JP2021004519A - 土壌採取装置 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1に開示の土壌採取装置は、地面に押し込んで土壌を内部に収容する筒部と、筒部に回転力を伝達する伝達部とを備えている。この土壌採取装置は、筒部の下部に土壌の取入口を有しており、取入口から筒部に収容された土壌は同じ取入口から取り出される。
本発明は、上記したような実情に鑑みて、一定量の土壌を正確に採取することができる土壌採取装置を提供するものである。
好ましくは、土壌採取装置は、前記採取管を昇降させる昇降機構を備え、前記昇降機構は、前記採取管を、土中で土壌を採取する採取位置と、前記押し出し具により土壌が押し出される取り出し位置とに移動させる。
好ましくは、前記容器は、隔壁により仕切られた複数の収容部を有し、前記複数の収容部はそれぞれ前記受入口を有するとともに、各受入口は前記押し出し具が挿入可能な挿入位置に順次移動する。
好ましくは、前記容器は、前記押し出し具の移動方向と平行な中心軸回りに回転可能であり、前記複数の収容部は、前記中心軸の周囲に周方向に並んで配置され、前記中心軸回りに回転することにより前記挿入位置に順次移動する。
以下の説明において、図1の矢印X1方向を前方、矢印X2方向を後方、矢印X方向を前後方向という。また、前後方向Xに直交する水平方向(紙面直交方向)を装置幅方向という。
図1に示すように、土壌採取装置1は走行体2に装着される。土壌採取装置1は、走行体2と共に移動することによって土壌を採取する。本実施形態の場合、走行体2はトラクタである。走行体2はトラクタには限定されないが、以下の説明では走行体2がトラクタ2であるとして説明する。トラクタ2の車体6に搭載された運転席3に着座した運転者の前側が前方であり、運転者の後側が後方である。また、トラクタ2の幅方向が装置幅方向である。
<採取管>
図1〜図7に示すように、土壌採取装置1は、土壌を採取する土壌採取具である採取管15を有している。採取管15は、土中にて移動して土壌を採取する。
採取管15は、地面G1下に配置された状態(図1、図2参照)でトラクタ2の走行に伴って移動することによって、取入口16から土壌を取り入れ、排出口17から土壌を排出する。
採取管15は円筒形であって、取入口16が開口した先端部(前端部)が水平方向(軸心方向C1)に対して傾斜している。つまり、採取管15は、円筒の前部を斜めに切り欠いた形状を有している。傾斜の方向(切り欠きの方向)は、上方から下方に向かうにつれて次第に前方に移行する方向(斜め下前方)である。
<昇降機構>
図1〜図7に示すように、土壌採取装置1は、採取管15を昇降させる昇降機構20を有している。
図1に示すように、固定体21は、トラクタ2に装着されている。より詳しくは、固定体21は、トラクタ2の後部に装着されたロータリ耕耘機4に装着されている。これにより、昇降機構20は、トラクタ2の後部に装着されたロータリ耕耘機(対地作業機)4に装着されている。
図2、図3に示すように、固定体21にはコロ部材24が取り付けられている。本実施形態の場合、コロ部材24はベアリングであって、内輪が支軸28に固定され外輪が回転可能である。コロ部材24は、昇降体23の昇降方向(図2の矢印A2方向)に間隔をあけて複数(2つ)配置されている。
駆動機構22は、昇降体23を昇降させる機構である。駆動機構22は、駆動源25と、駆動源25からの動力により回転する駆動歯車26と、駆動源25からの動力を駆動歯車26に伝達する伝達機構27とを有している。本実施形態の場合、駆動源25はモータ25であって、正方向と逆方向に回転可能な出力軸を有している。伝達機構27は、第1歯車29及び第2歯車30を有している。第1歯車29は、モータ25の出力軸に取り付けられている。第2歯車30は、第1歯車29と噛み合っている。第2歯車30は減速用歯車であって、第2歯車30の歯数は第1歯車29の歯数よりも多い。駆動歯車26は、第2歯車30と同一の軸体37に取り付けられており、第2歯車30と一体的に回転する。駆動歯車26の歯数は第2歯車30の歯数よりも少ない。軸体37は、固定体21に取り付けられた支持体38により支持されている。
図2等に示すように、昇降体23は、後縁部に沿って複数の歯23aが昇降方向A2に沿って列設されている。昇降体23に列設された歯23aは、駆動歯車26の歯と噛み合っている。昇降体23には、コロ部材24を収容可能な収容穴23bが形成されている。収容穴23bは、昇降体23の移動方向(昇降方向A2)に長い長円状に形成されている。収容穴23bには、複数(2つ)のコロ部材24が収容されている。コロ部材24の外周面は、収容穴23bの内面に当接している。収容穴23bに収容されたコロ部材24は、固定体21とカバー板32に挟まれた位置に配置されている。コロ部材24は、昇降体23の昇降に伴って、収容穴23b内における位置を変更する。具体的には、昇降体23が下降位置P1にあるときは、コロ部材24は収容穴23b内の上方位置にある(図2参照)。昇降体23が上昇位置P2にあるときは、コロ部材24は収容穴23b内の下方位置にある(図4参照)。
図2に示す採取管15が下降位置P1にある状態から、駆動源(モータ)25を駆動して出力軸を正方向(図2の矢印A31方向)に回転させると、第1歯車29が同方向に回転する。第1歯車29の回転は、第2歯車30を介して駆動歯車26に伝達され、駆動歯車26が矢印A41方向に回転する。この駆動歯車26の回転によって昇降体23が上昇する。これにより、昇降体23は上昇位置P2に移動し、採取管15が地面G1の上方に引き上げられる(図4参照)。
