JP2021029232A - 果実風味炭酸飲料、及び、果実風味炭酸飲料の香味向上方法 - Google Patents

果実風味炭酸飲料、及び、果実風味炭酸飲料の香味向上方法 Download PDF

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Abstract

【課題】果汁感と炭酸感とが増強した果実風味炭酸飲料、及び、果実風味炭酸飲料の香味向上方法を提供することを課題とする。【解決手段】本発明に係る果実風味炭酸飲料は、α−クルクメンの含有量が0.01ppm以上である。また、本発明に係る果実風味炭酸飲料は、α−クルクメンの含有量が0.10ppm以上であってもよく、9.00ppm以下であってもよく、α−ピネンの含有量が0.10ppm以上であってもよく、β−ピネンの含有量が0.01ppm以上であってもよく、柑橘風味であってもよく、レモン風味であってもよく、ジンジャー風味であってもよく、アルコールを含有してもよい。【選択図】なし

Description

本発明は、果実風味炭酸飲料、及び、果実風味炭酸飲料の香味向上方法に関する。
昔から、果実の風味を呈する果実風味飲料について、非常に多くの商品が開発され、少しでも消費者の嗜好に適合するような香味とするため、研究開発が進められている。
例えば、特許文献1では、シネオールまたはシス−3−ヘキセノール、あるいはそれらの両方を含み、シネオールとシス−3−ヘキセノールとを合計した濃度が0.1〜500mg/Lである、柑橘系果実の香味を有する飲料が提案されている。
特開2016−36319号公報
特許文献1では、柑橘系果実の劣化臭のマスキングという観点に基づいて発明が提案されているが、果実風味飲料の香味については、特許文献1以外にも様々な観点から研究開発が進められている。
本発明者らは、果実風味飲料において、最も重要な香味であると判断する「果汁感」を増強することができれば、果実風味飲料の価値を大幅に向上できると考えた。
また、本発明者らは、果実風味飲料を炭酸飲料とした飲料、つまり、果実風味炭酸飲料について、「炭酸感」を増強させることができれば、果実風味のフレッシュさと相俟って、非常に爽快な香味の飲料にできるのではないかと考えた。
そこで、本発明は、果汁感と炭酸感とが増強した果実風味炭酸飲料、及び、果実風味炭酸飲料の香味向上方法を提供することを課題とする。
前記課題は、以下の手段により解決することができる。
(1)α−クルクメンの含有量が0.01ppm以上である果実風味炭酸飲料。
(2)前記α−クルクメンの含有量が0.10ppm以上である前記1に記載の果実風味炭酸飲料。
(3)前記α−クルクメンの含有量が9.00ppm以下である前記1又は前記2に記載の果実風味炭酸飲料。
(4)α−ピネンの含有量が0.10ppm以上である前記1から前記3のいずれか1つに記載の果実風味炭酸飲料。
(5)β−ピネンの含有量が0.01ppm以上である前記1から前記4のいずれか1つに記載の果実風味炭酸飲料。
(6)柑橘風味である前記1から前記5のいずれか1つに記載の果実風味炭酸飲料。
(7)レモン風味である前記1から前記6のいずれか1つに記載の果実風味炭酸飲料。
(8)ジンジャー風味である前記1から前記7のいずれか1つに記載の果実風味炭酸飲料。
(9)アルコールを含有する前記1から前記8のいずれか1つに記載の果実風味炭酸飲料。
(10)果実風味炭酸飲料の果汁感と炭酸感とを増強させる香味向上方法であって、前記果実風味炭酸飲料のα−クルクメンの含有量を0.01ppm以上とする香味向上方法。
本発明に係る果実風味炭酸飲料は、果汁感と炭酸感とが増強している。
本発明に係る果実風味炭酸飲料の香味向上方法は、果汁感と炭酸感とを増強させることができる。
以下、本発明に係る果実風味炭酸飲料、及び、果実風味炭酸飲料の香味向上方法を実施するための形態(本実施形態)について説明する。
[本実施形態に係る果実風味炭酸飲料]
本実施形態に係る果実風味炭酸飲料は、α−クルクメンを含有し、さらにα−ピネン、β−ピネンの少なくとも一方を含有してもよい。
本実施形態に係る果実風味炭酸飲料は、果実の風味を呈する飲料、言い換えると、果実の風味を呈するように設計された飲料であって、例えば、果実の果汁、果実フレーバー、果実エキスのうち少なくとも一つを含有する飲料である。また、本実施形態に係る果実風味炭酸飲料は、柑橘風味炭酸飲料であるのが好ましく、レモン風味炭酸飲料であるのがより好ましい。
