JP2020532582A - リバスチグミンの経皮投与のための経皮治療システム - Google Patents

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エルテーエス ローマン テラピー−ジステーメ アーゲー
エルテーエス ローマン テラピー−ジステーメ アーゲー
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Abstract

本発明は、リバスチグミン含有層構造を含む、リバスチグミンの経皮投与のための経皮治療システム(TTS)に関し、該リバスチグミン含有層構造は:A)裏打ち層;及びB)リバスチグミン含有層を含む。

Description

発明の分野
本発明は、全身循環へのリバスチグミンの経皮投与のための経皮治療システム(TTS)、並びにその製造方法、処置方法及び使用に関する。
発明の背景
活性薬剤リバスチグミン(例えば、(S)−3−[1−(ジメチルアミノ)エチル]フェニル エチルメチルカルバメート又はCAS番号123441−03−2としても知られる)は、カルバミン酸フェニルのファミリーに属する副交感神経刺激薬又はコリン作用薬である。これは以下の化学式
Figure 2020532582
を有する。
リバスチグミンはブチリルコリンエステラーゼ及びアセチルコリンエステラーゼの両方を阻害する。一般に、リバスチグミンはアルツハイマー型の軽度から中程度の認知症及びパーキンソン病に起因する認知症の処置に使用される。
現在では、リバスチグミンは、例えばカプセル剤の形態及び経皮治療システムの形態で市販されている。
Exelon(R)の名称で市販されている経皮治療システムは、2.5、5、7.5、10、15、又は20cmの放出面積を有する。特許文献1によれば、このTTSは以下の順序で3つの層を含む:(1)裏打ち層、(2)アクリレートポリマーを含むリバスチグミン含有層、及び(3)シリコーン接着剤を含みリバスチグミンを含有しない接着層。
Exelon(R)は、パッチ寸法に依存してリバスチグミン4.5、9、13.5、18、27、又は36mgを含む。TTSは、24時間の期間にわたってリバスチグミン約2.3、4.6、6.7、9.5、13.3、又は17.4mgを送達するように設計される。
Exelon(R)に関連する1つの問題は、現在利用可能なパッチが皮膚刺激を引き起こす傾向があることである。さらに、Exelon(R)パッチの経済的に不利な点は、製造のプロセスであり、パッチが2つの異なる接着層を裏打ち層上に含むので、これが製造のプロセスをより複雑にする。
したがって、Exelon(R)と比較してより複雑でない構造を有し、それ故に製造に関してより費用の低いTTSを提供することが望ましい。
EP 2292219 B2
本発明の目的及び要旨
現在の市販されているリバスチグミンTTS Exelon(R)と比較して改善されたリバスチグミンの経皮投与のためのTTSを提供することが本発明の目的である。
現在市販されているリバスチグミンTTSよりも複雑でない構造を有するリバスチグミンの経皮投与のためのTTS、たとえば、裏打ち層及びリバスチグミン含有層のみを含み、その結果、費用及びTTSの製造の複雑さを先行技術と比較して低減することができるTTSを提供することが、本発明のさらなる目的である。同時に、より複雑でない構造を有するTTSは、患者の皮膚への投与期間の間、少なくとも12時間、好ましくは約24時間(1日)、適切な薬物送達特性及び血漿濃度を生じることが目的である。。
より一定でかつ連続的なリバスチグミン送達を有するリバスチグミンの経皮投与のためのTTSを提供することが本発明のさらなる目的である。
患者の皮膚へのTTSの投与期間の間、少なくとも12時間、好ましくは約24時間(1日)、ほぼ一定の速度でリバスチグミン約150〜3500μg/cmを送達する、リバスチグミンの経皮投与のためのTTSを提供することが本発明の目的である。
現在市販されているリバスチグミンTTS Exelon(R)と比較して、リバスチグミンの同等の送達特性、例えば治療上有効な血漿濃度を生じる、リバスチグミンの経皮投与のためのTTSを提供することが本発明の別の目的である。
リバスチグミンの治療上有効な血漿濃度が、患者の皮膚への投与期間の間24時間、上記経皮治療システムにより提供され、毎日のTTSの交換を可能にする、リバスチグミンの経皮投与のためのTTSを提供することが本発明の特定の実施態様のさらなる目的である。
アルツハイマー病、パーキンソン病に関連する認知症、及び/もしくは外傷性脳損傷の症状を予防するか、処置するもしくは進行を遅らせる方法における使用のため、又はアルツハイマーもしくはパーキンソン病病により引き起こされる軽度から中程度の認知症を処置する方法における使用のために適したリバスチグミンの経皮投与のためのTTSを提供することが本発明のさらなる目的である。
有意な皮膚刺激問題を引き起こすことのないリバスチグミンの経皮投与のためのTTSを提供することが本発明の別の目的である。
驚くべきことに、これらの目的及びその他のうちの少なくとも1つが本発明により達成されるということが今や見いだされており、この本発明は、一局面によれば、リバスチグミン含有層構造を含むリバスチグミンの経皮投与のための経皮治療システムに関し、該リバスチグミン含有層構造は:
A)裏打ち層;及び
B)リバスチグミン含有層;
を含み、ここで経皮治療システムは、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含む。
シリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含む本発明に従うTTSは、一定かつ連続的なリバスチグミン送達という点で有利な特性を提供するということが見いだされた。さらに、このTTSは、上で説明されたように裏打ち層上に2つの層を含むExelon(R)よりも複雑でない構造を必要とする。代わりに、たとえTTSが裏打ち層及びリバスチグミン含有層、好ましくはリバスチグミン含有マトリックス層しか含んでいなくとも、本発明に従うTTSは、24時間の期間にわたってリバスチグミンの適切な透過速度及び適切な透過量を生じる。特に、速度制御膜を使用することは必要とされない。したがって、本発明に従うTTSは、Exelon(R)よりも低い複雑さの構造を有し、かつ製造に関して費用が少ない。
特定の実施態様によれば、本発明はまた、上記のようなリバスチグミンの経皮投与のための経皮治療システムに関し、ここでリバスチグミン含有層は:
1.リバスチグミン、及び
2.シリコーンアクリルハイブリッドポリマー
を含むリバスチグミン含有マトリックス層である。
1つの特定の局面によれば、本発明は、リバスチグミン含有層構造を含む、リバスチグミンの経皮投与のための経皮治療システムに関し、該リバスチグミン含有層構造は:
A)裏打ち層;並びに
B)
1.リバスチグミン含有層の総質量に基づいて10〜25質量%の量のリバスチグミン;
2.リバスチグミン含有層の総質量に基づいて45〜90質量%の量の、連続的シリコーン外部相及び不連続アクリル内部相を含有するシリコーンアクリルハイブリッドポリマー;及び
3.場合により、リバスチグミン含有層の総質量に基づいて10〜30質量%の量のポリシロキサンに基づく感圧接着剤;
を含むリバスチグミン含有層を含み、
ここで該リバスチグミン含有層は皮膚接触層であり;
そして該リバスチグミン含有層の面積質量は60〜180g/mの範囲に及ぶ。
1つの特定の局面によれば、本発明は、リバスチグミン含有層構造を含む、リバスチグミンの経皮投与のための経皮治療システムに関し、該リバスチグミン含有層構造は:
A)裏打ち層;並びに
B)
1.リバスチグミン含有層の総質量に基づいて10〜25質量%の量のリバスチグミン;
2.リバスチグミン含有層の総質量に基づいて40〜90質量%の量の、連続的アクリル外部相及び不連続シリコーン内部相を含有するシリコーンアクリルハイブリッドポリマー;及び
3.場合により、リバスチグミン含有層の総質量に基づいて5〜40質量%の量の感圧接着剤;
を含むリバスチグミン含有層
を含み、
ここで該リバスチグミン含有層は皮膚接触層であり;
そして該リバスチグミン含有層の面積質量は60〜180g/mの範囲に及ぶ。
本発明の特定の実施態様によれば、本発明に従う経皮治療システムは、ヒト患者を処置する方法における使用のため、好ましくはアルツハイマー病、パーキンソン病に関連する認知症、及び/もしくは外傷性脳損傷の症状を予防するか、処置するか、もしくはそれらの進行を遅延させる方法における使用のため、又はアルツハイマー病もしくはパーキンソン病により引き起こされる軽度から中程度の認知症を処置する方法における使用のためのものである。
本発明の特定の実施態様によれば、本発明に従う経皮治療システムは、患者の皮膚に本発明に従う経皮治療システムを適用することにより、ヒト患者を処置する方法のため、特にアルツハイマー病、パーキンソン病に関連する認知症、及び/もしくは外傷性脳損傷の症状を予防するか、処置するかもしくはそれらの進行を遅延させるため、又はアルツハイマー病及びパーキンソン病により引き起こされる軽度から中程度の認知症を処置するためのものである。
別の局面によれば、本発明は、本発明に従う経皮治療システムにおける使用のためのリバスチグミン含有層を製造するための方法に関し、該方法は:
1)少なくとも成分
1.得られるリバスチグミン含有層中のリバスチグミンの量が、リバスチグミン含有層の総質量に基づいて10〜25質量%になるような量のリバスチグミン;
2.シリコーンアクリルハイブリッドポリマー、及び
3.場合により、少なくとも1つのさらなる非ハイブリッドポリマー及び/又は添加剤
を混合して、コーティング組成物を得る工程;
2)裏打ち層又は剥離ライナー上にコーティング組成物をコーティングする工程;並びに
3)コーティングされたコーティング組成物を乾燥して、リバスチグミン含有層を形成する工程
を含み、
ここで好ましくは、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは溶液として供給され、ここで溶媒は酢酸エチル又はn−ヘプタンである。
定義
本発明の意義の範囲内で、用語「経皮治療システム」(TTS)は、それにより活性薬剤(例えば、リバスチグミン)が経皮送達を介して全身循環に投与されるシステムを指し、そして場合により存在する剥離ライナーを除去した後に患者の皮膚に適用される個々の投薬単位全体を指し、そしてこれは活性薬剤含有層構造中に治療有効量の活性薬剤、及び場合により活性薬剤含有層構造の上にさらなる接着性オーバーレイを含む。活性薬剤含有層構造は、剥離ライナー(取り外し可能な保護層)上に位置し得、したがって、TTSは剥離ライナーをさらに含み得る。本発明の意義の範囲内で、用語「TTS」は特に、例えば、イオン泳動又はマイクロポレーションを介する能動送達を除く、経皮送達を提供するシステムを指す。経皮治療システムはまた、経皮薬物送達システム(TDDS)又は経皮送達システム(TDS)とも呼ばれ得る。
本発明の意義の範囲内で、用語「リバスチグミン含有層構造」は、治療有効量のリバスチグミンを含有する層構造を指し、そして裏打ち層及び少なくとも1つの活性薬剤含有層を含む。好ましくは、リバスチグミン含有層構造はリバスチグミン含有自己接着層構造である。
本発明の意義の範囲内で、用語「治療有効量」は、TTSにより患者に投与された場合に、アルツハイマー病、パーキンソン病に関連する認知症、及び/又は外傷性脳障害の症状を予防するか、処置するか又はそれらの進行の遅延を提供するために十分なTTS中の活性薬剤の量を指す。TTSは通常は、皮膚及び全身循環に実際に供給されるよりもシステム中により多くの活性物質(active)を含有する。この過剰量の活性薬剤は、全身循環へのTTSからの送達のための十分な駆動力を提供するために通常必要である。
本発明の意義の範囲内で、用語「活性物質」、「活性薬剤」など、さらに用語「リバスチグミン」は、いずれかの薬学的に許容しうる化学形態及び形態学的形態及び物理的状態のリバスチグミンを指す。これらの形態としては、限定することなく、その遊離塩基/遊離酸の形態のリバスチグミン、プロトン化又は部分的にプロトン化したリバスチグミン、リバスチグミン塩、共結晶及び特に無機又は有機酸/塩基の付加により形成される酸/塩基付加塩、例えばリバスチグミン塩酸塩又はリバスチグミン酒石酸塩、溶媒和物、水和物、クラスレート、錯体など、さらには微粉化、結晶性及び/又は非晶質であり得る粒子の形態のリバスチグミン、並びに前述の形態のいずれかの混合物が挙げられる。溶媒のような媒体中に含有されるリバスチグミンは、溶解されても分散されていてもよく、又は部分的に溶解されていても部分的に分散されていてもよい。
リバスチグミンがTTSの製造において特定の形態で使用されると述べられる場合、これは、この形態のリバスチグミンとリバスチグミン含有層構造中の他の成分との間の最終TTSにおける相互作用、例えば塩形成又は複合体化を排除しない。これは、たとえリバスチグミンがその遊離塩基/酸形態で含まれても、最終TTSにおいてプロトン化もしくは部分的にプロトン化されて/もしくは脱プロトンもしくは部分的に脱プロトンされた形態で又は酸付加塩の形態で存在していてもよく、又は塩の形態で含められる場合、その部分は最終TTS中で遊離塩基として存在していてもよいということを意味する。別の指示がなければ、特に層構造中のリバスチグミンの量は、TTSの製造の間にTTS含められるリバスチグミンの量に関連し、そして遊離塩基の形態のリバスチグミンに基づいて計算される。例えば、a)0.1mmol(25.03mgに等しい)リバスチグミン塩基、又はb)0.1mmol(40.04mgに等しい)リバスチグミン酒石酸塩が製造の間にTTSに含まれる場合、層構造中のリバスチグミンの量は、本発明の意義の範囲内で、両方の場合に0.1mmol又は25.03mgである。
TTSの製造の間にTTSに含められるリバスチグミン出発物質は、粒子の形態であってもよい。リバスチグミンは、例えば活性薬剤含有層構造中に粒子の形態でかつ/又は溶解された形態で存在し得る。
本発明の意義の範囲内で、用語「粒子」は、個々の粒子を構成する固形粒状材料を指し、それらの寸法は材料と比較して無視できる。特に粒子は固体であり、これらとしてはプラスチック/非晶質を含む変形可能な固形物、及び結晶性物質が挙げられる。
本発明の意義の範囲内で、用語「分散させること」は、出発物質(例えば、リバスチグミン)の全てが溶解されるわけではない工程又は工程の組み合わせを指す。本発明の意味における分散させることは、出発物質の溶解性(例えば、コーティング組成物におけるリバスチグミンの溶解性)に依存して出発物質(例えば、リバスチグミン粒子)の一部の溶解を含む。
活性薬剤送達のための2つの主要な型のTTSがある、すなわちマトリックス型TTS及びリザーバ型TTS。マトリックス型TTSにおける活性薬剤の放出は、活性薬剤自体を含むマトリックスにより主に制御される。それらと対照的に、リザーバ型TTSは、典型的には活性薬剤の放出を制御する速度制御膜を必要とする。原理上は、マトリックス型TTSも速度制御膜を含有していてもよい。しかし、マトリックス型TTSは、リザーバ型TTSと比較して、通常は速度決定膜を必要とせず、そして膜破裂による用量ダンピングが発生し得ないという点で有利である。要約すれば、マトリックス型経皮治療システム(TTS)は、製造の複雑さがより少なく、そして患者が使用しやすくかつ好都合である。
本発明の意義の範囲内で、「マトリックス型TTS」は、ポリマー担体、すなわちマトリックス内に活性物質が均一に溶解され、かつ/又は分散され、これが活性薬剤及び場合により残留成分とともにマトリックス層を形成するシステム又は構造を指す。このようなシステムにおいて、マトリックス層はTTSからの活性薬剤の放出を制御する。好ましくは、マトリックス層は他の層間のシーリングが必要ないように自立するために十分な凝集性を有する。したがって、活性薬剤含有層は、本発明の一実施態様において活性薬剤含有マトリックス層であり得、ここで活性薬剤はポリマーマトリックス内に均一に分布されている。特定の実施態様において、活性薬剤含有マトリックス層は2つの活性薬剤含有マトリックス層を含み得、これらは一緒に積層され得る。マトリックス型TTSは、特に「薬物溶解型粘着剤(drug−in−adhesive)」型TTSの形態であってもよく、これは活性物質が感圧接着剤マトリックス内に均一に溶解及び/又は分散されているシステムを指す。これに関連して、活性薬剤含有マトリックス層は、活性薬剤含有感圧接着剤層又は活性薬剤含有感圧接着剤マトリックス層とも呼ばれ得る。ポリマーゲル、例えばヒドロゲル内に溶解及び/又は分散された活性薬剤を含むTTSもまた、本発明に従うマトリックス型であると考えられる。
液体活性薬剤含有リザーバを有するTTSは、「リザーバ型TTS」という用語で呼ばれる。このようなシステムにおいて、活性薬剤の放出は、好ましくは速度制御膜により制御される。特に、リザーバは裏打ち層と速度制御膜との間に密封される。したがって、活性薬剤含有層は、一実施態様において、活性薬剤含有リザーバ層であってもよく、これは好ましくは活性薬剤を含む液体リザーバを含む。さらに、リザーバ型TTSは、典型的には皮膚接触層をさらに含み、ここでリザーバ層及び皮膚接触層は速度制御膜により分離され得る。リザーバ層において、活性薬剤は好ましくはエタノールもしくは水のような溶媒中又はシリコーンオイル中に溶解される。皮膚接触層は典型的には接着特性を有する。
リザーバ型TTSは、本発明の意義の範囲内でマトリックス型であると理解されるべきではない。しかし、マイクロリザーバ(microreservoir)TTS(外部ポリマー層中に分散された内部活性物質含有層の沈着物(例えば、球、液滴)を有する二相システム)は、均一な単相マトリックス型TTS及びリザーバ型TTSとは薬物輸送及び薬物送達の考え方において異なるマトリックス型TTSとリザーバ型TTSとから混合されるものと当該分野では考えられており、本発明の意義の範囲内ではマトリックス型であるとみなされる。マイクロリザーバ液滴の寸法は、必要な検出限界に依存して10倍と400倍との間の拡大倍率で異なる位置でマイクロリザーバの写真を撮影することによる光学顕微鏡測定(例えばカメラ、例えばLeica DSC320を含むLeica MZ16により)により決定することができる。画像解析ソフトウェアを使用することにより、マイクロリザーバの寸法を決定することができる。
本発明の意義の範囲内で、用語「活性薬剤含有層」は、活性薬剤を含有し、そして放出面積を提供する層を指す。この用語は、活性薬剤含有マトリックス層及び活性薬剤含有リザーバ層を含める。活性薬剤含有層が性薬剤含有マトリックス層である場合、その層はマトリックス型TTSに存在する。ポリマーが感圧接着剤である場合、マトリックス層はTTSの接着層を表していてもよく、その結果さらなる皮膚接触層は存在しない。あるいは、さらなる皮膚接触層は接着層として存在していてもよく、かつ/又は接着性オーバーレイが設けられる。さらなる皮膚接触層は、典型的には活性薬剤を含まないように製造される。しかし、濃度勾配に起因して、活性薬剤は、時間が経つにつれ、平衡に達するまでマトリックス層からさらなる皮膚接触層へ移動する。さらなる皮膚接触層は、活性薬剤含有マトリックス層上に存在していても、膜、好ましくは速度制御膜により活性薬剤含有マトリックス層と隔てられてもよい。好ましくは、活性薬剤含有マトリックス層は、さらなる皮膚接触層が存在しないように十分な接着特性を有する。活性薬剤含有層が活性薬剤含有リザーバ層である場合、該層はリザーバ型TTSに存在し、そして層は液体リザーバ中に活性薬剤を含む。さらに、好ましくはさらなる皮膚接触層は、接着特性をもたらすために存在する。好ましくは、速度制御膜は、リザーバ層をさらなる皮膚接触層と隔てる。さらなる皮膚接触層は、それが活性薬剤を含まないようにも、活性薬剤を含有するようにも製造され得る。さらなる皮膚接触層が活性薬剤を含まない場合、活性薬剤は、濃度勾配によりリザーバ層から皮膚接触層に時間が経つにつれて平衡に達するまで移動する。さらに、接着性オーバーレイが設けられ得る。
本明細書で使用される活性薬剤含有層は好ましくは活性薬剤含有マトリックス層であり、そしてこれは最終凝固層と呼ばれる。好ましくは、活性薬剤含有マトリックス層は、本明細書に記載されるような溶媒含有コーティング組成物をコーティングし、そして乾燥した後に得られる。あるいは、活性薬剤含有マトリックス層は融解コーティングそして冷却後に得られる。活性薬剤含有マトリックス層はまた、同じ組成の2つ又はそれ以上のこのような凝固層を積層し(例えば、乾燥又は冷却された層)、そして所望の面積質量とすることにより製造され得る。マトリックス層は自己接着性でもよく(感圧接着剤マトリックス層)、又はTTSは十分な粘着性を提供するために感圧接着剤のさらなる皮膚接触層を含んでいてもよい。好ましくは、マトリックス層は感圧接着剤マトリックス層である。場合により、接着剤オーバーレイが存在していてもよい。
本発明の意義の範囲内で、用語「感圧接着剤」(「PSA」とも略される)は、特に指の圧力で接着し、永続的に粘着性であり、強い保持力を発揮し、そして残留物を残さずに滑らかな表面から取り外せる材料を指す。感圧接着剤層は、皮膚と接触した場合、「自己接着性」である、すなわち、皮膚に対する接着を提供し、その結果典型的には皮膚上の固定のためにさらなる補助を必要としない。「自己接着性」層構造としては、皮膚接触のための感圧接着剤層が挙げられ、これは感圧接着剤マトリックス層の形態又はさらなる層、すなわち感圧接着剤皮膚接触層の形態で提供され得る。接着性オーバーレイは接着を促進するためになお使用され得る。感圧接着剤の感圧接着特性は、使用されるポリマー又はポリマー組成物に依存する。
本発明の意義の範囲内で、用語「シリコーンアクリルハイブリッドポリマー」は、シリコーン亜種及びアクリレート亜種の繰り返し単位を含む重合生成物を指す。したがって、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーはシリコーン相及びアクリル相を含む。用語「シリコーンアクリルハイブリッド」は、単にシリコーン系亜種とアクリレート系亜種との単純なブレンドにとどまらないものを示す。代わりに、この用語は、一緒に重合されているシリコーン系亜種とアクリレート系亜種を含む重合ハイブリッド化学種を示す。用語アクリレート及びアクリルは本発明において使用されるハイブリッドポリマーの文脈において交換可能に一般に使用されるので、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは「シリコーンアクリレートハイブリッドポリマー」とも呼ばれ得る。