採取管15が下降位置P1にあるときの深さ(設定深さ)は、昇降体23の長さ、収容穴23bの長さ、昇降体23に列設された歯23aの数等を調整することによって任意に設定することが可能である。これにより、採取管15を下降位置P1としたときの深さを所望の深さに設定することができる。
先ず、図2に示すように、採取管15を地面G1下の所望深さ(設定深さ)に位置する下降位置P1とした状態でトラクタ2を走行させる。すると、採取管15の取入口16と排出口17が軸心方向C1に並んで配置されているため、土壌は採取管15の取入口16から取り入れられて排出口17から排出される(矢印D1参照)。次いで、所望の土壌採取場所において、昇降機構20を駆動して昇降体23を上昇位置P2に移動し、採取管15を地面G1の上方に引き上げる。これにより、採取管15に収容された所望の深さの土壌を所望の場所で採取することができる。
上述した土壌の採取作業において、昇降体23の厚みが採取管15の外径よりも小さいため、昇降体23が土壌から受ける抵抗を小さくすることができ、採取管15が下降位置P1において円滑に移動させることが可能となる。尚、昇降体23は、採取管15が下降位置P1にあるときに地面下に位置する部分に、土切り刃23c(図2参照)を有していてもよい。土切り刃23cは、前方(走行方向の前側)に向かうにつれて次第に幅狭となるくさび形に形成される。このような土切り刃23cを設けることによって、昇降体23が土壌から受ける抵抗を更に小さくすることができる。
以下の説明では、第2昇降機構20Bが第1昇降機構20Aと異なる点を中心に説明する。第2昇降機構20Bの構成のうち第1昇降機構20Aと共通する構成については、一部を除いて説明を省略する。第1昇降機構20Aにおいて採用された構成は、不都合がない限り、第2昇降機構20Bにおいても採用することができる。
駆動機構22は、駆動源34とねじ軸35とを有している。駆動源34はモータである。ねじ軸35は、パイプ33内に挿通されている。ねじ軸35の上端部は、駆動源(モータ)34の出力軸34aとカップリング36を介して接続されている。これにより、ねじ軸35は、駆動源34からの動力により中心軸回りに回転する。
図5に示す採取管15が下降位置P1にある状態から、駆動源(モータ)34を駆動して出力軸34aを正方向に回転すると、ねじ軸35が同方向に回転する。ねじ軸35の回転は雌ねじ部233を介して昇降体23に伝達される。すると、パイプ33及び昇降体23の上部位231が断面非円形に形成されているため、昇降体23は中心軸回りに回転せずに上昇する。これにより、昇降体23は上昇位置P2に移動し、採取管15が地面G1の上方に引き上げられる(図7参照)。
第2昇降機構20Bを使用した採取管15による土壌の採取方法は、上述した第1昇降機構20Aを使用した土壌の採取方法と同様であるため、説明を省略する。
昇降機構20の駆動(駆動源34の駆動)は、トラクタ2の運転席3に着座した運転者が切り換えスイッチを操作することによって行うことができる。この場合、運転者が土壌を採取したい所望の場所においてスイッチを一方に切り換え操作することによって、昇降機構20を駆動して昇降体23を下降位置P1から上昇位置P2に移動させて採取管15を引き上げることができる。土壌の採取が終わると、運転者がスイッチを他方に切り換え操作することによって、昇降機構20を駆動して昇降体23を上昇位置P2から下降位置P1に移動させて採取管15を再び地面下に埋没させることができる。
<蓋部材等>
図8〜図15に示すように、土壌採取装置1は、蓋部材40を備えている。蓋部材40は、採取位置(下降位置)P1と取り出し位置(上昇位置)P2との間で、取入口16からの土壌の取り入れを阻害する。採取位置P1と取り出し位置P2との間とは、採取位置P1よりも上方であって取り出し位置P2よりも下方を意味し、採取位置P1を含まない。尚、取り出し位置P2を含むことが好ましいが、含まなくてもよい。取り出し位置P2は、採取管15から土壌を取り出す位置である。
図8〜図10は、蓋部材40を用いて取入口16からの土壌の取り入れを阻害する機構(以下、「阻害機構41」という)の第1実施形態を示している。第1実施形態の阻害機構41(以下、「第1阻害機構41A」という)は、蓋部材40が採取管15の取入口16を閉鎖する。尚、図8〜図10は、軸心が水平方向に対して傾斜している採取管15に対して第1阻害機構41Aを適用した例を示しているが、軸心が水平方向に配置される採取管15に対して第1阻害機構41Aを適用してもよい。但し、蓋部材40により閉鎖される側の開口19(取入口16及び/又は排出口17)を構成する採取管15の端面は、昇降方向A2と平行な向きに配置される。
蓋部材40は、遮蔽部40aと基部40bとを有している。
遮蔽部40aは、板状であって、採取管15の取入口16を覆うことが可能な大きさ及び形状に形成されている。遮蔽部40aは、一方の面(後面)が後方(取入口16側)を向き、他方の面が前方(取入口16と反対側)を向いて配置されている。遮蔽部40aの一方の面(後面)は、昇降機構20の昇降方向A2と平行な面である。遮蔽部40aの一方の面(後面)は、採取管15の取入口16を構成する面に当接又は近接可能である。遮蔽部40aが取入口16を構成する面に当接又は近接する(取入口16を覆う)ことによって、採取管15の取入口16が閉鎖される。以下、説明の便宜上、蓋部材40の遮蔽部40aのうち、取入口16を構成する面に当接又は近接する(取入口16を覆う)領域を「取入口遮蔽領域」という。
支持機構42は、支持棒43、固定部材44、付勢手段45を有している。
