JP2021006393A - 液体吐出装置、及び温度検出方法 - Google Patents

液体吐出装置、及び温度検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い精度でプリントヘッドの温度異常を検出することが可能であるとの利点があったが、回路構成を単純化することが可能な液体吐出装置を提供すること。【解決手段】液体を吐出するプリントヘッドを備え、プリントヘッドは、温度に依存し電圧値が変動する変動電圧信号を出力する変動電圧信号出力回路と、温度に依存せず安定した電圧値の安定電圧信号を出力する安定電圧信号出力回路と、安定電圧信号の電圧値を調整した基準電圧信号を出力する基準電圧信号出力回路と、プリントヘッドの温度異常の有無を示す温度異常信号を出力する温度異常信号出力回路と、を有し、基準電圧信号出力回路は、所定の温度における変動電圧信号の電圧値に基づいて、安定電圧信号の電圧値を調整することで、基準電圧信号を出力し、温度異常信号出力回路は、変動電圧信号と基準電圧信号とに基づいて、温度異常信号を出力する、液体吐出装置。【選択図】図11

Description

本発明は、液体吐出装置、及び温度検出方法に関する。
液体としてインクを吐出して画像や文書を印刷するインクジェットプリンター(液体吐出装置)には、例えばピエゾ素子等の圧電素子を用いたものが知られている。このようなインクジェットプリンターにおいて圧電素子は、プリントヘッドにおいて複数のノズルのそれぞれに対応して設けられる。そして、所定のタイミングで駆動信号が圧電素子に供給されることで、それぞれの圧電素子が駆動し、ノズルから所定量のインクが吐出され、印刷媒体に画像や文書を形成する。
このようなインクジェットプリンターにおいて、プリントヘッドの温度に異常が生じた場合に、インクの物性が変化し、吐出精度が悪化する。そのため、プリントヘッドの温度を検出し、検出した温度に基づいて、プリントヘッドに温度異常が生じているか否かを判断する構成が用いられる。
例えば、特許文献1には、クロック信号を用いてプリントヘッドの温度を検出することができる温度検出方法が搭載された液体吐出装置が開示されている。
特開2014−076593号公報
しかしながら、特許文献1に記載の温度検出方法では、高い精度でプリントヘッドの温度異常を検出することが可能であるとの利点があったが、回路構成を単純化する点において、改善の余地があった。
本発明に係る液体吐出装置の一態様は、
液体を吐出するプリントヘッドを備え、
前記プリントヘッドは、
温度に依存し電圧値が変動する変動電圧信号を出力する変動電圧信号出力回路と、
温度に依存せず安定した電圧値の安定電圧信号を出力する安定電圧信号出力回路と、
前記安定電圧信号の電圧値を調整した基準電圧信号を出力する基準電圧信号出力回路と、
前記プリントヘッドの温度異常の有無を示す温度異常信号を出力する温度異常信号出力回路と、
を有し、
前記基準電圧信号出力回路は、所定の温度における前記変動電圧信号の電圧値に基づいて、前記安定電圧信号の電圧値を調整することで、前記基準電圧信号を出力し、
前記温度異常信号出力回路は、前記変動電圧信号と前記基準電圧信号とに基づいて、前記温度異常信号を出力する。
前記液体吐出装置の一態様において、
前記変動電圧信号は、温度の上昇に伴い電圧値が小さくなる負の温度特性を有してもよい。
前記液体吐出装置の一態様において、
前記安定電圧信号出力回路は、バンドギャップリファレンス回路であってもよい。
前記液体吐出装置の一態様において、
前記基準電圧信号出力回路は、増幅回路と増幅率調整回路とを含み、
前記増幅率調整回路は、前記増幅回路における増幅率を調整し、
前記増幅回路は、前記増幅率調整回路により調整された前記増幅率に基づいて、前記安定電圧信号の電圧値を増幅することで前記基準電圧信号を出力してもよい。
前記液体吐出装置の一態様において、
前記基準電圧出力回路は、ヒューズを含み、
前記増幅率は、前記ヒューズを切断するか否かにより調整されてもよい。
前記液体吐出装置の一態様において、
第1プリントヘッドと第2プリントヘッドとを含む複数の前記プリントヘッドを備え、
前記第1プリントヘッドは、前記変動電圧信号としての第1変動電圧信号と、前記安定電圧信号としての第1安定電圧信号を調整した第1基準電圧信号と、に基づいて第1温度異常信号を出力する第1温度異常信号出力回路を有し、
前記第2プリントヘッドは、前記変動電圧信号としての第2変動電圧信号と、前記安定電圧信号としての第2安定電圧信号を調整した第2基準電圧信号と、に基づいて第2温度異常信号を出力する第2温度異常信号出力回路を有し、
前記第1プリントヘッドにおいて前記第1基準電圧信号を出力する為の前記第1安定電圧信号の調整値と、前記第2プリントヘッドにおいて前記第2基準電圧信号を出力する為の前記第2安定電圧信号の調整値とは異なってもよい。
本発明に係る温度検出方法の一態様は、
液体を吐出する第1プリントヘッドを備えた液体吐出装置の温度検出方法であって、
温度に依存し電圧値が変動する変動電圧信号を出力する工程と、
温度に依存せず安定した電圧値の安定電圧信号を出力する工程と、
所定の温度における前記変動電圧信号の電圧値に基づいて、前記安定電圧信号を調整することで、基準電圧信号を出力する工程と、
前記変動電圧信号と前記基準電圧信号とに基づいて、温度異常信号を出力する工程と、
を含む。
液体吐出装置の概略構成を示す図である。 液体吐出装置の電気的な構成を示すブロック図である。 複数の吐出部の内の1つの概略構成を示す図である。 駆動信号COMの波形の一例を示す図である。 駆動信号VOUTの波形の一例を示す図である。 駆動信号選択回路の構成を示す図である。 デコーダーにおけるデコード内容を示す図である。 吐出部の1個分に対応する選択回路の構成を示す図である。 駆動信号選択回路の動作を説明するための図である。 温度異常検出回路の構成を示す図である。 基準電圧出力回路の構成を示す図である。 デコーダーにおけるデコード内容を示す図である。 非反転増幅回路の等価回路を示す図である。 切替情報に対応した抵抗Ra,Rbと抵抗R0〜R8との関係を示す図である。 温度異常検出回路における増幅率の調整方法、及び温度異常信号XHOTを出力する温度検出方法を説明するための図である。 ステップS140の詳細を説明するための図である。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて説明する。用いる図面は説明の便宜上のものである。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.液体吐出装置の概要
図1は、液体吐出装置1の概略構成を示す図である。液体吐出装置1は、液体の一例としてのインクを吐出するヘッドユニット21が搭載されたキャリッジ20が往復動し、搬送される媒体Pに対してインクを吐出することで、媒体Pに対して画像を形成するシリアル印刷方式のインクジェットプリンターである。以下の説明では、キャリッジ20が移動する方向をX方向、媒体Pが搬送される方向をY方向、インクが吐出される方向をZ方向として説明する。なお、X方向、Y方向及びZ方向は互いに直交する方向として説明を行う。また、媒体Pとしては、印刷用紙、樹脂フィルム、布帛等の任意の印刷対象を用いることができる。
液体吐出装置1は、液体容器2、制御機構10、キャリッジ20、移動機構30及び搬送機構40を備える。
液体容器2には、媒体Pに吐出される複数種類のインクが貯留されている。液体容器2に貯留されるインクの色彩としては、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グレー等が挙げられる。このようなインクが貯留される液体容器2としては、インクカートリッジや、可撓性のフィルムで形成された袋状のインクパック、インクの補充が可能なインクタンク等が用いられる。
制御機構10は、例えばCPU(Central Processing Unit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の処理回路と半導体メモリ等の記憶回路とを含み、液体吐出装置1の各要素を制御する。
