JP2021011408A - 二酸化炭素を貯留するシステム、水質を改善する方法、および肥料を製造する方法 - Google Patents

二酸化炭素を貯留するシステム、水質を改善する方法、および肥料を製造する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】大気中の二酸化炭素を炭素として地中に貯留することで地球温暖化の抑制に寄与することが可能な炭素貯留システムを提供する。【解決手段】このシステムは、バイオマスを炭化して炭化物と乾留ガスを生成する第1の手段、乾留ガスを用いて発電する第2の手段、炭化物上に金属を固定する第3の手段、金属が固定された炭化物に、リンを含む化合物の少なくとも一種を吸着させる第4の手段、および化合物が吸着された炭化物から肥料を生成する第5の手段を含む。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態の一つは、二酸化炭素貯留システム、水質改善方法、および肥料の製造方法に関する。
温室効果ガスである二酸化炭素の固定や貯留は、温室効果ガスがもたらす地球規模の急激な環境変化を抑制する上で重要な課題となっている。特許文献1や非特許文献1には、植物や動物に由来する廃棄物を含む有機物を炭化し、これを土壌改良用の資材として利用することで、植物によって還元・固定された大気中の二酸化炭素を炭素という形で地中に貯留する手法が開示されている。
特開2007−75706号公報
柴田晃、「地域振興のためのバイオマス簡易炭化と炭素貯留野菜COOL VEGETM」、高温学会誌、2011年3月、第37巻、第2号、p.37−42
本発明の実施形態の一つは、大気中の二酸化炭素を炭素として地中に貯留することで地球温暖化の抑制に寄与することが可能な炭素貯留システムを提供することを課題の一つとする。あるいは本発明の実施形態の一つは、バイオマスから得られる多孔質材料を用いて水質を改善するための方法を提供することを課題の一つとする。あるいは本発明の実施形態の一つは、バイオマスから得られる多孔質材料を利用した肥料を製造する方法を提供することを課題の一つとする。
本発明の実施形態の一つは、二酸化炭素を貯留するシステムである。このシステムは、バイオマスを炭化して炭化物と乾留ガスを生成する第1の手段、乾留ガスを用いて発電する第2の手段、炭化物上に金属を固定する第3の手段、金属が固定された炭化物に、リンを含む化合物の少なくとも一種を吸着させる第4の手段、および化合物が吸着された炭化物から肥料を生成する第5の手段を含む。
本発明の実施形態の一つは、水質を改善する方法である。この方法は、第1のバイオマスを炭化して炭化物と第1の乾留ガスを生成すること、炭化物を金属塩を含む液体に浸漬すること、炭化物に吸着された金属塩を還元して金属担持炭化物を生成すること、および金属担持炭化物をリンを含む化合物の少なくとも一種を含む水に浸漬することを含む。
本発明の実施形態の一つは、肥料を製造する方法である。この方法は、第1のバイオマスを炭化して炭化物と第1の乾留ガスを生成すること、炭化物を金属塩を含む液体に浸漬すること、炭化物に吸着された金属塩を還元して金属担持炭化物を生成すること、および金属担持炭化物をリンを含む化合物の少なくとも一種を含む水に浸漬することを含む。
本発明の実施形態の一つは、土壌を改質する方法である。この方法は、第1のバイオマスを炭化して炭化物と第1の乾留ガスを生成すること、炭化物を金属塩を含む液体に浸漬すること、炭化物に吸着された金属塩を還元して金属担持炭化物を生成すること、金属担持炭化物をリンを含む化合物の少なくとも一種を含む水に浸漬すること、および水に浸漬された金属担持炭化物を土壌に散布することを含む。
本発明の実施形態により、大気中の二酸化炭素を炭素という形で地中に貯留し、温室効果の抑制に寄与することができる。あるいは、河川、湖沼、または海の水質を効果的に改善することができる。あるいは、植物の育成に対して効果を有する肥料を低コストで製造することが可能となる。
本発明の実施形態の一つである二酸化炭素貯留システムの概念図。 本発明の実施形態の一つである二酸化炭素貯留システムを構成する、吸着材を製造するためのシステム。 本発明の実施形態の一つである二酸化炭素貯留システムに含まれるガス化装置の模式的断面図。 本発明の実施形態の一つである二酸化炭素貯留システムに含まれるガス化装置の模式的断面図。 本発明の実施形態の一つである二酸化炭素貯留システムに含まれるガス化装置の模式的断面図。 本発明の実施形態の一つである二酸化炭素貯留システムに含まれる熱交換器の模式的断面図。 本発明の実施形態の一つである二酸化炭素貯留システムに含まれる発電装置のブロック図。 本発明の実施形態の一つである二酸化炭素貯留システムに含まれる浸漬装置の模式的断面図。 本発明の実施形態の一つである二酸化炭素貯留システムに含まれる乾燥装置の模式的断面図。 本発明の実施形態の一つである二酸化炭素貯留システムに含まれる還元装置の模式的断面図。 本発明の実施形態の一つである二酸化炭素貯留システムに含まれる還元装置の模式的断面図。 本発明の実施形態の一つである二酸化炭素貯留システムに含まれる還元装置の模式的断面図。 本発明の実施形態の一つである二酸化炭素貯留システムに含まれる還元装置の模式的断面図。 本発明の実施形態の一つである水質改善方法に利用されるカートリッジ。 本発明の実施形態の一つである肥料の製造方法を示すフローチャート。
以下、本発明の各実施形態について、図面等を参照しつつ説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
以下、本明細書では、バイオマスとは有機物の一種である、生体由来の物質とその代謝物を指す。例えば木に由来する材料がバイオマスとして挙げられる。具体的には、板状や柱状の木材、間伐材、剪定廃材、建築廃木材、粉末状のおがくず、パーティクルボートなどの木製成形品が挙げられる。木の種類に制約はなく、スギやヒノキ、竹でもよい。あるいは籾殻、バガス、トウモロコシの軸や葉などの農業廃棄物、藁や麦わら、乾草などの農業副産物もバイオマスの一例として挙げられる。あるいは麻や亜麻、綿、サイザル麻、アバカ、ヤシ毛などの繊維の原料となる植物が挙げられる。あるいは海藻などの藻類でもよい。あるいは、食品残渣や、動物の糞尿から得られるサイレージなどが挙げられる。
1.二酸化炭素貯留システム
図1は、本発明の実施形態の一つである、大気中の二酸化炭素を貯留するシステム(Carbon−Soring System、以下、CSシステムと記す)100を説明する概念図である。このCSシステム100において、植物は光合成によって二酸化炭素を還元し、種々の有機物として固定することで生物資源を創り出す。生物資源は他の生物のエネルギー源(食料)として利用されるのみならず、繊維や木材などの機能材料・構造材料として様々な用途で利用される。CSシステム100ではさらに、種々の態様で利用された有機物の残渣や副生物と代謝物、すなわちバイオマスを炭化することで吸着材と乾留ガスを生成し、同時に電気エネルギーを創成する。さらに吸着材が有するリンや窒素を含む化合物(以下、吸着物質とも呼ぶ)の吸着能を活用した水質改善、吸着物質が吸着した吸着材を用いる肥料の製造、およびこの肥料を用いた土壌改質が行われる。吸着材を肥料として地中に戻すことで、植物によって固定された二酸化炭素が炭素として地中に貯留される。
