JP2021017515A - ポリマー含有組成物、ポリマーおよびポリマーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルカリ現像液に対する適度な溶解性があり、かつ、膜としたときにクラックが生じづらい、ポリマー含有組成物またはポリマーの提供。【解決手段】以下一般式(CL)で表される構造を含むポリマーと、溶剤と、を含むポリマー含有組成物。また、以下一般式(CL)で表される構造を含むポリマー。式中、Xは、エーテル結合を含む2価の原子団を表す。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリマー含有組成物、ポリマーおよびポリマーの製造方法に関する。
無水マレイン酸モノマーに由来する構造単位(酸無水環)を含むポリマーに、アミノ基含有化合物を反応させることで、ポリマーを改良する試みがいくつか知られている。
一例として、特許文献1の表5、合成例40には、ビシクロ[2,2,1]ヘプタ−2,5−ジエン−無水マレイン酸共重合体に、4−アミノブタン酸を、80℃の条件下で反応させて、酸無水環を部分的にアミド開環したことが記載されている。
別の例として、特許文献2の実施例には、ノルボルネンと無水マレイン酸との共重合体のジメチルアセトアミド溶液に対して、ジアミンのジメチルアセトアミド溶液を室温で反応させ、ポリアミック酸を含有する塗布液を得たことが記載されている。また、特許文献2の実施例には、この塗布液を基板上に塗布し、100℃で1時間乾燥させて膜を得、その膜を200℃で24時間加熱することでイミド架橋型樹脂を得た旨が記載されている。
さらに別の例として、特許文献3の特許請求の範囲などには、ノルボルネン型繰り返し単位と無水マレイン酸型繰り返し単位とを含む、自己現像フィルムの形成に有用な種々のアミン処理無水マレイン酸含有ポリマーおよびその組成物が開示されている。このポリマーにおいては、無水マレイン酸型繰り返し単位の少なくとも一部は開環またはマレイミド繰返し単位に変換されている。
特開平2−146045号公報 国際公開第2017/195728号 特表2016−531191号公報
例えば特許文献3に記載されているように、ポリマーは、電子デバイス製造に適用されることがある。具体的には、ポリマーまたはポリマー含有組成物を用いて電子デバイス中に永久膜(保護膜、絶縁膜など)を形成することがある。
永久膜の形成においては、フォトリソグラフィー法が適用される場合がある。この場合、ポリマーまたはポリマー含有組成物には、アルカリ現像液に対する適度な溶解性があることが求められる。
また、永久膜の形成においては、クラックの発生が問題となる場合がある。電子デバイスは、その製造時や製造後に様々な環境下に置かれうるが、例えば永久膜が急冷された際に、膜にクラックが発生し、永久膜としての機能が損なわれる場合がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものである。本発明の目的の1つは、アルカリ現像液に対する適度な溶解性があり、かつ、膜としたときにクラックが生じづらいポリマー含有組成物またはポリマーを提供することである。
本発明者らは、鋭意検討の結果、以下に提供される発明を完成させ、上記課題を解決した。
本発明によれば、
以下一般式(CL)で表される構造を含むポリマーと、溶剤と、を含むポリマー含有組成物
が提供される。
Figure 2021017515
一般式(CL)中、Xは、エーテル結合(C−O−C)を含む2価の原子団を表す。
また、本発明によれば、
以下一般式(CL)で表される構造を含むポリマー
が提供される。
Figure 2021017515
一般式(CL)中、Xは、エーテル結合(C−O−C)を含む2価の原子団を表す。
また、本発明によれば、
以下式(MA)で表される構造単位を含む原料ポリマーと、以下一般式(am−1)で表されるジアミン化合物とを液相で反応させて、以下一般式(CL)で表される構造を含むポリマーを得る架橋反応工程、を含むポリマーの製造方法
が提供される。
Figure 2021017515
一般式(am−1)および(CL)中、Xは、エーテル結合(C−O−C)を含む2価の原子団を表す。
本発明によれば、アルカリ現像液に対する適度な溶解性があり、かつ、膜としたときにクラックが生じづらいポリマー含有組成物またはポリマーが提供される。
合成例1のポリマーの赤外吸収スペクトルである。 参照ポリマーの赤外吸収スペクトルである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
煩雑さを避けるため、(i)同一図面内に同一の構成要素が複数ある場合には、その1つのみに符号を付し、全てには符号を付さない場合や、(ii)特に図2以降において、図1と同様の構成要素に改めては符号を付さない場合がある。
すべての図面はあくまで説明用のものである。図面中の各部材の形状や寸法比などは、必ずしも現実の物品と対応しない。
本明細書中、数値範囲の説明における「X〜Y」との表記は、特に断らない限り、X以上Y以下のことを表す。例えば、「1〜5質量%」とは「1質量%以上5質量%以下」を意味する。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換か無置換かを記していない表記は、置換基を有しないものと置換基を有するものの両方を包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有しないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書における「有機基」の語は、特に断りが無い限り、有機化合物から1つ以上の水素原子を除いた原子団のことを意味する。例えば、「1価の有機基」とは、任意の有機化合物から1つの水素原子を除いた原子団のことを表す。
本明細書における「電子デバイス」の語は、半導体チップ、半導体素子、プリント配線基板、電気回路ディスプレイ装置、情報通信端末、発光ダイオード、物理電池、化学電池など、電子工学の技術が適用された素子、デバイス、最終製品等を包含する意味で用いられる。
<ポリマー含有組成物/ポリマー>
本実施形態のポリマー含有組成物は、以下一般式(CL)で表される構造を含むポリマーと、溶剤と、を含む。
また、本実施形態のポリマーは、以下一般式(CL)で表される構造を含む。
Figure 2021017515
一般式(CL)中、Xは、エーテル結合(C−O−C)を含む2価の原子団を表す。
ポリマーの設計指針として、クラック低減のために、ポリマー鎖間に架橋構造を導入することが考えられる。そうすることで、形成される膜中に3次元的なネットワークが形成され、クラック発生が抑えられると考えられる。
しかし、架橋によりポリマーの実質的な分子量は上昇する。また、架橋構造の導入は、ポリマー鎖の分子運動性を低下させる。これらは、アルカリ現像液に対するポリマーの溶解性の点では不利である。
この点、本実施形態のポリマーでは、一般式(CL)中のX(架橋構造)に、柔軟な化学骨格であるエーテル結合(C−O−C)が含まれることにより、ポリマー鎖の分子運動性が過度には低下しないと考えられる。そして、アルカリ現像液に対する適度な溶解性が得られると考えられる。
