JP2021023846A - 中空粒子及びその製造方法 - Google Patents

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春彦 松浦
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洋輔 前山
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Takuto Ouchi
卓太 大内
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Abstract

【課題】優れた光拡散性を有する中空粒子を提供することを課題とする。【解決手段】非多孔性のシェルと、前記シェルにより区画された空域とを備え、前記シェルは、その内壁に複数の突起を有し、前記複数の突起が、互いに連結している中空粒子であり、前記中空粒子が、0.02〜0.5のW/V(Wは、複数の突起の平均幅を、Vは、中空粒子の体積平均粒子径を意味する)を有することを特徴とする中空粒子により上記課題を解決する。【選択図】図4

Description

本発明は、中空粒子及びその製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、中空粒子を構成するシェルの内壁に複数の突起を備えた中空粒子及びその製造方法に関する。本発明の中空粒子は、塗料組成物、化粧料、紙被覆組成物、断熱性組成物、光拡散性組成物、光拡散フィルム等の用途に適している。
内部に空域を有するポリマー粒子(中空粒子)は、材料の軽量化、造孔化、断熱性、遮音性、耐衝撃性等を付与する目的で、極めて広範な分野で利用されている。
この中空粒子は、シェルと、シェルにより区画された空域との屈折率差により可視光の散乱が起こることが知られており、内部に空域のないポリマー粒子(中実粒子)よりも優れた光拡散性を有している。このことから中空粒子は、不透明度、白色度、光沢等を向上させる効果を有しているため、例えば光拡散剤として塗料、紙被覆組成物、化粧品、日焼け止めクリーム等に用いられている。とりわけ、近年、省エネルギー化をはかる観点から、建物の屋根に遮熱塗料や断熱塗料を塗工することが検討されており、遮熱性や断熱性を向上させる材料として、光散性に優れた中空粒子の使用が検討されている。
中空粒子としては、特開2002−080503号公報(特許文献1)に記載の粒子が提案されている。また、国際公開第2002/072671号(特許文献2)や特開2017−082152号公報(特許文献3)では、内部モルフォロジーを多孔化することで機械的強度を向上させた中空粒子が提案されている。
特開2002−080503号公報 国際公開第2002/072671号 特開2017−082152号公報
特許文献1に記載の中空粒子は、空域による光散乱が十分とはいえず、特に可視光から近赤外光の拡散性が不十分であった。その結果、遮熱性を向上させる材料としては十分な性能を有していなかった。また、特許文献2及び3に記載の中空粒子は、特許文献1よりも光散乱が改善されているが、近赤外光の拡散性が不十分であった。そのため、より光拡散性の向上した中空粒子が求められていた。
かくして本発明によれば、非多孔性のシェルと、前記シェルにより区画された空域とを備え、前記シェルは、その内壁に複数の突起を有し、前記複数の突起が、互いに連結している中空粒子であり、
前記中空粒子が、0.02〜0.5のW/V(Wは、複数の突起の平均幅を、Vは、中空粒子の体積平均粒子径を意味する)を有することを特徴とする中空粒子が提供される。
また、本発明によれば、上記中空粒子の製造方法であり、
ビニル系単官能単量体と、ビニル系架橋性単量体と、非反応性溶剤と、重合開始剤とを含む混合物を、分散助剤の存在下、懸濁安定剤を含む水系媒体中で重合させる工程を含むことを特徴とする中空粒子の製造方法が提供される。
本発明によれば、優れた光拡散性(特に可視光及び近赤外光の光散乱性)を有する中空粒子を提供できる。
また、以下のいずれかの場合、より優れた光拡散性を有する中空粒子を提供できる。
(1)中空粒子が、1.0〜50μmの体積平均粒子径を有し、シェルが、架橋樹脂から構成される。
(2)架橋樹脂が、ビニル系単官能単量体とビニル系架橋性単量体とに由来し、ビニル系単官能単量体とビニル系架橋性単量体とが、(メタ)アクリル酸エステルである。
(3)中空粒子が、可視光及び近赤外光を反射する性質を有する。
(4)中空粒子が、塗料組成物、化粧料、紙被覆組成物、断熱性組成物、光拡散性組成物及び光拡散フィルムから選択される用途に使用される。
実施例1〜4の中空粒子の表面写真(3000倍)及び断面写真(3000倍及び1000倍)である。 実施例5〜8の中空粒子の表面写真(3000倍)及び断面写真(3000倍及び1000倍)である。 実施例9及び比較例1〜3の中空粒子の表面写真(3000倍)及び断面写真(比較例1は3000倍及び1000倍、比較例1及び2は3000倍)である。 紫外可視近赤外光の反射特性評価における実施例及び比較例の各中空粒子を含む塗膜の各波長に対する光反射率を示すグラフである。
(中空粒子)
中空粒子は、非多孔性のシェルと、シェルにより区画された空域とを備えている。また、シェルは、その内壁に複数の突起を有している。更に、複数の突起は、互いに連結している。
(1)シェル
シェルを構成する材料は、空域を区画できさえすれば、特に限定されない。材料は、架橋樹脂を含んでいてもよい。材料には、無機成分(例えば、シリカ)を含んでいなくてもよい。
架橋樹脂は、シェルを構成できさえすればその種類は特に限定されない。架橋樹脂としては、ビニル系単量体に由来する樹脂が挙げられ、具体的には、ビニル系単官能単量体とビニル系架橋性単量体とに由来する樹脂が挙げられる。ビニル系単官能単量体は、ビニル基を1つ有する単量体であり、ビニル系架橋性単量体は、ビニル基を2つ以上有する単量体である。シェルが架橋樹脂からなることは、例えばゲル分率を測定することで確認できる。
ビニル系単官能単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜16のアルキル(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリロニトリル、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレート、無水マレイン酸、N−ビニルカルバゾール;スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン等のスチレン系単量体等が挙げられる。これらの単官能単量体を単独又は複数を組み合わせて用いることができる。
ビニル系架橋性単量体としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリル酸エステル、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−エチレンビス(メタ)アクリルアミド等の多官能アクリルアミド誘導体、ジアリルアミン、テトラアリロキシエタン等の多官能アリル誘導体等、ジビニルベンゼン等の芳香族系ジビニル化合物等が挙げられる。これらの架橋性単量体を単独又は複数を組み合わせて用いることができる。
