JP2021004749A - 補正方法、補正装置および撮像装置 - Google Patents

補正方法、補正装置および撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】対象物で反射した電磁波の信号強度に基づく深さ方向の反射電磁波強度分布を、対象物内を進むことで電磁波が受けた減衰に応じて、適正に補正する技術を提供する。【解決手段】対象物で反射し、かつ、物体光学系によって集束された電磁波の信号強度に基づく深さ方向の反射電磁波強度分布を補正する。この補正方法は、反射電磁波強度分布において、補正対象位置を設定する工程(ステップS22)、反射電磁波強度分布において、補正対象位置よりも物体光学系側の各位置の反射電磁波強度に関する値を積算して得られる積算値に基づき、補正係数を決定する工程(ステップS23)と、補正係数を前記補正対象位置の反射電磁波強度に乗じて、前記補正対象位置の反射電磁波強度の補正値を算出する工程(ステップS24)を含む。【選択図】図10

Description

この発明は、対象物からの反射電磁波の深さ方向における強度分布を補正する技術に関する。
対象物の断層画像を、非破壊かつ非侵襲で取得する手法として、光干渉断層撮影(OCT:Optical Coherence Tomography)が知られている。OCTは、特に、眼球や皮膚などの画像診断に広く利用されているほか、例えば、容器中で培養された細胞(あるいは、細胞スフェロイド)や微生物の観察にも利用されている(例えば、特許文献1および特許文献2)。
OCTでは、光源から出射される低コヒーレンス光を照明光として対象物に入射させ、その対象物からの反射光と、光路長が既知である参照光との干渉光の強度が検出される。そして、検出された干渉光の強度(信号強度)に基づいて、対象物からの反射光の深さ方向における強度分布が求められる。また、照明光の入射位置を平面方向に走査することによって、1次元的または2次元的に反射光の強度分布が取得され、その反射光強度分布に基づいて、対象物の断層画像が生成される。
特開2018−105683号公報 特開2018−089055号公報
OCTでは、主に、入射光の散乱光が検出される。このため、計測によって得られた反射光強度分布である断層画像が示す各画素の画素値(反射光強度)は、対象物における深さ方向の各位置の構造に大きく依存する。ここで、入射光の強度が深さ方向の位置に関わらず一定であると仮定した場合、反射光強度分布は、対象物の内部構造を適切に反映したものとなる。しかしながら、実際には、入射光は、対象物内を深部側へ進むに連れて、ランベルト・ベールの法則に従って減衰し得る。同様に、各反射位置からの反射光についても、その反射位置から検出器へ向かうまでの間に減衰し得る。すると、検出器にて検出される信号強度は、一般的に、対象物の入射側(浅い側)で大きく、対象物の深部側で小さくなる。このため、反射光強度分布を表現した断層画像においては、入射側において強度が大きいことを表す輝度の画素が、深部側において反射光強度が低いことを表す低輝度の画素が、それぞれ優勢的に分布することとなる。その結果、断層画像において、対象物内の構造の位置または形状等を正確に把握することが困難な場合があった。このため、このような輝度差(強度差)を有効に低減する技術が望まれていた。
特許文献2には、検出光の複素信号データの絶対値(振幅成分)を対数変換して得られる値を、断層画像の強度情報として、断層画像を生成することが記載されている。この対数変換として、例えば、下記の式(1)を利用して、深さ方向の位置zに対応する画素の画素値S(z)(輝度)から補正画素値S´(z)に対数変換することが考えられる。
(式(1)において、「C」は、任意パラメータである。)
式(1)に示す対数変換では、位置zの画素値S(z)と、任意パラメータであるCに依存して、補正画素値S´(z)が求められる。すなわち、当該式(1)では、深さの情報が何ら考慮されず、かつ、光が対象物内を進むことによって受ける減衰の影響を補償するものではない。このため、式(1)の対数変換を適用したとしても、減衰による画素値の低下を補正することは困難である。したがって、式(1)を適用したとしても、依然として、入射側との画素と出射側の画素との間に輝度差が生じることとなる。
本発明の目的は、対象物で反射した電磁波の信号強度に基づく深さ方向の反射電磁波強度分布を、対象物内を進むことで電磁波が受けた減衰に応じて、適正に補正する技術を提供することにある。
上記課題を解決するため、第1態様は、対象物で反射し、かつ、物体光学系によって集束された電磁波の信号強度に基づく深さ方向の反射電磁波強度分布を補正する補正方法であって、(a)前記反射電磁波強度分布において、補正対象位置を設定する工程と、(b)前記反射電磁波強度分布において、前記補正対象位置よりも前記物体光学系側の各位置の反射電磁波強度に関する値を積算して得られる積算値に基づき、補正係数を決定する工程と、(c)前記補正係数を前記補正対象位置の反射電磁波強度に乗じて、前記補正対象位置の反射電磁波強度の補正値を算出する工程とを含む。
第2態様は、第1態様の補正方法であって、前記工程(b)は、前記補正対象位置よりも前記物体光学系側の位置であって、前記深さ方向に直交する平面に平行な平面方向に関して前記補正対象位置とは異なる位置の反射電磁波強度に関する値を積算することを含む。
第3態様は、第2態様の補正方法であって、前記工程(b)は、前記補正対象位置を起点に設定される積算対象領域内の各位置の反射電磁波強度に関する値を積算することを含む。
第4態様は、第3態様の補正方法であって、前記積算対象領域は、前記補正対象位置から前記物体光学系側へ向けて前記平面方向へ広がる扇状を有する。
第5態様は、第2態様から第4態様のいずれか1つの補正方法であって、前記工程(b)は、(b−1)前記補正対象位置から前記物体光学系までの間を結ぶ複数の経路それぞれについて、前記積算値を求める工程を含む。
第6態様は、第5態様の補正方法であって、前記工程(b)は、(b−2)前記工程(c−1)によって求められる、前記複数の経路それぞれの積算値と、前記複数の経路それぞれの位置に応じた重み係数との積を算出する工程と、(b−3)前記工程(c−2)によって求められる、前記複数の経路それぞれの積を積算する工程と、さらに含む。
第7態様は、第6態様の補正方法であって、前記工程(b−2)において、前記複数の経路それぞれの重み係数は、前記深さ方向に対する傾きが小さくなるほど大きくなる。
第8態様は、第1態様から第7態様のいずれか1つの補正方法であって、前記工程c)は、(c−1)前記補正係数を前記補正対象位置の反射電磁波強度に乗じた積値を算出する工程と、(c−2)前記工程(c−1)によって得られた前記積値を、所定の条件に従って正規化する工程をさらに含む。
第9態様は、対象物で反射し、かつ、物体光学系によって集束された電磁波の信号強度に基づく深さ方向の反射電磁波強度分布を補正する補正装置であって、前記反射電磁波強度分布において、補正対象位置を設定する設定部と、前記反射電磁波強度分布において、前記補正対象位置よりも前記物体光学系側の各位置の反射電磁波強度に関する値を積算して得られる積算値に基づき、補正係数を決定する補正係数決定部と、前記補正係数を前記補正対象位置の反射電磁波強度に乗じて、前記補正対象位置の反射電磁波強度の補正値を算出する補正部とを備える。