本発明の意義の範囲内で、用語「シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤」は、感圧接着剤の形態のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを指す。シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤は、例えばEP2 599 847及びWO2016/130408に記載される。シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤の例としては、Dow Corningによるn−ヘプタン又は酢酸エチル中で製造及び提供されるPSAシリーズ7−6100及び7−6300(7−610X及び7−630X;X=1 n−ヘプタンベース/X=2酢酸エチルベース)が挙げられる。シリコーンアクリルハイブリッドPSAが供給される溶媒に依存して、シリコーン又はアクリルの連続的外部相及び対応する不連続内部相を生じるシリコーン相及びアクリル相の配置が異なることが見いだされた。シリコーンアクリルハイブリッドPSAがn−ヘプタン中で供給される場合、組成物は連続的シリコーン外部相及び不連続アクリル内部相を含有する。シリコーンアクリルハイブリッドPSA組成物が酢酸エチル中で供給される場合、組成物は連続的アクリル外部相及び不連続シリコーン内部相を含有する
本発明の意義の範囲内で、用語「非ハイブリッドポリマー」は、ハイブリッド化学種を含まないポリマーについて同意語として使用される。好ましくは、非ハイブリッドポリマーは感圧接着剤(例えば、シリコーン系又はアクリレート系の感圧接着剤)である。
本発明の意義の範囲内で、用語「アクリレート又はメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着組成物」は、シリコーン樹脂、シリコーンポリマー、及び上記アクリレート又はメタクリレート官能基をもたらすケイ素含有キャッピング剤の縮合反応生成物を含む。当然のことながら、ケイ素含有感圧接着組成物は、アクリレート官能基のみを含んでいても、メタクリレート官能基のみを含んでいても、又はアクリレート官能基及びメタクリレート官能基の両方を含んでいてもよい。
本明細書で使用される、活性薬剤含有マトリックス層は、少なくとも1つのポリマー中に溶解もしくは分散されている活性薬剤を含有するか、又は溶媒中に溶解された沈着物(特に液滴)の形態で分散されている活性薬剤−溶媒混合物を形成する活性薬剤を含有する層である。好ましくは、少なくとも1つのポリマーは、ポリマー系感圧接着剤(例えば、シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤)である。本発明の意義の範囲内で、用語「感圧接着剤層」は、溶媒含有接着性コーティング組成物からフィルム上のコーティング及び溶媒の蒸発の後得られる感圧接着剤層を指す。
本発明の意義の範囲内で、用語「皮膚接触層」は、投与の間患者の皮膚と直接接触するように活性薬剤含有層構造に含まれる層を指す。これは活性薬剤含有層であってもよい。TTSがさらなる皮膚接触層を含む場合、活性薬剤含有層構造の他の層は皮膚に接触せず、かつ必ずしも自己接着特性を有していない。上で概説したように、活性薬剤含有層に付着されたさらなる皮膚接触層は、時間が経つにつれて活性薬剤の一部を吸収し得る。さらなる皮膚接触層は接着を促進するために使用され得る。さらなる皮膚接触層及び活性薬剤含有層の寸法は、通常は同一の広がりを持ち、そして放出面積に相当する。しかし、さらなる皮膚接触層の面積は活性薬剤含有層の面積より大きくてもよい。このような場合、放出面積はなお活性薬剤含有層の面積を指す。
本発明の意義の範囲内で、用語「面積質量」は、特定の層、例えばマトリックス層の乾燥質量を指し、g/mで与えられる。面積質量値は、製造変動性に起因して±10%、好ましくは±7.5%の許容誤差がある。
別の指示がなければ、「%」は質量%(weight−%)(質量%(% by weight))を指す。
本発明の意義の範囲内で、用語「ポリマー」は、1つ又はそれ以上のモノマーを重合させることにより得られるいわゆる繰り返し単位からなる物質を指し、これらとしては、1種類のモノマーからなるホモポリマー及び2つ又はそれ以上の種類のモノマーからなるコポリマーが挙げられる。ポリマーは、コポリマーの場合いずれかのモノマー配置、例えば交互、統計(statistical)、ブロックコポリマー、又はグラフトポリマーの、鎖状ポリマー、星形ポリマー、櫛形ポリマー、ブラシ(brush)ポリマーのような構造であり得る。最小分子量は、ポリマーの種類によって変化し、当業者に公知である。ポリマーは、例えば2000より大きい、好ましくは5000より大きい、そしてより好ましくは10,000ダルトンより大きい分子量を有していてもよい。それに応じて、2000未満、好ましくは5000未満又はより好ましくは10,000ダルトン未満の分子量を有する化合物は、通常オリゴマーと呼ばれる。
本発明の意義の範囲内で、用語「架橋剤」は、ポリマー内に含有される官能基を架橋することができる物質を指す。
本発明の意義の範囲内で、用語「接着性オーバーレイ」は、活性薬剤を含まず、かつ活性薬剤含有構造より面積が大きく、そして皮膚に接着するさらなる面積をもたらすが、活性薬剤の放出面積はない自己接着層構造を指す。それによりこれはTTSの全体的な接着特性を増強する。接着剤オーバーレイは、密封又は非密封特性をもたらし得る裏打ち層及び接着剤層を含む。好ましくは、接着剤オーバーレイの裏打ち層は非密封特性をもたらす。
本発明の意義の範囲内で、用語「裏打ち層」は、活性薬剤含有層を支持するか又は接着剤オーバーレイの裏打ちを形成する層を指す。TTSにおける少なくとも1つの裏打ち層及び通常は活性薬剤含有層の裏打ち層は、貯蔵及び投与の期間の間、層に含有される活性薬剤に対して実質的に不透過性であり、したがって規制上の要件に従う活性物質損失又は相互汚染を予防する。好ましくは、裏打ち層は密封性でもあり、水及び水蒸気に対して実質的に不透過性であることを意味する。裏打ち層に適した材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、ポリウレタン、及びそれらの混合物が挙げられる。したがって適切な裏打ち層は、例えばPETラミネート、EVA−PETラミネート及びPE−PETラミネートである。織物又は不織裏打ち材料も適している。
本発明に従うTTSを、インビトロ皮膚透過試験で測定される特定のパラメーターにより特徴づけすることができる。
一般に、インビトロ透過試験は、Franz拡散セルにおいて、EVA膜(例えば、9%酢酸ビニル及び厚さ50μm、好ましくは3Mにより提供される)を用いて、そして受容体媒体としてリン酸緩衝液pH5.5又は7.4(0.1 %食塩水アジド(saline azide)を用いて32℃)を用いて行われる。
さらに、インビトロ透過試験は、デルマトームで採皮された厚さ800μmの分層ヒト皮膚及びインタクトな表皮を用いて、受容体媒体としてリン酸緩衝液pH5.5又は7.4(0.1%食塩水アジドを用いて32℃)を用いて、受容体媒体が例えば60体積%リン酸緩衝液pH 5.5、30体積%ジイソプロピレングリコール及び10体積%アセトニトリルを含有し得るように、最大40体積%の有機溶媒、例えば、エタノール、アセトニトリル、イソプロパノール、ジプロピレングリコール、PEG 400を加えるか又は加えずに行われ得る。
別の指示がなければ、インビトロ透過試験は、EVA膜(9%酢酸ビニル、50μm)を用いて、受容体媒体としてリン酸緩衝液pH5.5を用いて行われる(0.1%食塩水アジドを用いて32℃)。受容体媒体中に透過された活性物質の量は、有効なHPLC方法(カラム:ステンレス製カラム内径150mm x 4.6mm、C18塩基及び酸不活化固定相、粒径3.5μm、例えばZorbax SB C18(Agilent);カラム温度:25℃;移動相:アセトニトリル/水/TEA=20:80:0.35(体積/体積/体積)pH3.5;流量:1.0ml/分;圧力:135bar;注入体積:50μL;停止時間:8分)を一定間隔で使用してサンプル体積を採取することによりUV高度検出器を用いて測定される。受容体媒体は、サンプル体積を取るときに完全に又は部分的に新鮮な媒体に置き換えられ、そして透過された活性物質の測定された量は、2つの最後のサンプリング時点の間に透過した量に関連し、それまでに透過された総量には関連しない。
したがって、本発明の意義の範囲内で、パラメーター「透過された量」は、μg/cmで示され、そして特定の経過時間にサンプル間隔で透過された活性物質の量に関連する。例えば、受容体媒体中に透過された活性物質の量が、例えば0、2、4、8、12及び24時間目に測定される上記のインビトロ透過試験において、活性物質の「透過された量」は、例えば8時間目から12時間目までのサンプル間隔で示されることができ、そしてこれは受容体媒体が8時間目に完全に交換された場合の12時間目での測定に対応する。
透過された量を、特定の時点での透過された活性物質の累積量に相当する「累積透過量」として示すこともできる。例えば、受容体媒体中に透過された活性物質の量が、例えば0、2、4、8、12、及び24時間目に測定された上記のようなインビトロ透過試験において、12時間目の活性物質の「累積透過量」は、0時間〜2時間、2時間〜4時間、4時間〜8時間、及び8時間〜12時間に透過された量の合計に相当する。
本発明の意義の範囲内で、特定の経過時間での特定のサンプル間隔の間のパラメーター「皮膚透過速度」はμg/cm−時(hr)で表され、そしてμg/cmで示される上記のようなインビボ透過試験により測定された上記サンプル間隔での透過された量を上記サンプル間隔の時間数で割ったものから計算される。例えば、受容体媒体中へ透過された活性物質の量が0、2、4、8、12及び24時間目に測定された上記のインビトロ透過試験における皮膚透過速度は、12時間目の「透過速度」は、8時間から12時間までのサンプル間隔における透過された量を4時間で割ったものとして計算される。
「累積皮膚透過速度」は、累積透過量を経過時間で割ることによりそれぞれの累積透過量から計算することができる。例えば、受容体媒体中に透過された活性物質の量が、例えば0、2、4、8、12及び24時間目に測定される上記のインビトロ透過試験において、12時間目の「累積皮膚透過速度」は、12時間の累積透過量(上を参照のこと)を12時間で割ったものとして計算される。
本発明の意義の範囲内で、上記のパラメーター「透過された量」及び「皮膚透過速度」(さらに「累積透過量」及び「累積皮膚透過速度」)は、少なくとも3つのインビトロ透過試験実験から計算された平均値を指す。別の指示がなければ、これらの平均値の標準偏差(SD)は、式:
Figure 2020532582
[式中、nはサンプルサイズであり、
Figure 2020532582
は観察された値であり、そして
Figure 2020532582
は観察された値の平均値である]
を使用して計算された補正されたサンプル標準偏差を指す。
本発明に従うTTSを、インビボ臨床試験において測定された特定のパラメーターによっても特徴づけることができる。
本発明の意義の範囲内で、パラメーター「平均放出速度」は、活性薬剤が放出されてヒト皮膚を通って全身循環に入る投与の期間(例えば、1〜7日)にわたるμg/hr(μg/時、μg/h)又はmg/日での平均放出速度を指し、臨床試験における上記投与期間にわたって得られたAUCに基づく。
本発明の意義の範囲内で、用語「長時間」は、少なくとももしくは約24時間、少なくとももしくは約48時間、少なくとももしくは約84時間、少なくとももしくは約168時間、少なくとももしくは約1日、少なくとももしくは約3.5日、もしくは少なくとももしくは約7日の期間に関し、又は約24時間〜約168時間もしくは1〜7日、もしくは約24時間〜約84時間もしくは1〜3.5日の期間に関する。
継続した薬物処置について、薬物投与の頻度は、好ましくは治療上有効な血漿濃度を維持するように十分高く維持される。換言すると、投与を形成する2回の投薬の間の間隔(投薬間隔とも呼ばれる)は、適切に調整される必要がある。本発明の意義の範囲内で、用語「投薬間隔」は、2つの連続したTTS投与の間の期間、すなわち、TTSが患者の皮膚に適用される2つの連続した時点の間の間隔を指す。一旦適用されると、TTSは通常は投薬間隔全体の間患者の皮膚上の維持され、そして投薬間隔の終わりにのみ除去され、このときに新しいTTSが皮膚に適用される。例えば、投薬間隔が24時間すなわち1日である場合、TTSは適用されて患者の皮膚上に24時間すなわち1日間維持される。24時間すなわち1日後に、TTSは皮膚から除去されて、新しいTTSが適用される。したがって、24時間すなわち1日の投薬間隔は、24時間を通した処置において毎日のTTS交換様式を可能にする。
本発明の意義の範囲内で、用語「室温」は、実験が行われる実験室における室内で見られる未修正の温度を指し、そして通常は15〜35℃、好ましくは約18〜25℃の範囲内にある。
本発明の意義の範囲内で、用語「患者」は、処置の必要性を示唆する特定の症状の臨床病態を示した被験体、状態について予防的に(preventatively)もしくは予防的に(prophylactically)処置される被験体、又は処置しようとする状態と診断された被験体を指す。
本発明の意義の範囲内で、用語「薬物動態パラメーター」は、血漿曲線を記載するパラメーター、例えば活性薬剤含有TTS、例えばリバスチグミン含有TTSの健常ヒト被験体への例えば単回投薬、複数回投薬又は定常状態投与により臨床試験において得られたCmax、C及びAUCt1−t2を指す。個々の被験体の薬物動態パラメーターは、算術平均及び幾何平均、例えば平均Cmax、平均AUCt及び平均AUCINF、並びにさらなる統計値、例えばそれぞれの標準偏差及び標準誤差、、最小値、最大値、及び値のリストがランク付けされる場合中間値(中央値)を使用してまとめられる。本発明の文脈において、薬物動態パラメーター、例えばCmax、C及びAUCt1−t2は、別の指示がなければ幾何平均値を指す。臨床試験において特定のTTSについて得られた絶対平均値は、試験ごとに特定の程度まで変動するということは除外することができない。試験間の絶対平均値の比較を可能にするために、参照処方、例えば将来の本発明に基づくいずれかの製品は標準として使用され得る。前後の試験におけるそれぞれの参照製品の放出面積のAUCの比較を使用して、試験ごとの差異を考慮するための補正因子を得ることができる。
本発明に従う臨床試験は、臨床試験の一致のための国際会議(International Conference for Harmonization of Clinical Trials)(ICH)並びに全ての適用可能な地域の良き臨床上の基準(Good Clinical Practices)(GCP)及び規則を全面順守して行われた試験を指す。
本発明の意義の範囲内で、用語「健常ヒト被験体」は、55kg〜100kgの範囲の体重及び18〜29.4の範囲のボディ・マス・インデックス(BMI)及び正常生理学的パラメーター、例えば血圧などを有する男性又は女性の被験体を指す。本発明の目的のための健常ヒト被験体は、ICHの推奨に基づきICHの推奨に従う組み入れ及び除外基準に従って選択される。
本発明の意義の範囲内で、用語「被験体集団」は、少なくとも5人、好ましくは少なくとも10人の個々の健常ヒト被験体を指す。
本発明の意義の範囲内で、用語「幾何平均」は、元のスケールに逆変換された対数変換されたデータの平均を指す。
本発明の意義の範囲内で、用語「算術平均」は、全ての観察値を観察の総数で割ったものを指す。
本発明の意義の範囲内で、パラメーター「AUC」は、血漿濃度−時間曲線下の面積に相当する。AUC値は、全体で血液循環中に吸収された活性薬剤の量に比例し、それゆえバイオアベイラビリティの尺度である。
本発明の意義の範囲内で、パラメーター「AUCt1−t2」は(ng/ml)時で示され、そしてt1時間からt2時間までの血漿濃度−時間曲線下の面積に関連し、そして別の指示がなければ線形台形法により計算される。他の計算法は、例えば対数及び線形対数台形法である。
本発明の意義の範囲内で、パラメーター「Cmax」は(ng/ml)で示され、そして活性薬剤の最大の観察された血中血漿濃度に関連する。
本発明の意義の範囲内で、パラメーター「C」は(ng/ml)で示され、そしてt時間目に観察された活性薬剤の血中血症濃度に関連する。
本発明の意義の範囲内で、パラメーター「tmax」は時間(hr)で示され、そしてCmax値に達する時点に関連する。換言すると、tmaxは最大の観察された血漿濃度の時点である。
本発明の意義の範囲内で、用語「平均血漿濃度」は(ng/ml)で示され、そして各時点における活性薬剤、例えばリバスチグミンの個々の血漿濃度の平均である。
本発明の意義の範囲内で、用語「コーティング組成物」は、溶媒中にマトリックス層の全ての成分を含む組成物を指し、これは裏打ち層又は剥離ライナー上にコーティングされて乾燥するとマトリックス層を形成し得る。
本発明の意義の範囲内で、用語「感圧接着組成物」は、少なくとも溶媒(例えば、n−ヘプタン又は酢酸エチル)との混合物である感圧接着剤を指す。
本発明の意義の範囲内で、用語「溶解する」は、溶液を得るプロセスを指し、この溶液は透明であり、裸眼で見えるようないずれの粒子も含有しない。
本発明の意義の範囲内で、用語「溶媒」はいずれかの液体物質を指し、好ましくは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、酢酸エチル、塩化メチレン、ヘキサン、n−ヘプタン、トルエン及びそれらの混合物のような揮発性有機液体である。
図1は、実施例1a〜dに従って製造されたTTS及びExelonのリバスチグミン累積透過量を示す。 図2は、実施例2a〜cに従って製造されたTTS及びExelonのリバスチグミン累積透過量を示す。 図3は、実施例3a及び3bに従って製造されたTTS、並びにExelonのリバスチグミン累積透過量を示す。 図4は、実施例4a〜dに従って製造されたTTS、及びExelonのリバスチグミン累積透過量を示す。 図5は、実施例5a〜dに従って製造されたTTS及びExelonのリバスチグミン累積透過量を示す。 図6は、実施例6a〜dに従って製造されたTTS及びExelonのリバスチグミン累積透過量を示す。 図7は、実施例7a〜dに従って製造されたTTSの及びExelonのリバスチグミン累積透過量を示す。
詳細な説明
TTS構造
本発明は、リバスチグミン含有層構造を含む、リバスチグミンの経皮投与のための経皮治療システムに関し、該リバスチグミン含有層構造は、a)裏打ち層、及びb)リバスチグミン含有層を含み、ここで経皮治療システムはシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含む。このリバスチグミン含有層構造は、好ましくはリバスチグミン含有自己接着層構造であり、そして好ましくはさらなる皮膚接触層を含まない。特に、経皮治療システム中に存在するシリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、自己接着層構造中に存在し、そして接着特性を生じる。
本発明に従うTTSは、マトリックス型TTSでもリザーバ型TTSでもよく、そして好ましくはマトリックス型TTSである。
本発明に従うマトリックス型TTSにおいて、リバスチグミンはポリマー担体、すなわちマトリックス内に均一に溶解及び/又は分散されており、これはリバスチグミン及び場合により残りの成分とともにマトリックス層を形成する。したがって、リバスチグミン含有層は、本発明の一実施態様では、リバスチグミン含有マトリックス層であり、ここでリバスチグミンはポリマーマトリックス内に均一に分配されている。ポリマーマトリックスは好ましくはシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含む。したがって、本発明によれば、リバスチグミン含有マトリックス層はリバスチグミン及びシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含むことが好ましく、これはTTS中に存在する。これに関連して、リバスチグミン含有マトリックス層が自己接着性であることも好ましく、その結果さらなる皮膚接触層は存在しない。リバスチグミン含有マトリックス層は、実質的に同じ組成の2つのリバスチグミン含有マトリックス層を一緒に積層することにより製造され、得られた二重層は1つのリバスチグミン含有マトリックス層とみなされるべきである。
本発明に従うリザーバ型TTSにおいて、リバスチグミン含有層はリバスチグミン含有リザーバ層であり、これは好ましくはリバスチグミンを含む液体リザーバを含む。リザーバ型TTSは、典型的には皮膚接触層をさらに含み、ここでリザーバ層及び皮膚接触層は、好ましくは速度制御膜により分離されている。その結果シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは接着特性をもたらす。好ましくは、皮膚接触層はそれがリバスチグミンを含まないように製造される。
本発明の好ましい実施態様において、リバスチグミン含有層は、
1.リバスチグミン;及び
2.シリコーンアクリルハイブリッドポリマー
を含むリバスチグミン含有マトリックス層である。
従って、本発明の一実施態様によれば、リバスチグミンの経皮投与のための経皮治療システムは:
A)裏打ち層;及び
B)リバスチグミン含有層
を含むリバスチグミン含有層構造を含み、これは好ましくはリバスチグミン含有マトリックス層であり:
1.リバスチグミン、及び
2.シリコーンアクリルハイブリッドポリマー
を含む。