ビニル系単官能単量体とビニル系架橋性単量体は、(メタ)アクリル酸エステルであることが好ましい。
ビニル系架橋性単量体に由来する成分は、ビニル系単官能単量体に由来する成分100重量部に対して、20重量部以上の割合でシェルに含まれていることが好ましい。架橋性単量体に由来する成分の量が20重量部未満の場合、十分な強度を有するシェルが形成されないことがある。ビニル系架橋性単量体に由来する成分の量は、20〜150重量部であることがより好ましく、80〜130重量部であることが更に好ましい。
(2)内壁の突起
シェルは、その内壁に複数の突起を有している。突起の数は、特に限定されない。例えば、シェルの内壁に接する突起は、中空粒子の断面において、2個以上とすることができ、2〜1600個の範囲とすることも可能である。また、複数の突起は、隣接する突起間で、互いに連結している。互いに連結していることは、中空粒子の断面写真により確認できる。
突起は、中空粒子の体積平均粒子径に対して、0.02〜0.5のW/V(Wは、複数の突起の平均幅を、Vは、中空粒子の体積平均粒子径を意味する)の関係を有している。W/Vが0.02未満の場合や、0.5より大きい場合、光拡散性が不十分となることがある。W/Vは、0.025〜0.4であることが好ましく、0.03〜0.3であることがより好ましい。
体積平均粒子径Vは、1.0〜50μmを取り得る。用途にもよるが、体積平均粒子径は、2.0〜30μmであることが好ましく、3.0〜25μmであることがより好ましい。
突起の平均幅Wは、0.1〜2.0μmを取り得る。平均幅は、0.2〜1.5μmであることが好ましく、0.3〜1.0μmであることがより好ましい。
突起は、シェルを構成する材料と同じ材料からなっていてもよい。
(3)外形等
中空粒子の外形は特に限定されないが、できるだけ球状に近いことが好ましい。
シェルは、0.1〜2.0μmの厚みを有する。厚みが0.1μm未満の場合、中空粒子がつぶれ易くなることがある。2.0μmより大きい場合、可視光及び近赤外光の反射性が低下することがある。厚みは、0.2〜1.5μmであることが好ましく、0.3〜1.0μmであることがより好ましい。
シェルは非多孔性である。非多孔性であることで、中空粒子を種々の用途に使用しても、空域を維持できるため、中空粒子の光拡散性を発揮させることが可能となる。非多孔性であることは、例えば、中空粒子の断面写真を取る際に、中空粒子を固定するための樹脂が空域に存在しているかどうかで確認できる。
空域内には、互いに連結した複数の粒子から構成される粒子塊が存在してもよい。中空粒子の粒子塊は、隣接する突起と連結していてもよい。
(中空粒子の製造方法)
中空粒子の製造方法は、ビニル系単官能単量体と、ビニル系架橋性単量体と、非反応性溶剤と、重合開始剤とを含む混合物を、分散助剤の存在下、懸濁安定剤を含む水系媒体中で重合させる工程(重合工程)を含む。
(1)重合工程
重合工程では、ビニル系単官能単量体とビニル系架橋性単量体とが重合し、生成したポリマーが水系媒体との界面に集まることで、中空粒子が得られる。
重合工程では、まず、少なくとも、ビニル系単官能単量体と、ビニル系架橋性単量体と、非反応性溶剤と、重合開始剤とを混合して混合物を得る。なお、単量体の使用量と、外殻を構成する単量体由来成分の含有量は、実質的に一致している。
非反応性溶剤としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、デカン、ヘキサデカン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等が挙げられる。これらの非反応性有機溶剤を単独又は複数を組み合わせて用いることができる。中空粒子からの除去が容易であることから、非反応性溶剤の沸点は100℃未満であることが好ましい。
非反応性溶媒の添加量は、特に限定されないが、全単量体100重量部に対して、40〜250重量部である。添加量が40重量部未満の場合、シェルにて区画された空域の割合が少なくなり、光拡散性が不十分となることがある。250重量部を超えると、シェルの形成が不十分となり、十分な物理的強度を有する粒子が得られないことがある。
単量体の重合は、重合開始剤の存在下で行われる。重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類、
クメンハイドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジメチルビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジメチルビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ビス(tert−ブチルパーオキシ)トリメチルシクロヘキサン、ブチル−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレラート、2−エチルヘキサンペルオキシ酸tert−ブチル、ジベンゾイルパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物類、
2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二硫酸塩二水和物、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−エチルプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(2,2’−アゾビス(2−メチル−ブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−イソプロピルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3−ジメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルカプロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3,3−トリメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−エトキシバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−n−ブトキシバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピネート)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、ジメチル−2,2'−アゾビス(2−メチルプロピネート)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリン酸)等のアゾ化合物類が挙げられる。これらの重合開始剤を単独又は複数を組み合わせて用いることができる。