第10態様は、対象物を撮像する撮像装置であって、電磁波源から出射される電磁波を、照射用の電磁波と参照用の電磁波とに分割する分割部と、前記照射用の電磁波を集束させて対象物に入射させるとともに、前記対象物で反射した電磁波を集束させる物体光学系と、前記物体光学系によって集束された前記対象物からの電磁波と、前記参照用の電磁波との干渉電磁波を検出することによって、その干渉電磁波の信号強度に応じた干渉信号を出力する検出器と、前記干渉信号を処理することによって、前記対象物で反射した電磁波の深さ方向の強度分布を表す反射電磁波強度分布を生成する信号処理部と、第9態様の補正装置とを備える。
第1態様の補正方法によると、補正対象位置よりも物体光学系側の各位置の反射電磁波強度は、補正対象位置で反射した電磁波の減衰量に相関し得る。このため、これら各位置の反射電磁波強度に関する値を積算することによって、補正対象位置からの電磁波が受けた減衰を反映した補正係数を求めることができる。当該補正係数を、補正対象位置の反射電磁波強度に乗ずることによって、対象物内で起こる電磁波の減衰に応じて、電磁波強度を有効に補正することができる。
第2態様の補正方法によると、補正対象位置とは平面方向に異なる位置の反射電磁波強度が積算される。この場合、補正対象位置からの電磁波が平面方向に異なる各位置で受けた減衰を、補正係数に反映することができる。
第3態様の補正方法によると、補正対象位置からの電磁波が、補正対象位置を起点に設定される積算対象領域内の各位置において受けた減衰を、補正係数に反映することができる。
第4態様の補正方法によると、補正対象位置から物体光学系側へ向けて平面方向へ広がる扇状の積算対象領域内の反射電磁波強度が積算される。このため、補正対象位置から物体光学系へ拡散する反射電磁波の各経路の位置の反射電磁波強度に関する値を積算することができる。したがって、補正対象位置の反射電磁波が物体光学系へ向けて拡散することによって受けた減衰を、補正係数に反映することができる。
第5態様の補正方法によると、補正対象位置から物体光学系までを結ぶ複数の経路ごとに反射電磁波強度が積算される。この場合、補正対象位置からの電磁波が各経路で受けた減衰を、補正係数に反映することができる。
第6態様の補正方法によると、複数の経路ごとに重み係数を設定し、それぞれの経路ごとに、積算値と重み係数の積を算出し、それらが積算されることによって、補正係数が求められる。この場合、補正対象位置からの電磁波が複数の経路で受けた減衰を、各経路の位置に応じて、補正係数に反映することができる。
第7態様の補正方法によると、対象物に入射する入射電磁波の中心と、対象物からの電磁波の中心とが、物体光学系の光軸に合わせて集束される場合、補正対象位置の反射電磁波の強度は、物体光学系の光軸と平行に近づくほど大きくなる。この場合、電磁波の経路が光軸と平行に近づくほど、電磁波の減衰を受けやすい。したがって、経路が深さ方向と平行に近づくほど、重み係数を大きくすることによって、補正対象位置からの電磁波が各経路で受けた減衰を、補正係数へ有効に反映することができる。
第8態様の補正方法によると、複数の補正対象位置それぞれについて、反射電磁波強度に補正係数を乗じた積値を正規化することによって、正規化された反射電磁波強度分布を生成することができる。これにより、反射電磁波強度分布を、断層画像の生成等へ容易に適用することができる。
第9態様の補正装置によると、補正対象位置よりも物体光学系側の各位置の反射電磁波強度は、補正対象位置で反射した電磁波の減衰量に相関し得る。このため、これら各位置の反射電磁波強度に関する値を積算することによって、補正対象位置からの電磁波が受けた減衰を反映した補正係数を求めることができる。当該補正係数を、補正対象位置の反射電磁波強度に乗ずることによって、対象物内で起こる電磁波の減衰に応じて、電磁波強度を有効に補正することができる。
第10態様の撮像装置によると、補正対象位置よりも物体光学系側の各位置の反射電磁波強度は、補正対象位置で反射した電磁波の減衰量に相関し得る。このため、これら各位置の反射電磁波強度に関する値を積算することによって、補正対象位置からの電磁波が受けた減衰を反映した補正係数を求めることができる。当該補正係数を、補正対象位置の反射電磁波強度に乗ずることによって、対象物内で起こる電磁波の減衰に応じて、電磁波強度を有効に補正することができる。
実施形態に係る撮像装置の構成例を示す図である。 撮像装置における撮像原理を説明するための模式図である。 スフェロイドの断層撮像の様子を示す模式図である。 実施形態の第1変形例に係る撮像装置の構成例を示す図である。 実施形態の第2変形例に係る撮像装置の構成例示す図である。 物体光学系の焦点深さと参照基準面との位置関係を模式的に示す図である。 撮像装置において実行される1回の断層撮影の流れを示す図である。 補正処理前の断層画像を示す図である。 補正処理部が断層画像を補正処理することによって得られる補正後の断層画像を示す図である。 補正処理部が断層画像に対して実行する補正処理の流れを示す図である。 図8に示す断層画像の直線上に並ぶ複数の画素を概念的に示す図である。 補正係数のその他の求め方を説明するための概念図である。 補正係数のその他の求め方を説明するための概念図である。 対象物の内部において、深さ方向に並ぶ複数の物体を概念的に示す図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、この実施形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数が誇張又は簡略化して図示されている場合がある。
相対的または絶対的な位置関係を示す表現(例えば「一方向に」「一方向に沿って」「平行」「直交」「中心」「同心」「同軸」等)は、特に断らない限り、その位置関係を厳密に表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる範囲で相対的に角度または距離に関して変位された状態も表すものとする。等しい状態であることを示す表現(例えば「同一」「等しい」「均質」等)は、特に断らない限り、定量的に厳密に等しい状態を表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる差が存在する状態も表すものとする。形状を示す表現(例えば、「四角形状」または「円筒形状」等)は、特に断らない限り、幾何学的に厳密にその形状を表すのみならず、同程度の効果が得られる範囲で、例えば凹凸や面取り等を有する形状も表すものとする。「〜の上」とは、特に断らない限り、2つの要素が接する場合のほか、2つの要素が離れている場合も含む。
<1. 実施形態>
図1は、実施形態に係る撮像装置1の構成例を示す図である。撮像装置1は、培地中で培養されたスフェロイドSp(細胞集塊)を対象物として断層撮像し、得られたデータからスフェロイドSpの断層画像または立体像を生成する。ここでは、培地M中に配置されたスフェロイドSpを対象物とした場合について説明するが、対象物はこれに限定されない。以下の各図における方向を統一的に示すために、図1に示すようにXYZ直交座標軸を定義する。ここでは、XY平面が水平面であり、Z軸が鉛直軸である。また、図1に示すXYZ直交座標軸において、矢印の先端が向く方が+(プラス)方向であり、その逆方向が−(マイナス)方向である。ここでは、−Z方向が鉛直下向きである。
