JP2021022272A - 数値制御装置及び制御方法 - Google Patents

数値制御装置及び制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021022272A
JP2021022272A JP2019139576A JP2019139576A JP2021022272A JP 2021022272 A JP2021022272 A JP 2021022272A JP 2019139576 A JP2019139576 A JP 2019139576A JP 2019139576 A JP2019139576 A JP 2019139576A JP 2021022272 A JP2021022272 A JP 2021022272A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
time constant
filter
torque
mass
acceleration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019139576A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7238673B2 (ja
Inventor
弦 寺田
Gen Terada
弦 寺田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2019139576A priority Critical patent/JP7238673B2/ja
Priority to CN202010530639.6A priority patent/CN112305996B/zh
Publication of JP2021022272A publication Critical patent/JP2021022272A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7238673B2 publication Critical patent/JP7238673B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B19/00Programme-control systems
    • G05B19/02Programme-control systems electric
    • G05B19/18Numerical control [NC], i.e. automatically operating machines, in particular machine tools, e.g. in a manufacturing environment, so as to execute positioning, movement or co-ordinated operations by means of programme data in numerical form
    • G05B19/414Structure of the control system, e.g. common controller or multiprocessor systems, interface to servo, programmable interface controller
    • G05B19/4142Structure of the control system, e.g. common controller or multiprocessor systems, interface to servo, programmable interface controller characterised by the use of a microprocessor
    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B2219/00Program-control systems
    • G05B2219/30Nc systems
    • G05B2219/34Director, elements to supervisory
    • G05B2219/34013Servocontroller

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Human Computer Interaction (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • Numerical Control (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)

Abstract

【課題】積載質量に応じてモータの最大トルクが変化しても、加速度を制限する為のフィルタの時定数を適切に決定できると同時に、積載質量に応じて変化する機械に固有の振動周波数に応じた可変制振時定数を決定できる数値制御装置及び制御方法を提供する。【解決手段】数値制御装置は、被削材を支持するテーブルの位置指令から生成した速度波形をフィルタで処理する加減速処理を実行する。数値制御装置の制御部は、テーブルの積載質量に応じて変化するモータの最大トルクに応じたトルク抑制時定数を決定する(S25)。制御部は、工作機械に固有の振動周波数であって積載質量に応じて変化する可変制振周波数の逆数を、可変制振時定数として決定する(S27)。制御部は、トルク抑制時定数を有する第一フィルタと、可変制振時定数を有する第二フィルタを用いて加減速処理を実行する(S33)。【選択図】図5

