JP2021016797A - 椎間インプラントの拡張 - Google Patents

Abstract

【課題】骨構造の弱点を解決するために、脊柱にさらなる支持体を提供する技術を提供する。【解決手段】関節スペーサーは、それぞれが骨係合面および反対側の側面上に位置付けられた傾斜カム面を有する少なくとも二つのカムを備えた、第一の端板および第二の端板を有する。それぞれ傾斜面を有する勾配を有する、第一のスライドおよび第二のスライドは、端板のカムと係合する。第一のスライドは端部に角度付き部分を有し、第二のスライドはヒンジ部分を有する。ねじ山シャフトはスライドヒンジ部分に接続されたヒンジ部分を有し、シャフトをスライドに接続して、シャフトが枢動することを可能にする。ナットはシャフトに螺合され、第一のスライドの角度付き部分と接触して干渉し、第一のスライドを第二のスライドに対して駆動する。これにより、カムおよび勾配の係合が端板を離すように駆動して、スペーサー高さを増大させる。【選択図】図１

Description

本開示は、椎間スペーサーを挿入することによって脊椎の隣接する椎骨を安定化させることに関し、更に具体的には、高さが調整可能な椎間スペーサーに関する。

脊柱（脊椎、背骨）は、頭蓋骨から骨盤骨へと延びる、互い頂部上に積み重ねられた椎骨の可撓性アセンブリであり、軸方向の骨格を支持し、脊髄および神経を保護するように作用する。椎骨は、頚椎、胸椎、腰椎および仙椎として特定される四つの一般化された身体領域に解剖学的に組織化され、頸椎領域は、頭蓋骨内で開始する脊椎の頂部を含み、胸椎領域は、胴部にわたり、腰椎領域は、腰背部にわたり、仙椎領域は、骨盤への接続で終了する脊椎の基部を含む。最初の二つの頸椎を除いて、クッション様の間板、すなわち椎間板が隣接する椎骨を分離している。

圧縮および運動の間の脊柱の安定性は、椎間板によって維持される。椎間板それぞれは、線維輪によって囲まれたゲル様の中心部を含む。ゲル様の中心部、すなわち髄核は、椎間板が外部負荷を吸収および分散させるよう強度を提供し、プロテオグリカンマトリクス中に分散されたタイプＩＩコラーゲンの混合物を含有する。線維輪、また環状線維は、運動中の安定性を提供し、タイプＩコラーゲンの積層輪を含有する。したがって、環状線維が髄核を所定位置に含有し、髄核が、外部負荷を受容および分散するために環状線維を整列させるために、環状線維と髄核は相互依存的である。椎間板の正常な機能を維持するために、椎間板の組成物および構造の完全性が必要である。

通常の生理学的老化、機械的損傷／外傷、および／または疾患などの多くの要因が、椎間板の組成物および構造に悪影響を及ぼし、椎間板機能の障害または損失がもたらされ得る。例えば、髄核中のプロテオグリカンの含有量は年齢と共に減少するため、髄核が水分を吸収する能力が同時に低下する。したがって、通常の老化において、椎間板は徐々に脱水し、椎間板の高さが減少し、線維輪が剥離する可能性がもたらされる。機械的損傷は、環状線維を引き裂いて、髄核のゲル様材料が脊柱管内に押し出されて神経要素を圧迫しかねない。脊椎腫瘍の増殖は、椎骨および／または椎間板に影響を与えて神経を圧迫する可能性がある。

脊椎の骨および骨構造は、支持体および構造を提供するそれらの能力に影響を及ぼし得るさまざまな弱点に影響されやすい。骨構造の弱点には起こり得る多くの原因があり得るが、その中には、変性疾患、腫瘍、骨折および脱臼を含む。薬剤および工学の進歩は、医師にこれらの弱点を軽減するかまたは治療するための複数のデバイスおよび技術を提供した。

いくつかの事例では、そのような弱点を解決するために、特に、脊柱にさらなる支持体が要求される。支持体を提供する一つの技術は、隣接する椎骨の間にスペーサーを挿入することである。

本開示の一実施形態では、関節の骨を分離するためのスペーサーは、第一の端板および第二の端板であって、それぞれが、骨係合面、および、それぞれが傾斜カム面を有する、骨係合面と反対側の側面上に位置付けられる少なくとも二つのカムを有する、第一の端板および第二の端板と、第一のスライドおよび第二のスライドであって、それぞれが、それぞれが傾斜面を有し、それぞれが端板のカムの傾斜カム面と係合する、少なくとも二つの勾配を有し、第一のスライドが、近位端に角度付き部分を有し、第二のスライドが、第一のヒンジ部分を有する、第一のスライドおよび第二のスライドと、ねじ山シャフトであって、第一のヒンジ部分と協働してシャフトを第二のスライドに接続して、シャフトが第二のスライドに対して変更可能な角度を形成することを可能にする、第二のヒンジ部分を有する、ねじ山シャフトと、シャフトと螺合係合するナットであって、シャフト上を螺合前進した時に、第一のスライドの角度付き部分との干渉を形成し、それによって、第一のスライドを第二のスライドに対して駆動して、少なくとも二つのカムと少なくとも二つの勾配の相対移動係合を生じ、端板を相対的に離すように駆動して、それによってスペーサーの高さを増大させる、ナットと、を備える。

その変形では、第一のスライドの角度付き部分がダブテール部分を形成し、スペーサーがさらに、シャフトの周りに位置付けられ、かつシャフトに沿って軸方向に摺動可能である、カラーを含み、カラーがナットによって接触可能であり、カラーが、シャフト上のナットの回転によってシャフトに沿って軸方向に駆動可能であり、かつ第一のスライドの近位端にダブテール部分と嵌合可能なダブテール部分を有し、それによって、ナットを螺合することによって生じる干渉が第一のスライドのダブテール部分およびカラーのダブテール部分を係合させて互いに対して摺動させ、第一のスライドを第二のスライドに対して摺動させる。

その他の変形では、ナットが、取り付けられたスリーブを有し、カラーがスリーブに取り付け可能であって、スリーブ上でシャフトに対して軸方向に回転可能であり、第一のスライドおよび第二のスライドが第一の端板と第二の端板との間に位置付けられ、端板それぞれの少なくとも二つのカムのうちの少なくとも一つが第一のスライドの少なくとも二つの勾配のうちの一つと接触して位置付けられ、端板それぞれの少なくとも二つのカムのうちの少なくとも一つが第二のスライドの少なくとも二つの勾配のうちの一つと接触して位置付けられる、および／または第一の端板および第二の端板のそれぞれの少なくとも一つのカムが少なくとも四つのカムを含み、第一のスライドおよび第二のスライドのそれぞれの少なくとも一つの勾配が少なくとも四つの勾配を含み、端板それぞれの二つのカムが第一のスライドの二つの勾配と接触して位置付けられ、端板それぞれの二つのカムが第二のスライドの二つの勾配と接触して位置付けられる。

さらなるその変形では、第一のスライドおよび第二のスライドが共に、第一のスライドおよび第二のスライドの上面および底面上の第一の端板および第二の端板によって境界付けられ、第一のスライドおよび第二のスライドが共に、第一のスライドおよび第二のスライドの左面および右面上の第一の端板および第二の端板の八つのカムによって境界付けられる。

