドラプーリP3bを経由して、3の往路のケーブルC3aとは逆方向から第3のモータキャプスタンMC3に巻き付けられる。
したがって、第3のモータキャプスタンMC3を第3のモータM3で回転させることで、第3の往復のケーブルセットC3a及びC3bに牽引力を発生させて、リストキャプスタンWCを回転させて、リストエレメントWEの第1軸回りの旋回角度を調整することができる。リストエレメントWEは、第3の往復のケーブルセットC3a及びC3bを使ってケーブルループ方式により駆動されるので、リストエレメントWEの広可動域化を実現することができる。
図34〜図36を参照すると、ベースB1に固定された第4のアイドラプーリP4には、第4の往復のケーブルセットC4a及びC4bが巻き付けられている。そして、第4の往路のケーブルC4aの端部は第1のスライドベースSB1に固定され、第4の復路のケーブルC4bは第2のスライドベースSB2に固定されている。
既に説明したように、第1のスライドベースSB1と第2のスライドベースSB2はいずれもベースB1上でシャフト3102の長手軸方向にスライド動作する。また、第1のスライドベースSB1には第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bが巻き付けられたアイドラプーリP14a及びP14bが固定され、第2のスライドベースSB2には第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bが固定されている。
第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bは、第1のジョー部材J1を第2軸回りに旋回させる際に、第1のモータM1によって牽引される。また、第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bは、第2のジョー部材J2を第2軸回りに旋回させる際に、第2のモータM2によって牽引される。ここで、リストエレメントWEを第1軸回りに旋回動作させる際に、第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bと第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bに負荷が加わらないようにする必要がある。
そこで、第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bが巻き付けられたアイドラプーリP14a及びP14bを第1のスライドベースSB1に固定するとともに、第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bが巻き付けられたアイドラプーリP24a及びP24bを第2のスライドベースSB2に固定する。そして、各端部を第1のスライドベースSB1と第2のスライドベースSB2に固定した第4の往復のケーブルセットC4a及びC4bをベースB1に固定された第4のアイドラプーリに巻き付ける。これによって、第1のスライドベースSB1及び第2のスライドベースSB2がシャフト3102の長手軸方向に進退動作することによって、アイドラプーリP14a及びP14bとアイドラプーリP24a及びP24bの位置を適切に調整する構成となる。この結果、リストエレメントWEを第1軸回りに旋回動作させる際に、第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bと第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bに、負荷が加わらないようにすることができる。
第3のモータM3の回転によってリストエレメントWEの第1軸回りに旋回動作が能動的に行われると、それに伴い、第1のスライドベースSB1及び第2のスライドベースSB2がシャフト3102の長手方向に受動的に進退する。これによって、第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bと第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bにそれぞれ加わる張力を一定に保つことができる。
