JP2020531444A - エタンの酸化脱水素 - Google Patents

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Abstract

本発明は、エタンの酸化脱水素のためのプロセスに関し、このプロセスは、(a)エタンを含む流れを酸化脱水素条件に供するステップと、(b)ステップ(a)から生じる流出物の少なくとも一部から水を除去するステップと、(c)任意に、(b)ステップ(b)から生じるエチレン、未変換エタン、二酸化炭素、任意に未変換酸素、任意に一酸化炭素、および任意にアセチレンを含む流れの少なくとも一部から、未変換酸素および/または一酸化炭素および/またはアセチレンを除去するステップと、(d)ステップ(b)または(c)から生じるエチレン、未変換エタン、および二酸化炭素を含む流れの少なくとも一部から、錯化分離法によりエチレンを除去するステップと、(e)ステップ(d)から生じる未変換エタンおよび二酸化炭素を含む流れの少なくとも一部から、二酸化炭素を部分的かつ選択的に除去するステップと、(f)ステップ(e)から生じる未変換エタンおよび二酸化炭素を含む流れの少なくとも一部をステップ(a)に再循環させるステップと、を含む。

Description

本発明は、エタンの酸化脱水素(ODH)のためのプロセスに関する。
酸化脱水素(オキシ脱水素;ODH)プロセスでエタンを酸化的に脱水素することが知られている。触媒および他のプロセス条件を含むエタンODHプロセスの例は、例えばUS7091377、WO2003/064035、US2004/0147393、WO2010/096909、およびUS2010/0256432に開示されている。金属としてモリブデン(Mo)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、および任意にテルル(Te)を含有する混合金属酸化物触媒は、エタンオキシ脱水素触媒として使用され得る。
さらに、そのようなエタンODHプロセスにおける希釈剤として二酸化炭素を使用することが知られている。二酸化炭素を含む希釈剤をエタンODHステップに供給することは、例えばUS2016/0326070に開示されている。エチレンおよび水に加えて、そのようなエタンODHステップから生じる流出物は、未変換エタンおよび二酸化炭素も含む。未変換エタンおよび二酸化炭素希釈剤の両方をエタンODHステップに再循環させることが望ましい。しかし、US2016/0326070のプロセスの欠点(図1〜5を参照)は、二酸化炭素と未変換エタンが2つの異なるステップでエタンODH流出物から分離されることである。US2016/0326070の図1のプロセスから生じるエタンODH流出物から水が除去された後、二酸化炭素が、例えばスクラビングによって除去され、反応器に再循環される。最後に、該プロセスの別のステップで、エタンは、C2スプリッターにおいてエチレンから分離され、エタンは、二酸化炭素とは別に反応器に再循環される。
本発明の目的は、希釈剤として二酸化炭素をエタンODHステップに供給することを含むエタンODHプロセスを提供することであり、このプロセスでは、未変換エタンおよび二酸化炭素希釈剤がエタンODHステップに再循環されてもよく、エチレン生成物は、技術的に有利で、単純で、効率的で、手頃であり得る方法で回収され得る。そのような技術的に有利なプロセスは、好ましくは、より低いエネルギー需要および/またはより低い資本支出をもたらすであろう。
米国特許第7091377号明細書 国際公開第2003/064035号 米国特許出願公開第2004/0147393号明細書 国際公開第2010/096909号 米国特許出願公開第2010/0256432号明細書 米国特許出願公開第2016/0326070号明細書
驚くべきことに、上記の目的は、未変換エタンおよび二酸化炭素希釈剤を一緒に分離し、同時にエチレン生成物を回収することにより得られ得ることが見出され、これは、錯化分離を含み、かつ該エタン、二酸化炭素、およびエチレンを含む流れの少なくとも一部を、錯化剤を含む液体溶媒と接触させることを含むステップによるものであり、このステップは、エチレンを含む流れと、未変換エタンおよび二酸化炭素を含む流れとをもたらし、後者の流れは、その後エタンODHステップに再循環される。
したがって、本発明は、エタンの酸化脱水素のためのプロセスに関し、このプロセスは、
(a)エタンを含む流れを酸化脱水素条件に供するステップであって、混合金属酸化物を含む触媒の存在下でエタンを酸素と接触させることを含み、二酸化炭素を含む希釈剤がステップ(a)に供給され、結果として、エチレン、任意に酢酸、未変換エタン、水、二酸化炭素、任意に未変換酸素、任意に一酸化炭素、および任意にアセチレンを含む流出物をもたらすステップと、
(b)ステップ(a)から生じる流出物の少なくとも一部から水を除去し、結果として、エチレン、未変換エタン、二酸化炭素、任意に未変換酸素、任意に一酸化炭素、および任意にアセチレンを含む流れと、水および任意に酢酸を含む流れとをもたらすステップと、
(c)任意に、ステップ(b)から生じるエチレン、未変換エタン、二酸化炭素、任意に未変換酸素、任意に一酸化炭素、および任意にアセチレンを含む流れの少なくとも一部から、未変換酸素および/または一酸化炭素および/またはアセチレンを除去し、結果として、エチレン、未変換エタン、および二酸化炭素を含む流れをもたらすステップと、
(d)ステップ(b)または(c)から生じるエチレン、未変換エタン、および二酸化炭素を含む流れの少なくとも一部から、流れの少なくとも一部を、錯化剤を含む液体溶媒と接触させることを含む錯化分離法によりエチレンを除去し、結果として、エチレンを含む流れと、未変換エタンおよび二酸化炭素を含む流れとをもたらすステップと、
(e)ステップ(d)から生じる未変換エタンおよび二酸化炭素を含む流れの少なくとも一部をステップ(a)に再循環させるステップと、を含む。
本発明のプロセスのステップ(a)〜(e)を網羅する実施形態を示す。 本発明のプロセスのステップ(d)に関する実施形態を示す。
本発明のプロセスは、ステップ(a)〜(e)を含み、ステップ(c)は、任意のステップである。これらのステップおよび任意のさらなるステップは、以下でさらに詳細に説明される。
したがって、本発明のプロセスは、ステップ(a)および(b)、任意のステップ(c)、ならびにステップ(d)および(e)を含む。該プロセスは、ステップ(a)と(b)との間、ステップ(b)と(c)との間、ステップ(c)と(d)との間、およびステップ(d)と(e)との間の1つ以上の中間ステップを含んでもよい。さらに、該プロセスは、ステップ(a)に先行するおよび/またはステップ(e)に続く1つ以上の追加のステップを含んでもよい。
本発明のプロセスおよび該プロセスで使用される組成物または流れは、それぞれ、1つ以上の様々な説明されたステップおよび成分を「含む(comprising)」、「含有する」、または「含む(including)」という用語で説明されるが、それらはまた、それぞれ、該1つ以上の様々な説明されたステップおよび成分「から本質的に成る」または「から成る」ことができる。
本発明の文脈において、組成物または流れが2つ以上の成分を含む場合、これらの成分は、100体積%または100重量%を超えない総量で選択されるべきである。
本明細書内で、「実質的に無い」とは、問題の成分の検出可能な量が組成物または流れ中に存在しないことを意味する。
さらに、本明細書内で、「新鮮なエタン」とは、未変換エタンを含まないエタンを言及する。本明細書内で、「未変換エタン」とは、本発明のプロセスのステップ(a)で酸化脱水素条件に供されたが、変換されなかったエタンを言及する。
ステップ(a)
本プロセスのステップ(a)は、エタンを含む流れを酸化的脱水素(ODH)条件に供することを含み、それは、エタンを、混合金属酸化物を含む触媒の存在下で酸素(O)と接触させることを含み、二酸化炭素を含む希釈剤は、ステップ(a)に供給され、結果として、エチレン、任意に酢酸、未変換エタン、水、二酸化炭素、任意に未変換酸素、任意に一酸化炭素、および任意にアセチレンを含む流出物をもたらす。
エタンODHステップ(a)では、エタンの酸化的脱水素によりエチレンが生成される。最初にエチレンが形成される。しかし、該同ステップで、エチレンは、酢酸に酸化され得る。さらに、該同ステップで、エチレンは、アセチレン(エチン)に脱水素され得る。エタンも、酢酸またはアセチレンに直接変換され得る。なおさらに、該同ステップで、例えばエタンおよび/またはエチレンおよび/または酢酸および/またはアセチレンの燃焼により、一酸化炭素(CO)および二酸化炭素(CO)が生成され得る。
エタンODHステップ(a)では、エタン、酸素(O)、および二酸化炭素(CO)が反応器に供給され得る。該成分は、一緒または別々に反応器に供給されてもよい。すなわち、該成分の1つ以上を含む1つ以上の供給流、好適にはガス流が反応器に供給され得る。例えば、酸素、エタン、および二酸化炭素を含む1つの供給流が反応器に供給され得る。あるいは、2つ以上の供給流、好適にはガス流が反応器に供給されてもよく、その供給流は、反応器内で合流を形成し得る。例えば、酸素を含む1つの供給流、エタンを含む別の供給流、および二酸化炭素を含むさらに別の供給流が、別々に反応器に供給されてもよい。エタンODHステップ(a)では、エタン、酸素、および二酸化炭素が気相で反応器に好適に供給される。