ここで、柑橘風味炭酸飲料とは、柑橘類果実の風味を呈する飲料、言い換えると、柑橘類果実の風味を呈するように設計された飲料であって、例えば、柑橘類果実の果汁、柑橘フレーバー、柑橘類果実エキスのうちの少なくとも一つを含有する飲料であり、レモン風味炭酸飲料とは、レモンの風味を呈する飲料、言い換えると、レモンの風味を呈するように設計された飲料であって、例えば、レモン果汁、レモンフレーバー、レモンエキスのうちの少なくとも一つを含有する飲料である。
なお、本実施形態に係る果実風味炭酸飲料は、α−クルクメンを含有することから、ジンジャー風味であるともいえる。
(α−クルクメン)
α−クルクメン(α-curcumene)とは、化学式C1522で示されるセスキテルペン炭化水素の1種であり、1−(1,5−ジメチル−4−ヘキセニル)−4−メチルベンゼンとも呼ばれる。
そして、α−クルクメンは、驚くべきことに、果実風味炭酸飲料の果汁感を増強させるとともに、炭酸感をも増強させることができる。
α−クルクメンの含有量は、0.01ppm以上が好ましく、0.05ppm以上、0.10ppm以上、0.30ppm以上、0.40ppm以上、0.50ppm以上、0.80ppm以上、0.90ppm以上がより好ましい。α−クルクメンの含有量が所定値以上であることによって、果汁感と炭酸感とを増強させることができる。また、α−クルクメンの含有量を所定値以上とすることによって、ジンジャー特有の辛味を付与することもできる。
α−クルクメンの含有量は、12.00ppm以下が好ましく、10.00ppm以下、9.00ppm以下、8.00ppm以下、7.00ppm以下、6.00ppm以下がより好ましい。α−クルクメンの含有量が所定値以下であることによって、本発明の所望の効果(果汁感の増強、炭酸感の増強)をしっかりと発揮させることができる。
なお、本明細書において、「ppm」という単位は「mg/L」と同義である。
(α−ピネン)
α−ピネン(α-pinene)とは、化学式C1016で示されるモノテルペン炭化水素の1種であって、ピネンのα化合物である。
そして、α−ピネンは、α−クルクメンを含む果実風味炭酸飲料に含有させることによって、α−クルクメンが奏する効果(果汁感の増強、炭酸感の増強)をより増強させることができる。
α−ピネンの含有量は、0.10ppm以上が好ましく、0.20ppm以上、0.30ppm以上、0.40ppm以上、0.50ppm以上がより好ましい。α−ピネンの含有量が所定値以上であることによって、果汁感と炭酸感とをより増強させることができる。また、α−ピネンの含有量を所定値以上とすることによって、ジンジャー特有の辛味をより強く付与することもできる。
α−ピネンの含有量は、12.00ppm以下が好ましく、10.00ppm以下、8.00ppm以下、5.00ppm以下、3.00ppm以下、2.00ppm以下がより好ましい。α−ピネンの含有量が所定値以下であることによって、本発明の所望の効果(果汁感の増強、炭酸感の増強)をよりしっかりと発揮させることができる。
(β−ピネン)
β−ピネン(β-pinene)とは、化学式C1016で示されるモノテルペン炭化水素の1種であって、ピネンのβ化合物である。
そして、β−ピネンは、α−クルクメンを含む果実風味炭酸飲料に含有させることによって、α−クルクメンが奏する効果(果汁感の増強、炭酸感の増強)をさらに増強させることができる。
β−ピネンの含有量は、0.01ppm以上が好ましく、0.03ppm以上、0.05ppm以上、0.06ppm以上が好ましい。β−ピネンの含有量が所定値以上であることによって、果汁感と炭酸感とをさらに増強させることができる。
β−ピネンの含有量は、5.00ppm以下が好ましく、1.00ppm以下、0.30ppm以下、0.20ppm以下、0.12ppm以下が好ましい。β−ピネンの含有量が所定値以下であることによって、本発明の所望の効果(果汁感の増強、炭酸感の増強)をさらにしっかりと発揮させることができる。
なお、飲料中のα−クルクメン、α−ピネン、β−ピネンの含有量は、溶媒抽出−ガスクロマトグラフ−質量分析法(溶媒抽出−GC−MS法)により測定することができる。
(アルコール)
本実施形態に係る果実風味炭酸飲料は、アルコールを含有してもよい。