炭化物は炭素を主成分とする多孔質材料であり、この多孔質材料に金属を担持させて得られる金属担持炭化物が吸着材として機能する。詳細は後述するが、炭化物に金属塩を吸着させて金属塩が担持された炭化物(前駆体炭化物)を得たのち、担持された金属塩の内、少なくとも一部が金属(0価の金属)へ還元することで吸着材が得られる。この吸着材は、河川、湖沼、または海などの水域における水質汚濁物質であるリンや窒素を含む化合物を吸着することができる。特に鉄が担持された吸着材は、リンを含む化合物の吸着に対して有効である。ここで、リンを含む化合物としては、リン酸、カルシウムや鉄、アルミニウム、ナトリウム、カリウムなどの金属のリン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、あるいはリン酸エステルなどの有機リン酸が例示される。窒素を含む化合物としては、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、アミン、尿素、窒素含有ヘテロ芳香族化合物、金属の硝酸塩や亜硝酸塩などが挙げられる。
炭化時に生じる乾留ガスには水素や一酸化炭素、メタンやプロパン、ブタンなどに代表されるアルカンなどの可燃性、または還元力を有するガスが含まれる。CSシステム100では、乾留ガスの可燃性と還元力の両者が利用される。後述するように、前者の可燃性ガスは燃焼させることで発電に利用され、電気エネルギーの創成に寄与する。さらに、発電時の排熱は前駆体炭化物の乾燥などに利用することができる。一方、後者の高温の乾留ガスは、前駆体炭化物に担持された金属塩の還元に利用される。これにより、前駆体炭化物を効率よく吸着材へ変換することが可能となる。
ガス化直後の乾留ガスは高温であり、乾留ガスは大きな熱エネルギーを有する。CSシステム100では、この熱エネルギーも吸着材の製造に利用される。すなわち、前駆体炭化物の乾燥や金属塩の還元の加速に利用される。
CSシステム100は以下の手段の少なくとも一つを含む。
(1)バイオマスの炭化による炭化物と乾留ガスの生成
(2)乾留ガスを用いる発電
(3)炭化物上への金属固定による金属担持炭化物(吸着材)の生成
(4)金属担持炭化物による吸着物質の吸着
(5)吸着物質を吸着した金属担持化合物からの肥料の製造
(6)肥料の土壌中への投入
以下、各手段について説明する。
1−1.バイオマスの炭化による炭化物と乾留ガスの生成
CSシステム100を実現するための構成の一部を図2に示す。バイオマス102の炭化によって炭化物と乾留ガスを生成するための手段は、ガス化装置110と熱交換器150を含む。
(1)ガス化装置
ガス化装置110は、バイオマス102を低酸素濃度の条件下で炭化し、乾留ガスと炭化物104を生成する。ガス化装置110の構造に特に制約はない。ガス化装置110として内燃式のガス化装置の模式的断面図を図3に示す。ここで示したガス化装置110は一例であり、後述するように炭化炉は外熱式でも構わなく、その構造もバッチ式の密閉型の炭窯炉や連続式のロータリーキルン、揺動式ガス化炉、スクリュー炉、固定床炉(ダウンドラフト、アップドラフト)などでも構わない。いずれの形式でも、炭化によって発生した乾留ガスを還元装置220(後述)に導入する流路を有する。
図3に示すように、ガス化装置110は円筒形状を有する回転式のガス化炉114を有し、さらにバイオマス102を炭化するための熱エネルギーを供給するバーナー120が備えられた加熱チャンバー112がガス化炉114を覆うように設けられる。ガス化装置110には、炭化するバイオマス102を投入するためのホッパー124やホッパー124の下に位置するスクリューフィーダー126を設けてもよい。スクリューフィーダー126によってバイオマス102がガス化炉114内へ連続的に供給される。
ここで例示されるガス化炉114はロータリーキルン型のガス化炉であり、ガス化炉114と加熱チャンバー112は、バイオマス102を投入する側が炭化物104を搬出する側よりも高い位置になるよう水平面から傾斜している。ガス化炉114は駆動部116によって加熱チャンバー112内で回転するように構成される。駆動部116は、例えばチェーン、ベルト、歯車などを用いてガス化炉114を加熱チャンバー112の中心軸を中心として回転させる。ガス化炉114に供給されるバイオマス102は、ガス化炉114が連続的に回転することによってホッパー124側からバーナー120側へ輸送される。その間、低酸素濃度の条件下でバイオマス102が加熱され、炭化が進行して乾留ガスが発生する。乾留ガスは排気ダクト128から第1のガス供給管118を介して取り出される。第1のガス供給管118が乾留ガスを還元装置220に導入する流路として機能する。得られる炭化物104はガス化炉114の下部からガス漏洩防止用のロータリーバルブ122を介し、ガス化装置110の外へ搬出され、引き続く浸漬に供される。ロータリーバルブ122は場合により、上下2段となるよう設置してもよく、その場合の炭化物の排出は、上段と下段のロータリーバルブが交互に開いて炭化物が排出される。また、ロータリーバルブ122の周囲に、ロータリーバルブ122を冷却できる機構を設けても良い。
乾留ガスの温度を維持するため、第1のガス供給管118を断熱材などの保温手段130で覆ってもよい。あるいは、ガス化装置110で生成する乾留ガスの加熱、あるいは温度維持のための加熱装置(図2では示されない)を第1のガス供給管118に設けてもよい。
任意の構成として、生成する乾留ガスに酸素を供給するための機構を備えてもよい。図3では、この機能として酸素または空気を導入するための導入口134がバルブ132を介して排気ダクト128に設けられる例が示されている。微量の酸素を乾留ガスに加えることで、ガス化装置110の温度を制御、代表的には上昇させることができるとともに、乾留ガスに含まれるタールを燃焼し、乾留ガス中のタールの濃度を低減することができる。なお、酸素供給量が多すぎるとバイオマス102が燃焼してしまい炭化物を得ることができないため、酸素供給量を制御することが好ましい。また、図示しないが、改質炉をタール分離装置として第1のガス供給管118に接続し、水蒸気改質反応によってタールを除去してもよい。
