JP2021037204A - 調製装置 - Google Patents

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Shinya Aoki
伸也 青木
賢吾 後藤
Kengo Goto
賢吾 後藤
小林 英樹
Hideki Kobayashi
英樹 小林
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Abstract

【課題】煩雑な操作を必要とすることなく、内容物を効率的に撹拌できる調製装置を提供する。【解決手段】調製装置は、組成物を調製するための材料が収容される容器と、前記容器内を第1の方向および前記第1の方向とは反対方向である第2の方向に移動自在であり、前記容器内の内容物が通過する流通部が形成されており、前記流通部を通過する内容物を前記第1の方向に対して垂直方向の成分を有する方向に誘導する誘導部を有する撹拌部材と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、骨セメントに例示される組成物を調製する、調製装置に関する。
従来、種々の用途に組成物が使用されている。例えば医療用に使用される組成物として、生体骨に人工関節を固定する材料、骨充填材、又は人工骨材料等がある。
医療用の組成物の一つとして骨セメントがある。骨セメントは、一般的に粉末材料、液体モノマー材料及び重合開始剤の3つの材料を撹拌することで調製される。例えば、人工関節と生体骨との固定に骨セメントを使用する場合には、これらの3つの材料を撹拌した直後、完全に硬化(重合)する前の未だ軟らかい状態(軟塊状態又は生地状態という)の骨セメントが生体骨の髄腔内に埋め込まれる。続いて、人工関節のステムが生体骨に挿入される。そして、髄腔内に埋め込まれた骨セメントが完全に硬化すると、この骨セメントを介して人工関節と生体骨とが接合される。
このように完全に硬化する前に髄腔内へ埋め込むことができるよう、骨セメントは、施術(髄腔内への埋め込み)毎に必要量だけ、施術直前に調製される。
そこで、施術の現場において必要量だけ骨セメントを容易に調製できるよう、密閉された容器内において複数の材料を撹拌部材により撹拌して骨セメントを調製する小型の調製装置が種々提案されている(例えば特許文献1)。
国際公開第2014/147385号公報
特許文献1の調製装置では、高粘度の生地状態の骨セメントを効率的かつ均一に撹拌するためには、撹拌翼と繋がる把持部を、長手方向に移動させるのみならず、水平方向に回転させる必要があり、操作が比較的煩雑となるおそれがある。
本発明は、煩雑な操作を必要とすることなく、内容物を効率的に撹拌できる調製装置を提供することを目的とする。
本発明に係る調製装置は、組成物を調製するための材料が収容される容器と、前記容器内を第1の方向および前記第1の方向とは反対方向である第2の方向に移動自在であり、前記容器内の内容物が通過する流通部が形成されており、前記流通部を通過する内容物を前記第1の方向に対して垂直方向の成分を有する方向に誘導する誘導部を有する撹拌部材と、を備える。
本発明によれば、煩雑な操作を必要とすることなく、内容物を効率的に撹拌できる。
本発明の第1実施形態に係る骨セメント調製装置の縦断面図であって、撹拌具が容器内に挿入された状態を示す図である。 撹拌部材の斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る骨セメント調製装置の縦断面図であって、軸部材と撹拌部材との係合が解除可能になる直前の状態を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る骨セメント調製装置の縦断面図であって、軸部材と撹拌部材との係合が解除可能な状態を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る骨セメント調製装置の縦断面図であって、軸部材と撹拌部材との係合が解除される直前の状態を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る骨セメント調製装置の縦断面図であって、使用方法を説明する図である。 本発明の第2実施形態に係る骨セメント調製装置の縦断面図であって、撹拌具が容器内に挿入された状態を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る骨セメント調製装置の縦断面図であって、軸部材と撹拌部材との係合が解除可能になる直前の状態を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る骨セメント調製装置の縦断面図であって、内軸と外軸との嵌合が解除された状態を示す拡大図である。 本発明の第2実施形態に係る骨セメント調製装置の縦断面図であって、外軸に対する内軸の嵌合位置がシフトした後の状態を示す拡大図である。 本発明の第2実施形態に係る骨セメント調製装置の縦断面図であって、軸部材と撹拌部材との係合が解除される直前の状態を示す拡大図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除するものではない。また、実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。さらに、実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
以下では、組成物として骨セメントを調製する骨セメント調製装置を、本発明の調製装置の一例として説明する。また、骨セメント調製装置を、後述の把持部が上側に、後述の容器が下側に配置された姿勢で使用されるものとして説明する。また、骨セメント調製装置の各構成要素も、骨セメント調製装置に組み立てられた状態を基準に、骨セメント調製装置に倣い上下を規定する。
なお、実施形態を説明するための全図において、同一要素は原則として同一の符号を付し、その説明を省略することもある。
(第1実施形態)
[1.構成]
以下、図1及び図2を参照して骨セメント調製装置1の構成について説明する。図1は、骨セメント調製装置1をその長手方向に沿って切断した縦断面図であって、撹拌具3が容器2内に挿入された状態を示す。図2は、撹拌部材31の斜視図である。