アルコールは飲用することができるアルコールであればよく、本発明の所望の効果が阻害されない範囲であれば、種類、製法、原料などに限定されることがないが、蒸留酒又は醸造酒であることが好ましい。蒸留酒としては、例えば、焼酎、ブランデー、ウォッカ、ウイスキー等の各種スピリッツ、原料用アルコール等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。醸造酒としては、例えば、ビール、発泡酒、果実酒、甘味果実酒などを1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、本明細書においてアルコールとは、特に明記しない限り、エタノールのことをいう。
果実風味炭酸飲料のアルコール度数は、特に限定されないものの、例えば、1%(v/v%)以上が好ましく、3%以上、5%以上、7%以上、8%以上、8%以上、9%以上がより好ましい。また、アルコール度数は、23%以下が好ましく、20%以下、15%以下、12%以下、10%以下がより好ましい。
なお、アルコール度数は、例えば、国税庁所定分析法(訓令)3清酒3−4アルコール分(振動式密度計法)に基づいて測定することができる。
(エキス分)
本実施形態に係る果実風味炭酸飲料は、エキスを含有している。
エキスとは、飲料中に含まれる不揮発性成分である。そして、エキス分とは、温度15度の時において原容量百立方センチメートル中に含有する不揮発性成分のグラム数である(酒税法第三条)。
果実風味炭酸飲料のエキス分は、特に限定されないものの、例えば、3.0w/v%(度)以上が好ましく、3.5w/v%以上、3.75w/v%以上、4.0w/v%以上、5.0w/v%以上、6.0w/v%以上がより好ましい。
エキス分は、10.0w/v%以下が好ましく、9.8w/v%以下、9.75w/v%以下、9.0w/v%以下、8.0w/v%以下、7.0w/v%以下がより好ましい。
なお、果実風味炭酸飲料のエキス分は、例えば、日本国の国税庁所定分析法に準拠して比重(日本酒度)及びアルコール度を測定して算出することができる。
(糖酸比)
本実施形態に係る果実風味炭酸飲料の糖酸比(=[Brix(w/w%)]/[酸度(g/100mL)])は、特に限定されないものの、例えば、8以上が好ましく、10以上、12以上、13以上、14以上がより好ましい。
糖酸比は、20以下が好ましく、18以下、17以下、16以下がより好ましい。
なお、果実風味炭酸飲料のBrix(w/w%)は、糖の含有量によって光の屈折率が異なる性質を利用した糖用屈折計を用いて測定することができる。また、果実風味炭酸飲料の酸度(g/100mL)は、ビュレットなどでアルカリ溶液(0.1mol/L水酸化ナトリウム標準液)を用いて中和し、中和に必要なアルカリ溶液の分量に基づいて算出することができる。
(発泡性)
本実施形態に係る果実風味炭酸飲料は、発泡性である。ここで、本実施形態における発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.5kg/cm以上であることをいう。
そして、本実施形態に係る果実風味炭酸飲料は、発泡性であれば、炭酸感の増強という効果は発揮できるものの、例えば、20℃におけるガス圧は、1.0kg/cm以上が好ましく、1.5kg/cm以上、2.0kg/cm以上がより好ましい。また、本実施形態に係る果実風味炭酸飲料の20℃におけるガス圧は、10.0kg/cm以下が好ましく、6.0kg/cm以下、4.0kg/cm以下がより好ましい。
(その他)
本実施形態に係る果実風味炭酸飲料は、本発明の所望の効果が阻害されない範囲で飲料として通常配合される甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、酸味料、塩類、食物繊維など(以下、適宜「添加剤」という)を添加することもできる。甘味料としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトース、グリコーゲンやデンプンなどを用いることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、ネオテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、チクロ、ズルチン、ステビア、グリチルリチン、ソーマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテームなどを用いることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどを用いることができる。