JP2021030251A - 引抜鋼管及びラックバー、並びに引抜鋼管の製造装置及び製造方法 - Google Patents

引抜鋼管及びラックバー、並びに引抜鋼管の製造装置及び製造方法 Download PDF

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敏史 上本
Toshifumi Uemoto
敏史 上本
青木 健一
Kenichi Aoki
健一 青木
頼匡 須永
Yorimasa Sunaga
頼匡 須永
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Abstract

【課題】肉厚が軸方向に変化する引抜鋼管の寸法精度を高める。【解決手段】小径の第1加工部120、大径の第2加工部121、及び第1加工部120と第2加工部121との間のテーパ部122を有し、テーパ部122の勾配θ2が0より大きく3°以下であるプラグ102と、ダイス101とを用いて素管Wを引き抜きながら、第2加工部121がダイス101の出口部110の内側に配置されている状態のプラグ102を、素管Wの引抜速度の100%以下の移動速度で引抜方向とは反対方向に移動させて第1加工部120を出口部110の内側に配置することにより、薄肉部12から厚肉部14に遷移する遷移部13を素管Wに形成し、遷移部13の外周面に形成される環状の凹部15の深さを0.2mm以下にする。【選択図】図1

Description

本発明は、引抜鋼管及びラックバー、並びに引抜鋼管の製造装置及び製造方法に関する。
ラックアンドピニオン式ステアリング装置等に用いられるラックバーとして、例えば断面円形の中実材である鋼棒にラック歯が切削加工されてなるラックバーが知られている。また、断面円形の中空の鋼管が用いられることによって軽量化が図られた、いわゆる中空ラックバーも知られている。
中空ラックバーに用いられる鋼管は、一般には、軸方向に略一定の断面を有し、その肉厚はラック歯丈に応じて設定されている。しかし、ラック歯丈に応じて設定される肉厚は、ラック歯が形成されるラック部を除いた軸部に対して過剰となる。そこで、特許文献1に記載されたラックチューブの製造方法では、鋼管に引抜加工が施され、それにより軸部がラック部よりも薄肉に形成されている。
特許文献1には引抜加工の具体的な方法が記載されていないが、鋼管の肉厚を軸方向に変化させる引抜加工方法としては、鋼管の内径を加工するプラグを、鋼管の外径を加工するダイスに対し、鋼管の引抜方向に相対移動させる方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平5−345231号公報 特開2011−45924号公報
プラグをダイスに対して相対移動させることによって引抜鋼管の肉厚を軸方向に変化させる場合に、薄肉部から厚肉部に遷移する遷移部が局所的に細る場合がある。本発明は、上述した事情に鑑みなされたものであり、肉厚が軸方向に変化する引抜鋼管の寸法精度を高めることを目的とする。
本発明の一態様の引抜鋼管は、同一の外径及び内径を有する第1厚肉部及び第2厚肉部と、前記第1厚肉部と前記第2厚肉部との間に設けられており、前記第1厚肉部及び前記第2厚肉部の外径と同一の外径を有し且つ前記第1厚肉部及び前記第2厚肉部の内径よりも大きい内径を有する薄肉部と、前記第1厚肉部と前記薄肉部との間に設けられており、前記第1厚肉部から前記薄肉部に向けて内径が次第に大きくなる第1遷移部と、前記薄肉部と前記第2厚肉部との間に設けられており、前記薄肉部から前記第2厚肉部に向けて内径が次第に小さくなる第2遷移部と、を備え、前記第2遷移部の長さは、前記第1遷移部の長さより大きく、前記第2遷移部は、環状の凹部を外周面に有し、前記凹部の深さは、0.2mm以下である。
また、本発明の一態様のラックバーは、前記引抜鋼管の前記第1厚肉部及び前記第2厚肉部の少なくとも一方に、複数のラック歯が形成されてなる。