骨セメント調製装置1は、材料(本実施形態では、粉末材料,液体モノマー材料及び重合開始剤)を撹拌して骨セメントを調製するためのものである。骨セメント調製装置1は、材料が収容される内部空間2s(以下「撹拌室2s」と称する)を有するシリンダ形状の容器2と、容器2内に挿入され、材料を撹拌する撹拌具3とを備える。
なお、本実施形態では、容器2の底部に底蓋4が装着されている。底蓋4は、底を有する略筒状形状である。底蓋4には、後述する容器本体20の下部の外周面に形成された雄ねじ20aにはまり込む雌ねじ4aが形成されている。底蓋4は、底蓋4の底面の外周側の領域から突出する固定部41を有している。固定部41については、後に詳細に説明する。
[1−1.容器]
図1に示されているように、容器2は、容器本体20、プランジャ21および蓋部22を備える。蓋部22は、容器本体20の一端(即ち、上端)側に位置し、プランジャ21は容器本体20の他端(即ち、下端)側に位置する。
容器本体20はシリンダであり、組成物を調製するための材料が収容される。容器本体20は、その中心軸が鉛直方向に沿うように配置される。容器本体20の上端は開放されている。すなわち、容器本体20はその上端に開口20Hを有している。
容器本体20の下端も開放されているが、下端にはプランジャ21が嵌め込まれている。このプランジャ21の筒状の外周面にはリング状のシール部材SD1がはめ込まれている。シール部材SD1は、例えば、Oリングである。シール部材SD1の外周面は容器本体20の内周面に密着しており、シール部材SD1の内周面は、プランジャ21の外周面に密着している。つまり、シール部材SD1によって、撹拌室2sの下部が密封されている。
プランジャ21は、平面状の天井壁で一方の開口が覆われた略筒状形状である。プランジャ21は、後述するように、容器本体20に取り付けられた、例えばセメントガンから加えられた圧力により、撹拌室2s内を開口20Hに向かって移動させられ、撹拌室2sで調製された骨セメントを射出するのに使用される。
プランジャ21は、被固定端211を備えている。被固定端211は、プランジャ21の側壁の下端部分である。底蓋4が螺合により容器本体20に取り付けられるとき、被固定端211は、容器本体20の下端とともに、底蓋4の外周壁と固定部41との間に嵌まる。その結果、プランジャ21は、容器本体20の下端に固定され、上下方向に移動できなくなる。よって、撹拌室2s内の圧力が負圧になっても、容器本体20の外部の圧力によってプランジャ21が上方向に押し上げられない。
蓋部22は、容器本体20の開口20Hを閉じる。蓋部22は、本体部221、筒状部222、および管状部223を備える。
本体部221は、平面状の天井壁で一方の開口が覆われた略筒状形状である。本体部221の天井壁は、容器本体20の上部を覆う部位である。本体部221の側壁は、天井壁の外周部から垂下していて、円筒状の形状を有する。なお、天井壁と、側壁とは、一体的に構成されている。本体部221の側壁の内周面には、容器本体20の上部の外周面に形成された雄ねじ20bにはまり込む雌ねじ22aが形成されている。したがって、蓋部22を容器本体20の上部にねじ込むことで、蓋部22を容器本体20に取り付けることができる。
筒状部222は、略円筒状の形状を有しており、本体部221の天井壁の中央部分から天井壁に対して垂直に突出している。筒状部222には、後述する撹拌具3の軸部材32が挿通される開口22Hが形成されている。
管状部223は、本体部221の天井壁から垂直方向に延出しており、筒状部222よりも外周側に位置している。管状部223の内部空間は本体部221の天井壁を貫通している。これにより、本体部221には、通気口THが形成されている。したがって、通気口THを介して、撹拌室2s内部と容器2の外部とが通気可能になる。
なお、本体部221の側壁の内周面と容器本体20の外周面との間には、シール部材SD2が設けられている。シール部材SD2は、例えば、Oリングである。シール部材SD2の外周面と本体部221の側壁の内周面とが密着しており、シール部材SD2の内周面と容器本体20の外周面とが密着している。
[1−2.撹拌具]
図1に示されているように、撹拌具3は、撹拌部材31および軸部材32を備える。
撹拌部材31は、容器本体20の内部に収容された内容物(例えば、骨セメントの材料)を撹拌する部材である。撹拌部材31は、容器2内部を上下方向に移動自在である。図2に示されているように、撹拌部材31は、本体部311、誘導部312、および被係合部313を備えている。なお、本体部311、誘導部312、および被係合部313は、樹脂などにより一体成形されている。
本体部311は、略円形の平板形状を有しており、本体部311には、複数の流通孔31aおよび流通孔31bが形成されている。流通孔31aおよび流通孔31bは、中心軸に平行に本体部311を貫通している。流通孔31aおよび流通孔31bは、容器2内の内容物が通過する流通部として機能する。流通孔31aは、撹拌中に誘導部312の自由端および容器2の内容物である骨セメントの材料が通過する。流通孔31bは、撹拌中に骨セメントの材料が下側から上側に又は上側から下側に通過する。
誘導部312は、平板形状を有しており、その平面形状は、流通孔31aと略同じ形状である。誘導部312は、その一端が、ヒンジとして機能する薄肉部(不図示)を介して本体部311に搖動可能に固定されている。薄肉部は、本体部311の流通孔31aを取り囲む部位と誘導部312の一端とを接続している。誘導部312の他端は、すなわち、薄肉部によって本体部311に固定されていない側の端部である自由端は、流通孔31aを通過して蓋部22側とプランジャ21側との間を往復する。誘導部312は、誘導部312とは別部材であるヒンジを介して、本体部311に接続されていてもよい。
撹拌中、誘導部312の自由端は、誘導部312が沿う平面と本体部311が沿う平面とがなす角(以下、揺動角と称す。)が、20度以上80度以下となる位置まで、蓋部22側およびプランジャ21側に移動する。
なお、撹拌中の揺動角の最大値は、調製される骨セメントの量および粘性等に応じて適宜決定することができる。揺動角の最大値は、0度より大きく、かつ、90度未満となるように設定されていればよい。