また、一般式(CL)で表される架橋構造の存在により、クラック発生が抑えられると考えられる。
ちなみに、一般式(CL)中のX(架橋構造)に、柔軟なエーテル結合(C−O−C)が含まれることにより、膜としたときの「伸びやすさ」を高めたり、「硬化収縮率」を小さくしたりできるとも考えられる。
本実施形態のポリマー、および、本実施形態のポリマー含有組成物に関する説明を続ける。
(一般式(CL)におけるX)
一般式(CL)中のXは、エーテル結合(C−O−C)を含む2価の原子団である限り、特に限定されない。
耐熱性の観点からは、Xは、アリールエーテル骨格を含むことが好ましい。つまり、C−O−Cで表されるエーテル結合の、酸素原子を挟む2つの炭素原子のうち、片方または両方が、アリール基中の炭素原子であることが好ましい。
アリールエーテル骨格における「アリール」は、フェニル(ベンゼン環)であることが好ましい。
より好ましくは、Xは、以下一般式(x)で表される。
Figure 2021017515
一般式(x)において、
Aは、複数存在する場合はそれぞれ独立に、単結合、直鎖または分岐のアルキレン基、エーテル基、カルボニル基、エステル基およびこれらのうち2以上が連結された基からなる群より選択されるいずれかの基であり、
Bは、単結合、直鎖または分岐のアルキレン基、エーテル基、カルボニル基、エステル基およびこれらのうち2以上が連結された基からなる群より選択されるいずれかの基であり、
AおよびBのうち少なくとも1つはエーテル基(−O−)であり、
、RおよびRは、複数存在する場合はそれぞれ独立に、1価の有機基、ヒドロキシル基またはハロゲン原子であり、
k、lおよびmは、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、
nは、0以上の整数であり、
*は、前記一般式(CL)中の窒素原子との結合手を表す。
Aおよび/またはBが、直鎖または分岐のアルキレン基である場合、その直鎖または分岐のアルキレン基としては、炭素数1〜6のものが好ましく、炭素数1〜3のものがより好ましい。
好ましくは、一般式(x)中のAおよびBの全てがエーテル基(−O−)である。
、RおよびRの1価の有機基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、ヘテロ環基、カルボキシル基などを挙げることができる。
アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
アルケニル基としては、例えばアリル基、ペンテニル基、ビニル基などが挙げられる。
アルキニル基としては、例えばエチニル基などが挙げられる。
アルキリデン基としては、例えばメチリデン基、エチリデン基などが挙げられる。
アリール基としては、例えばトリル基、キシリル基、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基が挙げられる。
アラルキル基としては、例えばベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。
アルカリル基としては、例えばトリル基、キシリル基などが挙げられる。
シクロアルキル基としては、例えばアダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などが挙げられる。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基などが挙げられる。
ヘテロ環基としては、例えばエポキシ基、オキセタニル基などが挙げられる。
、RおよびRの1価の有機基の総炭素数は、それぞれ、例えば1〜30、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜6である。
k、lおよびmは、それぞれ独立に、好ましくは0または1の整数である。
一態様として、k、lおよびmは、全て0である。
nは、好ましくは0〜3、より好ましくは0〜2である。
ちなみに、一般式(x)において中央に描かれたベンゼン環において、Aの結合部位とBの結合部位は、メタ位の関係にあることが、適度な溶解性の点で好ましい。これについては、ポリマー中に屈曲構造が含まれることにより、結晶性が低減することが関係していると推測される。
もちろん、Aの結合部位とBの結合部位の関係は、パラ位やオルト位であってもよい。
また、一般式(CL)中のXには、2〜5個のベンゼン環が含まれることが好ましく、2〜4個のベンゼン環が含まれることがより好ましい。より具体的には、一般式(x)においては、nは0〜3であることが好ましく、0〜2であることがより好ましい。
(一般式(CO)で表される構造単位)
本実施形態のポリマーは、さらに以下一般式(CO)で表される構造単位を含むことが好ましい。これにより、例えば、ポリマーの耐熱性を高めることができる。
Figure 2021017515
一般式(CO)において、
、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜30の有機基であり、
は0、1または2である。
一般式(CO)における、R、R、RおよびRの炭素数1〜30の有機基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、ヘテロ環基、カルボキシ基などを挙げることができる。
アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
アルケニル基としては、例えばアリル基、ペンテニル基、ビニル基などが挙げられる。
アルキニル基としては、例えばエチニル基などが挙げられる。
アルキリデン基としては、例えばメチリデン基、エチリデン基などが挙げられる。
アリール基としては、例えばトリル基、キシリル基、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基が挙げられる。
アラルキル基としては、例えばベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。
アルカリル基としては、例えばトリル基、キシリル基などが挙げられる。
シクロアルキル基としては、例えばアダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などが挙げられる。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基などが挙げられる。
ヘテロ環基としては、例えばエポキシ基、オキセタニル基などが挙げられる。
一般式(CO)におけるR、R、RおよびRとしては、水素またはアルキル基が好ましく、水素がより好ましい。
、R、RおよびRの炭素数1〜30の有機基中の水素原子は、任意の原子団により置換されていてもよい。例えば、フッ素原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基などで置換されていてもよい。より具体的には、R、R、RおよびRの炭素数1〜30の有機基として、フッ化アルキル基などを選択してもよい。
一般式(CO)において、aは好ましくは0または1、より好ましくは0である。
(一般式(IM−1)で表される構造単位)
