JP2020526635A - 樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

i.少なくとも1つの樹脂成分を含む樹脂系と、ii.硬化剤系と、iii.a)ガラス転移温度が10℃未満のポリマー(A1)を含む1つの段(A)、b)ガラス転移温度が少なくとも60℃のポリマー(B1)を含む1つの段(B)およびc)ガラス転移温度が少なくとも30℃のポリマー(C1)を含むポリマー組成物(PC1)を含む多段ポリマー粒子を含む粒子系とを含む硬化性ポリマー樹脂組成物であって、組成物(PC1)の少なくとも成分a)および成分b)は多段ポリマー(MP1)の一部であり、ポリマー(C1)の質量平均分子量Mwが少なくとも100,000g/molであること、ならびに成分c)は組成物の総重量に基づいて最大40重量%を占めることを特徴とする、硬化性ポリマー樹脂組成物が開示される。

Description

本発明は、多段ポリマーおよび(メタ)アクリルポリマーを含むポリマー樹脂組成物、ならびにそのような組成物を含む複合材料または部品に関する。
特に、本発明は、多段プロセスにより作成されたポリマー粒子の形態の多段ポリマーおよび(メタ)アクリルポリマーを含むポリマー樹脂組成物に関し、(メタ)アクリルポリマーは中程度の分子量を有する。
より詳細には、本発明は、少なくとも2つの段(stage)を含む多段プロセスにより作成されたポリマー粒子と中分子量の(メタ)アクリルポリマーとを含むポリマー組成物、その調製方法、熱硬化性樹脂または熱可塑性ポリマーを含む複合材料用のポリマー組成物ならびにそれを含む組成物および物品における耐衝撃性改良剤としてのその使用に関する。
[技術的な問題]
使用中に高い応力を吸収しなければならない機械的または構造化された部品、物品もしくは構造用接着剤は、ポリマー材料から広く製造されている。機械的または構造化された部品もしくは物品は通常複合材料であるが、構造用接着剤は純粋にポリマーであり得る。複合材料は、2種以上の非混和性材料の巨視的組み合わせである。複合材料は、構造の凝集のための連続相を形成するマトリックス材料と、機械的特性のためのさまざまなアーキテクチャを有する強化材料で少なくとも構成される。
複合材料を使用する目的は、単独で使用した場合にその個別の構成要素からは利用できない複合材料の性能を得ることである。その結果、複合材料は、特に、均質な材料およびその低い密度と比較して機械的性能が優れている(引張強度が高く、引張弾性率が高く、破壊靭性が高い)ため、例えば建築物、自動車、航空宇宙、輸送、レジャー、エレクトロニクスおよびスポーツなどのいくつかの産業分野で広く使用されている。
商業的工業規模での体積の観点から最も重要なクラスは、有機材料との複合材料であり、このマトリックス材料は一般にポリマーである。ポリマー複合材料の主要なマトリックスまたは連続相は、熱可塑性ポリマーまたは熱硬化性ポリマーのいずれかである。
熱硬化性ポリマーは、架橋された三次元構造からなる。架橋は、いわゆるプレポリマー内部の反応性基を硬化させることにより得られる。例えば、硬化は、材料を永久に架橋および硬化させるためにポリマー鎖を加熱することにより得られる。
ポリマー複合材料を調製するために、プレポリマーをガラスビーズまたは繊維などの他の成分、あるいは湿潤または含浸され後で硬化される他の成分と混合する。熱硬化性ポリマーのプレポリマーまたはマトリックス材料の例は、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、エポキシまたはフェノール系のものである。
一度硬化した熱硬化性樹脂は、寸法安定性、機械的強度、電気絶縁性、耐熱性、耐水性および耐薬品性の観点から優れた特性を有する。そのような熱硬化性樹脂は、例えば、エポキシ樹脂またはフェノール樹脂である。しかし、そのような硬化樹脂は破壊靭性が低く、脆い。
熱可塑性ポリマーは、架橋されていない直鎖または分岐ポリマーからなる。熱可塑性ポリマーは、複合材料の生成に必要な成分(例えば、マトリックス用の繊維質基材と熱可塑性ポリマー)を混合するために加熱し、硬化のために冷却することができる。熱可塑性ポリマーによる繊維の湿潤または正しい含浸は、熱可塑性樹脂が十分に流動性である場合にのみ達成できる。
繊維質基材を含浸する別の方法は、熱可塑性ポリマーを有機溶媒に溶解するか、モノマーまたはモノマーとポリマーとの混合物に基づくシロップを使用することである。
広い温度範囲で満足のいく機械的性能を保証および得るためには、熱可塑性ポリマーマトリックスの衝撃性能を向上させる必要がある。
通常、コアシェル粒子の形態の耐衝撃性改良剤は、ゴム状ポリマーを含む段を少なくとも備えた多段プロセスによって作成される。その後、粒子は、完成品の耐衝撃性を高めるために、複合材料の脆性ポリマーまたは構造用接着剤の相の1つに組み込まれる。
しかし、これらの種類の多段ポリマーは、すべての種類の樹脂またはポリマーにおける、例えばエポキシ樹脂またはメタクリル樹脂だけでなく、複合材料および構造用接着剤用のポリマー相またはモノマーの他の前駆体においても、特に均一な分布および/または重要な量での分散が容易ではない。
本発明は、上述の問題を除去または少なくとも軽減すること、および/または一般に改善を提供することを目的とする。
本発明によれば、添付の請求項のいずれか一項で定義される組成物、材料または部品およびプロセスが提供される。
一実施形態では、
i.少なくとも1つの樹脂成分を含む樹脂系、
ii.硬化剤系、ならびに
iii.a)ガラス転移温度が10℃未満のポリマー(A1)を含む1つの段(A)、
b)ガラス転移温度が少なくとも60℃のポリマー(B1)を含む1つの段(B)および
c)ガラス転移温度が少なくとも30℃のポリマー(C1)
を含むポリマー組成物(PC1)を含む多段ポリマー粒子を含む粒子系
を含む硬化性ポリマー樹脂組成物であって、
組成物(PC1)の少なくとも成分a)および成分b)は多段ポリマー(MP1)の一部であり、ポリマー(C1)の質量平均分子量Mwが少なくとも100,000g/molであること、ならびに成分c)は総重量に基づいて組成物の最大40重量%を占めることを特徴とする硬化性ポリマー樹脂組成物が提供される。
本発明者らは、満足のいく衝撃性能を得るには均質性が良好な分散が必要であることを見出した。
本発明の目的は、反応性エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂または(メタ)アクリル樹脂/ポリマーまたは液体モノマーまたは樹脂に迅速かつ容易に分散可能であり、必要な用途に適した粘度を有する多段ポリマー組成物を提案することである。
本発明の別の目的は、反応性エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂または(メタ)アクリル樹脂/ポリマーまたは液体モノマーまたはポリマー粉末の形態の樹脂に容易に分散可能な多段ポリマー組成物を提案することでもある。
本発明のさらなる目的は、反応性エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂または(メタ)アクリル樹脂/ポリマーまたは液体モノマーまたは樹脂に容易に分散可能な乾燥ポリマー粉末の形態の多段ポリマー組成物を提案することである。
本発明の別の目的は、反応性エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂または(メタ)アクリル樹脂/ポリマーまたは液体モノマーまたは樹脂に容易に分散可能な多段ポリマー組成物の作成方法を提案することである。
本発明のさらに別の目的は、反応性エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂または(メタ)アクリル樹脂/ポリマーまたは液体モノマーまたは樹脂に容易に分散可能な乾燥多段ポリマー組成物の製造方法である。
