JP2021019429A - 車両用駆動装置 - Google Patents

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卓也 大島
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Abstract

【課題】回転電機の駆動時に発熱する発熱部で生成される熱エネルギを有効利用する。【解決手段】回転電機(40)と、回転電機の駆動時に発熱する発熱部(22A、22B)に熱的に接続され、熱エネルギを電気エネルギに変換可能な熱電素子(4)と、熱電素子に電気的に接続され、熱電素子からの電気エネルギに基づいて第1電源電圧を生成する第1電源回路(76)とを含み、回転電機は、第1電源回路により生成される第1電源電圧に基づいて動作可能である、車両用駆動装置が開示される。【選択図】図3

Description

本開示は、車両用駆動装置に関する。
コイルエンド(回転電機のステータコイルにおける軸方向の端部)を油により冷却する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2013−172486号公報
しかしながら、上記のような従来技術では、コイルエンドのような、回転電機の駆動時に発熱する発熱部で生成される熱エネルギを有効利用することが難しい。
そこで、1つの側面では、本発明は、回転電機の駆動時に発熱する発熱部で生成される熱エネルギを有効利用することを目的とする。
1つの側面では、回転電機と、
前記回転電機の駆動時に発熱する発熱部に熱的に接続され、熱エネルギを電気エネルギに変換可能な熱電素子と、
前記熱電素子に電気的に接続され、前記熱電素子からの電気エネルギに基づいて第1電源電圧を生成する第1電源回路とを含み、
前記回転電機は、前記第1電源回路により生成される前記第1電源電圧に基づいて動作可能である、車両用駆動装置が提供される。
1つの側面では、本発明によれば、回転電機の駆動時に発熱する発熱部で生成される熱エネルギを有効利用することが可能となる。
電動車両用のモータ駆動システムの全体構成の一例を示す図である。 本実施例の車両用駆動装置が適用されるのが好適な走行用モータの断面構造を概略的に示す断面図である。 インバータ制御装置に係る電源構成の一例を示す概略図である。 図3に示す電源構成におけるフェール時の電源供給形態を示す表示図である。
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。
以下では、まず、本実施例の車両用駆動装置を含むモータ駆動システム1の概要を説明し、次いで、本実施例の車両用駆動装置が適用されるのが好適な走行用モータ40(回転電機の一例)を説明し、次いで、インバータ制御装置50(制御装置の一例)に係る電源構成について説明する。以下の図1及び図3に関する説明において、特に言及しない限り、各種の要素間の“接続”という用語は、“電気的な接続”を意味する。
図1は、電動車両用のモータ駆動システム1の全体構成の一例を示す図である。モータ駆動システム1は、高圧バッテリ2を用いて走行用モータ40を駆動することにより車両を駆動させるシステムである。なお、電動車両は、電力を用いて走行用モータ40を駆動して走行するものであれば、その方式や構成の詳細は任意である。電動車両は、動力源がエンジンと走行用モータ40であるハイブリッド自動車や、動力源が走行用モータ40のみである電気自動車を含む概念である。
モータ駆動システム1は、図1に示すように、高圧バッテリ2、平滑コンデンサ5と、インバータ6、走行用モータ40(図1では「MG」と表記)、及び、インバータ制御装置50を備える。なお、図1に示す例においては、モータ駆動システム1のうちの、高圧バッテリ2以外の構成が、車両用駆動装置の一例を形成する。
高圧バッテリ2は、蓄電して直流電圧を出力する任意の蓄電装置であり、ニッケル水素バッテリ、リチウムイオンバッテリや電気2重層キャパシタ等の容量性素子を含んでよい。高圧バッテリ2は、典型的には、定格電圧が100Vを超えるバッテリであり、定格電圧が例えば288Vである。ただし、高圧バッテリ2は、いわゆるマイルドハイブリッド自動車で用いられる、より定格電圧の低いバッテリ(例えば48V)であってもよい。図1に示す例では、一例として、高圧バッテリ2は、定格電圧が48Vであるとする。図1には、高圧バッテリ2の高電位側が“P”で示され、低電位側(グランド側)が“N”で示される。
平滑コンデンサ5は、インバータ6に並列に接続される。平滑コンデンサ5は、正極ラインと負極ラインとの間に接続される。
インバータ6は、正極ラインと負極ラインとの間に互いに並列に配置されるU相、V相、W相の各アームを含む。U相アームは、直列接続されたスイッチング素子(本例ではMOSFET:metal−oxide−semiconductor field−effect transistor)Q1、Q2を含み、V相アームは、直列接続されたスイッチング素子(本例ではMOSFET)Q3、Q4を含み、W相アームは、直列接続されたスイッチング素子(本例ではMOSFET)Q5、Q6を含む。また、各スイッチング素子Q1〜Q6のドレイン−ソース間には、それぞれ、ソース側からドレイン側に電流を流すようにダイオードD11〜D16が配置される。なお、ダイオードD11〜D16は、MOSFETのボデーダイオードであってよい。なお、スイッチング素子Q1〜Q6は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)のような、MOSFET以外の他のスイッチング素子であってもよい。
走行用モータ40は、3相の交流モータであり、U、V、W相の3つのコイルの一端が中点で共通接続されている。U相コイルの他端は、スイッチング素子Q1、Q2の中点M1に接続され、V相コイルの他端は、スイッチング素子Q3、Q4の中点M2に接続され、W相コイルの他端は、スイッチング素子Q5、Q6の中点M3に接続される。