本実施形態のポリマーは、さらに、以下の一般式(IM−1)で表される構造単位を含んでもよい。この構造単位により、ポリマーの耐熱性やアルカリ溶解性のバランスをより良好にできる場合がある。
Figure 2021017515
一般式(IM−1)中、Rは、1価の有機基である。
1価の有機基は特に限定されない。1価の有機基の具体例としては、例えば、前述の一般式(x)におけるR、RおよびRの1価の有機基として挙げたものを挙げることができる。
一般式(IM−1)のRは、好ましくは酸基を含む。換言すると、Rは、好ましくは、酸基を有する(酸基で置換された)1価の有機基である。これにより、アルカリ現像液に対する溶解性を一層適切にしやすい。
酸基としては、カルボキシ基、フェノール性ヒドロキシ基、スルホン酸基、ヘキサフルオロイソプロパノール基(−C(CFOH)などを挙げることができる。もちろん、酸基はこれらのみに限定されない。
化合物の準備のしやすさや、電子デバイス製造で慣用される現像液との相性などから、酸基はカルボキシ基であることが好ましい。
ちなみに、導入のしやすさ、最終的なポリマーの有機溶剤溶解性、アルカリ現像液に対する溶解性等の観点から、好ましくは、Rは、置換基として酸基のみを有し、酸基以外の置換基を有しない。より好ましくは、Rは、置換基として酸基のみを有し、酸基以外の置換基を有しないアルキル基である。
(その他の構造単位)
本実施形態のポリマーは、上記以外の任意の構造単位を含んでもよい。
一例として、本実施形態のポリマーは、後掲の式(MA)で表される構造単位を含むことができる。式(MA)で表される構造単位は、後述するポリマーの製造方法における原料ポリマーに由来する構造である。
別の例として、本実施形態のポリマーは、以下の一般式(IM−2)で表される構造単位を含むことができる。一般式(IM−2)におけるRの定義および具体例は、一般式(IM−1)のRと同様である。
Figure 2021017515
(重量平均分子量など)
本実施形態のポリマーの重量平均分子量Mwは、好ましくは15,000〜50,000、より好ましくは20,000〜40,000である。Mwが15,000以上であることにより、ポリマーを膜としたときの機械物性を高めたり、耐熱性をより高めたりすることができる。Mwが50,000以下であることにより、ポリマーまたはポリマー含有組成物のゲル化が抑えられる、合成時の水洗を行いやすい、十分な製膜性を得やすい、等のメリットがあると考えられる。また、Mwが50,000以下であることにより、アルカリ水溶液への溶解性を適度に大きくしやすい。
本実施形態のポリマーの分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は、好ましくは1.0〜5.0、より好ましくは1.0〜4.0である。分散度を適切に調整することで、例えばポリマーを膜としたときの機械物性が良化する場合がある。
MwやMw/Mnは、ポリスチレンを標準物質として用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により求めることができる。展開溶媒としては例えばTHF(テトラヒドロフラン)を用いることができる。
ちなみに、架橋構造の量(密度)にもよるが、本実施形態のポリマーは、THFに溶解しやすい傾向がある。本実施形態のポリマーは、好ましくは、0.5質量%のTHF溶液(溶け残りの無い溶液)とすることができる。
(溶剤)
本実施形態のポリマー含有組成物は、溶剤を含む。別の言い方として、本実施形態のポリマー含有組成物は、ポリマーが溶剤に溶解または分散したものである。本実施形態のポリマー含有組成物が溶剤を含むことにより、電子デバイス製造における膜形成に適用しやすくなる(塗布および乾燥により、基板上に均一な樹脂膜を設けることができる)。
本実施形態のポリマー含有組成物は、好ましくは、溶剤を含むワニス状であり、ポリマーは溶剤に溶解した状態で存在する(組成物中に未溶解のポリマーは実質上存在しない)。本実施形態のポリマー含有組成物の、有機溶剤(例えばプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)への溶解性は、通常、良好である。
溶剤は、典型的には有機溶剤である。有機溶剤として具体的には、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ラクトン系溶剤、カーボネート系溶剤などが挙げられる。
より具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、プロピレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテート、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ベンジルアルコール、γ−ブチロラクトン、プロピレンカーボネート、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、アニソール、N−メチルピロリドン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジプロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル等の有機溶剤を挙げることができる。
本実施形態のポリマー含有組成物は、1の溶剤のみを含んでもよいし、2以上の溶剤を含んでもよい。
溶剤の使用量は特に限定されない。ポリマー含有組成物の不揮発成分の濃度が、例えば10〜70質量%、好ましくは15〜60質量%となるような量で溶剤は用いられる。
(ポリマー含有組成物におけるポリマー以外の成分)
本実施形態のポリマー含有組成物は、上述のポリマー(一般式(CL)で表される構造を含むポリマー)および溶剤以外の成分を含んでもよい。
例えば、本実施形態のポリマー含有組成物は、感光剤、架橋剤(エポキシ樹脂等)、密着助剤、界面活性剤、塩基性化合物、硬化促進剤、酸化防止剤、シリカ等の充填材、増感剤、フィルム化剤、溶解促進剤、溶解抑制剤、各種色素(染料、顔料)などのうち、1または2以上を含んでもよい。
感光剤としては、感光性のジアゾキノン化合物、オニウム塩(スルホニウム塩、ヨードニウム塩など)、スルホン酸エステル化合物、トリアジン化合物、オキシムスルホネート化合物、ジアゾジスルホン化合物、2−ニトロベンジルエステル化合物、N−イミノスルホネート化合物、イミドスルホネート化合物、2,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン化合物、ジヒドロピリジン化合物などを挙げることができる。
架橋剤は、典型的には、1分子中に2個以上(好ましくは2〜6個、より好ましくは2〜4個)の架橋性基を含む。好ましい架橋剤としては、(1)アルコキシメチル基および/またはメチロール基(−CHOH)を有する架橋剤、(2)エポキシ基を有する化合物、(3)オキセタニル基を有する化合物、(4)イソシアネート基を有する化合物、(5)ビスマレイミド基を有する化合物、などを挙げることができる。(2)エポキシ基を有する化合物としては、公知のエポキシ樹脂も挙げることができる。
特に、エポキシ基を有する化合物(エポキシ樹脂等)を用いることで、伸びが良好で破断しにくい硬化膜を得ることができる。また、本実施形態のポリマーとエポキシ基を有する化合物とを併用した組成物は、比較的小さな硬化収縮率を有する傾向がある。
エポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールSジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、芳香族多官能エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂肪族多官能エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、多官能脂環式エポキシ樹脂などが挙げられる。
エポキシ樹脂は、好ましくは、3官能以上の多官能エポキシ樹脂(1分子中にエポキシ基を3個以上有する多官能エポキシ樹脂)を含む。このことにより、膜が十二分に硬化することとなり、例えば永久膜としての耐熱性や耐久性を高めることができる。もちろん、エポキシ樹脂は、2官能以下のエポキシ樹脂であってもよい。
エポキシ樹脂を用いる場合、1のみのエポキシ樹脂を用いてもよいし、2以上のエポキシ樹脂を併用してもよい。
エポキシ樹脂を用いる場合、その量は、本実施形態のポリマー100質量部に対し、例えば1〜100質量部、好ましくは1〜100質量部、より好ましくは30〜80質量部である。
密着助剤としては、各種のシランカップリング剤を挙げることができる。シランカップリング剤は、信越化学工業株式会社、旭化成ワッカーシリコーン株式会社、東京化成工業株式会社、ダウ・東レ株式会社などから入手することができる。
使用可能な界面活性剤は特に限定されないが、フッ素原子およびケイ素原子の少なくともいずれかを含むノニオン系界面活性剤であることが好ましい。市販品としては、例えば、DIC株式会社製の「メガファック」シリーズ等の、フッ素を含有するオリゴマー構造の界面活性剤、株式会社ネオス製の「フタージェント」シリーズ等のフッ素含有ノニオン系界面活性剤、ワッカー・ケミー社製のSILFOAM(登録商標)シリーズ等のシリコーン系界面活性剤が挙げられる。
<ポリマーの製造方法>
本実施形態のポリマーの製造方法は、以下一般式(MA)で表される構造単位を含む原料ポリマーと、以下一般式(am−1)で表されるジアミン化合物とを液相で反応させて、以下一般式(CL)で表される構造を含むポリマーを得る架橋反応工程、を含む。
Figure 2021017515
一般式(am−1)および(CL)中、Xは、エーテル結合(C−O−C)を含む2価の原子団を表す。Xの具体例や好ましい態様などは前述のとおりである。
上記<ポリマー含有組成物/ポリマー>の項で説明したポリマーは、好ましくは、ここで説明されるポリマーの製造方法により製造される。
以下、架橋反応工程を含む、本実施形態のポリマーの製造方法の具体的手順の例を説明する。
(原料ポリマーの準備)
架橋反応工程を行うにあたり、式(MA)で表される構造単位を含む原料ポリマーを準備する。
原料ポリマーは、少なくとも前述の式(MA)で表される構造単位を含む。
原料ポリマーは、式(MA)で表される構造単位に加え、他の1または2以上の構造単位を含んでもよい。例えば、原料ポリマーは、式(MA)で表される構造単位に加えて、前述の一般式(CO)で表される構造単位を含むことが好ましい。
原料ポリマーの「準備」は、任意の方法によることができる。入手可能な市販品があればそれを用いてもよい。また、適当なモノマーや開始剤を用いて合成してもよい。
参考までに、原料ポリマーの合成方法について以下に簡単に記載しておく。もちろん、原料ポリマーの合成方法は以下方法のみに限定されない。原料ポリマーの合成には、ポリマー合成の技術分野における公知技術を適宜利用することができる。以下では、式(MA)で表される構造単位と、一般式(CO)で表される構造単位とを含む原料ポリマーの合成について説明するが、これにより原料ポリマーの製造方法の一般性が失われるものではない。
原料ポリマーは、例えば、下記一般式(CO−m)で表されるモノマーと、無水マレイン酸とを重合(付加重合)することで得ることができる。
一般式(CO−m)のR、R、RおよびRならびにaの定義は、一般式(CO)のものと同様である。好ましい態様についても同様である。
Figure 2021017515
一般式(CO−m)で表されるモノマーとしては、例えば、ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン(慣用名:2−ノルボルネン)、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−デシル−2−ノルボルネン、5−アリル−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−エチニル−2−ノルボルネン、5−ベンジル−2−ノルボルネン、5−フェネチル−2−ノルボルネン、2−アセチル−5−ノルボルネン、5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、ノルボルナジエンなどが挙げられる。
重合の際、一般式(CO−m)で表されるモノマーは、1種のみ用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
重合の方法については限定されない。好ましくは、ラジカル重合開始剤を用いたラジカル重合である。
重合開始剤としては、例えば、アゾ化合物、有機過酸化物などを使用できる。
アゾ化合物として具体的には、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、ジメチル−2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(ABCN)などを挙げることができる。
有機過酸化物としては、例えば、過酸化水素、ジ−tert−ブチルパーオキサイド(DTBP)、過酸化ベンゾイル(ベンゾイルパーオキサイド,BPO)および、メチルエチルケトンパーオキサイド(MEKP)などを挙げることができる。
重合開始剤については、1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等の有機溶剤を用いることができる。重合溶媒は単独溶剤でも混合溶剤でもよい。
一般式(CO−m)で表されるモノマー、無水マレイン酸および重合開始剤を溶媒に溶解させて反応容器に仕込み、その後、加熱することで、付加重合を進行させる。加熱温度は例えば50〜80℃であり、加熱時間は例えば5〜20時間である。
反応容器に仕込む際の、一般式(CO−m)で表されるモノマーと、無水マレイン酸とのモル比は、0.5:1〜1:0.5であることが好ましい。分子構造制御の観点から、モル比は1:1であることが好ましい。
以上のような工程により、「原料ポリマー」を得ることができる。
原料ポリマーは、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、周期共重合体などのいずれであってもよい。典型的にはランダム共重合体または交互共重合体である(一般に、無水マレイン酸は交互共重合性が強いモノマーとして知られている)。
原料ポリマー中の式(MA)で表される構造単位の量は、ポリマーの全構造単位中、好ましくは10〜90mol%、より好ましくは30〜70mol%、さらに好ましくは40〜60mol%である。