撮像装置1は、容器11を保持する保持部10を備えている。容器11は、ガラス製または樹脂製の透明な平底面110を有する浅皿状のディッシュと呼ばれる。保持部10は、容器11の開口面を上向きにし、かつ、容器11の平底面110が水平面と平行となるように、容器11を保持する。容器11には、予め、所定量の培地Mが注入される。また、その培地M中において、容器11の容器底部111にスフェロイドSpが培養される。図1では、単一の容器11内の平底面110に、単一のスフェロイドSpが図示されているが、複数のスフェロイドSpが培養されていてもよい。
撮像装置1は、撮像ユニット20を備えている。撮像ユニット20は、保持部10に保持された容器11の下方に配置されている。撮像ユニット20は、被撮像物の断層画像を非接触、非破壊(非侵襲)で撮像することが可能な光干渉断層撮像(Optical Coherence Tomography;OCT)装置としての構成を備えている。具体的には、撮像ユニット20は、光源21(電磁波源)、ビームスプリッタ22(分割部)、物体光学系23、参照ミラー24、分光器25、および光検出器26を備えている。
光源21は、例えば発光ダイオードまたはスーパールミネッセントダイオード(SLD)などの発光素子を有する。光源21は、コヒーレンス長が例えば1[μm]〜15[μm]の低コヒーレンス光源である。
撮像装置1は、装置の動作を制御する制御ユニット30、および、撮像ユニット20の可動機構を制御する駆動制御部40を備えている。制御ユニット30は、CPU(Central Processing Unit)31、A/Dコンバータ32、信号処理部33、3D復元部34、インターフェース(IF)部35、画像メモリ36およびメモリ37を備えている。制御ユニット30が備える各要素は、バス等を介して電気的に互いに接続されている。
CPU31は、所定の制御プログラムを実行することによって、撮像装置1全体の動作の制御を司る。CPU31が実行する制御プログラム、または、処理中に生成したデータは、メモリ37に適宜保存される。A/Dコンバータ32は、撮像ユニット20の光検出器26から受光量に応じて出力される信号をデジタルデータに変換する。信号処理部33は、A/Dコンバータ32から出力されるデジタルデータに基づき後述する信号処理を行って、被撮像物の断層画像を作成する。3D復元部34は、撮像された複数の断層画像の画像データに基づいて、撮像された細胞集塊の立体像(3D像)を作成する機能を有する。信号処理部33により作成された断層画像の画像データおよび3D復元部34により作成された立体像の画像データは、画像メモリ36に適宜保存される。
また、制御ユニット30は、CPU31にバスなどを介して電気的に接続される補正処理部38を備えている。補正処理部38は、信号処理部33によって得られた断層画像It(反射光強度分布)を補正する補正処理を実行する。より詳細には、補正処理部38は、補正係数を決定する補正係数決定部381と、補正値を算出する補正演算部383とを備えている。補正係数は、補正対象の画素値(反射光強度)を補正するために、当該画素値に乗じられる値である。補正処理部38が実行する補正処理の内容については、後に詳述する。
信号処理部33、3D復元部34、および補正処理部38それぞれは、CPU31がプログラムに従って動作することにより実現される機能としてもよいし、あるいは、専用回路で構成されていてもよい。また、信号処理部33、3D復元部34、および補正処理部38は、CPU31を備えるコンピュータとは別のコンピュータによって実現される機能であってもよい。
インターフェース部35は、撮像装置1と外部機器との通信を仲介する機能を有する。インターフェース部35は、外部機器と通信を行うための通信機能と、ユーザからの操作入力を受け付け、また各種の情報をユーザに報知するためのユーザインターフェース機能とを有する。インターフェース部35には、入力デバイス351および表示部352が接続されている。入力デバイス351は、例えばキーボード、マウス、タッチパネルなどを含む。入力デバイス351は、撮像装置1の機能選択や動作条件設定などに関する操作入力を受け付ける。入力デバイス351は、例えば、タッチパネル式の液晶ディスプレイを含む。表示部352は、信号処理部33によって生成された断層画像または3D復元部34によって生成された立体像など各種の処理結果を表示する。
CPU31は、駆動制御部40に制御指令を与える。駆動制御部40は、CPU31からの制御指令に応じて、撮像ユニット20の可動機構に所定の動作を実行させる。具体的には、駆動制御部40によって実行される撮像ユニット20の走査移動、および、光検出器26による受光量の検出との組み合わせによって、撮像対象物であるスフェロイドSpの断層画像が取得される。
図2は、撮像装置1における撮像原理を説明するための模式図である。図3は、スフェロイドSpの断層撮像の様子を示す模式図である。断層撮像を行うときには、撮像ユニット20の光源21から、広帯域の波長成分を含む光ビームL1が出射される。この光ビームL1は、低コヒーレンス光である。光ビームL1は、ビームスプリッタ22(分割部)に入射して2つに分割する。具体的には、光ビームL1のうちの一部が、図2中、破線矢印で示すように、入射光L2として容器11へ向かう。また、光ビームL1のうちの他の一部が、図2中、一点鎖線矢印で示すように、参照光L3(参照電磁波)として参照ミラー24へ向かう。
容器11へ向かう入射光L2は、物体光学系23を経て、容器11に入射する。より具体的には、ビームスプリッタ22から出射される入射光L2は、物体光学系23を介して、容器底部111に入射する。物体光学系23は、対物レンズなどの光学素子を有する。物体光学系23は、ビームスプリッタ22から容器11に向かう入射光L2を、容器11内の対象物(スフェロイドSp)に集束する機能、および、対象物から出射される反射光を集束して、ビームスプリッタ22へ向かわせる機能を有する。図2においては、物体光学系23の要素として、単一の対物レンズを示しているが、複数の光学素子を有していてもよい。
物体光学系23は、駆動制御部40に設けられた焦点調整機構41によって、Z軸方向へ移動可能に支持されている。このため、対象物に対する物体光学系23の焦点位置がZ軸方向へ変更可能である。以下、深さ方向(Z軸方向)における物体光学系23の焦点位置を「焦点深さ」と称する場合がある。物体光学系23の光軸AX1は、鉛直方向(Z軸方向)と平行であり、平面状の容器底部111と垂直である。また、物体光学系23への入射光L2の入射方向は、光軸AX1と平行である。また、入射光L2の中心が、光軸AX1と一致するように、物体光学系23が配置されている。
スフェロイドSpが、入射光L2に対して、ある程度の透過性を有する場合、入射光L2は、スフェロイドSpの内部に進入し、その後、そのスフェロイドSpの内部の構造物に応じて反射する。入射光L2が、例えば近赤外線である場合、当該入射光L2は、スフェロイドSpの内部まで到達することが可能である。スフェロイドSpの内部で反射した光は、散乱光として、種々の方向に放射される。その散乱光のうち、物体光学系23の集光範囲内に放射された反射光L4(反射電磁波)が、物体光学系23によって集束されて、ビームスプリッタ22へ送られる。