また、本発明の一態様の引抜鋼管の製造装置は、鋼管の外径を加工するダイスと、鋼管の内径を加工するプラグと、前記ダイスと前記プラグとの間を通して鋼管を引き抜く引抜部と、前記鋼管の引抜方向に前記ダイスと前記プラグとを相対移動させる駆動部と、を備え、前記ダイスは、引き抜かれた鋼管の外径を規定する出口部と、前記出口部に向けて内径が次第に小さくなるガイド部と、を有し、前記プラグは、第1加工部と、前記第1加工部の外径よりも大きい外径を有する第2加工部と、前記第1加工部と前記第2加工部との間に設けられており、前記第1加工部から前記第2加工部に向けて外径が次第に大きくなるテーパ部と、を有し、前記テーパ部の外周面の勾配は、前記ガイド部の内周面の勾配よりも小さく、且つ0.5°以上3°以下である。
また、本発明の一態様の引抜鋼管の製造方法は、前記引抜鋼管の製造装置を用い、前記プラグの前記第1加工部が前記ダイスの前記出口部の内側に配置されている状態で前記鋼管を引き抜くことにより、厚肉部を前記鋼管に形成し、前記プラグの前記第2加工部が前記ダイスの前記出口部の内側に配置されている状態で前記鋼管を引き抜くことにより、薄肉部を前記鋼管に形成し、前記鋼管を引き抜きながら、前記第2加工部が前記出口部の内側に配置されている状態の前記プラグを前記鋼管の引抜方向とは反対方向に移動させて前記第1加工部を前記出口部の内側に配置することにより、前記薄肉部から前記厚肉部に遷移する遷移部を前記鋼管に形成し、前記遷移部を形成する際の前記プラグの移動速度は、前記鋼管の引抜速度の100%以下である。
本発明によれば、肉厚が軸方向に変化する引抜鋼管の寸法精度を高めることができる。
本発明の実施形態を説明するための、ラックバーの一例の断面図である。 図1のラックバーの製造に用いられる鋼管の製造装置の模式図である。 図2の製造装置の動作を示す模式図である。 図2の製造装置の動作を示す模式図である。 図1の破線枠Vで囲まれた部分の拡大図である。 図2の製造装置の動作を示す模式図である。 実験例のグラフである。
図1は、本発明の実施形態を説明するための、ラックバーの一例を示す。
ラックバー1は、断面円形状の中空の鋼管2からなる、いわゆる中空ラックバーである。鋼管2の鋼種は、例えばJIS−SMn433(マンガン鋼)等の機械構造用合金鋼、JIS−S45C等の機械構造用炭素鋼炭素鋼であるが、特に限定されない。
鋼管2は、軸方向の一端側から順に、第1厚肉部10と、第1遷移部11と、薄肉部12と、第2遷移部13と、第2厚肉部14とを備えている。第1厚肉部10、第1遷移部11、薄肉部12、第2遷移部13、及び第2厚肉部14は同一の外径φ1を有する。また、第1厚肉部10及び第2厚肉部14は同一の内径φ2を有する。薄肉部12の内径φ3は、第1厚肉部10及び第2厚肉部14の内径φ2よりも大きい。第1厚肉部10及び第2厚肉部14における肉の厚みをt1とし、薄肉部12における肉の厚みをt2として、t1>t2である。第1遷移部11の内径は、第1厚肉部10から薄肉部12に向かって次第に大きくなっており、第2遷移部13の内径は、薄肉部12から第2厚肉部14に向かって次第に小さくなっている。
ラックバー1は、軸方向に間隔をあけて並ぶ複数のラック歯21を、第1厚肉部10に有する。第1厚肉部10には、軸方向に延びる平潰し部20が設けられており、複数のラック歯21は、平潰し部20の外面に形成されている。複数のラック歯21は、ステアリングシャフトに接続されている操舵ピニオンと噛み合う。
また、ラックバー1は、接合部22を、第1厚肉部10に含まれる鋼管2の一端部と、第2厚肉部14に含まれる鋼管2の他端部とに有する。接合部22には、切削加工等によって雌ネジが形成されており、ジョイントが接合される。ラックバー1は、接合部22に接合されたジョイントを介して、ステアリング装置のタイロッドと連結される。
薄肉部12は、ラックバー1を収容するステアリング装置のハウジングによって、軸方向に摺動可能に支持される。
