JP2021023256A - オートファジー促進用組成物、オートファジーを促進する方法、細菌の感染を抑制するための組成物、及び、細菌の感染を抑制する方法 - Google Patents

オートファジー促進用組成物、オートファジーを促進する方法、細菌の感染を抑制するための組成物、及び、細菌の感染を抑制する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、オートファジーを促進する作用を有する組成物、細胞においてオートファジーを促進する方法、オートファジーを促進することで細菌の感染を抑制するための組成物、並びに、オートファジーを促進して細菌の感染を抑制する方法を提供する。【解決手段】本発明は、L−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体を含む、オートファジー促進用組成物に関する。本発明はまた、前記化合物を含む培地中で細胞を培養することを含む、細胞においてオートファジーを促進する方法に関する。本発明はまた、前記化合物を含有し、前記化合物が細胞の周囲に0.05mM〜2.0mMの濃度で送達されるように動物又は植物に投与される、生体内に存在する細胞への細菌による感染を抑制するための組成物に関する。本発明はまた、0.05mM〜2.0mMの濃度の前記化合物を細胞に接触させることを含む、細胞への細菌を抑制する方法に関する。【選択図】図4

Description

本発明は、飲食品、医薬、培地、培地添加物等の形態であることのできるオートファジー促進用組成物に関する。
本発明はまた、培養細胞においてオートファジーを促進する方法に関する。
本発明はまた、動物又は植物の生体内に存在する細胞への細菌の感染を抑制するための組成物に関する。
本発明はまた、細胞への細菌の感染を抑制する方法に関する。
L−エルゴチオネイン(本明細書では「EGT」と表記する場合がある)は含硫アミノ酸の一種であり、抗酸化能をはじめとする多様な生理活性を有することが知られている。
例えば非特許文献1では、EGTが、腫瘍関連抗原(TAA)とアジュバントとからなるガンワクチンによる免疫治療の効果を向上させる作用を有することが記載されている。特許文献1では、EGTが細菌による感染症を治療する作用を有することが記載されている。特許文献1の実験1では、5mM及び50mMのEGTが大腸菌の増殖を抑制することが確認されていることから、特許文献1に記載の細菌の感染症抑制は、EGTが細菌の増殖を直接に抑制することによるものだと理解できる。
非特許文献2では、トールライク受容体リガンドによる刺激条件下でのマウス骨髄由来マクロファージによるサイトカイン(IL−6、IL−12p40、IL−1β、IL−10)の生産が、10mMのEGTにより促進され、1mMのEGTでは促進されないこと、及び、F4/80マクロファージとOT−II CD4T細胞との共培養において、OT−II CD4T細胞のTh17極性化が30mMのEGTにより促進されることが記載されている。このように非特許文献2では、10mM以上の高濃度のEGTがマクロファージを活性化させることが記載されている。
非特許文献3は、EGTの生理活性についての総説である。非特許文献3ではEGTは動物及び植物の体内に吸収・蓄積されることが記載されている。
一方、オートファジーは細胞が、細胞内のタンパク質やオルガネラを分解・代謝する細胞現象である。オートファジーは細胞の機能維持のために重要な役割を担っており、飢餓ストレス等で誘導される生体防御機構の一つと考えられている。オートファジーは外来物質の侵入や変性タンパク質が生成した場合等にも誘導され、細胞内浄化に関与することから、様々な疾病との関わりが注目されている。
特許文献2では、梅肉エキスの疎水性有機溶媒抽出物等がオートファジーを誘導する作用を有することが開示されている。
非特許文献4には、植物においてもオートファジーが細胞死や免疫応答に関与すること、オートファジーが植物の生存に必要であることが記載されている。
WO2019/089878 特開2007−143452号公報
S. Yoshida et al., Front. Immunol. 10:671(2019) PLoS ONE 12(1):e0169360 玉川大学農学部研究教育紀要第1号:17−41(2016) Cell Death and Differentiation(2011)18,1257−1262
動物、植物、微生物等の細胞でのオートファジーを促進することで様々な疾患又は症状を改善することができる。また細胞のオートファジーを促進することができれば、オートファジーの研究において有益である。
そこで本発明は、オートファジーを促進する作用を有する組成物、細胞においてオートファジーを促進する方法、オートファジーを促進することで細菌の感染を抑制するための組成物、並びに、オートファジーを促進して細菌の感染を抑制する方法を提供する。