さらなる変形では、第一のスライドおよび第二のスライドが、嵌合接続によって相互に摺動可能に接合され、長手方向軸に沿った相対摺動を可能にし、嵌合接続はダブテール接続であり、および／または第二のスライドの第一のヒンジ部分およびねじ山シャフトの第二のヒンジ部分が共にクレビスおよびピンヒンジを形成する。

本開示の別の実施形態では、関節の骨を分離するためのスペーサーは、第一の端板および第二の端板であって、それぞれが、骨係合面、および、それぞれが傾斜カム面を有する、骨係合面と反対側の側面上に位置付けられる少なくとも二つのカムを有する、第一の端板および第二の端板と、第一のスライドおよび第二のスライドであって、それぞれが、それぞれが傾斜面を有し、それぞれが端板のカムの傾斜カム面と係合する、少なくとも二つの勾配を有し、第一のスライドが、近位端にダブテール部分を有し、第二のスライドが、第一のヒンジ部分を有する、第一のスライドおよび第二のスライドと、ねじ山シャフトであって、第一のヒンジ部分と協働してシャフトを第二のスライドに接続して、シャフトが第二のスライドに対して変更可能な角度を形成することを可能にする、第二のヒンジ部分を有する、ねじ山シャフトと、シャフトと螺合係合するナットと、シャフトの周りに位置付けられ、かつシャフトに沿って軸方向に摺動可能である、カラーであって、ナットによって接触可能であり、シャフト上のナットの回転によってシャフトに沿って軸方向に駆動可能であり、第一のスライドの近位端にダブテール部分と嵌合可能なダブテール部分を有する、カラーとを備え、第一のスライドが、第一のスライドのダブテール部分とカラーが嵌合した時、かつナットがシャフト上で螺合回転してカラーと接触している時に、第二のスライドに対して摺動可能であり、第一のスライドを第二のスライドに対して摺動することが、少なくとも二つのカムと少なくとも二つの勾配の相対移動係合を生じ、端板を相対的に離すように駆動して、それによってスペーサーの高さを増大させる。

その変形では、ナットが、取り付けられたスリーブを有し、カラーがスリーブに取り付け可能であって、スリーブ上でシャフトに対して軸方向に回転可能であり、第一のスライドおよび第二のスライドが第一の端板と第二の端板との間に位置付けられ、端板それぞれの少なくとも二つのカムのうちの少なくとも一つが第一のスライドの少なくとも二つの勾配のうちの一つと接触して位置付けられ、端板それぞれの少なくとも二つのカムのうちの少なくとも一つが第二のスライドの少なくとも二つの勾配のうちの一つと接触して位置付けられる、および／または第一の端板および第二の端板のそれぞれの少なくとも一つのカムが少なくとも四つのカムを含み、第一のスライドおよび第二のスライドのそれぞれの少なくとも一つの勾配が少なくとも四つの勾配を含み、端板それぞれの二つのカムが第一のスライドの二つの勾配と接触して位置付けられ、端板それぞれの二つのカムが第二のスライドの二つの勾配と接触して位置付けられる。

そのさらなる変形では、第一のスライドおよび第二のスライドが共に、第一のスライドおよび第二のスライドの上面および底面上の第一の端板および第二の端板によって境界付けられ、第一のスライドおよび第二のスライドが共に、第一のスライドおよび第二のスライドの左面および右面上の第一の端板および第二の端板の八つの勾配によって境界付けられ、第一のスライドおよび第二のスライドが、嵌合接続によって相互に摺動可能に接合され、長手方向軸に沿った相対摺動を可能にし、嵌合接続はダブテール接続であり、および／または第二のスライドの第一のヒンジ部分およびねじ山シャフトの第二のヒンジ部分が共にクレビスおよびピンヒンジを形成する。

本開示のさらなる実施形態では、関節の骨を分離する方法は、カンビンの三角形の開口部を通してスペーサーを挿入することであって、スペーサーが、第一の端板および第二の端板であって、それぞれが、骨係合面、および、それぞれが傾斜カム面を有する、骨係合面と反対側の側面上に位置付けられる少なくとも二つのカムを有する、第一の端板および第二の端板と、第一のスライドおよび第二のスライドであって、それぞれが、それぞれが傾斜面を有し、それぞれが端板のカムの傾斜カム面と係合する、少なくとも二つの勾配を有し、第一のスライドが、近位端に角度付き部分を有し、第二のスライドが、第一のヒンジ部分を有する、第一のスライドおよび第二のスライドと、ねじ山シャフトであって、第一のヒンジ部分と協働してシャフトを第二のスライドに接続して、シャフトが第二のスライドに対して変更可能な角度を形成することを可能にする、第二のヒンジ部分を有する、ねじ山シャフトと、シャフトと螺合係合するナットであって、シャフト上を螺合前進した時に、第一のスライドの角度付き部分との干渉を形成し、それによって、第一のスライドを第二のスライドに対して駆動して、少なくとも二つのカムと少なくとも二つの勾配の相対移動係合を生じ、端板を相対的に離れるように駆動して、それによってスペーサーの高さを増大させる、ナットとを備える、挿入することと、スペーサーを、隣接する椎骨の椎体端板の間の配備位置に位置決めすることであって、スペーサーが、端板が実質的に相対的に離れるように駆動されない時にカンビンの三角形を通して挿入され、端板は、スペーサーが配備位置にある時にナットを螺合係合することによって相対的に離れるように駆動される、位置決めすることと、を含む。

その変形では、第一のスライドの角度付き部分がダブテール部分を形成し、スペーサーがさらに、シャフトの周りに位置付けられ、かつシャフトに沿って軸方向に摺動可能である、カラーを含み、カラーがナットによって接触可能であり、カラーが、シャフト上のナットの回転によってシャフトに沿って軸方向に駆動可能であり、かつ第一のスライドの近位端にダブテール部分と嵌合可能なダブテール部分を有し、それによって、ナットを螺合することによって生じる干渉が第一のスライドのダブテール部分およびカラーのダブテール部分を係合させて互いに対して摺動させ、第一のスライドを第二のスライドに対して摺動させて第一のスライドを第二のスライドに対して摺動させ、および／または第一のスライドおよび第二のスライドが共に、第一のスライドおよび第二のスライドの上面および底面上の第一の端板および第二の端板によって境界付けられ、第一のスライドおよび第二のスライドが共に、第一のスライドおよび第二のスライドの左面および右面上の第一の端板および第二の端板のカムによって境界付けられる。

本開示、および付随するその利点および特徴のより完全な理解は、添付の図面とともに考慮された場合、以下の詳細な説明を参照することによって、さらに容易に理解されよう。
図１は、ナットの回転時に拡張するよう構成された、本開示のスペーサーインプラント装置の斜視図である。 図２は、図１の装置の分解図の正面図である。 図２Ａは、図２の装置の背面図である。 図４は、挿入のために構成された本開示の装置の側面斜視図である。 図４は、図１の装置の上面図であり、ねじ山シャフトが器具との係合のために角度付けられて所定位置にあり、カラーがスライドから係合解除されている。 図５は、図１の装置の上面図である。 図６は、図１の装置の上面図であり、ナットが装置の高さを最大限に増大させるために締め付けられている。 図７は、図６の装置の側面図である。 図８は、図７の拡張された装置の背面斜視図である。 図９は、図３の装置の上面斜視図である。 図１０は、端板が取り除かれた、図５の装置の上面斜視図である。 図１１は、移植装置の斜視図であり、図５の装置が身体の椎体端板の上に位置付けられている。 図１２は、図１１の装置および椎体端板の詳細図である。 図１３は、図１２の装置の詳細図であり、ナットが前進して、装置の高さが拡張している。 図１４は、図１３の装置の背面図である。

