JP2021019955A - 穿刺補助具 - Google Patents

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裕司 阪下
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芳樹 澤
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Chuji Kirino
宙治 桐野
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寿稔 安部
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Abstract

【課題】頚静脈の走行ライン方向に沿って穿刺針を安定して刺し入れることを可能とすることで、頚動脈への誤穿刺等を防止することが可能な穿刺用補助具を提供する。【解決手段】超音波ガイド下で穿刺を行う場合には超音波プローブの形状やその軸方向に関係なく適用が可能で、かつ、ランドマーク法のように超音波ガイド下で穿刺を行わない場合であっても適用が可能で、生体の血管に穿刺針112を経皮的に穿刺するための穿刺補助具8Bであって、予め生体内の走行が確認された血管に対して穿刺針の進行方向を規制する規制部を有する本体と、該本体を生体の皮膚に固定するための固定手段とを備える穿刺補助具。【選択図】図17

Description

本発明は、生体の体内の血管等に経皮的に穿刺針を穿刺する際に用いられる穿刺補助具に関するものである。
従来から、採血、薬剤又は栄養剤の投与、カテーテルの挿入、生体組織の採取等の目的で、生体に対して穿刺針を穿刺する行為は医療の現場で広く行われている。このような穿刺針の穿刺は、医師の経験、X線画像、解剖学等に基づき、穿刺部位の構造を仮想して非透視下で行われることが多かった。このような穿刺であっても、多くの場合目的部位に穿刺され、適切な医療行為が行われているが、例えば、穿刺経験の少ない医師の場合、穿刺部位の構造が特殊で難易度の高い被検体の場合等では、目的以外の生体組織を損傷することなどにより重篤な合併症を引き起こす場合があった。中心静脈に対する経皮的穿刺(中心静脈穿刺)を例に、生体の血管への穿刺について詳述すると以下のとおりである。
中心静脈穿刺は医療の基本手技であり、医療の様々な分野で行われている。例えば、高カロリー輸液や血管作動薬等の投与、中心静脈圧測定等を行って全身管理を行うために中心静脈にカテーテルを挿入、留置する際に、中心静脈穿刺が行われる。中心静脈へカテーテルを留置するための穿刺部位としては、内頚静脈、鎖骨下静脈、大腿静脈、肘静脈が用いられる。このうち、手術室・集中治療室で穿刺を行う場合は、アクセスの良さ、重篤な合併症の少なさから右内頚静脈が第一選択とされている。中心静脈穿刺では、従来から、体表の解剖学的指標を基に穿刺を行うランドマーク法と呼ばれる手技が一般的に行われている。近年では、後述する超音波ガイド下での穿刺が一般的になりつつあるが、ランドマーク法は依然として行われている穿刺手技である。ランドマーク法の成功率は90%程度であるとされており、比較的高い確率で安全に手技が行われていると考えられている。その一方、合併症の発生率は0〜20%との報告もある。また、穿刺部位が内頚静脈の場合、これに並走する総頸動脈への誤穿刺の危険性が指摘されている。このように、ランドマーク法は、成功率が高い反面、重篤な合併症を引き起こす可能性のある手技であるとされている。
このようなランドマーク法による合併症を回避する観点から、超音波で予め中心静脈の走行や穿刺部位の断面構造を把握した後、(1)ランドマーク法により穿刺を行ったり、(2)超音波ガイド下で穿刺を行ったりする手技が行われている。しかし、(1)の場合は、予め血管の走行や断面構造を把握しているものの、何のガイドもなく中心静脈へ経皮的穿刺を行うことは必ずしも容易ではない。また、中心静脈穿刺は、例えば大きな手術を行う前に行われる全身管理のための基本的手技であるため、経験の浅い医師が担当することが多い。そのため、中心静脈穿刺を行う医師には、失敗は許されない、正確かつ迅速に処置を終えねばならない等の大きな心理的重圧がかかり、手元が微妙に狂う場合がある。その結果、例えば内頸静脈の走行ライン方向に沿った穿刺ができず、並走する総頸動脈を誤穿刺する場合がある。(2)の場合は、リアルタイムで穿刺部位の断面構造を把握しつつ穿刺することがある程度可能ではあるが、穿刺を行う医師は、一方の手で超音波プローブを持ち、他方の手で穿刺針を持ち、かつ、超音波による超音波断層像をモニターで確認しつつ所定の穿刺位置から穿刺針を刺し入れなければならない。このように、両手が塞がった状態で、モニターと穿刺位置との双方を見ながら穿刺経路を決定しそれに基づいて穿刺を行わなければならないため、適切な穿刺が行えない場合がある。また、上記(1)の場合と同様の心理的重圧がかかると、なお一層、適切な穿刺が困難になる場合がある。これらの結果、(1)の場合と同様に、総頸動脈を誤穿刺する場合がある。
上記(2)の超音波ガイド下で穿刺を行う場合には、このような状況を解消し、決定した穿刺経路に沿って穿刺することを補助することを目的として、超音波プローブに着脱可能に固定して用いられる穿刺用ガイドが提案されている(特許文献1)。
特許第5514119号公報
例えば特許文献1には、超音波トランスデューサ(超音波プローブ)の先端部を収容する環状部材を含むブラケットと、ブラケットに容易に取り付けられ、患者の身体を所望の深さまで貫通させるために穿刺器具を受承し、予め定められた角度を有する経路を構築するように構成された穿刺器具ガイド(穿刺用ガイド)とを含むガイドシステムが記載されている。このように特許文献1に記載の発明では、超音波プローブに穿刺器具ガイドを固定するためのブラケットが必要である。しかし、超音波プローブの形状は機種によって異なり機種に合った形状のブラケットを準備することが必要となる。また、このようなブラケットに取り付け可能な穿刺用ガイドは、ブラケットの超音波プローブへの取り付けが煩雑であり、穿刺用ガイドの選択とその取付けも煩雑で、超音波プローブの適用する軸方向の選択に制限が生じる場合があるなど、医療現場の実情に沿っていない。
そこで、本発明の目的は、超音波ガイド下で穿刺を行う場合には超音波プローブの形状やその軸方向に関係なく適用が可能で、かつ、ランドマーク法のように超音波ガイド下で穿刺を行わない場合であっても適用が可能で、例えば頚静脈の走行ライン方向に沿って穿刺針を安定して刺し入れることを可能とすることで、頚動脈への誤穿刺等を防止することが可能な穿刺用補助具を提供することである。
本発明者は、前述の課題解決のために、鋭意検討を行った。その結果、従来技術のように穿刺用ガイドを超音波プローブに取り付けるのではなく、生体の皮膚への固定を可能とする構成を採用することが有効であることを見出した。そして、例えば内頚静脈等の穿刺対象となる血管の走行ライン方向に沿うように穿刺針の進路を規制する構成を採用することで、頸動脈等の他臓器の誤穿刺を抑制することが可能であることを見出した。これらの知見から本発明を完成させるに至った。
本発明の態様は、生体の血管に穿刺針を経皮的に穿刺するための穿刺補助具であって、予め生体内の走行が確認された血管に対して穿刺針の進行方向を規制する規制部を有する本体と、該本体を生体の皮膚に固定するための固定手段とを備える穿刺補助具に関する。
本発明の態様において、前記規制部は、皮膚表面に想定された血管の走行ラインに沿うように穿刺針の走行ライン方向に対する直進方向を規制する直進方向規制部を有してもよい。
ここで、「穿刺針の走行ライン方向に対する直進方向」とは、皮膚表面に平行な面での平面視における、血管の走行ライン方向と穿刺針の進行方向を意味する。
本発明の態様において、前記直進方向規制部は、少なくとも前記走行ライン方向に離間する部分において、穿刺針の進行方向に直交する方向の両側から穿刺針の側面と当接して係止可能に設けられた係止部を有してもよい。
本発明の態様において、前記係止部が、前記走行ライン方向に沿って連続する壁面、前記走行ライン方向に沿って不連続な壁面及び穿刺針と点接触可能な柱状体から選択される少なくとも1種の係止部を有してもよい。
本発明の態様において、前記係止部が、前記走行ライン方向に沿って連続して対向する壁面を有してもよい。
本発明の態様において、前記係止部が、穿刺針の進行方向に対して直交する方向において、皮膚側に近付くにしたがって、対向する壁面間の距離が狭くなる部分を有してもよい。
本発明の態様において、前記規制部は、穿刺針の皮膚に対する進行角度を規制する進行角度規制部を有してもよい。
ここで、「穿刺針の皮膚に対する進行角度」とは、穿刺針を皮膚に穿刺した時の皮膚表面に対して穿刺針のなす角度を意味する。
本発明の態様において、前記規制部は、前記係止部を有する場合、前記進行角度規制部は、前記走行ライン上で前記係止部の間に設けられ、皮膚に対する穿刺針の進行角度を予め設定された角度に調節可能に皮膚側から穿刺針と当接して係止可能に設けられてもよい。
本発明の態様において、前記進行角度規制部は、前記走行ライン方向に沿って皮膚上の穿刺位置に近づくにしたがって、皮膚表面からの高さが小さくなるように連続して傾斜する傾斜部を有してもよい。
本発明の態様において、前記傾斜部は、前記走行ライン上の形状として、一直線、凸折線及び凸曲線から選択される少なくとも1種の形状を有してもよい。
本発明の態様において、前記固定手段は、皮膚と着脱可能に接合する接合部と、前記本体と連結する連結部と、前記接合部が一方の面に固定され、それとは反対側の面に前記連結部が固定されたシート状の基材部と、を有してもよい。
本発明の態様において、前記本体は、皮膚と近接する側に、前記規制部を支持する支持部を有してもよい。
本発明の態様において、前記本体が前記支持部を有する場合、前記固定手段は、前記本体の前記支持部の少なくとも一部に固定されていてもよい。
本発明の態様において、前記本体が前記支持部を有する場合、前記支持部は、穿刺位置の側に伸びる板状部を有し、当該板状部には穿刺針が皮膚に穿刺可能な貫通孔又は切り欠き部が設けられていてもよい。
本発明の態様において、前記本体又は固定手段には、生体中の血管の穿刺位置、皮膚上の穿刺位置又は穿刺を補助する超音波プローブの設置位置を示すマークが表示された補助シートが連接されていてもよい。
本発明の態様において、前記本体の皮膚側を除く外表面には、前記走行ラインに沿って前記外表面に凹部及び/又は凸部が形成されていてもよい。
本発明の態様において、前記傾斜部を有する場合、前記本体には、前記傾斜部の前記走行ライン上の形状が前記進行角度規制部間の外側にも形成されていてもよい。
本願発明に係る穿刺補助具は、超音波ガイド下で穿刺を行う場合には超音波プローブの形状やその軸方向に関係なく適用が可能で、かつ、ランドマーク法のように超音波ガイド下で穿刺を行わない場合であっても適用が可能である。そのため、術者は、例えば頚静脈の走行ライン方向に沿って穿刺針を安定して刺し入れることが可能である。その結果、例えば頸静脈に並走する頚動脈への誤穿刺等を防止することが可能である。