被係合部313は、略円筒状の形状を有しており、本体部311の中央部から垂直方向に突出している。被係合部313は、後述する軸部材32と係合状態を形成する。被係合部313には、本体部311を貫通する挿通口31Hが形成されている。また、被係合部313の内周側には、挿通口31Hの径が、本体部311側よりも上端側が小さくなるように段差313Sが形成されている。
なお、図2中のOEは、本体部311の外周側の領域を示す。本体部311の上面の領域OEの部分は、撹拌部材31が蓋部22の天井壁の裏面に接したときに、通気口THを覆う。
被係合部313は、被固定部314を有する。被固定部314は、被係合部313の下側の部位であり、略円筒状の形状を有している。被固定部314は、軸部材32が容器2から引き抜かれる際に、筒状部222の内周側に嵌まる。このとき、本体部311が蓋部22の通気口THを覆う。即ち、容器2からの軸部材32の引き抜き時に、撹拌部材31が通気口THを覆った状態で被固定部314は、蓋部22に固定される。
軸部材32は、内軸33および外軸34から構成されている。
内軸33はその中心軸が、外軸34の中心軸に重なるように、外軸34の内側に配置されている。内軸33は、開閉部331、細軸部332、押さえ部333、およびフランジ334を備える。
開閉部331は、揺動棒3311および軸部3312を有する。揺動棒3311の下端は、軸部3312と揺動可能に繋がっている。揺動棒3311の上端は、揺動棒3311の下端を支点として中心軸から遠ざかる方向および中心軸に近づく方向に移動する。揺動棒3311の上端が最も中心軸に近づいたとき、揺動棒3311は、軸部3312に接し、揺動棒3311の外周端部が外軸34の内周面よりも中心軸に近い位置に位置する(図4参照)。揺動棒3311の上端が最も中心軸から遠ざかったとき、揺動棒3311の外周端部は、外軸34の外周面よりも中心軸から離れた位置に位置する。
細軸部332は、細長の棒状の部位であり、押さえ部333に繋がっていて、押さえ部333よりも底蓋4から離れた位置に位置している。細軸部332の径は、押さえ部333の径よりも小さい。
押さえ部333は、内軸33の最下端に位置する部位である。押さえ部333の径は、外軸34の内径と略同じである。押さえ部333は、撹拌部材31の被係合部313と後述する軸部材32の係合部341との係合が解除されないように係合部341を被係合部313に押しつける。
フランジ334は、外軸34の把持部343の上端に固定されている。また、フランジ334は、把持部343に対するフランジ334の固定を解除するときに作業者がつまむことが可能な形状に形成されている。また、フランジ334は、外軸34の把持部343の下端に位置することも可能である(図4参照)。フランジ334と把持部343との固定については後に詳細に説明する。
内軸33の外周面には、シール部材SD3を保持する保持溝33Gが形成されている。シール部材SD3は、例えば、Oリングである。シール部材SD3の外周面と外軸34の内周面とが密着しており、シール部材SD3の内周面と内軸33の外周面とが密着している。
外軸34は、中心軸方向に延在する中空部34sを有する中空形状である。外軸34は、係合部341、ボタン部342および把持部343を備える。係合部341は、撹拌部材31の被係合部313と係合する。係合部341には、中心軸から遠ざかる方向に突出した突出部3411が形成されている。突出部3411は、係合部341が被係合部313に係合しているとき、段差313Sと組み合う部位である。
ボタン部342は、中心軸から遠ざかる方向に外軸34の外周面から突出している。ボタン部342は、撹拌具3が容器2から引き抜かれる際に後述するノズル5に押圧される。
把持部343は、作業者が撹拌具3を操作する際に把持される部位である。把持部343は、平面状の底面で一方の開口が覆われた略筒状形状である。把持部343の底面は、中空部34sに通じる開口34Hが形成されている。図示されていない固定構造によって、内軸33のフランジ334が把持部343の上端に固定される。このとき、内軸33は、外軸34に対して上下方向に移動できない。また、内軸33が中心軸周りに回転することで固定構造によるフランジ334の把持部343に対する固定が解除されると、内軸33が外軸34に対して上下方向に移動可能な状態になる。
外軸34には、内軸33の揺動棒3311が挿通する窓孔WHが形成されている。
[1−3.ノズル]
ノズル5は、調製された骨セメントを射出する位置まで導く器具である。図1に示されているように、蓋部22に取り付けられている。ノズル5は、取付部51、押圧部52および射出部53を備える。
取付部51は、筒状形状である外周壁および内周壁を有している。外周壁の内側には、筒状部222の雄ねじ22bにはまり込む雌ねじ51aが形成されている。取付部51の外周壁と内周壁との間に筒状部222をねじ込むことでノズル5を蓋部22に取り付けることができる。取付部51の外周壁および内周壁の間には、シール部材SD4が配置されている。シール部材SD4は、例えば、Oリングである。シール部材SD4の上面と取付部51の天井壁の下面とが密着し、シール部材SD4の下面と筒状部222の上端とが密着している。
押圧部52は、ノズル5の内周側に位置する。押圧部52は、撹拌具3が容器2から引き抜かれる際にボタン部342を押圧する。なお、押圧部52には、シール部材SD5を保持する保持溝5Gが形成されている。シール部材SD5は、例えば、Oリングである。シール部材SD5の外周面とノズル5の内周面とが密着しており、シール部材SD5の内周面と外軸34の外周面とが密着している。
射出部53は、射出口5Hが形成されている管状の部位である。射出部53は、容器2内部の骨セメントを射出口5Hを通じてノズル5の外部に導く。なお、図1に示されているように、射出口5Hには軸部材32が挿通されている。
[2.組み立て]
本実施形態の骨セメント調製装置1は、作業者が使用する前に、容器本体20、プランジャ21、および底蓋4から構成される下側ユニットと、蓋部22、ノズル5、撹拌部材31および軸部材32から構成される上側ユニットとが組み立てられた状態にある。以下、下側ユニットおよび上側ユニットの組み立てについて説明する。
[2−1.下側ユニット]
まず、容器本体20の下端側にプランジャ21が嵌め込まれる。次に、プランジャ21の被固定端211が、容器本体20の下端とともに、底蓋4の外周壁と固定部41との間に嵌め込まれる。この結果、骨セメント調製装置1は、プランジャ21および底蓋4が容器本体20に装着された状態、つまり、下側ユニットが組み立てられた状態になる。