リバスチグミン含有層構造は好ましくはリバスチグミン含有自己接着層構造である。これに関連して、リバスチグミン含有層構造がさらなる皮膚接触層を含まないことも好ましい。代わりに、好ましくはリバスチグミン含有マトリックス層であるリバスチグミン含有層が自己接着性であることが好ましい。したがって、好ましい実施態様において、リバスチグミン含有層構造はリバスチグミン含有自己接着層構造であり、そしてさらなる皮膚接触層を含まない。あるいは又はさらに、裏打ち層とリバスチグミン含有層との間にさらなる層が無いように、リバスチグミン含有層が裏打ち層が直接付着されていることが好ましい。結果として、低い複雑性の層構造が得られ、これは例えば製造費用の点で有利である。
特に、リバスチグミン含有層構造が3つ以下、好ましくは2つの層、すなわち、好ましくは裏打ち層及びリバスチグミン含有層のみを含むことが好ましい。その結果、投与の間のリバスチグミン含有自己接着層構造と患者の皮膚との間の十分な接着はリバスチグミン含有層によりもたらされ、これは好ましくはリバスチグミン含有マトリックス層である。例えばリバスチグミン含有層構造の第三の層としてさらなる皮膚接触層が存在する場合、接着特性は、さらなる皮膚接触層によりもたらされ得る。しかし、さらなる皮膚接触層が存在しないことが本発明によれば好ましい。
リバスチグミン含有層構造の自己接着特性は、好ましくはシリコーンアクリルハイブリッドポリマーによりもたらされ、これはTTSに、好ましくはリバスチグミン含有層に、より好ましくはリバスチグミン含有マトリックス層に存在する。したがって、本発明の好ましい実施態様において、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤である。本発明に従うシリコーンアクリルハイブリッドポリマーに関するさらなる詳細を以下にさらに示す。
当然のことながら、本発明に従うTTSは、治療有効量のリバスチグミンを含有する。したがって、本発明の好ましい実施態様において、リバスチグミン含有層構造は治療有効量のリバスチグミンを含有する。リバスチグミン含有層構造中のリバスチグミンは、好ましくは遊離塩基の形態で存在する。本発明に従うTTSにおけるリバスチグミンに関する好ましい実施態様を以下にさらに示す。
TTSの放出面積がかなり小さいことが本発明従って好ましい。本発明の1つの特定の実施態様によれば、放出面積は1〜30cm、好ましくは2〜22cmの範囲に及ぶ。
本発明の好ましい実施態様において、裏打ち層は実質的にリバスチグミン不透過性である。さらに裏打ち層が上で概説したように密封性であることが好ましい。
本発明の特定の実施態様によれば、TTSは接着性オーバーレイをさらに含み得る。この接着性オーバーレイは、特にリバスチグミン含有構造より面積が大きく、そして経皮治療システム全体の接着特性を増強するためにそれに取り付けられる。該接着性オーバーレイは、裏打ち層及び接着剤層を含む。接着性オーバーレイは、皮膚に接着するさらなる面積をもたらすが、リバスチグミンの放出面積を加えない。接着性オーバーレイは、シリコーンアクリルハイブリッドポリマー、アクリルポリマー、ポリシロキサン類、ポリイソブチレン類、スチレン−イソプレン−スチレンコポリマー、及びそれらの混合物からなる群より選択される自己接着性ポリマー又は自己接着性ポリマー混合物を含み、これらはリバスチグミン含有層構造中に含まれるいずれかのポリマー又はポリマー混合物と同じでも異なっていてもよい。
本発明に従うリバスチグミン含有層構造、例えばリバスチグミン含有自己接着層構造は、通常は取外し可能な保護層(剥離ライナー)上に位置し、該保護層は患者の皮膚の表面への適用の直前にそれから除去される。したがって、TTSは剥離ライナーをさらに含み得る。このように保護されたTTSは、通常はブリスターパック又はシームシールされた(seam−sealed)袋に保存される。包装は小児用安全かつ/又は高齢者に優しいものであり得る。
リバスチグミン含有層
上でより詳細に概説されたように、本発明のTTSは、リバスチグミン含有層を含むリバスチグミン含有層構造を含む。好ましくは、リバスチグミン含有層構造はリバスチグミン含有自己接着層構造である。したがって、リバスチグミン含有層が自己接着性リバスチグミン含有層、より好ましくは自己接着性リバスチグミン含有マトリックス層であることも好ましい。好ましい実施態様において、リバスチグミン含有層は治療有効量のリバスチグミンを含む。
本発明の一実施態様において、リバスチグミン含有層はリバスチグミン含有マトリックス層である。別の実施態様において、リバスチグミン含有層はリバスチグミン含有リザーバ層である。リバスチグミン含有層はリバスチグミン含有マトリックス層であることが好ましい。
一実施態様において、リバスチグミン含有層は:
1.好ましくは遊離塩基形態のリバスチグミン;及び
2.シリコーンアクリルハイブリッドポリマー
を含む。
好ましい実施態様において、リバスチグミン含有層は、
1.好ましくは遊離塩基の形態のリバスチグミン;及び
2.シリコーンアクリルハイブリッドポリマー
を含むリバスチグミン含有マトリックス層である。
好ましい実施態様において、本発明はリバスチグミン含有層構造に関し、ここでシリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤である。
本発明の一実施態様において、リバスチグミン含有層は、好ましくは遊離塩基の形態のリバスチグミンを溶解するか、分散させるか、又は部分的に溶解し、かつ部分的に分散させることにより得ることができる。結果として、本発明に従うTTSのリバスチグミン含有層は、典型的には遊離塩基の形態のリバスチグミンを含む。さらに、リバスチグミンは、本発明の特定の実施態様において、部分的にプロトン化された形態で存在し得る。しかし、リバスチグミン含有層中少なくとも50mol%、好ましくは少なくとも75mol%のリバスチグミンが遊離塩基の形態で存在していることが好ましい。特定の好ましい実施態様において、リバスチグミン含有層中少なくとも90mol%、好ましくは少なくとも95mol%、より好ましくは少なくとも99mol%のリバスチグミンが遊離塩基の形態で存在している。
本発明の一実施態様において、リバスチグミン含有層構造中に含有されるリバスチグミンの量は、0.5〜5mg/cm、好ましくは1〜3mg/cmの範囲に及ぶ。リバスチグミン含有層構造中のリバスチグミンの総量は、1〜45、好ましくは3〜40mg/TTSの範囲に及ぶ。
本発明の一実施態様において、リバスチグミン含有層は、リバスチグミン含有層の総質量に基づいて5〜30質量%、好ましくは7〜28質量%、最も好ましくは10〜25質量%の量のリバスチグミンを含む。
本発明の一実施態様において、リバスチグミン含有層中のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、連続的シリコーン外部相及び不連続アクリル内部相、又は連続的アクリル外部相及び不連続シリコーン内部相を含有し、そしてここで好ましくはリバスチグミンは、リバスチグミン含有層中にリバスチグミン含有層の総質量に基づいて15〜25質量%存在する。
一実施態様において、リバスチグミン含有層構造は、リバスチグミン含有自己接着層構造であり、そしてさらなる皮膚接触層を含まない。さらに別の実施態様において、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーはケイ素アクリルハイブリッド感圧接着剤である。さらなる皮膚接触層が必要でない場合、リバスチグミン含有層は好ましくはリバスチグミン含有マトリックス層であり、これは接着特性を有する。リバスチグミン含有マトリックス層組成物は第二のポリマーを含んでいても、2つ又はそれ以上のさらなるポリマーを含んでいてもよい。
本発明の一実施態様において、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーの量は、リバスチグミン含有層の総質量に基づいて35〜95質量%、好ましくは40〜93質量%又は45〜90質量%の範囲に及ぶ。
当然のことながら、本発明に従うTTSは、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーに加えて1つ又はそれ以上の非ハイブリッドポリマー(例えば、非ハイブリッド感圧接着剤)を含んでいてもよい。例として、ポリシロキサン類、アクリレート類、ポリイソブチレン類又はスチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーに基づく非ハイブリッドポリマー(例えば、非ハイブリッド感圧接着剤)が使用され得る。本発明の一実施態様において、非ハイブリッドポリマーは、ポリシロキサン、アクリレート、又はポリイソブチレンに基づく、特にポリシロキサン又はアクリレートに基づく感圧接着剤である。さらなるポリマーは凝集性及び/又は接着性を増強するために加えられてもよい。さらに別の好ましい実施態様において、本発明は、リバスチグミン含有層が浸透促進剤又は可溶化剤を含まない経皮治療システムに関する。
本発明の特定の実施態様において、非ハイブリッドポリマーは、リバスチグミン含有層中にリバスチグミン含有層の総質量に基づいて5〜40質量%、好ましくは8〜35質量%の量で含有される。本発明の別の実施態様において、シリコーンアクリルハイブリッドポリマー対非ハイブリッドポリマーの質量比は、8:1〜1:2、好ましくは7:1〜1:1である。
本発明の一実施態様において、リバスチグミン含有層の面積質量は、40〜250g/m、好ましくは50〜200g/mの範囲に及ぶ。特定の好ましい実施態様において、面積質量は60〜180g/mの範囲に及ぶ。
本発明の特定の実施態様において、リバスチグミンの経皮投与のためのTTSはリバスチグミン含有層構造を含み、該リバスチグミン含有層構造は:
A)裏打ち層;並びに
B)
1.リバスチグミン含有層の総質量に基づいて10〜25質量%の量のリバスチグミン;
2.リバスチグミン含有層の総質量に基づいて45〜90質量%の量の、連続的シリコーン外部相及び不連続アクリル内部相を含有するシリコーンアクリルハイブリッドポリマー;及び
3.場合により、リバスチグミン含有層の総質量に基づいて10〜30質量%の量の、ポリシロキサンに基づく感圧接着剤;
を含むリバスチグミン含有層を含み、
ここで該リバスチグミン含有層は皮膚接触層であり;
そしてここで該リバスチグミン含有層の面積質量は60〜180g/mの範囲に及ぶ。
本発明の特定の実施態様において、リバスチグミン含有層構造を含む、リバスチグミンの経皮投与のためのTTS、該リバスチグミン含有層構造は:
A)裏打ち層;並びに
B)
1.リバスチグミン含有層の総質量に基づいて10〜25質量%の量のリバスチグミン;
2.リバスチグミン含有層の総質量に基づいて40〜90質量%の量の、連続的アクリル外部相及び不連続シリコーン内部相を含有するシリコーンアクリルハイブリッドポリマー;及び
3.場合により、リバスチグミン含有層の総質量に基づいて5〜40質量%の量の、アクリレートに基づく感圧接着剤;
を含むリバスチグミン含有層
を含み、
ここで該リバスチグミン含有層は皮膚接触層であり;
そしてここで該リバスチグミン含有層の面積質量は60〜180g/mの範囲に及ぶ。
リバスチグミン
本発明に従うTTSはリバスチグミン含有層構造を含み、該リバスチグミン含有層構造は、A)裏打ち層;及びB)リバスチグミン含有層を含み;ここで経皮治療システムはシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含む。
本発明の一実施態様において、リバスチグミン含有層構造中に含有されるリバスチグミンの量は、0.5〜5mg/cm、好ましくは1〜3mg/cmの範囲に及ぶ。
本発明の一実施態様において、リバスチグミン含有層構造は、好ましくは治療有効量のリバスチグミンを含有する。より好ましくは、治療有効量のリバスチグミンはリバスチグミン含有層構造のリバスチグミン含有層中に存在する。好ましくは、リバスチグミン含有層構造中のリバスチグミンは遊離塩基の形態で存在する。
本発明の一実施態様において、TTS中のリバスチグミンの総量の少なくとも50mol%、好ましくは少なくとも75mol%は、遊離塩基の形態で存在する。特に好ましい実施態様において、TTS中のリバスチグミンの総量の少なくとも90mol%、好ましくは少なくとも95mol%、より好ましくは少なくとも99mol%は遊離塩基の形態で存在する。従って、リバスチグミン含有層中のリバスチグミンの少なくとも50mol%、好ましくは少なくとも75mol%が遊離塩基の形態で存在することが好ましい。特に好ましい実施態様において、リバスチグミン含有層中のリバスチグミンの少なくとも90mol%、好ましくは少なくとも95mol%、より好ましくは少なくとも99mol%は遊離塩基の形態で存在する。特定の実施態様において、リバスチグミン含有層はリバスチグミン塩を含まない。
特定の実施態様において、リバスチグミン含有層中のリバスチグミンの量は、リバスチグミン含有層の総質量に基づいて5〜30質量%、好ましくは7〜28質量%、最も好ましくは10〜25質量%の範囲に及ぶ。
特定の実施態様において、リバスチグミン含有層中に含有されるリバスチグミンの量は、パッチ寸法に依存して、1〜45mg、好ましくは3〜40mg/TTSの範囲に及ぶ。例えば寸法5cmのパッチにおいて、リバスチグミン含有層中に含有されるリバスチグミンの量は、5〜15mg、好ましくは7〜12mgの範囲に及ぶ。
本発明の一実施態様において、リバスチグミン含有層は、遊離塩基形態のリバスチグミンを溶解又は分散させることにより得ることができる。リバスチグミン含有層がリバスチグミン含有マトリックス層である場合、該層は好ましくはポリマー担体中に遊離塩基の形態でリバスチグミンを溶解又は分散させることにより得ることができ、このポリマー担体は特に好ましくはシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含む。
一実施態様において、リバスチグミン含有層は、リバスチグミンの薬学的に許容しうる塩、例えば塩酸リバスチグミン又はリバスチグミン酒石酸塩、好ましくはリバスチグミン酒石酸塩を含む。しかし、リバスチグミン含有層中のリバスチグミンは遊離塩基の形態で存在することが本発明に従って好ましい。
特定の実施態様において、リバスチグミンは、定量的HPLCにより決定して少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%、そしてより好ましくは少なくとも99%の純度を有する。定量的HPLCは、UV検出を備えた逆相HPLCで行われ得る。
シリコーンアクリルハイブリッドポリマー
本発明に従うTTSはシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含む。シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、一緒に重合されているシリコーン系亜種及びアクリレート系亜種を含む重合ハイブリッド化学種を含む。したがってシリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、シリコーン相及びアクリル相を含む。好ましくは、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーはシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤である。
シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤は、通常はn−ヘプタン及び酢酸エチルのような溶媒中で供給及び使用される。感圧接着剤の固体含有量は通常30%と80%との間である。当業者は、固体含有量が適切な量の溶媒を加えることにより改変され得ることが分かる。
好ましくは、シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤中のシリコーン対アクリレートの質量比は、5:95〜95:5、又は20:80〜80:20、より好ましくは40:60〜60:40、そして最も好ましくはシリコーン対アクリレートの比は約50:50である。シリコーン対アクリレートの質量比50:50を有する適切なシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤は、例えばDow Corningより酢酸中で供給される市販のシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤7−6102、シリコーン/アクリレート比50/50、及び7−6302、シリコーン/アクリレート比50/50である。
本発明に従って好ましいシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤は、好ましくはスピンドル数5を備えたBrookfield RVT粘度計を使用して50RPMで測定して、25℃及び酢酸エチル中の50%固体含有量で約400cPより高い、又は約500cP〜約3,500cP、特に約1,000cP〜約3,000cP、より好ましくは約1,200cP〜約1,800、又は最も好ましくは約1,500cP、又はあるいはより好ましくは約2,200cP〜約2,800cP、又は最も好ましくは約2,500cPの溶液粘度により特徴づけられる。
これらのシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤はまた、好ましくはRheometrics ARESレオメーターを使用して測定して、0.1rad/s、30℃での複素粘度約1.0e9ポアズ未満、又は約1.0e5ポアズ〜約9.0e8ポアズ、又はより好ましくは約9.0e5ポアズ〜約1.0e7ポアズ、又は最も好ましくは約4.0e6ポアズ、又はあるいはより好ましくは約2.0e6ポアズ〜約9.0e7ポアズ、又は最も好ましくは約1.0e7ポアズにより特徴づけられ得、ここでレオメーターは8mmプレートを備えギャップはゼロに設定される。
Rheometrics ARESレオメーターを使用してレオロジー挙動を測定するためのサンプルを準備するために、2グラムと3グラムとの間の接着剤溶液をSCOTCH−PAK 1022フルオロポリマー剥離ライナーに注ぎ、そして60分間周囲条件下で放置し得る。接着剤の本質的に溶媒を含まないフィルムを達成するために、これらを110℃+/−10℃のオーブンに60分間入れることができる。オーブンから取り出して室温まで平衡化させる。フィルムを剥離ライナーから剥がして、折り重ねて四角を形成することができる。気泡を排除するために、フィルムをCarverプレスを使用して圧縮する。次いでこのサンプルをプレートの間にロードすることができ、そして1.5+/−0.1mmに30℃で圧縮する。過剰な接着剤をトリミングし、そして最終ギャップを記録する。0.01〜100rad/sの間の周波数掃引を以下の設定で行うことができる:温度=30℃;ひずみ(strain)=0.5〜1%及び3ポインツ/ディケードでデータ収集。
市販されている適切なシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤としては、Dow Corningによりn−ヘプタン又は酢酸中で製造され供給されるPSAシリーズ7−6100及び7−6300(7−610X及び7−630X;X=1 n−ヘプタンベース/X=2酢酸エチルベース)が挙げられる。例えば、シリコーン/アクリル比50/50を有する7−6102 シリコーンアクリルハイブリッドPSAは、25℃及び酢酸エチル中約50%固体含有量での溶液粘度2,500cP並びに0.1rad/s、30℃での複素粘度1.0e7ポアズにより特徴づけられる。シリコーン/アクリレート比50/50を有する7−6302シリコーンアクリルハイブリッドPSAは、25℃及び酢酸中の約50%固体含有量での溶液粘度1,500cP並びに0.1rad/s 30℃での複素粘度4.0e6ポアズを有する。
シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤が供給される溶媒に依存して、シリコーン又はアクリル連続的外部相及び対応する不連続内部相を生じるシリコーン相及びアクリル相の配置は異なる。シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤がn−ヘプタン中で提供される場合、その組成物は連続的シリコーン外部相及び不連続アクリル内部相を含有する。シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤が酢酸エチル中で提供される場合、その組成物は連続的アクリル外部相及び不連続シリコーン内部相を含有する。シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤が提供される溶媒を蒸発させた後、得られる感圧接着剤フィルム又は層の相配置は、溶媒含有接着剤コーティング組成物の配置に対応する。例えば、シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤組成物における相配置の反転を誘導し得るいずれの物質も存在しない場合、n−ヘプタン中のシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤から製造された感圧接着剤層は、連続的シリコーン外部相及び不連続アクリル内部相を生じ、酢酸エチル中のシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤から製造された感圧接着剤層は、連続的アクリル外部相及び不連続シリコーン内部層を生じる。組成物の相配置を、例えば、シリコン処理した剥離ライナーに付着されたシリコーンアクリルハイブリッドPSA組成物から製造された感圧接着剤フィルム又は層を用いた剥離力試験において決定することができる。シリコン処理された剥離ライナーが2つのシリコーン表面のブロッキングのために感圧接着剤フィルム(裏打ち層に積層されている)から剥離することができないか又は苦労しないと剥離できない場合、感圧接着剤フィルムは連続的シリコーン外部相を含有する。ブロッキングは同様の表面エネルギーを含む2つのシリコーン層の密着から生じる。シリコーン接着剤は、シリコン処理されたライナー上で良好な広がりを示し、したがってライナーに対する良好な密着を生じ得る。シリコン化剥離ライナーを容易に剥離することができる場合、感圧接着剤フィルムは連続的アクリル外部相を含有する。アクリル接着剤は異なる表面エネルギーのために良好な広がりを有さず、したがってシリコン化ライナーには低い接着を有するか又はほとんど接着を有していない。