好ましくは、エタンODHステップ(a)で、つまり触媒の存在下でエタンを酸素と接触させる間、温度は、300〜500℃である。より好ましくは、該温度は、310〜450℃、より好ましくは320〜420℃、最も好ましくは330〜420℃である。
なおさらに、エタンODHステップ(a)で、つまり触媒の存在下でエタンを酸素と接触させる間、典型的な圧力は、0.1〜30または0.1〜20絶対バール(すなわち「絶対圧」)である。さらに、好ましくは、該圧力は、0.1〜15絶対バール、より好ましくは1〜10絶対バール、最も好ましくは3〜10絶対バールである。該圧力は、全圧を指す。
酸素およびエタンに加えて、二酸化炭素も希釈剤としてエタンODHステップ(a)に供給される。希ガス、窒素(N)、蒸気(HO)、およびメタン、好適には窒素およびメタンから成る群から選択される1つ以上の追加の希釈剤が、エタンODHステップ(a)に供給されてもよい。しかし、本プロセスでは二酸化炭素が希釈剤としてエタンODHステップ(a)にすでに供給されているため、追加の希釈剤を追加する必要はない。したがって、好適には、追加の希釈剤、特に蒸気は、エタンODHステップ(a)に供給されない。ステップ(a)へのエタン供給における不純物として、幾らかのメタンがステップ(a)に供給されてもよい。さらに、ステップ(a)への酸素供給における不純物として、幾らかの窒素がステップ(a)に供給されてもよい。これらの場合、メタンおよび窒素は、二酸化炭素に加えて、追加の希釈剤として機能する。
一般に、希釈剤に起因するステップ(a)への全供給流の割合は、5〜90体積%、好ましくは25〜75体積%の範囲にある。好ましくは、等温作動の反応器の場合、希釈剤に起因するステップ(a)への全供給流の割合は、5〜90体積%、好ましくは25〜75体積%、より好ましくは、40〜60体積%の範囲にある。さらに、好ましくは、断熱作動の反応器の場合、希釈剤に起因するステップ(a)への全供給流の割合は、50〜95体積%、好ましくは60〜90体積%、より好ましくは70〜85体積%の範囲にある。
好ましくは、ステップ(a)への供給としての希釈剤は、1〜100体積%、より好ましくは5〜100体積%、より好ましくは10〜100体積%、より好ましくは20〜100体積%、より好ましくは40〜100体積%、より好ましくは60〜100体積%、より好ましくは80〜100体積%、より好ましくは90〜100体積%、より好ましくは95〜100体積%、最も好ましくは99〜100体積%の二酸化炭素を含み、残りは、希ガス、窒素(N)、蒸気(HO)、およびメタン、好適には窒素およびメタンから成る群から選択される1つ以上の他の希釈剤から成る。二酸化炭素以外の希釈剤は、互いに対して任意の所望の比率で使用されてもよい。二酸化炭素以外の該追加の希釈剤の1つ以上がステップ(a)に供給される場合、希釈剤中の二酸化炭素の割合の上限は、20体積%、好ましくは40体積%、より好ましくは60体積%、より好ましくは80体積%、より好ましくは90体積%、より好ましくは95体積%、最も好ましくは99体積%であリ得る。
エタンODHステップ(a)に供給される酸素は、酸化剤であり、それにより結果としてエタンの酸化脱水素が生じる。該酸素は、例えば空気などの任意の源に由来し得る。酸素対エタンのモル比の好適な範囲は、化学量論的モル比(エタンODH反応の場合0.5である)より低い、同じ、およびより高い比率を網羅し、好適には0.01〜1.1、より好適には0.01〜1、より好適には0.05〜0.8、最も好適には0.05〜0.7である。一実施形態では、酸素対エタンのモル比は、0.05〜0.5、より好適には0.05〜0.47、最も好適には0.1〜0.45である。さらに、別の実施形態では、酸素対エタンのモル比は、0.5〜1.1、より好適には0.53〜1、最も好適には0.55〜0.9である。酸素対エタンの該比率は、酸素およびエタンが触媒と接触する前の比率である。言い換えれば、酸素対エタンの該比率は、供給されるエタンに対する供給される酸素の比率である。明らかに、触媒との接触後、酸素およびエタンの少なくとも一部が消費される。さらに、酸素対エタンの該モル比における該「エタン」は、新鮮なエタンおよび再循環された(未変換の)エタンの両方を含む。
好ましくは、純粋または実質的に純粋な酸素(O)が、本発明のプロセスのステップ(a)で酸化剤として使用される。本明細書内で、「純粋または実質的に純粋な酸素」とは、後者の量が最大1体積%、好適には最大7,000体積百万分率(ppmv)、より好適に最大5,000ppmv、より好適に最大3,000ppmv、より好適に最大1,000ppmv、より好適に最大500ppmv、より好適に最大300ppmv、より好適には最大200ppmv、より好適には最大100ppmv、より好適には最大50ppmv、より好適には最大30ppmv、最も好適には最大10ppmvである、例えば窒素(N)を含む比較的少量の1つ以上の汚染物質を含有し得る酸素を言及する。
しかしながら、代替的に、ステップ(a)で酸化剤として空気または酸素富化空気を使用することも可能である。そのような空気または酸素富化空気は、1体積%を超え最大78体積%(空気)まで、好適には1〜50%体積%、より好適には1〜30体積%、より好適には1〜20体積%、より好適には1〜10体積%、最も好適には1〜5体積%の量の窒素(N)を依然として含むであろう。該窒素は、二酸化炭素に加えて追加の希釈剤として機能し、本プロセスの錯化分離ステップ(d)から生じる未変換エタンおよび二酸化炭素を含む流れになり、その流れの少なくとも一部は、本プロセスのエタンODHステップ(a)に再循環される。
本プロセスにおける窒素の蓄積を防止するために、窒素は、例えば煩雑な低温蒸留により、ステップ(e)での再循環の前にステップ(d)から生じる上記の流れから除去されてもよい。さらに、以下でさらに説明するように、該蓄積は、再循環の前にステップ(d)から生じる未変換エタンおよび二酸化炭素を含む流れの一部をパージすることにより、防止され得る。しかしながら、該流れの一部をパージすることにより、未変換エタンの一部は、失われ、ステップ(a)に再循環されない。したがって、二酸化炭素は、本プロセスで再循環される希釈剤として使用されるため、上述の純粋または実質的に純粋な酸素は、本発明のプロセスのステップ(a)で酸化剤として使用されることが好ましい。ただし、ステップ(a)への酸素供給がまだ比較的少量の窒素を含む場合、そのような少量の窒素は、ステップ(e)での再循環の前に、ステップ(a)および場合により任意のステップ(c)で二酸化炭素生成から生じる追加の二酸化炭素と一緒にさらにパージされてもよい。
ステップ(a)では、エタンODH触媒は、混合金属酸化物を含む触媒である。好ましくは、ODH触媒は、不均一触媒である。さらに、好ましくは、ODH触媒は、金属としてモリブデン、バナジウム、ニオブ、および任意にテルルを含む混合金属酸化物触媒であり、この触媒は、以下の式:
MoTeNb
(式中、
a、b、c、およびnは、問題の元素のモル量対モリブデン(Mo)のモル量の比を表し、
a(Vに対する)は、0.01〜1、好ましくは0.05〜0.60、より好ましくは0.10〜0.40、より好ましくは0.20〜0.35、最も好ましくは0.25〜0.30であり、
b(Teに対する)は、0、または>0〜1、好ましくは0.01〜0.40、より好ましくは0.05〜0.30、さらに好ましくは0.05〜0.20、最も好ましくは0.09〜0.15であり、
c(Nbに対する)は、>0〜1、好ましくは0.01〜0.40、より好ましくは0.05〜0.30、さらに好ましくは0.10〜0.25、最も好ましくは0.14〜0.20であり、
n(Oの場合)は、酸素以外の元素の原子価と頻度によって決定される数値である)を有し得る。
エタンODHステップ(a)での触媒の量は、重要ではない。好ましくは、触媒的に有効な触媒の量、すなわち、エタンオキシ脱水素反応を促進するのに十分な量が使用される。
エタンODHステップ(a)で使用され得るODH反応器は、固定床および流動床反応器を含む任意の反応器であってもよい。好適には、反応器は、固定床反応器である。
触媒およびプロセス条件を含むオキシ脱水素プロセスの例は、例えば、上記のUS7091377、WO2003/064035、US2004/0147393、WO2010/096909、およびUS2010/0256432に開示され、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
エタンODHステップ(a)では、水が形成され、それは、所望のエチレン生成物に加えて、生成物流になる。さらに、上記のように、酢酸、アセチレン、一酸化炭素、および二酸化炭素がステップ(a)で形成され得る。さらに、二酸化炭素が希釈剤としてステップ(a)に供給される。なおさらに、エタンの幾らかは、ステップ(a)で変換されず、すべての酸素がステップ(a)で変換されない場合がある。すなわち、エタンODHステップ(a)は、エチレン、任意に酢酸、未変換エタン、水、二酸化炭素、任意に未変換酸素、任意に一酸化炭素、および任意にアセチレンを含む流出物をもたらす。
