JP2021011715A - 大深度掘削装置及び大深度掘削方法 - Google Patents

大深度掘削装置及び大深度掘削方法 Download PDF

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Abstract

【課題】大深度掘削において、坑底の掘削と切削屑の回収を効率的に行えるようにした。【解決手段】大深度掘削装置1は、複数のセグメント2がリング状に連結して千鳥組またはいも継ぎでセグメントリング3を上下に連結した筒体を設け、筒体の各セグメント2に装着された複数のケーシング管12内にドリルパイプ20を挿入し、筒体から突出する先端にドリルビット21を固定して、地盤を掘削する。ドリルパイプ20内には泥水を供給してドリルビット21のノズルから噴出して切削屑との混合物を、ケーシング管12とドリルパイプ20の間のライザー管22を通して地上に搬出する。ドリルビット21によって筒体4の先端の刃口リング16の先端側の地盤を掘削し且つ攪拌することによって大深度掘削を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、地中を大口径で大深度掘削して、例えば地熱、石油、レアメタル、シェールガス等の地下資源を広域的に採取するための大深度掘削装置及び大深度掘削方法に関する。
従来、地中を大深度掘削する場合、小口径のドリルパイプを繋いで先端のドリルビットを高速回転させて地盤を掘削している。
ライザー掘削方式では、パイプを二重に形成して内側のパイプを地上や海上等から泥水を供給するドリルパイプとし、外側のパイプを泥水を戻すライザー管とすることで、掘削深度を大きくとれる構造にしている。地上からドリルパイプ内に供給される泥水は先端のドリルビットに設けたノズルから坑底の地盤に向かって噴出され、ドリルビットで破砕された削りカスと混合されて、ドリルパイプの外側の通路を通って地上まで戻すことで回収される。
また、例えば特許文献1に記載された坑井掘削方法は、ビットパイプの先端に設けた坑井掘削用ビットのビットボディの周辺から掘り屑を押し流す掘削流体の流路を設けて岩盤を掘削する。この流路にベンチュリ管を設けたベンチュリ機構によって坑底近傍の掘削泥水を局所的に減圧沸騰させて、急冷却により岩盤に亀裂を発生させて強度脆化させて掘削効率を上げてビット寿命を延ばしている。
特開2018−119340号公報
しかしながら、上述した先行技術や特許文献1に記載された大深度掘削装置では、1つのビットパイプ及びドリルビットとその周囲のライザー管を用いて大深度での掘削と泥水による掘削された削りカスの回収とを行うため、掘削効率が悪かった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、大深度掘削において、坑底の掘削と掘削屑の回収を効率的に行えるようにした大深度掘削装置及び大深度掘削方法を提供することを目的とする。
本発明に係る大深度掘削装置は、複数のセグメントが筒状に連結された筒体と、筒体のセグメントに装着された複数のケーシング管と、ケーシング管内に挿入されたドリルパイプと、ドリルパイプの先端に設けられていて地盤を掘削するドリルビットと、ドリルビットで掘削された地盤の掘削屑を搬出するライザー管と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、筒体の複数のケーシング管内にそれぞれ設けられたドリルビットで地盤を掘削し、掘削屑を複数のドリルパイプを通して供給される泥水と混合してライザー管を通して地上側に回収することで掘削穴を形成でき、掘削穴に筒体を進めて大深度掘削を行うことができる。
本発明に係る大深度掘削装置は、複数のセグメントが筒状に連結された第一の筒体と、第一の筒体のセグメントに装着された複数の第一のケーシング管と、第一のケーシング管内に挿入された第一のドリルパイプと、第一のドリルパイプの先端に設けられていて地盤を掘削する第一のドリルビットと、第一のドリルビットで掘削された地盤の掘削屑を搬出するライザー管と、第一の筒体の内部空間から先端側に突出して設けられていて複数のセグメントが筒状に連結された第一の筒体より小径の第二の筒体と、第二の筒体のセグメントに装着された複数の第二のケーシング管と、第二のケーシング管内に挿入された第二のドリルパイプと、第二のドリルパイプの先端に設けられていて地盤を掘削する第二のドリルビットと、第二のドリルビットで掘削された地盤の掘削屑を搬出する第二のライザー管と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、第一の筒体の複数の第一のケーシング管内にそれぞれ設けられた第一のドリルビットで地盤を掘削し、掘削屑を複数の第一のドリルパイプを通して供給される泥水と混合して第一のライザー管を通して地上側に回収することで掘削穴を形成して掘削穴に第一の筒体を進める。次に、第一の筒体の内部空間に第二の筒体を挿入して、第二の筒体の複数の第二のケーシング管内にそれぞれ設けられた第二のドリルビットで地盤を掘削し、掘削屑を複数の第二のドリルパイプを通して供給される泥水と混合して第二のライザー管を通して地上側に回収することで掘削穴を形成して掘削穴に第二の筒体を進める。このような作業を繰り返すことで、筒体の内部空間を通してより小径の筒体を順次進入させて隙間を生じないように突出させて配設することで、大深度掘削を行うことができる。
また、筒体の内部空間に、ドリルビットによって掘削された掘削屑を搬出する重機を備えてもよい。
筒体の内部空間を通して昇降可能な重機を装着することで、ドリルビットで掘削した掘削屑を重機で回収して排出させることができる。
また、ドリルビットによって掘削された掘削屑を搬出するライザー管がドリルパイプの外側に設置されていてもよい。
掘削屑をドリルパイプの外側に設置されたライザー管を通して回収できる。
また、筒体のセグメントには筒体とその周囲地盤の掘削穴との間に裏込め材を注入するための注入孔が設けられていてもよい。