なお、図1に示す例では、モータ駆動システム1は、単一の走行用モータ40を備えているが、追加のモータ(発電機を含む)を備えてもよい。この場合、追加のモータ(複数も可)は、対応するインバータとともに、走行用モータ40及びインバータ6と並列な関係で、高圧バッテリ2に接続されてもよい。また、図1に示す例では、モータ駆動システム1は、DC/DCコンバータを備えていないが、高圧バッテリ2とインバータ6の間にDC/DCコンバータを備えてもよい。なお、モータ駆動システム1では、平滑コンデンサ5に並列に、空調装置等のような他の車載電気負荷が接続されてもよい。
高圧バッテリ2と平滑コンデンサ5との間には、図1に示すように、高圧バッテリ2から電力供給を遮断するための遮断用スイッチSW1が設けられる。遮断用スイッチSW1は、半導体スイッチやリレー等で構成されてもよい。遮断用スイッチSW1は、常態でオン状態であり、例えば平滑コンデンサ5の急速放電が必要な状況等にオフされる。
図2は、本実施例の車両用駆動装置が適用されるのが好適な走行用モータ40の断面構造を概略的に示す断面図である。図2には、油路や水路が概略的に図示されている。図2には、冷媒(油及び冷却水)の流れが矢印で模式的に示される。
図2には、走行用モータ40の回転軸12が図示されている。以下の説明において、軸方向とは、走行用モータ40の回転軸(回転中心)12が延在する方向を指し、径方向とは、回転軸12を中心とした径方向を指す。従って、径方向外側とは、回転軸12から離れる側を指し、径方向内側とは、回転軸12に向かう側を指す。また、周方向とは、回転軸12まわりの回転方向に対応する。図2には、軸方向に沿ったX方向が示され、X1側とX2側が定義されている。また、図2には、実装状態での上下方向の一例が示される。以下では、上下方向は、図2に示した上下方向に対応する。
走行用モータ40は、インナロータタイプであり、モータハウジング10を有する。モータハウジング10は、ステータ21を回転不能に支持する。モータハウジング10は、複数のピースから構成されてよい。図2に示す例では、一例として、モータハウジング10は、3つのピース10a〜10c(以下、それぞれ、「メインハウジング10a」、「内径側ハウジング10b」、及び「カバーハウジング10c」と称する)からなるが、ピースの数は任意である。
メインハウジング10aは、径方向の中心が開口した筒状の形態であり、径方向で最も外側の外周部を形成するとともに、X1側で軸方向のカバー部を形成する。メインハウジング10aは、外周部において水路901を形成する。水路901には、X1側から冷却水が供給(例えば図示しないウォーターポンプにより圧送)される。冷却水は、例えばLLCを含む水である。なお、水路901を通って循環する冷却水は、後述の油路801の油を介して、ステータ21を径方向外側から冷却する。
内径側ハウジング10bは、径方向の中心が開口した筒状の形態であり、基本的には(X2側の端部のフランジ部11bを除き)、メインハウジング10aの内側に設けられる。内径側ハウジング10bは、ステータ21の径方向外側の表面を直接的に支持する。内径側ハウジング10bは、径方向外側の表面(外周面)がメインハウジング10aの径方向内側の表面(内周面)に径方向に当接する。
内径側ハウジング10bは、ステータ21を径方向外側において、メインハウジング10aとの間に油路801を形成する。油路801は、ステータ21の径方向外側に位置し、油路801を流れる油は、ステータ21を径方向外側から冷却する。
また、内径側ハウジング10bは、軸方向のX2側の端部に径方向外側に広がるフランジ部11bを有し、フランジ部11bは、メインハウジング10aの軸方向のX2側の端部と軸方向に当接する。フランジ部11bは、メインハウジング10aの水路901に接続される水路902を形成する。水路902は、軸方向に延在する。
カバーハウジング10cは、軸方向に視て円盤状の形態であり、X2側で軸方向のカバー部を形成する。また、カバーハウジング10cは、X1側に、軸状部位11cと、円環状の突出部11dとを有する。
軸状部位11cは、ロータシャフト34の中空部34Aに挿通される。ロータシャフト34と同心状に回転軸12上に延在する。軸状部位11cの外径r2は、ロータシャフト34の中空部34Aの内径r1よりも小さく、軸状部位11cの径方向外側とロータシャフト34の中空部34Aの径方向内側の間には、円環状の空間90(以下、「シャフト円環状空間90」と称する)が形成される。
円環状の突出部11dは、ロータシャフト34と同心状に回転軸12まわりに延在する。すなわち、突出部11dは、軸状部位11cと同心状に、軸状部位11cを囲繞する態様で設けられる。突出部11dは、軸方向でロータコア32に対向し、径方向でベアリング14bとコイル(ステータコイル)22のコイルエンド22Bと間を仕切る態様で形成される。
カバーハウジング10cは、径方向に延在する水路903、906と、軸方向に延在する水路904、905とを形成する。
水路903は、径方向外側の一端が内径側ハウジング10bの水路902に接続され、径方向内側の他端が水路904に接続される。
水路904は、軸状部位11cに形成される。水路904は、軸方向に延在し、X2側の一端が水路903に接続され、X1側の他端が中空部34Aに開口する。
水路905は、軸状部位11cに形成される。水路905は、軸方向に延在し、X2側の一端が水路906に接続され、X1側の他端が中空部34Aに開口する。
水路906は、径方向内側の一端が水路905に接続され、径方向外側の他端が図示しない戻り用の水路に接続される。なお、戻り用の水路は、ラジエータ(図示せず)等を介して、上述した水路901に冷却水を吐出するウォーターポンプに連通してよい。
