JP2021006667A - マスク - Google Patents

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Abstract

【課題】喉の違和感や痛みを改善し得るマスクを提供する。【解決手段】マスク1は、着用者の顔の一部を覆うマスク本体2と、蒸気を発する蒸気発生体3とを備え、蒸気発生体3は、蒸気発生後30分間にわたる蒸気発生量が150mg以上30000mg以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、顔に装着するマスクに関し、特に蒸気を発するマスクに関する。
従来から、花粉や黄砂などの微粉塵に対する防御対策として、また、ウイルスや細菌などの感染対策として、マスクが汎用されている。また最近では、マスクの機能が多様化し、様々なマスクが提案されている。例えば睡眠中は、飲食物や唾液などの嚥下がないため、口腔が乾燥しやすい。また、冬期には全般的に空気が乾燥しており、さらに冬期以外でもオフィス内では年中エアコンが稼働している。したがって、日中でも空気が乾燥しやすい環境が多く、口腔が乾燥しやすい。
口腔の乾燥を防止するため、例えば特許文献1には、加湿機能を有するマスクが開示されている。特許文献1のマスクは、鼻及び口を覆う袋状のマスク本体に水分を含む含水体が収容されており、含水体に含まれる水分により口腔が加湿されることで、口腔の乾燥を防止している。
再表2014/003156
しかし、特許文献1に記載のマスクは、喉に違和感や痛みがある場合に、これを改善するために用いられるものではない。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、喉の違和感や痛みを改善し得るマスクを提供することを目的とする。
本発明は、顔に装着するマスクに関する。本発明のマスクは、着用者の顔の一部を覆うマスク本体と、蒸気を発する蒸気発生体と、を備えており、前記蒸気発生体は、蒸気発生後30分間にわたる蒸気発生量が150mg以上30000mg以下であることを特徴とする。
本発明のマスクにおいては、前記蒸気発生体は、蒸気発生後5分間にわたる蒸気発生量が50mg以上5000mg以下であることが好ましい。
また本発明のマスクにおいては、前記蒸気発生体は、蒸気発生後1分間にわたる蒸気発生量が10mg以上1000mg以下であることが好ましい。
また本発明のマスクにおいては、前記蒸気発生体は、該マスクの着用後、前記マスク本体と顔の口及び鼻孔との間の空間の温度を少なくとも30分間、30度以上に維持する蒸気を発することが好ましい。
また本発明のマスクにおいては、前記蒸気発生体は、該マスクの着用後、前記マスク本体と顔の口及び鼻孔との間の空間の温度を少なくとも5分間、40度以上に維持する蒸気を発することが好ましい。
また本発明のマスクにおいては、前記蒸気発生体は、水を保持する含水体であることが好ましい。
また本発明のマスクにおいては、前記含水体は、加熱されることで蒸気を発することが好ましい。
また本発明のマスクにおいては、前記含水体は、マイクロ波の照射を受けることで加熱されることが好ましい。
本発明のマスクによれば、着用時に蒸気発生体から蒸気が発生し、これにより着用者の鼻や口に蒸気が供給されて、口腔などが加湿される。よって、着用者の口腔などの乾燥を防止して喉を潤すことができる。
このとき、蒸気発生体からの蒸気発生量が蒸気発生後30分間で150mg以上であり、短期間で多量の蒸気により集中的に着用者の口腔などが加湿される。よって、着用者が喉に例えばイガイガなどの違和感や痛みを有していると、これを効果的に改善することができる。一方で、蒸気発生体からの蒸気発生量が蒸気発生後30分間で30000mg以下であるので、多量の蒸気が着用者の顔に触れても、着用者がマスクを着用した時に蒸気により不快さを感じることを抑えることができる。
本実施形態のマスクの(A)正面図であり、(B)背面図である。 図1のX1−X1概略断面図である。 収容部の(A)背面図であり、(B)正面図であり、(C)X2−X2概略断面図である。 含水体の(A)正面図であり、(B)側面図である。 着用者が本実施形態のマスクを着用した状態の斜視図である。
以下、本発明に係るマスクの実態形態について添付図面を参照して説明する。図1及び図2は、本実施形態のマスク1を示している。
マスク1は、着用者の顔の一部、具体的に目の下の領域(特に鼻及び口)を覆うマスク本体2と、蒸気を発する蒸気発生体3とを備える。マスク本体2は、着用者の顔の一部を覆う部分である覆い部5と、覆い部5の顔側の面に設けられる袋状の収容部6とを備える。蒸気発生体3は、マスク本体2の収容部6に収容される。マスク本体2を着用者が顔に装着することで、蒸気発生体3から発せられる蒸気が着用者の口や鼻から喉に供給されるとともに、口腔や鼻腔(以下、「口腔など」という。)が加湿される。
覆い部5は、平面視で長方形状とすることができる。覆い部5は、顔への装着時(使用時)に、着用者の顔の目の下を横に延びる上側縁50と、下顎(又は顎下)を横に延びる下側縁51と、上側縁50及び下側縁51を接続する左右の側縁52,53とを有する。覆い部5のサイズとしては、特に限定されるものではなく、例えば左右の側縁52,53が頬を縦断して顔の鼻、口、下顎、頬の一部を覆うサイズであればよい。