ガス化装置110の他の例として、外燃式のガス化装置を図4に示す。図4に示すように、外燃式のガス化装置110はガス化炉114、およびガス化炉114の周囲を覆う加熱チャンバー112を基本的な構成として有している。加熱チャンバー112はガス化炉114との間に空間が形成されるように設けられ、この空間に接続される熱媒体導入口144と熱媒体排出口146が加熱チャンバー112に設けられる。前者を介して外部で加熱された熱媒体がこの空間内に導入され、後者から熱媒体が排出される。これにより、加熱された熱媒体がガス化炉114の外壁と接し、ガス化炉114が加熱される。熱媒体としては電気ヒータなどによって加熱されたガスでもよく、軽油、重油、炭化物などの燃料を燃焼させて得られる高温のガスを用いてもよい。もしくは、ガス化で発生する乾留ガスを用いてもよい。このような外燃式のガス化装置110を用いる場合、熱媒体を加熱するためのエネルギー源が必要ではあるものの、比較的高い収量で炭化物104を得ることができる。
ガス化装置110の他の例として、固定床型のガス化装置を図5に示す。図5に示すガス化装置110は、連続炉タイプのガス化炉114を有し、ガス化炉114の周囲にはガス化炉114を加熱するためのヒータ121が設けられる。ガス化炉114の上にはロータリーバルブ123が設けられる。ロータリーバルブ123の替わりにスクリューフィーダー126(図3、図4参照)を設けてもよい。酸素または空気を導入するための導入口134は任意の場所に設置可能であり、図5に示した例ではガス化炉114の下側に設けられている。ガス化炉114の底部は傾斜していてもよく(図5の点線参照)、この構造により、ガス化炉114内で生成する炭化物104をガス化炉114の底部に集めることができる。
ホッパー124からガス化炉114へバイオマス102を導入し、導入口134から酸素または空気をガス化炉114へ導入する。ヒータ121からの熱によってバイオマス102が炭化され、乾留ガスと多孔質性の炭化物104が生成する。乾留ガスは、ガス化炉114に接続される第1のガス供給管118から取り出され、熱交換器150、および/または還元装置220に導入される。図5に示すガス化装置110を用いることで、乾留ガスに随伴するタール含有量を低減することができる。ガス化に際し、ガス化炉114の内部が十分な温度になる場合、ヒータ121は省略することができる。
(2)熱交換器
熱交換器150は、ガス化装置110の第1のガス供給管118と接続され、高温の乾留ガスを冷却して熱エネルギーを取り出すために設けられる。熱交換器150の形式や構造に制約はなく、例えばプレート式、シェル−チューブ式、フィンチューブ式などの様々な形式を適用することができる。図6に例示された熱交換器150はシェル−チューブ式の熱交換器である。熱交換器150はアウターシェル152を有し、アウターシェル152には乾留ガスを導入、排出するためのインレット154とアウトレット156がそれぞれ設けられる。アウターシェル152内には乾留ガスのための流路が構成され、この流路がインレット154とアウトレット156に接続される。アウターシェル152内には熱伝達媒体が効率よく流路と接触するためのフィン158を設けてもよい。
熱伝達媒体としては空気や窒素などのガスでも良く、水、エチレングリコールなどのアルコール、シリコーンオイル、あるいはビフェニルやジフェニルエーテルなどの芳香族化合物でもよい。これらの熱伝達媒体はアウターシェル152内に注入され、流路と接触することで乾留ガスと熱交換を行って加熱され、その後外部に取り出される。熱伝達媒体が空気や窒素などの気体の場合、熱交換によって加熱された熱伝達媒体を直接後述する乾燥装置200のチャンバー202や還元装置220の還元炉222(後述)へ導入することができる。一方、熱伝達媒体が液体の場合、チャンバー202の周囲に設けられるチューブヒータ216内を循環するように乾燥装置200や還元装置220へ供給される。熱伝達媒体が液体の場合、熱交換した液体の熱伝達媒体を再び熱交換器150とは別の熱交換器にて、空気や窒素などの気体と熱交換し、加熱された気体を乾燥装置200のチャンバー202や還元装置220の還元炉222へ導入することができる。
1−2.乾留ガスを用いる発電
上述したようにCSシステム100では、乾留ガスの可燃性が電気エネルギーの創成に利用される。乾留ガスから発電を行うための手段は、発電装置170を含む(図2)。発電装置170の構造や形式に制約はなく、ガスタービン方式やガスエンジン方式、デュアルフューエルエンジン方式の発電装置を適宜用いることができる。例えばガスエンジン方式の場合、図7のブロック図に示すように、レシプロ型のガスエンジン172、ガスエンジン172に接続される発電機174、発電機174で得られる電流の電圧を変換するための変圧器176などによって発電装置170が構成される。電気エネルギーは変圧器176から出力される。任意の構成として発電装置170は、ガスエンジン172を冷却することでガスエンジン172が生成する熱エネルギーを得るための冷却器178を備えてもよい。冷却器178で得られる熱エネルギーは、気体や液体の熱伝達媒体を介して乾燥装置200、あるいは還元装置220へ供給することができる。図示しないが、乾留ガスを圧縮してガスエンジン172に供給するための圧縮装置を設けてもよい。なお、ここではガスエンジン172と発電機174が分離した構成を説明したが、発電装置170は発電機とガスエンジンが一体型となった構成であってもよい。
乾留ガスを用いる発電を行うための手段はさらに、ガス精製装置160やガスホルダ166、熱交換器168などを含んでもよい(図2)。ガス精製装置160の構成にも制約はなく、例えば水蒸気濃縮器162やダストフィルタ164、図示しないスクラバーや脱硫装置などを備えることができる。これらの構成を適宜設けることで、乾留ガス中に含まれるアンモニアやシアン化水素、塩酸、ダイオキシン、硫黄酸化物、窒素酸化物、硫化水素、煤塵などが除去される。ガスホルダ166は乾留ガスを貯留するために設けることができ、容積可変型、あるいは定積型のガスホルダを用いて構成される。ガスホルダ166の形式や容量はCSシステム100の規模に応じて適宜選択される。熱交換器168は発電装置170へ供給される乾留ガスを冷却する機能を有し、その構造も任意に選択できる。例えば熱交換器168は熱交換器150と同一、または類似する構造を有してもよい。
フレアスタック270は、還元装置220に導入された余剰の乾留ガスを燃焼させるために設けられる。本システム100では、還元装置220に供給される余剰の乾留ガスを熱交換器168を介して発電装置170に導入し、燃焼させることで発電に再利用してもよい(図2参照)。金属塩の還元反応に利用する乾留ガスは全体の数パーセントであるため、余剰の乾留ガスを熱交換器168を介して発電装置170に導入することで、乾留ガスの熱エネルギーを効率よく利用することができる。さらに、還元装置220から排出されたガスは温度が低下しているので、熱交換器168の負荷を削減することが可能であると共に、熱交換器168の小型化が可能である。
1−3.炭化物上への金属固定による金属担持炭化物(吸着材)の生成