Description

本発明は、数値制御装置及び制御方法に関する。
特許文献1に記載の数値制御装置は交差する2軸方向の軸毎に設けたモータを制御し、被削材を支持するテーブルを所望の位置に移動する。第1低域通過フィルタは、2軸方向のうち一方の軸方向に発生する振動の周波数の逆数を時定数とする。第2低域通過フィルタは、2軸方向のうち他方の軸方向に発生する振動の周波数の逆数を時定数とする。数値制御装置は、モータ夫々を変速する変速信号を第1低域通過フィルタ及び第2低域通過フィルタに通過して平滑化する。
特許第6107306号公報
数値制御装置はテーブルの移動時、NCプログラムの位置指令から生成した速度波形にフィルタを適用してモータを駆動する。該フィルタの時定数は、モータの加速度が最大時のトルクである最大トルクが、モータの定格トルクを超えないことが好ましい。ここで、モータの最大トルクは、テーブルに積載する治具及び被削材の質量(積載質量と称す)に応じて変化する。しかし、特許文献1に記載の数値制御装置は、振動の周波数の逆数に応じて第1低域通過フィルタ及び第2低域通過フィルタの時定数を決定するのみであり、積載質量が変化しても時定数を変更しない。故に、積載質量に応じてモータの最大トルクが変化した時、加速度を制限する為の適切な時定数を決定できないという問題点がある。
本発明の目的は、積載質量に応じてモータの最大トルクが変化しても、加速度を制限する為のフィルタの時定数を適切に決定できると同時に、積載質量に応じて変化する機械に固有の振動周波数に応じた可変制振時定数を決定できる数値制御装置及び制御方法を提供することである。
本発明の第一態様に係る数値制御装置は、テーブルをモータで移動し、主軸に装着した工具で前記テーブル上に治具で支持した被削材を加工可能な機械の動作を制御し、前記テーブルの位置指令から生成した速度波形をフィルタで処理する加減速処理を実行可能な制御部を備えた数値制御装置において、前記制御部は、前記治具、及び、前記テーブル上の前記被削材を含む積載物の質量である積載質量に応じて変化する前記モータの最大トルクに応じた時定数であるトルク抑制時定数を決定する第一決定部と、前記積載質量に応じて変化する前記機械に固有の振動周波数に応じた可変制振周波数の逆数を、可変制振時定数として決定する第二決定部と、前記第一決定部により決定した前記トルク抑制時定数を有する第一フィルタと、前記第二決定部により決定した前記可変制振時定数を有する第二フィルタを用いて前記加減速処理を実行する処理部とを備えたことを特徴とする。
第一態様において、数値制御装置は、積載質量に応じて変化するモータの最大トルクに応じたトルク抑制時定数を決定し、トルク抑制時定数を有する第一フィルタを用いて加減速処理を実行する。故に、数値制御装置は、積載質量の変化によってモータの加速度に応じたトルクが変化しても、最大トルクが定格トルクを超えないように加減速処理を適切に実行できる。更に数値制御装置は、前記積載質量に応じて変化する機械に固有の振動周波数に応じた可変制振時定数を決定し、可変制振時定数を有する第二フィルタを用いて加減速処理を実行する。故に、数値制御装置は、積載質量に応じて周波数が変化する機械の振動も適切に抑制できる。
第一態様において、前記積載質量と前記可変制振周波数とが非線形の関係を有してもよい。該時、数値制御装置は、積載質量に基づいて可変制振時定数を精度良く決定できる。
第一態様において、前記制御部は、前記積載質量に応じて変化しない前記機械に固有の振動周波数に応じた固定制振周波数の逆数を、固定制振時定数として決定する第三決定部を更に備え、前記処理部は、前記第三決定部により決定した前記固定制振時定数を有する第三フィルタを更に用いて前記加減速処理を実行してもよい。故に、数値制御装置は、積載質量に応じて変化しない機械の振動を適切に抑制できる。
第一態様において、前記制御部は、前記テーブルの移動時、前記モータのトルクと加速度とを取得する取得部と、前記取得部により取得した前記トルクと前記加速度とに基づき、前記積載質量を推定する推定部とを更に実行し、前記第一決定部は、前記推定部により推定した前記積載質量に基づき、前記トルク抑制時定数を決定し、前記第二決定部は、前記推定部により推定した前期積載質量に基づき、前記可変制振時定数を決定してもよい。該時、数値制御装置は、作業者が予め積載質量を測定しなくても、トルク抑制時定数及び可変制振時定数を精度良く決定できる。
第一態様において、前記テーブルは、交差する二軸方向へ移動可能であって、前記モータは、前記二軸方向の軸毎に夫々設け、前記第一決定部は、前記軸毎に前記トルク抑制時定数を決定し、前記第二決定部は、前記軸毎に前記可変制振時定数を決定し、前記処理部は、前記軸毎に前記加減速処理を実行可能であってもよい。数値制御装置は、テーブルの二つの移動方向の夫々に対応するモータの最大トルクが積載質量に応じて変化しても、加減速処理を適切に実行できる。
第一態様において、前記フィルタはFIRフィルタであってもよい。該時、数値制御装置は、加減速処理により速度波形を適切に平滑化できる。
本発明の第二態様に係る制御方法は、テーブルをモータで移動し、主軸に装着した工具で前記テーブル上に治具で支持した被削材を加工可能な機械の動作を制御し、前記テーブルの位置指令から生成した速度波形をフィルタで処理する加減速処理を実行可能な制御方法であって、前記治具、及び、前記テーブル上の前記被削材を含む積載物の質量である積載質量に応じて変化する前記モータの最大トルクに応じた時定数であるトルク抑制時定数を決定する第一決定工程と、前記積載質量に応じて変化する前記機械に固有の振動周波数に応じた可変制振周波数の逆数を、可変制振時定数として決定する第二決定工程と、前記第一決定工程により決定した前記トルク抑制時定数を有する第一フィルタと、前記第二決定工程により決定した前記可変制振時定数を有する第二フィルタを用いて前記加減速処理を実行する処理工程とを備えたことを特徴とする。第二態様によれば、第一態様と同様の効果を奏することができる。
工作機械10の概略側面図。 数値制御装置20と工作機械10の電気的構成を示すブロック図。 可変振動の周波数特性を示すグラフ。 積載質量Mと可変制振周波数Fvarとの関係を示すグラフ。 主処理の流れ図。 変形例における主処理の流れ図。
以下、本発明の実施形態を説明する。図1に示す工作機械10は、主軸9に装着した工具4を高速回転し、テーブル50上に治具(図示略)で支持した被削材Wに接触することで、被削材Wの切削加工等を行う。数値制御装置20は、工作機械10の動作を制御する。工作機械10の左右方向、前後方向、上下方向は、夫々X軸方向、Y軸方向、Z軸方向である。
<工作機械10の構成>
図1に示すように、工作機械10は、ベッド部2、コラム5、主軸ヘッド7、主軸9、テーブル装置40、操作盤16(図2参照)等を備える。工作機械10は、テーブル装置40のテーブル50がX軸、Y軸の二軸方向に移動する。ベッド部2は、工作機械10の土台である。コラム5は、ベッド部2上面後部に固定する。主軸ヘッド7は、コラム5前面に沿ってZ軸方向に移動する。コラム5は前面にZ軸移動機構(図示略)を備える。Z軸移動機構は、Z軸モータ11(図2参照)を駆動源とする。Z軸移動機構は、後述するY軸移動機構と同様の構造である。主軸9は主軸ヘッド7内部をZ軸方向に延び、回転可能に設ける。主軸9の下端部に設けた工具装着穴(図示略)は、主軸9下部に設ける。工具4は工具装着穴に装着する。