覆い部5は、未使用時に平坦状とすることができる。つまり、覆い部5は、立体タイプの覆い部と構造が異なる。具体的には、2枚のマスク片の側縁同士を熱融着などで接合し、未使用時において横方向中央に縦方向に延びる折り畳み部により2枚のマスク片が折り重ねられていて、2枚のマスク片を展開しても平坦状とはならず、顔への装着時に鼻の下(鼻孔)及び口との間に大きな空間を形成する立体タイプの覆い部とは構造が異なる。平坦タイプの覆い部5は、顔への装着時に、立体タイプの覆い部よりも顔の表面により近づく。
覆い部5は、単層構造又は2層以上の積層構造とすることができ、各層は、織布や不織布などの通気性を有するシートを用いて構成することができる。その中でも、スパンボンド法、メルトブロー法、サーマルボンド法又はスパンレース法による不織布を好ましく用いることができ、さらに好ましくは、肌触りと保形性の観点からスパンボンド法による不織布を、花粉・ウイルスなどのカット性能の観点からメルトブロー法による不織布を用いることができる。以上の点を考慮して、好適な覆い部5の層構造として、例えば、SMS層(スパンボンド/メルトブロー/スパンボンドの3層構造)を挙げることができる。なお、その他にも、S層(スパンボンドの単層)又はSS層(スパンボンド/スパンボンドの2層構造)を好ましく挙げることができる。覆い部5を積層構造とする場合には、各層のシートの外周縁を所定の幅で、例えば縫製、超音波溶着、熱融着などの公知の方法により接合することで覆い部5を形成することができる。
覆い部5の各層を構成する織布及び不織布の繊維素材としては、公知のものを用いることができ、例えば紙、コットンなどの天然繊維;レーヨン、アセテートなどの半合成繊維;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロンなどの合成繊維を用いることができる。その中でも、生産性の観点からポリプロピレン、ポリエチレンを好ましく用いることができ、保形性の観点からポリプロピレンを用いることができ、肌触りの観点からナイロンを用いることができる。
覆い部5は、縦方向に伸長可能な構造とすることができる。例えば覆い部5には、横方向に延びる少なくとも2つの折り目によって形成されるプリーツ(襞)54が少なくとも1つ設けられている。このプリーツ54の拡開により、覆い部5は縦方向に伸長可能であり、覆い部5を着用者の顔の大きさに対応して自由にサイズ調整することができる。また、プリーツ54の拡開により、覆い部5は縦方向において外向きに凸状をなすように変形して立体感を有するようになり、マスク本体2と顔の口及び鼻孔との間の空間を大きくすることができる。
覆い部5の左右の側縁52,53には、覆い部5を着用者の顔に保持するための保持手段として、耳掛けバンド7が取り付けられている。耳掛けバンド7は、例えば縫製、超音波溶着、熱融着などの公知の方法により覆い部5に取り付けることができる。耳掛けバンド7の素材は特に限定されないが、例えばポリエステルなどの伸縮性のある素材であることが好ましい。なお、覆い部5の保持手段としては、耳掛けバンド7以外の他の種々の手段を用いてもよい。
覆い部5の上側縁50よりも内側位置には、例えばポリエチレンなどのプラスチック樹脂や生分解性樹脂などからなる線状のノーズピース8が設けられている。ノーズピース8により、着用者の鼻と覆い部5との間に隙間が生じるのが防止されるので、覆い部5を顔にフィットさせることができる。ノーズピース8は、例えば覆い部5に内蔵し、その上下位置で覆い部5を構成する各層のシートを例えば超音波溶着などで接合することで、所定位置に固定することができる。
次に、収容部6は、図1〜図3に示すように、顔側の第1層60及び覆い部5側の第2層61を有し、第2層61の外周縁の上側縁を除く部分が第1層60に接合されている。これにより、収容部6は、上部に開口が形成され、第1層60及び第2層61の間に蒸気発生体3を挿入して保持することができる袋状に形成される。収容部6は、第2層61の上側縁が第1層60の上側縁よりも下方に位置しており、上部開口から収容部6内に蒸気発生体3を挿入しやすくなっている。
収容部6は、顔側の第1層60が縫製、超音波溶着、熱融着などの公知の方法で覆い部5の顔側の面に接合されることで、覆い部5に取り付けられている。収容部6は、第2層61の上側縁よりも上方に位置する第1層60の上側縁のみが覆い部5の顔側の面に接合されている。これにより、プリーツ54を拡開することで覆い部5を縦方向に伸長させる際に収容部6が妨げにならないうえ、収容部6が覆い部5に拘束されておらず蒸気発生体3の重みにより蒸気発生体3を着用者の顔に近づけやすくなっているため、蒸気発生体3から発せられる蒸気を着用者の口や鼻から喉に効率的に供給することができる。
また、顔側の第1層60の上側縁が覆い部5の顔側の面に接合されていることで、着用者がマスク1を着用した時に、収容部6の上部開口と着用者の顔との間に第1層60が介在する。これにより、蒸気発生体3から発せられる蒸気が収容部6の上部開口から放出されても、第1層60を透過した後でなければ着用者の顔側に放出されない。そのため、蒸気が着用者の顔に直接当たるのを防止することができる。
収容部6は、覆い部5の上側縁50よりも下方の位置にて覆い部5に取り付けられている。覆い部5の上側縁50は、着用者がマスク1を着用した時に着用者の顔の目の下を横に延びることから、覆い部5の上側縁50の位置に収容部6が取り付けられていると、収容部6内の蒸気発生体3により鼻が覆われる。鼻が蒸気発生体3に覆われると、鼻による呼吸がし難くなるとともに、蒸気発生体3が鼻に当たってマスク1の使用感が低下するおそれがある。そのため、着用者がマスク1を着用した時に収容体6が着用者の鼻の下に配置されるように、収容部6は覆い部5の上側縁50よりも所定の高さ(例えば15mm以上30mm以下)下方にずれた位置で覆い部5に取り付けられている。