重合開始剤は、混合物中に、全単量体100重量部に対して、0.05〜5重量部含まれていることが好ましい。
次に、分散させた混合物は、その中の単量体を重合に付すことで、中空粒子が得られる。重合は、特に限定されず、混合物に含まれる単量体及び重合開始剤の種類に応じて、重合温度、重合時間等の諸条件を適宜調整しつつ行われる。例えば、重合温度を30〜80℃、重合時間を1〜20時間とすることができる。
混合物には、増粘剤を添加してもよい。増粘剤としては、例えば、アクリル系増粘剤、ウレタン系増粘剤、ポリエーテル系増粘剤、ポリビニルアルコール類、セルロース誘導体等の有機系増粘剤が挙げられる。無機系増粘剤としては、疎水性フュームドシリカ、粘土鉱物が挙げられる。これら増粘剤は、1種のみ添加されていても、2種以上が添加されていてもよい。
混合物は、懸濁安定剤を含む水系媒体に添加される。
水系媒体を構成する水性媒体としては、例えば、水、水と水溶性有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール等の低級アルコール)との混合物等が挙げられる。
懸濁安定剤としては、例えば、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛等のリン酸塩、ピロリン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸アルミニウム、ピロリン酸亜鉛等のピロリン酸塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、コロイダルシリカ等の難水溶性無機化合物が挙げられる。懸濁安定剤は、1種又は2種以上組合せて用いることができる。
懸濁安定剤は、全単量体と非反応性溶剤の混合物100重量部に対して、0.5〜10重量部使用されることが好ましい。使用量が0.5重量部未満の場合、混合物を十分分散できないことがある。使用量が10重量部より多い場合、使用量に見合った効果が得られずコスト的に不経済であるため好ましくない。
重合は分散助剤の存在下で行われる。分散助剤は、混合物中に存在していてもよく、水系媒体中に存在していてもよい。
分散助剤としては、ラウリルリン酸、ポリオキシエチレン(1)ラウリルエーテルリン酸、ジポリオキシエチレン(2)アルキルエーテルリン酸、ジポリオキシエチレン(4)アルキルエーテルリン酸、ジポリオキシエチレン(6)アルキルエーテルリン酸、ジポリオキシエチレン(8)アルキルエーテルリン酸、ジポリオキシエチレン(4)ノニルフェニルエーテルリン酸、カプロラクトンEO変性燐酸ジメタクリレート、2−メタクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート等が挙げられる。(数)はオキシエチレンの繰り返し数を意味する。EOはエチレンオキサイドを意味する。
分散助剤の添加量は、特に限定されないが、全単量体と非反応性溶剤の混合物100重量部に対して、0.0001〜0.5重量部である。添加量が0.0001重量部未満の場合、混合物を十分分散できないことがある。0.5重量部を超えると、シェルが形成されないことがある。
本発明の特異な形状の中空粒子は、混合物(油相)と水系媒体(水相)とから構成される界面に働く界面張力を制御することで適切に製造できると発明者等は考えている。例えば、界面張力が大きい場合、突起の数が減り及び/又は突起の大きさが大きくなる傾向がある。また、界面張力が小さい場合、突起の数が増え及び/又は突起の大きさが小さくなる傾向がある。混合物(油相)と水系媒体(水相)との界面張力は、例えば使用する非反応性溶剤の種類、全単量体と非反応性溶剤の比率、分散剤の量、分散助剤の量を調整することで制御できる。
加えて、本発明の特異な形状の中空粒子は、混合物(油相)の粘度を調整することでも適切に製造できると発明者等は考えている。混合物(油相)の粘度が高い場合、突起の数が増え及び/又は突起の大きさが小さくなる傾向がある。混合物(油相)の粘度が低い場合、突起の数が減り及び/又は突起の大きさが大きくなる傾向がある。例えば、界面張力が大きい場合においても、混合物(油相)の粘度を高めることで突起の数が多く及び/又は突起の大きさが小さな中空粒子が得られることがある。
混合物は、所望の粒径の中空粒子が得られるように、撹拌速度、撹拌時間等の諸条件を適宜調整しつつ水系媒体中で分散される。
(2)その他の工程
中空粒子は、必要に応じて、遠心分離、水洗及び乾燥を経ることで、水系媒体から取り出すことができる。
(用途)
中空粒子は、塗料組成物、化粧料、紙被覆組成物、断熱性組成物、光拡散性組成物、光拡散フィルム等の用途で使用できる。
(1)塗料、断熱性及び光拡散性の組成物
これら組成物は、必要に応じて、バインダー樹脂、UV硬化性樹脂、溶剤等が含まれる。バインダー樹脂としては、有機溶剤又は水に可溶な樹脂もしくは水中に分散できるエマルション型の水性樹脂を使用できる。
バインダー樹脂又はUV硬化性樹脂及び中空粒子の添加量は、形成される塗膜の膜厚、中空粒子の平均粒子径及び塗装方法によっても異なる。中空粒子の添加量は、バインダー樹脂(エマルジョン型の水性樹脂を使用する場合は固形分)と中空粒子との合計に対して5〜50重量%が好ましい。より好ましい含有量は10〜50重量%であり、更に好ましい含有量は20〜40重量%である。
バインダー樹脂としては、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、アモルファスポリオレフィン樹脂等が挙げられ、UV硬化性樹脂としては多価アルコール多官能(メタ)アクリレート等のような多官能(メタ)アクリレート樹脂;ジイソシアネート、多価アルコール、及びヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル等から合成されるような多官能ウレタンアクリレート樹脂等が挙げられる。
UV硬化性樹脂としては、多官能(メタ)アクリレート樹脂が好ましく、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多価アルコール多官能(メタ)アクリレート樹脂がより好ましい。1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多価アルコール多官能(メタ)アクリレート樹脂としては、具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、1,2,4−シクロヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリアクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられ、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
UV硬化性樹脂を用いる場合には、通常光重合開始剤が併用される。光重合開始剤は、特に限定されない。