テーブル装置40は、ベッド部2上面で且つ主軸ヘッド7下方に設ける。テーブル装置40は、テーブル50をX軸とY軸の二軸方向に移動可能に支持する。なお、説明の便宜上、図1に示すテーブル装置40は、テーブル50をY軸方向に移動するY軸移動機構のみを図示し、X軸移動機構は省略する。テーブル装置40は、ベッド41、Y軸ガイドレール42、Y軸モータ14、継手43、ボールねじ44、軸受部45、ナット46、テーブル50等を備える。ベッド41、Y軸ガイドレール42、Y軸モータ14、継手43、ボールねじ44、軸受部45、ナット46は、Y軸移動機構を構成する。
ベッド41は、ベッド部2上面に設置する。ベッド41は左右方向中央部にY軸方向に長い凹部(図示略)を備え、該凹部の内側に、後述するY軸移動機構の大部分を格納する。Y軸ガイドレール42は、ベッド41上部に設け、Y軸方向に延びる。Y軸ガイドレール42は、テーブル50をY軸方向に移動可能に案内する。Y軸モータ14は、ベッド41の凹部後側に設ける。ボールねじ44は、ベッド41の凹部内側に設け、Y軸方向に延びる。継手43は、Y軸モータ14の前方に突出する出力軸と、ボールねじ44の後端部を互いに連結する。軸受部45は、ボールねじ44前端部を回転可能に支持する。故にY軸モータ14の出力軸が回転すると、継手43を介してボールねじ44は回転する。ナット46はテーブル50の下面に固定し、ボールねじ44に螺合する。故にボールねじ44の回転に伴い、テーブル50はナット46と共にY軸方向に移動する。
尚、テーブル装置40は、上記Y軸移動機構に加え、X軸の移動機構を備える。X軸移動機構は、Y軸移動機構をX軸方向に移動可能に支持する。X軸移動機構は、X軸モータ13(図2参照)を駆動源とし、Y軸移動機構の構造と同様である。
図2に示すように、操作盤16は、入力部17と表示部18を備える。入力部17は各種入力、指示、設定等を行う為の機器である。表示部18は各種画面を表示する機器である。
<電気的構成>
図2に示すように、数値制御装置20は、CPU21、ROM22、RAM23、記憶装置24、入出力部25、駆動回路26〜29等を備える。CPU21は、数値制御装置20を統括制御する。ROM22は、CPU21が後述の主処理を実行する為のプログラム、設定値を記憶する。RAM23は、各種処理実行中の各種データを記憶する。記憶装置24は不揮発性メモリであり、NCプログラムの他、各種データを記憶する。入出力部25は、操作盤16に接続する。駆動回路26〜29はサーボアンプである。Z軸モータ11はエンコーダ11Aを備える。主軸モータ12はエンコーダ12Aを備える。X軸モータ13はエンコーダ13Aを備える。Y軸モータ14はエンコーダ14Aを備える。駆動回路26はZ軸モータ11とエンコーダ11Aに接続する。駆動回路27は主軸モータ12とエンコーダ12Aに接続する。駆動回路28はX軸モータ13とエンコーダ13Aに接続する。駆動回路29はY軸モータ14とエンコーダ14Aに接続する。
CPU21は、被削材Wを加工する為のNCプログラムを読込み、送り軸(X軸、Y軸、Z軸)、主軸9等の各駆動軸を目標位置に移動する為の制御指令を駆動回路26〜29に送信する。駆動回路26〜29は、CPU21から受信した制御指令(駆動信号)に応じて対応するモータ11〜14に駆動電流を夫々出力する。駆動回路26〜29はエンコーダ11A〜14Aからフィードバック信号(位置と速度の信号)を受け、モータ11〜14の位置と速度の制御を行う。操作盤16は、数値制御装置20の入出力部25に接続する。
<送り軸制御>
被削材Wに対して工具4をX軸方向又はY軸方向に相対移動させて加工するNCプログラムの指令(以下、「送り軸指令」と称す。)に基づき、工作機械10が駆動する場合を例示する。以下、被削材Wに対して工具4をY軸方向に相対移動させて加工する場合を例示して説明する。被削材Wに対して工具4をX軸方向に相対移動させて加工する場合については、工具4をY軸方向に相対移動させて加工する場合と同様であるので、説明は省略する。
CPU21は送り軸指令を読み込んだ時、被削材Wを保持したテーブル50を送り軸指令により指定した位置まで移動する為、テーブル50の目標位置の時系列データを生成する。CPU21は、所定周期で目標位置のデータを駆動回路29に出力する。駆動回路29は、CPU21が出力した目標位置のデータに基づき、Y軸モータ14を駆動する。Y軸モータ14は、テーブル50を目標位置までY軸方向に移動する。CPU21が駆動回路29に目標位置のデータを入力する都度、駆動回路29はY軸モータ14を駆動する。CPU21はX軸モータ13についても同様に駆動する。これにより、テーブル50は、送り軸指令により指定した位置(以下、「指令位置」と称す。)に最終的に到達する。送り軸指令に基づきCPU21が実行する上記の制御を、「送り軸制御」と称す。
上記において目標位置の時系列データを生成する時、はじめにCPU21は、送り軸指令の指定位置までテーブル50が移動する時の速度が一定に推移するように、各目標位置を決定する。次にCPU21は、速度の時系列変化を示す波形(以下、「速度波形」と称す。)に移動平均フィルタを適用することで、速度波形の形状に対応する加減速特性を調整する。移動平均フィルタは、有限時間のインパルス応答をもつデジタルフィルタ、即ちFIRフィルタである。CPU21は、移動平均フィルタを適用して算出した速度波形に基づき、所定周期毎の目標位置を決定する。CPU21は、決定した目標位置のデータを所定周期で駆動回路29に出力する。上記の移動平均フィルタの時定数を、加減速時定数と称す。移動平均フィルタを速度波形に適用して加減速特性を調整する処理を、加減速処理と称す。詳細は後述するが、CPU21は、後述する3つの加速度時定数(トルク抑制時定数t、可変制振時定数t、固定制振時定数t)の各々を有する3つの移動平均フィルタ(第一フィルタFIR1、第二フィルタFIR2、第三フィルタFIR3)を速度波形に適用することで、加減速処理を実行する。
<トルク抑制時定数t
CPU21は、送り軸制御の実行時にY軸モータ14に生じるトルクの最大値(以下、「最大トルク」と称す)を制限する為、トルク抑制時定数tを有する第一フィルタFIR1を速度波形に適用する。尚、送り軸制御の実行時におけるY軸モータ14の最大トルクは、負荷質量Mに応じて変化する。負荷質量Mは、テーブル50自体の質量、送り機構の等価質量、及び積載質量Mの総和に対応する。ここで送り機構の等価質量とは、テーブル50の送り機構を構成するY軸モータ14、継手43、ボールねじ44、ナット46のイナーシャの合計を質量に換算したものである。積載質量Mとは、テーブル50に設けた治具の質量、及び、治具が保持する被削材Wの質量の合計である。テーブル50の質量及び送り機構の等価質量は定数である。故に負荷質量Mは積載質量Mが変化するときに変化する。よって、最大トルクを抑制する為のトルク抑制時定数tも、積載質量Mに応じて変化する。CPU21は、積載質量Mに応じた適切なトルク抑制時定数t及び第一フィルタFIR1を決定して速度波形に適用することにより、積載質量Mに応じてY軸モータ14の最大トルクが変化した時も、最大トルクを制限しつつ送り軸制御を実行できる。
トルク抑制時定数tの算出方法は次の通りである。Y軸モータ14にて許容するトルクの最大値(以下、「定格トルク」という。)をTmax[N]と称す。Y軸モータ14が定格トルクTmaxで駆動した時のテーブル50の加速度を、a[m/s]と称す。定格トルクTmaxと、負荷質量M[kg]及び加速度aとは、次の式(1)の関係を満たす。
Tmax = M×a (1)