本発明の好ましい実施態様によれば、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、アクリレート又はメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物から得られるシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤である。当然のことながら、アクリレート又はメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物はアクリレート官能基のみを含んでいても、メタクリレート官能基のみを含んでいても、又はアクリレート官能基及びメタクリレート官能基の両方を含んでいてもよい。
本発明の特定の実施態様によれば、シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤は、(a)アクリレート又はメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物、(b)エチレン性不飽和モノマー、及び(c)開始剤の反応生成物を含む。すなわち、シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤は、これらの反応物((a)、(b)、及び(c))の間の化学反応の生成物である。特に、シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤は、(a)アクリレート又はメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物、(b)(メタ)アクリレートモノマー、及び(c)開始剤(すなわち、開始剤の存在下で)の反応生成物を含む。すなわち、シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤は、これらの反応物((a)、(b)、及び(c))間の化学反応の生成物を含む。
(a)アクリレートもしくはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物、(b)エチレン性不飽和モノマー、及び(c)開始剤の反応生成物は、連続的シリコーン外部相及び不連続アクリル内部相を含有していてもよく、又は(a)、(b)、及び(c)の反応生成物は、連続的アクリル外部相及び不連続シリコーン内部相を含有していてもよい。
アクリレート又はメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物(a)は、典型的にはシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤中に、ハイブリッド感圧接着剤100質量部に基づいて、5〜95、より典型的には25〜75質量部の量で存在する。
エチレン性不飽和モノマー(b)は、典型的にはシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤中にハイブリッド感圧接着剤100質量部に基づいて5〜95、より典型的には25〜75質量部の量で存在する。
開始剤(c)は、典型的にはシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤中にハイブリッド感圧接着剤100質量部に基づいて0.005〜3、より典型的には0.01〜2質量部の量で存在する。
本発明の特定の実施態様によれば、アクリレート又はメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物(a)は、(a1)シリコーン樹脂、(a2)シリコーンポリマー、及び(a3)該アクリレート又はメタクリレート官能基をもたらすケイ素含有キャッピング剤の縮合反応生成物を含む。シリコーン樹脂(a1)はまた、シリケート樹脂又はシリカ樹脂とも呼ばれ得る。好ましくは、シリコーンポリマー(a2)はポリシロキサン、好ましくはポリジメチルシロキサンである。当然のことながら、(a1)及び(a2)は縮合重合によりシリコーン系感圧接着剤を形成し、そしてアクリレート又はメタクリレート官能基は(a3)との反応により導入される。
本発明の特定の実施態様によれば、アクリレート又はメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物(a)は:
(a1)シリコーン樹脂、
(a2)シリコーンポリマー、及び
(a3)該アクリレート又はメタクリレート官能基をもたらすケイ素含有キャッピング剤
の縮合反応生成物を含み、ここで該ケイ素含有キャッピング剤は、一般式XYR’SiZ3−bのものであり、式中、
Xは一般式AE− [ここでEは−O−又は−NH−であり、そしてAはアクリル基又はメタクリル基である]の一価ラジカルであり、
Yは1〜6個の炭素原子を有する二価アルキレンラジカルであり、
R’はメチル又はフェニルラジカルであり、
Zは一価加水分解可能有機ラジカル又はハロゲンであり、そして
bは0又は1であり;
ここでシリコーン樹脂及びシリコーンポリマーは、反応して感圧接着剤を形成し、ここでケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーを反応させる前、反応させる間、又は反応させた後に導入され、そして
ケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーが縮合反応して感圧接着剤を形成した後に感圧接着剤と反応するか;又は
ケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーとインサイチュで反応する。
本発明の特定の実施態様によれば、アクリレート又はメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物は、感圧接着剤と、アクリレート又はメタクリレート官能基をもたらすケイ素含有キャッピング剤との間の縮合反応生成物を含む。すなわち、アクリレート又はメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物は、本質的に、該アクリレート又はメタクリレート官能基をもたらすケイ素含有キャッピング剤でキャッピング又は末端ブロックされている感圧接着剤であり、ここで感圧接着剤は、シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーの縮合反応生成物を含む。好ましくは、シリコーン樹脂は、30〜80質量部の量で反応して感圧接着剤を形成し、そしてシリコーンポリマーは、20〜70質量部の量で反応して感圧接着剤を形成する。これらの質量部の両方が感圧接着剤100質量部に基づく。必要ではないが、感圧接着剤は、触媒量の縮合触媒を含み得る。多様なシリコーン樹脂及びシリコーンポリマーが感圧接着剤を作るために適している。
本発明の特定の実施態様によれば、シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤は:
(a)
(a1)シリコーン樹脂、
(a2)シリコーンポリマー、及び
(a3)該アクリレート又はメタクリレート官能基をもたらすケイ素含有キャッピング剤[ここで、該ケイ素含有キャッピング剤は、一般式XYR’SiZ3−bのものであり、式中、
Xは一般式AE−の一価ラジカルであり、
ここでEは−O−又は−NH−であり、そしてAはアクリル基又はメタクリル基であり、
Yは、1〜6個の炭素原子を有する二価アルキレンラジカルであり、
R’はメチル又はフェニルラジカルであり、
Zは加水分解可能一価有機ラジカル又はハロゲンであり、そして
bは0又は1である]、
の縮合反応生成物を含む、アクリレート又はメタクリレート官能基を含むシリコーン含有感圧接着剤組成物;
[ここで、シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーは反応して感圧接着剤を形成し、ここでケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーが反応する前に、反応の間に、又は反応した後に導入され、そしてここで:
ケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーが縮合反応して感圧接着剤を形成した後に感圧接着剤と反応し;又は
ケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーとインサイチュで反応する];
(b)エチレン性不飽和モノマー;並びに
(c)開始剤
の反応生成物である。
本発明において使用されるシリコーンアクリルハイブリッド組成物は:
(i)
シリコーン樹脂、
シリコーンポリマー、及び
アクリレート又はメタクリレート官能基をもたらすケイ素含有キャッピング剤[ここで、該ケイ素含有キャッピング剤は、一般式XYR’SiZ3−bのものであり、式中、
Xは一般式AE−の一価ラジカルであり、
ここでEは−O−又は−NH−であり、そしてAはアクリル基又はメタクリル基であり、
Yは、1〜6個の炭素原子を有する二価アルキレンラジカルであり、
R’はメチル又はフェニルラジカルであり、
Zは加水分解可能一価有機ラジカル又はハロゲンであり、そして
bは0又は1である]、
の縮合反応生成物を含む、該アクリレート又はメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物を供給する工程;
[ここで、シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーは反応して感圧接着剤を形成し、ここでケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂とシリコーンポリマーとが反応する前に、反応の間に、又は反応した後に導入され、そしてここで:
ケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーが縮合反応して感圧接着剤を形成した後に感圧接着剤と反応し;又は
ケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーとインサイチュで反応する];
(ii)エチレン性不飽和モノマー及び工程(i)のアクリレート又はメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物を開始剤の存在下で、場合により50℃〜100℃、又は65℃〜90℃の温度で重合させてシリコーンアクリルハイブリッド組成物を形成する工程
を含む方法により製造されることにより記載され得る。
エチレン性不飽和モノマー及びアクリレート又はメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物の重合の間に、シリコーン対アクリル比を所望されるように制御し、そして最適化することができる。シリコーン対アクリル比は、該方法において及び該方法の間に多様な機構により制御され得る。1つのこのような機構の説明となる例は、アクリレート又はメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物へのエチレン性不飽和モノマーの速度制御された添加である。特定の適用において、シリコーン系亜種、又はシリコーン含有物全体が、アクリレート系亜種、又はアクリル含有物全体を超えるようにすることが望ましいかもしれない。他の適用において、その逆が当てはまることが望ましいかもしれない。最終適用とは独立して、既に上で記載したように、アクリレート又はメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物は好ましくはシリコーンアクリルハイブリッド組成物中にシリコーンアクリルハイブリッド組成物100質量部に基づいて約5〜約95質量部、より好ましくは約25〜約75質量部、そしてなおより好ましくは約40〜約60質量部の量で存在することが一般的に好ましい。
本発明の特定の実施態様によれば、本発明において使用されるシリコーンアクリルハイブリッド組成物は:
(i)
シリコーン樹脂、
シリコーンポリマー、及び
該アクリレート又はメタクリレート官能基をもたらすケイ素含有キャッピング剤[ここで、該ケイ素含有キャッピング剤は、一般式XYR’SiZ3−bのものであり、式中、
Xは一般式AE−の一価ラジカルであり、
ここでEは−O−又は−NH−であり、そしてAはアクリル基又はメタクリル基であり、
Yは、1〜6個の炭素原子を有する二価アルキレンラジカルであり、
R’はメチル又はフェニルラジカルであり、
Zは加水分解可能一価有機ラジカル又はハロゲンであり、そして
bは0又は1である]
の縮合反応生成物を含む、アクリレート又はメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物を供給する工程;
[ここで、シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーは反応して感圧接着剤を形成し、ここでケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーが反応する前に、反応の間に、又は反応した後に導入され、そしてここで:
ケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーが縮合反応して感圧接着剤を形成した後に感圧接着剤と反応し;又は
ケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーとインサイチュで反応する];
(ii)エチレン性不飽和モノマー及び工程(i)のアクリレート又はメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物を第一の溶媒中、開始剤の存在下で、50℃〜100℃の温度で重合させてシリコーンアクリルハイブリッド組成物を形成する工程;
(iii)第一の溶媒を除去する工程;並びに
(iv)第二の溶媒を加えてシリコーンアクリルハイブリッド組成物を形成する工程[ここで、シリコーンアクリルハイブリッド組成物の相配置は、第二の溶媒の選択により選択的に制御される]
を含む方法により製造されることにより記載され得る。
本発明において使用されるシリコーンアクリルハイブリッドPSA組成物はまた:
(i)
シリコーン樹脂、
シリコーンポリマー、及び
アクリレート又はメタクリレート官能基をもたらすケイ素含有キャッピング剤[ここで、該ケイ素含有キャッピング剤は、一般式XYR’SiZ3−bのものであり、式中、
Xは一般式AE−の一価ラジカルであり、
ここでEは−O−又は−NH−であり、そしてAはアクリル基又はメタクリル基であり、
Yは、1〜6個の炭素原子を有する二価アルキレンラジカルであり、
R’はメチル又はフェニルラジカルであり、
Zは加水分解可能一価有機ラジカル又はハロゲンであり、そして
bは0又は1である]
の縮合反応生成物を含む、該アクリレート又はメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物を供給する工程;
[ここで、シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーは反応して感圧接着剤を形成し、ここでケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーが反応する前に、反応の間に、又は反応した後に導入され、そしてここで:
ケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーが縮合反応して感圧接着剤を形成した後に感圧接着剤と反応し;又は
ケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーとインサイチュで反応する];
(ii)エチレン性不飽和モノマー及び工程(i)のケイ素含有感圧接着剤組成物を第一の溶媒中、開始剤の存在下で、50℃〜100℃の温度で重合させてシリコーンアクリルハイブリッド組成物を形成する工程;
(iii)第一の溶媒よりも高い沸点を有する処理溶媒を加える工程、並びに
(iv)第一の溶媒の大部分が選択的に除去されるように70℃〜150℃の温度で加熱する工程;
(v)処理溶媒を除去する工程;並びに
(vi)第二の溶媒を加えてシリコーンアクリルハイブリッド組成物を形成する工程[ここで、シリコーンアクリルハイブリッド組成物の相配置は、第二の溶媒の選択により選択的に制御される]
を含む方法により製造されることにより記載され得る。
前の段落に従うシリコーン樹脂は、式R SiO1/2のトリオルガノシロキシ単位及び式SiO4/2の四官能性シロキシ単位を各四官能性シロキシ単位について0.1〜0.9、好ましくは約0.6〜0.9トリオルガノシロキシ単位の比で含むコポリマーを含有し得る。好ましくは、各Rは独立して、1〜6個の炭素原子を有する一価炭化水素ラジカル、ビニル、ヒドロキシ又はフェニル基を示す。
前の段落に従うシリコーンポリマーは少なくとも1つのポリジオルガノシロキサンを含み得、そして好ましくはヒドロキシル基、アルコキシ基、ヒドリド基、ビニル基、又はそれらの混合物からなる群より選択される官能基で末端キャップされている(末端ブロックされている)。ジオルガノ置換基は、ジメチル、メチルビニル、メチルフェニル、ジフェニル、メチルエチル、(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチル及びそれらの混合物からなる群より選択され得る。好ましくは、ジオルガノ置換基はメチル基のみ含有する。ポリジオルガノシロキサンの分子量は、典型的には約50,000〜約1,000,000、好ましくは約80,000〜約300,000の範囲に及ぶ。好ましくは、ポリジオルガノシロキサンは、末端ブロックTRASiO1/2単位で終結するARSiO単位を含み、ここでポリ−ジオルガノシロキサンは、25℃で約100センチポアズ〜約30,000,000センチポアズの粘度を有し、各Aラジカルは、R又は1〜6個の炭素原子を有するハロ炭化水素から独立して選択され、各Tラジカルは、R、OH、H又はORからなる群より独立して選択され、そして各Rは独立して、1〜4個の炭素原子を有するアルキルラジカルである。
好ましいシリコーン樹脂及び好ましいシリコーンポリマーの形態を使用した例として、一種の感圧接着剤は:
(i)ケイ素結合ヒドロキシルラジカルを含有し、かつ存在する各SiO4/2単位について0.6〜0.9 R SiO1/2のモル比で本質的にR SiO1/2単位及びSiO4/2単位からなる少なくとも1つの樹脂コポリマー、境界も含めて30〜80質量部、(ii) 末端ブロックTRASiO1/2単位で終結されたARSiO単位を含む少なくとも1つのポリオルガノシロキサン約20質量部と約70質量部との間[ここで、ポリジオルガノシロキサンは、25℃で約100センチポアズ〜約30,000,000センチポアズの粘度を有し、そして各Rは、両端を含めて1〜6個の炭素原子の炭化水素ラジカルからなる群より選択される一価有機ラジカルであり、各Aラジカルは、R又は両端を含めて1〜6個の炭素原子を有するハロ炭化水素ラジカルから独立して選択され、各Tラジカルは、R、OH、H又はORからなる群より独立して選択され、そして各Rは独立して、境界を含めて1〜4個の炭素原子のアルキルラジカルである];十分な量の(iii)5,000〜15,000、より典型的には8,000〜13,000ppmの範囲の、シラノール含有量又は濃度をもたらすことができる以下に記載されるケイ素含有キャッピング剤(全体を通して末端ブロック剤とも呼ばれる)の少なくとも1つ、望ましい場合は、追加の触媒量の(iv)(ii)により全くもたらされない場合に弱いシラノール縮合触媒、及び必要な場合は、(i)、(ii)、(iii)、及び(iv)の混合物の粘度を減少させるための(i)、(ii)、(iii)及び(iv)に関して不活性である有効量の(v)有機溶媒を混合すること、並びに(i)、(ii)、(iii)及び(iv)の混合物を、少なくとも実質的な量のケイ素含有キャッピング剤がケイ素結合ヒドロキシルラジカル並びに(i)及び(ii)のTラジカルと反応するまで縮合させることにより製造される。さらなる有機ケイ素末端ブロック剤を、本発明のケイ素含有キャッピング剤(iii)と併せて使用することができる。
前の段落に従うケイ素含有キャッピング剤は、アクリレート官能性シラン、アクリレート官能性シラザン、アクリレート官能性ジシラザン、アクリレート官能性ジシロキサン、メタクリレート官能性シラン、メタクリレート官能性シラザン、メタクリレート官能性ジシラザン、メタ−アクリレート官能性ジシロキサン、及びそれらの組み合わせの群から選択され得、そして一般式XYR’SiZ3−b[式中、Xは一般式AE−の一価ラジカルであり、ここでEは−O−又は−NH−であり、そしてAはアクリル基又はメタクリル基であり、Yは1〜6個の炭素原子を有する二価アルキレンラジカルであり、R’はメチル又はフェニルラジカルであり、Zは加水分解可能な一価有機ラジカル又はハロゲンであり、そしてbは0、1又は2である]のものであるとして記載され得る。好ましくは、加水分解可能な一価有機ラジカルは、一般式R’’0−のものであり、ここでR’’はアルキレンラジカルである。最も好ましくは、この特定の末端ブロック剤は、3−メタクリルオキシプロピルジメチルクロロシラン、3−メタクリルオキシプロピルジクロロシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリクロロシラン、3−メタクリルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタ−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、(メタクリルオキシメチル)ジメチルメトキシシラン、(メタクリルオキシメチル)メチルジメトキシシラン、(メタクリルオキシメチル)トリメトキシシラン、(メタクリルオキシメチル)ジメチルエトキシシラン、(メタクリルオキシメチル)メチルジエトキシシラン、メタクリルオキシメチルトリエトキシシラン、メタクリルオキシ−プロピルトリイソプロポキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルジメチルシラザン、3−アクリルオキシ−プロピルジメチルクロロシラン、3−アクリルオキシプロピルジクロロシラン、3−アクリルオキシプロピル−トリクロロシラン、3−アクリルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−アクリルオキシ−プロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリルオキシプロピル−ジメチルシラザン、及びそれらの組み合わせの群から選択される。