原料ポリマーが一般式(CO)で表される構造単位を含む場合、その量は、ポリマーの全構造単位中、好ましくは10〜90mol%、より好ましくは30〜70mol%、さらに好ましくは40〜60mol%である。
これら割合を適切に調整することで、最終的なポリマーにおいて、アルカリ現像液に対する適切な溶解性を得つつ、永久膜としての耐熱性向上を図りやすい。
原料ポリマーの合成後に、未反応モノマー、オリゴマー、残存する重合開始剤などの低分子量成分を除去する工程を行ってもよい。
具体的には、合成された原料ポリマーと低分子量成分とが含まれた有機層を濃縮し、その後、テトラヒドロフラン(THF)などの有機溶媒と混合して溶液を得る。そして、この溶液を、メタノールなどの貧溶媒と混合し、モノマーを沈殿させる。この沈殿物を濾取して乾燥させることで、原料ポリマーの純度を上げることができる。
(モノアミン反応工程)
本実施形態のポリマーの製造方法は、反応系中にモノアミンを加えて、ポリマー(原料ポリマー)とモノアミンとを反応させるモノアミン反応工程を含んでもよい。これにより、最終的なポリマー中に一般式(IM−1)で表される構造単位を含めることができる。
モノアミンは、例えば、一般式R−NHで表される化合物である。この一般式において、Rは、1価の有機基である。Rの具体例や好ましい態様は、一般式(IM−1)におけるRと同様である。
モノアミンは、酸基を含むことが好ましい。つまり、上記一般式においてRは酸基を含むことが好ましい。酸基がカルボキシ基である場合、一般式(am)で表される化合物は「アミノ酸」である。つまり、モノアミンとして、市販のアミノ酸化合物を用いることができる。
モノアミンの反応工程は、好ましくは液相で(溶媒中で)行われる。使用可能な溶媒は特に限定されない。ポリマー(原料ポリマーと)とモノアミンの双方を十分に溶解または分散することができ、かつ、意図する反応を過度に阻害しないものを適宜選択すればよい。1のみの溶媒を用いてもよいし、2以上の溶媒を併用してもよい。
選択しうる溶媒として、例えば、以下が挙げられる。
・メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールなどのアルコール類
・テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、ジエチルエーテルなどのエーテル類
・アセトン、アセチルアセトン、エチルメチルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノンなどのケトン類
・ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレンなどの芳香族炭化水素類
・アセトニトリルなどのニトリル類
・ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸などの有機酸(カルボン酸)類
・四塩化炭素、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼンなどの含ハロゲン溶媒
・その他、N,N'−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホトリアミド、水など
モノアミン反応工程において、反応系は、好ましくは100℃以上に加熱される。
本発明者の知見では、加熱温度が100℃未満の場合、前述の一般式(IM−2)のような、無水マレイン酸骨格がモノアミンにより開環した開環構造は得られる。しかし、この開環構造が「閉環」して一般式(IM−1)で表されるイミド閉環反応までは反応が進行しづらい。
(一方、何らかの性能向上を期待して、敢えて100℃未満でモノアミンを反応させて、一般式(IM−2)のような開環構造をポリマー中に積極的に形成することも考えられる。)
モノアミン反応工程において、温度は、より好ましくは100〜150℃、さらに好ましくは110〜130℃である。温度が適度に高いことで、反応が十分に進行しやすい。また、温度が高すぎないことで、反応の暴走、副反応や意図せぬ不純物の発生などを抑えやすい。
(架橋反応工程)
前述のように、架橋反応工程では、ポリマー(原料ポリマー)と、一般式(am−1)で表されるジアミン化合物とを液相で(溶媒の存在下で)反応させる。そして、一般式(CL)で表される構造(2つのイミド環構造が原子団Xを介して繋がっている構造)含むポリマーを得る。
架橋反応工程の温度(加熱温度)は、上記「モノアミンを反応させる工程」の温度と同程度とすることができ、好ましくは100℃以上、より好ましくは100〜150℃、さらに好ましくは110〜130℃である。
架橋反応工程の時間(原料ポリマーとジアミン化合物の共存下で反応系が加熱される時間)は、好ましくは1〜24時間、より好ましくは4〜16時間である。
架橋反応工程で用いられる溶媒は、上記「モノアミンを反応させる工程」で挙げた溶媒と同様とすることができる。
一般式(am−1)で表されるジアミン化合物は、好ましくはアリールエーテル骨格を含む。つまり、一般式(am−1)におけるXにアリールエーテル骨格が含まれることが好ましい。
より好ましくは、一般式(am−1)で表されるジアミン化合物は、以下一般式(am−2)で表されるジアミン化合物である。
Figure 2021017515
一般式(am−2)におけるA、B、R、R、R、k、l、mおよびnの定義や具体例などについては、一般式(x)で説明したとおりである。
ジアミン化合物の具体例を以下に示す。もちろん、使用可能なジアミン化合物は以下のみに限定されない。
Figure 2021017515
Figure 2021017515
Figure 2021017515
(後処理(ポリマーの精製など)
架橋反応工程などを通じて得られたポリマー(通常はポリマー溶液の状態)は、適切な方法により精製されることが好ましい。
一例として、「水洗」により、未反応原料や反応溶媒をできるだけ低減する。水洗の手順は、例えば以下(1)〜(3)のような手順とすることができる。
(1)まず、水を含む水洗用の液体と、ポリマー溶液と(これらは、通常、ポリマー層と水層に分離する)を同一容器内に入れて激しく攪拌する。水洗用の液体は、水そのものであってもよいし、水と有機溶剤(メチルエチルケトン、トルエン等)の混合液であってもよい。水と有機溶剤の混合液を適切に用いることで、ポリマーを析出させずに水洗することができる。
(2)攪拌後しばらく静置し、その後、水層を除去する。
(3)通常は上記(1)および(2)を複数回繰り返す。
また、水洗とは別に、溶媒置換(溶媒の留去と希釈)を1回または複数回行って、未反応原料や反応溶媒を低減してもよい。
念のため述べておくと、反応の停止方法やポリマーの精製法は上記に説明した方法に限られない。ポリマー合成の分野で公知の方法を適宜適用することができる。
(モノアミンを反応させる工程と、架橋反応工程に関する補足)
本実施形態のポリマーの製造方法が、モノアミン反応工程と、架橋反応工程との両方を含む場合、これら工程は連続的に行われることが好ましい。「連続的」とは、具体的には、これら2つの工程の間でポリマー(中間体)の精製などを行うことなく、(i)まず反応系中にモノアミンを添加して、一定時間、原料ポリマーとモノアミンとを反応させ、(ii)その後、反応系中に一般式(am−1)で表されるジアミン化合物を追添して、そのジアミン化合物と原料ポリマー(式(MA)で表される構造単位の一部はモノアミンと反応している)とを反応させることを意味する。