更に、工作機械10にて規定したテーブル50の最大速度を、Vmax[m/s]と称する。トルク抑制時定数tと、最大速度Vmax、負荷質量M、定格トルクTmax、加速度aとは、次の式(2)の関係を満たす。
= Vmax/a = Vmax/(Tmax/M) (2)
<可変制振時定数t、固定制振時定数t
CPU21は、送り軸制御の実行時において工作機械10に発生する振動を制限する為、可変制振時定数tを有する第二フィルタFIR2、及び、固定制振時定数tを有する第三フィルタFIR3を、夫々速度波形に適用する。尚、送り軸制御の実行により工作機械10に発生する振動は、移動物質量Mに応じて固有周波数が変化する振動(以下、「可変振動」という。)と、移動物質量Mに応じて固有周波数が変化しない振動(以下、「固定振動」という。)がある。移動物質量Mは、テーブル50の質量と積載質量Mの和である。この時テーブル50の質量は定数であるので、移動物質量Mは積載質量Mに応じて変化する。すなわち、可変振動は積載質量Mに応じて変化する。固定周波数とは、テーブル50が移動した時に工作機械10が最も振動し易い周波数であり、工作機械10の構成等に応じて定まる固有の周波数を意味する。固有周波数の逆数を時定数として有する移動平均フィルタを速度波形に適用することで、送り軸制御の実行時における工作機械10の振動を制限できる。以下、可変振動の固有周波数を、可変制振周波数Fvarと称し、固定振動の固有周波数を、固定制振周波数Ffixと称す。
可変振動は、主に、送り軸制御の実行時においてテーブル50のY軸方向の振動である。図3は、積載質量Mに応じて可変制振周波数Fvarが変化する様子を示すグラフである。グラフにおいてピークを示す周波数が、可変制振周波数Fvarに対応する。図3(a)に示すように、積載質量Mが100kgの時、可変制振周波数Fvarは約40Hzである。図3(b)に示すように、積載質量Mが250kgの時、可変制振周波数Fvarは約35Hzである。可変制振周波数Fvarと移動物質量Mとは、次の式(3)の関係を満たす。
2π×Fvar = √(k/M) (3)
移動物質量Mが積載質量Mによって変化するので、Fvarは積載質量Mによって変化する。尚、kはテーブル50のY軸方向の剛性であり、設計値もしくは、式(3)に実測値を代入することで求められる係数である。図4は、積載質量Mと可変制振周波数Fvarとの関係を、式(3)に基づきグラフ化したものである。このように、積載質量Mと可変制振周波数Fvarとは、非線形の関係を有する。
可変制振周波数Fvarの逆数1/Fvarは、可変振動を抑制することが可能な移動平均フィルタの時定数である可変制振時定数tを示す(式(4)参照)。
=1/Fvar = 2π×√(M/k) (4)
CPU21は、積載質量Mに応じた適切な可変制振時定数tに基づき第二フィルタFIR2を決定し、速度波形に適用する。これにより、CPU21は、可変振動を抑制しつつ送り軸制御を実行できる。
固定振動は、主に、送り軸制御の実行時において発生する機械全体の振動である。固定制振周波数Ffixの逆数1/Ffixは、固定振動を抑制することが可能な移動平均フィルタの時定数である固定制振時定数tを示す(式(5)参照)。
=1/Ffix (5)
CPU21は、積載質量Mに依らず一定である固定制振時定数tに基づき第三フィルタFIR3を決定して速度波形に適用する。これにより、CPU21は、固定振動を抑制しつつ送り軸制御を実行できる。
<主処理>
図5を参照し、主処理について説明する。CPU21は、ROM22に記憶したプログラムを読み出して実行することにより、主処理を開始する。CPU21は、主処理の実行時、ROM22に記憶した設定値を参照する。該設定値は、X軸に対応する定格トルクTmax、最大速度Vmax、係数k、固定制振周波数Ffixと、Y軸に対応する定格トルクTmax、最大速度Vmax、係数k、固定制振周波数Ffixと、最大積載質量Mmaxである。最大積載質量Mmaxは、工作機械10において許容する最大の積載質量Mである。
CPU21は、記憶装置24に記憶したNCプログラムの指令を1つ読み出す(S11)。CPU21は、読み出した指令に応じた工作機械10の動作が、早送り動作であるか判定する(S13)。早送り動作とは、工作機械10において設定可能な最大速度でX軸モータ13又はY軸モータ14が回転する動作を示す。
CPU21は、早送り動作であると判定した場合(S13:YES)、NCプログラムに基づき工作機械10が早送り動作を初めて実行するか判定する(S17)。CPU21は、早送り動作を初めて実行すると判定した場合(S17:YES)、処理をS19に進める。以下では、X軸モータ13及びY軸モータ14が夫々最大速度で回転する早送り動作であることを前提とする。X軸に対応する定格トルクTmax、最大速度Vmax、係数k、固定制振周波数Ffixを、各々、定格トルクTmax(x)、最大速度Vmax(x)、係数k(x)、固定制振周波数Ffix(x)と称す。Y軸に対応する定格トルクTmax、最大速度Vmax、係数k、固定制振周波数Ffixを、各々、定格トルクTmax(y)、最大速度Vmax(y)、係数k(y)、固定制振周波数Ffix(y)と称す。CPU21は、積載質量Mを推定する為、S19〜S23の処理を実行する。
CPU21は、ROM22に記憶した定格トルクTmax(x)、最大速度Vmax(x)、最大積載質量Mmaxに対応するM(x)を式(2)に代入し、X軸に対応するトルク抑制時定数tの暫定値(トルク抑制時定数t(x´)と称す。)を算出する。CPU21は、ROM22に記憶した係数k(x)、最大積載質量Mmaxに対応するM(x)を式(4)に代入し、X軸に対応する可変制振時定数tの暫定値(可変制振時定数t(x´)と称す)を算出する。CPU21は、ROM22に記憶した固定制振周波数Ffix(x)を式(5)に代入し、X軸に対応する固定制振時定数tの暫定値(固定制振時定数t(x´)と称す)を算出する。CPU21は、トルク抑制時定数t(x´)を有する第一フィルタFIR1と、可変制振時定数t(x´)を有する第二フィルタFIR2と、固定制振時定数t(x´)を有する第三フィルタFIR3(FIR3(x´)と称す)を用いて加減速処理を実行し、早送り動作においてX軸モータ13によりテーブル50をX軸方向に移動する為の速度波形を調整する。
尚、詳細説明は省略するが、CPU21は、Y軸に対応するトルク抑制時定数tの暫定値(トルク抑制時定数t(y´)と称す。)、可変制振時定数tの暫定値(固定制振時定数t(y´)と称す)、固定制振時定数tの暫定値(固定制振時定数t(y´)と称す)についても同様の方法で算出する。CPU21は、トルク抑制時定数t(y´)を有する第一フィルタFIR1、可変制振時定数t(y´)を有する第二フィルタFIR2、固定制振時定数t(y´)を有する第三フィルタFIR3を用いて加減速処理を実行し、早送り動作においてY軸モータ14によりテーブル50をY軸方向に移動する為の速度波形を調整する。
CPU21は、調整した速度波形に基づいて送り軸制御を実行し、工作機械10による早送り動作を制御する(S19)。駆動回路28は、S19により工作機械10が早送り動作を実行する間、エンコーダ13Aが出力する信号に基づき、X軸モータ13の加速度a(x)及びトルクT(x)を特定する。駆動回路29は、S19により工作機械10が早送り動作を実行する間、エンコーダ14Aが出力する信号に基づき、Y軸モータ14の加速度a(y)及びトルクT(y)を特定する。CPU21は、駆動回路28、29が特定したX軸モータ13及びY軸モータ14の各々の加速度a(x)、a(y)(加速度aと総称する)、及びトルクT(x)、T(y)(トルクTと総称する)を取得する(S21)。CPU21は、加速度a及びトルクTを次の式(6)に代入し、負荷質量Mを推定する。
