JP2021014580A - 機能性フィルム、離型フィルム、および粘着シート用基材フィルム - Google Patents

機能性フィルム、離型フィルム、および粘着シート用基材フィルム Download PDF

Info

Publication number
JP2021014580A
JP2021014580A JP2020118173A JP2020118173A JP2021014580A JP 2021014580 A JP2021014580 A JP 2021014580A JP 2020118173 A JP2020118173 A JP 2020118173A JP 2020118173 A JP2020118173 A JP 2020118173A JP 2021014580 A JP2021014580 A JP 2021014580A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
functional film
functional
polyolefin
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020118173A
Other languages
English (en)
Inventor
奥山 太
Futoshi Okuyama
太 奥山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Advanced Film Co Ltd
Original Assignee
Toray Advanced Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Advanced Film Co Ltd filed Critical Toray Advanced Film Co Ltd
Publication of JP2021014580A publication Critical patent/JP2021014580A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)

Abstract

【課題】離型性が良好なポリオレフィンフィルムからなる機能性フィルムを提供する。【解決手段】ポリオレフィンフィルムからなり、その少なくとも一方の面に粗さ曲線における最大高さ粗さRzが30μm超の凹凸を有する機能性フィルム、およびその機能性フィルムからなる離型フィルムと粘着シート用基材フィルム。【選択図】図1a