支持棒43は、昇降体23及びパイプ33の前方に配置されている。支持棒43は、蓋部材40の基部40bから上方に延びている。支持棒43が延びる方向は、昇降方向A2と平行な方向である。固定部材44は、パイプ33の前側の外面に固定されており、当該外面から前方に突出している。固定部材44には貫通孔が形成されており、この貫通孔に支持棒43が挿通されている。付勢手段45はコイルばねから構成されており、このコイルばねの内部を支持棒43が貫通している。付勢手段45は、一端側が固定部材44に当接し、他端側が支持棒43の下部に設けられた鍔部43aに当接している。これにより、支持棒43は、付勢手段45によって下方に向けて付勢されている。そのため、支持棒43に取り付けられた蓋部材40も、付勢手段45によって下方に向けて付勢されている。
蓋部材40は、付勢手段45による付勢力によって下降する。図8は、蓋部材40が最下降位置(以下、「待機位置P3」という)にある状態を示している。待機位置P3は、採取位置P1よりも上方であって且つ取り出し位置P2よりも下方にある。付勢手段45は、蓋部材40に対して待機位置P3まで下降させる付勢力を付与している。蓋部材40が待機位置P3にあるとき、遮蔽部40aの取入口遮蔽領域は、地面G1よりも下方であって、採取管15の採取位置(下降位置)P1よりも上方に位置する。また、蓋部材40が待機位置P3にあるとき、蓋部材40の下端部は、採取管15の取入口16の上端部と略一致する位置(深さ)にある。
図8に示すように、採取管15が採取位置(下降位置)P1にある状態では、蓋部材40は付勢手段45の付勢力によって下降しており、待機位置P3で待機している。この状態では、採取管15の取入口16は蓋部材40によって閉鎖されていない。そのため、トラクタ2の走行に伴う採取管15の移動によって、土壌は採取管15の取入口16から取り入れられて排出口17から排出される。
上限設定部材52は、雄ねじから構成されている。この雄ねじは、パイプ33の上端部に固定された上蓋48に形成された雌ねじに螺合されてロックナットで固定されている。この雄ねじを回転させて、上蓋48からの下方(雌ねじ部233に向かう方向)への突出量を変化させることによって、雌ねじ部233の上限高さを設定して取り出し位置P2の高さを調整することが可能である。
以下の説明では、第2阻害機構41Bが第1阻害機構41Aと異なる点を中心に説明する。第2阻害機構41Bの構成のうち第1阻害機構41Aと共通する構成については、一部を除いて説明を省略する。第1阻害機構41Aにおいて採用された構成は、不都合がない限り、第2阻害機構41Bにおいても採用することができる。
蓋部材40の遮蔽部40aは、板状であって、採取管15の排出口17を覆うことが可能な大きさ及び形状に形成されている。遮蔽部40aは、一方の面が前方(排出口17側)を向き、他方の面が後方(排出口17と反対側)を向いて配置されている。遮蔽部40aの一方の面は、昇降機構20の昇降方向A2と平行な面である。遮蔽部40aの一方の面(前面)は、採取管15の排出口17を構成する面に当接又は近接可能である。遮蔽部40aが排出口17を構成する面に当接又は近接する(排出口17を覆う)ことによって、採取管15の排出口17が閉鎖される。以下、説明の便宜上、蓋部材40の遮蔽部40aのうち、排出口17を構成する面に当接又は近接する(排出口17を覆う)領域を「排出口遮蔽領域」という。基部40bは、遮蔽部40aの上端部から屈曲して前方(昇降体23側)に延びている。
蓋部材40は、付勢手段45による付勢力によって下降する。図11は、蓋部材40が待機位置P3にある状態を示している。蓋部材40が待機位置P3にあるとき、遮蔽部40aの排出口遮蔽領域は、地面G1よりも下方であって、採取管15の採取位置(下降位置)P1よりも上方に位置する。また、蓋部材40が待機位置P3にあるとき、蓋部材40の下端部は、採取管15の排出口17の上端部と略一致する位置(深さ)にある。
図11に示すように、採取管15が採取位置(下降位置)P1にある状態では、蓋部材40は付勢手段45の付勢力によって下降しており、待機位置P3で待機している。この状態では、採取管15の排出口17は蓋部材40によって閉鎖されていない。そのため、トラクタ2の走行に伴う採取管15の移動によって、土壌は採取管15の取入口16から取り入れられて排出口17から排出される。
上述したように、第2阻害機構41Bによれば、蓋部材40は、採取位置P1において排出口17を開放し、採取位置P1と取り出し位置P2との間の全域(採取位置P1を含まない)に亘って排出口17を閉鎖する。これにより、採取位置P1以外の深さで土壌が採取されることを防止できる。また、採取管15が採取位置P1から取り出し位置P2に移動する過程で、土壌が排出口17からこぼれ落ちることを確実に防止できる。
図13〜図15は、阻害機構41の更に別の実施形態を示す図である。
図13〜図15に示す実施形態の阻害機構41(以下、纏めて「第3阻害機構41C」という)は、蓋部材40が採取管15に取り付けられている。蓋部材40は、揺動によって開口19を開放又は閉鎖可能な開閉板40C1,40C2である。第3阻害機構41Cは、蓋部材40を移動可能に支持する支持機構42を備えていない。
図14に示す第3阻害機構41Cは、蓋部材40が開閉板40C2である。開閉板40C2は、揺動によって排出口17を開放又は閉鎖可能である。開閉板40C2は、上端部が排出口17の上部に取り付けられており、当該上端部を支点として揺動可能である。開閉板40C2は、付勢部材50の付勢力によって排出口17を開放する方向(矢印A7参照)に付勢されている。付勢部材50は、ねじりコイルばねであって、一端部が排出口17の上部に当接し、他端部が開閉板40C2の上部に当接している。