収容部6のサイズとしては、内部に蒸気発生体3を入れることが可能な大きさであればよく、例えば横方向の長さは50mm以上150mm以下とすることができ、縦方向の長さは30mm以上80mm以下とすることができる。
収容部6の顔側の第1層60は、透湿性を有する。この透湿性とは、蒸気(水分子)を通すことができる性質であり、例えば、透湿度が1000g/m/24h以上であることが好ましく、2000g/m/24h以上であることがより好ましく、3000g/m/24h以上であることがさらに好ましい。これにより、収容部6内の蒸気発生体3から発せられる蒸気は、第1層60を透過して着用者の顔側には放出される。一方で、収容部6の覆い部5側の第2層61は、非透湿性である。この非透湿性とは、完全に蒸気(水分子)を通さない性質だけに限定されるものではなく、わずかに蒸気(水分子)を通す性質も含む。例えば、透湿度が350g/m/24h以下であることが好ましく、300g/m/24h以下であることがより好ましい。収容部6内の蒸気発生体3から発せられる蒸気は、着用者の顔と反対側には非透湿性の第2層61がバリアとなって蒸気が放出されない。このように、収容部6の第1層60を透湿性とし、第2層61を非透湿性とすることで、蒸気発生体3から発せられる蒸気を着用者の顔側のみに放出でき、効率よく着用者の口や鼻から喉に蒸気を供給することができるとともに口腔などを加湿することができる。
収容部6の第1層60及び第2層61は、ともに断熱性を有する。収容部6には詳細は後述するが、例えば電子レンジなどでマイクロ波の照射を受けることで加熱された蒸気発生体3が収容される。加熱された蒸気発生体3の温度が低下すると、蒸気発生体3から発せられる蒸気発生量が低下する。そのため、収容部6の第1層60及び第2層61を断熱性としており、これにより、収容部6内の加熱された蒸気発生体3の温度が急速に低下するのを防止することができ、その結果、蒸気発生体3からより多くの蒸気を発生させることができる。さらに、蒸気発生体3から温かい蒸気を長く発生させることができるので、着用者を心地よくすることができ、マスク1の使用感を向上することができる。
上述した透湿性及び断熱性を有する収容部6の第1層60は、例えば、発泡ポリウレタン、発泡ポリオレフィン、発泡ポリ塩化ビニル(PVC)などからなる発泡樹脂シートや、シート状の繊維綿を用いて構成することができる。繊維綿を構成する繊維としては、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリアミド繊維、アクリロニトリル繊維などを挙げることができる。
上述した断熱性を有しかつ非透湿性である収容部6の第2層61は、例えば、上述した第1層60に用いられる発泡樹脂シートやシート状の繊維綿を非透湿性素材で覆ったものを用いて構成することができる。
収容部6は、顔側の第1層60の顔側の面に、蒸気を保持可能な蒸気保持層62が設けられている。この蒸気保持層62は、収容部6内の蒸気発生体3から発せられて第1層60を透過した蒸気について、一部をそのまま透過させて着用者の顔側に放出し、一部を保持することで、着用者がマスク1を着用した時にマスク本体2と着用者の顔との間にできる空間の湿度を上げるものである。これにより、着用者の口腔などが乾燥することを防止できる。
蒸気保持層62は、織布や不織布などの通気性を有するシート状繊維を用いて構成することができ、その中でも不織布を好ましく用いることができる。不織布は、スパンボンド法、サーマルボンド法、スパンレース法などによる不織布を用いることができるが、肌触りの観点からサーマルボンド法、スパンレース法による不織布をより好ましく用いることができ、スパンレース法による不織布を特に好ましく用いることができる。蒸気保持層62を構成する織布及び不織布の繊維素材としては、ぬれやべたつきを防止できるとの観点で疎水性繊維を好ましく用いることができ、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステルなどの合成繊維を用いることができる。その中でも、柔軟性、生産性の観点からポリプロピレン、ポリエチレンを好ましく用いることができる。なお、蒸気保持層62は、蒸気保持機能、柔軟性の観点から複数(本実施形態では2枚)のシート状繊維(例えば不織布)が重ね合わされてなることが好ましい。
収容部6は、着用者がマスク1を着用した時に着用者の口を覆うため、収容部6により着用者の口による呼吸を妨げないよう、収容部6には通気孔9が設けられている。通気孔9は、図5に示すように、収容部6の着用者の口に対応する領域に設けられている。これにより、着用者はマスク1を着用した時に口による呼吸が容易となる。
次に、蒸気発生体3は、蒸気を発して着用者の口腔などを加湿するものであるが、着用者がマスク1を着用した後の短期間に十分な量の蒸気を発して集中的に着用者の喉に蒸気を供給する点に特徴を有する。
蒸気発生体3は、水を含んでおり、この含水分が例えば加熱されることで多量の蒸気を速やかに発する。さらに蒸気発生体3は、含水分が加熱されることにより温かい蒸気を発する。蒸気発生体3は、着用者がマスク1を着用する前に例えば外部の加熱機器などによって含水分が加熱されることで、着用した後に即座に多量の蒸気を発するものであってもよい。また蒸気発生体3は、着用者がマスク1を着用した後に含水分が熱を受け続けることで、着用した後から徐々に多量の蒸気を発するものであってもよい。なお、後者の場合、蒸気発生体3は、自らが発熱することで、発生した熱により含水分が加熱されるものであってもよいし、熱を発する発熱体(例えば使い捨てカイロなど)により含水分が加熱されるものであってもよい。