酸味料としては、例えば、アジピン酸、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL−酒石酸、L−酒石酸、DL−酒石酸ナトリウム、L−酒石酸ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL−リンゴ酸、DL−リンゴ酸ナトリウム、リン酸などを用いることができる。塩類としては、例えば、食塩、酸性りん酸カリウム、酸性りん酸カルシウム、りん酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウムなどを用いることができる。食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、ペクチン、ポリデキストロース、グアーガム分解物などを用いることができる。
また、本実施形態に係る果実風味炭酸飲料は、果汁、果実フレーバー、果実エキスを含有してもよい。そして、果汁としては、例えば、濃縮果汁、還元果汁、ストレート果汁といった各種果汁、果実ピューレ(火を通した果実あるいは生の果実をすりつぶしたり裏ごししたりした半液体状のもの)、これらの希釈液、濃縮液、混合液などを用いることができる。また、果実エキスとは、果実(又は果汁)から水やアルコールなどを用いて当該果実の有効成分を抽出した抽出物である。
果汁の由来となる果実(および、果実フレーバーや果実エキスの果実種)は、柑橘類果実である、レモン、ライム、ミカン、オレンジ、グレープフルーツ、ユズ、シークワーサー等や、これらの柑橘類果実以外にも、ぶどう、プラム、ざくろ、ブルーベリー、カシス、クランベリー、マキベリー、いちご、アップル、ピーチ、マンゴー、パイナップル、キウイ、梨等といった従来公知の果実も挙げることができる。
ただ、本実施形態に係る果実風味炭酸飲料は、「果汁、果実フレーバー、果実エキス」を含有させる場合、これらの由来となる果実は、柑橘類果実が好ましく、その中でもレモン、グレープフルーツ、シークワーサーがより好ましく、レモンが特に好ましい。
また、本実施形態に係る果実風味炭酸飲料は、α−クルクメン、α−ピネン、β−ピネンを含有させる態様として、ジンジャー、ジンジャーエキス、ジンジャー浸漬酒、ジンジャーフレーバーの一成分として含有させてもよい。この場合、本実施形態に係る果実風味炭酸飲料は、ジンジャー風味となる。
なお、本実施形態に係る果実風味炭酸飲料は、前記した添加剤などを適宜含有させた様々な態様が挙げられる一方、例えば、レモン果汁、レモンフレーバー、ジンジャーエキス、ジンジャーフレーバーのうちの少なくとも一つを含有しない態様も挙げられる。
(容器詰め飲料)
本実施形態に係る果実風味炭酸飲料は、各種容器に入れて提供することができる。各種容器に飲料を詰めることにより、長期間の保管による品質の劣化を好適に防止することができる。
そして、容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製など)のいわゆる缶容器・樽容器を適用することができる。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器などを適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。なお、気体、水分および光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器を適用することが好ましい。
本実施形態に係る果実風味炭酸飲料がアルコールを含有するアルコール飲料である場合、缶容器に詰めて提供されるのが一般的であるが、缶容器の耐圧には上限(例えば、2.5kg/cm)があり、ペットボトル容器に詰められる清涼飲料と比較して炭酸含有率を高めるのが難しい。そのため、炭酸含有率を高めることなく炭酸感を増強できる本発明は、アルコール飲料にとって、非常に好適である。
以上説明したように、本実施形態に係る果実風味炭酸飲料は、α−クルクメンの含有量が所定値以上であることから、果汁感と炭酸感とが増強している。
[本実施形態に係る果実風味炭酸飲料の製造方法]
次に、本実施形態に係る果実風味炭酸飲料の製造方法を説明する。
本実施形態に係る果実風味炭酸飲料の製造方法は、混合工程と、後処理工程と、を含む。
混合工程では、混合タンクに、水、α−クルクメン、α−ピネン、β−ピネン、飲用アルコール、添加剤などを適宜投入して混合後液を製造する。
この混合工程において、各成分の含有量等が前記した所定範囲内となるように各原料を混合し、調整すればよい。