術具ユニット3100は、第3のモータM3によって直接的にリストキャプスタンWCを回転させる構成となっている。したがって、図23〜図30に示した術具ユニット2300における第1軸回りの回転分解能の低下を回避することができる。
また、術具ユニット3100は、術具ユニット2300と同様に、第1のモータM1及び第2のモータM2はともにベースに固定される構造であり、リストエレメントWEの第1軸回りの旋回時にスライド動作することはないので、スライド動作時における構造の慣性を低減することができる。
図38〜図40には、第3のモータM3の駆動により、リストエレメントWEを第1軸回りに旋回動作させる様子をそれぞれ示している。図28〜図30から分かるように、第3のモータM3の駆動により、第1のスライドベースSB1と第2のスライドベースSB2がシャフト2302の長手軸方向に進退動作して、それぞれ第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bと第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bを牽引する。但し、第1のモータM1と第2のモータM2は、ベースB上に固定されているのでスライド動作しない。
術具ユニット3100は、第3のモータM3によって直接的にリストキャプスタンWCを回転させる構成となっている。リストエレメントWEは、第3のモータM3の回転駆動に伴い第1の往路のケーブル3aによって牽引されて、図38に示すように第1軸回りに80度だけ回転する。その際、第1のスライドベースSB1がシャフト3102の長手軸方向に前進するとともに、第2のスライドベースSB2が後退する。これによって、アイドラプーリP14a及びP14bとアイドラプーリP24a及びP24bの位置を適切に調整して、第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bと第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bに負荷が加わらないようにすることができる。
また、リストエレメントWEの第1軸回りの回転位置が0度のときには、図39に示すように、第1のスライドベースSB1と第2のスライドベースSB2のシャフト102の長手軸方向における位置が同じになる。これによって、アイドラプーリP14a及びP14bとアイドラプーリP24a及びP24bの位置を適切に調整して、第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bと第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bに負荷が加わらないようにすることができる。
また、リストエレメントWEは、第3のモータM3の回転駆動に伴い第1の往路のケーブル3aによって牽引されて、図40に示すように第1軸回りに−80度だけ回転する。その際、第2のスライドベースSB2がシャフト3102の長手軸方向に前進するとともに、第1のスライドベースSB1が後退する。これによって、アイドラプーリP14a及びP14bとアイドラプーリP24a及びP24bの位置を適切に調整して、第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bと第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bに負荷が加わらないようにすることができる。
図38〜図40から分かるように、第3のモータM3で第3の往復のケーブルセットC3a及びC3bを牽引することによって、直接的にリストエレメントWEを第1軸回りに旋回動作させることができる。そして、リストエレメントWEが第1軸回りに旋回する際に、第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bと第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bがシャフト3102の長手軸方向に進退動作するので、第1の往復のケーブルセットC1a及びC1bと第2の往復のケーブルセットC2a及びC2bの予張力が変化しない。
術具ユニット先端部3101の動作方法についてまとめておく。
第1軸における動作:
第3のモータM3で第3のモータキャプスタンMC3を回転させると、第3の往復のケーブルセットC3a及びC3bのいずれかに牽引力が発生する。これによって、リストエレメントWE及びリストエレメントWEに搭載されたエンドエフェクタを、第1軸回りに正方向又は逆方向に旋回させることができる。
第2軸における動作:
第1のジョー部材J1の第2軸回りの角度と第2のジョー部材J2の第2軸回りの角度の平均値をエンドエフェクタの第2軸回りの角度とする。第1のジョーキャプスタンJC1及び第2のジョーキャプスタンJC2を同じ方向に同じ速度で回転することで、エンドエフェクタの第2軸回りの旋回動作が生成される。
エンドエフェクタの動作:
エンドエフェクタは、第1のジョー部材J1と第2のジョー部材J2という一対の対向するジョー部材からなる(例えば、図32を参照のこと)。第1のジョー部材J1と第2のジョー部材J2の開き角度をエンドエフェクタの開閉角度とする。第1のモータキャプスタンMC1と第2のモータキャプスタンMC2を反対方向に同じ速度で回転させることで、エンドエフェクタの開閉動作が生成される。
E.術具ユニットの変形例
E−1.ケーブルを駆動する方法の変形例
第1乃至第3のモータM1〜M3として、電磁回転モータを用いることが最良である。但し、駆動キャプスタンを回転させることができる他のタイプのアクチュエータで代替することも可能である。ケーブルを牽引するアクチュエータの他の変形性として、例えば、さらに以下を挙げることができる。
・ピエゾ式直動型超音波モータ
・ピエゾ式回転型超音波モータ
・油圧式直動モータ
・油圧式回転モータ
・高分子直動アクチュエータ
・電磁式式直動モータ
・形状記憶合金
また、いずれのタイプのアクチュエータを採用するにせよ、アクチュエータに減速機や位置検出器、非常用のブレーキ機構を装備するようにしてもよい。ここで、減速機として、例えば、ギア式減速機、波動歯車減速機、郵政歯車減速機、不思議郵政歯車減速機、ケーブル減速機、トラクション減速機、ボールねじ、滑りねじ、ウォームギアなどを挙げることができる。また、位置検出器として、例えば、磁気式エンコーダ、光学式エンコーダ、ポテンショメータなどを挙げることができる。
E−2.ジョー部材の形状の変形例
各図では、第1のジョー部材J1及び第2のジョー部材J2を、便宜上、簡単な形状で描いた。現実には、術具ユニットの用途に応じて、ジョー部材の形状を変更してもよい。例えば、以下を挙げることができる。
・鉗子
・バイポーラ式鉗子
・鋏
・ステープラー
E−3.シャフトの変形例
シャフト102は、理想的には剛体であるが、可撓性のある構成であってもよい。また、各図では、簡素化のため、単純な中空円筒形状をしたシャフト102を描いたが、必ずしも円筒形状である必要はない。例えば、シャフト102の断面が多角形形状や楕円形状であってもよいし、長手軸方向の途中で断面形状が切り替わってもよい。シャフト2302及び3102についても同様である。
E−4.ケーブルの変形例
ケーブルは、金属線を束ねたもの、樹脂を束ねたもの、あるいは金属線と樹脂など複数の素材を織り交ぜたものでもよい。また、シャフト102内部などに配置され、湾曲を必要としないケーブルの箇所には剛性が高い金属製のシャフト102を用い、湾曲を有する箇所に用いられる柔軟なケーブルと連結して、1本のケーブルを構成するようにしてもよい。ケーブルの代替品として、例えば、以下を挙げることができる。
・金属製又は樹脂製のワイヤ
・細径の金属製又は樹脂製の細線を編み込んだワイヤ
E−5.アイドラプーリの変形例
上記では、ケーブルのレイアウト調整のためにアイドラプーリを使用する例について説明してきた。アイドラプーリを用いれば、ケーブルを牽引する際の摺動摩擦を低減して滑らかな動作を実現することができる。摺動摩擦を低下させたい場合には、回転軸受を備えたアイドラプーリを使用してもよい。
他方、アイドラプーリを使用すると、機構のサイズが膨らみ、部品点数が増えるという問題がある。そこで、術具ユニット先端部101のさらなる小型化のために、アイドラプーリを使用せず、機構に形設した案内溝に沿ってケーブルをレイアウトするようにしてもよい。
E−6.センシング