駆動制御部40が備えるミラー駆動機構42は、参照ミラー24の反射面が参照光L3の入射方向に対し垂直となるように、参照ミラー24を支持する。さらに、ミラー駆動機構42は、その参照光L3の入射方向に沿った方向(図2では、Y軸方向)へ、参照ミラー24を移動させる。参照ミラー24に入射する参照光L3は、参照ミラー24の反射面において反射され、その参照光L3の入射光路上を逆向き(図2では、−Y方向)に進み、ビームスプリッタ22へ向かう。ミラー駆動機構42が、参照ミラー24の位置を変更することによって、参照光L3の光路長が変化する。
参照ミラー24にて反射された参照光L3、および、スフェロイドSpの表面もしくは内部の反射面にて反射した反射光L4は、ビームスプリッタ22を介して光検出器26に入射する。このとき、参照光L3と反射光L4とが干渉することによって、それらの位相差に応じた干渉光L5(干渉電磁波)が生じる。
分光器25は、ビームスプリッタ22から光検出器26に至る干渉光L5の光路上に配置されている。分光器25は、例えば、プリズムまたは回折格子を有する。干渉光L5は、分光器25によって、異なる波長成分ごとに分光され、光検出器26に入射する。
光検出器26に入射する干渉光L5の分光スペクトルは、スフェロイドSpにおける反射面の深さに応じて異なる。すなわち、干渉光L5の分光スペクトルは、対象物の深さ方向の情報を有する。したがって、干渉光L5を波長ごとに分光して光量を検出し、その検出された干渉信号をフーリエ変換することによって、対象物における深さ方向の、反射光強度分布を求めることができる。このような原理に基づくOCTは、フーリエドメイン(Fourier Domain)OCT(FD−OCT)のうちの、スペクトル領域(Spectral Domain)OCT(SD−OCT)と称される。
光検出器26から出力される干渉信号をフーリエ変換することによって、スフェロイドSpのうち、入射光L2の入射位置における深さ方向、つまりZ軸方向の反射光強度分布が求められる。また、容器11に入射する入射光L2をX軸方向に走査することによって、XZ平面と平行な平面における反射光強度分布が求められ、その結果から、当該平面を断面とするスフェロイドSpの断層画像が生成される。以下の説明では、X軸方向へのビーム走査によってXZ平面と平行な断面における1つの断層画像Itを取得する一連の動作を、1回の断層撮像と称する。
また、必要に応じて、入射光L2の入射位置がY軸方向へ所定のピッチで多段階に変更され、その都度、1回の断層撮像が行なわれる。この複数回の断層撮像によって、図3に示すように、スフェロイドSpのXZ平面と平行な断面画像を示す、複数の断層画像Itが取得される。Y軸方向のピッチを小さくすることによって、スフェロイドSpの立体構造を把握するのに十分な分解能の画像データを取得することができる。
駆動制御部40は、入射光L2の光路を変更する不図示の光学部品(例えば、ガルバノミラー)を備えていてもよい。この場合、駆動制御部40が、当該光学部品を動作させることによって、スフェロイドSpに対する入射光L2の入射位置をX軸方向およびY軸方向に移動させてもよい。あるいは、駆動制御部40が、保持部10および撮像ユニット20のうちどちらか一方、または、これら双方を、X軸方向およびY軸方向に移動させる移動機構を備えていてもよい。この場合、駆動制御部40が、当該移動機構を動作させることによって、容器11および撮像ユニット20の相対位置関係を変化させ、これによって、入射光L2のスフェロイドSpに対する入射位置を、X軸方向およびY軸方向に移動させてもよい。
図2についての原理説明では、撮像ユニット20において光源21からの光を照明光と参照光とに分岐させる分波機能、および信号光と参照光とを合成して干渉光を生じさせる機能が、ビームスプリッタ22により実現されている。近年では、OCT装置においてこのような分波・合波機能を担うものとして、図4に示すように、光ファイバカプラが用いられる場合がある。
図4は、実施形態の第1変形例に係る撮像装置1Aの構成例を示す図である。以下の説明では、図2に示す撮像装置1が備えている要素と同一または同一機能を有する要素に、同一符号を付し、その要素の構造および機能については、詳細な説明を省略する。撮像装置1Aにおける撮像原理は、撮像装置1における撮像原理と同様であるため、詳細な説明を省略する。
撮像装置1Aは、撮像ユニット20Aを備えている。撮像ユニット20Aは、ビームスプリッタ22に代わる分波・合波器として、光ファイバカプラ220を備えている。光ファイバカプラ220には、4つの光ファイバ221,222,224,226が接続されている。光ファイバ221は、光源21に接続されており、光源21から出射される低コヒーレンス光である光ビームL1を、光ファイバカプラ220に入力する。光ファイバカプラ220は、その光源21からの光ビームL1を、光ファイバ222,224に分岐する。光ファイバ222は、物体系光路である。より具体的には、光ファイバ222の端部から出射される光(入射光L2)は、コリメータレンズ223を介して物体光学系23に入射し、物体光学系23によって集束されてフェロイドSpに入射する。また、スフェロイドSpからの反射光L4(信号光)は、物体光学系23およびコリメータレンズ223を介して、光ファイバ222に入射する。
光ファイバ224は、参照系光路である。より具体的には、光ファイバ224の端部から出射される光(参照光L3)は、コリメータレンズ225を介して参照ミラー24に入射する。参照ミラー24からの反射光(参照光L3)は、コリメータレンズ225を介して光ファイバ224に入射する。光ファイバ222を伝搬する反射光L4(信号光)、および、光ファイバ224を伝搬する参照光L3は、光ファイバカプラ220において干渉し、干渉光L5が発生する。当該干渉光L5は、光ファイバ226および分光器25を介して光検出器26に入射する。光検出器26にて検出される干渉光L5の分光スペクトルから、スフェロイドSpについての、深さ方向における反射光強度分布が求められる。
図5は、実施形態の第2変形例に係る撮像装置1Bの構成例示す図である。撮像装置1Bは、光ファイバカプラ220を備えるものの、光ファイバ224が備えられていない点で、撮像装置1Aとは相違する。また、撮像装置1Bは、光ファイバ222から出射される光の光路上に、コリメータレンズ223およびビームスプリッタ227(分割部)を備えている。撮像装置1Bでは、ビームスプリッタ227が、光源21からの光ビームL1を、入射光L2と参照光L3に分割する。そして、入射光L2の光路上に物体光学系23が配置され、参照光L3の光路上に参照ミラー24が配置されている。この場合、ビームスプリッタ227によって、反射光L4(信号光)と参照光L3とが合成される。そして、ビームスプリッタ227によって生成された干渉光L5が、光ファイバ222,226を通って、分光器25、光検出器26へと導かれる。
撮像装置1では、各光が空間を通過するのに対し、撮像装置1A,1Bでは、光路の一部が、光ファイバに置き換えられている。しかしながら、撮像装置1A,1Bの動作原理は、撮像装置1とほぼ同じである。撮像装置1A,1Bにおいても、焦点調整機構41が物体光学系23を容器11に対し接近または離間する方向に移動させることによって、スフェロイドSpに対する物体光学系23の焦点深さが調整される。また、ミラー駆動機構42が、参照ミラー24を、参照光L3の光軸に沿って移動させることによって、当該参照光L3の光路長が変更される。撮像装置1,1A,1Bの撮像原理は同じであるため、以下では、撮像装置1の撮像動作について説明する。