ステップ(b)
本プロセスのステップ(b)は、ステップ(a)から生じる流出物の少なくとも一部から水を除去することを含み、結果として、エチレン、未変換エタン、二酸化炭素、任意に未変換酸素、任意に一酸化炭素、および任意にアセチレンを含む流れと、水および任意に酢酸を含む流れとをもたらす。
水分除去ステップ(b)では、水は、結露により好適に除去される。ステップ(a)から生じる流出物中の水は、後者の流出物をより低い温度、例えば室温まで冷却することにより凝縮されてもよく、その後、凝縮された水は、分離され得、結果として、凝縮された水を含む液体流をもたらす。
水分除去ステップ(b)では、温度は、10〜150℃、例えば20〜80℃であり得る。好適には、該ステップ(b)では、温度は、少なくとも10℃または少なくとも20℃または少なくとも30℃である。さらに好適には、該ステップ(b)では、温度は、最大150℃または最大120℃または最大100℃または最大80℃または最大60℃である。
なおさらに、水分除去ステップ(b)では、典型的な圧力は、0.1〜30または0.1〜20絶対バール(「絶対圧」)である。さらに、好ましくは、該圧力は、0.1〜15絶対バール、より好ましくは1〜10絶対バール、最も好ましくは3〜10絶対バールである。該圧力は、全圧を指す。
水分除去ステップ(b)に供給される流れが追加的に酢酸を含む場合、該酢酸は、水分除去ステップ(b)において、該流れからの水と共に、好適には該流れから凝縮された水と共に除去されてもよい。水分除去ステップ(b)中または後に、すべての酢酸の除去を促進するために追加の水が加えられてもよい。
したがって、水分除去ステップ(b)は、エチレン、未変換エタン、二酸化炭素、任意に未変換酸素、任意に一酸化炭素、および任意にアセチレンを含む流れと、水および任意に酢酸を含む流れとをもたらす。後者の流れは、凝縮された水および任意に酢酸を含む液体流であり得る。
任意のステップ(c)
本プロセスの任意のステップ(c)は、任意に、ステップ(b)から生じるエチレン、未変換エタン、二酸化炭素、任意に未変換酸素、任意に一酸化炭素、および任意にアセチレンを含む流れの少なくとも一部から、未変換酸素および/または一酸化炭素および/またはアセチレンを除去することを含み、結果として、エチレン、未変換エタン、および二酸化炭素を含む流れをもたらす。
ステップ(b)から生じるエチレン、未変換エタン、および未変換エタンを含む流れが、未変換酸素および/または一酸化炭素および/またはアセチレンを追加的に含む場合、これらの追加成分は、錯化分離ステップ(d)の前に任意のステップ(c)で除去されてもよい。あるいは、これらの追加成分は、以下でさらに説明するように、錯化分離ステップ(d)中および/または後に除去されてもよい。しかし、錯化分離の間および/または後にこれらの追加成分を除去する際の困難を防止するために、これらを錯化分離ステップ(d)の前にこれらの追加成分を除去することが好ましい。例えば、アセチレンは、ステップ(d)で錯化剤と強い結合を形成し得る。したがって、任意のステップ(c)ですべてのアセチレンを除去することにより、ステップ(d)でのアセチレンの存在に関連する潜在的な問題を有利に防止することができる。同様に、所望のエチレン生成物に加えて、一酸化炭素もステップ(d)で錯化剤と錯化し得る。一酸化炭素は、ステップ(d)で使用される錯化剤に存在し得るCu(I)と強く錯化する。最後に、酸素は、ステップ(d)で錯化剤として使用され得る金属塩または金属錯体から金属、例えばCu(I)を酸化し得る。したがって、錯化分離ステップ(d)の前にすべての未変換酸素および/または一酸化炭素を除去することも好ましい。
本プロセスの任意のステップ(c)では、任意の既知の方法で、すべてのアセチレンが除去され得る。例えば、アセチレンは、選択的水素化によって、またはアセトンまたはジメチルホルムアミドを使用する吸着プロセスによって除去され得る。水素(H)は、アセチレンをエチレンに水素化するために使用され得る水素化剤である。さらに、好ましくは、エチレンのエタンへの水素化よりもアセチレンのエチレンへの水素化の触媒作用に有利な選択的アセチレン水素化触媒が使用される。
さらに、本プロセスの任意のステップ(c)では、任意の既知の方法で、すべての未変換酸素および/または一酸化炭素も除去され得る。例えば、未変換酸素および一酸化炭素は、一酸化炭素の二酸化炭素への接触酸化により除去され得、好適には白金またはパラジウム含有酸化触媒が使用される(例えば、上記のUS2016/0326070を参照)。好適には、アセチレンおよび未変換酸素および一酸化炭素の両方が任意のステップ(c)で除去される場合、これは、すべての残留水素が酸素と反応して水になり得るように、最初に水素化剤として水素を使用するアセチレンの上述の選択的水素化、続いて上述の一酸化炭素の二酸化炭素への酸化を実行することにより行われ得る。
あるいは、任意のステップ(c)で、未変換酸素および一酸化炭素は、最初に蒸留、例えば極低温蒸留、続いて水素化剤として水素を使用するアセチレンの上述の選択的水素化によって除去され得る。さらに、水素化剤として水素を使用するアセチレンの上述の選択的水素化を最初に行い、続いて未変換酸素、一酸化炭素、およびすべての残留水素を除去するための該蒸留を行うことが可能である。
しかし、上述の場合、錯化分離ステップ(d)の前に未変換酸素、一酸化炭素、およびアセチレンを除去するために複数のステップを適用することは煩雑である。本プロセスの任意のステップ(c)の一実施形態では、ステップ(b)から生じるエチレン、未変換エタン、および二酸化炭素を含む流れが、未変換酸素、一酸化炭素、および任意にアセチレンを追加的に含む場合、これらの追加成分は、一酸化炭素およびすべてのアセチレンを二酸化炭素に酸化することにより、一段階で有利に除去されることが好ましい。したがって、該好ましい実施形態では、任意のステップ(c)は、任意に、ステップ(b)から生じるエチレン、未変換エタン、二酸化炭素、未変換酸素、一酸化炭素、および任意にアセチレンを含む流れの少なくとも一部から、未変換酸素、一酸化炭素、および任意にアセチレンを除去することを含み、一酸化炭素および任意にアセチレンが二酸化炭素に酸化され、結果として、エチレン、未変換エタン、および二酸化炭素を含む流れをもたらす。アセチレンのようないかなる炭化水素の酸化と同様に、該好ましい実施形態では、アセチレンが存在する場合、水が生成される。
任意のステップ(c)の該好ましい実施形態では、未変換酸素を有利に使用して、一酸化炭素およびアセチレンの両方を二酸化炭素に酸化してもよい。上記のように、追加の酸化剤、またはアセチレンを水素化するための水素化剤として使用され得る、水素のような任意の他の化学物質を追加する必要はないであろう。さらに、該好ましい実施形態では、非変換酸素、一酸化炭素、およびすべての水素を除去するための煩雑な(極低温)蒸留ステップを適用する必要もない。
任意のステップ(c)の該好ましい実施形態では、温度は、広範囲で変化し得、一般に20〜500℃であり、50〜500℃または100〜400℃であり得る。好ましくは、該ステップ(c)では、温度は、100〜400℃、より好ましくは150〜300℃、より好ましくは170〜260℃、最も好ましくは200〜260℃の範囲にある。該ステップ(c)では、温度は、少なくとも20℃、または少なくとも50℃、または少なくとも100℃、または少なくとも100℃より高い、または少なくとも110℃、または少なくとも110℃より高い、または少なくとも120℃、または少なくとも120℃より高い、または少なくとも130℃、または少なくとも130℃より高い、または少なくとも140℃、または少なくとも140℃より高い、または少なくとも150℃、または少なくとも150℃より高い、または少なくとも160℃、または少なくとも160℃より高い、または少なくとも170℃、または少なくとも170℃より高い、または少なくとも180℃、または少なくとも180℃より高い、または少なくとも190℃、または少なくとも190℃より高い、または少なくとも200℃、または少なくとも200℃より高い、または少なくとも210℃、または少なくとも220℃、または少なくとも230℃、または少なくとも240℃であり得る。さらに、該ステップ(c)では、温度は、最大500℃、または最大400℃、または最大350℃、または最大340℃、または最大330℃、または最大320℃、または最大310℃、または最大300℃、または最大290℃、または最大280℃、または最大270℃、または最大260℃、または最大250℃であり得る。
なおさらに、任意のステップ(c)の該好ましい実施形態では、典型的な圧力は、0.1〜30または0.1〜20絶対バール(すなわち「絶対圧」)である。さらに、好ましくは、該圧力は、0.1〜15絶対バール、より好ましくは1〜8絶対バール、最も好ましくは2〜7絶対バールである。該圧力は、全圧を指す。