ケーブルの張力を検出するために、各ケーブルに歪みセンサを搭載してもよい。歪みセンサとして、例えば、抵抗変化型の歪みセンサや、FBG(Fiber Bragg Grating)式の歪みセンサを挙げることができる。また、ケーブルを牽引するアクチュエータにトルクセンサを搭載してもよい。
F.術具ユニットの応用例
F−1.コンピュータ支援手術システムへの応用例
図41には、本実施形態に係る術具ユニットを利用した手術支援システム4100(コンピュータ支援手術システムやロボット支援手術システムとも呼ぶ)の外観構成例を示している。図示の手術支援システム4100は、多リンク構造からなるアーム4101を備え、そのアーム4101の先端に、術具ユニット4102が搭載されている。術具ユニット4102は、交換可能であってもよい。手術支援システム4100は、例えば腹腔鏡下手術に適用され、術具ユニット先端部101がトロッカー(図示しない)を経由して腹腔内に挿入して、患部の把持や切除といった施術が実施される。
図示の手術支援システム4100は、例えばマスタスレーブロボットにおけるスレーブ装置として利用されてもよく、マスタ装置(図示しない)からの指令に従ってアーム4101並びに術具ユニット4102が駆動する。また、この種のマスタスレーブロボットには、例えばバイラテラル制御方式が適用される。また、手術支援システム4100は術具を備えたアームとして術者により直接操作されて動作することも可能である。
なお、アーム4101は、極座標型ロボット、円筒座標型ロボット、直角座標系型ロボット、垂直多関節型ロボット、水平多関節型ロボット、パラレルリンク型ロボット、RCM(Remote Center of Motion)型ロボットなどのうちいずれの機構型のロボットであってもよい。
また、手術支援システム4100が腹腔鏡手術を支援する手術用ロボットである場合には、機構のコンパクト性や、トロッカー箇所でのピボット動作生成の容易性などの観点から、アーム4101として、垂直多関節型や、駆動回転中心から離れた位置に遠隔回転中心を配置してピボット(不動点)運動を実現するRCM(Remote Center of Motion)型のアームを用いることが好ましい。
また、図41では1本の術具ユニットのみを装着可能なコンピュータ支援手術システムの構成例を示したが、同時に複数本の術具ユニットを装着して腹腔鏡下手術を実施可能なタイプのコンピュータ支援手術システムにも、同様に適用することができる。
F−2.手術用操作ユニットへの応用例
図42には、本実施形態に係る術具ユニットを利用した手術用操作ユニット4200の外観構成例を示している。手術用操作ユニット4200は、ユーザ(術者)が直接手に持って操作するハンドル部4201を備え、そのハンドル部4201の先端に、術具ユニット4202が搭載されている。術具ユニット4202は、交換可能であってもよい。
ハンドル部4201は、例えば、術具ユニット4202の術具ユニット先端部の姿勢を任意の方向に指示するための、親指で操作可能なジョイスティック4203を備えてもよい。また、ハンドル部4201は、ジョー部材の開閉操作を支持するための、人差し指で操作可能なボタン4204を備えてもよい。
ハンドル部4201内には、コントローラ(図示しない)が搭載されている。このコントローラは、ジョイスティック4203やボタン4204の操作量に応じたリストエレメントWEの第1軸回りの旋回角度、エンドエフェクタの第2軸回りの旋回角度及び開き角度を演算し、これを各モータの回転量に換算して、術具ユニット駆動部103への制御信号を出力する。
G.効果
本開示に係る技術によれば、術具の先端におけるヨー動作、ピッチ動作、及びエンドエフェクタの開閉動作の3自由度動作を、3つのモータを用いて実現することができるので、術具の駆動部を小型化することができる。
また、本開示に係る技術によれば、術具の先端におけるヨー動作、ピッチ動作、及びエンドエフェクタの開閉動作を、他軸干渉を生じない構造により実現することができるので、各軸の制御が非常に容易になる。
以上、特定の実施形態を参照しながら、本開示に係る技術について詳細に説明してきた。しかしながら、本開示に係る技術の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