カバーハウジング10cは、ベアリング14bが位置する空間92(以下、「ベアリング配置空間92」と称する)に連通する油路810及び油路814を形成する。具体的には、カバーハウジング10cは、ベアリング14bに軸方向に対向する領域に、油路810及び油路814を形成する。なお、油路810及び油路814は、カバーハウジング10cに形成される水路903、906に対して、周方向でオフセットした位置に形成される。油路810は、図示しないオイルポンプから吐出される油を、ベアリング配置空間92に供給する。油路814は、油路810よりも下側に位置し、ベアリング配置空間92に供給された油の戻り用の油路を形成する。
走行用モータ40は、モータハウジング10により囲繞される内部空間に、ステータ21やロータ30等を備える。
ステータ21は、ロータ30の径方向外側を囲繞するように設けられる。ステータ21は、径方向外側がモータハウジング10に固定される。ステータ21は、例えば円環状の強磁性体の積層鋼板からなり、ステータ21の内周部には、コイル22が巻回される複数のスロット(図示せず)が形成される。
ロータ30は、ステータ21の径方向内側に配置される。ロータ30は、ロータコア32と、走行用モータ40の回転軸12を画成するロータシャフト34とを備える。ロータコア32は、ロータシャフト34の径方向外側に固定され、ロータシャフト34と一体となって回転する。ロータシャフト34は、モータハウジング10にベアリング14a、14bを介して回転可能に支持される。図2に示す例では、後述する潤滑構造によって、ベアリング14a、14bは、潤滑油を使用するオープンタイプとすることができる。ただし、変形例では、ベアリング14a、14bの少なくとも一方は、グリス封入タイプであってもよい。ベアリング14aは、径方向で、ロータシャフト34のX1側の端部と、内径側ハウジング10bとの間に設けられる。ベアリング14bは、径方向で、ロータシャフト34のX2側の端部と、カバーハウジング10cの円環状の突出部11dとの間に設けられる。
ロータコア32は、例えば円環状の強磁性体の積層鋼板からなる。ロータコア32の内部には、永久磁石321が埋め込まれてよい。あるいは、永久磁石321は、ロータコア32の外周面に埋め込まれてもよい。なお、永久磁石321が設けられる場合、永久磁石321の配列等は任意である。
ロータコア32の軸方向の両側には、エンドプレート35A、35Bが取り付けられる。エンドプレート35A、35Bは、永久磁石321の飛び出しを防止する機能等の他、ロータ30のアンバランスの調整機能(切削等されることでアンバランスを無くす機能)を有してよい。
ロータシャフト34は、中空部34Aを有する。中空部34Aは、軸方向の一端側(X1側)で閉塞され、軸方向の他端側(X2側)で開口する態様で、ロータシャフト34の軸方向の全長にわたり延在する。
ロータシャフト34は、軸方向の一端側(X1側)で動力伝達機構7に連結される。図2には、動力伝達機構7の一部だけが図示されている。動力伝達機構7は、車両の出力軸(図示せず)に接続され、走行用モータ40のロータシャフト34に発生する回転トルクを車両の出力軸に伝達する。動力伝達機構7の構成は任意であり、変速機や減速機構等を含んでよい。
次に、図2に示す走行用モータ40における油及び冷却水の流れを説明する。
冷却水は、X1側から水路901を軸方向に流れ(矢印R1参照)、水路902を介して水路903を通って径方向内側へと流れ(矢印R2参照)、次いで、水路904を通ってX1側に向かって軸方向に流れる(矢印R3参照)。そして、ロータシャフト34の中空部34A内に流入する(矢印R4参照)。ロータシャフト34の中空部34A内に冷却水が満たされた状態で、中空部34A内に冷却水が流入すると(矢印R4参照)、ロータシャフト34の中空部34A内の冷却水の一部は、水路905を通ってロータシャフト34の中空部34A外へと流れ(矢印R5参照)、水路906を通って戻される(矢印R6参照)。水路906を通って戻された冷却水は、例えばラジエータ等を介して冷却され、ウォーターポンプ(図示せず)により再び水路901に吐出される。
このようにして冷却水が循環されると、水路901を通る際に、油路801内の油を冷却でき、当該油を介してステータ21を冷却できる。また、ロータシャフト34の中空部34Aに、中空部34A内の冷却水を新しい冷却水で置換する態様で、新しい冷却水(オイルポンプからの冷却水)を連続的に供給でき、ロータコア32を径方向内側から冷却できる。これにより、磁石冷却性能を効果的に高めることができる。特に、図2に示す例では、ロータシャフト34の中空部34Aは、比較的大きい内径r1を有するので、軽量化を図るとともに、ロータシャフト34の中空部34Aの内周面と永久磁石321との間の径方向の距離を短くでき(例えば内径r1≒外径r2の場合に比べて短くでき)、磁石冷却性能を効果的に高めることができる。
油は、油路801を周方向に流れ(矢印は図示せず)、ステータ21を冷却する。なお、変形例では、このような油路801を介した冷却が省略されてもよい。
また、図2に示す例では、油は、油路810を介してベアリング配置空間92に供給され、ベアリング14bの潤滑に供される(矢印R20、R21参照)。従って、図2に示す例では、ベアリング14bは、グリス封入タイプである必要性がなく、グリス封入タイプである場合の不都合を防止できる。すなわち、ベアリング14bがグリス封入タイプである場合、走行用モータ40の高回転化に対応して、径方向内側のシール部にクリアランスを設けて摩擦を発生させない構造とする傾向があるが、かかる構造では、高温時にグリスがクリアランスに流出するおそれがある。図2に示す例では、グリス封入タイプでないオープンタイプのベアリング14bを用いることで、このような不都合を防止できる。