本発明者は鋭意検討し、L−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体が細胞におけるオートファジーを促進する作用を有することを見出し、以下の発明を完成した。
本発明の第一の態様は、L−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体を含む、オートファジー促進用組成物である。
本発明の第二の態様は、L−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体を含む培地中で細胞を培養することを含む、細胞においてオートファジーを促進する方法である。
本発明の第三の態様は、動物又は植物の生体内に存在する細胞への細菌による感染を抑制するための組成物であって、L−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体を含有すること、及び、前記細胞の周囲に、0.05mM〜2.0mMの濃度のL−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体が送達されるように、動物又は植物に投与されることを特徴とする組成物である。
本発明の第四の態様は、ヒト生体内に存在する細胞以外の細胞への細菌の感染を抑制する方法であって、前記細胞を、0.05mM〜2.0mMの濃度のL−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体と接触させることを含む方法である。
本発明の第一の態様に係る組成物は、生体内又は生体外で、細胞のオートファジーを促進することができる。
本発明の第二の態様に係る方法によれば、培養細胞においてオートファジーを促進することができる。
本発明の第三の態様に係る組成物は、動物又は植物の生体内に存在する細胞への、細菌による感染を抑制することができる。
本発明の第四の態様に係る方法によれば、細胞への細菌の感染を抑制することができる。
図1は、実験1での、エルゴチオネインが存在する条件及び存在しない条件において1時間培養及び3時間培養後のARPE−19細胞の溶解液をサンプルとした、ウェスタンブロッティングにおけるPVDF膜上のLC3B−I、LC3B−II、βアクチンの染色像を示す。 図2Aは、実験1での、エルゴチオネインが存在する条件(EGT)及び存在しない条件(NT)において1時間培養後のARPE−19細胞の溶解液のウェスタンブロッティングでのLC3B−IIの染色強度を、NTでの染色強度を100%としたときの相対値として示したグラフである。 図2Bは、実験1での、エルゴチオネインが存在する条件(EGT)及び存在しない条件(NT)において3時間培養後のARPE−19細胞の溶解液のウェスタンブロッティングでのLC3B−IIの染色強度を、NTでの染色強度を100%としたときの相対値として示したグラフである。 図3は、実験2での、エルゴチオネインが存在する条件(EGT)及び存在しない条件(NT)において培養したARPE−19細胞のDALGreenによる蛍光染色像である。 図4は、実験2での、エルゴチオネインが存在する条件(EGT)及び存在しない条件(NT)において培養したARPE−19細胞のDALGreenによる蛍光染色像での蛍光強度を数値化し、NTでの蛍光強度を100%としたときの相対値として示したグラフである。 図5は、実験3での、エルゴチオネイン(EGT)濃度が0mM、0.1mM、0.5mMの培地中で培養したARPE−19細胞の溶解液サンプルのウェスタンブロッティングでのLC3B−IIの染色強度を、EGT濃度が0mMの培地中で培養したARPE−19細胞の溶解液サンプルでの染色強度を100%としたときの相対値として示したグラフである。
L−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体
L−エルゴチオネインは、ヒスチジン誘導体(N,N,N−トリメチル−L−2−チオヒスチジン)であり、その構造は次式で表される。
L−エルゴチオネイン類縁体とは、L−エルゴチオネインと同等機能を有する化合物であれば良く、具体的には、N,N−ジメチル−L−2−チオヒスチジンが例示でき、その構造は次式で表される。
本発明で用いるL−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体は、遊離体の形態であってもよく、塩の形態であってもよい。塩は、L−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体のカルボキシル基で形成された塩であってもよいし、トリメチルアミノ基又はジメチルアミノ基で形成された塩であってもよい。また、L−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体は水和物等の溶媒和物であってもよい。