必要に応じて、本明細書に詳細な実施形態が開示されているが、当然のことながら、開示された実施形態は単に例示であり、以下に記載するシステムおよび方法は様々な形態で具現化され得る。したがって、本明細書に開示される特定の構造的および機能的詳細は、限定として解釈されるべきではなく、当業者であれば、実質的に任意の適切な詳細な構造において本主題を様々に用いるための特許請求の範囲として、また代表的な基礎として解釈されるべきである。さらに、本明細書で使用される用語および句は、限定することを意図しておらず、むしろ、概念の理解可能な説明を提供することを意図している。

本明細書で使用される用語「ａ」または「ａｎ」は、一つ以上として定義される。本明細書で使用される複数形の用語は、二つ以上として定義される。本明細書で使用される用語「別の（ａｎｏｔｈｅｒ）」は、少なくとも第二以上として定義される。本明細書で使用される用語「含む（ｉｎｃｌｕｄｉｎｇ）」および「有する（ｈａｖｉｎｇ）」は、備える（ｃｏｍｐｒｉｓｉｎｇ）（すなわち、開放型用語）として定義される。

図を参照すると、本開示は、調整可能な高さを有する拡張可能なスペーサー／インプラントまたは装置１００を提供する。装置１００は、骨の分離を容易にするために、隣接する二つの骨の表面の間に挿入され、また所望の場合、骨の表面の固定を促進する。固定することが望ましい任意の隣接する骨の表面に有用であることが意図されているが、装置１００は、有利なことに、頸椎セクション、胸椎セクション、腰椎セクション、および仙椎セクションを含む、脊椎の任意のセクションにおける二つの隣接する椎体の間に適用される。一つ以上の装置１００は、身体内、例えば、連続した、または分離した椎骨間に移植されてもよく、または同一の隣接する椎骨間に位置付けられてもよい。複数の装置１００の使用は、背部痛が局所的な領域に限定されない患者、または局所的損傷が脊椎の他の領域に進行した患者にとって特に有利である。

装置１００およびその挿入方法は、罹患または損傷した骨構造を伴う患者の多種多様な病態のいずれかのための治療プロトコルで使用することができる。患者はヒトであり得る。さらに、装置１００は、固定される隣接する骨構造を有する任意の動物に対する獣医学において有用であり得ることが意図されている。装置１００は、その完全に低減した挿入高さのおよそ２倍まで拡張することができる。この折り畳まれた構成にある時、装置１００は、適切な低侵襲技術を使用して、小さな切開および狭い経路を通して空間内に挿入されて、隣接する骨間の空間内に位置付けられ、そこで所望の治療的高さまで拡張され得る。切開は、短くてもよく、例えば約１センチメートルの長さであり、これは拡張された構成における装置１００よりも小さい。所望の位置および／または拡張が達成されない場合、装置１００は、その場で折り畳まれ、再配置され、再拡張され得る。

装置１００は脊椎での使用のために本明細書で例示されているが、装置１００は任意の骨構造の固定のために意図されている。装置１００は本明細書ではいくつかの様々な実施形態を使用して記述されているが、装置１００はこれらの実施形態に限定されるものではない。一つの実施形態のある要素は、別の実施形態で使用されてもよく、またはある実施形態は、記載されたすべての要素を含まずともよい。

椎体間装置は、脊椎すべり症による変性椎間板疾患および脊椎狭窄症を含む、様々な脊椎病態を治療する際に、脊椎の前柱に支持体および安定性を提供するために使用されてきた。前方椎体椎体間装置を用いた脊椎病理の臨床治療は、正常な前柱の整列を復元するために、椎体間の正確な配置に依存する。医原性病理は、椎間板腔への手術用アクセス窓、椎体の骨端輪上に見られることが多い硬質の皮質骨上への椎体間の正確な配置不良、または正常な解剖学的脊椎整列の正確な制御および復元不良の両方に起因し得る。装置１００は、硬質皮質骨との椎間板接触を増大すると共に、椎間板腔へのアクセス窓のプロファイルを減少すると同時に前柱整列の正確な制御を提供する、椎体間支持体の正確な配置を提供する。

より具体的には、皮質骨板接触領域を最大化すると同時に椎体間のアクセスプロファイルを改善するために、装置１００は、狭いプロファイルで椎間板腔に入り、前方骨端輪上の表面積接触を増大するように関節接合する。その最終の移植位置における椎体間の配向および位置は、椎体の骨密度マップを決定する術前／術中スキャンまたは通常の人口統計によって最適化され得る。椎体間を正しく配向するために、ロボットおよびナビゲーションガイダンスが使用され得る。

一実施形態では、装置１００は以下のとおり移植され得る。

１． 接触する骨／インプラントインターフェースの骨密度を最適化するための、最終的な最適なインプラント位置についての決定を行う。

２． ロボット／ナビゲーションを使用して、この最適なインプラント位置を達成できる可能性のある軌道を決定する。

３． カニューレを、カンビンの三角形を通して椎間板腔上に、または神経根を出て神経根を横断する椎間板腔によって境界付けられる解剖学的領域上にドッキングする。

４． 図３および図９で分かり得るように、拡張可能な椎体間を非関節接合配向で挿入する。

５． 拡張可能な椎体間を、椎体の前方骨端輪との表面接触領域を十分に最大化する、関節接合配向へと完全に関節接合させる（図４）。

６． 拡張可能な椎体間を拡張させて、正常な脊椎整列を正確に復元する（図７〜図８）。

椎体間の関節接合は、いくつかの方法を通して達成することができる。一実施形態では、関節接合機構はねじ山シャフトの端部における関節接合点から成る。関節接合機構は、ねじ山シャフトが雄内部勾配スライドにピン留めされた蝶番接合部である。

図面を参照すると、装置１００は、端板１２０および１２２の分離を引き起こす、摺動システムを使用して拡張され、端板はそれぞれ、身体内に位置付けられて、骨関節の別個の側面を他方の端板に対して接触させる。脊椎内に位置付けられると、一方の端板は上位の椎骨と接触する端板であり、他方の端板は下位の椎骨と接触する下位端板である。装置１００の配向は、そこから移植がアプローチされる、身体の側面によって決定され得る。本明細書の別の場所でより詳細に説明されるように、作動シャフト１３６は、端板に対して角度を形成し、シャフトは、椎骨面に沿って位置する、あるいは関節またはその他の身体組織の動きを干渉しないことが望ましい。

特に、図２を参照すると、装置１００は、相互に摺動係合される第一のスライド１０２および第二のスライド１０４を含む。示された実施形態では、第一のスライド１０２および第二のスライド１０４のそれぞれには、嵌合ダブテール部分１０６、１０８がそれぞれ提供され、これらは、互いに対してその長手方向軸に沿って摺動するのにつれて、バックツーバック接続およびスライド１０２と１０４との間の配向を維持する。長さまたは長手方向軸は、装置１００の挿入方向に沿って延在しており、本明細書の別の場所でさらに説明する。装置１００の高さは、長手方向軸に対して横断して延在する。