図6は、物体光学系23の焦点深さDTと参照基準面Srとの位置関係を模式的に示す図である。撮像装置1では、低コヒーレンス光干渉の原理上、反射光L4の光路長が参照光L3の光路長と同じになる位置が、深さ方向(Z軸方向)の基準位置となる。以下、図6に示すように、反射光L4が伝搬する物体系光路において、参照系光路における参照ミラー24の反射面と対応する面(ビームスプリッタ22からの距離が、ビームスプリッタ22から参照ミラー24の反射面までの距離と一致する面)を参照基準面Srと称する。また、物体光学系23の焦点FPを含み、かつ、物体光学系23の光軸AX1に垂直な平面を焦点面Sfと称する。また、所定の基準位置から焦点面SfまでのZ軸方向の距離を、焦点深さDTと称する。ここでは、焦点深さDTの基準位置を、スフェロイドSpが配置される容器11の平底面110(図1参照)とする。
物体系光路において、参照基準面Srに仮想的な反射面がある場合、当該反射面で反射される光の光路長(光源21から光検出器26までの入射光L2および反射光L4の光路長)は、参照ミラー24の反射面で反射される光の光路長(光源21から光検出器26までの参照光L3の光路長)と等しくなる。
スフェロイドSpが焦点面Sfに反射面を有する場合、フーリエ変換後の反射光強度分布においては、当該反射面からの反射光強度に対応する大きさの信号が、参照基準面Srから当該反射面(すなわち焦点面Sf)までの距離に対応する深さの位置に現れる。実際の被撮像物においては、種々の深さにある反射面からの反射光に対応する信号が各位置に現れる。
図7は、撮像装置1において実行される1回の断層撮影の流れを示す図である。まず、撮像の対象物であるスフェロイドSpが配置された容器11が、撮像装置1の保持部10によって一定位置に保持される(ステップS10)。この容器11の保持部10に対するセッティングは、作業者によって行なわれてもよいし、不図示の搬送装置(搬送ロボット等)によって行なわれてもよい。
続いて、制御ユニット30が、焦点調整機構41を駆動することによって、物体光学系23の焦点深さDTを、所定の初期値に合わせる(ステップS11)。ステップS11に続いて、制御ユニット30が、ミラー駆動機構42を駆動することによって、参照ミラー24を、焦点深さDTに対応する位置に配置する(ステップS12)。
ステップS12の後、制御ユニット30は、入射光L2でスフェロイドSpをX軸方向に走査する(ステップS13)。具体的には、参照ミラー24からの参照光L3とスフェロイドSpからの反射光L4との干渉光L5が分光器25によって分光され、波長ごとの信号強度が光検出器26によって検出される。光検出器26は、波長ごとの信号強度(分光スペクトル情報)を、CPU31に出力する。また、ステップS13では、駆動制御部40によってスフェロイドSpに対する入射光L2の入射位置がX軸方向に所定のピッチで変更され、その都度、上記分光スペクトル情報の取得が行なわれる。
信号処理部33は、ステップS13にて取得される分光スペクトル情報を、フーリエ変換することによって、焦点深さDTに存在する反射面からの反射強度分布を求める(ステップS14)。なお、反射光強度分布の導出は、全ての撮像が完了した後に行われてもよい。
ステップS14の後、CPU31は、焦点深さDTが所定の最終値に達したかどうかを判定する(ステップS15)。ステップS15において、焦点深さDTが最終値未満である場合(Noの場合)、焦点深さDTが、所定の1ピッチ分だけ変更される(ステップS16)。そして再び、ステップS12〜ステップS15が実行される。このように、焦点深さDTが最終値となるまで、X軸方向の主走査が繰り返し行なわれて、分光スペクトル情報の取得が行なわれる。ステップS16において、焦点深さDTを変更するピッチは、予め定められていてもよいし、作業者からの入力に応じて適宜設定されてもよい。
ステップS15において、焦点深さDTが最終値である場合(Yesの場合)、断層画像の生成が行なわれる。具体的には、信号処理部33が、焦点深さDTごとに取得される部分画像を、深さ方向に重ねることによって、XZ平面に平行な1つの断面におけるスフェロイドSpの断層画像Itを作成する(ステップS17)。
必要に応じて、Y軸方向の副走査が行なわれてもよい。すなわち、スフェロイドSpに対する入射光L2の入射位置をY軸方向に所定ピッチで変更し、その都度、ステップS11〜ステップS16を行うことによって、スフェロイドSp全体の反射強度分布を取得することができる。これにより、Y軸方向に異なる位置の断層画像Itを取得することができる。3D復元部34は、この取得された複数の断層画像Itから、スフェロイドSpの立体像を生成する。
図8は、補正処理前の断層画像It1を示す図である。図8に示す断層画像It1において、縦方向は、Z軸方向に対応しており、縦方向下向きが−Z側(すなわち、物体光学系23側)、縦方向上向きが+Z側に対応する。また、断層画像It1において、横方向は、X軸方向に対応する。また、図8に示すグラフ991は、断層画像It1上に示す縦方向に沿う直線LN1上の反射光強度分布を示す。断層画像It1において、横方向へ線状に延びる高輝度の像は、容器11の平底面110の像である。
スフェロイドSpは、形状、サイズ、屈折率が異なる構造物(細胞や細胞小器官等)を有する。このような構造物は、散乱体として、スフェロイドSpに入射した入射光L2を減衰させる。このため、図8の、断層画像It1、および、グラフ991が示すように、−Z側(物体光学系側)に向かうほど、輝度(反射光強度)が大きく、深部側へ向かうほど、輝度が小さくなる。
図9は、補正処理部38が断層画像It1を補正処理することによって得られる補正後の断層画像It2を示す図である。図9に示すグラフ992は、断層画像It2に示す直線LN1上の反射光強度分布を示す。グラフ992は、補正処理部38がグラフ991(反射高強度分布)を補正処理することによって得られるデータである。図9に示すように、補正後の断層画像It2では、−Z側と+Z側とで、画素値(反射光強度)の相違が、断層画像It1と比べて小さくなっている。このため、断層画像It2は、補正前の断層画像It1と比べて、スフェロイドSpの観察に適した、コントラストの高い画像となっている。このように、補正処理部38は、対象物であるスフェロイドSp内で起こる光の減衰を考慮して、画素値を補正する。以下、補正処理部38が実行する補正処理について説明する。ここでは、1例として、図8に示す断層画像It1を補正する場合について説明する。
図10は、補正処理部38が断層画像Itに対して実行する補正処理の流れを示す図である。図11は、図8に示す断層画像It1の直線LN1上に並ぶ複数の画素を概念的に示す図である。直線LN1上には、+Z側へ向かって、順に、画素P(x,1)、画素P(x,2)、・・・、画素P(x,z)が含まれるものとする。また、これらの画素の画素値を、順に、S(x,1)、S(x,2)、・・・、S(x,z)とする。これらの画素値は、各画素の位置からの反射光強度(反射電磁波強度)を示す。
図10に示すように、補正処理部38は、補正処理を開始すると、まず、断層画像It1の読み込みを行う(ステップS21)。続いて、補正処理部38は、断層画像It1において、補正する対象となる補正対象画素を設定する(ステップS22)。本実施形態において、補正処理部38は、補正対象位置を設定する設定部の機能を有する。ステップS22において、補正処理部38は、補正対象画素の画素値を取得して、メモリ37等に格納する。例えば、補正処理部38は、図11に示す複数の画素のうち、n番目の画素P(x,n)を補正対象画素に設定したとする。この場合、その画素P(x,n)の画素値S(x,n)を取得してメモリ37等に格納する。