キャリッジ20には、ヘッドユニット21が搭載されている。また、キャリッジ20は、移動機構30に含まれる無端ベルト32に固定される。なお、液体容器2も、キャリッジ20に搭載されていてもよい。
ヘッドユニット21には、制御機構10が出力するヘッドユニット21を制御するための制御信号Ctrl−H及びヘッドユニット21を駆動するための1又は複数の駆動信号COMが入力される。そして、ヘッドユニット21は、制御信号Ctrl−H及び駆動信号COMに基づいて、液体容器2から供給されるインクを吐出する。
移動機構30は、キャリッジモーター31及び無端ベルト32を含む。キャリッジモーター31は、制御機構10から入力される制御信号Ctrl−Cに基づいて動作する。無端ベルト32は、キャリッジモーター31の動作に従って回転する。これにより、無端ベルト32に固定されたキャリッジ20がX方向に往復動する。
搬送機構40は、搬送モーター41及び搬送ローラー42を含む。搬送モーター41は、制御機構10から入力される制御信号Ctrl−Tに基づいて動作する。搬送ローラー42は、搬送モーター41の動作に従って回転する。この搬送ローラー42の回転に伴って媒体PがY方向に搬送される。
以上のように液体吐出装置1は、搬送機構40による媒体Pの搬送と移動機構30によるキャリッジ20の往復動とに連動して、キャリッジ20に搭載されたヘッドユニット21からインクを吐出することで、媒体Pの表面の任意の位置にインクを着弾させ、媒体Pに所望の画像を形成する。
2.液体吐出装置の電気構成
図2は、液体吐出装置1の電気的な構成を示すブロック図である。液体吐出装置1は、制御機構10、ヘッドユニット21、キャリッジモーター31、搬送モーター41及びリニアエンコーダー90を備える。
制御機構10は、駆動信号出力回路50、制御回路100及び電源回路110を含む。制御回路100は、例えば、マイクロコントローラー等のプロセッサーを含む。そして、制御回路100は、ホストコンピューターから入力される画像データ等の各種信号に基づいて、液体吐出装置1を制御するためのデータや各種信号を生成し出力する。
具体的には、制御回路100は、リニアエンコーダー90から入力される検出信号に基づいて、ヘッドユニット21の走査位置を把握する。そして、制御回路100は、ヘッドユニット21の走査位置に応じた各種信号を生成し出力する。詳細には、制御回路100は、ヘッドユニット21の往復動を制御する為の制御信号Ctrl−Cを生成し、キャリッジモーター31に出力する。また、制御回路100は、媒体Pの搬送を制御する為の制御信号Ctrl−Tを生成し、搬送モーター41に出力する。なお、制御信号Ctrl−Cは、不図示のキャリッジモータードライバーを介して信号変換されたのち、キャリッジモーター31に入力されてもよく、同様に、制御信号Ctrl−Tは、不図示の搬送モータードライバーを介して信号変換されたのち、搬送モーター41に入力されてもよい。
また、制御回路100は、ホストコンピューターから入力される画像データ等の各種信号とヘッドユニット21の走査位置とに基づいて、ヘッドユニット21を制御するための制御信号Ctrl−Hとして、印刷データ信号SI1〜SIn、チェンジ信号CH、ラッチ信号LAT及びクロック信号SCKを生成し、ヘッドユニット21に出力する。
また、制御回路100は、駆動信号出力回路50にデジタル信号である駆動制御信号dAを出力する。
駆動信号出力回路50は、駆動回路50aを含む。駆動制御信号dAは、駆動回路50aに入力される。駆動回路50aは、駆動制御信号dAをデジタル/アナログ信号変換したのち、変換されたアナログ信号をD級増幅して駆動信号COMを生成する。すなわち、駆動制御信号dAは、駆動信号COMの波形を規定するデジタル信号であり、駆動回路50aは、駆動制御信号dAで規定された波形をD級増幅することで駆動信号COMを生成する。すなわち、駆動信号出力回路50は、駆動回路50aで生成された駆動信号COMを出力する。したがって、駆動制御信号dAは、駆動信号COMの波形を規定することができる信号であればよく、例えば、駆動制御信号dAはアナログ信号であってもよい。なお、駆動回路50aは、駆動制御信号dAで規定される波形を増幅できればよく、例えば、A級増幅回路、B級増幅回路又はAB級増幅回路等で構成されてもよい。
また、駆動信号出力回路50は、駆動信号COMの基準電位を示す基準電圧信号CGNDを出力する。基準電圧信号CGNDは、例えば、電圧値が0Vのグラウンド電位の信号であってもよく、電圧値が6V等の直流電圧の信号であってもよい。
駆動信号COM及び基準電圧信号CGNDは、制御機構10において分岐された後、ヘッドユニット21に出力される。具体的には、駆動信号COMは、制御機構10において後述するn個の駆動信号選択回路200のそれぞれに対応するn個の駆動信号COM1〜COMnに分岐されたのち、ヘッドユニット21に出力される。同様に、基準電圧信号CGNDは、制御機構10においてn個の基準電圧信号CGND1〜CGNDnに分岐されたのち、ヘッドユニット21に出力される。ここで、駆動信号出力回路50は、n個の駆動信号COM1〜COMnのそれぞれに対応するn個の駆動回路50aを備えてもよく、この場合に、制御回路100は、n個の駆動回路50aのそれぞれに対して、n個の駆動制御信号dAを出力してもよい。
電源回路110は、電圧VHV,VDD、及びグラウンド信号GNDを生成して出力する。電圧VHVは、電圧値が例えば42Vの直流電圧の信号である。また、電圧VDDは、電圧値が例えば3.3Vの直流電圧の信号である。また、グラウンド信号GNDは、電圧VHV,VDDの基準電位を示す信号であって、例えば、電圧値が0Vのグラウンド電位の信号である。電圧VHVは、駆動信号出力回路50における増幅用の電圧等に用いられる。また、電圧VDDは、制御機構10における各種構成の電源電圧や制御電圧等に用いられる。電圧VHV,VDD、及びグラウンド信号GNDは、ヘッドユニット21にも出力される。なお、電圧VHV,VDD、及びグラウンド信号GNDの電圧値は、上述した42V、3.3V及び0Vに限られるものではない。また、電源回路110は、電圧VHV,VDD、及びグラウンド信号GND以外の複数の電圧値の信号を生成しても良い。
ヘッドユニット21は、プリントヘッド22−1〜22−nを含む。プリントヘッド22−1〜22−nのそれぞれは、駆動信号選択回路200−1〜200−nと、温度異常検出回路250−1〜250−nと、複数の吐出部600と、を含む。
駆動信号選択回路200−1〜200−nのそれぞれには、電圧VHV,VDD、対応する駆動信号COM1〜COMn、対応する印刷データ信号SI1〜SIn、クロック信号SCK、ラッチ信号LAT、及びチェンジ信号CHが入力される。電圧VHV,VDDは、駆動信号選択回路200−1〜200−nのそれぞれの電源電圧、及び各種制御信号を生成するための電圧として用いられる。駆動信号選択回路200−1〜200−nのそれぞれは、入力される印刷データ信号SI1〜SIn、クロック信号SCK、ラッチ信号LAT及びチェンジ信号CHに基づいて、駆動信号COM1〜COMnを選択又は非選択とすることで、駆動信号VOUT1〜VOUTnを生成する。
駆動信号選択回路200−1〜200−nのそれぞれが生成した駆動信号VOUT1〜VOUTnは、対応する吐出部600に含まれる駆動素子の一例である圧電素子60に供給される。圧電素子60は、駆動信号VOUT1〜VOUTnが供給されることで変位する。そして、当該変位に応じた量のインクが吐出部600から吐出される。
具体的には、駆動信号選択回路200−1には、駆動信号COM1、印刷データ信号SI1、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及びクロック信号SCKが入力される。そして、駆動信号選択回路200−1は、印刷データ信号SI1、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及びクロック信号SCKに基づいて駆動信号COM1の波形を選択又は非選択することで、駆動信号VOUT1を生成する。駆動信号VOUT1は、対応して設けられる吐出部600の圧電素子60の一端に供給される。また、当該圧電素子60の他端には、基準電圧信号CGND1が供給されている。そして、圧電素子60は、駆動信号VOUT1と基準電圧信号CGND1との電位差により変位する。