(a)は、実施例1に係る穿刺補助具の本体1aを模式的に示した斜視図である。(b)は、実施例2に係る穿刺補助具の本体1bを模式的に示した斜視図である。(c)は、実施例3に係る穿刺補助具の本体1cを模式的に示した斜視図である。 (a)は、実施例4に係る穿刺補助具の本体2aの構造を説明するための斜視断面図である。(b)は、実施例5に係る穿刺補助具の本体2bの構造を説明するための斜視断面図である。 (a)は、実施例6に係る穿刺補助具の本体3aの構造を説明するための斜視断面図である。(b)は、実施例7に係る穿刺補助具の本体3bの構造を説明するための斜視断面図である。 (a)は、実施例8に係る穿刺補助具の本体4aの構造を説明するための斜視断面図である。(b)は、実施例9に係る穿刺補助具の本体4bの構造を説明するための斜視断面図である。(c)は、実施例10に係る穿刺補助具の本体4cの構造を説明するための斜視断面図である。 (a)は、実施例11に係る穿刺補助具の本体5aの構造を説明するための斜視図である。(b)は、図5(a)におけるI−I線斜視片側断面図である。 (a)実施例12に係る穿刺補助具の本体5bの構造を説明するための斜視図である。図6(b)は、図6(a)におけるII−II線斜視片側断面図である。 (a)は、実施例13に係る穿刺補助具の本体6aの構造を説明するための斜視図である。(b)は、図7(A)におけるIII−III線斜視片側断面図である。 (a)は、実施例14に係る穿刺補助具の本体6bの構造を説明するための斜視図である。(b)は、図8(a)におけるIV−IV線斜視片側断面図である。 (a)は、実施例15に係る穿刺補助具の本体7aの構造を説明するための斜視図である。(b)は、図9(a)におけるV−V線斜視片側断面図である。 (a)は、実施例16に係る穿刺補助具の本体7bの構造を説明するための斜視図である。(b)は、図10(A)におけるVI−VI線斜視片側断面図である。 (a)は、実施例17に係る穿刺補助具の本体8aの構造を説明するための斜視図である。(b)は、図11(a)におけるVII−VII線斜視片側断面図である。 (a)は、実施例18に係る穿刺補助具の本体8bの構造を説明するための斜視図である。(b)は、図12(a)におけるVIII−VIII線斜視片側断面図である。 (a)は、実施例19に係る穿刺補助具9Aの構造を説明するための斜視図である。(b)は、実施例20に係る穿刺補助具9Bの構造を説明するための斜視図である。 (a)は、実施例21に係る穿刺補助具10Aの構造を説明するための斜視図である。(b)は、実施例22に係る穿刺補助具10Bの構造を説明するための斜視図である。 ヒトの頸部周辺で、中心静脈穿刺を行う際に穿刺の対象となる主な静脈の走行を模式的に示した説明図である。 (a)は、ヒトの頸部周辺において、皮膚表面に、内頚静脈の走行に沿って皮膚表面に想定される走行ラインを示すマークと、生体内の血管の穿刺予定位置を示すマークとが付された時の状態を模式的に示した説明図である。(b)は、図16(a)に示されたマークに合わせて、穿刺補助具を皮膚表面に固定した時の状態を模式的に示した説明図である。 超音波ガイド下で、穿刺補助具を用いて穿刺針を内頚静脈に向かって穿刺している時の状態を模式的に示した説明図である。
本発明の実施形態に係る穿刺補助具は、生体の血管に穿刺針を経皮的に穿刺するためのものである。そして、この穿刺補助具は、予め生体内の走行が確認された血管に対して穿刺針の進行方向を規制する規制部を有する本体と、該本体を生体の皮膚に固定するための固定手段とを備える。前記規制部は、皮膚表面に想定された血管の走行ラインに沿うように穿刺針の走行ライン方向に対する直進方向を規制する直進方向規制部を有する。
このように穿刺用補助具は、所定の本体を生体の皮膚に固定するための固定手段を備えるため、超音波プローブの使用の有無及び超音波プローブの形状に関係なく、皮膚に直接固定して、穿刺針を穿刺する際に用いることができる。また、規制部は、穿刺針を受け入れてその進行方向を所定の方向に規制することが可能な直進方向規制部を有するため、術者は、血管の走行ライン方向に沿って穿刺針を安定して血管に刺し入れることが可能である。
前記直進方向規制部は、皮膚表面に想定された血管の走行ラインに沿うように穿刺針の走行ライン方向に対する直進方向を規制することが可能な構造を有するものであれば、特に限定はない。このような構造を有するものとしては、例えば、少なくとも前記走行ライン方向に離間する部分において、穿刺針の進行方向に直交する方向の両側から穿刺針の側面と当接して係止可能に設けられた係止部を有するものが挙げられる。例えば、走行ライン方向に離間する2地点において、その一方の地点で、穿刺針の進行方向に直交する方向のうち一方の側の方向から穿刺針の側面と当接し、もう一方の地点で、穿刺針の進行方向に直交する方向のうちもう一方の側の方向から穿刺針の側面と当接する、即ち、走行ライン方向に離間した2地点において対向する関係となるようにそれぞれ1カ所ずつ当接することで、穿刺針の走行ライン方向に対する直進方向を規制し、その進行方向を規制することができる。また、穿刺針の直進方向を規制する観点からは、穿刺針と直進方向規制部との当接は、このような離間した少なくとも2地点において対向する関係にある1カ所ずつ起こり得るものであればよいが、術者のより良好な操作性を確保する観点からは、離間した少なくとの2地点のうちの少なくとも一方の地点において対向する関係にある係止部を2カ所設け、もう一方の地点において前述の対向する関係にある係止部を1カ所設け、合計3カ所設けることが好ましい。また、この場合、離間した2地点において穿刺針の進行方向に直交する方向の同じ側に設けられる2カ所の係止部は、走行ライン方向に沿って連続した構造とすることもできる。術者のさらに良好な操作性を確保する観点からは、離間した少なくとも2地点の両方の地点において対向する関係にある係止部を2カ所設け、合計4カ所設けることがさらに好ましい。また、この場合も、離間した2地点において穿刺針の進行方向に直交する方向の同じ側に設けられる2カ所の係止部は、走行ライン方向に沿って連続した構造とすることもできる。
このような係止部の構造としては、例えば、前記走行ライン方向に沿って連続する壁面、前記走行ライン方向に沿って不連続な壁面及び穿刺針と点接触可能な柱状体から選択される少なくとも1種の係止部を有するものが挙げられる。これらは適宜組み合わせることができる。例えば、前述のように穿刺針と当接するように、前記柱状体のみ又は前記不連続な壁面のみ又は前記柱状体と前記不連続な壁面を組み合わせて設けた構造、前記柱状体のみ又は前記不連続な壁面のみと、前記連続する壁面とを組み合わせて設けた構造、前記走行ライン方向に沿って連続する壁面が対向して設けられた構造等が挙げられる。前記柱状体及び前記不連続な壁面を設置する位置及び数は、前述のように穿刺針と当接させることを考慮して決定することができる。このうち、術者のより良好な操作性の観点、走行ライン方向に対する穿刺針の直進方向を良好に規制する観点から、前記走行ライン方向に沿った本体の両端部近傍において、穿刺針の進行方向に直交する方向の両側から穿刺針と当接可能なように係止部が設けられるのが好ましい。このような係止部の構造としては、前記走行ライン方向に沿った本体の両端部近傍において、穿刺針の進行方向に直交する方向の両側に前記柱状体のみ又は前記不連続な壁面のみ又は前記柱状体と前記不連続な壁面を組み合わせて合計4カ所設けた構造、前記走行ライン方向に沿って連続する壁面が対向して設けられた構造が好ましく、前記走行ライン方向に沿って連続する壁面が対向して設けられた構造がより好ましい。前記走行ライン方向に沿って連続する壁面が対向して設けられた構造としては、走行ライン方向の両端で開口する円筒形状、走行ライン方向に沿って対向する平面を有する構造等が挙げられる。円筒形状としては、内径が一定の円筒、内径が一方端から他方端に向かって漸減する漏斗形状等が挙げられる。走行ライン方向に沿って対向する平面を有する構造としては、走行ライン方向の両端で開口する角筒形状、対向する板状部を有する構造等が挙げられる。角筒形状としては、例えば、走行ライン方向の全長に亘り断面が同一の形状のもの、走行ライン方向に平行で皮膚表面に直交する、対向する平面を有し且つ穿刺する側に向かって断面積が漸次小さくなるような構造のもの等が挙げられる。また、筒形状の場合、走行ライン方向の全長に亘る開閉が可能な開口部を形成してもよい。
係止部は、少なくとも前記走行ライン方向に離間する部分において、穿刺針の進行方向に直交する方向の両側から穿刺針の側面と当接して係止可能に設けられる。そして、皮膚表面に想定された血管の走行ラインに沿うように穿刺針の走行ライン方向に対する進行角度を規制する。このような穿刺針の進行角度を規制する観点から、係止部の位置は、本体上に上記走行ラインに沿った直線を想定し、この直線を基準線とすると、穿刺針の側面と当接する部分の基準線からの最短距離が穿刺針の外径の半分に相当する長さ以上、この穿刺針の外径の半分と穿刺針が移動可能な程度の間隙との合計長さ以下とするのが好ましい。係止部が、穿刺針の進行方向に直交する方向で対向する2つの構造を有する場合は、対向する両構造間の最短距離が穿刺針の外径より大きく、この外径と穿刺針が移動可能な程度の間隙との合計長さ以下とするのが好ましい。また、係止部が、穿刺針との関係を考慮して、このような位置関係で設置される限り、2つの係止部の間で、走行ライン方向に沿って、皮膚側に近接する側の底部の構造は特に限定はなく、例えば、平面状、曲面状、多面状等であってよい。
一方、血管の穿刺に用いられる穿刺針の外径には複数の大きさがあり、最大と最小とで違いが生じる。そのため、適用される穿刺針の最大外径に合わせて係止部の位置を設定した場合に、最小外径の穿刺針を適用すると、穿刺針と係止部の間の間隙が大きくなり、穿刺針の進行角度が最大外径の場合に比べて規制が弱くなる可能性がある。そこで、穿刺針の外径によらず適用する観点から、前記係止部が、穿刺針の進行方向に対して直交する方向において、皮膚側に近付くにしたがって、対向する係止部の当接部分間の距離が狭くなる部分を有するのが好ましい。尚、このような構造は、穿刺針の長さ方向の中心線を走行ラインと一致させ易くする観点からも良好である。このような構成は、係止部の構造が、前記走行ライン方向に沿って連続する壁面が対向して設けられた構造である場合により有効である。このような構造としては、例えば、穿刺針の進行方向に直交する方向の断面において、V字状の構造を有するものが挙げられるがこれに限られない。このような所定断面におけるV字状の構造は、当該断面全体でV字状の構造でもよいし、穿刺針の進行方向に直交する断面の皮膚側に近い底部とその近傍部において採用され、皮膚側から遠い部分の断面はV字から連続する平行する2つの線で構成されたものでもよい。V字状の構造のV字の開き角度は特に限定はないが、穿刺針をズレなく走行ラインに沿って進行させる観点から10°〜90°が好ましい。また、直進方向規制部の係止部に、前記走行ライン方向に沿って連続する壁面が対向して設けられた構造が形成されている場合、後述する進行角度規制部としても機能し得る。
また、穿刺針の外径に応じた係止部の構成は、このような予め形成してもよいが、着脱可能に設けてもよい。着脱可能に設ける場合は、対向する係止部の当接部分間の距離が狭くなる部分を有するものに限らず、穿刺針の外径に応じた平行な当接部分を有するものであってもよい。
実施形態に係る穿刺針補助具は、前記規制部が、穿刺針の皮膚に対する進行角度を規制する進行角度規制部を有するものであるのが好ましい。これにより、走行ライン方向に加えて、穿刺針の皮膚に対する進行角度も規制されるため、予め確認した皮膚からの深さに存在する血管に、より確実に穿刺することができる。そのため他臓器への誤穿刺の可能性をより低減することができる。このような進行角度規制部としては、規制部又は直進方向規制部全体の皮膚に対する進行角度をバネ等の弾性体等を利用して機械的構造により任意又は段階的に変更可能にする構成、皮膚側から穿刺針と当接して係止可能な係止部等の構造物を設ける構成等が挙げられる。術者の操作性、角度調整の自由度の観点、立体構造の簡便性、ひいては滅菌性等の観点から、皮膚側から穿刺針と当接して係止可能な係止部等の構造物を設ける構成が好ましい。