このようにして、図2に示す例では、ロータシャフト34の中空部34Aに冷却水を供給してロータコア32を効率的に冷却することを可能としつつ、ベアリング14bに油を供給できる。
ところで、図2に示す例のように、ロータシャフト34の中空部34Aに冷却水を供給する場合、ロータシャフト34の中空部34Aとベアリング配置空間92との間のシール性を高めることが有用である。ベアリング配置空間92に冷却水が流入してしまうと、オープンタイプのベアリング14bの機能に影響するためである。
この点、図2に示す例では、走行用モータ40は、2つの第1シール部材60、61を更に備える。第1シール部材60、61は、ロータシャフト34の中空部34Aとベアリング配置空間92との間に設けられる。これにより、ロータシャフト34の中空部34Aとベアリング配置空間92との間のシール性を高めることができる。
具体的には、第1シール部材60、61は、それぞれ、軸方向に視てリング状の形態であり、径方向外側がロータシャフト34の中空部34Aの内周面に当接し、径方向内側が軸状部位11cに支持される。第1シール部材60、61は、それぞれ、シャフト円環状空間90の軸方向の両端を境界付ける態様で設けられる。
第1シール部材60、61は、軸方向の異なる位置に設けられる。具体的には、第1シール部材60は、軸状部位11cにおける軸方向のX1側端部に設けられ、第1シール部材61は、ロータシャフト34の中空部34Aにおける軸方向のX2側端部に設けられる。換言すると、第1シール部材60は、シャフト円環状空間90の軸方向のX1側をシールし、第1シール部材61は、シャフト円環状空間90の軸方向のX2側をシールする。
第1シール部材60は、ロータシャフト34の中空部34Aから冷却水がシャフト円環状空間90に流入するのを防止するように機能する。また、第1シール部材61は、ベアリング配置空間92から油がシャフト円環状空間90に流入するのを防止するように機能する。
このようにして、図2に示す例によれば、ロータシャフト34の中空部34Aとベアリング配置空間92との間に、軸方向の両側が第1シール部材60、61でシールされたシャフト円環状空間90が形成される。すなわち、ロータシャフト34の中空部34Aとベアリング配置空間92との間に、冷却水及び油のいずれも存在しない空間(ドライ空間)が形成される。これにより、ロータシャフト34の中空部34Aとベアリング配置空間92との間に、第1シール部材60、61の一方のみが設けられる場合に比べて、シール性を高めることができる。
また、図2に示す例では、コイルエンド22A、22B(走行用モータ40のコイル22における軸方向の端部)が位置する空間94は、ドライ空間(油が導入されることのない空間)とされる。このため、図2に示す例では、空間94とベアリング配置空間92との間には、第2シール部材62が設けられる。第2シール部材62は、ベアリング配置空間92から油が空間94に流入するのを防止するように機能する。図2に示す例では、第2シール部材62は、径方向でロータシャフト34と円環状の突出部11dとの間に設けられる。第2シール部材62は、軸方向でX1側からベアリング14bに隣接する態様で設けられる。なお、第2シール部材62は、シャフト円環状空間90に連通路700を介して油が侵入しないように、連通路700よりも軸方向でX2側に設けられる。
また、本実施例では、空間94とベアリング14aとの間には、シール部材64が設けられる。シール部材64は、ベアリング14aが位置する空間98から油が空間94に流入するのを防止するように機能する。この場合、空間98においてベアリング14aの油潤滑が可能であり、ベアリング14bと同様、ベアリング14aをオープンタイプとすることができる。
ところで、図2に示す例では、コイルエンド22A、22Bが位置する空間94は、ドライ空間(油が導入されることのない空間)とされ、油による直接的な冷却(例えばコイルエンド22A、22Bへの油の滴下による冷却)は実現されない。
この点、本実施例では、図2に示すように、コイルエンド22A、22Bには、熱電素子4が設けられる。熱電素子4は、熱エネルギを電気エネルギに変換可能な素子である。具体的には、熱電素子4は、図2に示すように、コイルエンド22Aに設けられる熱電素子4Aと、コイルエンド22Bに設けられる熱電素子4Bとを含む。この場合、2つのコイルエンド22A、22Bで生じる熱エネルギ(銅損)を有効利用でき、その結果、モータ駆動システム1の効率を高めることができる。ただし、変形例では、熱電素子4A、4Bのうちの一方が省略されてもよい。
熱電素子4Aは、コイルエンド22Aの全周にわたって設けられてもよいし、コイルエンド22Aの全周のうちの、一部にのみ設けられてもよい。また、熱電素子4Aは、コイルエンド22Aに直接的に接続されてもよいし、例えばサーマルシートのような伝熱体を介してコイルエンド22Aに接続されてもよい。熱電素子4Bについても同様である。
図2に示す例では、熱電素子4Aは、径方向内側がコイルエンド22Aに熱的に接続され、径方向外側が内径側ハウジング10bに熱的に接続される。
ここで、上述したように、内径側ハウジング10bは、水路901に隣接して設けられるので、比較的低温となる。従って、熱電素子4Aは、径方向内側では比較的高温のコイルエンド22Aに熱的に接続され、径方向外側では比較的低温の内径側ハウジング10bに熱的に接続されることになる。熱電素子4Aは、このような熱勾配を利用して熱エネルギを電気エネルギに変換できる。熱電素子4Bについても同様である。なお、熱勾配を利用しないタイプの熱電素子4の場合、熱電素子4は、コイルエンド22A、22Bに熱的に接続されていればよい。
