JP2021024957A - ケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】擦れ傷による表面の白化を抑制できるケーブルを提供すること。【解決手段】ケーブルは、導体と、該導体を覆う絶縁体層と、該絶縁体層を覆うシースとを備えるケーブルであって、上記シースは、塩化ビニル樹脂組成物を含み、上記塩化ビニル樹脂組成物は、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、カーボンブラックを0.5質量部以上3.0質量部以下の量で、可塑剤を30質量部以上70質量部以下の量で、炭酸カルシウムを10質量部以上100質量部以下の量で含み、上記塩化ビニル樹脂は、平均重合度が800以上1400以下であり、上記カーボンブラックは、ファーネス法により製造されたファーネスブラックであり、上記可塑剤は、フタレート系可塑剤、トリメリテート系可塑剤およびポリエステル系可塑剤から選ばれる少なくとも1種であり、上記炭酸カルシウムは、比表面積が5000cm2/g以上35000cm2/g以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、ケーブルに関する。
特許文献1には、ポリ塩化ビニル組成物をケーブルのシース材として使用することが記載されている。特許文献1には、具体的には、ポリ塩化ビニル100重量部に対して、可塑剤を50重量部、安定剤を5重量部およびカーボンブラックを10〜100重量部配合したポリ塩化ビニル組成物が記載されている。
特開平1−261446号公報
しかしながら、特許文献1のポリ塩化ビニル組成物から得られるシースを有するケーブルは、擦れ傷によって表面が白化する問題があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、擦れ傷による表面の白化を抑制できるケーブルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るケーブルは、導体と、該導体を覆う絶縁体層と、該絶縁体層を覆うシースとを備えるケーブルであって、上記シースは、塩化ビニル樹脂組成物を含み、上記塩化ビニル樹脂組成物は、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、カーボンブラックを0.5質量部以上3.0質量部以下の量で、可塑剤を30質量部以上70質量部以下の量で、炭酸カルシウムを10質量部以上100質量部以下の量で含み、上記塩化ビニル樹脂は、平均重合度が800以上1400以下であり、上記カーボンブラックは、ファーネス法により製造されたファーネスブラックであり、上記可塑剤は、フタレート系可塑剤、トリメリテート系可塑剤およびポリエステル系可塑剤から選ばれる少なくとも1種であり、上記炭酸カルシウムは、比表面積が5000cm2/g以上35000cm2/g以下である。
本発明に係るケーブルは、擦れ傷による表面の白化を抑制できるという効果を奏する。
図1は、実施形態1に係るケーブルの断面図である。 図2は、耐白化性試験を説明するための図である。 図3は、耐白化性試験を説明するための図である。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換または変更を行うことができる。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係るケーブルの断面図である。ケーブル1は、導体11と、該導体11を覆う絶縁体層12と、該絶縁体層12を覆うシース13とを備える。シース13は、塩化ビニル樹脂組成物を含む。
導体11は、たとえば単線の金属線、複数本の金属素線が撚り合わされた撚線によって構成されている。撚線は圧縮加工されていてもよい。金属線または金属素線の材質としては、たとえば軟銅、錫メッキ軟銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金が挙げられる。導体11が単線の場合、直径は特に限定されないが、たとえば0.5mm以上10.0mm以下であり、撚線の場合、公称断面積は特に限定されないが、たとえば0.5mm2以上400mm2以下である。また、絶縁体層12は、ケーブル用途に用いられる通常の材料によって構成される。絶縁体層12の厚みは、たとえば0.2mm以上4.0mm以下である。
シース13に含まれる上記塩化ビニル樹脂組成物は、塩化ビニル樹脂、カーボンブラック、可塑剤および炭酸カルシウムを含む。上記塩化ビニル樹脂組成物がカーボンブラックを含むため、シース13、すなわちシース13を備えるケーブル1は黒色を示す。