蒸気発生体3は、蒸気発生後30分間にわたる蒸気発生量が150mg以上30000mg以下となる蒸気の発生能を有している。蒸気発生体3がこのような蒸気の発生能を有することで、着用者の喉に潤いを与えることができるとともに、喉の違和感や痛みを効果的に改善することができる。
ここで、「蒸気発生後30分間にわたる蒸気発生量」とは、蒸気発生体3が着用者に対して蒸気の発生が可能な状態とされてから30分間を経過するまでに発する蒸気の総量をいう。「蒸気発生体3が着用者に対して蒸気の発生が可能な状態」とは、蒸気発生体3に対して多量の蒸気を速やかに発生させるための手段が施されるとともに、該蒸気発生体3をマスク1に備えさせた状態をいう。
例えば蒸気発生体3を加熱して使用する場合には、蒸気発生体3をマスク1に使用するに際して決められた条件で加熱しかつマスク1に備えさせた状態をいう。蒸気発生体3は、マスク1に備えさせた状態で加熱してもよいし、単独で加熱した後に直ちにマスク1に備えさせてもよい。一方で、蒸気発生体3を発熱体により加熱しながら使用する場合には、蒸気発生体3をマスク1に備えさせるとともに、発熱体を発熱可能な状態(例えば使い捨てカイロであれば外袋より取り出されて何度か揉みほぐされた状態)としたうえでマスク1の蒸気発生体3を加熱できる位置に備えさせた状態をいう。また、蒸気発生体3を自ら加熱させて使用する場合には、蒸気発生体3を発熱可能な状態(例えば使い捨てカイロであれば外袋より取り出されて何度か揉みほぐされた状態)とし、かつマスク1に備えさせた状態をいう。蒸気発生体3は、マスク1に備えさせた状態で発熱可能な状態としてもよいし、発熱可能な状態とした後に直ちにマスク1に備えさせてもよい。
上述したマスク1の蒸気発生後30分間にわたる蒸気発生量は、以下の方法で測定される。具体的には、温度10℃及び湿度25%〜40%RHの環境下で、容積532cm(縦14cm×横9.5cm×高さ4.0cm)のデシケーター内に蒸気の発生が可能な状態の蒸気発生体3を備えたマスク1を静置して、デシケーターを密閉する。そして、ポンプを用いて7L/分の吸引量で30分間、デシケーター内の空気を温度−40±5℃の冷却室に吸引し、冷却室内で蒸気を冷却することで凝縮された水の重量M1を測定する。また、デシケーター内にマスク1が存在しない状態で、同様の条件でデシケーター内の空気を温度−40±5℃の冷却室に吸引し、冷却室内で蒸気を冷却することで凝縮された水の重量M2を測定する。マスク1ありで測定された水の重量M1からマスク1なしで測定された水の重量M2を引いた重量を、蒸気発生体3からの蒸気発生量とする。
上述した蒸気発生後30分間にわたる蒸気発生量は、150mg以上30000mg以下であれば特に限定されるものではないが、蒸気発生量が多くなるほど、着用者の喉をより良く潤すことができるとともに喉の違和感や痛みをより効果的に改善することができる一方で、蒸気発生量が多過ぎると、着用者がマスク1を着用した時に蒸気による不快感が増す。そのため、当該蒸気発生量は、410mg以上24000mg以下であることが好ましく、410mg以上18000mg以下であることがより好ましい。
蒸気発生体3は、蒸気発生後5分間にわたる蒸気発生量が50mg以上5000mg以下であることが好ましく、330mg以上4000mg以下であることがより好ましく、330mg以上3000mg以下であることがさらに好ましい。蒸気発生体3がこのような蒸気の発生能を有することで、着用者がマスク1を着用した後、早期に喉に潤いを与えることができるとともに、着用者の喉の違和感や痛みに対して速やかに改善効果を発揮することができる。
この蒸気発生後5分間にわたる蒸気発生量は、蒸気発生体3が着用者に対して蒸気の発生が可能な状態とされてから5分間を経過するまでに発する蒸気の総量をいい、測定方法は、ポンプによる吸引時間を5分間とする以外は、上述した蒸気発生後30分間にわたる蒸気発生量の測定方法と同じである。
蒸気発生体3は、蒸気発生後1分間にわたる蒸気発生量が10mg以上1000mg以下であることが好ましく、120mg以上800mg以下であることがより好ましく、120mg以上600mg以下であることがさらに好ましい。蒸気発生体3がこのような蒸気の発生能を有することで、着用者がマスク1を着用した後、直ちに喉に潤いを与えることができるとともに、着用者の喉の違和感や痛みに対して即座に改善効果を発揮することができる。
この蒸気発生後1分間にわたる蒸気発生量は、蒸気発生体3が着用者に対して蒸気の発生が可能な状態とされてから1分間を経過するまでに発する蒸気の総量をいい、測定方法は、ポンプによる吸引時間を1分間とする以外は、上述した蒸気発生後30分間にわたる蒸気発生量の測定方法と同じである。
蒸気発生体3は、着用者がマスク1を着用した後、マスク本体2と着用者の顔の口及び鼻孔との間の空間の温度を少なくとも30分間、より好ましくは60分間、30度以上に維持する蒸気の発生能を有していることが好ましい。蒸気発生体3から発せられる蒸気の温度が高いと上記空間の温度が高くなるが、温かい蒸気により上記空間が心地よく加湿された空間となるので、着用者にリラックス効果を付与することができる。なお、着用者がマスク1を着用した後に即座に上記空間の温度が30度以上となる必要はなく、温度の立ち上がり期間があってもよい。上記空間の温度(蒸気発生体3から発せられる蒸気の温度)は、蒸気発生体3の加熱温度により調整することができる。