Description

本発明は、ポリオレフィンフィルムに凹凸が形成された機能性フィルムに関し、詳細には、離型フィルムや粘着シート用基材フィルムとして好適な機能性フィルムに関する。
ポリオレフィンフィルムは、透明性、機械特性、電気特性等に優れるため、包装用途、離型用途、テープ用途、ケーブルラッピングやコンデンサをはじめとする電気用途等の様々な用途に用いられている。特に、ポリプロピレンフィルムは比較的良好な離型性を有することから、粘着シートなどの離型フィルムや工程フィルムとして用いられる。
離型フィルムの凹凸を成型物に転写して意匠性を付与するために、ポリオレフィンフィルムからなる離型フィルムの表面を粗面にすることが提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2018−204001号公報
しかし、上記特許文献に記載されたポリオレフィンフィルムからなる離型フィルムは、離型性を十分に満足するものではなかった。
従って、本発明の目的は、離型性が良好なポリオレフィンフィルムからなる機能性フィルムを提供することにある。
本発明の上記目的は以下の発明によって達成された。
[1]ポリオレフィンフィルムからなり、その少なくとも一方の面に粗さ曲線における最大高さ粗さRzが30μm超の凹凸を有する、機能性フィルム。
[2]前記凹凸を有する面の粗さ曲線における算術平均粗さRaが6μm超である、[1]に記載の機能性フィルム。
[3]前記凹凸を有する面の粗さ曲線における要素の平均長さRSmが400μm超2000μm以下である、[1]または[2]に記載の機能性フィルム。
[4]前記ポリオレフィンフィルムが無延伸ポリオレフィンフィルムである、[1]〜[3]のいずれかに記載の機能性フィルム。
[5]前記ポリオレフィンフィルムの長手方向および幅方向のヤング率が共に1,000MPa未満である、[1]〜[4]のいずれかに記載の機能性フィルム。
[6]前記凹凸を有する面の粘着テープに対する常態剥離力(A)および加熱剥離力(B)が共に1.0N/50mm以下であり、常態剥離力(A)に対する加熱剥離力(B)の比率(B/A)が1.5以下である、[1]〜[5]のいずれかに記載の機能性フィルム。
[7]前記ポリオレフィンフィルムがポリプロピレンフィルムである、[1]〜[6]のいずれかに記載の機能性フィルム。
[8]前記ポリオレフィンフィルムがポリエチレンフィルムまたはポリプロピレンとポリエチレンとの混合物フィルムである、[1]〜[6]のいずれかに記載の機能性フィルム。
[9][1]〜[8]のいずれかに記載の機能性フィルムからなる、離型フィルム。
[10][1]〜[8]のいずれかに記載の機能性フィルムからなる、粘着シート用基材フィルム。
本発明によれば、離型性が良好なポリオレフィンフィルムからなる機能性フィルムを提供することができる。本発明の機能性フィルムは、離型フィルムや粘着シート用基材フィルムとして好適である。
絹目状エンボスロールの模式平面図である。 図1aのA−A線に沿って見た模式断面図である。 格子状エンボスロールの模式平面図である。 図2aのA−A線に沿って見た模式断面図である。
以下に、本発明について、実施の形態とともに詳細に説明する。
本発明の機能性フィルムは、ポリオレフィンフィルムからなる。つまり、本発明の機能性フィルムは、ポリオレフィンフィルムのみからなるものであって、ポリオレフィンフィルム以外の他のフィルム、例えば、ポリエステルフィルム、アクリルフィルム、セルロースフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリウレタンフィルムなどの樹脂フィルム、およびアルミ箔や銅箔などの金属箔は、含まない。
ポリオレフィンフィルムに他のフィルムを積層あるいはラミネートすると、ポリオレフィンフィルムと他のフィルムとの密着不良が発生したり、成形性や打ち抜き加工性が低下したり、あるいは生産性が低下するなどの不都合な問題が生じることがある。
また、本発明の機能性フィルムは、シリコーン化合物、長鎖アルキル化合物、フッ素化合物などの離型剤による表面処理が施されていなくとも、良好な離型性が得られる。よって、コストや生産性の観点から、本発明の機能性フィルムは、離型剤による表面処理は施されていないことが好ましい。
本発明の機能性フィルムは、ポリオレフィンフィルムからなり、その少なくとも一方の面に粗さ曲線における最大高さ粗さRzが30μm超の凹凸を有する。以下、粗さ曲線における最大高さ粗さRzを単に「Rz」ということがある。また、Rzが30μm超の凹凸を有する面を「凹凸面」ということがある。
ここで、Rzは、JIS−B0601(2001)に準拠して測定された粗さ曲線に基づく物性値である。
機能性フィルムのRzは、離型性を良好にするという観点から、40μm超が好ましく、50μm超がより好ましく、60μm超が特に好ましい。上限は150μm程度である。
また、本発明の機能性フィルムは、離型性をさらに向上させるという観点から、凹凸面の粗さ曲線における算術平均粗さRa(以下、「Ra」ということがある)が、6μm超が好ましく、8μm超がより好ましく、10μm超がさらに好ましく、13μm超が特に好ましい。また、上記Raは、50μm以下が好ましく、40μm以下がより好ましく、30μm以下が特に好ましい。
また、本発明の機能性フィルムは、離型性をさらに向上させるという観点から、凹凸面の粗さ曲線における要素の平均長さRSm(以下、「RSm」ということがある)が、400μm超が好ましく、500μm超がより好ましく、700μm超が特に好ましい。また、上記RSmは、2000μm以下が好ましく、1700μm以下がより好ましく、1500μm以下が特に好ましい。
ここで、RaおよびRSmは、JIS−B0601(2001)に準拠して測定された粗さ曲線に基づく物性値である。
機能性フィルムのRzが30μm超であることによって、離型性が良好になる。ここで、離型性は、例えば、機能性フィルムと粘着テープとの剥離力で表すことができる。具体的には、機能性フィルムの凹凸面に粘着テープを貼り合せて常温(23±2℃)で24時間経過後に粘着テープ側を180°に引き剥したときの剥離力(常態剥離力)で表すことができる。
上記常態剥離力(A)は、1.0N/50mm以下が好ましく、0.7N/50mm以下がより好ましく、0.5N/50mm以下が特に好ましい。上記常態剥離力の下限は、0.01N/50mm程度である。