同様に、駆動信号選択回路200−i(iは1〜nのいずれか)には、駆動信号COMi、印刷データ信号SIi、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH及びクロック信号SCKが入力される。そして、駆動信号選択回路200−iは、印刷データ信号SIi、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH及びクロック信号SCKに基づいて駆動信号COMiの波形を選択又は非選択することで、駆動信号VOUTiを生成する。駆動信号VOUTiは、対応して設けられる吐出部600の圧電素子60の一端に供給される。また、当該圧電素子60の他端には、基準電圧信号CGNDiが供給されている。そして、圧電素子60は、駆動信号VOUTiと基準電圧信号CGNDiとの電位差により変位する。
ここで、駆動信号選択回路200−1〜200−nのそれぞれは同様の回路構成を有する。その為、以下の説明において駆動信号選択回路200−1〜200−nを区別する必要がない場合、駆動信号選択回路200と称する。この場合において、駆動信号選択回路200に入力される駆動信号COM1〜COMnを駆動信号COMと称し、印刷データ信号SI1〜SInを印刷データ信号SIと称し、駆動信号選択回路200から出力される駆動信号VOUT1〜VOUTnを駆動信号VOUTと称する。なお、駆動信号選択回路200の構成、及び動作の詳細については後述する。
温度異常検出回路250−1〜250−nは、駆動信号選択回路200−1〜200−nのそれぞれに対応して設けられる。そして、温度異常検出回路250−1〜250−nは、対応する駆動信号選択回路200−1〜200−nの温度異常の有無を判定する。具体的には、温度異常検出回路250−1〜250−nは、電圧VDDを電源電圧として動作する。そして、温度異常検出回路250−1〜250−nのそれぞれは、対応する駆動信号選択回路200−1〜200−nの温度を検出し、当該温度が正常であると診断した場合、ハイレベル(Hレベル)の温度異常信号XHOTを生成し、制御回路100に出力する。一方、温度異常検出回路250−1〜250−nのそれぞれは、対応する駆動信号選択回路200−1〜200−nの温度が異常であると診断した場合、ローレベル(Lレベル)の温度異常信号XHOTを生成し、制御回路100に出力する。
ここで、温度異常検出回路250−1〜250−nのそれぞれは同様の回路構成を有する。その為、以下の説明において温度異常検出回路250−1〜250−nを区別する必要がない場合、温度異常検出回路250と称する。なお、温度異常検出回路250の詳細についても後述する。
ここで、駆動信号選択回路200−1〜200−n、及び温度異常検出回路250−1〜250−iのそれぞれは、集積回路装置として構成されている。また、温度異常検出回路250−iと駆動信号選択回路200−iとが1つの集積回路装置として構成されていてもよい。
3.吐出部の構成
次に、吐出部600の構成について、図3を用いて説明する。図3は、複数の吐出部600の内の1つの概略構成を示す図である。図3には、吐出部600と、吐出部600にインクを供給するインク供給口661と、リザーバー641が示されている。
リザーバー641には、インク供給口661から導入されたインクが貯留している。また、吐出部600は、圧電素子60、振動板621、キャビティー631及びノズル651を含む。振動板621は、図3において上面に設けられた圧電素子60の変位に伴い変形する。そして、振動板621は、キャビティー631の内部容積を拡大/縮小させるダイヤフラムとして機能する。キャビティー631の内部には、インクが充填されている。そして、キャビティー631は、圧電素子60の変位により、内部容積が変化する圧力室として機能する。ノズル651は、ノズルプレート632に形成されると共に、キャビティー631に連通する開孔部である。そして、キャビティー631の内部容積の変化に応じてキャビティー631の内部に貯留されたインクが、ノズル651から吐出される。そして、ノズル651からインクが吐出された後、リザーバー641に貯留されているインクがキャビティー631に供給される。
圧電素子60は、圧電体601を一対の電極611,612で挟んだ構造である。この構造の圧電体601は、電極611,612に供給された電圧に応じて、電極611,612及び振動板621の中央部分が、両端部分に対して図3における上下方向に撓む。具体的には、電極611には、駆動信号VOUTが供給され、電極612には、基準電圧信号CGNDが供給される。そして、駆動信号VOUTの電圧が高くなると、圧電素子60の中央部分が上方向に撓み、駆動信号VOUTの電圧が低くなると、圧電素子60の中央部分が下方向に撓む。すなわち、圧電素子60が上方向に撓めば、キャビティー631の内部容積が拡大する。したがって、インクがリザーバー641から引き込まれる。また、圧電素子60が下方向に撓めば、キャビティー631の内部容積が縮小する。したがって、キャビティー631の内部容積の縮小の程度に応じた量のインクが、ノズル651から吐出される。以上のように、圧電素子60は、駆動信号COMに基づく駆動信号VOUTにより駆動する。そして、圧電素子60が駆動することで、ノズル651からインクが吐出される。なお、圧電素子60は、図示した構造に限られず、圧電素子60の変位に伴いインクを吐出させることができる型であればよく、例えば、圧電素子60は、縦振動する構成であってもよい。
4.駆動信号の波形の一例
次に、駆動信号出力回路50で生成される駆動信号COMの波形の一例、及び圧電素子60に供給される駆動信号VOUTの波形の一例について図4及び図5を用いて説明する。
図4は、駆動信号COMの波形の一例を示す図である。図4に示すように、駆動信号COMは、ラッチ信号LATが立ち上がってからチェンジ信号CHが立ち上がるまでの期間T1に配置された台形波形Adp1と、期間T1の後、次にチェンジ信号CHが立ち上がるまでの期間T2に配置された台形波形Adp2と、期間T2の後、次にラッチ信号LATが立ち上がるまでの期間T3に配置された台形波形Adp3とを連続させた波形である。そして、台形波形Adp1が、圧電素子60の一端に供給された場合、当該圧電素子60に対応する吐出部600から、中程度の量のインクが吐出される。また、台形波形Adp2が、圧電素子60の一端に供給された場合、当該圧電素子60に対応する吐出部600から、中程度の量よりも少ない小程度の量のインクが吐出される。また、台形波形Adp3が圧電素子60の一端に供給された場合、当該圧電素子60に対応する吐出部600からインクは吐出されない。この台形波形Adp3は、吐出部600のノズル開孔部付近のインクを微振動させて、インク粘度の増大を防止するための波形である。ここで、図4に示すラッチ信号LATが立ち上がってから、次にラッチ信号LATが立ち上がるまでの周期Taが、媒体Pに新たなドットを形成する印刷周期に相当する。
また、台形波形Adp1,Adp2,Adp3のそれぞれの開始タイミング、及び終了タイミングでの電圧は、いずれも電圧Vcで共通である。すなわち、台形波形Adp1,Adp2,Adp3のそれぞれは、電圧Vcで開始し電圧Vcで終了する波形となっている。なお、駆動信号COMは、周期Taにおいて、1つ又は2つの台形波形が連続した波形の信号であってもよく、また、4つ以上の台形波形が連続した波形の信号であってもよい。
図5は、「大ドット」、「中ドット」、「小ドット」及び「非記録」のそれぞれに対応する駆動信号VOUTの波形の一例を示す図である。
図5に示すように、「大ドット」に対応する駆動信号VOUTは、周期Taにおいて、期間T1に配置された台形波形Adp1と、期間T2に配置された台形波形Adp2と、期間T3に配置された電圧Vcで一定の波形とを連続させた波形となっている。この駆動信号VOUTが圧電素子60の一端に供給された場合、周期Taにおいて、当該圧電素子60に対応した吐出部600から、中程度の量のインクと小程度の量のインクとが吐出される。よって、媒体Pには、それぞれのインクが着弾し合体することで大ドットが形成される。