本明細書では、本開示に係る技術を手術用ロボットに用いられる術具に適用した実施形態を中心に説明してきたが、本開示に係る技術の要旨はこれに限定されるものではない。本開示に係る技術は、精密作業ロボットなど、医療以外のさまざまな分野のロボットに適用することができる。また、本開示に係る技術は、ユーザが手で握りながら操作可能なグリップ型操作ユニットや精密作業装置にも適用することができる。
要するに、例示という形態により本開示に係る技術について説明してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本開示に係る技術の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
なお、本開示に係る技術は、以下のような構成をとることも可能である。
(1)シャフトと、
前記シャフトの先端に第1軸回りに回動可能に連結されたリストと、
前記リストに対してそれぞれ第2軸回りに回動可能に支持された第1のジョー部材及び第2のジョー部材と、
前記第1のジョー部材を前記第2軸回りに旋回させるための力を伝達する第1の往復のケーブルセットと、
前記第2のジョー部材を前記第2軸回りに旋回させるための力を伝達する第2の往復のケーブルセットと、
前記第1の往復のケーブルセットと前記第2の往復のケーブルセットの予張力が変化しないように、前記リストの前記第1軸回りの旋回動作を生成する旋回動作部と、
を具備する術具。
(2)前記第2軸が回転軸となるように前記第1のジョー部材に設けられ、前記第1の往復のケーブルセットが巻き付けられた第1のジョーキャプスタンと、
前記第2軸が回転軸となるように前記第2のジョー部材に設けられ、前記第2の往復のケーブルセットが巻き付けられた第2のジョーキャプスタンと、
をさらに備える、上記(1)に記載の術具。
(3)前記第1の往復のケーブルセットを前記シャフトの長手軸とほぼ平行な方向に変換する第1のアイドラプーリ部と、
前記第2の往復のケーブルセットを前記シャフトの長手軸とほぼ平行な方向に変換する第2のアイドラプーリ部と、
をさらに備える、上記(2)に記載の術具。
(4)前記第1のアイドラプーリ部は、前記第1軸回りに回転する第1のアイドラプーリと、前記第1のアイドラプーリに隣接して前記第1軸と平行な回転軸を持つ第1の隣接アイドラプーリを含み、
前記第2のアイドラプーリ部は、前記第1軸回りに回転する第2のアイドラプーリと、前記第2のアイドラプーリに隣接して前記第1軸と平行な回転軸を持つ第2の隣接アイドラプーリを含む、
上記(3)に記載の術具。
(5)第1の駆動キャプスタンを回転させて前記第1の往復のケーブルセットを牽引する第1のアクチュエータと、
第2の駆動キャプスタンを回転させ前記第2の往復のケーブルセットを牽引する第2のアクチュエータと、
をさらに備える、上記(3)又は(4)のいずれかに記載の術具。
(6)前記旋回動作部は、前記第1の往復のケーブルセットと前記第2の往復のケーブルセットのいずれか一方を前記シャフトの長手軸方向に後退させるとともに他方を前進させて、前記リストの前記第1軸回りの旋回動作を生成する、
上記(5)に記載の術具。
(7)前記旋回動作部は、
前記第1のアクチュエータ及び前記第1の駆動キャプスタンを固定して、前記シャフトの長手軸方向にスライド動作する第1のスライドベースと、
前記第2のアクチュエータ及び前記第2の駆動キャプスタンを固定して、前記シャフトの長手軸方向にスライド動作する第2のスライドベースと、
前記第1のスライドベース及び前記第2のスライドベースを前記シャフトの長手軸方向に進退動作させる進退動作部と、
を備え、前記第1のスライドベース及び前記第2のスライドベースの進退動作に基づいて、前記リストの前記第1軸回りの旋回動作を生成する、
上記(6)に記載の術具。
(8)前記第1のアクチュエータ及び前記第1の駆動キャプスタンと前記第2のアクチュエータ及び前記第2の駆動キャプスタンは前記シャフトに対して固定され、
前記旋回動作部は、
前記第1の往復のケーブルセットが前記第1の駆動キャプスタンに巻き付くように経由するアイドラプーリを固定して、前記シャフトの長手軸方向にスライド動作する第1のスライドベースと、
前記第2の往復のケーブルセットが前記第2の駆動キャプスタンに巻き付くように経由するアイドラプーリを固定して、前記シャフトの長手軸方向にスライド動作する第2のスライドベースと、
前記第1のスライドベース及び前記第2のスライドベースを前記シャフトの長手軸方向に進退動作させる進退動作部と、