本発明において「L−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体」とは、L−エルゴチオネイン及びL−エルゴチオネイン類縁体から選択される少なくとも1種を指し、複数種の組み合わせも包含する。
オートファジー
オートファジーは、自食作用とも呼ばれ、細胞内の主要な分解経路である。
オートファジーは、細胞質中の一部で不要なタンパク質とリン脂質とが集まりオートファゴソームと呼ばれる二重膜構造を形成することと、オートファゴソームにライソソームが融合ししてオートライソソームを形成し、オートライソソームの内部でライソソームに由来する分解酵素の働きで不要なタンパク質が消化されることを含む。
本発明において、オートファジーの促進は、オートファゴソームに特徴的なLC3B−II(LC3B−Iにフォスファチジルエタノールアミンが結合したもの)の細胞内での増加を指標として評価してもよいし、オートライソソームの増加を指標として評価してもよい。細胞内のLC3B−II量の測定方法は特に限定されないが、例えば、細胞の溶解液中のLC3B−IIを、抗LC3B抗体を用いた免疫学的方法により定量する方法が例示できる。細胞内のオートライソソーム量の測定方法は特に限定されないが、例えば、生細胞内のオートライソソームを特異的に染色することができる試薬(例えばDALGreen)を用いて定量する方法が例示できる。
オートファジー促進用組成物
本発明のオートファジー促進用組成物は、生体内又は生体外において、細胞のオートファジーを促進する作用を有する。
本発明のオートファジー促進用組成物が投与又は適用される対象は、動物又は植物の生体、動物又は植物に由来する細胞、或いは、酵母等のオートファジーの機能を有する微生物の細胞であることができる。動物はヒト又は非ヒト動物(例えばイヌ、ネコ、ウマ、ウシ等)であることができる。
オートファジー促進用組成物は、L−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体を少なくとも含有し、他の成分を更に含んでいても良い。
オートファジー促進用組成物は、医薬組成物、飲食品組成物、肥料組成物、植物生長調節用組成物、飼料組成物、細胞培養用の培地、細胞培養用の培地に添加するための培地添加用組成物等の形態であることができる。
オートファジー促進用組成物が医薬組成物である場合、L−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体に加えて、医薬として許容される他の成分、例えば賦形剤、担体等を更に含んでいてよい。
医薬組成物の剤形は限定されない。医薬組成物の剤形は、例えば、注射剤、輸液剤、経口液剤、ローション等の液体であってもよいし、クリーム、パスタ、軟膏等の半固体であってもよいし、錠剤、粉末、顆粒、トローチ、座薬等の固体であってもよいし、用時調製可能な乾燥粉末の形態であってもよい。
医薬組成物の投与経路は限定されないが、例えば、経口投与、皮下注射、筋肉注射、皮内注射、静脈注射、輸液、経皮投与、経粘膜投与、経肛門投与等が挙げられる。
医薬組成物におけるL−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体の含有量は、投与された対象の体内でオートファジーを促進することのできる有効量が投与される含有量であればよい。投与された対象の体内でオートファジーを促進することのできる有効量としては、望まれるオートファジーの促進の程度、投与部位、投与経路等に応じて適宜決定することができるが、例えば、成人に投与する場合は1日あたり通常0.1mg〜5000mg、好ましくは5mg〜1000mgであり得る。
医薬組成物は、1日1回〜数回投与されてもよいし、毎日或いは数日に一度の間隔で投与されてもよい。
オートファジー促進用組成物が飲食品組成物である場合、L−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体に加えて、飲食品として許容される他の成分、例えば水、賦形剤、担体等を更に含んでいてよい。
飲食品組成物は一般食品のほか、健康食品、特定保健食品、栄養機能食品、機能性表示食品等を包含する。飲食品組成物はサプリメントとして提供されてもよい。
飲食品組成物の形態は特に限定されないが、例えば、既存の飲食品組成物にL−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体を添加したものであってもよいし、錠剤、粉末、顆粒、トローチ、キャンディー、飲料、調味料等の形態であってもよい。