また、阻害機構の更に別の実施形態(図示略)として、蓋部材40が土壌の採取完了時に採取位置P1にある開口19を閉鎖可能である構成としてもよい。この場合、第1阻害機構41Aの蓋部材40又は第2阻害機構41Bの蓋部材40を、エアシリンダ等の任意の昇降機構によって上記昇降方向に昇降可能に構成し、土壌の採取完了時に蓋部材40を採取位置P1まで下降させて開口19(取入口16及び/又は排出口17)を閉鎖し、開口19を閉鎖した状態で採取管15と共に蓋部材40を取り出し位置まで上昇させる構成を採用することができる。
<押し出し具>
図16〜図19に示すように、土壌採取装置1は、採取管15に採取された土壌を押し出す押し出し具60を備えている。押し出し具60は、上述した取り出し位置P2において採取管15に採取された土壌を押し出す。
土壌採取装置1は、押し出し具60を移動させる移動機構61を備えている。図18に示すように、移動機構61は、押し出し具60を、取出口18から土壌を押し出す第1位置(実線で示す位置)と、取出口18から離脱する第2位置(仮想線で示す位置)とに移動させる。
案内筒62は、一端部と他端部が開口した筒である。案内筒62の一端部は、昇降機構20のパイプ33の外面に接続されている。図18、図19に示すように、パイプ33は、案内筒62が接続された部位と、当該部位と対向する位置に、それぞれ貫通孔33a、33bが形成されている。案内筒62の他端部には、切り換え部64の一部を構成する円筒体65が接続されている。案内筒62の中心軸方向は、パイプ33の中心軸方向に対して直角である。案内筒62は、押し出し具60を収容している。押し出し具60は、案内筒62に沿って移動可能である。押し出し具60は、第1位置(図18の実線位置)にあるとき案内筒62の一端部から突出し、第2位置(図18の仮想線位置)にあるとき案内筒62の他端部から突出する。また、押し出し具60は、第1位置にあるとき、パイプ33の貫通孔33a、33bを貫通し、先端が後述する容器90内に侵入する。
切り換え部64は、付勢部材63の付勢力に抗して押し出し具60を第2位置に保持する保持状態とこの保持を解除する解除状態とを交互に切り換える。切り換え部64が保持状態にあるとき、押し出し具60は第2位置に保持される。切り換え部64が解除状態となったとき、押し出し具60は付勢部材63の付勢力によって第1位置に移動する。
駆動源66はモータである。図19に示すように、駆動源66は、支持部材69により支持されている。支持部材69は、パイプ33の外面に突設された突設板70に取り付けられている。図18、図19等に示すように、円筒体65は、案内筒62の他端部に支軸71を介して回転可能に取り付けられている。円筒体65は、ベアリングであって、内輪が支軸71に取り付けられ、外輪が支軸71回りに回転する。図18に示すように、支軸71は、案内筒62の他端部に設けられた筒部72から突設されている。支軸71は、案内筒62の中心軸に対して直交する方向(パイプ33の中心軸方向に対して平行方向)に突出している。
大歯車75には、カム板68が取り付けられている。そのため、駆動源66を駆動することによって、カム板68は大歯車75と共に矢印A14方向に回転する。
図20は、押し出し具60が付勢部材63の付勢力によって第1位置に移動した状態を示している。この状態において、カム板68が矢印A14方向に回転すると、カム板68の受け板68bの第2部分68b2が円筒体65の外周面に当接する。
<容器>
図16〜図18に示すように、土壌採取装置1は、押し出し具60により押し出された土壌を受け入れる容器90を備えている。図24に示すように、容器90は、複数の収容部91を有している。図18、図24に示すように、容器90は扁平な円筒形に形成されている。容器90の中心は、パイプ33の外面(案内筒62が接続された側と反対側の外面)に突設された中心軸92にベアリング93を介して回転可能に支持されている。中心軸92は、押し出し具60の移動方向(案内筒62の中心軸方向と同じ)と平行に延びている。
底体94は、円板状の底板94aと、底板94aの一方の面から起立する内周壁94b及び外周壁94cとを有している。底板94aの他方の面は、パイプ33の外面(案内筒62が接続された側と反対側の外面)に当接している。底板94aには、複数の貫通孔94eが形成されている。複数の貫通孔94eは、中心軸92回りの周方向に一定間隔をあけて配置されている。内周壁94bは、円筒状に形成されている。内周壁94bは、ベアリング93の外周面に嵌合されている。これにより、底体94は、ベアリング93の外輪と共に中心軸92回りに回転可能である。外周壁94cは、内周壁94bよりも大径の円筒状に形成されている。
蓋体95は、蓋板96と、複数の収容部91を有している。蓋板96は、円板状であって、底板94aと平行に配置されている。図24では、蓋板96を透明な板(例えば、アクリル板等)から構成して容器90の内部を視認可能とした例を示しているが、蓋板96は不透明であってもよい。図18に示すように、蓋板96には、2つの貫通孔96a、96bが形成されている。2つの貫通孔96a、96bにはそれぞれねじ軸94dが貫通している。ねじ軸94dは、蓋板96から突出している。