[2−2.上側ユニット]
まず、容器本体20から取り外された状態の蓋部22およびノズル5に外軸34が組み付けられる。具体的には、ノズル5の射出口5H、および蓋部22の開口22Hに外軸34が挿通される。次に、ノズル5の取付部51が蓋部22の筒状部222に螺合される。
次に、外軸34が撹拌部材31の挿通口31Hに挿入される。ここで、係合部341の突出部3411の下部に形成された斜面が被係合部313の上端から押されることで、係合部341が中心軸に近づくように弾性変形する。突出部3411が段差313Sよりも下側に位置すると、係合部341が自由状態に戻り、突出部3411が段差313Sと組み合った状態になる。その結果、骨セメント調製装置1は、係合部341が被係合部313に係合した状態になる。
続いて、外軸34の開口34Hに内軸33が挿入され、フランジ334が把持部343の上端に固定される。このとき、フランジ334は、把持部343の固定構造によって固定される。また、押さえ部333は、係合部341の内側に位置する。
以上により、骨セメント調製装置1は、軸部材32に蓋部22、ノズル5、および撹拌部材31が組み付けられた状態、つまり、上側ユニットが組み立てられた状態になる。
[3.使用方法]
以下、骨セメント調製装置1の使用方法について説明する。
まず、作業者は、上側ユニットが下側ユニットに装着されていない状態、つまり、蓋部22が容器本体20に装着されていない状態の骨セメント調製装置1において、組成物を調製するための材料、ここでは骨セメントの材料を下側ユニットに収容する。
次に、作業者は、上側ユニットを下側ユニットに装着する。つまり、作業者は、撹拌具3を容器本体20の撹拌室2sに挿入し、蓋部22を螺合により容器本体20に取り付ける。このときの骨セメント調製装置1の状態は、図1に示されている。ただし、図1において、容器本体20内部の材料の図示が省略されている。
次に、作業者は、管状部223に吸引管を介してポンプを接続する。そして、ポンプが動作することで、撹拌室2s内の気体が管状部223及び吸引管を介して吸引される。これにより、撹拌室2s内が負圧になる。撹拌室2s内が負圧になることで、調製される骨セメントに気泡が入り込みにくくなる。ポンプによる吸引動作が継続されることで撹拌室2s内は負圧に維持される。
続いて、作業者は、把持部343を把持して撹拌具3の押し引きを繰り返す。把持部343の動作に連動して撹拌部材31が上下に移動する。作業者が、把持部343を把持して撹拌具3を上方に引くと、撹拌部材31が上方に移動し、骨セメントの材料が流通孔31bを蓋部22側からプランジャ21側に通過する。また、誘導部312の自由端は、流通孔31aを通過してプランジャ21側に移動する。このとき、誘導部312が本体部311に対して傾くので、流通孔31aを通過する骨セメントの材料は、上下方向に対して斜め方向、ここでは、斜め下方向に誘導される。
撹拌中において、撹拌具3が最も上側に位置しているときの骨セメント調製装置1の状態が図3に示されている。なお、図3に示されている骨セメント調製装置1において、誘導部312の図示が省略されている。
続いて、作業者が、把持部343を把持して撹拌具3を下方に押すと、撹拌部材31が下方に移動し、骨セメントの材料が流通孔31bをプランジャ21側から蓋部22側に通過する。また、誘導部312の自由端は、流通孔31aを通過して蓋部22側に移動する。このとき、誘導部312が本体部311に対して傾くので、流通孔31aを通過する骨セメントの材料は、上下方向に対して斜め方向、ここでは、斜め上方向に誘導される。
作業者が上下方向への把持部343の押し引きが繰り返されるたびに、以下の(1)および(2)が行われる。(1)骨セメントの材料が流通孔31bを上方又は下方に通過する。(2)骨セメントの材料が流通孔31aを通過するとともに、誘導部312が骨セメントの材料を上下方向に対して垂直方向の成分を有する方向に誘導する。
撹拌中、誘導部312の自由端は、搖動角が20度以上80度以下となる位置まで、蓋部22側およびプランジャ21側に移動する。
なお、撹拌中、押さえ部333は、係合部341の内側に位置しており、係合部341を内側から被係合部313に向けて押しているので、骨セメント調製装置1は、被係合部313と係合部341の係合が解除できない状態にある。したがって、撹拌中に、撹拌部材31は軸部材32から抜け落ちない。
このようにして、撹拌部材31によって、撹拌室2s内の材料が撹拌され、完全に硬化(重合)する前の軟塊(生地)状態の骨セメントが調製される。
骨セメントの調製が終わると、作業者は、軸部材32を上方に引き抜いていく。以下、軸部材32を容器2から引き抜くときの骨セメント調製装置1の作用に関して、図1および図3から図6を用いて説明する。図3から図6は、本発明の第1実施形態に係る骨セメント調製装置の縦断面図である。なお、図3から図6において、誘導部312の図示が省略されている。また、図4および図5は、図1および図3に示されている開閉部331の断面と同じ断面が得られる平面による縦断面図である。当該平面は、図1で示されている骨セメント調製装置1の縦断面図を得るための平面に対して、把持部343に対するフランジ334の固定を解除するために内軸33を回転させる角度分傾いている。
軸部材32が上方に引かれると、図3に示されているように、骨セメント調製装置1は、開閉部331の揺動棒3311の外周側端が、ノズル5の押圧部52に接した状態になる。図3は、軸部材32と撹拌部材31との係合が解除可能になる直前の骨セメント調製装置1の状態を示す図である。図示されていないが、このとき、撹拌部材31は、調製された骨セメントの上面よりも上側に位置している。
次に、作業者は、フランジ334を中心軸回りに回転させる。これにより、固定構造によるフランジ334の把持部343に対する固定が解除され、内軸33が外軸34に対して上下方向に移動可能な状態になる。そして、作業者がフランジ334を把持部343に対して下方に押し込むと、開閉部331の揺動棒3311は、外軸34の窓孔WHの下方の部位から内側に押され、外軸34の中空部34sに収納される。これにより、揺動棒3311の外周側端が、外軸34の外周面よりも中心軸の近くに位置するようになる。その結果、開閉部331が押圧部52の内側を通過可能な状態になる。また、押さえ部333が係合部341に対して下方、ここでは、プランジャ21に近づく方向に移動するので、細軸部332が係合部341の内側に位置するようになる。その結果、図4に示されているように、骨セメント調製装置1は、係合部341が中心軸に近づくように弾性変形可能な状態、つまり、軸部材32と撹拌部材31との係合が解除可能な状態になる。図4は、軸部材32と撹拌部材31との係合が解除可能な骨セメント調製装置1の状態を示す図である。