モノアミン反応工程の時間や、架橋反応工程の時間は、モノアミンやジアミンの使用量、最終的なポリマーにおいて所望する一般式(IM−1)で表される構造単位や一般式(CL)で表される構造の量などに基づき適宜調整すればよい。
あくまで一例であるが、モノアミン反応工程の時間は10分〜6時間程度、架橋反応工程の時間は1〜24時間程度である。各反応工程の温度は前述のとおりである。
ちなみに、本発明者の知見によれば、通常、上述の温度および時間の反応では、原料ポリマー中の式(MA)で表される構造単位の全ては、式(CL)の構造または一般式(IM−1)の構造には変換されない。原料ポリマー中の式(MA)で表される構造単位の一部は、式(MA)で表される構造のまま、未反応で残ると考えられる。かつ/または、原料ポリマー中の式(MA)で表される構造単位の一部は、一般式(IM−2)で表される開環構造に変換されると考えられる。
本発明者の知見として、通常、上述の温度および時間の反応では、原料ポリマー中の式(MA)で表される構造単位のうち、例えば50〜98mol%、好ましくは50〜95mol%が、式(CL)の構造または一般式(IM−1)の構造(イミド環構造)に変換されると考えられる。一方で、原料ポリマー中の式(MA)で表される構造単位のうち、例えば2〜50mol%、好ましくは5〜50mol%が、ジアミンやモノアミンとは反応せずに式(MA)で表される構造で残るか、または、開環構造(例えば一般式(IM−2)で表される構造)に変換されると考えられる。
モノアミン反応工程と架橋反応工程の順序は、限定されない。ただし、反応の精密制御、ポリマーの精製の容易性などから、モノアミン反応工程の後に架橋反応工程が行われることが好ましい。
<用途>
本実施形態のポリマーおよび/または本実施形態のポリマー含有組成物は、アルカリ現像液に対する適度な溶解性や、膜としたときのクラックの生じにくさの観点で、電子デバイス製造に好ましく適用される。
具体的には、本実施形態のポリマーおよび/または本実施形態のポリマー含有組成物を用いて、電子デバイス中の樹脂膜を形成することで、信頼性の高い電子デバイスを得ることができる(膜にクラックが生じにくいことにより、不具合を抑えやすい)。ここでの樹脂膜は、典型的には、絶縁膜、平坦化膜、バッファーコート層、ダム材などの永久膜である。
また、例えば本実施形態のポリマー含有組成物が感光性である場合、リソグラフィープロセスによって、樹脂膜を所望の形態にパターニングしやすい(アルカリ現像液に対するポリマーの溶解性が適度であることによる)。電子デバイスの微細化・複雑化がますます進行する現状において、リソグラフィープロセスによる良好なパターニング性は望ましい性能である。
本実施形態のポリマーおよび/または本実施形態のポリマー含有組成物は、絶縁膜、平坦化膜、バッファーコート層、ダム材などとは別の応用用途として、カラーフィルタやブラックマトリクスの形成に対しても好ましく適用可能と考えられる。
すなわち、フラットパネルディスプレイや、CCD、CMOS等のイメージセンサ中のカラーフィルタやブラックマトリクスを形成するために、本実施形態のポリマーおよび/または本実施形態のポリマー含有組成物を適用することが有効と考えられる。カラーフィルタやブラックマトリクスは、しばしば、リソグラフィープロセスによって形成されるためである。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
本発明の実施態様を、実施例および比較例に基づき詳細に説明する。念のため述べておくと、本発明は実施例のみに限定されない。
<原料ポリマーの合成>
はじめに、撹拌機および冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、無水マレイン酸(以下、MAとも示す)209.41g(2.1mol)と、2−ノルボルネン(以下、NBとも示す)201.06g(2.1mol)と、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)21.85g(94.9mmol)とを入れた。これらを、メチルエチルケトン(以下、MEKとも示す)316.7gおよびトルエン163.1gからなる混合溶媒に溶解させた。こうして溶解液を作製した。
この溶解液に、20分間窒素を通気して、酸素を除去した。
その後、溶解液を撹拌しつつ、温度65℃で6時間加熱することで、MAとNBとを重合させ、重合溶液を得た。
得られた重合溶液をMEK456.1gで希釈することで希釈液を作製した。希釈液をメタノール5418.1gに滴下することで白色固体を析出させた。得られた白色固体を、温度50℃で真空乾燥することにより、NBに由来する構造単位と、MAに由来する構造単位とを含む原料ポリマー334.94g得た。
得られた原料ポリマーをGPC測定した。重量平均分子量Mwは10800、多分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は1.97であった。
<ポリマーの合成>
(合成例1)
まず、上記の原料ポリマー70.00g(MA換算0.364mol)と、12−アミノラウリン酸75.29g(0.350mol)とを、溶媒存在下、115℃で1時間加熱処理した。これにより、原料ポリマー中の無水マレイン酸構造の部分に、12−アミノラウリン酸を反応させた。
その後、ジアミン化合物として、溶媒に溶かした1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン4.26g(14.6mmol)を追添し、さらに115℃で6時間反応させた。
反応終了後、得られた溶液に対し、酸抽出処理や水洗処理を繰り返すことで未反応原料の除去を行い、また、溶媒留去と希釈を繰り返した。こうして、合成例1のポリマーの35質量%のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAとも示す)溶液269.46gを得た。
得られた合成例1のポリマーをGPC測定した。重量平均分子量Mwは30400、多分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は3.37であった(後述の比較例1のジアミン不含の場合と比較し、Mwは大きかった)。
(参照合成例:参照ポリマーの合成(モノアミンのみ反応、開環構造))
原料ポリマー40.0g(MA換算0.21mol)と、12−アミノラウリン酸44.8g(0.21mol)を、溶媒存在下、80℃で4時間加熱処理(還流)した。これにより、原料ポリマー中の無水マレイン酸構造の部分に、12−アミノラウリン酸のアミノ基を反応させた。
その後、得られた溶液の水洗を繰り返すことで未反応原料を除去し、さらに溶媒留去と希釈を繰り返すことで、参照ポリマーの35質量%PGMEA溶液125.2gを得た。
(赤外線分光分析)
合成例1のポリマーと、参照ポリマーの赤外線分光分析を行った。得られたスペクトルは図1および図2に掲載している。