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、α−ヒドロキシアルキルフェノン類、α−アミノアルキルフェノン、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類(特開2001−139663号公報等に記載)、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、オニウム塩類、ボレート塩、活性ハロゲン化合物、α−アシルオキシムエステル等が挙げられる。
これらバインダー樹脂又はUV硬化性樹脂は、塗装される基材への塗料の密着性や使用される環境等によって適宜選択され得る。
溶剤としては、特に限定されないが、バインダー樹脂又はUV硬化性樹脂を溶解又は分散できる溶剤を使用することが好ましい。例えば、油系塗料であれば、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル系溶剤等が挙げられる。水系塗料であれば、水、アルコール類等が使用できる。これら溶剤は、単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。コーティング材料中の溶剤含有量は、組成物全量に対し、通常20〜60重量%程度である。
組成物には、必要に応じて、公知の塗面調整剤、流動性調整剤、紫外線吸収剤、光安定剤、硬化触媒、体質顔料、着色顔料、金属顔料、マイカ粉顔料、染料等が含まれていてもよい。
組成物を使用した塗膜の形成方法は、特に限定されず、公知の方法をいずれも使用できる。例えば、スプレー塗装法、ロール塗装法、ハケ塗り法等の方法、及び薄層としてフィルム等基材にコーティングするにはコーティングリバースロールコート法、グラビアコート法、ダイコート法、コンマコート法、スプレーコート法が挙げられる。組成物は、必要に応じて粘度を調整するために、希釈してもよい。希釈剤としては、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶剤;水;アルコール系溶剤等が挙げられる。これら希釈剤は、単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
基材等の任意の塗工面に塗工して塗工膜を作製し、この塗工膜を乾燥させた後、必要に応じて塗工膜を硬化させることによって、塗膜を形成できる。なお、塗料組成物を使用した塗膜は各種基材にコーティングして使用され、金属、木材、ガラス、プラスチックス等特に限定されない。また、ポリエチレンテレフタラート(以下、PETと略す)、ポリエチレンカーボネート(以下、PCと略す)、アクリル等の透明基材にコーティングして用いることもできる。
(2)化粧料
化粧料は、中空粒子を1〜40重量%の範囲で含んでいることが好ましい。
化粧料としては、石鹸、ボディシャンプー、洗顔クリーム、スクラブ洗顔料等の洗浄用化粧品、化粧水、クリーム、乳液、パック類、おしろい類、ファンデーション、口紅、リップクリーム、頬紅、眉目化粧品、マニキュア化粧品、洗髪用化粧品、染毛料、整髪料、芳香性化粧品、歯磨き、浴用剤、制汗剤、日焼け止め製品、サンタン製品、ボディーパウダー、ベビーパウダー等のボディー用化粧料、ひげ剃り用クリーム、プレシェーブローション、アフターシェーブローション、ボディローション等のローション等が挙げられる。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、化粧料に一般に用いられている成分を目的に応じて配合できる。そのような成分として、例えば、水、低級アルコール、油脂及びロウ類、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、ステロール、脂肪酸エステル、金属石鹸、保湿剤、界面活性剤、高分子化合物、色材原料、香料、防腐・殺菌剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、特殊配合成分が挙げられる。
油脂及びロウ類としてはアボガド油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ脂、牛脂、ゴマ油、小麦胚芽油、サフラワー油、シアバター、タートル油、椿油、パーシック油、ひまし油、ブドウ油、マカダミアナッツ油、ミンク油、卵黄油、モクロウ、ヤシ油、ローズヒップ油、硬化油、シリコーン油、オレンジラフィー油、カルナバロウ、キャンデリラロウ、鯨ロウ、ホホバ油、モンタンロウ、ミツロウ、ラノリン等が挙げられる。
炭化水素としては、流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、スクワラン等が挙げられる。高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、ウンデシレン酸、オキシステアリン酸、リノール酸、ラノリン脂肪酸、合成脂肪酸が挙げられる。
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール、水素添加ラノリンアルコール、へキシルデカノール、オクチルデカノール、イソステアリルアルコール、ホホバアルコール、デシルテトラデカノール等が挙げられる。
ステロールとしては、コレステロール、ジヒドロコレステロール、フィトコレステロール等が挙げられる。
脂肪酸エステルとしては、リノール酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキサデシル、イソオクタン酸セチル、パルミチン酸デシル、トリミリスチン酸グリセリン、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、ジオレイン酸プロピレングリコール、トリイソステアリン酸グリセリン、トリイソオクタン酸グリセリン、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、リンゴ酸ジイソステアリルやイソステアリン酸コレステリル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル等の環状アルコール脂肪酸エステル等が挙げられる。
金属石鹸としては、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ウンデシレン酸亜鉛等が挙げられる。
保湿剤としては、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、dl−ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ソルビトール、ヒアルロン酸ナトリウム、ポリグリセリン、キシリット、マルチトール等が挙げられる。