軸部材32がさらに上方に引かれると、開閉部331は、ノズル5の押圧部52の内側を通過し、図5に示されているように、ボタン部342が、押圧部52に接するようになる。図5は、軸部材32と撹拌部材31との係合が解除される直前の骨セメント調製装置1の状態を示す図である。また、被固定部314は、筒状部222の内周側にはまるようになり、その結果、図5には示されていないが、撹拌部材31は、本体部311の外周領域OEが蓋部22の通気口THを覆った状態で容器本体20の上端に固定される。
軸部材32がさらに上方に引かれると、ボタン部342の上側の斜面が押圧部52によって押され、係合部341が中心軸に近づくように弾性変形して、突出部3411が段差313Sの内側に入り込むようになり、係合部341と被係合部313との係合が解除される。そして、さらに軸部材32が上方に引かれると、撹拌部材31から軸部材32が分離され、撹拌部材31を容器本体20の上端に残したまま、軸部材32が容器2から引き抜かれる。
次に、作業者は、容器本体20から底蓋4を取り外す。これにより、被固定端211が固定部41による固定から解放され、容器本体20の下端に固定されていたプランジャ21が容器本体20内を上下方向に移動可能な状態になる。
次に、作業者は、管状部223からポンプ及び吸引管を取り外す。容器本体20にセメントガン等の治具を取り付ける。その結果、骨セメント調製装置1は、図6に示されている状態になる。図6は、骨セメント調製装置1の使用方法を説明する図である。このセメントガンの引き金が手技的に引かれることで、セメントガンのピストンPにより、プランジャ21に圧力が加えられる。この圧力により、プランジャ21がノズル5側に押し込まれると、容器2内の骨セメントが、蓋部22の中央部に位置する開口22Hを通じてノズル5から例えば髄腔内等の患部に直接射出される。
[4.作用効果]
本発明の第1実施形態の骨セメント調製装置1によれば以下のような作用効果が得られる。
撹拌部材31は、撹拌部材31に形成された流通孔31aを通過する内容物を撹拌部材31の移動方向に対して垂直方向の成分を有する方向に誘導する誘導部312を備えている。よって、撹拌中、撹拌部材31が上下方向に移動するだけで、内容物は上下方向に対して斜めに移動する。したがって、作業者は、軸部材32を回転させるなどの煩雑な操作をすることなく、容器2内の骨セメントの材料を効率的に撹拌することができる。
誘導部312の一端は、本体部311に搖動可能に固定されており、撹拌中、誘導部312の他端(つまり、自由端)は、流通孔31aを通過して蓋部22側とプランジャ21側との間を移動する。よって、誘導部312は、内容物が流通孔31aを蓋部22側に通過するとき、および、プランジャ21側に通過するときのいずれにおいても、内容物を上下方向に対して斜め方向に誘導できる。したがって、本体部311において、中心軸周りのどの場所に形成された流通孔31aを内容物が通過する場合でも上下方向に対して斜め方向に誘導される。さらに、内容物は、流通孔31aを蓋部22側に通過するかプランジャ21側に通過するかに関係なく、上下方向に対して斜め方向に誘導される。つまり、作業者は、骨セメントの材料を容器2内の各場所において効果的に撹拌することができる。
誘導部312の自由端の揺動角の最大値は90度未満である。つまり、撹拌中、揺動角が90度以上になるまで誘導部312が本体部311に対して傾かないので、誘導部312は、内容物を上下方向に対して斜め方向に確実に誘導できる。
撹拌部材31は、撹拌中には軸部材32と係合しているものの、容器2から軸部材32が引き抜かれる際に、軸部材32と撹拌部材31との係合が解除され、軸部材32と撹拌部材31とに分離される。よって、作業者は、軸部材32を引き抜く際に、軸部材32を折る操作をしなくて済むので、容易に軸部材32を容器2から引き抜くことができる。また、軸部材32を折った時に蓋部22に残った軸部材32等によって、作業者がけがを負いにくくなるので、作業者は安全に骨セメント調製装置1を使用できる。また、軸部材32が引き抜かれた後、撹拌中に軸部材32が貫通していた蓋部22の開口22Hが塞がれない。よって、蓋部22の中央部に位置する開口22Hおよびノズル5の射出口5Hを通じて調製された骨セメントを射出することができるので、作業者にとって射出操作が行いやすい。
また、軸部材32が、蓋部22の開口22Hだけでなく、ノズル5の射出口5Hを貫通した状態で容器2内の骨セメントの材料を撹拌することができる。したがって、軸部材32を引き抜いた後、別途ノズル5を取り付ける作業をすることなく、調製された骨セメントを射出することができる。
撹拌部材31は、被係合部313を有しており、軸部材32は、被係合部313と係合する係合部341と押さえ部333とを有する。押さえ部333は、撹拌中、係合部341と被係合部313との係合が解除されないように、係合部341の内側から被係合部313に向けて押さえている。また、押さえ部333が、係合部341よりも底蓋4に近づくように移動することで係合部341と被係合部313との係合が解除可能になる。よって、容易な操作で、撹拌部材31と軸部材32の係合が解除できない状態から撹拌部材31と軸部材32との係合が解除可能な状態に切り替えることができる。したがって、撹拌中は、撹拌部材31が軸部材32から外れないようにして効果的に骨セメントの材料を撹拌でき、軸部材32を容器2から引き抜くときには軸部材32から撹拌部材31を分離して、撹拌部材31が通過できない開口22Hから軸部材32のみを引き抜くことができる。