筒体を備えた大深度掘削装置を掘削穴に装着した状態で、筒体のセグメントに形成した注入孔を通して掘削穴の壁面との隙間に裏込め材を充填することで、掘削穴の壁面が崩れたりすることを阻止できる。
また、筒体の外側には掘削屑を回収するための回収パイプが設置されていてもよい。
ドリルビットで掘削した掘削屑を筒体の先端側領域で攪拌し、回収パイプを通して回収できる。
本発明による大深度掘削方法は、複数のセグメントで形成した筒体に設けた複数のケーシング管内に挿入したドリルパイプの先端のドリルビットで掘削穴を掘削する工程と、ドリルパイプを流れてドリルビットのノズルから噴出される泥水によって、ドリルビットで掘削した掘削屑をケーシング管内のライザー管、筒体の内部空間、筒体の外周側の回収パイプのいずれかの経路を通して回収する工程と、掘削穴内に筒体を進出させて後部にセグメントを連結する工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明による大深度掘削方法は、複数のセグメントで形成した第一の筒体に設けた複数の第一のケーシング管内に挿入した第一のドリルパイプの先端の第一のドリルビットで掘削穴を掘削する工程と、第一のドリルパイプを流れて第一のドリルビットのノズルから噴出される泥水によって、第一のドリルビットで掘削した掘削屑を第一のケーシング管内のライザー管、第一の筒体の内部空間、第一の筒体の外周側の回収パイプのいずれかの経路を通して回収する工程と、第一の筒体の内部空間から突出させた第一の筒体より小径の第二の筒体における複数の第二のケーシング管内に挿入した第二のドリルパイプの先端の第二のドリルビットで掘削穴を掘削する工程と、第二のドリルパイプを流れて第二のドリルビットのノズルから噴出される泥水によって、第二のドリルビットで掘削した掘削屑を第二のケーシング管内のライザー管、第二の筒体の内部空間、第二の筒体の外周側の回収パイプのいずれかの経路を通して回収する工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明に係る大深度掘削装置及び大深度掘削方法によれば、複数のセグメントを連結することで大口径の筒体を形成すると共に、複数のケーシング管にそれぞれドリルパイプ及びドリルビットとライザー管を設けたため掘削と切削屑の回収効率が高い。しかも、安全性とメンテナンス性が高いため地下資源を採取する効率も高い。
また、先に掘削した第一の筒体の内部空間を通して第一の筒体より小径の第二の筒体を突出させて掘削することで大深度掘削することができるため、各筒体でドリルビットの摩耗や折損を防いで効率よく大断面掘削を行える。
本発明の第一実施形態による大深度掘削装置を示すもので、(a)は要部縦断面図、(b)はケーシング管のA−A線断面図である。 筒体を構成するセグメントの斜視図である。 大深度掘削装置の筒体の平面図である。 筒体の側面図である。 ケーシング管の連結構造を示す断面図である。 (a)は筒体の内部空間を泥水の流路にした第一変形例による筒体の縦断面図、(b)は筒体の外部を泥水の流路にした第二変形例による筒体の縦断面図である。 第三変形例による筒体の外周面に裏込め材を充填した状態の正面図である。 第四変形例による筒体の正面図である。 第五変形例による筒体の正面図である。 第二実施形態による大深度掘削装置の縦断面図である。 第三実施形態による大深度掘削装置の縦断面図である。
以下、本発明の各実施形態による大深度掘削装置について添付図面を参照して説明する。
図1乃至図5は本発明の第一実施形態による大深度掘削装置1を示すものである。図1(a)に示す大深度掘削装置1は陸地の地底または海底等において例えば70m以上の深さに亘って大口径の大深度掘削を行うものである。この大深度掘削装置1は、図2に示すセグメント2を円環状に連結したセグメントリング3をいも継ぎ(または千鳥組)で上下方向に例えば4段組付けた筒体4を有している。しかも、筒体4の最下段のセグメント2は複数の刃口付きセグメント2Aを連結した刃口リング16を形成している。筒体4は地中の掘削穴H内に埋設されている。
図2に示すセグメント2は、板状で略円弧状に湾曲形成された一対の主桁板6と、長方形で平板状に形成された一対の継手板7と、を備えていて、全体に略四角形で円弧版状に湾曲して形成されている。その外周面(地山側)にスキンプレート8が形成されている。
筒体4の内面側である内部空間24には基本的に大深度掘削装置1の掘削土砂を地上に向けて搬出する重機25が挿入されるので、引っかかり等を防ぐために内周面にもスキンプレート8を配設してもよい。これら主桁板6、継手板7、スキンプレート8で金属製セグメントの筐体10を構築し、内部は空間とされている。セグメント2の内部には断熱材や間詰め材等を中詰めしてもよい。
この場合、筒体4の地中への埋設位置の地盤の温度が300℃以下であればセグメント2内にコンクリートを中詰めることができる。しかし、300℃を超える場合には断熱材を間詰め材として中詰めすることが好ましい。筐体10の材質は大深度掘削に耐えられるように耐高温、耐高圧、高耐久性の金属等が望ましく、例えばGFRP、CFRP、チタン、ステンレス等を採用できる。
セグメント2の筐体10の対向する一対の主桁板6の間には所定間隔で複数のケーシング管12が装着されている。ケーシング管12も熱伝導を行うために例えばスチール、アルミ、ステンレス等の熱伝導率の良い金属で形成されている。ケーシング管12内には後述するドリルパイプ20が装着可能である。
セグメント2の筐体10の対向する主桁板6にはボルト等のリング継手13が配設され、対向する継手板7にはボルト等のセグメント継手14が配設されている。そのため、セグメント2は継手板7同士をセグメント継手14で連結することで、例えば図1及び図4に示すセグメントリング3を構築できる。主桁板6同士をリング継手13で連結することでセグメントリング3同士を上下方向に連結することができる。
セグメント2の外面側(地山側)のスキンプレート8には裏込め材を地山側に注入するための注入孔15が形成されている。地盤の掘削穴H内に大深度掘削装置1の筒体4を装着した際、掘削穴Hの地山の壁面が崩壊したり崩れたりするおそれがあるため、裏込め材を注入することで阻止する。なお、裏込め材としてセメントミルク等を採用できる。なお、注入孔15は設けなくてもよい。