複数の収容部91は、中心軸92回りの周方向に並んで円環状に配置されている。本実施形態の場合、収容部91の数は12個であるが、収容部91の数は特に限定されない。複数の収容部91は、隔壁98により仕切られている。収容部91は、内壁91aと外壁91bと底壁91cとを有している。内壁91aは、底体94の内周壁94b側に配置されている。外壁91bは、底体94の外周壁94c側に配置されている。内壁91a及び外壁91bは、蓋板96に固定されている。底壁91cは、底体94の底板94aに当接している。底壁91cには、複数の貫通孔91dが形成されている。複数の貫通孔91dは、中心軸92回りの周方向に一定間隔をあけて配置されている。底壁91cの貫通孔91dの位置は、底板94aの貫通孔94eの位置と対応している(重なっている)。収容部91は、隔壁98、内壁91a、外壁91b、底壁91c、蓋板96によって囲まれる空間に土壌を収容する。
<連動機構>
図16〜図19に示すように、土壌採取装置1は、採取管15の採取位置P1から取り出し位置P2への上昇に連動して受入口99を挿入位置P4に移動させる連動機構100を備えている。連動機構100は、採取管15の採取位置P1から取り出し位置P2への上昇に連動して容器90を中心軸92回りに回転させることによって、受入口99を挿入位置P4に移動させる。
図16、図25に示すように、押し上げ部材101は、パイプ33の下部に取り付けられている。図25に示すように、押し上げ部材101は、第1部位101a、第2部位101b、第3部位101cを有している。第1部位101aは、昇降体23の昇降方向(矢印A2方向)に沿って直線状に延びている。第2部位101bは、第1部位101aの上端部から屈曲して下方に延びている。第3部位101cは、第2部位101bの下端部から屈曲して水平方向(図25の紙面垂直方向)に延びている。第1部位101aの上端部には、鍔部101dが設けられている。
図18、図24に示すように、受け部材102は、容器90に取り付けられている。詳しくは、受け部材102は、底体94の外周壁94cに取り付けられている。受け部材102は、容器90の外周に沿って複数設けられている。複数の受け部材102は、容器90の外周に沿って中心軸92回りの周方向に一定間隔をあけて配置されている。受け部材102の数は、収容部91の数と同じである。各受け部材102は、各収容部91に対応する位置に配置されている。受け部材102は、基部104、支軸105、回動体106、付勢ばね107を有している。基部104は、外周壁94cに固定されている。支軸105は、基部104を貫通して設けられている。支軸105は、中心軸92と平行に延びている。回動体106は、基部104に対して支軸105回りの一方向及び他方向に回動可能である。付勢ばね107は、ねじりコイルばねであって、一端部が排出口17の外周壁94cに当接し、他端部が回動体106に当接している。付勢ばね107は、回動体106が支軸105回りの一方向に回動するように付勢している。支軸105回りの一方向は、容器90の回転方向(矢印A16で示す方向)と同じ方向である。
図26は、容器90が回転の基準位置にあり、採取管15が採取位置P1にある状態を示している。このとき、押し上げ部材101は、最下降位置にあり、受け部材102から離れている。また、複数の収容部91のうちの1つの収容部91Aの受入口99が、押し出し具60が挿入可能な挿入位置P4にある。
図27に示す状態から、土壌を採取した採取管15が更に上昇すると、押し上げ部材101が更に押し上げられる。これにより、押し上げ部材101の第3部位101cが受け部材102の回動体106に当たる(図28に仮想線で示す第3部位101cを参照)。その後、採取管15が更に取り出し位置P2まで上昇して押し上げ部材101が押し上げられることにより、押し上げ部材101の第3部位101cは仮想線位置から実線位置に移動する。これによって、受け部材102が押し上げられるため、容器90が中心軸92回りに回転する(矢印A16参照)。このときの容器90の回転角度は、収容部91の1つ分に相当する回転角度である。例えば、収容部91が12個ある場合、回転角度は360°/12=30°である。このときの容器90の回転角度を正確に規定するために、一定回転角度ずつ(例えば30°ずつ)の回転を可能とする機構を設けることが好ましい。この機構は、ラチェット機構であってもよいし、上記規制機構110と同様のコイルばね112、ボール111、凹み部94fを利用した機構であってもよい。この容器90の回転によって、収容部91Aに隣接する収容部91Bの受入口99が、押し出し具60が挿入可能な挿入位置P4に移動する。
その後、押し出し具60が後退して容器90及び採取管15から離脱した後、昇降体23が採取管15と共に下降する。昇降体23が下降する過程で、押し上げ部材101が下方にある受け部材102の回動体106に当たる(干渉する)が、回動体106が付勢ばね107の付勢力に抗して下方に回動するため、受け部材102が昇降体23の下降の妨げにはならない。また、回動体106は、下方に回動した後、付勢ばね107の付勢力によって上方に回動して元の位置(姿勢)に復帰する。
<押し出し具の移動機構の別の実施形態>
図29〜図33は、押し出し具60の移動機構61の別の実施形態(以下、第2実施形態という)を示している。上述した実施形態(以下、第1実施形態という)の押し出し具60の移動機構61は駆動源(モータ)66を備えているものであったが、第2実施形態の移動機構61(以下、「第2移動機構61B」という)は駆動源66を備えていない。第2移動機構61Bは、手動で押し出し具60を移動させる機構である。