軸部材32は、外軸34と、外軸34の内部に位置する内軸33とを有しており、内軸33は、押さえ部333と、押さえ部333の上側に位置していて、かつ、押さえ部333よりも径が小さい細軸部332とを有する。よって、外軸34に対して、内軸33を下方、つまり、底蓋4に近づけるように移動させるだけで、撹拌部材31と軸部材32の係合が解除できない状態から撹拌部材31と軸部材32との係合が解除可能な状態に切り替えることができる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について説明する。以下に説明する第2実施形態において、上述の実施形態と異なる点について主に説明する。
[1.構成]
以下、図7を参照して骨セメント調製装置1の構成について説明する。図7は、骨セメント調製装置1をその長手方向に沿って切断した縦断面図であって、撹拌具3が容器2内に挿入された状態を示す。第2実施形態は、第1実施形態と比較して、シール部材SD2の配置位置、軸部材の構成、およびノズルの構成が異なる。
[1−1.容器]
図7に示されているように、第2実施形態では、シール部材SD2が、容器本体20の上端と、蓋部22の本体部221の天井壁の下面との間に設けられている。シール部材SD2の上面と本体部221の天井壁の下面とが密着しており、シール部材SD2の下面と容器本体20の上面とが密着している。シール部材SD2により、容器本体20と蓋部22との間から撹拌室2s内に外気が入り込まない。
[1−2.撹拌具]
図7に示されているように、撹拌具3は、撹拌部材31および軸部材62を備えている。第2実施形態における撹拌部材31は、第1実施形態における撹拌部材31と同様の構成である。
軸部材62は、内軸63および外軸64から構成されている。
内軸63はその中心軸が、外軸64の中心軸に重なるように、外軸64の内側に配置されている。内軸63は、中心軸方向に延在する中空部63sを有する中空形状である。
内軸63は、変形部630、押さえ部633、およびフランジ634を備えている。変形部630は、その外周面が中心軸に近づく方向に押圧されることで、変形部630の上端を支点として中心軸に近づくように弾性変形可能である。
変形部630には、ボタン631および複数の嵌合部632が形成されている。ボタン631は、変形部630の外周面に形成されており、中心軸から遠ざかる方向に突出している平板状の突起である。
複数の嵌合部632は、ボタン631の下側であって変形部630の外周面に上下方向に沿って並んで形成されている。嵌合部632は、中心軸から遠ざかる方向に突出している平板状の突起である。嵌合部632は、後述する被嵌合部に嵌合する。図7には、変形部630に2つの嵌合部632が形成されていることが示されている。
押さえ部633は、内軸63の最下端部である。押さえ部633は、第1実施形態の押さえ部333と同様、外軸64の係合部641の内側に位置し、係合部641と被係合部313との係合が解除されないように、被係合部313に向けて係合部641を押さえている。つまり、押さえ部633が係合部641の内側に位置すると、係合部641は押さえ部633に押さえられるため、係合部641が、中心軸に近づくように弾性変形できない。
フランジ634は、内軸63の上端に設けられており、作業者が撹拌具3を操作する際に把持される把持部として機能する。
外軸64は、係合部641、ボタン部642および保持部643を備える。係合部641およびボタン部642の構成は、第1実施形態の係合部341およびボタン部342と同様である。保持部643は、外軸64の外周面に形成されており、中心軸から遠ざかる方向に突出している。保持部643には、その外周側に、シール部材SD6を保持する保持溝64Gが形成されている。シール部材SD6は、例えば、Oリングである。シール部材SD6の外周面とノズル5の内周面とが密着しており、シール部材SD6の内周面と外軸64の外周面とが密着している。
外軸64には、複数の被嵌合部64aが上下方向に沿って並んで形成されている。被嵌合部64aは内軸63の嵌合部632が嵌合可能な孔である。被嵌合部64aに嵌合部632が嵌合されることで、内軸63が外軸64に固定される。被嵌合部64aは、嵌合部632同士が位置する間隔と同じ間隔で並べられている。嵌合部632が嵌合する相手となる被嵌合部64aが変更されることで、内軸63が外軸64に固定される相対位置が上下方向にシフトする。図7には、外軸64に2つの被嵌合部64aが形成されていることが示されている。
[1−3.ノズル]
図7に示されているように、第2実施形態のノズル5は、取付部51、押圧部58および射出部53を備える。第2実施形態の取付部51および射出部53は、第1実施形態の取付部51および射出部53と同様の構成である。
第2実施形態の押圧部58は、第1実施形態の押圧部52と形状が異なる。押圧部58は、上側ほど押圧部58の内径が狭くなるテーパー部を有する。また、押圧部58には、保持溝5Gは形成されていない。押圧部58は、押圧部52と同様、撹拌具3が容器2から引き抜かれる際にボタン部642を押圧する。
[2.組み立て]
本実施形態の骨セメント調製装置1は、作業者が使用する前に、容器本体20、プランジャ21、および底蓋4から構成される下側ユニットと、蓋部22、ノズル5、撹拌部材31および軸部材62から構成される上側ユニットとが組み立てられた状態にある。以下、上側ユニットの組み立てについて説明する。なお、下側ユニットの組み立てについては、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
まず、容器本体20から取り外された状態の蓋部22およびノズル5に外軸64を組み付け、さらに外軸64を撹拌部材31の挿通口31Hに挿入する。これらの組み立ては、第1実施形態と同様のため、詳細な説明を省略する。
次に、内軸63のボタン631が中心軸に近づける方向に押圧されると、変形部630が中心軸に近づくように弾性変形する(図9A参照)。続いて、変形部630が弾性変形した状態で内軸63が、外軸64の開口64Hに挿入される。このとき、図7に示されているように、内軸63の最も上側の嵌合部632が、外軸64の最も上側の被嵌合部64aに嵌合する位置まで内軸63が挿入される。これにより、内軸63の押さえ部633が外軸64の係合部641の内側に位置するようになり、内軸63が外軸64に組み付けられた状態になる。上述したように、押さえ部633が、外軸64の係合部641の内側に位置するとき、骨セメント調製装置1は、係合部641が中心軸に近づくように弾性変形できない状態にある。