さらに、任意のステップ(c)の該好ましい実施形態では、追加の酸素が該ステップ(c)に供給されてもよい。このような追加の酸素は、該ステップ(c)に供給される、エチレン、未変換エタン、二酸化炭素、未変換酸素、一酸化炭素、および任意にアセチレンを含む流れからの酸素に加えて添加される。そのような追加の酸素は、後者の流れが、同じ流れからの一酸化炭素およびいかなるアセチレンのすべてを二酸化炭素に酸化するのに十分な未変換酸素を含有しない場合に必要になる場合がある。そのような追加の酸素は、特に該ステップ(c)の前および/またはその間の任意の時点で、該ステップ(c)に直接または間接的のいずれかで添加されてもよい。
任意のステップ(c)の該好ましい実施形態では、一酸化炭素およびすべてのアセチレンの二酸化炭素への酸化により、エチレン、未変換エタン、二酸化炭素、未変換酸素、一酸化炭素、および任意にアセチレンを含む流れから、酸素、一酸化炭素、および任意にアセチレンが除去される。つまり、後者の流れからの未変換酸素を使用して、一酸化炭素とすべてのアセチレンを二酸化炭素に酸化する。上記のように、追加の酸素を供給して、すべての一酸化炭素とアセチレン(存在する場合)を二酸化炭素に完全に変換し得る。このような酸化は、燃焼とも呼ばれ得る。したがって、該ステップ(c)は、エチレン、未変換エタン、および二酸化炭素を含む流れを生じさせる。
上述のように、アセチレンがエタンODHステップ(a)で生成される場合、そのようなアセチレンは、特にアセチレンのエチレンへの水素化により、水分除去ステップ(b)の後であるが上述の酸化ステップの前に、任意のステップ(c)の該好ましい実施形態の一部として除去され得ることも想定される。
好適には、任意のステップ(c)の該好ましい実施形態では、該ステップ(c)から生じる流れが、酸素を含まないか、または該ステップ(c)から生じる流れの総体積に基づいて、最大10,000体積百万分率(ppmv)、または最大1,000ppmv、または最大500ppmv、または最大100ppmv、または最大50ppmv、または最大10ppmv、または最大2ppmv、または最大1ppmvである酸素の残留量を含む程度まで、酸素が除去され得る。さらに、好適には、任意のステップ(c)の該好ましい実施形態では、該ステップ(c)から生じる流れが、一酸化炭素およびアセチレンを含まないか、または該ステップ(c)から生じる流れの総体積に基づいて、最大15体積%、または最大10体積%、または最大5体積%、または最大1体積%、または最大500体積百万分率(ppmv)、または最大100ppmv、または最大50ppmv、または最大10ppmv、または最大2ppmv、または最大1ppmvである一酸化炭素およびアセチレンの残留量を含む程度まで、一酸化炭素およびすべてのアセチレンが除去され得る。
任意のステップ(c)の該好ましい実施形態は、触媒、好適には酸化触媒の存在下で実施されてもよい。好適には、該酸化触媒は、一酸化炭素およびすべてのアセチレンの二酸化炭素への酸化を触媒する。特に、好適には、該酸化触媒は、一酸化炭素およびすべてのアセチレンの二酸化炭素への酸化により、一酸化炭素およびすべてのアセチレンおよび酸素の二酸化炭素への変換を触媒する。
任意のステップ(c)の該好ましい実施形態では、一酸化炭素の二酸化炭素への酸化を触媒する任意の酸化触媒が使用され得る。例えば、EP499402A1、US4956330、EP306945A1、EP421169A1、US5157204、およびUS5446232に記載されている一酸化炭素酸化触媒の1つが、該ステップ(c)で使用されてもよく、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。好ましくは、該触媒はまた、すべてのアセチレンの二酸化炭素への酸化を触媒する。
好ましくは、任意のステップ(c)の該好ましい実施形態で使用され得る上記の酸化触媒は、遷移金属を含む。より好ましくは、該触媒は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、白金(Pt)、金(Au)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、セリウム(Ce)、スズ(Sn)、ルテニウム(Ru)、およびクロム(Cr)から成る群から選択される1つ以上の金属、より好ましくはニッケル、銅、亜鉛、白金、およびルテニウムから成る群から選択される1つ以上の金属、さらに好ましくは、ニッケル、銅、および亜鉛から成る群から選択される1つ以上の金属を含む。最も好ましくは、該触媒は、銅および/または白金を含む。好適には、該触媒は、銅または白金、より好適には銅を含む。例えば、該触媒は、銅および亜鉛を含んでもよい。特に、該触媒は、金属(複数可)が上記の通りである、部分的に還元された金属酸化物触媒であり得る金属酸化物触媒、例えば酸化銅および任意に酸化亜鉛を含む触媒であり得る。触媒は、該金属の1つ以上が支持体に担持されている担持触媒、または非担持触媒であってもよい。触媒が担持触媒である場合、支持体は、任意の担体、例えばアルミナ、チタニア、シリカ、ジルコニア、または炭化ケイ素、好適にはアルミナであり得る。さらに、担持触媒は、錠剤および押出物を含む任意の形状に成形されてもよいか、または基材上にコーティングされてもよい。
場合によっては、任意のステップ(c)の上記の好ましい実施形態では、上記のように、未変換酸素と任意の追加の酸素を使用して、一酸化炭素と任意にアセチレンを二酸化炭素に酸化することにより、酸素、一酸化炭素、および任意にアセチレンを完全に除去することは不可能または所望されない場合がある。その場合、そして酸素および/または一酸化炭素および/またはアセチレンのすべての残存量を除去することが所望される場合、該酸化の後、任意のステップ(c)の該好ましい実施形態の一部として、さらなる除去処理が実行され得る。そのようなさらなる除去処理は、残りすべての酸素、一酸化炭素、およびアセチレンを選択的に吸着することが可能な収着剤(吸着剤および/または吸着剤)を含むガードベッドに流れを通過させることを含み得る。
ステップ(d)
本プロセスのステップ(d)は、ステップ(b)または(c)から生じるエチレン、未変換エタン、および二酸化炭素を含む流れの少なくとも一部から、該流れの少なくとも一部を、錯化剤を含む液体溶媒と接触させることを含む錯化分離法によりエチレンを除去することを含み、結果として、エチレンを含む流れと、未変換エタンおよび二酸化炭素を含む流れとをもたらす。
本プロセスのステップ(d)では、ステップ(b)または(c)から生じるエチレン、未変換エタン、および二酸化炭素を含む流れの少なくとも一部が錯化分離法に供される。このような錯化分離法では、オレフィン(エチレン)は、非オレフィン(未変換エタン)から選択的に除去され得る。本発明では、有利には、エチレンは、錯化分離法により未変換エタンから選択的に分離されるだけではなく、比較的多量に存在し得、未変換エタンのように再循環される必要がある二酸化炭素希釈剤からも選択的に分離される。本プロセスのステップ(d)への供給において、エチレン、未変換エタン、および二酸化炭素の総量に基づく二酸化炭素の量は、1〜99体積%、好ましくは5〜95体積%、より好ましくは10〜90体積%、より好ましくは20〜85体積%、より好ましくは30〜80体積%、より好ましくは40〜75体積%、最も好ましくは50〜70体積%であってもよい。さらに、該二酸化炭素の量は、少なくとも1体積%、または少なくとも5体積%、または少なくとも10体積%、または少なくとも20体積%、または少なくとも30体積%、または少なくとも40体積%、または少なくとも50体積%であってもよい。なおさらに、該二酸化炭素の量は、最大99体積%、または最大95体積%、または最大90体積%、または最大85体積%、または最大80体積%、または最大75体積%、または最大70体積%であってもよい。
本発明では、上記の錯化分離法は、ステップ(b)または(c)から生じるエチレン、未変換エタン、および二酸化炭素を含む流れの少なくとも一部を、錯化剤を含む液体溶媒と接触させることを含む。錯化剤は、該液体溶媒に溶解される。すなわち、本プロセスのステップ(d)における錯化分離法は、いわゆる吸着錯化分離を含む。そのような吸着錯化分離では、エチレンは、液体溶媒に溶解している錯化剤と優先的に錯化される。
一般に、オレフィンの錯化分離は、錯化剤を使用して、オレフィンで可逆的錯体、好ましくはπ結合錯体を選択的に形成する。
錯化反応の可逆性は、反応平衡の方向を変えることによりオレフィンが捕捉および放出されることを可能にする。前方錯化反応は、より高いオレフィン分圧およびより低い温度によって促進され、逆脱着反応は、より低いオレフィン分圧およびより高い温度によって促進される。したがって、圧力、温度、またはその両方を変動させることにより、錯化/脱着サイクルが生成され得る。
好ましくは、本発明では、錯化分離ステップ(d)は、以下のサブステップのサイクルを含む。