なお、図2では、特定の構造の走行用モータ40が示されるが、走行用モータ40の構造は、熱電素子4がコイルエンド22A、22Bに設けられる限り、任意である。従って、例えば、走行用モータ40は、水路901や中空部34A等を有していなくてもよい。また、図2では、特定の冷却方法や潤滑方法が開示されているが、走行用モータ40の冷却方法や潤滑方法は任意である。従って、例えば、熱電素子4が油の導入される空間においても機能できる場合は、空間94はドライ空間でなくてもよい。
また、図2に示す例では、熱電素子4は、コイルエンド22A、22Bに熱的に接続されるが、これに代えて又は加えて、他の発熱部に熱的に接続されてもよい。この場合、他の発熱部は、走行用モータ40の駆動時に発熱する発熱部である限り、任意である。例えば、他の発熱部は、走行用モータ40の他の構成要素であってもよいし、インバータ6及びインバータ制御装置50を含む電力変換装置の構成要素であってよい。例えば、他の発熱部は、走行用モータ40やインバータ6で使用されるバスバ(図示せず)や、インバータ6の発熱素子(例えばスイッチング素子Q1〜Q6)に熱的に接続されるヒートスプレッダ(図示せず)等であってもよい。
次に、図3を参照して、熱電素子4により生成される電気エネルギの利用形態の一例について説明する。
ここでは、熱電素子4により生成される電気エネルギの利用形態として、インバータ制御装置50における利用形態を説明する。
図3は、インバータ制御装置50に係る電源構成の一例を示す概略図である。図3は、基板S上に実装される構成を模式的に示す。図3において、+Bは、12Vの低圧バッテリ(例えば鉛バッテリ)3からの電源供給を表し、GNDは、グランド電位を表す。また、IGSWは、イグニッションスイッチがオン状態であるときに機能するイグニッション電源を表す。なお、P、Nの意味は、上述のとおりである。
図3において、ラインLは、低圧系と高圧系とを区切るラインであり、ラインLよりもP端子180側は“高圧系(高圧)”であり、その逆側が“低圧系(低圧)”である。すなわち、基板Sは、絶縁領域(図示せず)を介して低圧系領域S1及び高圧系領域S2が区分される。絶縁領域は、基板Sの内層を含め、導体を一切含まない領域であり、低圧系領域S1及び高圧系領域S2との間に延在し、両者を電気的に絶縁する機能を有する。低圧系領域S1には、例えばCAN(controller area network)通信用のインターフェース194(図3では、「CAN通信I/F」と表記)等が実装される。
インバータ制御装置50は、マイクロコンピュータ51(図3では、「マイコン」と表記)を含む。マイクロコンピュータ51は、例えばCPU、ROM、メインメモリ(全て図示せず)などを含む。インバータ制御装置50の各種機能は、ROM等に記録された制御プログラムがメインメモリに読み出されてCPUにより実行されることによって実現される。インバータ6の制御方法は、任意であるが、基本的には、U相に係る2つのスイッチング素子Q1、Q2が互いに逆相でオン/オフし、V相に係る2つのスイッチング素子Q3、Q4が互いに逆相でオン/オフし、W相に係る2つのスイッチング素子Q5、Q6が互いに逆相でオン/オフする。
基板Sの高圧系領域S2には、高圧側電圧検出部187、MOSFET駆動部520(図3では「MOSFET駆動IC」と表記)、温度検出部530、三相電流検出部540、レゾルバインターフェース550(図3では、「レゾルバI/F」と表記)、及びモータコイル温度検出部560が設けられる。高圧側電圧検出部187、MOSFET駆動部520、温度検出部530、三相電流検出部540、レゾルバインターフェース550、及びモータコイル温度検出部560は、マイクロコンピュータ51に接続される。
高圧側電圧検出部187は、P端子180の電圧を検出し、検出値をマイクロコンピュータ51等に与える。
MOSFET駆動部520は、MOSFETであるスイッチング素子Q1〜Q6を駆動する駆動IC(Integrated Circuit)であり、マイクロコンピュータ51からの指令に応じてスイッチング素子Q1〜Q6のゲートに駆動信号を印加する。MOSFET駆動部520は、図3に模式的に示すように、上段駆動電源70及び下段駆動電源72の双方に接続される。具体的には、MOSFET駆動部520のうちの、上段のスイッチング素子Q1、Q3、Q5を駆動する駆動部は、上段駆動電源70に接続され、下段のスイッチング素子Q2、Q4、Q6を駆動する駆動部は、下段駆動電源72に接続される。
温度検出部530は、スイッチング素子Q1〜Q6のそれぞれに対応して設けられるサーミスタ48の抵抗値に基づいて、スイッチング素子Q1〜Q6の温度を検出する。
三相電流検出部540は、走行用モータ40の各相に設けられる三相電流センサ42からの出力に基づいて、走行用モータ40の各相に流れる電流を検出する。
レゾルバインターフェース550は、レゾルバ44とマイクロコンピュータ51との間のインターフェースである。マイクロコンピュータ51は、レゾルバ44からの出力に基づいて、走行用モータ40の回転角度を検出する。
モータコイル温度検出部560は、走行用モータ40に設けられるサーミスタ46の抵抗値に基づいて、走行用モータ40のコイルの温度を検出する。なお、サーミスタ46は、コイルエンド22A、22Bに設けられてもよい。
インバータ制御装置50は、電源系として、上段のスイッチング素子Q1、Q3、Q5を駆動するための上段駆動電源70と、下段のスイッチング素子Q2、Q4、Q6を駆動するための下段駆動電源72と、マイクロコンピュータ51用のマイコン電源74と、降圧電源75と、絶縁電源76とを含む。
上段駆動電源70は、平滑コンデンサ5の正極側の接続されるP端子180に接続される。上段駆動電源70は、P端子180にライン182を介して接続されるとともに、P端子180にライン184を介して接続される。ライン184には、降圧回路を備える降圧電源75が設けられる。降圧電源75は、後述のように、48Vを21Vに降圧する。従って、上段駆動電源70には、ライン182を介して48Vの電圧が供給されるとともに、ライン184を介して21Vの電圧が供給される。