飲食品組成物におけるL−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体の含有量は、摂取したヒトの体内でオートファジーを促進することのできる有効量となる含有量であればよい。摂取したヒトの体内でオートファジーを促進することのできる有効量としては、望まれるオートファジーの促進の程度等に応じて適宜決定することができるが、例えば、成人が経口摂取する場合は1日あたり通常0.1mg〜5000mg、好ましくは5mg〜1000mgであり得る。
飲食品組成物は、1日1回〜数回摂取されてもよいし、毎日或いは数日に一度の間隔で摂取されてもよい。
オートファジー促進用組成物が肥料組成物又は植物生長調節用組成物である場合、L−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体に加えて、植物への施用が許容される他の成分、例えば水、賦形剤、担体等を更に含んでいてよい。
オートファジー促進用組成物が飼料組成物である場合、L−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体に加えて、非ヒト動物への施用が許容される他の成分、例えば水、賦形剤、担体等を更に含んでいてよい。
オートファジー促進用組成物が細胞培養用の培地である場合、培地は、L−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体の他に、培地として使用される成分、例えば基礎培地の成分や、増殖を促進する成分、例えば、FBS等の血清成分、血清代替物、増殖因子等を含むことができる。
培地中のL−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体の含有量は特に限定されないが、例えば0.0001mM〜10mM、好ましくは0.05〜2.0mM、より好ましくは0.1〜0.5mMが例示できる。
培地は液体、半固形、固体等のいずれの形態であってもよく、特に限定されない。培地はまた、水等の媒体によって希釈することにより所望の成分濃度となる濃縮液又は粉末等の形態であってもよい。
オートファジー促進用組成物が細胞培養用の培地に添加するための培地添加用組成物である場合、培地添加用組成物は、L−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体の他に、培地に添加される他の成分、例えば、増殖を促進する成分、例えば、FBS等の血清成分、血清代替物、増殖因子等を更に含んでもよい。
培地添加用組成物は、培地の調製時に添加されるものであってもよいし、調製済み培地に添加されるものであってもよいし、培養途中の培地に添加されるものであってもよい。
培地添加用組成物中のL−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体の含有量は特に限定されないが、培地へ添加された場合に所望のL−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体の濃度となるような量であればよい。培地中の所望の濃度は上記の通りである。
培地添加用組成物の形態はいずれの形態であってもよく、粉末、顆粒、タブレット等の固体、ペースト等の半固体、或いは濃縮液等の液体であってもよい。
オートファジーを促進する方法
本発明はまた、L−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体を含む培地中で細胞を培養することを含む、細胞においてオートファジーを促進する方法に関する。
本発明の方法が対象とする細胞は、オートファジーの機能を有する細胞であればよく特に限定されないが、例えば、ヒトに由来する細胞、非ヒト動物(例えばイヌ、ネコ、ウマ、ウシ等)に由来する細胞、植物に由来する細胞、酵母細胞、その他の真核生物細胞等が例示できる。
本発明の方法で用いる培地は、L−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体の他に、培地として使用される成分、例えば基礎培地の成分や、増殖を促進する成分、例えば、FBS等の血清成分、血清代替物、増殖因子等を含むことができる。培地中のL−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体の含有量は特に限定されないが、例えば、0.0001mM〜10mM、好ましくは0.05〜2.0mM、より好ましくは0.1〜0.5mMが例示できる。
細胞培養のための培養温度、培養時間、培養中の撹拌の有無、継代の有無等の培養条件は、培養しようとする細胞の種類や培養スケールに応じて適宜決定することができる。
細胞への細菌の感染を抑制するための組成物