(d1)ステップ(b)または(c)から生じるエチレン、未変換エタン、および二酸化炭素を含む流れの少なくとも一部を、錯化剤を含む液体溶媒と接触させ、結果として、未変換エタンおよび二酸化炭素を含む流れであって、その少なくとも一部がステップ(e)においてステップ(a)に再循環される流れと、溶媒、錯化剤、および錯化エチレンを含む液体流とを生じさせること、
(d2)ステップ(d1)から生じる溶媒、錯化剤、および錯化エチレンを含む液体流の少なくとも一部から、錯化エチレンを脱着し、結果として、脱着されたエチレンを含む流れと、溶媒および錯化剤を含む液体流とを生じさせること、
(d3)ステップ(d2)から生じる溶媒および錯化剤を含む液体流の少なくとも一部をステップ(d1)に再循環させること。
本プロセスのステップ(d)では、好適な錯化剤は、未変換エタンおよび二酸化炭素ではなく、または実質的に未変換エタンおよび二酸化炭素ではなく、エチレンで選択的かつ可逆的に錯体を形成するものである。錯化剤は、金属塩または液体溶媒に可溶な金属錯体の形態であってもよい。銀(I)または銅(I)の塩または化合物は、単独で、またはアルミニウムなどの別の金属と組み合わせてのいずれかで使用されてもよい。錯化剤は、好ましくは金属塩であり、さらに好ましくは銀(I)イオンまたは銅(I)イオン、より好ましくは銀(I)イオンを含有する。任意に、錯化剤の混合物、例えば銅塩と銀塩との混合物が使用され得る。
好適な銀(I)イオン含有塩としては、硝酸銀、銀テトラフルオロホウ酸銀、ヘキサフルオロケイ酸銀、ヒドロキシトリフルオロボレート、トリフルオロ酢酸銀、過塩素酸銀、銀トリフレート(CFSOAg)、およびヘキサフルオロアンチモン酸銀(V)(SbF Ag)が挙げられる。好適な銅(I)イオン含有塩としては、硝酸第一銅、塩化第一銅などのハロゲン化第一銅、硫酸第一銅、スルホン酸第一銅、第一銅カルボン酸塩、トリフルオロ酢酸第一銅およびペルフルオロ酢酸第一銅などのフルオロカルボン酸の第一銅塩、フッ化第一鉄アセチルアセトネート、ヘキサフルオロアセチルアセトナート第一銅、ドデシルベンゼンスルホン酸銅、四塩化第一銅などのハロゲン化銅アルミニウム、CuAlCHCl、CuAlCCl、ならびに銅三塩化アルミニウムが挙げられる。硝酸銀が最も好ましい錯化剤である。
液体溶媒中の錯化剤の濃度は、実質的にすべての錯化剤がその溶媒に溶解するようなものであるべきであり、これは該溶媒中の該薬剤の(最大)溶解度に依存する。例えば、硝酸銀の溶解度(水中で)は、35℃で10.9モル(75.4重量%)である。一般に、錯化剤の濃度は、1〜10モル、より好適には1〜8モル、より好適には1〜6モル、より好適には2〜5モル、最も好適には2.5〜4モルであってもよい。
任意の好適な液体溶媒または液体溶媒の混合物をステップ(d)で使用して、錯化剤を溶解してもよい。本明細書内で、「液体溶媒」とは、25℃の温度および1気圧の圧力で液体状態にある溶媒を言及する。好ましくは、該液体溶媒は、水、有機溶媒、イオン性液体、またはそれらの混合物である。水が最も好ましい。
水は、銀または銅塩の溶媒として使用され得る一方、芳香族溶媒などの炭化水素溶媒は、有機リガンドを含有する塩に使用され得る。エタン、および窒素などの他の非オレフィンは、水溶液にやや溶けにくいため、水が好ましい溶媒である。対照的に、エタンは、炭化水素溶媒への溶解度が高い。エチレンのようなオレフィンは、溶解した錯化剤への物質移動が合理的な速度で起こるのに十分な水溶性を有する。
上述のように、錯化剤を溶解するために使用される液体溶媒は、イオン性液体であり得る。WasserscheidおよびKeimによって「Angewandte Chemie」2000、112、3926〜3945ページで定義されるように、イオン性液体は、比較的低い温度で融解する塩である。したがって、イオン性液体は、比較的低い温度で既に液体である。さらに、それらは、一般に可燃性ではなく、測定可能な蒸気圧を有さない。本明細書内で、「イオン性液体」とは、100℃より低い融点または融解範囲を有する塩を意味する。
イオン性液体は、正イオンおよび負イオン(それぞれ陽イオンと陰イオン)から形成されるが、全体として電荷において中性である。正および負のイオンも、主に一価であるが、最大5個、好ましくは最大4個、特に好ましくは最大3個、特に好ましくは最大2個の電荷を有する多価陰イオンおよび/または陽イオンも可能である。それぞれのイオン内の電荷は、局在化または非局在化されるかのいずれかである。
本発明において錯化剤を溶解するためにイオン性液体が使用される場合、該イオン性液体は、N,N’−ジアルキルイミダゾリウムイオンまたはN−アルキルピリジニウムイオン、好ましくはN,N’−ジアルキルイミダゾリウムイオンである陽イオンを含んでもよい。
上記のN,N’−ジアルキルイミダゾリウムイオンおよびN−アルキルピリジニウムイオンにおけるにアルキル基は、C−C10アルキル基、好ましくはC−Cアルキル基であってもよい。好適なC−C10アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、2,4,4−トリメチルペンチル、およびデシルである。好ましくは、イオン性液体のための陽イオンは、N,N’−ジアルキルイミダゾリウムイオン、好ましくはN、N’−ジアルキルイミダゾリウムイオンであり、アルキル基は、上記のようなC−C10アルキル基、好ましくは上記のようなC−Cアルキル基である。
特に好ましいN,N’−ジアルキルイミダゾリウムイオンは、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムイオン(BMIMイオン)である。別の特に好ましいN,N’−ジアルキルイミダゾリウムイオンは、1,3−ジメチルイミダゾリウムイオン(DMIMイオン)である。さらに別の特に好ましいN、N’−ジアルキルイミダゾリウムイオンは、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオン(EMIMイオン)である。
本発明において錯化剤を溶解するためにイオン性液体が使用される場合、該イオン性液体は、テトラフルオロホウ酸イオン(BF )、アルコキシホスホン酸イオン、アルキルスルホン酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン(PF )、およびアミドイオンから成る群から選択される陰イオンを含んでもよい。より好ましくは、該陰イオンは、テトラフルオロホウ酸イオン、アルコキシホスホン酸イオン、およびアミドイオンから成る群から選択される。最も好ましくは、該陰イオンは、テトラフルオロホウ酸イオンである。
上記のアルコキシホスホン酸イオンは、式RO−PH(=O)O(式中、Rは、アルキル基、好ましくはC−C10アルキル基、より好ましくはC−Cアルキル基である)のイオンである。好適なC−C10アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、2,4,4−トリメチルペンチル、およびデシルである。特に好ましいアルコキシホスホン酸イオンは、メトキシホスホン酸イオンである。
上記のアルキルスルホン酸イオンは、式R−S(=O)(式中、Rは、アルキル基、好ましくはC−C10アルキル基、より好ましくはC−Cアルキル基である)のイオンである。好適なC−C10アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、2,4,4−トリメチルペンチル、およびデシルである。
上記のアミドイオンは、式R−N−R’(式中、RおよびR’は、同じでも異なっていてもよく、好ましくは電子吸引性置換基である)のイオンである。一般に、電子吸引置換基は、分子中の電子が豊富な場所から、この場合は該アミドイオン中の電子が豊富な窒素原子から電子を引き離す置換基である。好ましくは、RおよびR’は、シアノおよびアルカンスルホニルから成る群から選択される。
特に好ましいアミドイオンは、ジシアナミドイオン、すなわち該式R−N−R’(式中、RおよびR’は、両方ともシアノである)のイオンである。
該アミドイオン中の該アルカンスルホニル置換基は、R−S(=O)−(式中、Rは、アルキル基、好ましくはC−C12アルキル基、より好ましくはC−Cアルキル基、例えばメチル、エチル、またはn−ブチルである)のイオンである。該アルキル基は、直鎖または分岐鎖であり得る。さらに、該アルキル基は、1つ以上のハロゲン原子で置換されてもよい。該アルカンスルホニル置換基は、好ましくは、式CX−S(=O)−(式中、Xは、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素から成る群から選択されるハロゲン原子である)のトリハロゲンメタンスルホニル置換基である。より好ましくは、該ハロゲン原子は、フッ素である。最も好ましくは、該トリハロゲンメタンスルホニル置換基は、トリフルオロメタンスルホニル(CF−S(=O)2−)である。
本発明において錯化剤を溶解するためにイオン性液体が使用される場合、イオン性液体は、好ましくは陽イオンとして上記のようなN,N’−ジアルキルイミダゾリウムイオン、および陰イオンとしてテトラフルオロホウ酸イオンを含む。好ましくは、該N,N’−ジアルキルイミダゾリウムイオンは、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムイオンまたは1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオンであり、より好ましくは1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムイオンである。