図29に示すように、操作レバー120は、取付ブラケット123を介してロータリ耕耘機4に取り付けられている。取付ブラケット123は、ロータリ耕耘機4のトップマスト8にボルト等によって固定されている。図30に示すように、取付ブラケット123は、第1板部123aと第2板部123bとを有している、第1板部123aは、トップマスト8の側面に取り付けられている。第2板部123bは、第1板部123aの上部から水平方向に延出されている。第2板部123bの後端には、上方に向けて起立する起立部123cが形成されている。第2板部123bには、前後方向に長く延びる溝穴123dが形成されている。操作レバー120の基端部は、第1板部123aに取り付けられた横軸124に回動可能に枢支されている。横軸124は、装置幅方向に延びている。操作レバー120は、溝穴123dを貫通して延びている。操作レバー120の上端には、操作者が操作時に握るための握り部125が設けられている。操作レバー120は、横軸124を支点として溝穴123dに沿って前後方向に揺動可能である。
押し出し具60が挿通された案内筒62の外面には、支持体131が固定されている。支持体131には、第2ガイド筒132が取り付けられている。第1ガイド筒130を貫通したケーブル128は、第2ガイド筒132を貫通して更に後方に延びている。
以下、第2移動機構61Bの作用(動作)について説明する。
図30は、操作レバー120を操作していない状態を示している。この状態では、操作レバー120は、引っ張りばね127により引っ張られて後方位置にある。また、押し出し具60は、取出口18から離脱した第2位置にある。
図33は、トラクタ2の車体6に対してロータリ耕耘機4を上昇させた状態を示している。操作レバー120は、トラクタ2の車体6に対してロータリ耕耘機4が上昇したときに運転席3から操作可能な位置に配置されている。言い換えれば、操作レバー120は、運転席3に着座した運転者の手HDが操作レバー120の握り部125に届く位置に配置されている。これにより、運転者は、運転席3から降りずに操作レバー120を操作することができて作業性が良い。但し、操作レバー120の長さを長くして前方に延長する等して、車体6に対してロータリ耕耘機4を上昇させずとも操作レバー120を操作できるように構成してもよい。
<採取管の別の実施形態>
図34〜図39は、採取管(土壌採取具)15の別の実施形態を示している。図34〜図39に示す採取管15は、上述した採取管15と同様に、土中にて移動して土壌を採取する。図34〜図39に示す採取管15は、上述した採取管15に代えて土壌採取装置1に適用することができる。言い換えれば、以下に説明する採取管15は、上述した全ての実施形態の土壌採取装置1の採取管として適用することができる。
図34に示す採取管15は、取入口16が開口した先端部(前端部)及び排出口17が開口した基端部(後端部)は、軸心方向C1に対して直角である。また、採取管15の先端部と後端部が平行である。この採取管15は、直線状に延びる円筒状であって、軸心方向C1の全長に亘って外径及び内径が一定である。この採取管15は、取入口16から取り入れられた土壌を取り出すための取出口18を有している。取入口16は移動方向前方を向いて開口し、取出口18は移動方向と交差する方向(具体的には、直交する方向)を向いて開口している。取出口18は、一対の取出口18a、18bを含む。一対の取出口18a、18bは、採取管15の軸心方向C1と直交する軸方向に並んで対向して配置されている。取出口18a、18bの形状及び大きさは同じである。尚、図34に示す採取管15は、軸心方向C1と直交する面で切断した断面形状が円形であるが、断面形状を角形(三角形、四角形、六角形等)としてもよい。
筒状部15aは、移動方向前方に配置される前端部に土壌を取り入れ可能な取入口16を有し、後端部に取入口16から取り入れた土壌を排出可能な排出口17を有している。筒状部15aは、取入口16から取り入れられた土壌を取り出すための取出口18を有している。取入口16は移動方向前方を向いて開口し、取出口18は移動方向と交差する方向(具体的には、直交する方向)を向いて開口している。取出口18は、一対の取出口18a、18bを含む。一対の取出口18a、18bは、筒状部15aの軸心方向C1と直交する軸方向に並んで対向して配置されている。取出口18a、18bの形状及び大きさは同じである。
また、図35〜図38に示す採取管15の突条部15bを、図34に示す採取管15や図1〜図5等に示す採取管15に設けてもよい。
<効果>
上記実施形態の土壌採取装置1、土壌採取具(採取管15)、土壌採取装置1を備えた作業車両によれば、以下の効果を奏する。
この構成によれば、走行体2の走行に伴って土壌を採取管15の取入口16から排出口17へと円滑に流通させることができる。そのため、所望の深さの土壌を効率的に採取することができる。
この構成によれば、駆動機構22を駆動して昇降体23を昇降させることによって、走行体2に対して採取管15を昇降させることができる。そのため、走行体2の高さを基準として採取管15の高さ(深さ)を変更して設定することができる。
この構成によれば、駆動歯車26と昇降体23の歯23aの噛み合いを利用して昇降体23を昇降させることができるため、複雑な構造を必要とせずに昇降体23を確実に且つ迅速に昇降させることができる。
また、昇降体23は、採取管15が下降位置P1にあるときに地面下に位置する部分に、走行方向の前側に向かうにつれて次第に幅狭となる土切り刃23cを有している。
また、採取管15は、取入口16の中心と排出口17の中心とを結ぶ中心線が水平方向に配置されている。
また、走行体2がトラクタ2であって、昇降機構20は、トラクタ2の後部に装着された対地作業機4に装着されている。