平潰し部20及び複数のラック歯21は、例えば以下のようにして形成される。まず、鋼管2の第1厚肉部10の一部がプレス加工によって押し潰されて平坦化される。これにより、軸方向に延びる平潰し部20が第1厚肉部10に形成される。次いで、歯型が平潰し部20の外面に押し当てられ、この状態で、芯金が鋼管2に圧入される。芯金の圧入に伴い、平潰し部20の材料が芯金によってしごかれ、歯型に食い込む。そして、芯金が次第に大きなものに交換され、芯金の圧入が繰り返される。これにより、歯型の形状が平潰し部20の外面に転写され、複数のラック歯21が平潰し部20の外面に形成される。
なお、複数のラック歯21は、例えばブローチ盤等を用いた切削加工によって形成されてもよい。ただし、歯型を用いた転造によって形成されることにより、材料の節約が図られ、歯ピッチ等の設計の自由度も高まる。
また、複数のラック歯は、第1厚肉部10に加えて第2厚肉部14にも形成され得る。第2厚肉部14に形成される複数のラック歯は、パワーアシスト用モータに接続された補助ピニオンと噛み合う。なお、第2厚肉部14には、ラック歯に替えて、ボールねじ溝等の他の直動要素が形成されてもよい。
図2は、鋼管2の製造装置の一例を示す。
第1遷移部11と、薄肉部12と、第2遷移部13と、第2厚肉部14とを備える鋼管2は、一定断面を有する素管Wを引抜加工することによって製造される。
引抜鋼管2の製造装置100は、素管Wの外径を加工するダイス101と、素管Wの内径を加工するプラグ102と、ダイス101とプラグ102との間を通して素管Wを引き抜く引抜部103と、素管Wの引抜方向にダイス101とプラグ102とを相対移動させる駆動部104と、制御部105とを備える。
ダイス101は、素管Wの外径を規定する出口部110と、出口部110に向けて内径が次第に小さくなるガイド部111とを有する。出口部110の内径は、素管Wの外径よりも小さく、引抜鋼管2の外径φ1と同じである。
プラグ102は、素管Wの内径を規定する加工部として、第1加工部120と、第2加工部121とを有し、また、第1加工部120と第2加工部121との間に設けられているテーパ部122とを有する。第1加工部120、第2加工部121、及びテーパ部122は同軸である。第1加工部120の外径D1は、引抜鋼管2の第1厚肉部10及び第2厚肉部14の内径φ2と同じである。第2加工部121の外径D2は、第1加工部120の外径D1よりも大きく、引抜鋼管2の薄肉部12の内径φ3と同じである。テーパ部122の外径は、第1加工部120から第2加工部121に向けて次第に大きくなっている。
素管Wは、ガイド部111側からダイス101に挿通され、図中矢印Aで示される方向に引き抜かれる。プラグ102は、相対的に小径な第1加工部120を引抜方向Aに向け、素管Wの基端側の開口を通して素管Wに収容される。引抜部103は、ダイス101を通過した素管Wの先端部を把持するチャック130と、チャック130を引抜方向Aに牽引するアクチュエータ131とを有する。素管Wの先端部を把持したチャック130が牽引されることにより、ダイス101とプラグ102との間を通して素管Wが引き抜かれる。アクチュエータ131としては、例えば流体圧シリンダ装置、ボールねじ装置等の適宜な直動装置が用いられる。
素管Wが引き抜かれる過程において、第1加工部120及び第2加工部121の一方がダイス101の出口部110の内側に選択的に配置されるように、プラグ102は、駆動部104によって、素管Wの内部で軸方向に移動される。駆動部104は、素管Wの基端側の開口を通して素管Wに挿入される支持棒140と、支持棒140を軸方向に前後移動させるアクチュエータ141とを有する。プラグ102は支持棒140の先端部に固定されている。支持棒140が前後移動されることにより、プラグ102もまた軸方向に前後移動され、プラグ102の前後移動に応じて、第1加工部120及び第2加工部121の一方がダイス101の出口部110の内側に選択的に配置される。アクチュエータ141としては、例えば流体圧シリンダ装置、ボールねじ装置等の適宜な直動装置が用いられる。