また、加熱後の離型性が良好であることが求められる場合があるが、従来の一般的な離型フィルムは常態剥離力に対して加熱剥離力が上昇傾向にある。本発明の機能性フィルムは、常態剥離力に対する加熱剥離力の変化率が小さくなりやすいという特長がある。ここで、加熱剥離力は、機能性フィルムの凹凸面に粘着テープを貼り合せて70℃で24時間加熱した後の剥離力である。
本発明の機能性フィルムの加熱剥離力(B)は、1.0N/50mm以下が好ましく、0.7N/50mm以下がより好ましく、0.5N/50mm以下が特に好ましい。上記加熱剥離力の下限は、0.01N/50mm程度である。
本発明の機能性フィルムは、常態剥離力(A)に対する加熱剥離力(B)の比率(B/A)は、1.5以下が好ましく、1.3以下がより好ましく、1.2以下が特に好ましい。下限は、0.3程度である。
本発明の機能性フィルムは、ポリオレフィンフィルムに凹凸を形成することによって得ることができる。凹凸の形成方法としては、例えば、エンボス処理、サンドブラスト処理、化学処理などが挙げられる。これらの中でも、エンボス処理が好ましい。
エンボス処理としては、例えば、ポリオレフィンフィルムに加熱したエンボスロールを押し当てる方法が好ましく、エンボスロールの加熱温度やプレス圧を調整することにより、Rzを制御することができる。エンボスロールの加熱温度としては、80℃〜150℃が好ましく、85℃〜140℃がより好ましく、90℃〜120℃が特に好ましい。
ポリオレフィンフィルムの表面に形成される凹凸性状は、Rzが30μm超であれば特に限定されないが、例えば、絹目状、梨地状、ドット状、格子状などを採用することができる。これらの中でも、離型性の観点から、絹目状および格子状が好ましく、特に絹目状が好ましい。
ポリオレフィンフィルム表面に絹目状および格子状の凹凸を形成するために用いることができるエンボスロールの例を以下に示す。
図1aは絹目状のエンボスロールの模式平面図であり、図1bは図1aのA−A線に沿って見た模式断面図である。このエンボスロールは、四角錐台の突起11が略同一ピッチで設けられている。
図2aは格子状のエンボスロールの模式平面図であり、図2bは図2aのA−A線に沿って見た模式断面図である。このエンボスロールは、格子状の突起12が略同一ピッチで設けられている。
本発明のポリオレフィンフィルムを構成するポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはこれらの混合物が挙げられる。
ここで、ポリエチレンには、エチレンのホモポリマーおよびエチレンと他のオレフィンとの共重合体が含まれる。また、ポリプロピレンにはプロピレンのホモポリマーおよびプロピレンと他のオレフィンとの共重合体が含まれる。
上記他のオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、へキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン等が挙げられる。これらの中でも、エチレン、プロピレン、ブテンが好ましい。
上記のエチレンまたはプロピレンと他のオレフィンとの共重合体における他のオレフィンの配合割合は、単量体としてのエチレンまたはプロピレンと他のオレフィンとの合計質量に基づいて、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下が特に好ましい。
上記ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(L−LDPE)が挙げられる。
ポリオレフィンフィルムは、少なくともポリプロピレンを含むことが好ましい。具体的には、プロピレンのホモポリマーおよびプロピレンと他のオレフィンとの共重合体からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
プロピレンと他のオレフィンとの共重合体としては、例えば、プロピレンとエチレンとの共重合体、プロピレンとブテンとの共重合体、プロピレンとエチレンとブテンとの共重合体が挙げられる。これらの共重合体はランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。上記共重合体における他のオレフィンの配合割合は、単量体としてのプロピレンと他のオレフィンとの合計質量に基づいて、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下が特に好ましい。
また、ポリオレフィンフィルムは、ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物を含むことができる。ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物におけるポリプロピレンの含有割合は、ポリプロピレンとポリエチレンの合計質量に基づいて、60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が特に好ましい。上記含有割合は97質量%以下が好ましい。
また、ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物におけるポリエチレンの含有割合は、ポリプロピレンとポリエチレンの合計質量に基づいて、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下が特に好ましい。上記含有割合は3質量%以上が好ましい。
本発明におけるポリオレフィンフィルムは、ポリオレフィンの単層構成であってもよいし、ポリオレフィンの多層積層構成であってもよい。
多層積層構成としては、例えば、A層/B層の2層積層構成、A層/B層/A層あるいはA層/B層/C層の3層積層構成が挙げられる。ここで、A層、B層およびC層は、それぞれ組成が異なることを意味する。
ポリオレフィンフィルムは、無延伸ポリオレフィンフィルムであってもよいし、延伸ポリオレフィンフィルムであってもよい。本発明の機能性フィルムを離型フィルムあるいは粘着シート用基材フィルムとして用いる場合は、無延伸ポリオレフィンフィルムであることが好ましい。詳細は後述する。
ポリオレフィンフィルムは、例えば、溶融押出機でシート状に押し出された樹脂をキャスティングロールで冷却固化することによって成形される。無延伸ポリオレフィンフィルムは、冷却固化後に延伸を行わずに成形された未延伸フィルムである。延伸ポリオレフィンフィルムは、冷却固化後に一軸方向あるいは二軸方向に延伸されて成形される。