さらに追加の目的は、衝撃特性を満足させる耐衝撃性改良硬化樹脂または接着剤組成物を提案することである。
[本発明の背景]先行技術
WO2016/102666は、多段ポリマーを含む組成物およびその調製方法を開示している。組成物は、100,000g/mol未満の質量平均分子量を有する(メタ)アクリルポリマーも含む。
WO2016/102682は、多段ポリマー組成物およびその調製方法を開示している。多段ポリマーは、質量平均分子量が100,000g/mol未満の(メタ)アクリルポリマーを含む最終段を含む。
FR2934866は、親水性モノマーを含む機能性シェルを有する特定のコアシェルポリマーのポリマー調製を開示している。コアシェルポリマーは、熱硬化性ポリマーの耐衝撃性改良剤として使用されている。
EP1632533は、変性エポキシ樹脂の生成方法を記載している。エポキシ樹脂組成物には、ゴム状ポリマー粒子とゴム粒子を分散させる有機媒体とを接触させるプロセスによって、ゴム状ポリマー粒子が組成物中に分散している。
EP1666519は、ゴム状ポリマー粒子の生成プロセスおよびゴム状ポリマー粒子を含む樹脂組成物のためのプロセスを開示している。
EP2123711は、ゴム状ポリマー粒子がその中に分散している熱硬化性樹脂組成物およびその生成プロセスを開示している。
先行技術文献のいずれも、中程度の分子量を有する(メタ)アクリルポリマーと組み合わせた多段ポリマーを開示していない。
驚くべきことに、
a)ガラス転移温度が10℃未満のポリマー(A1)を含む1つの段(A)と、
b)ガラス転移温度が少なくとも60℃のポリマー(B1)を含む1つの段(B)と、
c)ガラス転移温度が少なくとも30℃のポリマー(C1)と
を含むポリマー組成物(PC1)であって、
組成物(PC1)の少なくとも成分a)および成分b)は多段ポリマー(MP1)の一部であることを特徴とし、ポリマー(C1)の質量平均分子量Mwが少なくとも100,000g/molであること、ならびに成分c)がa)、b)およびc)に基づく組成物の最大40重量%を占めることを特徴とする組成物は、熱硬化性ポリマーまたは熱可塑性ポリマーまたはその前駆体のポリマーマトリックス材料に容易に分散できることが見出された。
驚くべきことに、
a)ガラス転移温度が10℃未満のポリマー(A1)を含む段(A)の1つの層を得るためにモノマーまたはモノマー混合物(A)の乳化重合により重合する工程と、
b)ガラス転移温度が少なくとも60℃のポリマー(B1)を含む段(B)の層を得るためにモノマーまたはモノマー混合物(B)の乳化重合により重合する工程と、
c)ガラス転移温度が少なくとも30℃のポリマー(C1)を含む段(C)の層を得るためにモノマーまたはモノマー混合物(C)の乳化重合により重合する工程と
を含むポリマー組成物(PC1)の製造方法であって、
ポリマー(C1)の質量平均分子量Mwが少なくとも100,000g/molであること、ならびに成分c)がa)、b)およびc)に基づく組成物の最大40重量%を占めることを特徴とする方法は、熱硬化性ポリマーまたは熱可塑性ポリマーまたはその前駆体用のポリマーマトリックス材料中に容易に分散するポリマー粒子の形態のポリマー組成物をもたらすことも見出された。
驚くべきことに、
a)ガラス転移温度が10℃未満のポリマー(A1)を含む段(A)の1つの層を得るためにモノマーまたはモノマー混合物(A)の乳化重合により重合する工程と、
b)ガラス転移温度が少なくとも60℃のポリマー(B1)を含む段(B)の層を得るためにモノマーまたはモノマー混合物(B)の乳化重合により重合する工程と、
工程a)およびb)の両方を組み合わせて多段ポリマー(MP1)を得る工程と、
c)多段ポリマー(MP1)をガラス転移温度が少なくとも30℃のポリマー(C1)とブレンドする工程と
を含むポリマー組成物(PC1)の製造方法であって、
ポリマー(C1)の質量平均分子量Mwが少なくとも100,000g/molであること、ならびに成分c)が工程a)、b)およびc)で得られる組成物の最大40重量%を占めることを特徴とする方法は、熱硬化性ポリマーまたは熱可塑性ポリマーまたはその前駆体用のポリマーマトリックス材料中に容易に分散するポリマー粒子の形態のポリマー組成物をもたらすことも見出された。
驚くべきことに、
i)ポリマー(P1)と、
ii)a)ガラス転移温度が10℃未満のポリマー(A1)を含む1つの段(A)、
b)ガラス転移温度が少なくとも60℃のポリマー(B1)を含む1つの段(B)および
c)ガラス転移温度が少なくとも30℃のポリマー(C1)
を含むポリマー組成物(PC1)と
を含むポリマー組成物(PC2)であって、
組成物(PC1)の少なくとも成分a)および成分b)は多段ポリマー(MP1)の一部であることを特徴とし、ポリマー(C1)の質量平均分子量Mwが少なくとも100,000g/molであること、ならびに成分c)がa)、b)およびc)に基づく組成物の最大40重量%を占めることを特徴とするポリマー組成物(PC2)は、満足のいく衝撃特性を有することも見出された。
一実施形態では、
a)ガラス転移温度が10℃未満のポリマー(A1)を含む1つの段(A)と、
b)ガラス転移温度が少なくとも60℃のポリマー(B1)を含む1つの段(B)と、
c)ガラス転移温度が少なくとも30℃のポリマー(C1)と
を含むポリマー組成物(PC1)を含む多段ポリマー粒子を含む粒子系であって、
組成物(PC1)の少なくとも成分a)および成分b)は多段ポリマー(MP1)の一部であることを特徴とし、ポリマー(C1)の質量平均分子量Mwが少なくとも100,000g/molであること、ならびに成分c)はa)、b)およびc)に基づく組成物の最大40重量%を占めることを特徴とする粒子系が提供される。
さらなる実施形態では、
a)ガラス転移温度が10℃未満のポリマー(A1)を含む段(A)の1つの層を得るためにモノマーまたはモノマー混合物(A)の乳化重合により重合する工程と、
b)ガラス転移温度が少なくとも60℃のポリマー(B1)を含む段(B)の層を得るためにモノマーまたはモノマー混合物(B)の乳化重合により重合する工程と、
c)ガラス転移温度が少なくとも30℃のポリマー(C1)を含む段(C)の層を得るためにモノマーまたはモノマー混合物(C)の乳化重合により重合する工程と
を含むポリマー組成物(PC1)の製造方法であって、
ポリマー(C1)の質量平均分子量Mwが少なくとも100,000g/molであること、ならびに成分c)がa)、b)およびc)に基づく組成物の最大40重量%を占めることを特徴とする方法が提供される。
別の実施形態では、
a)ガラス転移温度が10℃未満のポリマー(A1)を含む段(A)の1つの層を得るためにモノマーまたはモノマー混合物(A)の乳化重合により重合する工程と、
b)ガラス転移温度が少なくとも60℃のポリマー(B1)を含む段(B)の層を得るためにモノマーまたはモノマー混合物(B)の乳化重合により重合する工程と、
工程a)およびb)の両方を組み合わせて多段ポリマー(MP1)を得る工程と、
c)多段ポリマー(MP1)をガラス転移温度が少なくとも30℃のポリマー(C1)とブレンドする工程と
を含むポリマー組成物(PC1)の製造方法であって、
ポリマー(C1)の質量平均分子量Mwが少なくとも100,000g/molであること、ならびに成分c)が工程a)、b)およびc)で得られる組成物の最大40重量%を占めることを特徴とする方法が提供される。
一実施形態では、
i)ポリマー(P1)と、
ii)a)ガラス転移温度が10℃未満のポリマー(A1)を含む1つの段(A)、
b)ガラス転移温度が少なくとも60℃のポリマー(B1)を含む1つの段(B)および