ケーシング管12は、図5に示すように、一方の端部が主桁板6から突出する凸部からなるほぞ12aを形成し、他方の端部はほぞ12aと嵌合するためのほぞ穴12bを形成している。図1及び図4に示す例では、セグメント2は上下四段でいも継ぎの構成を示している。四段のセグメント2内をケーシング管12がほぞ12aとほぞ穴12bで連結されて上下方向に延びている。
また、最下段のセグメントリング3は刃口付きセグメント2Aを筒状に連結してなる刃口リング16で構成されている。各セグメント2、2A内には長手方向に対向面をなす一対の主桁板6間にケーシング管12が縦方向に装着されている。
最下段の刃口付きセグメント2Aはセグメント2と同様に略四角形板状で円弧版状に湾曲されており、下端部が外側から内側に向けて傾斜するテーパ面2bを有している。複数枚の刃口付きセグメント2Aは円筒状に組み立てられて、その下端部に形成された刃が円形に形成されてなる刃口リング16を構築する。刃口付きセグメント2A内にもテーパ面2bに沿って斜めにカットされたケーシング管12が装着されている。
図1(b)において、筒体4の各セグメント2内に設置されたケーシング管12は例えば断面円形とされ、その内部の中央には中空のドリルパイプ20が設置されている。ドリルパイプ20は大深度掘削のために順次接続してケーシング管12内に延ばす。ドリルパイプ20の先端は刃口付きセグメント2Aのテーパ面2bや刃口リング16の先端より下方に延びている。このドリルパイプ20の先端部には地底を掘削するドリルビット21が配設されている。ドリルビット21は地層の硬さに応じて適宜の材質を選択できる。ドリルビット21は軟らかい地層では鋼鉄製、ドラグビット、カッタービット等を用い、硬い地層でタングステンカーバイトやダイヤモンド等のビットを用いる。
ドリルビット21はドリルパイプ20を地上側で高速回転させることで高速回転させられて地中を掘り進むことができる。ドリルビット21で筒体4の刃口リング16の先端側地盤を掘削して攪拌することによって大深度掘削を行う。ケーシング管12において、ドリルパイプ20の外周側のリング状空間は泥水と掘削された掘削屑との混合物を地上に回収するためのライザー管22とされている。
また、ドリルパイプ20内には地上側の泥水ピット(図示せず)から先端のドリルビット21に向けて泥水が供給され、泥水はドリルビット21から噴出させられて掘削のための回転に伴う摩擦熱を低下させる。しかも、泥水はドリルビット21によって粉砕された地層の岩石等の掘削屑と一緒にドリルパイプ20の外周側を上昇させられ、フィルターによって掘削屑と分離されて泥水ピットに戻される。
泥水は、地層状況に応じて比重や粘性、化学組成を調整した特殊な流体であり、成分により水ベースと油ベースに大別される。
筒体4は円筒状に形成されており、その内側の空間である内部空間24内には、ドリルパイプ20の内空側の土砂を搬出するための重機25が進退可能に設置されている。この重機25は掘削深度が比較的浅い場合には例えばクラムシェル型バケット等を用いて土砂を回収させることができる。また、掘削深度が比較的深い場合には大深度用の掘削マシン等を用いることができる。
本実施形態による大深度掘削装置1は上述した構成を備えており、次に大深度掘削方法について説明する。
海底または陸上において、地下資源である石油、レアメタル、シェールガス等を採取したり、地中熱を採取したりする場合、大口径の筒体4を備えた大深度掘削装置1を地中に大深度掘削する。この場合、例えば刃口付きセグメント2Aからなる最下段をなす刃口リング16を設けた大口径の筒体4を地盤に設置して、各セグメント2に設けた複数のケーシング管12を通して、先端にドリルビット21を設けたドリルパイプ20を下方に降下させる。
そして、ドリルパイプ20を高速回転させることでドリルビット21によって坑底の地盤を掘削して岩盤を破砕する。これと同時に、地上の泥水ピットから泥水をドリルパイプ20に注入し、ドリルパイプ20を通してドリルビット21に設けたノズル(図示せず)から泥水を噴出させ、岩盤に亀裂等を生じさせる。しかも、ドリルビット21によって筒体4の刃口リング16の先端側の地盤(図1の破線部)を掘削し且つ攪拌することによって大深度掘削を行う。
ドリルビット21で掘削された岩盤の掘削屑はドリルビット21のノズルから噴出する泥水と混合される。そして、ケーシング管12内のドリルパイプ20の周囲に設けられたライザー管22の地上側開口に負圧をかけることで、坑底上で泥水と掘削屑の混合物を吸引することができる。地上で泥水と掘削屑を回収し、フィルターで掘削屑を分離した後、泥水を泥水ピットに戻す。
これにより、略円周状に掘削穴Hを形成する。また、筒体4の内部空間24内では重機25を降下させてドリルビット21で掘削したリング状の掘削穴Hの内側部分を掘削して土砂を地上に搬出する。
坑底の掘削穴Hを掘削するに従って、大深度掘削装置1の筒体4は先端の刃口リング16で次第に降下される。しかも、筒体4の最下段をなす刃口リング16の上部にセグメント2を連結して2段目以降のセグメントリング3を刃口リング16に順次連結する。その際、ドリルパイプ20を各セグメント2のケーシング管12に通して各セグメント2を刃口リング16に連結する。ドリルパイプ20はドリルビット21によって地盤を掘削するにしたがって後端側で順次継ぎ足してその長さを延伸させていく。
このような作業を繰り返しながら坑底の地盤を掘削することで大深度の掘削穴Hを掘削して、各種の地下資源を採取することができる。
上述したように本実施形態による大深度掘削装置1によれば、本実施形態では、円筒状の筒体4の周方向に所定間隔で複数のケーシング管12を設けて各ケーシング管12内にドリルパイプ20及びドリルビット21とライザー管22を二重管として設置している。そのため、従来では地盤に予め下穴を掘削した状態でドリルパイプの先端に設けたドリルビットで掘削を進めるが、本実施形態では下穴を掘らずに直接掘削できる。