スライド１０２および１０４は協働して、スライド１０２および１０４が互いに対して摺動する時に、端板１２０、１２２の互いからの距離を変化させる。図２を参照すると、スライド１０４は、それぞれ嵌合カム１１０Ｂを係合する一つ以上の勾配１１０Ａを形成し、端板１２２上の勾配１１０Ａに対応する表面を有する。同様に、さらに図２Ａを参照すると、スライド１０４は、それぞれ端板１２４上の嵌合カム１１０Ｄを係合する一つ以上の勾配１１０Ｃを形成する。類似の方法で、スライド１０２は、それぞれ端板１２２上の嵌合カム１１２Ｂを係合する一つ以上の勾配１１２Ａ、およびそれぞれ端板１２４上の嵌合カム１１２Ｄを係合する一つ以上の勾配１１２Ｃを形成する。

カム１１０Ｂおよび１１２Ｂは反対方向に角度付けられており、同様に、カム１１０Ｄおよび１１２Ｄは反対方向に角度付けられている。このように、スライド１０２および１０４が、重複が多い関係に向かって反対方向に移動するのにつれて、カム１１０Ｂ、１１２Ｂ、１１０Ｄ、および１１２Ｄは、勾配１１０Ａ、１１２Ａ、１１０Ｃおよび１１２Ｃにそれぞれ沿って上方に摺動し、端板１２０、１２２を離すように駆動する。同様に、スライド１０２および１０４が重複が少ない関係に向かって反対方向に移動するのにつれて、カム１１０Ｂ、１１２Ｂ、１１０Ｄ、および１１２Ｄは、勾配１１０Ａ、１１２Ａ、１１０Ｃおよび１１２Ｃにそれぞれ沿って下方に摺動し、例えば、身体組織によって加えられる圧力によって、端板１２０、１２２を一緒に移動させることを可能にする。カム１１０Ｂ、１１２Ｂ、１１０Ｄ、および１１２Ｄはそれぞれ、嵌合勾配１１０Ａ、１１２Ａ、１１０Ｃ、および１１２Ｃの表面の傾斜に対応する傾斜カム面を有する。

スライド１０２および１０４上のダブテール部分１０６および１０８は協働して、長手方向軸に沿った相対移動の間に、スライド１０２と１０４との間の接触を維持する。これは、装置１００の安定性および信頼性に寄与する。代替的な実施形態では、ダブテール部分１０６および１０８は、スライド１０２および１０４が長手方向軸に対して横断方向に沿って分離することを防止しない。例えば、ダブテール部分１０６および１０８は、突出部および溝の形態を有してもよい。さらなる実施形態では、ダブテール部分１０６および１０８が存在せず、スライド１０２および１０４は、カム１１０Ｂ、１１２Ｂ、１１０Ｄおよび１１２Ｄによって拘束されることによって、およびカラー１３８のダブテール面１５０および１５２、およびスライド１０４の近位端１５４を通して確立された相互接続を通して、動きが制約される。さらに当然のことながら、図面のダブテールの実施例は、一方に雄構成要素、他方に雌構成要素を例解しているが、これらの構成要素の相対配置は逆でもよい。

垂直面１６０（図７および１０）は、勾配１１０Ａ、１１２Ａ、１１０Ｃおよび１１２Ｃのいずれかまたはすべてに隣接して形成されて、カム１１０Ｂ、１１２Ｂ、１１０Ｄおよび１１２Ｄが入るための空間を提供し、さらに、装置１００が所望の最も低い高さプロファイルまで低減された時のスライド１０２、１０４の相対移動を防止し得る。

さらに、スライド１０２、１０４が長手方向に沿って比較的少ない重複で摺動すると、カム１１０Ｂ、１１２Ｂ、１１０Ｄ、および１１２Ｄは、より完全に重複し、勾配１１０Ａ、１１２Ａ、１１０Ｃおよび１１２Ｃと入れ子状になり、端板１２０、１２２が互いにより厳密に配置されて、装置１００の全体的な高さプロファイルが低減する。スライド１０２、１０４が比較的多い重複で配置されると、カム１１０Ｂ、１１２Ｂ、１１０Ｄ、および１１２Ｄは、勾配１１０Ａ、１１２Ａ、１１０Ｃおよび１１２Ｃに対してより不完全に重複／入れ子状になり、端板１２０、１２２が互いからより離れて配置されて、装置１００の全体的な高さプロファイルが増大する。

さらに特に図２を参照すると、スライド１０２および１０４に接続された一連の構成要素は、スライド１０２、１０４の前述の相対摺動変位を可能にする。より具体的には、ねじ山シャフト１３６は、スライド１０２の一端部に接続され、シャフト１３６と係合するナット１４０によって駆動されるカラー１３８は、スライド１０４に接続される。カラー１３８は、自由に回転し、シャフト１３６に沿って摺動して、ナット１４０の回転によってシャフト１３６の長手方向軸に沿って押される。シャフト１３６は、スライド１０２の端部に取り付けられたクレビス１４２を通り、シャフト１３６の端部に形成された孔１４６を通る、ピン１４４によってスライド１０２と枢動可能に係合する。カラー１３８はカラーダブテール部分１５０を含み、スライド１０４は近位端１５４に配置された嵌合スライドダブテール端部部分１５２を含む。図に示すように、カラー１３８は、ナット１４０に関連付けられたスリーブ１６２（図２）を中心に摺動可能である。代替的な実施形態では、スリーブ１６２は省略される、あるいは、カラー１３８がナット１４０と異なる係合を形成する。

シャフト１３６は、クレビスおよびピン以外の手段、例えば、バレル、フラッシュ、リビング、ピアノ、ゲート、バット、バタフライ、ピボット、またはばねヒンジを例として含む、任意の公知のヒンジ機構を通してスライド１０２に枢動可能に接続され得るが、シャフトが、スライド１０２に対して変更可能な角度を形成することを可能にし、かつ空間内に効率的に形成され得る、その他のヒンジ構造が使用されてもよい。

端板１２０、１２２には、それぞれ切り込み部分１５６、１５６Ａ（図２Ａおよび８）が提供され、クレビス１４２のための空間を提供してもよい。同様に、端板１２０、１２２の他の領域には、リリーフ１５８（図２Ａ）が提供される、または図２の１１０Ｂに示すように、材料を除去してカムを収容する、または装置１００が様々な高さ構成にある時に、必要に応じてその他の構造のための空間を提供してもよい。

挿入配向において、カラー１３８はスライドダブテール端部部分１５２から係合解除され、シャフト１３６はピン１４４を中心として枢動して、図３に示すように、スライド１０２、１０４と長手方向に整列する。最小のエンドオンプロファイルを有するこの構成では、それに対応して組織破壊が最小である小さな開口部を通して、装置１００を身体内の移植部位に挿入することが可能である。具体的には、カラー１３８が係合解除されると、端板は互いに向かって付勢され、スライド１０２、１０４を長手方向にオフセットし、長手方向軸に沿って長いプロファイルであるが、最小の高さであるプロファイルを生成する。一実施形態では、高さプロファイルは、積み重ねられた端板１２０および１２２の幅および厚さよりも大きくはない。図１、図３および図９〜図１０で分かるように、スライド１０２、１０４は完全に端板１２０、１２２内に存在する。