進行角度規制部は、走行ライン方向及び皮膚に対する穿刺針の進行方向を同時に効率よく且つ簡便に規制する観点から、前記係止部を有する場合、前記走行ライン上で前記係止部の間に設けられ、皮膚に対する穿刺針の進行角度を予め設定された角度に調節可能に皮膚側から穿刺針と当接して係止可能に設けられるのが好ましい。このような進行角度規制部としては、例えば、穿刺針の側面上の少なくとも1点で支点として機能し得るもの、穿刺針の長さ方向の所定の長さに亘り接触するもの等が挙げられる。前記の支点として機能しうる構造としては、例えば、皮膚表面から所定の高さを有する1つの柱状体、皮膚表面からの高さが穿刺位置に近づくに従って低くなる2つ以上の柱状体、皮膚表面からの高さが皮膚上の穿刺位置に近づくに従って段階的に小さくなる階段状の構造、皮膚表面からの高さが皮膚上の穿刺位置に近づくに従って連続して小さくなる傾斜状の構造等が挙げられる。このうち、状況に応じた術者の角度調整の自由度の観点から、傾斜状の構造である傾斜部を有するものが好ましい傾向にある。傾斜状の構造は特に限定はなく、例えば、その前記走行ライン上の形状として、一直線、凸折線及び凸曲線から選択される少なくとも1種の形状を有するものが挙げられる。一直線の場合は、皮膚に対する角度が一定の角度を有するものである。この角度は、皮膚からの血管の深さ、穿刺方法に応じて決定することができる。例えば、ランドマーク法によりヒトの頸静脈を穿刺する場合は、一般に30°〜45°に設定される。また、超音波ガイド下にてヒトの頸静脈を穿刺する場合は、一般に60°に設定されるが、これより大きくてもよい。凸折線の場合は、皮膚上の穿刺位置に近づくに従い、皮膚に対する進行角度が段階的に大きくなるものである。このような構成としては、例えば、穿刺位置に近い側から順に、50°〜70°の特定の角度、40°〜60°の特定の角度、20°〜50°の特定の角度等とするもの等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。また、穿刺位置とは反対側で、傾斜部に連続して皮膚表面に平行な部分として0°となる部分を設けたものであってもよい。より具体的には、例えば、穿刺位置に近接する側から順に、60°又は45°、0°とする場合、60°、45°とする場合、60°、45°、0°とする場合等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。凸曲線の場合は、例えば円弧、楕円弧、等が挙げられる。円弧及び楕円弧の長さは適宜選択することができ、例えば、1/4円弧、長径と短径の部分で区画される1/4楕円弧等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。曲線と直線を組み合わせる場合は、凹部が形成されないように、弧の両端で連続させるのが好ましい。また、このような走行ライン上の形状を含む傾斜部の形状としては、傾斜面等が挙げられる。
本体部は、必要に応じて、皮膚と近接する側に、前記規制部を支持する支持部を有してもよい。これにより、本体を皮膚に固定した時に、皮膚に対してより安定して本体が固定されるため、規制部の方向がずれることなくより安定した穿刺が可能になる。
支持部の形状、構造は、特に限定はなく、規制部の形状、構造、後述する固定手段に応じて適宜決定することができる。例えば、規制部の直進方向規制部が、前記走行ライン方向に沿って連続する壁面を有する板状の構造を有する部材、前述のように前記走行ライン方向に沿って不連続な壁面を有する棒状又は板状の構造を有する部材、穿刺針と点接触可能な柱状体を有する場合は、これらを載置して皮膚側から支持することが可能な板状の構造を有する構造体を採用することができる。また、前記走行ライン方向に沿って連続して対向する壁面を有する2つの板状の構造を有する部材の場合も、これらの部材を載置して皮膚側から支持することが可能な板状の構造を有する構造体を採用することができる。また、規制部の直進方向規制部が、前記走行ライン方向に沿って連続して対向する壁面を形成する板状の構造の皮膚側に近接する部分から伸びて両者を連続させ底部を形成した構造を有する部材の場合は、この部材を載置して皮膚側から支持することが可能な板状の構造の構造体、又は、壁面を形成する板状の構造を有する部分のうち、その底部の近傍部で連接し皮膚表面に沿って延びる板状の構造の構造体を採用することができる。さらに、規制部が、前述した各種の直進方向規制部と進行角度規制部とを有する場合も、規制部を含む部分全体を載置して皮膚側から支持することが可能な板状の構造を有する構造体、又は、規制部を含む部分のうち、皮膚に近接する底部の近傍部で連接し皮膚表面に沿って延びる板状の構造を有する構造体等を採用することができる。また、このような板状の構造を有する構造体は、規制部を含む部分をより良好に支持する観点から、規制部を含む部分の皮膚側に近接する部分の外周部分から皮膚表面に沿って延びるように板状部が形成されるのが望ましい。このような板状部を設ける位置は特に限定はなく、規制部を含む部分の外周に沿って全体に設けてもよいし、その外周の一部に設けてもよい。その板状の構造の形状、大きさ等は、適用する皮膚表面の構造、固定手段の構造、配置等に応じて決定することができる。さらに、これらの部材は別々に形成し組み合わせてもよいし、一体的に形成してもよい。固定手段と支持部とが一体的に形成される場合、支持部又は支持部の一部を固定手段とともに着脱可能とするために別々に形成することが有利な傾向にある。成形コスト、洗浄性、滅菌性の観点から簡潔な構造を採用する場合は、本体を一体的に形成することが有利な傾向にある。また、固定手段を支持部に設ける場合、皮膚との接合力を確保し、穿刺の作業性を確保する観点から、走行ライン方向に直交する方向においてそれ以外の他の方向と比較して大きい支持部を設けることが有利な場合がある。
支持部の構造は、例えば前述の構造を採用することができるが、皮膚上の穿刺位置を特定し易くする観点からは、皮膚上の穿刺位置の側に伸びる板状部を有し、当該板状部には穿刺針が皮膚に穿刺可能な貫通孔又は切り欠き部が設けられているのが好ましい。貫通孔は、皮膚表面からの血管の深さに応じた皮膚に対する穿刺針の進行角度の選定を容易にする観点から、進行角度に対応した位置に対応するように複数設けてもよい。また、切り欠き部の場合には、同様の観点から、進行角度に対応した位置に角度の表示等を設けてもよい。もっとも、前記規制部の進行角度規制部により進行角度が特定される場合は必ずしも設ける必要はない。
本体の皮膚側を除く外表面には、走行ライン方向の視認性を確保する観点から、前記走行ラインに沿って前記外表面に凹部及び/又は凸部が形成されているのが好ましい。また、視認性を向上する観点から、これらの凹部及び凸部は、他の部分と異なる色が付与されているのがより好ましい。
また、本体には、前記進行角度規制部の前記傾斜部の前記走行ライン上の形状が前記係止部間の外側にも形成されているのが好ましい。これにより、傾斜部の構造を傾斜部の構造を直接確認することなく、目視又は手の触覚により容易に確認することができる。傾斜部の走行ライン上の形状は、穿刺針と当接し得る傾斜部の構造を確認する観点から、穿刺針と面する傾斜部の走行ライン上の表面の形状の全部又は一部が再現され、傾斜部と対応する位置関係になるように、係止部間の外側で、本体の外表面に設けられているのが好ましい。
固定手段は、本体を皮膚に直接固定可能なものであれば、如何なるものであってもよい。例えば、(i)皮膚と本体に着脱可能に接着可能な粘着層を備えたもの、(ii)皮膚と着脱可能に接着可能な粘着層と本体に着脱可能に固定可能な面ファスナー等の物理的固定部とを備えたもの、(iii)皮膚に着脱可能な吸盤と本体に着脱可能に吸盤を固定する粘着層又は物理的固定部を備えたもの、(iv)皮膚に着脱可能に接着可能な粘着層を備え、本体と着脱不能に連結する接着層を備えたもの、(v)本体に貫通孔等を設け、この貫通孔等に針を穿通する又は糸を通して皮膚に縫い付けて、本体を皮膚に固定するもの、(vi)マグネットを皮膚と本体にそれぞれ固定して磁力により着脱可能に皮膚に本体を固定するのも、(vii)本体に連結され、首等の生体の部位に巻き付け可能なベルトにより本体を皮膚に固定するもの、等が挙げられる。本体の洗浄、滅菌、再利用の観点から、このような粘着層や物理的固定部等は皮膚と本体に着脱可能なものが好ましい。(i)としては、例えば、(i-1)シート状基材の一方の面に粘着層を備えた片面テープを備えたもの、(i-2)シート状基材の一方の面を本体と他方の面を皮膚と接合可能な両面テープを備えたもの、(i-3)前記片面テープと前記両面テープとの組合せ等が挙げられる。(i-1)としては、サジカルテープ等の一般的な粘着層を備える片面テープ、皮膚と接合する接合部には粘着性を有する吸湿ゲル層が設けられ、本体と連結する部分にはサジカルテープ等の一般的な粘着層が設けられた片面テープ等が挙げられる。(i-2)としては、皮膚と着脱可能に接合する接合部と、前記本体と連結する連結部と、前記接合部が一方の面に固定され、それとは反対側の面に前記連結部が固定されたシート状の基材部と、を有するものが挙げられる。この接合部としては、例えば、サジカルテープ等と同様の一般的な粘着層、前記吸湿ゲル層等が挙げられる。その連結部としては、例えば、サジカルテープ等と同様の一般的な粘着層等が挙げられる。基材部としては、一般的な片面テープや両面テープで用いられるものを用いることができる。接合部を構成する粘着層は、皮膚との接合面積を確保する観点から基材部全体に形成されるのが好ましい。連結部を構成する粘着層は本体と接合する部分にのみ形成されるのが好ましい((i-3)に対応する。)が、本体と接合する部分以外は保護フィルムにて被覆したものであってもよい。(ii)としては、皮膚と着脱可能に接着可能な粘着層は、(i)の場合と同様の構成を採用することができる。本体に着脱可能に固定可能な物理的固定部としては、例えば、面ファスナーが挙げられる。粘着層と物理的固定部は、例えばシート状の基材部に形成される。面ファスナーは、フック面とループ面とを有し、そのうちの一方が本体、他方が基材部に接着剤等により固着されるのが好ましい。(iii)としては、例えば心電図の電極を皮膚に接続する際に用いられる吸盤等と、このような吸盤を本体に固定する粘着層又は物理的固定部を備えたものが挙げられる。物理的固定部としてはクリップ等が挙げられる。(iv)としては、上記(i-2)において、本体との連結部を接着剤等の接着層として、本体と着脱不能に連結するものが挙げられる。(v)としては、例えば、本体の皮膚に近接する側の周縁部に複数の貫通孔を設けて、貫通孔に縫合糸を通し、縫合糸により本体を皮膚に縫合固定するもの等が挙げられる。(vi)としては、例えば、本体の皮膚に近接する部分にマグネットをテープ、接着剤又は物理的機構で固定し、これに対応するように、マグネットをテープ等で皮膚に着脱可能に固定するもの等が挙げられる。
これらの固定手段のうち、本体の皮膚に対する固定の簡便性、確実性の観点から(i)、(iv)が好ましい。また、(i)のうちでは(i-2)がより好ましい。
固定手段は、本体の皮膚に対する固定の確実性の観点から、本体の支持部の少なくとも一部に固定されるのが好ましい。また、固定手段と本体との接合強度を確保する観点から、支持部以外の部分にも、固定手段と本体との連結部分が形成されてもよい。
本体又は固定手段には、生体中の血管の穿刺位置、皮膚上の穿刺位置又は穿刺を補助する超音波プローブの設置位置を示す基準線が表示された補助シートが連接されていてもよい。これにより、予め確認した生体内の血管に対して、より正確に穿刺針を刺し入れることが可能になる。
本体の材質は、合成樹脂、金属、セラミックス等何れでもよいが、合成樹脂が好ましい。また、本体及び固定手段を構成する各部の寸法は、穿刺針の寸法、穿刺補助具を設置する対象、設置位置等を考慮して適宜決定することができる。本体は、前述のような構造を有する外観形状を有すれば、中実構造でもよいし、内部に空間が形成されていてもよい。
以下、図面を参照しつつ、穿刺補助具の実施例を説明する。
(実施例1)