前の段落に従うエチレン性不飽和モノマーは、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有するいずれのモノマーでもよい。好ましくは、前の段落に従うエチレン性不飽和モノマーは、脂肪族アクリレート、脂肪族メタクリレート、脂環式アクリレート、脂環式メタクリレート、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される化合物であり得る。当然のことながら、化合物の各々、脂肪族アクリレート、脂肪族メタクリレート、脂環式アクリレート、脂環式メタクリレートはアルキルラジカルを含む。これらの化合物のアルキルラジカルは、20個までの炭素原子を含み得る。エチレン性不飽和モノマーの1つとして選択され得る脂肪族アクリレートは、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸iso−オクチル、アクリル酸iso−ノニル、アクリル酸iso−ペンチル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル及びそれらの混合物からなる群より選択される。エチレン性不飽和モノマーの1つとして選択され得る脂肪族メタクリレートは、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸iso−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸iso−オクチル、メタクリル酸iso−ノニル、メタクリル酸iso−ペンチル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル及びそれらの混合物からなる群より選択される。エチレン性不飽和モノマーの1つとして選択され得る脂環式アクリレートはアクリル酸シクロヘキシルであり、そしてエチレン性不飽和モノマーの1つとして選択され得る脂環式メタクリレートはメタクリル酸シクロヘキシルである。
当然のことながら、シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤を製造するために使用されるエチレン性不飽和モノマーは、1つより多くのエチレン性不飽和モノマーであってよい。すなわち、エチレン性不飽和モノマーの組み合わせは、アクリレート又はメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物及び開始剤とともに重合され、より詳細には共重合され得る。本発明の特定の実施態様によれば、シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤は、好ましくはアクリルモノマーとして、アクリル酸2−エチルヘキシル及びアクリル酸メチル、より好ましくは50%アクリル酸2−エチルヘキシル及び50%アクリル酸メチルの比の、又は60%アクリル酸2−エチルヘキシル及び40%アクリル酸メチルの比の群から選択される少なくとも2つの異なるエチレン性不飽和モノマーを使用して製造される。
前の段落に従う開始剤は、シリコーンアクリルハイブリッドを形成するためのアクリレート又はメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物及びエチレン性不飽和モノマーの重合を開始するために適しているいずれの物質でもよい。例えば、過酸化物、アゾ化合物、酸化還元開始剤、及び光開始剤の群から選択されるフリーラジカル開始剤が使用され得る。
前の段落に従って使用され得るさらなる適切なシリコーン樹脂、シリコーンポリマー、ケイ素含有キャッピング剤、エチレン性不飽和モノマー、及び開始剤は、WO 2007/145996、EP 2 599 847 A1、及びWO 2016/130408において詳述される。
本発明の特定の実施態様によれば、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、シリコーンポリマー、シリコーン樹脂及びアクリルポリマーの反応生成物を含み、ここでアクリルポリマーは共有結合で自己架橋しており、そして共有結合でシリコーンポリマー及び/又はシリコーン樹脂に結合している。
本発明の特定の他の実施態様によれば、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、シリコーンポリマー、シリコーン樹脂及びアクリルポリマーの反応生成物を含み、ここでシリコーン樹脂は、各SiO4/2について0.1〜0.9 RSiO1/2単位のモル比でトリオルガノシロキシ単位RSiO1/2[ここでRは有機基である]及び四官能性シロキシ単位SiO4/2を含有する。
アクリルポリマーは、少なくともアルコキシシリル官能性モノマー、ポリシロキサン含有モノマー、ハロシリル官能性モノマー又はアルコキシハロシリル官能性モノマーを含み得る。好ましくは、アクリルポリマーは、トリアルコキシシリル(メタ)アクリレート、ジアルコキシアルキルシリル(メタ)アクリレート、及びそれらの混合物からなる群より選択されるアルコキシシリル官能性モノマーから製造され、又は末端キャップされたアルコキシシリル官能基を含む。アルコキシシリル官能基は、好ましくはトリメトキシルシリル基、ジメトキシメチルシリル基、トリエトキシルシリル、ジエトキシメチルシリル基及びそれらの混合物からなる群より選択され得る。
アクリルポリマーはまた、ポリシロキサン含有モノマーを含む混合物から、好ましくはポリジメチルシロキサンモノ(メタ)アクリレートを含む混合物から製造され得る。
シリル官能性モノマーは、典型的にはアクリルポリマーの0.2〜20質量%の量で使用され、より好ましくはシリル官能性モノマーの量はアクリルポリマーの約1.5〜約5質量%の範囲に及ぶ。
ポリシロキサン含有モノマーの量は、典型的にはアクリルポリマーの1.5〜50質量%の量で使用され、より好ましくはポリシロキサン含有モノマーの量はアクリルポリマーの5〜15質量%の範囲に及ぶ。
あるいは、アクリルポリマーは、アクリル及びポリシロキサンのブロック又はグラフトコポリマーを含む。ポリシロキサンブロックコポリマーの例は、ポリジメチルシロキサン−アクリルブロックコポリマーである。シロキサンブロックの好ましい量はブロックポリマー全体の10〜50質量%である。
アクリルポリマーは(メタ)アクリル酸アルキルモノマーを含む。使用され得る好ましい(メタ)アクリル酸アルキルは、アルキル基中に約18個までの炭素原子、好ましくはアルキル基中に1〜約12個の炭素原子を有する。約0℃未満のホモポリマーTgを有する好ましい低ガラス転移温度(Tg)アクリル酸アルキルは、アルキル基中に約4〜約10個の炭素原子を有し、そしてこれらとしては、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸デシル、それらの異性体、及びそれらの組み合わせが挙げられる。アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル及びアクリル酸イソオクチルが特に好ましい。アクリルポリマー成分は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル及びメタクリル酸イソブチルのような高いTgを有する(メタ)アクリレートモノマーをさらに含み得る。
アクリルポリマー成分は、得られる接着剤の低温流動特性を改善するためにポリイソブチレン基をさらに含み得る。
アクリルポリマー成分は窒素含有極性モノマーを含み得る。例としては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−第三級オクチルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−第三級ブチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、シアノエチルアクリレート、N−ビニルアセトアミド及びN−ビニルホルムアミドが挙げられる。
アクリルポリマー成分は、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル及び/又はメタクリル酸ヒドロキシプロピルのような1つ又はそれ以上のヒドロキシル含有モノマーを含み得る。
アクリルポリマー成分は、所望の場合、カルボン酸含有モノマーを含み得る。有用なカルボン酸は、好ましくは約3〜約6個の炭素原子を含有し、そしてこれらとしては、とりわけ、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、アクリル酸β−カルボキシエチルなどが挙げられる。アクリル酸は特に好ましい。
他の有用な周知のコモノマーとしては、酢酸ビニル、スチレン、アクリル酸シクロヘキシル、アルキルジ(メタ)アクリレート、メタクリル酸グリシジル及びアリルグリシジルエーテル、さらには例えば、ポリ(スチリル)メタクリレートのようなマクロマーが挙げられる。
本発明の実施において使用することができる1つのアクリルポリマー成分は、アクリル酸ブチル約90〜約99.5質量%及びジメトキシメチルシリルメタクリレート約0.5〜約10質量%を含むアクリルポリマーである。
本発明の特定の実施態様によれば、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、a)シリコーンポリマーをシリコーン樹脂と反応させて結果として得られる生成物を形成すること、b) a)の結果として得られる生成物を、反応性官能基を含有するアクリルポリマーと反応させること[ここで成分は有機溶媒中で反応する]により製造され得る。
本発明の特定の実施態様によれば、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、a)シリコーン樹脂を、反応性官能基を含有するアクリルポリマーと反応させて結果として得られる生成物を形成すること、b) a)の結果として得られる生成物をシリコーンポリマーと反応させること[ここで成分は有機溶媒中で反応する]により製造され得る。
本発明の特定の実施態様によれば、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、a) シリコーンポリマーを、反応性官能基を含有するアクリルポリマーと反応させて、結果として得られる生成物を形成すること、b) a)の結果として得られる生成物をシリコーン樹脂と反応させること[ここで成分は有機溶媒中で反応する]により製造され得る。
シリコーンポリマー、シリコーン樹脂及びアクリルポリマーを一緒に化学反応させて前の段落に従うシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを得るために使用することができるさらなる適切なアクリルポリマー、シリコーン樹脂、及びシリコーンポリマーはWO 2010/124187に記載される
本発明の特定の実施態様によれば、TTSにおいて使用されるシリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、1つ又はそれ以上の非ハイブリッドポリマーと混合され、好ましくはシリコーンアクリルハイブリッドポリマーは1つ又はそれ以上の非ハイブリッド感圧接着剤(例えば、ポリシロキサン又はアクリレートに基づく感圧接着剤)と混合される。
非ハイブリッドポリマー
本発明の特定の実施態様によれば、TTSはシリコーンアクリルハイブリッドポリマーに加えて1つ又はそれ以上の非ハイブリッドポリマー(例えば、非ハイブリッド感圧接着剤)を含む。非ハイブリッドポリマー(例えば、非ハイブリッド感圧接着剤)は、ハイブリッド化学種を含まないポリマー(例えば、ポリマーベースの感圧接着剤)である。ポリシロキサン類、アクリレート類、ポリイソブチレン類、又はスチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーに基づく非ハイブリッドポリマー(例えば、非ハイブリッド感圧接着剤)が好ましい。
非ハイブリッドポリマー(例えば、非ハイブリッド感圧接着剤)は、活性薬剤含有層構造及び/又は接着剤オーバーレイ中に含有され得る。
非ハイブリッド感圧接着剤は、通常はn−ヘプタン及び酢酸エチルのような溶媒中で供給されそして使用される。感圧接着剤の固体含有量は通常30%と80%との間である。
本発明に従う適切な非ハイブリッドポリマーは、例えば、商標名BIO−PSA(ポリシロキサンに基づく感圧接着剤)、OppanolTM(ポリイソブチレン)、JSR−SIS(スチレン−イソプレンコポリマー)又はDuro−TakTM(アクリルポリマー)で市販されている。
ポリシロキサンに基づくポリマーは、シリコーン系ポリマーとも呼ばれる。これらのポリシロキサンに基づくポリマーは、好ましくはポリシロキサンに基づく感圧接着剤である。ポリシロキサンに基づく感圧接着剤は、シリコーン系感圧接着剤と呼ばれても、又はシリコーン感圧接着剤と呼ばれてもよい。これらのポリシロキサンに基づく感圧接着剤は、適切な粘性及び湿った皮膚を含む様々なタイプの皮膚への急速な結合、適切な接着及び粘着品質、皮膚への長続きする接着、高度の可撓性、水分の透過性、並びに多くの活性物質及びフィルム基材に対する適合性を提供する。それらに十分なアミン抵抗性を与えることが可能であり、したがって、アミンの存在下での増加された安定性を与えることが可能である。このような感圧接着剤は、ポリマー中樹脂(resin−in−polymer)の概念に基づくものであり、この概念ではシラノール末端ブロックポリジメチルシロキサンのシリカ樹脂(シリケート樹脂とも呼ばれる)との縮合反応により、ポリシロキサンに基づく感圧接着剤が製造され、ここでアミン安定性のために、残留シラノール官能基はトリメチルシロキシ基でさらにキャッピングされる。シラノール末端ブロックポリジメチルシロキサン含有量は、粘弾性挙動の粘性成分に寄与し、そして接着剤のぬれ特性及び展延特性に影響を与える。樹脂は増粘剤及び補強剤として作用し、そして弾性成分に参加する。シラノール末端ブロックポリジメチルシロキサンと樹脂との間の正しいバランスは、正しい接着特性をもたらす。
上記を考慮して、シリコーン系ポリマー、及び特にシリコーン系感圧接着剤は、一般に、シラノール末端ブロックポリジメチルシロキサンのシリケート樹脂との重縮合により得ることができる。アミン適合性シリコーン系ポリマー、及び特にアミン適合性シリコーン系感圧接着剤は、シリコーン系ポリマー、特にシリコーン系感圧接着剤を、トリメチルシリル(例えば、ヘキサメチルジシラザン)と反応させてポリマーのシラノール含有量を減少させることにより得ることができる。結果として、残留シラノール官能基は、少なくとも部分的に、好ましくは大部分又は完全にトリメチルシロキシ基でキャッピングされている。
上に示したように、シリコーン系ポリマーの粘着性は、樹脂対ポリマー比、すなわち、シラノール末端ブロックポリジメチルシロキサンのシリケート樹脂に対する比により改変され得、これは好ましくは70:30〜50:50の範囲、好ましくは65:35〜55:45の範囲に及ぶ。粘着性は、樹脂と比較して増加する量のポリジメチルシロキサンとともに増加される。高い粘着性のシリコーン系ポリマーは、好ましくは樹脂対ポリマー比55:45を有し、中程度の粘着性のシリコーン系ポリマーは、好ましくは樹脂対ポリマー比60:40を有し、そして低い粘着性のシリコーン系ポリマーは好ましくは樹脂対ポリマー比65:35を有する。高い粘着性のシリコーン系ポリマーは、好ましくは0.01rad/s及び30℃で約5x10ポアズの複素粘度を有し、中程度の粘着性のシリコーン系ポリマーは、好ましくは0.01rad/s及び30℃で約5x10ポアズの複素粘度を有し、そして低い粘着性のシリコーン系ポリマーは、好ましくは0.01rad/s及び30℃で約5x10ポアズの複素粘度を有する。高い粘着性のアミン適合性シリコーン系ポリマーは、好ましくは0.01rad/s及び30℃で約5x10ポアズの複素粘度を有し、中程度の粘着性のアミン適合性シリコーン系ポリマーは、好ましくは0.01rad/s及び30℃で約5x10ポアズの複素粘度を有し、そして低い粘着性のアミン適合性シリコーン系ポリマーは、好ましくは0.01rad/s及び30℃で約5x10ポアズの複素粘度を有する。
市販されているシリコーン系PSA組成物の例としては、Dow Corningにより製造されそして典型的にn−ヘプタン又は酢酸エチル中で供給される、標準BIO−PSAシリーズ(7−4400、7−4500及び7−4600シリーズ)、アミン適合性(末端キャップ)BIO−PSAシリーズ(7−4100、7−4200及び7−4300シリーズ)及びSoft Skin接着剤シリーズ(7−9800)が挙げられる。例えば、BIO−PSA 7−4201は、25℃及びヘプタン中約60%固体含有量での溶液粘度450 mPa s並びに0.01rad/s、30℃での複素粘度1×10ポアズにより特徴づけられる。BIO−PSA 7−4301は、25℃及びヘプタン中の固体含有量約60%での溶液粘度500mPa s並びに0.01rad/s、30℃での複素粘度5×10ポアズを有する。
ポリシロキサンに基づく感圧接着剤は、n−ヘプタン、酢酸エチル、又は他の揮発性シリコーン流体のような溶媒中で供給され使用される。ポリシロキサンに基づく感圧接着剤の溶媒中の固体含有量は、通常60と85%との間、好ましくは70と80%との間又は60と75%との間である。当業者は、固体含有量が適切な量の溶媒を加えることにより改変され得ることが分かる。
例えばDow Corningから入手可能なポリシロキサンに基づく感圧接着剤は、以下のスキームに従って得られ得る:
Figure 2020532582
このようなポリシロキサンに基づく感圧接着剤は、Dow Corningから、例えば商標名BIO−PSA 7−4401、BIO−PSA−7−4501、もしくはBIO−PSA 7−4601で入手可能であり、これらは溶媒n−ヘプタン中(コード「01」で示される)で提供され、又は商標名BIO−PSA 7−4402、BIO−PSA 7−4502、及びBIO 7−4602で入手可能であり、これらは溶媒酢酸エチル中(コード「02」で示される)で提供される。典型的な溶媒中の固体含有量は60〜75%の範囲内である。コード「44」は低い粘着性を生じる65:35の樹脂対ポリマー比を示し、コード「45」は中程度の粘着性を生じる60:40の樹脂対ポリマー比を示し、コード「46」は高い粘着性を生じる55:45の樹脂対ポリマー比を示す。
例えばDow Corningから入手可能なポリシロキサンに基づくアミン適合性感圧接着剤は、以下のスキームに従って得られ得る:
Figure 2020532582
このようなポリシロキサンに基づくアミン適合性感圧接着剤は、Dow Corningから、例えば、商標名BIO−PSA 7−4101、BIO−PSA−7−4201、もしくはBIO−PSA 7−4301で入手可能であり、これらは溶媒n−ヘプタン中で(コード「01」で示される)提供され、又は商標名BIO−PSA 7−4102、BIO−PSA 7−4202、及びBIO 7−4302で入手可能であり、これらは溶媒酢酸エチル中で(コード「02」で示される)提供される。溶媒中の典型的な固体含有量は60〜75%の範囲内である。コード「41」は低い粘着性を生じる樹脂対ポリマー比65:35を示し、コード「42」は、中程度粘着性を生じる樹脂対ポリマー比60:40を示し、コード「43」は、高い粘着性を生じる55:45の樹脂対ポリマー比を示す。
本発明に従うポリシロキサンに基づく好ましい感圧接着剤は、好ましくはスピンドル数5を備えたBrookfield RVT粘度計を使用して50rpmで測定して、約150mPa sより高い、又は約200mPa s〜約700mPa sの、25℃及びn−ヘプタン中の固体含有量60%での溶液粘度により特徴づけられる。これらはまた、0.01rad/s、30℃で約1x10ポアズ又は約lx10〜約9x10ポアズの複素粘度により特徴づけられ得る。
本発明に従う適切なポリイソブチレンはOppanol(R)の商標名で入手可能である。高分子量ポリイソブチレン(B100/B80)と低分子量ポリイソブチレン(B10、B11、B12、B13)との組み合わせが使用され得る。低分子量ポリイソブチレン対高分子量ポリイソブチレンの適切な比は、100:1〜1:100の範囲内、好ましくは95:5〜40:60、より好ましくは90:10〜80:20の範囲内である。ポリイソブチレン組み合わせの好ましい例は、85/15の比のB10/B100である。Oppanol(R)B100は、粘度平均分子量M 1,110,000、及び質量平均分子量M 1,550,000、及び平均分子量分布M/M2.9を有する。Oppanol(R)B10は、粘度平均分子量M 40,000、及び質量平均分子量M 53,000、及び平均分子量分布M/M3.2を有する。特定の実施態様において、ポリブテンはポリイソブチレンに加えられ得る。溶媒中のポリイソブチレンの固体含有量は、通常は30と50%との間、好ましくは35と40%との間である。当業者は、固体含有量が適切な量の溶媒を加えることにより改変され得ることが分かる。
アクリレートに基づく感圧接着剤はまたアクリレート系感圧接着剤、又はアクリレート感圧接着剤とも呼ばれ得る。アクリレートに基づく感圧接着剤は、好ましくは30%と60%との間の固体含有量を有し得る。このようなアクリレート系感圧接着剤は、ヒドロキシ基、カルボン酸基、中和されたカルボン酸基及びそれらの混合物のような官能基を含んでいてもいなくてもよい。したがって、用語「官能基」は特にヒドロキシ基及びカルボン酸基、並びに脱プロトン化されたカルボン酸基を指す。