「中ドット」に対応する駆動信号VOUTは、周期Taにおいて、期間T1に配置された台形波形Adp1と、期間T2,T3に配置された電圧Vcで一定の波形とを連続させた波形となっている。この駆動信号VOUTが圧電素子60の一端に供給された場合、周期Taにおいて、当該圧電素子60に対応した吐出部600から、中程度の量のインクが吐出される。よって、媒体Pには、このインクが着弾して中ドットが形成される。
「小ドット」に対応する駆動信号VOUTは、周期Taにおいて、期間T1,T3に配置された電圧Vcで一定の波形と、期間T2に配置された台形波形Adp2とを連続させた波形となっている。この駆動信号VOUTが圧電素子60の一端に供給された場合、周期Taにおいて、当該圧電素子60に対応した吐出部600から、小程度の量のインクが吐出される。よって、媒体Pには、このインクが着弾して小ドットが形成される。
「非記録」に対応する駆動信号VOUTは、周期Taにおいて、期間T1,T2に配置された電圧Vcで一定の波形と、期間T3に配置された台形波形Adp3とを連続させた波形となっている。この駆動信号VOUTが圧電素子60の一端に供給された場合、周期Taにおいて、当該圧電素子60に対応した吐出部600のノズル開孔部付近のインクが微振動するのみで、インクは吐出されない。よって、媒体Pには、インクが着弾せずドットが形成されない。
ここで、電圧Vcで一定の波形とは、駆動信号VOUTとして台形波形Adp1,Adp2,Adp3のいずれも選択されていない場合において、直前の電圧Vcが圧電素子60の容量成分により保持された電圧からなる波形である。その為、駆動信号VOUTとして台形波形Adp1,Adp2,Adp3のいずれも選択されていない場合、電圧Vcが駆動信号VOUTとして圧電素子60に供給される。
なお、図4及び図5に示した駆動信号COM、及び駆動信号VOUTの波形はあくまでも一例であり、プリントヘッド22を含むヘッドユニット21が搭載されるキャリッジ20の移動速度、プリントヘッド22に供給されるインクの物性、及び媒体Pの材質等に応じて、様々な波形の組み合わせの信号が用いられてもよい。
5.駆動信号選択回路の構成
次に、駆動信号選択回路200の構成及び動作について図6〜図9を用いて説明する。図6は、駆動信号選択回路200の構成を示す図である。図6に示すように、駆動信号選択回路200は、選択制御回路220、及び複数の選択回路230を含む。
選択制御回路220には、印刷データ信号SI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及びクロック信号SCKが入力される。また、選択制御回路220には、シフトレジスター(S/R)222とラッチ回路224とデコーダー226との組が、複数の吐出部600の各々に対応して設けられている。すなわち、駆動信号選択回路200は、対応する吐出部600の総数mと同数のシフトレジスター222とラッチ回路224とデコーダー226との組を含む。ここで、クロック信号SCKは、印刷データ信号SIが入力されるタイミングを規定するためのクロック信号である。
具体的には、印刷データ信号SIは、クロック信号SCKに同期した信号であって、m個の吐出部600の各々に対して、「大ドット」、「中ドット」、「小ドット」及び「非記録」のいずれかを選択するための2ビットの印刷データ[SIH,SIL]を含む、合計2mビットの信号である。印刷データ信号SIは、吐出部600に対応して、印刷データ信号SIに含まれる2ビット分の印刷データ[SIH,SIL]毎に、シフトレジスター222に保持される。具体的には、吐出部600に対応したm段のシフトレジスター222が互いに縦続接続されるとともに、シリアルで入力された印刷データ信号SIが、クロック信号SCKに従って順次後段に転送される。なお、図6では、シフトレジスター222を区別するために、印刷データ信号SIが入力される上流側から順番に1段、2段、…、m段と表記している。
m個のラッチ回路224の各々は、m個のシフトレジスター222の各々で保持された2ビットの印刷データ[SIH,SIL]をラッチ信号LATの立ち上がりでラッチする。
m個のデコーダー226の各々は、m個のラッチ回路224の各々によってラッチされた2ビットの印刷データ[SIH,SIL]をデコードする。そして、デコーダー226は、ラッチ信号LATとチェンジ信号CHとで規定される期間T1,T2,T3毎に選択信号Sを出力する。
図7は、デコーダー226におけるデコード内容を示す図である。デコーダー226は、ラッチされた2ビットの印刷データ[SIH,SIL]に従い選択信号Sを出力する。例えば、デコーダー226は、2ビットの印刷データ[SIH,SIL]が[1,0]の場合、選択信号Sの論理レベルを、期間T1,T2,T3のそれぞれにおいてH,H,Lレベルとして出力する。
選択回路230は、吐出部600のそれぞれに対応して設けられている。すなわち、駆動信号選択回路200が有する選択回路230の数は、対応する吐出部600の総数mと同じである。図8は、吐出部600の1個分に対応する選択回路230の構成を示す図である。図8に示すように、選択回路230は、NOT回路であるインバーター232、及びトランスファーゲート234を有する。
選択信号Sは、トランスファーゲート234において丸印が付されていない正制御端に入力される一方で、インバーター232によって論理反転されて、トランスファーゲート234において丸印が付された負制御端に入力される。また、トランスファーゲート234の入力端には、駆動信号COMが供給される。具体的には、トランスファーゲート234は、選択信号SがHレベルの場合、入力端と出力端との間を導通(オン)とし、選択信号SがLレベルの場合、入力端と出力端との間を非導通(オフ)とする。そして、トランスファーゲート234の出力端から駆動信号VOUTが出力される。
ここで、図9を用いて、駆動信号選択回路200の動作について説明する。図9は、駆動信号選択回路200の動作を説明するための図である。印刷データ信号SIは、クロック信号SCKに同期してシリアルで入力されて、吐出部600に対応するシフトレジスター222において順次転送される。そして、クロック信号SCKの入力が停止すると、各シフトレジスター222には、吐出部600の各々に対応した2ビットの印刷データ[SIH,SIL]が保持される。なお、印刷データ信号SIは、シフトレジスター222のm段、…、2段、1段の吐出部600に対応した順に入力される。
そして、ラッチ信号LATが立ち上がると、ラッチ回路224のそれぞれは、シフトレジスター222に保持されている2ビットの印刷データ[SIH,SIL]を一斉にラッチする。なお、図9において、LT1、LT2、…、LTmは、1段、2段、…、m段のシフトレジスター222に対応するラッチ回路224によってラッチされた2ビットの印刷データ[SIH,SIL]を示す。
デコーダー226は、ラッチされた2ビットの印刷データ[SIH,SIL]で規定されるドットのサイズに応じて、期間T1,T2,T3のそれぞれにおいて、選択信号Sの論理レベルを図7に示す内容で出力する。
具体的には、デコーダー226は、印刷データ[SIH,SIL]が[1,1]の場合、選択信号Sを期間T1,T2,T3においてH,H,Lレベルとする。この場合、選択回路230は、期間T1において台形波形Adp1を選択し、期間T2において台形波形Adp2を選択し、期間T3において台形波形Adp3を選択しない。その結果、図5に示した「大ドット」に対応する駆動信号VOUTが生成される。
また、デコーダー226は、印刷データ[SIH,SIL]が[1,0]の場合、選択信号Sを期間T1,T2,T3においてH,L,Lレベルとする。この場合、選択回路230は、期間T1において台形波形Adp1を選択し、期間T2において台形波形Adp2を選択せず、期間T3において台形波形Adp3を選択しない。その結果、図5に示した「中ドット」に対応する駆動信号VOUTが生成される。
また、デコーダー226は、印刷データ[SIH,SIL]が[0,1]の場合、選択信号Sを期間T1,T2,T3においてL,H,Lレベルとする。この場合、選択回路230は、期間T1において台形波形Adp1を選択せず、期間T2において台形波形Adp2を選択し、期間T3において台形波形Adp3を選択しない。その結果、図5に示した「小ドット」に対応する駆動信号VOUTが生成される。