装置１００が本体内に位置付けられる間、シャフト１３６はピン１４４を中心に枢動し、カラー１３８が回転して、図４で分かるように、カラーダブテール部分１５０はスライドダブテール端部部分１５２と平行に整列される。カラー１３８は、カラーダブテール部分１５０がスライドダブテール端部部分１５２と整列するまで、ナット１４０の回転によってシャフト１３６に沿って駆動され得るが、その後は、図１および図５で分かるように、それぞれのダブテール部分が嵌合され得る。その後、ナット１４０は、シャフト１３６に沿ってさらに螺合されて、カラー１３８をシャフト１３６に沿って、カラー１３８とスライド１０２との間の接触が生成する点まで前進させ、その後、ナット１４０がさらに回転するのにつれて、この接触および干渉が、ダブテール部分１５０および１５２を互いに対して摺動させ、これによってスライド１０４をスライド１０２に対して、ダブテール部分１５０、１５２の摺動接続を通して駆動する。したがって、シャフト１３６がスライド１０２に固定され、カラー１３８がスライド１０４に固定されるため、シャフト１３６に沿ったカラー１３８の前進によって、スライド１０２および１０４が反対方向に移動し、上述のように装置１００の高さの変化がもたらされる。

端板１２０および１２２はそれぞれ、離間した平行なカムのセット（１１０Ｄ、１１２Ｄ、１１０Ｂ、１１２Ｂのそれぞれのうちの二つ）を有し、これはスライド１０２、１０４上の一致する数の勾配１１０Ａ、１１０Ｃ、１１２Ａ、１１２Ｃのそれぞれのうちの二つ）と協働して、サイドツーサイドおよびエンドツーエンドのロッキングに対する安定性を生じ、これらはサイズが一致しており、一緒に緊密に、そしてさらに離れるように移動するのにつれて、端板１２０、１２２の比較的平行な移動を生じる。

本開示の一実施形態では、ダブテール部分１５０、１５２およびカラー１３８は存在しない。この実施形態では、ナット１４０はスライド１０４の端部に直接支持される。ダブテール部分１５０の代わりに、スライド１０４にはスライド１０４の近位端に勾配表面が提供されてもよく、一つの変形では、勾配はダブテール１５０と同様の角度を有する。この実施形態では、シャフト１３６は、ナット１４０がこの角度付けられた近位端に支持される角度で維持される。ナット１４０が回転するにつれて、ナットおよび／または存在する場合はカラーとスライド１０４との間に干渉が生成され、本明細書に別途記載されるように、スライド１０４をスライド１０２に対して駆動する。

本開示の利点は少なくとも以下を含む：
１． 小さな挿入プロファイル：本開示は、椎間板腔内への例えば８．５ｍｍの挿入を可能とし、必要な皮膚、筋膜、筋肉、および靭帯の破壊が減少する。例えば、６ｍｍほどに小さいプロファイルを含む小さいプロファイル、または実質的に８．５ｍｍよりも大きなプロファイルが達成され得る。

２． 制御された前弯：本開示は、装置１００を椎間板腔内の関節接合位置に配置することを通して、制御された前弯を可能にする。スペーサーが椎間板腔にわたって水平方向に配置され、また、スペーサーが比較的浅い深さを有するという事実に起因して、スペーサーは、拡張時の前弯を増大するためのフルクラムとして使用することができる。一般的に、スペーサーを前方骨端輪上に配置することは、高さが拡張するのにつれて、前弯を連続的に増大させるための最大のてこを提供することが認められている。しかしながら、さらに前方の配置を利用することもでき、これにより、同じ高さのスペーサーを使用しててこの力を与えるときに前方の高さを増大することが可能になる。あるいは、二つの装置１００を同一の椎骨の間に、一つは椎体の前方側面上に、もう一つは椎体の後方側面上に配置して、矢状バランスをさらに制御および調整し、これによって、椎体の前方側面および後方側面の独立した拡張を可能にする。

３． 端板の破壊の減少：装置１００の、その場で拡張して治療範囲を補正することができる能力により、本開示は、様々なサイズの椎体間インプラントの挿入を通した従来的な試験の必要性を低減するが、従来的な試験は、椎骨端板の破壊、さらには身体へのさらなる外傷の原因となる、または寄与する可能性がある。

図１１〜図１２を参照すると、駆動器具４００はカニューレを形成する。印４０２は、身体への器具４００の挿入の深さを示す。位置決めは、撮像を使用して実行され、さらに、ロボットシステムを使用して実行されてもよい。器具４００の孔４０４は、身体組織を切断、切除、または焼灼するために、あるいは、装置１００をインプラントするための外科手技を容易にするために、外科用器具を挿入することを可能にする。孔４０４はさらに、装置１００の通過を可能にするようにサイズ決めされる。孔４０４の必要なサイズを最小化するために、装置１００は、最小の高さプロファイルに構成され、図３および図９に示すように、スライド１０４から係合解除され、装置１００の長手方向軸に沿って直線的に延在するねじ山シャフト１３６を有する。

装置１００は、身体内で器具４００を出た後、器具４００を通って通される外科用器具を使用して、椎骨端板３００上、例えば、骨端輪３０２上の位置へと操作され得る。さらに、本明細書の別の場所で説明した通り、シャフト１３６は、ダブテール部分１５０、１５２、結合スライド１０２および１０４の係合を可能にするように角度付けられ得る。ダブテール部分１５０、１５２が係合した後、駆動器具（図示せず）が器具４００を通って通され、ナット１４０と係合してナット１４０を回転させて、スライド１０２、１０４の相対摺動相対を生じ、図１３〜図１４で分かるように、装置１００の高さを拡張させる。後日、必要に応じて、器具４００を身体に再挿入して装置１００の位置を変更し、ナット１４０を回転させることで装置１００の高さを変更し、および／または治療的に有利な場合には、装置１００を身体から取り外し得る。

異なる装置１００は、他の装置１００に対して異なる高さおよび長さの勾配１１０Ａ、１１０Ｃ、１１２Ａ、１１２Ｃおよび／またはカム１１０Ｂ、１１０Ｄ、１１２Ｂ、１１２Ｄを含んで、治療処置に適応されるように、異なる速度または範囲の拡張を可能にし得る。より少ない、またはより多い数の勾配および／またはカムが提供されてもよい。端板１０２、１０４は、追加的に、または代替的に、骨表面に合致して、より安定的な支持プラットフォームを形成するように、弾性であってもよい。したがって、端板１０２、１０４は、高分子材料、天然弾性材料、または弾性金属、例えば形状記憶合金、または身体内の骨を分離するのに十分な強度および耐久性の任意の他の弾性生体適合性材料から作製され得る。

装置１００Ｄは、例えば、収縮した高さにおいて椎間孔経由で挿入され、前方配置へと関節接合することができる。配置が達成されると、装置１００は、椎間板の高さを復元するために拡張することができる。さらに、装置１００は、前方に配置されてもよく、連続的な範囲を通して拡張されて、軸方向バランスおよびより大きな端板接触領域を提供し得る。さらに、装置１００は、比較的小さな挿入窓の使用を通して優れた矢状補正を可能にし、骨損傷の必要性を減少させる。したがって、装置１００は、よく知られた後方アプローチを通してＡＬＩＦ装置の利点を提供し、手術時間および関連する血液損失を低減すると共に、アクセス外科医の必要性を除去する。