また、上段駆動電源70は、ライン184に接続点P1で接続されるライン186を介して+B端子188に接続される。ライン186には、絶縁電源76が設けられる。従って、上段駆動電源70には、降圧電源75を介した系統と絶縁電源76を介した系統の2系統で、48Vよりも低い電圧が供給可能となる。
上段駆動電源70は、上述のように供給される電圧に基づいて、上段のスイッチング素子Q1、Q3、Q5を駆動するために必要な電源電圧を生成する。具体的には、上段駆動電源70は、昇圧回路70aを備える。昇圧回路70aは、例えばチャージポンプ(CP)回路であり、出力電圧が48Vになるように機能してよい。あるいは、昇圧回路70aは、出力電圧が48Vより高い電圧まで昇圧する回路であってもよい。また、上段駆動電源70は、昇圧回路70aに加えて、定電圧回路(例えば、LDO(Low Drop Out)リニア・レギュレータ)を備えてもよい。
下段駆動電源72は、P端子180にライン184を介して接続されるとともに、+B端子188にライン186を介して接続される。従って、下段駆動電源72には、降圧電源75を介した系統と絶縁電源76を介した系統の2系統で、48Vよりも低い電圧が供給可能となる。
下段駆動電源72は、上述のように供給される電圧に基づいて、下段のスイッチング素子Q2、Q4、Q6を駆動するために必要な電源電圧を生成する。下段駆動電源72は、定電圧回路(例えば、LDOリニア・レギュレータ)を備えてよい。
マイコン電源74は、P端子180にライン184を介して接続されるとともに、+B端子188にライン186を介して接続される。従って、マイコン電源74には、降圧電源75を介した系統と絶縁電源76を介した系統の2系統で、48Vよりも低い電圧が供給される。マイコン電源74は、上述のように供給される電圧に基づいて、マイクロコンピュータ51が動作するための電源(例えば電源電圧が5V)を生成する。
降圧電源75は、P端子180に基づいて得られる高電圧(48V)を21Vに降圧する。なお、21Vはあくまで一例であり、48V未満かつ12Vよりも大きい他の電圧であってもよい。降圧電源75は、ダイオードD1を介して接続点P1に接続される。
絶縁電源76は、+B端子188にライン192を介して接続されるとともに、端子189にライン190を介して接続される。絶縁電源76は、+B端子188又は端子189からの電力を高圧系に供給するために、低圧系と高圧系を絶縁する。絶縁電源76は、例えばトランスを介して高圧側と低圧側とが絶縁されている。絶縁電源76は、ダイオードD2を介して接続点P1に接続される。絶縁電源76の出力電圧は、例えば12Vであり、降圧電源75の出力電圧21Vよりも低い。従って、降圧電源75の出力電圧が正常値の21Vであるときは、接続点P1には、降圧電源75に起因した電圧が生じる。他方、後述の高圧系電源失陥時に降圧電源75の出力電圧が12V未満に低下すると、接続点P1には、絶縁電源76に起因した電圧12Vが生じる。
特に本実施例では、絶縁電源76は、上述のように、端子189にライン190を介して接続される。ライン190には、絶縁電源76に向かう方向の電流のみを許容するダイオードD3が設けられるとともに、一端が接地されたコンデンサC3の他端が接続される。従って、本実施例では、絶縁電源76は、端子189からの電力に基づいて、電圧12Vの電源電圧を生成できる。
具体的には、走行用モータ40の駆動に伴ってコイルエンド22A、22Bが発熱すると、熱電素子4がコイルエンド22A、22Bの熱エネルギを電気エネルギに変換する。これにより、コンデンサC3に電荷が溜まり、かかる電荷に基づいて絶縁電源76により電圧12Vの電源電圧が生成される。例えば、絶縁電源76は、コンデンサC3の両端電圧が、+B端子188に現れる電圧よりも高くなると、コンデンサC3の電荷を利用して電圧12Vの電源電圧を生成してもよい。あるいは、絶縁電源76は、内部にスイッチ回路を備え、所定条件が成立した場合に、スイッチ回路の状態を切り替えることで、コンデンサC3の電荷に基づいて電圧12Vの電源電圧を生成してもよい。この場合、所定条件は任意であるが、例えばサーミスタ46により検出される温度が所定温度を超えた場合に満たされてもよい。
なお、図3に示す例では、マイクロコンピュータ51は、図3に模式的に示すように、基板Sにおける高圧系の領域に実装される。また、電源系の正常時、接続点P1には、降圧電源75に起因した電圧が生じる(降圧電源75の出力電圧>絶縁電源76の出力電圧のため)。従って、マイクロコンピュータ51は、常態(後述するような電源系の失陥が生じていない状態)において、P端子180を介して得られる高圧系の電源(高圧バッテリ2に起因した電源)に基づいて動作できる。
図4は、図3に示す電源構成におけるフェール時の電源供給形態(フェールセーフ態様)を示す表示図である。
低圧系電源失陥は、絶縁電源76が12Vの電源電圧を生成できない状態である。低圧系電源失陥は、典型的には、低圧バッテリ3に係る異常によって発生する。低圧バッテリ3に係る異常は、低圧バッテリ3自体や配線の異常等に起因して生じ、+B端子188での電圧が正常値よりも有意に低下する状態を生む。
低圧系電源失陥が生じると、上段駆動電源70は、ライン186を介して絶縁電源76に基づいて電源を生成することは不能であるが、ライン182及びライン184を介してP端子180に基づいて電源を生成することが依然として可能である。従って、低圧系電源失陥が生じた場合でも、上段駆動電源70を介して上段のスイッチング素子Q1、Q3、Q5の駆動が依然として可能である。