ポリオレフィンフィルムは、粒子、顔料、着色剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、熱安定剤、塩素捕獲剤などを含有することができる。本発明の機能性フィルムを離型フィルムとして適用する場合、剥がし忘れ防止するための識別性を確保するために、酸化チタンなどの顔料や着色剤を含有することは好ましい。
ポリオレフィンフィルムの厚みは、20μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましく、40μm以上が特に好ましい。また、上記厚みは150μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましく、80μm以下が特に好ましい。
ポリオレフィンフィルムは、一般に市販されており、それらを使用することができる。例えば、東レフィルム加工(株)から、プロピレンホモポリマーからなる無延伸ポリプロピレンフィルムやプロピレンと他のオレフィンとの共重合ポリマーからなる無延伸ポリプロピレンフィルムが、“トレファン(登録商標)”NO(3301)、NO(3501)、NO(9141)、NO(3951)、NO(9405S)、NO(9407)、NO(3701J)、NO(3721)、NO(ZK93KM)、NO(ZK93FM)、NO(ZK99S)、NO(ZK207)、NO(ZK100)として市販されており、また、延伸ポリプロピレンフィルムが、“トレファン(登録商標)”BO(YT42)、BO(YT62)、BO(B128)として市販されており、また、ポリエチレンフィルムまたはポリプロピレンとポリエチレンとの混合物フィルムが、“トレテック(登録商標)”S500、7932、7332として市販されており、使用することができる。また、東麗尖端薄膜コフン有限公司から、ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物フィルムが、“トレテック(登録商標)” T001Bとして市販されており、使用することができる。
また、ポリオレフィンフィルムは、長手方向および幅方向のヤング率が共に1,000MPa未満であることが好ましく、900MPa未満であることがより好ましく、800MPa未満であることが特に好ましい。上記ヤング率の下限は、200MPa程度である。
ここで、ポリオレフィンフィルムの長手方向とは、一般的にMD方向と呼ばれる方向であって、フィルム製造時にフィルムが進行する方向をいい、幅方向とは一般的にTD方向と呼ばれる方向であって長手方向と直交する方向をいう。
長手方向および幅方向のヤング率が共に1,000MPa未満であるポリオレフィンフィルムからなる機能性フィルムは、離型フィルムとして例えば粘着シートに適用した場合、機能性フィルム(離型フィルム)の凹凸型が粘着シートに転写して外観を悪化させるという問題を抑制することができる。特に、本発明の機能性フィルムには、Rzが30μm超という比較的大きな凹凸が形成されているために、上記問題が助長される傾向にあるが、長手方向および幅方向のヤング率が共に1,000MPa未満であるポリオレフィンフィルムを用いることによって有効に抑制される。
無延伸ポリオレフィンフィルムは、延伸ポリオレフィンフィルムに比べてヤング率が小さくなる傾向にあるので、上記ヤング率の観点から、ポリオレフィンフィルムとして無延伸ポリオレフィンフィルムを用いることが好ましい。
また、無延伸ポリオレフィンフィルムは、延伸ポリオレフィンフィルムに比べてエンボス処理による加工が容易である。
本発明の離型フィルムは、離型性を良好にするという観点から、表面自由エネルギーが21〜35mJ/mであることが好ましく、23〜33mJ/mであることがより好ましく、25〜31mJ/mであることが特に好ましい。表面自由エネルギーが21mJ/mより小さくなると離型フィルム表面に粘着層を塗工、形成する場合、塗工性が悪化することがあり、一方、35mJ/mより大きくなると剥離力が高くなることがある。
[適用例]
本発明の機能性フィルムは、例えば、粘着シート、セラミックグリーンシート、感光性樹脂フィルム(フォトレジストフィルム)、回路基板のエポキシ封止樹脂などのキャリアフィルムや基材フィルムあるいは離型フィルムとして適用することができる。特に、粘着シートの離型フィルムや粘着シート用基材フィルムとして好適である。
本発明の機能性フィルムを粘着シートの離型フィルムとして使用する場合は、機能性フィルムのRzが30μm超である凹凸面を粘着シートの粘着剤層に積層して使用することが好ましい。これによって、粘着シートと機能性フィルムとの剥離性が良好になる。
本発明の機能性フィルムが離型フィルムとして適用される粘着シートは、基材フィルム上に粘着剤層が積層されたものである。粘着剤層としては特に限定されないが、例えば、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤などの非シリコーン系粘着剤が挙げられる。特に、本発明の機能性フィルムを離型フィルムとして適用した場合は、アクリル系粘着剤層に対して良好な離型性が得られる。
本発明の機能性フィルムを粘着シート用基材フィルムとして使用する場合は、機能性フィルムのRzが30μm超である凹凸面とは反対面に粘着剤層を積層することが好ましい。この粘着シートは、通常、製造ラインでロール状に巻き取られて製造されるが、このロール状粘着シートは、粘着剤層と基材フィルム(本発明の機能性フィルム)のRzが30μm超である凹凸面とが密着状態にある。本発明の機能性フィルムは粘着剤層との離型性が良好であるので、ロールの巻き解きをスムーズに行うことができる。
以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
[測定方法および評価方法]
(1)機能性フィルムの粗さ曲線における最大高さ粗さRz、算術平均粗さRaおよび要素の平均長さRSmの測定
機能性フィルムを長手方向150mm×幅方向100mmの矩形に切り出して測定用サンプルとした。JIS B0601(2001)に準拠して、表面粗さ測定機((株)ミツトヨ製の「“サーフテスト(登録商標)”SJ−400」)を用いて測定した。測定方向は長手方向に対して傾斜角度30度とした。5回測定し平均した。
<測定条件>
・触針先端半径;2μm
・測定力;0.75mN
・カットオフ値;λs=25μm、λc=8mm
(2)ポリオレフィンフィルムの長手方向および幅方向のヤング率の測定