上記空間の温度は、ある程度高い方が着用者をより心地よくすることができる。よって、蒸気発生体3は、着用者がマスク1を着用した後、上記空間の温度を少なくとも5分間、40度以上に維持する蒸気を発することが好ましい。ただし、上記空間の温度が高すぎたり比較的高い温度が長い時間続くと、着用者がやけどするおそれがある。そのため、着用者のやけどを防止する観点からは、上記空間の最高温度は70℃以下であることが好ましい。
上記空間の温度は、以下の方法で測定される。具体的には、温度10℃及び湿度25%〜40%RHの環境下で、蒸気の発生が可能な状態の蒸気発生体3を備えたマスク1を直ちに着用者が着用し、着用と同時にマスク本体2と着用者の顔との間に温度センサを挿入して、温度センサにより測定された温度を上記空間の温度とする。
蒸気発生体3は、例えば電子レンジなどでマイクロ波の照射を受けて加熱されることで、蒸気を発することができる。蒸気発生体3は、マスク本体2の収容部6に収容された後にマイクロ波の照射を受けて加熱されてもよいし、マイクロ波の照射を受けて加熱された後にマスク本体2の収容部6に収容されてもよい。着用者がマスク1を着用する際に加熱された蒸気発生体3がマスク本体2の収容部6に収容されていることで、蒸気発生体3はその着用直後から多量の温かい蒸気を発する。蒸気発生量は、蒸気発生体3の加熱温度及び含水量により調整することができる。蒸気発生体3が上述した蒸気の発生能を有するためには、蒸気発生体3は40℃以上に加熱されることが好ましい。一方で、蒸気発生体3に触れた際に熱過ぎることがないためには、蒸気発生体3は95℃以下に加熱されることが好ましい。
蒸気発生体3は、例えば水を保持する含水体で構成することができる。含水体は、例えば紙、織布、不織布などの繊維素材の集合体のような水を含浸可能なもので構成することができる。
繊維素材としては、親水性繊維や、親水性繊維及び合成繊維の混紡繊維を用いることができ、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、レーヨン、コットン、パルプなどを挙げることができる。その中でも、柔軟性、保水性の観点から好ましくはパルプを挙げることができる。このような含水体の製法は、特に限定されるものではないが、エアレイド法などにより製造することができ、生産性、加工性、耐久性の観点から主成分たるパルプにポリエチレンなどの熱融着性繊維を所定の割合で混紡することが好ましい。
例えば、含水体をパルプで形成する場合、パルプ:熱融着性繊維の割合は60:40〜80:20が挙げられる。含水体は、単層又は複数層構造とすることができるが、耐久性、保水性の観点から、繊維素材を1対の不織布で挟んだ3層構造とすることが好ましい。このとき、1対の不織布で挟まれる層を中層、1対の不織布からなる層を両端層という。両端層の不織布は同素材としてもよく、異なる素材としてもよい。これら不織布の素材としては、親水性繊維、疎水性繊維、合成繊維、又は親水性繊維と合成繊維との混紡繊維を挙げることができ、親水性繊維としては、レーヨン、コットンを挙げることができ、好ましくはレーヨンである。親水性にすると製造時に水分をパルプに吸収させやすくなり、製造が容易になるという利点がある。疎水性繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルを挙げることができ、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレンである。疎水性にするとぬれやべたつきを防止できるという利点がある。したがって、着用者側に向く面を疎水性繊維で構成するとともに、それとは反対側の面をレーヨンなどの親水性繊維で構成することが好ましい。上述した1対の不織布は、例えば目付けを20g/m以上50g/m以下にすることが好ましい。
上述した含水体は、特に限定されるものではないが、目付けが500g/m以上であることが好ましく、800g/m以上あることがより好ましい。これにより、多量の水を保持することができる。一方で、目付けが大きすぎると、含水体が硬くなるため、着用者がマスク1を着用した時に含水体が着用者の口元の顔面形状に沿うように変形せず、着用者が不快に感じるおそれがある。そのため、含水体の目付けは、1500g/m以下であることが好ましく、1000g/m以下であることがより好ましい。
なお、含水体は、上述した繊維素材のほか、多孔質体に水を含浸させることにより構成することもできる。また、含水体は、水を保持できるものであればよく、ゲル化剤及び水を含有する水性ゲル(含水ゲル状高分子)で構成することもできる。
蒸気発生体3に含まれる水には、ポリオールが添加されていてもよい。ポリオールとしては、グリセリンやジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、1,2ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオールなどが挙げられ、その中でも、グリセリンが安全性の点で好ましい。これらの他にも、メチルパラベンやフェノキシエタノールなどの防腐剤、ヒアルロン酸塩やベタインなどの保湿剤、植物エキス、キサンタンガムやヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC),ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、寒天、グアーガム、カラギーナンなどの水溶性増粘剤、ユーカリやミントなどの香料、香料を可溶化する界面活性剤(ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、アニオン性界面活性剤)などを適宜添加できる。