を備え、前記第1のスライドベース及び前記第2のスライドベースの進退動作に応じて前記リストの前記第1軸回りの旋回動作を生成する、
上記(6)に記載の術具。
(9)前記進退動作部は、
第3の駆動キャプスタンを回転させる第3のアクチュエータと、
各端部が前記第1のスライドベース及び前記第2のスライドベースにそれぞれ固定され、前記第3の駆動キャプスタンに巻き付けられた第3の往復のケーブルセットと、
を備え、
前記第3の駆動キャプスタンの回転により、前記第1のスライドベース及び前記第2のスライドベースの進退動作を生成する、
上記(7)又は(8)のいずれかに記載の術具。
(10)前記第1のアクチュエータ及び前記第1の駆動キャプスタンと前記第2のアクチュエータ及び前記第2の駆動キャプスタンは前記シャフトに対して固定され、
前記旋回動作部は、前記第1軸が回転軸となるように前記リストに設けられ、第3の往復のケーブルセットが巻き付けられたリストキャプスタンと、第3の駆動キャプスタンを回転させて前記第3のケーブルセットを牽引する第3のアクチュエータと、前記リストの前記第1軸回りの旋回動作に応じて前記第1の往復のケーブルセットと前記第2の往復のケーブルセットの予張力を調整する調整部を備える、
上記(5)に記載の術具。
(11)前記調整部は、
前記第1の往復のケーブルセットが前記第1の駆動キャプスタンに巻き付くように経由するアイドラプーリを固定して、前記シャフトの長手軸方向にスライド動作する第1のスライドベースと、
前記第2の往復のケーブルセットが前記第2の駆動キャプスタンに巻き付くように経由するアイドラプーリを固定して、前記シャフトの長手軸方向にスライド動作する第2のスライドベースと、
を備え、前記リストの前記第1軸回りの旋回動作に応じて前記第1のスライドベース及び前記第2のスライドベースを進退動作させて、前記第1の往復のケーブルセットと前記第2の往復のケーブルセットの予張力を調整する、
上記(10)に記載の術具。
(12)前記調整部は、
前記シャフトに対して固定された第4のアイドラプーリと、
各端部が第1のスライドベース及び前記第2のスライドベースにそれぞれ固定され、前記第4のアイドラプーリに巻き付けられた第4の往復のケーブルセットと、
をさらに備え、前記第4の往復のケーブルセットによる牽引力で前記リストの前記第1軸回りの旋回動作に応じて前記第1のスライドベース及び前記第2のスライドベースを進退動作させて、前記第1の往復のケーブルセットと前記第2の往復のケーブルセットの予張力を調整する、
上記(11)に記載の術具。
(13)術具と、前記術具を取り付けたアームを具備し、
前記術具は、
シャフトと、
前記シャフトの先端に第1軸回りに回動可能に連結されたリストと、
前記リストに対してそれぞれ第2軸回りに回動可能に支持された第1のジョー部材及び第2のジョー部材と、
前記第1のジョー部材を前記第2軸回りに旋回させるための力を伝達する第1の往復のケーブルセットと、
前記第2のジョー部材を前記第2軸回りに旋回させるための力を伝達する第2の往復のケーブルセットと、
前記第1の往復のケーブルセットと前記第2の往復のケーブルセットの予張力が変化しないように、前記リストの前記第1軸回りの旋回動作を生成する旋回動作部と、
を備える、手術支援システム。
(14)術具と、前記術具を取り付けたハンドル部を具備し、
前記術具は、
シャフトと、
前記シャフトの先端に第1軸回りに回動可能に連結されたリストと、
前記リストに対してそれぞれ第2軸回りに回動可能に支持された第1のジョー部材及び第2のジョー部材と、
前記第1のジョー部材を前記第2軸回りに旋回させるための力を伝達する第1の往復のケーブルセットと、
前記第2のジョー部材を前記第2軸回りに旋回させるための力を伝達する第2の往復のケーブルセットと、
前記第1の往復のケーブルセットと前記第2の往復のケーブルセットの予張力が変化しないように、前記リストの前記第1軸回りの旋回動作を生成する旋回動作部と、
を備える、手術用操作ユニット。
100…術具ユニット、101…術具ユニット先端部
102…シャフト、103…術具ユニット駆動部
2300…術具ユニット、2301…術具ユニット先端部
2302…シャフト、2303…術具ユニット駆動部
3100…術具ユニット、3101…術具ユニット先端部