合成例1のポリマーにおいては、ジアミン化合物を反応させる前には観察されなかった波数1510cm−1付近に芳香環由来の吸収が確認され、ジアミン成分の導入が確認された。
また、合成例1のポリマーおよび参照ポリマーにおいては、原料ポリマーでは観察されなかった波数1600cm−1付近の吸収(アミド基のN−H変角振動)が確認された。
参照ポリマーの、以下数式で表されるピーク面積比を100とすると、合成例1のポリマーのピーク面積比は21であった。
Figure 2021017515
(「ピーク面積比」は、ポリマー中の、MAに由来する構造単位がモノアミンまたはジアミンで開環した構造単位の量に対応する数値と言える。また、「参照ポリマー」においては、原料ポリマー中のMAに由来する構造単位のほぼ全てが、モノアミンにより開環していると考えられる。)
以上、合成例1のポリマーのピーク面積比が21であったことから、原料ポリマー中のMA由来構造単位のうち79mol%程度が、開環の後に閉環してイミド環構造(一般式(CL)で表される構造、または、一般式(IM−1)で表される構造)に変換されたことを確認した。また、原料ポリマー中のMA由来構造単位のうち21mol%程度が、未反応のままか、または開環構造となっていることを確認した。
なお、原料の仕込み比から、合成例1のポリマー中に存在する、一般式(CL)で表される構造と一般式(IM−1)で表される構造のモル比は、96:4程度であると考えられる。
(比較合成例1)
原料ポリマー25g(MA換算0.13mol)に、ブタノール125.0g(1.7mol)を加え、温度115℃で4時間加熱処理した。これにより、共重合体の無水マレイン酸構造単位をブタノールで開環させた。次いで、ヘプタンでポリマーを再沈殿させた。
以上により、2−ノルボルネンに由来する構造単位と、無水マレイン酸に由来する構造単位とを備える共重合体を、ブタノールを用いて開環した比較ポリマー1を25.43g得た。
比較ポリマー1をGPC測定した。重量平均分子量Mwは12900、多分散度(重量平均分子量Mw)/(数平均分子量Mn)は1.77であった。
(アルカリ溶解性の評価)
合成例1または比較合成例1のポリマー(PGMEA溶液)を、PGMEAで適宜希釈して、スピンコート用に粘度を調整した。粘度が調整された各ポリマー溶液を、ウエハ上にスピンコートし、100℃で2分間プリベークすることで、厚み2.5μmの樹脂膜を形成した。
この樹脂膜のアルカリ溶解速度を、23℃で、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液を用いて測定した。具体的には、樹脂膜の初期厚みと、樹脂膜をTMAH水溶液に浸漬したときの樹脂膜が完全に溶解するまでの時間から、アルカリ溶解速度を算出した。
(耐クラック性評価)
合成例1または比較合成例1のポリマーを、ウエハ上に膜厚が20μmとなるようにスピンコートし、120℃で4分間プリベークして樹脂膜を形成した。その後、樹脂膜をウエハごとステンレス(SUS)板の上で急冷した。急冷後に樹脂膜にクラックの有無を目視で観察した。
評価結果をまとめて表1に示す。
Figure 2021017515
表1に示されるとおり、合成例1のポリマーは、架橋構造を含むにもかかわらず、アルカリ溶解性に対する適度な溶解性を有していた。また、合成例1のポリマーを膜としたときのクラック発生は抑えられた。
<エポキシ基を有する化合物を含む組成物の調製>
(実施例1)
後掲の表2に示される配合に従って各成分を均一に攪拌・混合した。その後、孔径0.2μmのフィルターでろ過することにより、組成物を調製した。
(比較例1)
原料を後掲の表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして感光性樹脂組成物を得た。
表2に示される各成分の詳細は以下のとおりである。
・ポリマー
ポリマー1:合成例1で合成したもの
ポリマー2:比較合成例1で合成したもの
・架橋剤
エポキシ1:VG3101L(プリンテック株式会社製、以下構造)
Figure 2021017515
<エポキシ基を有する化合物を含む組成物の評価>
1.硬化膜の作製
以下手順で行った。
(1)サイズが8インチ、厚さ725μmのシリコンウェハを用意した。
(2)このシリコンウェハ上に、組成物をスピンコーターで塗布して、液状被膜を形成した。
(3)ホットプレートを用いて、液状被膜を110℃で3分間乾燥させ、塗膜を得た。
(4)得られた塗膜に対して、株式会社オーク製作所の露光装置(ORC HMW 201GX)を用いて、700mJ/cmで全面露光した。
(5)露光後の塗膜に対して、110℃で5分間のPEB(Post Exposure Bake)を行った。
(6)200℃で90分間加熱して、硬化膜を有するシリコンウェハを得た。
2.伸びの評価
まず、上記の硬化膜を有するシリコンウェハから、フッ酸水溶液を用いて硬化膜を剥がし、水で洗浄し、幅6.5mm×長さ20mmに切り出して、伸び評価用のサンプルを得た。
温度25℃、湿度55%の条件下、株式会社オリエンテック製の引張試験機(テンシロンRTA−100)を用いて、引張速度:5mm/minの条件で、サンプルが破断するまで引っ張り、引張伸び率(%)を測定した。測定は実施例および比較例で各5回行い、その平均値を伸びの値として採用した。
3.硬化収縮率の評価
上記1.の(1)〜(6)のようにして、シリコンウェハ上に硬化膜を設けた。このときの、硬化前すなわち(3)終了後の塗膜の膜厚と、硬化後すなわち(6)終了後の硬化膜の膜厚を測定し、以下式より硬化収縮率(%)を求めた。膜厚の測定には、オリンパス社の光干渉式膜厚系VM−1030を用いた。
式:{(硬化前の樹脂膜の厚み−硬化膜の厚み)/硬化前の樹脂膜の厚み}×100
以上をまとめて表2に示す。
Figure 2021017515
表2に示されるとおり、実施例1の組成物の伸びは比較例1の伸びよりも大きく、破断しにくいことが示された。また、実施例1の組成物の硬化収縮率は比較例1の組成物の硬化収縮率よりも小さく、硬化で収縮しにくいことが示された。これら結果からも、一般式(CL)で表される構造を含むポリマーの有用性が理解される(特に、エポキシ樹脂と併用した組成物の有用性が理解される)。

Claims (22)

  1. 以下一般式(CL)で表される構造を含むポリマーと、溶剤と、を含むポリマー含有組成物。
    Figure 2021017515
    一般式(CL)中、Xは、エーテル結合(C−O−C)を含む2価の原子団を表す。
  2. 請求項1に記載のポリマー含有組成物であって、
    前記Xは、アリールエーテル骨格を含むポリマー含有組成物。
  3. 請求項1または2に記載のポリマー含有組成物であって、
    前記Xは、以下一般式(x)で表されるポリマー含有組成物。
    Figure 2021017515
    一般式(x)において、
    Aは、複数存在する場合はそれぞれ独立に、単結合、直鎖または分岐のアルキレン基、エーテル基、カルボニル基、エステル基およびこれらのうち2以上が連結された基からなる群より選択されるいずれかの基であり、
    Bは、単結合、直鎖または分岐のアルキレン基、エーテル基、カルボニル基、エステル基およびこれらのうち2以上が連結された基からなる群より選択されるいずれかの基であり、