そして、後処理工程では、例えば、ろ過、殺菌、炭酸ガスの付加、容器への充填などの処理を必要に応じて選択的に行う。
なお、後処理工程のろ過処理は、一般的なフィルター又はストレーナーによって行うことができる。また、後処理工程の殺菌処理は、処理速度等の観点から、プレート殺菌によって行うのが好ましいが、同様の処理を行うことができるのであればこれに限定されることなく適用可能である。また、後処理工程の充填処理は、飲料品の製造において通常行われる程度にクリーン度を保ったクリーンルームにて充填するのが好ましい。そして、後処理工程での各処理の順序は特に限定されない。
なお、混合工程及び後処理工程において行われる各処理は、RTD飲料などを製造するために一般的に用いられている設備によって行うことができる。
以上説明したように、本実施形態に係る果実風味炭酸飲料の製造方法は、α−クルクメンの含有量を所定値以上とする工程を含むことから、果汁感と炭酸感とが増強した果実風味炭酸飲料を製造することができる。
[本実施形態に係る果実風味炭酸飲料の香味向上方法]
次に、本実施形態に係る果実風味炭酸飲料の香味向上方法を説明する。
本実施形態に係る果実風味炭酸飲料の香味向上方法は、果汁感と炭酸感とを増強させる香味向上方法であって、α−クルクメンの含有量を所定値以上とする方法である。
なお、各成分の含有量等については、前記した「本実施形態に係る果実風味炭酸飲料」において説明した値と同じである。
以上説明したように、本実施形態に係る果実風味炭酸飲料の香味向上方法は、果実風味炭酸飲料のα−クルクメンの含有量を所定値以上とすることから、果汁感と炭酸感とを増強させることができる。
次に、本発明の要件を満たす実施例とそうでない比較例とを例示して、本発明について説明する。
[サンプルの準備]
表1〜3に示す値となるように、α−クルクメン、α−ピネン、β−ピネン、ウォッカ、果糖ぶどう糖液糖、クエン酸(無水)、クエン酸三ナトリウム、レモン果汁、L−アスコルビン酸ナトリウム、水、炭酸水を適宜配合してサンプルを準備した。
サンプル3−3のみ、製品を模擬した態様とするために、他のサンプルに添加したα−クルクメン、α−ピネン、β−ピネン、の代わりに、ジンジャーエキス、レモンフレーバー、ジンジャーフレーバー、エンジュフレーバーを添加することによって、表3に示す値とした。
なお、各サンプルのウォッカ、果糖ぶどう糖液糖、クエン酸(無水)、クエン酸三ナトリウム、レモン果汁、L−アスコルビン酸ナトリウムの含有量は、各サンプル間において一定量に揃えた。また、使用したレモン果汁には、α−クルクメン、α−ピネン、β−ピネンが含まれていなかった(検出されなかった)。
そして、各サンプルの20℃におけるガス圧は約2.0kg/cmであり、アルコール度数は5v/v%であり、エキス分は6.6w/v%であり、糖酸比(=[Brix(w/w%)]/[酸度(g/100mL)])は15であった。
[試験内容]
前記方法により製造した各サンプルについて、訓練された識別能力のあるパネル8名が下記評価基準に則って「炭酸感」、「果汁感」、「辛味」、「飲料としての味のバランス」について、1〜5点の5段階評価で独立点数付けし、その平均値を算出した。そして、これらの評価は、サンプルを飲んで評価した。
(炭酸感)
炭酸感の評価については、サンプル1−1の1点を基準とし、「舌に刺激のある炭酸感を非常に強く感じる」場合を5点、「舌に刺激のある炭酸感を強く感じる」場合を4点、「舌に刺激のある炭酸感を感じる」場合を3点、「舌に刺激のある炭酸感を弱く感じる」場合を2点、「舌に刺激のある炭酸感を非常に弱く感じる(サンプル1−1と同レベルである)」場合を1点として、5段階で評価した。そして、炭酸感の評価は点数が高いほど好ましいと判断できる。
(果汁感)
果汁感の評価については、サンプル1−1の1点を基準とし、「果汁感を非常に強く感じる」場合を5点、「果汁感を強く感じる」場合を4点、「果汁感を感じる」場合を3点、「果汁感を弱く感じる」場合を2点、「果汁感を非常に弱く感じる(サンプル1−1と同レベルである)」場合を1点として、5段階で評価した。そして、果汁感の評価は点数が高いほど好ましいと判断できる。
なお、「果汁感」とは、具体的には、柑橘類果実であるレモンの果汁感である。
(辛味)
辛味の評価については、表1に示す各サンプルはサンプル1−1の1点を基準、表2に示す各サンプルはサンプル2−1の1点を基準、表3に示す各サンプルはサンプル3−1の1点を基準とし、「辛味を非常に強く感じる」場合を5点、「辛味を強く感じる」場合を4点、「辛味を感じる」場合を3点、「辛味を弱く感じる」場合を2点、「辛味を非常に弱く感じる(サンプル1−1、2−1、3−1と同レベルである)」場合を1点として、5段階で評価した。