塩化ビニル樹脂は、塩化ビニル単独重合体であっても、塩化ビニル共重合体であってもよい。塩化ビニル共重合体は、塩化ビニルとその他の単量体とを共重合して得られるが、全構成単位中、塩化ビニル由来の構成単位を50モル%以上有することが好ましい。その他の単量体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン等の炭素数2〜30のα−オレフィン類、アクリル酸およびそのエステル類、メタクリル酸およびそのエステル類、マレイン酸およびそのエステル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アルキルビニルエーテル等のビニル化合物、ジアリルフタレート等の多官能性モノマーが挙げられる。その他の単量体は、1種を用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。さらに、上記塩化ビニル樹脂は、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体またはエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)に対して、塩化ビニルモノマーをグラフトしたグラフト共重合体であってもよい。上記塩化ビニル樹脂は、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記塩化ビニル樹脂は、懸濁重合、乳化重合など公知の製造方法によって得られる。
上記塩化ビニル樹脂は、JIS K 6721に準拠して測定した平均重合度の値が、800以上1400以下である。平均重合度が800よりも小さすぎると、シースの引張強度が小さくなるおそれがある。平均重合度が1400よりも大きすぎると、シースを形成する際に押出成形しがたくなるおそれがある。
上記カーボンブラックとしては、具体的には、ファーネス法により製造されたファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、グラファイトが挙げられる。
上記カーボンブラックは、粒子径(具体的には、一次粒子径の算術平均粒子径)が、30nm以下であることが好ましい。粒子径が上記範囲にあると、粒子径が小さいほどカーボンブラックの黒度が高くなるため好ましい。なお、粒子径は、電子顕微鏡による観察から求められる。
上記カーボンブラックは、着色力が、120%以上であることが好ましい。着色力が上記範囲にあると、ケーブルの色目が濃くなり、ケーブル表面に傷がついても白化が抑えられるため好ましい。なお、着色力は、JIS K 6217−5に準拠して測定できる。すなわち、カーボンブラック、亜鉛華およびミネラルオイルを混練してペーストを作製し、このペーストをガラス板に塗り、そのガラス板の光の反射率を求める。得られた反射率について、標準品の反射率に対する相対値を求め、この値を着色力とする。
上記カーボンブラックは、PVC黒度が、10点以上であることが好ましい。PVC黒度が上記範囲にあると、ケーブルの色目が濃くなり、ケーブル表面に傷がついても白化が抑えられるため好ましい。なお、PVC黒度を求めるため、まず、加熱した2本ロールによって、所定量のカーボンブラックと所定量のPVC(塩化ビニル樹脂)とを練って分散処理し、評価用シートを得る。次に、得られた測定用シートについて、基準となるカーボンブラックを用いて作製したシートと対比して指数付けする。点数が高いほど、PVC黒度が高いといえる。この指数をPVC黒度とする。具体的には、下記のように行う。
(1) 2本ロール分散機を所定温度115℃〜105℃程度に加熱する。
(2) 105℃、1時間乾燥したカーボンブラックを0.3g秤量する。
(3) PVCを30g秤量する。
(4) PVCとカーボンブラックとを加熱2本ロール分散機で練り、評価用シートを作製する。
(5) 標準となるカーボンブラックを用いて作製したシートとの対比で指数付けする。標準試料の評価点数として、以下の通り定めている。
♯5:1点、♯40:10点、♯45:20点、MCF88:30点、♯900:35点
♯5、♯40、♯45、MCF88、♯900は、三菱ケミカル株式会社製、商品名三菱カーボンブラックの商品グレードである。
上記可塑剤は、上記塩化ビニル樹脂組成物に柔軟性を与えるために配合される。上記可塑剤は、具体的には、フタレート系可塑剤、トリメリテート系可塑剤およびポリエステル系可塑剤から選ばれる少なくとも1種である。このように、上記可塑剤は、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フタレート系可塑剤としては、ジウンデシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジノルマルオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジノルマルデシルフタレート、ジイソデシルフタレートが挙げられる。トリメリテート系可塑剤としては、トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート、トリノルマルオクチルトリメリテート、トリイソデシルトリメリテートが挙げられる。ポリエステル系可塑剤としては、ポリ1,3−ブタンジオールアジペートが挙げられる。これらのうちで、物性のバランスやコストの観点から、フタレート系可塑剤が好適に用いられる。