対応する市販製品は、例えばHenkelから商標名Duro Tak(R)で入手可能である。このようなアクリレート系感圧接着剤は、アクリル酸、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、t−オクチルアクリルアミド及び酢酸ビニルの1つ又はそれ以上から選択されるモノマーに基づくものであり、そして酢酸エチル、ヘプタン、n−ヘプタン、ヘキサン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2,4−ペンタジオン、トルエン又はキシレン又はそれらの混合物中で提供される。
特定のアクリレート系感圧接着剤は:
− Duro−TakTM 387−2287又はDuro−TakTM 87−2287(架橋剤を含まない酢酸エチル中の溶液として提供される酢酸ビニル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル及びメタクリル酸グリシジルに基づくコポリマー)、
− Duro−TakTM 387−2516又はDuro−TakTM 87−2516(チタン架橋剤を含む酢酸エチル、エタノール、n−ヘプタン及びメタノール中の溶液として提供される酢酸ビニル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル及びメタクリル酸グリシジルに基づくコポリマー)、
− Duro−TakTM 387−2051又はDuro−TakTM 87−2051(酢酸エチル及びヘプタン中の溶液として提供される、アクリル酸、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル及び酢酸ビニルに基づくコポリマー)、
− Duro−TakTM 387−2353又はDuro−TakTM 87−2353(酢酸エチル及びヘキサン中の溶液として提供される、アクリル酸、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸グリシジル及びアクリル酸メチルに基づくコポリマー)、
− Duro−TakTM 87−4098(酢酸エチル溶液として提供されるアクリル酸2−エチルヘキシル及び酢酸ビニルに基づくコポリマー)
として入手可能である。
さらなるポリマーを、凝集性及び/又は接着性を増強するために加えてもよい。
特定のポリマーは、特に低温流動を減少させ、したがって特にさらなるポリマーとして適している。ポリマーマトリックスは、そのようなポリマー組成物がしばしば非常に高い粘性にもかかわらず非常にゆっくりと流動する能力を示すので、低温流動を示し得る。したがって、貯蔵の間に、マトリックスは裏打ち層の端を超えてある程度流動し得る。これは貯蔵安定性に伴う問題であり、特定のポリマーを加えることにより防止することができる。塩基性アクリレートポリマー(例えば、Eudragit(R)E100)は、例えば低温流動を減少させるために使用され得る。したがって、特定の実施態様において、マトリックス層組成物は、塩基性ポリマー、特に例えばEudragit(R)E100のようなアミン官能性アクリレートをさらに含む。Eudragit(R)E100は、2:1:1の比のメタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ブチル、及びメタクリル酸メチルに基づくカチオン性コポリマーである。モノマーはコポリマー鎖に沿って無作為に分布している。SEC法に基づいて、Eudragit(R)E100の質量平均モル質量(Mw)は約47,000g/molである。さらに、Plastoid Bのようなポリマー、Eudragitsのようなアクリルポリマー、キトサン、セルロース及びその誘導体、並びにポリスチレンは、接着剤(例えば、マトリックス層)の乾燥を増加させるために有用であり得る。
さらなる添加剤
本発明に従うTTS、及び特にリバスチグミン含有層は、少なくとも1つの添加剤又は賦形剤をさらに含み得る。該添加剤又は賦形剤は、好ましくは結晶化阻害剤、可溶化剤、増量剤、スキンケアのための物質、pH調整剤、保存料、増粘剤、軟化剤、安定剤、及び透過促進剤からなる群より、特に結晶化阻害剤、スキンケアのための物質、増粘剤、軟化剤、安定剤及び透過促進剤から選択される。より好ましくは、該添加剤は、結晶化阻害剤、可溶化剤、増量剤、スキンケアのための物質、pH調整剤、保存料、増粘剤、軟化剤、安定剤、及び透過促進剤からなる群より、特にスキンケアのための物質、増粘剤、軟化剤、及び安定剤から選択される。このような添加剤は、リバスチグミン含有層中に、リバスチグミン含有層の総質量に基づいて0.001質量%〜15質量%、例えば1〜10質量%又は0.01〜5質量%の量で存在し得る。
製剤処方において、処方成分は、それらの物理化学的及び生理学的特性に従って、そしてそれらの機能に従って分類されるということに留意のこと。これは特に、1つのカテゴリーに分類される物質又は化合物が、製剤成分の別のカテゴリーに分類されることを排除されないということを意味する。例えば、特定のポリマーは結晶化阻害剤であり得るが、増粘剤でもあり得る。いくつかの物質は、例えば典型的には軟化剤であり得るが、同時に透過促進剤としても作用する。当業者は、一般的な知識に基づいて、特定の物質又は化合物が製剤成分のどのカテゴリーに属するかを決定することができる。以下において、賦形剤及び添加剤の詳細が示されるが、しかし排他的と理解されるべきではない。本明細書において明示的に列挙されていない他の物質も、本発明に従って同様に使用され得、そして製剤成分の1つのカテゴリーに明示的に列挙されている物質及び/又は化合物は、本発明の意味において別の製剤成分として使用されることを排除されない。
一実施態様において、リバスチグミン含有層は結晶化阻害剤をさらに含む。いくつかの実施態様において、結晶化阻害剤は、リバスチグミン含有層の総質量に基づいて0.5〜10質量%の量で存在し得る。結晶化阻害剤の適切な例としては、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル/ビニルピロリドンコポリマー及びセルロース誘導体が挙げられる。結晶化阻害剤は、好ましくはポリビニルピロリドンであり、より好ましくは可溶性ポリビニルピロリドンである。結晶化阻害剤は、活性薬剤の可溶性を増加し得、又は例えば薬剤が塩の形態で使用される場合に活性薬剤の結晶化を阻害する。
一実施態様において、リバスチグミン含有層は安定剤をさらに含み、ここで安定剤は好ましくは、トコフェロール及びそのエステル誘導体、並びにアスコルビン酸及びそのエステル誘導体から選択される。いくつかの実施態様において、安定剤は、リバスチグミン含有層の総質量に基づいて0.001〜2.0質量%、好ましくは0.01〜1.0質量%の量で存在し得る。いくつかの実施態様において、好ましい安定剤としては、二亜硫酸ナトリウム、脂肪酸のアスコルビルエステル、例えばパルミチン酸アスコルビル、アスコルビン酸、ブチル化ヒドロキシトルエン、トコフェロール、酢酸トコフェリル、及びリノール酸トコフェリルが挙げられる。好ましい安定剤としては、脂肪酸のアスコルビルエステル、アスコルビン酸、トコフェロール、酢酸トコフェリル、及びリノール酸トコフェリルが挙げられる。トコフェロールが特に好ましい。トコフェロール及びパルミチン酸アスコルビルの組み合わせも特に好ましい。
一実施態様において、リバスチグミン含有層は軟化剤/可塑剤をさらに含む。例となる軟化剤/可塑剤としては、6〜20個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の、飽和又は不飽和アルコール、トリグリセリド及びポリエチレングリコールが挙げられる。
一実施態様において、リバスチグミン含有層は可溶化剤を更に含む。可溶化剤は、好ましくはリバスチグミン含有層におけるリバスチグミンの溶解性を改善する。好ましい可溶化剤としては、例えば、中鎖及び/又は長鎖脂肪酸のグリセロール−、ポリグリセロール−、プロピレングリコール−及びポリオキシエチレン−エステル類、例えば、モノリノール酸グリセリル、中鎖グリセリド及び中鎖トリグリセリド、ヒマシ油をエチレンオキシドと反応させることにより製造された非イオン性可溶化剤、並びに脂肪酸又は脂肪アルコールをさらに含有していてもよいそれらの混合物;セルロース及びメチルセルロース及びそれらの誘導体、例えばヒドロキシプロピルセルロース及びヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル;様々なシクロデキストリン類及びそれらの誘導体;ポロキサマーとして知られるポリオキシエチレンの2つの親水性鎖が隣接したポリオキシプロピレンの中央疎水性鎖を有する非イオン性トリブロックコポリマー;ビタミンEの水溶性誘導体;医薬品等級又は造粒された球状イソマルト;Soluplus(R)として知られる、ポリエチレングリコール、ポリ酢酸ビニル及びポリビニルカプロラクタム系グラフトコポリマー、PVAc−PVCap− PEGとも略される;精製された等級の天然由来の、ヒマシ油、ポリエチレングリコール400、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート(例えば、ポリソルベート80)又はプロピレングリコール類;ジエチレングリコールモノエチルエーテル;グルコノ−デルタ−ラクトン;トウモロコシ及びジャガイモデンプン;さらには以下で述べられる可溶性ポリビニルピロリドン類のいずれか、不溶性/架橋ポリビニルピロリドン類、例えばクロスポビドン類が挙げられる。
しかし、以下に述べられる浸透促進剤も可溶化剤として作用し得る。さらに、結晶化阻害剤も可溶化剤として作用し得る。
一実施態様において、リバスチグミン含有層はpH調整剤を更に含む。適切なpH調整剤としては、弱酸及びアミン誘導体を含む弱塩基、無機アルカリ誘導体、並びに塩基性又は酸性官能基を有するポリマーが挙げられる。
一実施態様において、リバスチグミン含有層は保存料を更に含む。適切な保存料としては、パラベン類、ホルムアルデヒドリリーサー(releasers)、イソチアゾリノン類、フェノキシエタノール、及び有機酸、例えば安息香酸、ソルビン酸、レブリン酸及びアニス酸が挙げられる。
一実施態様において、リバスチグミン含有層はスキンケアのための物質を更に含む。このような物質は、皮膚応答スコアにより検出可能な皮膚刺激を避けるか又は低減するために使用され得る。適切なスキンケアのための物質としては、ステロール化合物、例えばコレステロール、デクスパンテノール、アルファ−ビサボロール、及び抗ヒスタミン薬が挙げられる。スキンケアのための物質は、好ましくはリバスチグミン含有層の総質量に基づいて1〜10質量%の量で使用される。
リバスチグミン含有層が自己接着性を有することが必要とされ、かつ十分な自己接着特性を生じない1つ又はそれ以上のポリマーが選択される場合、増粘剤が添加される。好ましい増粘剤としては、長鎖不飽和偶数脂肪酸及び植物起源の長鎖不飽和偶数脂肪アルコールに基づく液体ワックスエステルであるMiglyol、並びにポリエチレングリコールが挙げられる。特に、増粘剤はポリビニルピロリドン(その吸水能力のために、マトリックス層の接着特性を維持することができ、従って広義で増粘剤とみなすことができる)、トリグリセリド、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、樹脂、樹脂エステル、テルペン類及びそれらの誘導体、エチレン酢酸ビニル接着剤、ジメチルポリシロキサン類及びポリブテン類、好ましくはポリビニルピロリドン及びより好ましくは可溶性ポリビニルピロリドンから選択され得る。好ましくは、増粘剤は、ポリビニルピロリドン、トリグリセリド、ジプロピレングリコール、樹脂、樹脂エステル、テルペン類及びそれらの誘導体、エチレン酢酸ビニル接着剤、ジメチルポリシロキサン類及びポリブテン類、好ましくはポリビニルピロリドン及びより好ましくは可溶性ポリビニルピロリドンから選択され得る。いくつかの実施態様において、増粘剤はリバスチグミン含有層の総質量に基づいて5〜15質量%の量で存在し得る。
用語「可溶性ポリビニルピロリドン」は、少なくともエタノール中、好ましくは水、ジエチレングリコール、メタノール、n−プロパノール、2プロパノール、n−ブタノール、クロロホルム、塩化メチレン、2−ピロリドン、マクロゴール400、1,2プロピレングリコール、1,4ブタンジオール、グリセロール、トリエタノールアミン、プロピオン酸及び酢酸中でも10%より多く溶解できるポリビニルピロリドン(ポビドンとしても知られる)を指す。市販されているポリビニルピロリドンの例としては、BASFにより供給されるKollidon(R) 12 PF、Kollidon(R) 17 PF、Kollidon(R) 25、Kollidon(R) 30及びKollidon(R) 90 F、又はポビドンK90Fが挙げられる。様々な等級のKollidon(R)が、ポリビニルピロリドン等級の平均分子量を反映するK値に関して規定されている。Kollidon(R) 12 PFは10.2〜13.8のK値範囲を特徴とし、名目K値12に対応する。Kollidon(R) 17 PFは15.3〜18.4の名目K値範囲を特徴とし、名目K値17に対応する。Kollidon(R) 25は22.5〜27.0の名目K値範囲を特徴とし、K値25に対応し、Kollidon(R) 30は27.0〜32.4のK値範囲を特徴とし、K値30に対応する。Kollidon(R) 90 Fは81.0〜97.2のK値範囲を特徴とし、名目K値90に対応する。好ましいKollidon(R)等級は、Kollidon(R) 12 PF、Kollidon(R) 30及びKollidon(R) 90Fである。
本発明の意義の範囲内で、用語「K値」は、「ポビドン」について欧州薬局方(Ph.Eur.)及びUSPモノグラフに従って水中のポリビニルピロリドンの相対粘度から計算された値を指す。
シリカゲル、二酸化チタン及び酸化亜鉛のようなフィラーは、凝集性及び結合強度のような特定の物理的パラメーターに望ましい方法で影響を与えるためにポリマーと併せて使用され得る。
一実施態様において、リバスチグミン含有層は、透過促進剤をさらに含む。透過促進剤は、活性薬剤透過性を増加させる意味で角質層のバリア特性に影響を与える物質である。透過促進剤のいくつかの例は、多価アルコール、例えばジプロピレングリコール、プロピレングリコール、及びポリエチレングリコール;オイル、例えばオリーブ油、スクアレン、及びラノリン;脂肪エーテル、例えばセチルエーテル及びオレイルエーテル;脂肪酸エステル、例えばミリスチン酸イソプロピル;尿素及び尿素誘導体、例えばアラントイン;極性溶媒、例えばジメチルデシルホスホキシド、メチルセチルスルホキシド、ジメチルラウリルアミン、ドデシルピロリドン、イソソルビトール、ジメチルアセトニド、ジメチルスルホキシド、デシルメチルスルホキシド、及びジメチルホルムアミド;サリチル酸;アミノ酸;ニコチン酸ベンジル;及びより高分子量の脂肪族界面活性剤、例えばラウリル硫酸塩である。他の薬剤としては、オレイン酸及びリノール酸、アスコルビン酸、パンテノール、ブチル化ヒドロキシトルエン、トコフェロール、酢酸トコフェリル、リノール酸トコフェリル、オレイン酸プロピル、及びパルミチン酸イソプロピルが挙げられる。
リバスチグミン含有層が透過促進剤をさらに含む場合、透過促進剤は、好ましくはジエチレングリコールモノエチルエーテル(transcutol)、アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、乳酸ラウリル、及びジメチルプロピレン尿素から選択される。
たとえ浸透促進剤が存在しなくとも、TTSが活性薬剤の十分な透過性をもたらすということが見いだされた。従って、本発明の特定の実施態様において、リバスチグミン含有層は浸透促進剤も可溶化剤も含まない。
放出特徴
本発明に従うTTSは、リバスチグミンを全身循環に所定の長期間の間、好ましくは24時間経皮投与するために設計される。
一実施態様において、本発明に従うTTSは、約24時間の投与にわたって150〜3500μg/cm*日、好ましくは200〜3000μg/cm*日リバスチグミンの平均放出速度を経皮送達により生じる。
一実施態様において、本発明に従うTTSは、約24時間の患者の皮膚へのTTSの投与期間の間、ほぼ一定の速度でリバスチグミン2〜20mgを経皮送達により提供する。
一実施態様において、本発明に従うTTSは、1〜25ng/ml、好ましくは1〜20ng/mlのリバスチグミンの血漿濃度を定常状態で経皮送達により生じる。
好ましくは、TTSは、TTSの皮膚への適用の8時間未満以内に、好ましくは6時間未満後以内に、より好ましくは4時間未満以内に、リバスチグミンの治療上有効な血漿濃度を生じる。
好ましくは、TTSは、血漿濃度の定常状態に達した後、リバスチグミンの治療上有効な定常状態血漿濃度を少なくとも12時間、好ましくは少なくとも18時間、より好ましくは少なくとも20時間生じるが、ただしTTSは、定常状態に達して維持し得るように皮膚に十分な時間、例えば少なくとも24時間投与される。特に、TTSが患者の皮膚に約24時間投与される場合、TTSは、リバスチグミン1ng/ml〜25ng/mlの血漿濃度が、8時間未満以内、好ましくは6時間未満以内、より好ましくは4時間未満以内に達成され、そしてこの血漿濃度が少なくとも12時間、好ましくは少なくとも18時間、より好ましくは少なくとも20時間維持されることを確実にする。
一実施態様において、本発明に従うTTSは、1日1回の投与を繰り返した後に、約10〜450ng*h/ml、好ましくは約20〜340ng*h/mlのAUC24hを生じる。別の実施態様において、本発明に従うTTSは、患者の皮膚上に経皮治療システムを適用した後に、約0.5〜30ng/ml、好ましくは約1〜25ng/mlのCmaxを生じる。更に別の実施態様において、本発明に従うTTSは、患者の皮膚上に経皮治療システムを適用した後に、約3〜15時間、好ましくは約5〜10時間のtmaxを生じる。
一実施態様において、本発明に従うTTSは、0.1ng/mlの定量限界(LLOQ)でLC−MS/MSを使用して分析して、
最初の4時間に0ng/ml〜15ng/ml、
4時間から12時間で1ng/ml〜22ng/ml、
12時間から24時間で0,5ng/ml〜14ng/ml
のリバスチグミンの血漿濃度を生じる。
一実施態様において、本発明に従う経皮治療システムは、EVA膜を用いて24時間の期間にわたってFranz拡散セルで測定して約300μg/cm〜1200μg/cmのリバスチグミンの累積透過量を生じる。
一実施態様において、本発明に従う経皮治療システムは、EVA膜(3Mからの9%酢酸ビニルCotran 9702)を用いてFranz拡散セルで測定して、
最初の3時間に0μg/cm〜240μg/cm
3時間から8時間に80μg/cm〜350μg/cm
8時間から24時間に210μg/cm〜560μg/cm
のリバスチグミンの透過量を生じる。
処置方法/医学的使用
本発明の特定の局面によれば、本発明に従うTTSは、ヒト患者を処置する方法における使用のため、好ましくはヒト患者を処置する方法における使用のため、好ましくはアルツハイマー病、パーキンソン病に関連する認知症、及び/又は外傷性脳損傷の症状を予防するか、処置するか又はそれらの進行を遅延させる方法における使用のためのものである。本発明の別の特定の局面によれば、TTSは、アルツハイマー病又はパーキンソン病により引き起こされる軽度から中等度の認知症を処置する方法における使用のためのものである。
一実施態様において、本発明に従うTTSは、ヒト患者を処置する方法における使用のため、好ましくはアルツハイマー病、パーキンソン病に関連する認知症、及び/もしくは外傷性脳損傷の症状を予防するか、処置するかもしくはそれらの進行を遅延させる方法における使用のため、又はヒト患者を処置する方法における使用のため、好ましくはアルツハイマー病もしくはパーキンソン病により引き起こされる軽度から中等度の認知症を処置する方法における使用のためのものであり、ここで経皮治療システムは、少なくとも24時間、好ましくは約24時間の投薬間隔の間、患者の皮膚に適用される。
一実施態様において、本発明に従うTTSは、ヒト患者を処置する方法における使用のため、好ましくはアルツハイマー病、パーキンソン病に関連する認知症、及び/もしくは外傷性脳損傷の症状を予防するか、処置するかもしくはそれらの進行を遅延させる方法における使用のため、又はヒト患者を処置する方法における使用のため、好ましくはアルツハイマー病もしくはパーキンソン病により引き起こされる軽度から中等度の認知症を処置する方法における使用のためのものであり、ここで経皮治療システムは、少なくとも72時間、好ましくは約84時間の投薬間隔の間、患者の皮膚に適用される。
特定の実施態様において、本発明は、患者の皮膚に本発明の範囲内で定義される経皮治療システムを適用することにより、ヒトを処置する方法、特にアルツハイマー病、パーキンソン病に関連する認知症、及び/又は外傷性脳損傷の症状を予防するか、処置するかもしくはそれらの進行を遅延させる方法に関する。別の特定の実施態様において、本発明は、患者の皮膚に本発明の範囲内で定義される経皮治療システムを適用することにより、ヒトを処置する方法、特にアルツハイマー病もしくはパーキンソン病により引き起こされる軽度から中等度の認知症を処置する方法に関する。
一実施態様において、本発明は、ヒト患者を処置する方法、特にアルツハイマー病、パーキンソン病に関連する認知症、及び/もしくは外傷性脳損傷の症状を予防するか、処置するかもしくはそれらの進行を遅延させる方法、又はヒト患者を処置する方法、特にアルツハイマー病もしくはパーキンソン病により引き起こされる軽度から中等度の認知症を処置する方法に関し、ここで経皮治療システムは、少なくとも24時間、好ましくは約24時間の投薬間隔の間患者の皮膚に適用される。
一実施態様において、本発明は、ヒト患者を処置する方法、特にアルツハイマー病、パーキンソン病に関連する認知症、及び/もしくは外傷性脳損傷の症状を予防するか、処置するかもしくはそれらの進行を遅延させる方法、又はヒト患者を処置する方法、特にアルツハイマー病もしくはパーキンソン病により引き起こされる軽度から中等度の認知症を処置する方法に関し、ここで経皮治療システムは、少なくとも72時間、好ましくは約84時間の投薬間隔の間患者の皮膚に適用される。