なお、「辛味」とは、具体的には、ジンジャーが呈するような辛味である。
(飲料としての味のバランス)
飲料としての味のバランスの評価については、「味のバランスが非常に良い」場合を5点、「味のバランスが良い」場合を4点、「味のバランスは普通である」場合を3点、「味のバランスが悪い」場合を2点、「味のバランスが非常に悪い」場合を1点として、5段階で評価した。そして、飲料としての味のバランスの評価は点数が高いほど好ましいと判断できる。
以下の表に示す各成分の含有量や指標は、最終製品における含有量や指標である。
Figure 2021029232
Figure 2021029232
Figure 2021029232
なお、表3のサンプル3−3について、香気分析を実施した結果(測定装置:アジレントテクノロジー社製Agilent 6890GC 5973MSD)、テルピノレンは1.0ppm以上、リナロールは2.0ppm以上、α−テルピネンは0.5ppm以上、リモネンは25ppm以上、γ−テルピネンは1.0ppm以上、ノナナールは0.5ppm以上であるとのデータが得られた。
(結果の検討)
表1の結果は、α−クルクメンの含有量を変化させたサンプルの結果である。
表1の結果から、飲料にα−クルクメンを含有させることによって、炭酸感が増強されることが確認できた。また、飲料にα−クルクメンを含有させることによって、果汁感が増強されることが確認できた。加えて、飲料にα−クルクメンを含有させることによって、飲料としての味のバランスも良くなることが確認できた。
そして、サンプル1−2〜1−6(特に、サンプル1−3〜1−5)について好ましい結果が得られた。
表2の結果は、α−ピネンの含有量を変化させたサンプルの結果である。
表2の結果から、α−クルクメンを含む飲料にα−ピネンを含有させることによって、α−クルクメンに基づく効果(炭酸感の増強、果汁感の増強)がより増強されることが確認できた。
そして、サンプル2−2〜2−5(特に、サンプル2−3、2−4)について好ましい結果が得られた。
表3の結果は、β−ピネンを含有させたサンプルの結果と実際の製品を想定したサンプルの結果である。
サンプル3−1と3−2との結果を比較すると、α−クルクメンを含む飲料にβ−ピネンを含有させることによって、α−クルクメンに基づく効果(炭酸感の増強、果汁感の増強)がより増強されることが確認できた。
また、サンプル3−3の結果から、実際の製品に本発明を適用した場合であっても、各効果が発揮されることが確認できた。

Claims (10)

  1. α−クルクメンの含有量が0.01ppm以上である果実風味炭酸飲料。
  2. 前記α−クルクメンの含有量が0.10ppm以上である請求項1に記載の果実風味炭酸飲料。
  3. 前記α−クルクメンの含有量が9.00ppm以下である請求項1又は請求項2に記載の果実風味炭酸飲料。
  4. α−ピネンの含有量が0.10ppm以上である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の果実風味炭酸飲料。
  5. β−ピネンの含有量が0.01ppm以上である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の果実風味炭酸飲料。
  6. 柑橘風味である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の果実風味炭酸飲料。
  7. レモン風味である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の果実風味炭酸飲料。
  8. ジンジャー風味である請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の果実風味炭酸飲料。
  9. アルコールを含有する請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の果実風味炭酸飲料。
  10. 果実風味炭酸飲料の果汁感と炭酸感とを増強させる香味向上方法であって、
    前記果実風味炭酸飲料のα−クルクメンの含有量を0.01ppm以上とする香味向上方法。
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