c)ガラス転移温度が少なくとも30°のポリマー(C1)
を含むポリマー組成物(PC1)と
を含むポリマー組成物(PC2)を含む粒子系であって、
ポリマー(C1)の質量平均分子量Mwが100,000g/mol未満であること、ならびに成分c)がa)、b)およびc)に基づく組成物の最大40重量%を占めることを特徴とする粒子系が提供される。
使用される「ポリマー粉末」という用語は、ナノメートル範囲の粒子を含む一次ポリマーの凝集によって得られる少なくとも1μmの範囲の粉末粒子を含むポリマーを指す。
使用される「系」という用語は、単一の成分または複数の成分の混合物を指す。使用される「樹脂系」という用語は、単一の樹脂成分または複数の樹脂成分もしくは樹脂の混合物を指す。使用される「硬化剤系」という用語は、単一の硬化剤成分または複数の硬化剤成分もしくは硬化剤の混合物を指す。使用される「粒子系」という用語は、単一の粒子または複数の粒子の混合物を指す。
使用される「一次粒子」という用語は、ナノメートル範囲の粒子を含む球状ポリマー粒子を指す。好ましくは、一次粒子は、50nmから500nmの間の重量平均粒径を有する。
使用される「粒径」という用語は、球状とみなされる粒子の体積平均直径を指す。
使用される「熱可塑性ポリマー」という用語は、加熱されると液体に変わるか、より液体になるか、または粘性が低くなり、熱と圧力を加えることで新しい形状をとることができるポリマーを指す。
使用される「中程度の分子量」(“medium molecular weight”)という用語は、100,000g/molから1,000,000g/molまでの範囲の質量平均分子量Mwを指す。
使用される「熱硬化性ポリマー」という用語は、硬化により不可逆的に不融性の不溶性ポリマーネットワークに変化する、柔らかい、または固体状、または粘性の状態のプレポリマーを指す。
使用される「ポリマー複合体」という用語は、少なくとも1つのタイプの相ドメインが連続相であり、少なくとも1つの成分がポリマーである複数の異なる相ドメインを含む多成分材料を指す。
使用される「コポリマー」という用語は、ポリマーが少なくとも2種の異なるモノマーからなることを意味する。
使用される「多段ポリマー」とは、多段重合プロセスにより連続的に形成されるポリマーを指す。第1ポリマーが第1段ポリマーであり、第2ポリマーが第2段ポリマーである、すなわち、第2ポリマーは第1乳化ポリマーの存在下で乳化重合により形成される、組成が異なる少なくとも2つの段を備える多段乳化重合プロセスが好ましい。
使用される「(メタ)アクリル」という用語は、あらゆる種類のアクリルモノマーおよびメタクリルモノマーを指す。
「(メタ)アクリルポリマー」という用語は、(メタ)アクリルポリマーが、(メタ)アクリルポリマーの50重量%以上を構成する(メタ)アクリルモノマーから構成されたポリマーを本質的に含むことを意味する。
使用される「乾燥」という用語は、残留水の割合が1.5重量%未満、好ましくは1重量%未満であることを意味する。
本発明においてxからyまでの範囲と言うことにより、この範囲の上限および下限が含まれることを意味し、少なくともxからyまでと同義である。
本発明において、範囲がxからyの間(between)と言うことにより、この範囲の上限と下限は除外され、xよりも大きくyよりも小さいことと同義であることを意味する。
本発明によるポリマー組成物(PC1)に関して、この組成物は、a)ガラス転移温度が10℃未満のポリマー(A1)、b)ガラス転移温度が少なくとも60℃のポリマー(B1)、およびc)ガラス転移温度が少なくとも30℃のポリマー(C1)を含む。
成分c)は、組成物の総重量に基づいて最大40重量%を占める。好ましくは、成分c)は、a)、b)およびc)に基づく組成物の最大35重量%を占め、より好ましくは最大30重量%、さらにより好ましくは30重量%未満、有利には25重量%未満、より有利には20重量%未満を占める。
成分c)は、a)、b)およびc)に基づく組成物の4重量%超を占める。好ましくは、成分c)は、a)、b)およびc)に基づく組成物の5重量%超を占め、より好ましくは6重量%超、さらにより好ましくは7重量%超、有利には8重量%超、より有利には10重量%超を占める。
成分c)は、組成物の総重量に基づいて4重量%から40重量%の間を占める。好ましくは、成分c)は、a)、b)およびc)に基づく組成物の5重量%から35重量%の間を占め、より好ましくは6重量%から30重量%の間、さらに好ましくは7重量%超30重量%未満、有利には7重量%超25重量%未満、より有利には10重量%超20重量%未満を占める。
組成物(PC1)の少なくとも成分a)と成分b)は、多段ポリマー(MP1)の一部である。
少なくとも成分a)と成分b)は、少なくとも2つの段を含む多段プロセスによって得られ、これら2つのポリマー(A1)とポリマー(B1)は多段ポリマーを形成する。
本発明による組成物(PC1)の多段ポリマー(MP1)は、そのポリマー組成が異なる少なくとも2つの段を有する。
多段ポリマー(MP1)は、球状粒子とみなされるポリマー粒子の形態であることが好ましい。これらの粒子は、コアシェル粒子とも呼ばれる。第1段はコアを形成し、第2以降のすべての段はそれぞれのシェルを形成する。コア/シェル粒子とも呼ばれるこのような多段ポリマーが好ましい。
粒子系は一次粒子を含んでもよい。本発明による粒子は、一次粒子であり、15nmから900nmの間の重量平均粒径を有し得る。好ましくは、ポリマーの重量平均粒径は、20nmから800nmの間、より好ましくは、より好ましくは25nmから600nmの間、さらにより好ましくは30nmから550nmの間、さらにより好ましくは35nmから500nmの間、有利には40nmから400nmの間、より有利には75nmから350nmの間、有利には80nmから300nmの間である。一次ポリマー粒子を凝集させて本発明のポリマー粉末を得ることができる。
本発明による一次ポリマー粒子は、ガラス転移温度が10℃未満のポリマー(A1)を含む少なくとも1つの段(A)と、ガラス転移温度が60℃を超えるポリマー(B1)を含む少なくとも1つの段(B)と、ガラス転移温度が30℃を超えるポリマー(C1)を含む少なくとも1つの段(C)とを含む多層構造を有する。
好ましくは、段(A)は少なくとも2つの段の第1段であり、ポリマー(B1)を含む段(B)は、ポリマー(A1)または別の中間層を含む段(A)にグラフトされる。
また、段(A)の前に別の段が存在する可能性があるため、段(A)もシェルであり得る。
第1の実施形態では、ガラス転移温度が10℃未満のポリマー(A1)は、アルキルアクリラートに由来する少なくとも50重量%のポリマー単位を含み、段(A)は、多層構造を有するポリマー粒子の最も内側の層である。言い換えれば、図1に模式的に示すように、ポリマー(A1)を含む段(A)はポリマー粒子のコアである。
第1の好ましい実施形態のポリマー(A1)に関して、このポリマーは、アクリルモノマーに由来する少なくとも50重量%のポリマー単位を含む(メタ)アクリルポリマーである。好ましくは、ポリマー(A1)の60重量%、より好ましくは70重量%がアクリルモノマーである。
ポリマー(A1)中のアクリルモノマーは、C1〜C18アルキルアクリラートまたはそれらの混合物から選択されるモノマーを含む。より好ましくは、ポリマー(A1)のアクリルモノマーは、C2〜C12アルキルアクリルモノマーまたはそれらの混合物のモノマーを含む。さらにより好ましくは、ポリマー(A1)のアクリルモノマーは、C2〜C8アルキルアクリルモノマーまたはそれらの混合物のモノマーを含む。
ポリマー(A1)のガラス転移温度が10℃未満である限り、ポリマー(A1)は、アクリルモノマーと共重合可能な1種または複数のコモノマーを含むことができる。