= T/a (6)
CPU21は更に、加速度a(x)及びトルクT(x)に基づき推定した負荷質量Mである負荷質量M(x)に対応する積載質量M(x)と、加速度a(y)及びトルクT(y)に基づき推定した負荷質量Mである負荷質量M(y)に対応する積載質量M(y)との平均値を、積載質量Mとして推定する(S23)。なお、「積載質量M=負荷質量M−送り機構の等価質量−テーブル50の質量」である。本推定処理はX軸及びY軸が同時に早送り動作を行わない場合も実行可能である。X軸のみが早送り動作を行う場合、推定可能な負荷質量M(x)に対応する積載質量M(x)を積載質量Mとして推定する。Y軸のみが早送り動作を行う場合、推定可能な負荷質量M(y)に対応する積載質量M(y)を積載質量Mとして推定する。
CPU21は、推定した積載質量Mに対応する負荷質量M(x)と、ROM22に記憶した定格トルクTmax(x)、最大速度Vmax(x)を式(2)に代入し、X軸に対応するトルク抑制時定数t(トルク抑制時定数t(x)と称す)を決定する(S25)。CPU21は、推定した積載質量Mに対応する移動物質量M(x)と、ROM22に記憶した係数k(x)を式(4)に代入し、X軸に対応する可変制振時定数t(可変制振時定数t(x)と称す)を決定する(S27)。CPU21は、ROM22に記憶した固定制振周波数Ffix(x)を式(5)に代入し、X軸に対応する固定制振時定数t(固定制振時定数t(x)と称す)を決定する(S29)。尚、固定制振時定数t(x)は、S19で早送り動作を実行する時に算出した固定制振時定数t(x´)と同一である。尚、詳細説明は省略するが、CPU21は、Y軸に対応するトルク抑制時定数t(トルク抑制時定数t(y)と称す)、可変制振時定数t(可変制振時定数t(y)と称す)、固定制振時定数t(固定制振時定数t(y)と称す)についても同様の算出方法により決定する。CPU21は、決定したトルク抑制時定数t(x)、t(y)、可変制振時定数t(x)、t(y)、固定制振時定数t(x)、t(y)をRAM23に記憶する(S31)。CPU21は処理をS35に進める。
CPU21は、S11の処理で、NCプログラムの最後の指令を読み出したか判定する(S35)。CPU21は、NCプログラムの最後の指令を読み出していないと判定した場合(S35:NO)、処理をS11に戻す。CPU21は、NCプログラムの次の指令を1つ読み出し(S11)、処理をS13に進める。
CPU21は、早送り動作でないと判定した場合(S13:NO)、読み出した指令に応じた動作(通常動作と称す)で工作機械10が駆動するように、工作機械10を制御する(S15)。詳細はここには記述しないが、通常動作は切削動作、タップ動作、工具交換動作などを含み、それぞれに固有の時定数を用いて動作する。すなわち通常動作時においてテーブル50がX軸方向に移動する時、トルク抑制時定数t(x)、可変制振時定数t(x)、固定制振時定数t(x)とは異なる時定数を用いて、X軸モータ13によりテーブル50をX軸方向に移動する為の速度波形を調整する。又、通常動作時においてテーブル50がY軸方向に移動する時、トルク抑制時定数t(y)、可変制振時定数t(y)、固定制振時定数t(y)とは異なる時定数を用いて、Y軸モータ14によりテーブル50をY軸方向に移動する為の速度波形を調整する。CPU21は、調整した速度波形に基づいて送り軸制御を実行し、工作機械10による通常動作を制御する(S15)。CPU21は、処理をS35に進める。
CPU21は、早送り動作であると判定し(S13:YES)、且つ、2回目以降の早送り動作であると判定した場合(S17:NO)、工作機械10が早送り動作で駆動するように、工作機械10を制御する(S33)。該時、CPU21は、早送り動作によりテーブル50がX軸方向に移動する時、S31の処理でRAM23に記憶したトルク抑制時定数t(x)を有する第一フィルタFIR1、可変制振時定数t(x)を有する第二フィルタFIR2、固定制振時定数t(x)を有する第三フィルタFIR3を用いて加減速処理を実行し、X軸モータ13によりテーブル50をX軸方向に移動する為の速度波形を調整する。又、早送り動作によりテーブル50がY軸方向に移動する時、CPU21は、S31の処理でRAM23に記憶したトルク抑制時定数t(y)を有する第一フィルタFIR1、可変制振時定数t(y)を有する第二フィルタFIR2、固定制振時定数t(y)を有する第三フィルタFIR3を用いて加減速処理を実行し、通常動作においてY軸モータ14によりテーブル50をY軸方向に移動する為の速度波形を調整する。CPU21は、調整した速度波形に基づいて送り軸制御を実行し、工作機械10による早送り動作を制御する(S33)。CPU21は、処理をS35に進める。
CPU21は、S11の処理で、NCプログラムの最後の指令を読み出したと判定した場合(S35:YES)、主処理を終了する。
<本発明の主たる作用、効果>
数値制御装置20は、積載質量M、最大速度Vmax、及び定格トルクTmaxに応じたトルク抑制時定数tを決定し(S25)、トルク抑制時定数tを有する第一フィルタFIR1を用いて加減速処理を実行する(S33)。故に、数値制御装置20は、積載質量Mの変化によってX軸モータ13及びY軸モータ14の加速度に応じたトルクが変化しても、X軸モータ13及びY軸モータ14の最大トルクが定格トルクTmaxを超えないように加減速処理を適切に実行できる。更に数値制御装置20は、工作機械10の可変振動を抑制するための可変制振時定数tを決定し(S27)、可変制振時定数tを有する第二フィルタFIR2を用いて加減速処理を実行する(S33)。故に、数値制御装置20は、積載質量Mに応じて可変振動の周波数が変化する場合でも、工作機械10の可変振動を適切に抑制できる。
数値制御装置20は、積載質量Mと可変制振周波数Fvarとが非線形の関係を有することを前提として可変制振時定数tを決定する。故に、数値制御装置20は、積載質量Mが変化したことに応じて可変制振周波数Fvarが変化する場合でも、可変振動を抑制可能な可変制振時定数tを精度良く決定できる。
数値制御装置20は、工作機械1の固有振動を抑制する為の固定制振時定数tを決定し(S29)、固定制振時定数tを有する第三フィルタFIR3を用いて加減速処理を実行する(S33)。故に、数値制御装置20は、積載質量Mに応じて変化しない工作機械10の振動を適切に抑制できる。
数値制御装置20は、積載質量Mを推定し(S19〜S23)、推定した積載質量Mに基づいて、トルク抑制時定数t及び可変制振時定数tを決定する(S25、S27)。該時、数値制御装置20は、積載質量Mが未定である場合でも、トルク抑制時定数t及び可変制振時定数tを精度良く決定できる。該時、数値制御装置20は、積載質量Mに関する事前情報が不要となる。故に、数値制御装置20は、作業者が予め積載質量Mを測定しなくても、トルク抑制時定数t及び可変制振時定数tを精度良く決定できる。
数値制御装置20は、X軸方向及びY軸方向にテーブル50を移動可能である。数値制御装置20は、X軸及びY軸の夫々についてトルク抑制時定数t、可変制振時定数t、及び固定制振時定数tを決定し、X軸及びY軸の夫々について加減速処理を実行する。従って、数値制御装置20は、X軸モータ13及びY軸モータ14の夫々について最大トルクが積載質量Mに応じて変化しても、加減速処理を適切に実行できる。