しかも、大口径で大深度掘削した部分を拠点として小口径の複数のドリルパイプ20とドリルビット21を岩盤に発進させることで安全性とメンテナンス性が高く、地下資源を採取する効率が高くなる。また、筒体4が大口径で複数のドリルパイプ20及びドリルビット21を挿通させるケーシング管12を周方向に多数設けたため低コストで大深度掘削をすることができる。
以上、本発明の第一実施形態による大深度掘削装置1について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜の変更や置換等が可能であり、これらはいずれも本発明に含まれる。以下に、本第一実施形態の変形例や他の実施形態等について説明するが、上述の実施形態と同一または同様な部分、部材には同一の符号を用いて説明を省略する。
図6(a)は第一実施形態の第一変形例による大深度掘削装置1Aを示すものである。本変形例において、筒体4の内部空間24内に坑底の掘削屑を採取するための重機25が設けられておらず、空間となっている。そして、ドリルビット21で刃口リング16の先端を掘削し攪拌しながら筒体4を降下させるため、掘削された掘削屑の一部は負圧によってケーシング管12内に設けたライザー管22を通して強制的に上昇させられ回収される。しかも、掘削された掘削屑の残りは筒体4が下方に押されるため高圧で内部空間24内を自然に上昇し、回収される。或いは、内部空間24の上部を負圧に設定して強制的に掘削屑を回収するようにしてもよい。
図6(b)は第一実施形態の第二変形例による大深度掘削装置1Bを示すものである。本変形例において、筒体4の外周面には刃口リング16の先端に開口する回収パイプ27が所定間隔で複数本配設されている。この場合、ドリルパイプ20の外周側に設けたライザー管22では岩盤の掘削屑を回収しないため、ライザー管22を設けなくてもよい。回収パイプ27はドリルビット21で掘削した掘削屑を回収するものであり、地上側の部分を負圧に設定することで掘削屑を強制的に回収できる。
なお、回収パイプ27に代えて、筒体4の外周側を囲う円環状の空間からなる回収リングを設置してもよい。この場合でも、筒体4と回収リングの間の円環状の空間の上部を負圧に設定することで掘削屑を強制的に回収できる。
上記第一変形例及び第二変形例に示すように、ドリルパイプ20を通して先端のドリルビット21のノズルから噴出される泥水は、ドリルビット21で掘削された掘削屑と混合されて、ケーシング管12の内部のライザー管22、筒体4の外面側の回収パイプ27、筒体4の内部空間24のいずれかの経路を通って回収することができる。
次に図7は第一実施形態の第三変形例による大深度掘削装置1Cを示すものである。
本変形例では、筒体4を構成する任意の高さのセグメントリング3のセグメント2に設けた注入孔15を通して裏込め材30を外面側(地山側)の周囲地盤に注入している。地盤を複数のドリルビット21と刃口リング16によって掘削して掘削穴Hを形成して、筒体4を設置した場合、掘削穴Hの壁面に土砂が崩れて流れ込んでしまうおそれがある。これを防ぐために、例えばセメントミルク等の裏込め材30を筒体4と掘削穴Hとの隙間に充填させて固化することができる。
また、図7に示す筒体4において、互いに連結された各セグメント2の隙間に間詰め材31が詰め込まれている。これにより、大深度掘削装置1Cを保護し、セグメント2を補強することができる。筒体4が地盤の掘削穴H中に深く挿入されると、深さの浅い部分では地盤が高熱ではないので間詰め材31としてコンクリート等を用いることができる。また、筒体4を地中深く発進させて高温のマグマ層に近い部分に設置した場合には間詰め材31として高温に耐える断熱材を用いることが好ましい。
図8は第一実施形態の第四変形例による大深度掘削装置1Dを示すものである。
本変形例では、筒体4の下端部に設けた刃口リング33は刃口付きセグメント34の下端部に設けたテーパ面34aが内側から外側に傾斜した傾斜面として形成されている。本変形例においても、ドリルビット21で掘削した坑底の地盤に筒体4の刃口リング33を降下させることができる。
図9は第一実施形態の第五変形例による大深度掘削装置1Eを示すものである。
本変形例では、大深度掘削装置1Eの筒体4の下端部に刃口リング16、33を設けず、通常のセグメント2を連結したセグメントリング3を設けている。セグメント2による筒体4は例えば千鳥組で形成されている。本変形例においても、筒体4の先端に延びるケーシング管12内のドリルパイプ20の先端に設けたドリルビット21で坑底の地盤を掘削して、掘削穴Hに筒体4を降下させることができる。
次に本発明の第二実施形態による大深度掘削装置1Fについて図10により説明する。
本実施形態による大深度掘削装置1Fでは、外径の異なる複数段(例えば3段)のセグメントリング3を例えばいも継ぎで上下方向に連結した複数の筒体4A、4B、4Cを備えている。各筒体4A、4B、4Cは地上側から地下に向けて外径が次第に小さくなっている。
しかも、各筒体4A、4B、4Cにおける下端部のセグメントリング3は例えば刃口リング16で構成され、各セグメントリング3の周方向に所定間隔で装着したケーシング管12内にはドリルパイプ20が装着され、その先端が刃口付きセグメント2Aのテーパ面2bから突出してドリルビット21が装着されている。
ケーシング管12とドリルパイプ20の間の空間はライザー管22とされた二重管で構成されている。しかも、ドリルパイプ20内を下方に供給される泥水はドリルビット21に設けたノズルから噴出させられて、掘削のための回転に伴う摩擦熱を低下させる。しかも、泥水はドリルビット21によって粉砕された地盤の掘削屑と一緒にドリルパイプ20の外周側のライザー管22内を上昇させられ、地上側でフィルターによって掘削屑と分離されて泥水ピットに戻される。
大深度掘削装置1Fにおいて、掘削穴Hにおける地上側に掘削して設置した第一の筒体4Aはその外径が最も大きくその内部空間24の内径も大きく設定されている。第一の筒体4Aの内部空間24Aにはその外径が内部空間24Aとほぼ同一径をなす比較的小径の第二の筒体4Bが挿入されており、しかも第一の筒体4Aの下端部(先端部)に第二の筒体4Bの後端部が連結されている。