本開示によれば、後方アプローチからの椎間スペーサーの移植中、神経根を損傷することを回避する必要がある。骨を分離するよう寸法決めされた従来技術のスペーサーは、挿入されると神経根の視界を妨げ、その大きなサイズに起因して、身体への挿入中に神経根と接触する大きなリスクを引き起こし得る。結果として、医師は頻繁に神経根を後退させなければならず、組織損傷の危険性が伴う。本開示の装置１００は、移植中に、骨を離間させるための最終寸法に対して小さい寸法を形成する。したがって、挿入中に神経根が視覚化されて回避することができ、神経根の処置が、回避されるかまたは最小限に抑えられ得る。

本開示の装置１００は、移植中に関節接合することができ、これらは低侵襲的進入、例えば、最小の折り畳まれた寸法に近似する切開を通して、長手方向寸法を横切って通過させることにより、骨の間に挿入され得る。これにより、衝突力のない、例外的な前方配置、ならびにその他のアプローチからの移植を容易にすることが可能となる。本開示の装置１００はさらに、装置１００の全体的な寸法が挿入中に低減されることに起因して、より大きなフットプリントを有するインプラントが、減少したサイズの切開を通して挿入され得るために、良好な骨接触領域を展開する。

本開示の装置１００は、特定のスペーサー設計の所定の寸法に応じて、変位範囲にわたって連続的な拡張および収縮を可能にする。これにより、椎体またはその他の骨を所望の高さまたは分離に伸延する能力が提供される。端板１２０、１２２は、適切な前弯を提供するために、互いに対して収束する平面または表面を形成するようにサイズ決めされてもよく、それを通して骨が成長することができ、その中に骨グラフト材料が配置され得る開口部１９０が提供されてもよい。本開示の装置１００は、関節の骨が離れるように伸延する、または強要するために使用されてもよく、または、他の手段、例えば、レトラクタによって生成された骨の分離を維持するために使用されてもよい。端板は、改善された固定及び荷重支持のために、身体組織の表面、例えば接触される脊椎の皮質骨の表面に一致するようさらに湾曲していてもよい。

本開示の装置１００はさらに、端板１２０、１２２を通る細長い締結具の通路によって、身体と接続した状態で固定され得る。ブロッキング機構を使用して、細長い締結具の後退を防止してもよい。

本開示の装置１００は、患者に対する、そして装置が移植される期間に対する、十分な強度、可撓性、弾性、および耐久性を有する、既知または将来発見される任意の生体適合性材料を使用して作製され得る。例としては、例えば、チタン合金、クロム合金などの金属、例えば、ＰＥＥＫまたは超高分子量ポリエチレン（ＵＨＭＷＰＥ）を含む重合体、およびセラミックが含まれるが、これらに限定されない。他のプラスチックおよび金属、ならびに自家移植片、異系移植片、および異種移植片材料を含む、生組織または保存組織を用いた製造を含む、使用され得る多くの他の生体適合性材料があり得る。

装置１００の一部またはすべては、放射線不透過性または放射線透過性であってもよく、またはこうした特性を有する材料が、移植前後の装置の撮像を改善するために、装置１００に追加または組み込まれてもよい。

装置１００は、チタン、またはコバルト−モリブデン合金、Ｃｏ−Ｃｒ−Ｍｏ、例えば、ＡＳＴＭ Ｆ１５３７（およびＩＳＯ ５８３２−１２）において特定されるものを使用して形成されてもよい。滑らかな表面は、ＡＳＴＭ Ｆ１５８０、Ｆ１９７８、Ｆ１１４７及びＣ−６３３（およびＩＳＯ ５８３２−２）において特定される純粋なチタンでプラズマ溶射され得る。あるいは、装置１００の一部またはすべては、ポリマー、例えば、超高分子量ポリエチレン、ＵＨＭＷＰＥ（例えば、ＡＳＴＭ Ｆ６４８（およびＩＳＯ ５８３４−２）で特定されるもの）で形成されてもよい。一実施形態では、ＰＥＥＫ−ＯＰＴＩＭＡ（Ｉｎｖｉｂｉｏ Ｌｔｄ Ｃｏｒｐ、英国の商標）が、本開示の装置１００の一つ以上の構成要素に使用されてもよい。例えば、高分子部分は、放射線透過性であるＰＥＥＫ−ＯＰＴＩＭＡで形成することができ、これによって骨成長が観察され得る。また、適切な可撓性、耐久性、および生体適合性を有するその他の高分子材料も使用され得る。

本発明によれば、様々なサイズのインプラントが患者の解剖学的構造に最良に適合するように提供され得る。一致するまたは多様なサイズの構成要素が、患者の治療上のニーズを最も満たすものとして、医師によって移植処置中に組み立てられ、アセンブリは、挿入器具を用いて身体内に挿入され得る。本発明の装置１００はまた、自然の前弯、または正確な前弯、例えば頚椎の適用では０°〜１２°を提供するために、全体的角度形状、例えば、端板の角度接合配置で提供され得るが、他の関節については非常に異なる値が有利な場合がある。また、前弯角度は、一方または両方の端板を相対的に非同一平面の表面を有するように形状付けることによって、形成されてもよい。

例えば、頚椎における使用のための拡張されたインプラント高さは、典型的には７ｍｍ〜１２ｍｍの範囲であってよいが、これよりも大きくても小さくてもよく（５ｍｍほど小さい、および１６ｍｍほど大きい、を含む）、しかしながら、サイズは、患者、および本発明のインプラントが移植される関節に依存する。装置１００は、脊椎のいずれの個所内に移植されてもよく、また、手、手首、肘、肩、殿部、膝、足首または足の関節を含む、他の体の関節に移植されてもよい。

本発明によれば、単一の装置１００を使用して、弱体化した関節または関節部分の安定化を提供することができる。あるいは、装置１００のいずれかの二つ、三つ、またはそれ以上の組み合わせを、単一の関節レベルで、または複数の関節で使用してもよい。さらに、本開示のインプラントは、他の安定化手段と組み合わせられてもよい。

さらに、本開示の装置１００は、治療上有利な時間の間、例えば、十分な骨成長が生じた後に、身体内で生物分解する材料を使用して製造され得る。さらに、本開示のインプラントには、有利なことに、滑らかで丸みを帯びた外面が提供され、この外面は、隣接する組織への有害な機械的効果の可能性を低減する。

本開示の装置１００の表面または構成要素は、骨成長、治癒、抗菌性、または、薬剤を含む治療剤で覆われ得るか、または、浸透されてもよく、その治療剤は、当業者には既知の方法を使用して、治療用速度で放出されてもよい。