数値制御装置20は、加減速処理時の移動平均フィルタとして、FIRフィルタを用いる。これにより数値制御装置20は、加減速処理により速度波形を平滑化できる。
<変形例>
図6を参照し、変形例における主処理について説明する。図5と異なる点は、使用者が入力部17(図2参照)を介して入力した積載質量Mに基づいてトルク抑制時定数t(x)、t(y)、可変制振時定数t(x)、t(y)、固定制振時定数t(x)、t(y)を決定する点である。該為、CPU21は積載質量の推定を行わない。以下、図5と相違する処理について詳細に説明し、同一処理についての説明は簡略化する。
CPU21は、入力部17を介して使用者が入力した積載質量Mを取得する(S51)。CPU21は、取得した積載質量Mに対応する負荷質量M(x)と、定格トルクTmax(x)、最大速度Vmax(x)を式(2)に代入してトルク抑制時定数t(x)を決定し、取得した積載質量Mに対応する負荷質量M(y)と、定格トルクTmax(y)、最大速度Vmax(y)を式(2)に代入してトルク抑制時定数t(y)を決定する(S53)。CPU21は、取得した積載質量Mに対応する移動物質量M(x)と係数k(x)を式(4)に代入して可変制振時定数t(x)を決定し、取得した積載質量Mに対応する移動物質量M(y)と係数k(y)を式(4)に代入して可変制振時定数t(y)を決定する(S55)。CPU21は、固定制振周波数Ffix(x)を式(5)に代入して固定制振時定数t(x)を決定し、固定制振周波数Ffix(y)を式(5)に代入して固定制振時定数t(y)を決定する(S57)。CPU21は、決定したトルク抑制時定数t(x)、t(y)、可変制振時定数t(x)、t(y)、固定制振時定数t(x)、t(y)をRAM23に記憶する(S59)。
CPU21は、記憶装置24に記憶したNCプログラムの指令を1つ読み出す(S61)。CPU21は、読み出した指令に応じた工作機械10の動作が、早送り動作であるか判定する(S63)。CPU21は、早送り動作であると判定した場合(S63:YES)、工作機械10が早送り動作で駆動するように、工作機械10を制御する(S65)。該処理の詳細は、図5のS33と同一である。CPU21は、処理をS69に進める。一方、CPU21は、早送り動作でないと判定した場合(S63:NO)、読み出した指令に応じた通常動作で工作機械10が駆動するように、工作機械10を制御する(S67)。該処理の詳細は図5のS15と同一である。CPU21は、処理をS69に進める。
CPU21は、S61の処理で、NCプログラムの最後の指令を読み出したか判定する(S69)。CPU21は、NCプログラムの最後の指令を読み出していないと判定した場合(S69:NO)、処理をS61に戻す。CPU21は、S61の処理で、NCプログラムの最後の指令を読み出したと判定した場合(S69:YES)、主処理を終了する。
<その他の変形例>
本発明は上記実施形態に限らない。加減速制御に用いた時定数の数は3つ(トルク抑制時定数t、可変制振時定数t、固定制振時定数t)に限らず、他の時定数が用いられてもよい。
数値制御装置20は、式(2)に基づいてトルク抑制時定数tを決定し、式(4)に基づいて可変制振時定数tを決定した。これに対して数値制御装置20は、別の方法でトルク抑制時定数t、可変制振時定数tを決定してもよい。例えば数値制御装置20は、積載質量Mが0kg、100kg、250kgの場合のトルク抑制時定数t、可変制振時定数tを予め算出し、ROM22に記憶していてもよい。以下、積載質量Mが0kg、100kg、250kgの場合の夫々のトルク抑制時定数tを、t(0)、t(100)、t(250)と表記する。積載質量Mが0kg、100kg、250kgの場合の夫々の可変制振時定数tを、t(0)、t(100)、t(250)と表記する。数値制御装置20は、例えば積載質量Mが0〜100kgの範囲内の値(Maと表記する)の場合、トルク抑制時定数t(0)、t(100)、可変制振時定数t(0)、t(100)、を用いた線形補完により、以下の式(11−1)(11−2)に基づいてトルク抑制時定数tと可変制振時定数tを算出してもよい。
= (t(100)−t(0))×Ma/(100−0) (11−1)
= (t(100)−t(0))×Ma/(100−0) (11−2)
同様に、数値制御装置20は、例えば積載質量Mが100〜250kgの範囲内の値(Mbと表記する)の場合、トルク抑制時定数t(100)、t(250)、可変制振時定数t(100)、t(250)を用いた線形補完により、以下の式(12−1)(12−2)に基づいてトルク抑制時定数tと可変制振時定数tを算出してもよい。
= (t(250)−t(100))×Mb/(250−100) (12−1)
= (t(250)−t(100))×Mb/(250−100) (12−2)
図4に示すグラフが線形近似され、近似関数が予め導出されてもよい。数値制御装置20は、導出した近似関数に積載質量Mを代入することにより、可変制振周波数Fvarを算出し、式(4)に代入することで可変制振時定数tを決定してもよい。
数値制御装置20は、トルク抑制時定数tを有する第一フィルタFIR1、及び、可変制振時定数tを有する第二フィルタFIR2のみを用いて加減速制御を行ってもよい。この場合、数値制御装置20は、固定制振時定数tを有する第三フィルタ3を用いなくてもよい。加減速制御は、X軸又はY軸のうち何れか一方について実行され、他方は実行されなくてもよい。加減速処理に用いる移動平均フィルタは、FIRフィルタに限らず、無限インパルス応答フィルタ(IIRフィルタ)でもよい。可変制振時定数t及び可変制振時定数tに応じたFIRフィルタを2つ以上用いて加減速処理を行っても良い。固定制振時定数t及び固定制振時定数tに応じたFIRフィルタを2つ以上用いて加減速処理を行っても良い。X軸の加減速制御を行う際にY軸の時定数も用いても良い。例えば、X軸のトルク抑制時定数t(x)と、X軸の可変制振時定数t(x)と、Y軸の可変制振時定数t(y)と、X軸の固定制振時定数t(x)の4つの時定数に対応するFIRフィルタを用いて加減速処理を行っても良い。同様にY軸の加減速制御を行う際に、X軸の時定数も用いても良い。Z軸の加減速を行う際に、X軸やY軸の加減速時定数を用いても良い。
<その他>
工作機械1は本発明の「機械」の一例である。CPU21は本発明の「制御部」の一例である。S25、S53の処理を行うCPU21は本発明の「第一決定部」の一例である。S27、S55の処理を行うCPU21は本発明の「第二決定部」の一例である。S33、S65の処理を行うCPU21は本発明の「処理部」の一例である。S29、S57の処理を行うCPU21は本発明の「第三決定部」の一例である。S25、S53の処理は本発明の「第一決定工程」の一例である。S27、S55の処理は本発明の「第二決定工程」の一例である。S33、S65の処理は本発明の「処理工程」の一例である。
1 :工作機械
4 :工具
9 :主軸
10 :工作機械
13 :X軸モータ
14 :Y軸モータ
16 :操作盤
20 :数値制御装置
21 :CPU
50 :テーブル
FIR1 :第一フィルタ
FIR2 :第二フィルタ
FIR3 :第三フィルタ
Ffix :固定制振周波数
Fvar :可変制振周波数
M :積載質量
t1 :トルク抑制時定数
t2 :可変制振時定数
t3 :固定制振時定数