ポリオレフィンフィルムを試験方向に対してそれぞれ長さ150mm×幅10mmの矩形に切り出して測定用サンプルとした。引張試験機(オリエンテック社製テンシロンAMF/RTA−100)を用いて、JIS−K7127(1999)に規定された方法に準じて、25℃、65%RH雰囲気で5回測定を行い、平均値を求めた。ただし、初期チャック間距離を50mmとし、引張速度を300mm/分として、試験を開始してから荷重が1Nを通過した点を伸びの原点とした。
(3)機能性フィルムの表面自由エネルギーの測定
表面自由エネルギーおよびその各成分(分散力、極性力、水素結合力)の値が既知の3種の液体として、水、ジヨードメタン、1−ブロモナフタレンを用い、23℃、65%RH下で、接触角計DropMasterDM501(協和界面科学(株)製)にて、各液体の硬化層上での接触角を測定した。1つの測定面に対し5回測定を行いその平均値を接触角(θ)とした。この接触角(θ)の値および各液体の既知の値(Panzerによる方法IV(日本接着協会誌第15巻、第3号、第96頁に記載)の数値から、北崎・畑の式より導入される下記式を用いて各成分の値を計算した。
(γSd・γLd)1/2+(γSp・γLp)1/2+(γSh・γLh)1/2=γL(1+cosθ)/2
ここで、γLd、γLp、γLhは、それぞれ測定液の分散力、極性力、水素結合力の各成分を表し、θは測定面上での測定液の接触角を表し、また、γSd、γSp、γShは、それぞれ硬化層表面の分散力、極性力、水素結合力の各成分の値を表し、γLは各液体の表面エネルギーを表す。既知の値およびθを上記の式に代入して得られた連立方程式を解くことにより、測定面(硬化層表面)の3成分の値を求めた。
下記式の通り、求められた分散力成分の値と極性力成分の値と水素結合力成分の値の和を、表面自由エネルギー(E)の値とした。
E=γSd+γSp+γSh
(4)粘着テープに対する常態剥離力(A)および加熱剥離力(B)の測定
機能性フィルムの凹凸面にアクリル系粘着テープ(日東電工(株)製の「No.31B」)の粘着面を自重5kgのゴムローラーで押さえながら一往復させて貼り合わせ、室温(23±2℃)で24時間放置後、引張り試験機にて、300mm/minの速度で、粘着テープ側を180°に引き剥したときの剥離力(常態剥離力A)を測定した。
同様にして、機能性フィルムの凹凸面にアクリル系粘着テープを張り合わせ、70℃で24時間加熱した後の剥離力(加熱剥離力B)を測定した。
[ポリオレフィンフィルム]
下記のフィルム1から5の無延伸ポリプロピレンフィルムとフィルム6から9のポリエチレンフィルムまたはポリプロピレンとポリエチレンとの混合物フィルムを用意した。
<フィルム1>
東レフィルム加工(株)の“トレファン(登録商標)”NO3301;厚みは40μm、長手方向のヤング率は770MPa、幅方向のヤング率は760MPa。
<フィルム2>
東レフィルム加工(株)の“トレファン(登録商標)”NO3721;厚みは70μm、長手方向のヤング率は810MPa、幅方向のヤング率は720MPa。
<フィルム3>
東レフィルム加工(株)の“トレファン(登録商標)”NO3701J;厚みは40μm、長手方向のヤング率は650MPa、幅方向のヤング率は600MPa。
<フィルム4>
東レフィルム加工(株)の“トレファン(登録商標)”NO3501;厚みは60μm、長手方向のヤング率は650MPa、幅方向のヤング率は630MPa。
<フィルム5>
東レフィルム加工(株)の“トレファン(登録商標)”NO3951;厚みは60μm、長手方向のヤング率は580MPa、幅方向のヤング率は530MPa。
<フィルム6>
東麗尖端薄膜コフン有限公司の“トレテック(登録商標)”T001B;厚みは45μm、長手方向のヤング率は600MPa、幅方向のヤング率は550MPa。
<フィルム7>
東レフィルム加工(株)の“トレテック(登録商標)”S500;厚みは40μm、長手方向のヤング率は460MPa、幅方向のヤング率は410MPa。
<フィルム8>
東レフィルム加工(株)の“トレテック(登録商標)”7932;厚みは60μm、長手方向のヤング率は460MPa、幅方向のヤング率は410MPa。
<フィルム9>
東レフィルム加工(株)の“トレテック(登録商標)”7332;厚みは30μm、長手方向のヤング率は560MPa、幅方向のヤング率は650MPa。
[エンボスロール]
突起高さが250μmの絹目状エンボスロール(1)、突起高さが125μmの絹目状エンボスロール(2)、突起高さが200μmの格子状エンボスロール(3)、突起高さが100μmの格子状エンボスロール(4)、および梨地状エンボスロール(5)を用意した。
[実施例1]
フィルム1のコロナ処理が施されていない方の面に、100℃に加熱された絹目状エンボスロール1を押し当ててエンボス処理を施して、機能性フィルムを作製した。
[実施例2]
絹目状エンボスロール2に変更する以外は、実施例1と同様にして機能性フィルムを作製した。
[実施例3]
格子状エンボスロール3に変更する以外は、実施例1と同様にして機能性フィルムを作製した。
[実施例4]
格子状エンボスロール4に変更する以外は、実施例1と同様にして機能性フィルムを作製した。
[比較例1]
格子状エンボスロール4に変更し、エンボスロールの温度を70℃に変更する以外は、実施例1と同様にして機能性フィルムを作製した。
[比較例2]
梨地状エンボスロール5に変更する以外は、実施例1と同様にして機能性フィルムを作製した。
[実施例5]
フィルム1をフィルム2に変更する以外は、実施例1と同様にして機能性フィルムを作製した。
[実施例6]
フィルム1をフィルム3に変更する以外は、実施例1と同様にして機能性フィルムを作製した。
[実施例7]
フィルム1をフィルム4に変更する以外は、実施例1と同様にして機能性フィルムを作製した。
[実施例8]
フィルム1をフィルム5に変更する以外は、実施例1と同様にして機能性フィルムを作製した。
[実施例9]
フィルム1をフィルム6に変更する以外は、実施例1と同様にして機能性フィルムを作製した。
[実施例10]
フィルム1をフィルム7に変更する以外は、実施例1と同様にして機能性フィルムを作製した。
[実施例11]
フィルム1をフィルム8に変更する以外は、実施例1と同様にして機能性フィルムを作製した。
[実施例12]
フィルム1をフィルム9に変更する以外は、実施例1と同様にして機能性フィルムを作製した。
[評価]
上記で作製した実施例および比較例の機能性フィルムについて、上述の測定方法および評価方法に従って評価した。その結果を表1に示す。
Figure 2021014580
11 絹目状エンボスロールの四角錐台の突起
12 格子状エンボスロールの格子状の突起