ポリマー(A1)中の1種または複数のコモノマーは、(メタ)アクリルモノマーおよび/またはビニルモノマーから選択されることが好ましい。
最も好ましくは、ポリマー(A1)のアクリルまたはメタクリルコモノマーは、ポリマー(A1)のガラス転移温度が10℃未満である限り、メチルアクリラート、プロピルアクリラート、イソプロピルアクリラート、ブチルアクリラート、tert−ブチルアクリラート、メチルメタクリラート、エチルメタクリラート、ブチルメタクリラートおよびそれらの混合物から選択される。
特定の実施形態では、ポリマー(A1)はブチルアクリラートのホモポリマーである。
より好ましくは、C2〜C8アルキルアクリラートに由来する少なくとも70重量%のポリマー単位を含むポリマー(A1)のガラス転移温度Tgは−100℃から10℃の間であり、さらにより好ましくは−80℃から0℃の間、有利には−80℃から−20℃の間、より有利には−70℃から−20℃の間である。
第2の好ましい実施形態では、ガラス転移温度が10℃未満のポリマー(A1)は、イソプレンまたはブタジエンに由来する少なくとも50重量%のポリマー単位を含み、段(A)は、多層構造を有するポリマー粒子の最も内側の層である。言い換えれば、ポリマー(A1)を含む段(A)は、ポリマー粒子のコアである。
例示的に、第2の実施形態のコアのポリマー(A1)として、イソプレンホモポリマーまたはブタジエンホモポリマー、イソプレン−ブタジエンコポリマー、ビニルモノマーを最大98重量%含むイソプレンのコポリマー、およびビニルモノマーを最大98重量%含むブタジエンのコポリマーを挙げることができる。ビニルモノマーは、スチレン、アルキルスチレン、アクリロニトリル、アルキル(メタ)アクリラート、またはブタジエンまたはイソプレンであり得る。好ましい実施形態では、コアはブタジエンホモポリマーである。
より好ましくは、イソプレンまたはブタジエンに由来する少なくとも50重量%のポリマー単位を含むポリマー(A1)のガラス転移温度Tgは、−100℃から10℃の間、さらにより好ましくは−90℃から0℃の間、有利には−80℃から0℃の間、最も有利には−70℃から−20℃の間である。
第3の好ましい実施形態では、ポリマー(A1)はシリコーンゴムベースのポリマーである。例えば、シリコーンゴムはポリジメチルシロキサンである。より好ましくは、第2の実施形態のポリマー(A1)のガラス転移温度Tgは−150℃から0℃の間であり、さらにより好ましくは−145℃から−5℃の間、有利には−140℃から−15℃の間、より有利には−135℃から−25℃の間である。
ポリマー(B1)に関して、二重結合を有するモノマーおよび/またはビニルモノマーを含むホモポリマーおよびコポリマーを挙げることができる。好ましくは、ポリマー(B1)は(メタ)アクリルポリマーである。
好ましくは、ポリマー(B1)は、C1〜C12アルキル(メタ)アクリラートから選択される少なくとも70重量%のモノマーを含む。さらにより好ましくは、ポリマー(B1)は、少なくとも80重量%のモノマーC1〜C4アルキルメタクリラートおよび/またはC1〜C8アルキルアクリラートモノマーを含む。
最も好ましくは、ポリマー(B1)のガラス転移温度が少なくとも60℃である限り、ポリマー(B1)のアクリルまたはメタクリルモノマーは、メチルアクリラート、エチルアクリラート、メチルメタクリラート、エチルメタクリラート、ブチルメタクリラートおよびそれらの混合物から選択される。
有利には、ポリマー(B1)は、メチルメタクリラートに由来する少なくとも70重量%のモノマー単位を含む。
好ましくは、ポリマー(B1)のガラス転移温度Tgは、60℃から150℃の間である。ポリマー(B1)のガラス転移温度は、より好ましくは80℃から150℃の間、有利には90℃から150℃の間、さらに有利には100℃から150℃の間である。
好ましくは、ポリマー(B1)は、前の段で作成されたポリマーにグラフトされる。
特定の実施形態では、ポリマー(B1)は架橋されている。
一実施形態では、ポリマー(B1)は機能性コモノマーを含む。機能性コポリマーは、アクリル酸またはメタクリル酸、この酸に由来するアミド、例えば、ジメチルアクリルアミド、2−メトキシ−エチルアクリラートまたはメタクリラート、任意選択で四級化された2−アミノエチルアクリラートまたはメタクリラート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリラート、N−ビニルピロリドンなどの水溶性ビニルモノマーまたはそれらの混合物などから選択される。好ましくは、ポリエチレングリコール(メタ)アクリラートのポリエチレングリコール基は、400g/molから10000g/molまでの範囲の分子量を有する。
ポリマー(C1)に関して、質量平均分子量Mwは少なくとも100,000g/mol、好ましくは100,000g/mol超、より好ましくは105,000g/mol超、さらにより好ましくは110,000g/mol超、有利には120,000g/mol超、より有利には130,000g/mol超、さらにより有利には140,000g/mol超である。
ポリマー(C1)の質量平均分子量Mwは、1,000,000g/mol未満、好ましくは900,000g/mol未満、より好ましくは800,000g/mol未満、さらにより好ましくは700,000g/mol未満、有利には600,000g/mol未満、より有利には550,000g/mol未満、さらにより有利には500,000g/mol未満、最も有利には450,000g/mol未満である。
ポリマー(C1)の質量平均分子量Mwは、100,000g/molから1,000,000g/molの間、好ましくは105,000g/molから900,000g/molの間、より好ましくは110,000g/molから800,000g/molの間、有利には120,000g/molから700,000g/molの間、より有利には130,000g/molから600,000g/molの間、最も有利には140,000g/molから500,000g/molの間である。
好ましくは、ポリマー(C1)は、(メタ)アクリルモノマーを含むコポリマーである。より好ましくは、ポリマー(C1)は(メタ)アクリルポリマーである。さらにより好ましくは、ポリマー(C1)は、C1〜C12アルキル(メタ)アクリラートから選択される少なくとも70重量%のモノマーを含む。有利には、ポリマー(C1)は、少なくとも80重量%のモノマーC1〜C4アルキルメタクリラートおよび/またはC1〜C8アルキルアクリラートモノマーを含む。
好ましくは、ポリマー(C1)のガラス転移温度Tgは30℃から150℃の間である。ポリマー(C1)のガラス転移温度は、より好ましくは40℃から150℃の間、有利には45℃から150℃の間、より有利には50℃から150℃の間である。
好ましくは、ポリマー(C1)は架橋されていない。
好ましくは、ポリマー(C1)は、ポリマー(A1)またはポリマー(B1)のいずれにもグラフトされていない。
一実施形態では、ポリマー(C1)は機能性コモノマーも含む。
機能性コモノマーは式(1)を有し、
式中、RはHまたはCHから選択され、RはHであるか、または、CでもHでもない少なくとも1つの原子を有する脂肪族もしくは芳香族基である。
好ましくは、機能性モノマーはグリシジル(メタ)アクリラート、アクリル酸またはメタクリル酸、これらの酸に由来するアミド、例えば、ジメチルアクリルアミド、2−メトキシエチルアクリラートまたはメタクリラート、任意選択で四級化された2−アミノエチルアクリラートまたはメタクリラート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリラートなどから選択される。好ましくは、ポリエチレングリコール(メタ)アクリラートのポリエチレングリコール基は、400g/molから10000g/molまでの範囲の分子量を有する。