続いて、補正処理部38の補正係数決定部381が、補正対象画素の補正係数を決定する(ステップS23)。補正係数は、補正対象画素P(x,n)の画素値S(x,n)に乗ぜられることによって、補正値S’(x,n)を求めるための値である。すなわち、補正対象画素P(x,n)の補正係数を、「c(x,n)」とすると、補正値S’(x,n)は、式(2)で表される。
ステップS23において、補正係数決定部381は、断層画像It1において、補正対象画素よりも物体光学系23側(−Z側)にある入射側画素の画素値を積算して得られる値を、補正係数とする。例えば、図11に示す例において、補正対象画素P(x,n)よりも物体光学系23側には、画素P(x,1),P(x,2),・・・,P(x,n−1)が存在する。補正係数決定部381は、これらの画素値S(x,1),S(x,2),・・・,S(x,n−1)を積算した値を、補正係数c(x,n)とする。すなわち、補正係数c(x,n)は、式(3)によって表される。
ステップS23において補正係数c(x,n)が決定されると、補正処理部38の補正演算部383は、上記式(2)に基づき、補正係数c(x,n)を、補正対象画素P(x,n)の画素値S(x,n)に乗ずることによって、補正対象画素P(x,n)の補正値S’(x,n)を算出する(ステップS24)。
ステップS24において、補正処理部38は、求められた補正対象画素P(x,n)の補正値S’(x,n)をメモリ37等に格納する。そして、補正処理部38は、ステップS21において読み込んだ断層画像It1の全画素について、補正値を求める補正処理が行なわれたどうかを判定する(ステップS25)。未補正の画素が存在する場合(ステップS25においてNOの場合)、補正処理部38は、ステップS22に戻って、当該未補正である画素の補正値を算出する。なお、断層画像Itの全画素について、補正処理が行われることは必須ではなく、一部の画素についてのみ補正処理が行なわれてもよい。この場合、作業者が補正を行なうべき画素群の指定を、補正処理部38が受け付け、補正処理部38が指定された画素群について、補正値を算出してもよい。
全画素について補正処理が完了した場合(ステップS25においてYESの場合)、補正処理部38は、正規化処理を実行する(ステップS26)。正規化処理は、算出された補正値を、既定のルールに従って、コンピュータ上で表現可能な画素値に変換することをいう。正規化処理では、例えば、変換後の補正値の平均値および標準偏差がそれぞれの既定値となるように、各画素の補正値が変換される。
正規化処理が完了すると、補正処理部38は、正規化された補正値に基づく補正後の断層画像It2を表示部352に出力する(ステップS27)。これにより、表示部352に補正後の断層画像It2が表示される。
撮像装置1では、スフェロイドSpの反射面からの反射光L4は、その位置よりも物体光学系23側にある構造物によって減衰する。すなわち、補正対象画素P(x,n)の位置に入射する入射光L2、または、補正対象画素P(x,n)からの反射光L4は、補正対象画素P(x,n)よりも物体光学系23側の画素P(x,1)〜P(x,n−1)の各位置に存在する構造物により、反射、散乱または吸収等され、これによって反射光L4は減衰する。したがって、反射光L4が画素P(x,1)〜P(x,n−1)の各位置で受ける減衰の大きさは、画素P(x,1)〜P(x,n−1)の画素値S(x,1)〜S(x,n−1)に相関すると考えられる。このため、画素値S(x,1)〜S(x,n−1)を積算して得られる値を、補正対象画素P(x,n)からの反射光L4が受けた減衰を反映した補正係数C(x,n)とすることができる。したがって、当該補正係数c(x,n)を補正対象画素(x,n)の画素値S(x,n)に乗ずることによって、対象物内で反射光が受けた減衰に応じて、画素値S(x,n)を有効に補正することができる。
なお、補正係数決定部381が、補正対象画素P(x,n)よりも物体光学系23側にあるすべての画素P(x,1)〜P(x,n−1)の画素値S(x,1)〜S(x,n−1)を積算することは必須ではない。補正係数決定部381は、すべての画素P(x,1)〜P(x,n−1)のうち一部だけの画素の画素値を離散的に積算することによって、補正係数c(x,n)を求めてもよい。
上記説明では、補正係数c(x,n)が、1次元の直線(例えば、直線LN1)上に並ぶ画素の画素値(反射光強度)から求められている。すなわち、補正対象画素P(x,n)とXY平面方向に同一の位置にある画素P(x,1)〜P(x,n−1)の画素値S(x,1)〜S(x,n−1)の積算値から補正係数c(x,n)が求められている。しかしながら、補正対象位置P(x,n)とはXY平面方向に異なる位置にある画素の画素値(反射光強度)を積算することによって、補正係数c(x,n)が求められてもよい。
図12は、補正係数c(x,n)のその他の求め方を説明するための概念図である。図12に示す例では、補正対象画素P(x,n)の補正係数c(x,n)を求めるため、補正係数決定部381は、積算対象領域RA1を設定する。積算対象領域RA1は、ここでは、補正対象画素P(x,n)を起点として、物体光学系23側に対応する−Z側に向かって、深さ方向に直交する+X方向および−X方向の双方に広がる、扇状の2次元領域である。本例では、積算対象領域RA1は、補正対象画素P(x,n)を頂点とする二等辺三角形である。補正係数決定部381は、この積算対象領域RA1内に含まれる各位置に対応する各画素の画素値を積算することによって、補正係数c(x,n)を求める。
図12に示す例では、X軸方向に関して、補正対象画素P(x,n)と同じ位置にある画素群の画素値だけではなく、補正対象画素P(x,n)とはX軸方向に関して異なる位置の画素群の画素値も積算される。このため、Z軸方向に平行な入射光L2または反射光L4の減衰だけでなく、Z軸方向に対して傾斜する入射光L2または反射光L4の減衰も、補正係数c(x,n)に反映することができる。
積算対象領域RA1内の各画素の画素値を積算することによって、入射光L2または反射光L4が、積算対象領域RA1内を通過することによって生じる減衰を反映した補正係数c(x,n)を求めることができる。この補正係数c(x,n)を補正処理に適用することによって、補正対象画素P(x,n)からの反射光L4が、積算対象領域RA1の各位置で受けた光の減衰を、補正係数c(x,n)に反映することができる。したがって、対象物内で反射光L4が受けた減衰に応じて、反射光強度を有効に補正することができる。
特に、積算対象領域RA1の形状を、物体光学系23によって集束される入射光L2の経路に一致させた場合、入射光L2が物体光学系23から補正対象画素P(x,n)の位置に到達するまでに受けた減衰を、補正係数c(x,n)に反映することができる。
また、積算対象領域RA1の形状を、物体光学系23に入射する反射光L4の経路に一致させることによって、補正対象画素P(x,n)からの反射光L4が物体光学系23に到達するまでに受けた減衰を、補正係数c(x,n)に反映することができる。なお、撮像装置1では、物体光学系23によって集束される入射光L2の経路と、物体光学系23に入射する反射光L4の経路とは一致する。このため、積算対象領域RA1を入射光L2の経路に一致させることは、物体光学系23に入射する反射光L4の経路に一致させることと等価である。