また、デコーダー226は、印刷データ[SIH,SIL]が[0,0]の場合、選択信号Sを期間T1,T2,T3においてL,L,Hレベルとする。この場合、選択回路230は、期間T1において台形波形Adp1を選択せず、期間T2において台形波形Adp2を選択せず、期間T3において台形波形Adp3を選択する。その結果、図5に示した「非記録」に対応する駆動信号VOUTが生成される。
以上のように、駆動信号選択回路200は、印刷データ信号SI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及びクロック信号SCKに基づいて、駆動信号COMの波形を選択し、駆動信号VOUTを出力する。換言すれば、駆動信号選択回路200は、駆動信号COMの圧電素子60への供給を制御する。
6.温度異常検出回路の構成
次に、温度異常検出回路250の構成、及び動作について説明する。図10は、温度異常検出回路250の構成を示す図である。図11は、基準電圧出力回路270の構成を示す図である。図12は、デコーダー285におけるデコード内容を示す図である。なお、前述のとおり、温度異常検出回路250−1〜250−nはいずれも同じ構成を有する。そのため、図10〜図12では、温度異常検出回路250−1のみを代表して図示し、温度異常検出回路250−2〜250−nの詳細な構成についての図示を省略している。
図10及び図11に示すように、プリントヘッド22が有する温度異常検出回路250は、温度依存電圧出力回路260、BGR(バンドギャップリファレンス:Band Gap Reference)回路271、非反転増幅回路272、及び温度異常信号出力回路280を有する。
そして、温度依存電圧出力回路260が、温度に依存し電圧値が変動する温度依存電圧信号Vfを出力する。また、BGR回路271が、温度に依存せず安定した電圧値の原基準電圧信号Vbgrを出力する。非反転増幅回路272は、原基準電圧信号Vbgrの電圧値を調整した基準電圧信号Vrefを出力する。具体的には、非反転増幅回路272は、所定の温度における温度依存電圧信号Vfの電圧値に基づいて、原基準電圧信号Vbgrの電圧値を調整することで、基準電圧信号Vrefを出力する。
温度依存電圧信号Vfと基準電圧信号Vrefとは、温度異常信号出力回路280に入力される。温度異常信号出力回路280は、温度依存電圧信号Vfと基準電圧信号Vrefとに基づいて、温度異常信号XHOTを出力する。換言すれば、温度異常信号出力回路280は、プリントヘッド22の温度異常の有無を示す温度異常信号XHOTを出力する。
ここで、温度依存電圧出力回路260が、変動電圧信号出力回路の一例であり、温度依存電圧出力回路260が出力する温度依存電圧信号Vfが変動電圧信号の一例である。また、バンドギャップリファレンス回路であるBGR回路271が、安定電圧信号出力回路の一例であり、BGR回路271が出力する原基準電圧信号Vbgrが安定電圧信号の一例である。また、非反転増幅回路272が、基準電圧信号出力回路の一例であり、非反転増幅回路272が出力する基準電圧信号Vrefが基準電圧信号の一例である。そして、温度異常信号出力回路280が温度異常信号出力回路の一例であり、温度異常信号出力回路280が出力する温度異常信号XHOTが温度異常信号の一例である。
図10〜図12を用いて温度異常検出回路250の構成、及び動作について具体的に説明する。
図10に示すように、温度異常検出回路250は、温度依存電圧出力回路260、基準電圧出力回路270、温度異常信号出力回路280、及び抵抗255を含む。抵抗255の一端には、電圧VDDが供給され、他端は、温度依存電圧出力回路260に接続されている。
温度依存電圧出力回路260は、複数のダイオード254を含む。複数のダイオード254は、互いに直列に接続されている。そして、直列に接続された複数のダイオード254のうち、最も高電位側に位置するダイオード254のアノード端子が、抵抗255の他端と接続され、最も低電位側に位置するダイオード254のカソード端子は、グラウンド信号GNDが伝搬する伝搬経路と接続されている。
具体的には、温度依存電圧出力回路260は、複数のダイオード254として、ダイオード254−1,254−2,254−3,254−4を有する。ダイオード254−1のアノード端子は、抵抗255の他端と接続されている。ダイオード254−1のカソード端子は、ダイオード254−2のアノード端子と接続されている。ダイオード254−2のカソード端子は、ダイオード254−3のアノード端子と接続されている。ダイオード254−3のカソード端子は、ダイオード254−4のアノード端子と接続されている。ダイオード254−4のカソード端子には、グラウンド信号GNDが伝搬する伝搬経路と接続されている。また、ダイオード254−1のアノード端子は、温度異常信号出力回路280と接続されている。
温度依存電圧出力回路260には、抵抗255を介して電圧VDDが供給される。
この場合において、温度異常信号出力回路280には、温度依存電圧出力回路260の出力として、複数のダイオード254のそれぞれの順方向電圧の和である温度依存電圧信号Vfが供給される。複数のダイオード254の順方向電圧は、温度の変動に対して変動する。具体的には、本実施形態における複数のダイオード254の順方向電圧は、温度が上昇すると低下する特性を有する。したがって、温度依存電圧出力回路260から出力される温度依存電圧信号Vfの電圧値は、温度が上昇すると低下する換言すれば、温度依存電圧出力回路260は、温度の上昇に伴い電圧値が小さくなる負の温度特性を有する温度依存電圧信号Vfを出力する。なお、温度依存電圧出力回路260が有する複数のダイオード254の数は4つに限られるものではない。
基準電圧出力回路270は、基準電圧信号Vrefを生成し温度異常信号出力回路280に出力する。図11に示すように、基準電圧出力回路270は、BGR回路271と、非反転増幅回路272とを有する。
BGR回路271は、温度異常検出回路250が構成される集積回路装置の基板等に生じるバンドキャップ電圧を利用して、温度に依存しない安定した電圧値の原基準電圧信号Vbgrを生成し出力する。
非反転増幅回路272は、増幅器273と増幅率調整回路274とを含む。
増幅器273には、原基準電圧信号Vbgrが入力される。そして、増幅器273は、増幅率調整回路274で規定される増幅率Gに応じて、原基準電圧信号Vbgrを増幅することで、基準電圧信号Vrefを生成し出力する。換言すれば、増幅器273は、増幅率調整回路274により調整された増幅率Gに基づいて、原基準電圧信号Vbgrを増幅することで基準電圧信号Vrefを出力する。ここで、増幅器273が増幅回路の一例である。
増幅率調整回路274は、増幅器273における増幅率Gを調整する。図12に示すように、増幅率調整回路274は、ヒューズ281−1〜281−3,282−1〜282−3、スイッチ283−0〜283−7、抵抗R0〜R8、及びデコーダー285を有する。
ヒューズ281−1の一端は、電圧VDDが伝搬する伝搬経路と接続される。ヒューズ281−1の他端は、ヒューズ282−1の一端と接続される。ヒューズ282−1の他端は、グラウンド信号GNDが伝搬する伝搬経路と接続される。そして、ヒューズ281−1の他端とヒューズ282−1の一端とが接続される接続点の電圧が、切替情報P1としてデコーダー285に入力される。同様に、ヒューズ281−2,281−3のそれぞれの一端は、電圧VDDが伝搬する伝搬経路と接続される。ヒューズ281−2,281−3のそれぞれの他端は、ヒューズ282−2,282−3のそれぞれの一端と接続される。ヒューズ282−2,282−3のそれぞれの他端は、グラウンド信号GNDが伝搬する伝搬経路と接続される。そして、ヒューズ281−2の他端とヒューズ282−2の一端とが接続される接続点の電圧が、切替情報P2としてデコーダー285に入力され、ヒューズ281−3の他端とヒューズ282−3の一端とが接続される接続点の電圧が、切替情報P3としてデコーダー285に入力される。