本発明はまた、動物又は植物の生体内に存在する細胞への細菌による感染を抑制するための組成物であって、
L−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体を含有すること、及び、
前記細胞の周囲に、0.05mM〜2.0mMの濃度のL−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体が送達されるように、動物又は植物に投与されること
を特徴とする組成物に関する。
本実施形態に係る細菌感染抑制用組成物は、動物又は植物の生体内の、細菌の感染を抑制しようとする細胞においてオートファジーを促進することを通じて細菌の感染を抑制することができる。特許文献1では、5mM及び50mMのEGTが大腸菌の増殖を直接抑制することが記載されているが、特許文献1に記載されている結果からは、より低濃度2.0mM以下の低濃度のEGTでは大腸菌の増殖を直接抑制することはできない蓋然性が高い。本実施形態は、0.05mM〜2.0mMという低濃度のEGTが細胞のオートファジーを促進することを通じて細菌の感染を抑制することを利用するものであり、従来公知の、EGTによる細菌感染の抑制とは機構及び動物又は植物への投与量が異なる。
前記濃度は好ましくは0.05mM〜1.0mMであり、更に好ましくは0.1mM〜1.0mMであり、最も好ましくは0.1mM〜0.5mMである。
本実施形態に係る細菌感染抑制用組成物は、動物又は植物の生体における細菌による感染を抑制しようとする細胞の周囲に、前記濃度のL−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体が送達されるように、動物又は植物に投与されるものであればよい。本実施形態に係る細菌感染抑制用組成物に含まれるL−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体の含有量は、対象となる動物又は植物の種類、体の大きさ、投与経路、投与部位等に応じて適宜調節することができる。例えば、本実施形態に係る細菌感染抑制用組成物は、成人に投与する場合は、1日の投与量あたり通常0.1mg〜5000mg、好ましくは5mg〜1000mgのL−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体を含有するものであることができる。
本実施形態に係る細菌感染抑制用組成物が投与される動物又は植物の種類は特に限定されない。動物はヒトであってもよいし、非ヒト動物であってもよい。植物は単子葉植物であってもよいし双子葉植物であってもよい。
本実施形態に係る細菌感染抑制用組成物は、L−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体を少なくとも含有し、他の成分を更に含んでいても良い。
本実施形態に係る細菌感染抑制用組成物は、医薬組成物、飲食品組成物、肥料組成物、植物生長調節用組成物、飼料組成物等の形態であることができる。これらの組成物の好ましい形態は、オートファジー促進用組成物について詳述した形態と同様の範囲から選択できる。
本実施形態に係る細菌感染抑制用組成物は、動物又は植物が細菌と接触する前に予め動物又は植物に投与されるものであることが好ましい。
細胞への細菌の感染を抑制する方法
本発明はまた、ヒト生体内に存在する細胞以外の細胞への細菌の感染を抑制する方法であって、前記細胞を、0.05mM〜2.0mMの濃度のL−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体と接触させることを含む方法に関する。
本実施形態に係る細菌感染抑制方法によれば、生体内又は生体外に存在する細胞への細菌の感染を抑制することができる。前記濃度は好ましくは0.05mM〜1.0mMであり、更に好ましくは0.1mM〜1.0mMであり、最も好ましくは0.1mM〜0.5mMである。
本実施形態に係る細菌感染抑制方法の対象となる細胞は、ヒト生体内に存在する細胞以外の細胞であればよく、例えば、生体外に存在するヒトに由来する細胞、生体内又は生体外に存在する非ヒト動物(例えばイヌ、ネコ、ウマ、ウシ等)に由来する細胞、生体内又は生体外に存在する植物に由来する細胞、酵母細胞、その他の真核生物細胞等が例示できる。
前記濃度のL−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体を細胞に接触させる方法としては、前記濃度のL−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体を含有する培地中で細胞を培養することや、前記濃度のL−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体を含有する溶液(緩衝液であってよい)を、細菌感染を抑制しようとする細胞を含む生体内の部位に投与することが例示できる。