そして、第二の筒体4Bの内部空間24B内にはその外径が内部空間24Bとほぼ同一径をなす比較的小径の第三の筒体4Cが挿入されており、しかも第二の筒体4Bの下端部(先端部)に第三の筒体4Cの後端部が連結されている。このようにして大深度掘削装置1Fが構築される。
なお、図10では、外径の異なる三組の筒体4A、4B、4Cで掘削穴Hを掘削して大深度掘削装置1Fを施工したが、第三の筒体4Cの内部空間24Cとほぼ同一外径をなす第四の筒体を内部空間24Cに挿入する等して更に下方を掘削してより長い大深度掘削装置1Fを構築してもよい。
本実施形態による大深度掘削装置1Fは上述した構成を備えており、次に大深度掘削方法について説明する。
最初に、大口径の大深度掘削装置1Fにおける最大外径の第一の筒体4Aを地盤GLから地中に大深度掘削する。例えば、最下段に刃口リング16を設けた第一の筒体4Aを地盤に設置して、各セグメント2に設けた複数のケーシング管12を通して、ドリルパイプ20の先端に設けたドリルビット21を下方に降下させる。ドリルパイプ20を高速回転させることでドリルビット21によって坑底の地盤を掘削して岩盤を破砕する。これと同時に、泥水をドリルパイプ20に注入し、ドリルビット21に設けたノズルから泥水を噴出させて岩盤に亀裂等を生じさせる。しかも、ドリルビット21によって刃口リング16の先端側領域の地盤を掘削し且つ攪拌することによって大深度掘削を行う。
ドリルビット21で掘削された岩盤の掘削屑はドリルビット21のノズルから噴出する泥水と混合される。そして、ケーシング管12のドリルパイプ20の周囲に設けられたライザー管22の地上側開口に負圧をかけることで、坑底上で泥水と掘削屑の混合物を吸引することができる。そして、地上で泥水と掘削屑を回収し、フィルターで掘削屑を分離した後、泥水を泥水ピットに戻す。これにより、略円周状に掘削穴Hを形成し、第一の筒体4Aを掘削穴H内に降下させる。
次に、比較的外径の小さい第二の筒体4Bを第一の筒体4Aの内部空間24A内に挿入し、各セグメント2に設けた複数のケーシング管12を通して、ドリルパイプ20の先端に設けたドリルビット21を下方に降下させる。ドリルビット21を高速回転させて坑底の地盤を掘削して岩盤を破砕する。これと同時に、泥水をドリルパイプ20を通して注入し、ドリルビット21に設けたノズルから泥水を噴出させる。ドリルビット21によって刃口リング16の先端側領域の地盤を掘削し且つ攪拌することで大深度掘削を行う。
ドリルビット21で掘削された岩盤の掘削屑は泥水と混合され、ケーシング管12のライザー管22を通して泥水と掘削屑の混合物を吸引する。そして、地上で泥水と掘削屑を回収し、掘削屑を分離した泥水を泥水ピットに戻す。これにより、略円周状に掘削穴Hを形成し、第二の筒体4Bを掘削穴H内に降下させる。このとき第二の筒体4Bが第一の筒体4Aと分離せず重なるように連結する。
次に、第二の筒体4Bの内部空間24Bより外径の小さい第三の筒体4Cを第二の筒体4Bの内部空間24B内に挿入する。各セグメント2のケーシング管12内を通して、ドリルパイプ20の先端のドリルビット21を高速回転させて坑底の地盤を掘削して岩盤を破砕する。これと同時に、ドリルビット21のノズルから泥水を噴出させて掘削屑を混合させる。こうして、ドリルビット21によって刃口リング16の先端側領域の地盤を掘削し且つ攪拌することで大深度掘削を行う。
ドリルビット21で掘削された掘削屑と泥水の混合物は、ケーシング管12のライザー管22を通して吸引させられる。そして、地上で泥水と掘削屑の混合物を回収して、掘削屑を分離した泥水を泥水ピットに戻す。これにより、略円周状に掘削穴Hを形成し、第三の筒体4Cを掘削穴H内に降下させ、第三の筒体4Cが第二の筒体4Bと分離せず重なるように連結する。
また、必要に応じて、更に小径の筒体4を第三の筒体4Cの内部空間24Cを通して坑底の地盤を掘削して第三の筒体4Cと連結することで、より大深度の大深度掘削装置1Fを形成できる。これにより、掘削穴Hを掘削して各種の地下資源を採取することができる。
上述したように本第二実施形態による大深度掘削装置1Fによれば、先に掘削した第一の筒体4Aの内部空間24Aを利用して第二の筒体4B、そして第三の筒体4Cと順次その外径を縮小させながら階段状に形成した掘削穴Hによって大深度掘削を施工できる。そのため、大深度掘削工事であっても筒体4を縮径させるごとにドリルビット21を異別のものに交換することで、ドリルビット21の摩耗や折損を防いで効率よく大断面掘削を行える。
なお、掘削屑と泥水の混合物を回収するために、各筒体4の外側に回収パイプ27を設けてもよい。
次に本発明の第三実施形態による大深度掘削装置1Gについて図11により説明する。
本実施形態による大深度掘削装置1Gでは、複数段(例えば3段)のセグメントリング3を千鳥組またはいも継ぎで連結した筒体4を地盤GLに設けた掘削穴H内に設置する。掘削穴Hの掘削は、上述した第一実施形態による大深度掘削装置1で説明したように、筒体4に設けたケーシング管12内のドリルビット21及びドリルパイプ20とリング状のライザー管22とで行われる。
この筒体4の内部空間24の底部を封止することで保護区域とし、筒体4の底部を起点として保護区域内に地下資源採取ステーション36を設置する。そして、地下資源採取ステーション36を拠点として図示しない重機等を設置し、複数組の小口径のドリルパイプ20及びドリルビット21を更に下方に発進させて地盤中を掘削する。地下資源採取ステーション36からドリルパイプ20及びドリルビット21を任意の方向に複数組発進させることで、地下資源を広域的に採取することが可能になる。
本発明において、第一のケーシング管は図10に示す大深度掘削装置1Fの第一の筒体4Aに設けたケーシング管12、第一のドリルパイプはドリルパイプ20、第一のドリルビットはドリルビット21に含まれる。また、第二のケーシング管はケーシング管12、第二のドリルパイプはドリルパイプ20、第二のドリルビットはドリルビット21に含まれる。第一のライザー管、第二のライザー管はライザー管22に含まれる。