一般に、錯化剤を溶解するために使用され得る好適なイオン性液体は、「Potential of Silver−Based Room−Temperature Ionic Liquids for Ethylene/Ethane Separation」、Galan Sanchez et al.、Ind.Eng.Chem.Res.、2009、48、10650〜10656ページ、特に該論文の表1に記載され、その論文の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。さらなる好適なイオン性液体は、「Olefin Paraffin Separation Using Ionic Liquids」、Goodrich、Cat.Rev.、2015、28、9〜13ページに記載され、その論文の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。なおさらに好適なイオン性液体は、WO2011/086464、WO2003/59483、WO2001/98239、およびGB2383328に開示され、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
さらに、本プロセスの錯化分離ステップ(d)では、錯化剤を含む液体溶媒としてイオン性液体が使用されることが想定される。そのような場合、イオン性液体は、同時に該液体溶媒と該錯化剤の両方である。好ましくは、そのようなイオン性液体は、銀(I)イオンまたは銅(I)イオン、より好ましくは銀(I)イオンを含む。さらに、そのようなイオン性液体中の陰イオンは、上記の陰イオンであってもよい。そのような方法で使用され得るそのようなイオン性液体の例は、式[(CF−S(=O)−)N]Ag(Ag[NTf])の銀(I)ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド、および式[(CFCFP]Ag(Ag[FAP])の銀(I)トリス(パーフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩である。これらおよび他の好適な銀(I)イオン含有イオン性液体は、「Liquid silver tris(perfluoroethyl)trifluoro phosphate salts as new media for propene/propane separation」、Pliquette et al.、Phys.Chem.Chem.Phys.、2016、18、28242〜28253ページに開示される。しかしながら、これらのイオン性液体については、金属イオン含有イオン性液体を液化および/または希釈するために、追加の液体溶媒、例えば陽イオンとして金属イオンを有さない別のイオン性液体を加えることがさらに好ましい。
錯化剤に加えて、液体溶媒は、酸、オレフィンを錯化しない塩、酸化剤、または機能性有機化合物などの調整剤または調整剤の混合物を含んでもよい。そのような調整剤は、溶媒中の錯化剤の溶解性および/または安定性を高めるために使用されてもよい。酸調整剤の好適な例は、硝酸(HNO)およびフルオロホウ酸(HBF)である。さらに、そのような酸調整剤、特に硝酸は、液体溶媒中の二酸化炭素の物理的溶解度を低下させる可能性があり、これは、錯化分離ステップ(d)でのエチレンからの二酸化炭素の分離を有利に単純化する。本発明において錯化剤を溶解するためにイオン性液体が使用される場合、酸調整剤(例えば、HBF)の陰イオンがイオン性液体の陰イオンと一致することが好ましい。
硝酸銀は、本発明の実施において最も好ましい錯化剤である。硝酸銀は、溶解性が高く、水中で非常に安定している。さらに、形成されるであろう任意の元素銀は、少量の硝酸を使用することにより容易に硝酸銀に再変換され得る。したがって、好ましくは、本発明のステップ(d)では、錯化剤として硝酸銀を含む水溶液が使用される。後者の水溶液は、さらに好ましくは、調整剤として硝酸を含む。
上記の錯化ステップ(d1)では、ステップ(b)または(c)から生じるエチレン、未変換エタン、および二酸化炭素を含む流れの少なくとも一部を、錯化剤を含む液体溶媒と接触させる。該ステップ(d1)におけるエチレン分圧は、0.5〜30バール、より好適には1〜20バール、最も好適には2〜10バールであってもよい。ステップ(d1)におけるエチレン分圧は、ステップ(b)または(c)から生じるエチレン、未変換エタン、および二酸化炭素を含む流れにおけるエチレン分圧と少なくともほぼ同じか、またはそれ以上であり得る。好ましくは、エチレンの分圧は、例えば圧縮機での圧縮により、ステップ(d1)の前に増加される。さらに、該ステップ(d1)に供給される液体溶媒の温度は、好ましくは50℃より低い、より好ましくは40℃より低く、−20〜75℃、より好適には0〜50℃、最も好適には10〜40℃であってもよい。ステップ(d1)の間、内部冷却により過度の温度上昇が避回避され得る。
ステップ(d1)は、向流カラムで実施されてもよい。好ましくは、ステップ(b)または(c)から生じるエチレン、未変換エタン、および二酸化炭素を含む流れの少なくとも一部が該カラムの底部に供給され、錯化剤を含む液体溶媒が該カラムの上部に供給される。該カラムは、パッキングまたはトレイ、好ましくはパッキングを含み得る。錯化ステップ(d1)におけるエチレン回収率は、好ましくは95%超、より好ましくは98%超である。
上記の脱着ステップ(d2)では、ステップ(d1)から生じる溶媒、錯化剤、および錯化エチレンを含む液体流の少なくとも一部から錯化エチレンが脱着される。本発明において、ステップ(d2)における脱着は、エチレン分圧を低下させることにより、または温度を上昇させることにより、またはその両方によりもたらされる。エチレン分圧を低下させることと温度を上昇させることとの組み合わせが好ましい。該ステップ(d2)における全圧は、1ミリバール〜5バール、より好適には1ミリバール〜3バール、最も好適には0.5〜1.5バールであってもよい。さらに、該ステップ(d2)に供給される液体流の温度は、55〜130℃、より好適には65〜130℃、最も好適には80〜120℃であり得る。好ましくは、該液体流の温度は、ステップ(d2)に供給する前に、例えば加熱することにより上昇させる。脱着ステップ(d2)におけるエチレン回収率は、好ましくは95%超、より好ましくは98%超である。脱着ステップ(d2)から生じる溶媒および錯化剤を含む液体流は、好ましくは冷却後に、錯化ステップ(d1)に再循環される。
上記の錯化ステップ(d1)では、未変換エタンおよび二酸化炭素の一部は、錯化剤と複合化されるのではなく、液体溶媒に物理的に吸着(溶解)され得る(以下、「吸着された」未変換エタンおよび二酸化炭素と称される)。ステップ(d1)から生じる液体流が溶媒、錯化剤、錯化エチレン、ならびに吸着された未変換エタン、および二酸化炭素を含む場合、それを脱着ステップ(d2)に供給する前に、該未変換エタンおよび二酸化炭素を該液体流からストリッピングすることが好ましい。そのような場合、好ましくは、吸着された未変換エタンおよび二酸化炭素は、エチレンを含む流れと接触することにより該液体流の少なくとも一部からストリッピングされ、結果として、エチレン、未変換エタン、および二酸化炭素を含む流れであり、その少なくとも一部がステップ(d1)に供給される流れと、溶媒、錯化剤、および錯化エチレンを含む液体流であり、その少なくとも一部がステップ(d2)に供給される液体流とをもたらす。好ましくは、該ストリッピングステップでは、ステップ(d2)の前の早期の脱着を避けるために、エチレン分圧および温度は実質的に変更されない。
上記のストリッピングステップは、向流カラムで実施され得る。好ましくは、ステップ(d1)から生じる液体流の少なくとも一部は、該カラムの上部に供給され、エチレンを含むストリッピング流は、該カラムの底部に供給される。
アセチレンがエタンODHステップ(a)で形成され、任意のステップ(c)で除去されない場合、アセチレンは、錯化分離ステップ(d)への供給に存在し得る。上記のように、アセチレンは、ステップ(d)で錯化剤と強い結合を形成し得る。活性水素を含有するアセチレンは、水溶液への溶解度が制限され、脱着中に分解しない銀または銅アセチリド化合物を形成し得るため、それらは、沈殿するまで蓄積し得る。これは、錯化剤を消費し、流れを妨げ、安全上の問題を引き起こす可能性がある。これらの沈殿物は、特に乾燥している場合、爆発の影響を受けやすいため、効果的に対処するための予防措置を講じなければならない。これに対処する1つの方法は、過マンガン酸銀を酸化剤として使用することにより、銀アセチリド濃度を安全なレベルに維持することである。小さな側流は、脱着器から抜き取り、部分真空下で、例えば75℃に加熱されてもよい。固体の過マンガン酸銀を添加して、二酸化炭素および遊離銀イオンを形成するアセチリドを破壊する。得られた二酸化マンガンは、沈殿し、溶液からろ過される。これにより、外来イオンを添加せずに銀が回収される。銀アセチリドのデータおよび処理は、US4174353に記載され、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