ここで、切替情報P1,P2,P3のそれぞれの論理レベルは、直列に接続されたヒューズ281−1とヒューズ282−1とのいずれか一方、直列に接続されたヒューズ281−2とヒューズ282−2とのいずれか一方、及び直列に接続されたヒューズ281−2とヒューズ282−2とのいずれか一方を切断することで規定される。例えば、ヒューズ282−1、ヒューズ282−2、及びヒューズ281−3が切断されている場合、デコーダー285には、Hレベルの切替情報P1としての電圧VDDと、Hレベルの切替情報P2としての電圧VDDと、Lレベルの切替情報P3としてのグラウンド信号GNDと、が入力される。
デコーダー285は、入力される切替情報P1,P2,P3をデコードし、図12に示すデコード内容に応じたスイッチ制御信号D0〜D7を出力する。例えば、デコーダー285は、入力される切替情報P1,P2,P3のそれぞれが、Hレベル、Hレベル、Lレベルである場合、図12に示すデコード内容に従って、Hレベルのスイッチ制御信号D3と、Lレベルのスイッチ制御信号D0〜D2,D4〜D7とを出力する。
抵抗R0〜R8は、基準電圧信号Vrefが伝搬する伝搬経路と、グラウンド信号GNDが伝搬する伝搬経路との間に直列に接続されている。また、直列に接続された抵抗R0〜R8の内、抵抗R0〜R7のそれぞれの他端には、スイッチ283−0〜283−7の一端が接続されている。
具体的には、抵抗R0の一端は、基準電圧信号Vrefが伝搬する伝搬経路と接続されている。抵抗R0の他端は、抵抗R1の一端、及びスイッチ283−0の一端に接続されている。同様に、抵抗R1〜抵抗R7の他端は、抵抗R2〜抵抗R8の一端、及びスイッチ283−1〜スイッチ283−7の一端に接続されている。抵抗R8の他端は、グラウンド信号GNDが伝搬する伝搬経路と接続されている。
スイッチ283−0の制御端子には、デコーダー285から出力されたスイッチ制御信号D0が入力される。同様に、スイッチ283−1〜283−7のそれぞれの制御端子には、デコーダー285から出力された対応するスイッチ制御信号D1〜D7が入力される。制御端子に入力されるスイッチ制御信号D0〜D7の論理レベルがHレベルである場合、対応するスイッチ283−1〜283−7のそれぞれは、一端と他端との間を導通に制御する。一方、制御端子に入力されるスイッチ制御信号D0〜D7の論理レベルがLレベルである場合、対応するスイッチ283−1〜283−7のそれぞれは、一端と他端との間を非導通に制御する。
ここで図12に示すように、デコーダー285が出力するスイッチ制御信号D0〜D7の論理レベルは、スイッチ制御信号D0〜D7の内の何れか1つのみがHレベルとなり、他のスイッチ制御信号D0〜D7はLレベルとなる。すなわち、スイッチ283−0〜283−7の内のいずれか1つのみが導通に制御され、他のスイッチ283−0〜283−7は非導通に制御される。
スイッチ283−0〜283−7のそれぞれの他端は、共通に接続されている。そして、スイッチ283−0〜283−7のそれぞれの他端と、増幅器273の−側入力端子とが接続している。
ここで、図13を用いて、非反転増幅回路272における増幅率Gの調整について説明する。図13は、非反転増幅回路272の等価回路を示す図である。図13に示すように、本実施形態における非反転増幅回路272の等価回路、増幅器273に相当する増幅器373の出力端は、直列に接続された抵抗Ra、及び抵抗Rbを介してグラウンド信号GNDが伝搬される伝搬経路に接続されている。また、抵抗Raと抵抗Rbとの接続点は、増幅器273の−側入力端子と接続される。換言すれば、増幅器273の出力端は、抵抗Ra、及び抵抗Rbを介してグラウンドに接続されると共に、抵抗Raと抵抗Rbとの接続点から−側入力端子に帰還する。
以上のように構成された非反転増幅回路272における増幅率G、すなわち、非反転増幅回路272に入力される原基準電圧信号Vbgrに対する基準電圧信号Vrefの電圧比は、以下の式(1)のように示すことができる。
Figure 2021006393
ここで、図13に示す抵抗Raは、抵抗R0〜R8のうち、スイッチ制御信号D0〜D7により導通しているスイッチ283−0〜283−7の一端までの抵抗成分であり、抵抗Rbは、スイッチ制御信号D0〜D7により導通しているスイッチ283−0〜283−7の一端からグラウンドまでの抵抗成分である。
図14は、切替情報P1,P2,P3に対応した抵抗Ra,Rbと抵抗R0〜R8との関係を示す図である。図14に示すように、本実施形態における増幅率調整回路274は、ヒューズ281−1〜281−3,282−1〜282−3を切断するか否かに基づいてスイッチ制御信号D0〜D7を規定することで、8個の状態に対応する抵抗Ra,Rbの組み合わせを生成することで増幅率Gを規定する。換言すれば、非反転増幅回路272は、ヒューズ281−1〜281−3,282−1〜282−3を含み、前記ヒューズを切断するか否かにより増幅率Gが調整される。
例えば、ヒューズ282−1,282−2,281−3が切断されている場合、デコーダー285には、Hレベル、Hレベル、Lレベルの切替情報P1,P2,P3が入力される。この場合においてデコーダー285は、図12に示すデコード内容に従って、Hレベルのスイッチ制御信号D3と、Lレベルのスイッチ制御信号D0〜D2,D4〜D7とを出力する。したがって、スイッチ制御信号D3に対応するスイッチ283−3のみが導通に制御される。その結果、抵抗Raは、抵抗R0〜R8のうち、スイッチ制御信号D3により導通しているスイッチ283−3の一端までの抵抗成分であり、抵抗Rbは、スイッチ制御信号D3により導通しているスイッチ283−3の一端からグラウンドまでの抵抗成分である。換言すれば、抵抗Raは、抵抗R0,R1,R2,R3の合成抵抗であり、抵抗Rbは、抵抗R4,R5,R6,R7,R8の合成抵抗となる。したがって、非反転増幅回路272の増幅率Gは、式(2)により表される。
Figure 2021006393
以上のように、非反転増幅回路272は、増幅率調整回路274は、増幅器273が、増幅率調整回路274により規定される増幅率Gで、原基準電圧信号Vbgrの電圧値を調整することで、基準電圧信号Vrefを生成し出力する。
図10に戻り、温度異常信号出力回路280は、コンパレーター251、トランジスター253、抵抗256を含む。コンパレーター251は、電圧VDDとグラウンド信号GNDとの電位差により動作する。コンパレーター251の+側入力端子には、基準電圧信号Vrefが供給され、−側入力端子には、温度依存電圧信号Vfが供給される。そして、コンパレーター251は、基準電圧信号Vrefと温度依存電圧信号Vfとを比較して、当該比較結果に基づく信号を出力端子から出力する。
トランジスター253のドレイン端子には抵抗256を介して電圧VDDが供給される。また、トランジスター253のゲート端子はコンパレーター251の出力端子と接続され、ソース端子にはグラウンド信号GNDが供給される。以上のように接続されたトランジスター253のドレイン端子に供給される電圧が、温度異常信号XHOTとして温度異常検出回路250から出力される。
ここで、本実施形態における温度異常検出回路250は、コンパレーター251から出力される信号を温度異常信号XHOTとして出力してもよいが、図10に示すようにコンパレーター251の出力信号をトランジスター253により反転し、温度異常信号XHOTOとして出力することが好ましい。図10に示すように、n個の温度異常検出回路250−1〜250−nのそれぞれから出力される温度異常信号XHOTが伝搬される伝搬経路は共通に接続されている。温度異常検出回路250−1〜250−nは、ワイヤードオア接続されている。これにより、ヘッドユニット21に複数の温度異常検出回路250が設けられた場合であっても、温度異常信号XHOTを伝搬するための配線数を増加させることなく、ヘッドユニット21における温度異常の有無を示す温度異常信号XHOTを伝搬することができる。
以上のように、温度異常検出回路250は、温度に依存せず安定した電圧値の原基準電圧信号Vbgrを増幅することで生成された基準電圧信号Vrefと、温度依存電圧信号Vfと、温度異常信号出力回路280において比較し、当該比較結果に基づいて温度異常信号XHOTを出力する。この場合において、原基準電圧信号Vbgrを増幅する増幅率Gを調整可能とすることで、温度異常信号XHOTが出力される温度閾値のばらつきを低減することが可能となる。