1、1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G 大深度掘削装置
2 セグメント
2A、34 刃口付きセグメント
3 セグメントリング
4 筒体
4A 第一の筒体
4B 第二の筒体
4C 第三の筒体
12 ケーシング管
15 注入孔
16 刃口リング
20 ドリルパイプ
21 ドリルビット
22 ライザー管
24、24A、24B、24C 内部空間
25 重機
30 裏込め材
31 間詰め材
36 地下資源採取ステーション
H 掘削穴
本発明に係る大深度掘削装置は、複数のセグメントが筒状に連結された筒体と、筒体のセグメントに装着された複数のケーシング管と、ケーシング管内に挿入されたドリルパイプと、ドリルパイプの先端に設けられていて地盤を掘削するドリルビットと、ドリルビットで掘削された地盤の掘削屑を搬出する空間と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、筒体の複数のケーシング管内にそれぞれ設けられたドリルビットで地盤を掘削し、掘削屑を複数のドリルパイプを通して供給される泥水と混合して空間を通して地上側に回収することで掘削穴を形成でき、掘削穴に筒体を進めて大深度掘削を行うことができる。
本発明に係る大深度掘削装置は、複数のセグメントが筒状に連結された第一の筒体と、第一の筒体のセグメントに装着された複数の第一のケーシング管と、第一のケーシング管内に挿入された第一のドリルパイプと、第一のドリルパイプの先端に設けられていて地盤を掘削する第一のドリルビットと、第一のドリルビットで掘削された地盤の掘削屑を搬出する第一の空間と、第一の筒体の内部空間から先端側に突出して設けられていて複数のセグメントが筒状に連結された第一の筒体より小径の第二の筒体と、第二の筒体のセグメントに装着された複数の第二のケーシング管と、第二のケーシング管内に挿入された第二のドリルパイプと、第二のドリルパイプの先端に設けられていて地盤を掘削する第二のドリルビットと、第二のドリルビットで掘削された地盤の掘削屑を搬出する第二の空間と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、第一の筒体の複数の第一のケーシング管内にそれぞれ設けられた第一のドリルビットで地盤を掘削し、掘削屑を複数の第一のドリルパイプを通して供給される泥水と混合して第一の空間を通して地上側に回収することで掘削穴を形成して掘削穴に第一の筒体を進める。次に、第一の筒体の内部空間に第二の筒体を挿入して、第二の筒体の複数の第二のケーシング管内にそれぞれ設けられた第二のドリルビットで地盤を掘削し、掘削屑を複数の第二のドリルパイプを通して供給される泥水と混合して第二の空間を通して地上側に回収することで掘削穴を形成して掘削穴に第二の筒体を進める。このような作業を繰り返すことで、筒体の内部空間を通してより小径の筒体を順次進入させて隙間を生じないように突出させて配設することで、大深度掘削を行うことができる。
また、ドリルビットによって掘削された掘削屑を搬出する空間がドリルパイプの外側に設置されていてもよい。
掘削屑をドリルパイプの外側に設置された空間を通して回収できる。
本発明による大深度掘削方法は、複数のセグメントで形成した筒体に設けた複数のケーシング管内に挿入したドリルパイプの先端のドリルビットで掘削穴を掘削する工程と、ドリルパイプを流れてドリルビットのノズルから噴出される泥水によって、ドリルビットで掘削した掘削屑をケーシング管内の空間、筒体の内部空間、筒体の外周側の回収パイプのいずれかの経路を通して回収する工程と、掘削穴内に筒体を進出させて後部にセグメントを連結する工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明による大深度掘削方法は、複数のセグメントで形成した第一の筒体に設けた複数の第一のケーシング管内に挿入した第一のドリルパイプの先端の第一のドリルビットで掘削穴を掘削する工程と、第一のドリルパイプを流れて第一のドリルビットのノズルから噴出される泥水によって、第一のドリルビットで掘削した掘削屑を第一のケーシング管内の第一の空間、第一の筒体の内部空間、第一の筒体の外周側の回収パイプのいずれかの経路を通して回収する工程と、第一の筒体の内部空間から突出させた第一の筒体より小径の第二の筒体における複数の第二のケーシング管内に挿入した第二のドリルパイプの先端の第二のドリルビットで掘削穴を掘削する工程と、第二のドリルパイプを流れて第二のドリルビットのノズルから噴出される泥水によって、第二のドリルビットで掘削した掘削屑を第二のケーシング管内の第二の空間、第二の筒体の内部空間、第二の筒体の外周側の回収パイプのいずれかの経路を通して回収する工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明に係る大深度掘削装置及び大深度掘削方法によれば、複数のセグメントを連結することで大口径の筒体を形成すると共に、複数のケーシング管にそれぞれドリルパイプ及びドリルビットと空間を設けたため掘削と切削屑の回収効率が高い。しかも、安全性とメンテナンス性が高いため地下資源を採取する効率も高い。
また、先に掘削した第一の筒体の内部空間を通して第一の筒体より小径の第二の筒体を突出させて掘削することで大深度掘削することができるため、各筒体でドリルビットの摩耗や折損を防いで効率よく大断面掘削を行える。
ドリルビット21はドリルパイプ20を地上側で高速回転させることで高速回転させられて地中を掘り進むことができる。ドリルビット21で筒体4の刃口リング16の先端側地盤を掘削して攪拌することによって大深度掘削を行う。ケーシング管12において、ドリルパイプ20の外周側のリング状空間は泥水と掘削された掘削屑との混合物を地上に回収するための空間22とされている。