上記の使用及び処置方法に関連して、本発明に従うTTSは、好ましくは上部外側分野、胸郭上部、上背又は側胸部から選択される被験体上の少なくとも1つの体表面に、規定された投薬間隔の間適用される。
本発明に従うTTSの好ましい適用時間は、少なくとも24時間、好ましくは約24時間(1日)又は約84時間(3.5日)、特に好ましくは約24時間である。この時間の後にTTSを除去し得、そして一日中の処置を可能にするために場合により新しいTTSを適用してもよい。
製造方法
本発明はさらに、経皮治療システムにおける使用のための、リバスチグミン含有層、好ましくはリバスチグミン含有マトリックス層の製造方法に関する。
本発明によれば、本発明に従う経皮治療システムにおける使用のためのリバスチグミン含有層を製造する方法は:
1)少なくとも成分
1.得られたリバスチグミン含有層中のリバスチグミンの量がリバスチグミン含有層の総質量に基づいて10〜25質量%であるような量のリバスチグミン;
2.シリコーンアクリルハイブリッドポリマー;及び
3.場合により、少なくとも1つのさらなる非ハイブリッドポリマー及び/又は添加剤;
を混合してコーティング組成物を得る工程;
2)裏打ち層又は剥離ライナー上にコーティング組成物をコーティングする工程;並びに
3)コーティングされたコーティング組成物を乾燥してリバスチグミン含有層を形成する工程
を含む。
上記製造方法の工程1)において、リバスチグミンを好ましくは溶解又は分散させて均一なコーティング組成物を得る。
上記の方法において、溶媒は、好ましくはアルコール溶媒、特にメタノール、エタノール、イソプロパノール及びそれらの混合物、並びに非アルコール溶媒、特に酢酸エチル、ヘキサン、ヘプタン、石油エーテル、トルエン、及びそれらの混合物から選択され、そしてより好ましくは非アルコール溶媒から選択され、そして最も好ましくは酢酸エチル又はn−ヘプタンである。
本発明の特定の実施態様において、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは溶液として提供され、ここで溶媒は酢酸エチル又はn−ヘプタンである。好ましくは、酢酸エチルを使用する。好ましくは、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは固体含有量40〜60質量%を有する。
上記の製造方法の工程3)において、乾燥は好ましくは20〜90℃、より好ましくは40〜70℃の温度で行われる。
本発明はここで添付の実施例を参照してより完全に記載される。しかし、以下の記載は説明の目的のみのものであり、いかなるようにも本発明の限定とは解釈されるべきではないということが理解されるべきである。組成物中の成分の量又は面積質量に関して実施例において示される数値は、製造の変動性に起因してわずかに変動し得る。
比較例1
比較例1(Comp.1)は、Novartis Pharmaにより提供されるリバスチグミンを含有するアクリルベースの層(60g/m)及びリバスチグミンを含まないシリコーンベースの皮膚接触層(30g/m)を有する市販のリバスチグミン含有TTS製品Exelon(R)である。
市販のExelon(R) TTSの透過量を実施例1〜7に従って決定し、そして24時間での対応する累積量を計算した。
結果を表2.2、4.2、5.2、及び6.2並びに図1〜7に示す。
実施例1A〜D
コーティング組成物
実施例1a〜dのリバスチグミン含有コーティング組成物の配合を以下の表1.1a及び1.1bに示す。%値は質量%での量を指す。
Figure 2020532582
Figure 2020532582
コーティング組成物の製造
約50質量%の固体含有量を有するシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤(実施例1a及び1bについてはDow Corning HealthcareからのPSA SilAc 7−6102又は実施例1c及び1dについてはDow Corning HealthcareからのPSA SilAc 7−6301)をビーカーに入れた。リバスチグミン塩基及び、該当する場合(実施例1b及び1d)、さらなる接着剤を撹拌下で加えた。この混合物を約800rpmで均一な混合物が得られるまで撹拌した(少なくとも20分)。
コーティング組成物のコーティング
得られたリバスチグミン含有コーティング組成物を、リバスチグミン含有混合物が完成して24時間未満以内に接着して備え付けられたホイル(Scotchpak 9755 AB1F)上に手動で研究用ナイフコーティング装置を使用してerichsonコーターを使用してコーティングした。第一段階でほぼ室温(23±2℃)で約10分間乾燥し、続いて約60℃(実施例1aについては約70℃)で約20分間(実施例1aについては約10分間)第二の乾燥工程により溶媒を除去した。
溶液の除去により約98.0(実施例1a)、92.4(実施例1b)、91.8(実施例1c)、及び84.7(実施例1d)g/mのリバスチグミン含有層の面積質量が得られるようにコーティング厚さを選択した。ついで乾燥したフィルムを裏打ち層(FO PET 23μm透明)に積層した
TTSの製造(すべての実施例に関して)
個々のシステム(TTS)を上記のように得られたリバスチグミン含有自己接着層構造から打ち抜いた。次いで、一次包装材料の袋中にTTSを密封した
透過量の測定
実施例1a〜dに従って製造されたTTSの透過量を、経皮パッチの品質に関するEMAガイドライン(2014年10月23日採択)に従う実験により、10.0ml Franz拡散セルを用いて決定し、ここで50μmの厚さを有するEVA膜(9%酢酸ビニル;3MからのScotchpak Cotran 9702)を使用した。放出面積1.156cmを有するダイカットをTTSから打ち抜いた。接着性オーバーレイを使用することによりEVA膜にTTSを適用した。Franz拡散セルの受容体媒体(抗細菌剤として0.1%アジ化ナトリウムを含むリン酸緩衝液pH5.5)中のリバスチグミン透過量を32±1℃で測定して、そして24時間での対応する累積量を計算した。
結果を表1.2及び図1に示す。
Figure 2020532582
実施例2A〜C
コーティング組成物
実施例2a〜cのリバスチグミン含有コーティング組成物の配合を以下の表2.1にまとめる。%値は質量%での量を指す。
Figure 2020532582
コーティング組成物の製造
コーティング組成物を実施例1に記載されるように製造し、ここでそれぞれのシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤(Dow Corning HealthcareからのPSA SilAc 7−6302)及びそれぞれのさらなる接着剤、実施例2a及び2bについてはDURO−TAK(R)387−4098並びに実施例2cについてはポリマーEudragit E100を使用した。
コーティング組成物のコーティング
コーティング方法については実施例1b〜dを参照のこと。コーティング厚さはリバスチグミン含有層の面積質量82.3(実施例2a)、110.3(実施例2b)、及び98.9(実施例2c)g/mを生じた。乾燥したフィルムをポリエチレンテレフタレート裏打ち層(FO PET 23μm透明)に積層して、リバスチグミン含有自己接着層構造を得た。
TTSの製造
実施例1を参照のこと。
透過量の測定
実施例2a〜cに従って製造されたTTSさらには市販のExelon(R)の透過量を、上記の実施例1a〜dに記載されるように製造した。
結果を表2.2及び図2に示す。
Figure 2020532582
実施例3a、3B
実施例3a及び3bのリバスチグミン含有コーティング組成物の配合を以下の表3.1にまとめる。%値は質量%での量を指す。
Figure 2020532582
コーティング組成物の製造
コーティング組成物を実施例1に記載されるように製造し、ここでそれぞれのシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤、Dow Corning HealthcareからのPSA SilAc 7−6102(実施例3a)又はDow Corning HealthcareからのPSA SilAc 7−6302(実施例3b)を使用した。
コーティング組成物のコーティング
コーティング方法については実施例1aを参照のこと。コーティング厚さはリバスチグミン含有層の面積質量92.1(実施例3a)及び93.3(実施例2b)g/mを生じた。乾燥したフィルムをポリエチレンテレフタレート裏打ち層(FO PET 23μm透明)に積層して、リバスチグミン含有自己接着層構造を得た。
TTSの製造
実施例1を参照のこと。
透過量の測定
実施例3a及び3bに従って製造されたTTSの透過量を、上記の実施例1a〜dに記載されるように決定した。
結果を表3.2及び図3に示す。
Figure 2020532582
実施例4A〜D
コーティング組成物
実施例4a〜dのリバスチグミン含有コーティング組成物の配合を以下の表4.1a及び4.1bにまとめる。%値は質量%での量を指す。
Figure 2020532582
Figure 2020532582
コーティング組成物の製造
固体含有量約50質量%を有するシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤(実施例4a及び4bについてはDow Corning HealthcareからのPSA SilAc 7−6101又は実施例4c及び4dについてはDow Corning HealthcareからのPSA SilAc 7−6302)をビーカーに入れた。リバスチグミン塩基及び、該当する場合(実施例4b、4c、及び4d)、さらなる接着剤を撹拌下で加えた。該当する場合、溶媒(実施例4cについて酢酸エチル)を加えた。この混合物を約800rpmで均一な混合物が得られるまで撹拌した(少なくとも20分)。
コーティング組成物のコーティング
得られたリバスチグミン含有コーティング組成物を、リバスチグミン含有混合物が完成して24時間未満以内に接着して備え付けられたホイル(Scotchpak 9755 AB1F)上に手動で研究用ナイフコーティング装置を使用してerichsonコーターを使用してコーティングした。第一段階でほぼ室温(23±2℃)で約10分間乾燥し、続いて約70℃で10分間第二の乾燥工程により溶媒を除去した。
溶液の除去により、リバスチグミン含有層の面積質量約70.8(実施例4a)、76.8(実施例4b)、77.5(実施例4c)、及び84.2(実施例4d)g/mとなるようにコーティング厚さを選択した。次いで、乾燥したフィルムを裏打ち層(FO PET 23μm透明)と積層した
TTSの製造(全ての実施例に関連する)
実施例1を参照のこと。
透過量の測定
実施例4a−dに従って製造されたTTS及び市販のExelon(R)TTSの透過量を、10.0ml Franz拡散セルを用いた経皮パッチの品質に関するEMAガイドライン(2014年10月23日採択)に従う実験により決定し、ここで厚さ50μmを有するEVA膜(9%酢酸ビニル;3MからのScotchpak Cotran 9702)を使用した。放出面積1.156cmを有するダイカットをTTSから打ち抜いた。Franz拡散セルの受容体媒体(抗細菌剤として0.1%アジ化ナトリウムを含むリン酸緩衝液pH 5.5)中のリバスチグミン透過量を32±1℃の温度で測定し、そして24時間での対応する累積量を計算した。
結果を表4.2及び図4に示す。
Figure 2020532582
実施例5A〜D
コーティング組成物
実施例5a〜dのリバスチグミン含有コーティング組成物の配合を、以下の表5.1a及び5.1bにまとめる。%値は質量%での量を指す。
Figure 2020532582
Figure 2020532582
コーティング組成物の製造
約50質量%の固体含有量を有するシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤(実施例5a及び5bについてはDow Corning HealthcareからのPSA SilAc 7−6302、実施例5cについてDow Corning HealthcareからのPSA SilAc 7−6101、又は実施例5dについてDow Corning HealthcareからのPSA SilAc 7−6102)をビーカーに入れた。リバスチグミン塩基及び、該当する場合は(実施例5a)、さらなる接着剤を撹拌下で加えた。この混合物を約800rpm(実施例5b〜5dについては約900rpm)で均一な混合物が得られるまで撹拌した(少なくとも20分)。
コーティング組成物のコーティング
得られたリバスチグミン含有コーティング組成物を、リバスチグミン含有混合物が完成して24時間未満以内に接着して備え付けられたホイル(Scotchpak 9755 AB1F)上に手動で研究用ナイフコーティング装置を使用してerichsonコーターを使用してコーティングした。第一段階でほぼ室温(23±2℃)で約10分間乾燥し、続いて約60℃で20分間第二の乾燥工程により溶媒を除去した。
溶液の除去により、約93.1(実施例5a)、107.7(実施例5b)、102.0(実施例5c)、及び100.5(実施例5d)g/mのリバスチグミン含有層の面積質量を生じるようにコーティング厚さを選択した。次いで乾燥したフィルムを裏打ち層(FO PET 23μm透明)と積層した。
TTSのの製造(全ての実施例に関連する)
実施例1を参照のこと。
透過量の測定
実施例5a〜dに従って製造されたTTS及び市販のExelon(R)TTSの透過量を、10.0ml Franz拡散セルを用いた経皮パッチの品質に関するEMAガイドライン(2014年10月23日採択)に従う実験により決定し、ここで厚さ50μmを有するEVA膜(9%酢酸ビニル;3MからのScotchpak Cotran 9702)を使用した。放出面積1.156cmを有するダイカットをTTSから打ち抜いた。Franz拡散セルの受容体媒体(抗細菌剤として0.1%アジ化ナトリウムを含むリン酸緩衝液pH 5.5)中のリバスチグミン透過量を32±1℃の温度で測定し、そして24時間での対応する累積量を計算した。
結果を表5.2及び図5に示す。
Figure 2020532582
実施例6A〜D
コーティング組成物
実施例6a〜dのリバスチグミン含有コーティング組成物の配合を、以下の表6.1a及び6.1bにまとめる。%値は質量%での量を指す。
Figure 2020532582
Figure 2020532582
コーティング組成物の製造
約50質量%の固体含有量を有するシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤(実施例6a及び6bについてDow Corning HealthcareからのPSA SilAc 7−6101又は実施例6c及び6dについてDow Corning HealthcareからのPSA SilAc 7−6302)及び、該当する場合は(実施例6b、6c、及び6d)、さらなる接着剤をビーカーに入れ、そして約20分間均一化した。リバスチグミン塩基を撹拌下及び窒素流下で加えた(実施例6a及び6b)。この混合物を約500rpm(実施例4a〜6c)又は約800rpm(実施例6d)で均一な混合物が得られるまで撹拌した(少なくとも20分)。
コーティング組成物のコーティング
得られたリバスチグミン含有コーティング組成物を、リバスチグミン含有混合物が完成して24時間未満以内に接着して備え付けられたホイル(Scotchpak 9755 AB1F)上に手動で研究用ナイフコーティング装置を使用してerichsonコーターを使用してコーティングした。第一段階でほぼ室温(23±2℃)で約10分間乾燥し、続いて約60℃(実施例6a、6c、及び6d)又は70℃(実施例6b)で約10分間(実施例6a〜6c)又は約20分間(実施例6d)第二の乾燥工程により溶媒を除去した。
溶液の除去により約90.9(実施例6a)、90.0(実施例6b)、98.7(実施例6c)、及び91.4(実施例6d)g/mのリバスチグミン含有層の面積質量を生じるようにコーティング厚さを選択した。次いで乾燥したフィルムを裏打ち層(FO PET 23μmベージュ)と積層した。
TTSの製造(全ての実施例に関連する)
実施例1を参照のこと。
透過量の測定
実施例6a〜dに従って製造されたTTS及び市販のExelon(R)TTSの透過量を、10.0ml Franz拡散セルを用いた経皮パッチの品質に関するEMAガイドライン(2014年10月23日採択)に従う実験により決定し、ここで厚さ50μmを有するEVA膜(9%酢酸ビニル;PetroplastVinora AGからのNitroderm TTS K−Membrane 343mm)を使用した。放出面積1.118cmを有するダイカットをTTSから打ち抜いた。Franz拡散セルの受容体媒体(抗細菌剤として0.1%アジ化ナトリウムを含むリン酸緩衝液pH 5.5)中のリバスチグミン透過量を32±1℃の温度で測定し、そして24時間での対応する累積量を計算した。
結果を表6.2及び図6にまとめる。
Figure 2020532582
実施例7A〜D
コーティング組成物
実施例7a〜dのリバスチグミン含有コーティング組成物の配合を以下の表7.1a及び7.1bにまとめる。%値は質量%での量を指す。
Figure 2020532582
Figure 2020532582
コーティング組成物の製造
約50質量%の固体含有量を有するシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤(実施例7a及び7bについてはDow Corning HealthcareからのPSA SilAc 7−6102、実施例7cについてはDow Corning HealthcareからのPSA SilAc 7−6301、又は7dについてはDow Corning HealthcareからのPSA SilAc 7−6101)をビーカーに入れ、そして該当する場合は(実施例7b)さらなる接着剤を加え、そしてこの混合物を均一化した。リバスチグミン塩基を撹拌下そして該当する場合は窒素流下で(実施例7c及び7d)で加えた。この混合物を約500rpm(実施例7cについては約800rpm)で均一な混合物が得られるまで撹拌した(少なくとも20分)。
コーティング組成物のコーティング
得られたリバスチグミン含有コーティング組成物を、リバスチグミン含有混合物が完成して24時間後以内に接着して備え付けられたホイル(実施例7a〜7cについてはScotchpak 9755 AB1F;実施例7dについてはScotchpak 1022 TEPA)上に手動で研究用ナイフコーティング装置を使用してerichsonコーターを使用してコーティングした。第一段階でほぼ室温(23±2℃)で約10分間乾燥し、続いて約60℃で約10分間第二の乾燥工程により溶媒を除去した。
溶液の除去により約97.8(実施例7a)、93.9(実施例7b)、88.1(実施例7c)、及び105.8(実施例7d)g/mのリバスチグミン含有層の面積質量を生じるようにコーティング厚さを選択した。ついで乾燥したフィルムを裏打ち層(FO PET 23μmベージュ)と積層した。
TTSの製造(全ての実施例に関連する)
実施例1を参照のこと。
透過量の測定
実施例7a〜dに従って製造されたTTSの及び市販のExelon(R)TTSの透過量を、10.0ml Franz拡散セルを用いた経皮パッチの品質に関するEMAガイドライン(2014年10月23日採択)に従う実験により決定し、ここで厚さ50μmを有するEVA膜(9%酢酸ビニル;PetroplastVinora AGからのNitroderm TTS K−Membrane 343mm)を使用した。放出面積1.118cmを有するダイカットをTTSから打ち抜いた。Franz拡散セルの受容体媒体(抗細菌剤として0.1%アジ化ナトリウムを含むリン酸緩衝液pH 5.5)中のリバスチグミン透過量を32±1℃の温度で測定し、そして24時間での対応する累積量を計算した。
結果を表7.2及び図7に示す。
Figure 2020532582
本発明は、特に以下のさらなる項目に関する:
1. リバスチグミン含有層構造を含むリバスチグミンの経皮投与のための経皮治療システムであって、該リバスチグミン含有層構造は:
A) 裏打ち層;及び
B) リバスチグミン含有層
を含み;
ここで経皮治療システムはシリコーンアクリルポリマーを含む、上記経皮治療システム。
2. リバスチグミン含有層は:
1.リバスチグミン;及び
2.シリコーンアクリルハイブリッドポリマー
を含むリバスチグミン含有マトリックス層である、項目1に記載の経皮治療システム。
3. リバスチグミン含有層構造は、リバスチグミン含有自己接着層構造であり、そして好ましくはさらなる皮膚接触層を含まない、項目1又は2に記載の経皮治療システム。
4. シリコーンアクリルハイブリッドポリマーはシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤である、項目1〜4のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
5. リバスチグミン含有層構造は治療有効量のリバスチグミンを含有する、項目1〜3のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
6. リバスチグミン含有層構造中のリバスチグミンは遊離塩基の形態で存在する、項目1〜5のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
7. リバスチグミン含有層構造中に含有されるリバスチグミンの量は、0.5〜5mg/cm、好ましくは1〜3mg/cmの範囲に及ぶ、項目1〜6のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
8. リバスチグミン含有層は、リバスチグミン含有層の総質量に基づいて5〜30質量%、より好ましくは7〜28質量%、最も好ましくは10〜25質量%の量のリバスチグミンを含む、項目1〜7のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