CSシステム100では、炭化によって生成した炭化物に金属を固定し、これによってリンや窒素を含む化合物を吸着する機能を炭化物に付与する。金属の固定は、炭化物に金属塩を吸着させ、担持された金属塩を金属へ還元することで行われる。CSシステム100では、乾留ガスが有する還元力と熱エネルギーが還元において利用される。吸着材を生成する手段は浸漬装置180と還元装置220を含み、任意の構成としてさらに乾燥装置200や還元性ガス源250を含んでもよい(図2)。
(1)浸漬装置
浸漬装置180は、炭化によって得られる炭化物104に金属塩を吸着させる機能を有する。浸漬装置180の構造に制約はなく、浸漬に用いる金属塩を含む懸濁液、もしくは溶液(以下、これらを総じて金属塩を含む液体、あるいは浸漬液と記す)を貯留するためのタンク182を基本的な構成として備える(図8)。タンク182の底部には排出口を設けてもよく、排出口に接続されるバルブ190の開閉により浸漬液の貯留、排出を行うことができる。任意の構成としてタンク182はさらに攪拌装置192や浸漬液を加熱するためのヒータ196を備えてもよい。攪拌装置192を用いることで浸漬液が攪拌され、浸漬液中の金属塩の濃度分布を減少させることができる。浸漬液の攪拌は、浸漬液を循環することによって行ってもよい。ヒータ196は内部に発熱素子を有し、電気的に加熱ができるように構成されていてもよく、あるいはチューブ状の構造を有し、内部に熱交換器150、168、あるいは冷却器178から供給される熱伝達媒体を循環できるよう構成されていてもよい。これにより、乾留ガスの熱エネルギーを有効に利用することができる。
浸漬装置180はさらに蓋184を有していてもよく、蓋184には一つ、あるいは複数の貫通孔186が設けられる。貫通孔186には、例えば窒素やアルゴン、空気などの気体を導入するためのガス源、タンク182内を排気するための減圧装置、タンク182内を加圧するための加圧装置、タンク182内の圧力や温度を計測するための圧力計や温度計などを接続してもよい。図示しないが、浸漬装置180はさらに、浸漬液を冷却するための冷却装置、超音波照射装置などを有してもよい。浸漬時に超音波照射装置によって超音波を浸漬液に照射することで、炭化物104の細孔内部へ効率よく浸漬液を浸透させることができる。
なお、炭化物104は水よりも比重が低いため、浸漬液に浮く。このため、タンク182に収容可能なケース194を浸漬装置180と組み合わせて使用してもよい。ケース194には複数の開口が設けられ、浸漬液よりも比重が高くなるように材料と構造が構成される。前記複数の開口は、炭化物104より目開きが小さくなるように設定される。これにより、炭化物104が浸漬液に浮いて十分に浸漬液と接触できなくなることを防ぐことができるだけでなく、浸漬された炭化物104を容易に回収することができ、さらに炭化物104がケース194の外に漏れ出ることを防止できる。炭化物104と浸漬液の分離は、浸漬装置180の後段に設置される、脱水機などにより行われる。脱水機としては、例えば、遠心脱水機など、従来公知の脱水機を適宜使用することができる。
(2)乾燥装置
乾燥装置200は前駆体炭化物106を乾燥する機能を有する装置であり、その構造に制約はない。例えば図9に示すように、乾燥装置200は前駆体炭化物106を収容するチャンバー202を有し、チャンバー202には一つ、あるいは複数のガス供給口206、ガス排出口210が設けられる。
前駆体炭化物106の乾燥では、乾留ガスが持つ熱エネルギーを利用してもよい。この場合、ガス供給口206を熱交換器150、および/または熱交換器168と接続し、乾留ガスによって加熱された気体の熱伝達媒体をチャンバー202内に導入する。熱伝達媒体の流量はバルブ208を用いて制御される。あるいは、別途加熱された熱伝達媒体、または熱交換器150、168などから供給される熱伝達媒体を循環させるためのチューブヒータ216をチャンバー202の外部、または内部に設けてもよい。図9ではチューブヒータ216がチャンバー202の外部に設置された例が示されている。この場合、熱交換器150、168において気体の熱伝達媒体のみならず、液体の熱伝達媒体も用いることができる。これにより、ガス化装置110で生成する高温の乾留ガスの熱エネルギーを乾燥装置200へ供給することができ、吸着材の製造コストの低減に寄与する。なお、冷却器178で得られる熱エネルギーを熱伝達媒体を介して乾燥装置200へ供給するよう、CSシステム100を構成してもよい。
任意の構成として乾燥装置200は、チャンバー202の底部と前駆体炭化物106の接触を防止するセパレータ214、蓋204、あるいは図示しない排水口などを備えてもよい。蓋204には一つ、あるいは複数の貫通孔212を設けてもよい。貫通孔212には、例えば温度計や圧力計を設置してもよく、乾燥を促進するための減圧装置を貫通孔212を介してチャンバー202と接続してもよい。
(3)還元装置
還元装置220は、前駆体炭化物106に担持された金属塩を金属へ還元する機能を有する。還元装置220の構成にも特に制約はなく、例えば図10に模式的に示した連続炉型の構造を採用することができる。ここに示した還元装置220は、還元炉222、還元炉222を加熱するためのヒータ228、およびガス化装置110から供給される乾留ガスを還元炉222に導入するための第1のガス供給管118、ならびに還元性ガスの流量を制御するためのバルブ234を有する。第1のガス供給管118はガス化装置110から直接延伸して還元炉222に接続されていてもよく、他のガス供給管を介してガス化装置110と還元炉222が接続されていてもよい。第1のガス供給管118を介して還元炉222とガス化装置110を接続することにより、ガス化装置110で生成される高温の乾留ガスが有する熱エネルギーと還元力を還元装置220へ提供することができ、還元炉222内における還元反応を加速することができる。任意の構成として、乾留ガスを加熱するためのヒータ246を第1のガス供給管118を覆うように設けてもよい。
還元炉222には、前駆体炭化物106を投入するためのロータリーバルブ226やホッパー224を設けてもよい。還元炉222の底部には、得られる吸着材を取り出すためのロータリーバルブ230を設けることができる。また、ロータリーバルブ226、230それぞれは、2段階式の構造を有するように2つのロータリーバルブによって構成されていてもよい。二つのロータリーバルブ226、230を設けることで、還元炉222内部に導入される乾留ガスの漏洩を防止することができ、安全に金属塩の還元を行うことができる。また、これらを設置することで、連続的に前駆体炭化物106を還元炉222に投入し、還元によって得られる吸着材を取り出すことができる。還元炉222の底部は傾斜していてもよく(図10の点線参照)、この構造により、吸着材を還元炉222の底部に集めることができる。還元炉222にはさらにガス捕集管244が設けられ、前駆体炭化物106と反応した乾留ガス、あるいは過剰の乾留ガスなどがガス捕集管244を介して排出される。