一酸化炭素がエタンODHステップ(a)で形成され、任意のステップ(c)で除去されない場合、一酸化炭素は、錯化分離ステップ(d)への供給に存在し得る。上記のように、所望のエチレン生成物に加えて、一酸化炭素もステップ(d)で錯化剤と錯化し得る。一酸化炭素は、ステップ(d)で使用される錯化剤に存在し得るCu(I)と強く錯化する。後者の場合、そのような錯化された一酸化炭素は、上記のストリッピングステップでは除去されないが、上記の脱着ステップ(d2)でエチレンと共に脱着され、結果として、エチレンおよび一酸化炭素の両方を含む流れをもたらす。
エタンODHステップ(a)ですべての酸素が変換されず、任意のステップ(c)で未変換酸素が除去されない場合、酸素は、錯化分離ステップ(d)への供給に存在し得る。上述のように、酸素は、ステップ(d)で錯化剤として使用され得る金属塩または金属錯体から、例えばCu(I)などの金属を酸化し得る。すべての酸素は、変換エタンおよび二酸化炭素を含む流れの一部として上記の錯化ステップ(d1)で除去され得る。
さらに、水素(H)が錯化分離ステップ(d)への供給に存在し得る。水素は、Ag(I)を徐々に金属銀に還元することができる。コロイド粒子を形成し、表面にメッキすることによって銀が失われるのを防止するために、そのような銀の減少を排除することが好ましい。溶液中の維持レベルの硝酸と組み合わせた少量の過酸化水素の添加は、溶解された銀が沈殿しないように安定させ得る。そのような方法に関するさらなる情報は、US4174353に与えられ、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
ステップ(e)
本プロセスのステップ(e)は、ステップ(d)から生じる未変換エタンおよび二酸化炭素を含む流れの少なくとも一部をステップ(a)に再循環させることを含む。
ステップ(d)から生じる未変換エタンおよび二酸化炭素を含む再循環流は、二酸化炭素の5〜90体積%、より好適には10〜80体積%、最も好適には20〜70体積%を含んでもよい。さらに、該再循環流は、未変換エタンの10〜95体積%、より好適には20〜90体積%、最も好適には30〜80体積%を含んでもよい。さらに、該再循環流は、メタン、窒素、一酸化炭素、および/または酸素を含んでもよい。好適には、メタンの量は、20体積%未満、より好適には10体積%未満、より好適には5体積%未満である。さらに、好適には、窒素、一酸化炭素、および/または酸素の総量は、10体積%未満、より好適には5体積%未満、より好適には3体積%未満である。該メタンは、エタンODHステップ(a)への新鮮なエタンの供給から生じ得る。さらに、該窒素は、エタンODHステップ(a)への新鮮な酸素の供給から生じ得る。
好ましくは、エタンをODHステップ(a)に再循環させる前に、ステップ(d)から生じる未変換エタンおよび二酸化炭素を含む上記の流れは、少なくとも2つの副流に分割され、少なくとも1つの分割された副流は、ステップ(a)に再循環され、少なくとも1つの分割された副流は、ステップ(a)に再循環されない。再循環されていない副流(複数可)は、プロセスから除去(パージ)されるため、破棄され得る。(i)ステップ(a)に再循環される分割された副流(複数可)の、(ii)分割前の全流に対する割合は、好ましくは80〜99.9体積%、より好ましくは85〜99体積%、より好ましくは90〜98体積%、最も好ましくは90〜95体積%である。さらに、該割合は、少なくとも80体積%、または少なくとも85体積%、または少なくとも90体積%、または少なくとも95体積%、または少なくとも97体積%、または少なくとも98体積%、または少なくとも99体積%、または少なくとも99.5体積%であり得る。さらに、該割合は、最大99.9体積%、または最大99.7体積%、または最大99.5体積%、または最大99.3体積%、または最大99体積%、または最大98体積%、または最大95体積%であってもよい。有利には、追加の二酸化炭素がエタンODHステップ(a)および場合により任意のステップ(c)で生成される場合、そのような追加の二酸化炭素は、エタンODHステップに供給される二酸化炭素希釈剤の量が一定に保たれ得るように、再循環の前に再循環流を分割することにより除去され得る。
再循環の前に分割する上記の場合における追加的利点は、ステップ(a)および場合により任意のステップ(c)で生成される追加の二酸化炭素を除去すると同時に、本プロセスのある成分の蓄積も、再循環の前に再循環流の一部をパージすることにより有利に防止され得ることである。有利にパージされ得る該追加の成分は、上述のように、例えば新鮮なエタン供給からのメタンおよび酸素供給からの窒素を含む。したがって、この分割およびパージ手順は、ステップ(a)への新鮮なエタン供給が、一定量のメタン不純物、好適には最大5体積%、または最大3体積%、または2体積%、または最大1体積%、または最大5,000体積百万分率(ppmv)、または最大2,000ppmv、または最大1,000ppmv、または最大500ppmvを含有し得るという追加的利点を有する。同様に、ステップ(a)への酸素供給は、一定量の窒素不純物、好適には最大5体積%、または最大3体積%、または最大2体積%、または最大1体積%、または最大5,000体積百万分率(ppmv)、または最大2,000ppmv、または最大1,000ppmv、または最大500ppmvを含有し得る。ステップ(a)への再循環流の一部をパージすることにより、ステップ(a)におけるこれらの成分のレベルも有利に安定され得る。
任意のさらなるステップ
任意に、あらゆるプロパンが、例えば蒸留により、ステップ(a)への供給前の事前分離ステップでエタン含有流から除去される。したがって、プロパンがエタン供給に存在する場合、本プロセスのステップ(a)の前のステップで、エタンおよびプロパンを含む流れを蒸留塔に供給して、プロパンを含む流れおよびエタンを含む流れを得ることが好ましい。プロパンを含有しないか、または実質的に含有しないエタンを含む後者の流れは、本プロセスのステップ(a)に供給される。該ステップ(a)ではプロパンが全くまたは実質的に存在しないため、ステップ(a)でプロパンからODHによりプロピレンは全くまたは実質的に形成されない。これは、プロピレンおよびエチレンの両方がステップ(d)で使用される錯化剤と錯化し得るため、ステップ(d)で回収されるエチレンからプロピレンを除去する煩雑な分離後ステップを有利に防止する。エタンODHステップに供給する前にエタン含有流からプロパンを除去する事前分離ステップは、WO2017/072086に開示され、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
さらに、ステップ(d)から生じるエチレンを含む流れが、プロピレン、一酸化炭素、酸素、二酸化炭素、および水から成る群から選択される1つ以上の汚染物質をさらに含む場合、このまたはこれらの汚染物質は、1つ以上のさらなるステップで除去され得る。ただし、このようなさらなる精製は、必ずしも必要ではない。場合によっては、粗エチレン流は、さらなる精製を伴わずに、エチレンがさらに変換されるユニットに送られ得る。該汚染物質(複数可)を除去する必要がある場合、これは、当業者に知られている任意の方法で行われ得る。プロピレンは、蒸留により除去されてもよい。一酸化炭素は、例えば酸化触媒として酸化銅を使用して二酸化炭素に変換(酸化)し、その後二酸化炭素を除去することにより除去され得る。酸素は、例えば金属銅を酸化する際に、酸化剤として使用することで除去され得る。二酸化炭素は、苛性洗浄により除去され得る。水は、例えばモレキュラーシーブを使用することにより、乾燥によって除去され得る。
図1および2
本発明のプロセスは、図1および2によってさらに説明される。