Claims (7)

  1. テーブルをモータで移動し、主軸に装着した工具で前記テーブル上に治具で支持した被削材を加工可能な機械の動作を制御し、前記テーブルの位置指令から生成した速度波形をフィルタで処理する加減速処理を実行可能な制御部を備えた数値制御装置において、
    前記制御部は、
    前記治具、及び、前記テーブル上の前記被削材を含む積載物の質量である積載質量に応じて変化する前記モータの最大トルクに応じた時定数であるトルク抑制時定数を決定する第一決定部と、
    前記積載質量に応じて変化する前記機械に固有の振動周波数に応じた可変制振周波数の逆数を、可変制振時定数として決定する第二決定部と、
    前記第一決定部により決定した前記トルク抑制時定数を有する第一フィルタと、前記第二決定部により決定した前記可変制振時定数を有する第二フィルタを用いて前記加減速処理を実行する処理部と
    を備えたことを特徴とする数値制御装置。
  2. 前記積載質量と前記可変制振周波数とが非線形の関係を有することを特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。
  3. 前記制御部は、
    前記積載質量に応じて変化しない前記機械に固有の振動周波数に応じた固定制振周波数の逆数を、固定制振時定数として決定する第三決定部を更に備え、
    前記処理部は、
    前記第三決定部により決定した前記固定制振時定数を有する第三フィルタを更に用いて前記加減速処理を実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の数値制御装置。
  4. 前記制御部は、
    前記テーブルの移動時、前記モータのトルクと加速度とを取得する取得部と、
    前記取得部により取得した前記トルクと前記加速度とに基づき、前記積載質量を推定する推定部と
    を更に実行し、
    前記第一決定部は、
    前記推定部により推定した前記積載質量に基づき、前記トルク抑制時定数を決定し、
    前記第二決定部は、
    前記推定部により推定した前期積載質量に基づき、前記可変制振時定数を決定することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の数値制御装置。
  5. 前記テーブルは、交差する二軸方向へ移動可能であって、
    前記モータは、前記二軸方向の軸毎に夫々設け、
    前記第一決定部は、前記軸毎に前記トルク抑制時定数を決定し、
    前記第二決定部は、前記軸毎に前記可変制振時定数を決定し、
    前記処理部は、前記軸毎に前記加減速処理を実行可能であること
    を特徴とする請求項1から4の何れかに記載の数値制御装置。
  6. 前記フィルタはFIRフィルタであることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の数値制御装置。
  7. テーブルをモータで移動し、主軸に装着した工具で前記テーブル上に治具で支持した被削材を加工可能な機械の動作を制御し、前記テーブルの位置指令から生成した速度波形をフィルタで処理する加減速処理を実行可能な制御方法であって、
    前記治具、及び、前記テーブル上の前記被削材を含む積載物の質量である積載質量に応じて変化する前記モータの最大トルクに応じた時定数であるトルク抑制時定数を決定する第一決定工程と、
    前記積載質量に応じて変化する前記機械に固有の振動周波数に応じた可変制振周波数の逆数を、可変制振時定数として決定する第二決定工程と、
    前記第一決定工程により決定した前記トルク抑制時定数を有する第一フィルタと、前記第二決定工程により決定した前記可変制振時定数を有する第二フィルタを用いて前記加減速処理を実行する処理工程と
    を備えたことを特徴とする制御方法。
JP2019139576A 2019-07-30 2019-07-30 数値制御装置及び制御方法 Active JP7238673B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019139576A JP7238673B2 (ja) 2019-07-30 2019-07-30 数値制御装置及び制御方法
CN202010530639.6A CN112305996B (zh) 2019-07-30 2020-06-11 数值控制装置和控制方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019139576A JP7238673B2 (ja) 2019-07-30 2019-07-30 数値制御装置及び制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021022272A true JP2021022272A (ja) 2021-02-18
JP7238673B2 JP7238673B2 (ja) 2023-03-14