制御部105は、引抜部103と駆動部104とを制御し、引抜部103のチャック130の移動量に基づき、ダイス101とプラグ102との間を通過する素管Wの部位を特定する。そして制御部105は、ダイス101とプラグ102との間を通過する素管Wの部位に応じて駆動部104を動作させ、プラグ102の第1加工部120及び第2加工部121のうち一方をダイス101の出口部110の内側に配置させる。
図3に示すように、第1加工部120が出口部110の内側に配置されている状態でダイス101とプラグ102との間を通過した素管Wの部位は、引抜鋼管2における第1厚肉部10又は第2厚肉部14(内径φ2、肉の厚みt1)となる。一方、図4に示すように、第1加工部120よりも大径な第2加工部121が出口部110の内側に配置されている状態でダイス101とプラグ102との間を通過した素管Wの部位は、引抜鋼管2における薄肉部12(内径φ3、肉の厚みt2)となる。
そして、ダイス101の出口部110の内側に配置される加工部を第1加工部120から第2加工部121に変更し、又は第2加工部121から第1加工部120に変更するためにプラグ102が移動されている最中も、素管Wの引き抜きは継続される。プラグ102が移動されている最中にダイス101とプラグ102との間を通過した素管Wの部位は、引抜鋼管2における第1遷移部11又は第2遷移部13となる。
素管Wの引抜加工により、引抜鋼管2の第1厚肉部10、第1遷移部11、薄肉部12、第2遷移部13及び第2厚肉部14がこの順に形成されるものとして、第1遷移部11は厚肉部から薄肉部に変化する遷移部である。第1遷移部11を形成する際に、プラグ102は素管Wの引抜方向に移動され、ダイス101の出口部110の内側に配置される加工部が、相対的に小径の第1加工部120から大径の第2加工部121に変更される。一方、第2遷移部13は薄肉部から厚肉部に変化する遷移部である。第2遷移部13を形成する際に、プラグ102は素管Wの引抜方向とは反対方向に移動され、ダイス101の出口部110の内側に配置される加工部が、相対的に大径の第2加工部121から小径の第1加工部120に変更される。
図5に示すように、薄肉部から厚肉部に変化する第2遷移部13の外周面には環状の凹部15が形成され、第2遷移部13は局所的に細る。第2遷移部13が局所的に細る要因の一つとして、第2遷移部13を形成する際に、素管Wの内径側の支持が一時的に失われることが考えられる。図6に示すように、第2遷移部13を形成する際のプラグ102の移動において、プラグ102のテーパ部122が出口部110を通過する際に、素管Wの内周面とテーパ部122の外周面との間に隙間Gが生じ、素管Wの内径側の支持が一時的に失われる。素管の内径側の支持がない点では、プラグを用いることなく素管を引き抜く空引きと同じであり、空引きによって製造される引抜鋼管の外径は、典型的には、ダイスの内径よりも0.8mm程度(半径では0.4mm程度)小さくなる。
凹部15は、引抜鋼管2の外周面の切削加工等によって除去され得るが、切削加工を不要とし、又は切削による材料の無駄を抑制する観点から、凹部15の深さDは小さいほうが好ましく、D≦0.2mmであり、より好ましくはD≦0.1mmである。ダイス101のガイド部111の勾配(ガイド部111の内周面と中心軸とのなす角度)をθ1、プラグ102のテーパ部122の勾配(テーパ部122の外周面と中心軸とのなす角度)をθ2として、凹部15の深さDを小さくするため、θ1>θ2且つ0.5°≦θ2≦3°に設定されている。ここで、ガイド部111の内周面の勾配θ1は、焼付きを抑制する観点から、好ましくは15°以下である。