    AおよびBのうち少なくとも1つはエーテル基であり、
    、RおよびRは、複数存在する場合はそれぞれ独立に、1価の有機基、ヒドロキシル基またはハロゲン原子であり、
    k、lおよびmは、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、
    nは、0以上の整数であり、
    *は、前記一般式(CL)中の窒素原子との結合手を表す。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリマー含有組成物であって、
    前記ポリマーは、さらに以下一般式(CO)で表される構造単位を含むポリマー含有組成物。
    Figure 2021017515
    一般式(CO)において、
    、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜30の有機基であり、
    は0、1または2である。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリマー含有組成物であって、
    さらに、以下一般式(IM−1)で表される構造単位を含むポリマー含有組成物。
    Figure 2021017515
    一般式(IM−1)中、Rは、1価の有機基である。
  6. 請求項5に記載のポリマー含有組成物であって、
    前記Rは、酸基を含むポリマー含有組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリマー含有組成物であって、
    前記ポリマーの重量平均分子量は、15,000〜50,000であるポリマー含有組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリマー含有組成物であって、
    さらに、エポキシ基を有する化合物を含むポリマー含有組成物。
  9. 以下一般式(CL)で表される構造を含むポリマー。
    Figure 2021017515
    一般式(CL)中、Xは、エーテル結合(C−O−C)を含む2価の原子団を表す。
  10. 請求項9に記載のポリマーであって、
    前記Xは、アリールエーテル骨格を含むポリマー。
  11. 請求項9または10に記載のポリマーであって、
    前記Xは、以下一般式(x)で表されるポリマー。
    Figure 2021017515
    一般式(x)において、
    Aは、複数存在する場合はそれぞれ独立に、単結合、直鎖または分岐のアルキレン基、エーテル基、カルボニル基、エステル基およびこれらのうち2以上が連結された基からなる群より選択されるいずれかの基であり、
    Bは、単結合、直鎖または分岐のアルキレン基、エーテル基、カルボニル基、エステル基およびこれらのうち2以上が連結された基からなる群より選択されるいずれかの基であり、
    AおよびBのうち少なくとも1つはエーテル基であり、
    、RおよびRは、複数存在する場合はそれぞれ独立に、1価の有機基、ヒドロキシル基またはハロゲン原子であり、
    k、lおよびmは、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、
    nは、0以上の整数であり、
    *は、前記一般式(CL)中の窒素原子との結合手を表す。
  12. 請求項9〜11のいずれか1項に記載のポリマーであって、
    さらに以下一般式(CO)で表される構造単位を含むポリマー。
    Figure 2021017515
    一般式(CO)において、
    、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜30の有機基であり、
    は0、1または2である。
  13. 請求項9〜12のいずれか1項に記載のポリマーであって、
    さらに、以下一般式(IM−1)で表される構造単位を含むポリマー。
    Figure 2021017515
    一般式(IM−1)中、Rは、1価の有機基である。
  14. 請求項9〜13のいずれか1項に記載のポリマーであって、
    前記Rは、酸基を含むポリマー。
  15. 請求項9〜14のいずれか1項に記載のポリマーであって、
    重量平均分子量が、15,000〜50,000であるポリマー。
  16. 以下式(MA)で表される構造単位を含む原料ポリマーと、以下一般式(am−1)で表されるジアミン化合物とを液相で反応させて、以下一般式(CL)で表される構造を含むポリマーを得る架橋反応工程、を含むポリマーの製造方法。
    Figure 2021017515
    一般式(am−1)および(CL)中、Xは、エーテル結合(C−O−C)を含む2価の原子団を表す。
  17. 請求項16に記載のポリマーの製造方法であって、
    前記架橋反応工程は、前記原料ポリマーと前記ジアミン化合物とを、100〜150℃で1〜24時間加熱することにより行われるポリマーの製造方法。
  18. 請求項16または17に記載のポリマーの製造方法であって、
    前記ジアミン化合物は、アリールエーテル骨格を含むポリマーの製造方法。
  19. 請求項16〜18のいずれか1項に記載のポリマーの製造方法であって、
    前記ジアミン化合物は、以下一般式(am−2)で表されるポリマーの製造方法。
    Figure 2021017515
    Aは、複数存在する場合はそれぞれ独立に、単結合、直鎖または分岐のアルキレン基、エーテル基、カルボニル基、エステル基およびこれらのうち2以上が連結された基からなる群より選択されるいずれかの基であり、
    Bは、単結合、直鎖または分岐のアルキレン基、エーテル基、カルボニル基、エステル基およびこれらのうち2以上が連結された基からなる群より選択されるいずれかの基であり、
    AおよびBのうち少なくとも1つはエーテル基であり、
    、RおよびRは、複数存在する場合はそれぞれ独立に、1価の有機基、ヒドロキシル基またはハロゲン原子であり、
    k、lおよびmは、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、
    nは、0以上の整数である。
  20. 請求項16〜19のいずれか1項に記載のポリマーの製造方法であって、
    前記原料ポリマーは、さらに以下一般式(CO)で表される構造単位を含むポリマーの製造方法。
    Figure 2021017515
    一般式(CO)において、
    、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜30の有機基であり、
    は0、1または2である。
  21. 請求項16〜20のいずれか1項に記載のポリマーの製造方法であって、
    さらに、原料ポリマーとモノアミンとを反応させるモノアミン反応工程を含むポリマーの製造方法。
  22. 請求項21に記載のポリマーの製造方法であって、
    前記モノアミンは、酸基を含むモノアミンであるポリマーの製造方法。
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