前記濃度のL−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体を細胞に接触させる際の時間は特に限定されないが、好ましくは3〜168時間であり、より好ましくは12〜96時間である。
本実施形態に係る細菌感染抑制方法は、好ましくは、細胞が細菌と接触するよりも前に行われる。
実験1
6ウェルプレートの各ウェルに、エルゴチオネイン処理を行わないネガティブコントロール(NT)試験では10%FBS(GIBCO社製)含有DMEM/F12培地(GIBCO社製)を、エルゴチオネイン処理(EGT)試験ではエルゴチオネイン(テトラヘドロン社製)を1mM含有した10%FBS含有DMEM/F12培地を、それぞれ1mL/ウェルずつ添加した。そこに10%FBS含有DMEM/F12培地を用いて30x10個/mLの細胞密度に調製したARPE−19細胞を1mL/ウェルずつ添加した。炭酸ガスインキュベーター内で48時間培養した後に、NT試験では新しい2mLの10%FBS含有DMEM/F12培地に培地交換し、EGT試験では、新しい2mLの、エルゴチオネインを0.5mM含有した10%FBS含有DMEM/F12培地に培地交換した。24時間後、各試験の細胞をアール平衡塩溶液(EBSS、GIBCO社製)2mLで洗浄した後、EBSSを2mLずつウェルに添加した。炭酸ガスインキュベーター内で1時間又は3時間培養した後に、細胞を、氷冷したPBS(−)でリンスし、RIPAライシスバッファー(ミリポア社製)を300μL添加し細胞溶解液を調製した。得られた細胞溶解液のサンプルにSDS−PAGE用サンプルバッファー(東京化成工業社製)を加え、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけた。電気泳動後のポリアクリルアミドゲルをPVDF膜(ミリポア社製)にブロッティング後、PVDF膜をブロックエース(ケーエーシー社製)溶液に1時間浸漬した。得られたPVDF膜を、一次抗体として抗LC3B抗体(アブカム社製)又は抗βアクチン抗体(アブカム社製)で処理し、更に、二次抗体として、西洋わさびペルオキシダーゼ標識二次抗体(ロックランドイムノケミカルズ社製)で処理した。検出試薬はECLプライム(アマシャム社製)を用い、測定はLAS2000(フジフィルム社製)を用いて行った。
図1は、EGT試験及びNT試験での1時間培養及び3時間培養後のARPE−19細胞の溶解液をサンプルとした、ウェスタンブロッティングにおけるPVDF膜上のLC3B−I、LC3B−II、βアクチンの染色像を示す。
図2Aは、EGT試験及びNT試験での1時間培養後のARPE−19細胞の溶解液のウェスタンブロッティングでのLC3B−IIの染色強度を、NT試験での染色強度を100%としたときの相対値として示したグラフである。
図2Bは、EGT試験及びNT試験での3時間培養後のARPE−19細胞の溶解液のウェスタンブロッティングでのLC3B−IIの染色強度を、NT試験での染色強度を100%としたときの相対値として示したグラフである。
エルゴチオネインの処理により、ARPE−19細胞中のLC3B−II量が増大した。LC3B−IIの量の増大は、オートファゴソームの形成が促進されていることを示すことから、本実験の結果は、エルゴチオネインの処理により、ARPE−19細胞のオートファゴソームの形成が促進されていることを裏付ける。
実験2
24ウェルプレートの各ウェルに、エルゴチオネイン処理を行わないネガティブコントロール(NT)試験では10%FBS(GIBCO社製)含有DMEM/F12培地(GIBCO社製)を、エルゴチオネイン処理(EGT)試験ではエルゴチオネイン(テトラヘドロン社製)を1.0mM含有した10%FBS含有DMEM/F12培地を、それぞれ0.2mL/ウェルずつ添加した。そこに10%FBS含有DMEM/F12培地を用いて30x10個/mLの細胞密度に調製したARPE−19細胞を0.2mL/ウェルずつ添加した。炭酸ガスインキュベーター内で48時間培養した後に、NT試験では新しい0.4mLの10%FBS含有DMEM/F12培地に培地交換し、EGT試験では、新しい0.4mLの、エルゴチオネインを0.5mM含有した10%FBS含有DMEM/F12培地に培地交換した。24時間後、培地を除去し、1μMのオートライソソーム染色試薬DALGreen(同仁化学研究所製)を含有した10%FBS含有DMEM/F12培地(0.2mL)を添加した。30分間培養しDALGreenを細胞内に取り込ませた。その後、細胞をDMEM/F12培地1mLで2回洗浄した後、透析処理したFBS(GBCO社製)を1%含有したDMEM/F12培地を0.2mLずつウェルに添加した。炭酸ガスインキュベーター内で1時間培養した後に細胞を蛍光顕微鏡(エクリプスTs2 ニコン社製)でランダムに5か所撮影し、オートライソソーム染色像を得た。撮影したオートライソソーム染色像をフォトショップ(アドビー社製)で解析し蛍光強度を数値化した。