還元装置220はさらに、還元性ガスを別途供給するための第2のガス供給管240を有してもよい。第2のガス供給管240には還元性ガス源250が接続され(図2)、還元性ガスの流量はバルブ242によって制御される。これにより、例えばガス化装置110で生成する還元性ガスの量が不足する場合、あるいはガス化装置110が駆動していないときでも、還元装置220内に十分な還元性ガスを供給して前駆体炭化物106に対して還元処理を行うことができる。還元性ガス源250から供給される還元性ガスは、水素や一酸化炭素、アルカンの単体でも良く、これらの混合物でも良い。あるいは還元性ガスに窒素やアルゴンなどの不活性ガスが混合されていてもよい。または、無酸素雰囲気または不活性ガス雰囲気で前駆体炭化物106を加熱処理してもよい。当該加熱処理により、前駆体炭化物106に含まれる炭素、酸素、水素、もしくは硫黄が反応し、還元ガスとなる。当該還元ガスによって、前駆体炭化物106に対して還元処理が行われる。
還元装置220はさらに、還元炉222内の雰囲気(ガス)を置換するためのガス置換装置(図示しない)と連結される第3のガス供給管236を備えてもよい。乾留ガスには水素やアルカンなどの可燃性ガスや一酸化炭素などの有毒ガスが含まれるため、還元後にガス置換装置から第3のガス供給管236を介して、空気、窒素、あるいは希ガス(ヘリウム、アルゴンなど)を供給することで、残留する乾留ガスを還元炉222から排出することができる。ガス置換装置には図示しない空気や窒素、アルゴンなどのガス源が接続される。あるいはガス置換装置は、外気を導入するためのファンやコンプレッサーでもよい。さらに、第1のガス供給管118、第2のガス供給管240、第3のガス供給管236をそれぞれ独立に還元炉222に接続せずに、一本の供給管として還元炉222に接続しても構わない。この場合、還元炉222の外部でこれらのガス供給管を接続し、バルブの切り替えによってこれらのガスの供給が制御される。
図示しないが、乾燥装置200と同様、熱交換器150などから供給される熱伝達媒体を環流させるためのチューブヒータを還元炉222の外部に設けて還元炉222を加熱できるようにCSシステム100を構成してもよい。これにより、熱伝達媒体を介して乾留ガスの熱エネルギーを前駆体炭化物106の還元に利用することも可能となる。
還元装置220は連続型である必要はなく、バッチ式でもよい。例えば図11に示すように、ロータリーバルブ226に代わって還元炉222の開口部に開閉扉223を設け、これを用いて還元炉222へ前駆体炭化物106を投入し、生成する吸着材を取り出してもよい。図示しないが、開口部を複数設け、前駆体炭化物106の投入と吸着材の取出しを異なる開口部を経由して行ってもよい。また、図11に示した例では、還元装置220は開口部を介して前駆体炭化物106の投入を還元炉222の上から行うように構成されているが、開口部が水平方向に向くよう還元装置220を構成してもよい。
あるいは図12に示すように、還元装置220はロータリーキルン型の還元装置でもよい。すなわち、還元装置220は円筒形状を有する回転式の還元炉222、および還元炉222を覆う加熱チャンバー221を備え、還元炉222は駆動部232によって加熱チャンバー221内で回転するように構成してもよい。還元炉222内の温度は加熱チャンバー221に備えられるバーナー231によって制御される。乾留ガスは第1のガス供給管118を介してガス化炉114から供給される。また、還元装置220は還元性ガス源250から還元性ガスの供給を受けるように構成されてもよい。前駆体炭化物106と乾留ガスが反応した後に生じるガス、あるいは過剰の乾留ガスなどが排出されるガス捕集管244が加熱チャンバー221に設けられる。
還元炉222にスクリューフィーダー225を介して供給される前駆体炭化物106は、還元炉222が連続的に回転することによってホッパー224側からバーナー231側へ輸送される。乾留ガスの雰囲気において、バーナー231による熱によって前駆体炭化物106が加熱されることで、前駆体炭化物106上に担持された金属塩が還元され、吸着材が生成される。
あるいは図13に示すように、外燃式の還元装置220を用いることができる。図13に示す外燃式の還元装置220は、駆動部232によって回転される還元炉222とそれを覆う加熱チャンバー221を有する。還元炉222と加熱チャンバー221の間に空間が形成され、この空間に熱媒体導入口227と熱媒体排出口229が加熱チャンバー221に設けられる。還元炉222の加熱は上述した外燃式のガス化装置110と同様に行ってよく、あるいは還元炉222の内側、および加熱チャンバー221と還元炉222との間にそれぞれに乾留ガスを導入してもよい。後者の場合、乾留ガスは第1のガス供給管118、および/または熱媒体導入口227からそれぞれ導入される。
後述するようにシステム100では、還元装置220において還元処理に用いられた後の乾留ガスを発電装置170に導入し、発電を行うことができる。ガスを用いて発電するためには、乾留ガスを熱交換器168で50℃程度まで冷却する必要がある。加熱チャンバー221と還元炉222との間に導入された乾留ガスは温度が低下しているので、熱媒体排出口229から排出されたガスを熱交換器168に導入することで、熱交換器168の負荷を低減することができるため好ましい。すなわち、還元装置220を熱交換器のように使用できることも、本システム100の優れた点の一つである。
なお、CSシステム100において乾燥装置200を設けず、前駆体炭化物106の乾燥と還元を還元装置220において行ってもよい。
このように、CSシステム100では、乾留ガスの熱エネルギーと還元力が吸着材の生成に有効に利用される。このことは、吸着材の低コストの製造に寄与する。
1−4.金属担持炭化物による吸着物質の吸着
金属担持炭化物、すなわち吸着材による吸着物質を吸着する手段に制約はないが、一つの例として吸着材を充填可能なカートリッジ260が挙げられる。図14(A)に示すカートリッジ260は吸着材108を充填可能な筐体262を有し、筐体262には、筐体262内の空間と外部を接続するインレット264とアウトレット266が接続される。インレット264からは吸着物質を含む水(以下、処理水と記す)が図示しないポンプなどを用いて注入され、処理水が筐体262内に入り、その後アウトレット266から排出される。この過程において処理水が吸着材108と接触し、吸着材108に固定された金属によって吸着物質が吸着される。図示しないが、筐体262とインレット264の間、および筐体262とアウトレット266の間にフィルターを設けてもよい。これにより異物の混入や吸着材108の流出を防ぐことができる。