第1の好ましい実施形態において、ポリマー(C1)は、80重量%から100重量%のメチルメタクリラート、好ましくは80重量%から99.8重量%のメチルメタクリラート、および0.2重量%から20重量%のC1〜C8アルキルアクリラートモノマーを含む。有利には、C1〜C8アルキルアクリラートモノマーは、メチルアクリラート、エチルアクリラートまたはブチルアクリラートから選択される。
第2の好ましい実施形態では、ポリマー(C1)は、機能性モノマーを0重量%から50重量%の間で含む。好ましくは、(メタ)アクリルポリマー(P1)は、機能性モノマーを0重量%から30重量%の間、より好ましくは1重量%から30重量%の間、さらにより好ましくは2重量%から30重量%の間、有利には3重量%から30重量%の間、より有利には5重量%から30重量%の間、最も有利には5重量%から30重量%の間で含む。
好ましくは、第2の好ましい実施形態の機能性モノマーは、(メタ)アクリルモノマーである。機能性モノマーは、式(2)または式(3)を有し、

式中、式(2)および式(3)の両方において、RはHまたはCHから選択され;式(2)において、YはOであり、RはHであるか、またはCでもHでもない少なくとも1つの原子を有する脂肪族もしくは芳香族基であり;式(3)において、YはNであり、Rおよび/またはRはHまたは脂肪族もしくは芳香族基である。
好ましくは、機能性モノマー(2)または(3)はグリシジル(メタ)アクリラート、アクリル酸またはメタクリル酸、これらの酸に由来するアミド、例えば、ジメチルアクリルアミド、2−メトキシエチルアクリラートまたはメタクリラート、任意選択で四級化された2−アミノエチルアクリラートまたはメタクリラート、ホスホナートまたはホスファート基を含むアクリラートモノマーまたはメタクリラートモノマー、アルキルイミダゾリジノン(メタ)アクリラート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリラートなどから選択される。好ましくは、ポリエチレングリコール(メタ)アクリラートのポリエチレングリコール基は、400g/molから10,000g/molまでの範囲の分子量を有する。
本発明による一次ポリマー粒子は、少なくとも2つの段を含む多段プロセスによって得られる。組成物(PC1)の少なくとも成分a)と成分b)は、多段ポリマー(MP1)の一部である。
好ましくは、段(A)の間に作られる10℃未満のガラス転移温度を有するポリマー(A1)は、段(B)の前に作成されるか、または多段プロセスの第1段である。
好ましくは、段(B)の間に作られる60℃を超えるガラス転移温度を有するポリマー(B1)は、多段プロセスの段(A)の後に作成される。
第1の好ましい実施形態では、少なくとも30℃のガラス転移温度を有するポリマー(B1)は、多層構造を有するポリマー粒子の中間層である。
好ましくは、段(C)の間に作られる30℃を超えるガラス転移温度を有するポリマー(C1)は、多段プロセスの段(B)の後に作成される。
より好ましくは、段(C)の間に作られる30℃を超えるガラス転移温度を有するポリマー(C1)は、多層構造を有する一次ポリマー粒子の外層である。
段(A)と段(B)の間、および/または段(B)と段(C)の間に追加の中間段があり得る。
ポリマー(C1)とポリマー(B1)は、それらの組成が非常に近く特徴の一部が重複している場合でも、同じポリマーではない。本質的な違いは、ポリマー(B1)が常に多段ポリマー(MP1)の一部であることである。
これは、ポリマー(C1)と多段ポリマーとを含む本発明による組成物を調製するプロセスでさらに説明される。
完成されたポリマー粒子に対する段(C)に含まれる外層のポリマー(C1)の重量比rは、少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも7重量%、さらにより好ましくは少なくとも10重量%である。
本発明によれば、完成されたポリマー粒子に対するポリマー(C1)を含む外側の段(C)の比率rは、最大30w%である。
好ましくは、一次ポリマー粒子を考慮したポリマー(C1)の比率は、5重量%から30重量%の間、好ましくは5重量%から20重量%の間である。
第2の好ましい実施形態では、ガラス転移温度が30℃以上であるポリマー(B1)は、多層構造を有する一次ポリマー粒子、言い換えれば多段ポリマー(MP1)の外層である。
好ましくは、層(B)のポリマー(B1)の少なくとも一部は、前の層で作成されたポリマーにグラフトされる。ポリマー(A1)およびポリマー(B1)をそれぞれ含む2つの段(A)および(B)のみが存在する場合、ポリマー(B1)の一部がポリマー(A1)にグラフトされる。より好ましくは、ポリマー(B1)の少なくとも50重量%がグラフトされる。グラフト化の比率は、ポリマー(B1)を溶媒で抽出し、抽出前後の重量計測により非グラフト化量を測定することによって決定できる。
それぞれのポリマーのガラス転移温度Tgは、例えば熱機械分析としての動的方法によって見積もることができる。
ポリマー(A1)およびポリマー(B1)それぞれのサンプルを得るため、それぞれの段のそれぞれのポリマーのガラス転移温度Tgを個別により簡単に見積もりおよび測定するために、それらは多段プロセスではなく単独で調製することができる。ガラス転移温度Tgを見積もりおよび測定するために、ポリマー(C1)を抽出することができる。
好ましくは、本発明のポリマー組成物は溶媒を含まない。溶媒がないとは、最終的に存在する溶媒が組成物の1重量%未満を構成することを意味する。それぞれのポリマーの合成のモノマーは、溶媒とはみなされない。組成物中に存在する残留モノマーは、組成物の2重量%未満のみである。
好ましくは、本発明によるポリマー組成物は乾燥している。乾燥とは、本発明によるポリマー組成物が3重量%未満の湿度、好ましくは1.5重量%未満の湿度、より好ましくは1.2重量%未満の湿度を含むことを意味する。
湿度は、ポリマー組成物を加熱し重量損失を測定する熱天秤によって測定できる。
本発明による組成物は、自発的に添加された溶媒を何ら含まない。最終的に、それぞれのモノマーの重合からの残留モノマーおよび水は、溶媒とはみなされない。
本発明によるポリマー組成物(PC1)の第1の好ましい製造方法に関して、この方法は、
a)ガラス転移温度が10℃未満のポリマー(A1)を含む段(A)の1つの層を得るためにモノマーまたはモノマー混合物(A)の乳化重合により重合する工程と、
b)ガラス転移温度が少なくとも60℃のポリマー(B1)を含む段(B)の層を得るためにモノマーまたはモノマー混合物(B)の乳化重合により重合する工程と、
c)ガラス転移温度が少なくとも30℃のポリマー(C1)を含む段(C)の層を得るためにモノマーまたはモノマー混合物(C)の乳化重合により重合する工程と
を含み、
ポリマー(C1)の質量平均分子量Mwが少なくとも100,000g/molであること、および成分c)が組成物の総重量に基づいて最大30重量%を占めることを特徴とする。
好ましくは、工程a)は工程b)の前に行われる。
より好ましくは、工程b)は、工程a)で得られたポリマー(A1)の存在下で実施される。
有利には、本発明によるポリマー組成物(PC1)の第1の好ましい製造方法は、
a)ガラス転移温度が10℃未満のポリマー(A1)を含む段(A)の1つの層を得るためにモノマーまたはモノマー混合物(A)の乳化重合により重合する工程と、
b)ガラス転移温度が少なくとも60℃のポリマー(B1)を含む段(B)の層を得るためにモノマーまたはモノマー混合物(B)の乳化重合により重合する工程と、
c)ガラス転移温度が少なくとも30℃のポリマー(C1)を含む段(C)の層を得るためにモノマーまたはモノマー混合物(C)の乳化重合により重合する工程と