界面活性剤としては、高級脂肪酸石鹸、高級アルコール硫酸エステル、N−アシルグルタミン酸塩、リン酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、アミン塩、第4級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤、ベタイン型、アミノ酸型、イミダゾリン型、レシチン等の両性界面活性剤、脂肪酸モノグリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、酸化エチレン縮合物等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。
高分子化合物としては、アラビアゴム、トラガントガム、グアーガム、ローカストビーンガム、カラヤガム、アイリスモス、クインスシード、ゼラチン、セラック、ロジン、カゼイン等の天然高分子化合物、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、エステルガム、ニトロセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース等の半合成高分子化合物、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルメチルエーテル、ポリアミド樹脂、シリコーン油、ナイロン粒子、ポリメタクリル酸メチル粒子、架橋ポリスチレン粒子、シリコーン粒子、ウレタン粒子、ポリエチレン粒子、シリカ粒子等の樹脂粒子等の合成高分子化合物が挙げられる。
色材原料としては、酸化鉄、群青、コンジョウ、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、マンガンバイオレット、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、カオリン、マイカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、雲母、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー等の無機顔料、アゾ系、ニトロ系、ニトロソ系、キサンテン系、キノリン系、アントラキノリン系、インジゴ系、トリフェニルメタン系、フタロシアニン系、ピレン系等のタール色素が挙げられる。
ここで、上記高分子化合物や色材原料等の粉体原料については、予め表面処理が施されていてもよい。表面処理方法としては従来公知の表面処理技術が利用できる。例えば、炭化水素油、エステル油、ラノリン等による油剤処理、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等によるシリコーン処理、パーフルオロアルキル基含有エステル、パーフルオロアルキルシラン、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロアルキル基を有する重合体等によるフッ素化合物処理、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等によるシランカップリング剤処理、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート等によるチタンカップリング剤処理、金属石鹸処理、アシルグルタミン酸等によるアミノ酸処理、水添卵黄レシチン等によるレシチン処理、コラーゲン処理、ポリエチレン処理、保湿性処理、無機化合物処理、メカノケミカル処理等の処理方法が挙げられる。
香料としては、ラベンダー油、ペパーミント油、ライム油等の天然香料、エチルフェニルアセテート、ゲラニオール、p−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート等の合成香料が挙げられる。防腐・殺菌剤としては、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ベンザルコニウム、ベンゼトニウム等が挙げられる。
酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、トコフェロール等が挙げられる。紫外線吸収剤としては、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウム、微粒子酸化鉄、微粒子酸化ジルコニウム等の無機系吸収剤、安息香酸系、パラアミノ安息香酸系、アントラニリック酸系、サルチル酸系、桂皮酸系、ベンゾフェノン系、ジベンゾイルメタン系等の有機系吸収剤が挙げられる。
特殊配合成分としては、エストラジオール、エストロン、エチニルエストラジオール、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン等のホルモン類、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE等のビタミン類、クエン酸、酒石酸、乳酸、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム・カリウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、パラフェノールスルホン酸亜鉛、硫酸亜鉛等の皮膚収斂剤、カンタリスチンキ、トウガラシチンキ、ショウキョウチンキ、センブリエキス、ニンニクエキス、ヒノキチオール、塩化カルプロニウム、ペンタデカン酸グリセリド、ビタミンE、エストロゲン、感光素等の発毛促進剤、リン酸−L−アスコルビン酸マグネシウム、コウジ酸等の美白剤等が挙げられる。
(3)光拡散フィルム
光拡散フィルムは、ガラス、ポリカーボネート、アクリル樹脂、PET、トリアセチルセルロース(TAC)等のプラスチックシート、プラスチックフィルム、プラスチックレンズ、プラスチックパネル等の基材、陰極線管、蛍光表示管、液晶表示板等の基材の表面に前記の光拡散性組成物による光拡散層を形成したものである。用途によって異なるが、被膜が単独であるいは基材上に保護膜、ハードコート膜、平坦化膜、高屈折率膜、絶縁膜、導電性樹脂膜、導電性金属微粒子膜、導電性金属酸化物微粒子膜、その他必要に応じて用いるプライマー膜等と組み合わせて形成されている。なお、組み合わせて用いる場合、光拡散層が必ずしも最外表面に形成されている必要はない。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。まず、実施例中の測定方法について説明する。
(体積平均粒子径)
中空粒子の体積平均粒子径は、コールターMultisizerTM3(ベックマン・コールター社製測定装置)により測定した。測定は、ベックマン・コールター社発行のMultisizerTM3ユーザーズマニュアルに従って校正されたアパチャーを用いて実施した。
なお、測定に用いるアパチャーの選択は、測定する粒子の想定の体積平均粒子径が1μm以上10μm以下の場合は50μmのサイズを有するアパチャーを選択し、測定する粒子の想定の体積平均粒子径が10μmより大きく30μm以下の場合は100μmのサイズを有するアパチャーを選択し、粒子の想定の体積平均粒子径が30μmより大きく90μm以下の場合は280μmのサイズを有するアパチャーを選択し、粒子の想定の体積平均粒子径が90μmより大きく150μm以下の場合は400μmのサイズを有するアパチャーを選択する等、適宜行った。測定後の体積平均粒子径が想定の体積平均粒子径と異なった場合は、適正なサイズを有するアパチャーに変更して、再度測定を行った。