図1(a)は、実施例1に係る穿刺補助具の本体1aを模式的に示した斜視図である。実施例1に係る穿刺補助具は、規制部10と支持部17とを有する本体1aと、固定手段とを備える。規制部10の直進方向規制部10aとして3つの柱状体11、12、13を有する。柱状体11、12、13は、係止部として、穿刺針と点接触可能な側面部14、15、16を有する。柱状体11、12、13は、図1(a)では円柱状であるが、これに限られない。支持部17の表面17aからの高さは同じであるが、穿刺位置に近接する側の高さを低くしてもよい。柱状体11、12、13は、平板状の支持部17に載置されている。柱状体11、12、13は、支持部17と一体的に成形されてもよいし、別々に形成され一体化されたものであってもよい。支持部17は柱状体11、12、13の皮膚に近接する側に設けられている。支持部17は表面17aと、表面17aとは反対側で皮膚側となる裏面17bを有する。表面17aは本体1aの外表面を構成する。表面17aには、血管の走行ラインを外表面から目視確認することを容易にするため、血管の走行ラインに沿って形成された凹部18が形成されている。凹部18は、支持部17の走行ラインの一方端側の側面19から他方端側の側面20に亘って連続して形成された直線状の凹状である。直進方向規制部10aとなる柱状体11、12、13は、走行ライン方向を示す凹部18に沿って、走行ライン方向の両端部近傍に設けられている。このうち柱状体11は、その一方端部近傍において、凹部18に近接する位置に設けられている。柱状体12と柱状体13は、そのもう一方端部近傍において、凹部18を挟んで対向するように設けられている。柱状体11と柱状体12、13とは所定の間隔を置いて離間して設けられる。柱状体11は、走行ラインを示す凹部18に対して柱状体12と同じ側に設けられており、柱状体11と柱状体12は、穿刺針の進行角度を良好に規制する観点から、直線状の凹状である凹部18からの最短距離が同じになるように設けられている。柱状体12と柱状体13とは、例えば穿刺針が通過可能な間隔を隔てて設ければよい。図1(a)に示す例では、柱状体12と柱状体13とは、平行に設けられ、両者の間隔は等間隔であるが、穿刺針の外径の大きさに応じた間隔とするため、支持部17に向かって間隔が狭くなるように設けてもよい。或いは、柱状体12と柱状体13を円錐形状ないし円錐台形状としてもよい。凹部18は直線状に延びる断面V字状の構造を有する。この凹部18により術者は走行ライン方向を視認することができる。凹部18は断面V字状であることで、穿刺針の側面が凹部18の側面19又は側面20の端部においてV字部分と接して進行させる場合は、走行ラインと穿刺針の長さ方向の中心軸とを合致させて穿刺針を進行させることができる。支持部17の裏面17bには固定手段が設けられる。固定手段は、例えば前述の(i)〜(vii)に示したものを状況に応じて採用することができる。これらのうち、例えば前述した両面テープが採用され得る。両面テープは、裏面17bの全体に設けてもよいし、一部に設けてもよいし、裏面17bの全体又は一部に設けるとともに、例えば、後述する図13(a)に示したのと同様に、裏面17bから支持部17の外側に延びるように延設させた部分を含むものであってもよい。また、例えば、後述する図13(b)に示したのと同様に、表面17aから支持部17の外側に延びるように延設させた部分を含むもの(例えば、前述のように、サジカルテープや吸湿ゲル層を粘着層として有するテープ等の片面テープ)であってもよい。また、固定手段は、後述する図14(a)又は図14(b)に示したような切り欠き部(符号100、102、103)が設けられたものであってもよい。
実施例1では、穿刺針を、走行ラインを示す直線状に延びる凹部18に沿わせて、柱状体12と柱状体13の間に位置させる。そして、例えば、凹部18側から柱状体11の係止部を構成する側面14に対して穿刺針を押圧して当接させることで、側面14の当接部が支点となり、柱状体13の係止部を構成する側面16と穿刺針を当接させることができる。このように、走行ライン方向で離間する柱状体11と柱状体13とが、穿刺針の進行方向に直交する方向である柱状体11の側と柱状体13の側の両側から、穿刺針の側面と当接する。これにより、穿刺針の走行ライン方向に対する進行角度を規制することができる。
実施例1の変形例として、例えば、柱状体12を設けない以外は、実施例1と同じ構造を有する穿刺補助具、凹部18に沿って、一方から他方に向かって支持部17の表面17a又は裏面17bからの高さが漸次又は段階的に小さくなる構造体を進行角度規制部として設けた穿刺補助具等が挙げられる。
(実施例2)
図1(b)は、実施例2に係る穿刺補助具の本体部1bを模式的に示した斜視図である。穿刺補助具は、規制部10と支持部17とを有する本体1bと、固定手段とを備える。実施例2に係る穿刺補助具は、実施例1に係る穿刺補助具において、凹部18の一方端部近傍において、凹部18を挟んで柱状体11と対向するように柱状体21が設けられたものである。柱状体21以外は、実施例1と同じであるため、同じ構成には同じ符号を付して、異なる構成についてのみ説明する。実施例2は、規制部10の直進方向規制部10aとして4つの柱状体11、12、13、21を有する。柱状体21は、係止部となる穿刺針と点接触可能な側面部22を有する。柱状体21は、図1(b)では円柱状であるが、これに限られない。柱状体21は、支持部17の表面17aからの高さは同じであるが、穿刺位置に近接する側の高さを低くしてもよい。柱状体21は、平板状の支持部17に載置されている。柱状体21は、走行ラインを示す凹部18に対して柱状体13と同じ側に設けられており、柱状体21と柱状体13は、穿刺針の進行角度を良好に規制する観点から、直線状の凹条である凹部18からの最短距離が同じになるように設けられている。柱状体11と柱状体21とは、例えば穿刺針が通過可能な間隔を隔てて設ければよい。図1(b)に示す例では、柱状体11と柱状体21とは、平行に設けられ、両者の間隔は等間隔であるが、穿刺針の外径の大きさに応じた間隔とするため、支持部17に向かって間隔が狭くなるように設けてもよい。或いは、柱状体11と柱状体21を円錐形状ないし円錐台形状としてもよい。固定手段は、実施例1と同じものを採用することができる。
実施例2では、穿刺針を、走行ラインを示す直線状に延びる凹部18に沿わせて、柱状体11と柱状体21及び柱状体12と柱状体13の間に位置させる。そして、実施例1の場合と同様に、柱状体11と柱状体13との組合せにより、又は、柱状体21と柱状体12の組み合わせにより、穿刺針の走行ライン方向に対する進行角度を規制することができる。柱状体21と柱状体12の組み合わせについて説明すると、例えば、凹部18側から柱状体21の係止部を構成する側面22に対して穿刺針を押圧して当接させることで、側面部22の当接部が支点となり、柱状体12の係止部を構成する側面15と穿刺針を当接させることができる。このように、走行ライン方向で離間する柱状体21と柱状体12とが、穿刺針の進行方向に直交する方向である柱状体21の側と柱状体12の側の両側から、穿刺針の側面と当接する。これにより、穿刺針の走行ライン方向に対する進行角度を規制することができる。実施例2のように、本体1bの走行ライン方向の両端部において走行ライン方向に対する穿刺針の進行角度を規制することが可能になるため、実施例1に比べてより確実に、その進行角度を規制することができる。
実施例2の変形例として、例えば、凹部18に沿って、一方から他方に向かって支持部17の表面17a又は裏面17bからの高さが漸次又は段階的に小さくなる構造体を進行角度規制部として設けた穿刺補助具等が挙げられる。
(実施例3)
図1(c)は、実施例3に係る穿刺補助具の本体1cを模式的に示した斜視図である。実施例3に係る穿刺補助具は、規制部10と支持部17とを有する本体1cと、固定手段とを備える。穿刺補助具は、実施例1に係る穿刺補助具において、柱状体11と柱状体12に替えて、走行ライン方向を示す凹部18に沿って連続する壁面24を有する板状体23が設けられたものである。壁面24を有する板状体23が設けられた以外は、実施例1と同じであるため、同じ構成には同じ符号を付して、異なる構成についてのみ説明する。実施例3は、規制部10の直進方向規制部10aとして1つの柱状体13と、凹部18に沿って連続する壁面24とを有する。壁面24は、係止部となる穿刺針の側面と当接して係止可能な部分を有する。図1(c)に示す例では、壁面24は、走行ライン方向を示す直線状の凹部18側に面し、これに沿って平行な平面であり、柱状体11側に面し、これに対して平行な平面である。壁面24は板状体23の一方の面を構成し、板状体23の厚さは一定である。図1(c)に示す例では、柱状体13と壁面24とは、平行に設けられ、両者の間隔は等間隔であるが、穿刺針の外径の大きさに応じた間隔とするため、支持部17に向かって間隔が狭くなるように設けてもよい。或いは、柱状体13を円錐形状ないし円錐台形状とし、板状体23の壁面24を支持部17の表面17aに対して傾斜するように厚みを変化させたものとしてもよい。固定手段は、実施例1の場合と同様の構成を採用することができるが、本体1cの皮膚への固定性をより向上させる観点から、板状体23が設置されている側については、板状体23から支持部17の表面17aを経てさらに支持部17の外側に延びるように延設させた部分を含むものであってもよい。
実施例3では、穿刺針を、走行ラインを示す直線状に延びる凹部18に沿わせて、柱状体13と壁面24の間に位置させる。そして、例えば、柱状体13が設けられていない側において、凹部18側から壁面24の係止部を構成する部分に対して穿刺針を押圧して当接させることで、壁面24の当接部が支点となり、柱状体13の係止部を構成する側面16と穿刺針を当接させることができる。このように、走行ライン方向で離間する壁面24の柱状体13とは反対側の端部と柱状体13とが、穿刺針の進行方向に直交する方向である柱状体13の側と壁面24の側の両側から、穿刺針の側面と当接する。これにより、穿刺針の走行ライン方向に対する進行角度を規制することができる。
実施例3の変形例として、例えば、凹部18に沿って、一方から他方に向かって支持部17の表面17a又は裏面17bからの高さが漸次又は段階的に小さくなる構造体を進行角度規制部として設けた穿刺補助具等が挙げられる。
(実施例4)
図2(a)は、実施例4に係る穿刺補助具の本体2aの構造を説明するための斜視断面図である。図2(a)中、実線で示した部分と二点鎖線で示した部分は対称構造を有する。実施例4に係る穿刺補助具は、規制部27を有する本体2aと、固定手段とを備える。本体2aは、底面29を有する四面体(本例では立方体である。)に、皮膚表面に想定された血管の走行ラインを含む平面に沿うことが可能な切り欠き部が規制部27として形成された構造を有する。この切り欠き部(規制部27)は、その走行ラインに沿って連続し得る壁面25及び壁面26を有する。壁面25と壁面26とは対向して平行に形成され、本体2aに穿刺針を受け入れ可能な間隙を形成する。この対向する壁面25と壁面26により直進方向規制部27aが形成される。また、例えば、壁面25の走行ライン方向に直交する一方端25aの近傍部、他方端25bの近傍部又は壁面25全体、及び、壁面26の走行ライン方向に直交する一方端26aの近傍部、他方端26bの近傍部又は壁面26全体が、係止部を構成し得る。さらに、穿刺針の進行方向に応じて、壁面25、26の走行ライン方向に沿って平行な端部25e、26eも係止部を構成し得る。これらの壁面の端部近傍部及び壁面は、穿刺針の進行方向に直交する方向の両側から穿刺針の側面と当接して穿刺針が摺動しながら係止することができる。壁面25と壁面26は、皮膚に近接する側で連続し、走行ライン方向に沿って壁面25、26の一方端25a、26aから他方端25b、26bに亘る底部28が形成されている。底部28は連続する平面であり、皮膚に対して平行に設けられている。このように、規制部27は、走行ライン方向に沿ってその両端で開口するとともに、底部28と対向する側の面も開口し、穿刺針を受け入れて、走行ラインに沿って摺動可能な隙間が形成されている。底面29は規制部27を皮膚側から支持する支持部を構成し得る。底面29には、固定手段として、例えば前述の(i)〜(vii)に示したものを状況に応じて設けられ得る。このうち、例えば前述した各種の両面テープが設けられ得る。両面テープは、底面29の全体に設けてもよいし、一部に設けてもよいし、底面29の全体又は一部に設けるとともに、例えば、後述する図13(a)に示したのと同様に、底面29から支持部17の外側に延びるように延設させた部分を含むものであってもよい。また、固定手段は、壁面25、26とは反対側の面25c、26cから連続し、皮膚表面に延びる前述の各種の片面テープであってもよい。また、固定手段は、後述する図14(a)又は図14(b)に示したような切り欠き部(符号100、102、103)が設けられたものであってもよい。