を順番に含む多段プロセスであって、
ポリマー(C1)の質量平均分子量Mwが少なくとも100,000g/molであることを特徴とする。
ポリマー(A1)、(B1)および(C1)をそれぞれ含む層(A)、(B)および(C)をそれぞれ形成するためのそれぞれのモノマーまたはモノマー混合物(A)、(B)および(C)は、前に定義したものと同じである。ポリマー(A1)、(B1)および(C1)それぞれの特徴は、前に定義したものと同じである。
好ましくは、本発明によるポリマー組成物の第1の好ましい製造方法は、ポリマー組成物を回収する追加の工程d)を含む。
回収とは、水相と固相との間の部分的分離または分離を意味し、後者はポリマー組成物を含む。
より好ましくは、本発明によれば、ポリマー組成物の回収は、凝固または噴霧乾燥によって行われる。
ガラス転移温度が10℃未満であるポリマー(A1)が、アルキルアクリラートに由来する少なくとも50重量%のポリマー単位を含み、段(A)が、多層構造を有するポリマー粒子の最も内側の層である場合、噴霧乾燥が、本発明によるポリマー粉末組成物の製造方法のための好ましい回収方法および/または乾燥方法である。
ガラス転移温度が10℃未満であるポリマー(A1)が、イソプレンまたはブタジエンに由来する少なくとも50重量%のポリマー単位を含み、段(A)が、多層構造を有するポリマー粒子の最も内側の層である場合、凝固(coagulation)が、本発明によるポリマー粉末組成物の製造方法のための好ましい回収方法および/または乾燥方法である。
本発明によるポリマー組成物の製造方法は、ポリマー組成物を乾燥させる追加の工程e)を任意選択で含むことができる。
好ましくは、ポリマー組成物を回収する工程d)が凝固によって行われる場合に、乾燥工程e)が行われる。
好ましくは、乾燥工程e)の後、ポリマー組成物は、3重量%未満、より好ましくは1.5重量%未満、有利には1%未満の湿度または水を含む。
ポリマー組成物の湿度は、熱天秤で測定できる。
ポリマーの乾燥は、オーブンまたは真空オーブンで組成物を50℃で48時間加熱して行うことができる。
ポリマー(C1)と多段ポリマー(MP1)とを含むポリマー組成物(PC1)の第2の好ましい製造方法に関して、この方法は
a)ポリマー(C1)と多段ポリマー(MP1)とを混合する工程と、
b)任意選択で、得られた前工程の混合物をポリマー粉末の形態で回収する工程と
を含み、
ここで、工程(a)におけるポリマー(C1)および多段ポリマー(MP1)は、水相中の分散液の形態である。
ポリマー組成物(PC1)の第2の好ましい製造方法における多段ポリマー(MP1)は、前記の第1の好ましい方法の工程c)を実行することなく、第1の好ましい方法に従って作成される。
ポリマー(C1)の水性分散液および多段ポリマー(MP1)の水性分散液の量は、得られた混合物中の固体部分のみに基づく多段ポリマーの重量比が少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも20重量%、有利には少なくとも50重量%であるように選択される。
ポリマー(C1)の水性分散液および多段ポリマー(MP1)の水性分散液の量は、得られた混合物中の固体部分のみに基づく多段ポリマーの重量比が最大99重量%、好ましくは最大95重量%、より好ましくは最大90重量%であるように選択される。
ポリマー(C1)の水性分散液および多段ポリマーの水性分散液の量は、得られた混合物中の固体部分のみに基づく多段ポリマーの重量比が5重量%から99重量%の間、好ましくは10重量%から95重量%の間、より好ましくは20重量%から90重量%の間であるように選択される。
回収工程b)が行われない場合、ポリマー組成物(PC1)はポリマー粒子の水性分散液として得られる。分散液の固形分は10重量%から65重量%の間である。
一実施形態において、ポリマー(C1)と多段ポリマー(MP1)とを含むポリマー組成物の製造プロセスの回収工程b)は任意選択ではなく、凝固または噴霧乾燥によって行われることが好ましい。
ポリマー(C1)と多段ポリマーとを含むポリマー組成物(PC1)の第2の好ましい製造方法のプロセスは、ポリマー組成物を乾燥させるための追加の工程c)を任意選択で含むことができる。
乾燥とは、本発明によるポリマー組成物が3重量%未満の湿度、好ましくは1.5重量%未満の湿度、より好ましくは1.2重量%未満の湿度を含むことを意味する。
湿度は、ポリマー組成物を加熱し重量損失を測定する熱天秤によって測定できる。
ポリマー(C1)と多段ポリマーとを含むポリマー組成物の第2の好ましい製造方法は、好ましくはポリマー粉末を生じる。本発明のポリマー粉末は粒子の形態である。ポリマー粉末粒子は、ポリマー(C1)および多段プロセスによって作成された凝集一次ポリマー粒子を含む。
既に述べたように、本発明によるポリマー組成物(PC1)は、より大きなポリマー粒子のポリマー粉末の形態でもあり得る。ポリマー粉末粒子は、第1の好ましい方法による多段プロセスによって作成された凝集一次ポリマー粒子、または多段プロセスによって得られた多段ポリマー(MP1)と第2の好ましい方法に従ってポリマー(C1)から作成されたポリマー粒子とをブレンドすることによって作成された凝集一次ポリマー粒子を含む。
本発明のポリマー粉末に関して、ポリマー粉末は1μmから500μmの間の体積メディアン粒径D50を有する。好ましくは、ポリマー粉末の体積メディアン粒径は、10μmから400μmの間、より好ましくは15μmから350μmの間、有利には20μmから300μmの間である。
体積粒度分布のD10は、少なくとも7μm、好ましくは10μmである。
体積粒度分布のD90は、最大500μm、好ましくは400μm、より好ましくは最大250μmである。
本発明は、耐衝撃性改良ポリマー組成物を得るための、ポリマーの耐衝撃性改良剤としての本発明によるポリマー粉末の形態のポリマー組成物(PC1)の使用にも関する。好ましくは、ポリマーは、熱硬化性ポリマーもしくは熱可塑性ポリマーまたはその前駆体である。
本発明は、構造用接着剤の耐衝撃性改良剤としての本発明によるポリマー粉末の形態のポリマー組成物(PC1)の使用にも関する。好ましくは、接着剤は、エポキシタイプまたは(メタ)アクリルタイプの熱硬化性ポリマーである。
本発明による耐衝撃性改良ポリマー組成物(PC2)に関して、この組成物は、
i)ポリマー(P2)と、
ii)ポリマー組成物(PC1)と
を含み、ポリマー組成物(PC1)は、
a)ガラス転移温度が10℃未満のポリマー(A1)を含む1つの段(A)、
b)ガラス転移温度が少なくとも60℃のポリマー(B1)を含む1つの段(B)、および
c)ガラス転移温度が少なくとも30℃のポリマー(C1)
を含み、
ポリマー(C1)の質量平均分子量Mwが少なくとも100,000g/molであることを特徴とする。
多段プロセスまたはブレンドにより得られるポリマー組成物(PC1)の製造方法の好ましいおよび有利な変形は、前に定義したものと同じである。
それぞれの段(A)および段(B)ならびにポリマー(A1)、ポリマー(B1)およびポリマー(C1)はそれぞれ、前に定義したものと同じである。
本発明による耐衝撃性改良ポリマー組成物(PC2)は、1重量%から50重量%の間のポリマー組成物(PC1)を含む。
ポリマー(P2)は、熱硬化性ポリマーもしくはその前駆体、または熱可塑性ポリマーであり得る。ポリマー(P2)は接着剤、より好ましくは構造用接着剤でもあり得る。
熱硬化性ポリマーに関しては、例として、硬化剤により架橋された不飽和ポリエステル樹脂、ポリアクリル、ポリウレタン、シアノアクリラート、ビスマレイミドおよびエポキシ樹脂を挙げることができる。
熱可塑性ポリマーに関しては、(メタ)アクリルポリマーまたはポリエステルを例として挙げることができる。