上記炭酸カルシウムは、充填剤の役割を有する。上記炭酸カルシウムは、比表面積が5000cm2/g以上35000cm2/g以下である。比表面積が上記範囲にあると、引張特性や分散性が良好であるため好ましい。なお、比表面積は、JIS M 8511に準拠して空気透過法により測定できる。
上記塩化ビニル樹脂組成物は、上記塩化ビニル樹脂100質量部に対して、上記カーボンブラックを0.5質量部以上3.0質量部以下の量で、上記可塑剤を30質量部以上70質量部以下の量で、上記炭酸カルシウムを10質量部以上100質量部以下の量で含む。実施形態1に係るケーブルは、上記塩化ビニル樹脂組成物を含むシースを備えるため、擦れ傷による白化が抑えられるとともに、ケーブルとして必要な引張特性、絶縁性、耐久性を発揮できる。
従来の塩化ビニル樹脂組成物を用いたケーブルでは、絶縁体やシースを黒色とするためにカーボンブラックを配合している。このような従来のケーブルにおいて、カーボンブラックの配合量は、一般的に、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上0.2質量部以下である。この配合量では、黒さは充分得られるが、擦れ傷が目立つ。特に6k−CV、6k−CVTのような大きなケーブルでは、内部の導体が重いため、シースに荷重がかかり、白化が際立つ場合がある。これに対して、実施形態1に係るケーブルでは、カーボンブラックの配合量が0.5質量部以上3.0質量部以下と多いため、ケーブルの色目が濃くなり、ケーブル表面に傷がついても白化が抑えられる。このように、実施形態1に係るケーブルでは、耐傷性用の材料を新たに添加する必要がなく、カーボンブラックの配合量を増やすのみでよい。したがって、配合する成分の種類を抑えられるため、コンパウンド生産性の面でも好ましい。なお、カーボンブラックを含む着色剤マスターバッチを使用する場合も、その配合量を調整するのみで、カーボンブラックの配合量を上記範囲とすることができる。よって、コンパウンド生産性にも優れる。
一方、カーボンブラックは導電性フィラーであるため、配合量が多すぎると、体積抵抗率(VR)が低下する恐れがある。可塑剤も、配合量が多すぎると、VRが低下する傾向にある。しかしながら、カーボンブラックおよび可塑剤の配合量が上記範囲にあると、絶縁体として充分使用できる。
また、可塑剤および炭酸カルシウムの配合量が上記範囲にあると、引張特性および硬度に関してケーブルとしての所望の特性を満足できる。硬度が低すぎると、擦れや外部からの圧力等に対するケーブルの耐久性も低下する傾向にある。また、硬度が高すぎると、コンパウンドやケーブルの押出時にトルクが高くなり、押出機に負担がかかる懸念がある。
上記塩化ビニル樹脂組成物は、その他の成分として、安定剤、難燃剤、絶縁向上剤および加工助剤から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。このように、上記その他の成分は、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記安定剤としては、脂肪酸金属塩およびハイドロタルサイトを含む混合物が好適に用いられる。上記脂肪酸金属塩について、これを構成する金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、錫、ストロンチウムが挙げられる。これらのうちで、マグネシウム、カルシウム、亜鉛が好ましい。脂肪酸金属塩を構成する脂肪酸としては、酪酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ネオ酸、2−エチルヘキサン酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、1,2−ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸が挙げられる。これらのうちで、炭素数12〜18の脂肪酸が好ましく、ステアリン酸がより好ましい。
ハイドロタルサイトは、一般に[Mg1-xAlx(OH)2x+[(CO3x/2・mH2O]x-で表される不定比化合物である。プラスに荷電した基本層[Mg1-xAlx(OH)2x+と、マイナスに荷電した中間層[(CO3x/2・mH2O]x-からなる層状の結晶構造を有する。ここで、xは0を超え0.33以下の数である。天然のハイドロタルサイトはMg6Al2(OH)16CO3・4H2Oである。合成されたハイドロタルサイトとして、Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2Oが市販されている。
上記混合物中、ハイドロタルサイトは、通常5質量%以上70質量%以下の量で含まれる。
また、上記難燃剤としては、三酸化アンチモン、リン酸エステル、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが挙げられる。上記加工助剤としては、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)が挙げられる。