また、低圧系電源失陥が生じると、下段駆動電源72は、ライン186を介して絶縁電源76に基づいて電源を生成することは不能であるが、ライン184を介してP端子180に基づいて電源を生成することが依然として可能である。従って、低圧系電源失陥が生じた場合でも、下段駆動電源72を介して下段のスイッチング素子Q2、Q4、Q6の駆動が依然として可能である。
また、低圧系電源失陥が生じると、マイコン電源74は、ライン186を介して絶縁電源76に基づいて電源を生成することは不能であるが、ライン184を介してP端子180に基づいて電源を生成することが依然として可能である。従って、低圧系電源失陥が生じた場合でも、マイコン電源74を介してマイクロコンピュータ51の動作が依然として可能である。
このように、図3に示す例では、電源系の正常時は、上段駆動電源70、下段駆動電源72、及びマイコン電源74は、すべて高圧バッテリ2からの電力に基づいて動作しているので、上段駆動電源70、下段駆動電源72、及びマイコン電源74の各機能自体は、低圧系電源失陥が生じても影響を受けない。
高圧系電源失陥は、高圧バッテリ2に係る異常によって発生し、具体的には、高圧バッテリ2自体の異常や遮断用スイッチSW1のオープン故障等に起因して生じ、P端子180での電圧が正常値よりも有意に低下する状態を生む。
高圧系電源失陥が生じると、上段駆動電源70は、ライン182を介してP端子180に基づいて電源を生成することは不能となるが、ライン186を介して絶縁電源76に基づいて電源を生成することが可能である。なお、この際、昇圧回路70aが機能することになる。従って、高圧系電源失陥が生じた場合でも、上段駆動電源70を介して上段のスイッチング素子Q1、Q3、Q5の駆動が依然として可能である。
また、高圧系電源失陥が生じると、下段駆動電源72は、ライン184を介してP端子180に基づいて電源を生成することは不能となるが、ライン186を介して絶縁電源76に基づいて電源を生成することが可能である。従って、高圧系電源失陥が生じた場合でも、下段駆動電源72を介して下段のスイッチング素子Q2、Q4、Q6の駆動が依然として可能である。
また、高圧系電源失陥が生じると、マイコン電源74は、ライン184を介してP端子180に基づいて電源を生成することは不能となるが、ライン186を介して絶縁電源76に基づいて電源を生成することが可能である。従って、高圧系電源失陥が生じた場合でも、マイコン電源74を介してマイクロコンピュータ51の動作が依然として可能である。
このようにして、図3に示す例によれば、マイクロコンピュータ51は、低圧系電源失陥及び高圧系電源失陥のいずれが生じた場合でも、動作できる。また、低圧系電源失陥及び高圧系電源失陥のいずれが生じた場合でも、上段駆動電源70及び下段駆動電源72は上述のように機能できるので、低圧系電源失陥及び高圧系電源失陥のいずれが生じた場合でも、マイクロコンピュータ51は、インバータ6を機能させることができる。
ここで、本実施例では、上述のように、絶縁電源76には、熱電素子4が接続されるので、低圧バッテリ3に係る異常が発生した場合でも、低圧系電源失陥が生じる可能性を低減できる。これは、上述のように、コイルエンド22A、22Bの発熱量が比較的高い場合、絶縁電源76は、熱電素子4からの電気エネルギに基づいて、12Vの電源電圧を生成する状態を維持できるためである。
このようにして、図3に示す例では、熱電素子4により生成される電気エネルギに基づいて、低圧系電源失陥が生じる可能性を低減できる。また、図3に示す例では、熱電素子4により生成される電気エネルギの不足等に起因して最終的に低圧系電源失陥が生じた場合や、高圧系電源失陥が生じた場合でも、高圧側電圧検出部187、MOSFET駆動部520、温度検出部530、三相電流検出部540、レゾルバインターフェース550、及びモータコイル温度検出部560は、動作できる。すなわち、高圧側電圧検出部187、MOSFET駆動部520、温度検出部530、三相電流検出部540、レゾルバインターフェース550、及びモータコイル温度検出部560は、高圧系電源失陥が生じると、+B端子188(又は端子189)を介して生成される電源に基づいて動作でき、低圧系電源失陥が生じると、P端子180を介して生成される電源に基づいて動作できる。
従って、マイクロコンピュータ51は、低圧系電源失陥及び高圧系電源失陥のいずれが生じた場合でも、温度検出部530、三相電流検出部540、レゾルバインターフェース550、及びモータコイル温度検出部560を介して得られる情報に基づいて、インバータ6を制御できる。
なお、図3(及び図4)では、特定の電源構成が示されるが、インバータ制御装置50に係る電源構成は、熱電素子4からの電気エネルギを利用する限り、任意であってよい。例えば、図3では、マイクロコンピュータ51は、高圧系領域S2に設けられるが、低圧系領域S1に設けられてもよい。この場合、マイコン電源74も低圧系領域S1に設けられてよく、熱電素子4からの電気エネルギは、マイコン電源74で利用されてもよいし、下段駆動電源72で利用されてもよい。
また、図3に示す例では、絶縁電源76は、低圧バッテリ3(車載バッテリの一例)から+B端子188を介して入力される電力(電気エネルギ)に基づいて12Vの電源電圧(第2電源電圧の一例)を生成する回路(第2電源回路の一例)と、端子189(すなわち熱電素子4)から端子189を介して入力される電力(電気エネルギ)に基づいて12Vの電源電圧(第1電源電圧の一例)を生成する回路(第1電源回路の一例)とを一体的に含むが、これらの回路が別々に実装されてもよい。この場合、絶縁電源76のうちの、端子189(すなわち熱電素子4)からの電力に基づいて12Vの電源電圧を生成する回路は、定電圧回路(例えば、LDOリニア・レギュレータ)を備えてもよい。