また、凹部15の深さDはプラグ102の移動速度Vにも関連し、凹部15の深さDを小さくするため、第2遷移部13を形成する際のプラグ102の移動速度は素管Wの引抜速度の100%以下に設定される。第2遷移部13を形成する際のプラグ102の移動速度が小さいほど凹部15の深さDは小さくなるが、一方で、第2遷移部13の長さLが大きくなる。第2遷移部13の長さLが大きくなると、薄肉部12が短縮され、軽量化の効果が減弱される。第2遷移部13の冗長を抑制して軽量化を図る観点から、第2遷移部13を形成する際のプラグ102の移動速度は、好ましくは引抜速度の30%以上である。
なお、厚肉部から薄肉部に変化する第1遷移部11を形成する際のプラグ102の移動において、素管Wはプラグ102のテーパ部122によってダイス101の出口部110に押し込まれるため、素管Wの内径側の支持が維持される。したがって、第1遷移部11の外周面に環状の凹部は形成されず、凹部が形成されるとしても凹部の深さは極めて小さい。そこで、第1遷移部11を形成する際のプラグ102の移動速度は、素管Wの引抜速度以下である限りにおいて適宜設定できる。ただし、第1遷移部11の冗長を抑制して軽量化を図る観点から、第1遷移部11を形成する際のプラグ102の移動速度は、好ましくは第2遷移部13を形成する際のプラグ102の移動速度以上である。この場合、プラグ102が引抜方向に移動されてなる第1遷移部11の長さは、プラグ102が引抜方向とは反対方向に移動されてなる第2遷移部13の長さLよりも短くなる。
以下、実験例について説明する。
素管Wとして、JIS−SMn433からなる外径42.7mm、内径31.7mmの鋼管を用いた。この素管Wに対して引抜加工を行い、外径38.25mmに形成し、第1厚肉部10及び第2厚肉部14を内径28.35mmに形成し、薄肉部12を内径30.3mmに形成した。すなわち、ダイス101の出口部110の内径は38.25mmであり、プラグ102の第1加工部120の外径は28.35mmであり、第2加工部121の外径は30.3mmである。また、ダイス101のガイド部111の勾配θ1は14°である。
プラグ102のテーパ部122の勾配θ2、及び第2遷移部13を形成する際のプラグ102の移動速度を種々に変えて上記引抜加工を行い、第2遷移部13に形成される凹部15の深さD及び第2遷移部13の長さLを測定した。測定結果を表1に示す。また、測定結果の勾配θ2と深さDとの関係を図7に示す。なお、図7に示すグラフの横軸は、勾配θ2を、外径28.35mm(第1加工部120の外径)から30.3mm(第2加工部121の外径)に変化する場合のテーパ部122の長さLL(図6参照)に換算した値である。
Figure 2021030251
凹部15の深さDの測定値の小数第1位までを有効として小数第2位以降を四捨五入すれば、プラグ102のテーパ部122の勾配θ2が7°(テーパ部122の長さLLが7.9mm)では、深さDが0.4mmであり、空引きの場合と同程度であった。そして、勾配θ2が小さくなる(長さLLが大きくなる)のに従って、深さDもまた小さくなり、勾配θ2が5°より小さい(長さLLが11.1mmより大きい)場合に、勾配θ2に対して深さDが顕著に小さくなっている。設定したプラグ102の移動速度の範囲では、勾配θ2が3°(長さLLが18.6mm)で深さDは最大でも0.2mmとなり、勾配θ2が2.2°(長さLLが25.4mm)で深さDは0.1mmとなった。また、凹部15の深さDはプラグ102の移動速度にも関連し、移動速度が大きくなるのに従って深さDは大きくなっている。したがって、深さDを0.2mm以下とするには、プラグ102の移動速度は、好ましくは素管Wの引抜速度の70%以下である。ただし、移動速度と第2遷移部13の長さLとは概ね反比例の関係となっており、第2遷移部13の冗長を抑制して軽量化を図る観点から、移動速度は、好ましくは引抜速度の30%以上である。
1 ラックバー
2 引抜鋼管
10 第1厚肉部
11 第1遷移部
12 薄肉部
13 第2遷移部
14 第2厚肉部
15 凹部
20 平潰し部
21 ラック歯
22 接合部
100 製造装置
101 ダイス
102 プラグ