9. シリコーンアクリルポリマーの量は、リバスチグミン含有層の総質量に基づいて35〜95質量%、好ましくは40〜93質量%、最も好ましくは45〜90質量%の範囲に及ぶ、項目1〜8のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
10. シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、シリコーンポリマー、シリコーン樹脂及びアクリルポリマーの反応性生物を含み、ここでアクリルポリマーは共有結合で自己架橋しており、かつ共有結合でシリコーンポリマー及び/又はシリコーン樹脂に結合している、項目1〜9のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
11. シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、
(a)アクリレート又はメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着組成物
から得ることができるシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤である、項目1〜9のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
12. シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、
(a)アクリレート又はメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着組成物;
(b)エチレン性不飽和モノマー;及び
(c)開始剤
の反応生成物を含むシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤である、項目1〜9又は11のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
13. アクリレート又はメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着組成物は、
(a1)シリコーン樹脂、及び
(a2)シリコーンポリマー、及び
(a3)アクリレート又はメタクリレート官能基を含むケイ素含有キャッピング剤
の縮合反応生成物を含む、項目11又は12に記載の経皮治療システム。
14. アクリレート又はメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着組成物は、
(a1)シリコーン樹脂、及び
(a2)シリコーンポリマー、及び
(a3)アクリレート又はメタクリレート官能基を含むケイ素含有キャッピング剤
の縮合反応生成物を含み、ここで該ケイ素含有キャッピング剤は、一般式XYR’SiZ3−b[式中、Xは一般式AEの一価ラジカルであり、ここでEは-O−又は-NH−であり、そしてAはアクリル基又はメタクリル基であり、Yは1〜6個の炭素原子を有する二価アルキレンラジカルであり、R’はメチル又はフェニルラジカルであり、Zは一価の加水分解可能有機ラジカル又はハロゲンであり、そしてbは0又は1である]のものであり;
ここでシリコーン樹脂及びシリコーンポリマーは、反応して感圧接着剤を形成し、ここでケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーが反応する前、反応する間、又は反応した後に導入され、
そしてここでケイ素含有キャッピング剤は、シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーが縮合反応して感圧接着剤を形成した後に感圧接着剤と反応するか、又はケイ素含有キャッピング剤はインサイチュでシリコーン樹脂及びシリコーンポリマーと反応する、項目11〜13のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
15. エチレン性不飽和モノマーは、脂肪族アクリレート、脂肪族メタクリレート、脂環式アクリレート、脂環式メタクリレート、及びそれらの組み合わせからなる群より選択され、該化合物はそれぞれアルキルラジカル中に20個までの炭素原子を有する、項目12〜14のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
16. (a) アクリレート又はメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着組成物;
(b) エチレン性不飽和モノマー;及び
(c) 開始剤
の反応生成物は、連続的シリコーン外部相及び不連続アクリル内部相を含有する、項目12〜15のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
17. (a) アクリレート又はメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着組成物;
(b) エチレン性不飽和モノマー;及び
(c) 開始剤
の反応生成物は、連続的アクリル外部相及び不連続シリコーン内部相を含有する、項目12〜15のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
18. リバスチグミン含有層中のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、連続的シリコーン外部相及び不連続アクリル内部相、又は連続的アクリル外部相及び不連続シリコーン内部相を含有し、
そしてここで好ましくはリバスチグミンはリバスチグミン含有層中にリバスチグミン含有層の総質量に基づいて15〜25質量%の量で存在する、項目1〜16のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
19. リバスチグミン含有層は非ハイブリッドポリマーを更に含む、項目1〜18のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
20. 非ハイブリッドポリマーは、ポリシロキサン、アクリレート、もしくはポリイソブチレンに基づく感圧接着剤、好ましくはポリシロキサンもしくはアクリレートに基づく感圧接着剤である、項目19に記載の経皮治療システム。
21. 非ハイブリッドポリマーは、リバスチグミン含有層の総質量に基づいて5〜40質量%、好ましくは8〜35質量%の量でリバスチグミン含有層中に含有される、項目19又は20に記載の経皮治療システム。
22. シリコーンアクリルハイブリッドポリマー対非ハイブリッドポリマーの質量比は、8:1〜1:2、好ましくは7:1〜1:1である、項目19〜21のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
23. リバスチグミン含有層は、浸透促進剤も可溶化剤も含まない、項目1〜22のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
24. リバスチグミン含有層の面積質量は40〜250g/m、好ましくは50〜200g/mの範囲に及ぶ、項目1〜23のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
25. 放出面積は1〜30cm、好ましくは2〜22cmの範囲に及ぶ、項目1〜24のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
26. 経皮治療システムは、約24時間の投与にわたって、150〜3500μg/cm*日、好ましくは200〜3000μg/cm*日 リバスチグミンの平均放出速度を経皮送達により生じる、項目1〜25のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
27. 経皮治療システムは、定常状態でリバスチグミン1〜25ng/ml、好ましくは1〜20ng/mlの血漿濃度を経皮送達により生じる、項目1〜26のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
28. 1日1回の投与を繰り返した後に、約10〜450ng*h/ml、好ましくは約20〜340ng*h/mlのAUC24hを有する、項目1〜27のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
29. 患者の皮膚上に経皮治療システムを適用した後に、約0.5〜30ng/ml、好ましくは約1〜25ng/mlのCmaxを有する、項目1〜28のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
30. 患者の皮膚上に経皮治療システムを適用した後に、約3〜15時間、好ましくは約5〜10時間のtmaxを有する、項目1〜29のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
31. EVA膜を用いてFranz拡散セルにおいて約24時間の期間にわたって測定して300〜1200μg/cm2のリバスチグミンの累積透過量を生じる、項目1〜30のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
32. ヒト患者を処置する方法における使用のため、好ましくはアルツハイマー病、パーキンソン病に関連する認知症、及び/又は外傷性脳損傷の症状を予防するか、処置するかもしくはそれらの進行を遅延させる方法における使用のための、項目1〜31のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
33. ヒト患者を処置する方法における使用のため、好ましくはアルツハイマー病及びパーキンソン病により引き起こされる軽度から中程度の認知症を処置する方法における使用のための、項目1〜31のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
34. 経皮治療システムは、少なくとも24時間、好ましくは約24時間の投薬間隔の間患者の皮膚に適用される、項目32又は33に記載の使用のための経皮治療システム。
35. 項目1〜31のいずれか1項において定義される経皮治療システムを患者の皮膚に適用することによりヒト患者を処置する方法、特に、アルツハイマー病、パーキンソン病に関連する認知症、及び/又は外傷性脳損傷の症状を予防するか、処置するかもしくはそれらの進行を遅延させる方法。
36. 項目1〜31のいずれか1項において定義される経皮治療システムを患者の皮膚に適用することにより、ヒト患者を処置する方法、特にアルツハイマー病及びパーキンソン病により引き起こされる軽度から中程度の認知症を処置する方法。
37. 経皮治療システムは少なくとも24時間、好ましくは約24時間の間患者の皮膚に適用される、項目35又は36に記載のヒト患者を処置する方法。
38.
1)少なくとも成分
1.得られるリバスチグミン含有層中のリバスチグミンの量が、リバスチグミン含有層の総質量に基づいて10〜25質量%になるような量のリバスチグミン;
2.シリコーンアクリルハイブリッドポリマー、及び
3.場合により、少なくとも1つのさらなる非ハイブリッドポリマー及び/又は添加剤
を混合して、コーティング組成物を得る工程;
2)裏打ち層又は剥離ライナー上にコーティング組成物をコーティングする工程;並びに
3)コーティングされたコーティング組成物を乾燥して、リバスチグミン含有層を形成する工程
を含む、項目1〜31のいずれか1項に記載の経皮治療システムにおける使用のためのリバスチグミン含有層を製造するための方法。
39. シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは溶液として供給され、ここで溶媒は酢酸エチル又はn−ヘプタンである、項目38に記載のリバスチグミン含有層を製造するための方法。
40. 項目38又は39のいずれか1つに記載の方法により得ることができる経皮治療システム。
41. リバスチグミン含有層構造を含むリバスチグミンの経皮投与のための経皮治療システムであって、該リバスチグミン含有層構造は:
A)裏打ち層;並びに
B)
1.リバスチグミン含有層の総質量に基づいて10〜25質量%の量のリバスチグミン;
2.リバスチグミン含有層の総質量に基づいて45〜90質量%の量の、連続的シリコーン外部相及び不連続アクリル内部相を含有するシリコーンアクリルハイブリッドポリマー;及び
3.場合により、リバスチグミン含有層の総質量に基づいて10〜30質量%の量の、ポリシロキサンに基づく感圧接着剤;
を含むリバスチグミン含有層
を含み、
ここで該リバスチグミン含有層は皮膚接触層であり;
そしてここで該リバスチグミン含有層の面積質量は60〜180g/mの範囲に及ぶ、上記経皮治療システム。
42. リバスチグミン含有層構造を含むリバスチグミンの経皮投与のための経皮治療システムであって、該リバスチグミン含有層構造は:
A)裏打ち層;並びに
B)
1.リバスチグミン含有層の総質量に基づいて10〜25質量%の量のリバスチグミン;
2.リバスチグミン含有層の総質量に基づいて40〜90質量%の量の、連続的アクリル外部相及び不連続シリコーン内部相を含有するシリコーンアクリルハイブリッドポリマー;及び
3.場合により、リバスチグミン含有層の総質量に基づいて5〜40質量%の量の、アクリレートに基づく感圧接着剤;
を含むリバスチグミン含有層
を含み、
ここで該リバスチグミン含有層は皮膚接触層であり;
そしてここで該リバスチグミン含有層の面積質量は60〜180g/mの範囲に及ぶ、上記経皮治療システム。

Claims (18)

  1. リバスチグミン含有層構造を含む、リバスチグミンの経皮投与のための経皮治療システムであって、該リバスチグミン含有層構造は:
    A)裏打ち層;及び
    B)リバスチグミン含有層
    を含み;
    ここで経皮治療システムはシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含む、上記経皮治療システム。
  2. リバスチグミン含有層は:
    1.リバスチグミン;及び
    2.シリコーンアクリルハイブリッドポリマー
    を含むリバスチグミン含有マトリックス層である、請求項1に記載の経皮治療システム。
  3. リバスチグミン含有層構造は、リバスチグミン含有自己接着層構造であり、そして好ましくはさらなる皮膚接触層を含まない、請求項1又は2のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
  4. シリコーンアクリルハイブリッドポリマーはシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
  5. リバスチグミン含有層構造中に含有されるリバスチグミンの量は、0.5〜5mg/cm、好ましくは1〜3mg/cmの範囲に及ぶ、請求項1〜4のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
  6. リバスチグミン含有層は、リバスチグミン含有層の総質量に基づいて5〜30質量%、より好ましくは7〜28質量%、最も好ましくは10〜25質量%の量でリバスチグミンを含み、かつ/又は
    シリコーンアクリルハイブリッドポリマーの量は、リバスチグミン含有層の総質量に基づいて35〜95質量%、好ましくは40〜93質量%、最も好ましくは45〜90質量%の範囲に及ぶ、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
  7. シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、シリコーンポリマー、シリコーン樹脂及びアクリルポリマーの反応生成物を含み、ここでアクリルポリマーは共有結合で自己架橋されており、かつ共有結合でシリコーンポリマー及び/又はシリコーン樹脂に結合されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
  8. シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、
    (a)アクリレート又はメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着組成物
    から得ることができるシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
  9. シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、
    (a)アクリレート又はメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着組成物;
    (b)エチレン性不飽和モノマー;及び
    (c)開始剤
    の反応生成物を含むシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤である、請求項1〜6又は8のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
  10. (a)アクリレート又はメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着組成物;
    (b)エチレン性不飽和モノマー;及び
    (c)開始剤;
    の反応生成物は、連続的シリコーン外部相及び不連続アクリル内部相を含有するか、又は
    連続的アクリル外部相及び不連続シリコーン内部相を含有する、請求項9に記載の経皮治療システム。
  11. リバスチグミン含有層中のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、
    連続的シリコーン外部相及び不連続アクリル内部相を含有するか、又は
    連続的アクリル外部相及び不連続シリコーン内部相を含有し、
    そしてここで好ましくはリバスチグミンは、リバスチグミン含有層の総質量に基づいて15〜25質量%の量でリバスチグミン含有層中に存在する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
  12. リバスチグミン含有層は非ハイブリッドポリマーを更に含み、該非ハイブリッドポリマーは、好ましくはポリシロキサン、アクリレート又はポリイソブチレンに基づく感圧接着剤、特にポリシロキサン又はアクリレートに基づく感圧接着剤である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
  13. 非ハイブリッドポリマーは、リバスチグミン含有層中にリバスチグミン含有層の総質量に基づいて5〜40質量%、好ましくは8〜35質量%の量で含有され、かつ/又は
    シリコーンアクリルハイブリッドポリマー対非ハイブリッドポリマーの質量比は、8:1〜1:2、好ましくは7:1〜1:1である、
    請求項12に記載の経皮治療システム。
  14. リバスチグミン含有層の面積質量は、40〜250g/m、好ましくは50〜200g/mの範囲に及び、かつ/又は
    放出面積は1〜30cm、好ましくは2〜22cmの範囲に及ぶ、
    請求項1〜13のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
  15. 経皮治療システムは、24時間の投与にわたってリバスチグミン150〜3500μg/cm、好ましくは200〜3000μg/cmの平均放出速度を経皮送達により生じる、請求項1〜14のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
  16. 経皮治療システムは、定常状態でリバスチグミン1〜25ng/ml、好ましくは1〜20ng/mlの血漿濃度を経皮送達により生じ、かつ/又は
    1日1回の投与を繰り返した後に約10〜450ng*h/ml、好ましくは約20〜340ng*h/mlのAUC24hを有し、かつ/又は
    患者の皮膚上に経皮治療システムを適用した後に約0.5〜30ng/ml、好ましくは約1〜25ng/mlのCmaxを有し、かつ/又は
    患者の皮膚上に経皮治療システムを適用した後に約3〜15時間、好ましくは約5〜10時間のtmaxを有する、
    請求項1〜15のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
  17. ヒト患者を処置する方法における使用のため、好ましくは
    アルツハイマー病、パーキンソン病に関連する認知症、及び/もしくは外傷性脳損傷の症状を予防するか、処置するかもしくはそれらの進行を遅延させる方法における使用のため、又は
    アルツハイマー病もしくはパーキンソン病により引き起こされる軽度から中等度の認知症を処置する方法における使用のための、
    請求項1〜16のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
  18. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の経皮治療システムにおける使用のためのリバスチグミン含有層を製造するための方法であって:
    1)少なくとも成分
    1.得られたリバスチグミン含有層中のリバスチグミンの量がリバスチグミン含有層の総質量に基づいて10〜25質量%であるような量のリバスチグミン;
    2.シリコーンアクリルハイブリッドポリマー;及び
    3.場合により、少なくとも1つのさらなる非ハイブリッドポリマー及び/又は添加剤;
    を混合してコーティング組成物を得る工程;
    2)裏打ち層又は剥離ライナー上にコーティング組成物をコーティングする工程;並びに
    3)コーティングされたコーティング組成物を乾燥してリバスチグミン含有層を形成する工程
    を含み、
    ここで好ましくはシリコーンアクリルハイブリッドポリマーは溶液として提供され、溶媒は酢酸エチル又はn−ヘプタンである、上記方法。
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