3102…シャフト、3103…術具ユニット駆動部
4100…コンピュータ支援手術システム、4101…アーム
4102…術具ユニット
4200…手術用操作ユニット、4201…ハンドル部、
4202…術具ユニット、4203…ジョイスティック
4204…ボタン

Claims (14)

  1. シャフトと、
    前記シャフトの先端に第1軸回りに回動可能に連結されたリストと、
    前記リストに対してそれぞれ第2軸回りに回動可能に支持された第1のジョー部材及び第2のジョー部材と、
    前記第1のジョー部材を前記第2軸回りに旋回させるための力を伝達する第1の往復のケーブルセットと、
    前記第2のジョー部材を前記第2軸回りに旋回させるための力を伝達する第2の往復のケーブルセットと、
    前記第1の往復のケーブルセットと前記第2の往復のケーブルセットの予張力が変化しないように、前記リストの前記第1軸回りの旋回動作を生成する旋回動作部と、
    を具備する術具。
  2. 前記第2軸が回転軸となるように前記第1のジョー部材に設けられ、前記第1の往復のケーブルセットが巻き付けられた第1のジョーキャプスタンと、
    前記第2軸が回転軸となるように前記第2のジョー部材に設けられ、前記第2の往復のケーブルセットが巻き付けられた第2のジョーキャプスタンと、
    をさらに備える、請求項1に記載の術具。
  3. 前記第1の往復のケーブルセットを前記シャフトの長手軸とほぼ平行な方向に変換する第1のアイドラプーリ部と、
    前記第2の往復のケーブルセットを前記シャフトの長手軸とほぼ平行な方向に変換する第2のアイドラプーリ部と、
    をさらに備える、請求項2に記載の術具。
  4. 前記第1のアイドラプーリ部は、前記第1軸回りに回転する第1のアイドラプーリと、前記第1のアイドラプーリに隣接して前記第1軸と平行な回転軸を持つ第1の隣接アイドラプーリを含み、
    前記第2のアイドラプーリ部は、前記第1軸回りに回転する第2のアイドラプーリと、前記第2のアイドラプーリに隣接して前記第1軸と平行な回転軸を持つ第2の隣接アイドラプーリを含む、
    請求項3に記載の術具。
  5. 第1の駆動キャプスタンを回転させて前記第1の往復のケーブルセットを牽引する第1のアクチュエータと、
    第2の駆動キャプスタンを回転させ前記第2の往復のケーブルセットを牽引する第2のアクチュエータと、
    をさらに備える、請求項3に記載の術具。
  6. 前記旋回動作部は、前記第1の往復のケーブルセットと前記第2の往復のケーブルセットのいずれか一方を前記シャフトの長手軸方向に後退させるとともに他方を前進させて、前記リストの前記第1軸回りの旋回動作を生成する、
    請求項5に記載の術具。
  7. 前記旋回動作部は、
    前記第1のアクチュエータ及び前記第1の駆動キャプスタンを固定して、前記シャフトの長手軸方向にスライド動作する第1のスライドベースと、
    前記第2のアクチュエータ及び前記第2の駆動キャプスタンを固定して、前記シャフトの長手軸方向にスライド動作する第2のスライドベースと、
    前記第1のスライドベース及び前記第2のスライドベースを前記シャフトの長手軸方向に進退動作させる進退動作部と、
    を備え、前記第1のスライドベース及び前記第2のスライドベースの進退動作に基づいて、前記リストの前記第1軸回りの旋回動作を生成する、
    請求項6に記載の術具。
  8. 前記第1のアクチュエータ及び前記第1の駆動キャプスタンと前記第2のアクチュエータ及び前記第2の駆動キャプスタンは前記シャフトに対して固定され、
    前記旋回動作部は、
    前記第1の往復のケーブルセットが前記第1の駆動キャプスタンに巻き付くように経由するアイドラプーリを固定して、前記シャフトの長手軸方向にスライド動作する第1のスライドベースと、
    前記第2の往復のケーブルセットが前記第2の駆動キャプスタンに巻き付くように経由するアイドラプーリを固定して、前記シャフトの長手軸方向にスライド動作する第2のスライドベースと、
    前記第1のスライドベース及び前記第2のスライドベースを前記シャフトの長手軸方向に進退動作させる進退動作部と、
    を備え、前記第1のスライドベース及び前記第2のスライドベースの進退動作に応じて前記リストの前記第1軸回りの旋回動作を生成する、