また、50μmのサイズを有するアパチャーを選択した場合、Current(アパチャー電流)は−800、Gain(ゲイン)は4と設定し、100μmのサイズを有するアパチャーを選択した場合、Current(アパチャー電流)は−1600、Gain(ゲイン)は2と設定し、280μm及び400μmのサイズを有するアパチャーを選択した場合、Current(アパチャー電流)は−3200、Gain(ゲイン)は1と設定した。
測定用試料としては、粒子0.1gを0.1重量%ノニオン性界面活性剤水溶液10ml中にタッチミキサー(ヤマト科学社製、「TOUCHMIXER MT−31」)及び超音波洗浄器(ヴェルヴォクリーア社製、「ULTRASONICCLEANER VS−150」)を用いて分散させ、分散液としたものを使用した。測定中はビーカー内を気泡が入らない程度に緩く撹拌しておき、粒子を10万個測定した時点で測定を終了した。粒子の体積平均粒子径は、10万個の粒子の体積基準の粒度分布における算術平均とした。
(形態観察)
試料台に導電性テープを貼り付け、その上に粒子を搭載した。日本電子社製「オートファインコータJFC−1300」スパッタ装置を用いて、粒子をコーティングした。次いで、粒子を日立ハイテクノロジーズ社製「SU1510」走査電子顕微鏡の二次電子検出器を用いて、撮影した。
(断面観察)
洗浄工程後、100℃で乾燥した粒子を光硬化性樹脂D−800(日本電子社製)と混合し、紫外光を照射することで硬化物を得た。その後、硬化物をニッパーで裁断し、断面部分をカッターを用いて平滑に加工し、日本電子社製「オートファインコータJFC−1300」スパッタ装置を用いて試料をコーティングした。次いで、試料を日立ハイテクノロジーズ社製「SU1510」走査電子顕微鏡の二次電子検出器を用いて、撮影した。
(複数の突起の平均幅)
上記断面観察時において、3000倍及び/又は5000倍に拡大して撮影した画像に日立ハイテクノロジーズ社製「SU1510」走査電子顕微鏡に付属している測長機能を用いて、シェルから生じている突起の測長を行った。測長は任意の突起30個に対し行い、その算術平均値を突起の平均幅とした。
(油相の粘度)
25℃恒温槽にて温度調整した油相の粘度を音叉型振動式粘度計SV−10(エー・アンド・ディ社製)を用いて測定した。装置上の粘度表示値(単位:mPa・s×g/cm)を油相の密度で割ることで混合液の粘度(単位:mPa・s)を求めた。なお、油相の密度は上記油相を25mLピクノメーターに加え、加えた油相の重量(g)をピクノメーターの容量(mL)で割ることで求めた。
(実施例1:複数の突起が連結した内部構造を有する中空粒子)
ビニル系単官能単量体としてメチルメタクリレート(MMA)100g、ビニル系架橋性単量体としてのエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)100g、非反応性溶剤としてのシクロヘキサン(CH)150g及び酢酸エチル(EA)50g、重合開始剤としての2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2g(富士フィルム和光純薬社製;製品名V−65)、分散助剤としてのラウリルリン酸0.16gを混合・溶解して、混合物(油相)(粘度0.69mPa・s)を調整した(単量体:溶剤=50:50,MMA:EGDMA=50:50,CH:EA=75:25)。また、水性媒体としてのイオン交換水1200gと、懸濁安定剤としてのピロリン酸マグネシウム24gとを混合し、水系媒体(水相)を調整した。
この水相に上記油相を加え、ポリトロンホモジナイザーPT10−35(セントラル科学貿易社製)を用いて5500rpmにて5分間乳化・分散処理を行った。得られた乳化液を2Lの攪拌翼付圧力容器に投入し、攪拌翼を250rpmで攪拌しながら50℃で4時間の加熱を行うことで、重合を進行させた。その後、反応系を室温まで冷却し、懸濁安定剤であるピロリン酸マグネシウムを塩酸によって分解した。ろ過による脱水で固形分を分離し、水洗を繰り返すことで精製を行った後、100℃にて乾燥することで中空粒子を得た。
得られた中空粒子の表面写真(3000倍)及び断面写真(3000倍及び1000倍)を図1に示す。中空粒子が、シェル内壁に複数の突起を有し、シェル内壁の複数の突起が、互いに連結した構造を備えることが確認できた。体積平均粒子径は13.1μmであった。突起の平均幅は0.75μmであり、W/Vは0.057であった。
(実施例2:実施例1より複雑に連結した内部構造を有する中空粒子)
非反応性溶剤としてのシクロヘキサンを140g、酢酸エチルを60g使用したこと以外は、実施例1と同様にして中空粒子を得た(単量体:溶剤=50:50,MMA:EGDMA=50:50,CH:EA=70:30,油相の粘度0.68mPa・s)。得られた中空粒子の表面写真(3000倍)及び断面写真(3000倍及び1000倍)を図1に示す。中空粒子が、シェル内壁に複数の突起を有し、シェル内壁の複数の突起が、互いに連結した構造を備えることが確認できた。体積平均粒子径は9.7μmであった。突起の平均幅は0.49μmであり、W/Vは0.051であった。
(実施例3:架橋性単量体比変更、複数の突起が連結した内部構造を有する中空粒子)
ビニル系単官能単量体としてメチルメタクリレート(MMA)を90g、ビニル系架橋性単量体としてのエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)を110g使用したこと以外は、実施例1と同様にして中空粒子を得た(単量体:溶剤=50:50,MMA:EGDMA=45:55,CH:EA=75:25,油相の粘度0.68mPa・s)。得られた中空粒子の表面写真(3000倍)及び断面写真(3000倍及び1000倍)を図1に示す。中空粒子が、シェル内壁に複数の突起を有し、シェル内壁の複数の突起が、互いに連結した構造を備えることが確認できた。体積平均粒子径は9.8μmであった。突起の平均幅は0.68μmであり、W/Vは0.070であった。
(実施例4:架橋性単量体比変更、実施例3より複雑に連結した内部構造を有する中空粒子)
非反応性溶剤としてのシクロヘキサンを140g、酢酸エチルを60g使用したこと以外は、実施例3と同様にして中空粒子を得た(単量体:溶剤=50:50,MMA:EGDMA=45:55,CH:EA=70:30,油相の粘度0.68mPa・s)。得られた中空粒子の表面写真(3000倍)及び断面写真(3000倍及び1000倍)を図1に示す。中空粒子が、シェル内壁に複数の突起を有し、シェル内壁の複数の突起が、互いに連結した構造を備えることが確認できた。体積平均粒子径は9.9μmであった。突起の平均幅は0.37μmであり、W/Vは0.037であった。
(実施例5:分散助剤変更)