蒸気発生体3は、蒸気発生量が蒸気発生体3の含水量に影響するため、蒸気発生体3が上述した蒸気の発生能を有するために、多量の水を含んでいることが好ましい。蒸気発生体3の含水量は、その他の成分も含めて6g以上であることが好ましく、12g以上であることがより好ましく、18g以上であることがさらに好ましい。また着用者がマスク1を着用した時の蒸気発生体3の重量による使用感への影響の観点から、蒸気発生体3の含水量は、30g以下であることが好ましく、24g以下であることがより好ましい。
蒸気発生体3が多量の水を含んでいることで、多量の蒸気を着用者の喉に供給できるようになるうえ、蒸気発生体3が加熱された後に冷めにくくなるため、加熱された蒸気発生体3の温度を長く高温に維持することができる。よって、蒸気発生体3からより多くの蒸気を発生させることができるうえ、温かい蒸気を長く発生させることができるので、着用者を心地よくすることができ、マスク1の使用感を向上することができる。
蒸気発生体3は、平面視矩形状とすることができる。蒸気発生体3は、着用者がマスク1を着用した時に着用者の口元で使用することから、その大きさは、例えば横方向に4cm以上14cm以下、縦方向に2cm以上7cm以下であることが好ましく、横方向に7cm以上11cm以下、縦方向に3cm以上6cm以下であることがより好ましい。なお、面積では、例えば8cm以上98cm以下であることが好ましく、25cm以上50cm以下であることがより好ましい。
蒸気発生体3には、マスク本体2の収容部6の通気孔9と対応した位置に通気孔30が設けられている。通気孔30は、通気孔9と同様に切欠きで構成されており、蒸気発生体3の左右方向の中央位置において蒸気発生体3の下側縁から上方に延びるようにして形成されている。これにより、着用者はマスク1を着用した時に口による呼吸が容易となる。また、収容部6の通気孔9に蒸気発生体3の通気孔30を合わせることで、蒸気発生体3を収容部6内の所定の位置に保持できるとともに、蒸気発生体3をその向きを間違えることなく収容部6に収容することができる。
そのうえ、通気孔30が蒸気発生体3の幅方向の中央位置に上下方向に延びていることで、蒸気発生体3を左右方向の中央位置で通気孔30に沿って折り曲げやすくすることができる。これにより、蒸気発生体3が比較的硬くても、着用者がマスク1を着用した時に蒸気発生体3が着用者の口元の顔面形状に沿って変形し易くなるため、マスク1の使用感を向上することができる。
なお、蒸気発生体3には、収容部6の通気孔9と対応した位置以外に、さらに例えば小径の孔から構成される通気孔が1つ又は複数設けられていてもよい。また、蒸気発生体3には、必ずしも収容部6の通気孔9と対応した位置に通気孔30が設けられている必要はない。例えば、2つの蒸気発生体3を収容部6の通気孔9の右側及び左側の領域に個別に収容し、それぞれの蒸気発生体3に所望の通気孔を設けてもよいし、通気孔を設けなくてもよい。
蒸気発生体3は、着用者がマスク1を着用する前、つまりは収容部6に収容される前は、不透過性のアルミラミネートフィルム、アルミ蒸着PETフィルム、透明(シリカ)蒸着PETフィルムからなる袋などに収容しておくことが好ましい。
上述した本実施形態のマスク1によれば、着用者が着用した時に加熱された蒸気発生体3から温かい蒸気が発生し、これにより着用者の口腔などが加湿される。よって、着用者の口腔の乾燥を防止することができる。
このとき、蒸気発生体3からの蒸気発生量が蒸気発生後30分間で150mg以上であり、蒸気発生体3から多量の蒸気が短期間で発せられて着用者の喉に多量の蒸気が集中的に供給される。よって、着用者が喉に違和感や痛みを有していると、これを効果的に改善することができる。なお、蒸気発生体3からの蒸気発生量が蒸気発生後30分間で410mg以上であると、着用者の喉の違和感や痛みをさらに効果的に改善することができる。一方で、蒸気発生体3からの蒸気発生量が蒸気発生後30分間で30000mg以下であるので、多量の蒸気が着用者の顔に供給されても、着用者がマスク1を着用した時に蒸気により不快さを感じることを抑えることができる。
また本実施形態のマスク1によれば、蒸気発生体3からの蒸気発生量が蒸気発生後5分間で50mg以上であり、着用者がマスク1を着用した後、早期に多量の蒸気が着用者の喉に供給されるので、着用後、速やかに着用者の喉の違和感や痛みに対して改善効果を発揮することができる。なお、蒸気発生体3からの蒸気発生量が蒸気発生後5分間で330mg以上であると、着用者の喉の違和感や痛みをさらに効果的に改善することができる。一方で、蒸気発生体3からの蒸気発生量が蒸気発生後5分間で5000mg以下であるので、多量の蒸気が着用者の顔に供給されても、着用者がマスク1を着用した時に蒸気により不快さを感じることを抑えることができる。
また本実施形態のマスク1によれば、蒸気発生体3からの蒸気発生量が蒸気発生後1分間で10mg以上であり、着用者がマスク1を着用した後、直ちに多量の蒸気が着用者の喉に供給されるので、着用後、即座に着用者の喉の違和感や痛みに対して改善効果を発揮することができる。なお、蒸気発生体3からの蒸気発生量が蒸気発生後1分間で120mg以上であると、着用者の喉の違和感や痛みをさらに効果的に改善することができる。一方で、蒸気発生体3からの蒸気発生量が蒸気発生後1分間で1000mg以下であるので、多量の蒸気が着用者の顔に供給されても、着用者がマスク1を着用した時に蒸気により不快さを感じることを抑えることができる。