処理水は、吸着物質を水に溶解させて調製してもよいが、河川、湖沼、または海に存在する水、浄化槽内の水、下水処理場において高度処理に供される水を処理水として用いることができる。これらの処理水はインレット264から注入してもよいが、河川、湖沼、海、浄化槽、高度処理槽内にカートリッジ260を設置してもよい。この場合、図14(B)に示すように、メッシュ状の筐体262を有するカートリッジ260を用いてもよい。メッシュのサイズは下記に限定されないが、例えば0.1mm以上50mm以下が好ましく、0.5mm以上20mm以下がより好ましい。メッシュ状の筐体262にはインレット264やアウトレット266は設けなくてもよい。吸着材108は水よりも比重が小さいので、筐体262に十分な重量が無い場合、処理水中に筐体262を確実に設置するためのウエイト268を筐体262に接続してもよい。図示しないが、ウエイト268に替わり、川底や湖底、浄化槽や高度処理槽に固定するためのアンカーを筐体262に設けてもよい。このようにカートリッジ260に吸着材を充填して処理水と吸着材との接触を行うことで、吸着材の取り扱いが容易となり、かつ吸着処理を連続的に行うことができる。
河川、湖沼、または海には水質汚濁の原因となる種々の物質が含まれており、その代表的な例がリンや窒素を含む化合物である。CSシステム100で生成される吸着材はこれらの化合物に対して高い吸着能を有するため、河川、湖沼、または海の水、浄化槽や高度処理槽の水から水質汚濁物質を効果的に除去することができる。したがってCSシステム100は、水質改善を通じて環境保全に対して寄与することができる。
1−5.吸着物質を吸着した金属担持化合物からの肥料の製造
吸着物質であるリンや窒素を含む化合物は、種々の植物の生長を促進する養分として働くことができ、したがって、吸着物質を吸着した吸着材は肥料として利用することができる。肥料としての機能を効果的に発揮させるため、この吸着材から肥料を生成するための手段として、粉砕機やミキサーが挙げられる。
解砕機の構造や種類に制約はなく、振動ミル、ジェットミル、ボールミル、ローラーミル、ロッドミル、ハンマーミル、インパクトミル、回転ミル、ピンミル、ピン−ディスクミル、あるいは遊星ミルなどの解砕機が挙げられる。解砕機を用いて吸着材を解砕することで表面積が増大し、その結果、吸着物質の吸着材からの解離が促進される。
吸着材から肥料を生成するための手段はさらに、解砕された吸着材の粒度を肥料の用途に適合させるための分級機を含んでもよい。分級機の構造や種類にも制約はなく、乾式分級式分級機でも湿式分級機のいずれを採用してもよい。分級機としては、気流分級機、重力場分級機、慣性力場分級機、遠心力場分級機などが挙げられる。
肥料を生成する手段はさらに、他の肥料成分と混合するためのミキサーを含んでもよい。ミキサーの構造や種類にも制約はなく、フリーフォールミキサー、強制ミキサー、Y分岐ミキサー、アジテータミキサー、あるいはパドルミキサーなどを任意に選択することができる。
1−6.肥料の土壌中への投入
肥料を土壌中へ投入する手段にも制約はなく、例えばグランドソワーなどの自然落下式の散布機や、圧縮空気を利用する拡散型散布機などが挙げられる。また、施用方式にも制約はなく、条施型散布機、全面施用散布機のいずれを採用してもよい。肥料は、土壌の表面から30cm以内の範囲に散布することが好ましい。
以上述べたように、本実施形態のCSシステム100では、大気中の二酸化炭素が植物の光合成によって固定化されて有機物が形成され、その利用や代謝によって発生するバイオマスが炭化される。炭化によって有機物の大部分は炭化物、すなわち炭素へ変換される。この炭化物は最終的には地中に戻されるため、二酸化炭素が炭素として地中に貯留されることになる。この一連のプロセスを通してCSシステム100は、大気中の二酸化炭素の削減に寄与することとなる。
さらに、炭化物は水質汚濁物質を吸着可能な吸着材として利用することができることから、CSシステム100は水質改善を通して環境保全に貢献するシステムである。また、吸着材を製造する際、バイオマスの炭化によって生成する乾留ガスからは電気エネルギーが創成される。したがってこのCSシステム100は、再生可能エネルギーの創成に同時に寄与するともいえる。これに加え、水質汚濁物質を吸着した吸着材は、地中では植物の生長を促進するための肥料としても機能するため、CSシステム100は農業や林業の発展にも貢献し得るシステムである。
2.CSシステムにおける吸着材の製造方法
本節では、CSシステム100における吸着材の製造方法について具体的に述べる。
2−1.炭化
まず、ホッパー124やスクリューフィーダー126を用いてバイオマス102をガス化装置110に配置する(図3、図4、図5)。ガス化炉114において、酸素の非存在下、あるいは低濃度の酸素の存在下、バーナー120、あるいは加熱された熱媒体を用いてガス化炉114を加熱する。酸素濃度は1%以下とすればよく、加熱温度は400℃から1300℃の範囲で適宜選択される。必要に応じ、導入口134から酸素を導入してもよい。炭化により、バイオマス102の構造に起因する孔と、乾留ガスの脱離によって生成する細孔が複雑に混ざり合った大小様々な孔が形成された多孔質材料として炭化物104が生成する。これと同時に、高温(700℃から1300℃)の乾留ガスが生成する。乾留ガスの全量、あるいは一部は熱交換器150へ導入されて冷却され、ガス精製装置160などを介して発電装置170へ供給される(図2参照)。これにより、電気エネルギーが創成される。なお、バイオマス102の炭化の前に、熱交換器150、168において生じた熱を用いてバイオマス102を乾燥させてもよい。これにより、ガス化装置110において、少ないエネルギーによって、バイオマス102を炭化することが可能である。以下、このバッチで用いるバイオマスを第1のバイオマス102−1と記す。
2−2.浸漬と乾燥
第1のバイオマス102−1の炭化によって得られる炭化物104は、浸漬装置180において浸漬処理に供される。浸漬液に含まれる金属塩としては、鉄、ニッケル、コバルト、バナジウム、マンガン、マグネシウム、カルシウムなどの硫酸塩、硝酸塩、塩酸塩が挙げられ、中でもリン含む化合物を効率よく固定可能な金属を与える鉄の硫酸塩、硝酸塩、塩酸塩が好ましい。具体的には、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、硝酸第一鉄、硝酸第二鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄が典型例として挙げられる。また、ポリ硫酸第二鉄溶液を用いることができる。浸漬液中における金属塩の濃度は、例えば1%以上80重量%以下、15重量%以上60重量%以下とすることができる。浸漬液の溶媒としては、水やアルコールが挙げられるが、毒性が低く、可燃性が無く、安価な水が好ましい。浸漬する際の浸漬液の温度は、0℃以上150℃以下、0℃以上100℃以下、0℃以上90℃以下、あるいは0℃以上70℃以下に調整してもよい。なお、浸漬液は一つのバッチごとに交換してもよいが、複数のバッチごとに交換してもよい。すなわち、複数のバッチで浸漬液を再利用してもよい。