分散助剤としてのラウリルリン酸を「KAYAMER(登録商標)PM−21」(日本化薬社製)0.40gに変更したこと以外は、実施例3と同様にして中空粒子を得た(単量体:溶剤=50:50,MMA:EGDMA=45:55,CH:EA=75:25,油相の粘度0.68mPa・s)。得られた中空粒子の表面写真(3000倍)及び断面写真(3000倍及び1000倍)を図2に示す。中空粒子が、シェル内壁に複数の突起を有し、シェル内壁の複数の突起が、互いに連結した構造を備えることが確認できた。体積平均粒子径は10.2μmであった。突起の平均幅は0.86μmであり、W/Vは0.084であった。
(実施例6:単一溶剤使用)
ビニル系単官能単量体としてメチルメタクリレート(MMA)を108g、ビニル系架橋性単量体としてのエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)を132g、開始剤としての2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を2.4g、非反応性溶剤としてのシクロヘキサンを160g使用し、酢酸エチルを未使用としたこと以外は、実施例1と同様にして中空粒子を得た(単量体:溶剤=60:40,MMA:EGDMA=45:55,シクロヘキサン単独使用,油相の粘度0.68mPa・s)。得られた中空粒子の表面写真(3000倍)及び断面写真(3000倍及び1000倍)を図2に示す。中空粒子が、シェル内壁に複数の突起を有し、シェル内壁の複数の突起が、互いに連結した構造を備えることが確認できた。体積平均粒子径は9.9μmであった。突起の平均幅は1.11μmであり、W/Vは0.112であった。
(実施例7:単一溶剤使用,実施例6よりも複雑に連結した内部構造を有する中空粒子)
ビニル系単官能単量体としてメチルメタクリレート(MMA)を112.5g、ビニル系架橋性単量体としてのエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)を137.5g、開始剤としての2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を2.5g、非反応性溶剤としてのシクロヘキサンを150g使用し、酢酸エチルを未使用としたこと以外は、実施例1と同様にして中空粒子を得た(単量体:溶剤=62:38,MMA:EGDMA=45:55,シクロヘキサン単独使用,油相の粘度0.67mPa・s)。得られた中空粒子の表面写真(3000倍)及び断面写真(3000倍及び1000倍)を図2に示す。中空粒子が、シェル内壁に複数の突起を有し、シェル内壁の複数の突起が、互いに連結した構造を備えることが確認できた。体積平均粒子径は11.4μmであった。突起の平均幅は0.61μmであり、W/Vは0.054であった。
(実施例8:分散助剤変更)
分散助剤としてのラウリルリン酸を「KAYAMER(登録商標)PM−21」(日本化薬社製)0.40gとしたこと以外は、実施例7と同様にして中空粒子を得た(単量体:溶剤=65:35,MMA:EGDMA=45:55,CH/EA=100/0,油相の粘度0.67mPa・s)。得られた中空粒子の表面写真(3000倍)及び断面写真(3000倍及び1000倍)を図2に示す。中空粒子が、シェル内壁に複数の突起を有し、シェル内壁の複数の突起が、互いに連結した構造を備えることが確認できた。体積平均粒子径は11.5μmであった。突起の平均幅は0.76μmであり、W/Vは0.066であった。
(実施例9:増粘剤使用,単一溶剤使用)
ビニル系単官能単量体としてメチルメタクリレート(MMA)を90g、ビニル系架橋性単量体としてのエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)を110g、非反応性溶剤としてのシクロヘキサンを200g使用し、酢酸エチルを使用せず、増粘剤としての疎水性フュームドシリカR972(EVONIK社)16gを加えたこと以外は実施例1と同様にして中空粒子を得た(単量体:溶剤=50:50,MMA:EGDMA=45:55,シクロヘキサン単独使用)。なお、油相の粘度は1.73mPa・sであった。得られた中空粒子の表面写真(3000倍)及び断面写真(3000倍及び1000倍)を図3に示す。中空粒子が、シェル内壁に複数の突起を有し、シェル内壁の複数の突起が、互いに連結した構造を備えることが確認できた。体積平均粒子径は11.7μmであった。突起の平均幅は0.58μmであり、W/Vは0.050であった。
(比較例1:突起のない内部構造,単中空粒子)
ビニル系単官能単量体とビニル系架橋性単量体の混合物としてのDVB―810(新日鐵化学株式会社,ジビニルベンゼン混合物)100g、非反応性溶剤としてのヘキサデカン100g、重合開始剤としての過酸化ベンゾイル(BPO)2gを混合・溶解して混合物(油相)を調整した。(単量体:溶剤=50:50)また、水性媒体としてのイオン交換水590gと、懸濁安定剤としてのポリビニルアルコール(日本合成化学社製;製品名ゴーセノールGL−05)10gとを混合し、水性媒体(水相)を調整した。
この水相に上記油相を加え、ポリトロンホモジナイザーPT10−35(セントラル科学貿易社製)を用いて6000rpmにて5分間乳化・分散処理を行った。得られた乳化液を1Lの攪拌翼付ガラス容器に投入し、窒素雰囲気下において攪拌翼を100rpmで攪拌しながら70℃で24時間の加熱を行うことで、重合を進行させた。その後、反応系を室温まで冷却し、得られた分散液をろ過による脱水で固形分を分離し、水洗を繰り返すことで懸濁安定剤としてのポリビニルアルコールの除去を行った後、エタノールでの洗浄を繰り返すことで非反応性溶剤としてのヘキサデカンを除去した。その後、100℃にて乾燥することで中空粒子を得た。得られた粒子の表面写真(3000倍)及び断面写真(3000倍及び1000倍)を図3に示す。多くの中空粒子がシェル内壁に、突起を有さず平滑であり、単中空粒子であることが確認できた。体積平均粒子径は14.5μmであった。なお、本明細書において、平滑とは、W/Vが0.01未満の場合を意味する。
(比較例2:多孔性のシェル,多孔質粒子)
非反応性溶剤としてのシクロヘキサンを未使用とし、酢酸エチルを200g使用したこと以外は、実施例1と同様にして粒子を得た(単量体:溶剤=50:50,MMA:EGDMA=50:50,酢酸エチル単独使用,油相の粘度0.65mPa・s)。得られた粒子の表面写真(3000倍)及び断面写真(3000倍)を図3に示す。中空粒子が、明確なシェルを有さず、多孔性粒子であることが確認できた。体積平均粒子径は10.2μmであった。
(比較例3:実施例2より複雑に連結した内部構造を有する中空粒子)
ビニル系単官能単量体としてメチルメタクリレート(MMA)を100g、ビニル系架橋性単量体としてのエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)を100g、非反応性溶剤としてのシクロヘキサンを120g及び酢酸エチルを80g使用したこと以外は、実施例1と同様にして粒子を得た(単量体:溶剤=50:50,MMA:EGDMA=50:50,CH:EA=60:40,油相の粘度0.68mPa・s)。得られた粒子表面写真(3000倍)及び断面写真(3000倍)の断面写真を図3に示す。中空粒子が、シェル内壁に複数の突起を有し、シェル内壁の複数の突起が、互いに連結した構造を備えることが確認できた。体積平均粒子径は12.1μmであった。突起の平均幅は0.23μmであり、W/Vは0.019であった。