図3は、NT試験及びEGT試験で培養したARPE−19細胞のDALGreenによる蛍光染色像である。
図4は、NT試験及びEGT試験で培養したARPE−19細胞のDALGreenによる蛍光染色像での蛍光強度を数値化し、NT試験での蛍光強度を100%としたときの相対値として示したグラフである。
エルゴチオネインの処理により、ARPE−19細胞のDALGreenによる蛍光強度が増大した。DALGreenによる蛍光強度の増大は、オートライソソームの形成が促進されていることを示すことから、本実験の結果は、エルゴチオネインの処理により、ARPE−19細胞のオートライソソームの形成が促進されていることを裏付ける。また、実験1の結果との組み合わせから、エルゴチオネインは細胞のオートファジーを促進することが示された。
実験3
6ウェルプレートに、エルゴチオネインを含まない10%FBS(GIBCO社製)含有DMEM/F12培地(GIBCO社製)、あるいは、エルゴチオネイン(テトラヘドロン社製)を0.2mMもしくは1mM含有した10%FBS含有DMEM/F12培地を1mL/ウェルずつ添加した。そこに10%FBS含有DMEM/F12培地を用いて30x10個/mLの細胞密度に調製したARPE−19細胞を1mL/ウェルずつ添加した。炭酸ガスインキュベーター内で48時間培養した後に新しい2mLの10%FBS含有DMEM/F12培地、あるいは、エルゴチオネインを0.1mMもしくは0.5mM含有した10%FBS含有DMEM/F12培地に交換した。24時間後、細胞をアール平衡塩溶液(EBSS、GIBCO社製)2mLで洗浄した後、EBSSを2mLずつウェルに添加した。炭酸ガスインキュベーター内では1時間培養した後に細胞を氷冷したPBS(−)でリンスし、RIPAライシスバッファー(ミリポア社製)を300μL添加し細胞溶解液を調製した。得られたサンプルにSDS−PAGE用サンプルバッファー(東京化成工業社製)を加え、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動にサンプルをかけた。電気泳動して得られたポリアクリルアミドゲルをPVDF膜(ミリポア社製)にブロッティング後、PVDF膜をブロックエース(ケーエーシー社製)溶液に1時間浸漬した。得られたPVDF膜を、一次抗体として抗LC3B抗体(アブカム社製)又は抗βアクチン抗体(アブカム社製)で処理し、更に、二次抗体として、西洋わさびペルオキシダーゼ標識二次抗体(ロックランドイムノケミカルズ社製)で処理した。検出試薬はECLプライム(アマシャム社製)を用い、測定はLAS2000(フジフィルム社製)を用いて行った。
図5は、上記の、エルゴチオネイン(EGT)濃度が0mM、0.1mM、0.5mMの培地中で培養したARPE−19細胞の溶解液サンプルのウェスタンブロッティングでのLC3B−IIの染色強度を、EGT濃度が0mMの培地中で培養したARPE−19細胞の溶解液サンプルでの染色強度を100%としたときの相対値として示したグラフである。
0.1mMという低濃度のエルゴチオネインの処理により、ARPE−19細胞のオートファゴソームの形成が促進されたことが示された。

Claims (4)

  1. L−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体を含む、オートファジー促進用組成物。
  2. L−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体を含む培地中で細胞を培養することを含む、細胞においてオートファジーを促進する方法。
  3. 動物又は植物の生体内に存在する細胞への細菌による感染を抑制するための組成物であって、
    L−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体を含有すること、及び、
    前記細胞の周囲に、0.05mM〜2.0mMの濃度のL−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体が送達されるように、動物又は植物に投与されること
    を特徴とする組成物。
  4. ヒト生体内に存在する細胞以外の細胞への細菌の感染を抑制する方法であって、
    前記細胞を、0.05mM〜2.0mMの濃度のL−エルゴチオネイン又はL−エルゴチオネイン類縁体と接触させること
    を含む方法。
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