また、土壌採取装置1は、土壌を採取する採取管15と、採取管15に採取された土壌を押し出す押し出し具60と、を備え、採取管15は、土壌を取り入れるための取入口16と、取入口16から取り入れられた土壌を取り出すための取出口18と、を有し、取入口16は採取管15の軸心方向C1の一方を向いて開口し、取出口18は軸心方向C1と交差する方向を向いて開口し、押し出し具60は、取出口18から土壌を押し出す。
また、取出口18は、対向して配置された一対の取出口18a,18bを含み、押し出し具60は、一対の取出口18a,18bの一方から他方に向けて移動して土壌を押し出す。
また、採取管15を昇降させる昇降機構20を備え、昇降機構20は、採取管15を、土中で土壌を採取する採取位置P1と、押し出し具60により土壌が押し出される取り出し位置P2とに移動させる。
また、土壌採取装置1は、押し出し具60により押し出された土壌を受け入れる容器90を備え、容器90は、土壌を受け入れる受入口99を有し、押し出し具60は、取出口18を貫通して受入口99に挿入されることにより受入口99に土壌を導く。
また、容器90は、隔壁98により仕切られた複数の収容部91を有し、複数の収容部91はそれぞれ受入口99を有するとともに、各受入口99は押し出し具60が挿入可能な挿入位置P4に順次移動する。
また、土壌採取装置1は、採取管15の採取位置P1から取り出し位置P2への上昇に連動して受入口99を挿入位置P4に移動させる連動機構100を備えている。
また、容器90は、押し出し具60の移動方向と平行な中心軸92回りに回転可能であり、複数の収容部91は、中心軸92の周囲に周方向に並んで配置され、中心軸92回りに回転することにより挿入位置P1に順次移動する。
また、土壌採取装置1は、押し出し具60を、取出口18から土壌を押し出す第1位置と、取出口18から離脱する第2位置と、に移動させる移動機構61を備え、移動機構61は、押し出し具60を第1位置に移動する方向に付勢する付勢部材63と、付勢部材63の付勢力に抗して押し出し具60を第2位置に保持する保持状態と保持を解除する解除状態とを交互に切り換える切り換え部64と、を有している。
また、土壌採取装置1は、一端部に土壌を取り入れ可能な取入口16を有する採取管15と、採取管15を、土壌の採取位置P1と、採取位置P1より上方であって且つ採取された土壌を取り出す取り出し位置P2とに昇降可能な昇降機構20と、採取位置P1と取り出し位置P2との間で取入口16からの土壌の取り入れを阻害する蓋部材40と、を備えている。
また、採取管15は、他端部に取入口16から排出された土壌を排出する排出口17を備え、蓋部材40は、採取位置P1と取り出し位置P2との間で取入口16と排出口17の少なくとも一方の開口19を閉鎖する。
また、蓋部材40は、採取位置P1において開口19を開放し、少なくとも採取位置P1よりも上方の土中において開口19を閉鎖する。
また、蓋部材40は、採取位置P1において開口19を開放し、採取位置P1と取り出し位置P2との間の全域に亘って開口19を閉鎖する。
また、蓋部材40は、採取管15が採取位置P1にあるとき、採取位置P1よりも上方であって且つ取り出し位置P2よりも下方にある待機位置P3で待機し、採取管15が採取位置P1から取り出し位置P3に向けて上昇するとき、採取管15と共に上昇する。
また、土壌採取装置1は、蓋部材40に対して待機位置P3まで下降させる付勢力を付与する付勢手段45を備え、昇降機構20は、付勢手段45の付勢力に抗して採取管15と共に蓋部材40を上昇させる。
また、昇降機構20は、上下位置が固定された固定体21と、固定体21に対して昇降可能であって且つ採取管15が取り付けられた昇降体23と、を有し、昇降体23は当該昇降体23が上昇するときに蓋部材40に当接する当接板47を有している。
また、蓋部材40は、採取管15に取り付けられ、揺動によって開口19を開放又は閉鎖可能な開閉板40C1,40C2であり、開閉板40C1,40C2は、付勢部材50の付勢力によって開口19を開放する方向に付勢されており、採取位置P1から上昇するときに土の抵抗を受けて付勢力に抗して揺動して開口19を閉鎖する。
また、土壌採取装置1は、土壌を採取する採取管15と、採取管15の位置を所定位置に設定する設定部122と、設定部122により所定位置に設定された採取管15内の土壌を採取管15外へと押し出す押し出し具60と、を備えている。
また、押し出し具60により押し出された土壌を受け入れる容器90を備え、押し出し具60は、採取管15を貫通して容器90内に侵入する。
また、採取管18は、対向して配置された一対の取出口18a,18bを有し、容器90は、土壌を受け入れる受入口99を有し、押し出し具60は、一対の取出口18a,18bを貫通して受入口99に挿入される。
また、押し出し具60を、一対の取出口18a,18bを貫通する第1位置と、取出口18から離脱する第2位置と、に移動させる移動機構61を備えている。
この構成によれば、移動機構61によって押し出し具60を移動させることにより、押し出し具60による採取管15からの土壌の押し出し作業を容易に行うことができる。
この構成によれば、操作レバー120を手動で操作することによって、採取管15の取出口18から容器90内に土壌を強い力で押し出すことができる。そのため、採取管15に採取された土壌が固まって容易に押し出せない場合であっても、確実に採取管15から土壌を押し出すことが可能である。
この構成によれば、複数の異なる場所で採取された土壌を1つの容器90に混ざることなく収容することができるとともに、それぞれの収容部91に収容された土壌を押し出し具60によって順番に押し出すことができる。