以上により、骨セメント調製装置1は、軸部材62に蓋部22、ノズル5、および撹拌部材31が組み付けられた状態、つまり、上側ユニットが組み立てられた状態になる。
[3.使用方法]
以下、骨セメント調製装置1の使用方法について説明する。
まず、作業者は、下側ユニット、つまり、プランジャ21および底蓋4が装着された容器本体20に骨セメントの材料を収容する。次に、作業者は、上側ユニットを下側ユニットに装着する。つまり、作業者は、蓋部22およびノズル5が組み付けられた撹拌具3を容器本体20の撹拌室2sに挿入し、蓋部22を容器本体20に取り付ける。そして、作業者は、管状部223を通じてポンプで撹拌室2s内を負圧にする。次に、作業者は、フランジ634を把持して上下方向に軸部材62を押し引きする。容器本体20に骨セメントの材料を収容してから骨セメントを調製し終わるまでの操作は第1実施形態と同様であるため、それらの詳細な説明を省略する。
骨セメントの調製が終わると、作業者は、軸部材62を上方に引き抜いていく。以下、軸部材62を容器2から引き抜くときの骨セメント調製装置1の作用に関して、図7、図8、図9A、図9B、および図10を用いて説明する。図8、図9A、図9B、および図10は、本発明の第2実施形態に係る骨セメント調製装置の縦断面図であって、容器2から撹拌部材31が引き抜かれる途中の骨セメント調製装置1の状態を示している。
骨セメントの調製が終わると、骨セメント調製装置1は、図7に示されているように撹拌部材31がプランジャ21に接した状態となる。この状態から、作業者が軸部材62を上方に引いていくと、図8に示されているように、ボタン部642が押圧部58に接する位置まで移動する。ボタン部642が押圧部58に接したとき、被固定部314は、筒状部222の内周側にはまっている。また、撹拌部材31の本体部311の外周領域EOは、通気口THを覆っている。つまり、撹拌部材31は、本体部311の外周領域OEが蓋部22の通気口THを覆った状態で、容器本体20の上端に固定されている。
次に、作業者が、ボタン631を中心軸に向けて押圧すると、図9Aに示されているように変形部630が中心軸に近づくように弾性変形して、嵌合部632と被嵌合部64aとの嵌合が解除される。嵌合部632と被嵌合部64aとの嵌合が解除され、変形部630が弾性変形した状態で内軸63が上方に移動し、ボタン631が押圧から解放されると、変形部630が自由状態に戻り、下側の嵌合部632が上側の被嵌合部64aに嵌合する。その結果、図9Bに示されているように、骨セメント調製装置1は、下側の嵌合部632が、弾性変形前に嵌合していた被嵌合部64aよりも上方に位置する被嵌合部64aに嵌合した状態になる。このとき、図10に示されているように、骨セメント調製装置1は、押さえ部633が係合部641よりも上方に位置した状態にある。したがって、骨セメント調製装置1は、図10に示されている状態にあるとき、係合部641が中心軸に近づくように弾性変形可能な状態にある。言い換えると、骨セメント調製装置1は、係合部641と被係合部313との係合が解除可能な状態にある。
図10に示されている状態から、軸部材62がさらに上方に引かれると、ボタン部642の上側斜面が、押圧部58のテーパー部によって押され、係合部341が中心軸に近づくように弾性変形して突出部6411が段差313Sの内側に入り込むようになる。そして、さらに軸部材62が上方に引かれると、係合部641と被係合部313との係合が解除される。その結果、撹拌部材31から軸部材62が分離され、撹拌部材31を容器本体20の上部に残したまま、軸部材62が容器2から引き抜かれる。
軸部材62を容器2から引き抜いた後、調製された骨セメントを射出するまでの操作は、第1実施形態と同様であるため、それらの説明は省略する。
[4.作用効果]
本発明の第2実施形態の骨セメント調製装置1によれば以下のような作用効果が得られる。
軸部材62は、ボタン631および嵌合部632が形成されていて、ボタン631の押圧により中心軸に近づくように弾性変形可能な変形部630を有する内軸63と、複数の被嵌合部64aを有する外軸64と、を有している。よって、ボタン631を押圧することで、容易に嵌合部632が嵌合する被嵌合部64aを変更することができる。すなわち、内軸63を回転させるなどの煩雑な操作を行うことなく、内軸63を外軸64に対して容易にスライドさせることができる。
また、内軸63を外軸64に対して蓋部22に近づくように移動させるだけで、内軸63の下端である押さえ部633が係合部641の内側から係合部641よりも上側に移動する。よって、撹拌部材31と軸部材62との係合が解除できない状態から撹拌部材31と軸部材62との係合が解除可能な状態に容易に切り替えることができる。
押圧部58は、上側ほど押圧部58の内径が狭くなるテーパー部を有する。このため、ボタン部642が押圧部58に接してから軸部材62を上方に引く際に、軸部材62は、テーパー部に沿って円滑に上方に移動し、かつ、係合部641が中心軸に近づくように弾性変形する。よって、容易に、撹拌部材31から軸部材62を引き抜くことができる。
本発明の第2実施形態の骨セメント調製装置1によれば、上述した効果に加えて、第1実施形態と同様の効果が得られる。
(変形例)
撹拌部材31の本体部311は、容器2内の内容物がプランジャ21側から蓋部22側におよびプランジャ21側から蓋部22側に通過可能であればどんな形状であってもよい。本体部311には孔が形成されていなくともよく、内容物が通過する溝が形成されていてもよい。なお、本体部311に溝が形成されている場合、その溝が流通部として機能する。例えば、本体部311は、十字形状の平板や外周側に切欠きが形成された略円形の平板であってもよい。
また、誘導部312は、本体部311に必ずしも搖動可能に固定されていなくてもよく、本体部311に対して一定の傾きとなるように、かつ、撹拌中も本体部311に対する傾きが変化しないように固定されていてもよい。例えば、本体部311には、ある流通部の蓋部22側を覆い、かつ、本体部311から蓋部22側に斜めに延在するように形成された誘導部と、別の流通部のプランジャ21側を覆い、かつ、本体部311からプランジャ21側に斜めに延在するように形成された誘導部とが設けられていてもよい。