103 引抜部
104 駆動部
105 制御部
110 出口部
111 ガイド部
120 第1加工部
121 第2加工部
122 テーパ部
130 チャック
131 アクチュエータ
140 支持棒
141 アクチュエータ
W 素管

Claims (5)

  1. 同一の外径及び内径を有する第1厚肉部及び第2厚肉部と、
    前記第1厚肉部と前記第2厚肉部との間に設けられており、前記第1厚肉部及び前記第2厚肉部の外径と同一の外径を有し且つ前記第1厚肉部及び前記第2厚肉部の内径よりも大きい内径を有する薄肉部と、
    前記第1厚肉部と前記薄肉部との間に設けられており、前記第1厚肉部から前記薄肉部に向けて内径が次第に大きくなる第1遷移部と、
    前記薄肉部と前記第2厚肉部との間に設けられており、前記薄肉部から前記第2厚肉部に向けて内径が次第に小さくなる第2遷移部と、
    を備え、
    前記第2遷移部の長さは、前記第1遷移部の長さより大きく、
    前記第2遷移部は、環状の凹部を外周面に有し、
    前記凹部の深さは、0.2mm以下である引抜鋼管。
  2. 請求項1記載の引抜鋼管の前記第1厚肉部及び前記第2厚肉部の少なくとも一方に、複数のラック歯が形成されてなるラックバー。
  3. 鋼管の外径を加工するダイスと、
    鋼管の内径を加工するプラグと、
    前記ダイスと前記プラグとの間を通して鋼管を引き抜く引抜部と、
    前記鋼管の引抜方向に前記ダイスと前記プラグとを相対移動させる駆動部と、
    を備え、
    前記ダイスは、
    引き抜かれた鋼管の外径を規定する出口部と、
    前記出口部に向けて内径が次第に小さくなるガイド部と、
    を有し、
    前記プラグは、
    第1加工部と、
    前記第1加工部の外径よりも大きい外径を有する第2加工部と、
    前記第1加工部と前記第2加工部との間に設けられており、前記第1加工部から前記第2加工部に向けて外径が次第に大きくなるテーパ部と、
    を有し、
    前記テーパ部の外周面の勾配は、前記ガイド部の内周面の勾配よりも小さく、且つ0.5°以上3°以下である引抜鋼管の製造装置。
  4. 請求項3記載の引抜鋼管の製造装置であって、
    前記ガイド部の内周面の勾配は、15°以下である引抜鋼管の製造装置。
  5. 請求項3又は4記載の引抜鋼管の製造装置を用い、
    前記プラグの前記第1加工部が前記ダイスの前記出口部の内側に配置されている状態で前記鋼管を引き抜くことにより、厚肉部を前記鋼管に形成し、
    前記プラグの前記第2加工部が前記ダイスの前記出口部の内側に配置されている状態で前記鋼管を引き抜くことにより、薄肉部を前記鋼管に形成し、
    前記鋼管を引き抜きながら、前記第2加工部が前記出口部の内側に配置されている状態の前記プラグを前記鋼管の引抜方向とは反対方向に移動させて前記第1加工部を前記出口部の内側に配置することにより、前記薄肉部から前記厚肉部に遷移する遷移部を前記鋼管に形成し、
    前記遷移部を形成する際の前記プラグの移動速度は、前記鋼管の引抜速度の100%以下である引抜鋼管の製造方法。
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JPH05305330A (ja) * 1992-05-01 1993-11-19 Usui Internatl Ind Co Ltd 高圧燃料噴射管材の製造方法
JPH05345231A (ja) * 1992-06-15 1993-12-27 Sumitomo Metal Ind Ltd ラックチューブの製造方法
JP2011045924A (ja) * 2009-08-28 2011-03-10 Sanwa Kokan Kk 鋼管引抜装置、及び引抜鋼管の製造方法

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