また、図3に示す例では、ライン190は、一端が端子189に接続され、他端が絶縁電源76に接続されるが、他端は、+B端子188と絶縁電源76との間のライン192に接続されてもよいし、イグニッション電源と絶縁電源76との間のライン191に接続されてもよい。
また、図3に示す例では、熱電素子4からの電気エネルギは、低圧系で利用されるが、高圧系で利用されてもよい。例えば、ライン190は、一端が端子189に接続され、他端がライン182や上段駆動電源70等に接続されてもよい。
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
<付記>
以上の実施例に関し、更に以下を開示する。なお、以下で記載する効果のうちの、一の形態に対する追加的な各形態に係る効果は、当該追加的な各形態に起因した付加的な効果である。
(1)一の形態は、回転電機(40)と、
前記回転電機の駆動時に発熱する発熱部(22A、22B)に熱的に接続され、熱エネルギを電気エネルギに変換可能な熱電素子(4)と、
前記熱電素子に電気的に接続され、前記熱電素子からの電気エネルギに基づいて第1電源電圧を生成する第1電源回路(76)とを含み、
前記回転電機は、前記第1電源回路により生成される前記第1電源電圧に基づいて動作可能である、車両用駆動装置である。
本形態によれば、回転電機は、第1電源回路により生成される第1電源電圧に基づいて動作可能であり、第1電源電圧は、熱電素子からの電気エネルギに基づいて生成され、熱電素子は、回転電機の駆動時に発熱する発熱部に熱的に接続される。従って、本形態によれば、回転電機の駆動時に発熱する発熱部で生成される熱エネルギを有効利用できる。
(2)また、本形態においては、好ましくは、前記回転電機に電気的に接続される電力変換装置(6)と、
前記電力変換装置を制御する制御装置(50)とを更に含み、
前記電力変換装置又は前記制御装置は、前記第1電源回路により生成される前記第1電源電圧に基づいて動作可能である。
この場合、電力変換装置又は制御装置が第1電源電圧に基づいて動作することで、回転電機が第1電源電圧に基づいて動作できる。
(3)また、本形態においては、好ましくは、前記回転電機に電気的に接続される電力変換装置(6)と、
前記電力変換装置を制御する制御装置(50)と、
車載バッテリ(3)に電気的に接続され、前記車載バッテリからの電気エネルギに基づいて第2電源電圧を生成する第2電源回路(76)とを更に含み、
前記電力変換装置又は前記制御装置は、前記第1電源回路により生成される前記第1電源電圧と、前記第2電源回路により生成される前記第2電源電圧とに基づいて動作可能である。
この場合、電力変換装置又は制御装置が第1電源電圧に基づいて動作することで、回転電機が第1電源電圧に基づいて動作できる。また、回転電機は、第2電源電圧に基づいても動作可能であるので、フェールに対する冗長性を高めることができる。
(4)また、本形態においては、好ましくは、前記発熱部は、前記回転電機及び前記電力変換装置のうちの少なくともいずれか一方の構成要素を含む。
この場合、回転電機及び電力変換装置のうちの少なくともいずれか一方の構成要素の発熱を利用して、回転電機を動作させることができる。
(5)また、本形態においては、好ましくは、前記発熱部は、前記回転電機のステータコイルにおける軸方向の端部(22A、22B)を含む。
この場合、ステータコイルの端部(すなわちコイルエンド)で生じる銅損に係る熱エネルギを有効利用できる。
1 モータ駆動システム
2 高圧バッテリ
3 低圧バッテリ
4 熱電素子
5 平滑コンデンサ
6 インバータ
22 コイル
22A コイルエンド
22B コイルエンド
40 走行用モータ
42 三相電流センサ
44 レゾルバ
48 サーミスタ
50 インバータ制御装置
51 マイクロコンピュータ
70 上段駆動電源
70a 昇圧回路
72 下段駆動電源
74 マイコン電源
75 降圧電源
76 絶縁電源
180 P端子
182 ライン
184 ライン
186 ライン
187 高圧側電圧検出部
188 +B端子
189 端子
190 ライン
520 MOSFET駆動部
530 温度検出部
540 三相電流検出部
550 レゾルバインターフェース
560 モータコイル温度検出部

Claims (5)

  1. 回転電機と、
    前記回転電機の駆動時に発熱する発熱部に熱的に接続され、熱エネルギを電気エネルギに変換可能な熱電素子と、
    前記熱電素子に電気的に接続され、前記熱電素子からの電気エネルギに基づいて第1電源電圧を生成する第1電源回路とを含み、
    前記回転電機は、前記第1電源回路により生成される前記第1電源電圧に基づいて動作可能である、車両用駆動装置。
  2. 前記回転電機に電気的に接続される電力変換装置と、
    前記電力変換装置を制御する制御装置とを更に含み、
    前記電力変換装置又は前記制御装置は、前記第1電源回路により生成される前記第1電源電圧に基づいて動作可能である、請求項1に記載の車両用駆動装置。
  3. 前記回転電機に電気的に接続される電力変換装置と、
    前記電力変換装置を制御する制御装置と、
    車載バッテリに電気的に接続され、前記車載バッテリからの電気エネルギに基づいて第2電源電圧を生成する第2電源回路とを更に含み、
    前記電力変換装置又は前記制御装置は、前記第1電源回路により生成される前記第1電源電圧と、前記第2電源回路により生成される前記第2電源電圧とに基づいて動作可能である、請求項1に記載の車両用駆動装置。
  4. 前記発熱部は、前記回転電機及び前記電力変換装置のうちの少なくともいずれか一方の構成要素を含む、請求項2又は3に記載の車両用駆動装置。
  5. 前記発熱部は、前記回転電機のステータコイルにおける軸方向の端部を含む、請求項4に記載の車両用駆動装置。
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