Claims (10)

  1. ポリオレフィンフィルムからなり、その少なくとも一方の面に粗さ曲線における最大高さ粗さRzが30μm超の凹凸を有する、機能性フィルム。
  2. 前記凹凸を有する面の粗さ曲線における算術平均粗さRaが6μm超である、請求項1に記載の機能性フィルム。
  3. 前記凹凸を有する面の粗さ曲線における要素の平均長さRSmが400μm超2000μm以下である、請求項1または2に記載の機能性フィルム。
  4. 前記ポリオレフィンフィルムが無延伸ポリオレフィンフィルムである、請求項1〜3のいずれかに記載の機能性フィルム。
  5. 前記ポリオレフィンフィルムの長手方向および幅方向のヤング率が共に1,000MPa未満である、請求項1〜4のいずれかに記載の機能性フィルム。
  6. 前記凹凸を有する面の粘着テープに対する常態剥離力(A)および加熱剥離力(B)が共に1.0N/50mm以下であり、常態剥離力(A)に対する加熱剥離力(B)の比率(B/A)が1.5以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の機能性フィルム。
  7. 前記ポリオレフィンフィルムがポリプロピレンフィルムである、請求項1〜6のいずれかに記載の機能性フィルム。
  8. 前記ポリオレフィンフィルムがポリエチレンフィルムまたはポリプロピレンとポリエチレンとの混合物フィルムである、請求項1〜6のいずれかに記載の機能性フィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の機能性フィルムからなる、離型フィルム。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載の機能性フィルムからなる、粘着シート用基材フィルム。
JP2020118173A 2019-07-12 2020-07-09 機能性フィルム、離型フィルム、および粘着シート用基材フィルム Pending JP2021014580A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019129800 2019-07-12
JP2019129800 2019-07-12