この構成によれば、昇降機構20によって採取管15を採取位置P1と所定位置(取り出し位置)P2とに移動させることができるため、土壌の採取と土壌の取り出しとを連続的に効率良く行うことができる。
この構成によれば、作業車両の運転者は、運転席3から降りずに操作レバー120を操作することができるため作業性に優れている。
この構成によれば、トラクタ2を走行させてロータリ耕耘機4により土壌を耕耘しながら並行して土壌採取も行うことができる。
また、土壌採取具(採取管)15は、土中にて移動して土壌を採取する土壌採取具であって、移動方向前方に配置される前端部に土壌を取り入れ可能な取入口16を有し、後端部に取入口16から取り入れた土壌を排出可能な排出口17を有する筒状部15aと、筒状部15aの外面に筒状部15aの外径よりも狭い幅で突設され且つ前端部から後端部にわたって延びる突条部15bと、を備えている。
また、筒状部15aは、取入口16の面積と排出口17の面積とが異なっている。
この構成によれば、取入口16からの土壌の取り入れと排出口17からの土壌の排出のバランスを調整することができる。
この構成によれば、排出口17から土壌が円滑に排出されるため、筒状部15a内に土壌が詰まることを効果的に防ぐことができる。
また、取入口16の面積は排出口17の面積よりも大きい。
この構成によれば、取入口16から筒状部15a内に土壌を円滑に取り入れることができる。
この構成によれば、土壌採取具(採取管)15が土中を移動するときに、筒状部15aの前方で突出部15b3により土を切りながら移動することができるため、土の抵抗を減少させて円滑に移動することが可能となる。
また、突出部15b3の前端が鋭角状に尖っている。
また、突条部15bの下端が鋭角状に尖っている。
この構成によれば、突条部15bの下端で土壌を切りながら移動することができるため、土の抵抗を大きく減少させて円滑に移動することが可能となる。
この構成によれば、排出口17から土壌が円滑に排出されるため、筒状部15a内に土壌が詰まることを効果的に防ぐことができる。また、筒状部15aが2つの筒状部から構成されることによって強度が向上する。
この構成によれば、取入口16と排出口17の内径を異ならせることができるとともに、内径が異なる取入口16から排出口17への土壌の流通を円滑化することができる。
また、筒状部15aは、取入口16から取り入れられた土壌を取り出すための取出口18を有し、取入口16は移動方向前方を向いて開口し、取出口18は移動方向と交差する方向を向いて開口している。
また、上記土壌採取具15を備えた土壌採取装置1によれば、土壌採取具15が土中を移動するときの土の抵抗を減少させて土壌を円滑に採取することができる。
15 採取管
16 取入口
18 取出口
18a,18b 一対の取出口
20 昇降機構
60 押し出し具
61 移動機構
63 付勢部材
64 切り換え部
90 容器
92 中心軸
98 隔壁
99 受入口
100 連動機構
1 軸心方向
P1 採取位置
P2 取り出し位置
P4 挿入位置
Claims (8)
- 土壌を採取する採取管と、
前記採取管に採取された土壌を押し出す押し出し具と、
を備え、
前記採取管は、土壌を取り入れるための取入口と、前記取入口から取り入れられた土壌を取り出すための取出口と、を有し、
前記取入口は前記採取管の軸心方向の一方を向いて開口し、前記取出口は前記軸心方向と交差する方向を向いて開口し、
前記押し出し具は、前記取出口から土壌を押し出す土壌採取装置。 - 前記取出口は、対向して配置された一対の取出口を含み、
前記押し出し具は、前記一対の取出口の一方から他方に向けて移動して土壌を押し出す請求項1に記載の土壌採取装置。 - 前記採取管を昇降させる昇降機構を備え、
前記昇降機構は、前記採取管を、土中で土壌を採取する採取位置と、前記押し出し具により土壌が押し出される取り出し位置とに移動させる請求項1又は2に記載の土壌採取装置。 - 前記押し出し具により押し出された土壌を受け入れる容器を備え、
前記容器は、土壌を受け入れる受入口を有し、
前記押し出し具は、前記取出口を貫通して前記受入口に挿入されることにより、前記受入口に土壌を導く請求項1〜3のいずれか1項に記載の土壌採取装置。 - 前記容器は、隔壁により仕切られた複数の収容部を有し、
前記複数の収容部はそれぞれ前記受入口を有するとともに、各受入口は前記押し出し具が挿入可能な挿入位置に順次移動する請求項4に記載の土壌採取装置。 - 前記採取管の前記採取位置から前記取り出し位置への上昇に連動して前記受入口を前記挿入位置に移動させる連動機構を備えている請求項5に記載の土壌採取装置。
- 前記容器は、前記押し出し具の移動方向と平行な中心軸回りに回転可能であり、
前記複数の収容部は、前記中心軸の周囲に周方向に並んで配置され、前記中心軸回りに回転することにより前記挿入位置に順次移動する請求項5又は6に記載の土壌採取装置。 - 前記押し出し具を、前記取出口から土壌を押し出す第1位置と、前記取出口から離脱する第2位置と、に移動させる移動機構を備え、
前記移動機構は、前記押し出し具を前記第1位置に移動する方向に付勢する付勢部材と、前記付勢部材の付勢力に抗して前記押し出し具を前記第2位置に保持する保持状態と前記保持を解除する解除状態とを交互に切り換える切り換え部と、を有している請求項1〜7のいずれか1項に記載の土壌採取装置。
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