図1は、本発明のプロセスのステップ(a)〜(e)を網羅する実施形態を示す。図1では、新鮮なエタンならびに幾らかのプロパンおよびメタンを含む流れ1が蒸留塔2に供給され、そこで新鮮なエタンおよびメタンを含む上部の流れ3、ならびにプロパンを含む下部の流れ4に分離される。該流れ3、酸素を含む流れ6、および二酸化炭素(希釈剤)、未変換エタン、および幾らかのメタンを含む再循環流17bは、混合金属酸化物を含むエタンODH触媒を含み、ODH条件下で動作する酸化脱水素(ODH)ユニット5に供給され、そこで、エタンは、本発明のプロセスの上述のステップ(a)に従ってエチレンに変換される。ODHユニット5から来る生成物流7は、水、メタン、エタン、エチレン、酸素、一酸化炭素、アセチレン、二酸化炭素、および酢酸を含む。該流れ7は、水分凝縮ユニット8に供給される。水分凝縮ユニット8では、水および酢酸は、本発明のプロセスの上述のステップ(b)に従って流れ10を介した凝縮により除去される。任意に、追加の水が流れ9を介して水除去ユニット8に供給される。メタン、エタン、エチレン、酸素、一酸化炭素、アセチレン、および二酸化炭素を含む水分凝縮ユニット8から来る流れ11は、ガス浄化反応器12に供給される。ガス浄化反応器12では、酸素、アセチレン、および一酸化炭素が、本発明のプロセスの上述のステップ(c)に従って除去される。特に、上述の酸化触媒、特に銅を含む酸化触媒を使用して、一酸化炭素およびアセチレンが二酸化炭素に酸化される。任意に、追加の酸素が流れ13を介してガス浄化反応器12に供給される。ガス浄化反応器12から来る生成物流14は、メタン、エタン、エチレン、および二酸化炭素を含む。該流れ14は、錯化分離ユニット15に供給される。錯化分離ユニット15では、本発明のプロセスの上述のステップ(d)に従って錯化分離法が適用される。錯化分離ユニット15は、図2を参照して以下でさらに説明される。錯化分離ユニット15から来る流れ18は、エチレンを含む。錯化分離ユニット15から来る流れ17は、二酸化炭素(希釈剤)、(未変換)エタン、および幾らかのメタンを含む。該流れ17は、ODHユニット5に供給される再循環副流17b、およびプロセスからパージされる副流17aに分割される。そのようなパージにより、メタン(新鮮なエタン供給流1および流れ3に存在する)、追加の二酸化炭素(エタンODHユニット5およびガス浄化反応器12で生成される)、およびすべての窒素(新鮮な酸素供給流6に存在し得る)の蓄積が防止される。
図2は、図1に示されるステップ(a)〜(e)を含むプロセスのステップ(d)に関する実施形態を示す。図2では、ガス浄化反応器12から来る、メタン、エタン、エチレン、および二酸化炭素を含む流れ14は、錯化分離ユニット15の一部である吸着器15aの底部に供給される。該流れ14を吸着器15aに供給する前に、コンプレッサー(図1または2には図示せず)で圧縮される。吸着器15aでは、上述のステップ(d1)に従って、該流れ14が、錯化剤を含む液体溶媒と接触し、この液体溶媒は、流れ16を介して吸着器15aの上部に供給される。吸着器15a内のエチレン分圧は、約4バールであってもよく、吸着器15aに供給される液体流16の温度は、約30℃であってもよい。吸着器15aから来る上部の流れ17は、二酸化炭素、エタン、およびメタンを含む。吸着器15aから来る底部の流れ19は、溶媒、錯化剤、錯化エチレン、ならびに吸着されたメタン、エタン、および二酸化炭素を含む液体流であり、この流れは、錯化分離ユニット15の一部であるストリッパー15bの上部に供給される。ストリッパー15bでは、上記のように、エチレンを含む流れ18bと接触することにより、該吸着されたメタン、エタン、および二酸化炭素がストリッピングされ、この流れ18bは、ストリッパー15bの底部に供給される。ストリッパー15b内のエチレン分圧は、約4バールであってもよく、ストリッパー15bに供給される液体流19の温度は、約30℃であってもよい。ストリッパー15bから来る上部の流れ20は、エチレン、メタン、エタン、および二酸化炭素を含み、コンプレッサー(図2には図示せず)で圧縮され、その後流れ14を介して吸着器15aに供給される。ストリッパー15bから来る底部の流れ21は、溶媒、錯化剤、および錯化エチレンを含む液体流であり、錯化分離ユニット15の一部である脱着器15cに供給される。脱着器15cでは、上述のステップ(d2)に従ってエチレンが脱着される。脱着器15c内の全圧は、約500ミリバールであってもよく、脱着器15cに供給される液体流21の温度は、約80℃であってもよい。脱着器15cから来る上部の流れ18は、脱着されたエチレンを含み、2つの副流18aおよび18bに分割される。副流18bは、コンプレッサー(図2には示せず)で圧縮され、その後ストリッパー15bに供給される。副流18aは、さらに精製されてもよい。脱着器15cから来る底部の流れ16は、溶媒および錯化剤を含む液体流であり、上述のステップ(d3)に従って吸着器15aに再循環される。

Claims (10)

  1. エタンの酸化脱水素のためのプロセスであって、
    (a)エタンを含む流れを酸化的脱水素条件に供するステップであって、混合金属酸化物を含む触媒の存在下で前記エタンを酸素と接触させることを含み、二酸化炭素を含む希釈剤がステップ(a)に供給され、結果として、エチレン、任意に酢酸、未変換エタン、水、二酸化炭素、任意に未変換酸素、任意に一酸化炭素、および任意にアセチレンを含む流出物をもたらす、ステップと、
    (b)ステップ(a)から生じる前記流出物の少なくとも一部から水を除去し、結果として、エチレン、未変換エタン、二酸化炭素、任意に未変換酸素、任意に一酸化炭素、および任意にアセチレンを含む流れと、水および任意に酢酸を含む流れとをもたらすステップと、
    (c)任意に、ステップ(b)から生じるエチレン、未変換エタン、二酸化炭素、任意に未変換酸素、任意に一酸化炭素、および任意にアセチレンを含む前記流れの少なくとも一部から、未変換酸素および/または一酸化炭素および/またはアセチレンを除去し、結果として、エチレン、未変換エタン、および二酸化炭素を含む流れをもたらすステップと、
    (d)ステップ(b)または(c)から生じるエチレン、未変換エタン、および二酸化炭素を含む前記流れの少なくとも一部から、前記流れの少なくとも一部を、錯化剤を含む液体溶媒と接触させることを含む錯化分離法によりエチレンを除去し、結果として、エチレンを含む流れと、未変換エタンおよび二酸化炭素を含む流れとをもたらすステップと、
    (e)ステップ(d)から生じる未変換エタンおよび二酸化炭素を含む前記流れの少なくとも一部をステップ(a)に再循環させるステップと、を含む、プロセス。
  2. ステップ(d)が、
    (d1)ステップ(b)または(c)から生じるエチレン、未変換エタン、および二酸化炭素を含む前記流れの少なくとも一部を、前記錯化剤を含む前記液体溶媒と接触させ、結果として、未変換エタンおよび二酸化炭素を含む流れであって、その少なくとも一部がステップ(e)においてステップ(a)に再循環される流れと、溶媒、錯化剤、および錯化エチレンを含む液体流とをもたらすことと、
    (d2)ステップ(d1)から生じる溶媒、錯化剤、および錯化エチレンを含む前記液体流の少なくとも一部から錯化エチレンを脱着し、結果として、脱着エチレンを含む流れと、溶媒および錯化剤を含む液体流とをもたらすことと、
    (d3)ステップ(d2)から生じる溶媒および錯化剤を含む前記液体流の少なくとも一部をステップ(d1)に再循環させることと、を含む、請求項1に記載のプロセス。
  3. ステップ(d1)から生じる前記液体流が、溶媒、錯化剤、錯化エチレン、ならびに吸着された未変換エタンおよび二酸化炭素を含み、吸着された未変換エタンおよび二酸化炭素は、エチレンを含む流れと接触することにより前記液体流の少なくとも一部からストリッピングされ、結果として、エチレン、未変換エタン、および二酸化炭素を含む流れであって、その少なくとも一部がステップ(d1)に供給される流れと、溶媒、錯化剤、および錯化エチレンを含む液体流であって、その少なくとも一部がステップ(d2)に供給される液体流とをもたらす、請求項2に記載のプロセス。
  4. ステップ(d)への前記供給において、二酸化炭素の量が、エチレン、未変換エタン、および二酸化炭素の総量に基づいて、1〜99体積%、好ましくは5〜95体積%、より好ましくは10〜90体積%、より好ましくは20〜85体積%、より好ましくは30〜80体積%、より好ましくは40〜75体積%、最も好ましくは50〜70体積%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプロセス。
  5. ステップ(d)の前記錯化剤が、金属塩である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロセス。
  6. 前記金属塩が、銀(I)イオンまたは銅(I)イオン、好ましくは銀(I)イオンを含有する、請求項5に記載のプロセス。
  7. 前記金属塩が、硝酸銀である、請求項6に記載のプロセス。
  8. ステップ(d)の前記液体溶媒が、水、有機溶媒、イオン性液体、またはそれらの混合物、好ましくは水である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のプロセス。
  9. ステップ(e)の前に、ステップ(d)から生じる未変換エタンおよび二酸化炭素を含む前記流れが、少なくとも2つの副流に分割され、少なくとも1つの分割された副流が、ステップ(a)に再循環され、少なくとも1つの分割された副流が、ステップ(a)に再循環されない、請求項1〜8のいずれか一項に記載のプロセス。
  10. (i)ステップ(a)に再循環される分割副流(複数可)の、(ii)分割前の全流に対する割合が、80〜99.9体積%、より好ましくは85〜99体積%、より好ましくは90〜98体積%、最も好ましくは90〜95体積%である、請求項9に記載のプロセス。
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