(実施例5)
図2(b)は、実施例5に係る穿刺補助具の本体2bの構造を説明するための斜視断面図である。図2(b)中、実線で示した部分と二点鎖線で示した部分は対称構造を有する。実施例5に係る穿刺補助具は、規制部27及び支持部30を有する本体2bと、固定手段とを備える。本体2bは、実施例4と同じ規制部27の構造を有する。一方、穿刺補助具では、実施例4における壁面25cと壁面26cと間の距離を小さくして壁面25dと壁面26dを形成するとともに、皮膚に近接する部分に、壁面25d、26dから皮膚表面に沿って平行に延びて規制部27を含む部分を支持する支持部30を設けている。壁面25と壁面25dとにより、板状体が形成されている。即ち、この板状体は、厚さが一定の平板状で、壁面25がその一方の面を構成し、もう一方の面を壁面25dが構成する。壁面26と壁面26dについても同様に、両者により板状体が形成されている。板状体と支持部30とで構成される本体2bの皮膚表面と近接する部分は実施例4と同じ底面29が形成される。底面29には、固定手段として例えば実施例4と同様のものが設けられ得る。また、固定手段は、支持部30の表面から連続し、皮膚表面に延びる前述の各種の片面テープであってもよい。尚、実施例4と同じ構成は同じ符号を付して説明を省略する。
実施例1〜5に係る穿刺補助具は、規制部10、27に直進方向規制部10a、27aのみが設けられた実施形態である。このような実施形態では、皮膚に対する進行角度を術者の判断により任意に選択可能である。
(実施例6)
図3(a)は、実施例6に係る穿刺補助具の本体3aの構造を説明するための斜視断面図である。図3(a)中、実線で示した部分と二点鎖線で示した部分は対称構造を有する。実施例6に係る穿刺補助具は、規制部33を有する本体3aと、固定手段とを備える。実施例6は、実施例4の穿刺補助具の本体2aに進行角度規制部を設けた変形例である。そのため、共通する構成については同じ符号を付し、説明を省略する。本体3aは、底面29を有する四面体(本例では、立方体である。)に、皮膚表面に想定された血管の走行ラインを含む平面に沿うことが可能な切り欠き部が規制部33として形成された構造を有する。この切り欠き部(規制部33)は、その走行ラインに沿って連続する壁面31及び壁面32を有する。壁面31と壁面32とは対向して平行に形成され、本体3aに穿刺針を受け入れ可能な間隙を形成する。この対向する壁面31と壁面32により直進方向規制部33aが形成される。また、壁面31の走行ライン方向に直交する端部31aの近傍部、壁面31の走行ライン方向に沿って平行な端部31bの近傍部又は壁面31全体、及び、壁面32の走行ライン方向に直交する端部32aの近傍部、壁面32の走行ライン方向に沿って平行な端部32bの近傍部又は壁面32全体が、係止部を構成し得る。これらの壁面の端部近傍部及び壁面は、穿刺針の進行方向に直交する方向の両側から穿刺針の側面と当接して穿刺針が摺動しながら係止することができる。壁面31と壁面32の間には、走行ライン方向に沿って皮膚上の穿刺位置に近づくにしたがって、皮膚表面からの高さが小さくなるように連続して傾斜する傾斜部34が形成される。この傾斜部34により進行角度規制部33bが形成される。本例では、皮膚上の穿刺位置に近接する側は、符号31a及び32aで示される端部の側である。傾斜部34は、壁面31、32と連続するとともに、穿刺針の進行方向に沿って一方の端部31a、32aから他方の端部31b、32bに亘って連続して傾斜面として形成される。傾斜部34の皮膚に対する傾斜角度αは穿刺対象となる血管の皮膚表面からの深さや穿刺方法等に応じて決定される。前述のように、例えば、ランドマーク法によりヒトの頸静脈を穿刺する場合は、一般に30°〜45°に設定され得る。また、超音波ガイド下にてヒトの頸静脈を穿刺する場合は、一般に60°に設定され得る。本例ではαは45°である。傾斜部34には、穿刺針の進行方向に対して直交する方向において、皮膚側に近付くにしたがって、対向する壁面間の距離が狭くなる部分35が壁面31、32から連続するように形成されている。本例では、当該符号35で示される部分は断面V字形状の構造を有する。この断面V字形状の構造を有する符号35で示される部分は、直進方向規制部と進行角度規制部との両方の機能を有し得る。規制部33は、穿刺針の進行方向に沿ってその両端(符号31a、32a、31b、32bで示される一方端及び他方端)で開口するとともに、傾斜部34と対向する側の面も開口し、穿刺針を受け入れて、走行ラインに沿って摺動可能な隙間を形成している。固定手段は、実施例4と同じ構成を採用することができる。
(実施例7)
図3(b)は、実施例7に係る穿刺補助具の本体3bの構造を説明するための斜視断面図である。図3(b)中、実線で示した部分と二点鎖線で示した部分は対称構造を有する。実施例7に係る穿刺補助具は、規制部33を有する本体3aと、固定手段とを備える。本体3bは、実施例6の本体3aと同じ規制部33の構造を有する。一方、実施例7に係る穿刺補助具の本体3bでは、実施例6の本体3aにおける壁面25cと壁面26cと間の距離を小さくして壁面25d、26dを形成するとともに、皮膚に近接する部分に、壁面25d、26dから皮膚表面に沿って延びて規制部33を含む部分を支持する支持部30を形成している。この支持部30は、実施例5の本体2bと同じ構造を有する。以上のように、実施例7に係る穿刺補助具は、実施例6、5を組み合わせたものであり、同じ構成については同じ符号を付し、説明は省略する。また、固定手段については、例えば実施例5と同様の構成を採用することができる。
(実施例8)
図4(a)は、実施例8に係る穿刺補助具の本体4aの構造を説明するための斜視断面図である。図4(a)中、実線で示した部分と二点鎖線で示した部分は対称構造を有する。実施例8に係る穿刺補助具は、規制部38を有する本体4aと、固定手段とを備える。実施例8は、実施例6における傾斜部34の皮膚に対する傾斜角度αをより大きくした変形例である。本体4aは、底面41を有する四面体(本例では、直方体である。)に、皮膚表面に想定された血管の走行ラインを含む平面に沿うことが可能な切り欠き部が規制部38として形成された構造を有する。この切り欠き部(規制部38)は、その走行ラインに沿って連続し得る壁面36及び壁面37を有する。壁面36と壁面37とは対向して平行に形成され、本体4aに穿刺針を受け入れ可能な間隙を形成する。この対向する壁面36と壁面37により直進方向規制部38aが形成される。また、壁面36の走行ライン方向に直交する端部36aの近傍部、壁面36の走行ライン方向に沿って平行な端部36bの近傍部又は壁面36全体、及び、壁面37の走行ライン方向に直交する端部37aの近傍部、壁面36の走行ライン方向に沿って平行な端部37bの近傍部又は壁面37全体が、係止部を構成し得る。これらの壁面の端部近傍部及び壁面は、穿刺針の進行方向に直交する方向の両側から穿刺針の側面と当接して穿刺針が摺動しながら係止することができる。壁面36と壁面37の間には、走行ライン方向に沿って皮膚上の穿刺位置に近づくにしたがって、皮膚表面からの高さが小さくなるように連続して傾斜する傾斜部39が形成される。この傾斜部39により進行角度規制部38bが形成される。本例では、皮膚上の穿刺位置に近接する側は、符号36a及び37aで示される一方端の側である。傾斜部39は、穿刺針の進行方向に沿って一方の端部36a、37aから他方の端部36b、37bに亘って連続して形成される。傾斜部39の皮膚に対する傾斜角度βは、前述のように、実施例6の場合より大きい角度である。本例では60°である。傾斜部39には、穿刺針の進行方向に対して直交する方向において、皮膚側に近付くにしたがって、対向する壁面間の距離が狭くなる部分40が形成されている。本例では、当該符号35で示される部分は断面V字形状の構造を有する。規制部38は、穿刺針の進行方向に沿ってその両端(符号36a、37a、36b、37bで示される一方端及び他方端)で開口するとともに、傾斜部39と対向する側の面も開口し、穿刺針を受け入れて、走行ラインに沿って摺動可能な隙間を形成している。底面41には、固定手段として、例えば前述の(i)〜(vii)に示したものを状況に応じて設けられ得る。このうち、例えば前述した各種の両面テープが設けられ得る。底面41に両面テープを設ける態様は、実施例4と同様である。また、固定手段は、実施例4と同様に、壁面36、37と平行で、本体4aを構成する四面体の側壁面36c、37cから連続し、皮膚表面に延びる前述の各種の片面テープであってもよい。また、実施例4と同様に、固定手段は、後述する図14(a)又は図14(b)に示したような切り欠き部(符号100、102、103)が設けられたものであってもよい。
(実施例9)
図4(b)は、実施例9に係る穿刺補助具の本体4bの構造を説明するための斜視断面図である。図4(b)中、実線で示した部分と二点鎖線で示した部分は対称構造を有する。実施例9に係る穿刺補助具は、規制部38を有する本体4bと、固定手段とを備える。本体4bは、実施例8と同じ規制部38の構造を有する。一方、実施例9に係る穿刺補助具では、実施例8における壁面36cと壁面37cと間の距離を小さくして壁面36d、37dを形成するとともに、皮膚に近接する部分に、壁面36d、37dから皮膚表面に沿って延びて規制部38を含む部分を支持する支持部42を形成している。この支持部42は、実施例5、7の支持部30と同じ構造を有する。以上のように、実施例9に係る穿刺補助部は、実施例8、7を組み合わせたものであり、同じ構成については同じ符号を付し、説明は省略する。また、固定手段については、例えば実施例5と同様の構成を採用することができる。
(実施例10)
図4(c)は、実施例10に係る穿刺補助具の本体4cの構造を説明するための斜視断面図である。図4(c)中、実線で示した部分と二点鎖線で示した部分は対称構造を有する。実施例10に係る穿刺補助具は、規制部38を有する本体4cと、固定手段とを備える。本体4cは、実施例8の規制部38と同様の構造を有する。一方、実施例10に係る穿刺補助具は、実施例8における直方体形状の本体4aの構造を、実施例8の規制部38の全部又は底面41から所定の高さまでの部分の構造をそのまま保持するとともに、立方体形状に替えたものである。本体4cでは、底面(符号41a)、及び、規制部38の壁面36、37に平行で立方体の側面を構成する壁面(符号36e、37e)が、正方形である。実施例10に係る穿刺補助具は、実施例8の変形例であり、同じ構成については同じ符号を付し、説明は省略する。固定手段は、例えば実施例8と同様の構成を採用することができる。
(実施例11)
図5(a)は、実施例11に係る穿刺補助具の本体5aの構造を説明するための斜視図であり、図5(b)は、図5(a)におけるI−I線斜視片側断面図である。実施例11に係る穿刺補助具は、実施例10の本体4cにおいて、傾斜部39の走行ライン上の形状を壁面36と壁面37の外側に表示線43aを含む表示面43として設けたものである。実施例11に係る穿刺補助具は、規制部38を有する本体5aと、固定手段とを備える。本体5aには、壁面36、37に対して傾斜部39が設けられている側とは反対側に、壁面36、37と平行な壁面36f、37fが形成され、壁面36、37と壁面36f、37fとで平板状の板状体が形成されている。また、底面41の周縁から高さ方向に伸び、壁面36、37と平行な壁面36g、37gが形成される。表示面43は、壁面36f、37fと壁面36g、37gに連続する。実施例11に係る穿刺補助具は、実施例10の変形例であり、同じ構成については同じ符号を付し、説明は省略する。また、対応する符号の記載のない部分は実施例10の対応部分を参照するものとする。固定手段は、例えば実施例10と同様の構成を採用することができる。
(実施例12)