ドリルビット21で掘削された岩盤の掘削屑はドリルビット21のノズルから噴出する泥水と混合される。そして、ケーシング管12内のドリルパイプ20の周囲に設けられた空間22の地上側開口に負圧をかけることで、坑底上で泥水と掘削屑の混合物を吸引することができる。地上で泥水と掘削屑を回収し、フィルターで掘削屑を分離した後、泥水を泥水ピットに戻す。
これにより、略円周状に掘削穴Hを形成する。また、筒体4の内部空間24内では重機25を降下させてドリルビット21で掘削したリング状の掘削穴Hの内側部分を掘削して土砂を地上に搬出する。
上述したように本実施形態による大深度掘削装置1によれば、本実施形態では、円筒状の筒体4の周方向に所定間隔で複数のケーシング管12を設けて各ケーシング管12内にドリルパイプ20及びドリルビット21と空間22を二重管として設置している。そのため、従来では地盤に予め下穴を掘削した状態でドリルパイプの先端に設けたドリルビットで掘削を進めるが、本実施形態では下穴を掘らずに直接掘削できる。
しかも、大口径で大深度掘削した部分を拠点として小口径の複数のドリルパイプ20とドリルビット21を岩盤に発進させることで安全性とメンテナンス性が高く、地下資源を採取する効率が高くなる。また、筒体4が大口径で複数のドリルパイプ20及びドリルビット21を挿通させるケーシング管12を周方向に多数設けたため低コストで大深度掘削をすることができる。
図6(a)は第一実施形態の第一変形例による大深度掘削装置1Aを示すものである。本変形例において、筒体4の内部空間24内に坑底の掘削屑を採取するための重機25が設けられておらず、空間となっている。そして、ドリルビット21で刃口リング16の先端を掘削し攪拌しながら筒体4を降下させるため、掘削された掘削屑の一部は負圧によってケーシング管12内に設けた空間22を通して強制的に上昇させられ回収される。しかも、掘削された掘削屑の残りは筒体4が下方に押されるため高圧で内部空間24内を自然に上昇し、回収される。或いは、内部空間24の上部を負圧に設定して強制的に掘削屑を回収するようにしてもよい。
図6(b)は第一実施形態の第二変形例による大深度掘削装置1Bを示すものである。本変形例において、筒体4の外周面には刃口リング16の先端に開口する回収パイプ27が所定間隔で複数本配設されている。この場合、ドリルパイプ20の外周側に設けた空間22では岩盤の掘削屑を回収しないため、空間22を設けなくてもよい。回収パイプ27はドリルビット21で掘削した掘削屑を回収するものであり、地上側の部分を負圧に設定することで掘削屑を強制的に回収できる。
なお、回収パイプ27に代えて、筒体4の外周側を囲う円環状の空間からなる回収リングを設置してもよい。この場合でも、筒体4と回収リングの間の円環状の空間の上部を負圧に設定することで掘削屑を強制的に回収できる。
上記第一変形例及び第二変形例に示すように、ドリルパイプ20を通して先端のドリルビット21のノズルから噴出される泥水は、ドリルビット21で掘削された掘削屑と混合されて、ケーシング管12の内部の空間22、筒体4の外面側の回収パイプ27、筒体4の内部空間24のいずれかの経路を通って回収することができる。
ケーシング管12とドリルパイプ20の間の空間22とされた二重管で構成されている。しかも、ドリルパイプ20内を下方に供給される泥水はドリルビット21に設けたノズルから噴出させられて、掘削のための回転に伴う摩擦熱を低下させる。しかも、泥水はドリルビット21によって粉砕された地盤の掘削屑と一緒にドリルパイプ20の外周側の空間22内を上昇させられ、地上側でフィルターによって掘削屑と分離されて泥水ピットに戻される。
ドリルビット21で掘削された岩盤の掘削屑はドリルビット21のノズルから噴出する泥水と混合される。そして、ケーシング管12のドリルパイプ20の周囲に設けられた空間22の地上側開口に負圧をかけることで、坑底上で泥水と掘削屑の混合物を吸引することができる。そして、地上で泥水と掘削屑を回収し、フィルターで掘削屑を分離した後、泥水を泥水ピットに戻す。これにより、略円周状に掘削穴Hを形成し、第一の筒体4Aを掘削穴H内に降下させる。
次に、比較的外径の小さい第二の筒体4Bを第一の筒体4Aの内部空間24A内に挿入し、各セグメント2に設けた複数のケーシング管12を通して、ドリルパイプ20の先端に設けたドリルビット21を下方に降下させる。ドリルビット21を高速回転させて坑底の地盤を掘削して岩盤を破砕する。これと同時に、泥水をドリルパイプ20を通して注入し、ドリルビット21に設けたノズルから泥水を噴出させる。ドリルビット21によって刃口リング16の先端側領域の地盤を掘削し且つ攪拌することで大深度掘削を行う。
ドリルビット21で掘削された岩盤の掘削屑は泥水と混合され、ケーシング管12の空間22を通して泥水と掘削屑の混合物を吸引する。そして、地上で泥水と掘削屑を回収し、掘削屑を分離した泥水を泥水ピットに戻す。これにより、略円周状に掘削穴Hを形成し、第二の筒体4Bを掘削穴H内に降下させる。このとき第二の筒体4Bが第一の筒体4Aと分離せず重なるように連結する。
ドリルビット21で掘削された掘削屑と泥水の混合物は、ケーシング管12の空間22を通して吸引させられる。そして、地上で泥水と掘削屑の混合物を回収して、掘削屑を分離した泥水を泥水ピットに戻す。これにより、略円周状に掘削穴Hを形成し、第三の筒体4Cを掘削穴H内に降下させ、第三の筒体4Cが第二の筒体4Bと分離せず重なるように連結する。
また、必要に応じて、更に小径の筒体4を第三の筒体4Cの内部空間24Cを通して坑底の地盤を掘削して第三の筒体4Cと連結することで、より大深度の大深度掘削装置1Fを形成できる。これにより、掘削穴Hを掘削して各種の地下資源を採取することができる。
次に本発明の第三実施形態による大深度掘削装置1Gについて図11により説明する。
本実施形態による大深度掘削装置1Gでは、複数段(例えば3段)のセグメントリング3を千鳥組またはいも継ぎで連結した筒体4を地盤GLに設けた掘削穴H内に設置する。掘削穴Hの掘削は、上述した第一実施形態による大深度掘削装置1で説明したように、筒体4に設けたケーシング管12内のドリルビット21及びドリルパイプ20とリング状の空間22とで行われる。