エポキシ樹脂ポリマーに関しては、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、トリグリシジル−p−アミノフェノール、ブロモビスフェノールFジグリシジルエーテル、m−アミノフェノールのトリグリシジルエーテル、テトラグリシジルメチレンジアニリン、(トリヒドロキシフェニル)メタンのトリグリシジルエーテル、フェノールホルムアルデヒドノボラックのポリグリシジルエーテル、オルトクレゾールノボラックのポリグリシジルエーテル、およびテトラフェニルエタンのテトラグリシジルエーテルを挙げることができる。これらの樹脂の少なくとも2つの混合物も使用できる。
本発明によるエポキシ樹脂組成物は、多段プロセスにより得られるポリマーを1重量%から50重量%の間、好ましくは2重量%から30重量%の間、より好ましくは5重量%から20重量%の間で含む。
[評価方法]
ガラス転移温度
ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、熱機械分析を実現できる機器で測定する。Rheometrics Companyによって提案されたRDAII「RHEOMETRICS DYNAMIC ANALYSER」が使用されている。熱機械分析は、温度、加えられたひずみまたは変形に応じて、サンプルの粘弾性変化を正確に測定する。装置は、温度変化の制御されたプログラムの間、サンプルの変形を継続的に記録し、ステイン(stain)を固定したままにする。
結果は、温度の関数として、弾性率(G’)、損失弾性率、およびタンデルタを描画することにより得られる。Tgは、タンデルタの派生値がゼロに等しい場合に、タンデルタ曲線で読み取られるより高い温度値である。
分子量
ポリマーの質量平均分子量(Mw)は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定する。
粒径分析
多段重合後の一次粒子の粒径は、ゼータサイザーで測定する。
回収後のポリマー粉末の粒径は、MALVERNのMalvern Mastersizer 3000で測定する。
重量平均粉末粒径、粒度分布、および微粒子の比率の見積もりには、0.5〜880μmの範囲を測定する300mmレンズを備えたMalvern Mastersizer 3000装置を使用する。

Claims (44)

  1. i.少なくとも1つの樹脂成分を含む樹脂系、
    ii.硬化剤系、ならびに
    iii.a)ガラス転移温度が10℃未満のポリマー(A1)を含む1つの段(A)、
    b)ガラス転移温度が少なくとも60℃のポリマー(B1)を含む1つの段(B)および
    c)ガラス転移温度が少なくとも30℃のポリマー(C1)
    を含むポリマー組成物(PC1)を含む多段ポリマー粒子を含む粒子系
    を含む硬化性ポリマー樹脂組成物であって、
    組成物(PC1)の少なくとも前記成分a)および前記成分b)は多段ポリマー(MP1)の一部であり、前記ポリマー(C1)の質量平均分子量Mwは少なくとも100,000g/molであり、前記成分c)はa)、b)およびc)の総重量に基づいて前記組成物の最大40重量%を占める、硬化性ポリマー樹脂組成物。
  2. 前記ポリマー(C1)の質量平均分子量Mwが100,000g/molから1,000,000g/molの間である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記ポリマー(C1)の質量平均分子量Mwが140,000g/molから500,000g/molの間であることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂組成物。
  4. 前記成分c)が、前記組成物の総重量に基づいて5重量%から35重量%の間を占めることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂組成物。
  5. 前記成分c)が、a)、b)およびc)の総重量に基づいて前記組成物の7重量%から25重量%未満の間を占めることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂組成物。
  6. 前記段(A)は第1段であり、ポリマー(B1)を含む段(B)はポリマー(A1)を含む段(A)にグラフトされることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂組成物。
  7. 前記ポリマー(C1)が(メタ)アクリルポリマーであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  8. 前記ポリマー(C1)が、少なくとも80重量%のモノマーC1〜C4アルキルメタクリラートおよび/またはC1〜C8アルキルアクリラートモノマーを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  9. 前記ポリマー(C1)が機能性コモノマーを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  10. 機能性モノマーがグリシジル(メタ)アクリラート、アクリル酸またはメタクリル酸、これらの酸に由来するアミド、例えば、ジメチルアクリルアミド、2−メトキシエチルアクリラートまたはメタクリラート、任意選択で四級化された2−アミノエチルアクリラートまたはメタクリラート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリラートから選択される、請求項9に記載の樹脂組成物。
  11. 前記ポリマー(B1)が架橋されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  12. 前記ポリマー(B1)および(C1)がアクリルポリマーまたはメタクリルポリマーである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  13. 前記ポリマー(A1)がモノマーとしてブタジエンを含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  14. 前記ポリマー(A1)、(B1)および(C1)がアクリルポリマーまたはメタクリルポリマーであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  15. 前記ポリマー(A1)、(B1)または(C1)のアクリルモノマーまたはメタクリルモノマーの少なくとも80重量%が、メチルアクリラート、プロピルアクリラート、イソプロピルアクリラート、ブチルアクリラート、tert−ブチルアクリラート、メチルメタクリラート、エチルメタクリラート、ブチルメタクリラートおよびそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項14に記載の樹脂組成物。
  16. 前記硬化剤系がアミン系硬化剤を含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  17. 前記粒子は、前記硬化性ポリマー樹脂組成物の重量に基づいて2から10重量%、好ましくは2から8重量%までの範囲で存在し、前記組成物の粘度は温度110℃で10から130mPa.s、好ましくは40から100mPa.sまでの範囲である、請求項16に記載の樹脂組成物。
  18. 前記アミン系硬化剤が、アルキレン架橋芳香族アミンを含む芳香族アミンである、請求項16または17に記載の樹脂組成物。