本開示の装置は、屈曲／延長、横曲げ、および軸方向回転中に隣接する椎骨が支持されるように提供する。一実施形態では、装置１００は、変性円板疾患、一時的または再発性椎間板ヘルニア、脊髄の狭窄、または、腰仙椎における脊椎症（ＬＩ−ＳＩ）の骨格的には成長した患者を治療する際に脊髄関節形成術について示される。変性円板疾患は、脚（神経根）の痛みを伴っても伴わなくても患者の履歴及び放射線学的検査によって確認された椎間板の変性を伴う椎間板起因の背痛として有利には定義される。例えば、関連するレベルでグレード１までの脊椎すべり症の患者は、有利には治療される。手術位置の装置１００は前部、前外側、後側部、側部または、側部のアプローチ法を通じて実施され得る。

典型的な実施形態では、本開示の装置１００は、７〜１３ｍｍの挿入前の非圧縮高さを有し、４、８、１２、１５、２０、２５、または３０度の前弯角度を伴い、８ｘ２２、８ｘ２６、８ｘ３０、８ｘ３４、１０ｘ２７ｍｍ、１２ｘ３２ｍｍおよび１２ｘ３７ｍｍの断面で好都合に提供され得るが、これらは代表的なサイズにすぎず、実質的により小さいまたはより大きなサイズが治療に有利な場合もある。一実施形態では、本開示によるインプラントは、ＭＩＳアプローチ、例えば、身体組織を通るより少なくより短い切断で、例えば、約５ｃｍ未満の、好都合には約１ｃｍ未満の低減された切開サイズを用いて挿入されるようサイズ設定される。装置１００は、有利なことに、例えば、ロッド及びプレート、または装置１００を隣接する椎骨のうちの一つ以上に接続する可能性のある椎間板固定を含む、他の既知のもしくは今後開発される安定化または固定化の形態と組み合わせて使用され得る。

本開示の装置１００は、有利なことに、椎間孔経由のアプローチを通して、収縮または非拡張構成で身体に挿入されてもよく、例えば、図１１〜図１４に示すように、インサータ器具、または例えば、前方配置のために、別の器具への取り付けにおいて関節接合し得る。配置が達成されると、装置１００は、椎間板の高さを復元するために拡張することができる。係合装置１００および挿入器具を維持するために、ツールの駆動端（図示せず）を装置１００と係合させ得る。

本明細書に引用されたすべての参考文献は、参照によりその全体が明白に組み込まれる。本開示には多くの様々な特徴があり、これらの特徴が一緒にまたは別々に使用され得ることが意図されている。上記に反対の言及がない限り、添付の図面のすべてが縮尺通りであるわけではないことに留意されたい。したがって、本開示は、本開示の特徴の任意の特定の組み合わせまたは特定の用途に限定されるべきではない。さらに、本開示の範囲内の変形および修正は、本開示に関係する当業者は思いつくであろう。したがって、当技術分野に精通する者によって、本開示の範囲内である本明細書に記載の開示から容易に到達可能なすべての適宜の修正は、本開示のさらなる実施形態として包含される。

Claims (20)