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021014580A true JP2021014580A (ja) 2021-02-12

Family

ID=74531293

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020118173A Pending JP2021014580A (ja) 2019-07-12 2020-07-09 機能性フィルム、離型フィルム、および粘着シート用基材フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021014580A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102349685B1 (ko) 폴리프로필렌 필름 및 이형용 필름
KR101605214B1 (ko) 점착 필름
KR20100089002A (ko) 습윤화가 개선된 마스킹 필름
WO2020040240A1 (ja) 離型フィルムおよび成型品の製造方法
JP4000544B2 (ja) 感光性版用フォトレジストカバーフイルム
JP2021014580A (ja) 機能性フィルム、離型フィルム、および粘着シート用基材フィルム
JP2007083459A (ja) 表面粗化フィルム及びその用途
JP5158301B2 (ja) 剥離ライナー
WO2020196497A1 (ja) プリント配線基板製造プロセス用離型フィルム、プリント基板の製造方法、プリント基板製造装置、及びプリント基板
JP6728681B2 (ja) 積層フィルム、その製造方法および表面保護フィルム
JP7246994B2 (ja) プリント配線基板製造プロセス用離型フィルム、及びその用途
JP6076375B2 (ja) 離型フィルム、及びその製造方法
JP7350642B2 (ja) 離型フィルム
WO2019131865A1 (ja) セパレーター、及びセパレーター付き粘着テープ又はシート
JP2020075509A (ja) 離型フィルム、およびそれを用いた粘着シート積層体
JP6109198B2 (ja) 離型フィルム、及びその製造方法
JP2006212954A (ja) 離型フィルム
JP2605114B2 (ja) 延伸ポリプロピレン系フィルムの積層物およびその用途
JP2002018998A (ja) 保護フィルム及び導体箔積層体
JP2020066174A (ja) 粘着シート用離型フィルムおよび粘着シート積層体
WO2021230313A1 (ja) 両面粘着フィルム
JP7246998B2 (ja) プリント基板の製造方法、プリント基板製造装置、及びプリント基板
JP4020611B2 (ja) 剥離ライナ及びその製造方法
CA2993879A1 (en) Assembly adhesive tape and use of the assembly adhesive tape for the printing industry
JP4458629B2 (ja) 導体箔積層体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230601

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240229

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240329