浸漬は、炭化物104を室温に冷却した後に行ってもよく、高温のまま行ってもよい。例えば、浸漬温度は、0℃以上150℃以下、0℃以上100℃以下、0℃以上90℃以下、あるいは0℃以上70℃以下が好ましい。浸漬時間は、任意の時間を選択することができ、1分以上が好ましい。浸漬液に対して超音波を照射しながら浸漬を行ってもよい。浸漬は常圧で行っても良く、減圧または加圧しながら浸漬を行ってもよく、減圧後に浸漬し、加圧を行ってもよい。例えばチャンバー202内の圧力は、ゲージ圧(大気圧に対する圧力差)で、−0.1MPa以上0.9MPa以下、−0.1MPa以上0.4MPa以下、あるいは−0.1MPa以上0.1MPa以下とすればよい。また、減圧後に加圧する場合は、通常大気圧をゼロとしたゲージ圧で0MPa以上0.9MPa以下、または0MPa以上0.4MPa以下で行うことができる。以上のプロセスにより、炭化物104の細孔壁や表面に金属塩が吸着し、前駆体炭化物106が得られる。
炭化物104の浸漬を繰り返すことで、徐々に金属塩濃度が低下する。このため、浸漬後の浸漬液を濃縮してもよい。この時、濃縮に必要な熱エネルギーとして、熱交換器150や168から供給される熱伝達媒体を利用してもよい。この場合、例えば第1のバイオマス102−1の炭化とは異なるバッチでバイオマス(第2のバイオマス)102−2を炭化する。第2のバイオマス102−2の炭化で発生する乾留ガス(第2の乾留ガス)の熱エネルギーを利用して熱交換器150において熱伝達媒体を加熱し、加熱された熱伝達媒体をヒータ196内に循環させることで浸漬液を加熱し、濃縮を行う。
その後、前駆体炭化物106は乾燥装置200を用いて乾燥される。乾燥は室温で行ってもよいが、チャンバー202を任意の温度に設定すれば良い。例えば、50℃以上250℃以下、あるいは60℃以上200℃以下の範囲から選択される温度に加熱することで行ってもよい。加熱する場合には、外部エネルギーを利用してもよいが、熱交換器150において第2の乾留ガスによって加熱された熱伝達媒体をチューブヒータ216に循環させてもよい。これにより、第2の乾留ガスの熱エネルギーを効率よく利用することができる。
2−3.還元
乾燥された前駆体炭化物106は、還元装置220において還元処理に供され、金属塩が金属へ還元されて吸着材が得られる。還元はヒータ228を用いて還元炉222を加熱し、還元性ガスを供給することで行われる。この時、ガス化装置110で生成する乾留ガスの一部を利用することができる。具体的には、バルブ234を開放し、第1のガス供給管118から第2の乾留ガスを還元炉222内に導入する。このとき、熱交換器150、168で得られる熱伝達媒体が有する熱エネルギーを還元炉222の加熱に用いてもよい。還元炉222の温度が200℃以上1200℃以下、400℃以上1200℃以下、あるいは600℃以上900℃以下となるよう、乾留ガスの導入量やヒータ228が調整される。乾留ガスの量が不足する場合には、別途還元性ガス源250から還元性ガスを導入してもよい。
還元は、ガス捕集管244からの排出ガス中の還元ガスの濃度を利用してモニター、管理することができる。具体的には、排出ガス中の還元ガスの濃度が低い場合、乾留ガスの導入量の増大、もしくは還元性ガス源250からの還元性ガスの導入が必要であると判断すればよい。また、還元ガスの濃度が一定となった場合に、還元が終了したと判断してもよい。この還元処理により、前駆体炭化物106中の金属塩の少なくとも一部が還元されて0価の金属となり、吸着材が得られる。
前駆体炭化物106の乾燥を還元装置220を用いて行う場合には、不活性ガスを還元炉222内に導入して前駆体炭化物106を乾燥させる。あるいは、還元炉222のスクリューフィーダー225側を乾燥領域、バーナー231側を還元領域とし、還元装置220内で乾燥工程と還元工程を同時に行ってもよい。さらには、二つの還元装置220を直列接続し、一方の還元装置220において乾燥処理を行い、他方の還元装置220において還元処理を行ってもよい。
不活性ガス雰囲気、あるいは低酸素濃度の雰囲気下で前駆体炭化物106の還元処理を行う場合、加熱によって前駆体炭化物106中の金属塩の金属の対イオンが前駆体炭化物106を構成する炭素と反応して、一酸化炭素あるいは水素が生成される。例えば、硫酸鉄を含む前駆体炭化物106の場合、加熱によって生じた亜硫酸ガスと前駆体炭化物106中の炭素が反応し、一酸化炭素と三酸化硫黄が生成される。あるいは、前駆体炭化物106中の酸素と炭素が反応して一酸化炭素が生成される。あるいは、前駆体炭化物106に含まれる水が熱分解し、メタンや水素が生成される。これらの一酸化炭素や二酸化硫黄、三酸化硫黄、メタン、あるいは水素を利用して前駆体炭化物106を還元してもよい。ただし、硫黄酸化物ガスの存在下で前駆体炭化物106の還元処理を行うと副生成物が生成される場合があるため、副生成物の生成を抑制する場合には、還元処理の前に還元炉222内を不活性ガスで置換した後に還元処理を行えばよい。
3.CSシステムを利用する水質改善方法
本節では、CSシステム100における水質改善方法について述べる。水質改善は、吸着材をカートリッジ260の筐体262に充填し、処理水をインレット264から注入する、あるいは処理水の中に浸漬することで行えばよい。前者の場合、処理水をフィルターに通して異物を取り除いた後に注入することが好ましい。処理水中における全リン濃度は、0.1mg/L以上5000mg/L以下であることが好ましい。全リン濃度とは、処理水中に含まれるリンを含む化合物の総量を示す指標であり、ペルオキソ二硫酸カリウム分解法、硝酸−過塩素酸分解法、あるいは硝酸−硫酸分解法などによって測定することができる。処理水を吸着材と接触させる際の処理水の温度は特に制御する必要は無い。また、処理時間も処理水中の吸着物質の濃度によって適宜設定すればよい。
4.CSシステムを利用する肥料の製造方法
本節では、CSシステム100における肥料の製造方法について述べる。肥料の製造方法の一例を図15のフローチャートに示す。まず、上述した方法に従って吸着材を作製し、吸着物質を吸着させる。その後、肥料の用途に応じて解砕を行う。例えば平均粒度が10mm以下、1mm以上10mm以下となるように吸着材を解砕すればよい。必要に応じて分級を行ってもよい。
解砕された吸着材は、適宜他の肥料成分と混合してもよい。肥料成分としては窒素、カリウム、カルシウム、マグネシウム、マンガン、ケイ酸、ホウ素から選ばれる一つ、あるいは複数が挙げられ、具体的な材料として油粕、発香鶏糞、魚粉、骨粉、米ぬか、バットグアノ、ポカシ肥、草木灰、石灰、化成肥料などが例示される。以上のプロセスにより肥料を製造することができる。
上述したように、CSシステム100では乾留ガスが有する還元力や熱エネルギーを利用して吸着材が作製され、吸着材に吸着物質を吸着することで肥料を製造することができる。よってCSシステム100によって低コストで肥料を提供することが可能である。
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。各実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