図6(a)は、実施例12に係る穿刺補助具の本体5bの構造を説明するための斜視図であり、図6(b)は、図6(a)におけるII−II線斜視片側断面図である。実施例12に係る穿刺補助具は、実施例6における進行角度規制部33bの傾斜部34の走行ライン上の形状を一直線から凸折線に変更し、かつ、その傾斜部の走行ライン上の形状を、係止部を構成する壁面間の外側にも設けたものである。実施例12に係る穿刺補助具は、規制部46を有する本体5bと、固定手段とを備える。規制部46は、走行ラインに沿って連続する壁面44及び壁面45を有する。壁面44と壁面45とは対向して平行に形成され、本体5bに穿刺針を受け入れ可能な間隙を形成する。この対向する壁面44と壁面45により直進方向規制部46aが形成される。また、壁面44の走行ライン方向に直交する一方の端部44aの近傍部、同他方の端部44bの近傍部又は壁面44全体、及び、壁面45の走行ライン方向に直交する一方の端部45aの近傍部、同他方の端部45bの近傍部又は壁面45全体が、係止部を構成し得る。また、壁面44、45の走行ライン方向に沿って平行な端部44c、45cも係止部を構成し得る。これらの壁面の端部近傍部及び壁面は、穿刺針の進行方向に直交する方向の両側から穿刺針の側面と当接して穿刺針が摺動しながら係止することができる。壁面44と壁面45の間には、走行ライン方向に沿って皮膚上の穿刺位置に近づくにしたがって、皮膚表面からの高さが小さくなるように連続して傾斜する部分47aと、この傾斜する部分47aの穿刺位置とは反対側から連続する皮膚表面に平行な部分47bとで構成される傾斜部47が形成される。この傾斜部47により進行角度規制部46bが形成される。傾斜する部分47aの皮膚に対する角度は、実施例6と同じ角度α(45°)であるが、これに限られない。傾斜部47には、穿刺針の進行方向に対して直交する方向において、皮膚側に近付くにしたがって、対向する壁面間の距離が狭くなる部分48が壁面44、45から連続するように形成されている。本例では、当該符号48で示される部分は断面V字形状の構造を有する。規制部46は、穿刺針の進行方向に沿って壁面44、45の端部(符号44a、45a、44b、45b、44c、45cで示される周縁部)で開口し、穿刺針を受け入れて、走行ラインに沿って摺動可能な隙間を形成している。本体5bには、壁面44、45に対して傾斜部47が設けられている側とは反対側に、壁面44、45と平行な壁面44d、45dが形成され、壁面44、45と壁面44d、45dとで平板状の板状体が形成されている。また、壁面44と壁面45の間の傾斜部47の走行ライン上の形状が、壁面44と壁面45が面する方向とは反対側である外側に、表示線49aを含む表示面49として設けられている。傾斜部分47aに対応する部分は角度αの傾斜面、皮膚表面に平行な部分47bに対応する部分は角度0°の面が形成されている。また、本体5bは、底面41の周縁から高さ方向に伸び、壁面44、45と平行で、これとは反対方向に面する壁面44e、45eが形成される。固定手段は、例えば前述の(i)〜(vii)に示したものを状況に応じて設けられ得る。このうち、例えば前述の各種の両面テープ等を本体5bの底面41に設けることができる。底面41に両面テープを設ける態様は、実施例4と同様である。また、例えば前述の各種の片面テープを、表示面49や壁面44d、44e、45d、45eから連続し、皮膚表面に延びるように設けることもできる。また、固定手段は、後述する図14(a)又は図14(b)に示したような切り欠き部(符号100、102、103)が設けられたものであってもよい。
(実施例13)
図7(a)は、実施例13に係る穿刺補助具の本体6aの構造を説明するための斜視図であり、図7(b)は、図7(a)におけるIII−III線斜視片側断面図である。実施例13に係る穿刺補助具は、実施例11の穿刺補助具において、本体5aの底面41に皮膚表面に沿うように、本体5aを皮膚側から支持する支持部52が形成された変形例である。実施例13に係る穿刺補助具は、実施例11の本体5aと支持部52を有する本体6aと、固定手段とを備える。支持部52は、平板状の構造を有し、壁面36、37に直交する方向にのみ壁面36g、37gから壁面36g、37gの面する方向に向かって延びて突出部52aが形成される。支持部52の皮膚に面する側には底面50が形成される。固定手段は、例えば前述の(i)〜(vii)に示したものを状況に応じて採用し得る。そのうち、例えば前述の各種の両面テープ等を底面50に設けることができる。両面テープは、底面50の全体に設けてもよいし、一部に設けてもよいし、底面50の全体又は一部に設けるとともに、例えば、後述する図13(a)に示したのと同様に、底面50から支持部52aの外側に延びるように延設させた部分を含むものであってもよい。また、前述の各種の片面テープを、表示面43、壁面36f、36g、37f、37g、支持部52の突出部52aの表面等から連続し、皮膚表面に延びるように設けることもできる(例えば、固定手段の設置例として図13(b)参照。)。また、固定手段は、後述する図14(a)又は図14(b)に示したような切り欠き部(符号100、102、103)が設けられたものであってもよい。尚、実施例13に係る穿刺補助部は、実施例11の変形例であり、同じ構成については同じ符号を付し、説明は省略する。
(実施例14)
図8(a)は、実施例14に係る穿刺補助具の構造を説明するための斜視図であり、図8(b)は、図8(a)におけるIV−IV線斜視片側断面図である。実施例14に係る穿刺補助具は、実施例13の穿刺補助具において、本体6aの規制部38が設けられた側とは反対の側の背面に、壁面36、37に平行に直線状に連続する凹部51を形成し、かつ、本体6aの支持部52に、穿刺位置の側に延びる板状部を形成し、この板状部に穿刺針が皮膚に穿刺可能な切り欠き部を設けた変形例である。実施例14に係る穿刺補助具は、実施例11の本体5aと支持部52bを有する本体6bと、固定手段とを備える。凹部51は、本体6bの背面において、本体6bの皮膚に近接する側から高さ方向の全長に亘って形成される。凹部51により、本体6bの背面側からでも走行ラインの位置の把握が容易になる。凹部51には他の部位と異なる色彩を施してもよい。支持部52bは、壁面36、37に直交する方向に壁面36g、37gから壁面36g、37gの面する方向に向かって皮膚表面に沿って延びるとともに、壁面36、37と平行な方向で、穿刺位置の側に面する方向に向かって皮膚表面に沿って延びて平板状の構造を有する。支持部52bは、壁面36g、37gの面する方向に向かって皮膚表面に沿って延びる板状の突出部52cと、規制部38の穿刺位置に近接する部分から穿刺位置の側に皮膚表面に沿って延びる板状の突出部53を有する。また、突出部53には、壁面36と壁面37の間で、穿刺針が進行する方向の延長上に、穿刺針が皮膚に穿刺可能な切り欠き部54が設けられている。支持部52bの皮膚に面する側には底面55が形成される。固定手段は、実施例13と同様のものを採用することができる。例えば、前述の各種の両面テープ等を底面55に設けることができる。この場合、両面テープは、実施例13と同様の態様で底面55に設けることができる(例えば、固定手段の例として図13(a)、図14(a)、(b)参照。)。また、前述の各種の片面テープを、表示面43、壁面36f、36g、37f、37g、支持部52bの突出部52cの表面等から連続し、皮膚表面に延びるように設けることもできる(例えば、固定手段の設置例として図13(b)参照。)。尚、実施例14に係る穿刺補助部は、実施例13の変形例であり、同じ構成については同じ符号を付し、説明は省略する。
(実施例15)
図9(a)は、実施例15に係る穿刺補助具の本体7aの構造を説明するための斜視図であり、図9(b)は、図9(a)におけるV−V線斜視片側断面図である。実施例15に係る穿刺補助具は、実施例11に係る穿刺補助具において、傾斜部39の走行ライン上の形状を、一直線から凸折線形状とし、かつ、この走行ライン上の形状を壁面36と壁面37の外側にも設けたものである。実施例15に係る穿刺補助具は、規制部58を有する本体7aと、固定手段とを備える。規制部58は、走行ラインに沿って連続する壁面56及び壁面57を有する。壁面56と壁面57とは対向して平行に形成され、本体7aに穿刺針を受け入れ可能な間隙を形成する。この対向する壁面56と壁面57により直進方向規制部58aが形成される。実施例11の壁面36と壁面37に対応する壁面56と壁面57の部位が係止部を構成し得る。壁面56と壁面57の間には、走行ライン方向に沿って皮膚上の穿刺位置に近づくにしたがって、皮膚表面からの高さが小さくなるように連続して傾斜する傾斜部59が進行角度規制部58bとして形成される。また、傾斜部59は穿刺針と当接可能な深さ方向係止部を有する。傾斜部59は、皮膚に対する角度が穿刺位置の側からα、β(α>β)の順に2段階で変化し、その走行ライン上の形状が凸折線の形状を有する。傾斜部59には、断面V字形状の構造を有する連続する凹部60が形成されている。傾斜部59の走行ライン上の形状は、壁面56と壁面57が面する方向とは反対側である外側に、表示線62aを含む表示面62として設けられている。表示面62は、傾斜部59の角度αに対応する部分は角度αの傾斜面、角度βに対応する部分は角度βの傾斜面が形成されている。本体7aの皮膚に近接する部分は底面61を有する。固定手段は、実施例11の場合と同様の構成を採用することができる。
(実施例16)
図10(a)は、実施例16に係る穿刺補助具の本体7bの構造を説明するための斜視図であり、図10(b)は、図10(a)におけるVI−VI線斜視片側断面図である。実施例16に係る穿刺補助具は、実施例11に係る穿刺補助具において、傾斜部39の走行ライン上の形状を、一直線から凸曲線形状とし、かつ、この走行ライン上の形状を壁面36と壁面37の外側にも設けたものである。実施例16に係る穿刺補助具は、規制部65を有する本体7bと、固定手段とを備える。規制部65は、走行ラインに沿って連続する壁面63及び壁面64を有する。壁面63と壁面64とは対向して平行に形成され、本体7bに穿刺針を受け入れ可能な間隙を形成する。この対向する壁面63と壁面64により直進方向規制部65aが形成される。実施例11の壁面36と壁面37に対応する壁面63と壁面64の部位が係止部を構成し得る。壁面63と壁面64の間には、走行ライン方向に沿って皮膚上の穿刺位置に近づくにしたがって、皮膚表面からの高さが小さくなるように連続して傾斜する傾斜部66が進行角度規制部65bとして形成される。また、傾斜部66は穿刺針と当接可能な深さ方向係止部を有する。傾斜部66は、その走行ライン上の形状が凸曲線の形状を有する。本例では、1/4円弧であるが、これに限定されるわけではない。傾斜部66には、断面V字形状の構造を有する連続する凹部67が形成されている。傾斜部66の走行ライン上の形状は、壁面63と壁面64が面する方向とは反対側である外側に、表示線69aを含む表示面69として設けられている。固定手段は、実施例11の場合と同様の構成を採用することができる。
(実施例17)