上記安定剤、難燃剤、絶縁向上剤および加工助剤を用いる場合は、それぞれ、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、安定剤は0〜30質量部、難燃剤は0〜100質量部、絶縁向上剤は1〜100質量部、加工助剤は0〜20質量部の量で配合することが好ましい。
上記塩化ビニル樹脂組成物の製造方法は、上記成分が実質的に均一に分散、混合、混練される方法であればよく、特に限定されない。具体的には、バンバリーミキサー、コニーダー、同方向型二軸押出機、異方向型二軸押出機、ロール式混練機、バッチ式混練機などで上記成分を混練して、上記塩化ビニル樹脂組成物が得られる。
上記塩化ビニル樹脂組成物は、1mm厚のシートとした場合に、通常、耐白化性試験で優れた評価結果が得られる。なお、耐白化性試験については、実施例において詳述する。また、上記塩化ビニル樹脂組成物は、1mm厚のシートとした場合に、通常、常温引張強度が12MPa以上であり、常温引張伸びが200%以上であり、硬度が70以上95以下であり、体積抵抗率が1×1013Ωcm以上である。なお、常温引張強度および常温引張伸びは、JIS K 6723に準拠して測定した値であり、硬度は、スプリング式硬さ計(JIS−A形)で測定した値である。実施形態1に係るケーブルは、このような特性を満たす上記塩化ビニル樹脂組成物を含むシースを備えるため、擦れ傷による白化が抑えられるとともに、ケーブルとして必要な引張特性、絶縁性、耐久性を発揮できる。
また、シース13の厚みは、たとえば0.5mm以上4.0mm以下である。
[実施形態2]
実施形態2に係るケーブルは、実施形態1に係るケーブルと同様に、導体と、該導体を覆う絶縁体層と、該絶縁体層を覆うシースとを備える。なお、導体および絶縁体層の詳細、ならびにシースの好ましい厚みについては、実施形態1と同様である。
実施形態2に係るケーブルにおいては、上記シースは、塩化ビニル樹脂組成物を含み、上記塩化ビニル樹脂組成物は、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、カーボンブラックを0.5質量部以上3.0質量部以下の量で含み、上記カーボンブラックは、PVC黒度が10点以上であり、塩化ビニル樹脂組成物から得られる試験用シートに対する耐白化性試験において、白化した面積が60mm2未満である。ここで、上記耐白化性試験は、上記試験用シートに、治具における長さ16mmの直線状の先端部位を接触させ、荷重を500gまたは800g、移動速度を500mm/min、移動距離を5mmとして、上記治具を5回往復させる試験である。なお、耐白化性試験については、実施例において詳述する。
実施形態2で用いる塩化ビニル樹脂組成物に含まれる塩化ビニル樹脂としては、具体的には、実施形態1で用いる塩化ビニル樹脂が好適に用いられる。また、カーボンブラックは、PVC黒度が10点以上である。PVC黒度については、実施形態1で説明したものと同様である。また、カーボンブラックとしては、具体的には、実施形態1で説明したカーボンブラックが好適に用いられる。
また、実施形態2で用いる塩化ビニル樹脂組成物は、さらに、実施形態1で用いる可塑剤、炭酸カルシウム、その他の成分を含んでいてもよい。これらの成分の詳細、好ましい配合量も実施形態1の場合と同様である。また、実施形態2で用いる塩化ビニル樹脂組成物の製造方法は、実施形態1の場合と同様である。
実施形態2で用いる塩化ビニル樹脂組成物は、1mm厚のシートとした場合に、通常、体積抵抗率が1×1013Ωcm以上である。実施形態2に係るケーブルは、このような特性を満たす上記塩化ビニル樹脂組成物を含むシースを備えるため、擦れ傷による白化が抑えられるとともに、ケーブルとして必要な絶縁性を発揮できる。
上述した実施形態に係るケーブルの製造方法は、図1に示すケーブル1の構成が得られればよく、特に限定されない。たとえば、シース13は、被覆用押出機により、上記塩化ビニル樹脂組成物が押出成形されて得られる。
また、上述した実施形態に係るケーブルは、単心ケーブルであるが、多心ケーブルであってもよい。さらに、上述した実施形態に係るケーブルは、通常のケーブルに含まれる他の構成をさらに有していてもよい。たとえば、遮蔽層が形成されていてもよく、介在物を有していてもよい。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
[実施例]
[実施例1]
表1に示すように、塩化ビニル樹脂(信越化学株式会社製、商品名TK−1300、平均重合度1300)100質量部、カーボンブラック(三菱ケミカル株式会社製、商品名三菱カーボンブラック♯45、ファーネスブラック、粒子径24nm、黒度20点、着色力140%)0.5質量部、ジイソノニルフタレート(DINP、株式会社ジェイプラス製)30質量部、炭酸カルシウム(白石カルシウム株式会社製、商品名ソフトン1500、比表面積15000cm2/g)10質量部、安定剤(株式会社ADEKA製、商品名RUP−103)5質量部、および加工助剤(三菱ケミカル株式会社製、商品名P−530A)5質量部を配合し、混練して塩化ビニル樹脂組成物を得た。