この筒体4の内部空間24の底部を封止することで保護区域とし、筒体4の底部を起点として保護区域内に地下資源採取ステーション36を設置する。そして、地下資源採取ステーション36を拠点として図示しない重機等を設置し、複数組の小口径のドリルパイプ20及びドリルビット21を更に下方に発進させて地盤中を掘削する。地下資源採取ステーション36からドリルパイプ20及びドリルビット21を任意の方向に複数組発進させることで、地下資源を広域的に採取することが可能になる。
本発明において、第一のケーシング管は図10に示す大深度掘削装置1Fの第一の筒体4Aに設けたケーシング管12、第一のドリルパイプはドリルパイプ20、第一のドリルビットはドリルビット21に含まれる。また、第二のケーシング管はケーシング管12、第二のドリルパイプはドリルパイプ20、第二のドリルビットはドリルビット21に含まれる。第一の空間、第二の空間空間22に含まれる。
1、1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G 大深度掘削装置
2 セグメント
2A、34 刃口付きセグメント
3 セグメントリング
4 筒体
4A 第一の筒体
4B 第二の筒体
4C 第三の筒体
12 ケーシング管
15 注入孔
16 刃口リング
20 ドリルパイプ
21 ドリルビット
22 空間
24、24A、24B、24C 内部空間
25 重機
30 裏込め材
31 間詰め材
36 地下資源採取ステーション
H 掘削穴

Claims (8)

  1. 複数のセグメントが筒状に連結された筒体と、
    前記筒体のセグメントに装着された複数のケーシング管と、
    前記ケーシング管内に挿入されたドリルパイプと、
    前記ドリルパイプの先端に設けられていて地盤を掘削するドリルビットと、
    前記ドリルビットで掘削された地盤の掘削屑を搬出するライザー管と、
    を備えたことを特徴とする大深度掘削装置。
  2. 複数のセグメントが筒状に連結された第一の筒体と、
    前記第一の筒体のセグメントに装着された複数の第一のケーシング管と、
    前記第一のケーシング管内に挿入された第一のドリルパイプと、
    前記第一のドリルパイプの先端に設けられていて地盤を掘削する第一のドリルビットと、
    前記第一のドリルビットで掘削された地盤の掘削屑を搬出する第一のライザー管と、
    前記第一の筒体の内部空間から先端側に突出して設けられていて複数のセグメントが筒状に連結された前記第一の筒体より小径の第二の筒体と、
    前記第二の筒体のセグメントに装着された複数の第二のケーシング管と、
    前記第二のケーシング管内に挿入された第二のドリルパイプと、
    前記第二のドリルパイプの先端に設けられていて地盤を掘削する第二のドリルビットと、
    前記第二のドリルビットで掘削された地盤の掘削屑を搬出する第二のライザー管と、
    を備えたことを特徴とする大深度掘削装置。
  3. 前記筒体の内部空間に、前記ドリルビットによって掘削された掘削屑を搬出する重機を備えた請求項1に記載された大深度掘削装置。
  4. 前記ドリルビットによって掘削された掘削屑を搬出するライザー管が前記ドリルパイプの外側に設置されている請求項1に記載された大深度掘削装置。
  5. 前記筒体のセグメントには前記筒体とその周囲地盤の掘削穴との間に裏込め材を注入するための注入孔が設けられている請求項1、3または4のいずれか1項に記載された大深度掘削装置。
  6. 前記筒体の外側には前記掘削屑を回収するための回収パイプが設置されている請求項1、3から5のいずれか1項に記載された大深度掘削装置。
  7. 複数のセグメントで形成した筒体に設けた複数のケーシング管内に挿入したドリルパイプの先端のドリルビットで掘削穴を掘削する工程と、
    前記ドリルパイプを流れて前記ドリルビットのノズルから噴出される泥水によって、前記ドリルビットで掘削した掘削屑を前記ケーシング管内のライザー管、前記筒体の内部空間、前記筒体の外周側の回収パイプのいずれかの経路を通して回収する工程と、
    前記掘削穴内に前記筒体を進出させて後部に前記セグメントを連結する工程と、
    を備えたことを特徴とする大深度掘削方法。
  8. 複数のセグメントで形成した第一の筒体に設けた複数の第一のケーシング管内に挿入した第一のドリルパイプの先端の第一のドリルビットで掘削穴を掘削する工程と、
    前記第一のドリルパイプを流れて前記第一のドリルビットのノズルから噴出される泥水によって、前記第一のドリルビットで掘削した掘削屑を前記第一のケーシング管内のライザー管、前記第一の筒体の内部空間、前記第一の筒体の外周側の回収パイプのいずれかの経路を通して回収する工程と、
    前記第一の筒体の内部空間から突出させた第一の筒体より小径の第二の筒体における複数の第二のケーシング管内に挿入した第二のドリルパイプの先端の第二のドリルビットで掘削穴を掘削する工程と、
    前記第二のドリルパイプを流れて前記第二のドリルビットのノズルから噴出される泥水によって、前記第二のドリルビットで掘削した掘削屑を前記第二のケーシング管内のライザー管、前記第二の筒体の内部空間、前記第二の筒体の外周側の回収パイプのいずれかの経路を通して回収する工程と、
    を備えたことを特徴とする大深度掘削方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH10115173A (ja) * 1996-10-11 1998-05-06 Yoshiji Matsumoto 立坑掘削方法及び立坑掘削装置
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JP2017190441A (ja) * 2016-04-06 2017-10-19 関東天然瓦斯開発株式会社 泥水、地下水、石油またはセメントスラリーに添加される添加剤、坑を掘削し、補修し、止水しまたは埋立てる方法及び添加剤が充填された容器

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