図11(a)は、実施例17に係る穿刺補助具の本体8aの構造を説明するための斜視図であり、図11(b)は、図11(a)におけるVII−VII線斜視片側断面図である。実施例17に係る穿刺補助具は、実施例11に係る穿刺補助具の変形例である。実施例17に係る穿刺補助具は、実施例11において、主として(a)本体5aの皮膚に近接する側の全周に一部切り欠き部を有する支持部を形成し、(b)規制部38が設けられた側とは反対の側の背面に、壁面36、37に平行に直線状に連続する凹部を形成し、(c)支持部を除く本体部5aに内部空間が形成された構造にしたものである。実施例17に係る穿刺補助具は、規制部72と支持部77を有する本体8aと、固定手段とを備える。規制部72は、走行ラインに沿って連続する壁面70及び壁面71を有する。壁面70と壁面71とは対向して平行に形成され、本体8aに穿刺針を受け入れ可能な間隙を形成する。この対向する壁面70と壁面71により直進方向規制部72aが形成される。実施例11の壁面44と壁面45に対応する壁面70と壁面71の部位が係止部を構成し得る。壁面70と壁面71の間には、走行ライン方向に沿って皮膚上の穿刺位置に近づくにしたがって、皮膚表面からの高さが小さくなるように連続して傾斜する傾斜部73が進行角度規制部72bとして形成される。また、傾斜部73は穿刺針と当接可能な進行角度規制部を有する。傾斜部73は皮膚に対する角度がα(45°)で、その走行ライン上の形状が一直線の形状を有する。傾斜部73には、断面V字形状の構造を有する連続する部分74が形成されている。本体8aには、壁面70と壁面71の外側に傾斜部73の走行ライン上の形状に対応する表示線75aを含む表示面75が形成されている。本体8aの規制部72が設けられた側とは反対の側の背面には、壁面70、71に平行に直線状に連続する凹部76が形成される。凹部76により、本体8aの背面側からでも走行ラインの位置の把握が容易になる。本体8aの皮膚に近接する側の全周には、平板状の支持部77が形成されている。支持部77の傾斜部73から伸びて穿刺位置に近接する側には、切り欠き部78が設けられ、切り欠き部78を通って穿刺針が穿刺可能になっている。また、本体8aの背面に設けられた凹部76は支持部77に延びて、支持部77に切り欠き部を形成している。本体8aは、原料の使用量を低減する観点から、支持部77以外の内部に空間79が形成されている。支持部77の皮膚と近接する底面側には、固定手段として、例えば前述の(i)〜(vii)に示したものを状況に応じて採用し得る。そのうち、例えば前述の各種の両面テープ等を設けることができる。両面テープは、支持部77の底面側の全体に設けてもよいし、一部に設けてもよいし、当該底面側の全体又は一部に設けるとともに、例えば、後述する図13(a)に示したのと同様に、底面部分から支持部77の外側に延びるように延設させた部分を含むものであってもよい。また、支持部77の表面やそれ以外の本体8aの外表面から連続し、皮膚表面に延びるように固定手段を設けることもできる(例えば、固定手段の設置例として図13(b)参照。)。また、固定手段は、後述する図14(a)又は図14(b)に示したような切り欠き部(符号100、102、103)が設けられたものであってもよい。
(実施例18)
図12(a)は、実施例18に係る穿刺補助具の本体8bの構造を説明するための斜視図であり、図12(b)は、図12(a)におけるVIII−VIII線斜視片側断面図である。実施例18に係る穿刺補助具は、実施例17に係る穿刺補助具の変形例である。実施例17との主な相違点は、実施例17の傾斜部73の傾斜角度を大きくした点である。実施例18に係る穿刺補助具は、規制部82と支持部77を有する本体8bと、固定手段とを備える。規制部82は、走行ラインに沿って連続する壁面80及び壁面81を有する。壁面80と壁面81とは対向して平行に形成され、本体8bに穿刺針を受け入れ可能な間隙を形成する。この対向する壁面80と壁面81により直進方向規制部82aが形成される。実施例11の壁面36と壁面37に対応する壁面80と壁面81の部位が係止部を構成し得る。壁面80と壁面81の間には、走行ライン方向に沿って皮膚上の穿刺位置に近づくにしたがって、皮膚表面からの高さが小さくなるように連続して傾斜する傾斜部83が進行角度規制部82bとして形成される。また、傾斜部83は穿刺針と当接可能な深さ方向係止部を有する。傾斜部83は皮膚に対する角度がβ(60°)で、その走行ライン上の形状が一直線の形状を有する。傾斜部83には、断面V字形状の構造を有する連続する凹部84が形成されている。本体8bには、壁面80と壁面81の外側に傾斜部83の走行ライン上の形状に対応する表示線85aを含む表示面85が形成されている。本体8bの規制部82が設けられた側とは反対の側の背面には、壁面80、81に平行に直線状に連続する凹部86が形成される。凹部86により、本体8aの背面側からでも走行ラインの位置の把握が容易になる。本体8bの皮膚に近接する側の全周には、平板状の支持部87が形成されている。支持部87の傾斜部83から伸びて穿刺位置に近接する側には、切り欠き部88が設けられ、切り欠き部88を通って穿刺針が穿刺可能になっている。また、本体8bの背面に設けられた凹部86は支持部87に延びて、支持部87に切り欠き部を形成している。本体8bは、原料の使用量を低減する観点から、支持部87以外の内部に空間89が形成されている。固定手段は、実施例17と同じ構成を採用することができる。
(実施例19)
図13(a)は、実施例19に係る穿刺補助具9Aの構造を説明するための斜視図である。穿刺補助部9Aは、実施例18に係る穿刺補助具8Bの固定手段として特定のものを採用した場合の例である。穿刺補助具9Aは、実施例18の本体8bと固定手段90とを備える。固定手段90は、両面テープにより構成される。両面テープ90は、テープ本体91と、テープ本体91の皮膚側とは反対側である外側を被覆して接着面を保護する外面被覆膜92と、テープ本体91の皮膚側を被覆して接着面を保護する皮膚側被覆膜93とを有する。テープ本体91は、皮膚と着脱可能に接合する接合部と、本体8bと連結する連結部と、前記接合部が一方の面に固定され、それとは反対側の面に前記連結部が固定されたシート状の基材部と、を有する。皮膚と接合する接合部は、基材部の一方の面側に全面に亘って形成されているのが好ましい。本体8bの支持部87と連結する連結部は、少なくとも本体8bの支持部87の底面と連結する部分にのみ設けられていてもよい。本実施例では、連結部は基材の他方の面側に全面に亘って形成されている。本体8bは、支持部87の底面とテープ本体91の連結部とで連結されている。穿刺補助具9Aを皮膚表面に固定する際に、皮膚側被覆膜93を剥離して、皮膚と接合部とを接合する。
(実施例20)
図13(b)は、実施例20に係る穿刺補助具9Bの構造を説明するための斜視図である。穿刺補助部9Bは、実施例14に係る穿刺補助具の固定手段として特定のものを採用した場合の例である。穿刺補助具9Bは、実施例14の本体6bと固定手段94とを備える。固定手段94は、片面テープ94により構成される。片面テープ94は、テープ本体95と、テープ本体95の皮膚との接着面を被覆して保護する被覆膜96とを有する。本体6bは、支持部52bの表面側において、テープ本体95の接着面と連結している。片面テープ94は、支持部52bを外側から被覆してそれと連結するとともに、皮膚と接することが可能なように支持部52bから延設されている。穿刺補助具9Bを皮膚表面に固定する際に、皮膚側被覆膜96を剥離して、皮膚と接合部とを接合する。
(実施例21)
図14(a)は、実施例21に係る穿刺補助具10Aの構造を説明するための斜視図である。穿刺補助具10Aは、実施例14に係る穿刺補助具の本体6bの変形例と、固定手段として特定のものを採用した例である。穿刺補助具10Aは、本体6cと固定手段97とを備える。本体6cは、本体6bの支持部52bの走行ライン方向に直交する方向の幅を狭くした支持部52dと、支持部52bの突出部53の走行ライン方向の幅を大きくした突出部53aと、突出部53aの表面に皮膚表面上の穿刺位置を示すマーク98が設けられたものである。これら以外は、本体6bと同じ構成である。したがって、これら以外の構成については本体6bを参照するものとして、説明は省略する。固定手段97は、本体6cの底面と接合され、本体6cの支持部52dの周縁部から放射方向に延設されたシート状の構造を有する。固定手段97には、本体6cの突出部53aに設けられた切り欠き部54aから連続するように走行ラインに沿って切り欠き部100が形成されている。切り欠き部100の周縁の表面には、生体中の血管自体又は皮膚表面の穿刺位置を示すマーク99が形成されている。このように穿刺位置を示すマーク98、99が表示された補助シートが本体側から走行ライン方向に沿って連接されることで、血管の深さに応じたより正確な穿刺が可能になる。例えば、マーク99の位置に皮膚表面の穿刺位置を定めた場合、規制部38の傾斜部39の穿刺位置とは反対側の端部において穿刺針と傾斜部39とを当接させることで、安定した穿刺が可能になる。また、傾斜部39に沿って穿刺針を進行させてマーク99の位置に血管自体の穿刺位置を定めた場合、マーク99は血管の皮膚表面から深さを示すため、その深さに応じた皮膚上の穿刺位置を確定し易くなる。このような切り欠き部98、100を有する構成は、ランドマーク法による穿刺に好適である。固定手段97の皮膚と接する側には皮膚と着脱可能に接合する接合部が設けられ、接合部を被覆して保護する被覆膜が形成されている。
(実施例22)
図14(b)は、実施例22に係る穿刺補助具10Bの構造を説明するための斜視図である。穿刺補助部10Bは、実施例21に係る穿刺補助具10Aの固定手段として他のものを採用した場合の他の例である。穿刺補助具10Bは、本体6cと固定手段101とを備える。本体6cは実施例21と同じであるため説明を省略する。固定手段101は、本体6cの支持部52dの穿刺位置に近接する側に、例えば、支持部52dと同程度の幅のU字形状又は鉤型の切り欠き部103を設けたシート状の構造を有する。切り欠き部103を囲む部分の走行ライン方向に本体6cの側から突出する部分の表面に、生体中の血管自体若しくは皮膚表面の穿刺位置又は超音波プローブの設置位置を示すマーク99aが形成されている。このように、穿刺位置を示すマーク98及び穿刺位置又は超音波プローブの設置位置を示すマーク99が表示された補助シートが本体側から走行ライン方向に沿って連接されることで、穿刺位置又は超音波プローブの設置位置を特定すると同時に、超音波ガイド下での穿刺を行うことができる。また、固定手段101には、支持部52dの突出部53aに設けられた切り欠き部54aに対応する構造の切り欠き部102が設けられている。固定手段101の本体6cに対する接合は実施例21と同様である。
実施例6〜22に係る穿刺補助具では、規制部に直進方向規制部と進行角度規制部とが設けられた実施形態である。何れの実施例も、進行角度規制部に所定の傾斜角度を有する傾斜部が設けられたものである。この傾斜部は、皮膚に近接する方向からのみ傾斜角度を規制するものである。また、傾斜部以外は開放された間隙を有する構造となっている。そのため、穿刺針の装着が簡便で、穿刺針の皮膚に対する進行角度の術者による微調整が容易である。術者は、傾斜部の長さ方向全長部分に沿って摺動させながら穿刺針を進行させることも可能であるし、傾斜部の所望の位置で、長さ方向の一部に沿って摺動させながら進行させることも可能である。つまり、傾斜部によって皮膚側から穿刺針を支持しつつその進行が可能となるため、所望の皮膚に対する角度で、安定した穿刺が可能になる。したがって、皮膚表面の穿刺位置が特定されれば、直進方向規制部による穿刺針の走行ライン方向に沿った穿刺針の直進方向の進行が容易に行えることに加えて、進行角度規制部により穿刺針が支持されながら安定した穿刺が可能になる。そのため、誤穿刺を効果的に抑制しつた生体内の血管への穿刺が可能になる。
以上のように、穿刺補助具の各種の具体例を説明したが、これらの実施形態に本発明が限定されるものではない。
以上のような穿刺補助具を用いて、生体内の血管に穿刺針を穿刺する場合の穿刺補助具の使用方法、換言すると、穿刺補助具を用いた生体内の血管に対する穿刺針の穿刺方法及び、当該穿刺方法を用いた治療、診断方法を説明する。対象とする生体は、例えば、ヒト及びヒト以外の哺乳動物が挙げられる。
穿刺補助具を用いた生体内の血管に対する穿刺針の穿刺方法は、(i)超音波プローブを用いて穿刺対象となる血管の生体内の走行及び皮膚表面からの深さを確認する工程、(ii)前記血管の走行に沿って皮膚表面に想定される走行ラインを示すマークと、生体内の血管の穿刺予定位置を示すマークとを皮膚表面に付する工程、(iii)穿刺針の走行ライン方向に沿った直進方向と前記穿刺補助具の前記直進方向規制部の方向が平行になるように、かつ、生体内の血管の穿刺予定位置から想定される皮膚表面の穿刺位置の近傍に前記固定手段により前記穿刺補助具を皮膚表面に固定する工程(iv)、及び、(v)前記穿刺補助具の直進方向規制部に沿わせて穿刺針を血管に穿刺する工程を含む。また、このような穿刺方法を用いて生体を治療又は診断する方法では、例えば、このような穿刺方法を用いて生体の血管にカテーテルを挿入する工程を含む。
以下では、ヒトの頸静脈に経皮的に穿刺針を穿刺する場合を例に説明するが、このような部位、生体の種類に限定されるものではない。また、穿刺補助具として実施例18の穿刺補助具を用いた場合を例に説明するが、これに限定されるものではない。