また本実施形態のマスク1によれば、着用者が着用した後、上記空間の温度が少なくとも5分間、40度以上に維持され、上記空間が心地よく加湿された空間となるので、着用者にリラックス効果を付与することができ、マスク1の使用感を向上することができる。
そして、その後は、上記空間の温度が30度以上となる状態がトータルで30分間続く。よって、例えば着用者が睡眠の際にマスク1を着用すると、スーッと気持ちよく眠れ、朝起きた際に喉の調子を良好にすることができる。
また本実施形態のマスク1によれば、蒸気発生体3が含水体で構成され、加熱されることで蒸気を発するので、簡易な構成で多量の蒸気を発するように構成することができる。さらに、蒸気発生体3が例えば電子レンジなどでマイクロ波の照射を受けて加熱されることで、蒸気発生体3は蒸気が発生するまでに時間を要さないため、着用者がマスク1を着用した直後から即座に多量の蒸気を発するように構成することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば上記実施形態では、蒸気発生体3が例えば電子レンジなどでマイクロ波の照射を受けることで加熱されているが、蒸気発生体3を加熱する方法は特に限定されず、種々の方法を用いてもよい。
また上記実施形態では、マスク本体2の収容部6に加熱された蒸気発生体3を収容することで、蒸気発生体3から温かい蒸気を発生させて供給しているが、収容部6の覆い部5側の面に蒸気発生体3と同じ又はほぼ同じサイズの発熱体(例えば使い捨てカイロなど)を取り付け、発熱体で収容部6内の蒸気発生体3を加熱し続けることで、蒸気発生体3から温かい蒸気を発生させて供給するようにしてもよい。この場合には、着用者がマスク1を着用した後、徐々に蒸気発生量が増加し、蒸気発生後30分間にわたる蒸気発生量が150mg以上30000mg以下となる。蒸気発生体3が上述した蒸気の発生能を有するためには、発熱体は40℃以上に発熱することが好ましい。
また上記実施形態では、蒸気発生体3は他の加熱手段により加熱されて蒸気を発するが、例えば使い捨てカイロのように自らが発熱することで、発生した熱により含水分を加熱して蒸気を発生させてもよい。
また上記実施形態では、蒸気発生体3は加熱により蒸気を発するが、加熱以外の方法で蒸気を発するように構成してもよい。さらに蒸気発生体3は何らの手段を施すことなく自然に含水分が蒸発することで上述した蒸気発生量の蒸気を速やかに発するものであってもよい。
また上記実施形態では、収容部6の顔側の第1層60に蒸気保持層62が設けられているが、この蒸気保持層62は必ずしも設けられている必要はない。
また上記実施形態では、収容部6の第1層60及び第2層61は、ともに断熱性を有しているが、いずれか一方だけが断熱性を有していてもよく、又は、いずれもが断熱性を有していなくてもよい。
また上記実施形態では、収容部6の第1層60が透湿性であって第2層61が非透湿性であるが、いずれも透湿性であってもよい。
また上記実施形態では、収容部6が覆い部5の上側縁50よりも下方の位置にて覆い部5に取り付けられているが、覆い部5の上側縁50の位置にて覆い部5に取り付けられていてもよい。
また上記実施形態では、収容部6の顔側の第1層60の上側縁が覆い部5側の第2層61の上側縁よりも上方に位置して覆い部5に接合されているが、覆い部5側の第2層61の上側縁が顔側の第1層60の上側縁よりも上方に位置して覆い部5に接合されていてもよい。
また上記実施形態において、収容部6には通気孔9が設けられているが、この通気孔9は必ずしも設けられている必要はない。
また上記実施形態では、覆い部5の上側縁50、下側縁51及び左右の側縁52,53は直線状に形成されているが、例えば上側縁50は上側に向けて凸の屈曲線又は湾曲線状に形成されていてもよく、及び/又は下側縁51は下側に向けて凸の屈曲線又は湾曲線状に形成されていてもよく、及び/又は左右の側縁52,53は内側に向けて凸の屈曲線又は湾曲線状に形成されていてもよい。
また上記実施形態では、蒸気発生体3は平面視長方形状を呈しているが、三角形状、正方形状、その他多角形状、円形状、楕円形状など、種々の形状を呈していてもよい。
また上記実施形態では、覆い部5は平面視長方形状を呈しているが、三角形状、正方形状、その他多角形状、円形状、楕円形状など、種々の形状を呈していてもよい。
また上記実施形態では、覆い部5はプリーツ54により縦方向に伸長可能な構造になっているが、覆い部5を縦方向に伸長可能とする手段は、プリーツ54に限られるものではなくその他の種々の手段を用いることができ、例えば覆い部5にギャザーを形成することで覆い部5を縦方向に伸長可能な構造としてもよい。なお、プリーツ54などの覆い部5を伸長可能とする手段、構造は覆い部5に設けられていなくてもよい。
また上記実施形態では、覆い部5が平坦タイプであるが、立体タイプであってもよい。
以下、本発明の実施例及び比較例について説明する。以下では、蒸気発生体の蒸気発生量と、喉の違和感・痛みの改善効果との関係について試験を行った。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
蒸気発生体は、縦50mm×横60mmに形成され、パルプ及び熱融着性繊維からなるエアレイド不織布(目付け:800g/m)を、両面からレーヨンよりなるスパンレース不織布(目付け:30g/m)によって挟んだ構造のもの(含水体)である。また、蒸気発生体の下側縁の左右方向の中央位置には通気孔(切欠き)が形成され、蒸気発生体は、全体として平面視凹型を呈している(切欠き:縦20mm×横10mm)。この蒸気発生体には、以下の表1に示す保水液が含浸される。
Figure 2021006667