Family

ID=74336425

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019139576A Active JP7238673B2 (ja) 2019-07-30 2019-07-30 数値制御装置及び制御方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7238673B2 (ja)
CN (1) CN112305996B (ja)

Citations (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59168513A (ja) * 1983-03-16 1984-09-22 Fanuc Ltd 加減速制御方式
JPH0212407A (ja) * 1988-06-30 1990-01-17 Okuma Mach Works Ltd 数値制御装置
JPH04283047A (ja) * 1991-03-12 1992-10-08 Yamazaki Mazak Corp マシニングセンタ
JP2004188541A (ja) * 2002-12-11 2004-07-08 Yamazaki Mazak Corp 工作機械の送り軸パラメータ調整システム
JP2004237398A (ja) * 2003-02-06 2004-08-26 Mori Seiki Co Ltd Nc工作機械送り機構部の制御装置
JP2007072943A (ja) * 2005-09-09 2007-03-22 Tokyo Univ Of Agriculture & Technology 位置制御装置
JP2008243176A (ja) * 2007-02-28 2008-10-09 Fuji Mach Mfg Co Ltd 位置制御装置
US20090265029A1 (en) * 2008-04-18 2009-10-22 Foxnum Technology Co., Ltd. Machine tool and control method thereof
JP2012168926A (ja) * 2011-01-28 2012-09-06 Okuma Corp 位置制御装置
JP2014191631A (ja) * 2013-03-27 2014-10-06 Brother Ind Ltd 数値制御装置及び駆動制御方法
JP5810283B2 (ja) * 2013-04-10 2015-11-11 パナソニックIpマネジメント株式会社 モータ駆動装置
JP5865116B2 (ja) * 2012-02-24 2016-02-17 オークマ株式会社 位置制御装置
JP2016133987A (ja) * 2015-01-20 2016-07-25 ブラザー工業株式会社 数値制御装置と制御方法
JP2017138821A (ja) * 2016-02-04 2017-08-10 ブラザー工業株式会社 振動抑制装置と振動抑制方法
JP2018118362A (ja) * 2017-01-27 2018-08-02 東芝機械株式会社 工作機械および振動抑制方法
JP6664107B2 (ja) * 2013-03-29 2020-03-13 パナソニックIpマネジメント株式会社 モータ駆動装置のサーボ調整方法およびモータ駆動装置のサーボ調整を行うサーボ調整装置

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004086702A (ja) * 2002-08-28 2004-03-18 Yaskawa Electric Corp 振動抑制フィルタの自動設定方法
JP2004322947A (ja) * 2003-04-28 2004-11-18 Nissan Motor Co Ltd 振動抑制制御装置
JP2008146365A (ja) * 2006-12-11 2008-06-26 Hitachi Ltd ストレージシステムの障害回避方法
JP5407435B2 (ja) * 2009-03-05 2014-02-05 株式会社安川電機 モータ制御装置
JP2011010533A (ja) * 2009-05-25 2011-01-13 Yaskawa Electric Corp モータ制御装置及びモータ制御システム
JP6289766B2 (ja) * 2015-09-10 2018-03-07 シチズン時計株式会社 工作機械の制御装置、工作機械
JP6769219B2 (ja) * 2016-09-30 2020-10-14 ブラザー工業株式会社 数値制御装置
JP6750546B2 (ja) * 2017-03-29 2020-09-02 ブラザー工業株式会社 数値制御装置と制御方法
CN106970593B (zh) * 2017-04-18 2019-06-11 西安交通大学 一种通过主轴转速智能控制实现加工颤振在线抑制的方法
JP6560719B2 (ja) * 2017-07-27 2019-08-14 ファナック株式会社 数値制御装置および数値制御方法

Patent Citations (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59168513A (ja) * 1983-03-16 1984-09-22 Fanuc Ltd 加減速制御方式
JPH0212407A (ja) * 1988-06-30 1990-01-17 Okuma Mach Works Ltd 数値制御装置
JPH04283047A (ja) * 1991-03-12 1992-10-08 Yamazaki Mazak Corp マシニングセンタ
JP2004188541A (ja) * 2002-12-11 2004-07-08 Yamazaki Mazak Corp 工作機械の送り軸パラメータ調整システム
JP2004237398A (ja) * 2003-02-06 2004-08-26 Mori Seiki Co Ltd Nc工作機械送り機構部の制御装置
JP2007072943A (ja) * 2005-09-09 2007-03-22 Tokyo Univ Of Agriculture & Technology 位置制御装置
JP2008243176A (ja) * 2007-02-28 2008-10-09 Fuji Mach Mfg Co Ltd 位置制御装置
US20090265029A1 (en) * 2008-04-18 2009-10-22 Foxnum Technology Co., Ltd. Machine tool and control method thereof
JP2012168926A (ja) * 2011-01-28 2012-09-06 Okuma Corp 位置制御装置
JP5695555B2 (ja) * 2011-01-28 2015-04-08 オークマ株式会社 位置制御装置
JP5865116B2 (ja) * 2012-02-24 2016-02-17 オークマ株式会社 位置制御装置
JP2014191631A (ja) * 2013-03-27 2014-10-06 Brother Ind Ltd 数値制御装置及び駆動制御方法
JP6664107B2 (ja) * 2013-03-29 2020-03-13 パナソニックIpマネジメント株式会社 モータ駆動装置のサーボ調整方法およびモータ駆動装置のサーボ調整を行うサーボ調整装置
JP5810283B2 (ja) * 2013-04-10 2015-11-11 パナソニックIpマネジメント株式会社 モータ駆動装置
JP2016133987A (ja) * 2015-01-20 2016-07-25 ブラザー工業株式会社 数値制御装置と制御方法
JP2017138821A (ja) * 2016-02-04 2017-08-10 ブラザー工業株式会社 振動抑制装置と振動抑制方法
JP2018118362A (ja) * 2017-01-27 2018-08-02 東芝機械株式会社 工作機械および振動抑制方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN112305996A (zh) 2021-02-02
CN112305996B (zh) 2024-06-21
JP7238673B2 (ja) 2023-03-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5566469B2 (ja) 数値制御方法
JP6107306B2 (ja) 数値制御装置及び駆動制御方法
US9477218B2 (en) Numerical control method and numerical control device of machine tool
JP4474328B2 (ja) 穴明け加工機
JP6903485B2 (ja) 制振装置および加工機
JP6893792B2 (ja) 工作機械および振動抑制方法
CN110320858B (zh) 机床、平滑化方法
JP7230872B2 (ja) 数値制御装置及び数値制御方法
JP5321515B2 (ja) 工作機械の数値制御装置
JP2021022272A (ja) 数値制御装置及び制御方法
JP3686015B2 (ja) オービットボーリングの制御方法
JP6922815B2 (ja) 数値制御装置と制御方法
CN112748702B (zh) 振动抑制方法和振动抑制装置
JP6647422B2 (ja) 工作機械の送り軸制御方法および送り軸制御装置
JP5334932B2 (ja) パラメータ設定方法およびパラメータ設定装置
JP7226070B2 (ja) 数値制御装置
JP2021064363A (ja) 数値制御装置と制御方法
JP2006198742A (ja) 穴明け加工機
JP2021038817A (ja) パラメータの設定方法、及び、制御装置
US11003171B2 (en) Parameter setting device, system, and parameter setting method
JPH1063339A (ja) 数値制御工作機械の制御装置
JP2023149799A (ja) 数値制御装置、及び数値制御装置の制御方法
JP2022131354A (ja) 振動抑制方法、振動抑制装置、及び工作機械
JP2023051255A (ja) 制御装置及び速度制御方法
JP2002108425A (ja) 加工装置の制御パラメータ設定装置及び加工装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220728

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220802

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220928

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230131

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230213

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7238673

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150