なお、積算対象領域RA1の形状を、物体光学系23によって集束される入射光L2の経路、または、物体光学系23に入射する反射光L4の経路よりも狭くしてもよい。いずれの場合も、補正対象画素P(x,n)の位置からの反射光L4が、積算対象領域RA1の各位置で受けた減衰を、補正係数c(x,n)に反映することができる。
補正対象画素P(x,n)の位置から、物体光学系23側へ向かう複数の経路上ごとに、画素値の積算値が求められてもよい。また、複数の経路それぞれの積算値に、複数の経路それぞれの位置に応じた重み係数を乗じた積値が求められてもよい。そして、求められた各積値を積算することによって、補正係数c(x,n)が求められてもよい。
例えば、図12に示すように、補正対象画素P(x,n)を通る2つの直線LN1,LN2を想定する。直線LN1,LN2それぞれは、反射光L4の経路に対応する。補正係数決定部381は、直線LN1,LN2上にある画素の積算値を求める。直線LN1上の積算値を「ΣS1」とし、直線LN1上の積算値を「ΣS2」とする。これにより、補正対象画素P(x,n)の位置から物体光学系23へ拡散する反射光L4の経路(直線LN1,LN2)ごとの反射光強度を積算することができる。したがって、補正対象画素P(x,n)の位置からの反射光L4が、物体光学系23へ向けて拡散することによって受けた減衰を、補正係数C(x,n)に反映することができる。
また、補正係数決定部381は、積算値ΣS1,ΣS2に対し、直線LN1,LN2の位置に応じた重み付け係数w1,w2を乗じる。そして、補正係数決定部381は、これらの積(w1×ΣS1,w2×ΣS2)を積算することによって、補正係数c(x,n)を求めてもよい。
撮像装置1では、物体光学系23によって集束される入射光L2または反射光L4の強度分布は、光軸AX1上で最も大きくなり、光軸AX1から水平方向に離れるほど小さくなる。すなわち、物体光学系23からスフェロイドSpの深部へ向かう入射光L2、および、スフェロイドSpの反射面から物体光学系23へ向かう反射光L4は、光軸AX1に対する傾きが大きくなるほど、強度が小さくなる。また、入射光L2または反射光L4の強度が大きいほど、減衰を受けやすい。そこで、補正対象画素P(x,n)に着目して、光軸AX1に平行な直線LN1の積算値ΣS1に最も大きい重み係数w1を乗じ、直線LN1よりも傾きθが大きい直線LN2の積算値ΣS2に重み係数w1よりも小さいw2を乗じることによって、入射光L2または反射光L4が各経路で受けた減衰を、その経路の位置に応じて、補正係数c(x,n)に有効に反映することができる。
図13は、補正係数c(x,n)のその他の求め方を説明するための概念図である。図13に示す補正係数c(x,n)の算出例では、補正係数決定部381は、補正対象画素P(x,n)を起点とする立体形状の積算対象領域RA2を設定する。積算対象領域RA2は、補正対象画素P(x,n)から物体光学系23側へ向かって、X軸方向およびY軸方向に広がっており、より具体的には、補正対象画素P(x,n)を頂点とする円錐状である。補正係数決定部381は、このように設定された積算対象領域RA2内に含まれる各画素の画素値を積算することによって、補正係数c(x,n)を求める。
図13に示す例では、X軸方向およびY軸方向に関して、補正対象画素P(x,n)と同じ位置にある画素群の画素値だけではなく、補正対象画素P(x,n)とは異なる位置の画素群の画素値も積算される。このため、Z軸方向に平行な入射光L2または反射光L4の減衰だけでなく、Z軸方向に対して傾斜する入射光L2または反射光L4の減衰も、補正係数c(x,n)に反映することができる。なお、Y軸方向に異なる位置にある画素の画素値は、断層画像It1の位置とはY軸方向に異なる平面を示す断層画像から、適宜取得される。
積算対象領域RA2の形状は、物体光学系23によって集束される入射光L2の経路に一致する形状、または、それよりも狭い形状としてもよい。また、積算対象領域RA2の形状は、物体光学系23に入射する反射光L4の経路に一致する形状、または、それよりも狭い形状としてもよい。
<補正係数に対する考察>
ここで、補正係数について考察する。図14は、対象物の内部において、深さ方向に並ぶ複数の物体P〜Pを概念的に示す図である。ここでは、図14に示すように、n番目の物体Pで反射した反射光L4の信号強度について検討する。
入射光L2は、物体P〜Pn−1を透過する際、その強度が減少し、物体Pで散乱する。散乱した光のうち、物体光学系23へ向かう散乱光は、反射光L4として、物体Pn−1〜Pを透過した後、光検出器26によって検出される。図14中、破線の矢印は、各物体P1〜Pnを透過した光のうち、光検出器26に検出されない散乱光を示す。入射光L2が各物体P〜Pそれぞれに入射するときの強度を、I〜Iとする。また、各物体P〜Pそれぞれを透過した直後の反射光L4の強度を、I’〜I’とする。
ここで、断層画像Itにおいて、物体Pの位置に対応する画素の画素値Sは、物体Pからの反射光L4のみから算出されるものとする。また、物体P〜Pは、入射光L2の波長よりも十分に大きく、かつ、物体P〜Pそれぞれの反射率、吸収率、透過率は独立な値とする。ここで物体P(iは1以上n以下の自然数)の反射率をR、透過率をT、吸収率をαとおき、式(4)が成り立つものとする。
物体P(i+1)に入射する入射光L2の強度Ii+1は、式(5)で表される。
ここで、物体P(i)に対する入射光L2の入射前後での光強度の損失量Lを、式(6)のように定義すると、上記式(5)は、式(7)となる。
反射率Rのうち、断層画像Itの生成に寄与する光(反射光L4)の割合をRs、寄与しない光(散乱光)の割合をRexとする。物体Pに入射する入射光L2の強度Iは、式(7)より、式(8)で表される。
そして、物体Pでの反射光L4の強度I’は、式(9)で表される。
物体Pからの反射光L4が、物体Pを再度透過するまでに、式(5)と同様に強度が減少すると仮定すると、物体Pを再度透過するときの強度I’は、式(10)で表される。
また、最終的に出力される断層画像Itの画素値Sは、式(11)に示すように、強度I’に比例する。
仮に、各物体P〜Pを透過する際の損失量をゼロとした場合、画素値Sの真値Sn_trueは、次の式(12)に示すように、RsとIの積に比例する。
しかしながら、入射光L2の強度は、光路に依存して減衰する。このため、実際の画素値Sは、真値よりも小さくなる。ここで、式(13)に示すように、画素値Sとの積をとることによって、画素値Sの真値Sn_trueを求めることが可能な補正係数Cを定義する。
補正係数cを厳密に求めるためには、入射光L2の経路中の各物体P〜Pの光学的性質を求めるとともに、各物体P〜Pへの強度Iを計算する必要がある。しかしながら、対象物が細胞のように不均質かつ不均一である場合、そのような計算は現実的でない。さらに、断層画像Itにおいては、画素値のみが使用可能である。このため、ここでは、補正係数cと画素値Sとの関係性を検討する。
補正係数cは、1≦k≦n−1において、次の式(14)で表される。ただし、nは2以上の整数とし、c=1である。
式(15)に示すように、式(14)4行目の波括弧で囲まれた部分を「A」とおき、式(14)をA=0のまわりでテイラー展開すると、補正係数Cは式(16)で表される。
式(16)における右辺を、「A」について1次の項まで、すなわち、最高次数のみについて考慮すると、式(16)は、次の式(17)に変形される。