  19. 前記アミン系硬化剤がメチレンビスアニリン、好ましくは4,4−メチレンビスアニリンを含む、請求項16〜18のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  20. メチレンビスアニリンが20℃で液体であり、以下の式を有し、

    式中、R、R、R、R、R1’、R2’、R3’、およびR4’は独立して
    水素;
    〜Cアルコキシ、好ましくはC〜Cアルコキシ(ここで、アルコキシ基は直鎖または分岐鎖、例えばメトキシ、エトキシおよびイソプロポキシであり得る);
    〜Cアルキル、好ましくはC〜Cアルキル(ここで、アルキル基は直鎖または分岐鎖であり、任意に置換されていてもよく、例えばメチル、エチル、イソプロピルおよびトリフルオロメチルであり得る);
    ハロゲン、例えば塩素;
    から選択され、
    式中、R、R、R、R、R1’、R2’、R3’、およびR4’の少なくとも1つはC〜Cアルキル基である、請求項19に記載の組成物。
  21. 前記アミン硬化剤がメチレン−ビス(ジエチルアニリン)(MDEA)、4,4−メチレンビス(イソプロピル−6−メチルアニリン)(MMIPA)、メチレン−ビス−(クロロジエチルアニリン)(MCDEA)、またはビスメチルエチルアニリン−ビス(クロロジエチルアニリン(MMEACDEA)から選択される、請求項16〜20のいずれか一項に記載の組成物。
  22. 前記アミン硬化剤がメチレン−ビス(ジエチルアニリン)(MDEA)と4,4−メチレンビス(イソプロピル−6−メチルアニリン)(MMIPA)との混合物であり、MDEA対MMIPAの比が2:1である、請求項16〜21のいずれか一項に記載の組成物。
  23. 前記硬化剤系がアルキルベンゼンジアミンを含む、請求項16または18に記載の組成物。
  24. 前記アルキルベンゼンジアミンが、1つ以上のアルキル基または1つ以上のチオアルキル基を有するトルエンジアミンを含む、請求項23に記載の組成物。
  25. 前記アルキルベンゼンジアミンが、式

    および/または

    を有するものであり、
    式中、Yは炭素原子1〜4個を含むアルキル基であり、Xは水素または炭素原子1〜4個を含むアルキル基であり、RおよびR’はアルキル基またはアルキルチオ基、好ましくは炭素原子1〜4個を含むアルキル基またはアルキルチオ基である、請求項23または24に記載の組成物。
  26. アルキルベンゼンジアミンが混合物として存在し、構造成分(i)対構造成分(ii)の比が90:10〜70:30、好ましくは80:20である、請求項25に記載の組成物。
  27. 硬化剤系が、ジアルキルチオアルキルベンゼンジアミンを前記硬化剤系の重量に基づいて10から50重量%、好ましくはジアルキルチオアルキルベンゼンジアミンを20から40重量%、より好ましくは18から25重量%含む、請求項25または26に記載の組成物。
  28. 前記ジアルキルチオアルキルベンゼンジアミンが、

    を含む混合物である、請求項25〜27のいずれか一項に記載の組成物。
  29. 前記ジアルキルチオアルキルベンゼンおよびアミン成分が両方とも室温で液体である、請求項24〜28のいずれか一項に記載の組成物。
  30. 前記アミン系硬化剤が、2つ以上の異なるアルキレン架橋芳香族アミンの混合物である、請求項16〜29のいずれか一項に記載の組成物。
  31. 前記アミン系硬化剤が、ビスアニリン系芳香族アミンおよびアルキルベンゼンジアミンを含む成分から選択される混合物である、請求項30に記載の組成物。
  32. 前記アミン硬化剤がアミノフェニルフルオレン硬化剤を含む、請求項16に記載の組成物。
  33. 前記硬化剤が以下の構造式を有し、

    式中、各R°は独立して水素、およびエポキシド基含有化合物の重合に不活性である基から選択され、これらの基はハロゲン、炭素原子1〜6個を有する直鎖および分岐アルキル基、フェニル、ニトロ、アセチルならびにトリメチルシリルから好ましくは選択され;
    各Rは独立して水素ならびに炭素原子1〜6個を有する直鎖および分岐アルキル基から選択され;
    各Rは独立してR、水素、フェニルおよびハロゲンから選択される、請求項16または17に記載の組成物。
  34. 前記硬化剤がハロゲン置換アミノフェニルフルオレン硬化剤を含む、請求項32または33のいずれか一項に記載の組成物。
  35. 前記樹脂成分が少なくともグリシジルエーテルエポキシ樹脂を含む第1の樹脂ポリマーa)とナフタレン系エポキシ樹脂を含む第2の樹脂ポリマーb)との混合物であり、前記エポキシ樹脂ポリマーa)およびb)は、a)およびb)の総重量に基づいて最大33重量%の第2の樹脂ポリマーを含む、請求項32〜34のいずれか一項に記載の組成物。
  36. 前記第2の樹脂ポリマーが、ビスフェノール−A(BPA)ジグリシジルエーテルおよび/またはビスフェノール−F(BPF)ジグリシジルエーテル、ならびにそれらの誘導体の少なくとも1つを含む、請求項35に記載の組成物。
  37. 前記第2のポリマー樹脂b)が、a)およびb)の総重量に基づいて10重量%以上の量、好ましくは15重量%以上の量、より好ましくは20重量%以上の量で存在する、請求項35または36のいずれか一項に記載の組成物。
  38. 前記組成物の非ナフタレン成分が、前記組成物の総重量に基づいて10から90重量%までの範囲の量、好ましくは20から45重量%までの範囲、より好ましくは、65から80重量%までの範囲の量および/または前述の範囲の組み合わせで存在する、請求項35〜37のいずれか一項に記載の組成物。
  39. 前記粒子系が、前記硬化性ポリマー樹脂組成物の重量に基づいて0.1から15重量%までの範囲、好ましくは0.5から13重量%、より好ましくは1.5から11重量%、さらにより好ましくは2から8重量%、最も好ましくは前記硬化性ポリマー樹脂組成物の重量に基づいて2.5から7.5重量%までの範囲、および/または前述の範囲のいずれかの組み合わせで存在する、請求項1〜38のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  40. 前記硬化剤系が、前記硬化性ポリマー樹脂組成物の重量に基づいて5から80重量%までの範囲、好ましくは10から60重量%、より好ましくは15から50重量%、さらにより好ましくは18から42重量%、最も好ましくは前記硬化性ポリマー樹脂組成物の重量に基づいて35から40重量%までの範囲、および/または前述の範囲のいずれかの組み合わせで存在する、請求項1〜39のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  41. 前記樹脂成分と前記硬化剤系との比が1:1から5:2までの範囲、好ましくは2:1から4:3までの範囲、より好ましくは3:2である、請求項1〜40のいずれか一項に記載の組成物。
  42. 繊維強化材料と請求項1〜41の樹脂組成物とを含む複合材料または複合部品であって、前記材料または部品は、樹脂組成物を前記材料または部品の総重量に基づいて31から36重量%までの範囲、好ましくは33から35重量%までの範囲で含む、複合材料または複合部品。
  43. 繊維強化複合材料の製造プロセスであって、繊維材料をエンクロージャ内にレイアップし、請求項1〜41のいずれか一項に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物を温度80〜130℃で強化繊維材料に引き込み、そして前記樹脂を前記強化材料に引き込んだ後、温度を150〜190℃の範囲内で上げる、プロセス。
  44. 繊維強化複合材料の製造における硬化性樹脂としての請求項1〜28のいずれか一項に記載の組成物の使用。

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