上記実施例及び比較例の粒子の製造用原料及びその使用量(g)を表1にまとめて記載する。
(紫外可視近赤外光の反射特性評価)
市販の水性塗料(アサヒペン社製 商品名;水性多用途カラー クリア)10gに対し、実施例及び比較例から得られた粒子をそれぞれ2.5g加え、遊星撹拌脱泡機(KURABO社製、マゼルスターKK−250)を用いて脱泡撹拌し、評価用塗料を作製した。
評価用塗料を隠蔽率試験紙の黒側にウエット厚250μmに設定したアプリケーターにて塗工した後、室温下で十分に乾燥させ、光反射性評価用サンプル板を得た。サンプル板の紫外光、可視光、及び近赤外光に対する反射率を以下の点順で評価した。
反射率の測定装置として島津製作所社製の紫外可視近赤外分光光度計(UV−3600Plus)を使用し、サンプル板における塗工面の紫外光から近赤外光(波長300〜2500nm)の反射特性を反射率(%)として測定した。なお、測定は60mmΦ積分球を用い、硫酸バリウムを標準白板に使用して行った。
なお、上記測定は、実施例及び比較例の粒子について行った。得られた結果を図4に示す。また、粒子無添加の場合も図4に示す。更に、波長1500nmでの反射率を表2に示す。
図4及び表2から、実施例の中空粒子は、紫外光から近赤外光のほぼ全ての波長において、比較例の粒子より、高い反射率を有することがわかる。特に、500〜2500nmの波長領域において、高い反射率を有することがわかる。これにより実施例の中空粒子は、可視光及び近赤外光を反射する性質を有しており、塗料に対して高い可視光〜近赤外線の光反射性能を付与していることが確認できる。
また、実施例の中空粒子は、比較例2のシェルを有さない多孔質粒子に比べ、塗料に対して高い可視光〜近赤外線の光反射性能を付与していることが確認できる。
更に、実施例の粒子は、シェル内壁の複数の突起の平均幅(W)と中空粒子の体積平均粒子径(V)から算出されるW/Vが0.02未満となった比較例3の粒子に比べ、塗料に対して高い可視光〜近赤外線の光反射性能を付与していることが確認できる。
(塗料組成物製造例1)
実施例1で得られた中空粒子2重量部と、市販のアクリル系水性つやあり塗料(カンぺパピオ社製、商品名スーパーヒット)20重量部とを、撹拌脱泡装置を用いて、3分間混合し、1分間脱泡することによって、塗料組成物を得た。
得られた塗料組成物を、クリアランス75μmのブレードをセットした塗工装置を用いてABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂)板上に塗布した後、乾燥することによって塗膜を得た。
(光拡散性組成物及び光拡散フィルム製造例1)
実施例1で得られた中空粒子7.5重量部と、アクリル樹脂(DIC社製、製品名アクリディックA811)30重量部、架橋剤(DIC社製、製品名VM−D)10重量部、溶剤として酢酸ブチル50重量部とを撹拌脱泡装置を用いて、3分間混合し、1分間脱泡することによって、光拡散性組成物を得た。
得られた光拡散性組成物を、クリアランス50μmのブレードをセットした塗工装置を用いて、厚さ125μmのPETフィルム上に塗布した後、70℃で10分乾燥することによって光拡散フィルムを得た。
(化粧料の処方例)
(配合例1)
パウダーファンデーションの製造
・配合量
実施例1で得られた中空粒子 10.0重量部
赤色酸化鉄 3.0重量部
黄色酸化鉄 2.5重量部
黒色酸化鉄 0.5重量部
酸化チタン 10.0重量部
マイカ 20.0重量部
タルク 44.0重量部
流動パラフィン 5.0重量部
ミリスチン酸オクチルドデシル 2.5重量部
ワセリン 2.5重量部
防腐剤 適量
香料 適量
・製造法
中空粒子、赤色酸化鉄、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、酸化チタン、マイカ、タルクをヘンシェルミキサーで混合し、これに流動パラフィン、ミリスチン酸オクチルドデシル、ワセリン及び防腐剤を混合溶解したものを加えて均一に混合する。これに、香料を加えて混合した後、粉砕して篩いに通す。これを、金皿に圧縮成形してパウダーファンデーションを得る。
(配合例2)
化粧乳液の製造
・配合量
実施例1で得られた中空粒子 10.0重量部
ステアリン酸 2.5重量部
セチルアルコール 1.5重量部
ワセリン 5.0重量部
流動パラフィン 10.0重量部
ポリエチレン(10モル)モノオレイン酸エステル 2.0重量部
ポリエチレングリコール1500 3.0重量部
トリエタノールアミン 1.0重量部
精製水 64.5重量部
香料 0.5重量部
防腐剤 適量・製造法
まず、ステアリン酸、セチルアルコール、ワセリン、流動パラフィン、ポリエチレンモノオレイン酸エステルを加熱溶解して、ここへ中空粒子を添加・混合し、70℃に保温する(油相)。また、精製水にポリエチレングリコール、トリエタノールアミンを加え、加熱溶解し、70℃に保温する(水相)。水相に油相を加え、予備乳化を行い、その後ホモジナイザーで均一に乳化し、乳化後かき混ぜながら30℃まで冷却させることで化粧乳液を得る。

Claims (6)

  1. 非多孔性のシェルと、前記シェルにより区画された空域とを備え、前記シェルは、その内壁に複数の突起を有し、前記複数の突起が、互いに連結している中空粒子であり、
    前記中空粒子が、0.02〜0.5のW/V(Wは、複数の突起の平均幅を、Vは、中空粒子の体積平均粒子径を意味する)を有することを特徴とする中空粒子。
  2. 前記中空粒子が、1.0〜50μmの体積平均粒子径を有し、前記シェルが、架橋樹脂から構成される請求項1に記載の中空粒子。
  3. 前記架橋樹脂が、ビニル系単官能単量体とビニル系架橋性単量体とに由来し、前記ビニル系単官能単量体とビニル系架橋性単量体とが、(メタ)アクリル酸エステルである請求項2に記載の中空粒子。
  4. 前記中空粒子が、可視光及び近赤外光を反射する性質を有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の中空粒子。
  5. 前記中空粒子が、塗料組成物、化粧料、紙被覆組成物、断熱性組成物、光拡散性組成物及び光拡散フィルムから選択される用途に使用される請求項1〜4のいずれか1つに記載の中空粒子。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の中空粒子の製造方法であり、
    ビニル系単官能単量体と、ビニル系架橋性単量体と、非反応性溶剤と、重合開始剤とを含む混合物を、分散助剤の存在下、懸濁安定剤を含む水系媒体中で重合させる工程を含むことを特徴とする中空粒子の製造方法。
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