    請求項6に記載の術具。
  9. 前記進退動作部は、
    第3の駆動キャプスタンを回転させる第3のアクチュエータと、
    各端部が前記第1のスライドベース及び前記第2のスライドベースにそれぞれ固定され、前記第3の駆動キャプスタンに巻き付けられた第3の往復のケーブルセットと、
    を備え、
    前記第3の駆動キャプスタンの回転により、前記第1のスライドベース及び前記第2のスライドベースの進退動作を生成する、
    請求項7に記載の術具。
  10. 前記第1のアクチュエータ及び前記第1の駆動キャプスタンと前記第2のアクチュエータ及び前記第2の駆動キャプスタンは前記シャフトに対して固定され、
    前記旋回動作部は、前記第1軸が回転軸となるように前記リストに設けられ、第3の往復のケーブルセットが巻き付けられたリストキャプスタンと、第3の駆動キャプスタンを回転させて前記第3のケーブルセットを牽引する第3のアクチュエータと、前記リストの前記第1軸回りの旋回動作に応じて前記第1の往復のケーブルセットと前記第2の往復のケーブルセットの予張力を調整する調整部を備える、
    請求項5に記載の術具。
  11. 前記調整部は、
    前記第1の往復のケーブルセットが前記第1の駆動キャプスタンに巻き付くように経由するアイドラプーリを固定して、前記シャフトの長手軸方向にスライド動作する第1のスライドベースと、
    前記第2の往復のケーブルセットが前記第2の駆動キャプスタンに巻き付くように経由するアイドラプーリを固定して、前記シャフトの長手軸方向にスライド動作する第2のスライドベースと、
    を備え、前記リストの前記第1軸回りの旋回動作に応じて前記第1のスライドベース及び前記第2のスライドベースを進退動作させて、前記第1の往復のケーブルセットと前記第2の往復のケーブルセットの予張力を調整する、
    請求項10に記載の術具。
  12. 前記調整部は、
    前記シャフトに対して固定された第4のアイドラプーリと、
    各端部が第1のスライドベース及び前記第2のスライドベースにそれぞれ固定され、前記第4のアイドラプーリに巻き付けられた第4の往復のケーブルセットと、
    をさらに備え、前記第4の往復のケーブルセットによる牽引力で前記リストの前記第1軸回りの旋回動作に応じて前記第1のスライドベース及び前記第2のスライドベースを進退動作させて、前記第1の往復のケーブルセットと前記第2の往復のケーブルセットの予張力を調整する、
    請求項11に記載の術具。
  13. 術具と、前記術具を取り付けたアームを具備し、
    前記術具は、
    シャフトと、
    前記シャフトの先端に第1軸回りに回動可能に連結されたリストと、
    前記リストに対してそれぞれ第2軸回りに回動可能に支持された第1のジョー部材及び第2のジョー部材と、
    前記第1のジョー部材を前記第2軸回りに旋回させるための力を伝達する第1の往復のケーブルセットと、
    前記第2のジョー部材を前記第2軸回りに旋回させるための力を伝達する第2の往復のケーブルセットと、
    前記第1の往復のケーブルセットと前記第2の往復のケーブルセットの予張力が変化しないように、前記リストの前記第1軸回りの旋回動作を生成する旋回動作部と、
    を備える、手術支援システム。
  14. 術具と、前記術具を取り付けたハンドル部を具備し、
    前記術具は、
    シャフトと、
    前記シャフトの先端に第1軸回りに回動可能に連結されたリストと、
    前記リストに対してそれぞれ第2軸回りに回動可能に支持された第1のジョー部材及び第2のジョー部材と、
    前記第1のジョー部材を前記第2軸回りに旋回させるための力を伝達する第1の往復のケーブルセットと、
    前記第2のジョー部材を前記第2軸回りに旋回させるための力を伝達する第2の往復のケーブルセットと、
    前記第1の往復のケーブルセットと前記第2の往復のケーブルセットの予張力が変化しないように、前記リストの前記第1軸回りの旋回動作を生成する旋回動作部と、
    を備える、手術用操作ユニット。
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