損失量LおよびL’は、式(6)及び式(10)の定義から、式(18)となる。
よって、補正係数cおよび画素値Sの関係は、S∝Rs、かつ、SがRsに対して独立であることを用いて、式(19)で表される。
式(19)は、n番目の物体Pに由来する画素値の補正係数cが、物体P〜Pn−1に対応する画素値S〜Sn−1の和に比例することを示す。したがって、画素値S〜Sn−1の和(積算値)を補正係数cとし、この補正係数Cを画素値Sに乗ずることによって、画素値Sの真値Sn_true(補正値)を得ることができる。
式(16)に関して、ここでは、「A」について1次の項を考慮しているが、2次以上の項を考慮してもよい。例えば、n次の項までを考慮する場合であれば、画素値S〜Sn−1それぞれをn乗したものを積算して得られる値を、画素値Sの補正係数Cとしてもよい。
<2. 変形例>
以上、実施形態について説明してきたが、本発明は上記に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、補正処理部38による補正処理は、SD−OCTに基づく撮像装置1によって取得された反射光強度分布(断層画像It)に適用されている。しかしながら、この補正処理は、その他のOCTによる装置で取得された反射光強度分布の補正にも適用することができる。その他のOCTとしては、例えば、波長掃引型(Swept Source)OCT(SS−OCT)、および、時間領域(Time Domain)OCT(TD−OCT)が知られている。
SD−OCTでは、上記のとおり、分光器25で干渉光を分光することによって、波長ごとの信号強度が検出される。これに対して、SS−OCTでは、光源が出射する光の波長を高速に掃引することによって、波長ごとの信号強度が検出される。また、TD−OCTでは、参照ミラーを移動することによって、強度が高まるときの参照ミラーの位置から、反射位置が特定される。
また、補正処理部38による補正処理は、OCT以外の撮像装置によって取得された反射電磁波強度分布にも適用することが可能である。例えば、本補正処理は、共焦点顕微鏡によって取得される深さ方向の反射光強度分布に対して適用することが可能である。
また、撮像装置1,1A,1Bでは、入射光L2と反射光L4とが同軸となっているが、必ずしも同軸であることは必須ではない。例えば、対象物に対して、入射光L2を斜めに照射し、入射光L2の向きとは異なる方向に反射する反射光L4を検出することによって、反射光強度分布が取得されてもよい。
この発明は詳細に説明されたが、上記の説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
1,1A,1B 撮像装置
20,20A,20B 撮像ユニット
21 光源(電磁波源)
22,227 ビームスプリッタ(分割部)
23 物体光学系
26 光検出器
30 制御ユニット
33 信号処理部
38 補正処理部(設定部)
381 補正係数決定部
383 補正演算部
AX1 光軸
It1,It2 断層画像(反射電磁波強度分布)
L2 入射光(入射電磁波)
L3 参照光(参照電磁波)
L4 反射光(反射電磁波)
L5 干渉光(干渉電磁波)
LN1,LN2 直線(経路)
Sp スフェロイド(対象物)

Claims (10)

  1. 対象物で反射し、かつ、物体光学系によって集束された電磁波の信号強度に基づく深さ方向の反射電磁波強度分布を補正する補正方法であって、
    (a) 前記反射電磁波強度分布において、補正対象位置を設定する工程と、
    (b) 前記反射電磁波強度分布において、前記補正対象位置よりも前記物体光学系側の各位置の反射電磁波強度に関する値を積算して得られる積算値に基づき、補正係数を決定する工程と、
    (c) 前記補正係数を前記補正対象位置の反射電磁波強度に乗じて、前記補正対象位置の反射電磁波強度の補正値を算出する工程と、
    を含む、補正方法。
  2. 請求項1の補正方法であって、
    前記工程(b)は、
    前記補正対象位置よりも前記物体光学系側の位置であって、前記深さ方向に直交する平面に平行な平面方向に関して前記補正対象位置とは異なる位置の反射電磁波強度に関する値を積算することを含む、補正方法。
  3. 請求項2の補正方法であって、
    前記工程(b)は、
    前記補正対象位置を起点に設定される積算対象領域内の各位置の反射電磁波強度に関する値を積算することを含む、補正方法。
  4. 請求項3の補正方法であって、
    前記積算対象領域は、前記補正対象位置から前記物体光学系側へ向けて前記平面方向へ広がる扇状を有する、補正方法。
  5. 請求項2から請求項4のいずれか1項の補正方法であって、
    前記工程(b)は、
    (b−1) 前記補正対象位置から前記物体光学系までの間を結ぶ複数の経路それぞれについて、前記積算値を求める工程、
    を含む、補正方法。
  6. 請求項5の補正方法であって、
    前記工程(b)は、
    (b−2) 前記工程(c−1)によって求められる、前記複数の経路それぞれの積算値と、前記複数の経路それぞれの位置に応じた重み係数との積を算出する工程と、
    (b−3) 前記工程(c−2)によって求められる、前記複数の経路それぞれの積を積算する工程と、
    さらに含む、補正方法。
  7. 請求項6の補正方法であって、
    前記工程(b−2)において、前記複数の経路それぞれの重み係数は、前記深さ方向に対する傾きが小さくなるほど大きくなる、補正方法。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項の補正方法であって、
    前記工程c)は、
    (c−1) 前記補正係数を前記補正対象位置の反射電磁波強度に乗じた積値を算出する工程と、
    (c−2) 前記工程(c−1)によって得られた前記積値を、所定の条件に従って正規化する工程、
    をさらに含む、補正方法。
  9. 対象物で反射し、かつ、物体光学系によって集束された電磁波の信号強度に基づく深さ方向の反射電磁波強度分布を補正する補正装置であって、
    前記反射電磁波強度分布において、補正対象位置を設定する設定部と、
    前記反射電磁波強度分布において、前記補正対象位置よりも前記物体光学系側の各位置の反射電磁波強度に関する値を積算して得られる積算値に基づき、補正係数を決定する補正係数決定部と、
    前記補正係数を前記補正対象位置の反射電磁波強度に乗じて、前記補正対象位置の反射電磁波強度の補正値を算出する補正部と、
    を備える、補正装置。
  10. 対象物を撮像する撮像装置であって、
    電磁波源から出射される電磁波を、照射用の電磁波と参照用の電磁波とに分割する分割部と、
    前記照射用の電磁波を集束させて対象物に入射させるとともに、前記対象物で反射した電磁波を集束させる物体光学系と、
    前記物体光学系によって集束された前記対象物からの電磁波と、前記参照用の電磁波との干渉電磁波を検出することによって、その干渉電磁波の信号強度に応じた干渉信号を出力する検出器と、
    前記干渉信号を処理することによって、前記対象物で反射した電磁波の深さ方向の強度分布を表す反射電磁波強度分布を生成する信号処理部と、
    請求項9に記載の補正装置と、
    を備える、撮像装置。
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