以上に説明したように、本実施形態における温度異常検出回路250は、個別に原基準電圧信号Vbgrを増幅する増幅率Gを調整することが可能である。したがって、本実施形態に示すようにヘッドユニット21がn個のプリントヘッド22−1〜22−nのそれぞれに対応するn個の温度異常検出回路250−1〜250−nを有する場合であっても、n個の温度異常検出回路250−1〜250−nのそれぞれに対して、最適な増幅率Gに調整することが可能となる。
具体的には、プリントヘッド22−p(pは1〜nのいずれか)において温度異常検出回路250−pに含まれる温度異常信号出力回路280は、温度異常検出回路250−pにおける温度に依存せず安定した電圧値の原基準電圧信号Vbgrを増幅することで生成された基準電圧信号Vrefと、温度依存電圧信号Vfと、を比較し、当該比較結果に基づいて温度異常信号XHOTを出力する。一方、プリントヘッド22−q(qは1〜nの内、p以外のいずれか)において温度異常検出回路250−qに含まれる温度異常信号出力回路280は、温度異常検出回路250−qにおける温度に依存せず安定した電圧値の原基準電圧信号Vbgrを増幅することで生成された基準電圧信号Vrefと、温度依存電圧信号Vfと、を比較し、当該比較結果に基づいて温度異常信号XHOTを出力する。
この場合において、プリントヘッド22−pにおいて基準電圧信号Vrefを出力する為の原基準電圧信号Vbgrの調整値としての増幅率Gと、プリントヘッド22−qにおいて基準電圧信号Vrefを出力する為の原基準電圧信号Vbgrの調整値としての増幅率Gとは異なってもよい。これにより、プリントヘッド22におけるn個の温度異常検出回路250−1〜250−n間での、温度異常信号XHOTが出力される温度閾値のばらつきを低減することが可能となる。
ここで、プリントヘッド22−pが第1プリントヘッドの一例であり、プリントヘッド22−pが有する温度異常検出回路250−pに含まれる温度異常信号出力回路280が第1温度異常信号出力回路の一例である。そして、当該温度異常信号出力回路280が出力する温度異常信号XHOTが第1温度異常信号の一例であり、当該温度異常信号出力回路280が温度異常信号XHOTを出力する為に比較する基準電圧信号Vrefが第1基準電圧信号の一例であり、温度依存電圧信号Vfが第1変動電圧信号の一例である。さらに、温度異常検出回路250−pにおいて、基準電圧信号Vrefを出力する為の原基準電圧信号Vbgrが第1安定電圧信号の一例である。
同様に、プリントヘッド22−qが第2プリントヘッドの一例であり、プリントヘッド22−qが有する温度異常検出回路250−qに含まれる温度異常信号出力回路280が第2温度異常信号出力回路の一例である。そして、当該温度異常信号出力回路280が出力する温度異常信号XHOTが第2温度異常信号の一例であり、当該温度異常信号出力回路280が温度異常信号XHOTを出力する為に比較する基準電圧信号Vrefが第2基準電圧信号の一例であり、温度依存電圧信号Vfが第2変動電圧信号の一例である。さらに、温度異常検出回路250−qにおいて、基準電圧信号Vrefを出力する為の原基準電圧信号Vbgrが第2安定電圧信号の一例である。
7.温度異常検出回路における温度異常信号XHOTの温度検出方法
次に、温度異常検出回路250における増幅率Gの調整方法、及び温度異常信号XHOTを出力する温度検出方法について図15を用いて説明する。図15は、温度異常検出回路250における増幅率Gの調整方法、及び温度異常信号XHOTを出力する温度検出方法を説明するための図である。
温度依存電圧出力回路260は、温度に依存して電圧値が変動する温度依存電圧信号Vfを出力する(ステップS110)。また、BGR回路271は、温度に依存せず安定した電圧値の原基準電圧信号Vbgrを出力する(ステップS120)。そして、温度異常検出回路250における温度異常信号XHOTの温度閾値を調整するための不図示の検査調整設備において、温度異常検出回路250を構成する集積回路装置の現在の温度、温度依存電圧信号Vf、及び任意の増幅率Gにおいて増幅された基準電圧信号Vrefの電圧値を取得する(ステップS130)。
そして、不図示の検査調整設備は、取得した現在の温度における温度依存電圧信号Vfの電圧値に基づいて、増幅率Gを調整することで原基準電圧信号Vbgrを調整する。これにより、基準電圧出力回路270は、所望の電圧値の基準電圧信号Vrefを出力する(ステップS140)。
図16は、ステップS140の詳細を説明するための図である。図16では、横軸に温度異常検出回路250の温度、縦軸には電圧を示している。また、図16に示す温度Txhotは、液体吐出装置1に要求さる温度異常信号XHOTを出力する閾値温度であり、温度Tmは、ステップS130で取得した集積回路装置の現在の温度である。また、図16に示す電圧Vref1は、ステップS130で取得した任意の増幅率Gにおける基準電圧信号Vrefの電圧値であり、電圧Vref2は、調整された増幅率Gにおける基準電圧信号Vrefの電圧値である。この電圧Vref2が、基準電圧信号Vrefの調整目標電圧値である。
検査調整設備には、温度Txhotにおいて温度異常を示す温度異常信号XHOTを出力させるための基準情報が記憶されている。具体的には、検査調整設備には、基準温度Trefと、基準温度Trefにおける温度依存電圧信号Vfと基準電圧信号Vrefとの基準電位差ΔVが記憶されている。換言すれば、温度異常検出回路250は、基準温度Trefにおいて、温度依存電圧信号Vfと基準電圧信号Vrefとの電位差が基準電位差ΔVである場合に、温度Txhotにおいて温度異常を示す温度異常信号XHOTを出力する。
検査調整設備は、ステップ130において取得した、現在の温度Tm、及び温度依存電圧信号Vfを用いて、式(3)に則り温度Tmにおける温度依存電圧信号Vfと電圧Vref2との電位差ΔVmを算出する。
Figure 2021006393
そして、検査調整設備は、ステップS130において取得した基準電圧信号Vrefの電圧値が、電圧Vref1である場合の増幅率Gを、ヒューズ281−1〜281−3,282−1〜282−3のいずれかを切断することで調整する。これにより、基準電圧信号Vrefの電圧値は、温度Tmにおける温度依存電圧信号Vfとの電位差が電位差ΔVmとなる電圧Vref2に調整される。
そして、温度異常信号出力回路280は、温度依存電圧信号Vfと基準電圧信号Vrefとに基づいて温度異常信号XHOTを出力する(ステップS150)。
8.作用効果
以上のように、本実施形態における液体吐出装置1では、温度異常信号出力回路280は、温度に依存し電圧値が変動する温度依存電圧信号Vfと、温度に依存せず安定した電圧値の原基準電圧信号Vbgrの電圧値を調整した基準電圧信号Vrefとに基づいてプリントヘッド22の温度異常の有無を示す温度異常信号XHOTを出力する。ここで、基準電圧信号Vrefは、原基準電圧信号Vbgrの電圧値を調整した電圧であることから、温度に依存せず安定した電圧値のである。そして、基準電圧出力回路270は、所定の温度における温度依存電圧信号Vfの電圧値に基づいて、基準電圧信号Vrefの電圧値を調整する。これにより、温度異常信号出力回路280が、温度異常信号XHOTを出力する際の閾値を調整することが可能となり、よって、温度異常信号XHOTが出力される温度のばらつきを低減することが可能となる。すなわち、本実施形態における液体吐出装置1では、基準電圧出力回路270が、基準電圧信号Vrefの電圧値を調整するための回路を備えるだけで、温度異常信号出力回路280が、温度異常信号XHOTを出力する際の温度のばらつきを低減することができる。したがって、プリントヘッド22に基準電圧信号Vrefの電圧値を調整するだけの単純な回路構成を備えるだけで、プリントヘッド22の温度異常を高い精度で検出することが可能となる。