マスク本体の覆い部は、2枚のポリプロピレンよりなるスパンボンド不織布を重ね合わせた構造のものである。覆い部のサイズは、縦90mm×横180mmであり、外側の不織布の目付けは20g/mであり、内側の不織布の目付けは40g/mである。マスク本体の収容部は、顔側の層が発泡ポリオレフィンからなる発泡樹脂シートにポリプロピレンからなるスパンボンド不織布(目付け:20g/m)を2枚重ね合わせた構造のものであり、覆い部側の層が発泡ポリオレフィンからなる発泡樹脂シートに非透湿性素材を重ね合わせた構造のものである。収容部のサイズは、縦70mm×横120mmである。
各実施例及び比較例のマスクについて、蒸気発生体をマスク本体の収容部に収容した状態で、蒸気発生後、それぞれ1分間、5分間、30分間にわたる蒸気発生量を測定した結果は、表2〜表4の通りである。なお、蒸気発生量の測定方法は、上述した通りである。
各実施例及び比較例のマスクについて、温度20℃、湿度35%RHの環境下において喉に違和感・痛みを感じている20人の被験者に30分間着用してもらい、着用時の喉の潤い感、喉の違和感・痛みの改善具合、蒸気による不快感の各項目について官能試験を行った。各項目の評価の基準は以下の通りである。
・着用時の喉の潤い感
1点:着用前と比べて潤いに差が感じられない。
2点:着用前と比べてやや潤いを感じる。
3点:着用前と比べて潤いを感じる。
4点:着用前と比べて潤いを良く感じる。
5点:着用前と比べて非常に潤いを感じる。
・着用時の喉の違和感・痛みの改善具合
1点:着用前と比べて喉の違和感・痛みに差が感じられない。
2点:着用前と比べて喉の違和感・痛みがやや改善された。
3点:着用前と比べて喉の違和感・痛みが改善された。
4点:着用前と比べて喉の違和感・痛みがかなり改善された。
5点:着用前と比べて喉の違和感・痛みが非常に改善された。
・着用時の蒸気による不快感
1点:非常に不快である。
2点:かなり不快である。
3点:少し不快である。
4点:ほとんど不快に感じない。
5点:全く不快に感じない。
各項目について、全ての試験者の累計点数を算出し、81点以上100点以下を「S」、61点以上80点以下を「A」、41点以上60点以下を「B」、40点以下を「C」と評価した。その評価結果を表2〜表4に示す。
Figure 2021006667
Figure 2021006667
Figure 2021006667
表2〜4の結果から、本発明のマスクは、着用者の口腔の乾燥を防止して喉を潤すことができることが分かる。
また本発明のマスクは、蒸気発生量が蒸気発生後30分間で150mg以上であることで、喉に違和感・痛みを感じる着用者に対して、喉の違和感・痛みを効果的に改善可能であり、蒸気発生量が蒸気発生後30分間で410mg以上であることで、喉の違和感・痛みをさらに効果的に改善可能であることが分かる。
また本発明のマスクは、蒸気発生量が蒸気発生後30分間で30000mg以下であることで、多量の蒸気が着用者の顔に供給されても、着用者に蒸気による不快感を与えないことが分かる。
また本発明のマスクは、蒸気発生量が蒸気発生後5分間で50mg以上であることで、喉に違和感・痛みを感じる着用者に対して、喉の違和感・痛みの改善効果を着用後に速やかに発揮可能であり、蒸気発生量が蒸気発生後5分間で330mg以上であることで、喉の違和感・痛みをさらに効果的に改善可能であることが分かる。
また本発明のマスクは、蒸気発生量が蒸気発生後5分間で5000mg以下であることで、多量の蒸気が着用者の顔に供給されても、着用者に蒸気による不快感を与えないことが分かる。
また本発明のマスクは、蒸気発生量が蒸気発生後1分間で10mg以上であることで、喉に違和感・痛みを感じる着用者に対して、喉の違和感・痛みの改善効果を着用後に直ちに発揮可能であり、蒸気発生量が蒸気発生後1分間で120mg以上であることで、喉の違和感・痛みをさらに効果的に改善可能であることが分かる。
また本発明のマスクは、蒸気発生量が蒸気発生後1分間で1000mg以下であることで、多量の蒸気が着用者の顔に供給されても、着用者に蒸気による不快感を与えないことが分かる。
1 マスク
2 マスク本体
3 蒸気発生体(含水体)
5 覆い部
6 収容部

Claims (8)

  1. 着用者の顔の一部を覆うマスク本体と、蒸気を発する蒸気発生体と、を備えたマスクであって、
    前記蒸気発生体は、蒸気発生後30分間にわたる蒸気発生量が150mg以上30000mg以下である、マスク。
  2. 前記蒸気発生体は、蒸気発生後5分間にわたる蒸気発生量が50mg以上5000mg以下である、請求項1に記載のマスク。
  3. 前記蒸気発生体は、蒸気発生後1分間にわたる蒸気発生量が10mg以上1000mg以下である、請求項1又は2に記載のマスク。
  4. 前記蒸気発生体は、該マスクの着用後、前記マスク本体と顔の口及び鼻孔との間の空間の温度を少なくとも30分間、30度以上に維持する蒸気を発する、請求項1〜3のいずれかに記載のマスク。
  5. 前記蒸気発生体は、該マスクの着用後、前記マスク本体と顔の口及び鼻孔との間の空間の温度を少なくとも5分間、40度以上に維持する蒸気を発する、請求項1〜4のいずれかに記載のマスク。
  6. 前記蒸気発生体は、水を保持する含水体である、請求項1〜5のいずれかに記載のマスク。
  7. 前記含水体は、加熱されることで蒸気を発する、請求項6に記載のマスク。
  8. 前記含水体は、マイクロ波の照射を受けることで加熱される、請求項7に記載のマスク。
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