[実施例2〜12、比較例1〜4]
表1に示すように成分の量を変更した以外は、実施例1と同様にして塩化ビニル樹脂組成物を得た。
[評価]
〔試験用シートの作製〕
表1に示す成分を表1に示す量でビーカーの中で配合した。この配合物を2本ロールミルにより165℃で8分間混練した。混練後、得られたシートをプレス機により180℃で10分間加圧して、15cm×15cmの試験用シートを得た。シートの厚さは、1mmとした。また、硬度測定のため、シートの厚さが2mmの試験用シートも作製した。
〔耐白化性試験〕
図2および図3は、耐白化性試験を説明するための図である。図3は、図2を治具の移動する方向から見た図である。図2および図3に示すように、試験用シートに治具を接触させ、下記の条件で治具を往復させた。具体的には、試験用シートに治具における長さ16mmの直線状の先端部位を接触させ、往復させた。すなわち、試験用シートに先端部位が接触したまま往復する試験範囲の面積は80mm2である。
荷重:500gまたは800g、移動速度:500mm/min、移動距離:5mm、往復回数:5回
耐白化性試験は、具体的には、表面性測定機(新東科学株式会社製、製品名トライボギアTYPE:38)を用いて行った。治具を往復させた後の試験用シートについて、目視により白化していると判断した部分の面積(mm2)を求めた。白化した面積が60mm2未満の場合を○(合格)、60mm2以上の場合を×(不合格)とした。
〔常温引張強度、常温引張伸び、体積抵抗率〕
常温引張強度、常温引張伸びおよび体積抵抗率は、JIS K 6723「軟質ポリ塩化ビニルコンパウンド」に準拠して測定した。
〔硬度〕
JIS K 7215に準拠して測定した。具体的には、2mm厚さシートを三段重ねして、その上に1kgfの重りを乗せたタイプAデュロメータを設置して測定開始し、10秒後の値を読んで測定値とした。5点測定した平均値を硬度値とする。
Figure 2021024957
実施例の塩化ビニル樹脂組成物を用いた試験用シートは、上記のように優れた評価結果を示す。このため、実施例の塩化ビニル樹脂組成物を含むシースを備えるケーブルにおいても、擦れ傷による白化が抑えられるとともに、ケーブルとして必要な絶縁性を発揮できると考えられる。特に、実施例1〜8の塩化ビニル樹脂組成物を含むシースを備えるケーブルにおいては、擦れ傷による白化が抑えられるとともに、ケーブルとして必要な引張特性、絶縁性、耐久性を発揮できると考えられる。
10 ケーブル
11 導体
12 絶縁体層
13 シース

Claims (3)

  1. 導体と、該導体を覆う絶縁体層と、該絶縁体層を覆うシースとを備えるケーブルであって、
    前記シースは、塩化ビニル樹脂組成物を含み、
    前記塩化ビニル樹脂組成物は、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、カーボンブラックを0.5質量部以上3.0質量部以下の量で、可塑剤を30質量部以上70質量部以下の量で、炭酸カルシウムを10質量部以上100質量部以下の量で含み、
    前記塩化ビニル樹脂は、平均重合度が800以上1400以下であり、
    前記カーボンブラックは、ファーネス法により製造されたファーネスブラックであり、 前記可塑剤は、フタレート系可塑剤、トリメリテート系可塑剤およびポリエステル系可塑剤から選ばれる少なくとも1種であり、
    前記炭酸カルシウムは、比表面積が5000cm2/g以上35000cm2/g以下である、
    ケーブル。
  2. 導体と、該導体を覆う絶縁体層と、該絶縁体層を覆うシースとを備えるケーブルであって、
    前記シースは、塩化ビニル樹脂組成物を含み、
    前記塩化ビニル樹脂組成物は、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、カーボンブラックを0.5質量部以上3.0質量部以下の量で含み、
    前記カーボンブラックは、PVC黒度が10点以上であり、
    前記塩化ビニル樹脂組成物から得られる試験用シートに対する耐白化性試験において、白化した面積が60mm2未満であり、
    前記耐白化性試験は、前記試験用シートに、治具における長さ16mmの直線状の先端部位を接触させ、荷重を500gまたは800g、移動速度を500mm/min、移動距離を5mmとして、前記治具を5回往復させる試験である、
    ケーブル。
  3. 前記塩化ビニル樹脂組成物は、さらに、安定剤、難燃剤、絶縁向上剤および加工助剤から選ばれる少なくとも1種を含む、
    請求項1に記載のケーブル。
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