また、本実施形態における液体吐出装置1において、基準電圧出力回路270は、増幅器273と、増幅率調整回路274とを含む。そして、基準電圧出力回路270は、増幅率調整回路274において、原基準電圧信号Vbgrの電圧値を調整するための増幅率Gを調整することで、基準電圧信号Vrefを出力する。すなわち、本実施形態における液体吐出装置1では、基準電圧出力回路270が、基準電圧信号Vrefの電圧値を調整するために増幅器273と増幅率調整回路274とを備えるだけで、温度異常信号出力回路280が、温度異常信号XHOTを出力する際の温度のばらつきを低減することができる。よって、基準電圧出力回路270の電圧値を調整するだけの単純な回路構成で、プリントヘッド22の温度を高い精度で検出することが可能となる。
また、本実施形態における液体吐出装置1において、基準電圧出力回路270は、ヒューズ281−1〜281−3,282−1〜282−3を含み、ヒューズ281−1〜281−3,282−1〜282−3を切断するか否かによって、増幅率調整回路274における増幅率Gを調整する。すなわち、本実施形態における液体吐出装置1では、基準電圧出力回路270において、増幅率調整回路274が調整するための増幅率Gは、ヒューズ281−1〜281−3,282−1〜282−3を切断するか否かの単純な回路構成により決定される。よって、基準電圧出力回路270の電圧値を調整するだけの単純な回路構成で、プリントヘッド22の温度を高い精度で検出することが可能となる。
9.変形例
以上に説明した液体吐出装置1において、増幅率調整回路274は、直列に接続された9個の抵抗R0〜R9を含み、抵抗R0〜R8のうち、スイッチ制御信号D0〜D7により導通しているスイッチ283の一端までの抵抗成分と、スイッチ制御信号D0〜D7により導通しているスイッチ283の一端からグラウンドまでの抵抗成分とで、増幅率Gを調整しているが、増幅率調整回路274が有する抵抗の数は9個に限るものではない。例えば、増幅率調整回路274は、17個の抵抗を含んでもよい。その場合、増幅率調整回路274は、16個のスイッチ283を有し、デコーダー285は、16個のスイッチ283を制御するための16個のスイッチ制御信号Dを出力する。したがって、デコーダー285には、16個のスイッチ制御信号Dを生成するための少なくとも4ビットの切替情報Pが入力される。以上のように構成された増幅率調整回路274では、増幅率Gの調整をより繊細に行うことが可能となる。したがって、温度異常信号出力回路280が、温度異常信号XHOTを出力する際の温度のばらつきをさらに低減することができる。
以上、実施形態及び変形例について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。例えば、上記の実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…液体吐出装置、2…液体容器、10…制御機構、20…キャリッジ、21…ヘッドユニット、22…プリントヘッド、30…移動機構、31…キャリッジモーター、32…無端ベルト、40…搬送機構、41…搬送モーター、42…搬送ローラー、50…駆動信号出力回路、50a…駆動回路、60…圧電素子、90…リニアエンコーダー、100…制御回路、110…電源回路、130…ステップ、200…駆動信号選択回路、220…選択制御回路、222…シフトレジスター、224…ラッチ回路、226…デコーダー、230…選択回路、232…インバーター、234…トランスファーゲート、250…温度異常検出回路、251…コンパレーター、253…トランジスター、254…ダイオード、255,256…抵抗、260…温度依存電圧出力回路、270…基準電圧出力回路、271…BGR回路、272…非反転増幅回路、273…増幅器、274…増幅率調整回路、280…温度異常信号出力回路、281−1〜281−3…ヒューズ、282−1〜282−3…ヒューズ、283−0〜283−7…スイッチ、285…デコーダー、373…増幅器、600…吐出部、601…圧電体、611,612…電極、621…振動板、631…キャビティー、632…ノズルプレート、641…リザーバー、651…ノズル、661…インク供給口、P…媒体、R0〜R8,Ra,Rb…抵抗

Claims (7)

  1. 液体を吐出するプリントヘッドを備え、
    前記プリントヘッドは、
    温度に依存し電圧値が変動する変動電圧信号を出力する変動電圧信号出力回路と、
    温度に依存せず安定した電圧値の安定電圧信号を出力する安定電圧信号出力回路と、
    前記安定電圧信号の電圧値を調整した基準電圧信号を出力する基準電圧信号出力回路と、
    前記プリントヘッドの温度異常の有無を示す温度異常信号を出力する温度異常信号出力回路と、
    を有し、
    前記基準電圧信号出力回路は、所定の温度における前記変動電圧信号の電圧値に基づいて、前記安定電圧信号の電圧値を調整することで、前記基準電圧信号を出力し、
    前記温度異常信号出力回路は、前記変動電圧信号と前記基準電圧信号とに基づいて、前記温度異常信号を出力する、
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記変動電圧信号は、温度の上昇に伴い電圧値が小さくなる負の温度特性を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記安定電圧信号出力回路は、バンドギャップリファレンス回路である、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記基準電圧信号出力回路は、増幅回路と増幅率調整回路とを含み、
    前記増幅率調整回路は、前記増幅回路における増幅率を調整し、
    前記増幅回路は、前記増幅率調整回路により調整された前記増幅率に基づいて、前記安定電圧信号の電圧値を増幅することで前記基準電圧信号を出力する、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  5. 前記基準電圧信号出力回路は、ヒューズを含み、
    前記増幅率は、前記ヒューズを切断するか否かにより調整される、
    ことを特徴とする請求項4に記載の液体吐出装置。
  6. 第1プリントヘッドと第2プリントヘッドとを含む複数の前記プリントヘッドを備え、
    前記第1プリントヘッドは、前記変動電圧信号としての第1変動電圧信号と、前記安定電圧信号としての第1安定電圧信号を調整した第1基準電圧信号と、に基づいて第1温度異常信号を出力する第1温度異常信号出力回路を有し、
    前記第2プリントヘッドは、前記変動電圧信号としての第2変動電圧信号と、前記安定電圧信号としての第2安定電圧信号を調整した第2基準電圧信号と、に基づいて第2温度異常信号を出力する第2温度異常信号出力回路を有し、
    前記第1プリントヘッドにおいて前記第1基準電圧信号を出力する為の前記第1安定電圧信号の調整値と、前記第2プリントヘッドにおいて前記第2基準電圧信号を出力する為の前記第2安定電圧信号の調整値とは異なる、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  7. 液体を吐出する第1プリントヘッドを備えた液体吐出装置の温度検出方法であって、
    温度に依存し電圧値が変動する変動電圧信号を出力する工程と、
    温度に依存せず安定した電圧値の安定電圧信号を出力する工程と、
    所定の温度における前記変動電圧信号の電圧値に基づいて、前記安定電圧信号を調整することで、基準電圧信号を出力する工程と、
    前記変動電圧信号と前記基準電圧信号とに基づいて、温度異常信号を出力する工程と、
    を含むことを特徴とする温度検出方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023022022A1 (ja) * 2021-08-16 2023-02-23 ローム株式会社 半導体装置、車載装置

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WO2023022022A1 (ja) * 2021-08-16 2023-02-23 ローム株式会社 半導体装置、車載装置

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