上述した各実施形態によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと理解される。
100:CSシステム、102:バイオマス、102−1:第1のバイオマス、102−2:第2のバイオマス、104:炭化物、106:前駆体炭化物、108:吸着材、110:ガス化装置、112:加熱チャンバー、114:ガス化炉、116:駆動部、118:第1のガス供給管、120:バーナー、121:ヒータ、122:ロータリーバルブ、123:ロータリーバルブ、124:ホッパー、126:スクリューフィーダー、128:排気ダクト、130:保温手段、132:バルブ、134:導入口、144:熱媒体導入口、146:熱媒体排出口、150:熱交換器、152:アウターシェル、154:インレット、156:アウトレット、158:フィン、160:ガス精製装置、162:水蒸気濃縮器、164:ダストフィルタ、166:ガスホルダ、168:熱交換器、170:発電装置、172:ガスエンジン、174:発電機、176:変圧器、178:冷却器、180:浸漬装置、182:タンク、184:蓋、186:貫通孔、190:バルブ、192:攪拌装置、194:ケース、196:ヒータ、200:乾燥装置、202:チャンバー、204:蓋、206:ガス供給口、208:バルブ、210:ガス排出口、212:貫通孔、214:セパレータ、216:チューブヒータ、220:還元装置、221:加熱チャンバー、222:還元炉、223:開閉扉、224:ホッパー、225:スクリューフィーダー、226:ロータリーバルブ、227:熱媒体導入口、228:ヒータ、229:熱媒体排出口、230:ロータリーバルブ、231:バーナー、232:駆動部、234:バルブ、236:第3のガス供給管、240:第2のガス供給管、242:バルブ、244:ガス捕集管、246:ヒータ、250:還元性ガス源、260:カートリッジ、262:筐体、264:インレット、266:アウトレット、268:ウエイト、270:フレアスタック

Claims (27)

  1. バイオマスを炭化して炭化物と乾留ガスを生成する第1の手段、
    前記乾留ガスを用いて発電する第2の手段、
    前記炭化物上に金属を固定する第3の手段、
    前記金属が固定された前記炭化物に、リンを含む化合物の少なくとも一種を吸着させる第4の手段、および
    前記化合物が吸着された前記炭化物から肥料を生成する第5の手段を含む、二酸化炭素を貯留するシステム。
  2. 前記肥料を土壌に散布する第6の手段をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記バイオマスは、リグノセルロースを含む材料である、請求項1に記載のシステム。
  4. 前記第1の手段は、炭化炉を備えるガス化装置を含む、請求項1に記載のシステム。
  5. 前記第2の手段は、ガスエンジンと前記ガスエンジンに接続される発電機を含む、請求項1に記載のシステム。
  6. 前記第3の手段は、
    前記金属の塩を含む液体、および前記炭化物を収容するように構成される容器、および
    前記炭化物に吸着された前記塩を還元する還元装置を含む、請求項1に記載のシステム。
  7. 前記第5の手段は解砕機を含む、請求項1に記載のシステム。
  8. 前記第5の手段はミキサーをさらに含む、請求項7に記載のシステム。
  9. 第1のバイオマスを炭化して炭化物と第1の乾留ガスを生成すること、
    前記炭化物を金属塩を含む液体に浸漬すること、
    前記炭化物に吸着された前記金属塩を還元して金属担持炭化物を生成すること、および
    前記金属担持炭化物を、リンを含む化合物の少なくとも一種を含む水に浸漬することを含む、水質を改善する方法。
  10. 第2のバイオマスを炭化して第2の乾留ガスを生成することをさらに含み、
    前記還元は、前記炭化物と前記第2の乾留ガスを接触させることを含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記第1のバイオマスは、リグノセルロースを含む材料である、請求項9に記載の方法。
  12. 前記金属塩は、鉄、アルミニウム、マグネシウム、カルシウムから選ばれる金属の塩である、請求項9に記載の方法。
  13. 前記金属塩は鉄の塩である、請求項9に記載の方法。
  14. 前記水中のリン化合物の全リン濃度は0.1mg/L以上5000mg/L以下である、請求項9に記載の方法。
  15. 前記液体に浸漬された前記炭化物を、30℃以上200℃以下の温度で乾燥することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
  16. 前記液体に浸漬された前記炭化物を、30℃以上200℃以下の温度で乾燥することをさらに含み、
    前記乾燥は、前記第2の乾留ガスの熱エネルギーを用いて行う、請求項10に記載の方法。
  17. 第1のバイオマスを炭化して炭化物と第1の乾留ガスを生成すること、
    前記炭化物を金属塩を含む液体に浸漬すること、
    前記炭化物に吸着された前記金属塩を還元して金属担持炭化物を生成すること、および
    前記金属担持炭化物を、リンを含む化合物の少なくとも一種を含む水に浸漬することを含む、肥料を製造する方法。
  18. 前記水に浸漬された前記炭化物を解砕することさらに含む、請求項17に記載の方法。
  19. 第2のバイオマスを炭化して第2の乾留ガスを生成することをさらに含み、
    前記還元は、前記炭化物と前記第2の乾留ガスを接触させることを含む、請求項17に記載の方法。
  20. 前記第1のバイオマスは、リグノセルロースを含む材料である、請求項17に記載の方法。
  21. 前記金属塩は、鉄、アルミニウム、マグネシウム、カルシウムから選ばれる金属の塩である、請求項17に記載の方法。
  22. 前記金属塩は鉄の塩である、請求項17に記載の方法。
  23. 前記水中のリン化合物の全リン濃度は0.1mg/L以上5000mg/L以下である、請求項17に記載の方法。
  24. 前記液体に浸漬された前記炭化物を、0℃以上100℃以下の温度で乾燥することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
  25. 前記液体に浸漬された前記炭化物を、30℃以上200℃以下の温度で乾燥することをさらに含み、
    前記乾燥は、前記第2の乾留ガスの熱エネルギーを用いて行う、請求項19に記載の方法。
  26. 前記解砕は、前記炭化物の平均粒度が1mm以上10mm以下となるように行う、請求項18に記載の方法。
  27. 窒素、カリウム、カルシウム、マグネシウム、マンガン、ケイ酸、およびホウ素から選択される元素を含む材料と前記炭化物を混合することをさらに含む、請求項17に記載の方法。

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