1. 関節の骨を分離するためのスペーサーであって、前記スペーサーが、
   第一の端板および第二の端板であって、それぞれが、
   骨係合面、および、
   それぞれが傾斜カム面を有する少なくとも二つのカムであって、前記カムが前記骨係合面と反対側の側面上に位置付けられる、少なくとも二つのカムを有する、第一の端板および第二の端板と、
   第一のスライドおよび第二のスライドであって、それぞれが、
   それぞれが傾斜面を有し、それぞれが端板のカムの傾斜カム面と係合する、少なくとも二つの勾配を有し、
   前記第一のスライドが、近位端に角度付き部分を有し、
   前記第二のスライドが、第一のヒンジ部分を有する、第一のスライドおよび第二のスライドと、
   ねじ山シャフトであって、
   前記第一のヒンジ部分と協働して前記シャフトを前記第二のスライドに接続して、前記シャフトが前記第二のスライドに対して変更可能な角度を形成することを可能にする、第二のヒンジ部分を有する、ねじ山シャフトと、
   前記シャフトと螺合係合するナットであって、前記ナットが、前記ナットが前記シャフト上を螺合前進した時に、前記第一のスライドの前記角度付き部分との干渉を形成し、それによって、前記第一のスライドを前記第二のスライドに対して駆動して、前記少なくとも二つのカムと前記少なくとも二つの勾配の相対移動係合を生じ、前記端板を相対的に離すように駆動して、それによって前記スペーサーの高さを増大させる、ナットと、を備える、スペーサー。
2. 前記第一のスライドの前記角度付き部分がダブテール部分を形成し、前記スペーサーがさらに、前記シャフトの周りに位置付けられ、かつ前記シャフトに沿って軸方向に摺動可能である、カラーを含み、前記カラーが前記ナットによって接触可能であり、前記カラーが、前記シャフト上の前記ナットの回転によって前記シャフトに沿って軸方向に駆動可能であり、かつ前記第一のスライドの前記近位端に前記ダブテール部分と嵌合可能なダブテール部分を有し、それによって、前記ナットを螺合することによって生じる前記干渉が前記第一のスライドの前記ダブテール部分および前記カラーの前記ダブテール部分を係合させて互いに対して摺動させ、前記第一のスライドを前記第二のスライドに対して摺動させる、請求項１に記載のスペーサー。
3. 前記ナットが、取り付けられたスリーブを有し、前記カラーが前記スリーブに取り付け可能であって、前記スリーブ上で前記シャフトに対して軸方向に回転可能である、請求項２に記載のスペーサー。
4. 前記第一のスライドおよび前記第二のスライドが前記第一の端板と前記第二の端板との間に位置付けられ、端板それぞれの前記少なくとも二つのカムのうちの少なくとも一つが前記第一のスライドの前記少なくとも二つの勾配のうちの一つと接触して位置付けられ、端板それぞれの前記少なくとも二つのカムのうちの少なくとも一つが前記第二のスライドの前記少なくとも二つの勾配のうちの一つと接触して位置付けられる、請求項１に記載のスペーサー。
5. 前記第一の端板および前記第二の端板のそれぞれの前記少なくとも一つのカムが少なくとも四つのカムを含み、
   前記第一のスライドおよび前記第二のスライドのそれぞれの前記少なくとも一つの勾配が少なくとも四つの勾配を含み、
   端板それぞれの二つのカムが前記第一のスライドの前記二つの勾配と接触して位置付けられ、
   端板それぞれの二つのカムが前記第二のスライドの前記二つの勾配と接触して位置付けられる、請求項４に記載のスペーサー。
6. 前記第一のスライドおよび前記第二のスライドが共に、前記第一のスライドおよび前記第二のスライドの上面および底面上の前記第一の端板および前記第二の端板によって境界付けられ、前記第一のスライドおよび前記第二のスライドが共に、前記第一のスライドおよび前記第二のスライドの左面および右面上の前記第一の端板および前記第二の端板の前記八つのカムによって境界付けられる、請求項５に記載のスペーサー。
7. 前記第一のスライドおよび前記第二のスライドが、嵌合接続によって相互に摺動可能に接合され、長手方向軸に沿った相対摺動を可能にする、請求項１に記載のスペーサー。
8. 前記嵌合接続がダブテール接続である、請求項７に記載のスペーサー。
9. 前記第二のスライドの前記第一のヒンジ部分および前記ねじ山シャフトの前記第二のヒンジ部分が共にクレビスおよびピンヒンジを形成する、請求項１に記載のスペーサー。
10. 関節の骨を分離するためのスペーサーであって、前記スペーサーが、
    第一の端板および第二の端板であって、それぞれが、
    骨係合面、および、
    それぞれが傾斜カム面を有する少なくとも二つのカムであって、前記カムが前記骨係合面と反対側の側面上に位置付けられる、少なくとも二つのカムを有する、第一の端板および第二の端板と、
    第一のスライドおよび第二のスライドであって、それぞれが、
    それぞれが傾斜面を有し、それぞれが端板のカムの傾斜カム面と係合する、少なくとも二つの勾配を有し、
    前記第一のスライドが、近位端にダブテール部分を有し、
    前記第二のスライドが、第一のヒンジ部分を有する、第一のスライドおよび第二のスライドと、
    ねじ山シャフトであって、
    前記第一のヒンジ部分と協働して前記シャフトを前記第二のスライドに接続して、前記シャフトが前記第二のスライドに対して変更可能な角度を形成することを可能にする、第二のヒンジ部分を有する、ねじ山シャフトと、
    前記シャフトと螺合係合するナットと、
    前記シャフトの周りに位置付けられ、かつ前記シャフトに沿って軸方向に摺動可能である、カラーであって、
    前記カラーが前記ナットによって接触可能であり、前記カラーが、前記シャフト上の前記ナットの回転によって前記シャフトに沿って軸方向に駆動可能であり、
    前記第一のスライドの前記近位端に前記ダブテール部分と嵌合可能なダブテール部分を有する、カラーとを備え、
    前記第一のスライドが、前記第一のスライドの前記ダブテール部分と前記カラーが嵌合した時、かつ前記ナットが前記シャフト上で螺合回転して前記カラーと接触している時に、前記第二のスライドに対して摺動可能であり、前記第一のスライドを前記第二のスライドに対して摺動することが、前記少なくとも二つのカムと前記少なくとも二つの勾配の相対移動係合を生じ、前記端板を相対的に離すように駆動して、それによって前記スペーサーの高さを増大させる、スペーサー。
11. 前記ナットが、取り付けられたスリーブを有し、前記カラーが前記スリーブに取り付け可能であって、前記スリーブ上で前記シャフトに対して軸方向に回転可能である、請求項１０に記載のスペーサー。
12. 前記第一のスライドおよび前記第二のスライドが前記第一の端板と前記第二の端板との間に位置付けられ、端板それぞれの前記少なくとも二つのカムのうちの少なくとも一つが前記第一のスライドの前記少なくとも二つの勾配のうちの一つと接触して位置付けられ、端板それぞれの前記少なくとも二つのカムのうちの少なくとも一つが前記第二のスライドの前記少なくとも二つの勾配のうちの一つと接触して位置付けられる、請求項１０に記載のスペーサー。
13. 前記第一の端板および前記第二の端板のそれぞれの前記少なくとも一つのカムが少なくとも四つのカムを含み、
    前記第一のスライドおよび前記第二のスライドのそれぞれの前記少なくとも一つの勾配が少なくとも四つの勾配を含み、
    端板それぞれの二つのカムが前記第一のスライドの前記二つの勾配と接触して位置付けられ、
    端板それぞれの二つのカムが前記第二のスライドの前記二つの勾配と接触して位置付けられる、請求項１２に記載のスペーサー。
14. 前記第一のスライドおよび前記第二のスライドが共に、前記第一のスライドおよび前記第二のスライドの上面および底面上の前記第一の端板および前記第二の端板によって境界付けられ、前記第一のスライドおよび前記第二のスライドが共に、前記第一のスライドおよび前記第二のスライドの左面および右面上の前記第一の端板および前記第二の端板の前記八つの勾配によって境界付けられる、請求項１３に記載のスペーサー。
15. 前記第一のスライドおよび前記第二のスライドが、嵌合接続によって相互に摺動可能に接合され、長手方向軸に沿った相対摺動を可能にする、請求項１に記載のスペーサー。
16. 前記嵌合接続がダブテール接続である、請求項１５に記載のスペーサー。
17. 前記第二のスライドの前記第一のヒンジ部分および前記ねじ山シャフトの前記第二のヒンジ部分が共にクレビスおよびピンヒンジを形成する、請求項１０に記載のスペーサー。
18. 関節の骨を分離する方法であって、
    カンビンの三角形の開口部を通してスペーサーを挿入することであって、前記スペーサーが、
    第一の端板および第二の端板であって、それぞれが、
    骨係合面、および、
    それぞれが傾斜カム面を有する少なくとも二つのカムであって、前記カムが前記骨係合面と反対側の側面上に位置付けられる、少なくとも二つのカムを有する、第一の端板および第二の端板と、
    第一のスライドおよび第二のスライドであって、それぞれが、
    それぞれが傾斜面を有し、それぞれが端板のカムの傾斜カム面と係合する、少なくとも二つの勾配を有し、
    前記第一のスライドが、近位端に角度付き部分を有し、
    前記第二のスライドが、第一のヒンジ部分を有する、第一のスライドおよび第二のスライドと、
    ねじ山シャフトであって、
    前記第一のヒンジ部分と協働して前記シャフトを前記第二のスライドに接続して、前記シャフトが前記第二のスライドに対して変更可能な角度を形成することを可能にする、第二のヒンジ部分を有する、ねじ山シャフトと、
    前記シャフトと螺合係合するナットであって、前記ナットが、前記ナットが前記シャフト上を螺合前進した時に、前記第一のスライドの前記角度付き部分との干渉を形成し、それによって、前記第一のスライドを前記第二のスライドに対して駆動して、前記少なくとも二つのカムと前記少なくとも二つの勾配の相対移動係合を生じ、前記端板を相対的に離すように駆動して、それによって前記スペーサーの高さを増大させる、ナットと、を備える、挿入することと、
    前記スペーサーを、隣接する椎骨の椎体端板の間の配備位置に位置決めすることであって、
    前記スペーサーが、前記端板が実質的に相対的に離れるように駆動されない時にカンビンの三角形を通して挿入され、前記端板は、前記スペーサーが前記配備位置にある時に前記ナットを螺合係合することによって相対的に離すように駆動される、位置決めすることと、を含む、方法。
19. 前記第一のスライドの前記角度付き部分がダブテール部分を形成し、前記スペーサーがさらに、前記シャフトの周りに位置付けられ、かつ前記シャフトに沿って軸方向に摺動可能である、カラーを含み、前記カラーが前記ナットによって接触可能であり、前記カラーが、前記シャフト上の前記ナットの回転によって前記シャフトに沿って軸方向に駆動可能であり、かつ前記第一のスライドの前記近位端に前記ダブテール部分と嵌合可能なダブテール部分を有し、それによって、前記ナットを螺合することによって生じる前記干渉が前記第一のスライドの前記ダブテール部分および前記カラーの前記ダブテール部分を係合させて互いに対して摺動させ、前記第一のスライドを前記第二のスライドに対して摺動させる、請求項１８に記載の方法。
20. 前記第一のスライドおよび前記第二のスライドが共に、前記第一のスライドおよび前記第二のスライドの上面および底面上の前記第一の端板および前記第二の端板によって境界付けられ、前記第一のスライドおよび前記第二のスライドが共に、前記第一のスライドおよび前記第二のスライドの左面および右面上の前記第一の端板および前記第二の端板の前記カムによって境界付けられる、請求項１８に記載の方法。