図15は、ヒトの頸部周辺で、中心静脈穿刺を行う際に穿刺の対象となる主な静脈の走行を模式的に示した図である。前述のように、中心静脈穿刺では、図15に示す内頚静脈105に穿刺するのが一般的である。また、内頚静脈105のうちでも、小鎖骨上窩三角104の頂点から矢印106で示される方向に穿刺するのが一般的である。以下では、この小鎖骨上窩三角104の頂点から矢印106で示される方向に内頚静脈105に穿刺する場合を例に説明するが、これに限定されるものではない。
前記(i)の工程では、内頚静脈105の体内の走行及び皮膚表面からの深さを、超音波プローブを用いて確認する。そして、前記(ii)の工程では、この確認結果に基づいて、図16(a)に示すように、内頚静脈107の走行に沿って皮膚表面に想定される走行ラインを示すマーク109と、生体内の血管の穿刺予定位置を示すマーク110とを皮膚表面にペン等により付ける。図16(a)に示すように、静脈107の近傍には総頚動脈が並走している。前記(iii)の工程では、図16(b)に示すように、マーク109、110を皮膚表面に付した後、前述の穿刺補助具を穿刺針の走行ライン方向に沿った直進方向と穿刺補助具の直進方向規制部82aの方向が平行になるように、かつ、内頚静脈107の穿刺予定位置(マーク109とマーク110の交差する位置に対応する内頸静脈107上の位置)から想定される皮膚表面の穿刺位置の近傍に固定手段により穿刺補助具を皮膚表面に固定する。穿刺補助具の固定手段の図示は省略するが、前述の各種の固定手段を採用することができる。前記(iv)の工程では、穿刺補助具8Bの直進方向規制部82aに沿わせて穿刺針を内頚静脈107に穿刺する。穿刺補助具8Bには進行角度規制部72bが存在するため、進行角度規制部82bの傾斜部83の全面、又は、所望の角度に微調整するため傾斜部83の走行ライン方向の両端部のうちの一方の端部に対して当接させながら沿わせて穿刺針を進行させる。この穿刺は、外径が小さい試験用穿刺針で試験的に行われた後、試験用穿刺針より大きい所望の外径の処置用穿刺針により行われてもよいし、最初から処置用穿刺針を用いて穿刺を行ってもよい。尚、ランドマーク法で行う場合は、試験的な穿刺を行った後、処置用穿刺針で本穿刺が行われるのが一般的である。超音波ガイド下で穿刺を行う場合は、試験的な穿刺を行わず本穿刺を行ってもよいし、両穿刺を行ってもよい。また、ランドマーク法を行う場合は、一般に、皮膚に対する穿刺針の進行角度が30°〜45°であり、超音波ガイド下で穿刺する場合は、同進行角度は60°であるとされているため、穿刺補助具の傾斜部83の傾斜角度は、それらに合わせて選択する。穿刺補助具の傾斜角度αは60°であるため、超音波ガイド下での穿刺に好適である。ランドマーク法で行う場合は、例えば穿刺補助具等の傾斜角度βが45°のものが好適である。図17は、超音波ガイド下で穿刺を行っている状況を模式的に示した説明図である。図15の矢印106の方向、即ち、被検者であるヒトの頸部116に頭部の側から穿刺針112を先端に装着した注射器113を右手115に、超音波プローブ111を左手114で持ち、穿刺補助具の規制部82の間隙に沿って、穿刺針112を内頚静脈に穿刺した時の状態を示している。このような皮膚に直接固定可能な穿刺補助具を用いることによって、超音波プローブの種類によらず、穿刺を行うことができる。また、所定の構成を有する規制部により、穿刺針を走行ライン方向に沿って進行させることができる。そのため、規制部並走する総頸動脈への誤穿刺を効果的に抑制することができる。図17に示す穿刺補助具のように穿刺針の皮膚に対する進行角度の規制を行うことが可能な場合でも、皮膚側からの係止によるため、術者の微調整が容易である。そのため、誤穿刺をより一層効果的に抑制可能である。
このように内頚静脈に穿刺針112の先端が刺し入れられると、注射器113により吸引し、静脈血であることを確認する。このようにして、内頚静脈に穿刺針が穿刺される。また、この時点で穿刺補助具は除去してもよい。内頚静脈への穿刺が完了後引き続き、後述するようにカテーテルを内頚静脈に挿入する場合は、状況に応じて適当な時期に穿刺補助具を除去してもよい。
内頚静脈に穿刺針が穿刺された後、皮膚から内頚静脈に経皮的に確保されたルートからカテーテルが挿入され、カテーテルを用いて、治療又は診断が行われる。カテーテルの挿入は定法に従って行われる。例えば、穿刺針の内腔から内頚静脈にガイドワイヤを挿入した後、ガイドワイヤを残して穿刺針を抜去し、ガイドワイヤに沿わせてダイレータを挿入してルートを拡張する。ガイドワイヤを残してダイレータを抜去後、ガイドワイヤに沿わせてカテーテルを挿入し、ガイドワイヤを抜去する。カテーテルから静脈血の逆流があることを確認し、ヘパリン生食でカテーテルの内腔を満たしカテーテルの基端部を所定の方法で皮膚に固定し、カテーテルの挿入、留置が完了する。留置したカテーテルを用いて、各種の治療又は診断を行う。前述のような穿刺補助具を用いて穿刺を行うことで、迅速、正確な穿刺が可能なため、患者への負担を最小限に抑制してその後のカテーテルを用いた治療、診断が可能になる。
9A、9B、10A、10B:穿刺補助具;1a、1b、1c、2a、2b、3a、3b、4a、4b、4c、5a、5b、6a、6b、7a、7b、8a、8b:本体;10、27、33、38、46、58、65、72、82:規制部;10a、27a、33a、38a、46a、58a、65a、72a、82a:直進方向規制部;11、12、13、21:柱状体;14、15、16、22:側面部;17、30、42、52、52b、52d、77、87:支持部;17a:表面;17b:裏面;18、51、76、86:凹部;19、20:側面;23:板状体;24、25、26、31、32、36、37、44、45、56、57、63、64、70、71、80、81:壁面;25a:壁面25の走行ライン方向に直交する一方端;25b:壁面25の走行ライン方向に直交する他方端;25c、25d:壁面25とは反対側の面;25e:壁面25の走行ライン方向に沿って平行な端部;26a:壁面26の走行ライン方向に直交する一方端;26b:壁面26の走行ライン方向に直交する他方端;26c、26d:壁面26とは反対側の面;26e:壁面26の走行ライン方向に沿って平行な端部;28:底部;29、41、41a、55、61:底面;31a:壁面31の走行ライン方向に直交する端部;31b:壁面31の走行ライン方向に沿って平行な端部;32a:壁面32の走行ライン方向に直交する端部;32b:壁面32の走行ライン方向に沿って平行な端部;33b、38b、46b、58b、65b、72b、82b:進行角度規制部;34、39、47、59、66、73、83:傾斜部;35、40、48、60、67、74、84:断面V字形状の部分;36a:壁面36の走行ライン方向に直交する端部;36b:壁面36の走行ライン方向に沿って平行な端部;36c、36d、36e、36f、36g:壁面36とは反対側の面;37a:壁面37の走行ライン方向に直交する端部;37b:壁面37の走行ライン方向に沿って平行な端部;37c、37d、37e、37f、37g:壁面37とは反対側の面;43、49、62、69、75、85:表示面;43a、49a、62a、69a、75a、85a:表示線;44a:壁面44の走行ライン方向に直交する一方の端部;44b:壁面44の走行ライン方向に直交する他方の端部;44c:壁面44の走行ライン方向に沿って平行な端部;44d、44e:壁面44とは反対側の面;45a:壁面45の走行ライン方向に直交する一方の端部;45b:壁面45の走行ライン方向に直交する他方の端部;45c:壁面45の走行ライン方向に沿って平行な端部;45d、45e:壁面45とは反対側の面;52a、52c、53、53a:突出部;54、54a、78、88、100、102、103:切り欠き部;79、89:空間;90、97、101:固定手段;91、95:テープ本体;92:外面被覆膜;93、96:皮膚側被覆膜;94:片面テープ;98、99、99a:マーク;104:小鎖骨上窩三角;105、107:内頚静脈;106:穿刺方向を示す矢印;108:総頚動脈;109:走行ラインを示すマーク;110:生体内の血管の穿刺予定位置を示すマーク;111:超音波プローブ;112:穿刺針;113:注射器;114:左手;115右手;116:頸部;α、β:傾斜部の皮膚に対する傾斜角度


Claims (17)

  1. 生体の血管に穿刺針を経皮的に穿刺するための穿刺補助具であって、
    血管に対して穿刺針の進行方向を規制する規制部を有する本体と、該本体を生体の皮膚に固定するための固定手段とを備える穿刺補助具。
  2. 前記規制部は、皮膚表面に想定された血管の走行ラインに沿うように穿刺針の走行ライン方向に対する直進方向を規制する直進方向規制部を有する請求項1記載の穿刺補助具。
  3. 前記直進方向規制部は、少なくとも前記走行ライン方向に離間する部分において、穿刺針の進行方向に直交する方向の両側から穿刺針の側面と当接して係止可能に設けられた係止部を有する請求項2に記載の穿刺補助具。
  4. 前記係止部が、前記走行ライン方向に沿って連続する壁面、前記走行ライン方向に沿って不連続な壁面及び穿刺針と点接触可能な柱状体から選択される少なくとも一つを有する請求項3に記載の穿刺補助具。
  5. 前記係止部が、前記走行ライン方向に沿って連続して対向する壁面を有する請求項3又は4に記載の穿刺補助具。
  6. 前記係止部が、穿刺針の進行方向に対して直交する方向において、皮膚側に近付くにしたがって、対向する壁面間の距離が狭くなる部分を有する請求項5記載の穿刺補助具。
  7. 前記規制部は、穿刺針の皮膚に対する進行角度を規制する進行角度規制部を有する請求項1〜6の何れか1項に記載の穿刺補助具。
  8. 前記規制部は、少なくとも前記走行ライン方向に離間する部分において、穿刺針の進行に直交する方向の両側から穿刺針の側面と当接して係止可能に設けられた係止部を有し、
    前記進行角度規制部は、前記走行ライン上で前記係止部の間に設けられ、皮膚に対する穿刺針の進行角度を予め設定された角度に調節可能に皮膚側から穿刺針と当接して係止可能に設けられている請求項7記載の穿刺補助具。
  9. 前記進行角度規制部は、前記走行ライン方向に沿って皮膚上の穿刺位置に近づくにしたがって、皮膚表面からの高さが小さくなるように連続して傾斜する傾斜部を有する請求項8記載の穿刺補助具。
  10. 前記傾斜部は、前記走行ライン上の形状として、一直線、凸折線及び凸曲線から選択される少なくとも1種の形状を有する請求項9記載の穿刺補助具。
  11. 前記固定手段は、皮膚と着脱可能に接合する接合部と、前記本体と連結する連結部と、前記接合部が一方の面に固定され、それとは反対側の面に前記連結部が固定されたシート状の基材部と、を有する請求項1〜10の何れか1項に記載の穿刺補助具。
  12. 前記本体は、皮膚と近接する側に、前記規制部を支持する支持部を有する請求項1〜11の何れか1項に記載の穿刺補助具。
  13. 前記固定手段は、前記支持部の少なくとも一部に固定されている請求項12記載の穿刺補助具。
  14. 前記支持部は、穿刺位置の側に伸びる板状部を有し、当該板状部には穿刺針が皮膚に穿刺可能な貫通孔又は切り欠き部が設けられている、請求項12又は13に記載の穿刺補助具。
  15. 前記本体又は固定手段には、生体中の血管の穿刺位置、皮膚上の穿刺位置又は穿刺を補助する超音波プローブの設置位置を示すマークが表示された補助シートが連接されている請求項1〜14の何れか1項に記載の穿刺補助具。
  16. 前記本体の皮膚側を除く外表面には、前記走行ラインに沿って前記外表面に凹部及び/又は凸部が形成されている請求項1〜14の何れか1項に記載の穿刺補助具。
  17. 前記本体には、前記傾斜部の前記走行ライン上の形状が前記進行角度規制部間の外側にも形成されている請求項9又は10に記載の穿刺補助具。

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