誘導部312の他端(つまり、自由端)は、必ずしもプランジャ21側と蓋部22側とを往復しなくてもよい。つまり、誘導部312は、その自由端が蓋部22側に向かって流通孔31aを一度だけ通過するように本体部311に取り付けられていてもよい。また、誘導部312は、その自由端がプランジャ21側に向かって流通孔31aを一度だけ通過するように本体部311に取り付けられていてもよい。
撹拌部材31の本体部311の外周領域OEには、環状であって平板上のシール部材を保持するシール保持部が形成されていてもよい。外周領域OEにシール部材が保持されている場合、軸部材が引き抜かれる際に、シール部材によって通気口THが覆われ、密閉される。さらに、シール部材によって通気口THが密閉された状態で、撹拌部材31は、容器本体20の上端(つまり、蓋部22)に固定される。したがって、調製された骨セメントを射出する際に、通気口THからの骨セメントの漏れをより確実に防止できるので、調製された骨セメントを無駄なく有効に使用することができる。
撹拌室2s内の骨セメントを射出するための治具として、セメントガンの他に、整形外科用セメント注入器、又は、整形外科用セメントディスペンサ等を使用することができる。
本発明は、骨セメント以外の医療用の組成物、骨の欠損部への充填材、骨補填材、人工骨等のみならず、種々の用途の様々な組成物を調製する装置に適用可能である。骨セメント以外の医療用の組成物は、例えば、硬組織同士の接着、硬組織内への充填、硬組織と金属製人工物との接着及び/又は接合、硬組織と軟組織等の他の組織との接着及び/又は接合を行うためのものである。
本発明は、例えば骨セメントを調製する調製装置として好適に利用される。
1 骨セメント調製装置
2 容器
2s 撹拌室
20 容器本体
20a 雄ねじ
20b 雄ねじ
21 プランジャ
22 蓋部
22a 雌ねじ
22b 雄ねじ
211 被固定端
221 本体部
222 筒状部
223 管状部
22H 開口
3 撹拌具
31 撹拌部材
31a 流通孔
31b 流通孔
31H 挿通口
32 軸部材
311 本体部
312 誘導部
313 被係合部
314 被固定部
313S 段差
33 内軸
33G 保持溝
331 開閉部
332 細軸部
333 押さえ部
334 フランジ
3311 揺動棒
3312 軸部
34 外軸
34H 開口
34s 中空部
341 係合部
3411 突出部
342 ボタン部
343 把持部
4 底蓋
41 固定部
4a 雌ねじ
5 ノズル
5G 保持溝
5H 射出口
51 取付部
51a 雌ねじ
52 押圧部
53 射出部
58 押圧部
62 軸部材
63 内軸
630 変形部
631 ボタン
632 嵌合部
633 押さえ部
634 フランジ
64 外軸
64H 開口
641 係合部
6411 突出部
642 ボタン部
643 保持部
64G 保持溝
64a 被嵌合部
SD1 シール部材
SD2 シール部材
SD3 シール部材
SD4 シール部材
SD5 シール部材
SD6 シール部材
WH 窓
OE 外周領域

Claims (8)

  1. 組成物を調製するための材料が収容される容器と、
    前記容器内を第1の方向および前記第1の方向とは反対方向である第2の方向に移動自在であり、前記容器内の内容物が通過する流通部が形成されており、前記流通部を通過する内容物を前記第1の方向に対して垂直方向の成分を有する方向に誘導する誘導部を有する撹拌部材と、
    を備える、
    調製装置。
  2. 前記容器は、前記容器の一端側に位置する蓋部と、前記容器の他端側に底部とを備え、
    前記撹拌部材は、前記流通部が形成された本体部を有しており、
    前記誘導部の一端は、前記本体部に搖動可能に固定されており、撹拌中、前記誘導部の他端は、前記流通部を通過して前記蓋部側と前記底部側との間を移動する、
    請求項1に記載の調製装置。
  3. 前記誘導部および前記本体部は、ともに平板形状を有しており、
    前記誘導部の他端が前記蓋部側にあるとき、前記誘導部は前記本体部に対して第1の角度傾き、前記誘導部の他端が、前記底部側にあるとき、前記誘導部は、前記本体部に対して第2の角度傾き、
    前記第1の角度および前記第2の角度の最大値は、0度より大きく、かつ、90度未満である、
    請求項2に記載の調製装置。
  4. 撹拌中、前記撹拌部材と係合しており、前記撹拌部材とともに前記第1の方向および前記第2の方向に移動する軸部材をさらに備え、
    前記撹拌部材は、前記軸部材が前記容器から引き抜かれる際に、前記軸部材との係合が解除され、前記容器内に固定される、
    請求項2又は3に記載の調製装置。
  5. 前記撹拌部材は、被係合部を有しており、
    前記軸部材は、前記被係合部と係合する係合部と、前記係合部と前記被係合部との係合が解除されないように、前記被係合部に向けて押さえる押さえ部と、を有しており、
    前記押さえ部が、前記係合部に対して、前記第1の方向又は前記第2の方向に移動すると前記係合部と前記被係合部との係合が解除可能になる、
    請求項4に記載の調製装置。
  6. 前記軸部材は、外軸と、内軸とを有しており、
    前記内軸は、前記押さえ部よりも径が小さく、かつ、前記押さえ部よりも前記底部から離れた位置に位置している細軸部と、前記内軸の下端に位置する前記押さえ部と、を有し、前記外軸の内部に挿入されており、
    前記押さえ部が前記係合部の内側に位置しているときに前記係合が維持され、前記細軸部が前記係合部の内側に位置しているときに前記係合が解除可能になる、
    請求項5に記載の調製装置。
  7. 前記軸部材は、外軸と、内軸とを有しており、
    前記内軸は、嵌合部と、前記押さえ部と、を有しており、
    前記外軸は、前記係合部と、前記第1の方向に沿って並んでおり、前記嵌合部が嵌合可能な第1の被嵌合部および第2の被嵌合部と、を有しており、
    前記嵌合部が前記第1の被嵌合部に嵌合しているとき、前記押さえ部が前記係合部を押さえ、前記第1の被嵌合部よりも前記底部から離れた位置に位置している前記第2の被嵌合部に前記嵌合部が嵌合したとき、前記係合部と前記被係合部との係合が解除可能になる、
    請求項5に記載の調製装置。
  8. 前記蓋部に取り付けられており、かつ、前記軸部材が挿入されているノズルをさらに備える、
    請求項4から7のいずれか一項に記載の調製装置。
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